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財政制度分科会(平成26年11月7日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録
平成26年11月7日
財政制度等審議会


 財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

平成26年11月7日(金)15:02〜17:38
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

1.開会

2.地方財政について

3.エネルギー・環境、中小企業について  

4.外交関係予算について

5.閉会

配付資料
○ 資料1      地方財政
○ 資料2      エネルギー・環境、中小企業
○ 資料3      外交関係予算    

出席者

分科会長 吉川 洋           

宮下副大臣
御法川副大臣
大家大臣政務官
竹谷大臣政務官
岡本次長
太田次長
西田次長
新川総務課長
寺岡調査課長
山本司計課長
窪田法規課長
堀内給与共済課長
片岡大臣官房参事官
阪田主計官
余島主計官
白石主計官
冨安主計官
青木主計官
井藤主計官
宇波主計官
彦谷主計官
高村主計官
小野主計官
井口主計官
中山主計企画官
内野主計企画官

分科会長代理     田近 栄治  
 委員

井堀 利宏
倉重 篤郎
黒川 行治
古賀 伸明
角   和夫
竹中 ナミ
田中 弥生
土居 丈朗
富田 俊基
鳥原 光憲

 臨時委員

板垣 信幸
遠藤 典子
老川 祥一
大宮 英明
葛西 敬之
小林 毅
佐藤 主光
末澤 豪謙
十河 ひろ美
中空 麻奈
永易 克典
増田 寛也


  

午後 3時02分開会

〔 吉川分科会長 〕 それでは、定刻になりましたので、今から財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。皆様方にはご多用中のところ、ご出席いただきましてありがとうございます。

 本日は、「地方財政」、「エネルギー・環境、中小企業」及び「外交関係予算」について、事務局よりそれぞれ10分から15分程度で説明していただくこととしております。2時間35分の長丁場ですので、「地方財政」の質疑が終わったところで休憩を取りたいと思います。

 なお、赤井委員におかれましては、本日ご欠席のため、意見書を提出していただいており、皆様方のお手元に配付されていると思います。

 では、「地方財政」に移りたいと思います。青木主計官より説明をお願いいたします。

〔 青木主計官 〕 お手元の資料1の2ページをご覧ください。総論からご説明します。

 国の一般会計全体の中で、地方交付税交付金は16兆円なのですが、社会保障、国債費に次いで3番目に大きな金額です。この交付税の金額がどうやって決まってくるかということでございますが、2ページの右側の表をご覧ください。毎年、地方財政計画というものを立てます。これは地方全体、マクロの地方の歳出と歳入を見積もります。歳出については、国が全自治体に財源を保障すべき範囲で歳出を見積もって、歳出と歳入の差額を最後交付税で埋めるという形になっています。したがいまして、地方財政計画の歳出をいかに抑制していくのかということが重要になってまいります。

 3ページをご覧ください。同じ絵が描いてありますが、もう少し詳しくなっていまして、この赤い網かけのところにありますような、歳出については一部歳出特別枠ということでリーマン・ショックの後に特例措置として景気対策で盛り込んでいるものがございます。実際、歳出・歳入ギャップというのは、右側の歳入の方で見ますと、大体20兆円ぐらいあるのですが、ここの20兆円を、まず地方交付税の法定率分という、上の方の囲みの※のところに書いてあるのですが、所得税をはじめ国税の5税の一定割合、これは税金が当たるということなのですが、こちらの方でまず埋めまして、それでも足りない最後の5.9兆円の歳出・歳入ギャップを、基本は国と地方が折半をして、国は赤字国債を発行して交付税を特例加算で積みます。それから、地方は臨時財政対策債という赤字地方債を発行するということになるのですが、実際は、今は別枠加算ということで、これもリーマン・ショック後、国がこのようなものとは別枠で、全額負担でやっている部分もあるわけでございます。

 続きまして、4ページ、国と地方の財政状況でございます。PBで見ますと、地方は平成17年度以降も10年ほど黒字が続いております。一方で、国は、特にリーマン・ショックの後、赤字幅が拡大し、今それを一所懸命減らしていこうというところでございます。

 それから、さらにその下にありますが、PBだけではなくて、利払費も含めたところでの財政収支で見ても、足元平成26年度の地方財政計画ベースで見ると、地方は黒字になっております。したがって、地方は借金残高でいいますと、絶対値自体が減りつつある状況にあるわけです。

 5ページは、この30年間の国と地方の長期債務の残高を10年区切りでみたものでございます。国・地方共に最初の20年間はちょうど2倍借金が増えていたわけです。ところが、この10年を見ますと、国は300兆円借金が増加している一方で、地方はほぼ横ばい、むしろ最近は少し減りつつあります。これは、後ほどご説明しますが、リーマン・ショック以降、国・地方ともに税収が減少する中で、本来は折半で地方が借金する分も含めて、別枠加算という形で国が財政移転をしてきた結果ではないかと考えております。

 続きまして、7ページをご覧ください。ここから27年度の予算編成の大きな課題ということで、3つほど取り上げます。最初の7ページには、いわゆる骨太方針、夏に閣議決定されました「基本方針2014」でございます。リーマン・ショック後の危機対応モードから平時モードへの切替えという話、それから、歳入面で税源の偏在性が小さい税体系を構築するという話、それから、地方財政計画の歳出について重点化・効率化を図るべしということが書かれてございます。

 8ページ、9ページをご覧ください。まず、危機対応モードから平時モードへの切替えの話でございます。8ページにありますように、別枠加算ということで、地方が借金すべきものを国が余計に借金しているという部分ですが、こちらについてはこのような形で推移してきております。昨年も当審議会でご議論いただきまして、速やかに解消すべきだという建議をいただいています。その結果もありまして、26年度においては4,000億円ほど削減して、今0.6兆円残っているわけでございますが、地方税収を見ていただきますと、リーマン・ショックの直前、最近では最も税収がよかった時期ですが、大体地方税収というのは40兆円前後ございました。これが足元26年では37.8兆円まで回復してきておりますが、来年夏の時点での仮試算ではありますが、ほぼリーマン・ショック前と同水準まで回復することが期待されていますので、別枠加算は即時に廃止する必要があるのではないかということでございます。

 それから、9ページでございますが、こちらの方は歳出特別枠で、このような形で推移した結果、上にありますように、地方の一般財源総額をしっかり確保してきているわけでございますが、足元の経済再生の進展を踏まえれば、残しておく合理的な理由はないのではないかということでございます。

 続きまして、10ページでございます。10ページから先は、地方の税収が東京をはじめ都市部に集中していて、財政力の格差が非常に大きいという話でございます。

 11ページは、一人当たりの税収を、全国平均を100にした場合に、各都道府県でそれぞれどれぐらいあるかというものでございます。全体でも最高と最低で、青いところですが、2.5倍も差があるわけですが、特に主な要因になりますのは、こちらの緑色のところの地方法人二税。地方法人二税と申しますのは、法人住民税という県と市町村が両方取っている税金と法人事業税という県が取っている税金、両方ありますが、こちらについては非常に大きな格差があるということでございます。

 この結果、12ページをご覧いただきますと、各県ごとに財政力の格差が非常に大きいということがわかります。平成25年度の数字でいきますと、東京都というのは0.3兆円財源超過がある。一方で、財政力の乏しい団体というのは財源不足があって、それも▲80%と書いてありますが、歳出の8割が財源不足だという状況でございます。ただ、景気がよかった平成20年度というのは、東京都の財源超過が1.7兆円にもなっていたわけですが、今後は景気回復とともに財政力の格差は開いていく傾向にあるのだと思います。

