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財政制度分科会(平成27年8月5日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録

平成27年8月5日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

平成27年8月5日(水)16:00〜17:20
第3特別会議室(本庁舎4階 中-412)

1.開会
2.主計局幹部紹介
3.事務局からの説明
・経済財政運営と改革の基本方針2015
・中長期の経済財政に関する試算
・平成28年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針
・最近のギリシャ情勢
4.今後の進め方について
5.閉会

配付資料
資料1   「経済財政運営と改革の基本方針2015」の概要等
資料2−1 「中長期の経済財政に関する試算」(内閣府)の概要
資料2−2 今後必要な収支改善幅について
資料3   「平成28年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」
資料4   最近のギリシャ情勢

(参考資料)
参考資料1 「経済財政運営と改革の基本方針2015」
参考資料2 「中長期の経済財政に関する試算」(内閣府)
参考資料3 「平成28年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」骨子
参考資料4 「平成28年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」本文

出席者

分科会長吉川 洋

宮下副大臣
大家大臣政務官
竹谷大臣政務官
福田主計局長
美並次長
可部次長
茶谷次長
阪田総務課長
中山調査課長
青木法規課長
余島司計課長
片岡大臣官房参事官
小宮主計官
宇波主計官
奥主計官
阿久澤主計官
高村主計官
彦谷主計官
堀内主計官
冨安主計官
山崎主計官
タカ5主計官
江島主計官
廣光主計企画官
泉主計企画官

委員碓井 光明
遠藤 典子
大宮 英明
黒川 行治
角   和夫
竹中 ナミ
田中 弥生
土居 丈朗
富田 俊基
中空 麻奈
臨時委員

赤井 伸郎
板垣 信幸
老川 祥一
岡本 圀衞
加藤 久和
小林 毅
佐藤 主光
末澤 豪謙
十河 ひろ美
武田 洋子
田近 栄治
宮武 剛


午後 4時00分開会

〔 吉川分科会長 〕 それでは、定刻ですので、ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。

 皆様方には、ご多用中、また大変な猛暑の中、ご出席いただきまして、誠にありがとうございます。

 本日は、「経済財政運営と改革の基本方針2015」、内閣府「中長期の経済財政に関する試算」、「平成28年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」及び「最近のギリシャ情勢」等について審議していただきます。

 審議に先立ちまして、この夏、主計局の幹部の異動がございましたので、事務方からご紹介いただいて、簡単なご挨拶をいただければと思います。よろしくお願いいたします。では、局長から。

〔 福田主計局長 〕 7月7日付で主計局長になりました福田でございます。よろしくお願いします。

 1年前まで主計局次長をやっておりましたので、この審議会ではご指導いただいてまいりました。1年間、大臣官房におりました。「経済・財政再生計画」が決まりましたが、今年度も、来年度予算の編成に向けては、歳出増加圧力が強うございますので、ぜひ引き続き、財審の先生方には叱咤激励とご指導をいただきたいと思います。どうかよろしくお願いします。

〔 美並次長 〕 同日付で主計局次長に就任いたしました美並でございます。予算では、農林、文科、経産、環境、それから司法警察を担当いたします。よろしくお願いいたします。

〔 可部次長 〕 可部でございます。総務課長として大変お世話になりました。再び予算を担当させていただくことになりました。担当は、社会保障と防衛、給与等でございます。よろしくご指導をお願いいたします。

〔 茶谷次長 〕 同じく、7月7日付で次長になりました茶谷でございます。担当は、内閣、復興、外務、総務、国土交通、あと司計課で決算も担当しております。どうぞよろしくお願いいたします。

〔 阪田総務課長 〕 総務課長になりました阪田でございます。7月までは企画担当の主計官でございました。引き続き、どうぞよろしくお願いします。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 それでは、早速議事に移らせていただきます。

 まず、「経済財政運営と改革の基本方針2015」、内閣府「中長期の経済財政に関する試算」、「平成28年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」及び「最近のギリシャ情勢」等についての資料を全部まとめて中山調査課長より説明をお願いいたします。

〔 中山調査課長 〕 調査課長の中山でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、お手元にあります「説明資料」とございます資料に沿いまして、ご説明したいと思います。

 最初、いわゆる「骨太の方針2015」の概要等でございます。

 3ページをご覧ください。

 まず、6月1日に麻生大臣に手交していただきました建議のポイントを振り返りますと、その中で財政健全化目標を堅持するとしていただいた上で、基本的考え方といたしまして、デフレ脱却・経済再生に最大限取り組み、できる限りの税収増を図るとしつつ、税収増だけに期待することなく、歳出改革を柱とする、経済が好調な時にこそ歳出改革を加速し、デフレ脱却後の金利上昇を見据え、財政収支を注視していくという方針を示していただきました。

 その上で、歳出規律につきましては、(2)でございますが、国については「一般歳出」の水準をメルクマールとする。その水準については、真ん中でございますが、これまでの歳出改革の取組を継続・強化するものとし、安倍内閣の過去3年間の歳出の増加ペース以上に歳出が増加することのないよう歳出を抑制していく方針としてございます。

 各歳出分野につきましては、(3)でございますが、社会保障につきまして、歳出の伸びを「高齢化による伸び」、年約0.5兆円程度に相当する範囲に抑制する。社会保障以外の経費については、これまで同様、増加を前提としない。地方財政については、国と同様の歳出改革の取組を行うという方針を示していただいています。

 その上で、中間時点に当たる2018年度当初予算編成後に進捗状況を評価し、歳出・歳入の追加措置を検討するという枠組みを提示していただいたところでございます。

 各論につきましては、特に社会保障につきまして、4ページに示しておりますとおり、公的保険給付範囲の見直し、サービス単価の抑制、負担能力に応じた公平な負担、医療の効率化等、各分野にわたりまして制度改革の検討課題を幅広く提示いただいたところでございます。

 これを受けまして、6月30日、「骨太の方針2015」を閣議決定したわけですが、概要は5ページ以降でございます。

 まず、財政健全化目標等につきましては、従来の財政健全化目標を堅持することを明記し、さらに将来につきまして金利動向と財政収支にも十分注意するということを明記してございます。

 歳出改革につきましては、「公的サービスの産業化」、「インセンティブ改革」、「公的サービスのイノベーション」を3本の柱としつつ、歳出全般にわたり安倍内閣のこれまでの取組を強化し、地方においても、国の取組と基調を合わせ徹底した見直しを進めるという基本方針を定めたところでございます。

