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財政制度分科会(平成28年4月28日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録

平成28年4月28日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

平成28年4月28日(木)16:30〜17:50
第3特別会議室(本庁舎4階 中-412)

1.開会

2.議題
・女性公聴会についての報告
・とりまとめに向けた審議

3.閉会

出席者

分科会長 吉 川   洋 坂井副大臣
福田主計局長
美並次長
可部次長
茶谷次長
阪田総務課長
中山調査課長
青木法規課長
内野給与共済課長
片岡大臣官房参事官
小宮主計官
宇波主計官
奥主計官
阿久澤主計官
高村主計官
彦谷主計官
堀内主計官
冨安主計官
山崎主計官
主計官
江島主計官
泉主計企画官
委   員

遠藤典子

大宮英明

倉重篤郎

黒川行治

神 津 里季生

角   和 夫

竹中ナミ

田中弥生

土居丈朗

中空麻奈

臨時委員

板垣信幸

伊藤一郎

井堀利宏

老川祥一

岡本圀衞

葛西敬之

小 林   毅

佐藤主光

末澤豪謙

十 河 ひろ美

武田洋子

田近栄治

増田寛也

宮 武   剛


午後4時30分開会

〔 吉川分科会長 〕 では、定刻になりましたので、ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。皆様方には、ご多用中のところご出席いただきまして、ありがとうございます。

本日は、議題は2つ、先日22日、金曜日に開催されました女性公聴会についての報告と、建議、「『経済・財政再生計画』の着実な実施に向けた建議(案)」のとりまとめに向けて、この2つについて審議していただきます。

なお、永易委員におかれましては本日ご欠席のため、意見書をご提出いただいており、皆様方のお手元にお配りしております。

本日は、審議終了後に大臣との意見交換会を予定しておりますので、時間どおり6時に終了したいと思っております。ぜひご協力をよろしくお願いいたします。

それでは、早速、議事に移らせていただきます。

まず、先日22日、金曜日に開催されました女性公聴会について、司会を務められました竹中委員より簡単にご報告、お願いいたします。

〔 竹中委員 〕 どうも、竹中です。先週22日の金曜日に、10年ぶりの女性公聴会ということで開催させていただきました。どうなることかと少しドキドキしておりましたが、お断りせざるを得ないほどのお申し込みをいただきまして、405名という、ほぼ満席の状況で開催させていただきました。ご協力いただきましたことに心から感謝をしたいと思います。

お手元の資料1が報告になっておりますので、資料を見ながら聞いていただければありがたいと思います。

1ページ目は公聴会開催の経緯及び概要ですが、委員の皆様は、ご存じでいらっしゃいますので、このような趣旨でさせていただいたということでご理解くださいませ。

司会として、最初に会場の皆さんに申し上げたのは、ちょうど熊本の地震があった直後でありましたが、どこにでも活断層がある国土の上で運命共同体のように私たちが生きているように、同じ財政状況の中で私たちは今暮らしているので、お互いが当事者ということで真剣に考えていただきたいですし、ご意見をいただければありがたいというような形で発言して、会を開催させていただきました。

私が言うまでもなく、非常に熱心にご参加くださった方からのご発言が続き、また会場の雰囲気も、特に高校生の皆さんが、多数ご参加くださって、とても真剣な雰囲気で進みました。

資料の2ページ目ですが、参加状況を、年代別、職業別のグラフで表しております。満遍なく、様々な世代の方々に参加していただきました。職業別に見ていただくと、お勤めされている方が約55%ということでした。10年前に開催しました時は、午前10時半からの開催ということで、学生が約3%、会社員の方は約13%ほどでしたが、今回は夕刻6時からということで、お仕事を持たれている女性の方にたくさんご参加いただいたというのは、非常に特徴的であったかと思います。

3ページ目が当日の主な意見、公聴会の様子です。直前にブログでの保育所問題の発言があり、ちょうど保育所問題に関心が高まっていたわけですが、やはり今回、女性公聴会ということもあって、様々な保育制度の充実に関して、またそれが未来への投資であるといったご意見がたくさん出ました。それも我が身に置きかえてと言いますか、働きながら子育てを経験された方々からの真剣なご意見とともに、女子高校生の方からも、子育て支援制度をうまく機能させて、次の日本を担う子供たちを育て、自分も働いて社会貢献がしたいですという非常にしっかりしたご意見もいただいて、ありがたく思ったところです。

4ページ目に、アンケートの集計結果ということで掲載させていただきました。「今回の公聴会を踏まえて、今の日本の財政で、重要な政策課題は何であると思いますか」という点で、「将来世代への負担の見直し(財政健全化の推進)」、そして「社会保障の受益と負担のアンバランスの是正」と、この2つを合わせて約半数の方が選んでおられたのが特徴的だと思います。

5ページ目の調査結果ですが、「将来世代への負担の先送りである財政赤字(借金)を減らすためにはどうすべきだと思いますか」というところで、「歳出の削減と負担増を両方進めることはやむを得ない」という方と、「徹底した歳出削減はやむを得ない」という方の、両方を合わせると5割を超え、半分以上の方々が非常にシビアに見ていらっしゃることが感じられました。特に、右側の棒グラフをご覧いただくと分かるように、何と10代の5割以上の方が、削減と負担増を両方進めることはやむを得ないと回答しているのはとても印象的であったと思います。

6ページ、「社会保障(年金、医療等)の受益と負担のアンバランスについて、今後どうあるべきとお考えですか」ということに関しては、「現在の給付水準を多少引下げる一方で、相当程度の負担の増加はやむを得ない」が全体で約43%で、ここでも10代の約56%の方が、給付水準を下げて負担増という回答をしていたのが非常に印象的です。

7ページ目ですが、このような公聴会は有益だったかという問いでした。ここは少しドキドキしましたが、おかげさまで8割以上の方から有益であったとご回答をいただきました。実施させていただいた私たち、またスタッフの方にも大変ご苦労をおかけしましたが、みんなで非常にホッとしたような結果でありました。

8ページ目と9ページ目は、主なご意見をお示ししております。ぜひ皆様、この両ページ、お目通しをいただけたらと思います。

9ページ目の最後ですが、「最後の大臣の言葉は心強かった。若い人達に借金、負担を残さないように、財政健全化をしっかり考えて集中と選択をしていきたい。」というご意見がありました。実は、私たち委員はほぼ全員が財政を引き締める話と言いますか、このままでは大変だから頑張ろうねといった話だったのですが、最後に麻生大臣が明るく、日本の将来は大丈夫だとご発言くださいました。その点に関しては、高校生の方がたくさんいらっしゃって、暗い話だけで終わってはいけないという心づもりもあったかも分かりませんが、参加された方は、最後にそのような明るい言葉を聞けたのはよかったという意見が結構あったということを申し述べて、私のご報告にさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

