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法制・公会計部会(平成25年1月28日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
法制・公会計部会
議事録

平成25年1月28日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政制度分科会 法制・公会計部会
議事次第

平成25年1月28日(月)15:00〜17:14

財務省第一会議室

1.開会

2.議題

  • ○ 法制・公会計部会 部会長代理の選任について

  • ○ 「財務書類等の利活用に関する小グループ」検討結果について
  • ○ 平成23年度「国の財務書類」等について
  • ○ 「財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律」について
  • ○ 特別会計改革について

3.閉会

配付資料

資料1 法制・公会計部会 委員名簿
資料2−1 財務書類等の利活用に向けた小グループ 検討結果報告
資料2−2 「国の財務書類」関係資料等の見直し、作成について
資料2−3 「政策別コスト情報・省庁別財務書類」の概要(ひな形)
資料3 平成23年度「国の財務書類」
参考資料@

平成23年度「国の財務書類」のポイント

参考資料A 「国の財務書類」ガイドブック
参考資料B 平成23年度「国の財務書類」の概要
資料4 財務書類及び政策別コスト情報の公表時期
資料5 「財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律」について
資料6 平成25年度予算編成の基本方針(抄)

4.出席者

部会長

部会長代理

黒川行治 

田近栄治 

大鹿法規課長

小宮調査課長  

泉公会計室長

橘会計制度調査官 

西山課長補佐 

園田課長補佐   

 

委   員

井伊雅子 

井堀利宏

土居丈朗

富田俊基

鵜川正樹

木村琢磨

清水涼子

関川 正        

橋本 尚

長谷部恭男   


午後3時00分開会

〔 泉公会計室長 〕

失礼いたします。お時間になりましたので、財政制度等審議会財政制度分科会法制・公会計部会を開催させていただきたく思います。皆様におかれましてはご多用中のところご出席いただきまして、ありがとうございます。

まず、資料の確認からさせていただきます。お手元のクリップで挟んである資料、表に財政制度等審議会財政制度分科会法制・公会計部会という本日の議題と配付資料のリストが載っている資料が、まずクリップでまとめられておるかと思います。まず1枚目ですが、一番上の紙には議題が並んでおります。法制・公会計部会部会長代理の選任、それから「財務書類等の利活用に関する小グループ」検討結果云々ということで、これは本日の議題でございます。 

配付資料の確認でございます。まず資料1といたしまして、本日、いらっしゃっている方々、委員の方々の名簿でございます。その次めくりまして、資料2−1、1枚もので財務書類等の利活用に向けた小グループ検討結果報告というのがございます。その次に青い色ものの資料で、資料2−2、「国の財務書類」関係資料等の見直し、作成についてという資料がございます。その次が資料2−3、平成23年度政策別コスト情報・省庁別財務書類の概要という、××省と書いてございますが、その資料がございます。その次に資料3ということで冊子になっております。平成23年度「国の財務書類」の書類でございます。そのすぐ下に黄緑色の表紙で参考資料@がございます。平成23年度「国の財務書類」のポイント。その次が参考資料Aとしまして「国の財務書類」ガイドブックとした冊子がございます。さらにその下には参考資料Bといたしまして、A3の資料がホチキス止めで折り畳んでとじてございますが、23年度「国の財務書類」の概要ということでございます。さらにその下、資料4がございまして、横の資料でございますが、表になっております。財務書類及び政策別コスト情報の公表時期という資料。その次が資料5、「財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律」について。そして、一番下に1枚ものの資料で、資料6、平成25年度予算編成の基本方針の抜粋が1枚ものの資料として出ております。本日、資料の順番をこのようにいたしましたが、説明の都合上、申しわけございませんが、資料5と6を先にご説明する内容になるかと思います。後でご参照いただければと思います。 

資料の確認は以上でございますが、さらに今日の議題に入ります前に、当法制・公会計部会の所属委員について報告させていただきます。 

まず、当法制・公会計部会所属の委員の皆様方、お配りしております資料1の法制・公会計部会委員名簿のとおりでございます。以前所属いただいておりました会田委員、中里委員、宗岡委員の各委員におかれましては任期満了によりご退任されております。そして、新たに土居委員、鵜川委員に審議に加わっていただくこととなりました。また、田近委員におかれましては委員として任期満了となられましたけれども、引き続き臨時委員として審議に加わっていただくことになり、今日もお見えでございます。本日、この新しい改選されました委員の中では碓井委員、木村委員、小林委員、ご欠席となっております。いずれにいたしましても、皆様方、引き続き当部会の委員としてよろしくご指導賜れればと思っております。 

また、1月8日に開催されました財政制度等分科会におきまして、新たに黒川委員が部会長として指名されました。ご報告いたします。 それでは、ここからは黒川部会長に議事進行をお願いいたします。

〔 黒川部会長 〕

このたび法制・公会計部会長に指名されました黒川です。よろしくお願いいたします。微力ではございますけれども、誠実に務めてまいりたいと思いますので、皆様方のどうぞご助力をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 

早々ですが、議事に移らせていただきます。議事次第に従いまして議事を進めてまいります。初めに部会長代理の選任ですが、本件につきましては財政制度等審議会で第7条第5項の規定により、部会長が指名することとされております。部会長代理にはこれまで当部会の部会長として長らくご尽力されておられました田近先生にぜひともなっていただきたく、よろしくお願いいたします。

〔 田近部会長代理 〕

よろしくお願いします。

〔 黒川部会長 〕

後見人を得まして、非常に助かりました。ありがとうございます。 

それでは、次の議題に入ります。まずは「財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律」についてでございます。事務局から説明をお願いいたします。

〔 大鹿法規課長 〕

主計局法規課長の大鹿でございます。本年もまたよろしくお願いいたします。 

当初の予定ではこれは報告事項でございますので、終わりのほうでご報告する予定でありましたが、途中で中座させていただきますので、最初に持ってこさせていただきました。  

それで、私のほうからは過去のこと、昨年のことになってしまいますが、特例公債法案の成立の内容、また、その経緯につきまして報告をさせていただきたいと思います。 

資料5をごらんください。1枚おめくりいただきまして、経緯ということになっておりますが、これは法案の成立の経緯ですので、簡単に説明させていただきたいと思いますが、例年ご案内のとおり、特例公債法案は予算と一体不可分の法律、すなわち財政法上は認められていない特例公債、いわゆる赤字国債の発行根拠を求める、そういう法律でございますが、これは予算と一緒に提出をいたしまして、予算と同時に衆議院から参議院に送られ、成立をするというのが通常の日程ではございますが、昨年度といいますか、今年度といいますか、昨年の場合は1月24日に予算と同時に国会に提出されましたが、3月7日、8日にかけて予算が衆議院を通過する段階では成立の見込みが立たないということから、予算と切り離して、別途野党の賛成の道を探るということで継続審議というふうな形になっておりました。 

それで、その後、6月15日社会保障と税の一体改革の関連法案をめぐる民主、自民、公明の折衝とその確認書の取り交わしというのがございました。そして、その関連法案は修正の上、衆議院を通過したわけでございますが、その際に24年度予算におきましては年金の国庫負担についての通常部分と2分の1部分の差額、この部分については交付国債という手法を用いて手当てをするという内容でございましたけれども、これについての規定を削除して、それにかわる所要の法的措置を講じろというのが3党の合意で書かれていた内容でした。これを受けまして、7月末日、31日に、政府案を修正いたしました。その内容は年金国債にかわり、今度は年金特例公債にすると。すなわち26年度以降の引き上げられた消費税によって償還する国債を、年金の追加財源のために発行できることにする。24年度及び25年度についてそのようにするという内容を盛り込んだ修正案を閣議決定して、国会に提出をしました。これにつきましては衆議院では8月28日に可決されましたが、結果的には参議院では審議未了となり、この通常国会の会期末をもって廃案ということになりました。 

臨時国会に入りまして、政府としては全く同じ修正後の条文を閣議決定の上国会に提出をいたしましたが、この取り扱いをめぐって11月13日に、後で見ていただきますけれども、民主、自民、公明の3党の幹事長、政調会長レベルでの確認がなされ、それを踏まえて今度は議員修正をして、それが衆参ともに可決成立したということでございます。11月16日は衆議院の解散日ということで、特例公債法案の成立と同日に解散がなされたということです。 

それで3党の合意の内容ですけれども、次のページ、2ページ目でございますが、実はまだ臨時国会の始まる前のタイミングですけれども、3党の党首会談におきまして当時の野田内閣総理大臣から自民、公明の党首に対しまして、提案がなされております。それは特例公債法案については24年度の扱いだけでなく、これからのことも考えて、予算と一体となって、特例公債法を処理するというルールづくりに関するものです。内容は2つ目の丸にありますけれども、大きく2つ。その2つのうち1つを分けて、3つの提案をされておりまして、1つは24年度の特例公債法案の修正を行う。例えばということで、民主党政権下で決定されました財政運営戦略では、プライマリーバランスについて2015年度までに赤字の対GDP比を半減。20年度までに黒字化するというふうに明記されている。これは自民党のかつて提出した財政健全化責任法と同じ目標であることから、例えば24年度から27年度、あるいは32年度までは特例公債を発行するという規定を修正により本則に加えてはどうか。あるいは、今回の法案ではなくて、来年の通常国会でそのような法案を提出することを修正により附則に規定する。いわゆるプログラム規定というものを設けて、これを約束してはどうかということであります。 

大きなもう一つは、法案の修正という形ではなくて、予算と一体となって特例公債法案を成立させるという与野党間の覚書を交わす。いわば国会慣行をつくるということはいかがかという、こういう提案をされました。これについて、これも踏まえた上で11月13日の最終的な3党確認書、3ページでございますけれども、3項目を確認しておりまして、1つは24年度補正予算においては政策的経費を含む歳出の見直しを行い、24年度の特例公債の発行額を抑制する。 

それから2項目めとしまして、現行の財政健全化目標を踏まえ、中長期的に持続可能な財政構造を確立することを旨として、特例公債発行額の抑制に取り組むことを前提に安定的な財政運営を確保する観点から27年度までの間特例公債の発行を認める。総理の提案の中の27年度のほうでまとまったということになります。 

それから、法形式については、特例公債法案について、所要の修正を行って上記1については附則、上記2については本則に規定する。この3点が確認されました。 

4ページ目に具体的な条文のエッセンスを書かせていただいておりますけれども、1項目めの補正予算における特例公債発行額の抑制ということについてはそのまま附則で同じ趣旨のことを書いております。2項目めのより中長期的な財政規律に関連することでありますが、第2条で、後ろのほうに条文もつけてございますが、本則で平成24年度から27年度までの間の各年度における特例公債発行を認める規定ということで、その前までは24年度でしたが、27年度までに広げるとともに、その次に第3条として、政府は第2条の特例公債を発行する場合においては、中長期的に持続可能な財政構造を確立することを旨として、各年度において特例公債の発行額の抑制に努めるものとするという規定を置いたところであります。 

6ページから8ページに修正案の条文をつけておりますが、そこは割愛させていただきたいと思います。 

今読み上げました中長期的に持続可能な財政構造を確立することを旨としてという意味でありますけれども、議員修正ですから、当方に解釈権があるわけではありませんが、総理の提案を受けて、そして、3党で合意をされたという経緯を踏まえれば、財政健全化目標、3党合意の確認書の中にも現行の財政健全化目標を踏まえということが確認されておりますので、2015年度におけるプライマリーバランスの半減、2020年度までのプライマリーバランスの黒字化ということを目標としているという趣旨であるというふうに私どもとしては受けとめているところであります。 