 こうした中で、13ページでございますが、今、内閣の重要課題として「地方の創生」が掲げられてございます。その中で、東京一極集中の歯止めということも基本的な視点の1つなのでございますが、東京都のような財源超過がたくさんある団体から、財源超過の一部を交付団体、田舎の方の団体に交付税とか譲与税の財源として財政移転するということが、1つ偏在是正ということで進めていく必要があるのではないかというお話でございます。

 続きまして、そのような考え方の中で、昨年末に税制改正を一部やってございます。こちらの方も、昨年当審議会でもご議論いただいて、建議をいただいて、最終的にこのような形が結実しているわけです。まず、下の方からご説明します。黄色い方、消費税率が5%から8%に引き上げられることを踏まえて、財政力格差がさらに広がると。特に東京都のような既に財源超過の団体に、さらに財源超過が増えることを踏まえまして、その調整として、法人住民税の一部を国税化して、交付税として再配分するということをやってございます。こちらについては、27年度でございますが、消費税率が8%から10%へ引上げということになれば、さらに深堀りしていくこととされております。

 それから、平成20年度改正から地方の法人事業税の一部を特別税ということで国税化して、こちらの方は人口とか従業員数によって、客観的基準で案分して配り直すという譲与税制度として偏在是正効果をずっと維持してまいりました。こちらについては、いろいろ廃止すべきだというご議論もある中で、最終的には昨年3分の1縮減する形で、一旦決着しているところでございます。27年度の10%段階ということで、囲みの「与党税制改正大綱」というところをご覧いただきますと、こちらの制度については、廃止するとともに現行制度の意義や効果を踏まえて他の偏在是正措置を講ずるなど、幅広く検討を行うことになっていまして、この絵に描いてありますように、廃止とセットで他の偏在是正措置を講じて、もともとあった偏在是正効果と同水準のものをしっかり維持していくということになってございます。したがって、こちらも今年末でいろいろ税制改正としてご議論になりますが、当審議会としても意見を出していただければということでございます。

 15ページでございます。こちらは、超過財源の大きい東京都のような団体で手厚い行政サービスとか財政余剰があるという資料でございます。

 最後でございます。16ページ以降は地方財政計画の歳出・歳入の効率化・適正化ということでございます。今回は最初に、単独事業を取り上げさせていただいています。通常、今までですと給与のところから始めていたのですが、一般行政経費の単独事業というのをイの一番に取り上げさせていただきます。

 こちら、地方財政計画の中で一般行政経費、例えば福祉とか教育とか、そういったものが主だと思いますが、そういったものの行政経費が33.2兆円ありますが、その中で、17.4兆円が補助事業、国の制度として補助金を出してやっている事業です。それから単独事業ということで、これは地方自治体が個々の判断で国のサービスに上乗せしたり、独自のサービスをしたりという部分ですが、14兆円ほどございます。

 この14兆円なのですが、実は内訳とか積算というのがなくて、一部例外はあるのですが、いわゆる枠で計上させていただきます。結果、決算の数字を見て、一体どれぐらい、どのような内容のものが単独事業にあるのかを見たいのですが、実際には補助と単独がしっかりと分かれていなくて、なかなか一般行政経費の単独事業の決算額は判別できない状況でございます。

 したがって、おそらく標準的な財政需要とは認められないものまで含まれている可能性があるわけです。中身をこれからしっかりと情報開示していただいて、議論していくことも重要なのですが、当面この枠をどうやって削っていくかという問題で、やはり過去の国の取組と基調を合わせて歳出削減を地方にも行っていただくという趣旨で18ページに1つ提案をさせていただいております。

 この14兆円の単独事業に対応する国の歳出を見てみました。年金のように国がやっているもの、また、医療とか介護とか、そういった補助事業としてやっているものとか、投資的経費とか人件費を除きまして、大体13兆円ぐらいになるのですが、この22年度から26年度の推移を見ますと、国は5%ほど削減してきているのですが、地方はむしろ1%程伸びていると。仮に国並みの取組を行っていただければ、8,000億円ほど歳出が削減できるのではないかという提案でございます。

 それから、19ページは一般行政経費の単独事業の中で一部追加財政需要という、国の予備費に該当する性質のものを計上しておりますが、こちらについては平均的な使用額と比べて過大に計上がなされているということで、その分を加味して減らせば、2,700億円ほど減額ができるのではないかということでございます。

 それから、20ページは人件費でございます。技能労務職員という運転手さんとか電話交換とか、守衛さんとか、そういった人たちなのですが、国の場合、ここずっと新規採用を原則として行わないで、民間委託を進めてまいりました。他方で、地方はあまりそれが進んでいなくて、差があるわけです。仮にこれを国並みという前提で計算をすれば、700億円ほど削減ができるのではないかという資料でございます。

 21ページ、公債費でございます。公債費は、先ほど地方の借金の残高が少しずつ減り始めていると申し上げましたが、そういったこともあって、地方全体の公債費はこれから減っていくことが見込まれております。平成26年度、足元から32年度にかけて1兆円程度、毎年数千億円規模で公債費が減っていくということが試算できます。したがって、これはしっかりと全体の歳出削減につなげると。つまり、ここで出てくるものを使って、ほかの歳出に充てないことが重要ではないかという指摘でございます。

 22ページ、公債費でもう一つ指摘をさせていただいています。赤字地方債、臨時財政対策債につきましては、後年度全額、元利償還金を基準財政需要に算入しております。つまり、基準財政需要に算入して、交付税でその分しっかりと財源が補塡されているということなのですが、この基準財政需要の算入額の累計に比べて、実際に償還または償還のために減債基金という基金に積み立てていただいた額の累計と比べますと1兆円ほど差額があると。これは、要は基金に積み立てをせずに、一時的に何かほかの経費に使っている可能性があるものですから、積み立て不足というか、将来困ることになりますので、しっかり償還はやってくださいという指摘でございます。

 最後、23ページでございますが、地方の貯金がここのところ増えてございます。特に財政調整基金という年度間の財源の不均衡を調整するための基金が非常に増えている状況です。実はこの間、税収は減っているわけで、普通であれば、このような形はおかしいわけですが、要因としては、1つは交付税をしっかり配分してきたということもあるのだと思います。それからもう一つは、当初見積もっていた地方税収に比べて、決算で上振れが結構あったということもございます。地方の税収を過少に見積もりますと、地方交付税の特例加算とか、臨財債の増発を通じて、国・地方の借金を増加させることになってしまうので、しっかりと地方税収の見積もりをしていくことが必要です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 それでは、早速質疑をお願いいたします。いつものように名札を立てていただけると幸いです。

 大宮委員、お願いします。

〔 大宮委員 〕 ありがとうございます。17ページで、地方財政計画で示されている地方の一般行政経費の単独事業なのですが、内訳や積算が示されていないということはかなり大きな問題だと思います。事業の中身が地方自治体の標準的な財政需要として果たして本当に認められる内容なのか否かという事後検証もできませんので、いわゆるPDCAサイクルが回らないのではないかと思います。例えば、児童医療費の無償化などいろいろやっておられるようですが、本来、地方の自主財源ですべき事業が含まれていないかということも確認する必要があると思います。

 したがって、議論の前提となるデータの提示を必須化すべきではないかと思いまして、地方には人材とかお金がないとよく言われているようですが、執行側で予算編成をしているはずなのでデータはあると思いますので、これもICT化等これからもどんどん進むでしょうから、効率よくデータをつくることが可能だと思いますから、ぜひそれをやっていくべきではないかと思います。

