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財政制度分科会(平成27年1月23日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録
平成27年1月23日
財政制度等審議会


 財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

平成27年1月23日(金)11:43〜12:44
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

 

1.開会
2.分科会長の互選
3.分科会長挨拶、分科会長代理の指名
4.部会の設置、構成及び部会長の指名
5.宮下副大臣挨拶
6.事務局説明
  ・平成27年度予算及び平成26年度補正予算
7.閉会

配付資料 
○資料1 委員名簿
○資料2 部会の設置
○資料3 所属部会別委員名簿
○資料4 平成27年度予算のポイント
○資料5 平成26年度補正予算のポイント
○資料6 「平成27年度予算の編成等に関する建議」の反映状況 

出席者

分科会長  吉川 洋            宮下副大臣
大家大臣政務官
田中主計局長
岡本次長
太田次長
西田次長
新川総務課長
寺岡調査課長
山本司計課長
窪田法規課長
堀内給与共済課長
片岡官房参事官
阪田主計官
余島主計官
白石主計官
冨安主計官
青木主計官
井藤主計官
宇波主計官
彦谷主計官
高村主計官
小野主計官
井口主計官
分科会長代理      田近 栄治  
 委員

秋山 咲恵
碓井 光明
遠藤 典子
倉重 篤郎
黒川 行治
角   和夫
竹中 ナミ
田中 弥生
土居 丈朗
富田 俊基
中空 麻奈

 臨時委員 板垣 信幸
井堀 利宏
老川 祥一
岡本 圀衞
加藤 久和
佐藤 主光
末澤 豪謙
十河 ひろ美
武田 洋子
増田 寛也
宮武 剛

 

 

午前11時43分開会

〔 寺岡調査課長 〕 それでは、委員の皆様、既にお集まりでございますので、始めさせていただきたいと思います。

 ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。皆様方におかれましては、ご多用中のところ、ご出席いただきまして、ありがとうございます。

 本分科会の庶務を担当しております、調査課長の寺岡でございます。本日は、まず本分科会の会長の選任を行っていただきますが、分科会長選任までの間、議事の進行を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、議事に移らせていただきます。

 会長の選任に先立ちまして、今回、新たに委員になられた方のご紹介をさせていただきたく存じます。私のほうからお名前を読み上げさせていただきますので、一言ずつお願いいたします。

 まず、加藤久和委員。

〔 加藤委員 〕 明治大学の加藤です。どうぞよろしくお願いいたします。

〔 寺岡調査課長 〕 武田洋子委員。

〔 武田委員 〕 三菱総合研究所の武田でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

〔 寺岡調査課長 〕 宮武剛委員。

〔 宮武委員 〕 宮武でございます。長らく共済分科会のほうを担当させてもらっておりましたが、今回、この分科会も担当するように命じられました。裏長屋から表座敷に出たような感じで戸惑っております。よろしくお願いいたします。

〔 寺岡調査課長 〕 ありがとうございます。

 ほかに、本日は所用によりご欠席されておりますが、冨山和彦委員、南場智子委員も新たに委員になられております。

 それでは、分科会長の選任を行っていただきます。財政制度等審議会令により、分科会長は分科会に属する委員の互選により選任することとされております。分科会長につきまして、ご意見がございましたら頂戴いたしたいと存じます。よろしくお願いします。

 富田委員、お願いします。

〔 富田委員 〕 私は吉川委員に引き続き分科会会長をお引き受けしていただくのがよろしいのではないかと思います。

 もう皆さんご案内のとおり、吉川委員はマクロ経済だけではなしに、社会保障について、そして財政についても専門であり、高いご見識をお持ちでありまして、この重要な時期に当分科会の分科会長をお引き受けいただけるのが最善であろうと存じます。

〔 寺岡調査課長 〕 竹中委員、お願いします。

〔 竹中委員 〕 先ほどの総会でも発言させていただいたのですが、私も富田さんと同じで、吉川委員に、ぜひご継続いただきたいと思います。大変困難なこの社会状況の中にあって、高い知見と見識をお持ちで、世論の矢面にも立って、これまで長く分科会長としてご尽力いただきました。引き続き、ぜひお願いをいたしたいと思います。よろしくお願いします。

〔 寺岡調査課長 〕 ほかには。

 ただいま富田委員、竹中委員より、吉川委員を分科会長に推薦する旨のご意見をいただきました。皆様、いかがでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

〔 寺岡調査課長 〕 ご異議がないようですので、吉川委員に分科会長にご就任いただくことを決定させていただきます。

 吉川委員におかれましては、分科会長席にお移りいただきたいと思います。

(吉川委員、分科会長席へ移動)

〔 寺岡調査課長 〕 それでは、早速ですが、吉川分科会長からご挨拶を頂戴したいと存じます。よろしくお願いします。

〔 吉川分科会長 〕 ご指名いただきました吉川でございます。

 先ほど総会もありまして、総会での発言と少し重なるところもあるかと思いますが、この分科会は先ほどの総会で麻生大臣からもお話ありましたが、ご承知のとおり2020年度の国・地方PB黒字化へ向けての財政健全化の道筋をきっちり描くというのが1つの大きな重要なミッションになっております。

 先ほどもお話ししましたけれども、たまたま昨日ですか、ヨーロッパ中央銀行が量的緩和に踏み込んだ、日本銀行も少し前からやっていると、そのようなことですが、必ず出口がやってくることは間違いない。その出口のところで財政の健全化というのは、まさに問われる1つの重要なポイントになるだろうと思います。そのような意味でも、この分科会の役割というのは、ますます重要になっていると考えております。

