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財政制度分科会(平成29年5月25日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録

平成29年5月25日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

平成29年5月25日(木)16:00〜16:22
第3特別会議室(本庁舎4階 中-412)

1.開会

2.議題

  • とりまとめに向けた審議

3.閉会

出席者
分科会長

榊原定征

三木大臣政務官
福田主計局長
可部次長
藤井次長
茶谷次長
角田総務課長
江島主計官
青木法規課長
安出主計官
関口主計企画官
高橋給与共済課長
中島調査課長
八幡主計企画官
竹田官房参事官
嶋田主計官
小宮主計官
泉主計官
奥主計官
阿久澤主計官
廣光主計官
岩元主計官
中山主計官
内野主計官
分科会長代理

田近栄治

委員

遠藤典子

黒川行治

角 和夫

武田洋子

竹中ナミ

土居丈朗

中空麻奈

永易克典

藤谷武史

宮島香澄

臨時委員

秋池玲子

宇南山 卓

老川祥一

大槻奈那

葛西敬之

北尾早霧

小林慶一郎

小林 毅

進藤孝生

末澤豪謙

十河ひろ美

中曽 宏

増田寛也

~子田 章博

吉川 洋


午後4時00分開会

〔 田近分科会長代理 〕 ただいまから、財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。皆様にはご多用中のところ、ご出席いただきましてありがとうございます。

本日は、前回に続き、建議の取りまとめに向けて、お手元に配付しております「『経済・財政再生計画』の着実な実施に向けた建議」について審議していただきます。

今回の審議は、前回17日の会議後、起草委員において皆様からいただいたご意見を検討の上、修正を行ったものです。

まず、審議に先立ちまして、これまで修正意見をいただいたもののうち、原案を維持させていただいた箇所について、事務局より補足説明をいたします。

では、中島調査課長、お願いします。

〔 中島調査課長 〕 私のほうから、原案維持とされた主なものについて、まとめてご説明申し上げます。クリーン版でも見え消し版でも、どちらを見ていただいても結構でございます。

まず、10ページの25行目に「小さなリスクは自助」とあり、この表現を削除すべきではないかといったご意見がございましたが、これは前回、昨年11月の建議の記述との矛盾が生じてしまいますので、ここでは反映してございません。

13ページの11行目から16行目に地域別診療報酬の特例の話が書いてあり、その検討は慎重に行うべきというご意見をいただいておりますが、これらは「改革工程表」において検討を進める事項でありまして、「改革工程表」による着実な実施を求める類似の建議の趣旨に鑑みて、ここでは反映しておりません。

13ページの18から22行目に基金のアウトカム指標に応じた配分の話が書かれており、この「アウトカム指標に応じた配分」というのはなじまないのではないかといったご意見をいただいておりますが、これも前回の建議の記述との矛盾が生じますので、ここでは反映してございません。

14ページの1から4行目に、受診時定額負担や、薬剤の自己負担引上げの話があり、こちらについてはむしろ家庭医のような機能の普及を優先的に検討すべきではないかといったご意見をいただいておりますが、これも「改革工程表」において検討を進める事項でありますので、ここでは反映してございません。

16ページの9から12行目に、生活保護の医療扶助の適正化の話が書いてございます。この医療扶助の適正化は受診抑制を招きかねず避けるべきといったご意見をいただいておりますが、これも前回の建議の記述との矛盾が生じてしまいますので、ここでは反映してございません。

18ページの10から13行目に児童手当の特例給付の話が書いており、この特例給付については維持すべきというご意見をいただいておりますが、これは当分の間の措置とされていた特例給付が制度開始以来なお続いている現状を踏まえまして、廃止を含めた検討が必要であるということについて財審の審議の中でもご理解があったものと考えてございますので、ここでは反映をしてございません。

