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財政制度分科会(平成27年11月20日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録

平成27年11月20日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

平成27年11月20日(金)10:00〜11:39
第3特別会議室(本庁舎4階 中-412)

1.開会

2.議題
・とりまとめに向けた審議

3.閉会

出席者

分科会長 吉 川   洋 岡田副大臣
坂井副大臣
福田主計局長
美並次長
茶谷次長
阪田総務課長
中山調査課長
内野給与共済課長
青木法規課長
余島司計課長
片岡大臣官房参事官
小宮主計官
宇波主計官
奥主計官
阿久澤主計官
高村主計官
彦谷主計官
堀内主計官
冨安主計官
山崎主計官
高主計官
江島主計官
廣光主計企画官
委員

遠藤典子

大宮英明

倉重篤郎

黒川行治

角 和夫

竹中ナミ

土居丈朗

臨時委員

赤井伸郎

板垣信幸

加藤久和

小林 毅

末澤豪謙

武田洋子

田近栄治

増田寛也

宮武 剛


午前10時00分開会

〔 吉川分科会長 〕 それでは、定刻になりましたので、ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。皆様方にはご多用中のところご出席いただきまして、まことにありがとうございます。

本日は前回に引き続き、建議のとりまとめに向けて、お手元にお配りしております「平成28年度予算の編成等に関する建議(案)」について審議していただきます。今回の建議案につきましては、一昨日18日に開催した起草委員会において、前回審議いただいたものに、皆様方からいただいたご意見等を踏まえ検討の上、修正を施したものです。修正を見え消しにしたもの、修正を溶け込ませたものの2つのバージョンを配付しておりますので、ご参考にしていただければと思います。

ここで、審議に先立ちまして、まず、修正意見をいただいたものの、原案を維持させていただいた箇所等について、事務局より補足説明をお願いいたします。

中山課長、お願いいたします。

〔 中山調査課長 〕 調査課長の中山でございます。会長からご説明ございましたとおり、11月18日の起草委員会におきまして、前回ご指摘いただいた意見の反映についてご審議いただきました。原案からの修正案は、配付しております建議案の見え消し版でご確認いただけると思います。赤字で記載させていただいた分でございます。

他方、原案維持とさせていただいたものにつきまして、まとめてご説明させていただきたいと思います。お手元の資料のうち、右上の赤で見え消し版となっている方の冊子をご覧いただければと思います。

まず、15ページでございます。16行目にございます括弧内の「5,000億円弱」という記載につきまして、これを「5,000億円以下」とすべきではないかとのご意見がございましたが、本件につきましては、「骨太方針2015」におきまして、3年間で1.5兆円程度が目安とされている中で、計画初年度にふさわしいものとなるよう、5,000億円をある程度下回る水準を目指すという趣旨ということで、原案どおり「5,000億円弱」となっております。

続きまして、18ページの22行目でございます。真ん中あたりの「保険料の傾斜設定」につきまして、社会保険の原則である応能負担に反するのではないかといったご意見がございましたが、今年6月の建議と同内容の記載でありますので、原案どおりとなってございます。ただ、ご指摘を踏まえまして、個人による疾病予防等の取組状況を踏まえた措置であることがより文章上明確になるよう、その記載を直前のところに置くという修文がなされているところでございます。

続きまして、23ページの25行目でございます。「国庫負担分相当の年金給付の支給を停止すべきである」という記載につきまして、高所得者については、給付停止ではなく年金課税の在り方を見直すべきであるというご意見がございましたが、本件は公的年金等控除を含めた年金課税の在り方の見直しとあわせて、社会保障制度改革プログラム法の検討事項とされていることでございます。また、前回6月の建議でも同内容の記載をしておりますので、原案どおりとなってございます。

続きまして、40ページでございます。14行目あたりの記載でございますが、地方の技能労務職員等の民間委託につきまして、まずは国と地方の間で、業務内容の差異や地域による推進状況の差の要因などについて検証した上で、慎重に検討すべきとご意見がございましたが、この点につきましても前回6月の建議と同内容の記載でございますので、原案どおりとなってございます。

続きまして、41ページ28行目、「以下」の部分でございますが、地方法人課税の偏在性是正につきまして、例えば税収の安定している消費税を地方税とし、税収の振れ幅が大きい法人住民税を国税とするなど、抜本的な見直しを検討すべきとのご意見がございましたが、本記載につきましても、前回6月の建議と同内容ということでございますので、原案どおりとなってございます。

続きまして、53ページであります。25行目の記載でございますが、「いわゆる投資目標から成果目標、アウトカム目標に転換すべき」という記載につきまして、投資目標を放棄すべきではないというご意見がございましたが、財政の硬直化など、投資目標のみが設定されていることの弊害を財審が指摘することに意義があると考えておりますので、原案どおりとなってございます。

続きまして、66ページでございます。13行目でございますが、固定価格買取制度の賦課金減免制度に係る財源について、賦課金に求めることがおかしいのではないかとご意見がございましたが、エネルギー問題について審議した際には、賦課金化とする方向について支持する意見が多くございましたので、原案どおりとなってございます。

続きまして、67ページの24行目以下の原子力関係予算に関連いたしまして、核燃料サイクルに関する記載が必要であるとのご意見がございましたが、この点につきましては、反対の意見もあったこと、本件について当審議会では詳細な議論をしていない中で政策の是非について記載することは適切でないということから、記載しないということとなってございます。

以上であります。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

前回、皆様方に大変熱心な議論をしていただきました。大小様々、具体的なご指摘をいただきました。そうしたご指摘を受けて修正したものは、見え消し版を見ていただきますとお分かりになると思いますが、ご意見をいただきながら原文のままとしたところはそれなりの説明が必要と考えまして、今、事務局からご説明させていただきました。

それでは、早速この修正案についての議論を進めたいと思いますが、建議の審議の進行ですが、前回同様、全体を4つに分けて審議したいと考えております。

まず、建議の総論について、次に各論のうち社会保障について、それから地方財政、教育、科学技術、公共事業について、最後に農林水産、エネルギー、中小企業、政府開発援助(ODA)、防衛について、このように分けて審議を進めたいと思います。

なお、古賀委員におかれましては本日ご欠席のため、意見書をご提出いただいており、皆様のお手元にお配りしております。

それでは、まず総論について、どなたからでもご意見をいただきたいと思います。本日は2回目ですので、もちろん感想のようなものでも結構ですが、最終段階に来ているということですので、できれば更なる具体的な修文ということで、一応、できれば具体的なご指摘をいただければと思います。では、総論部分、どなたからでもどうぞ。

では、末澤委員、お願いします。

〔 末澤委員 〕 どうもありがとうございました。少し細かいところで恐縮ですが、7ページ目の22行目から今回の修正が入っております。今回、新しく追加される分はこれで結構だと思いますが、その下の「小中学校の児童生徒の教育条件の改善の観点から」というのが削除されておりまして、これは、やや全文削除はもったいないなと。私の考えでは、この「さらに」の後に、「小中学校の児童生徒の教育条件の改善の観点も踏まえつつ、統廃合などにより学校規模の適正化を進める必要がある」などと入れていただいたほうが、単なる削除だけではないという意味が伝わるのではないかと思います。

以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。起草委員の先生方にまたご検討いただければと思います。具体的なご指摘、ありがとうございました。

大宮委員、お願いします。

〔 大宮委員 〕 ありがとうございます。大分よくなってきたのかなと思っていますが、社会保障全体のあるべき姿について、実は35ページの脚注に、「医療、介護、年金も含めた社会保障のあるべき姿を検討」と記載されておるのですが、これ、度々申し上げておりますが、まずは社会保障全体のあるべき姿を示すべきということで、ここの脚注の部分を、総論の6ページの社会保障全体の中のどこか、もしくは14ページの2の社会保障の頭の部分あたりに記載していただけたらと思います。

〔 吉川分科会長 〕 はい、分かりました。35ページの脚注31を、脚注ではなくて本文に格上げして、総論ないしは社会保障の前文のあたりにということで。

〔 大宮委員 〕 はい。全部ではなくてよろしいと思いますが、「医療、介護、年金も含めた社会保障のあるべき姿を検討」という部分であります。

〔 吉川分科会長 〕 はい、ありがとうございました。他にいかがでしょうか。田近委員。

〔 田近委員 〕 35ページの注釈31ですよね。「本来的には医療、介護、年金も含めた社会保障制度のあるべき姿を検討し、『経済・財政再生計画』における『目安』を超える効率化を」と、ここを前にということですよね。そのつもりではもちろんそれを書いているのですが、特にこの「『目安』を超える効率化」というところが多分、大宮さんのご趣旨なのかなと。

