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財政制度分科会(平成27年11月10日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録

平成27年11月10日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

平成27年11月10日(金)13:00〜14:53
第3特別会議室(本庁舎4階 中-412)

1.開会

2.議題
・エネルギー
・中小企業

3.閉会

出席者

分科会長吉川 洋岡田副大臣
大岡大臣政務官
美並次長
可部次長
茶谷次長
阪田総務課長
中山調査課長
内野給与共済課長
余島司計課長
片岡大臣官房参事官
小宮主計官
宇波主計官
奥主計官
阿久澤主計官
高村主計官
彦谷主計官
堀内主計官
冨安主計官
山崎主計官
江島主計官
廣光主計企画官
泉主計企画官
青木法規課長
委員碓井 光明
遠藤 典子
倉重 篤郎
黒川 行治
角   和夫
竹中 ナミ
田中 弥生
土居 丈朗
中空 麻奈
臨時委員赤井 伸郎
伊藤 一郎
井堀 利宏
岡本 圀衛
小林 毅
末澤 豪謙
十河 ひろ美
武田 洋子
田近 栄治
冨山 和彦
増田 寛也
宮武 剛

午後 1時00分開会

〔 吉川分科会長 〕 それでは、定刻になりましたので、ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。皆様方にはご多用中のところご出席いただきまして、ありがとうございます。

本日は、「エネルギー・中小企業」等を議題としております。

早速議題に入ります。

まず、「エネルギー・中小企業」について審議を行います。それでは、2つのテーマを通して、冨安主計官よりご説明をお願いいたします。

〔 冨安主計官 〕 経産省担当をしています冨安でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

資料と書いてあります資料をご覧いただけますでしょうか。ページをお開きいただきまして、目次のところをご覧いただきますと、エネルギー、それから、もう1つ大きな項目で中小企業、この2つについてお諮りしたいと思います。

ページをお開きいただきまして、3ページ、総論でございます。エネルギー特会に一般会計がどれぐらい入れているかというイメージをつかんでいただこうと思います。経産省一般会計予算が大体9,000億円ございますが、経産省の中のエネルギー特会に一般会計から繰り入れているのが大体6,000億円ということで、3分の2程度になっています。それから、右側の小さい点線の四角に書いておりますが、環境省等を入れた政府全体では、一般会計からエネルギー関係ということで、8,400億円程入れております。ですから、1兆円前後のオーダーのエネルギー予算に係る論点ということでございます。

1ページお開きいただきまして4ページでございます。エネルギー対策特別会計の仕組みでございます。勘定が3つに分かれておりますが、エネルギー需給勘定には、石油石炭税から一般会計にお金が入ります。電源開発促進勘定には、電源開発促進税からお金が入ります。一方、この紙の下の半分に、エネルギー需給勘定、電源開発促進勘定等々ございますが、そこで、歳出予算が幾ら必要かということを精査した上で、そこに剰余金等のほかの財源があればそれを充てて、必要な額を一般会計から繰り入れるという格好になっております。

本日、テーマになります省エネや新エネにつきましては、このエネルギー需給勘定のマル2のところから、それから、原発関係の電源立地交付金につきましては、この電源開発促進勘定のマル3の経産省のところに入っているものでございます。

続きまして、5ページをご覧いただきますと、エネルギー対策特別会計の歳出予算の推移でございます。28年度は27年度と比べまして、今、要求で増えておりますが、これはのびのび要求で出てきているということでございますので、年末までかけて精査していくところでございます。

続きまして、6ページでございます。地球温暖化対策税のための増税というのがございます。既に制度改正、法改正が行われておりますので、3段階に分けて引き上げられますが、来年の4月に3段階目の増税が予定されているところでございます。これは、CO2の排出量に着目いたしまして、CO2抑制の観点から入っている税でございます。

続きまして、7ページでございます。予算を考える上で、エネルギーミックスというのが今年はできておりますので、それについて簡単にご紹介したいと思います。

左半分に安全性、自給率、電力コスト、温室効果ガス排出量ということで、4つの視点がございます。特に温室効果ガス排出量、オレンジのところの下にありますが、欧米に遜色ない温室効果ガス削減目標ということで、今、COP21に、日本としては2013年比で▲26%という目標を提示しておりますが、それを実現する、あるいはそれの前提となる電力需要の長期需給見通しというのを作成しております。それが右側になります。特に電力需要のところをご覧いただきますと、オレンジ色のところでございますが、相当な省エネをすることによりまして、2030年の電力需要をまず抑制するということがございます。その上で、電源構成はご覧のような構成で考えているところでございます。

8ページをお開きいただけますでしょうか。予算に関連するということで、それぞれにつきまして少し整理しました。まず、再生可能エネルギーですが、最大限の導入拡大と国民負担の抑制の両立、予算に関連して言いますと固定価格買取制度、特に減免措置を補助金でやっておりますので、その見直しの関係、あるいは、予算が総花的にならないようにという論点。それから、省エネルギーのところでございますが、先程省エネで電力需要を抑制する姿がございましたが、それは石油危機後並みの大幅なエネルギー効率改善を見込むものでございます。ただ、これは1人、予算でできるものではございませんので、やはり国民的、社会的運動として規制的手段の強化、補助金を使うのであれば、規制との適切な組み合わせ等が課題になるところでございます。

原子力につきましては、安全性の確保を最優先した上での再稼働ということでございますが、電源立地交付金というのがございますので、それの状況に応じた適切な見直しが必要かと考えているところでございます。

まず再生可能エネルギーでございます。10ページをお開きいたけますでしょうか。10ページ、11ページは、再生可能エネルギーの導入意義や現状につきましてご紹介しておりますので、これは、大変恐縮ですが、ご参照いただければと思います。

12ページをお開きいただけますでしょうか。昨年の予算編成の建議におきまして、固定価格買取制度について建議いただいている部分でございます。下線にございますように、買取総額が増えていく、あるいは電力多消費産業への賦課金減免措置に対する国費でやっております補助金が増えていくということを課題視しております。その上で、下のほう、減免措置などについて見直しを行うことが不可欠ということで、建議をいただいております。今年につきましては、この辺につきまして具体的な課題をご提案いただければと思っているところでございます。

13ページは、再生可能エネルギーの予算の全体像でございます。先程申し上げましたとおり総花的になってはいけないということで、国としてやはり必要な部分に注力してやるべきということで、例えば国でしかできない再エネのポテンシャル調査、あるいは開発支援等。あるいは、マル2は、FITの賦課金減免措置ということで、これは後程ご議論いただくことと関連します。28年度要求は事項要求ということで出てきております。マル3として再エネの研究開発、再生可能エネルギーは重点的に、出口戦略を考えながら、選択と集中をしていかなければいけないと考えているところでございます。

14ページ、本題に入ってまいります。固定価格買取制度の基本的な仕組みでございますが、基本的には国が決めた価格で再エネ事業者が発電した電気を電力会社が買い取りまして、それを電力料金と一緒に電力利用者から取るという仕組みでございます。電力料金を通じまして、電力利用者の負担で再エネ事業を応援していこうという制度でございます。

一部、予算が関係する部分が、この14ページの右側の四角でございますが、電力多消費産業への賦課金を8割減免し、国費で補塡というところでございます。この分について、後で具体的にご相談させていただけたらと思います。

15ページは固定価格買取制度の賦課金の構造ということでございまして、太陽光ですと20年間固定価格で買い取りしますので、24年度、25年度、26年度とそれぞれ新たな契約が結ばれますと、すだれ式に賦課金が増えていくという構造になっております。

16ページをお開きいただけますでしょうか。これが買取制度の現状でございます。再生可能エネルギーにつきましては、FITの導入の効果もありまして、左側のグラフでございますが、足元、急速に伸びておるところでございます。ただし、黄色は太陽光でございまして、太陽光を中心に伸びているところでございます。賦課金の推移に応じまして、2015年度は約1兆3,000億円ということで増大しているところでございます。

それで、この固定価格買取制度自体につきましても見直しが必要かと思いますが、現在、経済産業省におきまして、固定価格買取制度についてより適正化、合理化していく改革につきまして、議論しているところでございます。そこにつなげていくということで、先程の補助金でやっている減免制度の見直しも、財審から発信していただければと思っているところでございます。

17ページをご覧いただけますでしょうか。賦課金の減免制度、上の四角の中を読み上げさせていただきますが、「電力多消費事業者の産業競争力に配慮する観点から、電気使用料が、製造業では平均の8倍以上となる事業を行う事業所について、その賦課金負担の8割を減免する制度」となっております。上の表は予算の推移でございます。左下に適用上位10業種というのがございます。様々な業種が入っておりますが、産業競争力の観点からどう考えるかという論点だろうかと思います。また、右側、適用上位事業者ということで、かなりの額の減免を受けている事業者もあります。

本制度につきましては、電力多消費事業者が電力利用を節約するようなインセンティブがあまり組み込まれないで、いきなり8割減免されるという制度になっておりますので、そういう制度の合理化が必要ではないかと考えているところでございます。

その上で、次のページがご相談でございますが、この賦課金減免制度につきましては、財政負担につきましては特会の予算でやっております。左側、足元、真ん中の棒グラフで27年度、456億円ですが、エネルギーミックス実現時は1,300億円程度まで上昇することが見込まれております。これを、例えば省エネ・再エネ予算等を分母にとりまして、どの程度の割合を占めるかというのを見たのが右側のグラフでございます。27年度で10%まで至っております。エネルギーミックス実現時には、2割から3割程になると思われます。予算の使い方といたしまして、かなり硬直化するということと、より研究開発、あるいは、更なる企業に対するインセンティブという使い方のほうが望ましいのではないかと考えているところでございます。

論点といたしましては、ただいま申し上げましたことを整理いたしております。19ページの2つ目の丸でございますが、1つ目のポツで、現行の減免制度につきまして、8割という非常に高い率で賦課金負担を減免する内容、あるいは、国際競争力と必ずしも関係ない業種も対象ということで、下線部ですが、現行8割となっている減免割合の引下げ、あるいは対象業種の見直しなど、制度の適正化を図るべきではないかと。

2つ目のポツですが、その上で、減免措置に必要な財源につきましては、固定価格買取制度において、再生可能エネルギー導入拡大に必要な費用については、賦課金を通じて電力利用者が広く負担するというのが制度の基本的な考え方であること、あるいは限られた予算の使い方として適当かということもありますので、その財源については賦課金に求めていくべきではないかと考えているところでございます。

3つ目の丸は、再生可能エネルギー予算一般につきまして、総花的にならないように、出口戦略を考えながら選択と集中をすべきということでございます。

続きまして、省エネルギー予算の関係でございます。省エネルギー対策につきましては、冒頭申し上げましたとおり、エネルギーミックスにおきましては、石油危機後並みの大幅なエネルギー効率改善を目指すということになっております。ただ、申し上げましたように、1人、予算でできるものではございませんので、社会的、国民的運動としてやっていく必要があると考えるところでございます。

