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財政制度分科会(平成28年2月5日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録

平成28年2月5日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

平成28年2月5日(金)13:59〜15:47
第3特別会議室(本庁舎4階 中-412)

1.開会

2.議題
・平成28年度予算等
・平成28年度予算を受けた財政試算
・復興財源確保法及び特例公債法の一部を改正する法律案
・財政制度分科会の今後の進め方

3.閉会

出席者

分科会長 吉 川   洋 美並次長
可部次長
茶谷次長
阪田総務課長
中山調査課長
内野給与共済課長
青木法規課長
余島司計課長
片岡大臣官房参事官
宇波主計官
奥主計官
阿久澤主計官
高村主計官
彦谷主計官
堀内主計官
冨安主計官
山崎主計官
廣光主計企画官
泉主計企画官
委   員

秋山咲恵

遠藤典子

大宮英明

倉重篤郎

黒川行治

神津里季生

竹中ナミ

田中弥生

富田俊基

永易克典

臨時委員

板垣信幸

伊藤一郎

老川祥一

葛西敬之

末澤豪謙

十河ひろ美

田近栄治

宮武剛


午後1時59分開会

〔 吉川分科会長 〕 では、定刻ですので、ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。皆様にはご多用中のところご出席いただきまして、ありがとうございます。

本日は、「平成28年度予算等」、「平成28年度予算を受けた財政試算」、「復興財源確保法及び特例公債法の一部を改正する法律案」、それから「財政制度分科会の今後の進め方」等について審議していただきます。

議論に先立ちまして、今回新しく委員にご就任いただいた神津里季生委員をご紹介させていただきます。

〔 神津委員 〕 神津でございます。10月から、前任の古賀の退任を受けまして、連合の会長を務めております。どうかよろしくお願い申し上げます。

〔 吉川分科会長 〕 よろしくお願いします。

それでは、早速議事に移らせていただきます。

先ほどお話ししましたが、平成28年度予算・平成27年度補正予算、「経済・財政再生計画」改革工程表、内閣府の「中長期の経済財政に関する試算」、「平成28年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算」、それから復興財源確保法及び特例公債法の一部を改正する法律案、これにつきまして、事務局の中山調査課長、廣光企画官及び青木法規課長より、それぞれご説明をお願いいたします。

〔 中山調査課長 〕 お手元にございます資料1、資料2に沿いまして、続けてご説明させていただきたいと思います。

1ページをおめくりください。平成28年度予算のポイントでございます。

平成28年度予算の特徴といたしまして、左上に書かせていただいております、経済再生と財政健全化の両立を目指した予算と位置付けることができるかと思っております。その中で重点分野といたしましては、一億総活躍社会の実現に向けまして、子育て支援、介護サービス等の充実、教育費の負担軽減、地方創生の本格展開等を推進したものとしております。

主要歳出分野につきましては、社会保障につきまして、「経済・財政再生計画」において、これまで3年間の基調を踏まえて、今後3年間につきまして1.5兆円という「目安」を示させていただいておりまして、その「目安」に沿って伸びの抑制を講じました。結果、伸びといたしまして4,400億円の増となっております。このうち基調に含まれない平成27年度における一時的な歳出要因を除いたベースで見ますと、注のところにございます実質5,000億円の増ということで、まさに基調に沿った予算としてございます。このための診療報酬の適正化につきましては、後程ご説明させていただきます。併せて、今後5年間が計画期間でございますので、その改革工程表を経済財政諮問会議の下で策定させていただきました。

公共事業につきましては、事前防災・減災対策の充実や老朽化対策などの重点化を図っております。農業予算については「攻めの農林水産業」への重点化、外交につきましては、サミットを控えまして、ODA等の充実を図っております。防衛予算については着実な整備を推進し、教育につきましては質の向上、科学技術の基盤強化、復興につきましては新たな復興計画に基づきまして復興加速化を図ってございます。

財政健全化との関係で申しますと、社会保障を含めまして一般歳出全体の伸びにつきまして、これも「骨太2015」の中で示されました「計画」の中で、これまで3年間の基調を踏まえ、今後3年間1.6兆円という「目安」を示していただいたところでございまして、これに沿いましてプラス4,700億円の増、注にありますように、基調の外の一時的要因を除きまして、基調ベースで実質5,300億円の増ということで、1.6兆円のおおむね3分の1に相当する水準に伸びを抑制できたと考えてございます。これによりまして、国債発行額につきましては前年度から2.4兆円の減額を達成してございます。本予算の一つの特徴といたしまして、リーマン・ショック前の水準に回復してきた予算と見ることができるかと思っております。その一つは、公債依存度が35.6%と、平成20年度当初予算以来の水準まで回復したものとなっております。また、税収をご覧いただきましても、消費税率引上げによる増収分を除いて、国税、地方税とも平成19年度決算の水準までほぼ回復した姿となってございます。

2ページに、この予算のフレームをお示ししてございます。「目安」との関係で、下段、歳出の一般歳出以下をご覧いただければと思います。一般歳出につきまして、前年度当初予算比で4,731億円の増、注1に記載させていただいておりますが、「目安」との関係で、実質ベースで5,316億円の増、社会保障関係費につきましては4,412億円の増、基調ベースでいいますと1.5兆円の「目安」の3分の1に相当する4,997億円の増となってございます。社会保障関係費以外につきましては1.6兆円と1.5兆円の差、0.1兆円の「目安」があるわけですが、これに沿って319億円の増となってございます。地方交付税交付金等につきましては、「骨太2015」の中で、このフレームの右側備考欄に書かせていただいておりますが、地方税・交付税等の地方の一般財源総額について実質的に同水準を確保するという「目安」がございます。今般、国税とともに地方税収も伸びておりますので、それらを反映して、交付税につきましては2,547億円の減額を行っております。建議では、計画初年度予算で「目安」から逸脱することは断じてあってはならないと強いご提言をいただいたところですが、これに沿った予算になったと考えてございます。

3ページをご覧いただけますでしょうか。平成に入ってからの国・地方の税収及び歳出の推移を示したグラフでございます。税収をご覧いただきますと、全体として景気循環に沿って上下している姿が見てとれるかと思いますが、平成28年度の国・地方の税収99.5兆円、このうち消費税引上げ分を除きますと91.2兆円ということで、遡っていただきますと、平成19年度決算の92兆円の水準まで回復してきた姿が見てとれるかと思います。ただ、他方、上の折れ線グラフ、歳出のほうをご覧いただきますと、高齢化に伴って上昇傾向が続いているという点は留意が必要かと思います。

この差額に相当する公債発行額につきましては、4ページでございます。これは国の公債発行額の推移を示しておりますが、公債依存度の折れ線グラフをご覧いただきますと、平成28年度は35.6%ということで依然として高いものの、リーマン・ショック時には5割近い水準にあったものから着実な回復を図っていると見ることができると思っております。遡っていただきますと、平成20年度当初予算の30.5%の水準が見えてきたと言えると思いますし、公債発行額につきましても34.4兆円ということで、平成21年度当初予算の33.3兆円以来の水準となってございます。

5ページは主要経費別の増減でございますが、建議におけます提言の反映状況につきましては、次の6ページでポイントをご説明したいと思います。

まず、社会保障に関しましては、建議の中で、「目安」に沿って伸びを抑制していくという方針を示していただきました。それに沿って、全体として4,412億円の増、基調ベースで4,997億円の増ということでおさめることができたと考えております。このため、診療報酬の適正化を行いましたが、これは後ほどご説明したいと思います。併せて、昨年、財審でもご審議いただきました「計画」の改革検討項目につきましては、審議の内容に沿って改革工程表に反映できたと考えてございます。そういった中で、重点課題であります一億総活躍社会の実現に向けまして、事業主拠出金等を求めること等により、しっかり充実することができたと考えてございます。

公共事業につきましては、建議の中で、抑制を図りつつ必要不可欠な事業に重点化するという方針をいただきました。今般の予算では、公共事業関係費につきましては、前年同水準という中で防災・減災等への重点化を図ってございます。

農林水産関係予算につきましては、真に競争力強化に資する内容とすべきこと、土地改良事業については、強い農業の観点から、成果目標の設定等の見直しを図ることを建議としていただきました。この予算の中では、TPPを踏まえまして、輸出促進、高度化支援等、「攻めの農林水産業」の重点化を図るとともに、土地改良事業につきましては、新たな成果指標等を導入した上で充実を図ったところでございます。

次に、外交予算につきましては、建議でODA予算等につきまして引き続き抑制をすべしという方針をいただいたところでございますが、サミット等を踏まえまして、次段でございますが、プラス1.8%の増とさせていただいたところでございます。

防衛予算につきましては、安全保障環境の変化に対応しつつ、後年度負担の抑制、調達改革、在日米軍駐留経費の縮減・見直し等、ご提言いただいたところでございます。全体としてプラス1.5%の増額をする中で後年度負担の抑制、調達コストの縮減、駐留経費の内容の見直し等を適切に処理したところと考えてございます。