〔 大宮委員 〕 必ずしもそこまでではなくても、社会保障全体のあるべき姿を検討するというのを、前々から何回も様々なところで申し上げていまして、それが一番大事だと思います。

〔 吉川分科会長 〕 分かりました。

〔 大宮委員 〕 そうしないと、部分的に様々な手当てはしていますが、全体像が非常に分かりにくくなっているので、そこをもっと分かりやすくいいものにしたいと、そういう趣旨です。

〔 吉川分科会長 〕 はい。そうしますと、大宮委員、こういうことでよろしいですかね。35ページの脚注は、ある意味ではこのままでよくて、それに加えて本文、総論ないしは社会保障の前文のところで、社会保障の全体像をしっかりと正面から議論すべきだと、こういう文章を書き加えると、そういう形でよろしいわけですよね。

〔 大宮委員 〕 はい、それでよろしいと思います。ありがとうございます。

〔 吉川分科会長 〕 分かりました。そういうことでやらせていただきます。

いかがでしょうか。

〔 大宮委員 〕 もう1つ、すみません。

〔 吉川分科会長 〕 どうぞ。

〔 大宮委員 〕 財審が歳出の合理化とか効率化を建議する審議会という趣旨を踏まえて、先程の社会保障に関しても、給付の適正化がまず先にあって、その上で負担の在り方を考えるべきと。要するに先程の全体像を明らかにするのとよく似ていますが、この面で少し違和感が全体に少し残っているのではないかなと思います。

1つは、医療・介護の文章構成全体として、給付の適正化が負担の問題よりも後回しの順番で記載されている。これは、本当は逆ではないかなと思いますし、もう1つは、子ども・子育てについて歳出の見直し、適正化に全く言及がここはないということと、したがって、先程も少し申し上げた、分かりやすいところから削減あるいは取るというような感じが出ているのではないかと思っていますので、給付の適正化というところが先程の全体を適正化するということとリンクしていると思いますので、全体の色調が、どこを直すというふうに具体的に申し上げていないので申しわけないのですが、何かそういう色調を少し入れられるといいかなと要望いたします。

〔 吉川分科会長 〕 はい。今のご発言を受けてもう1回検討はしますが、例えば、たった今検討している総論部分ですと、社会保障は6ページにありますが、6ページから7ページの頭にかけてが総論の中の社会保障分野ですが、ここで今ご指摘の問題があると。

〔 大宮委員 〕 ちょっと具体的に申し上げられないので申しわけありませんが、全体を読んだ感触を少し申し上げているものですから、会長が先程ご指摘された、具体的にというところから少し逸脱しているので、必ずしもどこかに文章が入らなくても結構ですが、そういう感じがするかなという。

〔 吉川分科会長 〕 分かりました。いずれにしても、1点目の、社会保障をまずは正面からきちんと議論すべきだという点、これはもう財審でも、おそらく全ての委員の方々の総意、コンセンサスだと思いますから、これは1文加えると。プラス、給付の効率化と負担のところの大きな書き振りと言いますか、流れというのを、再度検討させていただくことにいたします。ありがとうございます。

主計官どうぞ。

〔 宇波主計官 〕 起草委員とご相談して文章を変えたいと思います。

1点だけ、タイトルのところで、負担の適正化が先に出ているというところでございますが、考え方として、私どもも給付の適正化が先だと思っておるのですが、このタイトルの部分だけは「骨太方針2015」のタイトルをそのまま拾っておりまして、タイトルだけ、変えるのは難しいのですが、ご趣旨を踏まえて、文章は起草委員とご相談したいと思います。

〔 大宮委員 〕 よろしくお願いします。

〔 吉川分科会長 〕 他にいかがでしょうか。はい、どうぞ、武田委員。

〔 武田委員 〕 ありがとうございます。すみません、前回欠席したものですから、まず、起草委員の皆様におかれましては、大変ご尽力いただきましたことをまず御礼申し上げます。

その上で、総論について、非常に細かいことで恐縮ですが、9ページのところで、赤で書かれているところの一番下のところでございますが、「その先にある真の財政健全化」という言葉が、意味は非常によく分かるのですが、何となく、じゃあ、2020年度が真の財政健全化ではないのかというと、やはり財政健全化に向けての非常に重要な一歩であることは間違いなので、例えば「その先の財政の持続可能性を確保するには」など、財政健全化に向けた取組はPB黒字化というのも重要で、その先さらに財政持続可能性というのは中長期的にも確保していくというようなトーンのほうが、分かりやすいのではないかと。つまり、2020年度のPB黒字化は財政健全化に向けた取組の大きな一歩であるというところは、そうではないかなと感じました。

その他の総論につきましては、非常によくまとめていただいていると思いますし、特に赤で加えていただいた10ページ20行目の「改革を躊躇している余裕など一切ない」というあたりは、しっかり書いていただいておりまして、非常に分かりやすいと感じました。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。1点目は、現在のPB赤字を黒字化するというのは大変大切だと。ただ、現在の2020年度のPB黒字化というのは、黒字化という言葉を使っていますが、実際はゼロバランス。しかしながら、PBは、仮に黒字がエプシロンになったとしても、そのままだと債務残高対GDP比は発散してしまうということですから、その先が大事だというのが書いてあることで、これは委員もご存じのとおりですが、この辺、どのような表現を使うかというのは、また起草委員の方にご検討いただければということでお願いしたいと思いますが。

〔 武田委員 〕 はい、ありがとうございます。

〔 吉川分科会長 〕 他にいかがでしょうか。

よろしいですか。では、前回もそうでしたが、最後にまた全体に戻っていただくというのはもちろん結構ですし、追加もおそらくあるだろうと思いますので、先に進みたいと思います。

2つ目は社会保障ですね。この見え消し版だと、14ページからの社会保障のパートにつきまして、どなたからでもご意見をいただけたらと。

角委員。

〔 角委員 〕 前回欠席で、今日になってこういうことを申し上げるのはあれですが、24ページの生活保護・雇用で、20行目に「医療扶助をはじめとする生活保護の適正化には不断に取り組まねばならず」、もちろんこの書いてあるとおりなのですが、生活保護を受けておられる方も、やはり健康な方もおられれば、医療を必ず必要とする方もおられるわけで、やはりその辺の不公平と言いますか、過剰診療や複数診療といった、本来あってはならないことが行われているのは事実でございますので、私はその不公平感を取り除くためには、例えば生活扶助等を増額して、その代わり医療費については本人負担、1割負担をするなど、何かの見合いでもって、いわゆる生活保護の方と言えども医療費の本人自己負担を目指すということを、この本文でなくてもよいのですが、下段にでも書いていただければ非常にありがたいなと思います。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 はい、ありがとうございました。難しいところですけどね。生活保護というのは、コンセプトとして公費、税金で賄うという制度ですからね。ただ、現実には、今、生活扶助の半分程が実際、医療の給付でしょうから。

〔 角委員 〕 例えば、生活扶助を3,000億円程度増やして、医療費を1割自己負担にしたら、トータルでの医療費1兆円程減るのではないでしょうか。

〔 吉川分科会長 〕 そうですね。ただ、生活保護という制度のコンセプトをどう考えるかというそもそも論が出てくる。ただ、角委員が持たれている問題意識は、もちろんほとんどの委員の方が共有されていると思いますので、表現をどうするか。これも、じゃあ、起草委員の方に。

〔 田近委員 〕 今のところも、ご指摘のところは全くそのとおりだと僕は思います。ただ、吉川会長がおっしゃったように、自己負担を求めるというのは、さすがに財審で書ける内容ではないと思いますが、今日修正した頻回受診の抑制、後発医薬品の使用促進、これが並列に並んでしまっているので、今言ったご趣旨は我々も同感ですけど、このあたりを少し直してということかなと思います。

〔 吉川分科会長 〕 事実として、淡々と、生活保護の給付の中で占める医療費の比率などを数字として挙げて、非常にその部分が大きいというのは必ずしも世の中で知られていないかもしれないですから、脚注か何かでそういう点は指摘してもいいかなと思いますね。

大宮委員。

〔 大宮委員 〕 度々すみません。2点程ありまして、1点は、20ページの13行目の見え消しで赤で書いてある部分ですが、これは多分、複数の委員から今までご指摘をされて、重要ではないかと思いますので、このまま本文にぜひ残していただきたいなというのが1点目であります。

