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財政制度分科会(平成27年10月26日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録

平成27年10月26日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

平成27年10月26日(月)15:00〜17:32
第3特別会議室(本庁舎4階 中-412)

1.開会

2.社会資本整備

3.文教・科学技術

4.防衛

5.閉会

出席者

分科会長吉川 洋坂井副大臣
岡田副大臣
福田主計局長
美並次長
可部次長
茶谷次長
阪田総務課長
中山調査課長
内野給与共済課長
余島司計課長
片岡大臣官房参事官
小宮主計官
宇波主計官
奥主計官
阿久澤主計官
高村主計官
彦谷主計官
堀内主計官
冨安主計官
山崎主計官
タカ5主計官
江島主計官
廣光主計企画官
泉主計企画官
委員遠藤 典子
倉重 篤郎
黒川 行治
角   和夫
竹中 ナミ
田中 弥生
土居 丈朗
臨時委員赤井 伸郎
板垣 信幸
伊藤 一郎
井堀 利宏
老川 祥一
岡本 圀衞
葛西 敬之
加藤 久和
小林 毅
佐藤 主光
末澤 豪謙
十河 ひろ美
高原 豪久
武田 洋子
宮武 剛

午後 3時00分開会

〔 吉川分科会長 〕 それでは、ただいまから財政制度等審議財政制度分科会を開催いたします。皆様方には、ご多用中のところご出席いただきまして、まことにありがとうございます。

本日は、「社会資本整備」「文教・科学技術」及び「防衛」を議題としております。

本日は副大臣にご就任されました坂井副大臣、岡田副大臣にもご出席いただいております。新たにご就任されました副大臣から一言ずつご挨拶をいただければと思います。よろしくお願いいたします。

〔 坂井副大臣 〕 このたび財務副大臣を拝命いたしました坂井でございます。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

吉川会長をはじめ委員の皆様方におかれましては、平素から国の財政、予算のあり方について貴重なご意見を賜りまして心から感謝を申し上げたいと思います。

平成28年度予算は、ご承知のように、「経済・財政再生計画」の初年度の予算でございます。基礎的財政収支の黒字化目標に向けた第一ステップといたしまして、歳出全般について、合理化、効率化、重点化を図っていく必要があろうかと思います。委員の皆様におかれましては、大変ご見識の広いところから様々なご発言をいただきまして、忌憚のないご意見でお助けいただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。どうもありがとうございました。

〔 吉川分科会長 〕 続きまして、岡田副大臣お願いします。

〔 岡田副大臣 〕 同じく財務副大臣に就任をいたしました、私は岡田直樹と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。

この審議会の担当は、ただいまご挨拶をされた坂井副大臣ですが、私も先生方から様々なご教示をいただく機会が多いと思いますので、平成28年度予算のベースとなるようなご意見、またご議論をいただきまして、いい予算が組めますように、何卒先生方の特段のご尽力をお願い申し上げまして、はなはだ簡単ではございますが、一言ご挨拶させていただきます。何卒よろしくお願い申し上げます。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

それでは、ここでは報道の方々は退出をお願いいたします。

(報道カメラ 退室)

〔 吉川分科会長 〕 審議に入ります。

まず、「社会資本整備」について審議を行います。

それでは、彦谷主計官よりご説明をお願いいたします。

〔 彦谷主計官 〕 国土交通・公共事業総括担当主計官の彦谷でございます。よろしくお願いいたします。

お手元にございます資料1に沿ってご説明させていただきたいと思います。

まず1ページ、目次です。1番目に社会資本整備の課題について、2番目に歳出改革に向けた取組について、3番目に公共事業関係費の方向性、金額、総額の問題についてお話をさせていただきたいと思います。

まず、1番目の社会資本整備の課題についてですが、3ページをご覧いただきたいと思います。今年6月の財審の建議を示しております。基本的にこちらの建議にいただきました内容、方向性に基づいて今日のご説明もさせていただきたいと思います。

4ページです。公共事業について、新規整備の進展状況を示しております。下のグラフの左をご覧いただきますと、高速道路の整備延長についてですが、この20年間で約7割延伸しております。また、右側にありますように、比較的遅れていた社会資本整備であります下水道、汚水処理ですが、平成7年頃には61%でしたが、現在は9割近い水準ということで30%程普及率が高まっております。我が国の社会資本整備の水準ですが、近年の名目GDPや人口の伸びをはるかに上回るペースで向上してきたということが分かるかと思います。

5ページです。今後、我が国は本格的な人口減少期を迎え、特に生産年齢の人口は全体の人口よりも急激に減少すると見込まれております。このような中では、新規投資をこれまで以上に厳選するとともに、老朽化が進む既存の社会資本の維持管理、更新をいかに効率的に行っていくかということが課題になろうかと思います。

6ページです。既存の社会資本が整備された時期についてお示ししております。グラフが4つありますが、左上を見ていただきますと、道路(橋梁)の建設年度でございます。道路は比較的早くから整備が進み、60年代、70年代に相当の数の道路橋梁が建設されております。基本的に建設時においては耐用年数50年を想定して建設されてきたものであり、今後このような膨大な社会資本の老朽化が進み、維持管理・更新費用が増加してくるということが大きな課題になると考えております。

7ページをご覧いただきますと、これは国土交通省の試算でございますが、社会資本の維持管理・更新費用の見通しをお示ししております。10年後、20年後には現在の約1.3倍から1.5倍程度にまで増加するとの試算が示されております。

8ページにお示ししておりますのは、今後、増大する更新費用をどのように抑制していくかということです。1つは、左側にありますように、予防保全によるコストの圧縮が必要になろうかと思います。想定されている耐用年数を超えた社会インフラであっても、点検をよく行い、かつ細かな整備を行うことによって、いかに寿命を長くしていくかということが大きな問題になろうかと思います。

また、右側に書いてありますのは、人口減少等を踏まえた集約化を行うということです。ここに例示してありますのは長野県の例ですが、公共下水道と農業集落排水の施設管区が隣接しているようなところにおいては、施設の更新期が来たから両方更新するということではなく、集約を行うといった取組が必要になろうかと考えております。

9ページです。現在、長寿命化につきましては、計画を地方公共団体が作成することになっております。2016年度に向けて長寿命化計画を、それからまた河川・道路・学校などの個別のインフラごとの計画を2020年度までに作成することが決まっております。こうした取組を着実に進め、国も継続してフォローする必要があると考えております。

10ページからは施設の集約の関係でございます。本年8月に閣議決定された国土形成計画がございます。その中には、真ん中の点線に囲まれた部分ですが、人口減少過程においては、地域の構造を見直し、各種サービス機能を一定の地域にコンパクトに集約することが必要である。それからまた、コンパクトにまとまった地域と居住地域とをネットワークでつなげるといったことが重要になるという考え方が示されております。こうした集約化を進めることは、公共投資だけでなく、それ以外の分野における財政支出の効率化にも資するものであると考えております。

11ページでご紹介しておりますのは、このような都市機能の集約、コンパクト化を進めるためのツールとしまして、昨年できました立地適正化計画というものでございます。市町村が計画を策定した場合に、容積率のかさ上げなど、各種の支援が行われることとされており、現在198の市町において、こうした計画の策定に向けた取組が行われているところでございます。

12ページにご紹介しておりますのは、既に行われております各市町村の取組です。例えば、真ん中にあります富山市におきましては、LRT、Light rail transitを活用して中心市街地の活性化を図るという取組が進められているところでございます。

13ページ、14ページです。人口減少の時代にあっても事前防災・減災対策の取組は引き続き進めていく必要があると考えております。しかしながら、14ページにありますように、ハード対策で全てに対応することは巨額なコストがかかるだけでなく、整備に長い時間を要し現実的ではないと考えております。避難体制の確立や土地利用規制などのソフト対策も重視して進めていく必要があるのではないかと考えております。

15ページは、今、申し上げました課題についてまとめたものでございます。

続いて、2番目の歳出改革の取組でございます。17ページをご覧いただきますと、今年6月の「骨太の方針2015」です。公的サービスの産業化、インセンティブ改革、公共サービスのイノベーションといった点に取り組むとともに、選択と集中の下、重点化した取組を進めることが記されているところでございます。

18ページです。まず、重点化に関してですが、直轄事業等の公共事業につきましては、事業評価が平成10年度以降、順次導入され、これまで充実が図られてきているところでございます。

しかしながら、19ページにありますように、新規事業採択時のB/C、いわゆる費用便益分析につきましては、趨勢としては横ばいないし低下傾向になっております。B/Cの高い、効果の高い事業を優先的に行うことからB/Cが下がってくること自体は正しい方向性ですが、このようにB/Cが下がってくるような状況を踏まえますと、新規整備に当たって真に必要なストックの選択が一層重要になっているという観点からきちんと検証していく必要があるのではないかと考えております。

20ページ以降ですが、公共事業関係費は、今、6兆円ほどですが、そのうち約2兆円程は地方向けの補助金でございます。かつては個別補助という形でやっておりましたが、今は地方公共団体にとって自由度が高く、創意工夫を生かすことができるという形で総合的な交付金となっております。地方公共団体は整備計画を作成し成果目標を立てることとなっておりますが、個別の交付決定に当たっては、費用便益分析などの事業評価は要件とされていないところでございます。

21ページにありますように、交付金の創設前には、個別補助金の時代ですが、これらの事業については事業の重点化という観点から事業評価が要件とされていたところでございます。真に必要な事業の重点化を進めるという観点からは、一定の線引きを行った上で事業評価を要件化すべきではないかと考えております。

22ページにお示ししておりますのは、これは地方公共団体が行うものですが、交付金の整備計画の目標設定をお示ししております。一部の地方自治体においては不適切な目標や評価指標が見受けられ、PDCAの徹底を図るという観点からも一定の指針などを検討する必要があるのではないかと考えております。

23ページです。今、申し上げた交付金の地方からの要望額と実際の配分額の推移を示しております。地方公共団体からの要望額は年々増加傾向にあります。25年度から27年度の2年間に約35%要望が増加しているということで、その結果、実際に配分される交付率は78%から59%にまで下がってきております。我々としては、効果の薄い事業内容が新たに追加されたり、消化できる金額以上の要望が行われているのではないかという懸念をしているところでございます。

また、24ページですが、実際の執行額を見てみますと、契約しない状態での繰越や不用が高い都道府県が見られるところでございます。地方からの要望や国からの配分につきまして、このようなばらつきを反映させる必要があると考えております。

25ページ、26ページはPFIの関係です。財政効率化のためにもPFIを最大限活用することが求められている一方で、足元の事業の増加額は過去と比較して鈍化してきているところでございます。

26ページの左側にお示ししているように、多くの自治体ではノウハウがない、それから、必要性を感じていないといった理由でPFIを推進する予定がないとお答えしているところでございます。地域プラットフォーム等の新たな推進体制を通じて自治体が取り組む意欲を高め、案件の掘り起こしを進めるべきではないか、また、その際、真に財政効率化に資する事業に優先的に取り組んでいくことができるよう、国による支援もそうした事業に重点化していくべきではないかと考えているところです。

27ページですが、今、申し上げました歳出改革についての取組をまとめているところでございます。

3番目、最後の公共事業関係費の方向性です。29ページ、6月の財審の建議です。基本的な考え方としては、第1パラグラフの一番最後にありますように、引き続き総額の抑制に努める必要があるとされているところでございます。

30ページにお示ししておりますが、27年度の公共事業関係費は約6兆円ということで、当初予算としてのピーク9.8兆円でした平成9年度と比較して約4割程度低い水準となっているところでございます。赤い線で示しているところは補正予算です。

これを国際比較したものが31ページです。一般政府の総固定資本形成の対GDP比です。かつては6%と、諸外国と比べて倍ぐらい高い水準でしたが、近年では大体3%前後ということで、フランス等と同じ水準となってきているところでございます。

32ページ以降、供給面の状況をお示ししております。建設業の就業者数はピーク時から約3割減少しております。また、実際の就業者の年齢を見てみますと、真ん中のグラフにありますように、55歳以上人口が全産業と比較してもかなり高く、かつ、29歳以下の人が極めて少ないという状況でございます。

33ページをご覧いただきますと、足元の建設労働者の不足状況でございます。一時と比べますと若干緩和してきてはおりますが、基本的には不足の状況というように見受けられます。

34ページは今後の建設労働者についてです。一番左のところにお示ししております試算は、2025年度の建設市場の規模を維持するためには、大幅な生産性の向上に加えて若手を中心に10年間で90万人が技能労働者として入職する必要があるとされているところですが、これは極めて高い目標でございます。将来的には若年層の確保は公共投資の供給制約になりかねない課題ではないかと考えているところでございます。

最後に35ページ、まとめでございます。3番目の○をご覧いただきたいと思います。既存の社会資本の長寿命化による効率的な維持管理、集約的な更新、事業評価等を通じた事業のさらなる重点化等を強力に進めることが喫緊の課題でございます。また、そうした取組を通じて公共事業関係費について一層の抑制を図りつつ、必要不可欠な社会資本を確保していくべきではないかと考えているところでございます。

説明は以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

それでは、ただいまのご説明に対してご意見、ご質問等、どなたからでもどうぞ。赤井委員、佐藤委員、岡本委員、加藤委員、どうぞ。

〔 赤井委員 〕 ありがとうございます。インフラの財政を少し勉強してきたので、初めに幾つかコメントを述べさせていただきたいと思います。4点程です。

初めは、これまでにも長く議論されていますが、8ページあたりの維持・更新の話です。人口の減少、維持管理・更新費用がますます増大してくるということを踏まえて、今後もちろん維持可能なインフラのあり方を考えていくことが必要です。ちょうど「フィナンシャル・レビュー」の最新号でインフラの特集があるのですが、そこで将来コストのデータなども推計させていただいたりして、データをしっかりと整備して負担能力との見合いで今後どのようなインフラを選別・集約していくのかを考えていくべきだと思います。もちろんそこにKPIを設定したり、工程表をつくったりすることが必要だと思います。