教育につきましては、建議の中で、少子化を踏まえた効率化やエビデンスに基づく教職員数の検討、外部人材の活用等をご提言いただいたところでございまして、後述いたしますが、少子化を踏まえた教職員定数、基礎定数の反映とともに、諸課題の対応を行ったところでございますし、併せて民間教育機関との連携等の措置も講じたところでございます。大学運営費交付金につきましては、縮減・再配分の建議をいただいた中で、適正化・再配分の新たなルールを導入したところでございます。科学技術につきましては、建議の中で、成果目標への転換による質の向上を求められたところでございまして、基盤強化、産学連携推進等の措置を講じました。

復興につきましては、6月の新たな復興フレームに沿って予算化を図りました。

地方財政につきましては、リーマン・ショック時の危機対応枠の別枠加算の廃止等、建議をいただきまして、それに沿って別枠加算の廃止を行ったところでございます。

7ページは、その中で診療報酬改定の枠組みを一覧にしたものでございます。左側、改定率でございますが、本体につきましては0.49%のプラス改定を行うとともに、薬価等につきましては、市場価格を適切に反映し、全体としてマイナスを確保いたしました。その上で、この改定率とは別に、改革工程表に沿った制度改革を行ったということでございまして、これが右側に示されていますとおり国費ベースで609億円の縮減を図りました。これらの内容につきましては、医薬品価格の適正化、大型門前薬局の評価の適正化等、建議に沿った制度改革ができたと考えてございます。これら全体で、一番下でございますが、国費ベースで1,495億円の合理化を図りました。これによりまして、要求段階で6,700億円の自然増の要求だったわけですが、全体として「目安」に沿って、実質ベースで約5,000億円の増に抑制できたと考えてございます。

次、8ページでございます。教育分野につきましては、これも少し触れましたが、少子化を反映いたしまして基礎定数の減、加えて統廃合の進展による定数の減を適切に反映した上で、現場が抱える諸課題に適切に対応するよう、加配定数は525増の拡充を行いまして、全体として効率化を図ったところでございます。地方財政につきましては、危機対応措置を廃止するということを含め、地方交付税交付金の縮減を図りました。その他、いわゆる行政事業レビューにつきましても、適切に予算への反映を行ったところでございます。

続きまして、9ページでございます。先般成立いたしました平成27年度補正予算のポイントを簡略にご説明したいと思います。全体として国の追加歳出規模は3兆5,000億円ということで、昨年11月末に緊急対策を策定した一億総活躍社会の実現とTPP対策に重点化を図ってございます。同時に、財政健全化に適切に配慮し、財源につきましては、下段でございますが、税収増、前年度剰余金で確保することにより、全体として平成27年度のPB赤字半減目標を堅持するという範囲内での予算としたところでございます。この結果、前年度、平成26年度補正予算に続きまして2年連続で新規国債発行額を当初から減額することができたということでございます。

続きまして、資料2に沿いまして、改革工程表についてご説明したいと思います。これは、財審の建議等を踏まえまして、昨年12月24日に諮問会議決定されたものでございます。本体につきましては、お配りしている資料の中の参考資料1として配付させていただいております。全体として、内容は建議いただいたものに沿った内容になっていると考えております。今回の財審でも、その具体化の方向性等について今後ご議論いただければと考えております。

概要をご説明いたします。1ページをご覧ください。まず、社会保障関係でございます。昨年、財審でもご説明させていただきましたとおり、社会保障分野だけで44項目ございます。大きく分けまして7つの柱に分けることができるかと思います。

まず、医療・介護提供体制改革につきましては、一番上のほうに書いてありますが、医療費適正化計画を全体として前倒しで行って、計画的に推進していきたいと考えております。

今年大きな課題となりますのは、薄い黄色で書かせていただいた部分ですが、医療提供体制改革、医療・介護保険制度に関する制度改正につきましては、この1年議論を行って、2017年通常国会に法案を提出するというスケジュールを示させていただいているところでございまして、今後この内容、方向性につきましてもご審議いただければと考えております。

5.の診療報酬改定に関しましては、まさに今回の予算におきまして、この工程表に沿って制度改革を進めさせていただいたと考えております。

これら主な内容につきましては、2ページに検討事項を整理しておりますが、今回の春の財審の中でも、その内容について今後ご審議いただきたいと考えてございます。

3ページに移っていただきまして、地方財政分野の改革工程表のポイントでございます。一番上をご覧いただきますと、先進的自治体、いわゆるトップランナー方式を導入し、それを予算に反映すべく、基準財政需要額算定への反映等を今後計画的に進めていきたいと考えてございます。このほか、公共施設の集約化、IT化、業務改革等を計画的に推進していきたいと考えております。

4ページへ移っていただきまして、社会資本整備分野でございます。これにつきましても、立地適正化計画、いわゆるコンパクトシティの推進、ストック適正化、PFI等、民間資金の活用等を計画的に進めていきたいと考えております。

5ページへ移っていただきまして、文教・科学技術分野でございますが、これも建議に沿いまして、教職員定数の中長期的な見通しにつきましては、少子化の進展を踏まえた予算の効率化、エビデンスに基づくPDCAサイクルを着実に推進していきたいと考えております。大学につきましては民間資金の導入促進、科学技術につきましては予算の質の向上等を進めていきたいと考えてございます。

続きまして、この平成27年度補正予算、平成28年度予算を受けた中長期の試算について、資料3以降でご説明させていただきたいと思います。

〔 廣光主計企画官 〕 企画官の廣光でございます。私から、資料3と資料4についてご説明いたします。

まず、資料3でございますが、1月に公表されました内閣府の中長期試算でございます。

1ページおめくりいただいて、1ページをご覧になってください。

まず、試算の前提でございますが、@は経済前提でございます。前回7月の試算と同様に「経済再生ケース」、「ベースラインケース」について試算をしております。

Aは軽減税率の関係でございますが、軽減税率制度の導入に伴う減収1兆円程度を織り込んでおりまして、さらに総合合算制度の見送りにより確保する0.4兆円程度も織り込んでおります。ただ、残りの0.6兆円程度につきましては、マクロ経済モデルで試算している関係がございまして、試算に織り込んでおりません。つまり、穴があいた形になっておりますが、これにつきましては、平成28年度末までに法制上の措置等を講ずることにより、確保すると記載されております。

Bは試算の期間でございますが、1年延長いたしまして、2024年度までとしております。なお、この試算でございますが、今後の歳出改革の努力を織り込まない自然体の試算となっておるものでございます。

下のほう、国・地方のPBの推移でございます。試算の結果でございますが、まず2015年度は対GDP比で3.3%の赤字でございます。いわゆるPB赤字半減目標については達成見込みとなってございます。それから、2018年度を見ていただきますと、「経済再生ケース」で見ますと、対GDP比でマイナス1.7%の赤字ということでございまして、マイナス1%の目安には届かないといった状況でございます。2020年度でございますが、6.5兆円の赤字となっておりまして、前回の試算が6.2兆円の赤字でございましたので、悪化しているように見えますが、先ほど申し上げました軽減税率の影響分0.6兆円がありますので、そこを勘案すれば、実質的には社会保障を中心とした歳出改革が進んでいると読むことができると考えております。

次のページをご覧ください。グラフ化しておりますが、経済成長率の推移でございまして、赤いものが「経済再生ケース」、青いものが「ベースラインケース」でございます。

次の3ページにお進みください。左側が税収の推移でございます。2016年度の税収でございますが、57.6兆円でございまして、くしくも昨年7月の試算で見込んだ数値と同じ金額になっておりますが、これを発射台にいたしまして軽減税率の影響を織り込んでおるものでございます。右側が歳出でございますが、2016年度の歳出改革の効果を織り込んでおります。

これを合わせました国・地方のPBが、4ページでございます。先ほど申し上げたものと同じです。2015年度のPB赤字半減目標は達成見込みでございます。2020年度については6.5兆円の赤字がございます。それから、試算に新しく追加しました2024年度のPBでございますが、黒字化する姿が初めて出てきておりますが、右肩のほうをご覧いただきますと、その際の名目GDPが約700兆円、税収も約80兆円となっていることを勘案する必要があるかと思っております。

次の5ページは財政収支でございますが、財政収支には利払費が入ってまいりますので、むしろ悪化していく傾向が読み取れるかと思います。

この背景が次のページでございますが、名目長期金利と名目経済成長率の推移でございます。これを見ていただきますと、「経済再生ケース」でも2020年度には金利と成長率が逆転することになっております。

ただ、7ページをご覧になっていただきますと、公債等残高の対GDP比の推移でございますが、残高の加重平均金利は直ちには上昇しませんので、当面は対GDP比は下がっていくことになっておりますが、金利上昇によって、いずれ反転していくと考えております。

次に、資料4をご覧になっていただければと思います。いわゆる「後年度影響試算」と言いまして、予算委員会に提出したものでございます。内閣府の中長期試算が国・地方につきましてSNAの考え方で試算しているのに対しまして、これは国の一般会計の姿について現行制度を前提に機械的に試算したものでございます。