 それから、地方税収が決算増収ということで、先ほどからそのようなご説明だったので、積立金も増えているわけですから、将来の財政需要に備えるのは、それなりに必要だとは思いますが、これだけ厳しい財政状況なので、一定の範囲に抑えることも考える必要があるということはおっしゃっているとおりだと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、永易委員、古賀委員、角委員の順でお願いします。

〔 永易委員 〕 ありがとうございます。ちょうど政府の大きな方針が今動いておりますよね。これは1つの看板政策でもあるから、どうしても地方財政関係では財政的にはアゲインストな風が実は吹いているので、協力せざるを得ないと思います。財務省としてもそのような判断をされると思いますが、財審としては、相当強いトーンで慎重にやるべきである。具体的な各論も踏まえて提案すべきではないかと非常に強く思っております。

 例の五原則が政府からも出ておりますが、結果を問いますよということ、これは大宮さんも言っておられたPDCAなのか、もう少しPDCAより前だとすると、何で評価するのか。評価が出ないものは認めない、ということができれば、その成果が出ていないのだったら、後で調整させていただきますよといった仕組みがどうしても必要ではないかと非常に強く思っております。

 言葉は少し悪いのですが、どうしてもやらざるを得ないのであれば、この前、夕張市長のお話を聞かせていただいて、私も感激したのですが、コンパクトシティの構想みたいなものに補助を使ってもらうのであれば、将来のためには、財政全体の長期的なビジョンから言ったらいいことではないか。やはりそのような循環の中で、政府の方針に応えていくべきであろうと非常に強く思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、古賀委員。

〔 古賀委員 〕 ありがとうございます。大きく2点、ご意見申し上げます。

 その前に、このような状況になれば、平時モデルへの切替えは必要ではないかということをまず申し上げておきます。

 1点目は、住民に直結する行政サービスを担っている地方ですから、行政努力と良質な行政サービスのバランスをどうとっていくかということからすれば、そこにしっかりとした検証作業がなされなければならないだろうと。ただ、加えて、国と比べて制約が大きい中で、単にPBの数値のみをもって単純な比較を行うことがよいのかどうかは、少し疑問があるわけでございます。そして、春の当審議会で中期財政計画の位置づけについてもお聞きしたことを覚えておりますが、少なくとも中期財政計画がしっかりと示された方針ということであれば、これも踏まえて水準の一般財源は確保していかなければならないだろうと思います。

 2つ目は、地方法人課税の偏在の是正についてです。もちろん偏在を是正することは必要だということは論をまちませんが、現在の地方法人税のように地方税の一部を国税として徴収して地方に配分する方法というのは、本当に抜本的な改革なのでしょうか。そのような意味では安定的で偏在性の小さい地方税体系をどう確立するか。そのためには税収の安定している消費税の位置づけ、あるいは税収の振れ幅が大きい法人住民税の法人税割等々をどのように性格づけをして、改めて組み直していくべきなのか。そのような方向も検討すべきであることを意見とさせていただきたいと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、角委員。

〔 角委員 〕 ありがとうございます。これだけ国が厳しい状況下に置かれているわけでございますので、ぜひとも地方と東京都との財政力格差の是正、リーマン・ショック時代の危機的対応でなされた特別措置につきまして平時へ戻していただくというのは、他の先生のご意見と全く同じでございます

 今、古賀先生もおっしゃったように、参考資料の12ページに「地方税の税収の推移」というグラフを出していただいておりますが、まさに地方の行政サービスというのは、景気の変動と関係なくサービスを行わなければなりませんので、このように景気の変動によって多くなったり少なくなったりするものを重要な税源としてやっていくのは問題があろうかと思います。前も少しお願いしましたが、できるだけ国税の比率を上げていただいて、それを再配分してはどうかと思います。

 地方自治体とは、前も申しましたが、議会というものを抱えていますので、トップがこのような改革をしたいと思ってもなかなかできない要素があろうかと思います。ぜひとも、このような外圧を是正することによって、国と同様の努力を地方もやっていただくようにし向けていただければと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。

 増田委員、それから佐藤委員、どうぞ。

〔 増田委員 〕 ありがとうございます。2点だけ簡潔に申し上げておきます。

 地方法人特別税ですね、偏在是正のための措置なのですが、これは、先ほど古賀委員が言われたことはまさに正論だと思います。一方で、20年改正のときにできた地方法人特別税、法人事業税を国税化する。ちょうど私が総務大臣をやっていたときにいろいろつくったやつで、地方団体の方から、国税化をしたので、分権に反するとか大分いろいろ言われたのですが、背に腹はかえられないし、その後自治体からもそのような声は上がらなくなって、現行はこれがかなり根づいていると思っています。

 ですから、与党の税制改正大綱でだんだん縮減していって、それで他の偏在是正措置を考えるということになっていますが、私はとにかく3分の1に縮減したのは、それはそれでいいと思います。あえて縮減する必要はなかったと思いますが、しっかりとした意義があるので、当分の間こういった措置で東京都などからいただいたものを全国の交付税の方に上乗せするという措置をやっていくべきだと思います。

 確かに消費税とか安定的な財源を抜本的に考えていくことは、一方で視野に入れておく必要があると思いますが、決まった8%や10%を引き上げるのに大騒ぎして、それがなかなかできない中で、消費税も含めた税の抜本改革は、この国にとって大変難しい話で、当面の自治体の財政需要をどうするかということも一方ではしっかりと考えておく必要があるのではないかということであります。

 それから、2つ目は地方の単独事業です。それについて主計官からいろいろご指摘があって、これは結局地方で行われている単独事業は、数値目標がきちんと示されずに、また検証の仕組みも十分でない中で行われてきているものが多いということだったと思いますが、今時代が変わって、そういったことは許されない時代になってきたと思います。単独事業という性格から、国が査定する性格ではないと私は思っていますが、国民の皆さんの前で胸張ってこのような形で使っていると、それをしっかりと検証できる仕組みでないといけないと思いますので、そのような仕組みを入れた上で、この単独事業をきちんとしたものにしていくことが必要だと思います。

 全体的には、地方財政について、財務省ですから当然厳しめの指摘をしているわけですが、私はその指摘自体は世の中の状況から見て当を得たものが多いと思っています。しかし、これをどう直していくかについて、またこれから、いずれにしても地方税収も大分よくなってはきており、40兆円ぐらいの水準に戻ってきているから、一方で人口減少の問題を抱えているので、ここで大きな制度の検証と、それから直すべきものはやっぱり直していくということが必要だろうと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、佐藤委員、土居委員の順。

〔 佐藤委員 〕 まず、大きな話を2点。1つ目ですが、これはもともと地方交付税の性格にかかわる議論が、議論をややこしくしていまして、交付税は入口ベースで見れば財源保障ですから、国が地方財政計画に計上したものを確実に執行してもらえるように地方に対して財源保障をする狙いがある。だから、財務省的に考えれば、計画したとおりに使わないのはおかしいということになる。ところが、決算ベースで見れば、それは入口ですね。出口ベースで、お金の使い方として見ると、地方自治体から見れば、これは一般財源なので、地方単独事業も含めてなのですが、一般財源なので使い方は実は地方の裁量であるということになります。ここにずれがある。これは永遠の課題です。

 総務省に行けば、あれは一般財源ですから国が関与するべきではないと言うし、こちらに来れば、あれは国民の税金と。国民の税金を使って充てている補助金なのですから、これは事実であり、当然地方はその使い道については責任を持つべきというか、国に対して説明責任を負うべきであるのは事実だと思うので、ここは実はボタンのかけ違いが永遠に続いている議論だと思います。

