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財政制度分科会(平成27年5月25日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録
平成27年5月25日
財政制度等審議会


 財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

平成27年5月25日(月)14:02〜15:42
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

 

 

1.開会
2.とりまとめに向けた審議
3.閉会

配付資料
○資料1.「財政健全化計画に向けた基本的考え方」(案)」

出席者

分科会長 吉川 洋           

田中主計局長
岡本次長
太田次長
新川総務課長
寺岡調査課長
窪田法規課長
堀内給与共済課長
片岡大臣官房参事官
阪田主計官
余島主計官
白石主計官
冨安主計官
青木主計官
井藤主計官
宇波主計官
彦谷主計官
高村主計官
小野主計官
中山主計企画官
内野主計企画官

分科会長代理     田近 栄治  
 委員

碓井 光明
遠藤 典子
大宮 英明
黒川 行治
竹中 ナ ミ
土居 丈朗
富田 俊基
中空 麻奈
永易 克典 

 臨時委員

板垣 信幸
井堀 利宏
老川 祥一
葛西 敬之
小林 毅
佐藤 主光
末澤 豪謙
武田 洋子
田近 栄治
富山 和彦
宮武  剛

   
   

午後14時02分開会

  〔 吉川分科会長 〕 ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。皆様方におかれましては、ご多用中のところご出席いただきまして、ありがとうございます。

 

 皆様方におかれましては、ご多用中のところをご出席いただきましてありがとうございます。

 

 本日は、建議の取りまとめに向けて、お手元にお配りしております財政健全化計画等に関する建議(案)についてご審議いただきます。

 

 なお、古賀委員におかれましては本日ご欠席のため、意見書をご提出いただいており、皆様のお手元にお配りしております。

 

 それでは、早速審議に移らせていただきます。

 

 今回の建議案につきましては、前回、審議いただいた建議案に皆様方からいただいたご意見等を踏まえ、起草委員会で検討の上、修正を行ったものです。皆様のお手元に案が2部あるかと思います。1つが見え消し版、1つが溶け込み版。その見え消し版のほうでは、修正箇所につきましては赤字の見え消しになっており、文章の校正の変更に伴う修正につきましては緑字で修正しております。先ほど申し上げたとおり、修正を溶け込ませたものも配付しておりますので、ご参考にしていただければと思います。これをもとに取りまとめに向けた審議を行います。

 

 とりあえずは具体的な文章についてのご意見等、見え消し版のほうでいただけますか。見え消し版のほうのページの何行目のような形で議論を進めていきたいと思います。なお、金曜日に事務局から送付したものから若干の修正がありますので、ご留意ください。

 

 審議の進行は基本的に前回と同じですが、まず、総論について、次に、社会保障について、次に、地方財政、教育、科学技術について、最後に公共事業、IT、資産・負債と全体を4つに分けて審議を行います。

 

 では、早速ですが、総論について、どなたからでもご意見がありましたら、お願いいたします。今日が一応、最後の審議ですので、具体的なご意見、ご指摘だと助かります。では、老川委員、お願いいたします。

 

〔 老川委員 〕 ありがとうございました。前回、ちょっと欠席をしましたので、ちょっととんちんかんになっちゃうかもしれないですが、まず、2点あります。

 

 1つは技術的なことですが、文章の中に西暦と、平成が括弧して書いてあるところと、括弧なしでいきなり平成になったりしているのがあって、非常に読みづらいというか、あれという感じは何カ所か受けますので、そこは平成で書く場合はやはり面倒でも平成とお書きになったほうがいいのではないかという印象を持ちました。

 

 それから、もう一つ、これはここにご出席の先生方はもう何を今さらとおっしゃるのだと思うのですが、PB赤字をまずは減らして、2020年度になくして、そこから累積債務残高対GDP比という手順を追ってやっていくと、これはもう全くそのとおりで何の異論もないのですが、最近ちらちらと、あるいは、これからもっと大きく出てくる可能性があると思うのは、そのようなPB黒字化などにこだわるのではなくて、累積債務対GDP比で考えたほうがいいのだと、このような意見がこれからもっと出てくるのではないかということを考えますと、なぜPB黒字化、そこからの次の段階と、そのような手順がなぜ必要なのかということを最初のあたりで、1ページの真ん中辺あたりで、もしできるのであれば、指摘しておいたほうがいいのではないかと思うわけです。

 

 というのは、累積債務は根雪みたいになってもうどうにもならない部分と、毎年度の新設の部分とあるわけで、まずはトータルで一くくりに言ってもなかなか実効性が上がらないということで、まずは新発の部分を毎年度削減努力をして、PBを20年度に黒字化していく、これがとりあえず最初の先決事項なのだということだと思うのですが、そのようなことがなぜ必要なのかを数行あったほうが、これからのいろいろな議論、混乱する可能性もあると思いますので、言っておいたほうがいいのではないかという印象を持ちましたので、申し上げさせていただきます。

 

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 

 1点目は、前回もほかの委員の方からご指摘をいただいていまして、事務局のほうには西暦、元号の統一についてお願いしてあるのですが、まだ問題があれば、さらに事務局には精査していただくということだと思います。

 

 2点目、貴重なご意見をいただいたと思いますが、私ども起草委員の先生方と意識していまして、現状では2ページのマル2の一番頭、老川委員からいただいたことも意識して、だめ押しのようなつもりでこの注の5ですか、式まで放り込んだのですが、文章について、さらに工夫してみたいと思います。どうも貴重なご意見、ありがとうございました。

 

 ほか、いかがでしょうか。碓井委員、お願いいたします。

 

〔 碓井委員 〕 全く細かいことで恐縮なのですが、3ページの20行目、修文で「勝ち得る」とされているのですが、今まで「勝ち取る」だったから文章としてよかったのですが、これを直しますと、「市場の信認と国際的な評価を勝ち得るには」となって意味がよくわからないので、もう一回直されたほうがいいでしょう。

 

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。検討させていただきます。単に「信認を得る」といったことですね。「勝ち」というのがついているために、ちょっと勝つというあれがあるかもしれません。「信認を得る」ぐらいにすればいいかもしれません。わかりました。委員の先生方にご検討いただきます。

 

 板垣委員、お願いします。

 

〔 板垣委員 〕 細かいところですが、3ページの12行目でしょうか。「まずは」というところをカットして、「経済再生ケースで示された成長軌道に乗せるよう、最大限の努力をする」ということに書いてありますが、この経済再生ケースの見通し自体について、この審議会の中でもそれは無理だろうという前提がありながら議論が進んできた中で、「経済再生で示された成長軌道に乗せるよう、最大限の努力をする」という、何かこれが信頼に足る成長率であるかのような印象を私は受けるので、「経済を成長軌道に乗せるよう最大限の努力をする」ということで十分なのではないかという気がします。

 

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。

 

 現在のこの建議のもとにある考えは、政府全体としては経済再生ケースが基本的な土台になることを踏まえて、この審議会ではそもそもそれが現実的なのかという議論があったのは、今、板垣委員がおっしゃったとおりです。

 

 ただ、それを踏まえて、再生ケースをベースにすると。ただ、そうであれば、成長に伴う自然増収はそこでカウント済みだというのがこの建議の立場で一応書いているということなのですが、再生ケースを前提にするなら、それ以上の成長による自然増収みたいなものは歳出カットのほうで努力しなさいというのがこの建議のトーンです。流れということですが、この点も起草委員の先生方に、今のご意見も踏まえて、もう一度検討していただくということにしたいと思いますが。

 

 井堀委員。

 

〔 井堀委員 〕 非常に細かい点です。3ページの下の注の5、細かい点で恐縮ですが、4行目のところに、「金利が経済成長率よりも高いとき、また、利払費を除いたPBが赤字であるときには」と書いてあるのですが、これ、「金利が経済成長率よりも高く、利払費を除いたPBが赤字であるときには」のほうがいいかと思います。両方がプラスであって初めて全体がプラスになるので、片方だけプラスだと必ずしもプラスになるとは言えないという、それだけの話です。

 

〔 吉川分科会長 〕 おっしゃるとおりです。そこは修文ということでお願いします。

 

