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財政制度分科会(平成27年5月19日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録
平成27年5月19日
財政制度等審議会


 財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

平成27年5月19日(火)14:00〜16:42
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

 

 

1.開会
2.とりまとめに向けた審議
3.閉会

配付資料
○資料1.「財政健全化計画に向けた基本的考え方」(案)」

出席者

分科会長 吉川 洋           

菅原副大臣
宮下副大臣
竹谷大臣政務官
田中主計局長
岡本次長
太田次長
西田次長
新川総務課長
寺岡調査課長
山本司計課長
窪田法規課長
堀内給与共済課長
片岡大臣官房参事官
阪田主計官
余島主計官
白石主計官
冨安主計官
青木主計官
井藤主計官
宇波主計官
彦谷主計官
高村主計官
小野主計官
井口主計官
内野主計企画官

分科会長代理     田近 栄治  
 委員

遠藤 典子
大宮 英明
倉重 篤郎
古賀 信明
角   和夫
竹中 ナ ミ
田中 弥生
土居 丈朗
富田 俊基
中空 麻奈
永易 克典 

 臨時委員

板垣 信幸
井堀 利宏 
加藤 久和
小林 毅
末澤 豪謙
十河 ひろ美
武田 洋子
田近 栄治
増田 寛也
宮武 剛

   
   

午後2時00分開会

  〔 吉川分科会長 〕 ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。皆様方におかれましては、ご多用中のところご出席いただきまして、ありがとうございます。

 

 本日は、建議の取りまとめに向けて、お手元にお配りしております財政健全化計画等に関する建議(案)について審議していただきます。本日お配りしている建議(案)につきましては、これまで田近分科会長代理、小林委員、土居委員、富田委員に議論していただき、取りまとめていただきました。どうもありがとうございました。

 

 建議の審議の進行ですが、全体を4つに分けて進めたいと考えております。まず建議の総論について、次に各論のうち、社会保障について、その次に地方財政、教育、科学技術について、最後に公共事業、IT、資産・負債についてと分けて審議をお願いいたします。

 

 なお、岡本委員におかれましては、本日ご欠席のため、意見書をご提出いただいております。皆様のお手元にお配りしております。

 

 まずお手元の資料、建議の案ですが、1ページから15ページの総論部分について、どなたからでもご意見をいただければと思います。記述に関する一般的なご意見、それから細かい修文、どちらでも結構ですが、最終的には建議としてまとめますので、修文の形でご指摘いただければ幸いです。

 

 では、角委員、末澤委員、古賀委員の順番でお願いします。

 

〔 角委員 〕 ありがとうございます。10ページの上の段落ですが、「計画に対する国際的な評価を得ることは期待し得ない」ということですが、もう少し突っ込んで書いていただいたほうがいい気がいたします。例えば格付の問題なので、それによって長期金利が上昇するとか、国債価格が暴落かどうかは別として、国債の価格にも影響を及ぼすといったリスクを抱えているというところを書き込んでいただければありがたいと思います。

 

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。続いて末澤委員。

 

〔 末澤委員 〕 ちょっと2点ご質問させていただきたいのですが、今回の建議は、政府が夏までに策定する財政健全化計画にも反映されるものだと考えておりますが、その関係で2点ですね。

 

 1点は、その財政健全化計画ですが、これが今後どのようにして策定されるのかということで、実は2013年の場合ですと、中期財政計画は、8月のたしか8日だったと思いますが、来年度の概算要求基準と合わせて決まって、閣議了解されたのですね。一方で昨年ですと、骨太の方針、経済財政運営と改革の基本方針、これが6月24日にたしか経済財政諮問会議で決まって、閣議決定されていると。

 

 今、足元の報道だと、どうもこちらの経済財政諮問会議で決まりそうかなと思うのですが、今後のスケジュールをわかる範囲で教えていただきたいのと、その経済財政諮問会議で決まる骨太の方針で盛り込まれるということであれば、これはこちらも報道ベースではございますが、先般、5月12日の会議のほうで麻生大臣からもご説明があり、民間議員からもご説明があり、その中で、特に歳出の削減額、これに関して大臣と民間議員等でもやりとりがあって、既に実はこの議事要旨というものも出ていまして、私も見てきたのですが、その削減額の差があるというあたりについて、まず最近の状況、今回のこの建議の内容を踏まえて、経緯、内容についてご説明いただければと思います。

 

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 

 では2点、ご質問ですので、事務局からお答えください。

 

〔 寺岡調査課長 〕 1点目は計画のスケジュールということでございました。先般の5月12日の経済財政諮問会議で、最後に総理から、計画については骨太の方針の中で取りまとめていきたいというご発言ございましたので、例年ベースで行けば6月末の閣議決定を目指して今後、作業を進めていくということだと思います。

 

 次に、政府内でのご議論についてのご質問だったと思います。まず、いろいろな報道が出ていると思うのですが、計画の大きな方向性について、何か対立点があるとか、そのような問題ではないだろうと思っています。具体的には、例えば、まず2020年度のPB黒字化目標を達成する。その後に債務残高対GDP比を中長期的に安定化させていくという目標自体につきましては、何度も総理も堅持をしていくということでご答弁されております。

 

 それから、その前提となる中長期試算、これはもう2月にお示ししましたが、ベースラインケースの場合ですと、2020年の時点で16.4兆円PB赤字が残る姿。それから名目成長率3%程度を達成した末の経済再生ケースの場合には、2020年に9.4兆円程度の赤字が残ると。こうしたものを2020年までに解消していく、そのための計画をつくるということでございます。

 

 そしてその方法につきましては、1つは経済成長、デフレ脱却、これによって税収を上げていくという方法。2つ目に歳出改革を行っていくという方法。それから3つ目として歳入改革を行うと。この3つで達成していくという基本的な方針には変わりございませんし、それから例えば財審でもご議論いただきましたが、5年間、その計画をあらかじめ見通し決めていくのは非常に難しいので、きちんと中間評価をやり、必要に応じて追加策、収支改善策を講じていくといったことも、これは既に政府のペーパーで示されているものと思ってございます。

 

 5月12日の経済財政諮問会議では、民間議員の方から、これまでの論点を整理した紙が提出され、そのご説明がなされました。非常にポイントだけで申し上げますと、まず1つは経済財政一体改革ということで、具体的には、先ほど申し上げたデフレ脱却・経済再生、歳出改革、歳入改革の3本柱の改革を一体として推進し、安倍内閣のこれまでの取り組みを強化することというのがまず大きな基本であるということ。

 

 そして、歳出改革につきましては、1つは国民の幅広い参加を求めていく必要があるので、公共サービスとそれに密接にかかわる周辺サービスについて、民間企業と公的主体が協力して担っていくことを進めるいわゆる公的部門の産業化を進めるべきということ。それから、政府はもとより国民、企業、自治体がみずから無駄をなくしたり公共サービスの質の向上に取り組む意欲を喚起するインセンティブ改革をやるべきではないかと。

 

 それから、こうした取組の基盤としての政策情報の開示と見える化などを進める、公共サービスのイノベーションといった取組によって、公共サービスの質や水準を低下させることなく、また経済を下押しすることなく、公的支出の抑制を実現していったらどうかといったご提案がなされたと。

 

 加えて、歳入改革につきましても、経済構造のさらなる高度化・高付加価値化に取り組んで、新たな税収増を実現するといったことを進めてはどうかということで、もう議事録も出ていますので、民間議員の方からはこうしたことによる歳出改革は5兆から6兆、歳入改革で4兆から5兆を目指してはどうかというご提案があったと承知してございます。

 

 一方、財務大臣から5月12日の諮問会議で提出させていただきました「財政健全化計画の枠組みについて」では、まず経済再生と財政健全化の両立を目指し、デフレ脱却・経済活性化を通じて経済再生ケースを実現させることが重要課題なのだと。それでも2020年には9.4兆円のPB赤字が残るので、歳出改革等を通じて解消を図り、PB黒字化を図っていくのだと。ご発言の中で、あわせて歳出改革によって経済を損なうことのないように十分配慮してやっていくといったことも発言されています。

 

 次に、国の一般歳出の実績と見通しにつきまして、2012年から15年までの実績については毎年約5,000億円ずつ伸びてございまして、今、足元55.9兆円という数字になっています。

 

 ブレークダウンしますと、社会保障関係費で毎年約5,000億円ずつ。そしてその他の歳出についてはほぼ横ばいで3年推移してございます。合わせたものが一般歳出の全体ですが、これが2020年にかけて、傾きが非常に急になって伸びていく。これが中長期試算の姿でございます。

 

 一方、これまでの歳出改革の取組を継続してやっていけば、2020年の9.4兆円を国、地方でそれぞれ頑張ってやるとして、その9.4兆円の半分の大宗に届くぐらいの数字になってございます。

 

 したがいまして、麻生大臣から提案させていただいている案というのは、これまでの安倍内閣の歳出改革の取組を継続し、これまでと同程度の歳出の増加額に抑えれば、9.4兆円のPBの赤字の大宗は解消が可能ではないかということです。2015年が歳出と歳入の高さがそれぞれあって、そのギャップが大体、GDP比で3.3%ぐらい開いてございます。それを今の中長期試算の経済再生ケースベースに歳入を増やして、大体23兆円増えてございます。一方、歳出は16兆円程度増え、収支差が7兆円改善し、1.6%まで、9.4兆円まで縮む絵にはなっているのですが、ここを最後、縮めていくのに、過去3年の実績を踏まえて、歳出の伸びの改革を続けていけば、その9.4兆円の大宗は埋まるといった姿を提示させていただきました。

 

 申し上げたように、何か殊さらにその出発点として大きな対立があるとは我々も考えてございませんので、今後、出させていただいた提案、それから民間議員の方からも提案が出ていますので、そういったものの調整を進めていきたいと思ってございます。

 

〔 吉川分科会長 〕 よろしいでしょうか。はい。

 

 では続いて、古賀委員。

 

〔 古賀委員 〕 ありがとうございます。最初に、全般についてぜひご理解をいただきたいと思うのですが、もちろん今まで議論してきた経過をこの建議としてまとめられておりますが、時間の制約もございますので、一両日中に文書で何点かまた意見を出すという可能性がございますので、そのことについてはぜひご理解をいただき、ご検討いただきたいと思います。

 

 初めに、総論でございますが、これまでの論議経過の中から、とりわけ経済成長の実績が常に下ぶれしてきたという、そのような反省を踏まえて、より堅実な進捗管理を求めたということについては賛同いたします。

 

 加えて、意見でございますが、この場でもう何回か指摘したかもわかりませんが、補正予算を含めた年度予算全体での財政規律を確保するということが極めて重要ではないかと。したがいまして、例えば補正予算の編成が必要となった場合には、同時に中長期でのPBへの影響と健全化目標達成に向けた道筋の明示を求めるといったことを盛り込む、そのような方法もあるのではないかということをご意見として申し上げておきたいと思います。

 

 以上でございます。

 

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 

 では、続けて永易委員、碓井委員。

 

〔 永易委員 〕 ありがとうございます。建議全体の印象でございますが、従来の建議に比べて相当踏み込んだトーンになっている。したがって、この時期にはふさわしい内容と総括できると思います。

 

 ただ、具体例のほうがいいですね。先ほど角委員も述べられたところ、10ページの上を見ていただきますと、要するに歳出水準に係る規律が不可欠だということを述べ、その分野ごとですかね、歳出改革の具体的方策が盛り込まれなければならないと述べられております。このとおりなのですが、この審議会でも何回か出てきましたが、実効担保がどうしても必要なのではないか。2つ目は、よく第三者委員会とか法制化とかいう問題で取り上げられております。このようなものも全体を含んだような何かの仕組み、PDCAサイクルがぴしっと回るような仕組み、このようなものを3本柱で、いわゆる比率の問題と具体的方策、それとそれを実効担保する仕組み、これが必要ではないかということを少しご提案申し上げたいと思います。

 

 それともう一点は、11ページの22行目です。過去3年間のいろいろ努力してきたこのトーンでやれば、9.4兆円の大宗が解消されるというくだりがございます。事実は、先ほどご説明あったとおり、そのとおりかと思うのですが、デフレのときとインフレを前提としているときで色彩が当然違います。だから従来どおりの考え、取組を継続するのが大変なこと。この表現ですと、何か従来どおりのことをきちっとやれば解消されるのですよという非常な軽いトーンになるのではないのかと。

 

 だからほんとうに非常に強い意思を持って、従来の方策を断行するのが難しいわけですから、解消する可能性があるというトーンが必要かという気がいたしました。

 

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。2点目について、ご意見、おっしゃるとおりかなと思いますが、もう一方で、今の政府部内での議論で、この9.4兆円の大宗を歳出カットで改善するのは厳し過ぎるという議論が一部にはあるということで、それとの関係で、それはほんとうにめちゃくちゃな歳出カットでもないという、リーズナブルな達成可能なことなのだということを言うために、このような表現になっているのだろうと思うのですが、ご指摘のご意見はもっともだと思いますので、その点は起草委員の先生方にどのような表現がいいのか考えていただくということになると思います。

 

〔 永易委員 〕 はい。お願いします。

 

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。では、続けて碓井委員、竹中委員。

 

〔 碓井委員 〕 とりわけ総論部分を読んでいて、記述の仕方で気になるというか、疲れを感じたことがあります。それは西暦と元号との記述の仕方でございまして、例えば3ページの下から2行目のOECDの、これ括弧で、26年11月25日となっていますね。それから7ページの(2)の本文3行目の9年11月。これは中身を読んでいればわかることはわかるのですが、全部の箇所に何も西暦と元号を併記するのは果たして読みやすいかどうかは別問題ですが、国民一般も読むということを前提にして、最終段階でぜひ修文の際にチェックしていただきたいと思います。

 