最後に文教の関係で、19ページの3から8行目に、教員の長時間労働の問題を取り上げるべきというご意見をいただいてございますが、今回の財審のテーマとして、初等中等教育は扱っておりません。教育の質や長時間労働の関係性についても、特段の議論がなされたわけでもございませんので、反映してございません。

私からは以上でございます。

〔 田近分科会長代理 〕 以上が、前回いただいたご意見のうち原文を残した箇所です。その他は見え消し版に修正点を記してあります。

それでは、本日配付させていただいている建議案に基づいて、ご意見等があればお願いします。本日は、総論、社会保障、文教、地方財政、社会資本整備、どの部分からでも結構ですので、ご意見をいただきたいと思います。

中曽委員、お願いします。

〔 中曽委員 〕 ありがとうございます。それでは私のほうから、5ページの6行目に、金融緩和政策についての言及がございますので、建議案の修正を提案するものではございませんけれども、この機会に日本銀行としての考え方を一言だけ述べさせていただければと思います。

まず、日本銀行の金融緩和政策でございますけれども、これは2%の「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現するために行っているものでありまして、財政ファイナンスを目的としたものではございません。この点につきましては、2013年4月に導入いたしました「量的・質的金融緩和」の公表文で明確にしているほか、総裁の国会答弁などにおいても繰り返して説明してきたところでございますけれども、この場をお借りしまして、改めて明確にしておきたいと思います。

その上で、日本銀行が2%の「物価安定の目標」の実現のために緩和的な金融環境を整える下で、政府が機動的な財政支出を実施すれば、両者が我が国の経済に相乗的な効果をもたらすことになります。こうした組み合わせは「ポリシー・ミックス」と呼ばれるものでございまして、企業や家計の経済活動を刺激しまして、雇用・所得環境を改善する上で有効なマクロ経済政策でございます。

現在、我が国では日本銀行が強力な金融緩和を推進する一方、政府におかれては昨年夏に策定されました「未来への投資を実現する経済対策」の執行を本格化させつつあるところでございます。こうした「ポリシー・ミックス」が、我が国経済の成長を強力にサポートしていくものというふうに考えてございます。

同時に、持続可能な財政構造を確立することは、物価安定の下で持続的な成長を達成していく上での必須の前提でありまして、これは国全体としても取り組まなければならない課題であると考えております。特に我が国では、既に政府債務残高が極めて高い水準となっていることを踏まえますと、政府が中長期的な財政健全化について市場の信認をしっかりと確保することが重要と考えます。この点、2013年1月に政府及び日本銀行が公表した「共同声明」では、政府は「持続可能な財政構造を確立するための取組を着実に推進する」こととされており、日本銀行としてもこうした取組が着実に進んでいくことを期待しております。

以上、建議案へのコメントということではありませんけれども、日本銀行としての考え方を改めて説明させていただきました。

ありがとうございました。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。

では、引き続き、ご意見がおありの方はお願いいたします。

〔 増田委員 〕 ありがとうございます。文言の修正等はございませんが、これで大変結構だということを前提に、一言申し上げます。

昨年の春の建議では、財政健全化目標の達成に向けた取組という項目があり、その項目の中で、「経済・財政再生計画」の着実な実施など、要は前に進めていきましょうというトーンで建議が書かれていたと思います。今回は、国民の皆様方がこれをご覧になって、この財審が改めて財政健全化の意義や、財政健全化の重要性・メリットを項目立てて言っているというのは、昨年と今年の比較で言えば、何かものすごく最初に立ち返って、またこういったことを一から言わなければいけないのかと思いました。逆に言うと、そこまで財政健全化が危うくなっているという状況認識をきちんと伝えていかなければいけないのではないかと改めて思っています。この場の人間だけで、財政健全化が重要だとか、それにメリットがあるということを言うのではなく、やはりこの危機意識をどう伝えていくかということです。