 永易さん、お願いします。

 

〔 永易委員 〕 起草委員の先生方はほんとに精力的に修文していただきまして、ほんとにありがとうございます。評価をするというのはよくないですが、非常によくなっている気がしております。

 

 特に16ページのマル310行から12行目ですか。ここがあまりにもあっさりし過ぎていて、これは従来どおりの努力をすれば、その目標を達成できる印象を与えるのではないかということに対して、非常に丁寧にこれだけ解説していただいて、ほんとにありがとうございます。

 

 それと、17ページの、本文で言えば、最後の「これが予算編成の基本である」という締めの言葉が非常にきいている気がいたします。

 

 それと、これは修文要請ではないのですが、審議会の途中、ないし、前回も私、申し上げたのですが、これはなかなかいろいろな関係があって、入れられないのかなという気はするのですが、やっぱりこれをやっていく以上、もう実効担保の問題ですよね。諸外国の例を見ても、いろいろあるわけですから、非常に難しい計画をやっていく上での実効担保の仕組み、法制とは言いませんが、そのようなものが「少なくとも検討すべき」だとか、このあたりぐらいまで入れてくれるといい気はいたしました。

 

〔 吉川分科会長 〕 よろしいでしょうか。どうもありがとう。

 

 板垣委員、どうぞ。

 

〔 板垣委員 〕 総論の終わりを間違えましたので、あと言うことが2つほどありました。

 

 1つは、17ページの11行目、「確かに」から始まる赤いところなんですが、つまり、プラス、マイナス両面書いていて、差し引きどうかということがあまりなくてやっていけるだろうみたいな話になっていますが、ここの議論は、これは文章はもうこれでしようがないと思いますが、もう少し議論ができていれば、このような書き方もできたのかなという気がします。これは私の意見であります。修文ではありません。

 

 それから、これは文章の表現上の問題ですが、18ページの15行目、「改めて整理すれば、今後の人口減少社会を見据えれば」のところで「れば」が2つついているので、「改めて整理すれば、今後の人口減少社会を見据えた場合」という形で修文していただければと思います。

 

〔 吉川分科会長 〕 どうも具体的なご指摘、ありがとうございます。

 

 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。

 

 では、後でもう一度戻るということはあるとして、とりあえず審議は先に進めることにして。

 

 続きまして、各論のうち、社会保障について、ご意見、お願いいたします。大宮委員。

 

〔 大宮委員 〕 ありがとうございます。先日の審議会で申し上げた点とか、その後に提出させていただいた修正意見について、建議案に一部反映していただいておりまして、大変ありがとうございます。

 

 これに加えて、前回申し上げた点も含めて、少し修正をご検討いただきたいと思います。

 

 まず、47ページの子育てですが、ここで、この前申し上げましたが、子育て支援で社会全体で費用負担すべきものは税で対応するのが基本だと思っていまして、自営業者等のフリーライドを認めるのはやはり不合理ではないかと思います。

 

 他の委員からも、先般、事業主負担の導入に反対の意見もございましたが、これは脚注に一応書いていただいておりますが、他の項目では本文の中に書いてあるということもあって、これらについて、例えば子育てについても同様に、本分に反対意見があったということを明記していただければと思います。

 

 それから、財源が必要という視点のところもありますが、これは、まず、財審として子育て分野の歳出見直しを求めるべきではないかと思います。

 

 また、社会保障の医療介護の負担能力に応じた公平な負担のところ、すなわち、39ページになります。「なお、全面総報酬割については」というところ以降の慎重意見の中に、「保険事業や医療費適正化等の保険者機能の発揮を著しく阻害すること」というのを慎重な対応を求める理由の一つに加えていただければと思います。

 

 更に、46ページ、26行目の雇用について、この中の雇用勘定への国庫負担停止については、これまで労使双方から反対である旨の意見が述べられていることを明確にしていただければと思いまして、46ページの26行目の「国庫負担の停止については」の後ろに、「労使双方から」という文面、言葉を入れていただければと思います。

 

 以上、3点、申し上げました。

 

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。では、これはまた起草委員の先生方にご検討いただくとして。

 

 老川委員も、よろしいですか。

 

〔 老川委員 〕 まず、28ページの4行目、「高齢化に伴って社会保障費が増加すると、負担増は必然的に公費に傾斜をする」、これ、そのとおりなのですが、同時に、このすぐ下に書いてありますが、税金だけではなくて、いわゆる健保組合からの拠出、これがばかにならないですね。つまり、現役世代の負担にもなるので、この公費だけではないと思うのです。

 

 そこで、下にその「高齢者給付の財源の相当部分が現役世代の負担となっており」と、ありますから、同じことを2回言うのも何でしょうから、「公費に」と、「主として」というようにでもするか、何かちょっと一工夫してもらいたいなと。やはり現役サラリーマンにとって、自分たちの健保組合から相当のお金が吸い上げられて負担が増えている、保険料自体も増えている。このようなことを実感していると思いますので、その辺の感覚にちょっと応える必要がある感じがしました。

 

 それから、32ページの5行目、「今後5年間、国民皆保険を維持するため」、この「今後5年間」というのは、国民皆保険を維持するための5年間ではなくて、その後のマル1以下の5年間だと思うんです。したがって、「今後5年間」という言葉は、「国民皆保険を維持するため、今後5年間」と、後ろのほうに持ってきたほうが誤解がないかと思いますので、その点もあわせて申し上げたいと思います。

 

 以上です。

 

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。具体的なご指摘、ありがとうございました。

 

 では、竹中委員。

 

〔 竹中委員 〕 起草委員の皆様方、ほんとうにありがとうございました。前回、発言させていただいた52ページのところですが、救急車の有料化のところで、世界各国の状況を別立てで書いておかれたほうがよいということにもきちっと書いていただきまして、ありがとうございました。

 

 そのときに、もう一点、33ページの例の漢方の件で発言をさせていただいたのですが、実はここに3月15日の健康保険組合から、連合会から出た市販類似品、類似薬の保険給付配付の見直しという資料があるのですが、ここでまさに述べられている内容がそのまま書かれていて、それで、そのような医薬品を検討すべきであることだとか、スイッチOTCのことなどが全て書かれているのですが、ここにも漢方という言葉は一切出てこないのですね。

 

 これはおそらく漢方というのが何か緩やかなお薬でというイメージでとられているかわからないんですが、その市販、保険医療のお薬というまず大くくりがあって、ツリー状にすると、その下に西洋薬と漢方薬があって、その下に各銘柄の、ここに書かれている湿布、目薬、ビタミン、うがい薬、風邪薬だとか、そういうのがあるわけですね。ですから、この括弧の中にこの漢方が入ると、図式としてもおかしなことになっちゃう、いうのが1つと。

 

 それから、漢方薬は緩やかなものだけではなく、実は劇薬もありますので、ものによってはお医者様の処方でないといけないという事情がありますので、こちらの提言と同じように、漢方というのは除かれて、自然に西洋薬、漢方の中全てに、このような銘柄については保険から除外すべきであるという文面にしていただくのが、改めてよろしいのではないかと言わせていただきます。

 

〔 吉川分科会長 〕 この点は、では、事務局、宇波主計官、それから、起草委員の先生方から何かご意見というか、ご説明があれば。では、まず、主計官。

 

〔 宇波主計官 〕 ここは起草委員の先生に、「のうち、該当銘柄」という修文を加えるようにということで、ここを修文をいただいております。

 

 この趣旨は、今、竹中委員がおっしゃったように、漢方の中にも医師の処方を必要とするお薬もあります。これは目薬でも、前回申し上げましたように、同様でありまして、黄斑変性の目薬などは当然ながらきちんと処方のもとでやらなきゃいけない。そうしたものについては市販品としては売られていないわけでございます。この「該当銘柄」と書いた趣旨は、目薬もそうですし、漢方についても、西洋であっても、それから、東洋であっても、医療用医薬品のうち一部は、市販が認められて、さらにそれが市販のものとして長く定着をしているようなOTC類似薬については公的保険から完全に除外するという趣旨でございまして、竹中委員がおっしゃっているような、市販されていないような、医師の処方のもとでしかできないようなお薬は該当しないということかと思います。