〔 吉川分科会長 〕 これは事務局、チェックよろしくお願いいたします。

 

 では続けて、竹中委員、中空委員。

 

〔 竹中委員 〕 すみません。起草委員の皆さん、ほんとうにありがとうございました。ちょっと言葉尻みたいになって申しわけないのですが、10ページの3の上、国際評価の部分のところですが、ほかのページの言葉の最後が、きっぱりとわりと言い切っているのに、ここだけが「国際的な評価を得ることは期待し得ない」って、何かすごくもっちゃりしているので、国際的な評価を得ることは難しいとか得られないとか、ここもしっかりと書いたほうがよろしいのではないかと思います。

 

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。では、中空委員。

 

〔 中空委員 〕 ありがとうございます。トーンというか言葉が、きつい言葉がいっぱいあって、私はとても気に入ったのですが、「数字のマジックに惑わされてはならない」とか、非常にいいと思っています。

 

 なので、基本的には何もないのですが、岡本委員もこの意見に書いてあるのですが、12ページの「消費税率の10%への引き上げが予定されている」というのは、やっぱりいかにも弱いかなと。これはもう確実にやってもらわなければいけない分で、むしろ私たちとしては、これ以降は上げないと言っている発言のほうが心配なぐらいなので、ここにはもう少し厳しく、絶対上げるということがあったほうがいいと思いました。

 

 あと一点、外国人の投資家の方々などと話していると、基本的に日本の財政再建ができるかどうかは、今回、6月末に出てくるもので見ていますと。その中で、仮に何もできなかった、どうせできないのではないかという見通しがもともとあるのですが、できないなりに、例えばこのような目標が達せられなかったら、最低でもこのようなことはやりますということを彼らは待っています。

 

 ということで、例えば14、15で経済財政の見通し、進捗状況の管理というところで、非常にいいことがたくさん書いてあるのですが、最低でもこれはやっていくのですよということがわかりやすい形で伝われば、マーケットは非常に短絡的に受けとめるところがあるので、伝わりやすいかなと思いました。

 

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。では、続いて、井堀委員、倉重委員、加藤委員。

 

〔 井堀委員 〕 2点ですが、1点はほんとうにつまらないことですが、5ページの一番上の行は、何か文章が少しおかしいので、「財政収支を注視していくこと、必要がある」というのは、「こと」をとったほうがいい。

 

 それでもう一点は、先ほどから出ている13ページの上のところの歳出削減、9.4兆円の話です。今、事務局からの説明ですと、麻生議員の提出資料のところで、過去3年間のトレンドで歳出抑制ができれば大丈夫だという話です。ただその過去3年間の名目経済成長率と、経済再生ケースでこれから想定している名目経済成長率とはかなり違いがあって、過去3年間、2%行っていないのです。

 

 今年は、去年4月から消費税率を引き上げましたから、その分、名目成長率も上がっていますが、それを除くと1%台です。2015年以降に関しては、経済再生ケースだと4%近い、3%台の後半の名目経済成長率を想定している。ほんとうに大丈夫なのかということです。

 

 例えば社会保障費以外のその他歳出をほとんどゼロで、今後、2020年まで抑えることが、今までも歳出改革努力の前提にして可能なのかどうか。自然体ではそれはかなり無理じゃないかと思うのです。

 

 もちろん9.6兆円歳出削減ができることは可能だと思うのですが、今までの努力をそのままやってできるとまで言えないのではないでしょうか。11ページから12ページにかけての話は、多少、非現実的じゃないかという気もするのですが、どうなのでしょうか。

 

 これはできると言ってしまえばそうなのですが、若干この点は気になります。もちろん12ページの第2段落のところで、歳出削減をもっとちゃんとやれという話は、それはそれでいいのです。11ページから12ページにかけてのところは、やはり中長期試算での前提のほうがより現実的じゃないかということが私の感じです。もうちょっと削減できるということであればこれでいいと思うのですが、若干この点は気になりました。

 

 以上です。

 

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。今のご意見は、先ほど永易委員からいただいた意見と重なるところが大きいと思いますので、表現ぶり、また起草委員の先生方に考えていただいて。

 

〔 寺岡調査課長 〕 一言よろしいですか。

 

〔 吉川分科会長 〕 どうぞ。

 

〔 寺岡調査課長 〕 よろしいですか。すみません。

 

 確かに中長期試算上、そういうふうに経済の成長を見ている。加えて、その内数として、物価の上昇を今後は予想しているというのは非常に大きな論点だと思いますし、それに対して予算の伸びがどうなっていくかというのは大きな論点だと我々も認識しています。

 

 他方、やや毎年の予算のつくり方といいますか、それとの絡みで、今後、物価の上昇なり経済の成長が名目値でどれだけ伸びるからといって、あらかじめ計画上、その予算の姿を、いってみれば年金の物価スライドのように上げていくというのはこの時点で必要なのかという認識を持っています。

 

 といいますのは、まず確かに物価や賃金が実際に上がる中で、個別の予算、これはその費目によっていろいろあると思いますが、例えば公共事業でいえば、その予定価格の中の積算に資材や賃金の上昇を織り込む、あるいは学校の先生の給与が実際に上がるということはあると思いますが、例えばその一方で、公共事業については、各般、人口が今後、減少していくのが見込まれていますので、そういった価格面以外の要因で効率化努力を進めていくということも必要でしょうし、学校でいえば、確かに学校の先生の給料が上がる中で、人口減少を反映して統廃合が進んでいくといった要因があるんだと思っています。

 

 実際に過去3年間、先ほど示したような姿ですが、この間、おそらく資材価格は3年で例えば2割、3割上昇してきました。その公共事業の労務単価もおそらく1割ぐらい上昇してきました。それは個別の予算にはきちんとそういったものを反映していく姿勢は必要でしょうし、また実際に上がり始めれば、毎年の予算の中での大きな議論だと思います。ただ、予算全体の額をそれにスライドしてあらかじめ伸ばしていくようなことを計画とするのが本当に必要なのかどうか、そこは大きな論点だと思ってございます。

 

〔 吉川分科会長 〕 今のお話、永易委員、井堀委員のご意見、それから課長のコメント伺っていて、課長のコメントは、それは結構だと思うのですが。

 

〔 永易委員 〕 課長の言うのはよくわかりますし、だから書き方です。

 

〔 吉川分科会長 〕 それを書き込むべきですね。

 

〔 永易委員 〕 書き込むべきだと思います。このトーンだと、あまりにも従来どおりやれば行くんだよという、何かそれがおかしいと言っているわけで、大変な努力が必要なのですよね、裏にはね。

 

 それで、物価どおり上げていくというのは論外だと思います。当然に。ただそれが2%上がるんだったら1%以内に抑えるとか、こういうところが現実的なんだと思うのですよね。そういうことを申し上げているわけです。

 

〔 吉川分科会長 〕 ですから、繰り返しですが、課長が今言われたようなことを、かなり詳しく書き込むべきではないでしょうか。起草委員の先生方へのお願いになるわけですが、イメージ的には1ページくらい書いてもいいかなと。いや、ほんとうに。二アリーということかもしれませんが、非常に大きな論点だと思いますよ。

 

 ですから、名目成長がこれこれ、しかしプライスとクオンティティーと両方あるわけですし、先ほど課長が言われたような幾つかの論点を非常にわかりやすく説得的に書くのが、この建議で言っている議論を説得力があるものにするためには必要なんだろうと思いますね。

 

 ですから、繰り返しですが、今の課長のコメント等を起草委員の先生方にもう一回考えていただいて、書き込みをしていただく必要があると思います。お願いいたします。

 

〔 土居委員 〕 今のことで、いいですか。

 

〔 吉川分科会長 〕 どうぞ。

 

〔 土居委員 〕 コメントありがとうございます。調査課長がおっしゃった話は、13ページの一番下の段落にございまして、この13ページのところは、既に12ページの後ろから始まる今後の人口動態を見据えた歳出改革の方針という流れの中で述べておりまして、人口減少を踏まえた自然減という言葉を用いまして、物価上昇とは別に、そもそも人口が減るのだから、その分だけ歳出を改革する必要があると述べているところであります。

 

 ただご指摘のとおり、物価に関しての話は触れておりませんので、そことこの人口動態を見据えた歳出改革というところとをもう少し、吉川会長おっしゃったようにはっきり読んでわかるような形で組みかえをしながら盛り込んでいければいいかなと思います。

 

〔 吉川分科会長 〕 もう一度、具体的に指摘させていただくと、要するに今、土居委員が言われたようなことは確かに一部、書いてあるのですが、中長期試算との関係で記述されていないわけですね。ですから11ページの下から12ページにかけてのあたり、この議論との関係でもう少しこの建議の立場を丁寧に説明する必要があると、こういうことだろうと思うのです。11ページの下から12ページの頭あたり、この点またご検討をよろしくお願いいたします。

 

〔 富田委員 〕 ちょっとよろしいですか。

 

〔 吉川分科会長 〕 どうぞ。では、富田委員。

 

〔 富田委員 〕 今の点なのですが、先ほど古賀委員がご指摘になった補正予算の問題とも私は絡んでいるように思うのですね。これまでどおりの取り組みといったときに、我々は実感として多分トータルで数字を見るわけでして、ここでは当初予算だけを示して、これまでどおりの取り組みというふうに書いているのですが、ただその補正予算のところをどう書くかということで、先ほど古賀委員が言われたときにちょっと考えたのですが、例えば8ページのところに、「有事から平時への移行を怠れば本末転倒だ」というふうに書いてあるのですが、その並びに、むやみに補正予算を編成したりとかそういうのがあると、つまりこれまでどおりとはいえ、ここの前提というのは当初予算だということはある意味わかってくるように思うのです。

 

 だからこれまでどおりの取り組みといっても、補正を含めてかどうかということの問題について明示的にしたらどうかと、今お話の中で思ったわけですが。

 

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。では、お待たせしました。続けて倉重委員、加藤委員。

 

〔 倉重委員 〕 ほんとうに起草委員の皆さん、ご苦労さまです。4点申し上げたいのですよね。

 

 1つは、「財政収支」という言葉と「基礎的財政収支」という言葉が2つ使われて、当たり前なのですが、今回は目標として基礎的財政収支なんだが、その以降は財政収支に戻るべきだという趣旨ですよね。だけど一体どう違うんだと。それは利払い費を入れるか入れないかということなのですが、世の中の人はなかなかここは非常にわかりにくいので、この辺の言葉の正確を期すために、もうちょっと言及が、丁寧な言及、特になぜ過去振り返って、例の財政構造改革法のときは「財政収支」を使っていたわけですよね。ところが2006年の小泉さんのときから「基礎」が追加されたわけですね。「財政収支」じゃなくなった。

 

 それはもうこれだけ金利、さっきもあった金利見ると、ちょっと許してちょうだいというのはよくわかるのですが、わかるんだが、そういう経過があったということと、やはり国際標準でいえば、それは財政収支であって、それは本来、戻さなきゃいけないという部分の明確な位置づけの差をしっかりしていただきたいということなのですね。特に5ページの一番上の、先ほども指摘ありましたが、「注視していくことが必要である」というその部分で何かもうちょっとしっかりと書き込めないかということでございます。

 

 2点目は、これは皆さんご指摘があったのですが、やはり成長の非常に楽観的な見通しが過去何度も行われては、いけなかったねと反省して、また次に臨むということが繰り返されているのですね、これね。これは、しかし非常に大きな問題だと思うのですね。というのは、毎回ですよ、その過度な成長を見込んだおかげで、その後に外的な経済的ないろんな問題がリーマン・ショック等起きて、そして計画が崩れて、そしてこれだけ入ると思っていたのが急に非常に大きく割れちゃったという、そのあまりの落差がものすごくその財政再建の、何と言いますかね、もう一回やっていこうとする構えに大きなマイナスの影響を過去3回、私はもたらしたと思うのですよ。政治的な問題も含めてね。政治家も、こんな差があることに対してまたチャレンジするのはしんどいというね。

 

 だから甘目のこの成長見通しによる再建計画ということのものすごく大きな私は罪が過去3回あったと思うので、だからそのくだりをもうちょっとしっかりと総括しないと、アベノミクスというのはそもそも、ますますもってですよ、成長率依存の財政再建路線でありますから、その辺もにらむと、ここは非常に強い表現で抑止しておかないと、私はとても、四度目の、今度また間違っちゃったら、もうほとんど立ち直れない状況になるんじゃないかと思いますので、特に8ページの4行目から2段落、その辺について、もうちょっと厳しく、なぜそうなったのかですよね。なぜなのでしょう、いつもね。いつも常に希望的観測に走る。というのはあまりにも差があり過ぎるからそうなっちゃうのですが、だが本来は、一番、希望楽観ケースともう一つのケースと間にもう一つぐらいあってもいいですよね。間にちょっと的確な。もしかしたらその辺に落ちるかもしれないというね。そういう知恵も含めて、何か私はこの反省部分はもうちょっと考える必要があるのかなということを感じました。

 

 それから、これは印象論なのですが、今回の勉強をいろいろさせてもらって、やはりなぜ今、この日本のこれだけの赤字で日本経済、財政はもっているかというと、やっぱり金利でしたよね。国債の金利が非常に意図的に低く抑えられていることでもって何とか回っているわけで、その国債の管理、金利の管理についてもっと何かしっかりと書き込んでおく必要はあるんじゃないかなと。

 

 いろんな形で、いろんなところでお見かけするのですが、1つ何か項目を置いてぐらい、これだけ危ういところで財政運営は行われているんだということをもうちょっとわかりやすく書き込んでいただけるとありがたいなと思ったところと、最後の1点ですが、結局はこれだけ提言しても、要は受けとめる政治の世界がどうやって実現してくれるかということなのですね。

 