それから、もう1点は34ページの19行目から22行目でありますが、「企業側の取組として、子育て支援への事業主拠出金を拡充させることにより」云々、そして「安定財源を確保する」とありますが、この前も少し申し上げましたが、財源確保は政府の役割ではないかということで、企業の取組で安定財源を確保するというのは非常に違和感があります。少なくとも「企業側の取組として」という文言の削除を強く申し上げたいと思います。事業主の中には現状、支援金を納付していない個人事業主もいますので、企業のみの負担という考え方は少しおかしいかなと思います。

どうしても企業側の取組を入れるべきということであれば、前回も申し上げましたとおり、「企業側の取組としては、恒常的な長時間労働の是正など、働き方改善を進めていくことが期待される」という1文を入れていただければと思います。

〔 吉川分科会長 〕 この点については、起草委員の受け止めは。

〔 田近委員 〕 もちろん検討しますし、大宮さんのお考えはよく分かっているつもりです。それで、25ページの注釈を見ていただきたいのですが、注釈26で、雇用保険のところ、今と関連しているところですが、「国庫負担を停止して、その財源を子育て支援に充てるべきとの意見があった一方で、雇用政策における国の役割やこれらの制度改正の経緯を踏まえ、一定の国庫負担を維持すべきとの意見もあった」と、こことも絡んでいるわけです。ですから、ご指摘の「企業側の取組として」という表現をどうするかというのは、我々起草委員のほうでもう一度考えて、必要ならばそのプロセスで大宮さんに相談しますが、私の考え方はこうなんですよね。

そもそも大きな根っこの問題として、雇用保険に国がどう関与するか。そこで、雇用保険の失業給付に公費を投入すべきかどうか。今、現実には行われているわけですが、そこをどうするか。今度はまた、雇用状態はよくて、失業保険率が下がってきたと。だから、下げる分でご負担をかけるわけではないので、下がった分を今度、子育てに回してくださいよと。やはり何か話がねじれている部分があるわけですよね。

ただ、だから申し上げたいのは、根っこの部分を、つまり公費負担の部分をどうするかという議論も残っている。それから、あと1%雇用保険を下げるからその部分を使わせてというのは、大宮委員のご指摘はわかりますが、全体を考えると、今回の建議を通じて私は感じていますが、本当にお金がない。そのお金がない中で、子育て支援もしなければいけない。その財源を雇用保険の保険料のところで賄わせてもらいたいというところで、全体として書くとこのようになったというところです。

〔 大宮委員 〕 企業と国との負担をどのようにするかというと、やはり非常に基本的な問題だと思います。それで、企業は基本的に企業業績をよくして、例えば国家財政にちゃんと税金を納めていく、それから、要するにいわゆるステークホルダーといって、もちろん従業員もそうですし、周りの方々もそうだし、お客もそうだし、サプライヤーさんもそうだし、関連のところ全部に還元していくということが非常に大事だと思っていまして、そのために一番勢力を注いで、業績を上げていこうと思っているわけですね。

従業員に対する還元というのは、今の給料を上げてくださいというのは、もちろんは私、正しいと言いますか、政府から言われなくても、我々自身としてやらなければいけない問題だと思います。

ただ、子育てというのも非常に大事だと思っていて、それを忘れるわけにはいかないのですが、従業員の中には子供がいる方もおられない方も色々な方がいて、それをどういう形で企業が分担するのかという問題、それから雇用も、日本の雇用というのは、我々としてはなかなか簡単に、欧米のように首をぱっと切るということはしなくて、必ず、事業を縮小する場合でもそれを考慮しながら、ちゃんと適正な形でうまく理解を得ながらやるということですので、したがって、雇用を保つということ自身そのものを、例えば失業した時に、それに対して我々が保障するのか、ないしは国がちゃんとしたセーフティーネットとして持っているべきかというところの論議が、やはりあるべきであって、私はやはり国の責任は、例えば子育てのような分野については社会インフラの1つのようなものだと思いますので、そこはしっかりやるという意思も含めて、国の負担というのをどこまでやって、あとはどうしますかという論議ではないかなと。

それが、今私が申し上げた、「企業側が」と言っても、企業でも子育て支援金を出していないところもあるわけですし、一概に全部そう言われても、かなりの違和感があるかなということを申し上げた。

確かに財政は非常に大事だと思っていますので、議論として絞れるところを絞るということもありますが、この議論に私、あまり長く携わっているわけではないので、あまり全体をわかっているわけではありませんが、最初に適正な配分というのは何かと、色々と制度が極めて複雑ですね。だから、その制度の複雑さが、適正な方向に行くものを邪魔しているのではないかという気もしていますので、今年度の中ですべき話ではないと思いますが、適正なものは何なのかと。企業と例えば国の負担の在り方は何なのかというところに、そういう部分にもう少し切り込めたらなと思います。

〔 吉川分科会長 〕 今のお話を伺っていて、私も起草委員の方々の議論に加わったものですから、一言させていただくと、大宮委員がおっしゃったことは、企業の役割等、当然正しいと思いますが、ただ、要するに少子化の問題というのはオールジャパンの問題ですよね。ですから、個別の企業で1対1に対応はしなくても、例えば従業員の方が子供を生み育てるということとその企業とで、1対1に対応しなくても、このまま少子化が進んでいくとオールジャパンで企業も困ると、それはもう間違いないわけで、そういう意味で、おっしゃるとおり国も、あるいは国が、主導的な役割を果たして子育て支援を行うというのはそうですが、この際、企業にも一肌脱いでもらいたいというのが大きな考えだろうと思います。

国が苦しい中で、おっしゃっている企業活動を応援しようということで、法人税を下げるというようなこともやっているわけですから、そういう形で、おっしゃっているような分野で大いに日本の企業に頑張ってもらいたいということは当然あるわけです。そういう中でオールジャパンの問題としての子育てについて、国あるいは地方が大きな役割を果たすと、これはもうおっしゃるとおりで当然のことですが、民間の企業にももう少し貢献してもらえないかというのがここでの議論だと思います。宇波主計官から補足はありますか。

〔 宇波主計官 〕 幾つか事実関係だけ。ここに書いてございますように、その前に「公費負担の拡充と併せて」と書いておりまして、事業主拠出金のみでなくて、公費負担の拡充というのがまずございます。あと、過去もご覧いただいたように、ここまでこの10年間、子育て支援は公費を中心に拡充してきていまして、そういう意味では、割合が変わってきているということもご議論いただいております。

それから、一応ご参考までに、昨年の12月の財審の建議では、「子育て支援は現在及び将来の労働力確保にも資する施策であり、社会全体でその費用を賄う観点から、更なる充実が必要な保育の現物給付に一定の事業主負担を導入することを検討すべきである」と書いていただいているものでございます。それから、春にも同じような表現で、事業主拠出金のことについてご議論いただいて建議がなされているという、これが事実関係ではございます。それで、今回の建議をどうするかということをご検討いただければと思いますが、事業拠出金のみと言っているわけではなくて、ここに書いてございますように、「公費負担の拡充と併せて」ということで、来年度、28年度も当初予算では消費税の増収の財源なんかを使いまして、少なくとも1,000億円を超える公費の拡充を、この子育て分野には行う予定としてございます。

〔 吉川分科会長 〕 いずれにしても起草委員に議論していただくとして、他にいかがでしょうか。

赤井委員。

〔 赤井委員 〕 ありがとうございます。社会保障の分野はそれほど詳しくはないのですが、読んでいて、18ページのところにインセンティブ改革というのがあって、ずっとこのセクションは医療、介護両方について議論していると思いますが、その中で主に国民健康保険ということで、医療のほうに様々な改革が書かれていて、介護のほうにはあまり書かれていない。例えばインセンティブだと、同じように予防に関しては事前に元気アップ介護予防ポイント制度など、介護のほうもインセンティブの改革的なポイント制度をつくったりもしていると思うので、誤解がなければ、そのような面も、両方とも予防や提供体制のインセンティブは重要だという視点があるといいのかなと思いました。

以上です。もうこれは可能な範囲でということでいいです。

〔 吉川分科会長 〕 はい。ありがとうございます。では、他にいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

では、また後で、社会保障についても気づいたということがありましたら、戻っていただくことにして、とりあえず、続けて地方財政、教育、科学技術、公共事業についてご意見をいただければと思います。見え消し版の36ページ、どなたでも結構です。