 委員の皆様方のご協力を得まして、そのミッション、少しでも資せればと思いますが、微力ですが、皆さんの活発なご議論、よろしくお願いいたします。

〔 寺岡調査課長 〕 ありがとうございます。

 次に、財政制度等審議会令によりますと、分科会長代理は分科会長が指名することとされております。吉川分科会長から、どなたか分科会長代理にご指名をいただきたいと存じます。

〔 吉川分科会長 〕 それでは、大変僣越ですが、田近委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

〔 寺岡調査課長 〕 ありがとうございます。

 分科会長及び分科会長代理が決まりましたので、ここからは吉川分科会長に議事進行をお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

〔 吉川分科会長 〕 それでは、まず部会の設置についてお諮りしたいと思います。

 これまで財政制度分科会には法制・公会計部会を設置してきたところです。今後も引き続き、資料2のとおり法制・公会計部会を置くこととし、調査、審議をしていただきたいと考えておりますが、ご異議ございますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

〔 吉川分科会長 〕 よろしいですね。では、ご異議がないようですので、法制・公会計部会を設置することにさせていただきます。

 続きまして、部会に属すべき委員及び部会長の指名を行いたいと思います。

 これにつきましては、財政制度等審議会令により、分科会長が指名することとされておりますので、僣越でありますが、私から指名させていただきます。

 法制・公会計部会に属すべき委員につきましては、お手元の資料3、部会所属委員名簿(案)でありますが、のとおりとし、部会長は黒川委員にお願いしたいと思います。ご異議ございますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

〔 吉川分科会長 〕 ご異議がないようですので、そのように決定させていただきます。

 それでは、黒川部会長からご挨拶を頂戴したいと思います。

〔 黒川委員 〕 ただいまご指名を受けました黒川でございます。大変光栄に存じます。法制・公会計部会の委員の皆様と、公会計室を中心とする皆様とともに、政府会計をめぐる諸課題について、誠実に取り組んでまいりたいと思います。

 今後とも皆様からの多大なご助力をいただきたく思います。よろしくお願いいたします。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 それでは、議事に移らせていただきます。

 まず、本年の審議の開始に先立ちまして、宮下副大臣からご挨拶をよろしくお願いいたします。

〔 宮下副大臣 〕 財政制度等審議会財政制度分科会の開催に当たりまして、ご挨拶を申し上げます。

 委員の皆様におかれましては、ご多用中のところお集まりいただき、誠にありがとうございます。本日は委員任命後の初めての分科会ということでございますが、引き続き吉川会長のもと、精力的なご審議を賜りたいと思います。

 先日、1月14日に概算を閣議決定いたしました平成27年度予算につきましては、その概要について、後ほど事務方から説明させますが、昨年末に当分科会からいただいた建議を踏まえまして、社会保障をはじめとする各分野において、歳出の徹底的な重点化・効率化に取り組んだ結果、プライマリーバランス赤字の半減目標を達成できると見込むことができるものとなっております。これも当分科会におきまして精力的なご議論を積み重ねていただいた結果と承知しておりまして、改めて感謝申し上げます。

 今後、当分科会におきましては、2020年度のプライマリーバランス黒字化に向けまして、経済財政諮問会議等においても議論が始まっております新たな財政健全化計画につきまして、その具体化に向けた議論を進めていただきたいと考えております。

 依然として厳しい状況にある我が国財政の立て直しに向けまして、今後も皆様の幅広い知見と経験に基づきます忌憚のない活発なご議論をお願い申し上げます。

 以上でございます。よろしくお願いいたします。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 次に、事務局より、「平成27年度予算及び平成26年度補正予算のポイント」について説明をしていただきますが、机上には、昨年末に取りまとめた建議の平成27年度予算への反映状況をまとめたものを資料6として配付させていただいておりますので、あわせてご参照ください。

 それでは、新川総務課長、よろしくお願いいたします。

〔 新川総務課長 〕 新川でございます。それでは、お手元資料が相前後して恐縮でございますが、まず資料5と右肩に書いてございます26年度補正予算について、ご説明をいたします。

 1枚おめくりをいただきまして、去る1月9日に概算決定いたしました26年度の補正予算でございます。

 歳出の欄をご覧いただきますが、この補正予算は、昨年決定いたしました経済対策を実施するための補正予算でございます。経済対策の中身については後ほどご説明いたしますが、大まかに申し上げまして、そこの歳出で数字が書いてあります1、2、3、それから7と、これらを合計いたしました3兆5,000億円の経済対策。それらに加えまして、地方交付税、その他経費、あるいは既定経費、国債費を中心とした減額をいたした結果、補正規模としては、一番下の欄にございます3兆1,180億円となってございます。

 歳入のほうをご覧いただきますと、税収については、所得税あるいは法人税等の上振れ等によりまして1兆7,000億円余の補正増となってございます。これらに前年度剰余金の受け入れ等々ございまして、公債金につきましては、当初予算から7,500億円下回る減額をしてございます。

 この結果ということになりますが、補正予算は国会を通りますと、できるだけ早期の執行に努めてまいりますが、一部どうしても翌年度へ繰り越される部分が出てまいります。この補正予算による27年度のPBへの影響は、国・地方合わせてですが、1兆2,000億円程度と見込んでおります。