 

 あと、ファクトとして1点だけ。昨年の26年の5月に財政制度審議会から出していただいた建議、この中でも15ページに、「湿布、漢方薬など、市販品、類似薬のさらなる保険適用除外を進める必要がある」というご提言をいただいております。このときは漢方と丸々書いておりますけれども、今回、ご指摘を踏まえて、ここは該当銘柄、つまり、長らく市販品として定着したような漢方の中の一部の漢方という形で修文いただいているかと思います。

 

〔 吉川分科会長 〕 では、竹中委員、どうぞ。

 

〔 竹中委員 〕 すみません。今おっしゃったこと、すごくよくわかっていて、前回の建議は私、ここの部分、見逃していたので、大変申しわけなかったと思いますが、何度も言うように、ジャンルのツリー分けでいうと、ここの括弧に湿布と漢方と並ぶのが日本語として変なのですよね。漢方の下に、またいろんなお薬の名前があるという状況、ツリーでいうと、そういうことになるので。

 

 それ、ですから、西洋薬、漢方にかかわらず、「類似医薬品(湿布、目薬、ビタミン剤、うがい薬)」、もしかしたら、風邪薬も入ってもいいかもわからないけど、「については、公的保険から完全に除外すべきである」という文言であれば、別に構わない。言っている意味、わかります?

 

 だから、漢方という言葉は湿布薬とかビタミン剤と並ぶ言葉ではなくて、実はこれが出たからなのか、去年なのか知りませんが、既に何かネット上で漢方は保険から外れたぞ、みたいな何かが飛んでいて、それで、この間、救急車の有料化の話だとかジェネリックの話だとかは私もよく取材を受けるので、私の思うところをきちっと伝えているんです。特に救急車の有料化は財務省の陰謀なのに、おまえは何言うねんというのがすごい多いんですが、国民的議論をしましょうと私は発言はさせていただいています。

 

 やはりこのようなわずかのちょっとしたツリー上のミステークみたいなことでも、財審自身のトラブルのもとになるかなと思うので、書き方のことですけれど、ここ、この中に、括弧の中に漢方を入れるというのはやめられたほうが適切かと思います。

 

〔 吉川分科会長 〕 竹中委員のご意見というのはあれですよね、漢方というのは概念的に西洋の薬に対する概念であって、うがい薬とか目薬に並ぶレベルの概念ではないと。その点、同じ列に並べて漢方と書くと、うがい薬とか目薬と並べるとミスリーディングであるというご意見ですよね。例え該当するものがあっても、そもそも概念的に同列ではないということですが、この点について、主計官、あるいは、起草委員の土居先生から、もし何かあれば。

 

〔 土居委員 〕 竹中委員のおっしゃる点についてはよくわかります。ただ、ここで漢方と書かないことによる別のその問題もありまして、つまり、湿布、目薬、ビタミン剤、うがい薬だけがOTC類似薬品と思われてもこれもまたミスリーディングというところがあります。むしろ、先ほど、竹中委員がおっしゃったお言葉をおかりすれば、西洋であれ、漢方であれ、こういう該当銘柄ということを書かせていただくということでございまして。

 

〔 竹中委員 〕 ですから、それならいいです。東洋薬、漢方薬に、西洋薬、漢方薬にかかわらず……。

 

〔 吉川分科会長 〕 それ、先ほど竹中委員がむしろサジェストしてくださったのですよ。

 

〔 竹中委員 〕 湿布、目薬、ビタミン剤、うがい薬でしたら、先ほども言ったように、この中にもしっかりと書いてあるので。ただ、こちらにも漢方という言葉が出てこないのに、こちらが括弧の中に漢方を入れているのはやはり不適切と思われる可能性がある。

 

〔 吉川分科会長 〕 ちなみに、漢方薬に対応する、いわゆる西洋流の薬の言葉というのは何なのですかね、主計官。

 

〔 宇波主計官 〕 ご趣旨、わかりましたので、漢方薬を丸々対象外というお話ではなくて、概念の整理だと思うので、ちょっと整理をして。

 

 実は西洋薬とか東洋薬という分類は医療用医薬品の定義上は特にございませんで、全部すべからく医療用医薬品でございますので、ちょっと今の議論を踏まえて、どのように書けるのかを、専門用語との関係で誤解を生まない形で、しかし、おっしゃっているように、概念が少し違うところが確かにありますので、うまく書けるように、工夫したいと思います。

 

 漢方全部ではなくて、例えば葛根湯みたいないわゆるOTCとして普及したものについて保険対象外というのはよろしいという理解のもとで、概念がおかしくならないようなつくりを検討します。

 

〔 竹中委員 〕 それは風邪薬など、このビタミン剤やこういうのと同じ列です。

 

〔 宇波主計官 〕 ええ。そうですね。

 

〔 竹中委員 〕 しかし、ここでそのような商品名というか薬品名を書けないですよね。

 

〔 宇波主計官 〕 ええ。薬品名は書けないと思いますので。

 

〔 竹中委員 〕 そうですよね。

 

〔 宇波主計官 〕 そこをどううまく書くかということを、はい、見てみます。

 

〔 竹中委員 〕 ですから、誤解さえ受けなければいいかなと。

 

〔 吉川分科会長 〕 漢方薬という言葉がある以上、その補集合の名前もあってしかるべきですけどね。要するに、西洋流の薬って。ですから、その西洋流の薬、漢方薬を問わずということですよね。

 

〔 竹中委員 〕 そうですね。はい。

 

〔 吉川分科会長 〕 次に、バツバツバツ等という、そのような言い方がよろしいというご意見でしたよね。だから、これは事務局、起草委員会の先生方にもう一度今のご意見を踏まえて、ご検討いただくということにしたいと思います。

 

 ほかにいかがでしょうか。井堀さん。

 

〔 井堀委員 〕 39ページ、マイナンバーの最後の文章ですが、「マイナンバーに登録が任意となっているが、これを踏まえて、具体的な制度設計を検討していくべきである」ということですが、「これを踏まえて、具体的な制度設計」というのはやや抽象的過ぎるので、もう少しつけ加えたほうがいいかと思います。これは当然、その前の文章からすると、この任意のところを全員が登録しないといけない方向に変えるということだと思うので、そこの方向性を具体的に出すために、例えば「これを踏まえて、国民の全てが登録する具体的な制度設計」など、もう一つ修飾語を入れていただければと思います。

 

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。

 

 碓井先生。

 

〔 碓井委員 〕 29ページの自然増の部分です。どこの辺から行けばいいのかな。一番私、わからないのは、例えば18行目からですね。「こうして分解してみると、真にやむを得ない自然増は高齢化によるのみに相当する範囲だけ」という。「相当する範囲だけ」という表現をしますと、伸びはそのまま受け入れると読めてしまうわけですね。

 

 そのような危険性があるものですので、次の30ページの3行目からの「なお」というのを入れているのですが、ほかの表現はないのでしょうか。例えば「高齢化要因に対応する部分」とか、何か「相当する範囲」という言葉が誤解を招きやすい気がしますが、ご検討いただければと思います。

 

〔 吉川分科会長 〕 佐藤先生ですか。

 

〔 佐藤委員 〕 既に出たかもしれませんが、40ページのところのハで、「高所得者の年金の見直し」というのが出てくるのですが、ずっと医療の話をしていたと思ったので、何でここに来るのかと思いました。年金のほうに書くことかな。

 

 また、この負担のあり方ですが、「能力に応じて」の負担能力に応じては公平な負担です。あり方ですが、高齢者の負担というときには自己負担の話をしていて、費用者の負担というときには、おそらく先ほどから議論に出ている総報酬割なので保険料の話をしているんですが、例えば高齢者についても別に保険料についてより所得とか資産というのは何かあったのでしたっけ。負担というときに、自己負担の話をしていると思ったのですが。

 

 それと少し絡むのですが、「現役並み所得」は、前、土居委員からも指摘があったと思うのですが、この「現役並み所得などの負担能力を判定する仕組み」は、その中に織り込まれているのかどうかわかりませんが、そもそもこの所得は公的年金等控除の後なので、所得の定義自体か果たしてこれでいいのというのを問われていることは、もう少し強く打ち出してもよかったと思いました。