2点目は、20ページの交付金のところです。交付金は、地域の自由度がある、地域のほうで決められるというメリットがある一方で、地域を超えるようなインフラに関しては調整された形での投資がなされないということもありますので、メリットとデメリットがあるのですが、そろそろそこを整理して、これまでの交付金の評価を行って、今後の交付金のあり方に向けたPDCAを回していくべきであると思います。

3点目が、ちょうど23ページのところですが、要望額が増えてきていると。この背景には自治体に少し余裕が出てきているということもあると思います。最近、新聞でも、財政健全化が地方で進んでいるという話がありましたが、これはミクロでの話で、マクロ的に見ると地方財政は余りよくなっていないです。その理由は、各自治体には帰属しないが、地方全体で将来返していくというような交付税措置がされている部分がありますので、地方全体ではよくなっていないという部分もあるので、この実態も踏まえて交付金の配分のときには、各自治体に将来のことも考えさせた上でインフラのあり方を検討するように促すことも大事ではないかと思います。

最後、4番目はPPPのところです。これはなかなか規模が増えないということもあるのですが、リスク分担が鍵になりますので、リスク分担によってどの程度メリットがあるのか、メリットがない分野もありますので、メリットがある分野を類型化して、ターゲットを絞って、そこの狙いを定めてその部分で拡大していくことが重要ではないかと思います。以上4点、全て意見です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。では、佐藤委員。

〔 佐藤委員 〕 私のほうからも3点程意見になると思います。1点目は、9ページにかかわりますが、公共施設等総合管理計画です。今、総務省さんのほうでもKPIとしてこの公共施設等総合管理計画の作成、それから、特に施設の集約を含む計画、そういったものの作成自治体数を掲げたりしていますが、計画をつくるということと実行するということは違うわけでありますので、策定したからよしとするのではなく、その実施状況を進捗管理していくことが求められますし、最終的にはそこからどの程度の歳出削減効果が見込まれるか、ここもきちんと見込んでおかなければいけない。計画をしたが、余り歳出削減にはならなかったというのでは財政的には困りますので、ここにも書いてありますが、やはりきちんと実施状況をフォローアップするということです。それから、地域間でもかなり実施状況や計画の中身にはばらつきがあると思いますから、そこは地域差もしっかりと押さえておく必要があると思います。

2点目は、先程赤井委員からもありましたが、社会資本整備総合交付金等の話です。交付金という性格上、使途については地方に裁量があるというのは当然ですが、だからこそ成果が問われるということだと思います。使い方は自由にしてあげているわけですから、きちんと成果をはかれるようにしましょうということですので、できれば、アウトカムできちんと評価できるように、渋滞の減少数や、施設はきちんと利用されているかなど、そういう成果ではかれるように、あまりアウトプットではかっても仕方がない、やったからよしとするのではなく、何がもたらされたのかということについてきちんと成果を見る。それから、成果に基づいて交付金のあり方を再評価していくことが問われるかと思います。

それから、最後ですが、公共事業の将来の担い手の話です。人口減少するので、とてもじゃないけれど、介護でさえ今、人手不足だと言っているときに公共事業で人手不足と言われても困るということだと思います。この業界、恐らく介護もそうなのですが、中小事業者が多過ぎる。恐らく、建設業も、これから事業者の再編成等が問われてくると思います。ですから、財政的にどうしようというだけではなく、産業政策としてこの建設業界をどうしていくかということ、下請け、孫請けがあって、終わりには何をやっているのかよくわからないので、ああいうマンションみたいに傾くケースが出てくるわけです。その業界のことについて、少し産業政策という視点が必要なのかなと思いました。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 はい。では、岡本委員、お願いします。

〔 岡本委員 〕 ありがとうございます。この26ページの石川県のかほく市、ここの経費削減の取組は本当に立派だと思います。ただ、この左側を見ると、PPP/PFIについて「推進する具体的な予定はない」とか「ノウハウがない」とか「必要性を感じていない」という回答が多くなっています。結局のところ、交付金があるから交付金頼みで事業費効率化をせず放っておいて、どんどん赤字がたまってしまってどうにもならなくなってしまう、そのような感じがするのです。我々、民間金融機関としては、昔の第三セクターというものは結構、役所のほうがコントロールするということもあって、なかなかこちらの意見も通らなかったということで結果的にうまくいかない、あるいは、破綻するものもあったのですが、このPPP/PFIですと、かなり経営的にもコントロールするところも多くなりますし、もちろん、民間的に考えますから、これは絶対につぶれないようにという形でやるわけです。そのようなことから、今、投融資先もなかなかない中、このPPP/PFI事業は設備投資の一環みたいなものでもあるので、こういうものに取り組みたいと思うのです。先程言ったように、「必要性を感じていない」「ノウハウがない」からPPP/PFIが進まないということを考えた場合、例えば、かほく市のように7,500万円の経費削減をやったら、そういう事を評価して何かしらのインセンティブをつけるとか、これがうまく回るように、PPP/PFIに対して意識の弱いところには、もっと民間との話し合いに取り組んでいくよう、国交省に対してもっと働きかける余地はないかというように思います。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。では、加藤委員。

〔 加藤委員 〕 ありがとうございます。2点程コメントです。1点は、10ページにもありますが、人口が減少していくのは全ての地域で比例的に少なくなっていくわけではなく、分布が変わってくる。その中で人の住み方がどうなっていくかということを考えたときに、居住地域のどこかに集約して施設等をつくっていくことがこれから必要になっていくのだろうと思います。建議にもありますが、最近、公共事業の数字が6兆円というのが随分減ったからという議論があるのですが、実はそういうことではなくて、本当に必要なところにどの程度必要なのか、それは昔のように、全国津々浦々に全部施設をつくったり公共事業を行う必要があるわけではなく、コンパクトな住まい方とあわせて施設のあり方を考えていかなければいけないだろうと思います。その意味で言えば、10ページで紹介されている立地適正化計画等による集約化、あるいは選択と集中と言ってもいいかもしれませんが、そういったことはこれからもさらに公共事業では大事になってくると思います。それが1点です。

もう1点は、非常に短いのですが、例えば、19ページで、費用便益の中でB/Cが低下してくるという問題があるのですが、これはもう当たり前の話で、今まで高かったものは全部行われてきた。低くなったから意味がないわけではなく、低くなったからこそ本当に必要なものを選択していく必要があるのではないかということがありますので、余りB/Cの絶対的な大きさだけにこだわる必要はないと思っております。その中でどのように選択していくかが大事だと思います。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。では、続けて老川委員、角委員、末澤委員、井堀委員。お願いします。

〔 老川委員 〕 ありがとうございます。今日のご説明にありましたように、公共投資・維持管理、そちらに重点を置かれるということは、私は大変高く評価したいと思います。今までは、どちらかというと、公共事業というとすぐ景気対策の面から、多過ぎるとか、もっと削れとか、乗数効果があるとかないとか、そういう観点からの議論があったわけですが、そういうことではなくて、これからはやはり、既存の設備をいかに整備して安全な生活環境を守るかということが重要な課題だと思います。そういう意味で、こういうラインを出されたということは支持したいと思います。

その上で、特に14ページは、維持管理は大事だといってもお金に限度がある。ハードだけではなくてソフトが大事であると、これも本当に同感であります。その面で、県と市町村、ここの連絡をうまくやっていかないと、例えば、この間の茨城県、北関東の洪水を見ましても、県には情報があっても市のほうに情報がなくて大変無駄な苦労があったということもありますので、平時から自治体、市町村間、また県と市町村との間、こういう連携プレーを整備しておくことが大事ではないかと思います。

それから、人材の面、これは前から私もここで何回か申し上げていますが、これは決して一過性の問題ではなく、日本の人口構成、社会構成、構造的な問題だと思います。そういう中で、お話にありましたように、建設業だけに人材を確保するといっても、これは無理な話であるということはそのとおりだと思います。大事なことは、職業教育の大切さを教育の場において早い段階からそういう意識を育てていくことが大事ではないかと思います。中学校を卒業したらみんな普通高校に行き、普通高校に行ったら普通大学に行く、このようなことで、数が少ない上に、さらに職業につかないで、あるいは、中途半端な生活をしているという若年層がかなりいる。こういう人たちをもっと早い段階から働くことの喜びや大切さを教えていくことが大事なので、産業政策全体として考えるということと同時に、教育の面からも考えていくことが必要ではないかと思います。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。では、角委員。

〔 角委員 〕 ありがとうございます。25ページに空港のコンセッションの話を記載されておられますが、ご案内のように、関空・伊丹のコンセッション移管が順調に進んでおり、恐らくエクイティ出資を表明した各社につきましては、今月の取締役会等で、会議体で意思決定をすることになろうかと思います。

それともう1点、インバウンド客2,000万人の目標が今年度達成ということになりますと、ご承知のように、東京、大阪のホテルはもうとても受け切れない状況になっております。そういった中で、広域観光計画も策定されましたが、これからは、いかに日本にお越しいただく方を地方へ広域に観光していただくかという施策をとる必要があろうかと思います。それには当然、様々なセールスプロモーションも必要かとは思いますが、地方空港のコンセッションはさらに進めていただいて、地方空港を元気にしていく、そして、その地域の観光協会、行政等と一緒になって、日本に来ていただく方の分散化を進めていく必要があるのではないか。それがひいては地方創生にも寄与することになろうかと思います。

それと、社会資本整備総合交付金につきましては、もう既に皆さんがおっしゃったのと同じ意見ではございますが、もちろんB/Cを、3割なり4割なりをこの2年間でカットされておられますが、そのカットの基準をどのようにされたのか分かりませんが、B/Cは従前どおり出していただくことは、やはりどうしても必要なことではないかと思います。過去の補正のときに、かなり巨額な補正をされたときは、各自治体というのは、用地がないところに巨額の補正が来ても非常に困ると。そうなると無駄が生じた歴史があるように思いますので、補正を出していただくときには、そういう用地確保があまり必要ではない工事である、あるいは、メンテナンス上、緊急性の高いようなところをメンテナンスする、あるいはICTなど、補正の場合は、そういうところを特に重要視していただくのがいいのではないかと思います。

以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。では、末澤委員。

〔 末澤委員 〕 どうもありがとうございました。13ページに事前防災・減災対策の資料がありまして、ここに鬼怒川の決壊の写真もございます。実は、先週末に、最終的には大きな被害にはならなかったようですが、メキシコの太平洋岸にカテゴリー5という過去最大級のハリケーンが上陸しています。この背景には、地球温暖化と、今、足元、1997年に次いで過去第二の規模のエルニーニョ現象が勢力を増しており、そういう地球温暖化や気象の変化の影響があると。これは日本も、そういった台風、地震、火山等のリスクは増していると考えたほうがいいと思います。ただ、一方で、先程ありましたように、財政の問題、また、人員不足等、供給制約が相当大きくなっている。従来、公共事業は、やや景気対策的な面が大きかったと思うのですが、今、人不足も相当深刻化しているということですから、そういう面では相当発想を変えて、より選択と集中、先程のベネフィットコスト分析とともに、リスクコスト分析といいますか、よりそういった災害等のリスクの高いところに、こちらはむしろ国主導で資金を持っていく。一方では、民間ベースに乗るようなところは、先程のPPP、PFI等の資金を呼び込んで国内の機関投資家等の資金の需要をつくっていく、そういった発想の転換が必要な時期に入ってきているのではないかと思いました。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。井堀委員。

〔 井堀委員 〕 ありがとうございました。2点です。第1点は、先程加藤委員も指摘された人口等の関係です。公共事業は社会資本となって将来、利用されて初めて価値が出てくるのです。利用する場合は当然、人ですから、人がたくさんいるところは社会資本の利用価値が非常に高くなるわけです。逆に言うと、人があまりいないところではどうしても社会資本の便益はB/Cであっても何であっても少なくならざるを得ない。特に過疎地ですと、これから人が減ってきて、ひょっとしたら人がいなくなってしまう。そういうところでせっかく社会資本を整備しても結果として無駄になるわけです。

その意味では人口の集積が必要なのです。この10ページ、11ページのコンパクトシティの話は結構なのですが、11ページを見ますと、どちらかというと、これはアメです。規制緩和はともかくとして、あとは財政支援、金融支援、税制優遇、全てアメでコンパクト化をするということです。どの程度お金を出す場合に効果があるのか。もちろんこれもいいと思うのですが、同時に、無慈悲の政策といいますか、ある程度集積化をしないと非常に不便が生じるような政策も同時にやらないと、全てアメだけでは人口の集積化、コンパクト化はなかなか難しいのではないかと思います。このあたりのコンパクト化の将来像について何かお考えがあれば教えていただきたいと思います。

それから、もう一つは重点化です。結果として社会資本、公共事業を目的別に見ますと、道路や河川、港湾、都市住宅などたくさんあるわけです。昔は目的別の公共事業の配分比率が出ていて、昔とほとんど変わっていないというので、これでシェアがどうなっているかということが話題になったと思います。最近そういったデータが出ていないのです。目的別の配分比率で、最近特に増えているもの、あるいは減っているもの、大きな変化があるのかどうか。それから重点化する場合に、今後どういったものがより効率化の対象としてターゲットになり得るのか、何かそこのお考えがあれば教えていただきたいと思います。