 私も自民党のしかるべくそういう財政族の人たちと話をしたところ、今の体制はほとんど意欲を持ってですよ、この答申を受けてそれを前に進めていくような体制とはとても思えなかったですね。話聞いていると。今のこの稲田委員会というのをつくってやるのでしょうが、彼らに言わせると、かつての財政構造改革とか、少なくとも小泉改革までは、しかるべく族議員をちゃんと社会福祉なら社会福祉の中に入れて、彼らが、じゃあ、幾らで、どういうふうにしてと個別具体的に削減額をつくり出して、その政治的なバックグラウンドを背景にして物事を決めていたというのですが、これは私の取材だけで、ほんとうかどうかはちょっと無責任な話をしますが、今の自民党の体制は全くそこまで至っていない。族議員の力が弱くなったこともあるが、少なくとも族議員が自分の責任において社会保障でここをこう削ってという議論に全くなっていないというわけですよ。

 

 だからそんな政治体制に対して、こういう答申突きつける立場として、もうちょっと今の政治に対する激しいお言葉、お言葉というか、言葉も、きつい一言が、それは感情的でもいいのですよ、そんなのはね。これをやってくれないと、我々は全部やめますよぐらいなね。そんなことは言う必要ないかもしれませんが、もうちょっとそういうのが伝わるようなお言葉が総論の最後ぐらいに欲しいなという印象を受けました。

 

 以上です。

 

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。まず最後のところは、倉重さんみたいな新聞の方に、会社がつぶれてもいいから厳しいことを言ってみるくらいのことをやっていただくのも仕事かと、そんな感じもしますが、もう一つ、1点目、ちょっと気になったのでコメントさせてください。

 

 財政収支と基礎的財政収支、少し誤解があると思いますので、あえてコメントさせていただきたいのですが、小泉内閣のころに、さすがに金利の支払いや何かもこれだけ増えたので、財政収支そのものじゃたまらないというので、緩めの基礎的財政収支にさせてもらった、これは誤解ですよ。もっとまともな理由があって、つまり財政収支そのものというのはデットの絶対額の増減を当然、決めるわけですよね。財政収支が黒字ならデットが減るし、逆は逆と。

 

 しかしデットの絶対額、これは大した問題じゃないわけ。よく国債、借金であるからには最後の1円まで返さなくちゃいけないと。それはできないんじゃないか、もはやという議論はありますが、国債の残高が仮にゼロになったりしたら困りますよ。金融政策もできません。異次元の金融緩和すらできなくなっちゃう。

 

 ですから大事なのは、デットのGDP比、これをマーストリヒトが60%以下が今200を超えているのを、この建議にも書いてありますが、発散をとめて、緩やかに下げていくというデットのGDP比ですよね。このデットのGDP比のダイナミクスを決めるのが、もちろん金利と成長率の関係によりますが、基礎的財政収支なのですよ。デットのGDP比のダイナミクスをコントロールする上での信頼できるオペレーティングターゲットが基礎的財政収支だから、基礎的財政収支を問題にしている。財政収支のいかんというのは、もちろんある基礎的財政収支に当然、対応しているわけであれですが、基礎的財政収支のほうが何か緩々のいいかげん目標というわけではないわけで、この点はぜひ倉重さんの中でご理解いただけたらと思います。

 

 これはちょっとコメントなのですが、それはそれとして、いただいたご意見、起草委員の先生方にご検討いただくことにしまして。

 

〔 富田委員 〕 すみません。

 

〔 吉川分科会長 〕 はい、富田委員。

 

〔 富田委員 〕 倉重委員がご指摘になられた楽観的な見通しに依拠することの問題というのは、非常に強く、かなり強く私、書き込んだと思うのです。

 

 例えばさっき8ページだけ見られたのですけど、一番最後のところは、経済再生ケースの実現は、従来の経済成長を大幅に上回るストレッチ目標であると。だからあらまほしい目標だというのですね。財務大臣にこれを提出するわけですが、財務大臣、政府の中の会議で、多分ぎりぎりのところでこれ、ストレッチ目標ということで、倉重委員のおっしゃったことを表現しているつもりなのですが、かなりそこらは過去の反省を踏まえているということはご理解いただきたいなと思います。

 

〔 吉川分科会長 〕 では、お待たせしました。加藤委員、板垣委員。

 

〔 加藤委員 〕 ありがとうございます。2点ほど、実は倉重委員のご発言ともかち合うのですが、4ページのところで、2020年以降、今、20年度のPBの話をしているのですが、その先の話の中で、債務残高のGDP比を下げていくといった中で、4ページでは、下から5行目で、「その後も一定以上のPB黒字幅を確保する必要がある」というくだりになっています。一方で、10ページの下から7行目あたりですが、この場合には「財政収支の均衡を目指して、財政健全化の取り組みを検討していく」。つまり2020年以降、PBの黒字を確保するということと、11ページでは財政収支を均衡するという2つの、なっています。

 

 中身は基本的には同じことだとは思うのですが、ここら辺の使い分けをどうされているのかなということと、もしやるのであれば、ひとつ整理したほうがいいかなというのが1点と、それからこれも、すみません、倉重委員と重なるところでもあるのですが、私個人的に名目3%の成長って信用していなくて、やっぱり16.4兆円というところで見ていく必要があるのかなと。そうすると、最後の14ページのところで、2つのケースがあって、そのケースがどちらかのケースに過多に依拠することは避けなければならないということで、16.4兆円も考えなきゃいけないぐらいなニュアンスがあるのですが、もしその成長が低い場合には、やっぱりこの16.4兆円ということを目指して、成長が低いときにさらなる歳出削減って書きづらいところはあるのですが、やっぱりそこで何かしらもっと強い歳出削減が必要なんだという文言が必要なのではないかと思いました。

 

 以上2点でございます。

 

〔 吉川分科会長 〕 よろしいですか。では富田委員。

 

〔 富田委員 〕 前者のほうはテクニカルな表現でありますので、別にしまして、後者のほうですね。これは、だからこそその中間的な目標を、中間的なレビューは必要だということを言っているわけです。5年間、固定して見るのではなしにですね。だからそういうところで表現してあるので、よろしくお願いしたいと思います。

 

〔 吉川分科会長 〕 では、板垣委員。

 

〔 板垣委員 〕 起草委員の先生方、大変ありがとうございました。非常に厳し目の表現で気に入っておりますが、幾つかちょっとお考えいただきたい点があります。

 

 まず最初、4ページなのですが、19行目から始まる「超低金利のボーナスを反映したにすぎない」という、ずっと下って、「危ういものとなる」と書いてあるのですが、「超低金利のボーナス」という表現が、わかりやすいと思ってお書きになったのかもしれませんが、これは政府・日銀が一体となって仕組んだ政策的意図によってもたらされたものであって、ボーナスという単語は合いませんね。むしろ原油安というならボーナスかもしれませんが、その辺のところ、非常にお考えになった表現だと思いますが、ちょっと違うのではないかということだと思います。

 

 それから、2ページですが、上から3行目、「当審議会としても評価する」と書いてありますが、ちょっと軽過ぎないかなと思います。つまり評価するというのは、ご努力は評価するという評価ならわかるのですが、その前のページの努力、いろいろ書いてありますよね。それを評価するというのはいいのですが、赤字半減目標を達成する見込み、まだ見込みですよね。それを評価するというのはどうかなと思います。それでPB赤字半減目標というのは、実は今回に始まったことではなく、もう何度も先送りしてきていて、ようやく辿りついたような感じなのですよね。だからそういう中では、この「評価する」とシンプルな表現ではちょっと足らないかなと思います。今回、審議会に先立って通読を半分ぐらいしかしておりませんので、文案を今回、考えてはおりませんが、ご検討のほどお願いしたいと思います。

 

 すみません、もう一点、15ページ。この「ストレッチ目標」という言葉、これも何かいろいろお考えになって、意味を込められたんだと思いますが、普通に言えば、実現不可能な目標というのが実質的意味なんだと私は理解していまして、それをあえて「ストレッチ目標」という表現でオブラートに包む必要はないのではないかなという気がします。適切な表現があれば、よろしくお願いしたいと思います。

 

〔 富田委員 〕 いや、すみません。今のは、私はあらまほしいという言葉をよく使うのですが、理想的なんだが、その実現はどうかな、という感じなのですね。やっぱり国民誰でも、私も含めてですよ、やっぱり成長率は高いほうがいいわけでして、そういうことを考えれば、やっぱりどう言うのですかね、あらまほしい、だからそれをちょっとかっこよく言ったらストレッチかなと思うのですが。つまり理想的だという意味も入っているということです。

 

〔 板垣委員 〕 気持ちはよくわかるのですが、私の感覚とはちょっと違うなというぐらいの程度です。よろしくお願いします。

 

〔 吉川分科会長 〕 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。

 

 では、後ほどまた何かで思い出したということで総論に戻っていただくようなことはもちろん可能ですし、結構ですので、続いて各論のうち、社会保障に進みたいと思います。建議の案の16ページから、社会保障について、どなたからでもご意見お願いいたします。

 

 宮武委員、どうぞ。

 

〔 宮武委員 〕 起草委員の先生方、大変多岐にわたる論点まとめていただきまして、敬意を表します。

 

 その上でございますが、社会保障について、16ページから記述している中で、中福祉、低負担というのが現在の社会保障の状況であるということ、極めて明確に書いておられます。私も全く同感でございます。そうすると、低負担というところをどうやって是正していくのかということになりますが、今回の建議の内容、原案見ていくと、医療、介護のところに代表されているように、どうもその窓口負担の引き上げのところに随分、焦点が当たっていて、収入の大宗を占める保険料収入をどうするのかという、ここのところはなおざりになっている感がしてなりません。やはり保険料率をどうするかというところと正面から向き合わなければ、低負担からなかなか抜け出すことはできないわけでございますので、どこかに保険料率も考えていくというくだりがあってしかるべきかと思っております。

 

 2点目でありますが、医療の分野で21ページに受診時定額負担免責制の導入について書いてございます。私が意見を申し上げたことを酌んでいただいて、「かかりつけ医の推進といった観点から制度設計をしていくことも考えられる」という言葉を添えていただきました。ただ私は、慢性の病気を多く抱えた高齢者については、1カ月幾らの定額の報酬でもってかかりつけの先生が療養指導をしていくという、そういう大きな流れをつくっていく段階で、このいわば1回行くごとに入場料方式で負担をとるということは、阻害要因にならないかという意味で申し上げましたので、この表現をもうちょっとわかりやすくしていただければと思います。

 

 3点目でありますが、年金の支給開始年齢のくだりでございます。これはページとしては、31ページから32ページにございますが、これも申し上げたことですが、国民年金も厚生年金も現実には60歳から70歳の間で個々人が受給開始を選ぶという制度に現実ではなっているわけで、国民会議では受給開始年齢といった言葉に変えたわけであります。そこはこだわっているわけではありませんが、その65歳という現在の年齢は、受給の基準年齢というのが実態として考えられます。

 

 問題点は、65歳が基準にしているんだが、それより遅く受け取って、毎月の年金額を増やして、給付水準の落ち込みを防いでいくという遅どり派が極めて少数であるということであります。そこを何とかしなきゃいけない。この支給開始年齢、例えば67歳なり68歳なりにしていった場合、今までは一律の定年延長でもって定年延長し、そしてそれに合わせて年金の支給開始年齢を合わせるという二人三脚でやってきたわけですが、65歳以後、一律に企業に67歳まで、68歳まで定年延長を求めるのは極めて難しく、むしろ不可能に近いと思っています。むしろ個々の企業、個々の産業、あるいは個々の勤め人がみずから、より遅く受け取ることによって、要するに一定の年金も受け取るという、そういう遅どりができるような環境と条件をつくっていくことが非常に大事になってくると思うのですね。

 

 そのあたりのことがもう少し何か説明できないのか。とりわけ現在は国民年金、つまり基礎年金の納付の期間は40年でありますが、それをこれだけ長い老後を考えた場合、より長く働いてもらうためには、45年納付というのはちょっと無理にしても、42年なり43年に延ばしていくという、そういう方策を考えなければ、単純に支給開始年齢引き上げるだけでは済まないと思うのでありますが、その点について一定の書き込みがあれば望ましいし、また早急に検討を開始して結論を得ると書いてあるところを見ますと、そこはこれからの議論だと受け取ることもできるわけですが、要望としてはそのあたりのことが書き込まれれば大変ありがたいと思っています。

 

 以上です。

 

〔 吉川分科会長 〕 まず言葉ですが、いわゆる「支給開始年齢」というのは、もちろんいわゆる基準の年というのはもう共通の理解で、誤解の余地はほとんどないと思うのですね。その上で、支給開始年齢を上げていくという場合には、当然、雇用面での手当てとかそういうものもあるだろうと。それもほとんどコンセンサスだろうと思うのですよ。

 

 その上で、支給開始年齢を上げていく必要があるという主張自体には、それはそれでよろしいという理解で。

 

〔 宮武委員 〕 はい。私の言葉で言えば、遅どり派を増やしていくという意味でございますが、65歳、例えば67歳、68歳に支給開始年齢を延ばしても、実際に65歳で定年を迎える人たちは65歳の受給を選ぶわけでございますので、そういう意味では67、68歳で遅くとって、年金額を一定程度確保していくという方たちをどうやって増やしていくのか。その環境条件をつくることであるという意味であります。

 

〔 吉川分科会長 〕 ちょっとあれですが、今のご発言も、現行制度を所与としてという感じがあるのですが、その制度自体を変えるというのは、いわゆる支給開始年齢の引き上げ、基準年を上げるという、そういうことだと思うのですが。

 

〔 宮武委員 〕 基準年を67歳に仮にしたとしても、例えば一番早く受け取る時期はいつかということですね。今のまま、60歳から受け取って、そのかわり減額をされるという選択肢を残すのか、あるいは2歳上げたんだから、62歳から受け取って、5年分早く受け取ったらそれだけ減額される。そういうどちらかの方式になるかと思います。