 その上で、歳出規律の具体的な考え方につきましては、6ページでございます。

 国の一般歳出について、安倍内閣のこれまでの取組を基調とするということといたしまして、具体的には、社会保障の高齢化による年0.5兆円程度の増加分を除き人口減少というマイナス要因、賃金・物価動向というプラス要因の両方を踏まえて、全体として増加を前提とせず歳出改革に取り組むとしているところでございます。地方につきましても、国の取組と基調を合わせ徹底した見直しを進めるとしておりまして、その上で、計画の中間時点(2018年度)において、以下に示しております目安を設定しておりまして、必要な場合には追加の歳出歳入措置を検討することとされております。

 この目安でございますが、点線の枠内でございます。本件に関しましては、早い段階から、最初に書いてありますPB赤字対GDP比を2018年度マイナス1%程度とするというメルクマールについてご議論があったところでございます。この点につきまして、財審建議の中で成長率や歳入面の動向に左右される指標のみに依拠することは望ましくないとしていただいた上で、歳出水準そのものに係る実効性ある歳出規律の設定が提言されたところであります。

 これを受けまして、国の一般歳出の水準につきまして、安倍内閣のこれまでの3年間では一般歳出の総額の実質的な増加が1.6兆円、これは高齢化による増が0.5兆円の3年間分で1.5兆円、その他につきましてはほぼ横ばい、3年間で約0.1兆円、足して1.6兆円程度となっていること、経済・物価動向等を踏まえ、その基調を2018年度まで継続するとしております。

 社会保障につきましては、これと同様、社会保障関係費の実質的な増加が高齢化による増加分に相当する伸びが1.5兆円程度となっていること、経済・物価動向等を踏まえ、その基調を2018年度まで継続していくことを目安とし、さらに2020年に向けましても、社会保障関係費の伸びを、高齢化による増加分と消費税引上げとあわせて行う、いわゆる社会保障充実分等に相当する水準におさめることを目指すということで大きな方向性を示したところでございます。

 地方につきましても、国の一般歳出の取組と基調を合わせ、一般財源の総額について、2018年度までにおいて、2015年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保するとしているところでございます。

 さらに、各論につきましては、7ページであります。

 まず、社会保障につきまして、国民皆保険・皆年金の維持、そして次世代へ引き渡すことを目指すという基本的考え方を示した上で、後段にございますように、病床、外来医療費などの地域差を是正する、外来時の定額負担の検討、ジェネリック、高額療養費制度、介護の利用者負担の在り方等、これまで財審の建議で示されてきた制度改革とおおむね共通した検討課題を幅広く設定したところでございます。これらの詳細につきましては、次の8ページから11ページに添付しておりますので、ご参照いただければと思います。

 その他の分野につきましても、12ページでございますが、社会資本整備、地方財政、文教等、各分野につきまして、歳出改革の方向性、検討課題を提示したところでございます。これら各検討課題につきましては、「骨太の方針2015」の中で速やかに改革工程、成果目標等を具体化することとされております。このため、経済財政諮問会議の下に専門調査会を設置することとされ、この財審委員の中からも赤井委員、佐藤委員が委員として就任されたところでございます。

 この「骨太の方針2015」の決定後、13ページでございますが、7月23日にIMFの2015年 対日4条協議審査報告書が出ております。この中でも、財政健全化計画について触れられておりますので、ご紹介したいと思います。

 真ん中のところでございますが、公表された中期的な計画は、財政政策を導く有益な支えとなっているということで、一定の評価をいただいているところでございますが、同時に、経済再生ケース、後ほどご説明しますが、名目成長率3%超のケースでございますが、この基での過度に楽観的な成長率の想定に依拠することは、2020年度の目標を達成するために必要な構造的財政収支の調整額を限定的なものとすることから、当局の計画の信頼性を損なうリスクがあるということで警鐘が鳴らされているところでございまして、この点、財審の建議の中でも、いわゆる「ストレッチ目標」といったご指摘があったところでございまして、ある意味、共通した面があるのかと思っております。

 さらに、今後につきましては、債務残高対GDP比を下方軌道に乗せていくためには、更なる財政健全化措置が必要といったご指摘もいただいているところであります。

 続きまして、7月22日に公表されました、いわゆる「中長期試算」についてご説明したいと思います。

 15ページをご覧ください。

 この「中長期試算」につきましては、例年、当初予算編成後の1月頃と、成長率見通しの改訂に関する年央試算が出ます7月頃と年2回改訂しております。今回、7月改訂に合わせまして、大きく2点変更がございます。

 1つは、マル1のところで、経済成長率の見通しに関する年央試算を反映しておりまして、2015年度、2016年度につきまして成長率の見通しを見直しております。具体的には、括弧で書いてありますとおり、2015年度、2016年度とも名目2.9%に改訂してございます。これを受けて、その先をモデルで回しているわけですが、2017〜2023年度の平均で、「経済再生ケース」では名目3.6%、「ベースラインケース」では名目1.4%ということで、従来の成長シナリオに大きな変更はない状況にございます。

 2つ目の変更点は、歳出歳入の見通しの変更でございます。

 歳入面につきましては、2014年度決算が出ておりますので、その一時的要因を除いた税収増を土台として反映しております。2020年度ベースで見ますと、国・地方合わせて約1.4兆円の改善効果となっております。他方、歳出面につきましては、2016年度等における歳出見通しの変更を行っておりまして、これによって2020年度時点で1.8兆円の改善が図られております。具体的には、年央試算において2016年度の政府支出が示されておりますので、それと合わせる形で歳出の見通しの水準を下方修正したものでございます。この歳出歳入の見直しによりまして、収支ベースでいいますと1.4兆円プラス1.8兆円の3.2兆円改善する形になってございます。

 各年度で見ますと、PB赤字対GDP比半減目標の年度である2015年度につきましては、前回試算からPBベースで約1兆円改善しておりまして、2015年度は15.4兆円の赤字の見通しになっております。これは、対GDP比でみるとマイナス3.0%ということで、いわゆる半減目標になっておりましたマイナス3.3%を達成する見込みが立っているかと思います。

 さらに、一番下、2020年度時点、目標でいえばPB黒字化ということですので、それに残るPBギャップの幅でございますが、「経済再生ケース」では、従来9.4兆円ということでございましたが、3.2兆円改善して6.2兆円、「ベースラインケース」では16.4兆円から11.9兆円に改善した姿となってございます。

 これをグラフで見たのが16ページ以降でございます。ざっとご説明したいと思います。

 まず、名目成長率でございますが、2015年度、2016年度につきまして、年央試算を反映して2.9%に改訂した上で、あとはモデルで回しておりますが、基本的な成長ラインは変わってございません。

 17ページは歳出歳入の推移でございますが、左側、税収につきましては、決算の土台増を反映して全体として1.4兆円上振れした姿になってございます。他方、歳出のほうは、先ほど申しました歳出見通しを下方修正したことに伴いまして、全体として1.8兆円、下方修正されてございます。