では、続きまして公聴会に参加されました女性委員の方々から、それぞれ簡単なコメントをいただければと思います。五十音順で、遠藤委員から。

〔 遠藤委員 〕 既に竹中委員にご説明していただいたとおりでございますので、つけ加えることはあまりないのですが、女性で集まる意義がどうあったかということは、私たち参加したメンバーにおいても1つのテーマでした。ただ、アンケートの集計結果を見る限りにおいては、やはり女性は、男性もそうでしょうが、子供を出産して次の世代という意識がどちらかというと高いのかなと思いました。ですので、いわゆる世代間格差の是正の問題にはかなりセンシティブになっていると、そのような認識を女性の間で共有できたということは1つの進歩だったと思います。やらないよりはやったほうがいいということですので、こういった取組を継続的にやれるようにつなげていければいいなと感じた次第でございます。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 どうも。

では、十河委員。

〔 十河委員 〕 私も今回、初めて参加させていただきまして、竹中委員からお話ありましたように大変有意義な公聴会だったと思います。

私は子ども・子育てについてお話をさせていただきましたが、大変関心が高いということで、そこにお話が集中し過ぎてしまったのではないかという自己反省も含みますが、本当に様々な課題があったために、最後の会場からのご質問にほとんど答えることができませんでした。次回はもう少し時間を、30分ほどでもいいので広げたほうが良いのではないかと思いました。また、このアンケートを拝見いたしまして、財政に関する公聴会に参加されるということでかなり意識の高い方が多かったのは事実ですが、女性もしっかり日本の足元を見つめて、未来を考えているということが共有できてよかったと思っております。

〔 吉川分科会長 〕 武田委員。

〔 武田委員 〕 ありがとうございます。

今、お話が出たことと共通しますが、1点目に、思った以上に、高校生を含めて、非常にしっかりしたご意見をお持ちだったことに感銘した点でございます。アンケートも拝見しましたが、厳しい現実を受け止めつつも、こうした課題を直視して改善していこうという方が多いことは、裏返すと、明るい未来も描けるのではないかという気持ちになった次第でございます。

2点目といたしまして、遠藤委員もおっしゃられましたとおり、できればこのようなことは1回限りではなくて継続的にやっていくことと、また十河委員もおっしゃいましたが、相互の意見交換という意味では少し時間が制限されていたことが、次回以降の改善点ではないかと感じました。

最後に、今回の公聴会の運営に当たって、事務局の方々が半年にわたって準備を非常に丁寧に進めてくださいました。この場を借りて、本当に皆さんに厚く御礼を申し上げたいと思います。また、財審の委員の皆様にも、ビラをまいていただいたり、宣伝をしていただいたり、学生が集まられたのもそのおかげではないかと思っておりますので、この場を借りてお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

〔 吉川分科会長 〕 では、田中委員。

〔 田中委員 〕 私も、まず事務局の皆さんにお礼を申し上げたいと思います。

その上で2つ申し上げたいのですが、1点目に、もともと600人の応募がありました。応募の際に作文を求められることもあり、一体、どなたが応募してくるのだろうと思っていました。その意味でも、自分の意見を政策に反映したい、あるいは、もっと学びたいという意欲が非常に高まっているような気がいたしました。その点に鑑みますと、やはりこのような機会を続けていく必要があるのではないかと思います。

2点目ですが、続ける際、今回の議論の中でも「一億総活躍社会」、その中でも保育はよりフォーカスされて出てきました。おそらく第2、第3の矢も議論になってくると思うと、その根底にあるトリガーは、私は働き方の改革や多様性の問題ではないかと思いますので、一見、財政と離れているようですが、将来世代のことを考えると非常に大事なことですので、次はこれをテーマにして議論をしてはどうかと思いました。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 では、中空委員。

〔 中空委員 〕 ありがとうございます。

女性委員が皆さんしゃべっていただくと、もうしゃべることがほかにないぐらいです。お礼は言っていただいたし、たくさんのことを言っていただいたので、追加はないのですが、実は自由記載のアンケートをしていただいていまして、これを見ると結構手厳しいご回答がありました。やはり批判はきちんと受け入れて、次の機会に生かせたらと思っています。また、意見の中で、女性、女性と女性で集まり過ぎて、男性にも意見を聞いてほしいという意見がありましたので、女性の公聴会であっても男性が入るということを少し考えてもいいのかなという気がしました。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

では、残り時間、実は5分程度ですが、どうぞ、どなたからでも。岡本委員。

〔 岡本委員 〕 ありがとうございます。

女性委員の方、本当にお疲れさまでございました。実は、私の女性の部下もこれに参加をしましたが、良かったと本当に強く言っていました。今、お話がありましたように、高校生などがかなり熱心に話をしていたということと、本人も手を挙げたらしいのですが、30人か40人が手を挙げて、時間の関係で2人程しか答えられなかったというようなことを聞きますと、これは本当に関心が深いのだなと思います。

そういった中で、どのように国民に啓蒙しようかという時に、マスコミの力を借りるなど、いろいろな意見を言ってきましたが、このような公聴会というのは、まさに財審がダイレクトに持っている機会であるにもかかわらず、やはり10年ぶりというのは少し問題です。それこそ、皆さん全員言われていましたが、これは毎年どこかで行うなどといったルールを敷いてもいいのではないかと思いました。

以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 では、土居委員。

〔 土居委員 〕 簡単に1つだけ、女性委員の方々に質問させていただきたいのですが、女性の国民の方々に今の財政状況を説明する時に、男性から説明するより女性から説明したほうが、中身は同じだとしても、説得的だというような手応えはあったのかどうか。

〔 吉川分科会長 〕 どなたからでもどうぞ。もし、あれば。

〔 竹中委員 〕 私はあったと思います。やわらかく聞こえるなど、そういったことではないのですが、聞いている人も女性ですし、それを伝えようとしている人も女性だからという意識の共有のようなものがありました。もし、会場に男性が半数以上おられたら、また違っていたのかもしれませんが、今回、壇上から女性がご説明させていただいたということは非常に有効でありました。特に、女性委員の皆さんが自分の子育て経験などの自己紹介も含めながらお話ししてくださったので、それがすごくよかったと思いました。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。いずれにしても、一言で言って大成功だったと私どもも理解しておりますので、事務局もそうですが、何より参加された女性委員の方々、本当にどうもありがとうございました。