 

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。では続けまして、角委員、古賀委員の順でお願いいたします。

 

〔 角委員 〕 社会保障の議論のときにちょっと私はどうしても所用で出られなくて、これから言うのはちょっと申しわけないのですけど、まず22ページ上段に介護がありまして、25ページにも中段に介護があります。介護につきましては、もともと要支援というのがほんとうに対象とすべきかどうかという議論は当然あるのでしょうが、今さらそんなことを言ってもなかなか難しいとは思いますので、少なくとも要支援、要介護1・2につきましては、やはり自己負担を大幅に上げるべきであって、ただそれがやはり所得のあまりない方が月額一定以上になれば、それは上限を設けるとかということで、介護についてはそういう対策がぜひとも必要かなと思います。

 

 それと、23ページの下段のほうの薬価ですが、この閣議決定の中で、現在2年に一度が、その頻度を含めて検討するということは、これは毎年やるというふうにしか読めないのですが、そういうことを我々としては当然、毎年やるべきだと書いていただければと思いますのと、この薬につきましても、先般、新聞に出ましたように、PMDAにしましても、薬価を決めるところにしましても、要するに薬のいわゆる安全性と有効性は見るけれども効率性を見ていないということが問題になっておりましたので、やはり効率性を見た上で、薬価に反映する。そうすると、例えば製薬会社がそれを創らなくなってしまうと問題ですから、その辺はちょっとよくわかりませんが、自己負担を増やすということも考える必要がある。要するに例えばがんでもうすぐ亡くなるとした場合、ただこの薬を飲めば、例えば半年延命できるが、それには莫大な薬代がかかるというときは、やはり本人が自己負担をしてでもそうするのか、あるいはもう家族と、もうそこまでする必要はないということになるのかというふうなことは当然、起こり得る話なので、やはりその自己負担というものを当然、効率性の中で考えていくべきではないのかなということと思います。それと、生活保護につきましては、ずっと前回からもいろいろ言っているのですが、先般、地方財政の中で、いわゆる技能労務職員についても、国は83年からやめていますよと。ところが地方は連綿と続けている自治体が結構あって、かなりたくさんの技能職員を抱えている。それも自治体によってかなり差がある。まして生活保護も差がある。

 

 インターネットで調べますと、2013年ですかね。厚労省から13年の7月に、上位10府県、下位10府県、それと政令市のいわゆる生活保護率ですか、頑張っている県が10県、頑張っていない県が10県、政令市は全部出ている。我々企業は、3カ月に1回、業績を発表しておりまして、経営者は日々、上場会社は株価に非常に神経をとがらすわけですが、やはり首長さんというのはもう一遍通ってしまいますと4年間やってしまうという中で、プレッシャーがかかっていないと思いますので、頑張っている自治体と頑張っていない自治体、何をインデックスにとるかというのは非常に難しいですが、少なくとも生活保護費について努力しているのかしていないのかとか、ジェネリックについて頑張っているのかどうかとか、そういうことはやはり広くネット上に公開して、首長さんにプレッシャーをかけて、頑張っているところは評価を受けるという形にすればよいと思います、どこがそれを出すのかというと、担当でいうと生活保護は厚労省のホームページに出ております。出ているが、もう2年も前の、それも全部は出ていないわけです。

 

 ということで、生活保護についてはもう少し情報開示をして、プレッシャーをかけていただきたいということと、30ページに、医療費の一部自己負担の導入等の検討を行うべきとなっていますが、これは前回も資料をお出ししたように、政令市長会でもう既にこの有料化については建議がなされているわけですから、「検討を行う」じゃなくて、「早期に実現すべき」というふうに書いていただきたいなと思います。

 

 ただそれも、先ほど言いましたように、一旦、自己負担はしてもらうんだが、それがあまりにも額が多くなれば、それは当然、打ち切り制度を設けて、当然、補助を入れていくということなのかなと思います。

 

 ちょっと当日、議論せずにこんなことを申し上げて申しわけありませんでした。

 

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。古賀委員。

 

〔 古賀委員 〕 ありがとうございます。3点、ご意見申し上げます。

 

 まず21ページ後段から22ページ目にかけての介護保険制度の軽度者への給付抑制についてでございます。給付抑制は、介護の重度化を加速して、結果としてさらなる介護給付費の増加を引き起こすリスクも当然あると思います。そのためには、十分な検証と慎重な対応が必要だと思います。

 

 2点目は、26ページの就業先にかかわらない負担の項でございます。前期高齢者、そして前期高齢者の医療費給付金のあり方と、介護給付金の総報酬割移行でございます。これについては、被用者の納得性というのが極めて重要であり、現段階では拙速ではないかと考えております。

 

 最後の3点目は、33ページ、雇用についてでございます。何度も指摘しておりますので、重複は避けますが、具体的に言えば、この項の「なお」以下について、雇用保険への国庫負担分の停止に対して反対の意思を示したことをより強く表現すべきだということを申し上げ、意見といたします。

 

 以上です。

 

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。では続けて、大宮委員、田中委員の順で。

 

〔 大宮委員 〕 ありがとうございます。1点だけですが、24ページ以降の総報酬制とか、それから32ページ以降の雇用、それから先ほど宮武委員からもありました年金の問題等については、建議書に慎重意見を併記されていたり、「将来的な検討課題である」と記載されているのですが、33ページの子育てが、これにはそういう意見がないものですから、これをぜひ追加していただきたいということで、建議書に記載された事業所に追加負担を求めるということについては、これは反対であります。

 

 これは既に現金の給付だけじゃなくて、現物給付の原資として、事業主をどうも計算してみると、年間2,400億円超えるくらいの負担をしておりまして、税でも社会保険料でもない拠出金負担がこれ以上増えるということはなかなか難しいのではないかなと思います。

 

 子育て支援というのは、社会全体で、もちろん企業も当然のことながらいろいろメリットは受けるわけでありますが、社会全体で費用負担すべきものでありまして、やっぱり税で対応するというのが基本ではないかなということで、財源が必要なら、まずは子育て分野の歳出改革、例えば児童手当の支給範囲が高所得者に対しても出ているとかいうようなこと、こんなのは廃止するとか、そういうことをやるべきではないかということで、実は事業主の拠出金というのは厚生年金に上乗せする形ですので、これを例えば保育所の運営等まで財源を充当するというのは、自営業者等、厚生年金に入っていないお医者さんとか弁護士等も含めて、これらの方々がフリーライドするということの拡大を認めるというふうになっておりまして、公平性を欠いており、納得できないということであります。

 

 したがって、何らかの形でこれも慎重意見という形で併記ができないかなとお願いする次第であります。

 

 以上です。

 

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。では、この点、起草委員の先生方にお願いするとして、田中委員。

 

〔 田中委員 〕 ありがとうございます。私は修文という形で提案をさせていただきたいと思います。

 

 まず20ページであります。これは20ページの一番最後にぜひ続けていただきたい文章なのですが、これは80%目標を達成した後に、いわゆる長期収載品との価格差を自己負担するという制度なのですが、ここをあっさり書いているので、ここに少しその意味を加えていただくという意味で、こんな文章はいかがでしょうか。例えばですが、「こうした制度の導入は、より一層の情報開示を進め、患者がみずから賢明に選択することの契機となろう。それは必要以上にコストをかけずに治療に取り組むために肝要である」という文章を、もし可能であれば入れていただけたらと思います。

 

 それから、24ページの上段、5行目、4行目あたりからの文章なのですが、この文章ちょっとわかりにくいかなと思ったところが、薬効は異なるが同じ生活習慣病を対象とした治療薬について云々というふうに続くのですが、ちょっといろいろひねってみたのですが、わかりにくかったのですね。それで、多分こういう意味だろうと思って読み続けていたら、29ページのほうには「費用対効果分析」という文字が入っていますので、そうであれば、思い切って、「同じ生活習慣病を対象とした複数の治療薬がある場合には、専門家の知見を集めた上で、費用対効果の視点も処方のガイドラインに含めるなどのルールを設定して」として文章を続けたら、よりストレートにすっきりするのではないかと思いました。

 

 それから、これが最後になりますが、29ページの10行目、ロであります。「医療の無駄排除」という言葉なのですが、この内容を拝見しますと、単に無駄を排除するというよりも、質を変えていこうというところもありますので、ここは「医療の質・量の効率化」という言葉のほうが内容、主張したいことと一致しているんじゃないかと思いました。

 

 その上で、14行目に「医薬品等に対する費用対効果分析」と書いてありますが、ここは医薬品だけではなく、「等」としないで、医療機器もとても大きいものですので、ここも並べて、ポツなどを入れて、入れていただけたらと思いました。

 

 以上です。

 

〔 吉川分科会長 〕 どうも、具体的なご指摘ありがとうございました。

 

 続けて、碓井委員、加藤委員、井堀委員の順で。

 

〔 碓井委員 〕 33ページの子育ての箇所についての意見ですが、先ほどの大宮委員のご指摘を受けて、ほんとうは発言しないつもりだったのですが、私は本音としては、この事業主負担の強化というのはかねてから反対なのです。なぜなら、物の本に書いてはあるのですが、将来どうなるかわからない人たちの労働力を確保するため、現在の事業主に負担を求めるというのは、かつてから存続している児童手当などについての事業主負担の論拠とされているのですね。それからまた例えば公務員、国、あるいは各地方公共団体も負担する、その子息が将来、公務員になると、全く保証というか、そういう道は決まっているわけじゃないですね。それを現在の事業主に負担を求めているのが現在の制度でありまして、ですが、私、発言するつもりはなかった、これは取り上げてくださらなくても結構です。

 

 それは抜きにして、この論理の書き方として、社会全体で費用を賄う財源構成という観点からすれば、むしろ一般財源でやりなさいよということのほうになるはずなのですね。ですから、ここは言葉の使い方を注意していただけたらというのが私の提案です。

 

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。加藤委員。

 

〔 加藤委員 〕 ありがとうございます。起草委員の先生方が書かれたこの社会保障、ほんとうにすばらしいと思います。

 

 1点お願いと、1点ちょっと提案ということなのですが、1点目は、16ページの上のほうに、10行目あたりに、給付と負担のバランスが損なわれ、将来世代に負担を先送りしている云々と書いてあります。これ、全体の社会保障の中を見ても、世代の話というのがここら辺ぐらいしかなくて、できれば、これはもしかするとご議論の中であえて入れなかったのかもしれないのですが、やっぱり世代間の問題であるとか世代間の格差の問題であるとか、そういった点について言及していただければありがたいなというのが1点で、これをご検討いただければと思います。

 

 2点目なのですが、これは私の思い過ぎかもしれないのですが、27ページのマル4の医療の効率化のところ以降なのですが、マル4の医療の効率化、それ以降、イ、ロとあるのですが、ほとんど全ての文面が「必要がある」という形で終わっております。あるいは「重要である」と。ところがその前のところは、「すべきである」とか「停止すべきである」、また29ページの生活保護以降になりますと、やはり「行うべきである」という形で、非常に語尾が強くなっているのですが、このマル4の医療の効率化はほとんどが、例えば28ページ、29ページあたりを見ていただいても、全てほとんど「必要がある」という文言になっています。このあたり、もう少し強目の言葉にしていただけたほうがいいんじゃないかと思っています。

 

 以上でございます。

 

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。井堀委員。

 

〔 井堀委員 〕 今の加藤委員の話につけ加えをすれば、やはり社会保障の問題は、少子高齢化で賦課方式でやっている弊害が、医療にしても年金にしても介護にしてもあります。基本的に賦課方式ですから。そこが財政的に、特に世代間で見ても厳しいという点がありますので、そこをどこまで書くかどうかは別にして、そういった点もあるということだと思います。

 

 それでコメントは、25ページの最後のところなのです。高齢者の負担の話があるのですが、ここで出ている数字がいま一つわかりにくいんじゃないかと思うのです。下から4行目に、「特に高齢者の場合は、例えば年収200万未満の夫婦高齢世帯でも2,000万円以上の貯蓄を有する世帯が8%以上いる」というのです。8%以上というのはどの程度の数字を指すのか。8%以上で、例えばそれが80%なのか。要するにこれは8%程度という意味ですね。

 

 ただ、それが現役世代と比べて多額な金融資産を保有していることのデータ上の材料として説得的なのかどうか。むしろ年収200万未満にこだわることなく、例えば2,000万以上の貯蓄を有する世帯が何%いるという形にしたほうが、よりわかりやすい。フローの年収ベースの少ない世帯でも、8%の人は2,000万持っている。つまり、92%の人はもっていないわけで、8%はむしろ少ない数字です。高齢者の人がたくさん金融資産を持っているということを言うのであれば、何か別のデータのほうがいいんじゃないかという気がします。何か工夫されたほうがいいかと。

 

 それからもう一つは、32ページの、先ほど若干、宮武委員から出ていた支給開始年齢の話なのです。この支給開始年齢引き上げがうまくいくためには、やはり定年制を引き上げるのは無理なので、要するに32ページの一番最後のところで書いてある自助努力の、特に個人年金ですよ。これを充実して、401kも含めて、今、確定拠出の個人年金にいろんな形で、基本的に全ての成年の方が入れるような仕組みがだんだん整備されてきています。そういったところを充実すれば、公的年金の支給開始年齢が先送りされて、定年の間に期間があくとしても自助努力で対応できるわけです。そういった形で、この32ページの最後の段落と、それからその前の支給開始年齢の先送りの段落をうまくもう少し結びつけていただければと思います。

 

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。1点目の8%以上は、これが80%も含むと読むのは数学者の読み方だと思いますが、おそらくは8.2とか、8.5%以上だったら9%近くとか、日本語で書くと思いますが、起草委員の先生方にまたこの点も、いただいたご意見、加味して、修文よろしくお願いいたします。