 これによりまして、18ページでございますが、その収支、基礎的財政収支の推移でございますが、全体として改善した姿になっております。2015年度につきましては、GDPに対してマイナス3.0%ということで、財政健全化目標の基準年度である2010年度のマイナス6.6%の半減目標3.3%については、達成の見通しとなってございます。将来につきましては、2020年度時点で高成長3%超の成長を実現した上でも残る収支ギャップといたしまして6.2兆円、GDP比でマイナス1%程度が残っております。先ほどご説明しましたPB赤字の対GDP比1%程度のメルクマール、2018年度の水準につきましても、高成長ケースでマイナス1.7%となっておりますので、まだ0.7%ポイント、ギャップが残っている姿になってございます。

 この想定ではPBは高成長の下で改善する姿となっておりますが、19ページにございますように、利払費を含めた財政収支につきましては、成長しても悪化する姿となっていることは引き続き変わりない状況にございます。

 この背景にありますのは金利の見通しでございまして、20ページでございます。これも従来の推計と概ね変わりませんが、例えば成長ケースでいえば2020年度時点で金利が成長率を上回る形で推移することが想定されてございます。

 これによりまして、21ページでございますが、債務残高対GDP比につきましても、当面は、いわゆる過去の低金利の金利ボーナスの影響で、成長すれば低下する見通しとなっておりますが、いずれ平均金利が成長率を上回ることになりますので、おそらく2020年代のいずれかの段階で反転、上昇する姿ということについては変わりないと考えております。

 今回の中長期試算の改訂を受けまして、PBが3.2兆円改善しておりますので、目標達成に向けて若干楽観論、あるいは歳出改革を緩められるのではないかといった見方が一部出てきている懸念がございますので、本件に関しまして今後必要な財政収支幅について整理したのが資料2−2でございます。

 23ページをご覧ください。

 先ほどご説明しましたとおり、PBのギャップにつきましては9.4兆円から6.2兆円に3.2兆円改善した姿となっておりますが、要因分解いたしますと、税収増等によりまして1.4兆円、歳出の下方修正によって1.8兆円でございます。

 この1.4兆円の税収増につきましては、収支改善に寄与する部分と考えますが、1.8兆円につきましては、2つ目の丸にございますとおり、歳出見通しの変更によるものでございます。この点、財審でも、「中長期試算」のモデル上の歳出を物価2%で伸ばしていることは過度に伸ばし過ぎ、実態から乖離しているのではないかといったご指摘もあったところであり、そのような意味では、それを一部修正した姿になっているかと思います。しかしながら、これは、今後必要な収支改善幅自体を変えるものではないということだと考えております。

 従いまして、3つ目の丸にありますように、税収増等による収支改善はあるものの、安倍内閣のこれまでの取組を基調とした歳出改革を継続した場合の2020年度におけるPBの見方については、大きく変更する状況にはないと考えております。

 これは少しわかりにくいので、グラフで説明しましたのが24ページでございます。

 これは、右肩に書いてありますとおり、5月12日に麻生大臣から経済財政諮問会議にご提出、ご説明いただいた資料でございまして、建議の参考資料にもさせていただいているものでございます。2月時点のギャップが9.4兆円残っている前提での見通しでございますが、この時点で「経済再生ケース」におけるPB歳出が青の線でございまして、PB歳入の見通しが緑の線でございます。成長によって税収は上がっていくものの、2020年度時点で9.4兆円のギャップが残っているという下での絵でございますが、その中で、上のほうに書いてありますとおり、これまで3年間の実績を踏まえた歳出で、歳出の伸びを抑制していくことによって9.4兆円の大宗は解消可能ではないかといった提言をさせていただいたものでございます。

 この9.4兆円が、今回の試算によりまして6.2兆円にある意味圧縮されたわけでございますが、まず税収増、これは土台増が1.4兆円でございます。これは、緑のラインが全体として上に上がったことになりますので、その意味では、赤の歳出の水準と税収の間のギャップが相当程度改善する方向に寄与していると考えております。他方、大宗を占める1.8兆円分につきましては、上の想定されている歳出の伸びを下方修正したものでございますので、いずれにせよ、赤の線での改革が必要な状況には変わりないと考えてございます。

 1ページ戻っていただきまして23ページ、最後の「○」でございます。従いまして、まずは計画の中間時点である2018年度までの集中改革期間において、「骨太の方針2015」を踏まえ、国の一般歳出について、安倍内閣のこれまでの取組を基調とし、社会保障の高齢化による増加分を除き、人口減少や賃金・物価動向等を踏まえ、増加を前提とせず歳出改革に取り組むことが重要であると考えてございます。

 次に、計画初年度となる28年度予算につきまして、7月24日に、いわゆる概算要求基準を閣議了解しておりますので、あわせてご報告させていただきたいと思います。

 26ページでございます。

 まず、社会保障関係費につきましては、年金・医療等の部分でございますが、高齢化等に伴う増加額を0.67兆円のとしております。本件については、財政健全化計画の目安との関係でいいますと、2018年度に向け、高齢化に伴う伸びを一つの目安としてございますので、この目安を踏まえ、編成過程で精査していく方針としてございます。その他の歳出につきましては、全体として増加を前提としない歳出改革を進めるということでございます。

 これを受けまして、裁量的経費について、昨年と同様、まずは10%の効率化を各省に求めております。その上で、要望基礎額の30%、金額にいたしますと4兆円弱を、要望額として受け入れます。受け入れた上で、右肩に書いてありますとおり、計画における一般歳出の水準の目安を踏まえ措置するよう精査していきたいと考えてございます。

 最後に、ギリシャ情勢でございますが、本件につきましては、4月6日に末澤委員より国際情勢のご説明をいただきました。その後、状況変化があったギリシャについて、フォローアップのご説明をさせていただきたいと思っております。

 28ページでございます。

 1月27日、ギリシャ総選挙がございまして、緊縮財政路線の転換を掲げるチプラス政権が発足し、その後、6月末を目処に改革案の調整、協議が進められたわけですが、6月末に至っても交渉は難航し、6月27日、突如チプラス首相は国民投票にかけることを発表したわけです。これを受けて、ユーロ圏財務相会合ではギリシャへの反発が起こり、現行の支援プログラムの延長を行わないことを決定。翌28日にはECBが緊急流動性支援を据え置くことを発表し、ギリシャ政府は国内銀行の休業と資本規制導入に追い込まれた状況になったと考えます。30日にはプログラムの期限が切れ、IMFへの返済の遅延が発生することとなり、5日には国民投票を実施し、財政緊縮反対票が6割を超えるという状況で混乱のピークを迎えたという状況かと思います。

 これまでの混乱の局面に関しまして、右側に2つの図を用意してございますが、昨年、財審でご審議いただいた2009年の欧州債務危機との関係で状況変化が大きく2つあるかと思います。