 

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 

 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。

 

 では、また後で気づいたというようなことがあれば、後ほどご指摘いただくとして、とりあえず先に進ませていただきます。

 

 次は、各論のうち、地方財政、教育、科学技術、この部分についてご意見、ご質問あれば、お願いします。どうですかね。よろしいですか。どうぞ、竹中委員。

 

〔 竹中委員 〕 教育のところでいいですか。

 

〔 吉川分科会長 〕 どうぞ。

 

〔 竹中委員 〕 57ページの赤で補足していただいた部分です。「教員が多忙であるとの指摘がある。国が責任を持って徹底した」というところですが、この「外部人材の活用に加え、福祉部門等との連携を図ることにより」の「福祉部門等」が少しわかりにくいのですが、それはこの間も発言させていただきましたが、カウンセラーやそういった専門家ということであれば、どちらかというと専門分野の…。

 

〔 吉川分科会長 〕 ここはあれですかね、おっしゃっている意味は、関連した周辺領域の専門家の方々という。必ずしも「福祉部門」という、そこまで特定しなくても、ほかの関連した、初等教育の周辺部門の専門家の方々というような、もう少し広げた書き方ができないかというようなことかと思いますので。では、起草委員の先生方にまたご検討いただくとして。

 

 佐藤委員。

 

〔 佐藤委員 〕 自分でもどうしたものか、今まだ考えていたのですが、48ページで一般財源、全体として地方財政計画の歳出を抑制すべきということを最初に言っておいて、そこから(1)で急に一般財源の話になりますが、この冒頭に、「地方が自由に使える一般財源」と自分で言っていまして、もともとこちらのスタンスは、国が財源保障したとおりに地方は使ってほしいということだったと思うので、いきなり「地方が自由に使える一般財源」というと、元も子もない話になる気がします。

 

 順番からいうと、むしろ(2)の、歳出を全体として抑制するためには、まずは歳出特別枠と、今は「まち・ひと・しごと」のほうに切りかわっていますが、そこも聖域なく、全体として危機対応モードから平時モードへの切りかえ、その中で歳出を抑制すべきというのが冒頭にあるべきで。

 

 また、もし、次のステップとしてあるとしたら、やはり単独事業の話で、この内訳がよくわからない。結局何を保障しているのかよくわからない。その単独事業のほうの抑制、全体としての抑制が必要という、その順番がいい気がします。

 

 一般財源の話は、それらを全て終えた後に、具体的にどう実現するのかというときに、我々が見ている指標の一つとして一般財源がある。しかし、これは、地方税と交付税の合計なので、歳出ではなくて、実は収入サイドで見ています。議論の持っていき方が少し抽象的で申しわけないですがねじれている気がして。

 

 言いたいのは、とにかく全体として歳出を抑制したいのだと。最終的にそのときに、何らかの数値目標をつけたいのだったらということで、最後に一般財源を具体的には抑えていったらどうかという提案につながる流れになるべきではないかということ。

 

 あと、後の話につながるのかもしれませんが、51ページのIT投資の効率化というところは、非常にいい視点だったと思いますが、やはりこれをやるためには業務のほうの見直しが絶対条件なので、単にIT投資をやればいいというわけではなく、あわせて地方の行政の運営のあり方というか業務のあり方もあわせて見直していくべきだということ。そこはもう少し強調してもいいのかなと思いました。

 

〔 吉川分科会長 〕 起草委員の先生から何かありますか、今の点で。では、土居委員。

 

〔 土居委員 〕 ご意見、ありがとうございます。先ほどの地方一般財源総額のことですが、確かに一見すると、先に削るところはどこなのかという話をしたほうがわかりやすいようにも思われるかもしれませんが。しかし、主張のメインは、地方一般財源総額を財政健全化計画においてどう抑制するかというところでして、それをまず明確にすることで、この地方一般財源総額のほうが先にあるということです。その地方一般財源総額を抑制ないし見直しをするためには幾つかの個別の方策があるということで、以下、並んでいる、という順番です。ただ、見にくいところは若干修正を検討したいと思います。

 

 順番としては、さすがに国が直接的に地方自治体にこのような支出を削れとは、この地方分権時代に言いにくいところがありますので、国の予算の中でコントローラブルなところ、特に地方交付税の総額ですね。このように見直すところと連動した地方財政の見直しという、そのような組み立て方で立論をしていまして、できればこの順番という形で行かせていただければと思います。

 

 もう一度繰り返しになりますが、一番申し上げたいところは財政健全化計画において、地方一般歳出総額を見直すということが一番重要なポイントかなと思います。

 

〔 吉川分科会長 〕 冨山委員、どうぞ。

 

〔 冨山委員 〕 まち・ひと・しごと創生のところで、この部分は一部製造責任がありますので、一言言っておきたいのですが。

 

 改めて文章を読んでみて、難しいと思ったのですが、50ページ目の4行目、5行目ですかね。この、新型交付金のところですが、やわらかい言い方だとこうなるのですが、これはもう少しきつい言い方をすると、成果が上がらないところからはもう取り上げるというのが実はすごく大事な話で、そのような趣旨でなっているのですが、おそらく減額するメカニズムまでは制度的には踏み込めないはずで、少なくともこの審議会の立場としては、結果が出なかったら減額しますというところまで踏み込む表現にしたほうがいい。

 

 要は向こう側にはあまりそのようには言い出しにくい事情があるので。こちら側からそのようなことを言っておいたほうが、やはりもらったら、もらいっきりでラッキーみたいなことにどうしてもなるので、牽制球があったほうがいいと思う次第です。

 

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 

 井堀さんはどう思いますかね。

 

〔 井堀委員 〕 57ページの先ほどの竹中委員の赤い部分の箇所に関連するところですが、「国が責任を持って徹底した事務作業の効率化を図るとともに」という、そこの箇所です。その「徹底した事務作業の効率化を図る」のはいいとして、「国が責任を持って」というのは何を意味するのかいま一つわからないのです。これは国が財源を面倒見ろということなのでしょうか。なぜ「国が責任を持って」というのがここで入っているのか、少し意図を教えていただければと思います。

 

〔 吉川分科会長 〕 関連して、どうぞ、板垣委員。

 

〔 板垣委員 〕 前回、ここを指摘しているのですが、「国が責任を持って」というのは、文部科学省があれやれ、これやれと現場の教師にリポートの報告を求めたりすることが何年たっても改善されてないからこそ、これを入れてほしいというお願い。その意味での国であれば、問題ないかなと思うのですが、どうでしょう。

 

〔 吉川分科会長 〕 井堀さんのご懸念というか、ここは国がお金を出すとかいう話はもとよりなくて、あと、どこかで、起草委員会かな、議論してたのでは、要するに現場の先生方が周辺の問題で悩んでいると。例えば生徒の親との関係とか、場合によっては司法なども関係するかもしれないようなところ。

 

 そのようなときに、文科省が学校の教員の責任の範囲はここまでだから、それ以上のことは悩む必要なしみたいなことを全国的に明確なルールを徹底して、先生方が必要以上に問題を抱え込んで悩まずに、本来の教育に専念できるような環境づくりをすべきだという議論をしてて、そのような意味合いでここを書いたのですよね。

 

 もしあれでしたら、起草委員の土居先生からも一言。よろしいですか。

 

〔 井堀委員 〕 それはいいのですが、もう少しわかりやすく書き直したほうがいいのではないかと。若干これだけ読むとわかりにくいかと。

 

〔 吉川分科会長 〕 まさかそのためにさらにお金をいう話ではなかったと思います。

 

 佐藤委員、どうぞ。

 

〔 佐藤委員 〕 教育についてですが、やはりこの間からよくわからないのが、教育の質の向上と言うのですが、質とは、具体的に何を指しているのかと。おそらく、学力であり、あるいは、よい子供の人格形成だとしたら、いじめの件数をなくすとか、不登校の数を減らすとか、ある程度定量化できる。

 