1ページを見ていただきますと、まず[試算−1]としてございますが、経済成長率が3%のケースでございます。試算の年次でございますが、足元の平成27年度、平成28年度から3年間、さらに2020年度に関心を持つ方が多いことから、ずっと右のほうに伸ばしていきまして、平成32年度、平成33年度まで伸ばしてきております。上の箱が歳出でございまして、その中のB基礎的財政収支対象経費を見ていただきますと、平成28年度が73.1兆円でございますが、これを機械的に積上げで伸ばしていきますと、平成32年度すなわち2020年度には80.3兆円まで伸びていくという試算をしてございます。

中段が税収等でございますが、G税収を見ていただきますと、平成28年度が57.6兆円になってございます。平成29年度の消費税率の引上げも勘案し、経済成長率3%、それから税収弾性値は1.1を使っておりますが、それを用いて伸ばしていきますと、2020年度には69.5兆円と、約70兆円まで伸びてくるといった試算になってございます。

それらを合算したところ、K基礎的財政収支を見ていただきますと、平成28年度が10.8兆円の赤字でございます。これが少しずつ改善してまいりますが、2020年度にもなお5.8兆円の赤字があることになっております。

L財政収支に関しては、利払費が入ってきますので、数字としては、これよりも悪くなっておるということが読み取れるかと思います。

これら収支につきまして、注釈がございまして、いわゆる軽減税率の話でございますが、これにつきましては安定的な恒久財源を確保するとされておりますので、軽減税率の影響を受けないように、この収支につきまして一定の調整をさせていただいております。具体的には、一般会計への影響分を収支上埋め戻すということをやっておりますが、後年度影響試算につきましては機械的な積上げでございますので、このような機械的な処理をさせていただいております。

2ページをご覧になっていただきますと、経済成長率が1.5%のケースでございますが、K基礎的財政収支だけ見ていただきますと、10.8兆円の赤字が2020年度には8.4兆円の赤字ということでございます。[試算−1]では5.8兆円の赤字でございましたので、改善ペースが緩やかなものになります。主な原因は、やはり税収の伸びが遅くなるというものでございます。

次のページは試算の前提でございますので、飛ばしまして、4ページをご覧になっていただければと思います。いわゆる感応度分析をやっておりまして、上の表が経済成長率が上がった場合、下がった場合の税収の増減額、それから下の表が金利が上がった場合、下がった場合の国債費の増減額でございます。まず、上の表をご覧になっていただきますと、プラス1%の欄のうち、平成29年度の欄を見ていただきますと、経済成長率が1%上昇した場合の税収のプラスの効果が0.7兆円と出ております。下の表をご覧になっていただきますと、金利が1%上昇した場合の国債費への影響額でございますが、平成29年度の欄が1兆円となってございまして、債務残高が膨大なものになっておりますので、経済成長率よりも金利の影響のほうが強めに出る傾向が読み取れるかと思っております。

私からは以上でございます。

〔 青木法規課長 〕 最後に、「復興財源確保法と特例公債法の一部を改正する法律案」についてご説明をさせていただきたいと思います。

資料5の1ページをご覧ください。一番上に閣議決定・国会提出と書いてありますが、1月22日、本予算と同時に国会に提出をさせていただいております。

まず、改正の必要性のところをご覧ください。この2つの法案は、いずれも一部期限を迎えるところがございますので、それを踏まえて改正をさせていただいています。

まず、復興のほうでございますが、現行の復興財源確保法は、東日本大震災が起こりましてから当初の5年間、集中復興期間の財源を確保するために制定されたものでございます。昨年6月に復興財源のフレームの見直しを行いまして、平成32年度まで、トータルでいうと10年間の財源を決定いたしておりますので、これに基づいて所要の改正を行っております。内容については、後程ご説明します。

続きまして、特例公債法でございますが、これは、いわゆる赤字国債を発行するための法律ですが、こちらも、現行の特例公債法は、平成24年度の特例公債法が実は11月まで通らず、執行抑制などをかけて、各所にご迷惑をおかけしたのですが、11月に成立する前に議員修正をいただいて、平成24年度から平成27年度まで4年間の特例公債の発行根拠を規定したものとなっております。なぜ4年間かということですが、要は2015年度のPB赤字半減目標までが一つの区切りということで、ここまで財政健全化にしっかり取り組んでいくということも踏まえて、こういう形になっておりましたが、これの期限がまいります。改正内容としては、2020年度のPB黒字化目標を踏まえて、それまで「経済・財政再生計画」をしっかり推進していくということも踏まえまして、5年間ということでさせていただいています。

次に改正事項をご覧ください。2ページでございます。

まず、復興財源のほうは、復興事業を行うに当たって、まず復興債を発行するわけですが、これを5年間延長させていただきます。それから、追加的に5年間やっていくに当たって、追加的な財源として、2ポツの(@)で財政投融資特別会計投資勘定から復興債の償還に充てることができるようにするでありますとか、(A)で、(@)における財投からの繰入金と、それから日本郵政の株式の売却収入を復興債の償還費用に充てるということを法律上明記するといったことでございます。

それから、特例公債法のほうは、先ほど申し上げましたように5年間発行できるようにするということと、法律上、この5年間ということの根拠を書くために、2ポツ(A)の平成32年度のPB黒字化に向けて、「経済・財政一体改革」を総合的かつ計画的に推進していくという規定を盛り込ませていただいております。

以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

では、早速ただいまの説明に関して、どなたからでもご質問、ご意見をお願いいたします。いかがでしょうか。いつものように名札を立てていただけると幸いでございます。

では、老川委員、お願いいたします。

〔 老川委員 〕 ありがとうございます。

最後の復興財源のことについて意見を申し上げたいと思います。もちろん復興財源の発行期間を延長する、必要なものは当然やっていただくのがよろしいと思いますが、この5年間でどのような成果といいますか、例えば避難生活に関して、そういった取組がどの程度の人たちを救済でき、このような成果があったんだと。それから、なお今もって仮設住宅から出られない方などがたくさんおられるわけですが、なぜそういう状態になっているのか、問題点をやはりきちんとこの機会に整理して、その上で具体的な予算の使い方を考えることが必要ではないかと思います。

というのは、制度的な問題あるいは地域的な問題、震災あるいは津波で被害を受けた地域、それから原発にかかわる部分、それぞれ事情が違うでしょうから、一くくりには言えないと思いますが、幾つか耳にすることは、例えば高台移転ということが前提になっているものだから、もとの地域に戻ってはいけないと。しかし、適当な高台がないなど、非常に融通がきかないことによって、やれるんだけれども、やれないというような問題があるということも言われておりますし、他方、もう仮設住宅から出ようと思えば出られるような自立できる人たちも、仮設住宅にいる限りは賠償金が出る、あるいは何らかの補償金が出るということで、あえて出ない方もおられるということも耳にします。具体的に言えば、あるところでマンションを経営されている方、自分は仮設住宅に住んでいてマンション経営をしていると。これは実話です。そのような話もあるので、そういう方は、仮設から出てしまうと仮設にいることで得られる収入がなくなってしまうということもあるのかもしれないですが、これはどう考えても不自然ではないのかと思いますし、むしろ一時的には余計な金がかかるにしても、長期的に見れば、かえって効率的になるという意味合いで、インセンティブを与えて、なるべく早く自立していただく方策などを考えていく必要もあるのではないかと考えますので、意見を申し上げました。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

では、神津委員。

〔 神津委員 〕 ありがとうございます。

大きく2点申し上げたいと思っています。

1点は財政健全化についてであります。これは言うまでもなく、まず将来世代への負担の先送りということがもう抜き差しならない規模になっているわけでありまして、これも極めて大きな課題であると思います。また、片方で、異次元の金融緩和のもとでの財政規律というのは、海外のマーケットに対しても、これいかんによって極めて大きな意味を持つメッセージにもなるため、財政健全化に向けて、これまで以上に注意を払う必要があると思います。

そういった中で、今回の平成27年度補正予算に関して、全体規模3.3兆円ということですが、とりわけ低所得の年金受給者に対する1人3万円の臨時給付金などをはじめ、財政規律あるいは政策効果、そして継続性との関係で、どう整合性を取るのかという点から非常に問題があると私は思います。補正予算の編成も含めて、年度予算全体の中で財政規律を厳格化するということが必要であると思います。

また、新規国債の発行につきましても、特例国債、5年間ということでありますが、やはり本当にどうなのかと率直に思いますし、そういう意味で、この財政健全化との関係で十分に検討すべきではないのかと思います。

それから、歳出削減についてです。これも既に先ほど申し上げた補正予算あるいは予算案についても閣議決定ということで方向性は決まっているわけですが、今後に向けてということで、歳出削減について申し上げたいと思います。これはもう言わずもがなではありますが、一律ということであれば、こういう財政状況ですから、どうしても瀕すれば鈍するということになってしまうだろうと思います。やはりメリハリをきかせることが必要だろうと思います。

そういう中で、とりわけ教育、子ども・子育てなどにかかわる問題については、貧困の連鎖を防ぐ、あるいは家庭、教育現場の実態を十分に見極めるということが必要だと思います。