財審におきましても、22ページをご覧いただきますと、26年度の建議、上のほうでございますが、真ん中のほうの下線で、規制的手法をポリシーミックスの中で中心的な手法として位置付けるべきと言っていただいております。また、「課税面の取組みである温暖化対策税の段階的引上げについても、そういう中で着実にやっていく必要があると。これは26年がちょうど2段階目の増税ということで、ここでは書かれております。

下のほうは27年度、昨年の建議におきましても、省エネルギー予算については、規制による取組を前提としつつ、規制手法と適切に組み合わせなさいとご指摘いただいているところでございます。

省エネルギー予算の全体像でございます。マル1マル2の緑色の四角がありますが、企業、あるいは各部門が省エネ機器を導入する、あるいはそういうことを応援する補助金が1つの塊としてあります。それから、エネルギー効率を向上させるような研究開発というのが2つ目の塊としてございます。

先程、予算というよりは、制度全体でしっかりやってほしいと申し上げましたので、24ページには、規制措置の全体像をつけさせていただいています。その中で、後で予算執行調査のご紹介をしますが、それとの絡みも出てきますので、25、26ページで、部分的にご説明させていただきたいと思います。

努力目標でございますが、ベンチマーク制度というのがございます。製造業の8割をカバーしておりますが、右側の表にありますように、6業種10分野で設定されております。例えば(1)の高炉による製鉄業を例にとりますと、客観的な指標として、総量当たりのエネルギー使用料をとりまして、目指すべき水準というのは、箱の中の2行目にありますが、各業界の上位事業者1、2割が満たす水準、これを残りの8割から9割の事業者も目指してくださいということを、気付きの制度として入れているものでございます。

さらに、26ページをお開きいただきますと、トップランナー制度というのがございます。下のほうにトップランナー制度の対象品目ということで31品目、家電や、最近ですと断熱材やサッシ、ガラスということで、住宅、あるいはビル等に入っていく備品も入っております。この制度は、今度は、こういうものを製造してマーケットに提供する製造者のほうに対して、3年から10年程度の目標年度を設定しまして、そのときに出ているエネルギー効率として最高水準の機器を、ほかの事業者もマーケットに出すように努力しなさいということも各事業者に報告を求めて達成状況を確認するという努力目標でございますが、1つの、期待としましては27ページ、因果関係はともかく、乗用車やエアコンなど、平均的にマーケットに出ていくもののエネルギー効率が改善していくことを目指しているものでございます。

それで、規制強化のほうで申し上げますと、次の28ページでございます。これはエネ庁でやっていただいた話で、省エネ法で定期報告を求めていますが、しっかりと報告の中身を吟味して、いいものは公表するし、悪いものについてはしっかり指導するということを強化していくということがございます。

それから、29ページ、これも規制のほうでございますが、先程申し上げましたベンチマーク制度につきまして、これを産業部門だけではなくて、今、省エネが遅れていると言われております業務部門にも拡大していこうというものでございます。

予算に絡む話といたしましては、30ページをお開きいただけますでしょうか。今年の夏に公表しております予算執行調査からでございますが、左側に省エネ補助金というのがございます。概要でご覧いただきますと、概要の1行目の後ろにありますが、先端的な省エネルギー設備・システム等の導入であって、省エネ効果、費用対効果等を定量的に勘案しまして、補助をする制度でございます。その調査の結果、絵的に31ページのほうをご覧いただきますと、大企業、中小企業については大企業の選択が多いということ。それから、ベンチマーク指標、先程、ある製造業の一定の業種につきましては、ベンチマーク指標で、その企業の省エネ度合いを評価するとありますが、そのベンチマーク制度の対象になっているにもかかわらず、ベンチマーク未達成のものが多い。

あるいは、3番でトップランナー基準関連でございますが、照明や空調はトップランナー基準の対象となっておりますが、この補助金で入れた備品が、トップランナー基準を未達成ものが圧倒的に多いということでございます。1つの提案といたしましては、予算執行調査のほうの今後の改善点・検討の方向性にも入っておりますが、やはり補助金で応援するのであれば、制度が求めている、ある程度最高水準のものを導入してもらうようなリンク付けを要件としてはどうか、必要ではないかと考えているところでございます。

32ページでございます。これも、1つのアイデアであって、これで全てが語れるかどうかというのはありますが、こういう考え方を普及させていけばというものでございます。32ページ、例えばエネファームを補助する場合の話でありますが、左側に現行のスキームというものがございます。この棒グラフの高さが、メーカーが現在マーケットに提供できる価格だと思っていただければと思います。赤い点線が従来型の給湯器の価格ということで、従来型の補助ですと、この差額を一定割合補助するということになりますが、結局その場合、補助金がなくなりますと、もう普及はしないということで、自立的に回っていかないという問題があります。

それを、例えば右側のグラフをご覧いただきますと、例えば2015年度のアルファというのは、今、マーケットにメーカーが提供する額。5年後のガンマというのは、補助金なしでも普及が可能な価格。言ってみれば電力料金が節約されることによりまして、投資回収が可能な価格ということでございます。これを目標価格と設定いたしまして、直線で結んで、例えば2016年度、これをベータといたしますと、企業が努力いたしまして、ベータよりも低い価格でマーケットに提供できたら、補助率を上げる。ベータより高い場合には補助率を下げるということで、企業の価格低減努力を促すような仕組みを、補助金の要件の中に仕組んだらどうかと。願わくば5年後には補助金がなくて、企業努力の結果、量産効果も相まって、補助金なしでも回っていくということを考えたらどうかと考えているところでございます。

33ページ、これはあまり予算とは関係ないのですが、今、競争力強化の取組ということで、産業競争力強化法50条というのがあります。これは供給過剰な分野を特定して調査して、事業再編が必要ではないかというところを指摘することでございますが、競争力強化される中で無駄もなくなっていくことと思っておりますので、現在、石油産業、あるいは石油化学産業、板ガラス産業という3つにつきましてこの調査が行われており、こういったことの積極的な、更なる活用も必要ではないかと考えているところでございます。

34ページ、省エネ予算に係る論点ということで、ただいま申し上げましたことを紙に書いております。2つ目の丸に書いておりますことは、ほとんど私が申し上げたことと一緒でございますので、読み上げることは割愛させていただければと思います。

35ページをご覧いただけますでしょうか。原子力関係予算でございます。原子力関係予算につきましては、おさらいさせていただきますと、括弧の四角の中にありますように、電源立地地域対策交付金は、電源の立地の初期段階から運転終了まで、発電量に応じて交付するという仕組みになっております。

2つ目の丸にありますように、震災後、停止している原発につきましてもみなし交付金制度、強制的な安全点検のために停止しているとみなしまして、みなし交付金制度をつくりまして、それに基づいて交付しております。27年度は81%という設備利用率を前提としております。

それから、3つ目の丸ですが、原則、廃炉になりますと、翌年度から交付されないという仕組みになっております。昨年度、財審で、下の方にありますが、原子力関係予算ということで、3行目をご覧いただきますと、この原則を確認するという形で、廃炉を決定した原発については適切に支給を停止することが必要とご指摘いただいているところでございます。

また、2つ目の丸で申し上げました、現在81%設備利用率を前提と書きましたが、実は過去の実際の稼働率と比較いたしますと、この率はかなり高い率になっておりますので、過去の稼働率に応じた率に引き下げていくことが必要ではないかと考えているところでございます。

そういった点を論点といたしまして、38ページに書かせていただいております。3つ目の丸でございますが、電源立地地域対策交付金につきましては、廃炉を決定した原発については適切に交付金支給を停止すること、停止している原子力発電所に対するみなし交付金は引き下げるべき。それから、4つ目の丸にありますように、一定の激変緩和措置が必要となることが考えられますが、これが根雪になってはいけませんので、期限を明確に区切った時限的な位置付けとするべきではないかと。

ちなみに、資源エネルギー庁からも8月末に概算要求が出てきております。廃炉にするところについては支給は停止、それからみなし交付率も引き下げるという形で、実際出てきております。また、一定の激変緩和措置も求める内容となっております。まだ年末まで色々とあるかもしれませんので、財審からもその点、後押しをしていただければと思っているところでございます。

続きまして、大きなテーマの中小企業でございます。40ページをご覧いただけますでしょうか。中小企業対策費ということで、絵の丸の中にありますように、中小企業対策費は全体として1,850億円ございます。そのうちオレンジ色が中小企業の資金繰り支援ということで1,000億円。内訳としては、この信用補完が681億円となります。あとにつけておりますが、補正予算等もある場合がございますので、これがかなり潜在的な財政負担になっているところでございます。

中小企業一般の話をさせていただきますと、中小企業を取り巻く現状ということで、企業ベース、従業員ベースで色々見ております。もちろん企業数全体としての中小企業の割合が大きいということ、それから、製造業、サービス業で見るとサービス業等の割合が大きい。あと、地方は、どこを地方と見るかというのがありますが、東京、愛知、大阪以外のその他道府県が4分の3を占めています。当たり前ですが、サービス業などその他道府県に占める中小企業の企業数の割合は高いということで、よくサービス業の生産性が低い、地域の問題をどうするか、あるいは中小企業をどうするかというように別々に語られることが多いですが、やはりそれぞれ一緒に考えなければいけないのではないかなと考えるところでございます。

42ページをご覧いただきますと、左側の表は、中小企業者の減少数でございます。それから、42ページの右側の上のほうは人口減少、さすがに生産年齢人口は減少しておりますので、自然と減っていく部分があると思われます。それから、真ん中の円が廃業を決断した理由ということでございますが、青い半円が経営者の高齢化、健康の問題ということでございます。これも仕方がないという側面はあるのかもしれませんが、もしその前に、誰かほかの方が家計、あるいは事業について一緒にやろう、あるいはこういうふうにしたらいいなど、色々とアドバイスがあれば、もしかしたら回避できたのかもしれないということがあろうかと思います。

それから、下のアンケートは、廃業を回避できる可能性のあった取組ということでございます。これで申し上げますと、「どのような取組をしても、廃業は避けられなかった」という一番右が高くなっておりますが、左のほうの2番目をご覧いただきますと、例えば新事業への取組、販路拡大、経営計画の見直し、専門家への相談、マーケティング調査など、事業者ご本人ではなかなか難しいのかもしれませんが、もし適切にアドバイスをする人たちが回りにいれば、少ないかもしれませんけど、回避できる可能性はあったのではないかと考えているところでございます。

