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財政制度分科会(平成28年5月13日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録

平成28年5月13日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

平成28年5月13日(金)13:00〜14:21
第3特別会議室(本庁舎4階 中-412)

1.開会

2.議題
・とりまとめに向けた審議等

3.閉会

出席者

分科会長 吉 川   洋 美並次長
可部次長
茶谷次長
阪田総務課長
中山調査課長
青木法規課長
内野給与共済課長
片岡大臣官房参事官
小宮主計官
宇波主計官
奥主計官
阿久澤主計官
高村主計官
彦谷主計官
堀内主計官
冨安主計官
山崎主計官
主計官
江島主計官
廣光主計企画官
泉主計企画官
委   員

遠藤典子

黒川行治

神 津 里季生

竹中ナミ

土居丈朗

富田俊基

中空麻奈

臨時委員

板垣信幸

老川祥一

岡本圀衞

葛西敬之

加藤久和

小 林   毅

佐藤主光

末澤豪謙

十 河 ひろ美

武田洋子

田近栄治

増田寛也


午後1時00分開会

〔 吉川分科会長 〕 それでは、定刻になりましたので、ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。皆様方には、ご多用中のところご出席いただきまして、ありがとうございます。

本日は、今朝国会に提出されました平成28年度補正予算についての報告、先日4月22日に開催されました女性公聴会の模様と、財政・租税教育の充実に向けて事務局で作成した「日本の財政に関する映像資料」についてのVTR上映、さらに、前回に引き続き「『経済・財政再生計画』の着実な実施に向けた建議(案)」について審議していただきます。

それでは、議事に移らせていただきます。まず、本日13日に国会に提出されました平成28年度補正予算について、江島主計官より簡単に報告を受けたいと思います。よろしくお願いいたします。

〔 江島主計官 〕 総務課主計官の江島でございます。よろしくお願いします。

お手元の資料1をご覧下さい。平成28年度補正予算でございます。今、吉川分科会長からご紹介ありましたように、今朝国会に提出されたものでございます。

1ページ目、補正予算についての概要です。まず、経緯を申し上げますと、今回の熊本地震において、4月14日に前震、16日に本震ということで、これを受けまして安倍総理が23日に現地を視察されました。その視察を踏まえまして、翌24日に、できることは全て先手でやるということで、補正予算の編成を指示されたところでございます。

上の囲みでございますが、住宅の確保や生活再建支援金の支給など被災者支援に要する経費を計上するとともに、熊本地震復旧等予備費を創設し、今後、被災者の方々の事業再建、道路・施設等のインフラ復旧や、がれき処理等を迅速に進めていくための十二分の備えを整えるという趣旨でございます。

下に追加歳出1.、2.とございますが、1.災害救助等関係経費、すなわち被災者支援に関する経費ということで、(1)災害救助費等負担金、これは災害救助法に基づく避難所の設置や応急仮設住宅の建設等に要する経費です。日々、余震も続いておりまして、なかなか見込みがたいところもありますが、熊本県から報告されている、全壊あるいは半壊といった住戸の戸数を多めに見積り、少し余裕を持って十二分にということで積算しております。

(2)被災者生活再建支援金補助金、これは住居が壊れた方、全壊等の方々に補助をするものでございますが、これも先ほどと同じように余裕を持って積んであるということでございます。

(3)災害弔慰金等負担金等は、お亡くなりになった方の弔慰金等でございますが、所要の額を計上するということで、1.のカテゴリーで780億円、これは内閣府の防災部局計上でございます。

2.熊本地震復旧等予備費ということでございます。これは、インフラ復旧等をしていかなければなりませんが、被害額は、現状およそ、公共施設等で3,000億円、農業関係で1,000億円という暫定的なご報告を受けております。このうち、どの程度国費で賄わなければいけないかはまだ分かりませんが、一応これを基準とし、一定の余裕を見て7,000億円というまとまった額を予備費で計上いたしておりまして、今後、必要に応じて支出をしてまいりたいということでございます。

合計7,780億円の歳出を賄う財源が一番下でございます。既定経費の減、国債費の減額ということで、予算積算金利は10年債で1.6%で置いてありますが、マイナス金利ということもありまして、足元、非常に低い金利で国債を発行できております。したがって、利払い費の減を歳出と同額見込みまして、▲を立てるということになります。

2ページ目は、我々がよく作っておりますフレームという形で再整理したものでございますが、今、申し上げましたように、左側の歳出で出と入りが全部完結しておりますので、右側の歳入の補正はございません。プラスで7,780億円、マイナスで7,780億円、合計ゼロという予算でございます。