加藤委員。

〔 加藤委員 〕 ありがとうございます。すみません、修文ではありませんが、1つだけ、ここで指摘するほどのことではないのですが、47ページの脚注40の上から3行目の「統計的に優位」のユウイの字が違っているところがあるので、ここで示すような話ではないですが。

〔 吉川分科会長 〕 いや、示していただく場です。

〔 加藤委員 〕 それと、その2行下の「ユウイ」も。すみません、それだけです。失礼しました。

〔 吉川分科会長 〕 統計の言葉です。有意性検定。

角委員。

〔 角委員 〕 52ページから53ページで、運営費交付金の「削減」が「適正化」に変わり、その下の注釈50に非常に分かりやすく書いていただいていますが、これはどういう議論で「削減」が「適正化」に変わったのか分からないですが、私は大学の経営審議会の委員として、実態を聞かせていただいていますが、どうもやはり日本の教育に対するお金の使い方として、特に中学校に対して非常に無駄があるように思います。小学校もそうですが、小中学校の効率的な教育をすることによって、何とかそのお金をもって大学のほうにお金が回っていかないか。まさに29年から特定研究大学が5大学程指定されるという検討が、今進められているように聞いておりますが、そういうお金の使い道を有効にしてほしい、もちろんコストパフォーマンスのお話は書いていただいていますが。これは文章を直せという意味ではなくて、大いにその辺は進めていただければありがたいということと、それと、53ページで、いわゆる科学技術の研究成果へのPDCAサイクルということ、これは当然のことでございますが、このPDCAサイクルを本文に、これだけをぱっと目にしますと、どうしても基礎研究がいつ結果が出るか分かりませんから、注を読めばきちんと書いてありますが、この本文だけを読むと、少し基礎研究が下へ追いやられているようで、できればこの注が上へ上がっているほうが誤解が生じないかなと感じました。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。2点、具体的なご指摘をいただきました。

52ページの大学への運営費交付金「削減」が「適正化」というのは、これは私が変えたわけではないです。どういう議論があったのかというのと、あとは、次のページの注は本文でもいいのではないか。これは検討させていただきますが、52ページの、起草委員の先生どなたか、これはどういう議論だったでしょう。

〔 田近委員 〕 気持ちとしては、運営費交付金を削減して、しかし改革努力と言いますか、3つの類型に分けて改革を求めるわけですが、その改革の成果に当たって運営費を適正に配分すると。削減した上で交付金の配分を適正化するということだったと思いますが、もしよければ、会長を通じてこの場でこの表現をどうしたらいいか、もう少し意見を聞いていただいて、起草委員としては判断したいと思いますが。

〔 吉川分科会長 〕 主計官、この点で補足説明してください。

〔 奥主計官 〕 はい。もうご案内の通りですが、この運営費交付金に関しては2点ほど論点があると思っておりまして、運営費交付金の削減を通じた財政健全化への貢献という道と、それから運営費交付金の中で、その質の改善につながるような再配分、大学ごとの努力を反映した再配分という、2つの切り口があるかと思います。

ここで、当初とられていたこの「削減」という表現ですと、前者のほうがかなり前面に出ている話で、そのように見える様子がかなり大きいかなと思いますが、再配分ということにも重点を置くとすると、2つ目の切り口にも目を配ったような表現になるのかということでございまして、そこで、今回のような修正、修文が行われているのではないかと理解をいたしております。

〔 吉川分科会長 〕 起草委員の先生方、よろしいですか。

〔 田近委員 〕 今と同じことです。

〔 吉川分科会長 〕 板垣委員。

〔 板垣委員 〕 今のに関連して、趣旨はできるだけ効率化、削減して、残ったものを適正に配分するということであれば、2つ入れたらどうでしょうか。

〔 田近委員 〕 それもありだ。

〔 吉川分科会長 〕 他にこの点についてのご意見というのはありますか。 もしなければ、以上の議論を踏まえて、もう一度起草委員の先生方にご議論いただくことにします。

増田委員、お願いいたします。

〔 増田委員 〕 ありがとうございます。よろしいですか。36ページの地方財政のところの20行目以下から「地方歳出の水準の在り方」、用語として、必ず地方歳出の場合には、水準という言葉を使って適正化と言っているわけですが、それはそれでいいと思いますが、ここで問題にしているのは、27行目の、例の歳出特別枠、37ページの方でもこのことに触れていますが、歳出特別枠がかなり緊急的な措置だったにもかかわらず、ずっと続いているということで、実質単独事業が増額されていると、この問題意識でありますので、文章を分かりやすく国民に伝えるという意味で言うと、36ページの28行目にある「実質増額されてきているが」という部分、それから37ページの2行目も、「適正な規模に縮小させていくことが必要である」というのが一番分かりやすく、伝えやすいことだろうと思います。

ただ問題は、ここで言っていることは、全体の地方歳出の適正化及び水準を見直しするといった問題意識でしょうが、単独事業のこの枠のことについて、特に問題意識を持っているよということですから、私は37ページの2行目を「適正な規模に縮小させていくことが必要である」と端的に問題意識を書いてもいいのではないかと思います。

あと、同じく37ページのイのところ、「歳出特別枠の廃止」と書いていますが、そこを繰り返し丁寧に説明して、緊急措置だということを言った上で、そういう表現でもいいのではないかと思います。

〔 吉川分科会長 〕 具体的なご指摘、どうもありがとうございました。じゃあ、その方向で。

大宮委員。

〔 大宮委員 〕 科学技術の54ページの最初の3行目くらいからですが、これは先般申し上げましたが、対GDP比1%くらいにしたいというところの根拠というのは、投資の官民比率が、日本が2対8で諸外国が3対7くらいで、その趣旨を反映するには、54ページの脚注に「様々な要素を『総合的に勘案』して」とあるところの前に、「各国における投資の官民比率など」という文章を入れていただければと思います。

〔 吉川分科会長 〕 分かりました。では、これも起草委員の先生方に検討をお願いするとして、赤井委員。

〔 赤井委員 〕 ありがとうございます。じゃあ、地方財政1つ、教育1つ、公共事業で1つお話ししたいと思いますが、地方財政は、まず一番重要なのは、リーマン・ショックで様々な対応を行ったのをもう元に戻す、歳出特別枠を含めて戻すということで、それを書いていただいていますが、これはマクロで下げていきましょうと。実際ミクロでは健全化法もありまして、効率化しているという流れがあり、ミクロとマクロをつなぐといったところが、やはりなかなか十分ではないというのが現実だと思います。今日少し見させていただいて、始めに戻るのですが、13ページの2行目から、「計画の実現に向けては、当事者(地方公共団体、医療機関、事業者等)の主体性と創意工夫のインセンティブを活かしつつ、それらの個々のミクロの取組をマクロの歳出効果につなげていく」と入っているので、ここ、少し確認ですが、地方公共団体は、それぞれミクロで健全化をしている一方でマクロにはつながっていない。これは、総務省が将来の税収で返すという形で、総務省が負っている負担で、各自治体では負担ではないと言っていますが、地方全体ではいわゆる将来の交付税措置というのがあるので乖離しているのですが、そのようなところも含まれているのであれば、ここで書くという手もありますし、もう少し地方財政の部分でも確認して、ミクロのところをマクロにつなげていく。

つまりミクロでは今、負担ではないと思わせていますが、それを負担と思わせて、ミクロでもっと効率化してマクロにつなげていくというようなことも、ニュアンスとしては、ここに書かれてはいないですが、13ページにそのつなぎがあるかなと思いました。これはちょっと思いです。

それから、教育のところですが、45ページの下のところから46ページの上にかけて、エビデンスが重要だという話。これは様々な場面でずっと、諮問会議系でもされている話ですが、ここで重要なのは、エビデンスをつくると言いましても、議論の流れがあるからエビデンスをきちんとつくっていきますというような議論もあって、すぐにはエビデンスが出てくるわけではないので、エビデンスがそろわない時にどうしていくのかというところで、書くかどうかは分かりませんが、エビデンスの説明責任は省庁にあって、エビデンスがそろっていない限りは予算措置というのが難しい。いわゆるベースラインでとりあえず考えて、エビデンスが出てくればそこできちんとつけていくというところを明確にしておくのもいいのではないかと思いました。これも可能な範囲で結構です。