43ページはファクトでございます。労働集約的ですので仕方がないのかもしれませんが、中小企業は非製造、製造とも生産性が低いという状況にございます。

その上で44ページをご覧いただきますと、中小企業を取り巻く課題と視点ということで、まず黄緑色のところをご覧いただきますと、既に中小企業が有している人・技術・ノウハウ等をそのまま無くさないで、それを活かした経営改善や新陳代謝が必要ではないかと。マッチングとか新事業展開、販路拡大、先ほどのアンケートにもありましたけど、そういったものについてオレンジ色のところに書いておりますけど、事業者自身の意欲は当然ですけど、普段から身近にいる関係者からの示唆・アドバイスが重要ではないかと考えているところでございます。

身近なアドバイザーとしては、左側に例示しております金融機関、あるいは税理士・会計士、商工会、あるいは中小企業診断士、よろず支援拠点等、色々あろうかと思います。それぞれが競い合って、適切なアドバイスをすることが必要かと思っております。

そういう意味で、金融機関も重要な役割を担うと思っております。その上で、昨年の予算編成の建議の45ページになりますが、ご覧いただきますと、信用補完制度関連部分ということで、真ん中のほうに下線がございます。「中小企業者の経営改善・事業再生を促進していくため、金融機関が目利き、経営支援機能を発揮するインセンティブを高めることが重要」、それから、下のほうの下線ですが、「各主体の間のリスクの分担の在り方について、幅広く検討を行っていくべき」ということを問題提起していただきました。

その上で、若干政府内でも議論いたしまして、46ページをお開きいただきますと、下のほうの表にある、今年の6月30日に閣議決定した「骨太の方針2015」におきまして、赤字で書いておりますが、「中小企業の資金繰りに万全を期すと同時に、金融機関が経営改善や生産性向上的の支援に一層積極的に取り組むよう促すことが必要」、このため、「金融機関による適切なリスク負担を図る観点から、信用保証制度のあり方について本年中に検討を進め、あるべき方向性を示す」ということで、アジェンダ設定並びに期限が限られております。したがいまして、年末までに具体案を政府部内で考えなければいけないということになっております。

47ページ、中小企業信用補完制度の概要でございます。本日議論になりますのは、下のほうに一般保証とセーフティーネット保証というのがございまして、一般保証、現在、民間の金融機関、顧客が焦げついた場合ですが、融資額の2割を負担していただく仕組みになっております。セーフティーネット保証の場合は、金融機関の負担はゼロということになっております。

この信用保証制度ですが、48ページ、全企業のうち信用保証141万社と書いておりまして、大体3割の企業が利用しております。

それから、49ページが中小企業者向け貸出残高に占める保証つきの融資の残高ですが、これが2014年度をご覧いただきますと、右下の赤い四角になりますが、大体1割程度を占めているということでございます。

それから、50ページをご覧いただきますと、それぞれの国内銀行の貸出、あるいは信用保証協会の残高の伸び率の推移でございますが、2000年前後、あるいは2008年前後をご覧ください。黒い折れ線が下がっていきますと、オレンジ色の折れ線が膨らむということで、一応民業補完の役割は担っているというところでございます。

51ページ、信用補完制度の変遷でございます。今、一般保証は責任共有対象ということで80%保証ですが、この制度は2007年に入りました。ただその後、リーマン・ショックで、セーフティーネット保証、100%保証のほうが、要件が緩和され、対象業種が拡大してまいりました。2012年、2013年と段階的にそのセーフティーネット保証の特例を廃止いたしまして、昨年3月からこのセーフティーネット保証のほうの平時の運用に戻ったところでございます。これも、類似の財審の建議をいただきまして、平時に戻ったところでございます。

次の52ページは、100%保証の指定業種の推移でございますが、今、申し上げましたことと重なりますので、省略させていただきます。

53ページ、足元の状況でございますが、黄緑色と青色のグラフがございます。黄緑色は、今申し上げました金融機関が20%、保証が80%の責任共有制度、青色が100%保証でございます。足元を見ていただきますと、この責任共有のフローを見ますと、ウエイトが高まっております。右側は、保証債務残高(ストック)に占める割合です。これも1対1くらいまでということで、足元、この80%保証のほうが大分広まってきているところでございます。

54ページをご覧いただきますと、赤い折れ線グラフを端的にご覧いただきますと、これがこの信用補完制度全般の収支の推移でございます。赤字が相変わらず続いておりますが、足元、景気がよくなってきていることと、責任共有も入ってきているということで、赤字は残っておりますが、赤字幅が減少しているところでございます。責任共有が入っていることで、一定の規律が働いている側面もあろうかと思います。

55ページをご覧いただきますと、セーフティーネット保証は赤い折れ線グラフ、青い折れ線グラフは一般保証でございます。例えば左側の折れ線グラフは、事故率の推移になります。セーフティーネット保証の事故率に比べますと、一般保証の事故率は低くなっているということでございます。

56ページをご覧いただけますでしょうか。今のは、企業自体の状況が違うのではないかというご議論もあろうかと思いまして、56ページに、区分マル1から区分マル9というのがあります。これは、融資先ごとのリスクによりまして高リスクから低リスクまでを分類したものでございます。したがいまして、区分マル1に分類されている企業は、基本的には同程度のリスクを抱えているということでございます。責任共有対象と責任共有対象外ですから100%保証の代弁率、いわゆる事故率を比較いたしますと、責任共有制度のほうが低くなっているということでございますので、様々な見方があろうかと思いますが、金融機関の負担割合が入ることで、一定の規律が働いているという側面もあるのかなと思っております。したがいまして、金融機関の負担割合を引き上げていくことで、より企業と寄り添って、企業に対して積極的に勧誘していただけるのではないかと考えているところでございます。

57ページ、金融機関ごとのバラつきと書いてありますが、1つ1つの点が金融機関になります。下の軸が保証残高に占める100%保証の割合。右に行くほど、100%保証が多いということでございます。それで、縦軸が代位弁済率か事故率ということでございます。様々な見方がありますが、どう見るかというのは少し省略させていただきますが、こういった状況でございます。

口頭で申し上げてもなかなか分かりにくいと思いましたので、日本政策金融公庫が取引先の企業にアンケートを求めたものを再編加工した一定のデータということでご紹介させていただきたいと思います。

企業にメインバンクがどの程度接触してくるかという頻度を聞いたものでございますが、プロパーというのは保証なし融資になりますが、保証なし融資が半分以上、それから、ほぼ保証のみというのを比較いたしますと、やはりプロパーが多いほうが頻度が高いということでございます。

それから、ほぼ保証のみというのは、実はプロパーが若干入っているものもここに含まれておりますので、完全保証のみとなると、もう少し率が低くなっていくのかなと思います。そういう意味で、傾向が見て取れるのかなと思います。

従いまして、保証割合につきましても、ある程度金融機関が負担する割合が増えていくことに伴いまして、プロパー並みの企業に対する目利き、あるいは経営改善等の指導力を発揮していただけるのではないかなと期待しているところでございます。

58ページ、最後に、財審でございますので財政的な部分のご紹介をいたしますと、黄色い棒グラフが信用保険に係る、補正予算も含めた予算からの投入量でございます。2009年年度、2011年年度と高くなっておりますが、2009年度はリーマンショックで2兆円程、2011年度は震災で1兆円入れております。ただ、それ以外の低い年度でも、1,000億円程度は入っておりますので、やはり多額の予算が毎年続いている以上、より金融機関に目利きがきくようなインセンティブが組み込まれるような、そういう誘引があるような制度見直しがやはり必要ではないかと考えているところでございます。

論点でございますが、59ページ、1つ目の丸で、信用補完制度について書いておりますが、黒字で書いておりますように、「真に中小企業のための制度となっているかよく検討する必要がある」と。それから、2つ目の丸でございますが、2行目の最後のほうですね、「信用補完制度の過度の依存により、金融機関が中小企業とともにその経営改善・事業再生を図るインセンティブを阻害しないようにすることが重要」。3つ目の丸でございますが、「中小企業が企業改善・事業再生を図るためには、最も身近なそれぞれの金融機関が目利き・支援機能を発揮することが重要」と考えているところでございます。

そういったことを踏まえまして、5つ目の丸でございますが、黒字で書いてあります、現在80%保証とされている一般保証については保証割合の見直し、それから100%保証につきましても、大規模な金融危機のように、本当に資金繰りがどうしようもない時のようなやむを得ない場合を除いては、一般的な構造不況などの時に見直しをしていったらどうかと考えているところでございます。

説明は以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。テーマが2つございます。エネルギーと中小企業。

それでは、まず、前半のエネルギーについて、どなたからでもご意見、ご質問、お願いいたします。

土居委員、お願いいたします。

〔 土居委員 〕 すみません、中座させていただきますので、先に意見を述べさせていただきたいと思います。エネルギーのところは、4ページにありますように、エネルギー対策特別会計の予算が、かつてこれらが特定財源であった頃の悪い癖が未だに残っているところがあるのではないかと。つまり、特定財源だから、特に大きく節約しなくてもほかに流用されることはないというような感覚で、未だに予算を使っているところが残っているのではないかという気がしてなりません。

今はもう、この4ページの図にありますように、一般会計留保というものが出てくるわけで、非常に特別会計の中で歳出を精査していただくことを通じて、これは国民全体にも恩恵が及ぶという形で一般会計留保が残るということになりますから、ぜひとも予算の査定では厳しく必要性を見ていただきたいと思います。

あと、1つ質問があります。17ページですが、賦課金減免制度で、確かにこの資料にもありますように、競争力に配慮する観点、特に電力料金が我が国で割高であるというところに対する配慮というのは必要だと思います。ただ、左下の適用上位10業種の中で、特に水道業に違和感があるわけですが、水道は多くの場合、公営で営まれているのではないかと思いますが、まさか公営の企業が事業者の中に入っているということになりますと、これはパブリックセクターにパブリックセクターのお金を出しているといった変な話になってしまうので、これはやはり減免対象にすべきではないかという気もので、その点を確認させてください。

〔 吉川分科会長 〕 では、主計官、簡潔にお願いします。

〔 冨安主計官 〕 ご質問がございました水道の関係でございますが、一部PFIのようなものもあろうかと思いますが、ほぼ全てが公営の事業者が対象になっております。

〔 吉川分科会長 〕 はい。では続けて、伊藤委員、岡本委員、角委員。

〔 伊藤委員 〕 ありがとうございます。エネルギーに関しましては、総論部分といいますか、3ページから8ページのところにまず1つ絡んで申し上げますと、安価で安定的なエネルギー供給を回復するということが、経済成長の前提条件であるというのは当然言うまでもないことでございます。特に私ども商工会議所は中小企業が多いのですが、中小企業の場合、エネルギー、特に電力コストが総コストの3、40%を占めるところが多いですね。26ページあたりにトップランナー制度の対象品目というのが載っておりますが、中小企業がやっているのは、例えばこれらのトップランナー対象品目の部品をつくっているわけですね。だから、そういうことも考える必要がある。