ちょうど昨日、財政規律を一番唱えておられた与謝野先生がお亡くなりになったという訃報に接したわけですが、こういった状況の中、本当に瀬戸際で、徳俵1本でやっと立っているのかどうかという状況ですから、もちろん私も含めてでありますけれども、なぜこういったことを改めて、その意義を言わなくてはいけないかということをよく噛みしめつつ、噛み砕いた形で伝えていかなければいけないなと、改めてこの建議を見て思った次第です。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 まさに増田委員がおっしゃったことを我々も考えていて、この建議を書く時に、財政規律が緩んでいるのではないかと、それから、できるだけ様々な議論に対してファイティングポーズで臨むのではなく、やはり自分たちの言葉でしっかり、なぜ財政健全化なのかを伝えなければならないと。私たちが、「メリット・重要性」という言葉でまとめたのは、第一は、将来不安の解消をしていくためには、財政を拡大して、消費が伸びて云々ではなく、やはり、今の財政を健全化することで将来の社会保障の道が見えてくる、それで、消費も安定的に伸びるのではないかと。それから第二は、債務残高が増えることのリスクです。大きな災害が来た時に対応できる余地を残しておくということです。我々としてはこの財政健全化の重要性・メリットを、できるだけ分かりやすく、我々の切実な思いを伝えたいという気持ちで取り組んできました。

〔 小林(毅)委員 〕 今、増田先生がおっしゃったことはまさに我々も問題意識を持っておりまして、ついつい、同じメンバーでやっておりますと、このあたりはもう分かっているという感覚になりがちですけれども、そこをあえてもう一度、今の状況について、繰り返しでもいいからきちんと述べていこうと。その上で、やはり今、財政規律が少し緩んでいるのではないかというような状況が出てきているのも、これもまた事実でありますので、こういったものを出していこうという形でまとめたというのが私たちの思いであります。

〔 田近分科会長代理 〕 それでは、会長からお願いします。

〔 榊原分科会長 〕 今の皆さんからのご指摘、非常に重要だと思います。今、1日生活していますと、財政健全化という本当に重要なポイントが皆さんの痛みとして受けとめられていない点があると思いまして、本当に危機的な状況だということを我々はやはり率先して何度も繰り返し言わなければいけないと思います。

先だってOECDのグリア事務総長が来られた時も、財政状況が、OECD諸国の中で日本が圧倒的に悪い。将来、金利が仮に上がったとしたらどうするのかと。そういったことを踏まえて、これは、まなじりを決してやらなければいけないということを強く指摘しておられました。今、国内でも財政健全化、PB黒字化について、やらなくてもいいのではないかといったような意見も出始めていますので、本当に様々な場で強く主張していくことが大事だと思っています。貴重なご指摘をいただきまして、ありがとうございます。

〔 田近分科会長代理 〕 ~子田委員、お願いします。

〔 ~子田委員 〕 修正を求めるものではありませんが、6ページの5行目に、「日本を『経済理論の実験場』とみなしてそのような不確かな政策を検討することは、責任ある財政運営とは言えない」とあります。昨年から、ヘリコプターマネーやシムズ理論など、本当に日本のことを考えて言っているのだろうかというような理論が外国から聞こえてきます。前回の議論の中では、そういった怪しげなものに対しては正面から取りあわないというお話もあったわけですけれども、やはりそういった無責任な議論に対しては都度取り上げて、これからもきっちりと反論していくということが大事だと思います。もちろん有益な議論が出てくることがあれば、それは柔軟に考えていくという姿勢もあっていいと思いますけれども、「他の国だからと思っていい加減なことを言って、だったら自分のところでやってみなさいよ」と言いたくなるようなことが目につくので、そういったことにはしっかりと反論していくべきだと思います。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。末澤委員。

〔 末澤委員 〕 どうもありがとうございました。今回は短い時間で相当大変だったと思います。

前回、プライマリーバランスについてもう少し説明が必要だということを申し上げて、今回きちんと注釈1で入れていただいたので、国民の皆さんに、なぜプライマリーバランスの黒字化が必要かということを分かっていただくためには、まずここを読んでいただくということで、極めて良かったと感謝します。