それから、公共事業のところですが、57ページに「公共施設等の集約化」ということがあって、ほぼ同じ意味にはなると思いますが、集約化ということになれば、新たに3つのものを1つにまたつくり変えますというようなイメージで、3つが1つですから2つは廃止されているのですが、単純に2つの道路があって1つをやめますとなった時に、それを集約化と呼ぶ場合もあるかもしれませんが、集約化というと何か新しいものをつくって合わせるというイメージがあるので、実際、もう更新投資をしない、いわゆる廃止する、または選別、厳格な選別で厳選など、そういう言葉があったほうが明確かなとも思います。ここも「集約化」でそれが入っているというのであれば、それでも納得しますが、それも意見です。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 はい、ありがとうございました。 はい、では土居委員。

〔 土居委員 〕 13ページのご指摘について。

〔 赤井委員 〕 13ページの表現は、ミクロからマクロとはどのような意味付けで書かれているのですか。

〔 土居委員 〕 個別の案件を、この改革工程表の中で決められる工程の案件を全体として財政健全化につなげていく、こういうニュアンス。

〔 赤井委員 〕 ミクロの案件というのは、ミクロの自治体というわけではなくて、個々の政策という意味ですか。

〔 土居委員 〕 個々の政策ですね。

〔 赤井委員 〕 地方自治体の場合は何千とあるので、地方自治体各自が頑張ってマクロを減らすという意味も含まれていますか。

〔 土居委員 〕 もちろん当事者が地方自治体の場合はそうなります。だから、政策によっては当事者が違ってくる。

〔 赤井委員 〕 はい。そこで含まれていればいいと思いますが、特に地方財政の場合は、当事者としては、例えば臨時財政対策債などは各自治体では将来の負担ではないということで、各自治体は健全になっていると思っていますが、実はそれは、誰の負担でもないような形で地方財政が構築されていて、マクロでは全然債務が減っていないというような状況があるので、特に乖離といったことを最近少し懸念しているので、そのような意味合いもここに含まれていればと。思いだけですので。

〔 土居委員 〕 問題は、難しいのは、これ、12ページの下から2行目のタイトルで、改革工程表の議論の中での文章ですので、おっしゃる意味は分かりましたが、ここよりかはむしろ地方財政のところで検討したいと。

〔 赤井委員 〕 ここのは、そういう意図であれば特に何か変えてというわけではないですが、ちょっとその思いもあったので、また可能な範囲で見ていただければと思います。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 はい、ありがとうございました。いかがでしょうか。主計官から。

〔 阿久澤主計官 〕 ご指摘いただいた、個々の自治体の取組、ミクロの取組をマクロにちゃんと反映していくことは、非常に重要だと思います。一応ご参考までに申し上げますと、36ページ、上から11行目のところに、「骨太方針2015」に示された計画を踏まえて、ミクロの個々の自治体が効率化に向けた取組をしていくということになっておりまして、今後その成果をきちんと把握して、マクロの地方財政計画などにしっかり反映させていくことが重要だということが書かれておりまして、そういったミクロのものをマクロにつなげていくことの重要性に触れられているところでございます。よろしくお願いいたします。

〔 赤井委員 〕 はい。ちょっと一言だけいいですか。

〔 吉川分科会長 〕 はい、どうぞ。

〔 赤井委員 〕 もちろんミクロでやっていくのですが、各自治体は、やはり健全化指標というのを見ながらやっていきますので、もちろんそれをどんどん下げてもらうとマクロでも減りますが、その指標では反映されていない部分があるので、そこのところの工夫が必要かなと思った程度です。

以上です。また次に向けて検討していただいたらと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、末澤委員。

〔 末澤委員 〕 今の地方財政のところで、36ページの5行目の、今問題になっている収支不足というところですが、通常、確か総務省のほうでは、年末の地方財政収支見通しや年明けの地方財政計画上は、財源不足という言葉を使っていると思いますが、同じ意味なのでしょうか。

〔 吉川分科会長 〕 分かりました。じゃあ、検討させていただきます。 他にいかがでしょうか。

よろしいですか。では、また随時戻っていただくとして、最後に、農林水産、エネルギー、中小企業、政府開発援助(ODA)、防衛について、この案ですと61ページからでお願いします。

板垣さん。

〔 板垣委員 〕 起草委員の先生方、大変お疲れ様でした。前回の、前の分野ですけど60ページのところで、ソフトの充実について、ここまで書き込んでいただいてありがとうございました。

その上で、次のパートの農林水産から中小企業までの話ですが、1つは、再生可能エネルギー、65ページから始まるところで、その次のページ、66ページということで、賦課金の問題が論述されているわけです。基本的に私は、賦課金の減免制度というものが過渡的なものであり、本来は将来廃止すべきだと考えている立場であります。

ただ、賦課金の中に減免制度の原資を求めるべきだという意見が大勢を占める中で、私はそれには基本的に反対ですが、この文章を生かすために、電気料金に過大な賦課がかからないようにということで、その意味合いも含めて、修文をこの間お出ししたわけです。

その上でこれ全体を見ますと、例えば66ページ10行目、「現行8割となっている減免割合の引下げや」と書いてありますが、これは「大幅な引下げ」という一言を入れていただきたい。それともう1点、18から19行目、「財源については、将来の制度の廃止を含め、減免制度の見直しによる所要額の適正化を図りつつ」というように2つフレーズを入れていただければ、私は、100%とは言わないまでも、賛成に与することができるであろうと。

ただ、このままの文言であっても、おそらく「減免制度の見直しによる所要額の適正化を図りつつ」というところに万感の思いを込めて入れていただいたのかなという気もしますが、やや弱いと。極めて具体的でないということで、もしそういう修正ができるならば、なおよいという気持ちです。それが1点。

もう1点、67ページ、原子力関係予算の中で、先般私は、修文を含めて、「もんじゅ」の問題を入れるべきであろうという話をしました。倉重委員からも、ここで入れなくていいのだろうかという疑問を呈されました。実は世の中と我々は視聴者と常に対峙する立場であって、日々様々な意見が膨大な量、我々に飛び込んできます。その中から考えますと、今、「もんじゅ」をめぐる問題、核リサイクルの問題で関心が高まっている中で、財審として、ここの理由としては議論があまりなかったからということだったと思いますが、それだけで何も書かなくていいのであろうかという、きちんとした議論をすべきではないかと思うわけですね。

この間出した修文はやや過激に過ぎたという反省も込めて、昨日の夜、緩やかにした修正文をお送りしておりますので、もうご覧になっているかもしれませんが、ただ、こちらの全委員の方には配っておりませんので、参考までに読ませていただきます。どういうことかと言いますと、私自身は非常に薄めたつもりではありますが、そうではないという意見もおそらく出ると思います。

原発関連、「20年間で1兆円もの予算を投じながら、原型炉のまま実用化の目処が立っていない高速増殖炉「もんじゅ」は、政策成果が出ていないことは明らかである。政府は今後6カ月の間に新たな運営主体を検討することになるが、その際には、その事業が巨額の予算措置に見合うものであるか厳しく査定し、仮に存続させる事業であるとしても、徹底した効率化や予算の絞り込みを検討するべきである」というのが「もんじゅ」について。

「また、多額の維持費を払いながら6年間も輸送実績のない使用済み核燃料運搬船開栄丸について、政府の行政事業レビューでは、契約打ち切りや見直しを含め、合理的な方法に改めるべきだとされた。こうした点も踏まえ、核燃料サイクル関連予算に対する厳しい国民の目が注がれる中、関連予算の徹底した無駄の洗い出しや予算の適正化を行うべきである」

おそらくこの行政レビューに参加された委員の方も、もしかしておられると思いますが、これだけ「もんじゅ」の問題が規制委員会から勧告が出、なおかつ事業レベルの中でも取り上げているという中で、我が財審は何も言わなくていいのかと、それはそもそもの議論なのでよろしくお願いします。

〔 吉川分科会長 〕 起草委員の先生方からもお話があると思いますが、私も起草委員の方々の議論に加わって、前回のここの議論で、私自身は、遠藤委員が述べられたと思いますが、「もんじゅ」の問題というのは、今回の建議で議論するのは、結論的には適当ではないだろうと。「もんじゅ」の問題も大きな問題で、重要な問題で、社会の注目を集めているというのはそのとおりですが、私どもは平成28年度予算に向けての建議ということ議論しており、政府内部で検討されている重要な問題というのは、「もんじゅ」以外にもありとあらゆる問題があって、いつも財審のこの予算というのは、全方位で全ての問題にかかわるわけですが、ここではあくまでも財審の議論であるということを確認しながら議論してきたと思います。そもそも論の段階で、「もんじゅ」の問題は必ずしも今回の建議に入る話ではないだろうというのが起草委員の方々の議論だったと思いますし、私もそれはそのとおりだと思いましたが、委員の方々からご意見をいただければと思います。