これまで私の前任の古賀のほうからも意見として出してきているかと思いますが、教職員定数に関して、実はつい直近で私どもの連合のシンクタンクの連合総研が調査をいたしまして、教職員の労働時間の実態、一部報道にも出ておりますので、お目にしていただいた方々もいらっしゃるかと思いますが、働き方として長時間労働が常態化をしております。また、いわゆる残業手当がみなしになっているということや、本当に教員としての分野なのかというところも含めて労働時間が長時間になっている。その原因については、これからやはりどうしても子供の数が減るという傾向はまだ続くと思いますので、単にそれに応じて一律的に減員するということでは本質的な問題は解決されないと思います。文部科学省にかかわるところを含めて、そこはぜひ本質に向き合って、構造的な問題に入り込んで検討いただきたいということを申し上げておきたいと思います。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

ちなみに、神津委員、最後に言われた学校の先生の話ですが、学校の現場で先生方がいわゆる長時間労働的で現場は非常に大変だという話は以前から財審の場でもあって、そういう面があるだろうという方が多かったと思います。その原因はいろいろとあるのかもしれませんが、1つは、先生が生徒に教えるということ以外の、いわゆるペーパーワークと言いますか、書類づくりなどの時間が随分長い面もあるという資料も以前の財審でありました。また、多くの委員からそういう面もあるのではないかというご意見があったということだけ、ご紹介させていただきます。

〔 神津委員 〕 ありがとうございます。

今回の調査でも、まさに本来、子供に教えるという以外のところで、最近特にいろいろな業務が多いと。国なり県なり、あるいは教育委員会からの調査がやたら多いという話がありました。それと、いわゆる親に対する対応というのがかつての比ではないと。モンスターペアレンツなどという言葉もありますが、そこに時間が割かれてしまって、肝心の子供に対する教え方がおろそかになりかねない状況にあるという調査結果もございます。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

繰り返しになりますが、いろいろ議論のあるところだと思いますが、財審のこれまでの議論ですと、先生は確かに限られた時間で大変、だから先生の数を増やそうということには必ずしもならないだろうと。今、神津委員ご自身が指摘されたように、そちらの調査でも出ているということですが、本来の教育以外のところでのいわゆるペーパーワークが非常に課題になっているというところがあれば、そういうところを是正するというのも重要だろうと。そういう議論がございました。

〔 神津委員 〕 目先のことというよりも、おっしゃられたような、そういう本質的なところの課題にぜひということでございます。よろしくお願いします。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

では、富田委員、永易委員、末澤委員の順で。

〔 富田委員 〕 ありがとうございます。

2点指摘させていただきたいと思います。

1点は、先ほど事務局よりご説明いただきました資料の3ページにある、我々には初めて提出していただいた資料だと思いますが、国・地方を合わせた歳出と税収です。ご説明いただきましたように、歳出のほうは構造的に増加傾向をたどっているのに対しまして、税収は、平成に入ってから見ましても、景気循環に合わせて大きな変動を遂げてきているということが一目瞭然であります。最近では、税収の上振れ分だとか底上げ分といって、それを歳出に充ててしまおうという議論があるわけですが、過去を見ても分かりますように、増えることもあれば減ることもあるということを我々は肝に銘ずるべきだと思いますし、また、先行きにつきましても、先ほどご説明いただきましたように、2020年度には「経済再生ケース」で高い税収の伸びを見込んでもPB黒字化まで6.5兆円不足する。それから、2018年度の中間目標にも対GDP比で0.7%分不足するという見通しでございます。したがって、上振れだとか底上げだとかいって、それを歳出に充てていましては、いつまでたっても財政の健全化は進まないと思います。増えた税収は財政赤字の削減に使うべきだと思います。

それから、2点目は、先ほどご説明いただきました資料の9ページ、補正予算でございます。国税が増えているということは地方税も増えている可能性が非常に高いわけでして、もともと地方の財政規律につきましては、地方の一般財源総額を実質的に横ばいにするんだということが財政規律なわけですが、それは当初予算の段階だけで守られているように思うんです。決算段階では、一般財源が大幅に増えてしまうということになってしまいます。前にも申し上げましたが、地方の現金預金、いわゆる公金預金は引き続き増加を続けておりまして、これは実はリーマン・ショック前が19兆2,000億円だったんですが、去年の9月末で37兆7,000億円と、ほぼ倍増しています。国が赤字国債を発行して交付税で給付して、決算の段階で地方税が増えると歳出の増加や公金預金の増加にとどまっているということをどう考えるかということをやはり検討すべきだろうと思います。

ちょっと長くなりましたが、地方の一般財源総額を実質横ばいにするということは、当初段階だけで守るべきことなのかどうかという問題提起でございます。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 どうも。

永易委員。

〔 永易委員 〕 ありがとうございます。

私から2点意見を申し上げたいと思います。

1点目は意見と言えるほどではないですが、先ほど中山課長からご説明いただいた本予算のほうです。これは、ご指摘のとおり「目安」の考え方が非常に貫かれているし、この分科会からの建議も相当程度組み込まれていて、総額もいい形で抑えてもらっている。本丸はもちろん社会保障のところで精いっぱいやっていただいたという気がしますし、その他の分野もメリハリがきいていて、よいのではないか。増えているところと減っているところがございますが、そういう気がいたしました。これは最大限事務当局が頑張られた成果であると感謝申し上げたいと思います。

2点目は補正です。今、富田先生からもご意見ありましたが、こちらは、もちろん国債の新規発行を減額するという範囲内であるというのはプラスの面かとは思いますが、例の3万円の臨時給付金などというのは、どう考えても、この建議の方向性、やはり大きい流れは年寄りの方から若い人に移すべきであるという本質的なものに反しますよね。だから、その時々の政治ですから、こういうことも起こり得るとは思いますが、この審議会としては常に強いトーンで方向性を主張していくべきだとつくづく思った次第であります。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

では、末澤委員から。

〔 末澤委員 〕 ご説明どうもありがとうございました。

私も、まず平成28年度予算につきましては、特に診療報酬の改定等、この審議会でも長く議論したところが相当反映されておりまして、基本的に評価できる内容だと考えております。一方で、中長期的な経済、税収等の見通しにつきましては、これはやはり少なくとも財政当局としましては慎重に見ておく必要があるだろうと。

その背景には2点ありまして、まず新年早々のこの金融市場の混乱です。実は、兜町の相場格言には申酉騒ぐというのがございまして、申年と来年の酉年は相当ボラティリティーが高い、相当相場の変動が大きくなるという格言があるのですが、あにはからんや、もう年初から中国のリスク、また地政学的リスクの台頭、また原油の暴落があって相当混乱しています。この背景には、昨年の12月に米国で、9年半ぶり、利上げ転換という意味では11年半ぶりの利上げがあって、かつての利上げ局面というのは、欧州や日本でも、経済がよくて同じ方向に動くんです。そうすると、そんなに影響はないのですが、実はかつて87年にブラックマンデーが起きたときにも、あれは実はアメリカは緩和方向で、ドイツが引き締め方向にあって、アメリカ株が暴落した。今回、逆ですから、どちらかというと新興国等の株が暴落して、一方では欧州が金融緩和を示唆し、日銀は先週末マイナス金利政策導入ということでございます。

このマイナス金利政策、いろいろ評価は今後分かれると思いますが、ただ、円ドルレートにつきましては、ほぼその前の水準まで円高になっておりまして、今日は株価も日経平均が400円近く下がって1万6,000円台ということになっています。ただ、一方で、金利は極めて下がっておりまして、先ほど見たところ、2年金利が一時マイナス0.185%、5年金利がマイナス0.175%、10年金利が0.035%と、もうほぼゼロないし、10年金利もマイナス化しそうな状況ということで、金利水準は大幅に低下しているのですが、一方で、為替はそんなに円安になっていない。また、株価のほうも下がっているということで、やはりこれは外部環境が相当不透明な証だと思います。この状況を今後ともウォッチしていく必要があると思われますし、特に税収につきましては、これは最近上振れ論、底上げ論などというのがありますが、私が思いますに、この議論というのは、どのタームで見るかによって相当変わると思います。

先ほど平成元年からの税収の表があったと思いますが、3ページですかね。実は、平成元年から平成26年までの26年間の一般会計税収の当初の見積もりと決算額を比べて、仮に税収が増えたとすると勝ち、減ったら負けとしますと、実は26戦中14勝12敗、若干勝っているんです。ただし、累計で見ると21兆6,000億円ほどマイナスになっています。もっと古い昭和50年、1975年からの40年間で見ると、実は23勝17敗、少し勝っていますが、税収の累計だとマイナス19兆5,000億円と。これはやはりバブル崩壊後の影響が大きいということですが、ただ、バブル以前で見ても、ほぼチャラです。ですから、中期的に見ると割とゼロになっている。