 なぜかというと、成果目標を定め、客観的、具体的な検証を行えと言っているのであれば、質もやはり具体的に客観的に検証できるものでないとPDCAは回らないので、別にここの審議会の責任ではないのかもしれませんが、質というときに、私たちは具体的にどのようなイメージを持っているのかを何か例示があってもいいのかなと思ったのですが。でないと、もわっとした議論になってしまうので。

 

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。では、これは事務局と起草委員の先生方でちょっと検討していただいて。

 

 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。では、また何か思いついたというようなことがあれば、後ほど、もう一回戻っていただくとして。

 

 とりあえず、最後に、各論、公共事業、IT、資産・負債についてご意見、お願いいたします。失礼しました。老川委員、どうぞ。どうぞ、老川委員。

 

〔 老川委員 〕 よろしいですか。67ページの13行目あたりからですね。人手不足の関連で、「この点については」というところです。「職業教育のあり方といったより大きな枠組みでの議論も必要となるが、仮に」と続くのですが、「なるが」というと、これは前段を否定する「が」とも受け取れて、真意がわかりません。その上、「ひとり建設業だけの問題ではない」と言って、仮に建設業においてこの確保ができないと、現在の公共水準の当初の水準すら維持できなくなるおそれがあると。

 

 「この問題は建設業だけの問題ではないが、職業教育のあり方といったより大きな枠組みでの議論が必要となる」と、話の順序を逆に持っていったほうがわかりやすい気がしました。

 

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。具体的なご指摘を踏まえて、起草委員会のほうでまた見ていただくということにいたします。

 

 佐藤委員。

 

〔 佐藤委員 〕 66ページのPFIのところですが、PFIとかPPPがなぜ進まないのかというときに、やはり現行の制度の枠の中、おそらくそれは上のほうにある「国の補助金や地方財政制度の運用などの見直しを図っていく」というところに織り込まれているのかもしれませんが、その原因は具体的に実は地方債の金利が安いことだというのを前回申し上げたと思うのですが。

 

 あとはやはり公会計の問題があって、実際のところ、例えば国とか自治体の会計の仕組みと、当然、企業の会計の仕組みが違うので、例えば資産価値などを評価するときに、請け負う企業からすると、果たしてこの公共施設はどの程度の価値があるのかが地方の基準だけではよくわからないという問題があったり、水道料金などだと、あれは議会で決めなければいけないので、なかなか水道料金に柔軟性を持たせるなどということを契約では言っておいても、後で議会が反対したりということもあるので。

 

 現行制度というものがどこまで阻害要因になっているのかをしっかりと徹底的に検証した上で、PPPやPFIを普及させる方向でこれらの制度を見直していくという、もうちょっと強いメッセージがあってもよかったのかなと思いました。

 

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 

 ほかにいかがでしょうか。

 

 それでは、これで一応一巡しましたが、改めまして、全体を通して、もう一度、思いついたことがあれば、もちろんご指摘いただいても結構ですし、この建議全体についてのある種のご意見も結構ですし、また、時間的には余裕、ありますので、この際ということで、建議のあり方、あるいは、財審、とりわけ我々のこの分科会のあり方でも結構ですし、感想のようなことも含めて、どうぞご自由にどうぞ。田近委員。

 

〔 田近委員 〕 大宮さんはじめ、いろいろ社会保障の部分を含めて、さらに改訂というか、ご要望があったのですが、これからそれを考えていくに当たって、今回の建議を私はこう見てます。

 

 先ほどの板垣さんのご質問がまさにポイントを得ていて、経済再生ケースを前提にしていいのかということです。ただ、この建議としては、見え消し版の13ページですが、重要なことだと思うので、少し読ませていただくと、27行目ぐらいで、「経済再生ケースでは、高い経済成長により、国・地方の税収増22.4兆円等を前提としている」と。「着実に収支改善を図らなければならないという目的を踏まえれば、高成長による22.4兆円の税収増に加えて、さらに」。

 

 よって、板垣さんに対するお答えとしては、板垣さんのご指摘もわかるが、ここを出発点とした以上は、さらにその税収増を期待することは楽観的過ぎると。したがって、経済の見通しについて「経済再生ケース」を前提することは一つの立場であるにせよ、その2020年の国・地方のPB赤字9.4兆円はある意味で絶対実現しなきゃいけない。今のロジックで議論を進めれば、それを実現するのは歳出改革だと。

 

 ということになって、15ページの20行、18行目ぐらいですか。今後、国と地方の歳出水準をメルクマールとする歳出規律を、今申し上げた歳出規律を設けるに当たっては、「少なくともPB赤字半減目標と経済再生の両立を図りながら進めてきたこれまでの取り組みを継続する」と。「具体的には」というところで、「したがって、歳出水準に関する規律を設けるに当たっては、PB黒字化目標を見据えて、歳出改革の取り組みを加速し」、ここからですよね、「少なくとも過去3年間の歳出の増加ペース以上に歳出が増加することはいけない」と。

 

 そのようなことで、一部、社会保障については高齢者医療の人口動態というか、高齢化要因の部分は読み取りましょうと。これがこの建議の、私、執筆に参加して、私自身がこの、今回のこの建議の骨だと思っています。

 

 したがって、社会保障のところがそれを落として、具体的に表現していくときに、大宮さんたちのご意見もよくわかります。だけど、一方で、板垣さんのご意見は、多くの皆さんは賛同されていると思います。

 

 しかし、そこで9.4兆円のあまたある穴は、とにかく歳出を通じて解決してくことは譲れないと言っているわけですから、その文脈で社会保障のほうについても、これからこの後に起草委員会で集まって修文しますけども、その辺のこの建議自身のストラクチャーというか、つくり方というのはご理解いただきたいなと思います。

 

〔 吉川分科会長 〕 大宮委員。

 

〔 大宮委員 〕 ご趣旨は非常によくわかっていて、財政の今のこの規律をほんとにしていかなければならないのは、非常に大事な仕事であると思っています。それは経済界も含めて全力で、経済成長も含め、それから、歳出の削減等についてのあらゆるところについては協力を一生懸命やりたいと思っていますが、基本的にやはり公平性という視点で見ていただきたいということが議論の一番の主なところでありますので、ぜひそのような意味で、申し上げた検討について書いていただければと思います。

 

〔 吉川分科会長 〕 では、続いて、板垣委員、井堀委員。

 

〔 板垣委員 〕 田近先生の説明で私は納得しております。ここにこのようなことが書いてあるということも知った上で申し上げたのです。

 

 なぜかというと、3ページは、「経済再生ケース」という言葉が初めて出てくるわけですね。ここでぽんとこれが出てしまうと、後ろでちゃんと書いてあるにもかかわらず、寸読して誤った発想を持つ人がいるのではないかと。

 

 もっと具体的に言うと、「経済再生ケース」は、なかなか難しいあの数字を達成するために、もっと金融緩和を長期間やるだとか、そうは言っても、これを目標にしているのだから、財政出動をやったらどうだと、このような議論が必ず出てくるわけですよ。

 

 という歴史でもあるので、ここで使うところをもう少し工夫していただけると、後ろできちっと書いてあるわけですから、問題は生じないと思っている次第です。

 

〔 吉川分科会長 〕 井堀委員。

 

〔 井堀委員 〕 1つは非常に細かい点ですが、59ページの下から5行目、注の76です。「在学中に要する費用として、生涯を通じて大学教育から受ける恩恵が大きく」というところで、注を見ると、授業料負担の話が書いてあります。なので、この注の76の本文は「恩恵が大きい」と書いてあります。そうすると、恩恵がどうなるかという、そこでデータを示さないと、これは読んで、なぜ76で「恩恵が大きい」ということが書いてあるのかわからない。ここをちょっとご検討いただければと思います。

 

 それから、全体の感想です。政府の方針が再生ケースで行くと決めているので、しようがないといえばしようがない。そこで、これはこれでいいとして、全くこの話とは別にして、個人的な感想で言えば、やはり再生ケースは非常に楽観的過ぎる。非常に危ない。そこをどこまで今後モニタリングしていくかという話だと思います。今の政府の方針なので、しようがないのですが。