〔 土居委員 〕 先程の「もんじゅ」と、それから開栄丸の件ですが、私、行政改革推進会議の委員も仰せつかっていて、契約解除も含めてという文言の取りまとめコメントを申し上げたのは私本人でありまして、私の印象で申しますと、あれは、深く議論したのは行政改革推進会議のほうですので、私の意見としては、どちらかといえば行政改革推進会議での議論で、財審としての建議の中にということまでにはならないものなのかなというような認識を持っております。

〔 板垣委員 〕 この財審では前々回でエネルギー予算がありましたが、踏み込んだ議論はもちろんなかったということです。ところが、去年の財審の中では、少なくとも「もんじゅ」がいかに多額の予算を使い、毎年これだけの予算が出ているという資料が、主計官が用意する程関心を持っていた案件であることは事実であります。今年から入られた委員の方は分からないとは思いますが、ただ、その時にも、私は「もんじゅ」の予算を文言に入れるべきだと主張したはずです。それは、でも、ここでやる場ではないということの大勢の中で先送りしましたが、ここまで、1年後に議論をやっている時に何もやらないのかと。

それは、つまりまだ何も主体が決まっていない、閣議決定で、使用済み核燃料の減容化に資するためにあの装置を使うとはいっても、結局のところ核の反応をさせるわけですから、動かすことに変わりはない。そういう時に、今、予算がどうなるか分からないとはいっても、人件費もありますから当然つけるわけですね、来年度予算。その使い道が決まらないということなのかもしれませんが、ただ、少なくとも、どういう組織になろうと、どういう形になろうと、効率的に査定し厳しくチェックするのは当然のことではないでしょうか。20年間で1兆円という金額はとんでもない話ですよ。それで何の成果も出ていないという状況に、歳出削減を旨とするこの審議会で全くそれができないというのはどういうことだと、そういうことです。

〔 吉川分科会長 〕 いかがでしょうか、今の点。他の委員の方でも。遠藤委員。

〔 遠藤委員 〕 先週申し上げさせていただいたことを重ねて申し上げるようなことになってしまいますが、「もんじゅ」の件につきましては、規制委員会からまず勧告が出て、この後、文科省からの報告があるということで、その運営体制の見直しについてこれから議論がされるということでありますので、その報告をまず待たなくてはいけないというプロセスがあると思うということが1つと、それと、核燃料サイクルを継続するということについては、「エネルギー基本計画」が閣議決定されているということがまず前提にあると。社会保障の前回の議論の中でも、閣議決定されていることを受けての審議であるということを確認した項目もございましたし、エネルギーの部分だけ閣議決定を無視するというわけにはいかないだろうと思います。

それとあと、板垣委員がおっしゃられた、たくさんの注目を集める事例であるということは間違いなくて、この問題というのは本当に大きな問題ですし、今後、この財審だけではなく、私も増田委員も原子力の方の小委員会の委員を務めておりますので、そういうところで非常にきちんとした議論をしていかなくてはならないと思っているのですが、注目を集めるという意味では、行政事業レビューの中に、前回申し上げましたが、新国立競技場の問題もあるわけであって、その問題の中で「もんじゅ」だけを拾い上げるというのは、ちょっと差があり過ぎるのではないかなと思う点があります。

ですので、そういった意味で、今後議論していくというテーブルに上げていただくことについては大いに賛成でありますが、今年ではなかろうというのが、前回に引き続き申し上げさせていただく意見でございます。

〔 板垣委員 〕 よろしいですか。

〔 吉川分科会長 〕 どうぞ、板垣委員。

〔 板垣委員 〕 遠藤委員のおっしゃることは、いわゆる手続論だろうと私は思っています。というのは、「もんじゅ」の方から反論があって、まだ何も決まっていないからだと。「エネルギー基本計画」の閣議決定もしていますと、こういう話ですが、核燃料サイクルを続けるという閣議決定をしても、その続け方において予算の使い方が適正であるかどうかということを議論するのは、この場であります。しかも、この財審の建議を見ましても、来年度予算編成のことだけを書いているわけではありません。今後数年、場合によっては10年程かかるスパンのものを論述しています。ということで、「もんじゅ」が例外であることはあり得ないと思います。

〔 吉川分科会長 〕 いかがでしょうか。どうぞ、倉重委員。

〔 倉重委員 〕 私が前回言ったのは、すごく素朴な1つの、全体の印象として、これだけ世の中が関心持って、庶民的に、1兆円や年間200億円といった無駄な指摘がされているものであり、かつずっと流れを見ていると、確かに板垣さんがおっしゃったように、去年はそういう資料が出ていたわけで、そういう問題意識が多分どこかにあったと思うし、この問題は今始まったわけじゃなくて、1つの流れを見ますと、ついに、やはり原発を全般的に推進していかざるを得ないという1つの流れの中でも、「もんじゅ」についてはいかがなものだろうかと。推進派の中でもこれだけ大きな1つの新しい流れが出てきた時に、予算全般を統括し、聖域なき議論をするこの財審の場で、このことについてイエスでもノーでもいいのですが、やはりこういう議論があったということを触れないのはいかがなものかというような感じがいたします。

触れる中身については、板垣委員の案、前回、相当踏み込んでおられましたが、今回もなかなか適切に、鋭いままおありになるのですが、ただ、考えてみると、いかにも当たり前なことを指摘しておられるだけであって、それと、「もんじゅ」ということが対象になっているだけで、やはりその辺に様々な反響が出ることを皆さん心配されていると思いますが、やはりこの思いやり予算案もしかりですよ。聖域なき切り込みの姿勢というのをやはりこの財審が失うと、僕ら財審の意味自体がなくなってしまうような気がいたします。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 私は少し違うと思っているのですが、その前に主計官から。

〔 冨安主計官 〕 昨年、事務方のほうから「もんじゅ」の資料を提出したという板垣委員からお話がありましたが、ちょっとすみません、担当がエネルギーなので私だと思いますが、事務方のほうから「もんじゅ」の資料を提出したということはございません。ただ、建議のご議論の時に、板垣委員からそういうお話があったことは記憶いたしております。申しわけございません。事実関係だけご報告させていただきます。

〔 吉川分科会長 〕 角委員。

〔 角委員 〕 私は、核を持たない日本が、こういった研究をすることを国際的に認められている、非常に重要な研究課題だと思いますので、ぜひ運営、推進するところを変えていただいて、ちょっとこういう言い方はいかがかと思いますが、やはりもう少し専門的な原発のオペレーションをやっている電力会社やメーカーなど、そういったところの専門家を入れて、ああいう初歩的なミスの起こらないような運営体制をぜひ構築していただいて、何とか実現にこぎつけていただきたいというのが私の個人的な意見です。

〔 吉川分科会長 〕 板垣委員、倉重委員のご発言は、財審というものに関わる本質的なところだと思いますが、まず第一に、社会の関心が高いというものであれば、お金との関係で幾らでもあるわけです。新国立競技場もあるかもしれない。何でも幾らでもあると思います。それで、我々が議論しているのは財審の議論ですから、予算や国のお金にかかわるところ、「もんじゅ」は確かにその点ではそうです。ただ、それについて議論するためには、それなりに専門的な知識が必要で、したがって、それを議論している場というのは国の中にもあるわけですね。そこが正しい結論を出すのかどうか、それは知りません。しかしそういう場があることは事実で、そこで検討が進められていると。

ところで、私たちの財審で議論する、その時の一番大きな前提は、ある種のベスティッド・インタレストとかそういうことは忘れて、国の財政ということを中心にして、その問題意識で議論しているわけですが、個別のことになるとどこまで言えるのか。これは社会保障のような分野については金回りのことで、ここに集まっている人間がそれなりの良識を働かせて言えるのかもしれませんが、しかし、社会保障でも個別の診療報酬を決めるところまで私たちは議論しているわけではない。それは中医協で議論されると、こういう話だと思いますし、自ずから私たちがここで、限られた時間の中できちんと議論して、責任を持ってこういうことを言えるのか。これは防衛でも何でもそうだと思います。

そういうことから考えると、「もんじゅ」ということについて、社会で関心が持たれているから、ある方向性についてこの審議会で何か建議の中に書き込むということが、そもそも可能なのか、やるべきことなのかというと、これまでのプリンシプルからするとかなり外れた話で、そういう意味で私は適当でないと思っています。