例えば、最初に道路の話が出ていて、道路はもうかなり整備しましたということであれば、今後大幅に道路を削減するようなことがあり得るのかどうか、そのあたりも含めて少しお考えがあれば教えていただきたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 今はご質問ですから、事務局から、主計官、お願いいたします。

〔 彦谷主計官 〕 まず、コンパクト化です。コンパクトシティの考え方をどのように生かしていくのかというのは、まさにこれからだと思います。やはり、考え方として、コンパクトシティを打ち出してきたというのがかなり大きな変化だろうということで、これが財政的にどのように寄与していくのかということを我々はこれからきちんと見ていかなければいけないと思っています。

それから、事業別のシェアという考え方です。多分、シェアがほとんど変わらなかった時代というのは15年程前までで、それこそ事業ごとに小数点以下のシェアがどうなっているのかということが大きく議論されておりました。そのような中で、少しずつではありますが、それぞれの事業のシェアが変わり続けて、10年程前からそういう状況で、事業ごとのシェアは発表しております。ただ、少し分かりにくくなっておりますのは、地方向けの補助金というのが、昔はそれぞれの事業のシェアで発表していたのが、今、交付金という一体で発表しているものですから、少しそれが見えにくくなっているところがあります。

最後の重点化のターゲットです。これは、個別の事業ごとの中でもどれに重点化するのかということで、例えば、道路であれば、まず首都圏、大都市圏、環状道路の整備をする、港湾であれば、やはり産業化、経済に大きく寄与するものを中心にやっていくなど、そういったことをこれまで進めてきておりますし、そういった形で予算のときにも公表させていただいているというところでございます。

〔 吉川分科会長 〕 はい、では続けて伊藤委員、遠藤委員、板垣委員。

〔 伊藤委員 〕 ありがとうございます。もう皆様ご指摘のとおりですが、いずれにいたしましても、厳しい財政状況の中で社会資本の整備をはじめとして国道づくりといいますか、これは集中と選択をせざるを得ない。多分、地域のハブ機能を担う都市というのができてくることになると思います。この資料の10ページは、先程もご指摘があったのですが、コンパクト+ネットワークの推進ということで、10ページ、あるいは11ページに、道路を含めた模式図が書いてあります。情報通信ネットワークで一つつなげるということと、もう一つは、ハブ機能を担う都市と都市を結ぶ幹線道路、これもこの図に入っているかとは思いますが、これは非常に重要だと思います。

これは実例ですが、東海環状自動車道というのがございまして、岐阜県、愛知県、三重県にまたがる東海環状自動車道路では、東回りの全線工事を着工後、これは豊田のインターチェンジに岐阜のほうからつながっていくルートですが、着工後、延べ122企業が進出しているという実績があるわけです。それから、太平洋側の港湾機能の内陸拡大ということを含めて、ご承知の東関東自動車道があるわけですが、これによって北関東から茨城港への利便性が上がって、やはり工場立地件数が急増しているという実績もありますので、集約化ということで言いますと、拠点といいますか、ハブ機能に合う都市と都市の間を結ぶ幹線道路みたいなものを整備するということは、実績的にも、その集約化と効率化につながっていくのではないかという意見でございます。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 遠藤委員。

〔 遠藤委員 〕 ありがとうございます。質問と意見と1点ずつございます。質問は交付金のところです。質問というより、確認をさせていただきたいのですが、地方公共団体の創意工夫と事業評価、便益分析というものは、別に相反するものではないと思うのですが、21ページにも事業評価を要件化すべきではないかと書いておられるほど何かの障壁があるとすると、それは今まで何だったのかということを確認させていただきたいと思っております。

次に意見ですが、消費税を上げるとか軽減税率を導入するという話になったときに、例えばSNSなどに出てくる意見の大半が、いやいやその前に無駄を削れというものです。なかでも公共事業のイメージは悪く、おそらく公共事業関連で補正も含めた無駄が積み上がっているのだろうという意見を持っているケースが多いと思われます。ただ、この資料を見ていると、無駄の削減をいかに積み上げてきたかを示していただいているわけですが、例えば、こうした議論が記事になるとすると、次に控えている文教が中心で、教員数を減らす、減らさないという話ばかりです。

例えば、24ページの、交付金を与えていても繰越率が地方公共団体でこれほど違っている点は、非常にニュースバリューがあって、ここでは匿名になっていますが、情報公開を進めて、同じような施策の中でも地方公共団体によってこんなに消化率、実現率が違うということも公開していきながら、地方公共団体の無駄を省いていく努力を注視する仕組みが必要なのではないかと思った次第でございます。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 では、ご質問もありましたので、お願いします。

〔 彦谷主計官 〕 最初のご質問です。実際には、交付金に際してB/Cを出してもらうことは要件にはなっておりませんが、引き続きB/Cを出している都道府県、市町村はたくさんあると思います。ただ、問題は、それをやっていないところも一部あるのではないかということで、やっていないところからしますと、それはもう一回やらなければいけないということはあると思います。ただ、基本的な考え方として、この10年間B/Cを出して重点化するというのは、恐らく世の中としてもコンセンサスとなっていますので、本当に障壁があるのかという意味では、そういう障壁はないのではないかと思っております。

〔 吉川分科会長 〕 では、続いて板垣委員。

〔 板垣委員 〕 この公共事業については、四、五年前からこの財審でも言われているソフトの充実ということがあって、それなりに進めてはいると思うのですが、もう少し積極的に進めるようなやり方がないのかと私も常日頃考えるのです。ただ、結論はなかなかない。言えることは、避難の指示をできるだけ的確に出せるような通信系のネットワークの整備が必要であろうと思います。北関東の川の氾濫の問題でも、なかなか末端ではうまくいっていない。末端でうまくいかないから大きな堤防をつくろうという話には多分ならないのだろうと思うのです。そういうところをもう一回、吟味していただきたいというのが1点。

それから交付金の使い道なのですが、発想の自由さを引き出すために交付金制度を持ち出したと思うのです。麻生大臣に以前インタビューしたときに、うまくいくか、いかないかはその市町村の首長次第であると。もしうまくいかなかったら、それを選んだ市町村民が悪いのだとまでおっしゃった、これは放送で流れております。それはそれで一つの心意気を示したものであるし、一つの実験でもあるわけですが、実験をいつまでもやっているわけにはいかないと思います。従って、ここで出ているように、厳しい要件化をするかどうかはともかく、事業評価をどうするかというのは、おっしゃるように捉えどころだと思います。

最後に、財審での歳出の効率化、削減の一番大きなテーマは社会保障の効率化、削減だとは思いますが、結局のところ、こういう公共事業、文教の予算、あらゆる分野の予算を細かくてもきちんと切っていかないと、社会保障を切るということは、ある意味で血が出ますので、国民の反発も多分あると思います。これだけやっている中でここは切らなければいけないのだという説得力を持たせるためにも、こういった社会保障以外のところで無駄なものはきちんと切っていくという姿勢が大事だと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、最後に、お待たせしました、高原委員、土居委員、武田委員、小林委員、4人の方にご発言をお願いします。

〔 高原委員 〕 はい、ありがとうございます。意見3点です。皆さんがご指摘のように、残すべき社会資本を厳選するべきと私も考えます。具体的にそれをどのように選別するのかは普遍的なテーマですが、将来の国力に対して最も大きく貢献するところにしっかりと資源を集中当課するべきという今回のご提言に対しては全く同感です。しかしながら、どのように選択するかについてはいろいろと議論があると思います。

次に、少子化、高齢化というものは、もう抗えない流れですので、そこに対してこれまでの路線に固執せずに社会資本をどう整備していくのかということを考えるべきだと思います。確かに、高齢化が進んだ過疎地など、社会的な孤立が進む人たちに対するサポートは重要です。他方で車を運転する人たちが減っているという実情もありますので、生活道路の整備にどこまで資源を投下し続けるのかというところは、非常に悩ましいところです。

最後の3点目は、箱物に拠らない新たなコミュニティづくりという考え方です。つまり、人々が心豊かな生活をできるための心のつながりづくり、ご近所の顔が見えるような共同体生活を促すような社会資本整備という考え方ではどうかという提案です。例えば、弊社の場合は高齢者のケアを生業にしておりますが、健康寿命の延伸という観点で、人々が高齢になっても通常の人間的な社会生活を行うことをサポートするような、世界初の商品開発を目指しています。同様に、世界で初めてのレベルの高齢化率を迎える日本の社会の中で、老若男女ができるだけこれまでと同じような生活をし続けられるような共生社会づくりを官民挙げてやっていく、こういうことが今後のコミュニティ作りを考える際には大切だと思います。

このモデルづくりに日本が成功すれば、日本型の輸出モデルとしても、社会資本をそのままパッケージとしてご提案できるという考え方もできるのではないか。共同体で生活を促すことをベースとして、お金もかけずにソフト面でカバーしていくことは考え方としては一つあるのではないかという意見です。

以上です。ありがとうございました。

〔 吉川分科会長 〕 土居委員。

〔 土居委員 〕 23ページの地方公共団体からの要望額が増加しているという件です。これは別に自治体の財政に余裕があるというより、むしろ採択率が悪いということになれば水増ししてでもいいからとにかく予防しようという面が多分に働いているという程の増え方だと思います。そういう意味では、きちんと要望するときに、ある種の要件を課すことも考える必要があるのではないかと思います。例えば、24ページの不用率の話がありますから、不用率が高いということであれば、それだけ要望してはいけない、0にしろという意味ではなく、要望する金額を増やしてはいけないというようなことだとか、有効に予算が活用されるものを要望することでなければいけないと思います。もちろん、交付金ですから使途をなかなか事前に定めてそのとおりに執行しろということは言いにくいとは思いますが、要望するときにどの程度しっかりとした内容を持っているのかということは当然問われるべきですし、そこの要望を認めるか、認めないかというところについても、成果がきちんと上がっているかどうかというところが問われるべきだと思います。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 武田委員。

〔 武田委員 〕 ありがとうございます。私からは2点の意見と1点の質問です。1点目ですが、既に皆様からご意見がございましたとおり、私も集中と選択が限られた財源の中で必要であるというところは同意いたします。その中で、特に資料にございますとおり、コンパクト及びネットワーク化というところですが、こちらについては、資料では行政コストの観点で書かれているのですが、行政コストのみならず、人口が減少し高齢化が進む中で、住民のQOLといった視点でも、以前にもご紹介しましたが、生産性という観点でも必要なのではないかと考えます。

以前、ご紹介したかもしれませんが、全国市町村データ、マイクロデータを用いて生産性を分析しますと、人口密度と生産性の関係が明確でございます。従って、このまま人口密度が全国で少しずつ満遍なく低下していくようなことが起きますと、それは生産性にも影響が及ぶ可能性があるということの裏返しではないかと考えます。

2点目です。そういう観点では、事業評価という際にも、これからは単にそのプロジェクトに効果があったかどうかという視点ももちろん重要ですが、もう少し大きな目で捉えて、国土形成計画、要するに、コンパクト化やネットワーク化を推進するためにその事業が必要なのかどうかというところも、一つ、目標設定としてあり得るのではないかと考えます。

最後、3点目として、こちらは質問ですが、先程岡本委員がおっしゃった石川県のかほく市の例は、私も大変よい例ではないかというふうに思います。ところが、岡本委員もご指摘されたように、58%の地方自治体が「ノウハウがない」と回答されているわけで、何かもったいないと、むしろこういうものをどんどん、逆に言えば知恵によって財政削減できる部分ですので、その知恵をどうすれば広げられるかというところについて、今、何らかの仕組みがあるのか、あるいは、ないとしたらどのような工夫ができ得るのかということについて、もし何かお考えがございましたらご教示いただければ幸いです。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。主計官、簡潔にお願いします。

〔 彦谷主計官 〕 1点だけ、簡単にお答えします。かほく市の例は、下水道、農業集落排水と水道を個別にバラバラと委託していたものをまとめたというだけで、まだ本当であればPFIとも言いがたいものでありますが、この程度の工夫をするだけでも10%の削減になるということで、これを全国でやれば相当大きなものに、また、ほかの事業でもやればということが考えられます。その一番のポイントは、各市町村が自分のところの財政をもう少ししっかり考えて、財政をきちんと考える必要があるという状況にしていくことが重要だと思っております。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。では、小林委員。

〔 小林委員 〕 北関東の水害に関しては非常に大きな問題を提起してくれたと思うのです。というのは、東日本大震災以降、この財審の中でハードの強化ではなくてソフトで進めていきましょうという流れを何度も建議でも訴えてきているわけです。しかし、北関東のケースを見ると、やはり、ソフトのほうが必ずしも適切に機能していなかったというケースではなかろうかと思います。ただ、こういうことが起きますと、先程板垣委員もおっしゃいましたが、つい、やはりハードではないかというように議論が逆転しかねない。それを食いとめるには、やはり、北関東のケースをきちんと検証する。それも、そこの特異なケースとして起きたのか、それがほかのところでも起き得ることなのか、それを防ぐためには何が必要なのか、そういうことをきちんと検証して、これはメディアも含めて公表していただくということを進めていかないと、またぞろ大きな堤防が要りますねという議論になりかねない。だから、ここは財審としてもそのあたりをきちんと訴えていったほうがいいと思います。

もう一つ、気になっているのは、6ページの下水道の建設年度の施設数、これが非常に集中的に増えていっています。集中的に増えていっているということは、恐らく更新時期も集中的に来るということなので、先程ほかの生活排水との統合等の事例も出ていましたが、このあたりを早急に進めていって、早め早めに、更新が集中するときに備える必要があると思います。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 はい、ありがとうございました。