では、なぜ上振れているように見えるかというと、これは実は、やはり兜町の相場格言で、株価について、上げ百日下げ三日ということがあるんです。つまり、株価は100日間上げるが、3日間でその上げた分を帳消しにするくらいどんと下がると。景気循環というのは、やはり好況期のほうが不況期より長いですよね。だから、上振れ期間が多くて、ただし、落ちるときにどんと落ちるんです。実際、リーマン・ショック時の2008年度には、当初見積もりに対して9兆3,000億円決算で落ちています。また、1998年、金融危機のときは、やはり9兆1,000億円落ちているんです。一方で、上振れというのはバブルのピークの1988年度の5兆7,000億円が最大なんですよ。つまり、落ちるときはどんと落ちて、少しずつ増えるということなので、そういう意味では、いろいろな世界的な景気循環的にも、場合によっては、今年、来年、再来年あたりでピークアウトということもあるので、これはもう少し中長期の観点から慎重に見ていく必要があるのではないかと考えております。

以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

では、田中委員、板垣委員、田近委員の順で。

〔 田中委員 〕 すみません。私は非常にシンプルに、1点は意見と、1点は質問になります。

1点は、軽減税率に伴う減収の措置ですが、やはりペイ・アズ・ユー・ゴーの考え方から言えば、納税者としては、きちんと財源の手当てを確保した上で予算を通していただきたかったというのが私の所感であります。

2点目は質問になりますが、先ほど、内閣府の中長期試算を出していただきましたが、我々あるいは省庁としては、予算を組むとき、あるいは政策をつくるときには「ベースラインケース」を念頭に予算の在り方を考えているという理解でよろしいのかどうかという質問であります。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 では、2点目、ご質問ですので、政府部内での議論、どちらのベースになるか、お答えいただければと思います。

〔 阪田総務課長 〕 予算編成において中長期試算をどう使うかというご質問だと思いますが、実際、実務と言いますか、古来よりやっております予算編成において、政府経済見通しが最終局面において見積もられてきて、それに合わせて税収も出てきて、それに合わせて歳出を組み合わせて考えるというのをずっとやっておりますし、基本でございます。中長期試算というのは、そこから先に伸ばしていくところに意味合いがありまして、実際に予算編成に使われる政府経済見通しの部分、つまり次年度の経済部分というのは、政府経済見通しの数字あるいは当初予算の数字がそのまま入っている状態です。その先の特徴的な部分、まさに「経済再生ケース」と「ベースラインケース」が分かれていく部分に関しては、直接的にはどちらが予算編成の参考になるというスタイルにはなっていないということです。あくまでも翌年度の政府経済見通しがベースになっております。

〔 吉川分科会長 〕 ただ、そうはいっても、政府全体として2020年度のPB黒字化目標の大きな旗を掲げていて、そこをピン止めして、戻してきて足元での財政運営というのを議論はしているんだろうと思いますよね。ですから、当然そのピン止めするところが2つで違ってくるわけですから、どうなんだという問題はあるだろうとは思いますが。

〔 阪田総務課長 〕 ええ、そこは確かに、より先の話になりますので、直接実務に、毎年毎年の予算編成にそのまま引き直して活用するのは難しいところですが、まさに「経済・財政再生計画」においては、中間年度をつくりまして、あくまでもPB黒字化目標達成というのが優先課題でございますので、2018年度のところに至った段階で、2020年度の目標との誤差を算定していくという手続きが定められていると。

〔 美並次長 〕 先ほど予算の足元の話でいえば、まさに次年度ですが、もしご質問の趣旨がどちらを政府はメインシナリオという意味で考えているのかということについては、そこは明示していませんが、やはり「経済再生ケース」を想定していると。「経済・財政再生計画」を昨年決定して、そこに「目安」が書いてあるわけですが、経済をよくして税収も増やして、一方で歳出も削減しようということで、今は中長期試算上は2020年度に赤字となっていますが、そこは「目安」をしっかり実現することによって、あるいはさらに一層の歳出の抑制をしていくことによって達成しようという意味では、「経済再生ケース」が暗黙ではメインケースだと考えていただいていいかと思います。

〔 吉川分科会長 〕 どうも。ちょっとしつこくなりますが、ご説明いただいた説明資料の4ページ、例えば国・地方のPB対GDP比で、田中委員がおっしゃった2つのケースのグラフですが、この図の右上には四角いボックスがあって、先ほど事務局の説明でもこれに明示的な言及があり、こういう注意事項だというご説明が先ほどの事務局の説明でもあったと思います。これが気分を表しているということなのかなと表現しましたが。今の理解でよろしいでしょうか。

それでは、板垣委員ですね。

〔 板垣委員 〕 ありがとうございます。

当初予算ベースでこの予算案を見れば、財審での議論がある程度入って、伸びもある程度抑制されて、改革もそれなりに入っているということで、これだけ見れば、各委員からお話がありましたが、評価できる部分はあると思います。ただ、やはりこの補正予算の部分をご覧になって多くの方が感じられるように、結局、剰余金と税収増が出たらすぐ使ってしまうという、もう毎度の体質が全く変わらない財政運営というように私は感じます。これをずっと続ける限りにおいては、おそらく財政再建は無理だろうというのが私の認識です。

ただ、今、アベノミクスがやっているのは、基本的にGDPを大きくして、それで税収も上げてということなので、マイナス金利も選択し、一方で機動的な財政出動もやるということですが、マイナス金利を選択した時点で私自身は金融政策がかなり行き詰まっているという認識を持っておりますので、やはりこういう形で補正予算を続けることが果たしていいのかどうか非常に大きな疑問を持ちます。なおかつ3万円の給付金などというものはあってはならない政策であり、総合合算制度を廃止してまでやるべき話であったのかどうかという気持ちを私は持っております。

これからの財審の議論にあっては、やはりそういうところに注意を配りながら、きちんとやっていかないと、我々が幾ら言っても財政再建は無理だろうと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。

では、田近委員。

〔 田近委員 〕 私も同じような感想ですが、2点。

1点は、先ほどから出ているように日銀の量的・質的な金融緩和が続いている。それから、さらにマイナス金利が出て、金利も下がっている。その中で財政健全化というのは、なかなか言うは易し、しかし環境としては国債は結果的には日銀が引き受けてくれるし、金利は安いし、外から見ても、まだ日本は財政拡大したらいいのではないかという意見もある。そういう中で、どのようにこの問題に取り組むかというときに、やはり工程表のように、それぞれの分野の財政の取組を示すというのが大切だろうと思います。特に、社会保障の改革工程表も示されて、これもここで議論したように、今後、医療提供体制、ベッド数のコントロールですよね。それから、高額医療費にも取り組むのはよく分かりますが、ここから質問です。

さはさりながら、診療報酬も、我々はあんなに議論しましたが、実態、本体部分はプラスになって、どこで減ったかというと、基本的には薬と、若干後発医薬品等で下げたということで、必ずしも十分でない。それなりの予算になったと私も思いますが、伺いたいのは、我々が建議も含めていろいろ議論をして、なかなか手が届かなかったところは一体どこなのかを社会保障で伺いたいことと、あとセーフティネット保証や信用保証のことも大分中小企業はやりましたよね。あれもここの中に出ていないので、それがどうなったのか。質問が2点です。

それから、もう1点は、老川委員が既にご指摘されていますが、私も復興財源、震災あるいは大災害に対する財政の取組について、東日本大震災の5年間というのを今年の財審の一つのテーマでぜひ取りまとめてもらいたい。つまり、どのように財源を確保したのか。もう散々私も議論しましたが、どうするのか。それから、老川委員が既に仮設住宅のこともおっしゃいましたが、その使途はどうか。そして、具体的な個別項目としては、やはり生活再建支援をどうするか。いろいろ今の時間で語れませんが、私が指摘したいのは、震災後5年経って、ここで今年の我々のテーマとして、この財源からの使途、問題について取りまとめて、今朝も地震がありましたが、また何か災害があったときに備えるということで、阪神・淡路のときの経験も踏まえて、決定版とは言えないまでも、財審でまとめることができればいいと思います。

ということで、質問は、社会保障のところで実現しなかったもの、それから信用保証のところを伺いたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 どうも。では、最後の震災の点については検討させていただくと。

ご質問のほうに移りますが、まず宇波主計官。

〔 宇波主計官 〕 客観的に見てということかと思いますが、平成28年度の編成は、平成28年度単年度でいえば診療報酬改定が大きな論点でありました。それから、「経済・財政再生計画」の初年度ということで、社会保障の伸びを高齢化に相当する伸びの範囲内、つまり5,000億円の範囲内にというのが「目安」でありまして、その「目安」の達成ということが平成28年度の課題でありました。また、「経済・財政再生計画」の向こう3年間あるいは5年間を睨んで言えば、同じように高齢化に相当する伸びの範囲内が「目安」となっており、その達成のために夏の「経済・財政再生計画」に44の検討項目が書かれていて、それらについて年末までに工程表をつくるということが課題でした。この工程表のほうはもう少し長いスパンですが、その工程表の在り方についても財審でご議論いただきまして建議をいただきました。