これは、ある種の方向性を出すと社会で物議を醸す、あるいはその時々の政権に、場合によっては耳が痛いようなことを言うことになって、何かにらまれる、そのようなことを財審として考えるべきではないと思いますよ。それは常に言うべきことを言っておくべきということだと思いますが、原則から少しずれているのではないかというのが私の考えです。そういう意味で、要するにその場ではないというのが私の判断ですが、それはそれとして、遠藤委員、関連してご発言ください。

〔 遠藤委員 〕 1点関連で、先程プロセスのお話がございましたので、もちろんこの財審の議論の中のエネルギー関連の審議をしている時に、この「もんじゅ」の話、サイクルの話というのが出てきたならばまだしもですが、建議の時に、全く今までの議論がなかった中で、建議でいきなり「もんじゅ」という話が出てくるというのは、ちょっと手続上もプロセス上も違うのではないかなと思います。

あとは賦課金のことなので、また後にいたします。

〔 吉川分科会長 〕 板垣委員、どうぞ。

〔 板垣委員 〕 突然出てきたというお話ですが、財審というのは、世の中の動きもにらみながらここで議論するわけでありまして、突然出てきたからといって議論しないわけではない。例えばエネルギーの議論の日に私が仕事で来られなかった。多くの委員もままあることでもありますし、だからこそこうやって議論をしているわけです。もんじゅは基本的に予算はつくわけですから、それをちゃんと適正に査定しなさいと。これ、倉重委員がおっしゃるように、何かを書いているようで特別なことは何も書いていないですよ。当たり前のことを書いているわけであって、それすら載せられないというのでは、まあ、しようがないかなという気もいたします。

あと、やはり建議の修文というこの場でそういう議論をしてはいけないということは全くないわけで、政権がやっている政策の中でも、ここはおかしいと言って修正を求めることも、この財審の役割であります。ということが私の根本にありますので、意見を述べさせていただいているわけです。

〔 吉川分科会長 〕 はい。

それはそれで結構です。ただ、これはいつもお願いしていますが、例えば防衛というようなことになると、それぞれ委員の方々、様々な考えをお持ちなので、ここは日本の防衛政策等がどうあるべきであるかということを本格的に議論する場ではないと。したがって、建議の中にも、そうしたことを立ち入って書くべき場ではないと。これはこれでいつもお願いしていることなので、そういう意味で、これが適当であるかどうか。

どうでしょうか、これは起草委員の先生方に再度ご検討いただくということでいかがでしょうか。

〔 板垣委員 〕 1点だけお願いします。吉川会長の方から、ある一定の方向においてどうだと論じるのはおかしいと。私もそう思います。ですから、私の先程の修文の中には、何の方向も示していないはずです。だから、何の問題もないと思います。

ただ、それはもうお任せするしかないので、多数決ですから、それは私の方からもお任せして、もうこれ以上の議論はいたしません。

〔 吉川分科会長 〕 はい、どうぞ。

〔 田近委員 〕 起草委員会のほうで今の議論を全て引き受けて回答したいということで、賦課金の方へ行ってもいいですかね。

〔 吉川分科会長 〕 いや、行ってもいいと思います。

1つあり得るとすれば、脚注か何かでそういう議論があったというようなことを書くのか、あるいは、それも今までのプリンシプルからするとやや逸脱することなのか、私は逸脱するのではないかなという感じがしていますが、検討させてください。

では、「もんじゅ」についてはそういうことで、賦課金のほうですか。

〔 田近委員 〕 賦課金について、65ページからで、今、板垣さんとむしろ逆方向の指摘も色々とありましたが、相当我々の中でも、あるいは主計官を通じても議論しました。問題は、65ページの24行目をご覧になっていただくと、要するに再生エネルギーを増やしていこうというところで、固定価格買取制度にしましたと。その価格が結果的には高かった。その結果、賦課金が増えていった。そうすると、電力をたくさん使っている産業は大変だから、減免制度を設けた。

すると、減免制度の財源が今度は硬直化してきたので、議論としては、減免の割合を下げてくださいと。そして、その負担を税ではなくて賦課金に求めますと、そのような流れですが、そもそも問題の発端は、固定買取価格が結果的に高過ぎたと。それで賦課金が上がっていった。上がっていった時に、やはり我々、デフレ脱却、日本経済の高成長を考える。あるいは財政学でこの手の議論はよくしますが、やはり負担というのは最終消費者のところへかけるべきで、生産のプロセスで、どの産業がどう効率的に、資源をどう使っていくかというのは分からないわけですから、できるだけ生産の中間段階で恣意的な負担を求めるべきではないと。これは教科書です。

すると、ねじれは、固定価格が高過ぎた。そして、結果的に生じる賦課金を最終段階に求めるのではなくて、やむを得ず中間段階で求めたと。そういう2つのねじれの問題をどう考えるかというところで、先程大宮委員に厳しい財政だということで、何か私が言いわけしてもしようがないんですが、全編この報告書の中で、厳しい財源の中での問題をどう答えていきますかということで、この問題に関しては、そういうところで減免の割合を見直すことで歳出を下げていく、そして、財源としては、そうした見直しを図りつつ賦課金に求めていくということです。そうすると板垣委員のおっしゃることは、減免をもっと下げろということを言っていけば、そうしたら、じゃあ、例えば鉄鋼産業など電力を使うところは、結果的に負担を被るわけですよね。だから、懸念としてはそれもあるというところで、私は起草委員でこれをずっと考えて書いてきた者としては、まあ、この書き方が財審として出せるぎりぎりのところかなと。

私が財政学者として思うように書きたいというならば、それはまた書きようもありますが、財源制約の中で書くとしたらこういう形になると。青空のようにすっきりはしませんが、やむを得ないというのが私の気持ちで、これをまとめました。

〔 吉川分科会長 〕 よろしいですか。

〔 板垣委員 〕 田近先生、ありがとうございます。私も、同じようなことも色々と考えた上で、この問題に若干の言葉を足してもらいたいと思ったわけであります。もしかしたら同じ考えなのかもしれません。ただ、1つ言えることは、固定価格買取制度というのは、電気を利用する人が等しく公平に分担する、これが基本哲学かと思います。そこに減免という措置が入るのであれば、いわばそこに参加しているメンバーの条件を満たしていないという考え方も一方であります。であればこそ、国が直接支援したほうがいいのではないかという考え方もあるはずです。どちらかといえば、私はそちらのほうですが、全体の議論を聞く上で、やはりこの流れで書くしかないだろうと思いつつ、修正を求めたわけであります。

〔 吉川分科会長 〕 では、関連してでしょうか。大宮委員、お願いいたします。

〔 大宮委員 〕 やはりこの問題は、再生可能エネルギーを入れた時の制度が間違っているんだと思います。ですから、そこを抜本的に見直さないとだめなわけです。それで、今、この中の文章にも総合資源エネルギー調査会でやっていると書いてありますが、やはりここの場での抜本的な見直しが必要だということを、ぜひ入れておいたほうがいいのではないかなという気がします。そこが一番の問題の発端なわけです。

減免制度は、実は4割程度、今、企業の電力料は上がっておりますよね。大体企業の利益率というのが日本では低いものですから、欧米に比べると、欧米は10%以上のところが多いですが、今、大体平均すると数%程度であると思います。その中でコストの大半を電力が占めるような業界というのは、やはりかなり厳しいと思うんですよ。

だめな企業は退出してもいいという考え方も、もちろんあります。ですが、やはり基幹産業で、鉄や素材産業というのは日本の非常に強いところとも言われているところで、そこが底抜けすると、自分の会社のことですみませんが、その上に立っている我々のような機械メーカーは成り立たなくなるのではないかと思います。

ですから、その辺のところをどのように考えるかということになるかと思いますが、本来は上がった分の電力料で、賦課金で、それをまた困っているところに返すというのが、何かちょっとねじれているのではないかという気もします。それはそれで、賦課金はみんなで分担するが、そこでしんどくなった企業等に対しては、ほかの財源か何かを振り向けるという形ではどうか。どうも6月にはそういう、賦課金からやるんだという審議になったと先程言われていたので、ちょっと蒸し返しになってしまうかもしれませんが、その部分も何か少し変な感じがするんですね。

ですから、やはり一番言いたいのは、抜本的に絶対これは直さなくてはいけないと。企業の電力を大量に消費するところにはどういう形での減免を行うのかということを、税金を絞るという視点からはやめたほうがいいと思いますが、回り回って、どこかにボディーブローのように10年程経つと効いてくるのではないかという気がしますので、その辺はぜひ考慮していただきたいなと思います。