これは我々の、特に産業界、中小企業という点から申し上げると、電力コストについては、やはり震災前の水準と現在を比べると、キロワット・アワーで、震災前13円台だったものが今18円超えている。平均すると、38%程上がってしまっているわけです。それで、できるだけ震災前の水準に近いレベルまで早期に実現できるような政策を全体で考えていただきたいというのが1つですね。

そのために、1つの再生可能エネルギーの予算部分ですが、前から議論されている部分ですが、再生可能エネルギーの固定価格買取制度については、15ページにありますように、毎年確実に賦課金負担が積み上がって、将来にわたって企業や国民の負担がどんどん増大していくということでございますので、固定価格買取制度については、やはり国民負担の抑制につながるように、総合的、抜本的な見直しを早急に行っていただきたいと。前からの議論を繰り返すようですが、そういうことであります。

それから、21ページ以降の省エネルギーの推進については、産業界、中小企業も含めてですが、当然、我々産業界も積極的に取り組む必要がありますし、取り組んできております。しかし、多くの中小企業にとってみますと、今省エネに使う人員や資金を確保することがなかなか難しい、あるいはノウハウが乏しいということもございまして、省エネ設備への方針や省エネ診断、あるいは指導など、きめ細かい対応について、ハード、ソフト両面で支援策を拡充していただきたいという、これはお願いでございます。以上です。

〔 吉川分科会長 〕 はい、どうも。

岡本委員。

〔 岡本委員 〕 ありがとうございます。固定価格買取制度の見直しについて質問と意見を述べさせていただきます。

この19ページの論点については、全くこのとおりであって、私は賛成です。ぜひこの方向で進めていただきたいと思います。それに伴って幾つかの質問ですが、1点目は、この10ページです。10ページの枠がありますが、この枠のマル3ですね。「関連産業創出・雇用拡大」とありますが、この括弧の下に、直接雇用9万人、総合雇用21万人とあります。このような雇用というのは、やはり地方創生などの観点から見ても大変重要な要素であると思いますが、ただ問題なのは、この試算について、どの程度信憑性があるのかと思います。

従って、ここでは太陽光発電協会の試算もありですが、やはりこの雇用問題というのは極めて重要ですし、また地方が活発になるためにも、このようなことが有効であるということであれば、そういう意味からも重要な指標ですので、きっちりとフォローしていただきたいと思います。これが1点です。

2点目は、やはりこの15ページの構造です。それに基づいて、16ページの右側の棒グラフで、1,300億円が一挙に1兆3,200億円になってしまったと。これは伊藤さんの話と同じで、この伸び方を見ると非常に恐ろしい感じがしまして、この後、例えば10年間を見たときに一体どのようになるのかと。そのときに家庭の負担月額がどのようになっているのかと。例えば介護保険でも、初めは500円だったものがもうどんどん上がっていったというのと、同じような話がここにあると思います。

その流れを防ぐために取り組んでほしいということが、具体的には、1つは、新規分の見直しをぜひ進めてほしいと。この場合に、新規分を抑えるためには、例えばドイツなどでは、2015年から確か入札制度というのをとって、安いところから予算の範囲内でやっていこうかといった考えもあると思うのですが、やはりマーケットに基づいた値段を考えていくような方式をとることによって、もっとこれを下げるということができないかどうか、こういうことを検討できないかというのが1つです。

それからもう1つは、過去分については、例えばもう42円でずっと居座っているわけですが、ある程度再生可能エネルギーの普及が進んでいく中で、法律や契約上の制約があるとは思いますが、やはり過去の買取価格について見直しをすることはできないのだろうかと。もちろん財産権の話などがあるわけですが、ただ一度認可したが、まだスタートしていないというようなケースについては、取り組み始めた年度が後になった場合には、やはり初めに認可した年度の価格ではなくて、実際に動いたときの値段でやるなど、もっと過去の分にも切り込みができないかなと思います。そのような感じでこれはぜひ取り組んでほしいなと思います。

以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 一応、ご指摘、ご意見ということでよろしいでしょうか。

〔 岡本委員 〕 はい、結構です。

〔 吉川分科会長 〕 では、角委員。

〔 角委員 〕 今、ご発言されたお二人と基本的にあまり変わりませんが、以前に42円でスタートしたときに、あまりにもエネルギー効率の悪いところにコストをかけるよりは、省エネにそのお金を使っていただいたほうが、はるかにビー・バイ・シー(B/C)がいいということをご発言させていただきましたが、そのとき例に挙げましたのが、例えば新造車両、代替新造で、代替新造しますと、古い電車よりも新しい電車のほうが、大体電力使用量が半分に減ると。ただ、その8両1編成をつくるのに10億円以上のお金がかかりますので、なかなかこれを短期間に推進するのは難しいが、何らかのインセンティブがあれば、それが進むのではないかという話をさせていただきました。

それと似た話で、今回、遮光断熱フィルムの話をさせていただきますと、例えば鉄道の窓ガラスに遮光断熱を使う。遮光というのは外からの熱を遮断する。断熱というのは中の温度を外へ出さない。ですから、遮光断熱で冬はダブルできくわけです。そうしますと、大体20%弱の空調電力の使用料が減ります。これをオフィスで当てはめますと、大体冬場で30%、夏場で20%の省エネ効果があります。

例えば電車の窓ガラスにその遮光断熱フィルムを張ったときにどのくらい費用がかかるかといいますと、大体1両で25万円ですから、8編成で200万円程ですね。ですから、再エネもそうですが、本来そちらに税金を使うよりは、もっと効果の高い省エネのほうに振り向けていただいて、かつ、これを、例えば3年ないし5年の原発が安定的に稼働するであろう、そういった時期に合わせた時限措置にしていただくと、設備投資効果も非常に大きいと思うんですね。

ですから、例えば10%での遮光断熱フィルムを張れば10%補助しますよというだけで、3年、5年の時限措置であれば、多くの鉄道会社なりビルのオーナーがそこへ投資をしますから、そうすると、省エネ効果も非常に進むのではないかと思います。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 では、田中委員、赤井委員、遠藤委員、黒川委員の順でお願いします。

〔 田中委員 〕 ありがとうございます。私は質問を中心に2点お願いしたいと思います。

1つは、やはり先程から話題になっている固定価格買取制度なんですが、ただ、20年のコミットメントというのはなかなかすごいことだと思うのですが、先程経産省との協議の中で、改革案を検討しているということで、具体的にどういうことで、そして、仮に何か障害があるとすればどのような点かということをお聞かせいただけたらと思います。

それから、2点目であります。これも簡単な質問なのですが、この減免制度ですが、8割を減免する制度ということですが、何を根拠に8割と言っているのか、どのようにしてそれが決まったのかという点について、もしお分かりであれば教えていただけないでしょうか。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 じゃあ、ご質問です。主計官、簡潔にお願いします。

〔 冨安主計官 〕 今、経産省におきましてFITの改革について議論されております。「骨太の方針2015」でも、再生可能エネルギーの導入拡大と国民の負担の抑制の両立となっておりますので、その解を得るべく、今、議論が行われております。

それで、すみません、私、手元に今つまびらかには、彼らの改革の今の議論の内容をしておりませんが、先程岡本委員がおっしゃられましたような、例えば今既にもう契約を結んで20年間走っているものにつきましては、なかなか難しいところがあるかと思いますが、ある程度一定の価格で認定をとっているのですが、設備の導入がなかなか進んでいないようなところにつきましては精査して、言葉は悪いですけど、ある程度やる気がなさそうなところについては振り落していくといったような話や、あとは、やはり価格につきましても、将来、負担可能な範囲内におさまるという発想で言うと、今、幾らかというよりは、今の時点で幾らだったら将来支えられるかという発想も必要かということで、太陽光などにつきましては、そういう将来も見据えた価格設定、あるいは場合によっては、そういう入札制といった話等々も含めた様々な選択肢を交えて、よりこのFIT制度が合理化、適正化されるように議論が行われていると承知しております。

それから、減免制度の8割の根拠、あるいは過程というのは、ちょっと手元に今、資料がございませんので、恐縮でございますが、すみません。

〔 吉川分科会長 〕 では、後日、個別にでもお答えするとして、赤井委員。

〔 赤井委員 〕 ありがとうございます。私もこのFITの固定価格買取制度に関してで、前にも少し述べさせていただきましたが、ドイツで既に導入し、もう今、大きな問題になっているのが見えていた段階で導入し、政治的なところも様々にあったと思いますが、固定価格買取制度を入れれば賦課金がどんどん増えていくことは、ドイツの事例からも見えていたはずなので、やはり再度、しっかりした再検証を行って、問題がないかを見るというのがまず重要です。

長期の契約ですので、将来的にリスクが発生することは、もうある程度分かっていたはずだと思います。改定するというのは難しいかもしれませんが、例えば実際、それをとった企業が想定以上の過大な利益を得ていた場合には、適正な利益に向けて契約を改定しているような事例も海外ではあるので、そういうものの可能性、今得ている利益が適正かということを議論することは可能なのかなと思います。

あとは、稼働していないようなものがあれば、実態を見極めて適正化するということは、もちろん重要だと思います。

それからもう1つ、減免に関しては、減免で財政負担が増えているわけですが、減免してしまうと、逆に固定価格買取制度の問題点というのが国民にはあまり伝わらないまま税の中に溶け込んでしまうので、減免の部分に関しては、やはり賦課金の中で調整するということと、企業が一律的に減免されるのではなくて、企業の限界削減費用といいますか、モラルハザードが起きないように、努力に応じて減免するなど、削減努力を促すような、法律的なインセンティブを持たせるような形での減免制度、メリハリをつけていくということも1つかなと思います。

以上です。意見です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

遠藤委員。

〔 遠藤委員 〕 ありがとうございます。先程委員の皆様から出ている買取制度の出口設計については、今、多分、エネ庁、経産省を中心に設定されていて、減らす方向に向かっているということなので、そこに対してはそれを支持するということ以外にはありませんが、減免制度について1つ留意点を申し上げたいなと思うのですが、今、減免制度の財源については、エネルギー特別会計の中の、この高度化予算のほうから出ていると理解をしています。それで、いわゆるこの高度化法と賦課金の親和性というのは、大目的からすると非常に合っているのではないかなと思っております。

それで、もし8割の減免措置が、このまま企業に対して減免したまま、この財源を電気料金のほうに振り向けた場合、主に負担するのは家庭になってしまう点が1つの留意点になると思います。ちゃんとこの減免措置もメスを入れて、全体として減らしていきましょうということであればいいのですが、このまま家庭のほうに徴収をしていくということになると、ドイツのFIT制度も、法人のほうは非常に賦課金が軽いですが、家庭のほうの負担が重くなってきている、国民の負担を増やしてしまうという点が、非常に留意すべき点ではないかなと思います。その点に注意して再設計がされていくべきだと思います。