今朝、国会に提出させていただきまして、午後、衆参の本会議、来週、予算委員会で、早期成立をお願いしてまいりたいということでございます。

簡単でございますが、以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

それでは、次の議題に移ります。次は、先日4月22日に開催されました女性公聴会の模様についてのVTR上映でございます。女性委員の方々はもちろん参加されたわけですが、出席できなかった委員からリクエストがありました。

では、お願いします。

(映像上映)

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。大変盛況だったということは前回も伺いましたが、本当にありがとうございました。今回の財審では海外調査も行いまして、その結果、建議の案にもありますが、やはり財政再建は国民の合意がないとできない。これは日本だけではなく、世界中で言われていますし、事実そうでしょう。そういった意味でも、今回の公聴会というのは大変大きな役割を果たしたと思います。本当にどうもありがとうございました。

続きまして、財政・租税教育ですね。こちらも教育の充実に向けて事務局で作成した「日本の財政に関する映像資料」、これも上映をお願いします。

(映像上映)

〔 吉川分科会長 〕 これは、当然、学校に配るわけですよね。有効に活用されるだろうと思います。

それでは、我々の会議のほうは次の議題、建議のとりまとめ審議に移らせていただきます。今回の建議(案)につきましては、一昨日11日に開催した起草委員会において、前回、審議していただいたものに、皆様方からいただいたご意見等を踏まえ、検討の上、修正を行ったものです。資料2と書いてある修正を溶け込ませたものと併せて、資料番号を付していない修正を見え消しにしたものを配付しておりますが、審議は見え消しにしたものをベースに進めたいと考えております。

建議の審議の進行ですが、まず起草委員会の田近委員より、いただいたご意見等を踏まえての修正に当たっての基本的な考え方について補足していただいた上で、前回同様に、全体を2つに分けて審議したいと思います。まず、総論について、15分程度、それから社会保障、文教・科学技術、社会資本整備、地方財政について20分程度、このように分けて審議を進めたいと思います。

では、まず田近委員、修正に当たっての基本的な考え方、ご説明をお願いいたします。

〔 田近委員 〕 前回は、様々なご意見ありがとうございました。今、吉川分科会長からご説明あったように、一昨日、起草委員で集まって修正を試みました。

まず、今回の建議ですが、1ページをご覧になっていただいて、基本となるのは、ここの2行目からありますように、「政府は、2020年度の国・地方の基礎的財政収支の黒字化に向け、昨年6月に「経済・財政再生計画」を閣議決定した」と。この「経済・財政再生計画」を着実に実行に移してもらいたいというのがこの建議の趣旨だということは、前回もご説明した通りです。

皆様からご意見をいただいて、我々がさらに検討を重ねた点は大きく分けて2つです。1つは、この建議で消費税増税についてどのように書くのかということは、多くの委員からご指摘を受けました。あの場でもお答えしましたが、10ページをご覧いただきたいと思います。10ページの一番最後の段落ですが、建議としては、平成24年の社会保障と税の一体改革の「三党合意」に基づいて、平成29年4月に予定している消費税率の10%への引上げを遅滞なく行ってもらいたい、行うべきだと、若干表現を加えました。

さらに、これも前回、議論したところですが、32ページ、財政健全化に向かっての財審のスタンスです。見え消しの下は井堀委員からのご指摘もあったと思いますが、財政健全化という時に、2018年度の中間目標も達成して、2020年度の実現を目指すべきだということです。

この2点が、今後の消費税増税を含む財政健全化における、この建議のスタンスということです。

また、マイナス金利についてやはり言及が必要なのではないかというご意見を何人かの委員から受けました。我々の考え方としては、マイナス金利によって財政改革に弛緩があってはいけないときちんと書こうということで、2ページの第2段落、見え消し部分を読ませていただくと、中国のリスクもあり、「一方で、異次元の金融緩和政策により国債金利が極めて低水準で推移している。こうした中で、計画スタート直後にもかかわらず、財政健全化のペースを緩めるべきではないかという議論が見られる。特に、本年2月のマイナス金利付き量的・質的金融緩和の導入が、こうした財政規律の弛緩につながる議論に拍車をかけている側面もある。」このように書こうということになりました。

これが総論にかかわる部分で、各論は基本的にはいただいたご意見を逐次検討しました。反映できなかったものもありますが、ご出席の皆さん、もう一度ご覧になっていただいて、ご意見いただければと思います。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