 続いて、次のページをご覧いただきますが、補正に含まれております経済対策の中身でございます。

 1つ目の項目は、現下の経済情勢を踏まえました生活者・事業者への支援ということで、1兆2,000億円余を計上してございます。内訳としては、例えば、1の(1)にございますように、地域住民生活等緊急支援のための交付金2,500億円、こういったものを計上してございます。

 次の3ページをあけていただきますと、2つ目の大きな項目としては、地方が直面する構造的課題等への実効ある取組を通じた地方の活性化ということでございます。内訳としては、まち・ひと・しごとの創生に向けた「総合戦略」の先行的実施ということで、事項としては、ちょっと字が小さいですが、そこの一番上の丸にございます、同じく緊急支援のための交付金地方創生先行型1,700億円などの事業を計上してございます。

 さらに次のページ、4ページをあけていただきますと、3つ目の項目として、災害復旧・復興加速化などの災害・危機等への対応ということでございます。

 一番大きな項目は、最後の5ページにございます復興の加速化ということで、決算剰余金等を活用いたしました震災復興特別会計への繰入、あるいは福島県におきます中間貯蔵施設、原子力災害からの復興、これらの交付金などを計上してございます。

 続いて、27年度当初予算についてご説明いたします。資料の4をご覧ください。

 1枚おめくりいただきますと、この予算のポイントということでございます。先ほど宮下副大臣からもございましたように、この予算は経済再生と財政再建の両立を実現する予算ということでございます。

 各々のことについては後ほどご説明をいたしますが、まず財政健全化目標という点から申し上げますと、先ほどの補正予算によってPBは1兆2,000億円程度悪化要因が繰り越されたと申し上げましたが、それも飲み込んだ上で、2015年度の国・地方PB赤字の対GDP比半減目標の達成を見込んでおります。

 国債発行額は36.9兆円となりまして、前年度から4兆円超の大幅な減額となっております。21年度以来の30兆円台となってございます。

 内訳をご説明いたします。2ページをあけていただきますが、税収につきましては54兆5,000億円余ということで、4兆5,000億円の増収を見込んでおります。この4兆5,000億円の中には所得税、あるいは法人税の補正による上振れ等も反映したものもございますけれども、消費税率の8%への引上げ、これは今年度から引き上げておりますが、消費税の納税は各企業の決算期を反映して、来年度もこの増収の効果が続いてまいります。その税収増1兆6,860億円も含んだ上での4兆5,000億円の税収増となってございます。

 これらにその他収入を加えまして、この結果、公債金につきましては、そこにございますように、先ほど申し上げた36兆8,000億円余ということで、4兆円を超える大幅な削減を実施してございます。

 それから、歳出につきましては、そこの基礎的財政収支対象経費と、内訳はこれからご説明いたしますけれども、3,000億円弱の増となります72兆8,900億円となってございます。この3,000億円弱の増加の要因ですが、社会保障関係費は約1兆円の増加、それに対しまして地方交付税交付金が6,000億円の減額となっております。

 4ページをご覧いただきますと、公債依存度、あるいは国債発行額につきまして、かなりの改善を行うことができたと考えております。

 次のページ、5ページをあけていただきます。5ページは粗い試算として、補正予算及びこの27年度当初予算が27年度のPBに与える影響について試算をしたものでございます。

 左寄りの欄の内閣府中長期試算という部分がございますが、これは昨年の夏、内閣府が一定の前提のもとで27年度のPBを試算したものでございます。歳入、歳出やりまして、一番下の欄、16.1兆円のPBの赤字ということになってございますが、これは2015年度の国・地方PB赤字の対GDP比半減目標、すなわちGDP比3.3を上回る削減ということになってございます。この当時の試算では、半減目標に対しまして、約7,000億円の超過達成を見込んでおりました。ただし、この内閣府試算は夏の段階の試算でございますので、26年度においては補正予算を計上するということを予定してございませんでした。したがいまして、それらを合わせた効果ということで、今回は試算いたしてございます。

 まず税収でございますが、夏の段階では55兆6,000億円を見込んでおりましたけれども、それを1.1兆円下回る結果となってございます。主な要因は消費税率の引上げの延期、これが1.5兆円ということでございます。他方、法人税、所得税等の税収増の部分で0.4兆円、差し引き1.1兆円のマイナスになってございます。

 それから、その他収入、先ほどございましたけれども、内訳で、この歳入増に貢献したものということで3つ書いてございますが、株式の売却益、あるいは基金の返納、それから日銀納付金の増等で0.6兆円の増加となってございます。

 それから、歳出面におきましては、そこにございますように、消費税率の引上げ延期に伴いまして、社会保障の充実。これは消費税の増収の一定割合を充実に充てるということとされておりましたけれども、その増収幅が減ったことなどによりまして、社会保障の歳出増を縮減しております。こうした効果等々含めまして、国・地方で1.0兆円の収支改善効果となっておりまして、これらを通算いたしますと、27年度の予算が、0.5兆円の収支改善を見込めるということでございます。

 これら全て合わせますと、一番下の二重の赤い四角でございますが、27年度当初予算の効果は0.5兆円の改善、それから夏の段階で0.7兆円の超過達成を見込んでおりました。他方、先ほどご説明いたしました補正予算で1.2兆円の収支悪化を見込んでおりますので、目標が達成されていると。辛うじて達成していると言っていいと思いますが、そういった状況でございます。