何しろ電気料金が、家庭のものが上がっていくということに対して、非常に個人は鈍感ですので、そのあたりをきちんと開示していただいて、国民的な議論にしていただければと存じます。

ありがとうございます。

〔 吉川分科会長 〕 では、主計官どうぞ。

〔 冨安主計官 〕 ただいまの点につきまして、賦課金の減免措置制度そのものにつきましても、先程申しましたように8割というのは高率過ぎるのではないか、様々なインセンティブが組み込まれていないという問題点があるのではないかという点についてもちゃんと適正化、合理化した上での話だと思っております。

〔 吉川分科会長 〕 では、最後に黒川委員、中空委員、よろしいですか。

〔 黒川委員 〕 ありがとうございます。私は、地球環境問題に対する我々の努力という点から、2点程意見を申し上げたいのです。地球全体の経済発展というものを少し遅くするということも大変であるし、また人口増加問題も、これをこれから先、抑制するというようなことも、かなり困難ということであります。そうすると、この地球全体の環境問題を解決するには、1つは技術開発をどれだけ進めるかに依存する、あるいは期待する部分が非常に大きい。それからもう1つは、1人1人のエネルギーを少しでも削減しようという意識、省力化努力を進めないと、なかなかこれは無理だと思っています。この2つが大儀であります。

この2つに対してどのくらい我々が努力するかということですが、そこで具体的に固定価格買取制度の見直しの問題です。そこで提案ですが、発電業者が設備をいよいよ導入する、設置するというときに、技術的に見てトップランナーの装置、要するに稼働期間中全体を通して最もエネルギー効率がいいとその時点で判断される装置、しかも廃棄するときの環境負荷が最も小さいというトップランナーの装置を導入すべきだというような技術的、質的条件をFITの制度に今、組み込んでいるのか。あるいは組み込んでいなければ、経済産業省で検討していただき、そういう技術的、質的条件を組み込めないかということを提案したい。

それから、2番目は賦課金のことです。ずっと私が見てきていえることは、なかなか補助金制度で省エネや再エネのものが普及してはこなかった。従って、これは去年も言いましたが、このFIT制度というのは、最後のかなり強力な制度であります。従って、この制度によって全ての我々国民、それから企業も、賦課金が高くなって、電力料金が高くなる。これ、みんな反対していますが、しかし、先程言いましたように地球環境という問題からすると、この賦課金というものは、安くしてくださいと言うことも大事かもしれませんが、そのときの最高の省力化努力というものの意識に対して働きかけをしなくければいけないという点からすると、ある程度価格が高くなったほうが、そういう意識が出てくるのではないかと私は思っています。

以上であります。

〔 吉川分科会長 〕 では、中空委員。

〔 中空委員 〕 ありがとうございます。もうあらかた議論も出尽くしたと思いますし、固定価格買取制度等については、もう言わないようにしたいと思います。

1点だけですが、このトップランナー制度というのがどうも私は懐疑的に思っていて、私はクレジットアナリストというのをやっていて、企業の経営をいつも見ているのですが、昨今の電気機械メーカーが非常に悪くなっている理由は、半年先の需要を見誤っているということに起因するのですね。なのに、3年から10年程度先に設定される何かを見極めましょうと言っても、基本、絶対無理なのではないか、と感じられる次第です。

なので、それを何かわざわざ言うことによって、やっぱり国がやることは民間とずれているというようなことをわざわざ主張しているように見えなくもありません。私はここに違和感を覚えました。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 では、第1のテーマ、エネルギーは以上としまして、続けて第2のテーマ、中小企業関係についても、皆様方からご意見、ご質問をいただきたいと思います。よろしくお願いします。いかがでしょうか。

田近委員。

〔 田近委員 〕 中小企業の信用補完制度について、意見と若干質問です。やはりリーマン・ショックや資料の図を見ていると、98年のアジア危機や経済ショックが大きいときに貸し渋り等があって、中小企業が資金繰りに困ると。そういう意味で、信用補完制度というのは、必要なものだし、それなりの機能を果たしてきたと私は思います。

ただ、そういう状況の時に制度の改革を議論してもしようがないので、平時である今こそこの改革をすべきで、だからこそ閣議決定もされたと思います。

それで、質問は、今日非常に苦労されて、要するに100%保証をすると、ある意味で、貸すほう、借りるほうのモラルハザードが働いているかもしれないということで、最低エビデンス的なことをお示しになりましたが、例えば57ページで、非常にこれはおもしろいと思って、横軸に保証残高に占める100%保証、つまり100%保証が増えてくると、ある意味で事故率がどのくらい上がりますかと。従って、これは右上がりになるのは分かるのですが、興味深いのは、同じ、だから例えば60%程度の保証率でも、このばらつきがどこから来るのかなと。

実はここのそれぞれの点に金融機関の名前がついているわけですよね。そこまで示してくださいとは言いませんが、もう1つ読み取るとしたら一体何だろうということで、それは質問ですが、全体としてはやはり、ぜひ現在のような平時にこれを見直すべきだと思います。

平時においては、ある程度企業が新陳代謝していくのがむしろ大切なわけで、特に100%の信用保証を改革していくことは、私は財審としても重要な事項だと思います。

〔 吉川分科会長 〕 どうも。ご質問というよりは、問題提起みたいな感じでよろしいですね。

〔 田近委員 〕 もしできれば、さっきの読み方。

〔 吉川分科会長 〕 主計官、簡潔に。

〔 冨安主計官 〕 大変難しいご質問をいただいたと思います。様々な見方があろうかと思いますが、例えば50%のところをご覧いただきますと、金融機関によりましては、同じようなリスクを抱えているわけですが、代弁率が低いところ、それから高いところということで、かなり金融機関によってばらつきがあるということが1つ。

それから、やはり今、田近先生がおっしゃいましたように、どちらかというと右斜め上45度線上に何となく集まっているという感じもいたしますので、やはり100%保証が入っている割合が高くなってきますと、事故に至る確率が高くなってくるということと、もちろん、リスクをとっているから事故率が高くなっているというような一方からの分析があるかもしれませんし、様々な見方ができますが、私どもとしては、やはりある程度金融機関が、100%保証の割合が高くなってまいりますと、そういう意味では若干、言葉はあれですけど、が目利きをあまり発揮しない傾向が強くなってくるのかなと思っているところでございます。

〔 吉川分科会長 〕 はい、どうも。

では、伊藤委員、冨山委員。

〔 伊藤委員 〕 ありがとうございます。中小企業につきましては、資料にありますとおり、三大都市圏を除いても中小企業の数は非常に多いわけですね。41ページを見れば明らかなとおりでございまして、従って、総論的に申し上げると、地方創生のための中小企業の活性化というのは不可欠である。「骨太の方針2015」というか、政府においても、中小企業の生産性向上のための設備投資が必要であると言っておるわけでして、資金調達は中小企業にとって大きな経営課題となっているというのは申し上げるまでもないことでございます。

信用補完制度というのは、中小企業の資金調達を下支えする機能を持っておるわけでございますので、信用保証制度見直しによる中小企業、あるいは小規模事業者の成長に向けた資金調達に影響が出ないようにするという視点が必要だと考えております。

これもこの資料に書かれておりますが、信用保証制度のあり方について検討する場合は、中小企業の経営環境等に配慮して、これまで以上にセーフティーネット機能に万全を期すということと、新事業創出、あるいは中小企業の場合も海外進出というのはありますので、そういう際のリスクを伴う分野への成長マネーの供給を促進するという観点から、先程のアンケート結果に関連するわけですが、金融機関が目利き力を十分に発揮した取組を促進するような措置を講じていただきたい。

商工会議所も相談窓口を設けて様々な取組をやっていますが、大手の金融機関、地銀、それから信金みたいなところがあるわけで、それぞれ対応の仕方が違いますし、中小企業に対する金融機関のあり方もやはり考えていく必要があるのではないかということで、これは意見でございます。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 はい。では、冨山委員。

〔 冨山委員 〕 ありがとうございます。中小企業問題って結構、建前と本音が遊離する領域なので、私は自分の体験を踏まえて、わりと本音モードで話をします。

10年前、ちょうど産業再生機構時代に、結構中小企業の再建に関わりました。典型的には鬼怒川、日光の旅館が多かったのですが、信用保証を使っているケースも少なくなかったです。

正直申し上げて、当時の印象としては、やはりこの制度は、使い方によるのでしょうが、極めて多くの場合、長期的に極めて不幸を再生産する仕組みだと私は感じました。というのは、現実的にその多くが赤字補塡に使われてしまっているのですね。特に100%保証はそういうケースが多くて、要は成長のための資金繰り支援というよりは、実質的に赤字の不足分を結局こういう形で借りて、何とか延命しているというケースが少なくなかったです。

加えて、個人保証が入っているものですから、これは最終的に税金が担保になっているので、保証協会は保証協会で簡単に債権放棄に応じられないんですよ。それで、結局、個人連帯保証に履行しないとだめですよということになるので、それを避けようとゾンビが延命している。その中で会社はブラックになる。従業員は極めて厳しい状況で働かされる。最後に会社が破綻しますと、個人、大体こういうケースは一族郎党みんな連帯保証に入ってしまっているものですから、下手をすると、お嫁に行っているお姉さんまで連帯保証、徴求されるようなケースが結構ありました。

それで、これはあまりにも酷なので、我々としては必死になって保証協会とも交渉して、そこまで徴求しないような方法を講じました。実はそれが今の金融庁の例のガイドラインにつながっているのですが、要は、このポイントは、本当に力がある、あるいは潜在力のある中小企業を、今、伊藤委員が言われたように、応援していくという方向で使われていくならいいのですが、やはり現実の世界においては、残念ながら赤字補塡に使われてしまっているケースが少なくないです。少なくとも過去はそうでした。

やはり今、残高として、そういうのがかなり残っていると思います。ですから、少なくとも100%というのはやはりやめたほうがいいし、人間は弱い生き物ですから、100%保証されるとなると、物を考えなくなります。

私自身もかつて、いわゆる中小企業の経営者でしたから、個人連帯保証で4億円程借りていて、これ、会社が潰れるな、自分は自己破産だなと思った時期もありました。ですが、これまたおもしろいもので、個人連帯保証で金を借りると、自分の財産の範囲までは真面目に考えるんですよ。ところがそれを超えると、5億円借りようが、10億円借りようが、はっきり言って全然関係ないですよ。どうせゼロだから。いや、人間のリアリティーはこういうものです。何が言いたいかというと、やはり企業も現実の生き物です。やっているのも人間です。