それでは、早速、審議に移らせていただきます。先ほど申し上げましたが、総論と各論を分けたいと思います。総論の審議につきましては、およそ15分程度ということで、お手元の見え消しの資料ですと冒頭1ページから12ページ、それから最後の結論の32ページになりますが、この部分についてご意見、コメント等、お願いいたします。感想でも結構ですが、修文ということであれば具体的にご指摘いただければと思います。末澤委員。

〔 末澤委員 〕 大変細かい部分で恐縮ですが、2ページの10行目、11行目、今のマイナス金利のところです。「特に、本年2月の」とありますが、正式には日本銀行・金融政策決定会合で決定されたのは1月29日です。ただ、準備預金の積み期間としては2月からですので、本文の表記は2月にして、脚注でマイナス金利政策に少し触れられたほうがよろしいのではないかと思います。

〔 吉川分科会長 〕 なるほど。ありがとうございます。

老川委員。

〔 老川委員 〕 同じところで、私の印象では、マイナス金利を導入し、景気浮揚に資するつもりでいたものの、現実に一向に効果が上がっていないということで、もっと財政出動が必要だという議論になっているのではないかと思うのですが、マイナス金利イコール財政規律の緩和とストレートにつなげてしまっていいのかというのが、よく分からないです。

〔 吉川分科会長 〕 では、起草委員の先生方。一応、マイナス金利で、国の金利負担が少なくなるから余裕ができるだろう、その余裕を生かして財政出動と、そういったことを念頭に置いて書かれたのだろうと思います。

〔 田近委員 〕 そうです。

〔 吉川分科会長 〕 どうぞ、起草委員の先生。

〔 土居委員 〕 ご質問ありがとうございます。

これは、前回の会合で岡本委員からご意見があり、まさに今の吉川分科会長のお話のように、インフラ投資をする時に、マイナス金利だから国債が低い金利で借りられるため、財政出動してはどうかという議論があるということを踏まえて、この修文になったという経緯であります。ただ、おっしゃるように、金融政策の効果が芳しくないのではないか、だから財政出動してはどうかというご意見も世の中には存在することも私は承知しておりますが、それをどこまで文章に書くかというところかと思います。

〔 富田委員 〕 今、ご説明あった通りですが、やはり中でも様々な議論があることを踏まえて、ここでは「側面も」というように断定ではなく、かなり婉曲に、表現させていただいております。

〔 吉川分科会長 〕 中空委員、どうぞ。

〔 中空委員 〕 前回、岡本委員からご指摘を受け、私はマーケットにいる者として、マイナス金利という言葉を財審の建議でも使うべきだと思っています。マーケットには、財務省はマイナス金利の時に国債をどんどん出したほうが、金利が減るから得である、だからもっと意図的に緩和させるのではないかという陰謀論さえあります。したがって、私たちはそういうマーケットの事情も分かって書いていますよ、ということを盛り込みたく、超金融緩和という表現ではなくマイナス金利と入れたらどうかと申し上げました。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 岡本委員。

〔 岡本委員 〕 ありがとうございます。

今、状況を見ていると、マイナス金利が進んでいくと国債の利払いが減って、財源があるということで、すぐ補正予算などに使おうという議論になる。あるいは、税収増があると増分を使おうということになる。税収が少ない時は、財政再建は進みにくいのですが、やっと良くなったこの時に、みんな使ってしまおうというような考えになるので、これは絶対防ぐべきであると。こういう時こそ、財政再建をやっていくべき。そのためには財政規律を緩めてはいけないということで、私はぜひ入れたほうがいいと言いました。

〔 吉川分科会長 〕 どうぞ、小林委員。

〔 小林委員 〕 今の文章の流れとして、前段に、国債金利が極めて低水準に推移している中で財政健全化のペースを、という件があります。つまり、金利が下がると、もっと借金できるではないかということで、財政規律が緩む議論が出てきていると。さらにマイナス金利になったので、それに拍車をかけている側面もあると読んでいただければいいのかなと、そのような気持ちで書いたものであります。

〔 吉川分科会長 〕 では、武田委員。

〔 武田委員 〕 ありがとうございます。

今の議論に関連して、最初に田近委員からご説明があったように、ここで我々として強調したいのは、おそらくこうした低金利、あるいは金融緩和の下で財政規律にたるみがあってはいけないということが、岡本委員の今のご意見を伺っていても一番重要だと思いますが、それが触れられていない点が少し気になりました。例えば「中国を含め世界経済にリスクが見られる一方で、マイナス金利付き量的・質的金融緩和の導入も含めた異次元の金融緩和政策により」で続けて、「特に、こうした金融緩和のもとで、決して財政規律にはたるみがあってはいけない」というふうに、我々が主張したい結論で終えたらどうかと感じましたので、意見として述べさせていただきました。