 

 続けて、竹中委員、倉重委員の順でお願いいたします。

 

〔 竹中委員 〕 ありがとうございます。21ページなのですが、上から3行目の市販品類似薬等にかかわる保険給付の見直しの中に、「長らく市販品として定着したOTC類似薬品(湿布、漢方、目薬、ビタミン剤、うがい薬など)」となっているのですが、私はここに漢方が入っているのがちょっと不思議で、というか漢方薬のイメージ、皆さんどのように持っていらっしゃるかわからないですが、今はもう完全に西洋医薬と同じようにきちっと成分がお医者様でも評価をされて、中には漢方でも緩やかではなく、使い方によっては非常に劇薬等もあるということで、ここに湿布、目薬、ビタミン剤、うがい薬と漢方と入れるのは、私はこれは間違っていて、きちっと制度の中で位置づけて、むしろ漢方の今の問題というのは、日本の土地の風土でも漢方の生薬というものを育てられるにもかかわらず、ほとんど九十数%、中国からの輸入になっちゃっているのですね。

 

 だからそういうことのほうが私は今、漢方の逆に問題だと思って、国産の漢方の広まりできちっと西洋医薬と漢方とが医薬品として位置づけられるべきということで、ここで漢方の話をもう出さずに、むしろ漢方はここから抜くということを提案したいと思います。

 

〔 吉川分科会長 〕 倉重委員……。ちょっと待ってください、事務局からお答えですか。

 

〔 宇波主計官 〕 事実関係だけ、今、竹中委員のご指摘の漢方のところでございますが、ここはもともとのコンセプトが、市販が認められた後に、長らく市販品として売られているような形で定着したOTC類似品、確かにご指摘の中に、漢方の中でもまだ市販品として定着していない漢方も確かにあるので、ちょっとそこはわかりやすくやるように、起草委員の方ともご相談したいと思うのですが、コンセプトとしてはむしろ漢方の中でも非常に長く市販でもう売っているようなものがかなりの数でございます。ここは結局、市販で買っている方との公平性とかという概念でやっていたので、目薬の中にでも、例えば保険医療用に限定されている非常に特殊な病気に対する目薬もあるので、そういうのを外すということではないので、全部が全部ではなくて、あくまでもコンセプトとして、長らく市販品として定着したOTC類似品という、その枠の中でのものだったので、ちょっとわかりやすくなるようにそこは起草委員の方とご相談したいと思います。

 

〔 吉川分科会長 〕 葛根湯、そういうあれですよね。

 

〔 宇波主計官 〕 はい。

 

〔 吉川分科会長 〕 それでは、倉重委員、お願いします。

 

〔 倉重委員 〕 この社会保障の基本的な考えのところでちょっと、今さらそんなこと言うなと言うかもしれないのですが、どうしてもやはり何となく、これは非常に骨格の部分だと思うので、ちょっと確認しておきたいのですが、今回の理屈の立て方なのですが、社会保障費をいかに抑えるかということで、高齢化要因とそれ以外の要因と分けて、それ以外の要因はできるだけ抑えると。ゼロにすると。それで高齢化要因だけは認めると。それで高齢化要因によって増えるものについては毎年0.5兆ぐらいだろうという理屈、論理立ての中で、その内訳を決めていくという、これは当然なっていると思うのですよね。

 

 それで、要するに高齢化要因については認めるということは、要は現在のサービスはそのまま維持してあげますよと。高齢化によって、高齢者増える数とか、より長生きする者についてはちゃんとこれまでどおりサービスをしますよということ、安心してくださいということだと思うのですよね。

 

 これはこの次のページ、18ページの下から2行目にありますが、これは削減額ありきではなくて、国民皆保険を維持するための制度化に努めなければ云々ということで、要するに削減額ありきというこれまでの過去の議論の反省に立って、サービスだけは維持しますと。しかしプラスアルファについては極力抑えますという考えのもとにやっていきますという意思表示だと思うのですが、こういう考え方というのは、ずっとこれまで使っていたのでしたっけ。私は去年のちょっと建議を見ていない……、すみません、忘れちゃったものであれだったのですが、こういう理屈のつけ方でずっとこの間やってきたのかなということについてちょっとお答えいただきたいのが1点と、なぜかといいますと、要はサービスをほんとうにずっと未来永劫、切らずに、財政健全化できるのかという問題があると思うし、これまでも指摘されていると思うのですよね。削減というのはまさにそこにあるわけでね。

 

 そうすると、例えば今回の目標である中福祉・低負担の状況を改善するためには、中福祉を下に下げるのか負担を上げるのかということになって、両方やるのかとなると、サービスの削減というのは不可避なような、いずれといいますかね、ような感じがあるのですが、そこを今回の表現というのは国民に勘違いさせないのかなという、これは私のちょっと感じたことなのですが、ことがあるので、その辺はちょっと皆さんどう思うのかなということを聞きたいのと、0.5兆円という数字の正しさといいますか確かさというのは、過去3年を見て3で割ったのか、あるいは大体、平均こんなものなのかということですよね。0.5兆円ね。

 

 これがさらに将来、5年間にわたって0.5ぐらいで基本的に行かせる方向で、その社会保障費を抑制しましょうという全体の理屈なのですよね。だから非常に重要な数字だと思うのです、0.5兆円という数字はね。だから0.5兆円の出自といいますか、そういったものについて、これまでちゃんと議論したのかもしれませんが、この中では単に平均値としてしか出していないので、どれだけ大事な数字なのかという根拠についてもうちょっと書き込んだほうがいいんじゃないかということと、私、もう一つ、いつもわからなくなるのは、この0.5兆という数字と、この中長期の試算がありますよね。中長期試算すると、幾つか間があく。これは社会保障だけじゃなくて、全てのトータルとして間があくのですが、このときの社会保障の数字の算定根拠と、この0.5兆ずつ伸ばしていけばいいという、この建議にある理屈づけとどういう関係にあるのかなとちょっと思ったりしたので、そこをもし説明していただけたらありがたいと思うのですね。それが離れているのであればちょっと問題かなと思いまして。

 

 以上です。すみません。

 

〔 吉川分科会長 〕 幾つか明確にさせていただきたいと思うのですが、サービスの低下という表現が何回かご発言の中で出たと思うのですが、医療・介護の場合には、具体的な医療サービス、介護サービスというのがありますよね。それがおろそかになっていいということは財審で言ったこともないし、もちろん委員の皆様方も考えていらっしゃらないと思うのです。つまり病気になったときに、お医者さんに診てもらったときの医療サービス、それをいかなる意味でもクオリティーを低下させるということを意図的に図るということは、今までも今もないと思うのですね。

 

 ですから1つは負担ということがありますね。例えば、例えですが、入院したときの食事を自己負担にすると。これは食事がまずくなるということでは必ずしもなくて、そういう意味でサービスが低下するわけではないですが、今までは保険で見ていたのを自己負担分、払うほうからすればお金の意味で少し負担が上がるという、そういう話だと思うのですね。そういう区別というのは重要だと思うのですが、それともう一つ、こういう考え方が従来の財審であったかというのの「こういう」というのを、もう一度ちょっと、繰り返しになるかもしれませんが、今回、初めて「こういう考え方」という、「こういう」というのはどういうあれでしょうか。

 

〔 倉重委員 〕 要は、社会保障の費用を高齢化要因とその他と分けて、その他の要因は抑えると。それで高齢化要因は認めますと。高齢化要因はね。という形で議論するということは、私からすれば、要するに現状のサービスは、サービスといいますか何と言いますか、個々の人たちの受けとめとしての、受け取るサービス全量については、個別に割ったものについては変わりませんよということを約束してあげているというかね。政治的にですね。という流れだと思うのですが、私はもっとかつては、先ほどおっしゃったサービスの低下というのは受けとめ方の問題ですが、金額的に物事を削減していくという形によるサービスの低下ということも過去にはうたっているわけですよね。小泉さんのときとかそういうときはね。

 

 だからそういう流れからすると、今の政権の政策との整合性の中でこういう議論が出てきたのかもしれないのですが、ちょっと新しい言い方なのかなという印象を受けたので、お聞きしたかっただけなのですが。

 

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。その点について、起草委員の先生方から挙手がありますので。

 

〔 田近委員 〕 倉重さんが何点か言って、今回の例の毎年5,000億円、0.5兆円がどこから来たのかというのと、それによって医療・介護の質が担保されるのかと、2つおっしゃって、その後段のほうなのですが、僕もそれは重要な点だと起草委員会の中でも議論して、全体としてマクロの数字としては、調査課長がおっしゃったように過去3年の伸び率で行くと、また再生ケースにのっとって歳入が増えれば、2020年でプライマリーバランスの赤字は閉じるでしょうと。

 

 それは全体のフレームワークにあって、その中で医療はこうなっていますということですが、質の問題ですが、17ページの行でいうと27行目ぐらいで、過去、直近3年での伸びは、雇用情勢の改善等により消費税を除くと、先ほどから言っている0.5兆円程度と。それは高齢化の伸びと相応だと。この間、医療・介護の質は犠牲になっていない。ちょっと書き方は乱暴かもしれない。その辺は中で検討しますが、したがって、これからに至っても質はもちろん下げないで行くと。

 

 そして18ページに、今度は14行目ぐらいから、実は社会保障の充実があるわけですよね。0.5兆円って縛っているようですが、実は別途、充実して社会保障費が増えるので、プラス3.5兆円になってくると。それを2つ組み合わせると、我々の意図も、意図というか、酌んでいただけると思うのですが、ただ内輪で話していてもしょうがないので、その質に関する保障というのですか、それについて書き込むかどうか検討させていただいて、お答えするということだと思います。

 

 あと今までのとどこが違うのかと、それはやはりここで、これは僕の全く私見です。これは中で必ずしも相談しているわけじゃないのですが、2020年に向けて、財審としてもプライマリーバランスを均衡させる筋道をつけていくと。そういう中で、先ほどから言っているような形で、この過去3年のをステイしていけば閉じるんじゃないかと。そしてそれと整合的に個別の予算をつけていくということで、当然この段階で道筋つけていかなきゃならない。その考え方としてこれを示したということで、だからそこが多少、違和感みたいなのがあったのかなと。倉重さんのほうに。と思います。これは全く僕の私見です。

 

〔 倉重委員 〕 いいですか。ちょっと1つだけ。大体わかりました。最後、私が聞いたこの0.5兆円という数字の積み上げと、この中長期の試算のときの積み上げの社会保障の根拠データというのはどう違うのですか。どう違うのですかって言い方はおかしいが、これは内閣府が出しているのですよね、これね。

 

〔 吉川分科会長 〕 土居委員。

 

〔 土居委員 〕 これは本文にも明記しているわけで、17ページの23行目ですが、社会保障関係費、国費負担ベース、ですので地方分はここでの議論には含まれていないわけですが、国費で出す、ないしは国の制度設計をすると、それと相似的に地方の負担も決まってくる。なので、おのずと国の歳出を抑制すれば、連動して地方の歳出も社会保障に関連して抑制されることになるわけで、当然ながら、内閣府の試算の中には一般会計の社会保障関係費が含まれているということです。

 

 ここではあくまでも国費負担ベースでの金額として、過去に3年間0.5兆円だったという話から、さらには18ページの真ん中あたり、「また、消費税率10%への引き上げを前提に」と書いてある段落ですが、ここも社会保障関係費を、その点について明記をしているという関係があると。

 

〔 倉重委員 〕 ということは、国費ベースでは一緒だということですか。この内閣府の試算の根拠と、それから今、我々が議論している0.5兆というのは。

 

〔 吉川分科会長 〕 ちょっと待ってください。事務局の宇波主計官から。

 

〔 宇波主計官 〕 内閣府との関係ですが、内閣府の今の推計は、高齢化の分だけではなくて、いわゆる高度化分も含んで、自然増全体で幾らになるかという推計をしておられますので、当然、高齢化に相当する分以上に伸びているわけであります。

 

 高齢化分というのは、これは基本的には誰が計算しても同じ数字になるべきものです。つまり今おっしゃったように1人当たりの単価はそのままにしておいた上で、人口構造が変わっていく予想の分だけで計算する。なので、人口の推移というのは大体わかっていて、18ページの脚注の20というところに、高齢化による増というのはどういう計算なのかというのを書かせていただいていますが、今申し上げたように、年金は物価スライドとマクロ経済スライドというのはそもそも制度上もう入っている措置なので、その分も含めて高齢化と呼んでいます。医療・介護については、今申し上げたように、年齢別の1人当たりの医療費・介護費を固定したまま、人口だけで変えて、あと制度ごとの国庫負担割合も勘案して、その差をやっているので、内閣府の推計の内訳はわからないのですが、基本的にはこのコンセプトとしては、高齢化分というのは誰が計算しても同じ値になるべきもので、これは0.5兆でありまして、当面の間は人口構造のこの変化のスピードが基本的には同じでありますので、向こう2020年に向かっても大体このぐらいの数字が高齢化による増であると考えられます。

 

〔 倉重委員 〕 だから私が知りたいのは、この試算の中で、もし、じゃあ、高齢化要因を差っ引いて、高齢化要因だけで計算したら、この20年のときにその差額はどのぐらいになるのかということを知りたい。

 