今週、与謝野先生の訃報もございましたけれども、アメリカでは2018会計年度の予算教書が、遅ればせながら、出てきました。歳出、歳入の見込みについて、私から見ると怪しい面もあると思いますけれども、1つだけ申し上げると、10年後の2027会計年度には、一応黒字の見通しを出してきています。つまり、手段は米国内で歳出を減らすのか増税をするのか、様々な見方はあると思いますけれども、あのトランプ政権でも10年後は黒字の目標を一応出してきていると、そこは私どももきちんと見習う必要があるのだろうと思いました。

以上でございます。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございます。他に、よろしいでしょうか。

それでは、ここで審議は終了とし、本日の取りまとめ案に基づいて作業を進めさせていただきます。

お手元に、神津委員、佐藤委員が本日ご欠席ということで、意見書をいただいています。これらの対応については、冒頭の調査課長の説明と重複しますけれども、これまでの建議の方向性や今回の春の建議で委員の皆様からいただいたご意見を踏まえつつ、起草委員会において検討を行いたいと思いますが、この方針でよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

さて、これまで、大変活発なご意見をいただきましてありがとうございました。皆様からいただいたご意見を踏まえて、最終的な修文等につきましては会長にご一任いただくということでお願いしたいと思いますが、この点もよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございます。最後に、榊原会長より一言ご挨拶をいただきたいと思います。会長、よろしくお願いします。

〔 榊原分科会長 〕 本日、「『経済・財政再生計画』の着実な実施に向けた建議」を取りまとめることができました。まだ幾つか皆さんのご提案を反映する作業が残っておりますけれども、基本的に取りまとめることができたということで、委員の皆様におかれましては、これまで大変熱心にご議論いただいたことを感謝申し上げたいと思います。特に、この建議取りまとめにご尽力いただきました起草委員会の先生方に対しまして、厚く御礼申し上げます。

この建議では、3つのポイントがあると考えております。1つは2020年度PB黒字化、これは将来世代に対する最低限の責務ということ。それから、財政健全化、メリットということもありますけども、基本的には国家及び経済の信認維持の観点からも極めて重要な項目であると同時に、国民の将来不安の払拭やリスク軽減にもつながっていくものだと思います。最後に、もう一つ大事なポイントは「改革工程表」です。ここに様々な項目を挙げておりますけれども、この改革項目は全て確実に実現すると、こういった主張を盛り込んでおります。

また、社会保障、文教、社会資本整備、地方財政、こういった「改革工程表」に示された重要分野につきまして密度の濃い議論を行い、この建議において歳出改革の方向性を示すことができたと思っております。この方向性に基づきまして、「量」的に歳出を抑制するだけではなくて、予算の「質」を高める具体的な取組がなされることを期待したいと思います。

この会議終了後、委員の皆様を代表して、起草委員会の先生方とご一緒に、麻生大臣に対しましてこの建議を手交することにしております。建議に示されたメッセージをしっかりと大臣にお伝えし、この趣旨を今後の財政運営に生かしていただいて、しっかりと取り組んでいただきたいということをお願い申し上げたいと思います。誠にありがとうございました。

〔 田近分科会長代理 〕 会長、どうもありがとうございました。これで本日の議題は終了とさせていただきます。今、会長のご挨拶にあったとおり、この後、修文等を最終的に確認した後に最終版を作成して、会長と我々起草委員会で大臣に建議をお渡しし、会長と私とで記者会見を開催する運びになっております。

本日お手元に配付しております建議案につきましては、守秘性の観点から会議後回収させていただきます。お持ち帰りにならず、机の上に残していただけますようにお願いいたします。建議の製本は、本日事務局において印刷の後、速やかに皆様に送付する予定です。

本日は、これにて閉会いたします。ご多用中のところ、ありがとうございました。

午後4時22分閉会

財務省の政策