 

 それで、1つ気になるのは、社会保障中心にやっていくと、第3、2節ですかね、28ページ、ここでいろんなことが書いてありますが、個々の歳出削減努力を積み上げると結果として、これが9.4兆円の削減につながるという量的な試算がない。社会保障全体のどこを何兆円減らしてどうなるかという、例えば後発医薬品がどうのこうのとか、いろいろ出ていますが、トータルでそれを積み上げて、9.4兆円にほんとになるのかという。ほんとに歳出削減の9.4兆をやるには、どの程度のコスト、効率化の努力が必要なのかという量的な話があると難しいですがいいのですが。そこはどうなのですか。

 

〔 田近委員 〕 もちろん、推計をちゃんとするのは大変だし、建議にそこまで書き込むかとあるけど、むしろ増えていくのを増やさないという面も、大きいのではないですか。これから高齢化していって薬の需要も増えていくが、それを増やさないためには、ジェネリックを使えとか。あと、ほかのところはある程度、これは僕の個人的意見ですが、非常に厳しいことを言っているわけですよね。社会保障以外は増やさない。それは井堀さんのご意見がものすごく生きていて。

 

 そうは言うけど、これから「経済再生ケース」をしていけば、経済が豊かになっていくわけだから、そこで賄える分もあるので、単に物価が上がるから、それに連動して歳出が増えるというのは甘いよと。

 

 したがって、我々としては社会保障の一部以外はもう伸ばさない。だから、潜在的には増えていくものを増やさないという意味で減らしていると僕は書いたし、読んでいるのですが。

 

 さらに減らすって、ネットで減らすというのはものすごいことをさらに書き込まないといけないような気がしますけどね。

 

〔 吉川分科会長 〕 富田委員。

 

〔 富田委員 〕 一番のメッセージは、これまで3年間の歳出改革というペースを崩さないということです。それで、9.4兆円という数字の大半を歳出の改革でできるだろうというのがメッセージでして、板垣委員も井堀委員もご懸念の点は、中間段階で再度検討しようと。それが2008年度です。

 

 だから、今回はやっぱりもうボリュームゾーンの我々ベビーブーマーズが75歳になる直前の時期が目標年度なんで、もうこれ以上の後退は許されないわけでして、ここで社会保障の充実も図りながら、毎年0.5兆円ずつ増えていくという形の流れですね。だから、いろいろなご意見あって、もっと増やすべきだというご意見もあるのでしょうが、そこらでもうぎりぎりのところでできていると私は考えております。

 

〔 吉川分科会長 〕 どうも。

 

 ほかにいかがでしょうか。末澤委員。

 

〔 末澤委員 〕 起草委員の方々、どうも、ほんとうに、ご苦労されたかと思います。昨年来のいろいろな状況を勘案しましても、今回相当こちらの文章作成には苦労されたと思います。

 

 ただ、1点、別に修文をお願いするわけではないのですが、前回、今回、皆さんが問題視されている先ほどのこの16ページの12行目ですね。この「過去3年間の歳出改革と同ペースで歳出の増加が今後5年間継続すれば、中長期試算の経済再生ケースで示されている2020年度における国・地方のPB赤字9.4兆円の大宗は解消される」と、この文言ですが、一般にマーケットの参加者、ないし、一般の方が読むと、普通にもう過去3年と同じように、歳出を抑制すれば、軽く達成できるというイメージが報道等で出てこないのかが若干心配されるということです。

 

 過去3年間は景気がよかったのは事実だと思います、株価も相当上がりました。ただ、この財政の世界では、ご承知のとおり、ビルト・イン・スタビライザーということがございまして、景気がいいと、雇用面も含めて、相当、歳出額が抑制されるタイムがあります。逆に景気が悪くなると、歳入は減るが歳出は増えるという問題があって、つまり、この3.5%の名目成長率が今後2020年まで維持されれば、結果的に歳出も抑制されるという面は私も実際あるだろうと思います。

 

 ただ、これが成長率も厳しくなったときに、ほんとうに過去3年間と同じペースで歳出抑制が普通にできるのかなというのは若干少し懸念と言うか、そのような印象を持ちました。

 

 以上、特に修文は要求いたしません。以上でございます。

 

〔 吉川分科会長 〕 では、土居委員。

 

〔 土居委員 〕 資料のローマ数字1−1−6をごらんいただきたいと思います。これは、ご承知のように、もともと麻生副総理が諮問会議で提出された資料でありますが、内閣府がこの数字を出さないので、麻生副総理が出されたのかなと思いながらも、数字が具体的に書いてありまして、まさにその差額は9.4兆円ですが、その裏づけとなる支出と収入のその具体的な金額が書かれていて、2015年は足元歳出、国と地方をあわせて重複分を除いて115兆円、これが131兆円となる見込みで、9.4兆円の赤字が残る。このような見立てが内閣府の試算との平仄で出てくるということだと思います。

 

 単純に言うと、5年間で16兆円歳出が増えるという予測を内閣府が出しているというのがまず1点と。実は、過去のこれと平仄が合う数字で、私が知る限り、まさに骨太2006で同様の数字を出してきていて、そのときの2006年当時の数字というのが107兆円ということで、9年間、2006年から2015年までの9年間で8兆円増えたという計算ができるわけであります。

 

 仮に、この、リーマン・ショックもあり、その景気対策もあり、そのような形で歳出が増えてきたけれども、9年間で8兆円しか増やさなかったという見方もできると。それで、もしこのペースで5年間で歳出がどれだけ増えるかと言えば、4.4兆円増えるという計算になるのですが、極端に言えば、過去のペースで歳出を増やしても4.4兆円だと。仮に16兆円増えるうちの9.4兆円を差し引くと、大体7兆円前後ということですので、まだおつりがあると。

 

 もちろん、これには消費税率が2017年に引き上がれば、その分の社会保障に加えなければいけないとかいうのがありますが、必ずしも実現不可能ではないペースであるということです。

 

 つまり、これまでの9年間の歳出の増のペースとは、もちろん一時期厳しいと言われた時期もありながら、民主党政権で大分歳出を出した時期もありながら、ここまで今日に来たということなので、この9年間、苛烈な緊縮財政をしてきたと多くの国民が思っているかというと、必ずしもそうではない。

 

 その程度に歳出は増えたので、仮に消費税率が8%から10%のアップによる歳出増を見込んだとしても、歳出抑制を9.4兆円したとしても、自然純増分があるので、純増分を確保した上での歳出削減ということだというペースなのではないかと私は計算をしていまして、大変だと思いますが、決してできなくはないという、低過ぎず、高過ぎないハードルだと思っていて、だからこそ、しっかり歳出改革をやるべきだと思っているというのが私なりの勝手な推計も含めた根拠と。

 

〔 吉川分科会長 〕 そうですね。もともとここのところは、今までやってきたことを続ければ大丈夫という書き方だったのが、たしか前回ですか、永易委員、井堀委員のほうから、あまりそういう調子で書くと、いかにも楽勝ムードのような、だけれども、現実はそう簡単ではないだろうというので、非現実的なほどの緊縮財政ではないと、しかし、しかるべき緊張が必要であることは言うまでもないというような、ある種、両用のような、主たる主張は前者のほうかなと思いますが、それを書き込んだということですよね。

 

 でも、ご意見も踏まえて、もう一度、そこのところ、最後の文章を検討というのをお願いするとして。

 

 ほかにいかがでしょうか。黒川委員。

 

〔 黒川委員 〕 ありがとうございます。

 

 私は、本文のところでもいいですか、先生。

 

〔 吉川分科会長 〕 どうぞ。何でももう。

 

〔 黒川委員 〕 では、72ページから74ページにかけての資産・負債のところでございます。

 

 まず、「てにをは」ですけれども、72ページの(1)の見出し、小見出しが「国の資産・債務の実態」ですけれども、大体中身は債務ではなくて負債という言葉をつけているので、これはどっちがいいのかなという話です。7のところも資産・負債となっておりますので、負債か債務か、これをどちらかに統一するのがいいのかということをご検討いただきたいということが1点。

 