9ページは本件につきまして、1点、憲法との関係で、これは国会のみならず与党の部会等でも議論になりました。それはこのように財政法の例外である特例公債の発行根拠規定を多年度にわたって国会が政府に対して授権することは、憲法86条における予算の単年度主義といいますか、毎会計年度予算を作成して、国会に提出して、審議を受けて議決を経なければならないという、その規定の趣旨との関係はどうかということでご質問を受けた際の法制局長官の答弁をつけております。下線部のところですが、財政法4条の例外となる、いわゆる特例公債の発行について複数年度にわたる特例を規定しておりますが、各年度の特例公債の発行限度額については毎年度予算総則で規定をし、かつ国会の議決を経ることとされております。したがいまして、特段これによって憲法、とりわけ86条の問題が生ずるとは考えていないわけでございますということで、実際の発行限度額は毎年度予算で定めて国会の議決を得ますので、86条との関係では問題がないということでございます。 

次のページは、この修正案が成立したときの衆議院財務金融委員会における附帯決議をつけてございます。ちなみに参議院の財金委員会においても同様の趣旨の決議をなされておりまして、ここで今回の修正に当たっての国会からの注文事項がまとまってございます。第1項目ですけれども、本委員会の修正により24年度から27年度にわたる特例公債の発行が可能となるが、これは成立した予算を円滑に執行することで国民生活の安定を確保し、経済活動に混乱を招かないための時限的な措置である。政府は、この本委員会の修正の趣旨を踏まえ、いやしくも財政規律を緩め、特例公債の発行を野方図に認めることは一切ないよう財政運営を行うことと。特にということで、これは補正予算における特例公債の抑制の規定を遵守しようということです。 

2項目めとしまして、財政規律の維持、特例公債発行額の抑制は財政民主主義に基づく国会、とりわけ予算議決に関する優越を有する本院の責務であり、権能であることを踏まえ、24年度から27年度まで特例公債の発行に当たっては、予算審議の中でより慎重かつ丁寧な議論に臨むので、政府は財政規律の維持の観点から十分な説明責任を果たせということ。 

それから最後は、プライマリーバランスにつきまして、27年度までに半減、32年度までに黒字化する目標について、その実現に向けて万全を尽くすため中長期の財政健全化への道筋について法制化を含め検討することという、この3点が国会のほうから政府側に対して注文がついているということでございます。 

すみません。次の議題もすぐですので、続けて。

〔 黒川部会長 〕

はい、わかりました。

〔 大鹿法規課長 〕

資料6をごらんください。これはこの1枚紙でございまして、特別会計改革の法案につきまして、この部会でもご説明、ご審議をいただいたかと思いますけれども、これにつきましては先ほど見ていただきましたさきの通常国会におきまして、これも審議未了、廃案ということになりました。それで、その後政権交代がなされたわけでありまして、この25年度予算編成につきましては廃案になった法律を前提とせずに、既存の特別会計、あるいは勘定、あるいは特別会計に関する制度、これに基づいて予算編成を行っております。法案に先立って昨年1月ですが、特別会計改革の基本方針というものを独立行政法人も同じですけれども、閣議決定をしておりまして、それと今回編成した当初予算、25年度予算との整合性を確保するという必要性もございます。今回の予算編成の基本方針におきまして、特別会計及び独立行政法人の見直しについては、昨年の閣議決定は当面凍結する。25年度予算は現行の制度等を前提に編成する。特会及び独法の見直しについては引き続き検討し、改革に取り組むということが閣議決定されております。したがいまして、今後おそらく内閣の中では行政改革を担当する部局を中心に、この独法、特別会計の制度のあり方について、もう一度検討がなされるということになると思います。 

以上でございます。

〔 黒川部会長 〕

ありがとうございました。ただいまの2つの議題、あわせてご説明をいただきましたが、どちらでも結構でございます。あわせてご意見、ご質問等がございましたら、ご発言をお願いいたします。 

〔 土居委員 〕

ご説明、どうもありがとうございました。 

まずはごあいさつさせていただきたいのですが、法制・公会計部会で再びお世話になることになりました土居でございます。公会計基本小委員会に属しておりましたが、しばらくごぶさたしておりまして、またこの議論で何かお役に立てればと思っております。 

今ご説明いただきまして、ありがとうございました。質問を1点させていただきたいのですが、資料5の10ページに附帯決議がありまして、この附帯決議の最後のほうですけれども、いわゆる財政運営戦略で閣議決定された内容に関して言及があって、かつ閣議決定は行政府としての意思ということですけれども、こちらは立法府としての意思として、この項目が附帯決議されているということと理解してよろしいかどうかということですね。つまり、行政府として閣議決定したという内容だけでなく、これは立法府においてもこうした財政健全化の具体的な目標についてより明確に、これからプライマリーバランスに関連して、さらに踏み込んだ形でコミットメントしていくということをある一定の拘束力を持って附帯決議なさったということなのではないかというふうに私は見ておるわけですけれども、そのようなものなのかどうなのかというところについての位置づけをお教えいただければと思います。

〔 大鹿法規課長 〕

通常附帯決議が出された場合、担当閣僚が意見を申し述べる機会がございます。この附帯決議に対しましては正確な答弁は今手元にございませんが、確かご趣旨に添って対応してまいりますという趣旨を時の財務大臣は答えております。したがって、国会の意思に対しまして政府として異存はないし、この趣旨に添って対応していくということであると思います。ただ、その後衆議院が解散されております。解散されましたので、新たな政権として例えばこのプライマリーバランスの目標についてどのように考えるかというのは、一旦白地で考えるという考え方もとり得なくはないというふうに思われます。そこは、したがって、確定的に一旦附帯決議を受けてイエスと言ったから、それが未来永劫政府の方針であるかというと、政権交代といった点を考えますと、そこまでは言えないと。ただし、その時点においてはそうですし、また、現在、財務大臣もこの年央におけて財政運営のあり方といいますか、それについて検討していくということを申し上げていますので、当然一つの重要な材料といいますか、ものになるのではないかと考えます。 

〔 黒川部会長 〕

土居委員、よろしいですか。 

はい、富田委員。

〔 富田委員 〕

今の点に関連してでありますけれども、修正されました特例公債法の2条と3条との関係なんですけれども、27年度までは一括して特例公債の発行が認められるということなんですが、28年度は新たに認めるか認めないか、これからどうするかという議論があるわけですけれども、その際に第3条との関係、第3条は具体的には先ほどの附帯決議で具体的に示されているんですけれども、拘束力があるかどうかについては、今課長がおっしゃった点の留意が必要だとは思うんですけれども、それとの関係で、結局28年度にもう一度あり方を検討していくというトリガー的な役割をここに読み取ることができるかどうかということの解釈なんですけれども、私は読めるように思うんですけれども、その点、いかがでございましょうか。

〔 黒川部会長 〕

いかがでしょうか。

〔 大鹿法規課長 〕

これは個人的な感想の面も入ってしまうかもしれませんが、特例公債の発行のあり方についてはご案内の方も多いかと思いますけれども、昭和51年に当初予算において初めて特例公債を発行せざるを得ない事態に追い込まれて、それ以来、毎年度毎年度、国会に法案を提出して国会の議決を経るという形をとっておりまして、一旦特例公債からの脱却ができたわけでありますが、その後財政事情が残念ながら非常に悪化して、当時とは全く比べ物にならない規模とウエートで、特例公債に依存せざるを得ない状況になったと。そういう中で、現実に衆参におけるねじれ国会というのが発生したということを受けて、この1年間の法案審議等を踏まえた議論の末にこの規定が出てきていることを踏まえますと、平成28年度以降のあり方については、やはり財政健全化の取り組みとあわせて検討されるべきものであるというふうに考えておりますし、それは関係者間、みんなそういう思いがどこかに入っているのではないかというふうに思います。

〔 黒川部会長 〕

富田委員、よろしいですか。

〔 富田委員 〕

もう一点、すみません。今の特例公債法の関係はそのように、これまでの検討が十分に踏まえられて、前向きな法律になっているんですけれども、最後にご説明があった資料6の点なんですけれども、新年度予算の編成の基本方針ですが、ここでも特別会計及び独立行政法人の制度、組織の見直しについて、歳出の効率化を含め、検討がなされてきたわけですけれども、これは今度は先ほどのご説明ですと、関係なしに予算編成するんですよということなんですか。

〔 大鹿法規課長 〕

ここでは主に制度面に触れておりまして、平成24年度の予算を審議する昨年の国会におきまして、25年度からの制度改正を前提にした法案として出されていたものでした。すなわち予算非関連法案として出されていたものが前通常国会において審議未了、廃案になったと。それで、予算非関連として出している趣旨は、国会の状況を踏まえてという面もございますけれども、やはり特別会計制度とか、制度の根本的なところは4月1日の時点で成立していませんと、予算の執行ができなくなるという点を考慮に入れたものでございます。今回、仮に25年度からの制度改正を前提にして予算を組むとなると、これらの法案も成立してもらう必要があるということで、現実問題として予算編成の時期が1月ずれて、国会の審議も1月ずれる中で、なかなか困難であるという判断で制度改正については早くて26年度以降ということにせざるを得ないという前提のもとで、こういう書きぶりになっています。 

今富田委員が言われたような歳出の削減、効率化といった観点はこれまでも取り組んできていますし、これはまた政権の違いによって考え方の違いはありますけれども、それを前提としても、これまでの取り組みは当然前提として折り込んだ形で予算編成は行われているというふうにご理解いただきたいと思います。 

〔 黒川部会長 〕

どうぞ。

〔 富田委員 〕

今のことの関係なんですけれども、独立行政法人の見直しにおきまして、運営費交付金をこれまで一括して要求して、細目はなしに予算が組まれているという問題がありました。それについて、具体的な積算根拠をもって予算編成されるべきだということが閣議決定されたというふうに私は記憶しているんですけれども、その点の予算編成における反映はどのようになっているんでしょうか。22年12月の閣議決定で。

〔 黒川部会長 〕

ちょっと調べて後ほど間に合えば。

〔 大鹿法規課長 〕

ちょっと調べて正確にお答えしますけれども、ご案内のとおりで平成22年12月の独立行政法人の運営費交付金を一括して個々に積算根拠を出せという。

〔 富田委員 〕

そうです。

〔 黒川部会長 〕

そういう閣議決定をされているものですが。

〔 橘会計制度調査官 〕

よろしいですか。当時の閣議決定の、そのまま申しますと、2種類ございます。1つが単年度法人と言われる、要するに、印刷局とか、造幣が単年度法人という位置づけになりました。これらについては積算内訳をもって要求しなさいと。それ以外の中期目標法人、これについてはいわゆる積算内訳まではいいと。ただ、今までの1つではなくて、事項に区分して要求してくださいと。要するに、積算内訳まではいいんだけれども、事項はつけてくださいという話でございますので、それを今年の予算編成でどのように扱っているかというのは今調べさせていただきます。

〔 黒川部会長 〕

ということで、今調べてくださるということでよろしくお願いします。 

ほかに何か、両方の案について、どなたでも結構ですけれども、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。ほかにご質問ございませんか。 

それでは、次の議題に入らせていただきます。財務書類等の利活用に関する小グループ検討結果についてでございます。財務書類等の利活用に関する小グループについては、当部会で昨年9月、国の財務書類、省庁別財務書類、政策別コスト情報に対する理解及びさらなる利活用の促進に向けて議論するために設置されたもので、昨年10月から12月にかけて、計5回小グループを開催いたしました。このときは田近先生が部会長なので、田近先生が一番詳しい。小グループにおいては、国の財務書類のパンフレット等の構成についての議論や、省庁別財務書類、政策別コスト情報における情報分析とさらなる活用に向けた資料作成の議論を行いました。具体的な内容について、事務局からご説明お願いいたします。