 1つは、上の円グラフで示させていただいておりますが、2009年当時はギリシャ国債の大宗を民間金融機関が保有しておりましたので、危機に際して、欧州各国の金融機関に金融不安が波及した面があったかと思います。今回は、ご覧いただきますと、概ね4分の3程度を公的債権者が保有するという状況でしたので、今回はその波及はかなり限定的だった面があるかと思います。

 2つ目、下の欧州各国の国債金利の推移でございます。前回の混乱期にはギリシャの他に、いわゆるPIIGSと呼ばれる各国の金利上昇が起こったわけでございますが、今回の状況を見ますと、例えばアイルランド、ポルトガル、スペイン等は金融支援措置を卒業している状況にございました。そのような各国の財政健全化の取組状況の差も反映して、今回はギリシャ問題と見ることができるのではないかと考えてございます。

 29ページ、その後の状況でございますが、9日には、結局、EU側が求めていた改革項目を概ね盛り込んだ改革案をギリシャ政府が提出し、支援要請を行いました。12日、ユーロ各国は法制化することを条件に協議再開に合意いたしました。これを受け、ギリシャ政府は16日に関連法案を議会で可決し、これを受けてECB、EUとも支援協議を再開したという状況かと思います。それを受け、返済が再開され、金融機関の限定的営業開始に至り、混乱は一時収束している状況かと思います。今後、第3次金融支援に向け、協議が進められているところでございまして、私どもといたしましても、引き続き状況を注視してまいりたいと考えてございます。

 本件に関しまして、30ページは財務大臣談話でございます。

 31ページは格付の推移でございます。

 最後、32ページをご覧いただければと思います。

 今回のギリシャの混乱を受けまして、ギリシャの例を、ある意味、日本に当てはめる形で、財政再建が経済の低迷をもたらすのではないかといった見方も一部あるところでございますので、経済指標を整理いたしました。

 もともと2009年、統計不正が発覚いたしまして、格付の下落、金利の上昇で金融危機、財政危機が同時発生した状況かと思います。これを受けて、まず経済が大幅に低迷いたしました。実際、2009年の成長率を見ていただきますと、マイナス4.4%ということで、まずはそのような金融危機、財政危機による混乱という状況の中で緊縮財政に追い込まれていったという点では、日本が今置かれている状況とは大きく異なるものだと考えてございます。

 2つ目、財政緊縮の規模でございますが、真ん中をご覧いただきますと、PB対GDP比の推移がございます。2009年から2010年にかけて単年で5%ポイント、次の年も2.3%ポイントということで、かなり大幅な緊縮が強いられた状況かと思います。

 ちなみに、日本は、先ほどございました2010年度がマイナス6.6%でございました。10年かけて黒字化というペースでございますし、足元、四半世紀ぶりの経済パフォーマンスを実現している中での改革ということかと思います。

 また、歳出規模の実額で見ましても、一番下でございますが、実額で大幅なマイナスの緊縮を行っているということでございまして、他方、先ほどご説明しました財政健全化計画の下では、社会保障の高齢化を踏まえた増加を前提とした中での歳出改革という点でも違いがあろうかと思います。

 本件に関しましても、委員各位のご意見を賜れればと思っております。

 事務局からの説明は以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 では、早速、どなたからでもご意見をいただければと思います。資料にあった分4つ、どれでも結構です。

 土居委員。

〔 土居委員 〕 ご説明どうもありがとうございました。

 特に、「骨太の方針2015」の理解、それから、その後出されました「中長期試算」に関する理解が非常に深まりました。特に、歳出改革が2016年度に実現できたとすると、2020年度において1.8兆円程の収支改善効果があるということですから、来年度予算編成できちんとその成果を上げていただきたいと思います。さらに、「骨太の方針2015」は少なくとも2018年度までの3年間を目安として歳出改革ということを謳っておりますし、さらに2020年に向けても改革を進めるということですので、2017年度、2018年度も引き続き歳出改革を継続して行っていただきたいと思います。

 それから、最後に、32ページのギリシャのデータをお示しいただきまして、非常に示唆深いデータだと思います。私もこのデータ、一般政府の歳出については、OECDのものですが、概ね似た数字を拝見しております。

 実は、2009年が歳出の額のピークですが、そこからかなり激しい歳出削減がなされているということで、これがあたかもGDPの足を引っ張ったのではないかという、私からすると少し間違った見方ではないかと思いますが、そのような見方があるわけです。しかし、実は、もともと2009年のギリシャの一般政府の歳出自体が実力にそぐわない分不相応な歳出規模だった。2005年の数字はこの表には載っていませんが、2009年の数字は2005年に比べて1.5倍になっている。たった4年でギリシャ政府及び地方政府は、あっと言う間に1.5倍に歳出を膨らませたという事実がある。さらにさかのぼると、2001年には2009年の歳出規模の半分だったわけで、10年も満たない間に歳出規模を倍に、4年で1.5倍にするという歳出増額をするというのは、なかなか他の先進国では見られない事例であります。当然ながら、EUの他の加盟国はそれなりに歳出を抑制するなど改革に一生懸命取り組む中で、ギリシャだけ4年で1.5倍に歳出を膨らませるようなことを2005年から2009年、ちなみにアテネオリンピックは2004年ですので、アテネオリンピックが終わってから、このようなことをしているわけです。

 そのような意味でいうと、さすがに分不相応な歳出規模を圧縮していただかないと、当然支援もできないという気持ちは私としては非常によくわかる。だからこそ、それがGDPの足を引っ張った云々というよりは、そもそも分不相応な歳出をしていたほうが間違っていると言うべきかと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 富田委員。

〔 富田委員 〕 まず、1点目は先ほどの「経済・財政再生計画」についてです。

 ご説明いただきました資料の24ページに集約して出ていると思いますが、この赤い点線の歳出と申しますのは、地方を含めたものと理解しております。この歳出削減については、国については、これまで過去3年間の安倍政権の歳出改革というものを同じテンポでやっていき、地方については、国の取組に歩調を合わせて歳出改革を行うという形です。

 地方について、本日の参考資料2の4ページにあります「経済再生ケース」では、税収が経済の大幅な拡大とともにますます増加していくという前提ですが、地方普通会計の姿というところを見ますと、一番下の段ですが、普通会計における基礎的財政収支が2020年度で6兆円の黒字といなっているわけです。国のほうは、先ほどの推計の話でいって7兆円の赤字。結局、今の構造というのが、以前もここで議論させていただきましたが、地方の公金預金がどんどん積み上がる、国が赤字国債を出して地方に預金がたまっていくという構造を申し上げましたが、それがまさにこれからも続く形になっているといった推計であるわけです。