〔 吉川分科会長 〕 一応、今の文章ですと、「しかし」という13行目から、19行目「手綱を緩めるような状況には全くない」までで言ってはいますが、少し間に入り過ぎているということですかね。

〔 武田委員 〕 そうですね。1回「たるみがあってはいけない」と述べてから次まで、少し文章の間隔が広いのではないかと。

〔 吉川分科会長 〕 では、この点、起草委員の先生方にもう一度。

〔 田近委員 〕 私が先ほど説明したように、上のほうでたるみがあってはいけないという議論の後、この「しかし」というところで万感がこもっていて、それで手綱を緩める状況にはないと。そう書いたつもりですが、ご意見を承ったので、さらに検討いたします。

〔 富田委員 〕 「2020年度」から改行を入れることにしていなかったでしょうか。

つまり、「しかし」のところは「財政健全化の手綱を緩めるような状況には全くない」で締めて、次は改行するようにという考えです。

〔 田近委員 〕  検討いたします。ありがとうございました。

〔 吉川分科会長 〕 板垣委員、どうぞ、お待たせしました。

〔 板垣委員 〕 今の件ですが、例えば11行目「量的・質的金融緩和の導入が、こうした財政規律の弛緩につながる」は、一見、金融から財政へと話が飛んでしまっているわけです。つまり、ここに「導入が、さらに国債金利の低下をもたらし」とつなげれば、金融と財政との関係が明確になってくるはずですので、そういった単語を入れたほうがいいだろうと思います。

それとは別の案件に移りたいのですが、よろしいでしょうか。

〔 吉川分科会長 〕 どうぞ。

〔 板垣委員 〕 7ページです。16行目「しかし」ということで、前回、私が発言したことも入れていただきまして、大変ありがとうございました。ただ、同時に、このようなことが日銀の財政悪化や、国の財政の更なる悪化につながるリスクがあるということも指摘しておきたい。そうなるとは言いませんが、リスクがあるということには触れておいたほうがいいのではないかということで、前回、サンプルとして文章を提示したわけです。しかし、その前にマイナス金利の話について2ページで言及していますので、そこで補強しているからいいかなという気もいたします。

それから、今、G7サミットで財政出動の話が議論になっている中で、この財審の建議でそうしたことに一切触れないまま、淡々といつものごとく論述していいのかどうかという疑問が少しありました。サミットでの財政出動の議論と日本の財政出動の関係について、これは財務省の方にお伺いしたいのですが、政府としてどのような観念性を持ってこの論議を見守っているのかということをお答え願いたい。

〔 吉川分科会長 〕 では、次長、よろしくお願いします。

〔 美並次長 〕 サミットに向けてどのような形で発信していくかということは、まだ検討されているところだと思います。総理が連休中に諸外国を訪問された際におっしゃっていることから判断しますと、もちろん財政の話が大きくクローズアップされているのは事実ですが、それだけではなくて、金融政策、財政政策、それから構造改革、そのような総合的な政策を講じることによって、世界経済の成長の視座としていこうというようなレベルでありますので、具体的にどのような形で発信するかということは現時点ではまだ分からない。トータルで言えば、おそらくそういうことではないかと感じております。

〔 板垣委員 〕 もう1点よろしいでしょうか。

〔 吉川分科会長 〕 はい、どうぞ。

〔 板垣委員 〕 つまり、それは日本も含めた話として、日本政府がサミットの中でイニシアチブを取ろうとしているのか、日本はそこまで財政出動はやらないという認識で取り組んでいるのか。例えば、熊本の問題について補正予算を組むこと、あるいは消費税率を引き上げる時のクッションとしての若干の財政出動、この辺のことで済むと思っているのか。それとも、アベノミクスの金融緩和の効果がいまひとつですので、財政でどんどんやっていこうとまで考えているのかどうか。その辺について聞きたいのですが。

〔 美並次長 〕 今、私がサミットに向けて申し上げたことは、先月、G20でもあった議論とそれほど大きく変わっていないと思います。財政出動、あるいは機動的な財政運営といった時に、例えば現行の平成28年度当初予算をどのように見るかということも議論があるところで、財政的に言えば、かなり緊縮財政と言う方もいらっしゃいますが、この財審の先生はよくお分かりのように、やはり拡張的に景気に配慮している部分もあるので、これ以上どこまでやるかというのは今後の議論を踏まえての考えだと思います。

いずれにせよ、従前から申し上げていますように、経済成長と財政健全化は両方達成しなければいけないというのは事実ですので、それを踏まえて、今後、サミット等で決まったことがあれば対応していくということで、今、板垣委員おっしゃったように、これ以上どんどんやるということでは、現時点では決してないということだけご理解いただきたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、よろしいですか。