〔 泉公会計室長 〕

それでは資料2−1、2−2を用いまして説明をさせていただきます。まず資料2−1でございます。検討結果の報告という形で整理をさせていただきました。今黒川部会長からお話がありましたとおり、小グループにおける検討事項、国の財務書類等の利活用を図るため、既存のデータを活用し、新たな資料を作成することを念頭に検討を進めると。目的は国の財務書類、あるいは省庁別財務書類、政策別コスト情報に対する理解及びさらなる利活用の促進ということでございました。 

小グループのメンバーには、会田委員、黒川委員、小林委員、清水委員、関川委員、田近委員、中里委員になっていただきまして、下の開催経過にありますとおり、5回にわたりまして精力的なご議論をいただきました。ありがとうございます。開催経過につきましては資料に掲載したとおりでございますので、ここでは割愛させていただきます。 

検討の成果は資料2−2に整理させていただいたとおりでございます。資料2−2をご覧いただきたく思います。国の財務書類関係資料等の見直し、作成についてと青い色の資料で、A4の横版で作りました。資料2−2の一番上の1枚目を見ていただきますと、4つに箱が分かれております。左上、「国の財務書類」のポイント、それから左下に、「国の財務書類」ガイドブック、右上になりまして、「国の財務書類」の概要(A3版)、政策別コスト情報・省庁別財務書類の概要と並んでおりまして、小グループでは具体的にこれらの資料についてどう直したらいいかというご議論をいただいたところでございます。 

左上、「国の財務書類」のポイントでございますが、これは先ほど資料紹介の中で申しました参考資料@に相当いたします。「国の財務書類」ガイドブックは参考資料Aに該当いたします。そして、「国の財務書類」の概要(A3版)につきましては参考資料Bに相当するところでございます。最後に政策別コスト情報・省庁別財務書類の概要につきましては資料2−3になります。それぞれ概要やポイントについて簡潔に説明するものになります。 

「国の財務書類」のポイントにつきましては、概要、ポイントを簡潔に説明するということを目的に、米国連邦政府のMD&Aなどを参考にわかりやすい記載ができないかという検討を行っていただいたところでございます。 

「国の財務書類」ガイドブックにつきましては、玄人向けと言っては何ですが、概要や経緯について、財務書類の内容について詳細に説明するということ。また、正確な情報を発信するということを旨として、役割を整理していただきました。 

「国の財務書類」の概要(A3版)は従来どおりということになりました。 

そして、右下の政策別コスト情報・省庁別財務書類の概要につきましては、今、各省で作っております省庁別財務書類の理解及び利用の促進、さらには政策別コスト情報の利用ということで、新たな試みとして検討いただいたところでございます。 

左上の「国の財務書類」のポイントと左下の「国の財務書類」のガイドブックにつきましては、実は、後ほどの説明の順番で恐縮でございますが、23年度の財務書類の概要をご説明する中で紹介させていただきたく思いますので、後回しにさせていただきまして、ここでは資料2−2の1枚目、右下にあります政策別コスト情報・省庁別財務書類の概要につきまして、どのようなものを検討いただいたかということを説明させていただきたく思います。 

これは省庁別財務書類の活用ということで作っていただいたわけですが、作成の方向性といたしまして、箱の中に書いてありますとおり、政策別コスト情報の説明を中心に記載するということではどうか。また、企業の作成するアニュアルレポートなどを参考として記載してはどうか。また、省庁の組織、独立行政法人がどの政策に関連しているのか、そういった関連についても記載する。また、政策運営上の課題についても記載するといったことを主眼に検討してはどうかということでご意見をいただいたものでございます。 

具体的に見ていただきますと、資料2−3でございます。イメージ案としてございます。 

めくっていただきますと1ページ目には何々省の任務と組織等の概要というのを記載しております。そして、2ページ目を見ていただきますと、各政策単位と各省庁の中の各部局の関係がどうなっているか、そこを明らかにする。3ページ目はそれぞれの各政策における事業概要、簡単にまとめていく。5ページ目は、今まで各省で作っております政策別コスト情報、それを円グラフで、それぞれの施策について、対前年度比較という形で比較してはどうか。また、6ページ目は政策別コスト情報。政策別の、経費別の内訳でございます。人件費、補助金、委託費などの内訳を一覧表で掲載する。そして、7ページ目でございますが、政策別コストですが、対前年比でそれぞれの政策について人件費、補助金、委託費の割合がどのように移動したかということを書くということでございます。8ページ目は政策別コストのすべての総計の年次推移を棒グラフでということになります。そして、ストック情報、これも政策別コスト情報に参考情報として載せることになっておりますが、それの推移についても9ページ目でまとめるという形で、まずは政策別コスト情報を先頭に持ってきて、ご紹介する。そして、10ページ目は省庁別財務諸表の貸借対照表、11ページ目には財務書類の概要を文字で記載するという形に整理をいたしております。 

そのほかストックの状況、負債の状況などにつきまして、詳細な説明を13ページ目以降でしているという、こうしたものをつくりました。 

ひな形でございますので、このひな形を参考に、各省庁においてそれぞれ工夫して作っていただきたいということをこれからお願いしたいというふうに思っております。 

小グループの先生方におかれましては、ご検討ありがとうございました。

〔 黒川部会長 〕

ありがとうございました。 

それでは、ただいまの事務局からのご説明について、ご意見、ご質問などございましたらご発言をお願いいたします。

〔 井堀委員 〕

省庁別ということと政策別というのは1対1に対応しているという前提なんでしょうか。当然そうなんですけど、政策によっては省庁をまたがるものもあると思いますから、そのあたりどういう形で政策別コストで扱っているんでしょうか。

〔 泉公会計室長 〕

これは各省において政策評価をしていただくときの単位に添って政策別コスト情報を作成していただいておりますので、基本的に省をまたがる政策はない形でそもそも整理されております。ですので、観念的に申しますと、各省の抱えている政策評価ごとの政策別コスト情報、束ねますと、その省の業務費用に一致するという形で整理しています。

〔 井堀委員 〕

そうですよね。そうすると、最初の政策別コストというのは、省庁別というのが最初に来たほうがわかりやすいんじゃないかという気がするんですけど。省庁をまたがっているやつをやれというのは無理だと思うんですけど、イメージとして政策別コストというと、ほかの省庁をまとめて政策で集約しているようなイメージがあるんですけれども、そうでもないんでしょうか。

〔 泉公会計室長 〕

小グループでも実はどっちを先に資料を持ってくるのかというご議論があったんですけれども、私の理解では省庁別財務書類といいましても、国の財務書類とは違って、何といいましょうか、負債の位置づけとかにつきましては若干アーティフシャルな部分が出てくるところがあるので、各省の文書ということで作っていただくとすれば、政策別のコスト情報から先に持ってきたほうがわかりがいいのではないかというご議論があったように記憶しております。

〔 黒川部会長 〕

どうですか。ご意見ありますか。いいですか。

〔 田近部会長代理 〕

そもそも今説明があったように、後で出てくる国の業務費用計算書、それは各省庁のものを足し合わせていくわけですけれども、各省庁の業務費用計算書を、各省庁の予算を政策別に分類したというのがおわかりだと思います。それが全体で。それをもってこう書いたことに対して井堀先生のあれは省庁別政策?

〔 井堀委員 〕

省庁別政策コスト情報。上に入れたほうがいいかなという気がしただけの話で、大したコメントではありません。

〔 田近部会長代理 〕

どうしますかね。

〔 黒川部会長 〕

後ほど室長からお話になると思いますが、ガイドブックの最後のほうに一覧表が載っています。41ページから一覧表が載っておりまして、ワーキングだは、以前から、一覧表に載っている項目のコスト情報とか、無理を言ってストック情報も欲しいとか、言っていたのです。ここまで情報を作成するのは大変だったのです。画期的だと思います。それをお披露目しようという思いもあって、イメージ案では順番から言うと、全体から先に見て中身に入っていくというのもいいのですけど、政策別情報を広めたいというわけですから、細かい情報を先に見ていただくことになった。このイメージ案ではまず概要があり、省の組織構成が示され、次にこういう政策をやっていますよという事業概要の文章が来る立てつけになっているのです。なお、作成主体はそれぞれの省なので、そういうことになっています。確かに先生がおっしゃるように、政策というと全体を横断しているものもありますものね。

〔 井堀委員 〕

はい。

〔 黒川部会長 〕

ほかに何かご意見ございますでしょうか。どうぞ、鵜川委員。

〔 鵜川委員 〕

鵜川と申します。今回から参加させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 

1つ教えていただきたいんですけれども、非常に画期的で大変わかりやすいものになっているというふうに思いますけれども、実際の予算事業との体系との関係というんでしょうか。どういうふうに理解すればよろしいんでしょうか。

〔 黒川部会長 〕

いいですか。

〔 泉公会計室長 〕

これは政策別のということで整理しておりますので、必ずしも予算上の要求の項目と対応関係にあるということでは……。

〔 黒川部会長 〕

橘調査官、補足をお願いします。

〔 橘会計制度調査官 〕

この政策別コスト情報が中心なんですけれども、まず1点、先ほどの話に戻るのかもしれませんけれども、政策別コスト情報といえば、省庁別であるという大前提に立ったものです。それで政策別コストの政策と予算の関係でございますけれども、予算の関係は、事項という区分が今予算、決算についておりますが、これが全省庁合わせますと1,000ほどございます。1,000強ございます。それをすべからく政策コストにすると非常に重い作業になってしまいますので、そこで中レベルといいますか、政策評価の大きな政策目標と、それから、今言いました予算上の事項という政策区分。これの中間──中間と言っても大きな目標に近いところにあるわけですけれども、それで表示しておりますので、具体的に各予算の事項と政策がどのように結びついているかというのは、すぐさまに結びついているわけではない。ふくそうしているといいますか、そういうことでございますので、ただ、一覧的に要するに大きなくくりの中で見ようとするときに政策という区分にしておりますので、そういうことでご理解いただけたらなというふうに思っております。

〔 黒川部会長 〕

作成に加わりました清水委員。

〔 清水委員 〕

今の鵜川委員のご質問のご趣旨だと思うんですけれども、おそらく政策評価の体系と予算の体系が全く違うものなのかどうなのかというご質問だろうと思うんです。今のお話で、レベル間はいろいろ違いはあったとしても、基本的に平成20年度から体系としては一致させているというふうな理解をしておりますが、そういうことでよろしいんでしょうね。

〔 橘会計制度調査官 〕

結構です。

〔 黒川部会長 〕

よろしいですか。 

〔 鵜川委員 〕

それで、こちらの事例の中に成果事例として具体的な事業名が出てきますけれども、これは実際の予算事業に、必ずしも整合性は体系的でないのかもしれませんけれども、ここを見ることによって主な予算の事業というんでしょうか、そういうものを把握できるという、そのような理解でよろしいんでしょうか。

〔 橘会計制度調査官 〕

結構でございます。

〔 黒川部会長 〕

ほかに何かございますでしょうか。

〔 田近部会長代理 〕

だから、委員の井堀さんのあれだと、アルジェリアの人質の問題とすると、外務省もやるし、飛行機を飛ばした防衛省もやっているわけですよね。だから、海外における日本人の安全、生命の何とかというのが政策だと、それは高い次元では政策というんでしょうけど。ここで言う政策というのは、ある意味で方言で、だから、省庁別業務費用を政策別に分けたということなんだね。だから、アルジェリアの話は、外務省の中のどこに入るかわからないけど、防衛省の中にも入ってくる。だから、そもそも政策別という言葉自身が括弧なんだね。財務諸表においては。だから、それ以上の上の概念で作ろうとすると、これではできない。