 トロントサミット、そしてサントペテルブルクサミットで国際公約した2020年度のPB黒字化目標について、それを実現するには、また24ページに戻りますと、楽観的な経済見通しの下でも9.4兆円引く先ほどの3.2兆円で6.2兆円。先ほどのご説明ですと、歳出改革の先食い分が1.8兆円ありますから、楽観的な税収でも8兆円程は歳出の改革を行わなければいけないということが示されているわけでして、国と地方をきちんと両方とも実現できるようにどのように取り組んでいくかということが、これから財審でも議論すべき大きな課題だと思います。

 もう1点、先ほど土居先生もおっしゃったギリシャの件です。

 本日ご説明いただく前の時点、2012年ですが、デフォルトしているわけです。先ほどギリシャは民間の債務が減ったということですが、最初に、額面の53%ほどを減免し、その後にも民間投資家の保有する国債を額面の3割程度で買い戻しているのです。それに至る直前は、金利が37%まで上がったわけです。結局は、市場に強制的に歳出削減を求められたわけです。ですから、我が国も市場から通告を突きつけられる前に歳出の削減をきちんとしなければいけないと思うわけです。

 実は、ギリシャと日本は共通した点がございます。EUの通貨統合に際して、各国財政がそれぞれ別々ですので、どのような財政制度が望ましいかということについて、ボン大学のフォン・ハーゲン先生という方が比較研究を行いました。その際、予算編成プロセスにおいて財政規律がよく働く国と働きにくい国でスコアリングを行いました。ドイツ、イギリス、フランスは高い点数がついております。特に、イギリス、ドイツは高い点がついている。これはどのような中身かと申しますと、歳出のシーリングについて、かなり個別なところまで天井を設けている。それから、査定大臣に拒否権があるといったことが特徴で、16点満点の16点をつけているわけです。対しまして、ギリシャは1点です。このフォン・ハーゲン先生が日本にいらっしゃいまして、日本についても同じ基準で採点いたしますと、ギリシャに次いで低くて、2点がついております。つまり、日本の財政規律は非常に弱い状況に置かれているということを認識しつつ、財審としても2020年度のPB黒字化に向けて、きちんととした議論を進めていく必要があるのではないかと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、末澤委員、赤井委員。

〔 末澤委員 〕 ギリシャについてです。

 前回も含め、私もプレゼンを昨年、一昨年とさせていただいたのですが、今回なぜギリシャがこのような状況に陥ったかというのは、国の全体の財政という面で見ると、やはり今回のユーロの統合というのは、通貨は統合したが、財政面は統合しなかった。そこに問題があったのだと思います。ギリシャでは、おそらく国民の中には喜んだ方もいらっしゃると思います。安いコストで相当借金ができたと。実際、先ほどの話でいいますと、実は1994年、ドラクマのころ、ギリシャの中央政府の借金の残高は大体890億ユーロ程しかないのです。それが、2009年、ちょうど粉飾が暴露される直前ですと、大体3,200億ユーロと。ですから、15年で借金が4倍近くに増加をしているわけです。この増えた分はほとんど海外からの資金流入だと。ですから、安易に安いコストで借金はできましたが、ギリシャの場合はその資金を前向きな先行投資、成長戦略に使わずに、おそらくはやはり年金の給付、当時は職種によっては女性ですと大体50歳、男性ですと55歳から給付が受けられて、公務員ですと、一説には9割程度の支給額だったという時期もあったようでございます。そのような部分と、アテネ五輪のインフラ投資、これも最近よくテレビで出てきますが、当時つくった野球場は草が生い茂り、オリンピックスタジアムも昨年レディー・ガガのコンサートでいっぱいになったきりで、今はほとんど使われていないと。このようなインフラなどが有効投資・活用できなかった面があります。

 一方で、ギリシャには輸出産業があまりございません。同じユーロ圏でも、チェコスロバキア、チェコは入っていませんが、スロバキアというのは割と最近加入した国です。私も以前行きましたが、スロバキアは旧ソ連圏の当時から重工業が盛んで、ユーロ導入後は日本や韓国、欧州の自動車メーカーを相当誘致して、そこでつくった自動車をユーロ圏、またユーロ圏外にも輸出している。ギリシャの場合ですと、そのような形がなかなかつくられず、さらに観光という最大の産業は、むしろユーロの導入によってイタリアやスペインと通貨の面では競合する。トルコのリラが売られると、むしろトルコに対しては割負けすると。

 そのような意味で、やはり成長戦略への対応が弱い一方で、ますます借金をして、それがなかなか歳出の面で有効活用されなかった。あと、やはり社会保障の効率化が進まなかった。そのような要因が積み重なって、今回の事態を招いたと思います。ですから、そのような意味では、今回一時的に支援が行われていますが、また同じような局面が数年後に起こってもおかしくない。

 ですから、そのような点はやはり日本も参考にして、日本はまさに少子高齢化がますます進行していますので、かつてほどの競争力が維持できるのかどうか。やはり成長戦略を進める必要がありますし、財政健全化もかつて以上に真剣に取り組む局面に今後入ってこざるを得ないのではないかと考えております。

 以上でございます。

〔 赤井委員 〕 ありがとうございます。

 本日説明された資料にありますように、いかに歳出改革を今後行っていくのかが重要になってくると思います。既に資料にまとめられていますように、建議や「骨太の方針2015」で歳出の方向は示されているわけですから、次は、この方向性に向けて改革をきちんと実行していくことが求められていると思います。

 また、これまでにも改革を提案しながら実現できてこなかったということも多いですので、総論は賛成でも、各論の段階に入ってくると抵抗も見られる。その際に、その抵抗を乗り越えていく力が重要になってくると思います。

 参考資料1、「骨太の方針2015」ですが、24ページには、それをいかに実現していくのかという改革工程、目標やシナリオをつくる、あとは中間評価をしていくということも書かれていますから、改革工程をきちんと設計して、財審での監視体制はもちろん、国民がそれをきちんと監視して、改革工程をつくったものを実現させていく、コミットさせていくということが重要だと思います。意見です。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 では、加藤委員、中空委員、角委員、お願いいたします。

〔 加藤委員 〕 ありがとうございます。

 1点、「中長期の経済財政に関する試算」でございますが、これについて、7月の段階で出たものが前回に比べて9.4兆円から6.2兆円に改善したと。世の中的に見ていますと、非常に楽観論が広がっているような気がしております。中身を見ますと、今様々な事柄をご説明いただいた中で、計算によってのみ改善するというメカニズムに関して、どうしてこれほど改善したかということをきちんと説明していかないと、景気がよくなったので、そのまま進めば何とかなるのではないかという雰囲気が出てくるのが非常に怖いと思っております。もちろん、今ご説明のありましたように、歳出の見通し自体が過大な可能性があることや税収、これもある意味一時的な要因のところもあるかとは思いますが、そのようなものをしっかり見ていかなければいけないのだろうというのが1点だと思います。