 2つ目ですが、今、地方創生ということで地方財政にてこ入れするのがブームですが、地方もいろいろでありまして、東京都などを含めて自立可能な地方自治体から、そうではない自治体、この間の夕張市のように財政的に非常に厳しい中で努力している自治体もあるわけですが、我々として助けたい自治体はどこで、我々としては自立を促したいというか、強制したい自治体はどこでという色分けをしないといけないと思います。地方創生だからといって、みんなが国からの支援の恩恵にあずかれるわけではないし、もし継続的に支援したいのであれば、ターゲットを絞るのが妥当な考え方だと思います。

 あと、細かいことですが、歳出特別枠ですが、これをやめるか、やめないかという議論よりは、やめる議論なのですが、本来の歳出項目にしっかりと戻すべきだと思います。一般行政経費なのか、給与関係経費なのかわかりませんが、この歳出特別枠に充当されている予算は、普通の地方財政計画の項目の中にしっかりと計上すると。計上できないのであれば、もうやめるというやり方が正しいと思いますし、別枠加算は、実はこの流れで出てくるものなので、原則論だけ言えば、歳出特別枠をやめれば、別枠加算する理由も、直接的な理由もなくなってくるだろうと思います。

 それから、私も臨時財政対策債はかなり問題だと思います。本来は、地方自治体は、次に土居委員も言うかもしれませんが、自分の地方の借金だと思っていないわけです。将来の交付税の先食いという形でもらっているわけですから、しっかりと元利償還費に交付税を充ててもらわなければいけないのですね。でないと地方自治体は、臨時債については、実質的な交付税とか、自分たちの負担ではないのだよという説明の仕方をしているはずなのですね。しかしこのままいけば、実際自分たちの負担になるわけですので、適正に確実に償還に充てるか、充てないのであれば、しっかりと財政調整基金の方に積み立てさせるという形にしていかないと、将来禍根を残す気がしました。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、土居委員。

〔 土居委員 〕 まず、先ほどからご指摘がありましたように、7ページの「骨太の方針2014」で、下から6行目に「必要な地方の一般財源総額の確保」という言葉があるため、どうしても全体のトーンとして緩くなっているのではないかということは私の印象としてあります。もちろん、9ページに最近の地方一般財源の推移が載っており、総額が確保されているということですが、微増と言えば微増というところですので、地方財政計画上の歳出の中で不要なものはしっかりと見直していただきたいということだと思います。

 そのような意味では、別枠加算までして地方一般財源総額を確保するという必要が果たして来年度予算であるのかと思うわけで、まさに8ページに書いてあるように、即座に廃止するべきだと思います。もし消費税率を10%に引き上げられれば、地方消費税の税収も増えますし、地方交付税の法定率分の収入も増えるわけですから、そのような意味では別枠加算は当然廃止されるべきだろうと思います。

 しかし、もう一つの問題は歳出特別枠で、まさに9ページにありますように、確かに書き方として、「歳出特別枠については大幅に縮小又は廃止すべき」と書いてあるのですが、私は廃止すべきと、一本でいいのではないかと。

 つまり、地方創生の話がこれとまた別のところで議論されていて、それは必要があれば、当然地方財政計画上の歳出で地方創生に資するものとして計上されるということにはなると思いますから、中身のない地方特別枠を温存して、地方創生のために歳出をまたさらに積み増すということだと、いくらあってもお金は足りないという具合になってくるわけでありまして、あくまでも地方一般財源総額確保という話であるところで、歳出特別枠というものもある種連動しているところがあり、中身のない形で特別枠を歳出で積んでおくというべきものではないと思います。

 もちろん、地方創生についても、地方財政計画上で取り扱われる際には、きちんと地方一般財源総額の確保を、今度は逆に、さらに別枠加算を残しても地方創生を出すということにならないように、あくまでも一般財源は一般財源という枠の中でやっていただくことが必要だと思います。

 最後に一言申し上げたいのは、主計官がご説明されたところで、来年度で盛り込めればいいということはもちろんなのですが、2016年度以降も当然必要な改革は必要になってくるということで、ある意味で今後の布石になるような話もたくさん盛り込まれていると思います。特に中期財政計画で最初に地方の一般財源総額確保という話が出てきた。それを今年の骨太の方針でも踏襲するところに来ているわけですが、次なる枠組みをにらんで、地方財政計画上の歳出についてはきちんと効率化を進めていただきたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、老川委員、鳥原委員の順。

〔 老川委員 〕 ありがとうございます。既に何人かの方からもお話があった単独事業のことですが、それぞれの事業についての実績の評価、そういった検証が大事だというのは、全くそのとおりだと思うわけです。ただ、単独事業それ自体が悪いわけではなくて、それぞれの都道府県のアイデアで上乗せ、あるいは横出しという形で創意工夫を凝らしてサービスをすること自体は結構なことだと思うのですね。

 問題は、どのようなところに使われているのかとか、どのような効果を上げているのかがわからないということです。そこで伺いたいのは、なぜこの内訳は出せないのでしょうか。単独事業とか補助事業は、それはそれでわかるはずなのに、なぜ単独事業はわからないのか。それはそれぞれ地方議会で、予算の審議で、あるいは決算で個々の事業については公表されているでしょうから、振り分けが明らかにできないわけがないはずだと思うので、どのような困難があってよくわからないのか、教えていただきたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、主計官、お願いします。

〔 青木主計官 〕 もっと開示しろということは常にずっと言ってきています。今ある制度を変えるとなると、いろいろな事務負担を1,700の自治体に負わせていくということになるので、なかなかすぐにいかないところもあるのですが、引き続きそこはしっかりと主張していきたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 鳥原委員、お願いいたします。

〔 鳥原委員 〕 2つあります。まず、国の重要課題であります地方創生のためには、各地域がみずからの将来ビジョンを描き、もてる独自資源を徹底的に活用して、地域の付加価値創造に主体的に取り組むことが必要であると思います。そのような観点から、平時モードへの切替えを徹底して行った上で、地方創生への自主的な取組を積極的に促すインセンティブとなるような交付税の仕組みにもっと変えていくことが必要であると思います。

 もう一つは、何人かの方がおっしゃいましたが、地方法人課税の偏在性是正については、法人課税の中だけで検討するのではなくて、個人の負担も含めた地方税全体でその在り方を検討して、地方交付税制度の見直しを図るべきだと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。では、井掘委員、末澤委員の順で。

〔 井掘委員 〕 国と地方の財政状況の考え方ですが、基本的には景気対策は国が主要な役割でやるとすれば、地方は景気変動の中でも均衡財政を維持して、国の方は不況のときに財政赤字を拡大するというのは、ある意味で自然な姿なので、その意味では地方のPBが国に比べて相対的にいいのは、それ自体は特に問題ではないと思います。ただ、日本の問題は、国のPB赤字が、不況期に景気対策をやっているレベルを既に超えて持続可能ではないところので、その意味では、国の歳出の中で、社会保障の次に大きな歳出を占めている地方に対する歳出を大胆に切らないことには国の財政状況が持続可能に戻せないという、そこの観点から、地方に対するいろいろな施策なり財政的な支援についても見直す必要があると思います。

 地方ではもちろん、いろいろな理由で国からの財政的なニーズはあると思うのですが、出せるお金が既にない状況であり、平時とは違うという危機感を地方への歳出についても持つ必要があるのではないかと思います。