それでは、本日の第2の議題に移りたいと思います。建議のとりまとめに向けた審議でございます。本日お配りしている建議(案)につきましては、これまで田近分科会長代理、小林委員、土居委員、富田委員、中空委員にご議論いただき、とりまとめていただきました。お忙しいところ、どうもありがとうございました。

建議の審議の進め方ですが、全体を2つに分けて審議したいと思います。まず、総論について30分程度、それから各論、すなわち社会保障、文教・科学技術、社会資本整備、地方財政について40分程度、このように分けて審議を進めたいと考えております。

日程の都合上、建議公表の前に、経済財政諮問会議において麻生大臣から、当審議会におけるこれまでの主な議論について、建議(案)を要約した形でご紹介いただく可能性がございます。お配りしている建議(案)の後に、現状の建議(案)をベースに要約したものを添付、これは同じ冊子の一番後ろにとじ込んでおりますので、こちらにつきましても特段のご意見がありましたら、ご発言いただければと思います。

それでは、まず総論の冒頭1ページから12ページと、最後の30ページについてご意見をいただきたいと思います。建議をまとめていくわけですので、毎回同じですが、修文要請につきましては具体的にお願いできれば幸いです。先ほどもお話ししました総論の審議につきましては、30分ほどを考えております。発言につきましては簡潔にしていただければ幸いです。

どうぞ、どなたからでも。岡本委員。

〔 岡本委員 〕 これを取りまとめていただきまして、本当にありがとうございます。非常にまとまっていると思いますが、総論のところでマイナス金利について何とか触れられないかという気持ちがあります。

と言いますのは、財審としてはこの問題について中立的な立場なのか、むしろ国債の利払いが減るからウェルカムなのかという点もありますが、次の3つの理由で非常に重要なテーマだと私は思います。したがって、建議の2ページの9行目の後ろあたりに盛り込めないか。 理由の1つは、金利がマイナスのうちに安易なインフラ投資などが進められて、財政の膨張ということが起こらないか。例えば新幹線についてなど、このような懸念がマイナス金利の中に内包しているのではないか。

2つ目は、当初、期待していたような円安や株高というのはなかなか実現しないわけです。デフレ脱却というのは、金融政策だけではなくて、やはりほかの問題と組み合わせないとなかなかできないのではないか。

3つ目は、まさに我々ですが、金融機関や保険会社はこれで大変苦労しております。例えば、高齢の時の年金などの商品設計もほとんどできない、みんな販売停止となってきています。どうしてもこの問題については金融仲介機能を低下させるという視点もあり、財政規律面でも様々な問題があるので、フォローアップをきっちりしていかなければならないということで、ぜひ入れていただければと思っております。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。

もう岡本委員、ご案内のとおり、金融政策自体に財審の建議で是非等を言うのは、場としてふさわしくないと思いますが、この場合はマイナス金利まで含めて、ある意味異常な超低金利が財政規律を緩めないか、それについて何らかの言及をするかというご指摘かと思いますので、起草委員の先生方にその点ご検討いただくということでお願いできればと思います。

続けて、井堀委員、伊藤委員、板垣委員の順でお願いいたします。

〔 井堀委員 〕 2ページの18行目、2018年度の中間評価の書きぶりですが、ここは対GDP比、プライマリーバランス対GDP比▲1%という目標をどこまで明確に、数字も入れて、あるいはコミットメントしてどの程度強く書くかというところが若干気になっています。最後の30ページでは、そこは消えて2020年度の話が書いてあります。2018年度に▲1%の中間目標を達成するということをどの程度真剣に財審として指摘するのか、触れてもいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

〔 吉川分科会長 〕 分かりました。2020年度だけではなくて、2018年度の中間目標についてということですね。これも起草委員の先生方に。

では、続けて伊藤委員。

〔 伊藤委員 〕 ありがとうございます。

総論としては、今回の海外視察の結果も反映されていまして、かなり書き込んでおられると思います。私、1つだけですが、消費税の問題です。「経済・財政再生計画」の着実な実施ということは、前提として当然、10%に消費税を引き上げるということは入っていると思いますが、その部分は、消費税という言葉としては触れられていませんが、そこが変わってしまうと様子が大分変わってくると思うものですから、そこを書き込むのか、書き込まないのかというのは微妙な問題ではあると思います。私は今回、消費税を10%まで上げることをぜひやっていただきたいという意見なものですから、少しそこのところをお聞きしたい。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 お聞きしたいと言われましたが、そこを書き込むべきだというご指摘、ご意見だろうと思います。

〔 伊藤委員 〕 ええ。どちらかというと、そういうことでございます。

〔 吉川分科会長 〕 この点も、ぜひ起草委員の方々に。

〔 田近委員 〕 そのことに関して意見を聞いてもらえますか。

〔 吉川分科会長 〕 委員の方々にですか。

〔 田近委員 〕 はい。

〔 吉川分科会長 〕 分かりました。

今の消費税引上げに関して、もう少し書き込むべきだというご意見をいただいたと思いますが、その点に関して、他の委員の方々、起草委員の先生方の議論の参考にするということだろうと思いますが、ご意見があればお願いいたします。

〔 土居委員 〕 悩みを述べさせていただいてよろしいですか。

〔 吉川分科会長 〕 では、土居委員、どうぞ。

〔 土居委員 〕 起草委員として、なかなか踏み込んで書きにくかったという悩みを吐露させていただくと、別にまだ先送りすると決まっているわけでもないですし、法律上は予定どおり行うということになっているわけであります。しかも「経済・財政再生計画」は、先ほど伊藤委員がおっしゃったように、もちろん織り込まれているということですが、世の中の雰囲気が微妙に我々の懸念しているようなことになって、そこまではっきり書いてしまうということは、その懸念を認めてしまうことにもつながりかねないというところでございます。予定どおりやると総理もおっしゃっているということですから、そこはそのとおりになさっていただければということで、何も触れていなかったのですが、伊藤委員ご指摘のように触れていないことがメッセージ性として弱いということであれば、皆様のご意見を承れればと思います。