 それから、もう一点は、これはモデルで回されたということはよく存じ上げていますが、問題は2020年度のPB黒字化のみの問題ではなくて、実はその先ではないかと思っております。特に、2025年に団塊の世代が全員75歳を迎える時点というのが一番大きな山になっているのであります。しかし、大体今まで見てみますと、内閣府の「中長期試算」はいつも2023年度止まりということで、2024年度、2025年度がない。本来もう少し先まで延ばせるはずだろうと思っております。この先10年を見ていくというのが、果たしてどこまで正確に見ていけるかどうかは難しいですが、財審として、長い目で、ある程度大きな方針を見ていく際、2020年度の先のところまで、ある程度視野に入れた議論が必要ではないかと考えています。

 以上です。ありがとうございました。

〔 中空委員 〕 ありがとうございます。

 全般的な話としては、もう財審のままの話だったと思っていますが、幾つかお話をしたい点があります。

 1点目は、格付はこれでどうなるのだろうという点です。これを受けて格付がすぐに下がるということはないと思っていますが、格付機関が重視していることは、債務の返済をする気があるか、財政再建の意思が本当にあるかということです。ですので、これがきちんと履行できる限りにおいては、それでよいのですが、鍵になってくるのは「経済再生ケース」あるいは「ベースラインケース」の妥当性ということになります。妥当かどうかという議論は我々財審でも何回もして、甘いのではないかとずっと言い続けてきたわけですが、幾つか整理が必要かと思っています。

 先ほど富田先生のほうでも出されました24ページの表ですが、ここで先ほどご説明で、短期的にはという意味かと思いますが、土台増という話がありました。足元の業績がいいので、法人税が上振れているために税収が増えています、そのうち土台増分で1.4兆円増えましたという説明だったと思うのですが、個社別と内容を見ていますと、そこまで非常によくなったかというと、基本的には円安効果と一時的な売却益などで積み上げた利益が大変多くなっています。それを受けて法人税の増収を挙げて、土台増ですと言い切っていいかどうか大変気になるところが、短期的な部分ではあります。

 中長期的には、このモデルは一回もマイナス成長にはならない、ますますきちんと景気がよくなっていくというシナリオですが、例えば2017年4月には消費増税の導入が待ち構えているわけで、そこでは確実に景気は落ちるでしょうから、それはどのように踏まえたらいいのか。それもアベノミクスがあるから大丈夫という議論で突き進んでいったとしても、しばらくはよいとして、例えば2020年度以降はどうなるのかという話については少しもないので、この辺、財審ではきめ細やかなメンテナンスが必要かと思っているところでございます。

 最後にもう一点、ギリシャの問題についてです。先ほどご説明の中でも、財政再建をすると経済が悪くなってしまうという論調のために使われてしまうというご説明があったかと思うのですが、私たちとしては、例えば債務残高対GDP比などを見ていますと、日本は十分ギリシャに伍しているわけで、決していいどころではなくて、経済が好調の時にこそ歳出改革をしていこうという例として、ギリシャの話を私たちは再三説明をし、国民の人たちにギリシャみたいにならないために私たちがやるべきことという観点の主張をきちんとしていく必要があると思いました。

 以上です。

〔 角委員 〕 ありがとうございます。

 個別、ローカルの話で申し訳ないのですが、関西空港のコンセッションが、一時期少し心配した時期もありましたが、ようやく地元企業もSPCのほうへ応分の出資をするということで話がまとまっていくようになっているのではないかと思います。私どもも当然その期待にはこたえるという回答をしております。過去に空港問題で関西が大変ご迷惑をおかけしたのは事実ですが、民営化を機に、過去のしがらみといいますか、過去のご迷惑をかけた点は一応水に流していただいて、空港の運用等について自由度を与えていただきますと、これはまさに経済再生と財政健全化の双方に資するように、マネジメントを踏まえた効率化という、書いていただいていることにまさに合致する内容だと思いますので、健康・医療や観光、そのような面でぜひとも3空港を活用して経済成長に関西として頑張っていきたいという思いでございますので、ご理解のほどよろしくお願いしたいということが1点です。

 そして、中山間地の特区で、養父市が、反対があったのを説得して、農業委員会の持っていた権限を市のほうへ移管されました。もちろん、現時点でも企業が農業生産法人に資本参加していくという傾向は出ているのですが、やはり出資制限50%未満の壁がございまして、この50%未満の壁を何とか農林水産省を説得していただいて、例えば養父市など特区の市だけでも認めていただき、先進事例として他へも波及していくという期待がございますので、ぜひとも法人がICTや六次産業に取り組むことによって成功事例をつくって、農業のノウハウを法人の中できちんと後世に伝えていく形がとれるようにご指導をお願いしたいと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、武田委員、田中委員、佐藤委員。

〔 武田委員 〕 ありがとうございます。

 私からは、2点意見を申し上げたいと思います。

 まず、1点目ですが、「骨太の方針2015」では改革のメニューはしっかり書かれていると思いました。ただし、社会保障の個別改革実行の時期や目標とする値がジェネリック以外はあまり見られなかったという印象がございます。先ほど赤井委員もご指摘されておりましたが、早い時期に社会保障制度改革の具体的な工程表を策定いただき、具体的な目標を個別に提示することが重要ではないかと思います。

 2点目も社会保障に関してですが、「骨太の方針2015」では今後3年間社会保障関係費の実質的な伸びを高齢化の範囲内におさめるということで1.5兆円程度という目安が示されました。一方で、先ほどご説明いただいた資料の26ページの概算要求のところでは、「高齢化等に伴う増加額」が、言葉はそのとおりですが、数字が0.67兆円と記載されてございます。先ほど課長からもご説明いただきましたとおり、今後、編成過程で精査していくということであろうと理解はしていますが、3年間の大きな方針を決めた直後の予算編成、特に初年度ということもございますので、0.5兆円程度の目安は、日本政府の財政健全化に向けての取組姿勢についてもおそらく問われるところだと思いますので、お願いしたいと思います。

 ありがとうございます。

〔 田中委員 〕 ありがとうございます。

 私のほうは、「平成28年度予算概算要求に当たっての基本的な方針について」、26ページをベースに意見させていただきたいと思います。

 特に、優先課題推進枠、よく特別枠と言っているものでありまして、これは前政権時代から取り入れられていて、もう数年、5年以上たっていると思うのですが、一体この制度、枠組みをつくったことによって、効果が上がっているのかどうかをきちんと検証するべきではないかと思います。というのは、1割カットをして、ここに充填するわけですから、各府省としては、どうしても削られた分を取り返そうという心理が働くわけで、私が幾つか見ただけでも、ここの特別枠の課題に載せられているネーミングだけを載せて、もう一度予算を請求し直すということが散見されましたので、ここは効果とともにネガティブチェックをするべきではないかと思います。