〔 宇波主計官 〕 この差額は、単純に例えば内閣府の数字と、それから高齢化分の数字との差というのがどのぐらいかということであれば、経済再生ケースでの内閣府の推計は毎年0.8兆円で伸びています。高齢化要因と呼んでいるのは0.5兆円であります。ただここはもう一度、ご説明させていただいたときの繰り返しになるのですが、削減額ありきではありません。0.8兆円という内閣府の推計は、非常に粗いマクロ経済モデルを前提にした1つの推計でしかない。それを前提に、3,000抑制すると言っているわけではなくて、これは実際の社会保障給付費の動向、ここにも、本文にも書いてございますが、これは経済がよくなれば、社会保障給付費の伸びが鈍化いたします。あるいはこれまでの改革の効果とか効率化が進めば、予防も進めば鈍化します。そうしたら、それを踏まえて、結果としての伸びを高齢化の範囲内にしていくというのが今回、起草委員で起草していただいた考え方でありますので、そういう意味で、8,000億円マイナス5,000億円では決してないということでありますが、ファクトとして申し上げれば、内閣府の数字は0.8兆円、高齢化という数字は0.5兆円でなります。

 

〔 倉重委員 〕 すみません。どうぞ。

 

〔 吉川分科会長 〕 では、田中委員。

 

〔 田中委員 〕 今のご議論、大変興味深く聞いていたのですが、確かに財務省の議論というのは、削減額先にありきというふうに一般的に捉えがちなところがあるのですが、今年の春の財審の議論に限っては、相当、医療の質の議論に入り込のでいったと私は理解しています。

 

 そういう意味では、1つのソリューションとして、文章の中に医療の質の転換、向上させることによって節減ができる分野であるということを入れていただければと思いますし、その調査というのは、今回は医療制度そのものについてはあまり議論されませのでしたが、15日に中医協の森田先生がお話しされたように、プライマリーケア型にし、そしてそこに費用対効果の分析を入れ、さらにパーソナルヘルスデータを入れていくことによって、大きく節減ができるんだと説明されましたが、それは言い方を変えると、かなり患者中心の医療に転換されるということであると思っていまして、それは私はむしろ医療の質の向上につながっていくのではないかと思います。

 

 今回の医療の中身というより、医薬品が先に入りましたが、そこでかなり森田先生がおっしゃったような視点での分析・議論というのが例年になく入ってきたと思います。ですから、ぜひ削減という言葉以外に、質の転換・向上ということによるある種の節約ができるんだということを一言入れていただければと思います。

 

〔 吉川分科会長 〕 どうも、具体的なご指摘ありがとうございました。

 

 ほかにいかがでしょうか。井堀委員。

 

〔 井堀委員 〕 高齢化要因の話でちょっと質問です。0.5兆円が2020年まで高齢化要因だと、そのくらいだというのです。16ページの2020年以降の話です。段落でいくと最後の段落ですが、75歳以上の人が増えると、介護費とか、4倍、9倍に直面するという話、これは2020年以降です。2020年以降だと、この高齢化要因での伸びというのはどの程度になるのか。

 

 2020年までは毎年0.5兆円で推移して、その後、急激に増えるのであれば、その前にちゃんと何らかの手立てを打つ必要があると思うのです。財政健全化は2020年を越えると、プライマリーバランスの一定の黒字幅を確保しなきゃいけない。目標が少しきつくなるわけです。それに対応する社会保障、特に医療、介護の歳出削減の見込みというのはどうなのか。高齢化5,000億だけで大丈夫なのかという、そこのあたり、2020年以降は推計されているのか。

 

〔 吉川分科会長 〕 百里の道も一歩からと、そういうことかもしれませんが、宇波主計官から何かコメントがあれば。

 

〔 宇波主計官 〕 ざっくり申し上げると、2025年ぐらいまでは同じぐらいだと思います。そこから少し、高齢化に伴う増というのはもう少し一旦、増えます。

 

 それから今度、2030年代後半ぐらいから、高齢者の数が全体として今度、横ばいないし減ってきますので、そこから今度は逆に鈍化するという、長期にわたるとそのようなダイナミクスでありますが、まずは2020年代初頭に向けてということでやっており、今の枠組みで大体2020年代半ばぐらいまでは今の議論の前提でお考えいただいてよろしいかと思います。

 

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。ちなみに今の井堀委員のコメントとの関係で言えば、政府で今、言っているのは、2020年のPB黒字化と言っていますよね。先ほどの成長ケースで9.4兆円とか。しかし実際のところは、黒字化という言葉を使っているわけですが、PBをバランスさせるということですよね。つまりゼロでしょう。9.4兆円をゼロまでのところで、ゼロだとだめなのですよね。長期的には。デットGDP比は発散していくわけですから、厳密にPBでの黒字を出さなくちゃいけないわけで、その意味で、PBバランスというのはあくまでもほんとうに一里塚ということですね。今、井堀委員から20年度以降も実は課題があるぞというお話があったのですが、その意味でも20年のPB黒字化はほんとうの一歩なんだから、達成しなければだめだというのが多分この審議会の立場ということだと思います。

 

 いかがでしょうか。よろしいですか。

 

 では、また最後にもし思い出したということがあれば、また戻っていただくことは可能ということにして、続けて、3つ目のテーマ、各論のうち、地方財政、教育及び科学技術について、また皆様方からのご意見をいただければと思います。

 

〔 吉川分科会長 〕 では、休憩しましょうか。ここで。10分弱休憩して、50分には、ストリクトに開始ということで、10分弱休憩ということにいたします。

 

〔 吉川分科会長 〕 よろしいでしょうか。では、後半の議論、開始したいと思います。後半は、各論の地方財政、教育及び科学技術について、まずご議論ください。またどなたからでも。建議の案の35ページからですね。いかがでしょうか。

 

 失礼しました。増田委員。どうも失礼しました。

 

〔 増田委員 〕 地方財政のところですが、全体に財政審の立場で地方団体にかなり厳し目にいろいろ書いてあって、これは財政審として当然のスタンスだと思うのですね。

 

 私も以前、総務大臣をやっておりましたが、もう一つ、地方財政審議会というのがあって、あちらは少しニュアンスの違うことをしゃべるのですが、いろんな多様な意見がある中で、私はこの財政審としての考え方で見識を示すと、ここはこういう格好でいいと思っています。

 

 その中で、今回、まち・ひと・しごと創生が新たな項目としてつけ加わっていて、私が全体としていろいろ問題点を指摘しているのは、これはこれでいいと思うのですが、新型交付金について言及しているところなのですが、この新型交付金について……。

 

〔 吉川分科会長 〕 恐縮ですが、ページを。

 

〔 増田委員 〕 ごめんなさい。37ページ。36ページの下のところから、まち・ひと・しごと創生というのが今回、新たにつけ加わっていて、私が申し上げておりますのは、37ページにかかって、そこの11行目からになりますかね、新型交付金について言及があるのですが、これについての制度設計ですが、たしか4月の初め、3日だったと思いますが、まち・ひと・しごと創生会議で私もメンバーなのですが、そこで総理が来られて、6月までに地方創生の基本方針を取りまとめろと。それからその中で、新型交付金の検討を行って、基本方針の中に盛り込むようにと、こういう石破大臣への指示を、マスコミも入った中でたしかされたと思いました。

 

 したがって、きちんとした新型交付金になるような、そういう制度設計をしろと、こういうことだろうと思うのですが、あそこまでしゃべっているので、その新型交付金を多分つくらないということを地方創生の基本方針に盛り込めないと思うので、もうそれをつくることはほぼ前提の上で、きちんとしたものになるようにというふうに私は受け取りました。全国の地方団体もそういうふうに受けとめております。

 

 したがって、ここの書き方が、必要性を厳格に精査することが必要だと、仮に一定の必要性が認められたとしてもというと、ちょっと前に戻り過ぎているのではないか。おそらく必要性は、あれだけ地方創生が内閣の重要問題となっているので、必要性を認めた上で、きちんとした制度設計になれという、そういうふうに読み取れるような形にする必要があるのではないか。

 

 政府のほうで今それは検討されていると思うのですが、私は今回の新型交付金が個別の補助金、結局、補助金だとどうしても省庁縦割りになりますが、そうではなくて、そういう縦割りを越えた各事業の政策連携ができるような形になる必要があると思いますし、それからもう一点、地方交付税ですと、その後もいろいろ書いてありますが、どうしても緩みかねない部分がありますが、地方財政措置とは異なって、成果目標だとかKPIをきちんと設定して、それでその成果検証に基づいて交付をすると、こういうふうに言っていますので、そういうきちんとしたものになるようにということを、あえて言うのであれば、そういうことを盛り込んだ制度設計にしろと言ったほうが私はいいのではないかと思います。あまり細かなことを書くのではなくて、きちんとしたものにしろでもいいと思うのですが、その「必要性を厳格に精査」、それから「仮に必要性が認められたとしても」というと、ちょっと総理のトーンとは合わないのではないかと思います。「ペイアズユーゴーにより実施することを確実にするために」、ここはそのとおりだと私は思います。

 

 それからもう一点、40ページのところですが、これも毎年、問題になるところですが、地方法人課税の遍在是正のところで、この遍在を早期に是正していくことが必要だと私も思います。その上に立って、本来であれば私は地方法人課税の例の地方法人特別税、譲与税についても、そのまま存続してもいいのではないかなとも思ってはいましたが、約束もありましたので、これを廃止ということとともに、それから代替措置というか、他の遍在是正措置を講ずるというふうに党税調の中でも書かれていますし、それでここはいいと思いますが、要は消費税、前回引き上げたときに、それについて地方法人税というものを創設したわけで、これが廃止の代替措置ということで、これをさらに進めるということになっていますので、いずれについても早期に適切な対応を行うと、「適切な対応」と書いてあるんだが、私はその地方法人税をさらに充実させるとか、それからきちんとした、さらに充実した制度化を図るとかいうことを、「適切な対応」というよりも、もっとはっきりとここは書いていいのではないかと、こういうふうに思います。

 

 以上2点であります。

 

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。1点目はたしか財審の議論で複数の委員の方が同じような発言されたのですが、現行案を見ると、頑張っているところ、それから、表現はちょっと語弊があるかもしれませんが、頑張っていないが人口や何かが減って大変なところ、両方お金が出るということで、であればみんなにただお金を出すのかというので、これは何なんだという意見を述べられた方が複数いらっしゃったと、そんなことだったかと思います。

 

〔 増田委員 〕 今の点は吉川座長おっしゃるとおりで、それと同時に、ここで言っている、今、私、指摘した新型交付金はこれからつくるもう一つの交付金の話なので、先ほどの点はまさにおっしゃったとおりだと。そこの表現は私はこれでいいと思います。

 

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。

 

〔 増田委員 〕 これからつくる新型交付金についての必要性までかなり問いただしているような感じがするので、そこのトーンをちょっと合わせたらと。

 

〔 吉川分科会長 〕 そこは政府全体の方針として、規定だからという、そういうご指摘ですね。わかりました。どうもありがとうございます。

 

 では、これは起草委員の先生方にご検討いただくとして、田中委員。

 

〔 田中委員 〕 ありがとうございます。私は45ページの大学の運営費交付金のところについて申し上げたいと思います。私の職場が大学評価をするところなので、これから申し上げることは、その職場の立場とはまた全く別ということで聞いていただければと思うのですが、1つ細かいこと、それから1つは大きいことを2点申し上げたいと思います。

 

 これ、10行目から11行目にかけて、資金調達手段の確立による云々と書いてあるのですが、いわゆる資金源の確保と、それから配分と、それと教員規模の適正化があるのですが、プラス、やっぱり大学における特に教育、教学のマネジメントというのが長年言われつつもなかなか確立されていないところでありますので、それを1文字、ここに入れていただきたいということが1点です。

 

 2点目なのですが、これは少し大きいことであります。昨年の秋に主計官のほうから、国立大学を思い切って世界研究拠点型、それから中間型と、それから地域貢献型の3分類にして、それぞれのタイプに応じた評価指標を設定して、それを運営費交付金に反映したらどうかというかなりセンセーショナルな提案をなされたのですが、その後、いろいろ抵抗があるやと思いきや、大学の中では意外とそのほうが助かったという声も大きく、それからいわゆるデータベース担当の方とかいろんな動きがもう既に出てきて、文教政策の中でも複数の委員会でこれがもう具体的に検討されつつあります。

 

 ですから、せっかくお出しになったわけですから、しかも前回の主計官の説明の中にもその資料も入っていましたから、この点はきちんと大きな大学改革になりますので、書いていただいたほうがいいのではないかと思います。

 

 以上です。

 

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。竹中委員。

 

〔 竹中委員 〕 すみません。42ページからの義務教育の教員定数とかの部分なのですが、どうしても財審と、それから教師の皆さんとの生徒人数による、小クラスなのかどうなのかという話がずっと議論されてきているのですが、私、ちょっとこれ、個人的な所感なので、どこまで書いていただくかどうかはあれなのですが、意見としてちょっと言いたいことは、あまりにも今の公教育の中で、先生と呼ばれる人たちの仕事が教育以外の部分がものすごく増えているのですね。それで学校の中でも、これはどう見ても犯罪だろうということが起きたにしても、いじめという形で先生が対処するとか、悩みがあって、これは完全に医療ともっと連携しないといけないという生徒がいても、それも先生の仕事であるとかいうような状態で、それこそ心理学者からカウンセラーから警察の仕事まで全部先生がやるような、何か日本の公教育の状況になっているという、これ、いくらほんとうに先生を増やしてももう足りないという話に、少人数学級かどうかの話じゃなくて、先生は疲れ果てる、親は学校に頼るみたいな形になってしまっていて、そういったちょっと根本的なところ、日本の教育機関というのがそういうふうに公教育の中で全部、特に義務教育の段階でも全部その先生が受けとめる仕組みになっていることそのものを、もうそろそろ見直すべきではないかと。

 

 先進諸国でしたら、やはりもう犯罪的なことが起きたら、当然、学校の中ではあっても、それは犯罪捜査等が入るわけですよね。ところが日本は、やはり先生たちがその分野も守る意識もあるのかもわからないが教員で対処する。でももう限界が来ているということはやっぱりわかっているわけで、何かそこら辺のことを、やっぱり財審として言うのはふさわしくないのですかね。私はやっぱり今の教育体制の根本のところがもうそろそろ限界に来ているかなという気がしています。書くか書かないかはちょっとお任せします。