 ついでに言いますと、地方創生の話ですが、これは赤井委員のコメントにもありますが、お金を出せば地方の地域活性化ができるという、そのような政策は既にやられていますので、地方創生は、お金というよりはむしろ、住民の意識の改革とか、あるいは規制改革とか、そういった面が主体になるべきなので、あまりお金をばらまく形はよくないので、それも含めて厳しく対応していただきたいと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、末澤委員。

〔 末澤委員 〕 どうもありがとうございました。私は以前、地方債のアナリストもやっていたことがあるのですが、国債につきましては、毎年発行額がつい数年前まで増加しておりましたが、地方債につきましては、私の記憶ではたしか1995年度がピークなのですね。これは阪神・淡路大震災の影響があるのですが、それよりずっと減ってきています。背景には、バブル崩壊後いろいろ景気対策も組まれましたが、地方はあまりお付き合いしなかったと。先ほどの地方債でも、実は当初計画比、普通事業債等、交付税措置率の低いものはあまり出さずに、例えば最近の臨時財政対策債はフルで出すと。地方としては相当経済合理的といいますか、効率的というか、節約をしてきた関係で、実は財政状況はむしろよくなってきていると。これ自身は、先ほどの話、井掘委員のお話のように、私は悪いことではないと思うのですが、ただ、ある面余裕が少し出てきた部分もありますので、今後は地方財政計画の歳出部分をもう少しシビアに組むとか、そこで余力が出た部分で、今、重要になっております人口政策等で、例えばコンパクトシティ等に振り向けるとか、つまり、将来の先行投資的部分に振り向けるというか。ですから、計画自体はもう少し厳格化して、余力が出るのでしたら、その部分をきっちりと先行投資等に振り向けるような形にした方が全体のバランスがよろしいのではないかと考えています。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、富田委員、お願いします。

〔 富田委員 〕 前にも申し上げたと思うのですが、地方財政は実態と建前とが全く遊離していて、地方分権、地方自治という建前でいろいろ議論されているのですが、ここで議論しておりますように、実態は地方の歳出を全て国が財源を保障しているわけです。それがゆえに、国民から見れば、地方の単独事業だから精査しなくていいというのはちょっとおかしいと思います。国会議員が、これは国民にお願いして税金を取るわけですから、歳出の方もしっかりと見る必要があるというのが1点目です。

 それから、同じ脈絡なのですが、地方財政の均衡が望ましいのは当然です。これは完全に分権である、ということが前提であれば、そうした状態なわけですが、ここで議論がありますように、全て国が財源を保障して運営されているわけです。地方税についてもどこへ行っても住民税は10%で同じで、法人事業税もほとんど同じなわけでして、どこに自主権が発揮できているのか。そのようなものが何もない中での議論ですので、ここで議論しているように、地方財政計画の規模を抑制することが、他の例えば防衛関係費であれ、公共事業関係費であれ、文教・科学関係費と同じように、効率化の余地をここで議論しているということだと思うのです。つまり、ほかの歳出と同じ位置づけで議論せざるを得ないというのが地方財政の実態である。フィクションとしてと言ったら叱られますが、議論としては分権とか自治とか言われるのですが、実態は全然そのようなことがなくて、地方財政計画に計上されている歳出をどう見直すかということが一番のポイントだと思うのです。

 そこの部分で考えますと、財源保障は標準的な行政サービスを全ての公共団体に保障しているわけです。いわば地方公共団体に対して、国は護送船団行政をやっているわけです。一番苦しいところでもやっていけるようにしている。そうすると、余裕のあるところにはお金が余ってくるのは当然なわけでして、それで先ほど議論がありますような地方法人税について、交付税として配り直さなければいけない、ある意味、自治だとか、分権ということから見ると、矛盾に矛盾を重ねたもの。もっと言えば、歳出を削ったところに交付税をたくさんあげますとか、そのようなインセンティブのつけ方も本来非常に不思議なわけです。ですが、それが実態であり、繰り返しますが、地方財政計画をきっちりと議論していくことが効率化につながるものだと考えます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。では、予定どおり、ここで5分休憩を取りたいと思います。

( 休  憩 )

〔 吉川分科会長 〕 後半の議論に入りたいと思います。

 後半は、まず、「エネルギー・環境、中小企業」について、冨安主計官よりご説明いただきます。

〔 冨安主計官 〕 資料2をご覧ください。早速、ご説明させていただきます。

 ページをおめくりいただきまして、3ページでございます。「エネルギー・環境」関係の総論からご説明いたします。3枚ほど昨今の電源構成の関係の資料をつけさせていただいております。1枚目は電源構成が変化、火力発電が増えてきていることを踏まえまして、燃料費が増加しているという資料でございます。

 4ページをお開きください。震災後、電源構成が変化しておりますので、海外からの化石エネルギーに対する依存度が高まっているという資料でございます。

 5ページは、温室効果ガス排出量の推移でございますが、電力分の影響もありまして、CO排出量が増えているという資料でございます。

 6ページをご覧ください。「エネルギー問題を考える視点」ということで、左下、簡単に3つまとめております。供給面を考えますと、安全性、安定性。それから、地球温暖化の問題もございますので、環境負荷。それから、電力料金、あるいは税も含めた国民負担の問題。右側に政策上の課題を書いておりますが、予算という観点から、下の方の新エネルギー・省エネルギーの効率的・効果的な促進をどう考えるかという観点、これらを本日のテーマとさせていただいているところでございます。

 それから、上にあります各エネルギー源の位置づけでございますが、これは次の2枚で「エネルギー基本計画」をつけさせていただいております。中身はご覧いただければと思いますが、1点だけ、8ページの上の方に再エネにつきまして、「エネルギー基本計画」、本年4月でございますが、下線にありますように、「3年間で導入を最大限加速する」とさせていただいているところでございます。

 9ページはエネルギー特会の流れでございます。下半分が特会の歳出に当たります。それぞれ石油石炭税、電源開発促進税が一般会計に入りまして、特会の歳出が決まりまして、剰余金等を差し引いた分を一般会計から繰り入れているということでございます。

 10ページをお開きいただけますでしょうか。エネルギー対策特別会計の予算額の推移でございます。26年度までは予算でございます。27年度要求をご覧いただきますと、26年度と比較いたしまして大幅な増額要求が出てきている。他省庁と同様でございますが、年末にかけてここを抑制していくのが総論的な課題となっております。

 続きまして、「再生可能エネルギー予算」でございます。12ページは各国の再生可能エネルギーの発電比率でございます。

 13ページは再生可能エネルギー予算の全体像ということで、再生可能エネルギーにつきましては、弱点としてコスト高であること、出力が安定しないこと、それから立地制約があることがございますが、マル1マル1マル3、それぞれの弱点を克服するための実証研究等の予算について要求が来ているところでございます。マル4のところは再生可能エネルギーの利用拡大ということで、2つ目の矢羽根にございますが、固定価格買取制度の補助金ということで456億円の要求が来ております。このことにつきましては、次のページで改めてご説明いたします。

 14ページをお開きください。端的に申し上げますと、真ん中のところに赤い丸がございますが、まず予算という観点からいいますと、電力多消費産業に対しまして、いわゆる電力料金の上乗せに当たる賦課金を減免して国費で補塡いたしております。26年度の当初予算では290億円だったものが、27年度要求では456億円となっております。これはエネルギー特会からの歳出ということで、補助金という形で出ていっているものございます。これをベースにいたしまして、当方で機械的に電力料金のいわゆるサーチャージ、上乗せが27年度はどうなるかを試算したものが下の丸でございます。26年度は賦課金総額が6,500億円でしたが、機械的に試算いたしますと、27年度では約1兆円程度になると試算されるところでございます。