それらを踏まえて今回どうかということですが、まず平成28年度の「目安」5,000億円の達成はできております。診療報酬・薬価改定については、先ほど7ページでご説明をさせていただいた姿になっております。医療費ベースでいえば、総額で6,000億円ほど伸びを抑制したような形で、一番下に書いてございますように、全体としては、このような形で国民負担の減につなげることができたと思います。今、田近委員からお話があった、不十分だったもしくは、もっとできたのではないかと思えるところはどこかと聞かれると、財審の建議との関係で客観的に比較すれば、診療報酬本体についても「引下げが必要である」との建議をいただいていたかと思いますが、本体の技術料についてはプラス0.49%という形になっております。

他方で、7ページの右側にございますように、診療報酬改定は通常は本体と薬価のみですが、今回の診療報酬改定においては、建議でもいろいろとご指摘をいただいたように、個別の合理化が必要なものについて枠外で合理化を図るべきであるということで、それらの項目については、7ページの(3)にあるように相当程度できたかと思いますが、これも建議でいただいた内容との客観的な比較で言えば、Aの大型門前薬局等に対する評価の適正化というのは、大型の門前薬局等の報酬について別枠で一定程度引き下げるという形で達成はできておりますが、建議でいただいたような内容と比べると、調剤報酬の改革はまだ第一歩であって、いただいた建議と比較すると、更にやるべき課題が残っている。これはまた後年度の診療報酬改定の課題かと思います。

それから、工程表との関係では、参考資料1で非常に分厚い資料をお配りしているので、これを一つ一つ個別にはご紹介できませんが、建議と比較していただくと、工程表の内容はほぼ建議に沿ったものになったとご理解いただいていいかと思います。建議の際にも第1トラック、第2トラック、第3トラックという形で工程表を進めていく順番について整理をいただきましたが、ほぼそれと同じような整理で決定しているのではないかと思います。

2つだけ具体例を見ていただきますと、参考資料1の17ページの㉔の課題は負担能力に応じた公平な負担、給付の適正化ということでありますが、建議の中では、第1トラックで一番早く進めるべきものとして高額療養費制度の在り方がございました。ここについては、㉔(1)の下のボックスにあるように、高額療養費制度の見直しについてということで、見直しを行うことを決めた上で、その具体的内容は今年の年末までに結論を出して、それに基づいて速やかに必要な措置を講ずる、としてございます。

それから、第2トラックとして、例えば7ページにございますH、かかりつけ医の普及の観点からの、いわゆる受診時定額負担であります。これについては、引き続きの検討の課題になっておりますHの2つ目の矢印でありますが、2016年末までに結論となっております。法案の提出時期を明記すべきであるというのが建議でいただいた内容でございまして、この法案の提出時期については、四角い箱にありますように2017年通常国会への法案提出ということを書いてございます。

昨年11月の予算編成の基本方針において、この工程表に沿って着実に改革を実行するということが閣議決定をされてございます。もちろん、まだ検討という要素が残っているわけでございますので、引き続き、この工程表に沿って着実に改革が実行されるように、更に取組を行っていく必要があると考えてございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

全体としては、既に何人かの委員の方が言われたとおり、事務局は大変健闘されたことだと思いますが、診療報酬については、財務省もさることながら、本来主役であるはずの中医協がもう少し診療報酬体系全体をきちんと見直す中で平均を抑制するということでリーダーシップを発揮してもらうことかなと。政府全体のガバナンスでいえば、そういう問題があるのではないかと思います。

あと、信用保証ですかね。では、冨安主計官。

〔 冨安主計官 〕 信用保証制度についてでございますが、建議におきまして、いわゆる責任共有、8割のところにつきまして、その保証割合を引き下げるべき、あるいはセーフティネット保証制度につきましても、やむを得ない場合を除いては見直しをすべきという建議をいただきました。

事実関係を申し上げますと、財審で信用保証の会議をやりました後に中小企業庁のほうで審議会が立ち上がりまして、建議をいただいた後に、中小企業庁の審議会で中間的な整理が行われました。建議でいただいた方向に、おおむね整合的な形で進んでいると思います。議論は、本年結論を得ることになると思います。

関連部分につきまして、中小企業庁のほうの中間的な整理のポイントを若干申し上げますと、今の責任共有制度の保証割合につきましては、一律8割とするのではなく、企業のライフステージにおいて金融機関と保証協会が適切なリスクシェアリングのもとで支援の目線を合わせ、事業と金融機関の双方に経営改善に取り組み続けるためにインセンティブが働く仕組みとするべきであるという整理のポイント、あるいはセーフティネット保証につきましても、大規模な経済危機や自然災害には100%保証が必要であるが、現在のセーフティネットそれぞれについていろいろ申し上げた上で、中小企業の健全な成長・発展、新陳代謝等の観点を含め、丁寧な見直しを行うべきである。特に、構造不況業種に対応するセーフティネット保証5号については、自然災害に対応する同4号と同じような取り扱いが行われているが、上記の観点から検証を行い、必要となる見直しを行うべきであるということで、方向性としてはこのような形で進んでおりまして、引き続き中小企業庁の審議会で、制度を所管しておりますので、議論を行っていただくということになっております。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

では、秋山委員、伊藤委員、お二人に発言していただいて、それで次の議題に移りたいと思います。

〔 秋山委員 〕 それでは、私から2点申し上げたいと思います。

今回の予算についてのご説明をいただいた中で、私が最も印象的だったことは、これまで財審の中でもいろいろ議論していく中で、大きな論点として、財政再建のための統制をどのように行っていくか、フレームワークなり統制の仕組みをシステムとして構築するべきだという話がこれまで出てきたかと思いますが、ようやく統制が目に見える形で、1つは「目安」を運用することで枠の中にちゃんと入っているかどうかが分かるということ、それから、あともう1つは改革工程表が整備されたことで、特に財審の議論においても重要論点が時系列で明確になったというところが非常に大きなポイントではないかと思っております。

また、2点目ですが、今回のご説明の中で、幾つかの重要な指標について、リーマン・ショック前の水準に回復しているというご説明が出てまいりました。リーマン・ショック後の何年間かの財政状況を見ると、この時期、かなり歳出を増やして景気刺激策をとってきた。その結果、少しずつ税収が、特にここ数年の間は税収が上がったこと、経済が発展したことによって税収が上がって、これで全体の状況が少しいい方向に、あるいはリーマン・ショックのマイナスがようやくリセットされつつあるというのが今の姿だと思います。

ただ、これから先、先ほどの財政再建のベースは「経済再生ケース」を念頭に置いて考えているということを考えますと、今後、自律的な経済の成長サイクルをいかにつくっていくかというところと、歳出のコントロールをどう考えていくかというところが重要になってくると思います。そうなりますと、もはやリーマン・ショック前の水準に戻った今から以降については、特に補正予算についても多くの方からご指摘がありましたが、景気を単に刺激するというよりは、今後の自律的な経済成長サイクルをつくり上げていくような、ある意味構造改革的な部分に積極的に投資をしていくことに重点が置かれるべきであろうと思います。

例えば、個別でいいますと、公共事業に関しましては、PPP・PFIなどの民間投資を誘発するようなところが項目として挙がっていますが、さらにコンセッションなどをもっと積極的に導入していくことも含めて、自律的な経済成長サイクルが今後の財政再建の1つの大きな視点になるのではないかと思っております。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。

では、お待たせしました。伊藤委員。

〔 伊藤委員 〕 ありがとうございます。

皆さんから出たご意見と一緒ですが、感想と意見を申し上げます。

平成28年度予算は、皆さんおっしゃるとおりで財審の提案が活かされていると思いますが、補正予算については、板垣委員が言われたように、ちょっと歳入が増えたら、みんなばらまいて使ってしまうと。永易委員が言われた3万円の臨時給付金の話や、補正についてはこのような考え方だと問題があるのではないかという気がいたします。

先ほど吉川会長が本資料の4ページの上のほうの四角について触れられたんですが、内閣府がつくった参考資料2を見ると、そこの計数表の「経済再生ケース」に名目GDP686兆円と、下のほうに税収80兆円と書かれていますが、そのベースは2ページの成長率なんですね。3%台の後半で「経済再生ケース」を考えられていると。その次の3ページを見ますと、国の一般会計の推移として、「経済再生ケース」での税収と、さらに右側に基礎的財政収支対象経費の推移と書いてありますね。

普通の会社で中期計画の議論をしていたら、まず、先ほどもご指摘があったように、今の経済状況からすると、3%台の後半で推移するということに一生懸命努力はしないといけない。これは我々企業も含めてそうですが、しかし、本当に3%台の成長がずっと続きますかというと、それは分からないから、3ページでいえば、基礎的財政収支対象経費は少なくとも「ベースラインケース」以下に抑えなさいというのが普通の民間の会社の考え方です。やはりそのような発想がないと、プライマリーバランスをプラスにしていこうということは非常に難しいのではないかという気がいたします。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

いわゆる先憂後楽ですよね。先楽だとまずいだろうというご意見だと思いますが、今の伊藤委員のご意見も含めて、補正予算について随分クリティカルなご意見をいただきましたので、事務局のほうから、ごく簡単に一言、可部次長、お願いします。