加藤委員、お願いします。

〔 加藤委員 〕 少し論点が変わりますが、1点だけ、32ページで2018年度のPB対GDP比赤字▲1%という話が出てきますが、「終わりに」に非常に唐突に出てくるようで、もし2020年度のPB黒字化と併せて書くのであれば、例えば1ページあたりのどこかに、2018年度のPB対GDP比赤字▲1%の話も入れておいたほうが、バランスがとれるのではないかと思いました。もし文章の中に入れるのが難しければ、やはり脚注の中に入れておかないと、最後にだけ出てくるのは少しおかしいと思いました。ご検討いただければと思います。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 黒川委員。

〔 黒川委員 〕 ありがとうございます。

てにをは修正で、6ページの11行目「最終的には法律を凍結された」と書いてあります。こちらの「を」を「は」にする、あるいは「凍結した」ではないかと。

〔 田近委員 〕 分かりました。

〔 吉川分科会長 〕 具体的にありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。審議中にまた思い出したということがあれば、総論部分に戻っていただくことはもちろん結構ですので、ひとまず総論の議論を終えて、各論、つまり社会保障、文教・科学技術、社会資本整備、地方財政、見え消し版のページでいいますと13ページから31ページの部分について、またご意見、コメント等をお願いいたします。

では、神津委員。

〔 神津委員 〕 ありがとうございます。

前回、全般にわたって意見を幾つか申し上げ、その後、追加的に指摘もさせていただきました。幾つかの観点で取り込んでいただいたことに感謝を申し上げたいと思いますし、全体をとりまとめられたご努力に敬意を表したいと思います。その上で、さらに1点だけ絞って申し上げたいと思っています。

社会保障に関してですが、その中で16ページ下、(4)負担能力に応じた公平な負担、給付の適正化の部分です。この項で述べられている趣旨自体は理解しておりますし、いずれにしても急速な高齢化、人口減少のもとで、医療保険、介護保険の持続可能性の確保が重要な課題だということについても十分に理解しています。ただし、個々の内容については、結果として国民生活の不安を招くことになっては本末転倒になりかねないと思っています。

例えば、介護保険における軽度者に係る生活援助の給付の適正化が一律的に強行されることになりますと、仕事と介護の両立が困難であるという既にある問題を更に広げてしまう。さらに、そもそも軽度者に必要な対処を行わずに重症化が進むことになってしまいますと、政府として今、力を込めて目指している「介護離職ゼロ」の実現が遠のくことにもなりかねないと思います。また、この事例で申し上げれば、介護離職が進めば結果的に税金を払える人が減ってしまうといった影響も考える必要があるだろうと思います。

したがって、全般に関わる表現において、給付の適正化については、医療・介護への公平なアクセスを保障する公的保険制度の趣旨に十分留意しつつ、本当に必要な対処を確保、あるいは強化するといった視点も含めて、検討を進める必要があるということを改めて申し述べておきたいと思います。その趣旨が読み取れるような修文を検討いただけないかということで、具体的に言うと、16ページから17ページにかけて「負担の公平性の確保と給付の適正化は、避けては通れない改革である」に続けて、「医療・介護の総合的な確保の推進に留意しつつ、進めていくことが必要である」という形で、そのニュアンスを入れていただけないかと思います。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 起草委員の土居委員から。

〔 土居委員 〕 ご意見ありがとうございます。

我々も、国民生活に支障を来すようなことがあってはいけないということは、もちろん大前提で思っております。15ページの(1)医療・介護提供体制の改革の冒頭、「より効率的かつ質の高いサービス提供体制を構築していく観点から」という文言に、今、おっしゃっていただいたご趣旨を反映させたつもりでおります。もしかすると、これだけでは不十分だとおっしゃるのかもしれませんが、我々としてはご意見を含めさせていただいたところであります。

16ページから17ページにかけての(4)の冒頭の文章ですが、同様の趣旨が前回の建議でも記されております。そこをトーンダウンさせることになりますと、財審として今までと少し異なる方針ないしは判断を、この建議では表に出したと受け止められかねない。それは我々の本意ではないと思いましたものですから、まさに医療介護総合確保推進法の文言なども参考にしながら、15ページの(1)の冒頭に記した形で反映したということにしていただけるとありがたいです。

〔 吉川分科会長 〕 では、神津委員。

〔 神津委員 〕 私が留意していただきたいのはまさに総合確保推進法との関係です。したがって、今、申し上げた案も含めて、医療・介護の総合確保という文言を、今、お示しいただいた15ページのところにさらに付加していただくことはどうかということも改めてご検討いただければと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、老川委員、葛西委員。