 

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。これは今、竹中委員に指摘された初等教育だけじゃないですね。教育でも医療でも介護でも農業でも何でも、お金以外のところに大きな問題があるところがたくさんあるわけで、ですからそれぞれの、どう言うのでしょう、固有の問題点、それにどれくらい財審としてかかわって指摘するのか、そこはどうするかっていろいろあると思いますが、これも起草委員の先生方に検討していただくことにしたいと思います。

 

 ほかにいかがでしょうか。

 

 では、また後で戻ることにして、休憩した途端にスピードアップした感がありますが、最後の4番目の各論、公共事業、IT、及び資産・負債について、またご意見を賜れればと。いかがでしょうか。建議案の49ページ以降、最後までですね。

 

 では、田中委員、竹中委員の順でよろしいですか。

 

〔 田中委員 〕 細かいことです。54ページであります。「必要不可欠な社会資本の機能を確保していく」というところなのですが、これは前回も申し上げたのですが、関係費は増やせないということを前提にして、必要不可欠な社会資本システムの見直しをして、必要な機能を確保していくことを指針とするというふうに、大きな改革が必要なんだというニュアンスを加えたほうがいいと思います。

 

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。竹中委員。

 

〔 竹中委員 〕 すみません。ちょっとITのところでというので言おうと思って、戻っちゃうのですが、25ページ、ごめんなさいね、ちょっと前になって。25ページ一番下に、マイナンバーのことが書いてあって、「27年3月に閣議決定されたマイナンバー法の改正案では預金口座へのマイナンバーの登録は任意となっている」って、これは、ごめんなさい、ちょっと私、勉強不足で、これが正式決定事項か何か知らないのですが、だとすると、先ほどの所得は低くても高齢者の預金がどうだとかいうようなことはもう議論ができないということになるのですかねという、ごめんなさい、ちょっとITというので、マイナンバーって頭があって、ちょっとそのことが気になったので、すみません、戻っちゃってごめんなさい。捕捉できないということですよね。

 

〔 吉川分科会長 〕 おっしゃったのは、任意加盟だからというところがポイントなのでしょうか。ごめんなさい、25ページの。

 

〔 竹中委員 〕 そうですね。その25ページのところで、先ほどこの書き方がいいかどうかと言いながら、年収200万未満の夫婦高齢者世帯でも貯蓄がどうとかいうのが話があって、その下で、預金口座へのマイナンバー登録が任意ということは、任意ということは登録しいなくてもいいことになると、これは捕捉できないということですから、こういった議論そのものが財審でもできなくなるということになるんじゃないでしょうかということを。

 

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。ポイントは要するに任意という、そこですよね。

 

〔 竹中委員 〕 そうですね。戻っちゃってすみません。

 

〔 吉川分科会長 〕 任意というのは、制度として不完全なんじゃないかという、こういうようなご指摘でよろしいわけですよね。

 

〔 竹中委員 〕 そうです。

 

〔 吉川分科会長 〕 将来的にはこれを義務づけるということが望ましいと、そういうことですね。

 

〔 竹中委員 〕 財審の議論の中でいうと、それが真っ当ではないかなと。

 

〔 吉川分科会長 〕 私も個人的にはそう思いますね。

 

 板垣委員。

 

〔 板垣委員 〕 今に関連してですが、25ページに、22行目に「仕組みに変えていく必要がある」と、ここまで言い切っていて、お尻のほうで何か尻抜けになっているということを多分、竹中委員はおっしゃりたかったんだろうと思うのですね。必要があるということは、つまり捕捉をきちっとできるような仕組みをつくるということが大前提なのに、そうなっていない現実をここで暴露しちゃっていると、そういうことですね。

 

〔 竹中委員 〕 ちなみに、冗談じゃなく私、貯金が少な過ぎて捕捉されるのめっちゃ恥ずかしくて嫌なのですが、でもやっぱりこういう議論をみんなできちっとしようと思ったら、そこは絶対じゃないですかねと思ったので、すみません。

 

〔 吉川分科会長 〕 表現ぶりですね。「検討していく必要がある」というのがちょっと引け過ぎているんじゃないかと。将来的には義務づけるべきだというくらいのところまで書いてもいいだろうというのがご意見だったということでよろしいでしょうかね。

 

〔 竹中委員 〕 はい。

 

〔 吉川分科会長 〕 大宮委員、お願いします。

 

〔 大宮委員 〕 公共事業の49ページ以降ですが、維持・更新というのがこれから非常に難しくなると思います。50ページの下の30行目に、地方公共団体が、自ら厳選すべきと書いてありますが、維持・更新に比べ、インフラをなくしてしまう統廃合は難易度が高い。国によるマニュアル作成などともちょっと絡むのですが、例えば公共施設の稼働率であるとか、客観的な基準作りが非常に重要ではないかと思います。

 

 道路をどういうふうに測ったらいいかというのは非常に難しいと思うのですが、必要性を客観的に評価できる指標を作って、一回当てはめてみて、それで測ってみるということじゃないと、やっぱりどこもかしこもみんな必要だということになりかねないと思います。その基準そのものをつくるということは難しい作業だと思いますが、例えば、地方公共団体の中でも非常にうまくやっているベストプラクティスを引き合いに出して、そこで使われているような共通的な基準を全国津々浦々まで反映して、それによってインフラの維持・更新をやっていくということが必要じゃないかなと思いますので、その辺をどこに書き込んだらいいかお任せしたいと思いますが、お願いしたいと思います。

 

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。ありがとうございました。では、これも起草委員の先生方でご検討いただくと。

 

 ほかにいかがでしょうか。

 

〔 角委員 〕 マイナンバー、よろしいですか。

 

〔 吉川分科会長 〕 どうぞ。

 

〔 角委員 〕 私もマイナンバーについては機会あるごとに義務化すべきであるということを申し上げ続けてきましたが、おそらく今は預金口座について、2018年から新規口座について任意で入れていこうと。それはいずれマストにしていかなければならない。それだけでは全く不十分で、既存口座をマストにしないと意味がない。名寄せができませんからね。

 

 ですから、かなり長い道のりがかかるんだが、今まさに国会で審議していただいているわけですから、何とか早くスピードを上げていただきたいというのは当然思うのですが、ここで書かれているのは、いわゆる介護保険、公平な負担ということでの制度設計を検討するということですから、ここはマイナンバーの制度設計の話ではないですよね、おそらく。

 

 ですからマイナンバーで名寄せができて資産・所得が把握できれば、この介護だけじゃなくて、ほかにもいろんなことに活用できるわけなので、もしそれを書いていただくんだったら別途起こしていただかないとおかしくなるのかなと思います。

 

〔 竹中委員 〕 それで、ごめんなさい、ITのところでそういうのが入ってくるのかなと思ったということです。すみません。

 

〔 角委員 〕 なるほどね。それと、ついでで申しわけないのですが、公共施設の統廃合、人口減るわけですから、書かれているのですが、小・中学校の統廃合が書かれていないのですが、意見が出なかったからしょうがないのですかね。前ちょっと申し上げましたが、石垣島の船で10分のところに竹富島があるのですが、ここの人口500人ぐらいで、観光の島ですから、結構移り住んでこられるのですが、そこで500人ぐらいの島ですから、小・中学生が三十何人か、僕が行ったとき39人だったと思います。それに対して教職員が二十何人おられるわけですね。

 

 竹富町というのはいろんな島がありますから、町役場は石垣島の中にあるわけです。だが学校は竹富島に1つ、三十数人の小・中学校があるわけですね。石垣島まで船で10分ですから、これはいかにももっと、大勢の中でもまれて、いろんな教育をしたほうがいいに決まっているのですが、そういう実態がある。ですから小・中学校の統廃合に触れられていないのはなぜかなという気がいたしました。

 

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。増田委員。

 

〔 増田委員 〕 ありがとうございます。公共事業のところで、数年前のものと、それから今回の建議と、やっぱり大きくトーンが違うのは人口減少をきちんと今後この公共事業分野で捉えていこうと、こういう強い意思というのはここにいろいろ随所に出てきていると、こういうことだと思うのですね。

 

 その中で、これはなかなか、ですから今回というより、やっぱりもっと先になるんだろうと思うのですが、52ページの真ん中あたりで、要は例の住宅政策が、民間部分が非常に多いので、この中でも記述される部分というのはほんとうに少しなのですが、52ページの真ん中あたりですが、要は人口がぐっと減っていくという中で、非常にやっぱりこれから社会問題化していくのは空き家ですよね。820万戸に今なるわけですが、このままで一人っ子がうんと増えて、やがて一人っ子同士が結婚して、それがずっと続いていくと、やっぱりますますこの空き家がずっと増えていく。

 

 ですから住宅政策の根っこのところを、この問題をどう考えていったらいいかということで検討し直さなければいけない。現象面で今いろいろ起きていることについてどうするのか、その上屋を除去すれば、固定資産税が6倍になるとか、そういった問題、あるいは除却をどうするのか問題はありますが、いずれにしても間もなく除却費用すらできないぐらい資産価値がぐっと下がっていってしまうようなところがあちこち出てくるので、やっぱりその空き家の問題をこれからどうしていくかという認識を、いずれはやっぱり財審のほうでも捉えて書いていく必要があるんだと思います。それは次期、またいろいろ考えていかなければいけませんし、住宅政策をどうするかの根本議論ですから、いろいろ考えるべきことはあると思いますが、そういう、やがて必ずここで記述しなければいけない問題がこの分野に人口面ということであるなということだけ指摘しておきたいと思います。

 

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。

 

 それでは、ここら辺でもう一回、全体について、4つ目のテーマだけではなくて、この建議(案)全てに関して改めてもし皆様方、ご意見等ありましたら、お願いいたします。宮武委員。

 

〔 宮武委員 〕 何か瑣末なことに思えて遠慮していたのですが、時間があるようなので、1点だけ教えてください。社会保障に関するところで、17ページでございますが、要するに自然増というのは、高齢化による伸びとその他の要因というふうに分析されていて、中ほどのところで、「技術の高度化という側面は、社会保障以外の経費にもある要素であり、他経費においてはさまざまな合理化・効率化努力によってそれを吸収してきている」と、こうあるわけでございますが、おそらくこの他経費というのは、例えばほかの産業においては技術の高度化によって人員が少なくなったり生産性が高まるということなんだと思うのですが、医療の場合は、例えば画期的な新薬ができるとか、画期的な手術方法ができるかといって、それで医師や看護師や、あるいは他のコメディカルが人数がくっと減るわけでもないという特殊性があって、むしろ早く治療して、社会復帰していただくという、そういう効用はあるんだと思います。

 

 そういう意味で、ここを直結して書いていいのかどうかなというちょっと疑問を感じました。と同時に、その他の要因の中で大きいのは、医療の技術の高度化と同時に、要するに人件費ですね。医療に携わる人の人数と、その待遇改善というのが大きな要素なのですが、そうすると、その他の要因のほうは伸びを抑えるということになると、待遇はもう伸びないよというふうに読み取れないかなという、そういう気がいたしましたので、これは質問でございます。

 

〔 吉川分科会長 〕 ただ最後の待遇改善というのは、結局、別に医療関係の人だけじゃないですからね。全ての国民は働いて報酬を得て、それを全体で言えば経済全体の成長ということによって規定されるわけで、別に医療関係者の方々だけの待遇改善というのが特別に、どう言うのでしょう、マークされるわけではないと思いますが、この点について、事務局からですかね。宇波主計官は今ちょっといらっしゃいませんが、起草委員の先生方でも何かお考えがあればと思いますが。

 

〔 田近委員 〕 その点、医療の効率化の話、宮武さんのおっしゃったことは、だから高度化して新薬ができたり、あるいは新しい手術法でしたら、それはコストを下げるわけではないでしょうと、そういうご指摘ですよね。

 

 だからそれもありますが、ここで考えているのは、今ちょうど病床の……、土居さんは、土居さんもいないのか。じゃあ、日本の病床の配置について、内閣府でも検討しているのですが、それは高度急性期、急性期、慢性期等に必要なベッドの数を都道府県別に推計していくと。それで必要と思われるベッド数より多いところはそれを今後、減少させていくと。

 

 我々がイメージしている効率化というのは、そういう意味のイメージで、もちろん宮武さんのおっしゃっている点もありますが、それを2つ合わせたところで、それは効率化して、その部分は財政面での歳出を拡大することは抑えていこうと、そういう考えですがね。

 

〔 宮武委員 〕 わかりました。要するに待遇改善と言ったのは私の間違いで、人員増ということだと思うのですが、高度急性期なり一般急性期なりに病院の役割分担をしたときに、短期で退院してくださる入院期間の画期的な短縮を目指していく上には、むしろスタッフを増やしていかなきゃいけないという側面もあるものですから、そういう質問をいたしました。了解いたしました。

 

〔 吉川分科会長 〕 その点も、これまでの財審の議論だと、配分の見直しなのですよ。たった今おっしゃった急性期での医療を充実させると。よくご存じの7対1の話ですが、非常に大きくなっているわけですね。ほんとうに大きくマクロで考えますと、これも先生はよくご存じの方ですが、いわゆる現役世代が減っていく、高齢者が増えていくというのであれば、急性期の医療は全体としていえば少し減、むしろ慢性期、地域医療のほうが増えていくべきだと。これはもうよくご存じのことだと思うのですね。

 

 ですから急性期のことだけを指摘して、医療費全体が膨らんでもおかしくないとおっしゃったのかどうかわからないのですが、私にはちょっとそういうふうに聞こえたのですが、そういう議論は成り立たないのではないかなと私は思いますが。