〔 吉川分科会長 〕 はい、他にいかがでしょうか。

角委員。

〔 角委員 〕 賦課金につきましては、等しく負担するという考え方はどこから来ているのかがよく分かりませんが、基本的に大量消費するところは法人契約で安い電気を使っているわけですね、家庭よりも。その安さの比率について言えば、韓国なんてむちゃくちゃ安いわけですよね。そういった中で、特に電力ですが、例えば我々ですと、鉄道事業者で1,000億円売り上げがあると、50億円程の電気料金を払っていたのが、それが3割上がりますと15億円分コストが上がると。ですから、営業利益が15億円分減るということになりますが、この一律8割というのは、この業種の中で、要するにコストに占める電気料金の比率というのがあるわけで、ですから、電炉メーカーは本当に大変だと思います。もうアルミをつくっているところはあまりないとは思いますが、アルミをつくるメーカーなども、やはりコストに占める電気料金の割合に応じて減免の率の段階をつけるべきだと思いますけどね。水道事業が入っているなんておかしいというのは当然のこととして、そのように思います。

それと、もしよろしければ、ちょっと農業について、61ページの2段落目、9から10行目ですかね。「農地集積・集約等により大規模化し、また企業の参入を促進して、効率的で収益力のある」、そして「若者にとって魅力のある産業」、これはおっしゃっているとおりですが、農地集積・集約化と、それから63ページには、(3)で土地改良事業の見直しで、ここでは転作についての話が触れられていると。(2)の水田農業の構造改革では、どちらかというと農地集積・集約化が書かれている。

先日、養父市へ関経連として訪問に行ってまいりました。中山間地が日本は非常に多いのは、もうご承知のとおりです。中山間地は、大規模化は絶対できないわけですね。ですから、いわゆる水田をやめて、高付加価値の野菜とかいうものに転作していかなければならない。それで、実際にやっておられるのは、49%までしか法人の議決権割合はとれませんが、ヤンマーがやっておられるのは、青森と大体養父が同じぐらいの気温なので、ニンニクをつくり出しまして、これは非常にうまくいっています。ですから、これを黒字化することによって、ほかの企業も参入してほしい。

その中で、やはり法人化を進めるには、繰り返しになりますが、養父市長がもう泣くようにおっしゃっているんですよ。「そんなに農家にお金ないですよ」。なので、例えば1,000万円の会社をつくろうとして、500万円を農家に出してくれと。そんなに出せるわけがない。それで、ぎりぎり、しようがないので200万円くらいのお金を出してもらって、400万円くらいの資本金の会社をつくって、法人化をしているのですが、そうすると、当然、初期投資に対しては借入れが発生します。ですから、企業、例えばヤンマーであればもっと自己資金で、養父市長は、98%ぐらい法人に出してほしいとおっしゃっているのですがね。

ですから、ああいう中山間地で法人化を進めるには、まず議決権割合、出資比率を90%でもいいと。その代わり企業が放り出した時は、前にも言いましたように、市がちゃんと見ると言っているわけですから、せめて特区だけでも突破口を開いていただいて、養父市が成功すると、ほかの中山間地の市長も頑張って農業委員会の権限を市へ移して、どんどん法人化を進めていくと思います。ですから、ぜひともこの法人化について前へ進むように、政治家の先生にもぜひともよろしくお願いしたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 はい、ありがとうございました。

他にいかがでしょうか。 もう全体を通してご意見があれば、また再度。

赤井委員。

〔 赤井委員 〕 固定価格買取制度はこのままでもいいのですが、前も大宮委員がおっしゃったように、やはり導入する前からドイツの問題もありましたし、入れた結果制度自体が大きな問題になっているので、全体的にはここは、文章としては66ページの一番上、改革を行う中で制度の見直しを行っていくという財審の立場を述べていますが、その制度自体の抜本的な改革をしない限り、この賦課金の制度でいくら繕っていっても、大きな問題解決にはなかなかならないというところの意味合いも、もう少しあった方がいいのかなという気もしました。これも感想です。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 はい。じゃあ、具体的には66ページの頭の文章を、もう少し踏み込んで、「制度の抜本的な改革が必要。その上で」みたいな感じで修文ということでしょうかね。

はい。それはそれとした上で、武田委員。

〔 武田委員 〕 ありがとうございます。全体を通してということですので、意見を2点申し上げます。まず1点目は、先程大宮委員もおっしゃられた社会保障制度のあるべき姿と、それから子育ての負担の問題でございますが、私も確かに財源が厳しいということは重々承知しておりますし、起草委員の方のご尽力、ご苦労というのは、非常に理解しているところではあります。

しかし、本来は、社会保障制度の全体のあるべき姿というところを考えますと、やはりおかしいのは給付の適正化、つまり非常に高齢者に偏っていて、若い世代、子育て世代などへの給付のアンバランスは見直していくべきだというところで、その医療費の給付効率化をスピードアップすれば、おそらく子育ての財源というのも確保できる部分は出てくるのではないかと前回も申し上げたところですが、やはり改めてそう思います。

それから、重要なのは、世代間の格差の是正自体が、実は少子化と関係していると思っておりまして、将来の不安が大きい。したがって、今の子供を持つ、持たないというところ、あるいは1人目、2人目というところでも関係している可能性がございますので、社会保障でできるところは世代間の格差の是正を進めることで、そういった将来不安を和らげていくという視点が極めて重要ではないかと思いますので、そこはスピードをやはり早めることが重要な論点にはなろうかと思います。というのが1点目の意見です。

それから、もう1点、非常に細かい点で恐縮なんですが、50ページにございます教育のところで、国立大学の運営費交付金のところがいいのか、それとも安定的な国立大学運営法人のところがいいのか、場所は適正なところをご検討いただければと思いますが、グローバルで教育水準を高めていくという部分、あるいはグローバルでの評価基準というところについて、何か1つ言及ができないのかなと感じましたので、要するにメリハリという意味において、グローバルでの基準というのが1つあってもいいのではないかと感じました。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 はい、ありがとうございました。

竹中委員。

〔 竹中委員 〕 ありがとうございます。33ページですが、障害のある人の就労支援の最後のところです。子ども・子育てのすぐ上のところ、15行目に「一般就労がより進む仕組みを検討すべきである」と書かれていますが、一般就労というのは、いわゆる福祉就労と対になっているような言葉なんですね。

実は17日に私、一億総活躍国民会議のほうから求められて、チャレンジドの就労促進の提言を出すようにということで発言をしてきたのですが、そこでも私が一番言いたかったのは、必要なのは、障害のある人の多様な働き方が進む仕組みです。福祉就労、一般就労というように、いわゆる厚生労働省的にはその切り分けなんですが、そこでもう限界が来ている今日、本当にたくさんの障害のある人の力を生かすというのは、例えば業を興す方もいらっしゃったり、アーティスティックなお仕事をされる方もいらっしゃったりということも含めた本当に多様な働き方ですので、ぜひここは「一般就労」というより「多様な働き方」というような言葉にしていただくといいのかなと思いますので、ご検討いただけたらうれしいです。

〔 吉川分科会長 〕 具体的なご指摘、どうもありがとうございます。では、そういう形に修文します。

よろしいですか。

では、以上で議論を終えたいと思います。

具体的な修文に関して、建設的なご指摘をたくさんいただきました。それから、大きな宿題もいただいたと思っています。「もんじゅ」等、これはしっかり議論させていただきますが、大変恐縮ではありますが、もうこういう段階に来ていますので、最終的な修文等につきましては私にご一任いただけないでしょうか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〔 吉川分科会長 〕 責任は私にあるということで、お願いできればと思います。

ありがとうございました。では、そういうことにさせていただきます。

いただきましたご意見を踏まえまして、しっかりとした議論を私どもなりにさせていただいて、起草委員の先生方と修文を行いまして、最終的な建議は、私と起草委員の方々で来週24日に麻生大臣に手交、手渡しさせていただきます。その後に速やかに、皆様方のお手元には事務局より建議を送付させていただきます。

それでは、時間ですので、今日の会議を終了とさせていただきますが、これまた大変恐縮ですが、本日お手元に配付しております建議案につきましては、保秘の観点から、会議後回収とさせていただきますので、お持ち帰りにならずに机の上にお残しいただきますようお願い申し上げます。

今回のこの財審、8月以来審議を続けてまいりました。大変熱心な議論ができたと思います。今日も含めてになりますが、本当にどうもありがとうございました。

それでは、これで閉会とさせていただきます。

午前11時39分閉会

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