〔 井堀委員 〕

それはよくわかっています。

〔 土居委員 〕

今の政策別コスト情報ですけれども、資料2−3は、もちろんイメージなんですけれども、政策評価と一応ある程度意識してマッチングさせようということもあると思いますので、政策評価のところでいろいろ議論されている情報もこの政策コスト情報の中に簡単でもいいので何らかの形で反映できるような、そういうことを考えておられるのかどうか。ないしは、そこは政策評価は政策評価であり、コスト情報はコスト情報だという割り切りなのかどうかというところについてはどのようにお考えでしょうか。

〔 黒川部会長 〕

泉室長、まず。

〔 泉公会計室長 〕

3ページ目のところに、各政策における事業概要というのを書いていただこうと思っておりまして、その中でどの事業があるとか、あるいは政策課題みたいなことについては書いていただくということを念頭に置いております。もちろん初めての試みでもあり、どこまで書き込めるかというのはあるかと思いますけれども、それぞれの省庁で考えて書いていただくということだと思いますし、政策評価の内容というのもおそらく反映されてくるというのが自然だと思っております。

〔 土居委員 〕

こちらの会計の情報のほうが先にできて、評価はおそらくその後で評価がなされるということが順番、当然のことながらそういう順番だと思うので、政策コスト情報を出す段階で、これだけお金を費やしましたというところまでは書けるけれども、それでどうだったかというところについて、当事者というか、担当部局のアピールというんですか、それは書ける。それに対して各省の評価委員というか、ないしは委員会とかそういうところでの評価は、さすがにここには書けないと思うので、次の次元の問題ということだと思いますが、何らかの形で、これは法制・公会計部会の仕事ではないのかもしれませんけれども、両者マッチングさせたものがいずれ、もう少し高い次元ですね。各省で取りまとめられて、公に国民にトータル、一覧性をもって会計の情報と評価も含めて、パッケージングで公表されると、いずれはいいのかなというふうな私の希望といいましょうか、感想を申し上げました。

〔 大鹿法規課長 〕

今の土居先生のご提案、確かに傾聴すべきだと思うんですけれども、おそらくセグメント情報ということで、中分類の政策単位でやったと。これが比較的まとまりもいいということだと思うんですが、今のお話にもあったところなんですが、政策評価というのはまさにアウトプット、アウトカム、そのあたりをどう評価するかというのも大事なので、コストがこれだけかかっているんだということになると、また、結局、そのコストを割り振るときに、いろいろな議論をした上で、特段政策評価と直接そのまま結びつかないという前提のもとで、政策別コスト情報というのも作ってきたと思うんです。おそらく各省庁、そういう前提で作ってきたので、1つの重要な情報ではあると思うんですけれども、直接結びつけるということについてはもうちょっと議論していかないといけないかなというふうに思いますが。ちょっと感想までに。

〔 黒川部会長 〕

何かありますか。 

清水委員と一緒に、田近委員長のもとで検討していた感想ですが。組織、局とかの業務内容が中分類だと近かったのではないかなと思うのですね。もちろん、いろいろな局とかにわたっている政策はコストを分けたりして、非常に苦労して事務局は作られているんです。先ほどセグメントという言葉が出ましたけれども、それぞれのプロジェクトベースの政策がどうであったのかというようなものも大事ですけれども、ここで言っている政策を行う組織単位でどのくらいコストがかかっているとか、ストックもこの程度ありますよというような情報も無理をして作成しているというようなレベル感がある。 

それからもう一つ、3ページは後でまたご説明が──、先ほども言いましたように、各省庁が作成主体ということで、企業会計では経営者が自分の組織というものについてたとえばリスクとしてこういうことがあるかもしれないというような、そういうのをMD&Aというのですけれども述べている。それをイメージして省庁自らが何とか書くものです。しかし、これは公会計室のほうがお願いするのであって、各省庁が自主的にどこまで書いてくれるかという神頼みと言っては何ですけど、相手次第なのですね。公会計室のほうはできるだけ細かく出してほしいのだけれど、向こうのほうの都合もあるというところで、このくらいは書いてほしいというようなのがイメージ図の3ページにある。 

清水委員、何か補足お願いします。

〔 清水委員 〕

土居委員のおっしゃることはまさにもっともだと思いますし、部会の中でも小林委員とか私とかもそういうようなことが望ましいというふうに申し上げていたんですが、実務上2つの問題があります。政策評価のレベルって、もっとこれより低いレベルなので、細かいんですよね。なので、もともとシステム対応が非常に細かいレベルでできていればいいんですが、按分、按分で来ているので、そのレベルを合わそうと思うと、また按分しなきゃいけないという1つ弊害があるというのがあります。 

あと、タイミングの差があって、政策評価は多分出るのが1年ぐらい早いんですよ。なので、それをどうするかというタイミングのずれというのがあると思うんです。 

ただ、私としては、方向性としては土居委員のおっしゃったような方向に持っていくべきだというふうに思っていまして、政策評価が先に先行するのであれば、その情報を例えば政策別コスト情報における「課題」であるとか、さっき室長がおっしゃったようにですね。あるいは「成果事例」に入れるとか、ちょっと順番は逆なんですけれども、取り入れていく工夫はしていくべきだというふうには考えています。

〔 田近部会長代理 〕

ここで止まっちゃうわけにはいかないですけど、土居さんのおっしゃったのも、プラス、マイナスとは言わないけど、公会計の仕事というのは基本的には省庁別の業務費用を彼らの区分する政策別に見たと。アウトカムについては散々議論したんだけど、それは定量化できるわけじゃないので、ここでは述べないと。それは政策評価でやって、それをがっちゃんこするかどうかはある意味で一つの考え方は政策評価するところでこれをお使いくださいと言うのが1つかな。ここでやろうとする、そこはオープンですけど、少なくとも使ってくださいと。 

評価とどうあわせるかは、そこまでは今日我々も小委員会で、そういう議論というか、考え方があるということはやりましたけど、含める、含めないまではやってないですよね。基本的に、まだこれはどういう情報を出すかというので、頭がいっぱい。こういう形で、我々の見る限り、大分すっきり出せたんじゃないのかなということで、結構これを見ると今まで見えないものがわかるところもあるということです。

〔 土居委員 〕

ご説明ありがとうございました。基本的にイメージ案の内容で、私は少なくともこれでスタートしていいんじゃないかとは思っていますが、先ほど申し上げていることは、むしろこれからの発展の方向性といいましょうか、このまま未来永劫、これ以上情報を増やさないという感じではないとは思っていますけれども、そういうスタートのイメージ案としてはよくできていて、ここからさらにいろいろ発展、活用の方法とか、さらにもし盛り込めるとすれば、こういうような情報とかと。 

あともう一つは、おそらくある種予算執行の現場に対する意識改革といいましょうか、こういう情報が行く行くは決算を終えて出るということを、案分ということは若干はあるかもしれないけれども、便宜的な計算はあるかもしれないけれども、自分たちのやっている政策がこういう形でコスト等々いろいろな情報が国民に開示されることになるんだと。そのときにいろいろ乗り越えなければならない意識的な壁も含めて今はまだあるかもしれないけれども、行く行くはこれだけのコストをかけて、これだけのアウトプット、アウトカムが出るという、その対応関係が今までよりももっともっと密接にリンクしていく。それが国民にも意識されていくということなんだといって、それで、現場の方々にも、そういうことがあるから、事前に政策を講じるときには意識してそういうことを考慮しながらむだのないようにやってくださいよという、そういうものの非常に重要な第一歩というような印象があります。

〔 黒川部会長 〕

ありがとうございました。これはいつごろ省庁から上がってくる予定でしたか。

〔 泉公会計室長 〕

年度末を一つのめどにお願いしたいというふうに思っております。各省によっていろいろ事情が違いますので、大変なところもあるかもわかりませんが、私どもからのお願いは、年度内をということでお願いしたいと思っております。

〔 黒川部会長 〕

それではまず出てきたものを見て、もっとこういうのを出してくださいとかの検討はこの場でということになるのでしょうか。

〔 泉公会計室長 〕

確約まではちょっといたしかねるところでありますが、何らかの形で。

〔 黒川部会長 〕

一応出てきたら各委員のほうにはこんなのが出てきたということは。

〔 泉公会計室長 〕

そもそも公表を前提につくっていただくものですので、それは別にここを見てくださいという、これをという形でお知らせすることはできるかと思います。

〔 黒川部会長 〕

ということで、乞うご期待ということでまた検討課題になるかもしれませんけれども、楽しみにしたいと思います。 

それでは、ありがとうございました。次の議題に入ります。平成23年度「国の財務書類」等について事務局よりご説明をお願いいたします。

〔 泉公会計室長 〕

それでは、資料3と参考資料@、A、そして参考資料Bのご説明でございます。本体は資料3でございますが、何分数字と注記の非常に細かい字で書いてあるものでございますので、説明の便宜上、恐縮でございますが、参考資料@の黄色い冊子でご説明させていただければと思っております。 

まず参考資料@でございますが、様式、こういった形、スタイルにつきましては、小グループで相当程度もんでいただきました。かいつまんで申し上げれば、2ページ目のところで、23年度の概要ということで、今回23年度におきまして財務書類上の大きな影響があったところを書くということをご指導いただいたところでございます。また、3ページ目、4ページ目以降、資産、負債の概要について説明が出ておりますが、特に今回からは対前年度比について、その動きをよく、目ぼしいところを拾うという形でつくらせていただきました。 

また、資料の10ページ目以降につきましてはストック、フロー、資産、負債の5年推移の数字なども載せていくという形で整理いただいたところでございます。 

15ページ目、16ページ目はよく話題になります国の資産について、その内容がどういったものであるかということについて、わかりやすい形で説明をするという形で整理をいただきました。 

また、17ページ目、18ページ目につきましては、国の財政を考える上で非常に大きな要素になってまいります公的年金の預り金の推移や、21年に行われました財政検証の概要を載せております。 

19ページ目には国の債務管理について1ページを割きまして、償還年次表など公債の残高に関する記載を載せております。20ページ目は、従来のパンフレットにも載せておりましたが、現金ベースの決算額と発生ベースの財務書類の数字の違いがどこから生じるかということについて、簡単に整理をしたものでございました。 

これで若干詳細になったのですけれども、おそらく国の財務書類についてご関心のある向きの、細かい点も含めて、相当程度カバーできるものができたのではないかと思っております。小グループの皆様方には重ねて御礼を申し上げます。 

それでは、数字の内容について説明させていただきます。まず1ページ目と2ページ目、見開きでございます。表の説明でございますが、2ページ目の上の23年度の概要の角が丸い四角の箱の中を読む形で説明を申し上げます。 

23年度末における国の資産及び負債の状況でございますが、資産合計が628.9兆円、対前年度比は3.8兆円のプラスでございます。負債合計は1,088.2兆円でございまして、対前年度比45.3兆円のプラスでございました。資産と負債の差額である資産・負債差額はマイナス459.3兆円ということで、対前年度比の41.5兆円の悪化という形になりました。業務費用合計は対前年度比5.2兆円の増ということになりまして、139.1兆円でございます。23年度財源合計、租税等収入がプラスの1.5兆円、社会保険料収入がプラス1.1兆円ということで、合わせて対前年度比プラス3.5兆円の95.7兆円という形になりました。 

こうした形で平成23年度には資産・負債差額が41.5兆円の悪化ということになりましたが、主たる要因でございますが、言うまでもないことでございますが、財源不足であり、1年間の業務費用を財源で賄えない状況にあるということでございます。 