 次のページは再生可能エネルギーの導入状況でございます。再生可能エネルギーにつきまして、一番下の合計のところが導入量、あるいは認定容量になっておりますが、それぞれFIT導入前2,000万キロワットであったものが、平成26年7月までに運転を開始したもので1,000万キロワットと、1.5倍になっております。認定容量は全体で7,000万キロワットでございます。赤い四角で囲みましたが、動き出したもの、あるいは認定されたもののうち太陽光が占める割合が極めて高くなっているところでございます。

 16ページは参考までに最近話題になっております接続問題につきまして、資料をつけさせていただきました。後でご覧いただければと思います。

 17ページでございます。いわゆるFITにおきまして電力料金上乗せになっております賦課金でございますが、仮に平成26年6月までに認定されたものが全て運転を開始しましたら、右側の棒グラフにございますように、2.7兆円の賦課金になるということでございます。ただし、下に※で注を書きましたが、これは機械的に試算を行ったものでございますので、実際には認定取り消しですとか、事業断念とかございますので、ここまでいくかどうかはわかりませんが、機械的に全てが運転を開始したと想定したら、これぐらいの額になるということでございます。

 下の方に表がございますが、いわゆる電力の多消費ユーザーに対して賦課金を減免している補助金につきましても、想定ということでございますが、1,000億円を超えるオーダーになっていくということでございます。

 18ページでございます。賦課金のイメージでございますが、24年度、25年度、26年度と、それぞれ買取りが始まりますと、その買取価格が10年から20年間にわたって維持されるということでございますので、すだれ式に増えていくということでございます。先ほど申し上げました国費で補塡している賦課金の減免制度、補助金の部分も同様にすだれ式に増えてまいりますので、多年度にわたりまして財政を硬直化させる要因となるということでございます。

 19ページはFITの検討規定でございまして、20ページをご覧いただけますでしょうか。地球温暖化対策税でございますが、既に制度化され、法律は通っておりますので、平成28年度4月に増税が予定されておりますが、この財源につきましては、一般会計を経由いたしまして、エネルギー特会に入ることになっております。そのような意味では新エネルギー、あるいは再生可能エネルギーを応援するための財源として将来的に活用されることになります。

 21ページをご覧いただけますでしょうか。先ほど予算におきまして弱点を強化するためにいろいろと要求が出てきておりますと申し上げましたが、太陽光、地熱、風力、海洋エネルギーと様々な実証研究の予算要求も出てきているところでございます。

 それで、22ページ、論点でございますが、まず、固定価格買取制度につきましては、2つ目の丸の最後の下線にございますように、「買取価格や減免措置につきまして、国民負担が過大とならないように見直していくことが不可欠ではないか」という点でございます。

 それから、次に効率的・効果的な政策の実現ということで、先ほど申し上げましたように、平成27年度で約1兆円程度のサーチャージ、固定価格買取制度で電力料金への上乗せになります。それから、温暖化対策税も28年度以降約3,000億円というオーダーで予定されております。それぞれが再生可能エネルギー、あるいは省エネルギー施策に活用される財源となりますので、2つ目の丸にありますように、施策の重複や関係省庁で行う施策の重複を極力排除するとか、効果的・効率的な使われ方になるように見直しをするということでご指摘いただければと思っております。

 次のページでございますが、現在、先ほど申し上げましたように、再生可能エネルギーにつきましては3年間で、25、26、27ですが、導入を最大限努力するとなっておりますので、いろいろな実証研究をかなり総花的にやっております。これにつきましても、より実現性が高く、安定的で大きな発電量が見込めるものに「選択と集中」を行っていくべきではないかと考えているところでございます。

 それから、適切な「出口戦略」でございますが、本来でありますと、再生可能エネルギーは民間事業者が適切な競争のもとで自律的、持続的に導入を進めるべきものだと思うところでございますので、民業を圧迫していないかとか、事業可能性が高く見込めるものにつきましては、できる限り民間ビジネスにつないでいくべきではないかとか、国の関与をどう考えるかという点から適切な出口戦略を考えていく必要があるのではないかと考えているところでございます。

 続きまして、「省エネルギー予算」でございます。25ページをお開きください。規制的手法と補助金的手法ということで、昨年の建議におきましても、(2)省エネルギーのところの最後の方の下線にございますように、「規制的手法をポリシーミックスの中で中心的な手法として位置付けるべき」ということで、本財審で建議いただいているところでございます。基本的にこの考え方を踏襲させていただければと思っております。

 26ページをお開きください。26ページは我が国のエネルギーの消費状況でございます。部門ごとに1973年からの最終エネルギー消費量が出ておりますが、右側に表がございますように、緑色の民生(業務部門)はこの間2.8倍、家庭部門は2.1倍ということで、家庭部門、世帯数が増えている要素はございますが、この部分をどう考えるのかという問題がございます。

 さらに、規制ということで右側に規制措置の一覧を掲げておりますが、まず事業者につきましては、省エネ法で省エネ措置の報告、あるいは原単位削減努力義務というのがかかっております。さらに、真ん中にございますが、自動車・家電等に対するトップランナー規制というもの。それから、産業部門、業務部門の住宅・建築物につきまして、300平米以上の新築・大規模改修時に省エネ基準の遵守が今、届出になっております。先ほども申し上げましたように、民生部門につきまして、今後省エネを進めていくということでございますが、この部分につきまして、まずは義務化していくことが必要となろうかと考えております。また、新築・大規模改修時でございますので、ストックとして残っているものについてはまだ手つかずになっておりますので、このストックとして既築の建物につきまして、省エネ基準をどうやって遵守させるかも今後の課題になろうかと考えているところでございます。

 28ページは、省エネ法の概要でございます。

 29ページは、先ほどトップランナー制度というものがあると申し上げましたが、29品目指定いたしまして、エネルギー消費効率を改善していくことをメーカーに努力義務を課しているものでございます。この品目を増やしていくことも1つの省エネの向上になるかと思います。

 それから、30ページは省エネ法に基づく多消費事業者へのエネ庁による行政指導の実施状況でございます。2つ目の丸に法的措置というのがございますが、著しく取組が不十分な事業者には法的措置を講ずる枠組みがあると書いておりますが、これまで発動はゼロ件という状況でございます。

 31ページは省エネルギー予算の全体像でございます。

 32ページでございますが、省エネルギーにつきまして、進めていくためには、限られた予算を効果的に活用するということで、補助金だけですと、動かない人に対してはなかなかインセンティブ付けが行われないものですから、ある意味、規制とうまくセットで補助金を活用していくことが必要かと思われます。マル1にございますように、規制的手法と補助金的手法を適切に組み合わせた「政策のベストミックス」を追求する等々、ご指摘いただければと考えているところでございます。

 続きまして、「原子力関係予算」でございます。原子力関係予算の資料につきましては、基本的に事実関係の資料をつけさせていただいておりますので、後でご参照いただければと思いますが、35ページに福島第一原発事故に伴う諸課題への対応状況ということで現在の枠組みを書かせていただいております。1点だけ申し上げますと、廃炉汚染水対策が、上側でございまして、東電が実施しておりますが、国が関与する部分として、技術的難易度が高い部分ということで、25年度予備費、25年度補正予算で対応、そのような役割分担で対応させていただいているところでございます。