先程、田近委員も言われたように、現状、今、日本の課題は、この43ページ目で言うと、要は1人当たり付加価値をどう伸ばせるかということがものすごく大事で、これがまさに中小企業において最も求められている課題ですね。大体これ掛ける労働分配率が賃金ですから、そうすると、残念ながら大企業の今、半分程度しか賃金を払えていない状況の会社が少なくないです。

そうすると、これをどう上げていくかというと、やはり大事なことは、中小企業の中でも当然力のある会社があります。あるいは潜在力のある会社があります。彼らを本当に応援するために、この信用補完制度が役に立っているかどうかということの検証であり、そういう制度にしていくべきで、裏返して言ってしまうと、その潜在力のない会社には早目に引いてもらったほうがいいです。はっきり言って今、やはり高い賃金を払ってくれる中小企業をつくっていくことが本当の課題であって、数だけ中小企業がいっぱいあったってしようがないんですよ。

今、もう明らかに中小企業の社会的な役割は変わっていて、10年前ははっきり言って、私もああいうゾンビ支援をやらざるを得ない状況を感じました。というのは人手が余っていましたから、やはり生産性の低い会社のほうが頭数の労働吸収力はあったので、あのような対象をかなりの税金で支えても、中小企業の役割は社会的にも非常に大きかった。だから、社会政策として意義があったと思いますが、現状はもう完全に状況は変わっていて、生産年齢人口がもうこれだけ減っていますから、もう国は20年、30年、ずっと人手不足です。

だとすると、やはり一番大事なことは、この43ページの今500万円台の1人当たり付加価値を、どうすれば600万円台にできるかということが真の課題であるということです。中小企業政策は明らかに、社会政策からむしろ産業政策に転換しなければいけない時期ですから、この信用保証制度というのはその1つの象徴だと思います。ですから、もともとこの信用保証制度、私の理解では、戦争直後にまだ市中銀行に十分な資金がなかった時代に、成長資金を補完するための制度だったはずなのですよ。そういう意味で言うと、ある意味でこれ、原点回帰をもう一度やるべき時期だと思いますので、そういう視点から、ぜひここで書いてあることを断行してもらいたいなと思っております。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。今おっしゃったようなことが、実は改正後の中小企業基本法の理念でもあるんだろうと理解していますが、さて、岡本委員、黒川委員、増田委員、武田委員の順で、少し時間が押していますので、恐縮ですが皆様方、簡潔にお願いできればと思います。

〔 岡本委員 〕 冨山委員の言われるゾンビ企業の延命ですね。これに退場せよというのは全くそのとおりだと思いますが、ただ一方で、この信用補完制度というのは何であるのか、制度がきちんと運用されればどうなるのかということを思考する必要があるのではないかなと私は思っております。

そういった意味で、この59ページに書いてある、やはりこの制度への過度な依存は厳に慎む、あるいは金融機関が目利きなどを発揮するようにといった、インセンティブやモラルハザードというのには全くそのとおりだと思うので、これについては今後もきっちり見ていかないといかん。あるいは平時であるのだから、臨時のときとは違うと、これもよく分かります。

ただ、実は、金融機関、信用金庫も含めて目利きがなかなか働かないと。それは働けばいいのだが、なかなか働かないというのが現実にあるわけであって、そういうときにこの100%や80%などがあれば、そういうものをある程度頼りにして、良好と思われる企業について融資をするというようなことがあるので、これをどんどん負担率を高めていくと、やはり金融機関はなかなか貸し出しすることができないと。そうすると、その中小企業は資金繰りが悪くなるということもあるわけなので、私の言いたいのは、だから、今のままにしておけということではありませんが、そのようなことをやることによって、どの程度財政的な改善効果があるのかということと、もう一方では、金融機関が貸し渋っていく場合、ゾンビだけに貸し渋るのならばいいですが、そうでない場合も含めて、どのようにこの制度自体の圧縮を考えるのかと。この圧縮によるマイナスと、財政による改善効果をある程度比較考量して、それで物事を判断していくというのも重要だと思いますので、そういう目でこの制度について考えていただきたいなと、こんなふうに思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、黒川委員。

〔 黒川委員 〕 ありがとうございます。信用保証協会については、20年程前に委託研究を受けて、貸し倒れを少なくするような倒産予測モデルのようなものはできないかということを考えたことがあるのですが、そのときに私が学んだことは、与信担当者、与信の現場にいる方々の社会性の重視、ソニーあたりが例としてよく出てくるのですが、ソニーは銀行だけだとお金を貸さなかったのが、信用保証協会があったためにお金を借りることができて、大きな会社になったという典型的事例です。そういうお金を貸すということに対して、公共的な、あるいは社会的な意義を見出すのか、あるいは効率性を重視して、先程からここでの議論でよく言われている、一言で言えばゾンビ企業にはお金を貸さないというような、どちらの軸に重点を置くかということで、お金を貸す量が変わってくる。

先程の57ページのグラフを見て、金融機関ごとに結構上と下とばらついている。田近先生からご質問がありましたが、今言ったような悪意ではないことを仮定すれば、そういう金融機関、あるいは現場の意識で、社会性が強いのか、あるいは効率性が強いのかという理由でばらつくのかなと思います。

ただし、100%保証の場合に、金融機関はどのような損失をこうむるのか疑問に思うんです。私が言いたいのは、貸付利率をどの程度に金融機関はしているかという問題です。一般的には元利の回収不能による期待損失、経費――経費というのは銀行員の給料なども含めたもの、それから適正利潤というものを考えた上で、それらに見合う貸付利率を考えるわけですが、100%保証の場合には、元利回収不能による期待損失がないとすると、金融機関自体がどの程度100%保証の貸付に利率をつけているのかというのを私は知りたい。貸付利率が高ければ、金融機関はお金を貸せば貸すだけ、利益が多く得られることになる。そういった感もしないではないので、そこに私は注目したいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、増田委員、武田委員の順番で最後にお願いします。

〔 増田委員 〕 先程の冨山委員の非常にリアリティーのある話、非常に説得力があったと思います。信用保証制度は、非常時モードにどういう制度にするかということと、それから、平常時はどうあるべきかということをきちんと考える必要があって、今は平常時のモードにきちんと戻す、平常時のあり方に沿った制度にするということが一番大事なことだろうと思います。

地方創生ということが言われるわけであります。これは全てがというわけではないですが、先程冨山委員もいみじくも指摘されたように、これまで地方で仕事の場がなくて人手が余っているという状況が、デフレの初期の頃相当続いていたものですから、私も、ある程度リストラといいますか、処遇を低下させたり何なり、いわゆる企業の性格で言えばゾンビ的なやり方によって対応するということも、それなりに意味あるかなと思った時期もありますが、今は、完全に人手不足でありますし、むしろ今こそ中小企業の生産性を向上させて、本当に地域で育てていくべきところを育てていく、逆に言うと、非常にいいチャンスですから、私は金融機関は目利きや経営支援機能というのをきちんと持って、それで対応していくべきときと思います。

地域の金融機関は数も多過ぎるし、そういうきちんとした機能を持ったところが、その地域の企業を本当に生き返らせる仕事ができるだろうと思いますので、私はこの59ページ、全体として、この方向に賛成ですし、そういう観点で大いに見直しをしていただきたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 じゃあ、最後に武田委員。

〔 武田委員 〕 ありがとうございます。既に皆様と議論が重なるところもございますので、手短に申し上げますが、私も59ページに書かれているような信用補完制度の見直しに向けた動きは必要ではないかと思います。これは、必ずしも財政負担の観点にとどまらず、本日、皆様からご意見がございましたマクロ経済の観点からも必要ではないかと思います。

第1点目は、先程から出ている危機時のモードから平時のモードへの切替えの視点です。危機時は流動性が急に蒸発してしまうことがございますので、そういった時には確かに必要な措置だったと思いますが、今は状況がかなり異なるということがございます。

2点目は、金融機関の目利き力の視点でございますが、制度、法を変えることによって、金融機関の目利き力がむしろ促進される部分もあるのではないかと私は考えます。

3点目といたしまして、中小企業にとっても非常にチャンスでもあると思います。金融機関の目利き力との相乗効果によって、新しい事業に取り組んで生産性を高め、それが地方における実質賃金の上昇とも相まっていくということが、人手不足になった今こそ取り組むべき方向性ではないかと思います。従って、マクロ経済の観点から考えましても、これらの措置によって新陳代謝を高め、生産性向上につなげていけるのではないかと考えます。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

それでは、以上で総論、各論についての審議を終わります。

これまでの審議において、若干宿題をいただいておりますので、事務局よりギリシャ関係、農林関係、文教関係、及びODA関係の順で説明していただきたいと思います。

まずは、ギリシャ情勢のフォローアップについて、中山調査課長、お願いします。

〔 中山調査課長 〕 調査課長の中山でございます。8月5日の財審で、ギリシャの今年に入ってからの状況についてご報告させていただきまして、その後の状況についてもフォローアップするようご指示いただいておりましたので、今回、ご報告させていただきます。

まず、8月5日の資料の概要をご説明いたします。2ページをご覧ください。左側をご覧いただきますと、1月27日にギリシャで総選挙が行われまして、緊縮財政路線の転換、いわゆる緊縮財路線に反対を掲げるチプラス政権が発足いたしました。その後、6月末までを1つの期限といたしまして、EUと支援内容について調整が進められましたが合意に至らず、そうした中で突如、6月27日でございますが、チプラス首相が、国民投票の実施を発表し、一方、これに反発する形でユーロ圏財務相会合は支援の延長を行わないという決定をし、大いに混乱を来しました。7月5日には国民投票の結果、反対票が上回るという結果に至りまして、右下にありますように、国際金利の水準は19.2%まではね上がったという混乱を来した状況でございました。

3ページに行っていただきまして、結果的には、7月9日に新政府はEU側の条件を基本的に受け入れる形で協議開始に合意しておりまして、その後、8月にかけて第3次金融支援について協議が行われました。

ここまでご報告させていただいた内容でして、次の4ページからが新しい資料になります。8月14日、ユーロ圏財務相会合で、第3次ギリシャ支援プログラムについて合意されております。内容を囲んだところでご説明いたしますと、改革の条件といたしまして、足元2015年、マイナス0.25%のPB水準を、2018年にかけて3.5%まで改善させることとし、これに向けて財政健全化措置として軍事費の削減、金融セクターの改革、民営化プログラムの実施、その他の年金改革等構造改革の実施をコミットしてございます。

この改革条件を受けまして、支援内容は右側でございますが、3年間で最大860億ユーロの支援を行うことで合意しておりまして、これを改革の進捗に合わせて3回に分けて実施されることとされております。