 次に、歳出の内訳でございます。

 6ページの円グラフをご覧いただきますと、社会保障が全歳出の3分の1を占めるといった形になってございます。

 内訳さらに詳しくご覧いただきますが、7ページをご覧いただきます。

 社会保障関係費は1兆円の増と申し上げましたが、内訳としては、消費税の増収分を用いました社会保障充実、あるいは年金の物価スライドが中心になってまいりますが、公経済負担の増で6,000億円弱となっております。残りの部分は4,000億円強、これが自然増に対する査定、あるいは自然増の計数の見直し等によりまして達成されているということになろうと思います。

 それから、ちょっとマイナスが並びますが、科学技術振興費については特殊要因がございます。難病の患者さんの支援のための新しい法律が今月から施行されておりますが、それ以前は難病研究へのご協力をいただくという意味で、科学技術振興費として、その患者さんの負担軽減を計上しておりましたが、新法施行後は社会保障関係費と位置づけましたので、その効果を除きますと、科学技術振興費についてはプラスになっております。

 それから、地方交付税交付金につきましては、これはマイナスになっておりますが、地方の税収の伸びを反映したものとなります。

 それから、防衛費が2.0%と、やや高めの増になっておりますが、実際、中期防の対象経費につきましては、昨年と同じ0.8%の微増でございます。2%となりましたのは、米軍再編関係費等の増によるものでございます。

 それからODAはマイナス、微減となっておりますが、その他補正予算等々を加味いたしますと、全体としては対前年度で増額という形になってございます。

 次に、さらに内訳、メリハリの部分だけご説明いたしますが、8ページをあけていただきますが、地方創生に対応する政策経費ということで、当初予算においては0.7兆円を措置しております。補正と合わせますと1兆円という規模になります。

 それから、地方の単独事業等々も含めた地方の財政計画の部分で歳出に1兆円の枠を計上しております。

 さらに地方創生、それから人口減少への対応ということであれば、次にあります社会保障の中の消費税増収分を活用いたしました子ども・子育ての支援、こういったものもカウントできると思われます。

 社会保障については後ほど詳しく申し上げることとして、公共事業につきましては、前年度同水準を維持しておりますが、中身としては、事前防災・減災、あるいはインフラの修繕・更新といった老朽化対策に配分をしております。

 それから、復興につきましては、復興特会の歳出規模として前年度並みの水準を確保し、集中復興期間、来年度まででありますが、その事業実施に対して十分な財源を準備したところであります。

 9ページには、その他の分野についてもポイントをまとめておりますので、ご参照いただければと存じます。

 10ページにつきましては、先ほどの説明と重なります、地方創生の部分の内訳でございます。

 11ページ以降は社会保障でございますが、社会保障については自然増の部分、それから消費税の増収を活用した充実の部分と両方分かれてまいりますけれども、11ページの、この右下の帯グラフをご覧いただきますと、27年度におきましては、消費税率の8%への増収分も含めて8.2兆円を予定しております。そのうち社会保障の充実に充てる部分が赤い部分の1.35兆円ということになります。これらは消費税率10%分フルに税収が入ったときの配分を比例的に按分したものということになります。

 充実の内訳、計数表は12ページにありますけれども、ちょっとわかりにくいものですから、次の13ページ以降をご覧いただきます。消費税率8%への引上げによる社会保障充実で1.36兆円の充実策を図りますが、まず子ども・子育てについては、27年度に実施する予定でありました、この子ども・子育ての関係の充実策、予定したものは満額措置することといたしてございます。

 それから、医療・介護におきましては、特に介護分野での人材確保、処遇改善、あるいは日常対策等々といった分野について必要な予算を措置してございます。

 それから、14ページ、ご覧いただきますが、国民健康保険の保険料軽減、あるいは難病の患者さんの支援、それから国保への財政支援強化といったものについても手当てをしたところでございます。

 他方で、消費税の引上げが延期されたことに伴いまして、今回見送ったものが、この点線で囲った部分でございます。

 1つは、介護保険の低所得者の保険料、1号保険料、高齢者の方が支払う保険料です。これは全部送ったわけではなくて、後ほど申し上げます低所得者の方の一部については実施しておりますが、それ以外の部分については10%引上げ時に送っております。

 それから、年金につきまして、低所得の方に対する給付金の支給、あるいは受給資格の短縮、これらに必要な経費につきましては、これも消費税率10%への引上げ時に実施することとしてございます。

 15ページの復興につきましては、27年度までに予定される事業費につきましては、それに対する財源を今回の補正予算、あるいは当初予算において手当てをしたところでございます。

 それから、18ページまで飛んでいただきます。社会保障の中での論点の1つにあります介護報酬改定ということでございますが、1つは、そこに左側の帯グラフにございますように、プラスになったものとしては、月額1万2,000円の介護職員の方々の処遇改善、あるいはさらに良好なサービスを提供される事業所ですとか、小規模な事業所への配慮ということで、さらに0.56%のプラス改定。これらに対して収支状況等を反映いたしました適正化としてマイナス4.48%、差引2.27%の改定を行うこととしております。

 黄色いところにありますように、一部では、一律でこれだけのカットをするという受け止めもあるようでございますが、実際は各サービスの収支状況、施設の規模、地域の状況等に応じて、めりはりをつけた配分をされるということでございます。

 これらの措置に加えて、さらに右側にございますように、約1,000億円弱ございますが、例えば地域に密着した小規模な介護施設の整備等のために700億円余の基金を整備する、あるいは認知症対策の充実のために236億円を別途手当てをしておるところでございます。