〔 田近委員 〕 少しいいですか。

〔 吉川分科会長 〕 どうぞ、起草委員の田近委員。

〔 田近委員 〕 伊藤委員、30ページの一体改革についてですが、先ほど井堀委員から、2020年度だけではなくて、その前の2018年度も書くべきだというのはそのとおりだと思います。6行目で、2020年代初めには団塊の世代が後期高齢者になり、いよいよ社会保障の負担が高くなっている中で、一体改革に向けて不退転の決意でその取組を進めると、黒字化に向けてやると、ここに気持ちはこもっています。

〔 吉川分科会長 〕 小林委員。

〔 小林委員 〕 それから、10ページのところで、「三党合意」について遅滞なく着実に実施していくことを強く求めたいと、これはまさに社会保障と税の一体改革でありまして、そのあたりにもその思いは込めたつもりであります。先ほど土居委員がおっしゃったように、今の状況でどこまで踏み込むかは我々も非常に迷っているところがありますので、皆さんのご意見をお聞きしたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 あと、2ページの脚注4でも内閣府の中長期試算の数字に言及をしています。そこでも消費税の増税と、それに伴う軽減税率まで言及があるわけですが、もう少し直に書いたほうがいいというご意見をいただいたということです。

関連してご意見のある方、どなたでしょう。

〔 吉川分科会長 〕 では、佐藤委員。

〔 佐藤委員 〕 やはりある意味、ショー・ザ・フラッグではないですが、こちらとしては消費税を10%に上げることを前提にここまで議論しているわけですから、あまり慮らないで、10%に上げましょうということは書くべきですし、逆に書かなかったということが言われてしまうので、今度は財審が増税を求めなかったと言われかねない。

もう1つ、忘れがちな、脚注4に少し書いていますが、6,000億円の財源については安定財源をきちんと確保するべきであるということも言わないと、単に景気の上振れ分で済ませたのでいいでしょうでは終わらないことですから、確実に10%に上げるべきである、6,000億円については確実に安定財源を確保するべきであるということは、明記するべきだと思います。やはり思いを込めるのではなくて、明確にメッセージを与えないといけない時代ですから、言わないことには伝わらないと私は思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

ほかにいかがでしょう。関連したご意見。

〔 美並次長 〕 分科会長、よろしいでしょうか。

〔 吉川分科会長 〕 では、事務方から。どうぞ。

〔 美並次長 〕 事務方から恐縮です。

我々、読んでいて10ページの書きぶりはかなり、「一体改革を遅滞なく、かつ着実に実施していくことを強く求めたい」というのは、消費税という言葉はないですが、非常に強いメッセージがこもっていると理解して読んでおりました。したがって、これ以上書くというのは、財審として強く求めたいという、かなり強いメッセージが入っているような気がいたしましたが、その辺は皆さんがどう受け止めるかという問題だと思います。

〔 吉川分科会長 〕 常にプロの読み方と、それこそ一般国民の読み方という観点がありますが、関連した点で。では、遠藤委員、倉重委員の順でお願いします。

〔 遠藤委員 〕 1つだけ。昨年との相対で、後ろに下がっているようだとまずいかなと思うので、昨年と比較して歩調を整えるというのは1つあるのではないかと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、続けて、倉重委員。

〔 倉重委員 〕 私も、明確に書いたほうがいいのではないかと思います。要は、基本的には現実に動いている流れとの整合性を気にされるわけですよね。書き込んでしまって、結果的に先送りした時に、結局、財審の話が全く一顧だにされずに、権威そのものが喪失するのではないかということ。あるいは、書き込むことによって、逆に政権のフリーハンドと言いますか、を縛ることについて若干の配慮をしているのか。私の見るところ、先ほど佐藤委員がおっしゃったように、民主党政権以降、何のためにこのような議論をしてきたかというと、一体改革で消費税を8%から10%に上げると、しかも、それを1回先送りして、さらにまたそういう局面には、財審の意思がそこになければいいですが、意思があるとすれば明確に打ち出すべきではないかと私は思いました。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

竹中委員も関連してのご発言ですよね。

〔 竹中委員 〕 はい。10ページの「実施していくことを強く求めたい」も、今、おっしゃったとおりですし、最後のページの「不退転の決意で」というのもそうですし、何より1ページの冒頭に、「政府は、2020年度……」から始まるのではなくて「目標を達成するためには計画が必要であり、計画を実行してこそ成功につながる」という非常に文学的な表現で、頭にこの2行を置かれているというところに、万感の思いを起草委員の皆様がお込めになったのだろうなというのは非常によく分かります。個人的には、今、佐藤委員や倉重委員が言われたように、私たちは触れなかったということを言われないように、書き込むべきだろうとは思いますが、起草委員の皆様が悩まれて、悩み抜かれてこのようにまとめられたのであれば、私はそれでもやむを得ないかなと思う立場です。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ほかにいかがでしょうか。関連してでしょうか。老川委員、お願いします。

〔 老川委員 〕 これは非常に難しい問題だと思います。論理的に言えば、10%に引き上げることはもう決まっているわけだし、しかも総理も今度は必ず上げると再三明言してきているわけですから、その約束を守るべきだということは、筋道としては当然正しいことだと思います。

ただ、今、議論されているのは、上げる、上げないの判断のもとが、日本経済の先行きをどう見るかということとの関わりで言われているわけで、経済がどうなろうと、言ったことは守れよということになってしまうと、これまた経済というのは生き物だから、そう杓子定規にはいかないよということにもなる。だから、何が何でも約束通りやりなさいという場合は、我々として経済情勢はこう見るべきである、よって約束を守るべきだと、このような判断が裏付けにないと、具体的にそこのところを強調することはなかなか難しいのではないかと思います。

そういう意味では、この原案はそういった点も含めて苦心の表現だなと、私は拝読したわけであります。もう一歩踏み込む以上は、税収が減ったのでは元も子もないというような議論に対して、いや、そんなことはないということをはっきり我々なりに自信を持って言えないと、まだどうするか分からない段階で言うことは少し難しいのではないかというのが私の印象です。

〔 吉川分科会長 〕 ほかに関連していかがでしょうか。

〔 板垣委員 〕 消費税については、佐藤委員からありましたように、いろいろと考えずに、普通通りにきちんと伝える文章を入れるべきであろうという考え方です。

〔 吉川分科会長 〕 では、消費税に関しては、ほかの委員の方、関連していかがですか。では、岡本委員。

〔 岡本委員 〕 今、老川委員のお話にありましたが、もともとこれ、リーマンショック並みのなど、かなり厳しい経済情勢が起こった場合であって、まずは実施するということがあったわけですね。今の経済情勢、デフレがなかなか脱却できないなど、このようなレベルを予定して、これでもだめだと言ったら永遠にできないわけであります。もう1つは、10%に上げられないのではないか、これはもう風前の灯火ではないかという状況もありますので、やはり私は佐藤委員や倉重委員の言うように、これは書いたほうがいいのではないかと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ほかに関連してのご発言はありますでしょうか。田近委員。