 それから、2番目は、中身の話ですが、74ページの(2)の「国の資産の有効活用」なのですが、最後が「PFIなどを使って」ということで結論づけているのですが、ここは議論でも出ましたように、国の財政状態の国民への周知がまだまだ足りないのではないかと思います。

 

 そこで、1つの提案は、「国の資産の有効活用と財政状態の国民への周知」という題名にしまして、25行目の最後の後に、「また、国の財政状況の国民の理解を一層周知することで、財政改革に対しては国の資産を売却する効果が一番高いかのような誤解を払拭することが望ましい」とか、少し洗練された言葉でご検討いただければと思います。

 

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 

 小林委員。

 

〔 小林委員 〕 分科会で貴重なご意見、ありがとうございました。起草委員をやっておりまして、このくらいの表現でもいいのかなと思っているところを、分科会で強い意見が出てくると、背中を押してくれて、より強い表現で書けるという効用が非常にありましたので、ここで改めてお礼を申し上げたいと思います。

 

 それで、特に今回、起草するに当たって、今のお取りまとめの建議で出てこなかったのですが、やはり海外の事例ですとか、過去の失敗の例を入れているというのは何かというと、最終的には政治の意思、それから、政治がどれだけ国民に対してアピールできるかという、そのあたりをにじませるというのが一つの意図であったと。特に有事から平時への移行、これが海外が非常に速やかに行っているのに比べて、日本はぐずぐずしていると。これが結局、現状維持で、それで財政の悪化につながっていっている、財政健全化の手綱が緩んでしまうという。その流れを何とか断ち切らないといけないのかなと。

 

 それから、先ほどから出ております9.4兆円の、普通にやればというか、これまでのやり方をすればということがあると思うのですが、それのもう一つの今回の建議のキーワードとして人口減というのがありまして、これから人口減社会を迎えるに当たって、いろいろなものを縮小していく。それは必ずしもサービスの低下につながらないで縮小していのであると。それが、言ってみれば、これまでどおりというか、決して非現実的に非常に財政の、国民生活に大きな影響を及ぼさなくても、何とかできるのではなかろうかということの一つの背景になっているということを強調したつもりであります。

 

 もちろん、いろいろ、さまざまなご意見あると思いますが、決して緩い、甘い建議にはなってないかなということを申し上げたいと思いまして、発言させていただきました。

 

 以上です。

 

〔 吉川分科会長 〕 冨山委員。

 

〔 冨山委員 〕 今年は私自身あまり貢献できなかったので、来年以降の話をちょっとしたいと思います。

 

 おそらく全体に通底する話として、経済再生ケース云々のところの議論との関連性ですが、今、実際、日本の経済、今日、日経新聞に出ていましたけど、どちらかというとやっぱり生産年齢人口の先行減少によって、労働力の供給制約が深刻な問題なわけで、これを乗り越えていこうと思ったら、相当生産性を高めていかないと、持続的成長は難しい。それが実態であり、もちろん、葛西さんのところのように超人的な生産性の会社もあるのですが、一般的に言うと、相当、特に国内の非製造業系の生産性は著しく低いという現実があるわけで、社会保障などはみんなそういう産業領域、産業セクターに属するわけです。

 

 そうすると、実はこの経済再生ケースで想定しているのも、かなり生産性の向上をおそらくインプリシットにビルト・インされている数字になっているはずで、最近、慌ててみんな生産性と言い出しているのだと思いますが、そうすると、これ、全部の議論にこれは実はつながるところがあって、先ほど、経済成長のパターンになっていくと、比較的歳出はむしろ少なくて済むという議論がありましたが、実はこれはそことも整合していて、生産性が高くなれば、本来、その分、歳出はセーブできるはずなのですよね。

 

 また別のところできいてくるのは教育の話も同じくで、大学に行くと何か賃金高くなるという話がありましたが、なぜ高くなるかと、それはその人が労働生産性が高くなるから、賃金が高くなるわけで、そこを全部整合させるのであれば、質的転換という議論がありましたが、大学教育の質的転換をするのであれば、それは当然、生産性を高めるためにどういう教育をするべきですかというところと、はっきりこれは、実はそうじゃないと、従来型の学術偏向でやっても生産性はあんまり上がらないわけで、したがって、そういった議論とも実はつながってくるので。

 

 従来、長年にわたって需要不足の中でどうするかという議論だったので、経済成長を押し上げようと思ったら、財政出動して有効需要をつくれば経済は伸びるという理屈でやってきたと思いますが、これだけ労働力が供給制約になってくると、既に東北で実証されているとおりで、政策的に財政出動的なことをやってみても、やる人がいないので、要するに実際に景気にあんまり影響を与えないわけですね。

 

 そのような状況も起きてきているわけなので、来年以降の議論だと思いますが、経済再生の議論、あるいは、成長の議論と供給サイドの生産性の議論というものが背景にあって、それと財政はどうなのだという論理関係の議論をぜひともやっていただきたいなと。

 

 あと、ちょっと余計なことを申し上げると、例の点検会合、ありましたよね、消費税のときの。あのとき、いろんな方がいろんなことを、私のときにもおっしゃっていましたが、別にエコノミスト一般の悪口を言うわけではないのですが、いわゆるエコノミスト系の方のおっしゃる話の99%が需要の話だけなのです。

 

 確かに需要サイドが短期的な景気においてすごく意味合いを持つのはわかりますが、財政は長期の話なので、やはり生産性サイドの議論はよりきいてくるわけですし、実際、過去20年、30年間、米欧と、特にアメリカと日本の経済成長の差がほとんどがおそらく、生産性の伸びで説明されていると、昔、吉川さんに伺った記憶があるのですが、そのようなことになるわけですから、ここから先はやはりそういった議論を何かどっちかというと一つの背骨にした財政の議論をしていけると、割と生産的な議論になるのかなと。

 

 ちょっと一例、身近なことを申し上げると、先ほど、楽勝だから、お金使っちゃってもいいじゃんムードになるとまずいという議論がありました。まさにちょっとそのようなムードが漂っていて、製造責任があるのですが、地方創生という話になると、またぞろ出てくるのは、中山間部の道路を整備しろという議論は出てくるのですね。

 

 それで、田舎でバス屋をやっている立場からすれば、道幅を広くしてくれると助かるのですが、はっきり言って、一瞬の話でありまして、もう5年もすると、人、いなくなっちゃうので、その道路、要らなくなるのですよね。

 

 そうすると、短期的には当バス屋は助かるのですが、5年後、10年後を考えると、道路、あと、維持管理、どうするのかという話がありますが、これはおそらく、市町村の負担ですよね。おそらく市町村の本音もあんまりノット・ウエルカムでありまして、むしろコンパクトにしてもらったほうが長期的には助かるのですが、永田町のあたりの人たちとその支援している土建屋さんたちはつくろうという話になるわけで、そうなってしまうと、長期的生産性をむしろ押し下げる。

 

 ですから、要するにあまり意味のない需要政策を打ってしまうと、かえって生産性を高めるインセンティブを市町村からもそこにいる企業からも奪うことになるので、そこはぜひぜひ来年以降の議論に反映してもらえればうれしいなと思います。

 

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。将来の財審の議論にぜひ生かしたいと思います。

 

 ほかにいかがですか、ご発言。佐藤先生。

 

〔 佐藤委員 〕 今の話を聞いていて、そうだなと思ったのですが、財政の機能って、教科書で教えるときには3つあり、1つは資源配分機能といいますが、公共サービスを提供して、長い目で見れば、それは成長に資するのだということ。それから、再分配機能がありますねと。それから、経済安定化機能がありますねという3つをとらえるのですが。どうもやはりこの日本の財政はみんなケインジアンで、財政安定化のほうに偏ってしまっていて、それが、ここでも議論があったと思いますが、公共事業を中心に、財政安定化とやって、そのとどのつまりがこの財政赤字の累積になったと思うのです。

 

 少し財政の役割を考えて、もう少し最初の負担、つまり、必要な公共サービスを提供し、長く見れば、それは成長に資するということ、それから再分配をちゃんとやりましょうということ、この2つにもう少し重点をシフトするべきではないかと思うわけで。