〔 老川委員 〕 ありがとうございます。

同じ16ページの17行目から27行目にかけて、幾つか触れていただきました。これは、私が当分科会でも何度かご意見申し上げたことの趣旨が反映されていると思います。感謝を申し上げます。特に、20行目の生活習慣病に係る予防について言及していただいたというのは、僕は大変大事なことだと思います。

それからまた、25行目の公的サービスの産業化ということで、税金で給付することだけが社会保障ではなく、産業化という視点を取り入れていくことについて言及していただいたということは、大変ありがたく思っております。ただ、公的サービスの産業化だけで意味が分かるのだろうかということも少し気になるところで、できるのであれば、介護、育児等にかかわる公的サービスと言っていただくと分かりやすいのではないかと。また、いきなり公的サービスの産業化と言ってしまうよりは、今、申し上げたような介護、育児等にかかわる公的サービスに関して、産業化という視点の検討も必要ではないかと少し平たく言っていただくとありがたい。

これに関連して、もしつけ加えていただけるのであれば、規制の在り方についても検討が必要だと言っていただくとありがたいと思います。例えば、待機児童の問題1つ考えても、本当にお金がなくて子どもを預けざるを得ないという方ももちろんいらっしゃるでしょうが、それぞれ所得があり、お金を出してでもいいから預かってもらいたいが、今はその場がない、このような家庭もかなり多いと思います。その点も含めてニーズに応えることが必要だと思いますが、それがなかなかうまくいかないのは、昔からの様々な規制によって認可がおりないといったことが障害になっている面もあるだろうと思います。その意味で、規制の見直しといったニュアンスをどこか触れていただくと、より明確になるのではないかと思います。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

では、葛西委員、お願いいたします。

〔 葛西委員 〕 13ページ18行目以降の修文部分ですが、筋書きだけを見ると、「医療の高度化」は費用対効果を考慮した上で適切に保険制度に取り込むことが望ましいと書いてあります。まず、「医療の高度化」の意味が具体的に分かっていないのですが、定性的に見ればそれは望ましいことかもしれません。

「費用対効果」という言葉もよく使われていますが、何が費用で何が効果であるのか、この場合の費用対効果のイメージが湧きません。例えば、保険に取り込めるかどうかは、保険制度の持続性を揺るがさないようにすることを基準にして判断したらいいなどと書かなければ、意味が分からないような気がします。

〔 田近委員 〕 これは、もう少し具体的な意味が背後にあって、問題としては、保険収載という難しい言葉を使いますが、保険適用するか、しないかという観点で、新しい、高度化された薬が出てきた時、それをみんなが享受、利用できるようにすべきである一方で、費用対効果も考えなければならない。例えばイギリスのナショナルヘルスサービス等では、やはりきちんと新しいお薬等の費用対効果を計測して保険収載を決めている。これは、もうこの分野である意味確立した言葉で使われているので、一般論で使っているのではない。したがって、費用対効果を考慮した上で、さらに費用対効果とは何かということに関しては、脚注で触れることは可能ですが、書き換えるものではないと思います。ただ、費用対効果とは一体どのようなものか、例えばNHSではこのようなことをしているというようなことは脚注で触れるべきだと思いました。

〔 葛西委員 〕 私は、持続可能性は大事だと思っていて、ここに書くとしたら「諸外国での判断基準なども参考にして」など、具体的に何か基準になるようなものを匂わせるほうがいいのではないかと思います。ここのご判断はもう任せますが、私の感想でございます。

〔 富田委員 〕 脚注のほうは、葛西委員がおっしゃるように「医療制度の持続可能性」と表現してあります。ですが、確かに、狭義で費用便益を見るのと持続可能性ということでは、やはり少し意味合いが違うと思うので、もう一度検討させていただきます。

〔 吉川分科会長 〕 では、佐藤委員。

〔 佐藤委員 〕 今の医療について言うと、持続可能性云々はどちらかというと、経済規模に対して医療費をどこまで適正な規模に抑え込めるかということですので、これはマクロの問題です。それを実現する1つの手段として、ミクロのアプローチとしての費用対効果というものがあり、実際、イギリスではNICEというところで検証しているわけです。したがって、そのあたりを混同しないほうがいいと思います。大きなマクロの目標として持続性の確保がありますが、それを担保する手段としてこういったミクロ的な手段というのは、日本ではもっと用いられてもいいのではないかという議論だと思います。