では、次の議題に移りたいと思います。本日第2の議題は、「文教・科学技術」の審議ということであります。奥主計官よりご説明をお願いいたします。

〔 奥主計官 〕 文教・科学技術を担当しております奥でございます。よろしくお願いいたします。

お手元の資料2に沿ってご説明させていただきますのでご覧ください。

まず、第1のテーマといたしまして、「義務教職員の数」について、予算では義務教育費国庫負担金についての議論ということになります。

2ページをご覧いただき、ここに日本の初中等教育における教職員定数の定まり方についてのまとめがございます。ここにありますように、教職員の定数は、青い文字の基礎定数と、これは法律に基づいて学校数、学級数に応じて決まってくるものですが、これと赤文字の加配定数という、個々の課題に応じて予算で措置されるものによって成り立っております。教職員定数は現在69万7,000人ほどいらっしゃいますが、これを試みに、モデルケースとして1学校10クラスある学校で考えてみますと、そこにありますように、法律上、計算される基礎定数と予算、数を10クラス当たりで割り戻しました加配定数を合計しますと18名の教職員の方々が配置されていることになります。

3ページ、右側のページは、加配定数の加配の根拠となる法令及びそれぞれの項目の予算でセットいたします人数が記載されており、合計で一番下、黄色い帯の真ん中あたりにありますように、6万4,000人が配置されているというのが現在の姿です。

続いて4ページ、及び5ページです。4ページ、左側のページは、財務省が議論の出発点として「ベースライン」と呼びたいものについての説明でございます。4ページの右側の灰色の帯のところにありますように、子どもの数、児童・生徒の数は今後10年間に推計で約100万人弱、94万人程減少すると見込まれております。これに伴いましてクラスの数も2万1,000クラス程減少するであろうと見込まれております。

これを前提といたしまして、さらにもう一つの大前提といたしまして、この10年間において1つの学校があって、クラスが10クラスあって18人の教職員が配置されているという状態は維持する、現行の教育環境、教育体制を維持するという前提で試算をしたのが、この左側財務省の試算、ベースラインでございます。従いまして、18人というのは変わらないわけでありますが、クラスの減がありますので、青い基礎定数の部分で3万3,000人程、赤い加配定数の部分で3,700人程の減員、減少がありましても、現在の教育体制は維持することができるはずであるというのが財務省の試算、ベースラインでございます。

右側のページは、文部科学省がこの夏に出してこられました定数改善計画の姿です。同じように10年後の姿を描いたもので、児童・生徒の数、クラスの数の減少という前提は同じものを使っております。文部科学省の定数改善計画というものは、基礎定数を10年後には16.8に増やしたいということ、それから加配を現在1.6人でありますものを2.0人に増やしたいということでありますので、基礎定数、青い文字の世界で1万5,000人の減少、加配、赤い文字の世界でプラス1万750人という改善計画ということでございます。差し引きまして5,500人程の減員に留めたいというのが、その意味するところであります。

めくっていただきまして、6ページは、今の財務省の試算、ベースラインと文部科学省の改善計画を図示したものです。青い線が財務省の試算するベースラインということで、これが教育体制、教育環境の現状を維持するというラインであります。灰色が文部科学省の改善計画を実現したときのラインで、赤い帯が、今の教職員の数と比べての姿であります。従いまして、左下にありますように、ベースラインを仮に水平線に取りますと、文部科学省の改善要求というものとベースラインとの間には、10年後、3万1,800人の差が出てくることになります。文部科学省の改善計画でも10年間で5,500人程現在の教職員定数よりも減ることになりますが、財務省のベースラインとの間には3万2,000人弱の差があり、10年後には財政的なインパクトとして、国、地方を通じて約2,000億円の差が出てくることになります。

右の7ページに示してありますのは、このベースラインという考え方を導入した場合の現在、ここ数年の文部科学省の教職員定数の予算セットの姿を示したものであります。ここの真ん中の27年度予算、現在の進行年度の予算のセットされた姿を図示してありますが、ここにありますように、27年度予算というのは、前年度の26年度予算、緑の実線から、基礎定数について3,000人の減、さらに学校統廃合による減、効率化減600人を加え、そこから加配定数の増ということで500人を措置し、基礎定数の世界で自然減をした黒い実線から見ますと100人切り込んでいるというようにも見えますし、我々の試算いたします青い実線のベースライン、現在の教育環境、教育体制維持というラインから見ますと、そこよりも232人手厚く、いわば増員をしたという形にも見えることになっております。28年度要求の姿というのは、その右側に示してありますように、緑の実線が現在の概算要求の姿で、現在の教職員定数から60人減で要求を出してこられていると思いますが、その要求には、青い点線、加配分のクラス数の減に伴う加配定数の減、379人分が要求に反映されていないという点で大きな違いがございます。

次に8ページ以降です。こういったベースラインという考え方、現在の教育環境維持というラインから見て、それよりもたくさん教職員の方々を配置する必要があるということであれば、我々としては、それがより手厚く配置することは全くあり得ないというふうに申し上げているわけではありませんが、現在の教育環境よりも改善をする、より多くの教職員を措置するということであるのであれば、その措置した定数、教職員の方々によって一体何を達成するのかという成果目標を、科学的、事後検証できるような姿できちんと説明していただきたいというように文部科学省に強く求めたいと考えております。

そういった観点から疑問が3点ということで提示させていただいております。第1が、教員の数が増えれば、あるいはたくさんの教員数を確保すればいじめ、不登校という問題が解決できるのかという疑問。第2が、数が増えれば、あるいはたくさん確保することによって学力が向上するのかという問題。疑問の3点目として、忙しい、忙しいというふうに教員の方々は言われております。確かにそうだと思いますが、その多忙さを解消するための手段が教えるプロである教員をたくさん確保することで効率的、合理的なのかどうかという疑問であります。

9ページは、1点目の疑問に関する資料です。いじめ、不登校が解決できるのかどうか。赤い実線がこれまでの加配定数の増加の具合を表しております。棒グラフが校内暴力、不登校、いじめの件数、いじめの認知件数といったものであります。加配定数が増えるに従って、校内暴力、不登校、いじめが解決しているのかどうかということについては、このグラフについて様々な見方があるかと思います。そういう意味では、これだけでは、でき得れば、加配が増えるに従って校内暴力や不登校、いじめが順調に減っている姿であってほしいとも思います。ただ、いじめについては認知されることが重要というご意見もあることは承知しております。そういう意味では、これだけの材料では、加配をしていることによっていじめ、不登校にいい効果を与えているのかどうか、十分な効果を与えているのかどうか、これは十分な証拠とはなっていないだろうと私どもは考えております。効果があるとも言い切れませんし、効果がないとも言い切れないということです。こういったことについて、もう少し、より科学的な検証に耐えるような分析をする必要があるのではないかということを申し上げたいということであります。

疑問の2点目です。少人数学級を、例えば少人数教育をすることによって学力向上効果はあるのかどうかという話であります。これについては、現在、アメリカなどにおきまして様々な実証的な研究が、実証実験などを行いながら研究が積み重ねられつつありますが、日本の中では、残念ながら余り研究結果といったような、実証的な研究結果というものの数が少ないと思われます。

私どもがここでご紹介させていただきたいと思っておりますのは、昨年、慶応大学の赤林先生が発表された研究です。これは横浜の公立の小中学校におきまして、全国学力テストの結果を用いて研究をされたものであります。偏差値に対する変異を対象に調べておられますので、必ずしもこれが学力向上の全ての結果を示すものだというように考えることはできないと思いますが、結果の概要というオレンジ色の帯のところをご覧いただきますと、結論としては、なかなか微妙な結果が出ているようであります。一部の学科につきましては、学級規模を小さくするということと学力向上、偏差値の向上という効果は見られなかった。ただ、全く効果がないというわけでもなく、小6の国語については学級規模が1人小さくなれば偏差値0.1上昇の効果もございます。それから、少人数学級というのは、裕福なエリア程効果が高いというような結果を指摘されているようであります。

私どもにとりましては、この矢印の部分ですが、少人数学級の教育効果について、過大な期待をすることは難しいのではないか。すなわち、費用対効果、効果がないとは言わないが、費用対効果をよく考える必要があるといったようなご指摘は注目されるところです。いずれにしても、この研究結果だけで何か全てが言えるわけではないと考えており、こういった実証研究を数多く文部科学省においても積み重ねていただいて、そうしたエビデンスに基づく予算要求、そして査定の議論というものをぜひ、させていただきたいと考えているところでございます。

疑問の3点目、教員の数が増えれば教員の多忙は解消されるのか。先生方が忙しいのは確かだと思っております。ただ、お忙しい先生方のお仕事の中で、右下の円グラフにありますように、教えるということ、授業や授業準備そのものに割く時間がイギリスと比べてみると半分くらいしかないということでありますので、先生方が忙しい理由の大きな部分が、学校運営、生徒指導、部活動、保護者対応といったことにあるようです。そういった問題、そういった事柄に対応するために、先生方、教えるプロの数をたくさん確保する、あるいは増やすといったような解決策が妥当なのかどうかということであります。

12ページをご覧いただきますと、 日本と英米、アメリカ、イギリスの学校に携わる方々の割合というものを表しておりますが、青は教員で、赤が教員以外の専門スタッフなどであります。専門スタッフといいますと、ソーシャルワーカー、メンターなどのことを意味しますが、ご覧いただきますと、日本はやはり、教員の割合が多いように見えますので、我々としては、教えるプロというものをたくさん残すこと、数を維持することによって対応するよりも、そういったスタッフなり専門家の力をもっとお借りすることが解決策につながっていくのではないかというふうに考えます。

13ページにありますように、学校を取り巻く課題というのは、いじめ、不登校、暴力、キャリア教育、ICT教育など様々で、これらの時々刻々、年々変わっていくような課題に対応するために、全てそういった課題に対応できるための研修を教員の方々が受けられ、それを教育、授業で教えていくというのは大変重いご負担だろうと思いますので、14ページにありますように、学校の周りにいらっしゃる多くのプロ、あるいは地域コミュニティの力をもっとお借りしてはどうかというふうに考えます。

15ページにありますように、文部科学省におかれましても、最近、こういった学校の外の力、地域コミュニティの力を借りることについては前向きに検討しておられるようで、28年度の概算要求におきましても、教職員の定数要求とは別のものとしてチーム学校、地域力強化プランといったような学校の外を借りてくる、活用するという予算要求をしておられます。

私どもとしては、先程申し上げました現在の教育環境を維持するベースライン、そしてそれにつけ加えて教職員の数が必要というならば、それによって何をコミットするのかということを、科学的エビデンスをもって要求していただくという議論に乗っていただけるのであれば、こうした文部科学省の教職員定数の外の要求であるところのチーム学校、地域力強化プランといったような取組についてはしっかり応援してまいりたいと考えているところであります。

16ページは、全国における先進的な取組が始まっているようですので、幾つかご紹介しているものでございます。

17ページ、テーマ1のまとめということで、繰り返しになりますので省略させていただきますが、一番申し上げたいことは3つ目の○、すなわち、ベースライン定数以上に教職員定数の配置が必要ならば確かなエビデンスに基づく要求を行っていただきたいということでございます。

2つ目のテーマに移ります。国立大学法人運営費交付金の話であります。18ページの真ん中あたりにあります、四角でくくられた進学率2をご覧いただきますと、現在、進学率は56.7%まで来ております。昭和50年代、やや伸び悩んでいたときもありますが、ここ20年程の間は増加傾向、向上している傾向にあります。ただ、棒グラフに示されている18歳人口の推移を見ますと、今後、かなりの勢いで18歳人口が減少していくことが明らかであります。進学率がどうなるかというのは非常に難しい予想でありますので何とも言えないのですが、過去10年の伸びで伸びていったとするならば、20年後、25年後には7割程の水準に達します。この7割の水準に達したとしても、恐らく18歳人口減の圧力のほうが強くて、20年後、25年後におきましては、18歳人口から供給される大学入学者の数というのは1割から2割にかけて減るであろうということが予想されます。大学の規模をどう考えていくかという問題は、この18歳人口から供出される入学者の減といった問題、これは留学、社会人の教育、学び直しがどうなるかということにもよるのですが、そういったことも踏まえて、今日、明日に結論が出ることではないと思われますが、早急に検討を始めておく必要があると思われます。

次の19ページは、同じ趣旨で載せた紙です。この赤いのが18歳人口の推移であり、その下に見える青い実線が入学定員の推移であります。入学定員は、ここのところ、過去10年間ほとんど変動がございません。そういったこともあり、上のほうに四角でくくってありますが、国立大学は、志願倍率は4.7倍からじりじりと下がってまいりまして、現在4.0倍程度という状態になってきております。志願倍率が何倍ならば適当かというのは一概には言えませんが、こういったことも大学、高等教育のあり方ということを考える点では、十分踏まえる必要があるということでございます。

20ページは、国立大学の学生数と教職員数の推移であります。学生数自体は1万6,000人程減っておりますが、教職員数は逆に増えているというのが現状であります。大学法人化されてからは、教職員の方々、それぞれの大学の知恵、工夫によって自由に雇うことができる状態になっておりますが、各国と比較しますと、学生100人当たりの教員数という点で見ますと、日本がやや高く見えますので、こういったことも踏まえて、その持続可能な国立大学経営ということを考える上では、こういったことも踏まえる必要があるのではないかと考えます。

次に21ページです。そこで、私どもとしては、国立大学法人の収入構造の改革をご提案申し上げたいと考えます。黄色い帯が国立大学法人か、国からの支出を受けて賄っている部分が7割で、その大宗は運営費交付金です。これに対して残り3割が自己収入ということで、自己収入は半分程が授業料、その他寄附金、産学連携による研究収入などであります。