 これらを合わせた効果を19ページにまとめて書いてございますが、まずは保険料への影響でありますが、全国平均で5,000円程度の保険料と、1号保険料でございます。放置しておけば5,800円まで上昇する見込みだったものを5,550円程度まで圧縮ができてございます。特に所得の低い方、これらに対しては5割軽減という措置がとられておりますが、5,000円が2,500円まで軽減されておりますけれども、これが2,900円まで上昇すると見込まれていたところを、先ほどの消費税を活用した負担軽減も合わせて2,500円を据え置くことが可能になってございます。

 さらに介護サービスでありますので、1割負担がございますのは、利用者サービスの軽減、これらも可能になってございます。

 その上で、介護職員の給料につきましては、月1万2,000円の改善、それから介護事業者の方にとっても、安定的経営の確保に必要な利益率。先ほどの率を下敷きにしますと、平均4%程度の利益率を確保されているということ、さらに基金による整備、認知症対策、こういった対策をあわせて行うこととしてございます。

 それから20ページでございますが、これも建議でご指摘いただいた部分でもありますけれども、協会けんぽに対する国庫補助の安定化と財政特例措置ということで、補助率を当分の間16.4%に定めますが、法定準備金を超えて協会けんぽ内にたまっているお金については、国庫補助に由来する部分については27年度の補助から減額する措置をとってございます。

 それから、生活保護につきましても、こちらにある見直しを行うということでございます。

 その他、建議への反映という意味でありますと、地方交付税につきましては、別枠加算について減額を行ったところでございます。

 それから、義務教育費国庫負担金、あるいは大学改革という点では、個別の教育課題については定数の配置改善をしつつ、全体としては既存定員の合理化・縮減を行ってございます。

 大学においても、運営費交付金について、学長の裁量で学内資源の再配分を行う仕組みを導入したところでございます。

 基金についても、そちらにございますように、新たな基金の創設・積み増しについては厳に抑制をするということで、27年度予算については、基金について大幅な減額を行っております。

 それから、基金の余剰資金については国庫返納を検討していただいて、先ほどございましたように、2,639億円の返納を予定してございまして、うち2,000億円がPBの改善に寄与してございます。

 そのほか、建議に対する予算措置の反映状況につきましては、資料6ページにまとめてございますので、ご参照いただければと思います。

 事務方の説明は以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 それでは、早速、ただいまの説明に関して、ご質問等ございましたら、よろしくお願いします。なお、本日から議論に加わっていただく新しい委員の方もいらっしゃいますが、ご発言の際には、恐縮ですが、名札をこのように立てていただけると幸いです。よろしくお願いいたします。

 では、富田委員、お願いします。

〔 富田委員 〕 ご説明ありがとうございました。

 私は5ページのところで、まず歳出の重点化・効率化がきれいにできているなと思ったところを申し上げます。消費税率引上げが見送られたので1兆5,000億円税収見込みが減ったのですが、27年度予算の議論のスタート台としてPB対象経費の歳出が74兆4,000億円と議論をしてきたわけですが、そこから同じ金額、1.5兆円削減されたということで、きれいと言ったら表現が悪いですが、大変なご努力の中で歳出効率化ができたのではないかと思っております。

 それを認めた上で、感じた点を申し上げたいのですが、3点あります。1つは、東日本大震災に係るところで、16ページの一番下に書いてあるのですが、復興債償還財源として、財政投融資特別会計積立金から5,500億円を繰り入れるというのがございます。それから2番目に、10ページのところで、地方創生の関係で、地方財政計画に1兆円のひと・しごと創生事業を計上したというのがあるのですが、その財源として、地方公共団体金融機構のやはり積立金。これも先ほどの財投積立金と同じで金利変動準備金ですが、それを3,000億円繰り入れるというのが資料に出ておりました。加えて、もう一点は、先ほどご説明の5ページのところで、日本銀行の量的金融緩和に伴う納付金の増加とございます。

 これらの3経費は、ともに密接に絡んでいると思うのです。つまり日本銀行の納付金も、将来の金利変動に備えて引当金として引き当てる必要がある可能性も否定できないと思うのです。これらの3つのお金を合計すると1兆円ほどになるのですが、我々は建議でも、我が国の財政は金利上昇に非常に脆弱だということを述べておりますし、国債発行においても借換えリスク、つまり金利変動に備えるという観点から、国債の発行年限を長期化しております。そのような中にあるのですが、この3つの項目は、少しベクトルが違った方向にある気がいたしますが、その対応がどうなのかということが1つ懸念です。

 もう一つ、これらの統計処理と申しますか、PBとの関係において、国連のSNA基準で見てどのように分類されるのか。また、先ほどご説明いただいた国・地方等のPBではどのような形で計上されるのかといった点についても知りたいと思います。これは今夏に向けて中期計画の検討を行う上でのスタート台にもなると思いますので、ご説明いただければと思います。

〔 吉川分科会長 〕 富田委員、本格的な議論を始める前の事務局への宿題ということでもよろしいですか。

〔 富田委員 〕 はい。結構です。

〔 吉川分科会長 〕 では、続きまして、老川委員、末澤委員。

〔 老川委員 〕 ありがとうございます。

 消費税率の10%への引上げが先送りということで非常に心配はされたわけですが、とりあえずは2015年度の国・地方PB赤字の対GDP比半減と、このような目標は達成できたということ。それから、税収の上振れもあって、27年度の国債発行額が前年度より4兆円削減できたということは大変心強いと思うのですが、そこで少し質問と意見を申し上げます。まず、税収の上振れ分がどのぐらいあって、そのうちのどのぐらいが国債の減額に回っているのでしょうか。