〔 可部次長 〕 補正予算に関するご指摘を重く受けとめて対応してまいりたいと思っております。

その上で、今回計上いたしました年金生活者等支援臨時福祉給付金をごく簡単に、その背景を述べさせていただければと思います。

これは、もともと一億総活躍国民会議におけるご議論を受けた緊急対策の提言の中に入りました。その趣旨は、来年4月、消費税率が10%に上がります時に、併せて低年金者の方に1人最大6万円の給付を行うということが決まっております。これは社会保障の充実2.8兆円のうちの一部、かなりの金額であるわけですが、これが3党合意で決まっております。

消費税率8%から10%への引上げを1年半延期したときに、財源が入ってこない以上、この充実施策も延期をするということで、来年の4月に延期になっております。ただ、足元の経済状況を見てみますと、やはり高齢の低所得者の方に関しては消費が弱いということが経済データとして出ております。今年の後半になりますと、民間の経済見通しでも、消費税の引上げ前の駆け込み需要で景気が刺激されると言われている反面、年前半については消費は弱いのではないかという指摘がございます。そうした中で、現役の方については、最低賃金の引上げもしてまいりましたし、さらに賃上げについても引き続き努力をしていこうという動きがある中で、年金生活者の方に関しては、そうした年金の受取額の増というのは期待されていないわけでございます。今年についても年金額は据え置きというのが予算でのセットでございます。そうした中で、消費が弱い高齢の低所得者の方に関して、1年間前倒しで低年金加算をやろうと。年前半という部分でございますので、6万円の半分の3万円という趣旨で、低年金加算の前倒し並びに景気の下支えの2つの趣旨で、一億総活躍の施策の1つとしてこれを実施することになったものでございます。

その点については十分ご説明をしていきたいと思っておりますし、ほかの補正予算に計上した施策も、できるだけ「希望出生率1.8」、「介護離職ゼロ」あるいはTPPに重点化した予算にし、かつ税収の一部は昨年に続いて公債減額に充てる努力もする中で計上するという編成をさせていただいたということを補足させていただければと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、次の議題に移らせていただきます。

次の議題は、「財政制度分科会の今後の進め方」ですが、春の財審では、前の秋の財審で委員の皆様方からご提案いただいた委員による海外調査というものがございます。この点につきまして、まず事務局から簡潔にご説明ください。

〔 中山調査課長 〕 それでは、お手元の資料6、資料7の2つに沿いましてご説明したいと思います。

まず、資料6の「財政制度分科会の今後の進め方(案)」につきまして、1ページをご覧いただきますと、昨年冬の建議で、まさに平成28年度は改革初年度ということで、PB黒字化目標達成に向けまして初年度から着実に歩みを進めていくことが何よりも重要だとご提言いただいたところでございまして、今回の審議では、下段にございますとおり計画の実行に向けて建議をいただければと考えてございます。このため、1つは海外調査、これは昨年の審議の中でもドイツやギリシャの状況等について報告させていただきましたが、G7及び欧州危機に直面したGIIPS各国、財政健全化に取り組んでおりますので、その進捗状況を検証していきたいと考えております。

また、本日ご説明させていただきました改革工程表につきましても、今後具体化されていきますので、その方向性等についてもご審議いただければと考えております。

また、昨年、竹中委員からご提言がありまして検討を進めております女性公聴会等も、このような改革を進めていく上での国民の理解醸成の観点から重要な課題だと考えているところでございます。

続きまして、資料7、海外調査につきまして、調査いただく先生方とご相談させていただきながら大枠を整理させていただきました。

1ページをご覧いただきますと、その趣旨でございます。繰り返しになりますが、リーマン・ショック後のG7及びGIIPS各国の取組状況をフォローアップするとともに、これら各国をモニターしております国際機関の意見も聴取し、日本への参考を導いていきたいと考えてございます。

2ページは、体制及び日程でございます。これは、昨年末、各委員にご相談させていただきましたが、今回、新しいメンバーで調査に臨んでまいりたいと考えてございます。

主な調査事項につきましては、3ページでございます。各国の財政健全化の状況ということで、まずリーマン・ショック後、各国で策定されました財政健全化計画の具体的な内容とその進捗状況、具体的なルールあるいは個別の具体的措置にまで遡って検証していきたいと思っております。

もう1つは、国内でもいろいろ議論になっております経済・財政運営と構造改革の関係、財政健全化と成長との両立をどうやって図っていくかといった課題、あるいは各国が抱えております少子高齢化や労働市場改革等の構造問題の取組についても調査いただければと考えております。

また、3.ですが、こういった取組全体についての評価につきましても調査いただければと思っております。併せて、今後の「計画」の取組状況についても調査できればと考えてございます。

4ページ以下は、各国の指標を今の段階で整理させていただきました。

〔 吉川分科会長 〕 前の議題で少し時間を超過してしまいましたので、これは参考資料として皆様方に見ていただくということで進めさせていただければと思います。

そこで、お手元の資料7の2ページ目が海外調査に行っていただく委員の皆様方・国のリストですが、この際ということで、調査に行かれる委員の方々からもし一言あれば、決意表明と言いますか、もしあれば一言でも。

末澤委員、お願いいたします。

〔 末澤委員 〕 今回、田中委員と一緒にアメリカ、カナダ、IMFを訪問させていただくことになりました。

まず、アメリカにつきましては、先ほど申し上げましたように主要先進国で唯一利上げができるという相当経済状況が改善している国でありますし、結果的には、これは与野党の対立の成果という面もありますが、財政状況も極めて改善しておりまして、そのような意味では、経済・財政がどのような状況で改善したか、両立に成功したかといったところの要因といいますか、そこを調査したいと思います。

一方、カナダのほうも財政状況は好調で、2014年度に均衡財政を達成しております。ただ、カナダは、かつて80年代、90年代、相当財政が悪かった時期もございますので、その後の財政の取組、また近年の状況を、カナダにつきましては、資源、また中国リスクというのも相当影響を受けているはずですので、そういったところも見てきたいと思います。

また、IMFでは、各国の財政健全化の取組に対する評価や今後の見通しについて調査してまいります。

なお、時間が許せば、カナダにつきましては昨年秋に政権交代がございまして、アメリカは今、大統領予備選の真っ最中でございます。そういった動向、また政権交代等が財政状況等に与える影響についてもヒアリングができれば、還元させていただきたいと考えております。

以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

では、続けて、竹中委員、遠藤委員、宮武委員にご発言いただくという、4つのチーム全部になるかと思いますが、よろしくお願いします。

〔 竹中委員 〕 では、私のほうから述べさせていただきます。

私は佐藤委員と一緒にイギリス、アイルランド、EUに、これはベルギーですが、出張させていただくことになりました。

イギリスは、昨年夏の総選挙を経て新たな財政健全化計画が策定されたところで、これまでの財政健全化策の進捗状況、新しい財政健全化のための方針を中心にヒアリングをさせていただきたいと思っています。

EU、ベルギーのほうでは、EU各国に共通する財政規律などのルールの詳細についてと、また財政健全化と経済成長の両立について主に調査をしたいと思っています。

今回一番私が関心を持っていますのは、財審としても初めてアイルランド調査を行うようですが、中の資料にもありますようにIMF、EUから金融支援を受ける状態であったにもかかわらず、2013年度には支援から卒業して、現在非常に経済・財政ともに好調な国です。ですので、やはり日本の今後のことも考えまして、ぜひアイルランドから財政再建が成功した要因などをしっかりと学んでいきたいと思っております。

唯一の不安は、私が英語、語学力が全然ゼロなので、それが不安ですが、一生懸命調査をしたいという気持ちは真剣に持っていますので、佐藤委員やスタッフの皆さんのお力を借りながら真剣に取り組んできたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

〔 遠藤委員 〕 ありがとうございます。

私は、赤井委員とともにスペインとフランスとポルトガルを調査させていただきます。これらはリーマン・ショック後に深刻化した財政運営の健全化に腐心してきた国々です。

まず、フランスは高福祉・高負担の代表的な国でありますが、現在は、前回の財審でも触れられたように、歳出の抑制を中心に財政の健全化に非常に前向きに取り組んできたと聞いております。社会保障など各分野での歳出抑制の取組の具体策について調査してまいりたいと思います。

スペイン、ポルトガルは、もうご承知おきのことと思いますが、EU、IMFによる支援を受けて、その支援プログラムを卒業した経緯がございます。どちらの国も財政関係ではEUの財政赤字に関する、例の対GDP比3%ルールの達成を見込みつつある時期にございます。これまでの両国の取組を振り返るよい時期に当たると思っておりますので、しっかりと調査をしてまいります。

なお、フランスの調査の際にはOECDも訪問いたします。財政健全化と経済成長の両立、また財政規律について調査いたしたいと思っております。

私は、ポルトガルは初めてですが、スペイン、フランス、OECDあたりはリーマン・ショック前と最中に行った経緯がありますので、非常に景気のよかった時期のスペインの街並みの状況もよく記憶しております。どのような変化があるのか、きちんと見てまいりたいと思っています。何より、テロとジカ熱に気をつけながら、元気で帰ってまいりたいと思います。よろしくお願いします。