8月20日には、この合意を受けまして、チプラス首相は信を問うためということで、改めて解散総選挙に臨みまして、結果、信任を受けたわけですが、同時に、国民の負担を軽減すべく債権者団と交渉するとも明言しております。

これを受けまして、10月に入りまして、改革内容を実行するための法案が一部成立しております。脱税の罰則強化、年金改革等の法案が成立しておりますし、10月31日には金融機関の資産査定、ストレステストの結果が公表されております。現在、引き続き第1次レビューということで、改革の進捗状況について協議が進められておりまして、昨日もユーロ圏財務相会議が開かれておりますが、昨日の時点では追加的な資金供給については見送りを行っておりまして、引き続き進捗状況をフォローアップすることとされてございます。

今後の見通し、5ページに整理してございます。大きく論点が2つありまして、1つは改革の細部、詳細につきまして、ギリシャ政府と債権者団との協議が難航する可能性が指摘されてございます。もう1点は、第3次プログラムではIMFがその融資には加わっておりませんので、こういった中で、EU側はIMFの参加を要請しているものの、IMF側はギリシャの債務残高水準が持続不可能であるという点に懸念を示しております。一番下に、IMFの見通しがございますが、2016年にかけて200%を超える水準まで至るという見通しを立てており、EU側が債務救済自体にコミットすべきとの立場でありまして、意見の一致を見ていないという状況にございます。

こうしたギリシャの経済の低迷、財政再建をめぐる政治的混乱の状況を受けて、巷間、ギリシャは財政再建をしたので経済が低迷したといったご指摘や、あるいはそれを受けて、日本も財政再建するとギリシャになるといった、少し極端な議論まで見られるところでして、ここで、ギリシャの財政について、幾つかの視点から検証してみたところでございます。

まず7ページでございます。先般、末澤委員からもご指摘ありました、少し長いタームでギリシャの財政状況を検証したらどうかということで整理いたしました。これをご覧いただきますと、一般政府歳出の水準ですが、2001年、これはユーロ加盟時点の下から2段目でございますが、これと2009年、欧州債務危機の時期の水準の歳出水準をご覧いただきますと、歳出規模が名目で約2倍になっております。GDP比でも、10%ポイント、歳出規模が拡大しているという状況にございます。

こうした状況の中で欧州債務危機が発生するわけですが、一番上のGDP成長率の状況をご覧いただきますと、リーマン・ショックを受けてマイナス成長に転じておりまして、欧州債務危機で大きくマイナス4.4%まで落ち込みました。こうした状況の中で、金融支援を得るために、ある意味、国際的に歳出削減が求められたという状況があったかと思います。ご覧いただきますと、2010年に入って、実額でマイナス、PB水準でも5%ポイントの大幅な超緊縮財政が短期間で求められたということが、このマイナス成長に拍車をかける形で経済の混乱をもたらしたのではないかと考えます。こういった点を踏まえますと、日本とは状況が大きく異なる面は指摘できるのではないかと考えてございます。

もう1つの点、GIIPS各国の状況を整理いたしました。これは8ページでございます。これをご覧いただきますと、欧州債務危機から6年経過しておりまして、各国の状況に大きく違いが出てきております。ギリシャは先程ご説明いたしましたように、第1次支援から第3次支援に至っているという状況で、混乱がまだ続いている状況でございますが、ポルトガル、アイルランド、スペインは金融支援を卒業しているという状況にございまして、足元、経済・財政・金融指標とも改善の傾向を示してございます。

ここで、経済規模が比較的近接しておりますギリシャとポルトガルを比較してみました。9ページをご覧いただければと思います。歳出規模でご覧いただきますと、やはりギリシャは2009年にかけて大きく財政規模を膨らませたという点は指摘できるのではないかと思います。また、金融支援を受けた後、この対応を見ても、下から2段目にございますように、ポルトガルは財政赤字の削減目標期限を延長はいたしましたが、財政健全化プログラム自体は予定どおり実施し、予定どおり2014年6月に支援を終了しているという状況でございまして、足元の経済状況も好転をしているという状況にございます。

これをグラフで推移を見ているのが10ページでございます。まず、経済指標の推移でございますが、2015年から2016年の推移をご覧いただきますと、緑のポルトガルはプラス成長に転じる一方で、ギリシャは引き続き低迷を続けると予測されております。国債金利の状況を見ても、ギリシャは引き続き、金利水準が他のユーロ諸国と比べて高い水準が続いているということかと思います。

11ページは財政指標でございますが、2014年から2015年にかけてポルトガルは改善を示している一方で、ギリシャは収支の悪化傾向は続いてございますし、右側、債務残高の水準でございますが、ギリシャは200%に向けて大きく伸びている一方で、ポルトガルは対GDP比で低下局面に入ってきているという状況かと思います。

ここでもう1点注目いたしましたのは、リーマン・ショック前の対応でございまして、左側、財政収支のグラフの、リーマン・ショック前の黒い点線の丸をご覧いただければと思います。実は2005年までは、ポルトガル、ギリシャとも、財政収支はほぼ同じトレンドをたどっておりましたが、2005年から2006年にかけて、ポルトガルは大幅に改善を図った一方で、ギリシャは悪化しておりました。これが危機時の発射台に大きな差をもたらしていると見ることができるかと思います。

ここの時点でのギリシャ、ポルトガルの財政対応を整理したのが12ページでございます。ギリシャ、ポルトガルとも、2004年、2005年当時、欧州委員会から過剰財政赤字の解消の勧告が出ております。ギリシャは、安定化プログラムを策定いたしましたが、実績から言いますと、この期間、成長は高成長を維持していた中で、財政収支は悪化の一途をたどっております。他方、ポルトガルをご覧いただきますと、2005年の勧告を受けまして、財政健全化を進捗させておりまして、2006年には財政収支を3%以内とするという目標を達成していたという状況があるかと思います。

13ページ、こうしたギリシャの情勢を受けて、論点を整理いたしました。1つは、経済状況が安定しているときにこそ財政健全化を着実に進めることが重要で、またこうした財政運営が、危機時の対応力を確保することにも寄与するのではないかと考えます。またもう1点、マーケットや国民の信認を確保するためには、財政健全化にしっかりコミットし、これを着実に進めていくことが重要である、という示唆があるのではないかと考えております。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

続きまして、TPPに関連して、高村主計官。

〔 高村主計官 〕 農林水産担当主計官の高村です。

前回、農林水産を議論しましたが、その際に、TPPの結果、検疫等の手続の変更はあるのかというご質問をいただきました。参考資料2で、その内容を説明しております。

1ページ目ですが、まず、通関手続の迅速化が図られるということです。第5章の税関当局、貿易円滑化のところで、(1)下線を引いていますが、迅速通関、可能な限り貨物の到着から48時間以内に引き取りを許可、(2)急送貨物、通常の状況において、必要な税関処理の提出を6時間以内に引き取りを許可と。こういった形で迅速化を図る規定が入っていると。

それから、検疫でございますが、検疫はTPP協定に衛生植物検疫措置の章が設けられております。もともと検疫措置はWTO協定においてルールが定められておりますが、今回のTPP協定では、そういった各国の検疫措置の透明性を向上させるというルールが入ったと。下線を引いていますが、「次のような規定により、我が国から農産物を輸出する際の障壁の改善が図られるものと期待される」ということで、情報提供や、懸念がある場合の協議の規定、こういったものが入っております。

そして、あともう1点、末澤委員から、TPP協定の中で、各国の補助金についての規定が設けられていないのかというご指摘をいただきましたが、TPP協定においては、補助金に関する規定はございません。

2ページ目は、WTO協定の一部をご参考までにつけております。このWTO協定の一部のSPS協定に従って、各国が検疫措置をとっているということでございます。

以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

続きまして、小中学校の統廃合につきまして、奥主計官。

〔 奥主計官 〕 参考資料3をご覧ください。10月26日に文教科学技術関係についてご審議をお願いいたしました際に頂戴したご質問、小中学校の統廃合の現状につきましてまとめました資料でございます。

1ページ目、これは制度でございます。学校教育法の規則におきまして、小学校の学級数は、そこに12学級以上18学級云々と書いてありますが、要するに1学年当たり小学校であれば2から3クラスが適正であるという法制度となっております。それから、中学校にも準用されておりまして、中学校の場合にはこれが倍となりまして、中学校は4から6クラスが適正規模であると定まっているのが制度でございます。

第4条をご覧いただきますと、さらに通学距離につきましても規定がございまして、小学校にあっては概ね4キロメートル以内、中学校にあっては概ね6キロメートル以内であることといったような縛りがかかっているというのが現行制度の状況でございます。

続きまして、2ページ目ですが、これは小学校の学校数と児童数とを推移を追ったものでございます。学校数につきましては、最近、過去30年程の間、昭和59年から平成25年までの間に約4,000校減少、すなわち統廃合が進んできてはおりますが、この間、児童生徒数のほうは530万人減少しております。左下の枠に試みに計算をして示させていただきましたが、小学校の場合、1学校当たりの児童生徒数というのは、統廃合が追いついておらず、平均児童生徒数が約70人、平成元年から25年間で減っているということでございます。つまり、学校規模を維持できていない状態になってございます。

次のページは、中学校について同じことを示させていただいたものでございます。中学校の場合は左下、1学校当たりの児童生徒数、平成元年から25年間の間に小学校よりも落ちが激しく、170人程の減少が平均値で見ても見られるということでございます。

4ページ目でありますが、これは、上が小学校、下が中学校でありまして、黄色い棒グラフが適正規模にはまっている小学校ないし中学校の数を示したものでありまして、緑の枠でそれぞれくくってありますのが、その適正規模に満たない大きさの学校の数及びその割合ということで、小学校の場合は適正規模に満たないものが46.5%、中学校につきましては過半、51.6%が適正規模に達していないというのが足元の状況でございます。

最後に5ページですが、こうした状況を受けまして、文部科学省においても、適正規模の学校を確保することで教育環境を維持したいというような思いを持っておりまして、その観点から平成27年、今年の1月に手引を策定いたしております。その手引におきましては、適正規模、適正配置について、自治体の取組を促進してほしいということとともに、具体的に、例えば先程申し上げました現在の現行制度上、小学校は4キロメートル以内、中学校は6キロメートル以内となっております通学距離に関する基準に加えまして、スクールバスなどを利用することもあるであろうから、通学時間の基準、時間のほうで概ね1時間以内ということであれば、それも可としたいというような方針を打ち出したところでございます。

これらの動きを財政面からも後押しするという観点から、27年度予算におきましては、下半分に書いてありますように、統合を行ったことによる教職員数の激変を緩和するという観点から、この統合に伴って生じる業務に対応するための教員定数の加配ということも認めております。あるいは、施設整備につきまして、補助率のかさ上げということを行っております。