また、これも言葉の問題で、私もどう読むのか分かりませんが、同じところで、適切に保険制度に取り込むというのは、つまり保険制度に取り込むことが前提なのか。

〔 田近委員 〕 いや、「考慮した上で」と書いてある通りです。

〔 富田委員 〕 つまり、無条件ではだめだということです。

〔 吉川分科会長 〕 先ほどの費用対効果に関しては、この財審で、日本赤十字社医療センターの國頭英夫先生から、個別の薬についてヒアリングを行いました。ちょうど財審のヒアリングの後ですか、厚生労働省の検討委員会も立ち上がったと思います。今、佐藤委員がおっしゃったように、やはり個別の効果ですよね。

〔 佐藤委員 〕 もしつけ加えていただけるのであれば、健康寿命と医療費の間にも相関関係があって、健康寿命の長い地域は1人当たりの医療費は低い。したがって、先ほどの持続性という観点から見ても、健康寿命を延ばすのは財政的にも助かるということは事実だと思います。

〔 葛西委員 〕 ミクロの話として見た場合に、効果のほうは計量可能な効果でない部分がすごく大きいですよね。それはどのように判断されるのですか。主観的な判断でしょうか。

〔 吉川分科会長 〕 いや、必ずしも主観ではなくて、おそらく、それを検討している委員会などは、一言で言うと医師たちの世界になるのだろうと思います。医学的な評価として、どの程度意味があることかということで検討しているのだろうと理解しています。

〔 可部次長 〕 若干補足させていただいてよろしいでしょうか。

〔 吉川分科会長 〕 どうぞ。

〔 可部次長 〕 今、起草委員の先生方、あるいは佐藤委員からもお話がありましたが、ここで言及している費用対効果分析の1つの例として、これが良い悪いということは除いて、イギリスの場合にはNICEという医療評価の機構がございます。健康寿命1年当たりで、日本円にして500万円ほどのものは保険収載をし、それを超えるものは保険収載をしないという比較的客観的な基準でやっています。日本には、まだそのような基準はありません。その点に関して、この間、ヒアリングでもご指摘がありました。

さはさりながら、そうした費用対効果分析が全くないのはおかしいのではないかということで、厚生労働省のほうでも試行を始めております。何剤か取り上げまして、今申し上げたような観点で、それぞれについて他剤と比べて費用対効果が優れているかどうかという分析をしています。基本的には、そういった数値に基づいた分析をしようという文脈でやっております。もちろん、今、委員がおっしゃったように、最終的にはまさに保険の持続可能性に向けた取組であるということであろうかと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、ほかにいかがでしょうか。

それでは、まだ時間、少しありますが、総論、各論、あるいは全体、財審の在り方でも。どなたからでも。板垣委員、どうぞ。

〔 板垣委員 〕 最後の総論32ページです。

私だけが違和感を持つのかどうか分かりませんが、5行目「持続可能な財政構造の構築という成功は得られていない」。これは「成果が得られていない」、もしくは「構築は成功していない」ではないかと思います。

〔 吉川分科会長 〕 はい、分かりました。

では、武田委員。

〔 武田委員 〕 ありがとうございます。

まず、総論の12ページと社会保障の14ページの2ヶ所ですが、前回、永易委員が意見書において、「社会保障の受益と負担の不均衡や世代間格差」という言葉を修文案として提示されていましたが、私もその案に賛成でございます。例えば、12ページのところで「社会保障の受益と負担の不均衡や世代間格差」と入れる、あるいは格差を不均衡として「世代間、世代内の社会保障の受益と負担の不均衡」という形で、「世代間」という言葉を入れていただけたらありがたいと思います。

また、同様の文脈で、14ページ、上から6行目「受益と負担のバランスが」とある前にも、「世代間、世代内で」、あるいは「世代間の受益と負担」など、一言触れていただくと、その下にあります「若い世代が」という文脈につながりやすくなるのではないかと感じました。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 具体的なご指摘、どうもありがとうございました。

いかがでしょうか。各論、総論、春の財審全体の感想などでも結構です。

岡本委員、お願いします。

〔 岡本委員 〕 全体に対する感想として、最近、海外情報をずっと調べてきていますが、これは格段に説得力があって良いと思います。この海外調査について、過去、まとめてやってきているわけですが、この1年間、それぞれの国はどのように努力をしたのか、一方我が国はどうか、という比較も重要であるので、今後はやはり毎年きちんとしたフォローをしていったほうがいいのではないか。その中で、調べ切れていない、まだ満足いかないという部分も出てくるでしょうから、ぜひこれについては力を入れてほしい。