主な概要についてと。2ページ目の中ほどに移ります。23年度、何があったかということでございますが、震災の復興・復旧の対応のため、4次にわたる補正予算が編成された年でございました。「この結果」というところでございますが、災害救助費等負担金、あるいは災害等廃棄物処理事業補助金など、災害対策関係で2.6兆円、それから、地方の特別な財政事情の対応などということで、地方交付税交付金が1.6兆円の増加ということになっております。被災中小業者等の経営安定等を目的とした日本政策金融公庫への出資などもございまして、出資金が1.8兆円増加しております。 

「さらに」とした段落でございますが、地震再保険特別会計がございますが、国がやっております地震再保険の事業でございます。責任準備金の期末残高が、支払いに充てられましたので、0.5兆円の取り崩しということになりまして、0.9兆円でございます。国全体の責任準備金、ほかに労災勘定、労災特会の積立金がございますので、減ったといえど9.2兆円となりました。 

また、今回、23年度におきましては、東京電力に対しまして資金援助を行う原子力損害賠償支援機構に対しまして、将来の資金援助見込み額として交付国債5.0兆円の交付を行っております。したがいまして、公債をこのため5.0兆円の計上をするとともに、前払費を同額計上するという処理を行っております。また、交付国債の交付後、この年度の、23年度のうちに政府短期証券などで調達した資金をもちまして同機構に0.7兆円の資金援助ということを行いましたので、これが交付国債の償還という形で資金援助が行われましたので、前払費用は0.7兆円減りまして、4.3兆円という形になっています。ちょうど前払費用のところ、1ページ目の左側の貸借対照表の表の中で見ていただきますと、今まで前払費用、0.0兆円でございましたものが4.3兆円という形でいきなり4.3兆円あらわれているのがおわかりになると思います。 

2ページ目、下のほうに戻りまして、有価証券でございますが、円高介入を23年度、多額の円高介入を行いましたけれども、その結果外貨証券を増加したんですけれども、一方で円高にもかかわらず進行いたしましたので、若干減少いたしまして、結果8.3兆円の増加となりまして、97.6兆円という形になっています。 

そのほか、貸付金、財政融資資金の貸付対象事業の重点化・効率化など進んでおりまして、若干の減少という形になりました。 

公債につきましては、申し上げておりますとおりでございますが、増加いたしまして、公債残高が791.0兆円で過去最高になっております。 3ページ目と4ページ目、見開きをごらんいただきたく思います。先ほど2ページ目の説明でざっくり申し上げましたことが若干細かく書いてあるわけでございます。有価証券のところは先ほど申し上げましたとおり、円高介入の影響が一番大きくございました。 

貸付金も財政融資資金の貸付金の減少といったものが多かったと思います。 

それから、運用寄託金でございますが、給付のほうが保険料収入を若干上回りまして、5.2兆円の減少ということでございます。 

有形固定資産につきましては1.8兆円の減少でございますが、堤防、道路などの減価償却と土地の評価減ということで、などなど合わせまして、トータルで1.8兆円の減少となっています。 

そのほか今東京電力への賠償のための交付国債の関係の記述がその下に出ているということでございます。 

前回、9月の法制・公会計部会で東日本大震災による国有財産への影響は一体幾らだったのかというご質問をいただいておりましたが、同じ3ページ目の中ほど、下の棒グラフの中の有形固定資産という吹き出しが引っ張る形で出ております。トータル緑色の180.9兆円というところの有形固定資産でございますが、その注1に書いてありますとおり、東日本大震災による影響による国有財産、物品の損害見積もり価格、発生ベースの額ではございませんが、0.1兆円、それから、公共用財産に係る災害復旧費用は総額0.2兆円でございましたので、この23年度の財務処理におきましてはその2分の1を公共財産の滅失額という会計処理を行ったところでございます。全体の固定資産に対する震災の影響額というのはこれぐらいであったというのが私どもの受けとめでございます。 

負債のほうに移りまして、これは従来よりも前年度より悪化しましたというのが、一言で申し上げれば、結論でございます。トータルで45.3兆円の負債の増加ということになりました。 

費用のところでございますが、5ページ目と6ページ目でございます。まず左側、費用のところ、社会保障給付費と補助金等、地方交付税交付金、利払費ということで、前年度と微増ないし同額ということになっております。この中で、社会保障給付費が対前年度比で0.0兆円の減少となっております。社会保障給付費といいますと普通であれば増額なのですが、この23年度におきまして22年度と同額になっております。これは何が起きているかといいますと、実は、いわゆる社会保障の中で、この社会保障給付費の中で計上されておりますのが、棒グラフの説明で見ていただきますとわかりますとおり、厚生年金給付費と基礎年金給付費と国民年金給付費と失業等給付費ということで、ほぼ年金関係の給付が中心でございます。そうしますと、大きく見れば年金関係の給付費の額、総額が増えなかったという結論になるわけであります。これは高齢化との関係でどう考えるのかということですが、これは年金局などに照会してみたんですが、昭和60年改正に始まります年金の制度改正、給付乗率の段階的な引き下げとか、支給開始年齢の引き上げの効果が出てまいりまして、年金の受給者の数は増えているんだけれども、受給者1人当たりの平均単価が下がっているという効果がこの中では出てきているということでございます。 

一方で医療のほうは増加しておりますので、補助金等の中に書いておりますとおり、健康保険協会に対する保険料等の社会保障といっても補助金としてくくられるものは補助金等の中に入っておりまして、小さい米印で書いてございますが、平成23年度、27.3兆円ということで、前年度比26.3兆円だったものが、確実に医療のほうは増えているということでございました。 

6ページ目のほうは、今の業務費用を政策別で割ったらどうなるかという、そういう表でございます。きょうご出席ではありませんが、小林先生のご示唆でこの図をつくることになったと記憶しております。見ていただきますと、政策別コスト情報、上位10位で国の業務費用の4分の3ぐらいを占めているということでございます。見ていただきますと、大体厚労省所管の経費が大きいわけですけれども、9番目と10番目に震災の対応の影響でございますが、国土交通省と経済産業省が並んでおりますのが目につくところでございます。 

7ページ目は租税関係、8ページ目は資産・負債差額の増減要因でございますので、説明は割愛させていただきます。 

そのほか10ページ目から5年推移の数字が入っておりますけれども、資産額が着実に減少してきております。一方で、負債のほうは着実にという言い方は語弊がございますが、増えてきているということがございました。 

13ページ目は費用の推移、それから14ページ目はフローの財源の推移でございます。 

13ページ目でございますが、費用合計がプラスされておりますけれども、補助金が景気悪化に対応するために平成21年度に対前年度比増えているというところが目につくところでございます。そのほか利払費ですけれども、利払費変動幅、9.4兆円から9.6兆円ということで、それほど増えているわけではないのですけれども、これはやはり平均金利の低下が続いているためということになろうかと思います。 

そのほか若干細かい話でございますが、公務員人件費もちょっとずつ減少しているんですが、足元で23年、ちょっと増えました。これは何かといいますと、現金ベースの給与の額が増えたのではなくて、ここに書いてございますが、恩給受給者の方々が長生きされるようになったので、恩給受給者の推計人員が増加するということをもって恩給引当金繰入額が増加したというのが主たる要因でございました。 

15ページ目と16ページ目でございますが、国の資産と負債について、資産を売却すれば、まだ財源があるのではないかというご意見も一部でありますので、どういったものが国の資産になっているのかということをわかりやすく説明させていただくということで記述をさせていただきました。原則として対応関係にある負債が存在するものと、公共用財産など現金化が想定できないものが相当程度含まれているということで、ビジュアルに内容をご説明できるようにしたところでございます。 

17ページ目は、公的年金預り金の計上額でございます。式をご覧いただければと思います。 

償還年次表につきましては、先ほどどういった債券を発行しているのかということをわかっていただく上では、こういった情報も必要ではないかということが小グループの場でございまして、記載させていただくということになりました。 

参考資料@でご説明すべき内容は今のとおりでございます。 

参考資料Aでございますが、これは「国の財務書類」ガイドブックという形で冊子にしてございます。これは従来も作っておりましたけれども、少し役割分担を、今ご紹介しました黄緑のポイントと分担いたしまして、財務書類のいわば作り方的なことに特化するという形で作りました。数字はもちろん23年度の財務書類の数字に全部置きかえをしておりますけれども、作り方とか、会計学の専門家の方がご疑問に思われるようなことについて整理をさせていただいたところでございます。詳細は割愛させていただきます。 

参考資料Bは、従来どおりの簡潔に国の財務書類の数字を整理させていただいたものということになります。 

あと財務書類の直接の内容ではございませんが、資料4について説明させていただきたく思います。財務書類及び政策別コスト情報の公表時期でございます。きょう、この部会の場におきまして、今、国の財務書類の報告をさせていただいたところでございますが、明日公表という段取りにしたいと考えております。資料4の1ページ目の一番下のところ、23年度分と書いたところでございますが、今ご説明しましたのが右から2つ目の国の財務書類のところ、一般会計分と合算につきましては25年1月ということで、明日、公表をさせていただきたく思います。ただ、連結につきましては作業の関係がございまして、25年3月ということにさせていただきたく思います。そのほか、先ほど話題に上っておりました右端の欄、政策別コスト情報につきましてもわかりやすい解説版の資料というのは年度末というのは先ほど説明したところですが、本体の資料につきましては明日、足並みをそろえて各省から公表いただきます。真ん中の欄、省庁別財務書類と左から2つ目の特別会計財務書類につきましても各省ご協力をいただきまして、明日、一斉にそれぞれの省から公表するということができるようになりました。公表時期につきまして若干のご紹介でございました。 

私からは以上でございます。

〔 黒川部会長 〕

ありがとうございました。 

それではただいまの泉室長からのご説明について、ご意見、ご質問等ございましたらご発言をお願いいたします。

〔 富田委員 〕

ご説明ありがとうございました。 「国の財務書類」のポイントは、いろいろな観点から予算を、財政を見ることができるので、非常に参考になると思います。 

質問なんですけれども、先ほどご説明の中で社会保障給付、年金の給付については、23年度ほぼ横ばいの要因がわかったんですけれども、その一方で保険料の統計が14ページに社会保険料、これは医療と年金やら、雇用保険料、一緒になっているのでわからないんですけれども、保険料は増えているんですね。しかし、その次の次のページの17ページを見ますと、公的年金預り金がどんどん減っているということなんですが、これはどのように考えたらいいんでしょうか。というか、私、自分で調べればいいんですけれども、ちょっとお聞きしたいのです。国の財務書類は、こういう問題の発見には非常に役に立つような気はいたします。

〔 黒川部会長 〕

これは事務局、だれが。

〔 園田課長補佐 〕

すみません。公的年金預り金の減少につきましては、まさに社会保険料収入と年金に充てる部分の給付との差額の部分を取り崩した、寄託金の減少の見合いの話ですので、そういう部分ではここはまさに給付の話と関連するのが預り金の減少になろうかと思います。 

一方、もう一つのほうの──今私が申し上げたのは、預り金の減少の話はあくまでも年金、GPIFに預けているものの減少と見合う話でして、そこまで今申し上げることはできるんですけれども、もう一つ、富田先生がおっしゃっていた部分については、問題はもう一つ、社会保険料が増加しているというところですか。