右側に移っていただきまして、22ページの左端が国立大学法人の収入構造です。右側に3つ並べましたのが、試みに例として出させていただきました私立大学の収入構成であり、一見して色は違った状態にあります。もちろん国立大学と私立大学を全く同じ収入構造にする必要はないとは思います。ただ、左側にありますような、国立大学法人の薄い青色の運営費交付金に5割以上、過半を頼っている姿というものは、今後の財政事情などを考え、また、学生数の減少が見込まれる可能性が高いことを考えますと、この構造が持続的に続けられるものかどうかというのは、かなり疑問かと思いますので、自己収入の割合をより増やしていただきたいというふうに考えます。

23ページ、ここは国立大学の授業料についての資料です。国立大学の授業料の水準につきましては様々なご議論があるとは思いますが、自己収入というものを引き上げていく上で、現在の授業料がどういう状況にあるかということは示してありますが、現在、国立大学の授業料は、標準額が年額53万5,800円と定められており、その2割増しまでは各大学が学則で増やすことができる。ちなみに、下限はありません。そういう状態になっており、各大学はそれぞれの判断で上げることができるという制度はできておりますが、この標準額と異なる額を設定している大学は、右に掲げてある7つの大学しかなくて、そのうち、引き上げの方向で設定されておられるのは、一番下にある2つの大学、学部しかないという状態であります。

従いまして、授業料を直ちに引き上げるべきであるというような、べき論を申し上げるわけではありませんが、自己収入を引き上げる努力というものが何もない、手は尽きているという状態とはまだなかなか言えないのではないかという一例として申し上げました。

24ページです。そこで、私どもとしては、今後15年間程の時間をかけて、国立大学が収入のうち運営費交付金に依存する割合、自己収入で稼いでくる割合を同程度とするということを目標とされてはどうかと考えます。運営費交付金の依存度は15年間をかけて同程度ということでありますと0.5%ずつということになるわけです。一例としまして、例えば、運営費交付金を毎年1%減少させることにしますと、自己収入を毎年1.6%ずつ増加させることが必要になってくるということでございます。

次のページをめくっていただきまして、25ページの上から3つ目までは今、申し上げたことが書いてあります。特に私どもとして申し上げたいことは、自己収入の割合と運営費交付金依存度を同じ程度にするためには、例えば、自己収入だけ引き上げていけば依存度自体は下がるわけでありますが、そういうことになりますと、財政健全化に何ら貢献がないということが一つ。もう一つは、自己収入と運営費交付金につきましては、かねてから、大学にとっては自己収入を引き上げるとその分、翌年、運営費交付金をその分、削減されてしまうのではないか。そういうことになると大学にとっては自己収入を稼ごうというインセンティブがなくなってしまうのだというご批判もあります。こういったご批判も踏まえて、私どもとしては、まず先に運営費交付金について1%減額といったような目安を置くことによりまして、大学が自己収入をそれ以上稼いでいただいても、それを理由として運営費交付金を削減することはしないということをコミットすることにより、はっきりしたインセンティブとさせていただきたいということであります。

4つ目の○であります。その上で、この1%削減によって確保される財源の一部につきましては、当面、一定の明確な基準に応じてpay for performanceの観点から補助金として再配分をするということで、さらなるインセンティブとさせていただきたいと考えております。

最後に、26ページ以降、科学技術の話であります。まず、26ページは、官民合わせた研究開発等であります。まず、日本は、GDP比で見ますと、官民合わせた研究開発投資の水準は主要国の中で最も高い水準を過去25年にわたって維持しているということをご紹介させていただきたい。

次の27ページは、そうした中、政府の研究開発投資が少ないというようなご指摘もあったことから、過去20年間、社会保障を上回るようなかなりのペースで拡充してきたわけでありますが、現在の財政事情に照らしますと抑制は不可避という状況かと思います。

そこで、28ページは、我が国の科学技術関係予算におきましては、量的拡大は非常に難しい状況でありますので、質を改善していただくということが不可欠かと思います。左にありますように、予算の額と論文の数はかなり相関しており、お金を増やせば論文の数は増えるという傾向はかなりはっきりしているように思われますが、右側のトップ10%論文数という目で見ますと、これだけで質を判断するわけではありませんが、このトップ10%論文数の割合を見ると、日本の水準は諸外国と比べて低いということ、それから、予算が拡大期に増加していないというように見えるといったことでありますので、予算をたくさん投入することによって質のいい論文が排出される、次々に生まれるというわけではないのではないかということを申し上げたいと思います。

そういうことで、質の向上という観点からすると、29ページにありますように、科学技術の世界においても成果目標にきっちりとコミットしていただくことが必要かと思います。今年は年末から年明けにかけまして第5期の科学技術基本計画5年間、これを策定する時期に当たっております。科学技術基本計画につきましては、次の30ページの下の注1、少し小さい字で恐縮ですが、そこにありますように、現行の第4期科学技術基本計画におきましては、政府研究開発投資の総額規模約25兆円とするというようにインプット目標が明記されております。私どもとしては、こういったインプット目標は、ほかの政府の基本計画にはもはやありませんので、こういうインプット目標を次期科学技術基本計画に盛り込むべきではないと考えておりますし、そこは様々な議論があるかもしれません。仮にそのインプット目標を置かざるを得なくなるとしても、成果目標、アウトカム目標にもっときちんとコミットしていただくような計画としていただく必要がぜひともあるというふうに考えます。

31ページが2つ目の提言です。これは先程の国立大学の話とも関連しますが、大学における研究開発費、研究開発費に占める企業からの受け入れをもう少し増やす努力をしていただけないかという話でございます。31ページの左側のピンク色の線にありますように、企業からの受入金額というのは、金額自体は3倍強となっているのですが、緑の線にありますように、受入割合という目で見ますと横ばいということです。よりたくさん確保していただく努力をしていただきたい。

最後に、競争的研究資金改革ということで、配り方の改革についての提案をさせていただきたいと思います。4つ程ございますが、1つだけご紹介させていただきますと、1番にありますように、競争的資金の審査は国内に留まっております。英文のピアレビューなど、外国人審査員によるレビューを一部でも取り入れていただき、そういった国際的な審査を経ることで、より質の向上を図ることができるのではないかといった提案をさせていただきたいと思います。

以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。では、早速、ただいまのご質問に対して、田中委員、赤井委員、岡本委員の順番で、田中委員。

〔 田中委員 〕 ありがとうございます。私は、義務教育と国立大学に関してそれぞれ申し上げたいと思います。今、お配りいただきました資料で言いますと、まず、14ページです。これは学校に関して様々な役割を、これまでにない程様々な社会保障サービスと思われるようなものも求められ、これが閣議決定されているわけです。こうなりますと、やはり、これからは、教員の定員を数えて予算を見積もるというのではなく、プロジェクト、先程アウトカム目標という言い方をされましたが、その目標を達成するための計画をつくって、それに基づいたプロジェクトベースの予算を積算するというように、やはり、予算をつくる際のパラダイムを大きく転換していく必要があるのではないかと思いました。これまでずっとベースラインの議論もそうなのですが、定員の数でやってきたのですが、そこを変えていくべきではないかと思いました。これが1点目であります。

そして、2番目の国立大学に関してなのですが、若干、データに関する疑問点が1点、それから24ページの自己収入に関することを申し上げたいと思います。20ページになりますが、教員と学生のstudent・teacher比率、ST比率と言われるものなのですが、特にこの下の海外との比較は、若干疑問があります。というのも、多分、アメリカ、イギリスに関しては国公私立が入っていて、日本のところだけ国立になっているのではないかと思うのですが、もし、私が間違っていたらどうぞご訂正ください。これを単純に比較するのは余りよくないですし、特に国立大学の場合には研究型の大学を目指しているところが多いのです。そうなると、いわゆる、教員と学生の比率というのはおのずと低くなっていきます。教育型の私立大学などは40人など、大きいところがありますが、ここを単純に比較し過ぎていないかという点が気になりました。

そして、最後24ページの図になります。申しおくれましたが、私は職場が大学評価機構というところなので誤解を招きそうなのですが、あくまでも個人の委員として申し上げたいと思います。自己収入を増やしていくスタンスについては、私も全く同感であります。その上で2点申し上げたいと思います。まず、予算を削減、運営費交付金を1%、経常的に削減をし、その分、15年かけて毎年1.6%ずつ自己収入を上げるという話です。このグラフを見ると、なるほどと思うのですが、片方は確実に削減が1%できるのですが、1.6%の収入の増というのは、不確実要素がとても多い自己努力の分なのです。ですから、これはやはり、例えば、景気の動向の影響を受けるかもしれない、あるいは、授業料を上げるのであれば、学生たちとの合意形成にリードタイムが必要かもしれないということも考えられますので、ここは、幾つかの自己収入計画というものを様々な条件を踏まえてつくった上で、段階的に考えていくような議論が必要ではないかと思います。

そして、2点目であります。これは、大学を一律的に考え過ぎているのではないかということで、去年、財審のほうで大学を3分類するということで、かなりインパクトのある提言をされ、実は、今年度の国立大学法人の5カ年計画にそのまま反映されており、そのぐらいインパクトのある提言をしていただき、大学を機能分化別に捉えていこうという議論をエンハンス(enhance)してくださったと思います。ここで、一律でまた捉えてしまうというのはどうかと思います。やはり、研究型と教育型の大学では、自己収入の取り方、調達の仕方というのは能力にすごく差がありますので、ここはやはり大学の機能分化、役割に応じて運営費交付金のあり方、あるいは削減の仕方も捉えていく必要があるのではないかと思います。長くなりました、済みません。

〔 吉川分科会長 〕 先程のデータはまた後日検討していただいて、時間を押しており、10人程の方がご発言を希望されておりますので、お一人2分弱ぐらい、100秒という感じでお願いします。では、赤井委員から。

〔 赤井委員 〕 教育に関しても少し勉強させていただいておりますので、教育というのは将来の投資なので、この少子化の中で限られた人材をどのように能力を上げていくのかが第一。一方で財政健全化も重要で、少子化で負担能力が減っていますから、規模の適正化が大事であるというのがまずあって、そのバランスをどう考えるか。義務教育と高等教育で一つずつですが、義務教育、ベースラインを、もちろん少子化ですから原則として、その後、加配をどこまでするのか。議論したように、エビデンスベースで議論すべきだと思います。少人数教育も費用対効果で考えると、ほかの政策との比較で議論すべきです。あと、義務教育の教員が忙しいという話も、チーム学校と合わせればうまくやっていかれると思うので、加配とチーム学校の部分の役割分担を考えるべきだと思います。国立大学に関しても、ここに書かれているとおりですが、歳出と歳入の両面で、見直せるところを見出してきて効率化することが大事だと思います。

19ページにありますが、歳出のところで、人口減少ですから、学生定員の規模をどうするのかとか、大学進学率をどうするのかとか、国立と私学の定員配分をどうするのかとか、国としての方向性を考えることをしないとなかなか先に進めないのではないか。

それから、24ページのところにありますが、最後ですが、歳入面、これはすごく議論になると思います。国立大学の自己収入を増やすという試みは財政健全化にも寄与するので、もちろんいいと思います。ただ、授業料のアップは、教育費のあり方の議論も大事ですし、今、議論している所得連動型奨学金などとの関連も大事だと思います。授業料も、今横並びですから多様性も広げていくことが大事だと思います。

ここで議論されている自己収入アップは、田中委員も言われましたように、いきなりアップしろといっても、これまでの経緯もありますので、その改善余地や収入拡大努力にどういう問題点があるのかを精査して、例えば、規制緩和と組み合わせるなど、それをどのようにしたら促すことができるのかということを議論しながら、それとともに運営費交付金のあり方を考えていくことで、この議論の意義が出てくると思います。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 はい、ありがとうございました。岡本委員。

〔 岡本委員 〕 科学技術予算について意見を言いたいと思います。この27ページの左側の折れ線グラフを見ると、平成元年をベースにした指数で、社会保障関係費以上のペースで拡充と書いてありますが、一方で、過去10年で見たらどうかというと、ほとんど伸びていないわけです。それから、指数ばかりで語っていますが、では実際の予算規模ではどうかというと、これは社会保障関係費と科学技術振興費は大分違うと思います。

それから、26ページは官民合わせた研究開発投資ですが、対GDP比で最後のところが3.75%程ですか、これを金額にすると20兆円程になるわけです。28ページで科学技術関係予算が3.6兆円程となっている中では、かなり民が頑張ってやっているということの裏付けではないかと思います。どんどん「質」を改善すべきという結論には反対ではないのですが、そのような意味で、ここで示されている数値は余りにも科学技術に対して厳しい見方ではないかと思います。

これはよく聞く話なのですが、例えば、原子力についてですが、中国では、トリウム原発の開発や、使用済み核燃料の再処理について、もう相当のレベルに達しているとのこと。もちろん、原子力には推進派も反対派もいますが、この辺の技術開発の問題は全部やっていかなければいけないと考えると、ある程度、「必要な投資」についてもきちんと考えていかなければいけないのではないか。そういった意味で、「質」を考える。それぞれの予算について、どれが今日本に求められていて、どれがこれは長い間やっているからもうやめようとか、こういうことにもっともっと切り込んでいく必要があるのではないかと思います。