それから、女性を対象とした公聴会は、男性にも目を向けてやっていくということも重要ですし、7年ぶり、10年ぶりと言っていましたが、これもやはり毎年、我々の努力としてやっていかないといけない。その時、先生は女性のほうがいいと思います。

どちらも、今後、我々が取り組んでいく中で本当に重要なポイントだと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

いかがでしょうか。葛西委員。

〔 葛西委員 〕 20ページから21ページの、義務教育のところですが、加配定数というものがございます。加配定数というのは、いじめや不登校の対処策として求められているといった脚注がついておりますが、この後にどのように対処するかということで、指導方法の工夫や、児童生徒支援などが書いてあります。現実には、いじめや不登校については、義務教育である以上、教えるほうも教える義務があるわけですから、やはりしつけのやり方や、例えば落第をさせるなど、そのような具体的な方法を講じて、なおかつ解決できないのかどうかといったことを一言入れたらどうでしょうか。全体でそういった議論になったことを聞いたことはないですが、指導方法の工夫だけでは何か意味がよく分かりませんよね。

それから、もう1点、エビデンスに基づいて議論しようと書いてあります。21ページの23行目です。これは、エビデンスを出す挙証責任はどちらにあるのか、もちろん予算を要求する側にあるということを明確にしておくべきで、明確なエビデンスに基づいた主張に対しては議論に応ずるという書き方にされたらいかがかと思いました。

〔 吉川分科会長 〕 具体的なご指摘、どうもありがとうございました。起草委員の先生方にご検討いただければと思います。

十河委員、お願いいたします。

〔 十河委員 〕 まず、起草委員の先生方には、前回から比べて更に具体的な内容も盛り込んでいただいて、改めて私も一国民として読んだ時に、非常に説得力がある内容が、より力強く出されているのではないかと思いました。特に海外調査は、皆様お時間ない中で行かれて、諸外国の様々な対策を具体的に盛り込んだという部分は、日本がどうしていくべきかという上で比較対象にもなって、大変よろしいのではないかと思いました。

そして、大変細かい点ですが、私も女性公聴会に出席させていただきましたし、租税・財政教育も本当にこれから必要だと思います。特に、12ページ目、上から3行目に、本年6月から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられるということで、高校生も日本の財政ということを考えた上で選挙に臨む必要が出てきているわけです。日本は検討する時間が長いわりに、時間を要するという部分が私は個人的にとても気になっております。そこで、選挙権年齢が18歳以上ということを踏まえて、19行目「現在の財政上の課題が適切に反映されることを求めたい」という部分に「かつ速やかに」という言葉も加えてはいかがでしょうか。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 具体的なご指摘、どうもありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。

〔 吉川分科会長 〕 富田委員、どうぞ。

〔 富田委員 〕 先ほど加藤委員がおっしゃった、32ページの2018年度の中間目標についてのご指摘ですが、これは非常に大事です。2020年度にPB黒字化すればいいのではないか、まだ時間はあるだろうと思われている人がいるとすれば、やはりもっと、2018年度の中間目標もきちんとやらなければいけないということを伝える意味で、ある意味1つの大きな厳しいハードルを置いているとお読みいただければと思います。

〔 加藤委員 〕 今、富田委員がおっしゃったようにやはり途中が大事だと思うので、1ページにも中間目標についての記述をいれてほしいという趣旨の発言でした。実は、冒頭のところは2020年度のPB黒字化についての記述しか入っていないので、そこにも追加してほしいという趣旨です。

〔 吉川分科会長 〕 そうですね。

〔 富田委員 〕 ありがとうございます。

〔 吉川分科会長 〕 ほかにご意見等ありませんか。

では、本日も熱心に審議していただいたわけですが、本日、皆様方からいただいたご意見を踏まえまして、最終的な修文につきましては、大変恐縮ですが、私に一任という形でお願いできればと思います。

本建議がまとまりましたら、最終的な修文を行った上で、私と起草委員の先生方で、この分科会を代表しまして、麻生大臣へ手交したいと考えております。麻生大臣への手交と公表は、来週18日の水曜日を予定しております。その後、速やかに事務局より委員の皆様方に建議を送付させていただくと、このような流れになっております。

それでは、本日の議題は終了ということですが、大変恐縮ですが、本日お手元に配付しております建議(案)、保秘の観点から会議後回収ということにさせていただきたいと思います。

今回の春のセッションは、2月以来、審議をしてまいりました。本当に熱心な議論をしていただきまして、ありがとうございます。一応、今回、建議がまとまったということになりました。

本日は閉会とさせていただきます。

午後2時21分閉会

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