 その後36ページからは参考資料ということで、後でご覧いただければと思います。

 44ページをお開きいただけますでしょうか。電源立地地域対策交付金制度でございます。発電量に応じまして、立地自治体に対して交付している制度でございますが、ご覧いただきますように、着工から運転終了まで青い印が塗ってありますが、例えば原発について言いますと、廃炉後は基本的には交付金を交付しないという制度になっております。

 45ページをご覧いただけますでしょうか。運転開始5年以降の電源立地地域対策交付金の推移でございます。東日本大震災の前と現在と比較しますと、ほぼ同様の水準、横ばいとなっているところでございます。安全確認のためにとまっている原発につきましても、みなし交付金という形で交付しておりまして、現在水準が横ばいとなっているところでございます。

 論点といたしましては、46ページでございますが、下の電源立地地域対策交付金につきましては、1つ目の丸、1行目の最後にありますが、本来、発電量等に応じて原発等設置自治体に対して支払われるものでございますので、下線部にございますように、昨年ご指摘いただいておりますが、本来の趣旨に合わないような予算が温存されることがないよう適切に見直すべきというご指摘をいただければと思っているところでございます。

 続きまして、「中小企業」でございます。中小企業につきましては、49ページに信用補完制度の措置の概要を載せさせていただいておりますが、下に一般保証とセーフティネット保証ということで2つの制度を書かせていただいています。一般保証は8割を保証いたしまして、2割は金融機関が負担すると。セーフティネット保証は100%保証、金融機関の負担はゼロということでございます。昨年の建議をいただきまして、このセーフティネット保証制度につきまして、本年3月からリーマン・ショック前の要件に戻ったところでございます。この点、大変感謝いたしております。

 ただ、一方、52ページをご覧いただけますでしょうか。信用補完制度につきましては、黄色いところがこれまでの予算措置になりますが、潜在的に大変大きな財政負担が発生しかねない制度でございます。53ページをご覧いただきますと、赤い色の折れ線グラフが信用補完制度の収支でございますが、赤字幅が縮小しているとはいえ、まだ大きな赤字が残っているところでございます。

 54ページをご覧いただきますと、信用補完制度の事故率と回収率の推移のグラフを載せておりますが、事故率につきましては、金融円滑化法もございましたので、基本的に事故率が抑制された水準となっておりまして、実力はどうかというところはちょっとわからないところでございます。さらに、右側の回収率について言いますと、第三者保証を徴求しないということで、点線以降、回収率が非常に下がってきております。先ほど、信用補完制度について、まだ大幅な収支の赤字が残っていると申し上げましたが、今後もそのような意味では予断を許さない状況になっております。制度の持続可能性、あるいは財政リスクを考えましても、不断の見直しが必要だと考えているところでございます。

 さらに、最近の話題といたしまして、58ページをご覧いただけますでしょうか。本年6月の成長戦略でございます。赤字のところでございますが、金融機関に対しまして、目利き力を増やせ、あるいは保証や担保を付した融資につきましても融資先の経営改善に努めなさいと。それから、真ん中に信用保証について不断に制度の見直しを実施しなさいと書いております。

 以上を踏まえまして、信用補完制度に関する論点といたしましては、3つ目の丸になりますが、引き続き大幅な赤字があるわけでございますので、中長期的にこの制度が持続可能な制度となるよう、さらなる取組が不可欠ということで、1つ目のポツは、金融機関が目利きを発揮するようなインセンティブを高めるような枠組みにできないのか。2つ目のポツは、金融機関、中小企業者、あるいは信用保証協会、公庫とそれぞれ主体がおりますが、それぞれの主体の間のリスクの分担の在り方等について幅広く検討を行うべきではないかということで、さらなる改革に向けての問題提起を当審議会から発信していただければと考えているところでございます。

 以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、早速質疑をお願いいたします。

 では、大宮委員、角委員。

〔 大宮委員 〕 ありがとうございます。スライドの初めの方なのですが、現在のエネルギーをめぐる状況というのは、いわゆる3Eといってコストとエネルギー安全保障と環境適合性のどの観点からもかなりまだ問題があると思っています。エネルギー政策がもう少し経つと決まると聞いていますが、なかなか先行きが読めない状況だと思います。特に、コストの問題はここでも随分といろいろ数字が出てきていますが、かなり深刻でありまして、経済財政諮問会議でも経済成長を妨げるボトルネックの1つと指摘されているところでありまして、その際に再エネとか省エネに係る施策を考えるに当たりまして、エネルギーコスト負担の低減という視点が非常に重要ではないかと思います。

 それから、スライドの20の地球温暖化対策税ですが、これはエネルギーコストが上昇する中で、まだ課税を続けて、今年度、来年度と大きくなっていくということになっていますので、これは導入時の想定で、実際の税収が開示されていないのではないかと思います。原発停止に伴う化石燃料消費の増加の影響で、実際の税収は増えているのではないかと思いますので、実際の税収を開示していただいて、政策の費用対効果ですね。それを議論できるようにしていただくのがいいのではないかと思います。

 それから、再生可能エネルギーは、固定価格買取制度が、新聞紙上でも今あちこちで大きな問題になっています。これは非常に大きな問題で、ここに指摘されているとおり、国民負担が過大にならないようにきちっと見直していくということを迫るべきではないかと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、角委員。

〔 角委員 〕 政府の方針どおり、安全が確認された原子力発電所につきましては稼働していただくということで政府の方針もきちっと出ておりますので、少しでも早くスピード感を持ってその方向で進めていただければと思います。

 その中で、34ページに、最近青森県の建設中の原発につきましても動きが出てまいりまして、非常にありがたいことだと思います。ちょっとPWR、BWRがわかっていないのですが、青森県の2カ所、島根県、多分Pではないかと思います。

〔 大宮委員 〕 B。

〔 角委員 〕 Bですか。青森はBですか。島根がP。

〔 大宮委員 〕 島根もB。

〔 角委員 〕 島根もBですか。どちらにいたしましても、これからつくられていく原発は、おそらく世界一安全性が担保された原発だと思いますので、ぜひとも建設中の原発についてもスピード感を持って進めていかなければと願うところであります。

 それと、固定価格買取制度につきましては、当初の制度設計が、前政権のときにあまりにも短時間の間に一定の方の中で決められてしまったことがあろうかと思うのですが、その前に、消費者金融のときにグレーゾーンがあったのかわかりませんが、過去に遡及して払い過ぎた金利分については、消費者金融会社も過去にさかのぼって負担をする実例があると思うのですが、この42円で20年間という、これを今さらということはあるかもわかりませんが、できますれば、当初あまりにも高過ぎた、そして利益水準の高過ぎる、おそらく十何%で回っているところが多いように思いますが、それが国民負担に回っておりますので、何かさかのぼる方策はないのかということを、素人ですが思うところであります。

 それと、確かに再エネはいいのですが、観光立国を日本は目指しているわけでございまして、山間部で使いようのないところがパネルに変わっていったり、非常に豊かな自然が、ある意味で景観上破壊されていたりする。これは山間部だけではなくて海岸沿いも、あるいは洋上風力発電などを見ましても、観光立国を目指す日本としてはいかがなものかという部分もあるように思いますし、実際、ヨーロッパでかなりそのようなことを進めた国の方が、日本へ来られて、日本はあんなことをしない方がいいですよということをおっしゃっている話もございまして、方針は方針で一旦決まっているのかわかりませんが、少しそういった点もご配慮いただければと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、老川委員、古賀委員。

〔 老川委員 〕 ありがとうございます。私も今の角委員のご意見に全く賛成です。前段の原発の安全を確認した上ですが、安全確認ができたところから速やかに再稼働をやっていくべきだと思います。