それから、スクールバス、ボートなどを購入する場合に補助金を出すといったようなことで、後押しをしているところでございます。足元、なかなか児童生徒数の減少に学校の統廃合が追いついていないというのが現状だと思いますが、こうした施策の効果なども、今後注意深くウォッチしてまいりたいと考えております。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

それでは、続きましてODA関係、山崎主計官、お願いいたします。

〔 山崎主計官 〕 ご説明申し上げます。前回の当審議会におきまして、2つ宿題をいただきました。1つは、ODA以外に民間直接投資が大事だということで、ODAから民間直接投資がどの程度誘発されたのか、その効果は検証できているのかというご指摘がございました。

この点につきましては、残念ながら、そういったものを定量的に分析したものはございませんで、そこは今後ともアンテナを張ってよく見ていきたいと思っておりますが、お手元に事例を少し並べております。2ページ目でございますが、これは、アゼルバイジャンにおけます油田権益の確保事業でございます。ACG油田と、これはアゼリ・チラグ・グナシリ油田という油田につきまして、火力発電所、輸送パイプラインをつくりますとともに、油田権益の保有会社をつくるというものでございます。

JICA、JBIC、一番下の緑色の部分でございますが、円借款、黄色の部分、これは約3億ドルでございます。それから、民間金融機関と協調融資で輸出・投資金融を行いまして、それぞれその火力発電所、輸送パイプラインをつくっていくというものでございます。直接投資という観点からしますと、この油田権益保有会社に対しまして、本邦企業、商社等が出資を行っているという例でございます。

次のページでございます。同じくこれはエネルギー関係でございますが、ベトナムの電力セクターの支援でございます。フーミー発電部門でございますが、火力発電所を3号機つくると。1号機目はJICAによります円借款、6億ドルの円借款が行われまして、火力発電所2号機、3号機につきましては、JBICが内外の民間金融機関と6億ドルの協調融資を行いまして、あわせて本邦企業、これは電力会社、商社でございますが、出資を行ってございます。

次のページでございます。これは、前回の審議会でもご紹介申し上げましたが、JICAの実施可能性調査をもとにJBICが民間金融機関と協調融資を行い、ナムニアップ電力という発電会社を興していくという事業でございます。

本件は、青い部分の出資者の中に電力会社が入っておりますが、もともとこの案件は、JICAの実施可能性調査、約3億円の事業でございましたが、こういったものを端緒といたしまして、民間投資が行われた事例となってございます。こうした事例を、少し問題意識を持ってフォローしていきたいと考えてございます。

続きまして、ODAの国際比較でございます。前回の当審議会におきまして、国際比較について資料をお出ししましたところ、中国や韓国のODAの実態がどうなっているのかというご質問をいただきました。それで、1ページをおめくりいただきまして、6ページ目でございますが、実はODAというのは、OECDにDACという委員会がございまして、そちらのほうでODAの定義を決め、それから、先進国が途上国に対してどの程度の支援を行っているのかという報告をOECDのメンバーからとり、統一したデータをつくっております。従いまして、まだ中国はOECDのメンバーではございませんので、中国の数字はお示しできない状況にございます。

従いまして、お手元の資料は、一応一番下のところに韓国の数字だけが入ったものをお配りしてございます。それで、中国の援助に関しましては、口頭で恐縮でございますが、実はJICAの研究所が「Estimating china's Foreign Aid 2001−2013」という試算を昨年の6月に出してございます。口頭でご報告申し上げますと、2013年の中国のネットのODAを推計した結果、約70億ドルであるということでございます。従いまして、ご覧いただいている資料でいきますと、日本とカナダの間に挟まることになります。

それから、次のページでございます。これはグロスで見た数字でございますが、中国はグロスで見た数字もあまり変わりございませんで、約75億ドルとなってございまして、プレゼンスといたしましてはフランス、カナダの中間あたり、そのような推計もございます。

ただ、他方でこの推計は、対外的に公表されている資料など、断片的に公表されているものを集めて推計を行ったものでございますが、おそらく実態としては、様々な国営企業を通じた支援なり、援助が行われている可能性もございますので、その金額の妥当性については、今後も引き続き検証していく必要があるだろうと考えてございます。

以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

以上、いわゆる宿題返しですが、次回より建議の策定に向けた議論に入ります。その点に関しまして、皆様方から何か一般的なご意見、あるいはコメントがございましたら、どなたからでもどうぞ。

どうも失礼しました。末澤委員。

〔 末澤委員 〕 建議の件ではないですけど、ギリシャに関して。

〔 吉川分科会長 〕 そうですか。はい、どうぞ。

〔 末澤委員 〕 先程はご説明ありがとうございました。ギリシャがこういう状況になったというのは、やはりユーロの統合が一番背景にあったと思います。しかもユーロ圏においては通貨統合をやったが財政統合をしなかったと。もちろん財政指標等に規制はありましたが、ギリシャはずっと粉飾していたということで、そういった規制も届かなかった。

そういうことで、ギリシャの財政状況をユーロの統合と関連して考えますと、ユーロというのはいつ統合が決まったかというと、最終的には94年の1月に今のECBの前身でありますEMI、欧州通貨機関というのが設立されまして、95年の12月にユーロという共通通貨の名称が決まったんですね。つまり、マーケット的には多分96年頃は、これでギリシャのドラクマはユーロに変わるぞと、こういう話になったのだろうと思います。

実際、残高で見ますと、ギリシャの長期国債の残高は、94年末段階では、海外が持っていた残高というのは、わずか50億ユーロに過ぎないと。これが2009年9月、これはちょうど財政粉飾が発覚する直前ですが、ここでは2,160億ユーロということで、大体44倍に拡大しています。フローの海外投資家の長期国債の買越額というのは、95年暦年では32億ユーロでしたが、これが2009年暦年では365億ユーロと11倍になっているんですね。つまり、ユーロの導入が決まった段階で、海外投資家はどんどん買っていたと。

ただ、これは2009年9月末がピークということは、リーマン・ショックは2008年9月ですから、実はギリシャの財政破綻の直接の引き金はリーマン・ショックではないですね。リーマン・ショックはギリシャの財政問題を当然拡大させたわけですが、直接のトリガーは粉飾が明らかになったことだったと。また、それまでに海外から調達した2000億ユーロの資金を、ほとんど有意義に使えなかったと。年金の支払いやアテネ五輪のインフラ投資に使って、これはギリシャの国際競争力の強化等成長にほとんど役に立っていないと。ですから、今回、返せなくなったと。

今、3,200億ユーロが春先の政府債務の残高で、これから800億ユーロ以上また借りていくわけですが、3年後には4,000億ユーロ近い残高になり、多分、これは3年後には返せないと。同じことが起こると。

つまり何を申し上げたいかというと、やはり財政再建というのは経済がいい時にしっかりやっていくことが必要だということと、やはりマーケットの信認を失うと一挙に財政の状況が急激に悪化するという、これがギリシャの問題の1つ大きなインプリケーションではないかと考えています。

以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

では、田中委員、田近委員。

〔 田中委員 〕 ODAに関して1つコメントになるかと思います。中国の位置付けというのを今ランキングの中で説明をしていただきましたが、そもそも中国というのはOECDに入っていないし、それから、私はアフリカのほうの現場を見に行ったことがありますが、中国の援助というのは、ODAとOOFの区別がそもそも明確についていないので、何位に位置付けるというのは難しいのではないかなと思います。そういう曖昧なところが中国にはあるということを、1つコメントとして申し上げたかったということです。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 どうも。

では、田近委員。

〔 田近委員 〕 私もギリシャ、あるいはポルトガルとの比較ですが、さっき信用補完制度で、平時モードであるからこそ改革ができる、必要だと申し上げましたが、ギリシャとポルトガルを見ていると、今、末澤さんがご説明されましたが、やはり経済が成長しているときに財政拡大したツケを払っていると。それに対してポルトガルが、大変な思いしたが改善してきたと。

それから、平時ということでいうと、我々は何か、高齢化による社会保障関係費の自然増が幾らかなど議論していますが、この場で僕が印象的だったことの1つは、またこれも委員の方からのご質問もあって、ドイツはなぜ高齢化しているのに社会保障関係費が増えていかないのかと。そういうことも踏まえて、さらにお願いするのも申しわけないのですが、財政健全化の中で、平時モードでやられることは一体何かということで、各国の状況的なものがもう少しインプットされたらいいなと思います。希望みたいなことです。

〔 吉川分科会長 〕 どうも。

では、赤井委員。

〔 赤井委員 〕 私もよく似た話ですが、今まさに、もうリーマン・ショックから立ち直って平時になりつつあるということですので、地方財政でいうと、歳出特別枠や特例加算など、リーマン・ショックの後を受けて、縮小はしていますが、未だに続いているようなもの、危機モード対応の予算、今日の信用補完制度もそうですが、多分、各分野全てを見ればかなり残っているものがあると思うので、今こそ、そういうところを分野横断的に全て網羅的にチェックして、平時モードに直すということを徹底的にやる。今こそ財政再建に向けてできる限りの舵を切るというのが大事かなと思います。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 中空委員。

〔 中空委員 〕 ギリシャの話がたくさん出ていますが、まだ過去の話ではなく、今の話としてとらえたいと思います。格付についてですが、ギリシャは現在、Caa3という格付、トリプルCです。今回のご説明ではポルトガルと比較して、ポルトガルはギリシャ対比随分強くなりましたという話なのですが、まだBa1というところにいまして、特別よくなったわけではなく、むしろまだだめなわけです。ジャンク債なんですよね。そうなると、現状では、ポルトガルですらマーケットからの資金調達ができない状態です。

ですので、私が言いたいのは、1回でも信用を失うともう資金調達ができなくなってしまうというこの事実です。この事実を、財審の建議にもっと大きく入れ込むような、強いメッセージを出せればよいと思います。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 はい、ありがとうございました。

よろしいですか。では、ただいまのが締めの言葉ということで、中空さんに極めて適当な締めの言葉をいただきましたので、時間も参りました。本日の議題をこれで終了とさせていただきます。

本日欠席の大宮委員、古賀委員より意見書をご提出いただいております。これは皆様のお手元にお配りしております。

今回の秋の審議における総論・各論の議論は本日で終了となります。起草委員の皆様に建議のたたき台を作成していただき、次回以降、それについて審議を行うこととしたいと考えております。5名の起草委員の皆様は、お忙しいところ大変恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

これはもう、以下ルーティンですが、本日の会議の内容につきましては、大変恐縮ですが、私にご一任いただくことでお願いしたいと思います。

次回は、ちょっと時間がやや半端ですが、11月16日16時15分から予定しておりますので、よろしくお願いいたします。

では、閉会いたします。

午後 2時53分閉会

財務省の政策