〔 吉川分科会長 〕 では、事務局、お願いいたします。

〔 新川総務課長 〕 資料の2ページでございますが、数字の上をご覧いただくと、50兆円の税収が54.5兆円になりまして、公債金が4兆3,800億円減っていますので、似た数字になっておりますが、あくまでこれは歳出の削減を厳しく行った結果だと思います。

 税収の上振れ分をどのように見込んだかということになりますと、税収自身は、先ほどの補正予算でご説明いたしましたように、26年度当初は50兆円という予算でございましたが、それらが1.7兆円上振れをしたということになります。そこから見ると、さらに2.8兆円、当初予算において増えることを想定しておりますが、この中で消費税に相当する部分が、1.7兆円含まれていたわけでございます。50兆円の税収が51.7兆円に補正されて、それがまた、さらに27年度、そこから54.5兆円ということになったということで、この中には消費税率の引上げに伴う1兆6,000億円が含まれておりますので、何をもって上振れととるかということはありますが、26年の補正後予算から27年度の当初予算ということで、その消費税による平年度化を除いた、例えば所得税とか法人税の増ということになりますと、内訳を申し上げますと、所得税が0.6兆円、法人税が0.5兆円という形になってまいります。それがそのまま公債金の減額と似た数字になっていますが、その前提としては、税外収入を一生懸命確保したことに加えて、歳出予算の厳しい抑制を行った結果、それら3つの努力の差引きにおいて4兆円の減額になったということになろうと思います。

〔 老川委員 〕 ありがとうございました。

 質問した理由は、自然増があると、しばしば、その分は別の歳出に回っていくと、このような政治レベルでの圧力が非常に強くなると思うわけで、その辺りをよほど気をつけていかなければいけないのではないかという問題意識で申し上げているわけなのです。

 というのは、今回はとりあえず2015年度の国・地方PB赤字の対GDP比半減目標の達成はできましたが、問題はそれが最終目標ではないわけで、当然のことながら、2020年度の国・地方のPB黒字化というところ。あるいは、さらに本来であれば公債費そのものを削減していくというところに問題があるわけで、景気を成長させて税収を増やす。増えた分を、そのまままた歳出を緩めてということになってしまうと大変なことになってしまうのではないか。特に近々予想されているギリシャの問題等国際経済的に非常に深刻な状況になってきていると思いますので、その辺りをいろいろ考えると、今後、成長に伴う、成長してくれればの話ですが、してくれなければ困りますが、そのようなものを国債の削減のほうに極力回すように心がけていく必要があるのではないかと思うわけです。

 同時にまた、削減の努力というものも、今回いろいろ建議がある程度反映されているということで心強いわけですが、不十分なところで終わっているものもかなりあると思います。そのような意味で、社会保障費の見直しはもちろんのことでありますが、それだけではなくて、せっかくのお金が有効に使われていないという問題は、ほかにもいろいろあると思うのですね。

 例えば復興費です。これは直接、国の税金というよりは、東電の賠償金ということなのでしょうが、客観的に見れば、もう避難生活も離れて、自立して、家を建て、あるいは家を借り、職業についていける状態にある方も、自立すると賠償金が打ち切られてしまうということで、そのまま何もしないで避難所に生活していたほうが月々お金が入ってくるという状況で、非常に生産的でないお金の使われ方がされていることは、現地の方々はよくご存じのはずです。これは民法の解釈上、損害のないところに賠償はないと、このような理屈からすると、自立すると賠償金は払えなくなると、これは当然の論理ではあるのですが、そうではなくて、やはり政策的に自立したほうが得であるというインセンティブを与える形で自立を促していく。そのようなことをしないと、いつまでたっても、復興のための予算が重なっていってしまうと思うので、そのようなことも含めて、いろいろな見直しをやっていっていただきたいなというのが私の意見であります。

〔 吉川分科会長 〕 どうも。

 では、末澤委員、岡本委員。

〔 末澤委員 〕 まず第1点、少し細かい質問でございます。これは回答は次回で結構でございます。

 本日、特に説明なかったのですが、15年度につきましては、消費税率引上げについては延期になったわけなのですが、地方交付税の法定率が各5税個別で少し修正がされているということでございまして、なぜこのタイミングでそのような変更があったのかということを、次回で結構ですので、お伺いしたいと思います。

 あと第2点目、今回の全体の予算についての私の意見でございますが、私も財政アナリストという立場で、昨年12月の初旬にいろいろ予想を出しました。それと比べますと、歳出のカットは相当予想よりも進んだなと。社会保障も、今回、自然増が当初は8,000億円以上と見込まれていましたが、4,000億円程度に抑え込みましたし、地方交付税も別枠加算は約4,000億円カットです。

 税収も、今回54.5兆円ですが、今年度の補正予算の上振れ分、その発射台を考えると、もう少し高めでも本来は算定できたのではないかと。また国債費も前提1.8%ということで、足元では、長期金利も一時0.195%まで下がったりしましたので、このあたりはバッファができて、2015年度につきましては、今後の動向によりますが、国・地方のPB赤字対GDP比半減目標はほぼ達成が可能な水準になったのだろうと思います。