 2点目は、その視点に基づいて、右側に記述されているものを見ると、テーマとして「公共サービスのイノベーション」とか書かれています。テレワーク等々あるかもしれませんが、この程度のことになぜこれほどの予算を投入しなければいけないのか、その妥当性が私には疑問に思われるという点であります。

 以上です。

〔 佐藤委員 〕 ギリシャのケースですが、先ほどどなたかからもご指摘がありましたように、あくまで市場、外部から強制される形での財政再建であったので、当然、経済に対してもマイナスに影響を及ぼさざるを得ない。だからこそ、今回は財政・経済一体ということで、市場から強制される前に自ら率先して財政再建に取り組むという姿勢が求められるのかと思いました。

 それから、今回、特に社会保障がおそらく歳出上は非常に大きなウエートを占めてはいますが、先ほど富田委員からもご指摘がありましたように、地方財政についても目配りをしなければならず、一方では、地方創生などの形で新しい新規事業を立ち上げる。具体的には、新型交付金などについて予算措置が講じられるわけですが、他方においては、やはり交付税を含めた既存の補助金制度についてはさらに抜本的な切り込みが必要になってくるかと思います。そうでないと、ただ単に屋上屋を重ねる改革を続けていくと、結果的に見れば、歳出膨張、増加し続けるということになりかねないわけです。

 最後に、いつも思うのですが、内閣府の「中長期の経済財政に関する試算」ですが、この試算は予想と見るべきか、目標と見るべきか、それとも願望と見るべきかということがよくわからない部分があります。別の自治体で、私はこのようにコメントをしていました。本来で言うと、正直ベースで見ると、今後はこの程度の財政の見通しです。それに対して、2016年度に関しては、先ほど歳出改革をあらかじめ織り込んでいるわけです。だから、このような改革をすれば、実はこの程度下がります。でも、僕たちが目指したいのはこちらですと分けて試算を出してもらわないと、様々な要因が含まれて、結果的にこの数字が出ているということになります。これもどなたかがおっしゃっていましたが、数字を見て、問題がもう改善しているような印象を与えかねないと。今、うちの学生はおそらくみんなそうだと思いますが、夏休み前に計画を立てて、やった気になっているというのと似たような状況ではないかと。だから、いかにして確実に、着実に執行するかということも、これはIMFからも言われているはずですが、もう少し堅実な予想に基づいた財政運営というものが求められるかと思いました。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 では、田近委員。

〔 田近委員 〕 既に加藤さんからもご指摘あったのですが、21ページの、GDPに対する公債等残高比ですが、「ベースラインケース」のほうは、先ほど説明があったように、2018年度以降上がっていくと。「経済再生ケース」のほうは、要するに、名目長期金利に対して名目の成長率が高いと置いているから、赤いほうは下がっていく。ただ、2023年度以降伸ばしていけば、どこかでこれは反転するはずですよね。さらに、2025年以降の団塊の世代、私自身がその真っただ中でありますが、我々が後期高齢者になるころにこれが反転するというご指摘がありましたから、21ページの公債等残高対GDP比のグラフは、財審としては、少なくとも2030年度、2050年度ほどまでの議論でいかないといけない。

 あと、具体的な質問は、これは2025年度ぐらいで反転するかどうかですかね。これは質問です。

〔 吉川分科会長 〕 これは、算術の問題として、絶対に反転せざるを得ない。

〔 田近委員 〕 そう。反転せざるを得ないが、ただ、どこで。

〔 中山調査課長 〕 金利が上がってきますので、いずれ反転することになると思います。

〔 田近委員 〕 いずれが……。

〔 富田委員 〕 国債のフローベースの平均償還年限が9年です。それまでは一巡しないから、マーケットレートが上がっても、平均金利は上がらないわけです。

だから、成長率は逆転しない。

〔 田近委員 〕 では、どこで逆転するのか。

〔 中山調査課長 〕 金利と成長率が逆転しますのが、成長ケースですと2020年度でございます。これがどこの段階できいてくるかということですが、今、国債のストックベースの平均残存期間が8年程度でございますので、大まかに言いますと8年後、遅くとも2028年度あたりには平均金利が逆転していくということになるかと思います。

〔 吉川分科会長 〕 よろしいですか。

 黒川委員。

〔 黒川委員 〕 ありがとうございます。

 私は、ギリシャの32ページの表がとても参考になりました。この表を見て、しばしばリスクという状況と、それから一旦クライシスが起こってしまった後の対処の仕方は分けて考えなくてはいけない。クライシスが起こる前のリスクの状況での対処と、実際に危機が起こってしまった後の危機管理対応の仕方は違うということが概念としてあるわけです。

 まず第1点、クライシスが起こってしまった後、どのような状況が起こるのかを我々は想像するのがなかなかできないわけですが、この表を見ると、とてもよくわかる。一旦財政問題でこのような事態が起こると、国民全体の中の失業問題が大きくなる。GDPはその際どうなるかですが、全体の景気も悪くなる。ずっと悪くなり続けるかもしれない。しかも、政府が財政破綻しているわけですから、財政出動はできない。このような状況がずっと続いていくというのが、クライシスが起こった後の状況だと。ですから、財政問題でクライシスが起これば、国民全体がこのような状況になるかもしれないということをわかりやすく示していると見ることができるかと思います。

 それから、第2点は、そのクライシスが起こる前に、まだリスクの状況のときにどのような手を打っておけばよかったのかという、この分析が大切だと思います。そこで、この表を見て、本日もたくさん教えていただきましたが、2009年前の段階、2001年あたりから10年間、一体ギリシャは何をしていたのかをもう少し深掘りして、そこで何が悪かったのか。例えば、納税問題、課税所得もきちんと捕捉していたのかといった問題までも含めて、クライシスが起こる前の10年間のギリシャのあり方を様々に分析してみると、日本はまだリスクの状態にあるわけですから、ある程度の知見が得られる。

 この2点、この表から勉強させていただきました。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、もう1つ議題がありますので、板垣委員が最後でよろしいでしょうか。

 では、板垣委員。

〔 板垣委員 〕 ここ数年財審の議論をしていると、何か達成不可能な目標を前提にした上で歳出削減をどうするという議論をやっているようで、非常に居心地が悪い。実はこのような成長は期待できず、より抜本的な改革が必要であるのに、それをせずに議論をしているような気がします。