〔 田近委員 〕 こちらの考え方ですが。

〔 吉川分科会長 〕 はい。

〔 田近委員 〕 先ほど2ヶ所紹介して、こちらの書きぶりというか、書いたほうの考えをもう少し丁寧に説明すると、今回、海外調査をしてきた結果を生かそうということで、9ページで財政健全化のコンセンサスということで、ドイツがEUの財政協定に先立って実施した。特に僕は、皆と議論していてカナダのところがよく書けていると思いますが、カナダも国債格下げ等で危機感が高まって、その中で実際健全化してきています。アメリカもそうだと。

そういうことを含めて、我々、財審の議論としては、今、議論のあった点をどう進めていくのかということで、2012年に「三党合意」をしたではないかと。そこで、本合意に基づき一体改革を遅滞なく着実に実施する。つまり、本合意に基づきという中には明らかに消費税の引上げが入っているわけです。我々、いただいたご意見を踏まえて検討しますが、我々の考え方は、引き上げることを特出しで別の項目に書くということではなくて、あくまでも各国がこういう努力をしてきた中で、我々は2012年の約束を着実に執行し、また実現してもらいたい、もって2020年も実現したいと。そういう感覚かと思いますが、その辺は起草委員の方々もいいですよね。そういう形で我々が考えてきたということはご理解いただきたい。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございます。

では、消費税に関する議論はとりあえず一応終わりということで、最後に私も一言だけ言わせていただくと、私はこの間、消費税をめぐる議論が、あまりに景気との関係に偏り過ぎているのではないかと思っています。これからの数四半期、あるいはこれからの1年、日本経済について、その足元、短期の問題というのはもとより、景気の問題というのは大変大事な問題だと私も理解しているつもりです。

一方で、ここで議論している消費税というのは、ご存じのとおり、実質、社会保障目的税化している。社会保障の問題、あるいは我々の審議会の大テーマである財政再建というのは中長期の大きなテーマですから、自ずから短期の問題と中長期の大テーマというのは切り分けるべきだと思いますが、世の中の議論がどうも前者のほうにだけ偏っているのかなという感じは感想として持っています。今、委員の皆さん方に貴重なご意見を述べていただいたので、起草委員の先生方にぜひご検討いただければと思います。

その上で、総論部分をもう少し、板垣委員。どうぞ。

〔 板垣委員 〕 起草委員の先生方、かなりうまくまとめていただいたという印象を持っております。その上で、1点入れていただきたいのは、7ページの5行目「近年、経済は堅調に推移し、想定を上回る税収が得られている。」この後に文言を入れていただきたい。

つまり、いかにもうまくいっているような印象で終わってしまいかねないという問題があると思ったので、私は「得られている。」の後に次のような文章を入れたほうがいいと思います。「想定を上回る税収が得られている。しかし、これは異次元の金融緩和とマイナス金利、それに機動的な財政出動などによって支えられたもので、日本経済の自律的な真の実力とは言いがたく、今後の動向によっては、金融環境と同時に財政が極端に悪化する危険性も内包している。このような状況下で、」と続く。

ここまで書き込む必要もないかもしれませんが、何かうまくいっているねという状況から、手を緩めてはならないとすぐ言ってしまうのはもの足りないという印象を持ちました。ですから、今、言ったような文言は全くのサンプルでありますので、少しご検討いただければと思います。

それと、もう1点、今日、永易委員から意見書が出されておりますが、私も同様の認識を持っていることが分かりましたので、各委員におかれましては永易委員の意見書をしっかりと読んでいただければと、あえてつけ加えさせていただきます。

〔 吉川分科会長 〕 具体的なご指摘、どうもありがとうございました。

神津委員、お待たせしました。

〔 神津委員 〕 幾つかありますが、この場では絞り込んで発言をしておきたいと思います。

総論では1点のみですが、7ページの14行目から始まる3行「各年度の予算を規律あるものとしていくことが不可欠である」という件ですが、申し上げる2つの観点で補強していただきたいと思います。

1つは、この場でも何度か議論されていると認識していますが、補正が尻抜けになっている問題については、「各年度の予算を」の後に「補正予算編成も含めた年度予算全体の中で財政規律を厳格化していくことが不可欠である」と、こういった内容を入れていただきたい。

もう1つは、仕組みの問題で、まさに海外調査で様々な知見を得させていただいたことも踏まえながら、今、申し上げた財政規律を厳格化していくことが不可欠だということにつなげて、「そのためには、中期財政計画を策定する中で、新規国債発行や歳出額の上限を設けるなど、予算編成の枠組みをルール化していくことも検討していく必要がある」と、このような内容を盛り込んでいただきたいと思います。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。

では、佐藤委員の後、末澤委員。

〔 佐藤委員 〕 財政健全化のコンセンサスのところで、私、イギリスに行ってきたので、イギリスで例のOBRがあって、独立財政機関であるというのがポイントですが、やはり堅実と言いますか、慎重なシナリオに基づいて財政の見通しを立て、それに基づく財政運営を実現してきたのがイギリスの場合だと思います。ですから、この場でもさんざん出ていることだと思いますが、やはり海外から何を学んだかというと、財政運営は慎重な見通しのもとになされるべきであり、その見通しというのは第三者的な視点を持つべきということだと思うので、それは学ぶべきことではないかということ。

あと、財政・租税教育の充実のところは分かりますが、もう1つ、アメリカの話でおもしろいと思ったのは、タックス・ファンデーションを含めて、NPOが意外と啓蒙活動という点において、あるいは問題の喚起という点において大事な役割を果たしているということです。これは単に公教育の枠の中だけでやることではなく、やはりそういう外部組織、NPOなどといったものとの連携も深めていくべきではないか。これはアメリカからの示唆ではないかと思います。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 では、末澤委員。