 ただ一方で、2020年度ということで考えますと、今回、交付税等が抑制されたのも、1つは、やはり昨年度、今年度の税収は上振れて、その部分が出口ベースの交付税等の維持に、これは1,000億円の減でございますが、つながった部分もありまして、今後、世界経済が20年度に向けてどうなるかということと、あと、やはり消費税率引上げが1年半先送りされたということで、その次の歳入歳出の改革、この動向が相当やはり不透明になったのは否めないということですので、今年の夏に向けた、2020年度の国・地方PB黒字化目標に向けた行程表が実効性があるとマーケットにも受けとめられるようなものにならないと、長期的には相当不安が残るものになると考えております。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、岡本委員。

〔 岡本委員 〕 ありがとうございます。

 2015年の国・地方PB赤字の対GDP比半減目標が見通せるということは、この会の建議を反映してということですので、大変よかったなと思います。

 ただ、老川委員や末澤委員も言われているように、2020年度はどうなるのかと、これは本当に大変な問題でして、私も経済同友会という立場から、ここに出席させてもらっていますけれども、一昨日、記者発表をしました。その中身は、内閣府での試算は名目成長率3%、実質成長率2%と、これをやっていって、CPI2%アップ。これで見ても、2020年は対GDP比マイナス1.8%であり、11兆円の赤字であると。じゃあ、これを黒字にするためにはどうしたらいいかということになりますと、やはり三位一体といいますか、歳出の削減と歳入を拡大しなければならないと。その場合に、社会保障を毎年幾ら減らしたらいいかというと、5,000億円減らさなければならない。

 消費税については、どのくらい上げるかというと、これは2024年にかけて、17%まで上げると。これらをやることによって初めて、2020年度は少しPBがプラスになると。計算としてはいろいろありますが、逆に言うと、5,000億円の社会保障を削減して、消費税率も上げて、GDPの3%成長が維持できるのかということになると、これはまた大変なのですが、事実は、このPBがプラスになるということ、あるいはゼロになるということは、そのような中身なのだということであります。このような具体的な数字をもって見ると、いかに大変なのかというのがわかるわけであって、この夏に新たな財政計画が出るということですが、この中身が骨抜きになったらいけないわけであって、このような数値的なもの、具体的なものを並べていって、これをマスコミ的にもPRしてもらって、国民的な議論というか、ベースができないと、つまりみんなが苦い薬を飲むという気持ちにならないと、この新たな財政計画もまともな議論にはならないと思います。この場でも勉強して、そのようなことをまとめて発表したわけなのですが、もっともっと、これがキャンペーンとして大きく世間に取り上げられて、それが夏の計画の中に反映されたらいいなと思っております。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございます。

 では、角委員、土居委員、お願いします。

〔 角委員 〕 鉄道会社ですので、年が明けますと、沿線の自治体の市長さんを回りまして、お話をお聞きします。その中でお聞きした話を、二、三、紹介させていただきます。

 今、岡本委員もおっしゃったように、今年の6月の骨太の方針のときかわかりませんが、2020年度の国・地方PB黒字化に向けて、今、消費税率10%までは一応決まったわけですが、それを先ほどおっしゃったように、15%とか17%という話は、現時点ではできないわけですから、特に社会保障を中心とした思い切った歳出カットを計画しないと、その整合性がとてもとれないと思います。

 生活保護につきましては、平成24年の5月に政令指定都市の市長会、あるいは近畿でいいますと近畿市長会が生活保護制度の見直しについての要請を厚労省に出しておられまして、これは2024年の5月なのですが、これ以降も継続して要請を行っていると。

 その内容の一番わかりやすいのは、やはり自己負担を入れないとどうしようもないということをおっしゃっています。それと、いわゆるお医者さんの中にも、かなり悪質な先生もおられますので、そのようなことに対する首長、基礎自治体として調査権を持たせてほしいということまで書いておられます。

 高槻市で国からの税金を除きますと、大体1,000億円の税収があるのですが、そのうちの100億円は生活保護費で消えてしまう。もともと高槻市は1,000人に対して十二、三人ぐらいの生活保護だったのですが、もう来年ぐらいになると十七、八人まで5割ふえてしまう。それはなぜかというと、民主党政権のときに政府のほうから、仕事をしているかしていないか、これで判断してくださいということが来たと。ですから、仕事をしていないということが証明できれば生活保護になる。働けるか働けないかではない。それはもちろんリーマン・ショックの後の不況の時期ということもあったと思いますので。その時代は終わったわけですから、もう一度、前の働けるか働けないかによって生活保護の対象にするかどうかということに戻していただきたいと強く思うところであります。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

〔 土居委員 〕 ご説明、どうもありがとうございました。来年度予算については、既に各委員からもお話ありましたように、2015年度の国・地方PB赤字の対GDP比半減目標がひとまず達成できそうであるということ、その見通しができたということは大変重要だと思います。

 2020年までのことを考えると、2015年度の国・地方PB赤字の対GDP比半減目標をまずクリアすることができず、初手からつまずいて、やる気が失せてしまっては、我が国の財政も大変ですので、ひとまずクリアできそうであるということは非常に大事だと思います。もちろん、油断なく決算段階においても達成できるという形で運営をしていただきたいと思います。

 それから、今後、2020年に向けてということで、この夏までに議論があるということは各委員のご指摘のとおりでありまして、私もその点については、岡本委員もご指摘ありましたように、社会保障の給付についての見直しを重点的にやっていく必要があると思います。

 特に社会保障の給付を削減すると言うと、すぐに質が低下するとかサービスが減ると勘違いされる方もいらっしゃるのですが、そこは丁寧に、給付を抑制しても医療や介護の質が担保できるようなやり方が、まだまだたくさん残されていると。これまでも財政制度等分科会でも、いろいろ建議に盛り込まれた内容も、その部分を含んでいるわけでありますけれども、そのようなところを国民にも広く浸透して、理解を得るように努力をする必要があると思います。