 

 だとすれば、社会保障の位置づけもそれに資するべきで、つまり、ほんとにこれは再分配にかなっているのか問われなければいけないし、とにかく、このサービスセクターの中でほんとうは生産性がどこまで高いかわからないのですが、やはり成長につなげるようなセクターにしていかないと、もたないということになりますし、いわんや公共事業はそもそもがその地域の生産性を高めることであって、別に仕事をつくること自体が目的ではないし、景気対策としてもあまり役に立たないでしょうということであれば。

 

 やはりそういう観点で、もう少し我々としても成長と再分配を財政の軸にしていくと。つまり、何が言いたいかと、景気対策はちょっともういいやという、何かそんなふうに少し重点を動かしていくということが必要と思いました。

 

〔 吉川分科会長 〕 ほかに。中空委員。

 

〔 中空委員 〕 ごもっとな話ばかりでしたし、私、基本的には今回のこの建議案はものすごいきつい言葉がたくさん書いてあって、すごい好きなんですが、でも、ところどころで消えちゃったきつい言葉もあって、何かマジックがどうのこうのという言葉も消えてしまったし、ちょっとその辺は残念かなと思っています。

 

 でも、とはいいましても、皆さんが申し上げてきたことも含めて、何の異論もないですが、これからこれがマーケットに出ることということで、マーケットの人たちがどう思うかと考えながら読みました。

 

 私、初めて参加させていただいたときから言っているのですが、やはり長いというのはあると思います。マーケット参加者は、こんな言い方をするとあれですけど、短絡的なところがあって、早く結論は、結論はと見るところがあります。

 

 そうすると、このいろいろなことに配慮をしてつくった文があんまり読まれることなく、どこがエッセンスかということになってしまうので、おそらくメディアに話されるであろう吉川先生が上手にここがポイントだということを伝えていただくことが何より大事になってくるかなと思います。座長に重荷を負わせるような発言をしましたが、それがあると思っていて。

 

 あと、もう一点は、永易委員がおっしゃっていた、どこかの時点ではということでお考えいただきたいのは、やはり財政再建を日本はしていくのかということに関して確信は持てないというのが、外国人の投資家の人も含めて、ずっと問題視されているところです。

 

 ですので、これができない場合はこれがあるよという、最低限これはやるというコミットメントをどこかで考えるということはあってもいいかなと。別に今回、何かというわけでは全然なくて、そのような意識はあってもいいかなと思いました。

 

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。

 

 ほかにいかがですか。田近委員。

 

〔 田近委員 〕 社会保障のところで、1点、佐藤さんから質問があって、あと、大宮さんからも追加的なご指摘があったのですが、佐藤さんからは、負担能力に応じた公平な負担のところで、37ページですけども、その24行目ぐらいに、高齢者の負担、それから、ロに就職先にかかわる負担ということで、かかわらない負担か。高齢者のほうは自己負担で、就職先のほうは保険料と、その全体が何か整合的ではないのではないかといったご指摘でしたが、そのような書きっぷりにはなっていますが、ここでのポイントは、要するに、非常に大きな問題で、大宮さんがご指摘された問題はまさにここに入っていると思います。

 

 要するに、医療、介護をこれから公平に負担してもらうため、負担、公平な負担を実現するには、どうしたらいいかと。最初に、高齢者の負担と書くべきではなくて、おそらく世代間の負担の公平というのがイだと思います。これはもうここで説明する必要はないですが、自己負担についての格差があるということです。

 

 実は、保険料についても大きな問題があって、後期高齢者のところは給付の1割が保険料となっていますが、4割は、そこがまさに大宮さんのご指摘の、後期高齢者給付の半分は公費で、残りの半分の10%部分は高齢者の保険料、40%が支援金、そこで問題は生じるわけですが。

 

 ただ、その10%の後期高齢者の保険料自身も、間違えたら宇波さんにご指摘いただきたいのですが、所得の低い人たちに対する保険の保険料の何ていうか減額がそれは公費でやっているのですよね。だから、実は1割の保険料の部分にも既に公費が入っていると。

 

 そして、介護保険のほうは給付の5割が公費で、残りの5割が21対、中途半端ですけど、2965歳以上の人が21%、40から6429、全国でそうなっているのですが、そこの1号、65歳以上の人たちの負担を下げるために、実は一体改革、社会保障と税の一体改革で、機能強化ということで1号、65歳の人たちの保険料を下げる。だから、保険料自身のところも、高齢者の保険料自身をどう取るかというのも既に問題がある。

 

 さらに、大宮さんのご指摘のところは、39ページで、これが就職先にかかわらない負担と。これは正確に言うと、被用者保険者、だから、「協会健保と組合共済等の被用者保険者間の負担の公平」と書けば、表現はともかく、内容はそう。

 

 ここでの問題は、今度は後期高齢者の給付の4割部分を現役の人たちが負うと。その負い方が、今度はさらに協会健保と組合等が違うじゃないかと、そういうふうにおりてきているわけですよね。

 

 これ以上、時間があれで申し上げませんが、なかなか難しいというか、全体の中の負担をどう整理していくかということでとらえていかないと、なかなかこの部分だけで、それはビジネスのグループの人たちに、いや、そんないつまで、さらに社会保険料負担をそんな企業側に負わせるのかというのもわかります。だけど、なかなかまだここで舌足らずになっているというか、全体を議論していく中で、もう一押ししていって議論していく。

 

 何を口ごもっているかというと、やはりあるところで社会保障料負担の上限みたいなのは必要。ただ、上限に行くまでは、今の総額報酬制みたいなものは、もう一押し押しても、押していってもいいではないかと。しかし、そこでもうほんとに限界になったところで、本気の公平の問題を考える必要があるのではないかということで、佐藤さんがご質問された部分は、実はものすごく今日議論されたことの根っこのようになっていて、大宮さんに対しては、僕の意見は、よくわかるのですね。実際、ドイツでも、企業の保険料の上限は設けているわけですが、その辺の兼ね合いを日本でどう考えるかという議論だと思います。

 

 以上です。

 

〔 吉川分科会長 〕 よろしいですか。

 

〔 大宮委員 〕 あまりここで論議に加えてしまうと、時間があれですが。

 

 おそらく、いろいろな問題がたくさん絡んでいるものを、どちらかというと、割合とわかりやすいところから先に徴収すると見えたりするところが問題かなと思っているわけです。

 

 よって、先ほど申し上げた公平性とは、おそらく全体の制度をいじり始めると、非常に大変なので時間がかかってしまって、そのようなことをやっているうちに、社会保障費が破綻してしまうということになってしまうのもいけないと思いますが、その辺の、どちらかというと取りやすいところから取ってしまうというような論議になってはいないかなという視点で、公平にというのをできるだけ考えていただきたいと、このようなことでございます。

 

〔 吉川分科会長 〕 ほかにご発言、いかがでしょうか。よろしいですか。

 

 では、一応、今回のこの建議に関する審議、終了ということにさせていただきます。

 

 本日もさまざまなご意見、積極的にいただきまして、ありがとうございました。当然ですが、皆様からいただいたご意見を踏まえて、最終的な修文等について、起草委員の先生方、それから、事務局、協力していただいて、もう一度、最終案をつくっていただいて。ただ、最終的な責任は、大変恐縮ですが、私にご一任いただくということでご了承いただければと思いますが、よろしいでしょうか。

 

(「異議なし」と呼ぶ者あり)

 

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 

 それでは、建議、まとまりましたら、それを、修文後の最終案ですが、案ではなくて建議となったところで、私と起草委員で、皆様方この分科会を代表させていただいて、麻生大臣へ手交、手渡しすることとさせていただきたいと思います。

 

 大臣への手交と公表は6月1日を予定しておりますが、その後、速やかに事務局より皆様方に建議を送付させていただきます。なお、日程の都合上、建議公表の前に、経済財政諮問会議等において、麻生大臣から、これまでの審議内容についてご紹介いただく可能性がございますので、ご了承いただきたいと思います。

 

 では、どうも、ご多用のところ、ありがとうございました。

午後 15時42分閉会

 

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