〔 末澤委員 〕 すみません、どうもありがとうございます。

今回、私ども海外に訪問して、諸外国の財政健全化の過去の経緯等を観察してきましたが、その内容が盛り込まれておりまして、本当にありがたいと思っております。

少し細かいところで恐縮ですが、1ページの下のほう「経済・財政再生計画初年度である28年度予算は」という表現がありますが、これを全部見ますと「2020年度(平成32年度)」という形になっていまして、なぜか28年度予算だけ、各論のほうも全部「28年度予算」と書いているので、2016年度予算ないしは平成28年度予算とするなど、基準を統一されたほうがよろしいのではないかと思います。

以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 田中委員、簡潔にお願いします。

〔 田中委員 〕 佐藤委員のご意見を後押しする形になりますが、できれば財務省の財政教育の取組というのもどこかで書いていただけたらと思います。それから、それが学校教育だけではなく地域の自発的な活動を促すような書きぶりが必要かと思います。私のほうも考えてみたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 いかがでしょうか。時間的には、次の各論に移りたいのですが。では、小林委員。

〔 小林委員 〕 今日の女性公聴会での話を踏まえてというか、皆さんにご提案というか、ご意見をお伺いしたいと思ったのは、この女性公聴会でのアンケート結果にはいろいろと出ています。起草委員会でやっている間にはまだ出てこなかったので、こういった結果を多少入れたほうがいいのかなと正直思いました。同時に、これはいわゆる世論調査とは違いまして、財政に対してかなり関心の高い方の限られた意見になる。それを入れると、逆に誘導、あるいは誤解を招くという意見もあるかと思ったので、せっかく今日発表されましたので、多少入れたいとは思いますが、少しどうかなと、今、正直迷っております。もしご意見がありましたら、次の分科会までに若干時間がありますので、メールでもしていただければと思います。

〔 吉川分科会長 〕 今の点も、もし特段ご意見あればメール等でお願いするということで、各論に移ってよろしいでしょうか。

では、時間もありますので、各論、社会保障、文教・科学技術、社会資本整備、地方財政、ページでいいますと、お手元の資料の13ページから29ページについて、今と同じようにご意見いただければと思います。おおよそ40分で、6時終了と考えております。ご協力、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。どなたからでも。

では、田中委員、宮武委員の順でお願いいたします。どうぞ。

〔 田中委員 〕 すみません、いきなり30ページ、一番最後のところと、それから文教のところで申し上げたいのですが、終わりにの3行目、平成18年の「骨太2006」が計画倒れに終わりと一刀両断で切られてしまっていますが、少なくともこの時代は補正予算を出さずに歳出削減に相当努力していたと思います。そうした努力にもかかわらず達成できなかったこともあるので、ここはあまりにも単純に切り過ぎていないかという点が気になります。それが1点です。

それから、21ページです。脚注20の指標のところで、これはおそらく、単に表現の話だと思いますが、下から2行目「正確な指標とは言い難いことから……一定の効果があるものと考える」ということで、文章が全部つながってしまっているために、最終的に何を言いたかったのかよく分からないところがあります。ここは意図を確認した上で修正したほうがいいですし、もし私のほうでお手伝いできることがあればさせていただきたいと思います。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 では、宮武委員、お願いいたします。

〔 宮武委員 〕 細かなことで恐縮ですが、ページでいうと、医療・介護の項目の16ページの4行目のところに「かかりつけ医普及の観点からの外来時の定額負担の導入等」と書いてございまして、17ページにも同じ表現が出てまいります。これは、紹介状なしに500床以上の大病院を受診した時に、定額負担にするとこの4月からなっておりますが、それを中小の病院にも拡大しろと、こういう意味なのでしょうか。そういう意味であったとしたら、少し言葉を添えるか、あるいは脚注をつけないと分からないと思いました。

〔 吉川分科会長 〕 土居委員。

〔 土居委員 〕 ご質問ありがとうございます。

紹介状という問題とは関係なくて、これはあくまでも外来ですので、基本的にフリーアクセスということではありますが、あまりにも自由過ぎるということであれば、当然、外来料費が増大するということもあります。元来、財審は定額負担という話をしているわけですが、やみくもに定額負担と言っても、当然いろいろなご意見、反対意見もあるということですので、かかりつけ医以外の医師にむやみにかかるという形の外来に対しては定額負担を導入するなど、バリエーションはあると思いますが、基本的にそのようなニュアンスであります。中小病院などといった意味ではなくて、外来時の負担をどう考えるかというようなニュアンスであります。

〔 宮武委員 〕 今の医療制度の中で言うと、例えば紹介状なしに専門医や病院に行った場合にはむしろ負担率を上げるという、3割負担を4割負担にするという手もありますし、診療所の段階でかかりつけのお医者さんを持っていれば、1カ月幾らの定額の報酬で済ます。要するに、あまりにも出来高払いに偏っている外来を包括、定額払いに変えていくという方向性のほうがむしろ有効であります。そういったニュアンスがこの中では読み取れないので、何か工夫をしていただければと思います。

〔 土居委員 〕 表現については工夫させていただきたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、事務方、主計官から補足、お願いいたします。

〔 宇波主計官 〕 恐縮です。工程表の着実な実施という全体の枠組みの中で、この表現は、昨年末に決定いたしております改革工程表の検討課題の1つとしての、「かかりつけ医普及の観点からの外来時の定額負担について検討」というフレーズをそのままとってきております。したがって、ここは工程表の文言そのものになっているところでございます。

中身については、工程表の中でも、このことについて関係審議会等において2016年末までに検討、その検討の結果に基づいて必要な措置を講ずる、法律が必要なものについては来年の通常国会への法案提出を含むと書かれております。その意味では、具体的な中身については年末までの検討でありますので、そこに向けても、また秋に財審でご議論いただくことがあるかと思いますが、ここの表現は工程表の文言のそのものをそのまま引用してきているものでございます。

〔 吉川分科会長 〕 よろしいでしょうか。

〔 宮武委員 〕 はい。

〔 吉川分科会長 〕 では、続けて、老川委員、神津委員、佐藤委員。

〔 老川委員 〕 13ページの18行目、「医療の高度化」について触れたところの3行の文章の意味が読み取りづらい。「医療の高度化」自体は患者にとって望ましいから、適切に保険制度に取り込んで、その恩恵を享受できるようにしていくということは、高度化は結構だから、どんどん保険に取り込んでいくべきですねと言っているように読めるのですが、それでいいのかどうか。むしろ、この間の専門家の國頭先生のお話だと、これをそのままやっていると大変なことになってしまうというお話だったように記憶しているので、注釈に示唆を得たと書いてありますが、そこら辺のニュアンスはどこかで対応する部分がやはり何かないと、私の読み違いかもしれませんが、どんどんやりなさいと読めてしまう。