それから、もう1点は7ページです。これは質問なのですが、私も3年程委員をやってきており、26年度の予算、27年度の予算、28年度の予算とずっと見てきております。26年度のときは、確か、増要求が上段の基礎定数減3,800人と同数でされましたが、上段部分は全部減らし、下段の、統廃合により更に、313人減ったところから、加配の増で303人戻し、結果基礎定数減ラインから10人減とした。27年度も同じような話で、上段部分は全部減らし、下段の600人減らすところを500人戻して100人減らした。と、こんなことだと思うのですが、この28年度は、先程もご説明がありましたが、下の部分は「加配定数分」と従来と少し違う文言になっていて、ただ、バーは引いてあるわけです。上の文言は従来と全く同じですが、文科省の増要求が「基礎プラス加配」となっています。28年度は従来と比べて交渉のスタンスが全然変わったのか、あるいは、そうではなくて今までと同じということなのか、これはこの中ではちょっと分からないということです。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 これは、時間がありませんので、個別にご説明いただくということで、井堀委員、竹中委員、黒川委員の順にお願いします。

〔 井堀委員 〕 24ページの大学の交付金の話です。大学の交付金は、ある意味では地方自治体の地方交付税の話とかなり似ているところがあるわけです。要するに、運営交付金一括の補助金で、これと自己収入、これは地方交付税と地方税の関係とかなり似ています。運営交付金が1%かどうかはともかくとして、ある客観的な水準で変化して、それが自己収入の変動と連動しないというのは、インセンティブの面では非常に重要なわけです。これは、地方税収を増やしたときに交付税を減らされると地方税収を増やすインセンティブがないというのと同じ話です。その意味では、こういった形で、将来の運営交付金のあり方を自己収入と連動させない形で示すというのは、非常に望ましい姿だと思います。それが結果として国立大学の、ある意味では、護送船団方式的なあり方に、様々な再編も含めて改革を促す努力になると思うのです。

そこで、一つ気になるのは、国立大学の収入というのは、運営交付金と同時に補助金収入があり、補助金収入の額が最近増えているのです。この中身は個人への科研費と同時に機関への様々な補助金があるわけです。機関への補助金は、紐つきの大学への補助金で、短期で様々な努力をすればお金を出すよということです。これを獲得するために大学の教官は時間的に相当ロスをしています。ここのところの不透明性や、短期的にコロコロ変わるというのが非常に困る。これは、義務教育であれば、教師と事務職員と分けて、事務職員のほうでこういった機関への補助金を頑張って取ってくればいいわけですが、大学は研究が主なので、なかなかそこが難しくて、どうしても教官がここにかかわらざるを得ないのです。

最後の25ページのところで、一定の明確な基準に応じた補助金を交付する話が出ているのです。この話は、現在の補助金にも適用していただいて、大学への補助金をもう少し客観的に長期の形で出すようにいただけると、非常に助かると思います。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 では、竹中委員。

〔 竹中委員 〕 公教育、義務教育のことと、それから1つだけ、先程からお話が出ている大学の自己収入のことです。前回の委員会のときにも、例えば、いじめのような、もうほとんどいじめというより犯罪が起きているにもかかわらず、先生が警察の役目までしなければいけない、とにかく多様なことを教師が担うということの限界に来ているのではないかという発言をさせていただいたのですが、これは実は、教師側から語られたり、資料が全部そうなのですが、例えば、12ページに、日本とアメリカ、イギリスの教師の仕事の違いがありますが、これは役割の違いというのではなくて、実は教育文化の違いに結果としてつながるのです。習っている、そこで教育を受けている子どもたちが、親と先生は対立の図式、学校の中では校長、教頭という管理職と一般の先生という対立の図式という中でずっと育ってくる、結果としてそういうことが起きてしまっていると思うのです。

そういう意味で、今回文科省が、チーム学校や地域強化プランを出されたのは、本気でやられたらすごくおもしろいことだと思います。要は、子どもが、敵味方を考えるのではなく、様々な力を自分が取り込んで、その力をうまくコーディネートして何かをなし遂げていくということを教育の中で学んでいくことが、本当の意味で強い子どもになっていくと思うし、結果として、先生方も、敵と対峙するのではなく、仲間づくりをするというか、敵を分散し、見方を増やしていくというか、ただ、そういう能力が残念ながら培われるような教育現場ではなかったので、大変失礼な言い方ですが、学校の先生をやめられてビジネスをされた方は、ほとんど失敗しているのです。

特に、ここまで言ってもいいかどうかわかりませんが、管理職、一般の先生との対立の図式の中で、世の中は様々なきちんとしたヒエラルキーや職制があって、それが統合されて一つの企業活動や、公務員の世界もそうでしょうが、そうなされているという経験をされない方々に育てられていることの結果としての状況が生まれているとすごく思います。そういう意味で、大学の自己収入を増やすというのも、多分すごく苦手なのだと思うのです。だけど、もしこういうテーマでしっかり自己収入を増やしましょうという方向で行かれるのであれば、やはりきちんと増やされた大学を「よくやったね」とほめてあげて、ここがこういう自己収入を増やすモデルになりましたということをきちんとアピールするというか、社会全体でそれが大学同士で共有できるようになればいいと、要は、そういう文化に教育という世界が変わっていってほしいと思っています。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 黒川委員。

〔 黒川委員 〕 ありがとうございます。今日はとても分析的で非常にすばらしいご報告を主計官からいただきました。そこで幾つかご意見を申し上げたいと思います。

まず第1点は、先程田中委員もおっしゃいましたが、予算定員を中心に議論するのではなく、小学校、中学校の人材の構成内容を考えていかなければならない。これは結局、長期のビジョンというものを確定し、その上で毎年工程表をつくって、持続的な政策をやっていくということをしなければならないと思うのです。

そこで、この問題については、今日も財審として大変すばらしい案を出しているので、ぜひとも文科省のほうと長期ビジョン、構成内容についてよく話し合って合意を得て、お互いに協力し合って着々と進めていっていただきたいと、強く要望いたします。

第2点は、それに関連するのですが、特に中学の場合は、我々、都心に住んでいますと、私立中学校、場合によっては高校と並立が多いと思いますが、そのようなところは教育効果という点でも非常に参考になることが多いのではないかと思うのです。そこで、文科省で、公立だけではなく、私立の中学校の教職員の構成内容、あるいは、どういう試みをしているのかというようなものも参考にしていると思うのですが、もし参考にしていたならば、長期のビジョンを考える上で勘案していただきたい、これが2点目です。

それから、3点目は大学のほうですが、これは慶応義塾大学が出てきたので、もしかして、いいほうのモデルとして挙げていただけたのかなというふうにうれしく思っております。こういう状況になるためには、慶応義塾は寄附金も多いのですが、どうしてなのか。慶応義塾が誇れるとすると、恐らく、卒業生が自分の子どもをまたどこの大学に入れたいかを考えた場合、慶応義塾に入れたいという要望がすごく大きい。大学時代においてとてもすばらしい経験を積んでいるからなので、そういう雰囲気になるよう我々としては努力しているのです。竹中委員がおっしゃったように、対立関係ではなく、非常にすばらしい教職員と学生との関係を築いているから、そういうことになるのだろうと。これをまず、考えてほしい。

それから、もう1点は、23ページの授業料です。これは、奨学金制度というものも勘案して考えないと問題です。授業料はこの程度だが、奨学金で戻ってくる採択率が高ければ、実質的な負担額はもう少し小さい。私立の場合はそこが、国立に比べて奨学金の支給率は少ないと思うので、もう少し格差が開くのではないか、この辺は調査していただきたいと思います。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 では、あと5名なのですが、ぜひとも100秒ルール、気分としては90秒ルールに落ちているかもしれませんが、末澤委員、十河委員、高原委員、土居委員、佐藤委員です。

〔 末澤委員 〕 手短に60秒以内で終わらせます。先程の8ページのところで、教職員定数に関するいくつかの疑問、ここの疑問1、2、3の解決策として、昨年も委員から様々なご意見が出たと思いますが、小学校や中学校の統廃合があると思います。統合すればクラスが複数化でき、クラス替えが可能になる。統合すれば専門性を生かした教育ができる。それによって全体の余剰資源を他の分野にも回せるということです。ただ、実際にどの程度統合が進んでいるのか。ちなみに、私の出身小学校は、5年程前に3校が1校になったのですが、そういう記録があれば、次回、ないし個別で結構ですので教えていただきたいと思います。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。十河委員、お願いします。

〔 十河委員 〕 私もできるだけ手短にお話しします。私は義務教育について一言意見を申し上げたいと思います。まず、教育というのは子どもの未来にかかわることであり、社会保障問題は人の命にかかわるように、決して数字だけで議論されていくべきものではないということを前提にはしております。しかし、少子化が進んでいるにもかかわらず、教員数がその減少率に合わせて検討されていない。文科省の教員定数改善計画とベースラインの差が、6ページでしたか、3万1,800人余り、約2,000億以上というギャップがあるというのは、やはり看過できないのではないかと思います。

そして、参考資料1を拝見したのですが、こちらの8ページを見ましても、ベースラインをもとに計画していくと2020年で1,000億円超えの削減にはなるということで、やはり、この点も踏まえて教員数も考えていくべきではないかと思いました。

それから、今、義務教育、子どもたちを取り巻く問題が非常に多様化していて、竹中委員もおっしゃっていたように、現場はかなり厳しいものにはなっていると思います。ですが、やはり、義務教育においては、競争力を高めるいい環境を整えると同時に、やはり、義務教育の機会均等ということがありますので、不登校児や、こぼれてしまう、教育を受けられない態勢の子どもたちをどのように救っていくかということも社会としては、大人が考えていかなければいけないと思います。その意味では、フリースクールなど、最近出てきている新しいプロジェクトに関しては、こちらに新しい財源をプラスしていくこともありではないかと思いました。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。では、高原委員。

〔 高原委員 〕 意見2つです。1つは、教育の質を維持向上させるために教職員の数を増やすことは必ずしも成果に直結しないという考え方に賛同いたします。

教職員自身が、本当に子供の教育になることが何か、現在行っている業務の時間割を自己観照し、時間を作り出す工夫をすることによって、教育の質を上げることができるのではないかと思います。また、学校教育の形を、様々な運営主体、運営手法を柔軟に認めることによって民間企業やNPOの創意工夫を引き出し、基礎教育に対する幅出し、深掘りを考えていくのが良いと考えます。

2つ目ですが、国の研究開発費についてKPIを導入して成果や効果を追及していくことに対しては大きな意義があると思います。ただ、本質的に重要なのは、効率だけではなく、皆さんおっしゃっているように、効果をいかに最大化させるかということですので、論文の数といったことよりも、どうすれば効果を大きくすることが出来るのかということについて、我々民間を含めて議論すべきではないかと考えます。

なお、KPI管理というのは、比較的短期間で成果が出せるものに対しては設定・運用をしやすい傾向にありますが、中長期のテーマの場合には様々な工夫が必要になると思います。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。土居委員。

〔 土居委員 〕 まず、教職員定数のことで、8ページに疑問1、2、3と掲げてあるわけですが、そもそも教員が多忙かどうかということ自体、主計官は、そこは疑問なしとするということなのですが、教員側が騒いでいるという面があって、それこそ竹中委員がおっしゃったように、対立の構図のような話で言うと、保護者の側から教員は多忙過ぎてかわいそうだから彼らに何とか手当してあげてほしいという声がもっと高まらないと、そもそも本当に多忙なのかと、そういうことが本腰を入れてそれに対策を講じるところにつながってこないのではないかと思います。その意味では、疑問のされ方は全然問題はないのですが、そもそも、保護者や児童から、先生、こんなに忙しくさせてかわいそうという声が本当に上がっているのかというところは、検証する必要があるのではないか。

もう1点は、これは最後ですが、自己収入の件であります。私も以前、この審議会でも申し上げたことがあるのですが、授業料を学生から同じ金額を取るという必然性はないのではないか。例えば、低所得の親、優秀な成績を取っている学生には授業料を減免するかわりに、経済力がある親の子で成績が悪い学生から高い授業料を取れば、そこでプラスにすれば収入が増えるということになります。授業料を引き上げることに抵抗があるというのは、当然、経済力がない方々に対してそういうご懸念があるということは分かるので、そこを配慮することは、決してその授業料を引き上げている人がいるということと矛盾しないことだと思います。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 では、佐藤委員。

〔 佐藤委員 〕 できるだけ手短に。一番関心のある24ページで行きます。これは地財計画とのアナロジーで考えると、ちょっとロジックが逆ではないかとずっと気になっていたのです。例えば、国立大学において今後、社会動向の変化を見きわめながらどの程度の経費がかかるのか。それは実は少子化だけではだめなのです。我々は留学生も受け入れていますし、社会人もいますので、子どもの数が減ったイコール教育費がかからないという意味ではありません。先程田中委員からもありましたように、研究大学院というのもありますので、国際的な競争力を持つ研究をどの程度やるかということによっても、やはり必要経費が出てくるはずなのです。まず、それが出てきて、次に今度は自己収入の割合が出てくる。例えば、それは、私立並みに授業料を段階的に引き上げたらどうなるか。ただし、先程から議論があるように、低所得者に対する配慮はどうするかというところは別途で考えなければいけない。

それから、産学連携を進めたらと言うのですが、産学連携をこれくらい進めたらこれくらい自己収入が上がりますという推計があって初めて、じゃあ、結果的にこれくらい交付金は減らせますという議論だと思うのです。つまり、最初に国立大学の必要総経費があり、自己努力によって得られるだろう自己収入があり、差額として交付金が出てくるという、この順番でなければ、いきなり交付金を切ることを前提に自己収入を上げろと言われても、議論としてはなかなか成り立ちにくいのではないかと思います。