〔 富田委員 〕

すみません。保険料については、年金保険料だけじゃなしに、他の保険料も一緒になっているので、統計がわからないので、類推なんですけどね。

〔 田近部会長代理 〕

この13ページのでしょう。富田委員がおっしゃったのは。保険料はどこだっけ。保険料のほうは。

〔 富田委員 〕

だから、13ページと14ページですよ。見ているのは。

〔 田近部会長代理 〕

14ページの保険料。14ページのほうですね。

〔 富田委員 〕

それと17ページを比べれば。

〔 田近部会長代理 〕

この保険料は年金だけなんだ。

〔 富田委員 〕

いや、入っているんですよ、ほかにも。

〔 田近部会長代理 〕

いやいや、部分的には入っているけど、医療とか介護は入っていない。この中に。

〔 橘会計制度調査官 〕

健康保険も入っています。すみません。今社会保険料の中で見ますと年金関係で0.7兆円増加しておりまして、それ以外の部分で0.3兆円。合わせて1兆円増えているわけですけれども、年金の保険料という部分が増えておりますのは、全体的に当然受給者の数は増えております。旧制度の方と新制度の方という、2つがあるので、その平準化に伴ってだんだんと横ばい状態に見えるんだけれども、じゃ、細かい計算をしているわけではありませんけれども、精緻な数字で申し上げられないんですけれども、国の負担と保険料で負担する分の比率の高い部分が増えて、低い部分が──要するに保険料の高い部分の方の合計と低い部分の方の合計で見ると増えたように見えるんですけれども、国の負担というのをそれに乗っけたときに、当然国の負担の小さいところが減り──すみません、逆ですね。国の負担の多いところの分が、要するに、増えて、国の負担の小さいところが減った状態。要するに、ネットするとプラマイちょうど打ち消し合って、いってみれば、0.7兆円の年金保険料が増加しているんだけれども、国の負担分が平準化によって0.7兆円減っている。トータルするとプラマイゼロになるという。

〔 土居委員 〕

そんな難しい話じゃなくて、単に、17ページの残高は収入と支出の差がある意味で影響しているということで、確かに給付は去年と同じぐらいだけれども、そもそも去年の段階においても、給付の支出よりも少ない保険料収入しか入っていなかったので、残高が減ると。さらに今年も、23年度もまた残高は減ったという、そういう話を……。

〔 富田委員 〕

だから、そういうことなんです。つまり、ここの統計というのは、13ページと14ページからで私は17ページが類推し得ると思うんですよね。そういうふうになっていればいいんですが、社会保険料が1本になっているので、これを年金と医療とか分ければ、先ほど医療のほうは13ページでは給付じゃなしに、補助金だという分類だったんですね。だから、統計ごとに定義が違っているので、財務書類でいう定義と予算でいう定義ですね。あるいはGDP統計でいう定義は少しずつ違っているので、いろいろな混乱があるので、何か統一的に見れるものがあったほうがいろいろな専門の方が見られるわけですから、そういうものが何かあったほうがいいなということです。そういうのがあれば、これは非常にインフォマティブな資料だと思います。

〔 土居委員 〕

富田先生の問題提起は非常に重要で、今年というか、平成23年度ではさすがに明日ということなので、間に合わないかもしれませんが、平成24年度で14ページの社会保険料の示し方ということであれば、平成24年度、最新の年度だけでもいいので保険料収入の内訳を少し添え書きでつけておいていただければ、例えば平成23年度に関していえば39.3兆円なんだけれども、細かく年金が幾らでという、そういうのがほかのページを見なくても14ページを見ることによって理解できるということなのかなと思います。

〔 泉公会計室長 〕

ありがとうございます。財務書類という、何か素人わかりがなかなか難しいものについてわかりやすく説明するにはどうしたらいいかというのがこの試みでございました。今のところは確かにわかりよくなっていなかったところだと思います。あしたはこのままでということでご容赦いただきたいと思いますが、今後のということで。ただ一方で、あまり細かく説明していきますと一般向けという趣旨からどんどん離れていくということもございますので、そうした……。

〔 富田委員 〕

何が一般向けかというのは大事なことで、これはやっぱり会計の言葉なんですよ。だから、多分SNA統計の言葉のほうが一般的だという人も多いと思うんですね。予算の言葉ともまたちょっと違うしね。そこらはうまく記しませんと、よくわからないということだと思うんですね。

〔 井伊委員 〕

幾つか質問があります。国の財務書類や先ほどご説明のあった省庁別の書類作成、外注されているということで、ホームページで見たら、1,000万円単位でコストがかかっているようなのですけれども、何のためにやるのかというのを、先ほどの富田先生が指摘されたこと、だれを対象に説明するのかということなのですが、財政の健全性をはかるためということで、目標として先ほどのプライマリーバランスを黒字化するという一般会計のフローの話は出てくるのですが、ほかの国を見ていても、純資産の対GDP比をどうするのかというような目標値のデータを出していただくとより意義があるのではないかと。 

15ページのところに国の資産をどう見るかというところで、資産・負債差額のFが純資産に対応するものであると思うのですが、医療政策の話などにかかわっていると、埋蔵金の話が絶えず出てきて、そういうことに対応するためにこうした書類を整えているとしましたら、ぜひストックに関して目標というものをお示しいただけないのかということを1つご質問……。

〔 黒川部会長 〕

目標ですか。

〔 井伊委員 〕

目標値。例えば純資産の対GDP比を30%にするとか、ニュージーランドであるとか、英国であるとか、そういう形でこうした財務書類というのは使われていますので、そういったことに行く行くはされる予定はあるのかどうかということ。 

難しいということはもちろん存じています。 

2点、また違う視点ですけれども、財務書類は監査することで意味があると思うのですけれども、会計検査院などでの監査というのは、今後経るということはあるのかどうかということ。 

あと、公会計の基準というのはグローバルなもの、国際基準のようなものがあると思うのですが、どういう基準に基づいているのか。それはここで各科目の特徴及び留意点というような形の中に入っているのかもしれませんが、どういう基準に基づいているのかというのは、もしかして見落としているのかもしれませんし、このポイントの中ではあまりにも細かいことになってしまうので書くべきことではないのかもしれないのですが、公会計の基準に関しても簡単に教えていただければと思います。 

以上です。

〔 黒川部会長 〕

まず事務局から。

〔 大鹿法規課長 〕

まず私のほうから目標についてお答えいたしますけれども、政府の財政運営上の目標ということになると、これは政府・与党挙げての大議論になりますので、確かにニュージーランドではというような他国でいろいろな例がある……。

〔 井伊委員 〕

先進国は大体やっているようなんです。

〔 大鹿法規課長 〕

そこはちょっと議論を積み重ねていかなければいけないと思います。

〔 井伊委員 〕

ですから、できれば財政諮問会議、今度また始まりましたので、そういうところの議題にするべきかなと思います。

〔 大鹿法規課長 〕

そうですね。その際、目標というところになると、やっぱり目標に向かって進めていくわけですから、コントロールというか、それがほんとうにできるかどうかという点とか、まさに今もご議論になっていますけれども、わかりやすさということ。その辺もあわせ持って考えていかないと、かつて目標としてあったのは特例公債の依存からの脱却。それから、その後プライマリーバランスということになって、これらは先生ご案内のとおり、フローの概念ですけど、比較的数字としてしっかりと絶対値がわかるということなので、そういった点でなじむかどうかという議論もしていかなきゃいけないと思います。ちょっと感想めいた話で恐縮ですけれども。

〔 泉公会計室長 〕

会計検査院の検査の件、お尋ねいただきました。まず、財務書類の会計の基準でございますが、省庁別財務書類作成基準というのをまさにこの部会の前身だと思いますが、財政制度審議会において会計基準は定めて、検討していただいた上で定めて、それに従って作成しているという現状にございます。 

会計検査院の検査でございますが、まず現状について説明いたしますと、現金ベースの決算については当然会計検査院で検査している。それから、特別会計財務書類につきましては、特別会計に関する法律によりまして、法定でございますので、会計検査院の検査をいただいているという状況でございます。省庁別財務書類そのものですとか、あるいは今ご報告いたしました国の財務書類につきましては会計検査院の直接の検査はいただいていないのですが、基本的に決算で検査していただいた数字をもとに、それからまた特別会計財務書類における検査の数字をもとに、こちらのほうを作成しているという状況でございますので、正確性といったことについては相当程度、一定の水準を満たしているというふうに思っております。これをさらに、会計検査院の検査をいただくということなんですが、どうしても会計検査院の検査をいただきますと1月半ぐらいかかってしまうということがありまして、一方で、国会、あるいはこの場でもだったと思いますが、なるべく早期に公表すべしというご意見もいただいているところでございます。そういったところの兼ね合いを考えると、もうちょっといい方法があればとは確かに思っておりますし、理論的にはそうなんですけれども、現在の実務を考えますと、なかなか難しいということではないかと思っております。

〔 黒川部会長 〕

それから、どういう基準にするのかについてはこの審議会で検討していたということですが、清水委員、関川委員、公会計のほうから何かご意見がありましたら。では、まず清水委員。すみません、富田先生、後で。今の国際公会計との関係で、何か補足がありましたら、井伊委員に対して。

〔 清水委員 〕

国際公会計に関しては多分関川委員のほうで補足していただけると思いますが、最初におっしゃったニュージーランド等の例で、純資産を目安に財政運営をしていくべきというのは、私は究極的にはそうあるべきだというふうに思っておりますが、そこまでの正確性が欠けているんだと思うんです。 

あと、監査についても言及されましたけれども、監査も会計検査院の検査というのは、いわゆる保証型の監査ではありませんので、少し位置づけも違うということで、これは国会議員を初めとする皆さんの理解というのが絶対的に必要になってくると思いますので、少し時間がかかるのではないかなというふうに思っております。

〔 黒川部会長 〕

では3番目について関川委員、何かご意見がございましたら。

〔 関川委員 〕

3番目というのは。

〔 黒川部会長 〕

国際公会計基準との関係というのでしょうか。どういう位置づけの基準なのだというようなご質問だったと思うのですね。ここでつくっている基準は、世界的に見るとどういうような位置づけであったのかというようなご趣旨だったと思うのです、井伊委員のご質問は。

〔 関川委員 〕

省庁別財務書類の作成については平成18年ぐらいですか、その後何度か改正されていたかと思うんですけれども、おそらく作り方の問題とかなりリンクしているので、いわゆる国際的に、あるいは企業の世界で見たら、会計基準というものと若干性格を異にしていて、最初から国の歳入歳出決算をベースにして、あるいは公共用資産に関しては、金額ベースの台帳整理はされていないという現状を前提に、その中からどうやって作りましょうかという話になっていたので、そういった限界の中で、こうやって作りますということなので、一種会計基準と作成の指針というか、マニュアル的な要素、両方ミックスしたような形になっているので、幾つかの点において、企業の会計基準とも異なっていますし、国際公会計基準とも異なっている点があろうかと思います。 

会計基準の、どういうふうに作っているかということは、おそらくガイドブックに詳細にはないんですけれども、ある程度特徴的な部分、例えば出納整理期間をどういうふうに財務書類上取り扱っているかということは詳しい部分として、確かガイドブックのほうには書いてあったかというふうに思って、この辺が特徴的な点でもあり、ある意味ほかの国ですとか、国際公会計基準などとはかなり違う部分でもあろうかと思います。あとは国際的にも年金の会計処理についてどうするかというのはまだ決まっていない。コンセンサスがない部分なんですけれども、省庁別財務諸表の作成基準をつくられたときもすごく大きな議論がされたというふうに聞いておりまして、それについて今どういうふうになっているかというのは、ガイドブックのほうでは丁寧に説明してあるところだというふうに理解しています。

〔 黒川部会長 〕

井伊委員、よろしいでしょうか。 

それでは、富田先生、お待たせしました。

〔 富田委員 〕

今の井伊先生のご指摘の点なんですけど、何点かあるんですけど、1つ目は純資産についての15ページの話は、純資産の取り扱いというのは、資産においてもリクイデート可能なものもあれば、そうじゃないものもあるとか、そういう留保条件がある中での資産・負債差額だというのが1点目ですね。 