〔 吉川分科会長 〕 今の老川委員のご指摘、よろしいですか、少し発言させていただくと、ご指摘の部分「今後も費用対効果を踏まえた上で」という部分が副詞句になっていますよね。ですから、おそらく、この副詞句と最後の述語部分の順番をひっくり返すと、老川委員が今、指摘してくださったようなことに対応できるのかなと思いますが、そこら辺、起草委員にご検討いただければと思います。

〔 老川委員 〕 少しその辺、工夫していただきたいということ。

もう1つ、そのような医療機器、あるいは薬剤の高度化はもちろん大事ですが、同時に病気にならない、あるいは深刻化しないようにすることによって、医療費全体の縮減を図っていくという観点が欲しい気がしますので、どこかでそれを言及していただければありがたいと思います。

それから、これは先ほどもご意見あった平成と西暦が混在していますので、全体を通して統一されたほうがいいかと思います。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 具体的なご指摘、どうもありがとうございました。

神津委員、お願いいたします。

〔 神津委員 〕 3カ所ありますが、まとめて発言させていただきます。

社会保障で、14ページの下の脚注10についてです。子ども・子育て支援制度に関して、先ほど女性公聴会の中でも非常に関心が強かったということが報告されたかと思いますが、これは昨年の建議の注釈どおりに追記をしていただきたいということです。そもそも制度自体は1兆円超の財源が必要だったわけでありますので、「更に0.7兆円程度に拡充することが予定されている」ということに加えて、「また、社会保障と税の一体改革の議論の中で、0.3兆円超の財源を確保して、更なる質の拡充を図るべきという国会の附帯決議がある」という記述を改めて掲載していただきたいということが1つです。

それから、16ページの16行目、17行目、負担能力に応じた公平な負担、給付の適正化についてです。避けては通れない改革であるということで、当然、負担の公平性なり、給付の適正化そのものが極めて大事だということは認識します。そのこと自体に反対するつもりは全くないのですが、「避けては通れない」という表現だけでは、給付削減を前提とした表現と受け取られかねないと思います。具体的には、2年前に成立した現行の医療介護総合確保推進法に基づく考え方、その趣旨は損ねないという意味での表現を付加していただきたいと思います。具体的には、「適正化を図る必要があり、検討に当たっては、効率的かつ質の高い医療提供体制と地域包括ケアシステムを構築し、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進することに留意すべきである」という内容を盛り込んでいただきたいと思います。

もう1つ、文教・科学技術のところですが、21ページの上半分あたりは国立大学法人についての記述です。この内容自体は生かしていただきながら、一方で国立大学の学費の問題、あるいは奨学金の問題、これらは一億総活躍国民会議の中でも言及されていると認識をしています。今の記述に追加する形で、「経済的事情により進学を諦めざるを得ない子どもが増えており、希望する全ての子どもたちに高等教育を受ける機会を保障するためには、国立大学の学費を引き下げるとともに、恒久的な制度として給付型奨学金制度を導入すべきである」という内容を盛り込んでいただきたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 佐藤委員。

〔 佐藤委員 〕 細かいことですが、15ページの22行目、外来についてというところで、データ分析に基づくきめ細かい行動目標とは具体的に何かと思ったものですから、行動目標というのはすなわちKPIのことかということと、きめ細かいというのはどこまできめ細かいのか。具体的に重複受診の是正など何か例があったほうが、少しイメージがつくのではないかなと思いました。

あと、16ページ、(2)インセンティブ改革/(3)公的サービスの産業化と併せていますけれども、たった3行ですし、これはなくてもいいのではないか。経済・財政一体改革との関係で言えば、実はイノベーションがあって、そのイノベーションの中で特に重視されているのは地域間格差の「見える化」ですので、もし書いていただくのならば、そういった「見える化」を通じて適正化を促していくというほうがまだ内容としてあるかなという気がしたので、あえてここで(2)(3)は要るのか。何かやっつけで書いてしまっているような感じもしたので。

それから、24ページ、社会資本整備のところですが、更なる歳出改革に向けてという時に、今、具体的に歳出改革として挙げられているのは、例えば人口20万人以上の自治体については、原則、インフラ整備に当たってはPFIの検討や、水道事業に関して言うと広域化を進めましょうという話があるので、具体的な話としてはそういったものが例示されていてもいいのかなと。少し具体的なイメージが湧かなかったので、何点か例示があるといいと思います。

あとは、下水道については、公営企業会計の適用を順次進めていく方針でいるはずなので、これはおそらく、今後、進んでいくと思います。

最後になりますが、28ページ、人口減少への対応ということが地方財政で書かれていますが、これも少し前の話と重なりますが、やはり人口減少していくので、例えば定住自立圏構想や、連携中枢都市圏構想など、そういった形の広域化を今、進めなければいけない。実は水道も含めて、公営事業は広域化を進めなければいけないというのが人口減少への自治体に求められる対応なので、その辺についても何か例示があるといいかなと思いました。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 では、井堀委員、伊藤委員、角委員。

井堀委員、どうぞ。

〔 井堀委員 〕 ありがとうございます。

細かな話ですが、18ページの年金の最初の段落のところで、検討事項が2つ書いてあります。最初のところは年金受給開始年齢の在り方とぼかして書いてあります。これは、在り方というよりは、やはり引上げという形で書いたほうがいいのではないか。

ついでに、その2番目のポツのところで「その結果に基づき、法案提出も含めた必要な措置を」と書いてありますが、この「法案提出も含めた」ということの意味がよく分からないです。16ページの最後の行にも法案提出という文言がありますが、法案を提出するだけでは意味がないと思います。なぜ法案提出と言うのか。要するに、何らかの制度改正をしなければいけないということは分かりますが、でしたら何も法案提出だけで終わるのではなくて、成立しないと意味がない。どうして法案提出という表現になっているのか、何かあれば教えてください。

〔 吉川分科会長 〕 特にこだわっているわけではないでしょう?