長期の試算ということであれば、しかも、これはすごくコントラバーシャルな議論だと思うので、幾つかのシナリオと丁寧な試算、それからもちろん、大学によって抱えている事情が全く違いますので、地方大学に対するてこ入れを今後どうするのかと、自分で言うのも何ですが、例えば、都会の国立大学は何とかなりそうな雰囲気もありますので、そういうところとのメリハリのつけ方など、少し幾つかのシナリオとケース分けをして、機能別に必要な交付金の所要額を少し出していくという、そういうきめ細かい対応が求められるのではないかと思いました。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 どうもご協力ありがとうございました。

それでは、本日の3つ目のテーマ、「防衛」について審議を行います。堀内主計官よりご説明をお願いいたします。

〔 堀内主計官 〕 防衛を担当します堀内です。私のほうからは、資料3「防衛」という資料に基づきましてご説明させていただきます。

なお、参考資料2ということでご用意させていただいております。

それでは、表紙をおめくりいただきまして、その裏ですが、防衛関係費の概要をご説明させていただいた後、個別の課題ということで、調達改革と、いわゆる「思いやり予算」と言われております在日米軍駐留経費負担の見直し、この2つについて重点的にご説明をさせていただきます。

1ページでございます。本日ご説明のありました公共事業、文教とともに防衛関係費は5兆円前後の予算ということで占めております。このため、防衛関係費についても「経済・財政再生計画」に示された方針に沿って対策に取り組む必要があると考えております。

2ページをご覧いただきますと、平成に入りまして、社会保障関係費を除くと防衛関係費は最も安定的に推移しているのが見て取れます。

3ページをご覧いただきますと、特に25年度以降は、防衛関係費は増加しております。米軍再編経費などを除く防衛関係費につきましては、「中期防衛力整備計画」において、26年度から30年度までの5年間で総額23兆9,700億円の枠内とすることが規定されております。他方で、厳しい財政状況のもと、防衛力の整備に直接関係のない米軍再編経費などを含めまして防衛関係費をメリハリのある予算としていく必要があると考えております。

4ページでございます。これまでも何度も財審でご説明させていただいておりますが、防衛関係費の構造でございます。大きく人件・糧食費、歳出化経費、そして一般物件費と3つに分類されますが、このうち人件・糧食費と歳出化経費で8割を占めるという硬直的な構造です。歳出化経費のもとになりますのは、新規の後年度負担です。新規の後年度負担は翌年度以降の歳出化経費として予算の硬直化の要因となることに留意する必要があると思っております。

5ページが最近の新規後年度負担額の推移でございます。25年度、26年度、27年度と目を転じていただきますと、それぞれ4,000億円前後の増という伸びが見て取れます。また、上の囲みの○の2つ目ですが、27年度予算におきましては、財政法では、後年度は5年以内が原則ですが、防衛に限りましては10年以内とする長期契約法がこの4月に成立しましたので、それに基づきまして固定翼哨戒機を20機まとめ買いすることが行われております。まとめ買いには調達単価を引き下げるという効果があります。一方で、将来の歳出化経費の増加ということにもつながりますので、歳出化のタイミングなどを見て中長期的な調達のあり方に留意する必要があると思っております。また、28年度概算要求を見ていただきますと、27年度とほぼ同額が要求として上がってきておりますが、将来の負担になることを考えると、その抑制は不可欠であると考えております。

6ページをご覧いただきますと、歳出化経費の中身でございます。左側の円グラフをご覧いただきますと、装備品の購入、航空機の購入、艦船建造費など、いわゆる装備品に関するものが5割程度を占める一方で、過去に買った装備品の維持整備費の占める割合も4割程度となっております。装備品の高性能化、複雑化に伴い、こうした維持整備費が増加の傾向にありますので、装備品自身の新規調達の抑制だけでなく、既存装備品の維持調達費の効率化と縮減をしたことが調達改革の主要な課題かと思っております。後程個別のトピックで取り上げたいと思っております。

7ページをご覧いただきますと、調達改革につきましては、これまでも既に取り組んでいるところでございます。中期防でもおおむね7,000億円程度、その対象期間である5年間で行うこととされております。

下の表をご覧いただきますと、26年度、27年度とそれぞれ取り組み、累計ですと2,190億円、28年度も要求ベースでは1,530億円が上がっております。これから予算編成過程でこの額についても精査が必要ですが、仮にこのとおりといたしましても、29年度、30年度で7,000億円を達成するためには、残り2年間で3,000億円強、効率化の努力が必要です。本年10月に設立しました防衛装備庁も調達改革が大きなミッションでございますが、防衛装備庁においても、ここに書いてありますように、プロジェクトマネージャー制の導入、国際共同開発・生産の推進といった施策を強力に推進して、残りの中期防期間中の効率化の効果を上げていただきたいと思っております。

また、8ページをご覧いただきますと、1兆円強の一般物件費の中身でございます。2つ目の○ですが、1行目の後半から、27年度予算編成では、いわゆる思いやり予算の根拠となっております特別協定、これが5年間の措置でしたので、27年度末で期限が到来することになります。それで新たな特別協定の締結交渉、今、日米の外務・防衛当局間で交渉を行っておりますが、こうした中でも財政制度審議会としても合理的な説明がつかないような経費についてきちんと見直していただくような議論が必要かと思っておりますので、後程個別のテーマで取り上げたいと思っております。

駆け足で恐縮ですが、1ページおめくりいただきまして、まず、調達改革の話でございます。10ページは、昨年も財審でお示ししていただきましたが、装備品の高性能化・複雑化、特に最近では情報通信システムという、いわゆるソフト面でも高度化が必要になっております。そうしたことから装備品自身の高価格化、あるいは維持整備費の増大、そうしたことから、P×Qですので予算制約により調達数量が減少することになりますが、それがまた高価格化を招くという悪循環が生じているものでございます。

11ページをご覧いただきますと、装備品の取得方法には様々なものがございます。表の一番左の欄をご覧いただきますと、主な取得方法として、国内開発、国際共同開発・生産、ライセンス国産、輸入を挙げております。それぞれここに掲げているようなメリット、デメリットがございます。詳細はお時間の関係もあり省略させていただきますが、こうしたメリット、デメリットを踏まえた上で装備品の価格上昇、維持費の増大を防ぐために、それぞれ購入しようと思う装備品の特性など、あるいは我が国の防衛生産、技術基盤における強みを踏まえた取得方法の戦略的な選択が不可欠だと思っております。

12ページをご覧いただきますと、幾つかそうした選択に当たって、これまでの事例で教訓となるのではないかという観点から3つ、例を掲げさせていただいております。1つ目はF−35A戦闘機です。これにつきましては、我が国の防衛生産技術基盤の影響も踏まえ、国内企業による製造参画という道を選びましたが、マル1に書いてありますように、国内製造参画に伴い、完成機を輸入する場合と比べて単価が高くなったということになっております。

マル2はC−2輸送機ということで、国内開発の道を選びましたが、マル2と書いてありますように、累次の開発期間の延長といった事態が生じ、それに伴いまして開発費の増大及び単価の上昇ということになっております。

マル3は、下に写真がありますが、戦闘ヘリ、アパッチと言われるものです。これにつきましては、ライセンスもとの生産終了ということで、製造コストの更なる上昇が見込まれることから取得を断念したというものでございます。

2つ目の○ですが、こうしたことから、取得の初期に想定していた調達単価が上昇した場合に、その理由について十分な分析・説明がなされてきたとは言いがたいのではないかと。また、今後はプロジェクトの管理体制を整備し、あるいは、調達コストが上昇した場合には調達の取りやめなどの措置も含めて実効性のある対応を講ずるべきかと思います。

13ページをご覧いただきますと、もちろん防衛装備庁でもこうした問題意識のもと、プロジェクト管理の取組を始められたところでございます。防衛装備庁におきましても、マル1に書いてありますようなプロジェクト管理手法の体制整備ということで、ともすれば、構想、開発、調達などの各段階をバラバラに見ていたものに横串を差すプロジェクトマネージャー体制が導入されております。私どもとしましては、そうした中で、さらにマル2ライフサイクルコストの見積もりの精緻化、そしてマル3のようなプロジェクト管理の強化ということで、例えば、見積額と実際の取得価格に乖離が生じた場合には仕様の見直しを行う、さらには、事業の中止なども含めた見直しを行う、そうしたこともやっていただきたいと思っておりますし、また、こうしたことを国民に対して説明することをやっていただきたいと思っております。

14ページをご覧いただきますと、維持整備の面での効率化ということで2つ程手法を掲げております。1つ目は、PBL方式というものでございますが、欄外のマル1Performance Based Logistics、成果保証契約というものです。米国では十数年以上前から導入されている仕組みということですが、1つ目の●にありますように、修理等を行う場合に必要な部品の個数や作業量に応じて対価を払うということではなく、成果の達成において対価を支払う契約方式でございます。防衛省におきましても、パイロットモデル、一定の効果が上がったということですので、こうしたPBLの対象範囲を拡大していただくことが必要かと思います。

また、マル2ですが、国際的な後方支援(維持・整備)体制の構築ということで、米軍と自衛隊で共通する装備などは日本に整備基盤を設けることによって効率化を図ることができると思っております。

15ページは装備品の効率的な取得に向けたさらなる取組ということで、これまではともすれば自衛隊による所要のみということが前提でしたが、防衛装備移転三原則などもできましたので、こうしたことを踏まえた国際共同開発・生産への参画などを通じて取得価格の低減に努めていただくことも必要かと思っております。

次からは、いわゆる「思いやり予算」と言われております在日米軍駐留経費負担の見直しでございます。

17ページをご覧いただきますと、いわゆる在日米軍の関係経費で我が国が支出しているものの総覧でございます。1つ目の○は、在日米軍の駐留に係る経費に一部を日米地位協定や特別協定に基づき負担し、さらには、マル3ですが、SACO関係経費、米軍再編関係経費などがございます。このうち、いわゆる「思いやり予算」と言われておりますのが、この赤字のマル2在日米軍駐留経費負担でございます。先程申し上げましたように、この根拠となっている特別協定が27年度末で期限を迎えることから、28年度以降の経費の見直しについて検討が必要かと思っております。

具体的な内容は18ページです。まず、上のほうをご覧いただきますと、労務費とありますが、駐留軍で働いている従業員の方の労務費、昭和53年度から当時の急激な円高、あるいは米国の悪化している財政状況などを踏まえて日本が一部負担するという形で始まりました。

労務費の2つ目の黒ポツですが、昭和54年度からは、基本給に対する上乗せ措置である格差給や語学手当等を負担しましたが、欄外で恐縮ですが、注1、平成20年に、さすがに今のご時世ということで廃止されましたが、25年の国家公務員給与減額措置の適用に合わせて復活し、その後、同減額措置の終了後も依然として残っている経費でございます。また、提供施設整備、Facility Improvement Program、FIPと呼ばれておりますが、昭和54年度から、そこに書いてありますような施設整備を負担しております。平成12年10月以降は娯楽性のあるレクリエーション施設などの採択、我が国の負担は行わないことにされています。

また、※ですが、現行の特別協定を巡る日米協議では、後程申し上げますが、労務費や光熱水料等の減額に際しまして、提供施設整備にその減額分を充当することとされています。また、昭和62年以降は特別協定という形で労務費を我が国が負担するようになりました。特に平成3年度からは基本給も我が国が負担することになりました。また、平成8年度からは、我が国の財政状況等にかんがみて負担の上限の労働者数を設定するということが行われ、現行協定では2万2,625人を負担しております。ただ、参考に書いてありますように、駐留軍の労働者の内訳を見ますと、今、2万5,200人ございます。そのうち警備員や機器の整備などを行う方が1万9,000人強おられますが、福利厚生施設で働く方が1,800人いることになっております。こうした方の基本給なども負担していることについてどう考えるかということかと思います。具体例としては、ゴルフ場とかボーリング場のマネージャー、そうしたことが、この福利厚生施設のことでございます。

また、光熱水料ということで、平成3年度からは、隊舎や家族住宅、レクリエーション施設の光熱水料を負担しております。13年度からは基地外の米軍の住宅は対象外とし、20年度以降は上限の額を設定するということにしております。

こうしたことからトータルで27年度の予算額は1,899億円となっております。

19ページをご覧いただきますと、今、申し上げたような経緯、対象範囲の拡大などを通じて11年にはピークに達しています。その後の見直しによってさらに下がってきておりますが、23年度から27年度はほぼ1,800億円台後半で維持されております。

他方で、20ページをご覧いただきますと、米軍再編経費には、例えば、今、厚木にある空母艦載機の部隊を岩国に29年中に移転するのを目途に、岩国で隊舎や家族住宅、小中高校の整備などが急ピッチで進められております。そうしたものをあわせて考えると、3,000億円強ということで、むしろ24年度以降をご覧いただくと急激に増加していることが見て取れます。

また、21ページをご覧いただきますと、我が国が自主的にいわゆる思いやり予算を負担するようになった当時と比較しまして、経済や財政の状況は大きく変化しています。特に最近ですと、むしろ急激に円安の傾向が見て取れますし、財政は日本のほうがアメリカよりはるかに悪いということです。

また、2つ目の○ですが、日米の新ガイドライン、平和安全法制など、国際協力、平和協力や安全保障分野における日本の責務、役割は拡大しております。そうした情勢の変化なども踏まえて、いわゆる「思いやり予算」と言われている経費負担のあり方の見直しが必要かと思います。

次のページは、相手国のある話、米軍の話なのでデータに限界がございますが、各国比較したものでございます。この負担割合をご覧いただきますと、注にありますように、多少古いですが、我が国がほかの国より突出した負担しており、また、下から2つ目をご覧いただきますと、光熱水料などは、他の駐留軍国では負担していないという状況にございます。