 例えば、先ほど田中委員からご指摘のあった、裁量的経費の優先課題推進。この裁量的経費というのは、私はもっと切れると思っています。一方で、財審の大方の意見としては、社会保障改革をきちんとやって、そこを圧縮していく。もちろん私もそう思っていますが、実際ここでやる議論というのはマクロ的議論であり、ミクロの議論は厚生労働省でやっているわけで、我々が想像もしないような大変な痛みを伴うことが実質的には進んでいるということも一方であります。ですから、社会保障改革の手を緩めるというわけではありませんが、それ以外の裁量的経費に今度こそきちんとなたを振るっていく。

 1つ挙げるならば、やはり公共事業。一方で、特別枠のほうで、復興予算で出ていますが、それは隠れて見えないわけです。一方で、災害が大変だからと全国的な公共事業を今やってきている。物価高騰、人手も足りないという、いわばジレンマに陥っているわけですので、ある意味で、どの程度の規模が適正なのかということを裁量的なところできちんとやっていく必要があると思います。

 ポイントは、社会保障改革はきちんとこれまでどおり議論をやる上で、裁量的経費はもう一度見直して深掘りしていくという議論を今回はやりたいと思っております。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、財審の今後の進め方についてという、もう1つの議題についてご議論いただければと思います。

 今後の進め方でありますが、まず財政総論についての審議を行った後、社会保障や地方財政などの個別の歳出分野についてご議論いただき、平成28年度予算の編成に関する考え方を建議として取りまとめたいと。秋からの議論は、そのように考えております。そこで、今、板垣委員からも少しお話がありましたが、今後、秋からの財審の進め方について、どなたからでも何かご意見等いただければと思います。いかがでしょうか。

 富田委員。

〔 富田委員 〕 来年度は、「経済・財政再生計画」の初年度ですので、やはり2020年度のPB黒字化に向けた確固たる第一歩を記すようなものになる議論をここでしていくことが大事だと思います。

〔 吉川分科会長 〕 他にいかがでしょうか。

 確かに、先ほど概算要求について、資料の26ページ、武田委員がご指摘された社会保障のところ、微妙ですが、「高齢化等に伴う増加額」となっていて、3年で1.5兆円ということですから、3で割ると0.5兆円ということですが、微妙ですが、0.67兆円になっている。ということは、29年度以降、非常に厳しい伸びにするという考えなのですかね。どういうことなのでしょうか。何かご説明は。

〔 宇波主計官 〕 「高齢化等」となっていますが、27年度予算の際にもそうでしたが、これは自然体で伸ばしたときの見込額が夏の概算要求の段階では置かれているということです。用語自体は使っておりませんが、従前、「自然増」と呼んでいたものと同じ、つまり「高齢化等」の「等」というのは、その他の高度化なども含めて、自然体だったならばこの伸びになるというものの現時点での見込みであります。これは、今の足元の医療や年金等の足元の増加傾向をそのまま延伸しているということであります。

 参考資料3に今回の概算要求基準の骨子があります。参考資料3の1ポツの最初の丸が社会保障の部分であります。6,700億円というのは、いわば今の見込みを示していますが、この自然体の増加額について、今後、経済再生やこれまでの改革の効果がどれ程度出ていくかということを見ながら、6,700億円自体の見込みについても引き続き適切に見込む、つまり精査をするというのが一点。その上で、この後が今度、改革の姿勢でありますが、向こう3年間の社会保障関係費の増加額を「高齢化」、ここには「等」がついておりません、高齢化に相当する伸び0.5兆円弱に過去3年間もなっている、この基調を平成30年度まで継続していくということが目安になっておりますので、そのようになっていくように、様々な制度改革や効率化の努力に予算編成過程において取り組むということでございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、岡本委員、よろしいですか。どうぞ。

〔 岡本委員 〕 個別に属する話かもしれませんが、26ページの一番左側の地方交付税交付金というところです。

 先ほど佐藤委員からもお話がありましたが、新型交付金というものが地方再生の中で出てきた場合に、インセンティブを働かせるということですが、もともと根元にある地方交付税交付金というものは、PDCAがどの程度回っているか、インセンティブが働いているかどうかということでなど、構造的に問題がありますので、このような新型交付金を入れるときには、それ自体もこれから既得権になってしまうような感じがしますが、きちんとインセンティブを働かせるという中で、これをきっかけに地方交付税交付金を見直すようなタイミングにならないかと思います。また、オリンピック予算、あるいは今回のTPPでの農業予算というのは、それぞれの項目というのが、結構選挙も近いという中で、何となく将来的に既得権化するのではないか、オリンピック予算などについては、つくった後の施設の維持費など、今後尾を引くような要素もあると思います。今、様々な材料が出てきているような感じがしますので、その辺については、かなりきちんと見ていかなければならないのではないかなと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、土居委員。

〔 土居委員 〕 もちろん、社会保障以外の予算についても重要だと思うのですが、そうはいっても、やはり金額が大きいのは社会保障予算で、かつ社会保障の中でも来年度は特に診療報酬改定が控えているので、診療報酬改定をいかにうまく合意形成できるかということが非常に大事で、財審としても、そのような合意形成に貢献できるような議論ができるといいのではないかと思います。

 特に、今回の「骨太の方針2015」の議論の中で、削減額ありきの社会保障改革ではないということが割と強く言われていたと思います。つまり「骨太の方針2006」のときの反省というような話があったと思います。ですので、金額、削減をこれだけするべきだということを先に言ってしまうと、変に出鼻をくじかれるといいましょうか、そのようなことがあるので、なぜそのような社会保障の改革が必要であるのか。それは、決して財政収支を改善するためだけにやっているわけではなくて、この国の社会保障をよりよくするためにそのような改革が必要であるということがより強くメッセージとして出せるような議論ができるといいかと。

 それと、もう1つ、保険料にも反映すると。つまり、給付が増えれば、もちろん国庫負担も増えるのですが、保険料負担も増えるということなので、今まではとかく保険料負担を増やしたくなければ、国庫負担をもっとたくさん出してくれれば保険料負担も軽くなるし、給付も増やせるという形の結託というものがあったんですが、そこはぜひ分断して、給付が増えれば国庫負担も増えるが、保険料負担も増えるので、そっちの負担増のほうが、給付等の見合いで本当にバランスがとれているのかということで、保険料負担にもはねないような形で国庫負担も節約できるようにし、かつ給付の質を落とさないように社会保障改革をする、そのような議論が必要かと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、まだご意見がある方もいらっしゃるかもしれませんが、私も大分時間をいただいてしまって大変申し訳なかったのですが、定刻を過ぎましたので、本日の議論はここまでとさせていただきます。

 本日の会議につきましては、私のほうから記者会見させていただくということで、個別には皆様方からは情報を流すようなことを控えていただきたいということでございます。

 次回の日程については、調整の上、改めて事務局よりご連絡をさせていただきます。

 どうもありがとうございました。

午後 5時20分閉会

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