どうぞ。

〔 土居委員 〕 確かに、法案を提出するだけではだめだということはごもっともですが、基本的には立法府のご判断ということですので、なかなか行政府の中でそこまで、法案を成立させろというように書きにくいところはあるかと思います。また、改革工程表の中で使われている文言でもあるということで、この文言を使わせていただいたところであります。

〔 吉川分科会長 〕 改革をやるべきだというのが我々の主張ですから、文言はともかく、そこら辺を素直に書けばいいだろうと思います。

〔 田近委員 〕 関連して1点。

今回、各論については、「経済・財政再生計画」ができて初年度ですので、それを動かすに当たって、工程表をきっちり踏まえて改革してほしいという念押しをしていく。ただ佐藤委員の言われた16ページ、(2)インセンティブ改革/(3)公共サービスの産業化も工程表ですが、3行でこう書かれているのは少し寂しいだろうという意見だと思いますから、内容については後で我々全員で議論して、多少ここを充実させるということかと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、伊藤委員。

〔 伊藤委員 〕 ありがとうございます。

社会保障について、14ページの7行目から、「特に若い世代が社会保障に対して不安感を抱いていることが、個人消費の伸び悩みの要因の一つとなっている……」と書いてございます。そのような指摘があったということですが、一方で、今日の女性公聴会のアンケート結果の6ページを見ますと、これは結構意識の高い方たちが集まったアンケート結果で、現在の給付水準を多少引き下げる一方で、相当程度の負担の増加もやむを得ないという方が若い世代に結構多くいらっしゃいます。それから、現在の給付水準を維持する一方で、大幅な負担の増加はやむを得ないという人も入れると、40代以下の人は70%ぐらいそのように答えられているわけです。つまり、社会保障と税の一体改革ということはみんな聞いているが、自分たちの老後なり、将来の絵が見えないというところに皆さん不安があるのだと思います。したがって、どこに書くかは別ですが、社会保障の問題のどこかに、若い人たちに将来の姿と言いますか、絵が見えるようにしてあげる必要があるのではないかという気がいたしております。

以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

では、お待たせしました。角委員。

〔 角委員 〕 私も「医療の高度化」について少し、老川委員がおっしゃった部分については、患者にとってという件はもう当然のことなので、あえて書く必要はないという気がします。ただ、高額医療と言いますか、高度医療の費用対効果については、かなり切り込んで対策が打たれつつあることについては、非常に期待を持って新聞記事等も読ませていただいております。

先般の先生のお話に出た薬につきまして、たまたまあの薬を投与された肺がんの知人がおりまして、彼に聞きますと、最初、別の抗がん剤を使っていました。それで改善が見られないので、あの薬を使いました。ただ、ずっと使い続けるのではなくて、2週間ごとに4回投与します。最初の2週間で1回目の投与をして、入院をして2回目の投与をします。ここで退院をしまして、3回目、4回目は通院で投与する。ですから、金額にすると500万円台だと思います。その時点で検査をして、効果があれば継続する、効果がなければまた別の対処をする。彼が先生から聞いている話から、私はC型肝炎から来ているのかなと思いましたが、もともと皮膚がんに効く薬で、肺がんにもいいのではないかということで使われ出した。大阪大学医学部のケースですが、一応、4回投与をして、CTをとって、確認をとりますので、全部に適用ということはないと思います。

そうなると、前回、私が申し上げた、延命治療、あるいは確率の低い件については、やはり受益者負担の観点も入れる特定保険制度のようなものが要るのではないかということを意見として申し上げました。4回、500万円であれば、テストの段階ですから、効くか、効くか分からない中でやるわけですから、その時は本人負担を増やして、効果が出た時点で保険適用に切りかえる。もちろん、500万円全部負担しろとは言いませんが、そういうことも1つ対策としてはあるのかなと感じました。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

〔 田中委員 〕 2回目になってしまって申し訳ありませんが、1点だけ。

先ほど、国立大学の授業料の引下げをということを書かれていましたが、これまでの議論を踏まえて、私は反対ということを申し上げておきたいと思います。理由は3つです。1番目に、今回、あまり議論していませんが、これまでの国立大学についての議論と逆行していること。2番目として、国立大学といえども財政的な自立が今、求められている中で、やはり自己収入を上げていく必要があるということ。3番目に、国立大学を競争的な環境に置かないと改革が進まないという事実があります。そのように考えますと、やはり授業料を引き下げるというのは、今の大学政策とは逆行すると私は考えています。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 失礼しました。

ほかにいかがでしょうか。特段のご意見はないということでよろしいでしょうか。神津委員、もう一度。はい、どうぞ。

〔 神津委員 〕 先ほど申し上げたこととの関わりで、具体的に学費云々の問題という意味からだけではなく、教育の貧困など、どうしてこのようなことになったのかという今の社会における大きな問題については、やはり何らかの形で触れていただく必要があるのではないかとの思いで指摘をしています。そういった観点も含めて、ご検討いただければと思います。

それから、もう1つ、生活保護のところで、具体的には国民の「理解」を広げることも必要という観点も踏まえていただければと思います。世の中、生活保護に対して一面的に非常に厳しい見方が結構あるため、検討していただきたいと思います。以上です。

〔 吉川分科会長 〕 最後、問題になった教育の機会均等ということについては非常に大切で、その点は社会の中で担保されなくてはいけないというのは、私、財審のここにいらっしゃる委員の方々の総意だろうと思います。それはそれとした上で、具体的な施策、方策でどういうことがいいのか、そこは考えどころだと思いますが、教育の機会均衡そのものは大変大事だということは、全員、共有の点だろうと思っています。

それでは、よろしいでしょうか。予定時間より少し早いですが、本日、大臣との意見交換ということもありますので、これで審議終了ということで、最後に少しアナウンスメントをさせていただければと思います。

まず第1に、今日も皆様方から大変活発な、また具体的なご指摘もいただきましたが、本日の議論も踏まえた上で、さらにご意見、あるいは修文等は、5月9日月曜日の正午までということで、事務局にお申し出いただければ幸いです。皆様方からいただいたご意見を踏まえ、起草委員の方々において必要な修文を行っていただきたいと、このように考えております。

なお、次回は、5月13日金曜日、13時から14時30分で、本日いただいたご意見を踏まえた修正案をご確認いただく予定となっております。

また、本日お手元に配付しております建議(案)につきましては、保秘の観点から、会議後、回収させていただきます。お持ち帰りにならずに、大変恐縮ですが、机の上に置いておいていただけると大変幸いです。

これで閉会といたしますが、先ほどからお話ししていますとおり、この後、麻生大臣との意見交換会が開催されます。お時間のある方々、ぜひ委員の皆様方、2階の第1応接室に移動していただければと思います。

では、閉会ですので、そちらに移動したいと思います。ありがとうございました。

午後5時50分閉会

財務省の政策