〔 吉川分科会長 〕 よろしくお願いします。

では、お待たせしました。宮武委員。

〔 宮武委員 〕 ドイツ、イタリア、ギリシャの3国を調査するようにということでございました。財政的、経済的に、いわば青信号、黄信号、赤信号というところを回ることになるかと思います。幸い、中空委員はヨーロッパの経済事情に大変お詳しいわけでございますので、中空キャップのもとで足を引っ張らないように行ってまいりたいと思っております。

ドイツのほうは、この財審でもシュレーダー改革以降が大変いいサンプルとして取り上げられましたので、最新の状況を見てきたい。また、現在進行中の難民問題についてもお聞きできればと思っております。

イタリアは、公的な支援は受けておりませんが、債務残高が高止まりしておりますので、いわば我がほうと同病相哀れむという中で、どのようなかじ取りを考えておられるのか聞いてきたいと思います。

ギリシャは初めての対象地域になるわけでございまして、皆目よく分からないのでありますが、パニックに陥るまでの、いわば教訓などを彼らがどう考えているのか、その辺も含めてお聞きしたいと思っております。

以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

何でもそうですが、行ってみないと分からない、行ってみると分かるということが本当にあると思いますので、ご多忙中大変恐縮ですが、調査に行かれる委員の皆様方、また調査の結果、貴重な知見をこの審議会に持ち帰っていただけると思いますので、よろしくお願いいたします。

以上、海外調査ですが、もう1つ、中山課長のお話にあった女性公聴会の開催について。これについては、昨年、財審でご提案いただいた竹中委員からご発言いただけますか。

〔 竹中委員 〕 たびたび発言させていただきます。

昨年9月30日の財審で女性の立場で財政について考える公聴会の開催を提案させていただいて、その際、麻生大臣をはじめ、委員の皆様方のご賛同をいただいて、その後、女性委員の皆様、そして事務局と様々な準備を進めることを了承いただきました。財審終了後に女性委員あるいはスタッフと集まって、開催に向けての打ち合わせを行ってまいりました。

開催日が4月22日の金曜日ということに決定をさせていただきました。そして、働く世代や学生さんにも参加いただきやすいということを考慮して、18時、夕方の6時からの開催といたすことになりました。そして、当日は麻生大臣にご参加いただき、財審の女性委員より現状の財政や社会保障の課題などについて説明した上で、意見発表者より意見を頂戴する。そして、大臣や女性委員と議論を行い、その後、一般参加の皆様方の自由挙手による意見交換もさせていただきたいと思っています。そのような流れで計画をしています。

女性活躍の時代とも言われておりますが、日本の財政状況をはじめ、子育て支援や医療といった社会保障の身近な問題を、我々財審女性委員や大臣、そして参加されるたくさんの各層の女性の皆さんで議論することで、厳しい財政の現状、社会保障改革の推進についてしっかりとご理解、ご協力を深めていただけたらと思っています。

今後は、2月中にこの公聴会の開催の公表を行います。それから、公募という形で参加を希望してくださる方を募っていきたいと思っておりますので、関係者だけではなくて全ての委員の皆様方に、ぜひこのような会が成功裏に終わり、たくさんの女性の皆さんがしっかり財政について考え、意見交換をしていただける会になりますように、ご協力をくれぐれもよろしくお願いいたしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。もしほかの女性の委員の方から。

どうぞ、田中委員。

〔 田中委員 〕 ありがとうございます。

私も参加させていただきますが、竹中委員のイニシアチブのもとに、我々で何ができるか。できるだけ生活者や納税者の視点でお話ができたらと思っています。

そのほかに、この女性以外に、もう1点加えさせていただいてよろしいでしょうか。

〔 吉川分科会長 〕 はい。関連してですか。

〔 田中委員 〕 はい。今、女性ということですが、この財審の中のキーワードに次世代への先送りという言葉が出てきます。やはりあらゆる世代でこの問題を共有していく必要というのは、おそらくここにいる皆さんが共有していることだと思います。ですから、女性の公聴会も1つの大きなきっかけにして、ほかの世代に対しての問題共有など、教育の機会をつくっていく必要があるだろうと思います。そう思っておりましたら、財務省の中で若手中心に中学校を回って、実際に2020年度までにPB黒字化をするにはどうしたらいいかというシミュレーションゲームの指導をされたり、お話をされている試みをされているということも聞いていますので、どこかの機会でそのような状況をお話し、共有していただければと思います。

〔 吉川分科会長 〕 貴重なご意見、どうもありがとうございました。

今、最後に田中委員がおっしゃったことについては、事務局によく検討してもらえたらと思います。

〔 田近委員 〕

財務省の資料で、「日本の財政関係資料」が何年もアップデートされているので、大分こなれて読みやすくなっていますが、私も大学で財政学を教えるときに、最初にあれを使う。英語版もあります。だから、日本人に教えるときも外国人に教えるときも使ったりしていますが、そのような資料をどうやって更に広げていくかという活動の一環だと思います。

ただ、1つ要望があるとすれば、どう予算をつくるかというのも大切だと思いますが、昨年秋の財審のときに、廣光企画官にかなり長いスパンで日本の経済と財政を説明していただきましたよね。どこまでが長いというのは、僕も相当年をとってしまいましたから、僕にとっては高度成長が終わったあたりかと思いますが、それは相当大昔の話で、少なくともバブルがはじけた後くらいの日本について知ってもらって、そこから発生してくる問題を、今のデフレ脱却も含めて、若い人にわかってもらうということで、ぜひ「日本の財政関係資料」のアップデートと見直しも含めて、それに対応する資料をつくってくれればいいかなと思います。それもまた、日本語版と英語版と両方つくってもらいたいと思います。つけ足しで感想です。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございます。

この財審でももう随分議論してきたと思いますが、やはり財政再建というのは一部の専門家の人たちだけで議論すればいいという問題ではなくて、要するに全員参加で、本当にみんなが当事者意識を持って問題の所在を理解して、改革、当然これはいろいろな考え方があるでしょうが、しかし、意味のある、生産的な議論をする。誤解ないしは無理解に基づいた議論では困るということで、いわゆる広報活動と言いますか、それは大変重要なことだと。そのような位置付けで、委員の皆様方全員、この点は一致で議論してきたと思います。ですから、まずは女性の公聴会、これは竹中委員を中心にやっていただくということでお願いしたいと思いますが、それから田中委員、田近委員からお話のあったことをぜひ検討したいと思います。よろしいでしょうか。

大宮委員。

〔 大宮委員 〕 ありがとうございます。

海外調査ですが、大変期待しておりまして、実は、例えば今日いろいろ議論が出た中に、補正予算がよくないという話もたくさんありましたが、例えば制度的な全体の枠組み、地方交付税など、税の全体枠組みがどうなっていて、それでもってうまくいったということも多分あるのではないかと思いますので、その辺もぜひ加えていただけたらと思います。

〔 吉川分科会長 〕 いかがでしょうか。今も1つご意見をいただきましたが。

葛西委員、どうぞ。

〔 葛西委員 〕 公聴会や海外調査は非常に意味があると思いますが、人の話を聞くときに、ボトムアップで、どうしたらいいでしょうかと聞くのはほとんど意味がないと思います。したがって、こうしたい、こうしなくてはいけないという案を当方からきちんと出して、それに対してどう思うかを聞きながら、それに対してどう説得するかを考えるという手法をとるべきです。やはり見識のある者が一定の方向を出して、それを議論の素材にするという形にしないといけないのではないかと思います。中学生などに財政の話をする際も、同じことを考慮するべきではないかと思います。

〔 吉川分科会長 〕 おっしゃったこと、多くの委員の方は、それはそうだと思われていると思います。ただ、中学生や高校生になると、そもそも税というのはどういうものなのか、社会保障というのはどういうものなのか、それ自体、必ずしも詳しいことは知らない、そういう基本的な知識のところから始めなくてはいけないだろうと思いますが。

ほかにいかがでしょうか。何かこの際、ご意見があれば。どうぞ。

〔 末澤委員 〕 すみません。ここで申し上げることではないかもしれませんが、昨年、IT関連の予算の議論が行われていましたが、実は今週、私も仕事で財務省のホームページを見ていますが、月火水木と、昨日まで全然つながらず、今日ようやくつながりました。ただ、財務省さんは国債の発行もされていますし、重要な統計もいろいろ発表されていますので、ぜひこのあたりはご改善いただいたほうがよろしいかと思いました。

〔 吉川分科会長 〕 今報道されている問題ですかね。いかがでしょうか。よろしいですか。

今まで皆さん非常に活発に本日もご意見をいただきました。

それでは、本日の議題は終了とさせていただきます。毎度のことですが、本日の会議の内容につきましては、大変恐縮ですが、私にお任せいただきたく、お願い申し上げます。皆様方から報道関係者等に対してお話しすることのないよう、ご注意いただきたいと思います。

次回の日程については、調整の上、改めて事務局よりご連絡をさせていただきます。

ご多用中、どうもありがとうございました。

午後3時47分閉会

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