 それから、もう一つは、来年度予算との関連で、資料4の9ページの地方財政のところで書かれているところでありますけれども、「地方の一般財源総額を適切に確保」という文言であります。これは中期財政計画などでも記されていることですので、それに沿って来年度予算も編成されたということは承知しております。ただ、今後の枠組みということで、2020年までを見据えると、この地方一般財源総額の確保ということにとらわれ続けていていいのかと私は思うわけであります。ややもすすると、地方一般財源総額の確保ということにかこつけて、地方での無駄な歳出の温存が助長されてはいないかを私は大変懸念するわけでありまして、国の歳出削減も大事ですが、地方自治体もしっかり協力して削減をしていただかなければ、国と地方あわせてのPB黒字化が達成できないということになりますので、もちろん地方交付税自体は国と地方の財政移転ですから、それを減らすか増やすかということでプライマリーバランスに直接的には影響はないものの、ややもすると地方交付税が温存されると、地方の歳出で無駄の削減が手ぬるくなるというようなことになってはいけませんので、そこはしっかりと2020年までの取組の中でも明記していく必要があると思います。

〔 吉川分科会長 〕 田近委員、お願いします。

〔 田近委員 〕 今後、社会保障財源としての消費税の使い道について、財審でもさらに議論していくべきだということで、1点発言させていただきます。

 消費税率が上がると、一定部分が社会保障の充実とされている、それをどう扱うかということで、14ページをお開きいただきたい。その中に消費税率が引き上げられたときの充実策ということで、消費税率10%引上げ時に点線の枠があって、「介護保険の低所得者の保険料を軽減」とあります。例としてお話しするのですが、これは介護保険料が上がっていくので、1号、65歳以上の方の低所得者の保険料を、上がった消費税を財源に下げてあげましょうということなのですが、それ自身は必要かもしれませんが、問題は、介護保険は給付の半分を公費で対応するということが決まっているわけですよね。そのようなフレームワーク自身の見直しなしに、実態的に公費をつける。本来は、この議論をするならば、その50%の公費部分をどうするんだと。低所得者の人を救済しなければいけないので、55部分を例えば52%にするのかしないのか、そのような議論をきっちりしないで、つまり介護保険自身の財政のフレームワークに対する議論を十分しないままに、実態的に給付を増やして、公費を増やしていく、このような形の公費の使い方のために消費税率が上がったのではないと。だから、この例でいえば、財審としては、介護保険自身の中で公費をどう配分していくか、そのようなきちんとした議論をした上で、消費税増収分をどうするかということで、最終的に申し上げたいのは、消費税が上がったときの機能充実ということで、それではいいですよでは済まないと。それぞれについて機能充実ということでやるならば、どうしてそれが新たな公費で賄わなきゃならないかということを財審で1つずつ、今年は議論していただきたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 中空委員。

〔 中空委員 〕 ありがとうございます。

 私は格付機関の人ではないのですが、もし私が格付機関だったらと考えて、この予算のことを見てみると、今、ムーディーズが去年、日本の国債の格付を下げた後、日本国債の格下げって影響ないという報道が多いのですが、じわじわと金融マーケットでは影響が出てきています。ですので、この予算をもって格付がさらに下がるかどうかというのをちょっと考えてみると、よくなりますよ、公債依存度も下がりますよと見ているので、目先は格付が下がるような要素にならないでしょうねと思っています。そうすると、それはいいことのように考えられるのですが、もし格付の人たちが次に言うとしたら、「このままの状況が継続するかどうかについては疑義が残る」と書くと思うのですね。それは、例えば、平成27年度の経済見通しが、やはり本当にできるかどうかよくわからないものであったりとか、「メリハリある歳出の削減」と言っているのですが、本当、誰が見てもわかるようなメリハリになっているかというと、少し難しいかなというところもありまして、これから先、2020年度の国・地方PB黒字化まで本当に行けるのかどうかという確信が、これではまだ持てませんねと言われかねないと考えていて、そのような意味では、決してこれで格付が下がるとは思いませんが、この財審で、今年は格付が下がらないだろうと確信を持てるぐらいにいきたいなと考えます。

 あともう一点ですね。そうはいっても38兆円ぐらいの新規国債が出るわけです。その割には、今の日本国債のマーケットは、ほぼ死んでいる状態に入ってきまして、例えば5年のところでもマイナス金利に入ってくる。これ7年もそうではないか。10年だって、もう0.5%もなくなってきていて、本当に金利がない状態です。そうなってくると、38兆円の新規国債は、発行しますと言っても発行できるのかとか、どう償還するのかという話も割と背に腹はかえられないところまで来ている問題になっていると考えています。ですので、足元の国債のマーケットの状態がどれだけひどいかということも、ぜひ財審の委員の皆様は考慮していただければうれしいなと思います。

〔 吉川分科会長 〕 いかがでしょうか。大体予定した時刻になりました。よろしいですか。

 では、どうもありがとうございました。

 これから、たった今、ご発言のあった20年に向けての財政の道筋について大いに議論するということになります。本日は、以上で議論は終了ということにさせていただきます。次回の日程につきましては、改めて事務局よりご連絡させていただきます。

 本日はご多用中のところ、どうもありがとうございました。

午後 0時44分閉会

 

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