それともう一つは、ターゲットとしては、財政運営ということについては、私は概念的にはあろうとは思うんですけれども、例えばマーストリヒト条約ですと3と60ですね。それは暗黙の前提として、5%の成長と、3%の財政赤字対GDP比。それはある意味、ゴールデンルールが前提とかいろいろな前提があって初めて2つのものが目標になるんです。フローとストックですね。フローを決めるのが議会ですね。ストックは、結果論としてあるんでしょうけれども、2つの数字を出すと、なかなか整合性を持って議論ができない。そういう意味じゃフローの目標を設定することは大事であって、もっと大事なことは楽観的な見通しで数字をつくるんじゃなしに、目標として慎重な前提のもとにきっちりとしたものをつくることが大事なので、頭の体操としてはいいんですけれども、私はそういうふうにターゲットについては思います。 

だから、アバウトな議論というふうにお考えかもしれませんけれども、基本的には政治的な意思決定というのはフローでしかできないですね。ストックの部分は過去の政治の決定であって、それをどういうふうに調整していくかというのも当然意思決定にかかわる問題なんですけれども、そういうことだと思います。2つの数字にしちゃうと、ゴールだとか、ターゲットの議論がいろいろあったように、非常に複雑な問題を持ち込んでしまうような気がいたします。

〔 黒川部会長 〕

これは田近先生とも雑談で話していたことなんのすけど、こういうデータをまず示すというのでしょうかね、実績を。しかも本体の情報は細かいのです。ここで説明されたポイントはわかりやすく説明するためにワーキングで検討したものです。この資料は、これまで漸次改善されてきて、大分見やすくなったというか、現状を知る上ですごく役立っている。この情報を見てこれからのいろいろなことを考える。そのための指標も自分で計算してみればいいとか、そういうような検討に活用されていけばいいなという段階を想定している。だから、特定の方向性、どうしろとか、こういう目標に向かっていくべきというような意図を持って情報は作成されてない。要するに、現状を知るということのために、これがあるという位置づけでつくっています。どうぞ。

〔 井伊委員 〕

富田先生がおっしゃった15ページの純資産のことに関してはわかったんですが、1点、よくわからないのは、プライマリーバランスのときに年金の積立金の取り崩しというんですか、社会保障基金はどういうふうに絡んでくるんですか。プライマリーバランスを黒字化するといって、利払いを除いての収支バランスですよね。年金の積立金を取り崩して年金を支払うと、財政が悪化しているにもかかわらず、それが反映されない?

〔 富田委員 〕

具体的事実で言えば、我が国においては国と地方のプライマリー赤字が目標なんです。だから、たとえば過去勤務債務などがどうなっているとか、そういう話は入ってこない。

〔 井伊委員 〕

基金を取り崩して、そこはという……。

〔 黒川部会長 〕

どうぞ。

〔 橘会計制度調査官 〕

すみません。今お話のあった積立金を取り崩す云々というのは、実は実際の業務費用というより給付費の話で、プライマリーバランス上で入ってまいります国の負担部分だけでございますので、給付分を合わせた預り金がどうなったかというのはプライマリーバランス上全く入ってきません。単純に国の負担分だけが、要するに、プライマリーバランスの計算上入ってくるということです。

〔 井堀委員 〕

井伊委員の話なんですけど、ここの部会で、GDP比で見た純資産をきょう設定するのは適当だとは思わないですし、この財務諸表のデータがそれにすぐ役立つとは思えないんですが……。ただ、政府の財政健全化目標としてプライマリーバランスのフローの指標だけでいいのかという話になると、これは全く別の話で、当然、委員が指摘されたようにストックベースでの健全化目標というのはきちんと出すべきです。要するに、財政状況が長期的に維持可能かどうかというのは、GDP比で見た資産残高が発散するかどうかで決まるわけです。フローというよりはストックの情報が非常に重要なので、全くそれを無視してプライマリーバランスだけで議論しろというわけにはいかない。それはもちろん、ここで議論する話ではないと思うんですけど、政府全体としてはストックとフロー、両方の目標をきちんと出して、それは言わなきゃいけないんじゃないでしょうか。2つあるからといって、その2つに整合性がとれないから1つにしていいという話ではないと思います。

〔 富田委員 〕

私が言いたいのは、まずは、だから、きっちりとした財政健全化計画をフローベースで作っていただきたいということですよ。それすらこれまでずっと達成できてなくてですね。それをまず足固めしないと、ということですけど。

〔 大鹿法規課長 〕

すみません。事実関係だけご説明しますけど、井堀先生のおっしゃるとおりで、前の民主党政権に閣議決定した財政運営戦略というところでは、フローのプライマリーバランスの対GDP比の半減と2020年度までの黒字化、プラス2020年代初頭における債務残高、GDP比の安定的な引き下げが目標として掲げられていたということですので、フローだけでなくて、ストック目標もあるということで。ご専門の前で大変恐縮ですけど、財政の持続可能性という点からの目標も掲げているということです。 

あと、国、地方、合わせたものと、それから民主党政権のもとでは国も国単独であっても同じ目標を持っている。政権交代後、国地方ベースなのか、国ベースなのかというところに若干の相違が出てきていて、自民党の公約集、Jファイルの中では国と地方を合わせたベースで財政健全化を図るということになっていますので、そこは少し民主党政権時代よりは変わっているということです。

〔 土居委員 〕

質問したいことがこの後にあるんですが、今の話の流れにちょっと申し上げると、15ページのところですが、あまり露骨には書いていませんが、私も常々そう言って主張しているのであれなんですが、国の債務をどう見るかというところで、いろいろな根拠ないしは現状を踏まえた背景は各委員がおっしゃったとおりですが、さらにつけ加えて言うと、この15ページが何を言わんとしているかというところを率直に言えば、債務はグロスで見るのが妥当だという、それが日本の現状だと。ネットで見てもあまり意味がないよということを言いたいんだということなんじゃないかというのが私の理解なわけです。つまり、ネットアウトして何の意味があるのか。ネットアウトできるものなのかということですね。そもそも資産を取り崩して負債を減らせるというんだったら、ネットアウトするのは意味があるんだけれども、果たしてそれだけに足るような資産なのかということを、この15ページでは言いたいんだろうと。ないしは、私も常々そういうふうに主張してきているということなので、会計基準の問題とかいろいろなものもあるんですけれども、それに加えて、そういうところがここで説明なされておられるのではないかというふうに思います。 

そういう意味で、確かに本来意味があるような形でネットの負債で見るということができればベターなんでしょうけれども、今のところ、なかなかネットといったって、ネットアウトするような財政運営になっていないというか、ネットできるような財政運営のスタンスをとっているわけではないので、ほぼグロスに近いようなものとして負債を認識したほうが将来の財政負担を理解する上でより正確な情報になるんじゃないかという、そういうふうに思っています。 

それから、ちょっと違う話で恐縮なんですが、2点ほど質問させていただきたいんですが、資料4で公表時期についてのご説明がありまして、これはまことにすばらしいという、事務局、全省庁にわたる事務に携わられた方々のご努力の成果であるというふうに思います。それとともに、やはり文明の利器といいましょうか、人力で早くなったというだけではなくて、2ページ目にありますようなシステムの助けも借りて早まっているということなんだろうと思いますが、システムについてあえてここで国民を代表してという言い方も偉そうな言い方ですが、誤解が巷間あるような気がいたしましたので、少し事務局に確認させていただきたいと思うんですが、このシステムで、日々当然出納の記帳といいましょうか、記録をしておられるものが背景にあって、行く行くは国の財務書類という形で成果物が上がってくるということなんだと思いますが、いわゆる複式簿記的な記帳といいましょうか、日々の記録というものが、今回、上がってきている国の財務書類の作成に貢献しているということになっていると思うんですけれども、そういう流れになっているかどうかというところを1点確認させていただきたいと思います。 

それからもう一つは、災害復旧費に関連するところで、先ほど公会計室長からもご説明がありましたけれども、参考資料@の3ページで、確かに災害復旧費の資産との対応関係はご説明があったとおり、2分の1云々ということなんですけれども、例えば津波で流出してしまって、完全に原形すらとどめないような橋梁とか堤防とかというものを今回新たに東日本大震災復興特別会計なり──平成23年度は特別会計はないですが、関連予算で再びそれを作るということにした場合のここでの対応関係というのはどういうふうになっているかということですね。一旦滅失してしまったということとして、当該資産は1回除却といいましょうか、完全にゼロにしてしまった上で、再び構築するということと扱われているのか、それとも平成23年度段階ではそこまでいってないので、何の対応も会計上はしていないのかどうなのかということを確認させていただきたい。

〔 黒川部会長 〕

まず1点目の原始記帳の話でしょうかね。

〔 橘会計制度調査官 〕

まず記帳の話ですけれども、できるだけというのは語弊がありますけれども、基本的に現金ベースの歳出についてのADAMSというシステムがあって、日々記帳していただいているんですが、その記帳の中で、ある種の財務処理の助けになるコードを振っていただいております。100%複式かと言われると、そういった詳細なものまでが入っていない部分が一部、特に固定資産関係ですけれども、入っていないのが現状でございます。ですから、現金主義ではないんですけれども、完全な複式とはちょっと言いがたい状況にあるというのが現状でございます。 

それから災害復旧のほうでございますけれども、実は従前からいろいろと議論があったんですが、公共用財産というものが一番ポピュラーなものがいわゆる道路資産ですとか、河川、こういったものでございますけれども、これらについては実はおのおの道路法とか、河川法、港湾法、いろいろあるんですけれども、その法律の中で管理簿をつける、台帳をつけることになっているんですが、そこに実は価格、いわゆる金額的なものは入っておりません。いわゆる実物を管理するのを主体につくってきました関係で、個別具体的にこの道路は幾らかかりましたというのが記帳されていないということで、じゃ、それを評価してやるべきじゃないかということでございますけれども、相当のボリュームがございますので、財務書類におきましては、毎年度、公共事業によって資産化、投資した額をもっていわゆる公共用財産、それに減価償却を加えていくというスタイルをとっております。その関係で、今回災害が発生いたしましたが、この橋梁は流れてしまいましたと言っても道路の一部という形で既にとらえているので、それが一体幾らであったかというところは実は具体的に過去の資料をさかのぼって調べないとわからない。そういう状況が、今、現場において不可能に近い状態でございますので、従来から災害復旧関係の滅失分とか、そういったものの観点というのは、災害復旧費という経費区分がございますけれども、災害復旧費で施設復旧、そういった財産復旧に使った部分、この部分の2分の1を滅失分相当として費用化する。残り2分の1は、いわゆる利用価値が、減価償却で落ちたものがまた新しくもとに戻るわけでございますので、その分は2分の1相当がその部分ということで追加されるという形態をとってございますので、今ここで書いてありますように、いわゆる災害復旧費の2分の1相当が滅失分と想定されるというのが今のところの限界でございます。

〔 土居委員 〕

ご説明ありがとうございます。説明については理解しました。 

そうすると、今後復旧がさらに進んでくるとなると、そこで災害復旧費として計上されてくると、平成23年度だけにとどまらずに、どんどん2分の1相当分が、ある種除却されるかのような扱いになるということで理解していいのかな。