 

〔 宮武委員 〕 私の言い方が誤解を生んだんだと思います。

 

〔 田近委員 〕 もう一つつけ加えると、だからこれはいいのか悪いのかはむしろ僕は悲観的ではあるのですが、宮武さんの話につなげると、病床の、だから再整理というか、調整するために、例の消費税の充実分使うのですよね。都道府県の基金で。だからそういう形で、だからさっき倉重さんがおっしゃったところとも深く関係するのですが、医療・介護の提供体制の見直しを通じて、質を落とさず効率化すると。ここがこの部分の非常に重要なところだと私は思います。

 

〔 吉川分科会長 〕 では続いて、碓井委員。

 

〔 吉川分科会長 〕 碓井委員。

 

〔 碓井委員 〕 46ページの授業料等の叙述がある部分についてなのですが、前回のこの審議会で出た意見の中に、能力のある人は低い負担でいいのではないか、こういうご意見があって、それが最後の「能力に応じて」というところに反映されて、それはそれでいいと思うのですが、所得というところは、この下の脚注と組み合わせると、要するに在学時の授業料を先送りするというか、後に送る制度なわけですね。これはオーストラリアなどでも同じように採用されて、以前、無償原則が採用された国にこういうのが採用されているのですが、これ、2つのことを何か一緒にして書かれているものですから、ちょっとクリアでないという感じが私、いたしますので、もしご検討いただければと存じます。

 

〔 吉川分科会長 〕 今ちょうど碓井先生から出ました46ページですか、教育のところの最後のパラに、この部分というのは国立大学法人、授業料を少し上げることも考えたらどうだという、こういう指摘ですよね。それはいいのですが、後段、この46ページ最後に、教育の機会均等というのも書き込んでもらっているわけですが、私は実は大学で少人数で教えている学生たちとこの問題を話してみたのですが、学生たち、二十数人の学生の意見では、授業料を上げることに対しては危惧が大きいのですよね。

 

 もちろん裕福な家庭の人たち、授業料を上げるというのはそれはリーズナブルじゃないか、私立の大学の場合には授業料高いんだし、むしろ不公平じゃないかというと、その点は納得するのですが、結論的には、要するに奨学金が授業料に比べてはるかに認知度が低いというところにやっぱり問題があるようなのですよね。授業料の情報というのはあっという間に徹底するのに対して、奨学金のほうは、やはり何とか言っても認知度が低くて、奨学金があるそうだとか、こういう条件を満たせば奨学金がもらえるはずだとはいっても、そこに若干の不確実性があって、授業料が幾らであるという情報に比べて認知度が低いということが学生が問題にしている点だということで、実はその点については私は個人的には同じように危惧を持っていて、その点は、先ほど竹中委員がおっしゃったマイナンバー等が将来的には活用されて、奨学金や何かに関する情報が徹底することがやはり教育の機会均等を確保するために授業料を上げる中では必要なのかなと、このように考えました。

 

 すみません、ちょっとお時間いただきましたが、続いて末澤委員、中空委員の順でお願いします。

 

〔 末澤委員 〕 すみません、ちょっと細かいところで恐縮なのですが、6ページ目の10行目のところなのですが、米国の財政再建策についてのところで、私のほうで前回、前々回ですか、ご説明させていただいたのにつけ加えさせていただきたいのですが、米国の場合ですと、キャップ制が設けられていると。その次に、2011年には超党派による予算管理法に基づく歳出削減に加え、さらに広範な歳出を一律に抑制するいわゆる強制削減が実施されていると、この一応2本立てですので、これも入れていただいたほうがいいかもしれないと思います。

 

 以上でございます。

 

〔 吉川分科会長 〕 どうも。では中空さん。

 

〔 中空委員 〕 ありがとうございます。そんなにしょっちゅうじゃないのですが、メディアに出ますと、財政再建をしましょうという財政再建派で出ることが私は多いのですが、そうすると、文句の手紙って結構来るのです。何の文句の手紙かというと、これは一般の国民の方からなのですが、財政再建のことを言ったら、国に資産がいっぱいあることを君は一つも言っていないと。だから負債のことを言うときには資産のことを述べないと、それは、言葉は適切じゃないですが、ばかか赤ん坊だけであるみたいな手紙を結構いただくのです。

 

 私が今、言いたいのは、せっかくこれ、資産・負債という項目が最後のページ、58ページ目以降についているのですが、ここにこれがあるよということを、やっぱり国民の人たちは総論しか読まない人が多いと思うので、資産については以下参照でも何でもいいのですが、資産についても我々は十分検討した上で、財政再建について言っているのですということを総括のあたりで入れておいていただくとありがたいかなと思いました。実際に国民の人たちって、読んでいる人でも総括のところだけという気はしますので、そこにあるということを伝えてもらえればなと希望します。

 

 以上です。

 

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 

 では、続けて武田委員、竹中委員、板垣委員。

 

〔 武田委員 〕 どうもありがとうございます。まずは建議案をまとめてくださいました委員の方々に厚く御礼申し上げます。私はこの建議案の内容は基本的に賛成でございますが、その上で意見を2点申し上げたいと思います。

 

 第1に、総論に関する意見です。今回の財政健全化計画の考え方でございますが、ここに書かれております国・地方の歳出水準に係る規律が非常に不可欠である点、これは前々回に富田委員のほうからご説明があった点だと思いますが、各歳出分野において具体的方策を示すという点、それから3点目として、中間段階で見直しを行い、それまでの3年間は集中して歳出改革を進めると書かれている点が非常に重要ではないかと思いました。

 

 加えて、仮に国際金融市場で財政健全化計画に対して、あるいは計画の実効性に対して疑問を持たれてしまいますと、結局、経済再生自体も実現が難しくなる点、つまり経済再生ケースで織り込んでいる税収増も実現しなくなる可能性がある観点から、経済再生のためにも、健全化計画とのバランスが重要という点も記載してはどうかと思います。

 

 また、歳出の規律をしっかりきかせていくということは、市場の信認だけではなく、国民の納得性の面でも重要という点もどこかに記載があるといいと思います。市場の信認や関係者の覚悟という言葉は書かれていたのですが、あわせて国民の納得性も重要です。消費税増税で社会保障の財源に充てますと説明しているのに、その他の歳出が全体として増えれば、お金に色はないわけですから国民の納得性は得られません。歳出に規律をしっかりかけていくという点が重要だと思います。

 

 第2に、社会保障に関しての意見です。今回、具体的に改革の項目を載せていただいた点が非常によかったのではないかと思います。ただ、なぜ社会保障を高齢化の伸びに抑制していく必要があるのかということを国民にわかりやすく説明していく必要があり、これをどこまで建議案で書けるのか。また、建議案を出した後にどのような形で発信していくのか、手段は建議案とは別に考えたほうがよいのかもしれませんが、世代間の負担が極限まで広がってしまいますと、結局、最終的に経済の活力を損ないかねません。イノベーションが生まれにくい経済体質になりかねない懸念もございます。また、高齢者にとっても非常に重要な問題であると思っています。社会保障の持続性が損なわれてしまいますと、現在の高齢者が真に必要になったときに社会保障が維持できていないという事態を招きかねない。つまり全世代にとって社会保障制度改革が重要であり、全世代にとってメリットがあることをうまく伝えていく工夫が必要ではないかと感じます。

 

 以上です。

 

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。では、竹中委員。

 

〔 竹中委員 〕 すみません、今日は何かようけしゃべってごめんなさい。先ほどいろいろな反響があったというお話もありましたが、実は、ごめんなさい、38ページに今回、初めてこの財審でも出た救急出動の有料化の件が書かれているのですが、この件について、報道もありましたが、私のフェイスブックでびっくりするぐらいご意見がたくさん来まして、うれしいことに、やはり適正化すべきであると。あまりにも不適切な利用が多いと思うという意見がほとんどで、それで商社にお勤めの方の意見などは、ぜんそくがあって呼吸困難にイギリスでなったときに、救急車を呼んだらただだったと。だけどおそらく日本がただでやっていくためには、イギリスぐらいの高い税金とらんとだめでしょうと。スイスで同じ状態になったときには、救急車に乗ったら10万円とられましたとか、そういう具体なことも含めて、あるいは目の前で救急車にごねて乗っていく人を見ただとか、ほんとうにいろんな、ほんとうに必要な人に救急車が使われるためには、もう不必要な部分あるいはタクシーや乗用車で行けるような状態の場合は有料化すべしという意見がほぼ100%だったのですね。それだけ関心が高いということで、今回、この議論が財審の中であった、よかったなと思いました。

 

 それと39ページの上に、「諸外国(フランス等)の例も」と書いてあるのですが、「諸外国(フランス等)」だけではちょっと意味がわからないので、この諸外国のところの説明を下に、この間、資料で、例えばフランスでしたら30分何点何万円だと、アメリカと何とかが7万円だとか数字が出ておりましたよね。あれが調査をされた上での数字であれば、やはり諸外国の状況というのをこの備考のところへ入れて、ここは「(フランス等)」はもうのけて、「諸外国の例」と入れられたほうが、今、国民的議論が非常に高まるなという予感がしたので、ぜひそのようにされてはどうかと思います。

 

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。では、これはご指摘のように情報を脚注に入れるということにしたらと思いますが、板垣委員、中空委員でよろしいですか。

 

〔 板垣委員 〕 すみません。37ページ。先ほど増田委員のほうからお話があって、37ページの9行目から17行目までのところ、ちょっと今の同時進行形に合わないのではないか、安倍さんもそう言っている状況の中でという意見がありました。

 

 ここに書かれていることは、財審の中でいろいろ議論があった末、書かれたものです。ただ増田委員のおっしゃることもわからないでもないわけですので、例えば、「また仮に一定の必要性が認められたとしても」と、ここだけ抜くというぐらいの感じにとどめ、やはり議論があったことを書くべきであろうという気がいたします。この「仮に一定の必要性が認められたとしても」というのは全く認めていないよというふうに聞こえるので、それはさすがにあれかなという感じもしますので、そこを抜けば、「また、財政健全化との関係では」と、普通につながるのではないだろうかという気がいたします。

 

 それからもう一つなのですが、すみません、それと25ページ。先ほど角委員とか何人かの方からマイナンバーに絡むいろんなご意見があって、きちんと書くべきだという意見もありました。仮にそういう選択肢があるとするならば、例えば25ページの20行目、「預貯金等の金融ストックも勘案して」というふうにさらっと書いてありますが、ここにいわゆる不動産はどうなるんだという部分があいまいな気もします。生活保護法のときには、自宅を持っていたら生活保護の給付対象になりません。そういうレベルまですとんと落として、マイナンバーを位置づけるのか、そうでないのか、その辺がちょっと疑問として残るのではないかなという気がしたものですから。これは意見です。

 

 以上です。

 

〔 吉川分科会長 〕 ほかにいかがでしょうか。遠藤委員、どうぞ。

 

〔 遠藤委員 〕 大変遅れて参りまして申しわけございません。既にもう意見が出ているかもしれないのですが、消費税についての言及は委員長、ありましたでしょうか。

 

〔 吉川分科会長 〕 今日は消費税ということでは特に出ていないと思いますが。

 

〔 遠藤委員 〕 そうですか。

 

〔 吉川分科会長 〕 10%まで上げることは必要というのはもうグランドルールみたいになっているかと思います。どうぞ。

 

〔 遠藤委員 〕 ありがとうございました。前回の取りまとめに比べると、必ず消費税の増税を死守すべきだというトーンが、若干なのですが、弱いのかなと思いまして、ここは絶対に死守しなければならないという言いようが適切かどうかははかりかね

 

ますが、総体的に見ると、少し弱まっているので……。

 

〔 吉川分科会長 〕 もし可能であれば、例えばページに言及していただくとか、このあたりとか。

 

〔 遠藤委員 〕 例えば18ページのところに、「消費税10%の引き上げを前提に」といったように、消費税についての文言が盛り込まれていることはわかっているのですが、前回の取りまとめに比べると、比較的、少な目になっているのではないかという印象を持ちまして、そこは強く求めるという本分科会の意思の反映というものが、もう少しあったほうがいいのではないかと考えます。

 

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございます。実は12ページですかね、12ページの8行目でいいかな、29年4月には消費税率の10%への引き上げが予定されている云々のあたり、「予定されている」という表現も含めてということだと思いますが、ここが弱いというご指摘は岡本委員、中空委員からもご指摘が出ていますので、今、遠藤委員が言ってくださったようなことも含めて、複数委員から消費税に関しての言及がやや弱いと、もう少し強めてもいいという、そういうご意見があったということでまとめさせていただきます。

 

〔 遠藤委員 〕 重複して申しわけありません。

 

〔 吉川分科会長 〕 いえいえ、とんでもないです。それで結構なので、起草委員の先生方にこの点も表現を検討していただければと思います。

 

 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。

 

 では、5時には届きませんが、それでも休憩を入れるに値する充実した議論ができたと考えております。どうもありがとうございました。

 

 それで、1つ皆様方へのお願いであります。大変ご多忙だとは存じますが、追加のご意見等ございましたら、21日木曜日の12時まで、あさってでいいですよね、あさって21日木曜日の12時までに事務局までお寄せいただければ幸いです。もちろん今日ご発言いただいた部分というのは記録もありますし、それをもとに起草委員の先生方中心に改稿していただくわけですが、今日のご発言と全く同じ論点でももう少しはっきり文書で言いたい、具体的な修文を要求したいということもございましたら、そうしたことも含めてですが、21日12時までに事務局のほうへご連絡いただければ幸いです。そうしたご意見、今日の議論はもちろんですが、これからいただくかもしれないご意見を踏まえて、起草委員の先生方に必要な修文を行っていただきます。では、どうも、ご多用のところ、ありがとうございました。

午後 4時42分閉会

 

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