23ページが現行の特別協定です。欄の1つ目の○ですが、先程少し申し上げましたが、労務費や光熱水料等の見直しを行う一方で、施設整備費に充当するということで全体の水準が維持されたことがあります。新たな特別協定の締結に際しては、合理的な説明がつくかどうか、つかないならば、労務費、光熱水料、施設整備等の廃止も含めた見直しが必要かと思っております。

24ページ以降で具体的な見直しの方向性です。24ページが労務費、3つ掲げてあります。1つ目は、基本給等は、本来、地位協定に基づいて米国が負担すべきもので、廃止も含めて縮小を図っていく必要があるのではないか。2つ目の○は、特にレクリエーション・娯楽施設等で働く労働者の我が国の負担については、提供施設整備自身はそうした施設は採択していない、また、こうした施設はサービスの対価として収益があることから、その中で賄われるべきということで廃止していく方向で検討すべきではないか。3つ目は、先程申し上げた、格差給、語学手当といったものの経緯を考えますと、廃止に向け早急な見直しが必要かと思っております。

25ページは光熱水料ですが、他の米軍駐留国では必ずしも負担していないということから、そもそも負担するのがどうかという負担の是非に加え、負担のあり方、例えば、娯楽施設や家族住宅、先程申し上げたように、基地の外の分は負担しないようになっておりますが、基地の中の人について負担するのはどうかという観点から議論が必要かと思っております。

最後、26ページです。提供施設整備につきましては、右の四角で囲ってあるように、太陽光発電やLED外灯といったものも入っております。こうしたものの施設整備、必要性などを精査して措置するべきもので、あらかじめ負担総額を決めるのは不適当だし、また、精査に当たっても厳しい財政状況を踏まえれば、厳格に精査していくべきかと思っております。

ちょっと駆け足でしたが、以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

それでは、どなたからでもご質問、ご意見をお願いします。土居委員、田中委員。

〔 土居委員 〕 ご説明どうもありがとうございました。私から1点だけ申し上げたいと思います。5ページの新規後年度負担額が増えているということで、これは余り増え過ぎると防衛費が硬直的になってしまうという意味では、ここを大変注視していく必要があると思います。特に国庫債務負担行為が10年間に伸びるということになったことで、確かに調達コストを安くすることはできるという面では評価をするのですが、逆に、単価が安くなることをもってどんどん後年度負担が発生するような調達を前倒しで行うことにすると、どんどん硬直化していくことになるので、そういった調達コストが安くなるということと、将来の後年度負担がどのように影響するかということとあわせて予算をつけるべきではないかと思います。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 田中委員。

〔 田中委員 〕 ありがとうございます。手短に2点申し上げたいと思います。この2、3年の傾向だと思うのですが、防衛に関するページが厚くなっており、中身がかなり濃くなっているのですが、その中で10ページ、12ページのような価格差に関しては、一般的な常識からすると、なぜこんなに価格の差があるのだろうという程大きいもので、恐らく、明日には、この資料をアップすると思うのですが、世の中にこれを説いていくこと自体、非常に重要な機会になっているのではないかと思います。

それに関連しますが、14ページのPBLのようなものに関しては、分析を追跡してもっと内容をアップするべきではないかと思います。

2点目は非常に瑣末な質問なのですが、15ページの事例マル2に民間転用と書いてあるのですが、中身を見ますと、途上国の政府に対して転用しているので、どうしてこれが民間転用なのかというのは分からないものですから、もし可能であれば教えていただければと思います。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 2点目です。

〔 堀内主計官 〕 2点目ですが、15ページの青い枠の中の※のところに書いてあります。ただ、これでも「外国政府」、「他府省」と書いていますので、いわゆる民間のイメージとは違うのではないかというご趣旨かと思います。これは、防衛省のほうで使っている用語ですのでそれをそのまま使ったのですが、防衛省のほうでは、外国政府などであっても、いわゆる軍事に使うものではないという意味で民間という趣旨で使っているというようなことでした。そういう面では、もう少し詳しくここに書いたほうがよかったかと思います。失礼いたしました。

〔 吉川分科会長 〕 はい。では、続けて葛西委員、老川委員、お願いします。

〔 葛西委員 〕 そもそも防衛については、日本を取り巻く安全保障環境という外の条件に対し、我々自身が何をしなければならないかという議論が先にあるべきで、それをいかに効率的に達成するかという話が次に来るのだと思います。説明時間に制約があるにしても、これまで防衛費は安定的に推移してきたとか、コストをどう下げるかという内向きの話から始めてしまうのは、順番が違うのではないでしょうか。資料では米軍への「思いやり予算」という俗称を使って、それを削減すべきとありますが、議論の組み立て方としては、日米同盟をどう強化していくか、どこまで強化する必要があるかという観点、そして今までどうやってきたのだという話の中で今後日本の国防をどうすべきかという観点をはっきりさせることが必要です。そのような座標軸をしっかり持つべきだと思います。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 はい、では、老川委員。

〔 老川委員 〕 今の葛西委員の後段の部分とも若干関連しますが、思いやり予算、これは地位協定24条で、土地、施設の提供以外は、日本は負担しないということになっていることから、それを本来、改定すればもっとすっきりする話を、別途、特別協定という形でやってきているということなのです。ただ、この安全保障環境の国際情勢の大きな変化、あるいは、日米同盟強化の必要性から考えると、やはり、負担すべきものは日本も積極的に負担する。しかし、削れるものは削っていただかなければ困る。そこで、日本側が削ってもらいたいということがアメリカ側の負担を増やすという形になると、なかなか日米の安全保障、協力体制というものに影響が出てきてしまう可能性があるので、基地機能を落とさない、向上させつつ、しかしアメリカの負担にもならない形で合理的に削っていく。そうなると、やはり基地の再編・統合ということをアメリカと一緒になって検討するような形の中で、合理的な答えを見出していくことが必要なのではないかと思います。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。先程の葛西委員のご発言のご趣旨は、一応私も理解できたつもりなのですが、前にもお話ししましたが、財審なものですから、教育でも公共事業でも何でもそうだと思うのですが、そのものの本質論というのは当然、別途あるわけです。どうしても財審の場合には、それぞれの本質論のところで必ずしも十分には時間を使えないままに、やはり、我々の守備範囲であるお金周りのところで厳しい財政の中でどうするかという議論が先行しがちであると、そこはご理解いただきたいと思います。

〔 葛西委員 〕 公共事業や教育というのは目的論にかなり踏み込んだ議論をしています。安全保障については、それを逃げているという感じがします。だから、私は、公共事業だと、こういうものが必要であるということを先に整理しておいて、それをいかに効率的にやるかという話になっているような気がしますが、防衛は逃げている。逃げるのはどうも、戦後、日本の国の風潮のようになっている。その風潮の中に身を置いているように思いますが、環境の変化を考えて、もう少し踏み込んだほうがよろしいのではないか、おっしゃることはよく分かります。

〔 吉川分科会長 〕 なるほど、分かりました。

では、続いて角委員、竹中委員、お願いします。

〔 角委員 〕 以前、何とか日本の海を守らなければならないということで、海保のことも含めて過去には議論したことがあったように思います。私は、22ページの、やはり国によって格差、違うというのは、せっかく現在の政権下で積年の課題でありました集団的自衛権につきまして、もちろん大きな制限はありますが、前進した。それも支持率の低下という大きな犠牲を払って、集団的自衛権について大きな前進を見たわけですから、当然、アメリカは過大な要求をしていることも仄聞しておりますが、この点については、ここまでの格差が国によってあるというのは、私は理不尽ではないかと思うのが1点です。

もう1点は、海上自衛隊と航空自衛隊は指揮命令系統が一本ですが、陸上自衛隊は5方面に分かれているということで、東日本大震災のときに全国的な作戦を立てる上で大変なご苦労をされたということを聞いておりますが、それにつきまして、前進する方向で話が進んでいるということは非常に喜ばしいことだと思います。

企業で言いますとホールディングカンパニーができるわけですから、ぜひともそういった中で指揮命令系統の一本化に合わせて、幹部の皆さん、会社では役員、幹部社員の効率的な運用によって作戦の立てやすさと同時に効率化も図れるという方向にご議論いただければありがたいと思います。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 竹中委員、お願いいたします。

〔 竹中委員 〕 日米同盟はもう日本の防衛の基軸ですので、こういうことに関してはしっかり議論されるべきだと思います。いわゆる思いやり予算の部分ですが、重要な議論だと思います。しかし、その基軸であるがゆえに日米が遠慮し合わずに、しっかりと意見を闘わせる、しかも、予算のことでも闘わせるという関係になっていくのが望ましいのではないかと思っていて、先程から言葉に出ている、瑣末なことになるかもしれませんが、18ページのところ、IHAの具体例、労務費の中のゴルフ練習場、ボーリング場、観光ガイド、バーテンダー、映画映写技術と書かれていますが、恐らくこれは、福利厚生施設の中でも収益が上げられる部分だと思います。ですから、こういうところに関しては、上げた収益できっちり運営してくださいというようなことから、まず、しっかり言い合えるような日米の間柄であっていただきたいというふうに、これを見て思いました。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 では、黒川委員。

〔 黒川委員 〕 私は1点、12ページの調達価格の格差の問題です。全部、完成機を輸入するか、国内企業も参画させるかの問題については、先程主計官もおっしゃったように、国内企業の育成というような面もあるだろうということなのですが、私自身はもう一つ、こういう装備というものは、メンテナンス、部品の取りかえや整備等、その後、非常にお金がかかっていくものなのです。そこで、完成機を輸入していた場合と比べて、国内企業も参画していけば、その後のメンテナンス費用、あるいはメンテナンスの期間など、様々なメリットがあるのだろうと。だから、この取得原価だけ見て比べるというだけではなく、その後のライフサイクルコスト全般で見て比較をする必要もあるのではないかというように、この表を見ました。

以上であります。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。では、佐藤委員。

〔 佐藤委員 〕 ありがとうございます。私も葛西委員がおっしゃったように、防衛費に関してはもう少し突っ込んだ議論をしてもいいというようには思います。ほかのところに比べると議論がこれまで薄かったのかなという感じがします。感想です。

先程黒川委員からもご指摘がありましたが、フルコストという概念で考えなければならなくて、哨戒機も含めて高い、本当に高いのだと思います。しかし、そういうメンテナンス費用を含めてどうなのかということ。逆に、先程の後年度負担は、今年の費用は安く出るが、逆に後年度負担を増やしているだけなので、それは負担の先送りなので、後年度負担も含めてどう理解するかということなので、会計的に考えれば、発生主義的にフルコストの概念でこういう防衛費は捉えないと、我々、過大評価、過小評価、正しくコストを見積もったことにならないのではないかと思います。

それから、瑣末な議論ですが、24ページで、労務費の見直しです。これは別に日米の関係ではなく、単純に駐留軍等の労働者のコストが、やはり民間事業者に比べて高いだろうということは言えると思います。逆に、この部分は米軍にとっても、場合によっては負担軽減につながる部分でありますので、様々な手当等々があるようですが、平成25年度に復活したということであり、一時廃止されていたということもありますので、このあたりは、やっていることは同じですから、きちんと民間労働者並みに抑えていくこと、これは日米同盟と何の関係もなく一つのコスト削減にはつながるのではないかと思います。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕 最後に倉重委員。

〔 倉重委員 〕 私も、今回のいわゆる思いやり予算の見直しというのは賛成なのです。先程葛西委員もおっしゃったが、今回、安保法制もつくり、なぜつくったかというと、安保環境に大きな変化が起きているわけです。それに対して、この一つの全体像を見直す非常にいいチャンスであるということが一つです。それから、これはもう78年から始まって、本来は暫定的な特別協定として始めたものが異様に膨張して、ほかの予算と一緒なのですが、見直すべきときには、一つの機会を持って、チャンスとして財審としては手をつけるべきだということです。

それから、先程から皆さんもご指摘されているように、各国との比較において、いささか行き過ぎであるということもしかり。それから、これまでこういった議論を非常に不透明な、情報を余り開示がない中で放置してきたということがあると思います。今回、さすがに財審としても、もうさわるところがないので、ここに至ったという印象を受けているのですが、それだけに、今回は、これは非常に緻密なデータを提示して議論すべきだという気がいたします。

そもそも、「思いやる」という言い方が既にもう非常にいいかげんだと思うのです。これは、豊かな人から貧しい人に与えるというイメージと、何か、日本が向こうの紛争解決の努力に対して土地だけ、お金だけ提供しているという趣旨に対して後ろめたさみたいなものも含んでずっと使われてきた言葉だと思いますが、いずれも従来環境にそぐわなくなっていると思います。第一には、日本はそんなに豊かではなくなったということもありますし、第2には、一連のその後の日本の努力もあり、状況環境が変わったとも思うのです。そういったことから今回見直す非常に好機だと思うので、非常に幅広い公開的な議論をすべきだと思います。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。皆様方のご協力を得まして、ほとんど時間どおりに終えることができました。ありがとうございました。

それでは、時間ですので、以上で本日の議論は終了とさせていただきます。

なお、本日ご欠席の古賀委員から意見書をご提出いただいており、皆様方のお手元にお配りしておりますので、ご参照ください。あとはもうルーチンですが、大変恐縮ですが、本日の会議につきましては私にご一任いただいて、報道関係へのブリーフをさせていただきます。

次回は10月30日、金曜日、同じ週ですが、午前10時から会議を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。

これで終わります。ありがとうございました。

午後 5時32分 閉会

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