〔 橘会計制度調査官 〕

はい。

〔 土居委員 〕

それからもう一点は、災害復旧費の定義といいましょうか、予算での取り扱いということになるのかもしれませんが、どこまでが災害復旧かという微妙な問題があって、完全に流出してしまった橋脚を再び同じ場所に、ほぼ同じ機能が発揮できるように予算を支出するとなると、いわゆる災害復旧費という扱いになるというのは理解できるんですが、必ずしも同じように復元しないというようなことになった場合の予算上の取り扱いがおそらくここの財務書類にも影響してくるんじゃないかなと思うんですが、そこはほとんど災害復旧費という予算上の取り扱いでそういう被災地の復旧、インフラ再構築が行われるのか、それともいわゆる新規投資と同じような扱いとしてそういう場合にはなされるのかというところについてはどうでしょうか。

〔 橘会計制度調査官 〕

私もずっと財務諸表分析していたんですけれども、全体の俯瞰の状況でお話ししますと、実は道路がなくなったとか、橋がなくなりましたというのは実に全体から見ますと非常に小さいんです。現実に災害復旧で流されたものは、そこに乗っている構築物、これが結構流された状況でございます。ですから、災害復旧の、先ほど予算の考え方とおっしゃいましたけれども、それは現状復旧というのが基本原則でございます。ですから、従前あったようにもとのような状態に戻すというのは災害復旧費、全く別のところに新たにつくりますというのは通常の公共事業という仕切りになってございます。そういうことで、現在、原状復旧についても優先順位、それとそこの地域の計画がきちんと定まりませんと、従来のとおり通していいのか。復旧という形でやっていいのか。それとも全く新しい形でつくるのであると、それは通常の公共事業ということになりますので、そこの見きわめがまずできていない部分があって、結構そういう意味では災害復旧費自身を平成24年に繰り越して、その状態を待っている状態で繰り越し等が相当ございまして、そういう意味で今後復旧、全体の復興なり、計画の定まり方によっては、ものによっては復旧という形でやるし、ものによっては新しく都市を再生するんだという形の復興という形でやる。それは両方あると思います。

〔 田近部会長代理 〕

1ついいですか。これを作っていて、1つ疑問というか、こうなったらいいなと思うんですけど、社会保障をどう扱うかということで、社会保障というと、我々の頭の中に大体100兆円だと頭にあるわけですよね。ここは、だけど、費用をごらんになっていただくと、45兆円だと。中身は基本的には年金の給付と失業給付、雇用にかかわるものだと。つまり、何を言いたいのかというと、医療給付と介護保険給付をどうこの公会計で扱っていくかというのがあると思うんですね。それで、補助金の中には社会保障関係経費が含まれますというところで、だから、ものすごく見にくくなっている。さっき富田さんがおっしゃったのは年金の保険料があるでしょうと。給付があるでしょうと。差額を見れば、どれだけ使い過ぎたのかわかりますよねということで、だから、その点で僕の理解はなぜ医療が入っていないか。医療の中に入っているのは、給付には入っていないですけれども、補助金のところで、全国健康保険協会、つまり、協会健保への補助金ですよね。7.1兆円。これはある意味で別建てで入っているんですね。だけど、国保に対する国庫負担は社会保険関係費に入っているんですね。だから、ある意味で対照的じゃないというか。だから、それは単に協会健保のほうは、これは特会にあった? 特会扱いされているわけ?

〔 橘会計制度調査官 〕

今お話のあったものはもともと国民健康保険というものを協会に対して補助金を出してといいますか、医療費の精算をしてもらっているというのが近いんですけれども、それを補助金という形でやっていた。だから、実質的には国の負担ですから、そういう意味で補助金ではなくて交付金という形に平成20……。

〔 田近部会長代理 〕

交付金だったのを補助金に変えたんだっけ。どっちだっけ。国の直轄であった部分……。

〔 橘会計制度調査官 〕

部分を、要するに、補助金に変えたんです。直轄でやっていた部分を交付金という形に変えたということで従前は給付費なりのところに入っていたものが、補助金のほうにずれましたので、ちょっと見づらくなったのは事実です。そういうこともあって補助金等の中に含まれておりますというのを注記したということです。

〔 田近部会長代理 〕

だから、全体として見たいのは国のこれはフローですけど、結局社会保障でどうなしたかというのは、100兆円積んで会計したほうがわかりいいというか、そうしないと見えないんじゃないですかね。もちろん保険料と相殺しちゃうんだけど。そこはどうですかね。今後の話ですけど。

〔 富田委員 〕

これは国の財務書類だから、国費だけですよ、対象は。国費だけだから100兆円にはならないんですよ。

〔 田近部会長代理 〕

いやいや、違う。年金は給付費、全部入っているんですよ。これは。厚生年金も。満額が。これは。という、パラレルに考えていけば、医療費だって満額給付費。

〔 富田委員 〕

それは特別会計が給付しているからです。全部。

〔 田近部会長代理 〕

そうです。

〔 富田委員 〕

国がやっているからです。

〔 田近部会長代理 〕

だから、そこなんですよ。

〔 富田委員 〕

健保は違うでしょう。

〔 井伊委員 〕

地方交付税の中で支払われたりするわけですからね。

〔 黒川部会長 〕

何か追加のように加えますか。

〔 泉公会計室長 〕

田近先生のおっしゃっていることは、社会保障関係経費を全部財務書類でとらえられないかと。その内訳というのは年金で幾らとか、いろいろ言っているということをとらえられないかという問題意識だと思いますが、今おそらく富田先生がおっしゃらんとしたのは、例えば介護保険であれば市町村の運営になっていて、市町村の財源で賄われている部分がある。国民健康保険もまたしかりということであるので、国の財務書類というくくりの中でお金の出入りの中でとらえ切れない部分もあるのではないかというお話だったのではないかと思っています。

〔 田近部会長代理 〕

それはあるよね。

〔 泉公会計室長 〕

正直私の今の感想を申し上げれば、財務書類という、その守備範囲から若干超えるご議論があるかなというふうには思います。トータルでどう社会保障関係経費を把握するのかという、おそらく大きな議論の中の1つのご指摘なんだろうと思って聞いておりました。

〔 黒川部会長 〕

ちょっと時間が過ぎましたので。

〔 橘会計制度調査官 〕

先ほどの予算がどうなっているかということですが、従前はルール計算というある種の計算方式に基づいて、運営費交付金というのは前年を基本として、それに要するに効率化係数であるとか、そういった種々の係数を掛け、あと特殊要因を加えたのが運営費交付金ですという、言ってみれば大くくり的な形で従前はずっとやってきたんですけれども、平成23年度予算からこれは予算参考という形、いわゆる要求の正式の形ではないんですが、説明参考資料という形で、ところによっては予算積算内訳、少なくとも事項別に区分したものを予算の運営費交付金の内訳として出しなさいということで査定上は実質的には既に始めていたということですので、今年度も当然そのように扱っておりますので、そういうことでございます。

〔 黒川部会長 〕

富田委員、よろしいでしょうか。

〔 富田委員 〕

そうなったら、ちょっとはほっとしますけど。

〔 井伊委員 〕

すみません。田近先生、先ほどおっしゃったことの確認ですが、7ページのところにある社会保険料の財源の部分ですけれども、国保の保険料とか介護の保険料など市町村が集めるものはもちろん把握できない、ここには入ってないわけですね。これは国の財務書類ですから。そうすると、さきほど田近先生がおっしゃったのは、やはり国全体の介護とか、医療のお金の流れを把握するというのは、ここではできない。収入の面でも同じことですよね。

〔 黒川部会長 〕

そうですね。時間になってしまって、すみません。今日から部会長になり、こっち側の人間になりましたので、向こうだともう少し自由に言えたのですけど、ディフェンス的意見です。国全体となると、先ほどの社会インフラにしても、地方自治体が持っているものを合算しなくては実態がわからない。それから、純資産の問題も、地方のほうの純資産はどうなっているのだというのをあわせて見ないと分からない。国といったらそのような問題が出てきて、この問題は以前にも財政審で議論になっていたかと思うのですけれど、とりあえずは会計というのは場を決めなくてはいけないのですよね。会計の範囲というのを。とりあえずはこの範囲で会計をしたと。これは第1番目の公準というようなもので、アカウンティングの単位、アカウンティング・ユニットを限定しないと計算できないということをまずご理解いただいきたく思います。本日いただいたものは大変充実したご意見だったので、今後の検討課題かもしれません、そういうことで、引き取らせていただいて……。

〔 田近部会長代理 〕

1ついいですか。半分外れたから。そのとおりだと思って。そういう意味では補助金の中の、補助金31.8兆円とばかっと入っているところ、これを分ければいいんですよね。説明資料としては。おっしゃるとおりだと思って。だから、31.8兆円の中がどう形成されているか。注釈の中には社会保障関係費が含まれていますと明記しているわけだから、その社会保障関係費は次のようですというのが入ってれば、大分イメージはつかめるんじゃないかなと思います。

〔 黒川部会長 〕

より充実したポイントというものを作成するために貴重なご意見を多々いただきました。ありがとうございました。 

それでは、この辺で引き取らせていただきまして、平成23年度国の財務書類、特別会計財務書類、省庁別財務書類、政策別コスト情報につきましては、特別会計財務書類が明日国会に提出予定であることから、いずれも明日公表されると先ほど室長もご説明されておりましたけれども、そういうふうになっているそうであります。したがって、各委員にもご承知おきいただきたくお願いいたします。 

また、委員におかれましては本日資料として提出されていますポイントとか、ガイドブックは参考資料なんですけれども、それもぜひともご活用していただいて、今日は充実した意見交換だったわけですけれども、今後とも活用していただきたいということでございます。 以上をもちまして本日予定しておりました議題はすべて終了いたしました。最後に大鹿法規課長からご挨拶がございます。課長、よろしくお願いいたします。

〔 大鹿法規課長 〕

本日は年明け最初の財政制度等審議会法制・公会計部会の会合にほとんど全員の委員の方にご出席いただきまして、ほんとうにありがとうございました。冒頭申し上げるべきだったかもしれませんけれども、委員の改選がございまして、新たに委員になられた方、そしてまた継続されて委員にそのままなっていただいている方、それから部会長には新しく黒川先生になっていただき、また、部会長代理を引き続き田近先生にお世話になるということで、皆様方にはこの場をかりて御礼申し上げたいと思います。 

本日の会議でもそうだったように、財政に関する会計、それから法制ということで、大きく財政、会計、法律ということで異分野からなるこういう部会だと思います。その関係で審議も非常に充実かつ広範にわたっているのではないかなというふうに考えております。 

今日の主な議題でありました国の財務書類のパンフレット類ですが、今までは冊子と2枚紙の大判の資料だけだったのでは、メディアの方々、それから国会議員の方に対してなかなか説明がしづらかったということがありまして、3年ぐらい前から取り組んできたものです。それで、最初は今回のポイントに当たるようものを、もう少し易しいものを作ったんですが、今度はそれを説明するためのガイドブックが要るということで、これも二、三年前につくっていただいて、そして、だんだんと充実してきているかと思います。そういう点では本当に先生方のお知恵を拝借していいものができているというふうに思っておりますが、一方でいまだに財務書類がないとか、そういうご議論もありまして、これから予算委員会が始まると、その議論に私どもはいわば対応していかなければいけないということで、ギャップもなかなか大きいところなんですが、何とかこのギャップを埋めるべく、そして、財政状況を国民に正しくわかっていただくその一助となればということだと思いますので、引き続きまたご指導いただければと思います。 

今日はどうもありがとうございました。

〔 黒川部会長 〕

それでは、本日はこれにて終了とさせていただきます。 

次回以降の部会について、後日、事務局から日程調整をいたしますので、ご協力のほどお願いいたします。 

それではお開きでございます。ありがとうございました。


午後5時14分閉会
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