 それから、今、当面一番大きい問題は固定買取価格制度ですね。これは明らかに制度設計がゆがんでいたことは否定できないと思うので、42円という金額はどう考えても、よその先行しているヨーロッパから見ても高過ぎる。ドイツの場合は既に大幅な見直しに入っているわけなので、ドイツの例も参考にしながら、変えるものは速やかに変えていかないと、一度決めたものだから変えられないと言っていると、どんどん負担が膨らんでいってしまう。必要な負担ならいいのですが、これは見直しの対象に入っていると思います。認可を取った段階で一定の価格が決まると、このようなことになっているから、事業をやらないで権利だけ売買するなどとはとんでもない話で、そのようなことが横行することでは、再エネを奨励していくという考え方自体が極めてゆがんだものになってしまう危険があると思いますので、ぜひ具体化を急いでいただきたいと思います。

 それから、もう一つ、今日のご説明の対象になっていないし、財審の直接のテーマにはならないと思うのですが、福島等での避難生活ですね。そこに対する損害賠償、これは東電が行っているわけですが、一定の時間が過ぎて、自立しようと思えばできる、そのような状況にある方々も、そしてまた、もとに戻って自分でやっていきたいという方もいるのですが、多数の方々はそのまま避難生活を続けている限りは賠償金が出ると。このようなことで、実際には客観的に見て自立が可能な方々でも避難生活を続けていると。このような実態もよく耳にするわけで、これは理屈の上では、損害賠償は損害を受けているからこそ払うのであって、自立したら賠償は出ないというのが民法の考え方でありやむを得ないと。このようなことかもしれませんが、なるべく早く自立を奨励するという意味で政策的に、自立する人に対する資金援助を積極的にやるとか、期間を区切るとか、何か新しい発想をしないと、避難している方々にとっても不健全だし、全体として、東電が賠償責任とは言っても、回り回って国民、あるいは電力利用者の負担となっていくわけなので、その辺について、政府全体として少し発想を変えて具体的な対策をお考えいただけないものだろうかと希望をしております。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、古賀委員。

〔 古賀委員 〕 ありがとうございます。再生可能エネルギー関連で2点ご意見を申し上げます。

 1点目は、先ほどから出ております固定価格買取制度の見直しは、最大限の政策効果と全体最適のバランスをとりながら、柔軟かつ機動的に、速やかに行っていくことが必要だと思います。

 2点目は、そのこととも関連しまして、今後のことを考えますと、再生可能エネルギーの中でもベストミックスを考えるべきではないかと思います。そして、そのときには、単に実現可能性や安全性や発電量という観点だけではなくて、発電コストは当然ですが、それに加えて地球温暖化対策、あるいは地域に対する雇用の創出、そして地域の活性化等々の観点から検討を進めることもやっていかなければならないのではないか。そのことを申し上げ、意見といたします。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 それでは、田中委員、鳥原委員の順で。

〔 田中委員 〕 ありがとうございます。私は、再生可能エネルギー予算に関して申し上げたいと思います。先ほど主計官が適切な出口戦略が必要だとおっしゃったのですが、全くそのとおりだと思います。このままだと補助金漬けになってしまうと思います。やはり補助金、計画を査定する段階で、どのように民間資金を導入でき得るのかというプランもあわせて申請書に書かせるなどの工夫が必要ではないかと思います。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございます。

 鳥原委員。

〔 鳥原委員 〕 ありがとうございます。電気料金の値上がりが大きな問題となっておりますが、産業部門では震災後、全国平均約3割に及ぶ電力コスト上昇が生じております。北海道電力が昨年に続いて、11月から約2割の再値上げを実施しましたが、こうして電力コストが高止まりし、さらなる上昇が続けば、中小企業、地域経済に甚大な影響を及ぼすことが強く懸念されます。

 以上のような観点から3点申し上げますが、まずは何人かの方もおっしゃいました通り、安全が確認された原子力発電の再稼働による電気料金上昇の抑制と、今非常にリスクを抱えている電力安定供給の確保を早急に図ることが、目下の最優先の課題だと思います。

 次に再生可能エネルギーについてですが、これは導入の推進と国民負担の抑制を最適な姿で両立させることが大事であって、より安価で安定的な再生可能エネルギー電源の導入を推進していくことを基本に、現状のような非住宅用太陽光発電に偏って大幅な国民負担上昇が懸念される固定価格買取制度は、早急に抜本的な見直しを行う必要があると思います。

 第3に、省エネルギーにつきましては、無資源国の我が国のエネルギー政策の最重要の課題だと思います。中小企業においても、省エネ設備への更新が推進されていくように、設備投資支援の拡充、あるいは省エネ診断指導の拡充などの施策を引き続き進めていただきたいと思います。

 それから、中小企業信用補完制度の在り方に関して、もちろん当制度が中小企業の資金繰りにおいて非常に重要な役割を果たしていることは言うまでもありませんが、足元では過度な円安が進行して、中小企業の経営上、望ましいと調査上あらわれております95円から105円程度の為替水準を超えており、また、原材料やエネルギーのコスト高も8割から9割の事業者が転嫁困難となっているのが現実であります。こうした要因が中小企業の収支を圧迫している現状です。

 中小企業を取り巻く経営環境の先行きも極めて不透明な状況であるだけに、今後ますます中小企業の資金繰り安定化へ向けた対応の強化が求められており、引き続き信用補完制度の維持、充実をはじめ、十分な対策を講じることが必要だと思います。こうしたセーフティネット機能を維持、充実とあわせて、金融機関が本来持ち得る目利き能力や経営支援機能を発揮していただくことによって、保証や担保に過度に依存しない事業性を重視した融資の拡大、経営改善支援等の取組の充実にも大いに期待しております。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。遠藤委員、板垣委員。

〔 遠藤委員 〕 ありがとうございます。エネルギー基本計画は今年の4月11日に閣議決定されていて、原子力はベースロードで、かつ可能な限り減らし、安全が確認された原子炉から再稼働することが明記されておりそれを前提として政策議論が進むべきだという点について、皆様のおっしゃるとおりでございます。

 34ページにもあるように、現在20基の新規制基準への適合申請がされていて、それらがすべて稼働した場合、電源構成の13%ほどになると思います。もし震災前の原子力依存度の水準に上げようとすると、今あるほとんどの原発が回らないと実現できない状況になっています。政府がエネルギーミックスを提示するのは、おそらく来年の夏以降になると思われますが、再稼働について、難しい状況が続いているということはあると思います。

 その中で、財政的にどのようなことができるのかを考えたときに、可能な限り減らす前提で廃炉になる炉が出てくるでしょうから、電源立地交付金の問題について1つ申し上げたいと思います。現在、運転終了後は一部を除いて立地交付金は途切れますが、地元としては、引き続き更地になるまで継続的に欲しいと要求しています。

 その問題については議論すべき点が残るとは思うのですが、再稼働との関わりにおいては、例えば電源立地交付金を、発電している炉に対して重点的に交付するような形で、財政面でも再稼働をサポートしていく手当てはできないものかという考えを持っております。

 もう一つ、安全が確認されて稼働されていくことに対する財政的支援という意味においては、35ページの、今賠償支援スキームの中で一般負担金という項目が出てまいりますが、ここは電力会社が、東京電力も含めて、炉の発電ボリュームに応じて払っているわけですが、これも安全性の評価によって安全性が高いと認められたものの負担割合を減らすような形で、財政スキームの面からも安全性の確保の後押しができないものかと考えた次第でございます。そのようなご検討をいただきたいと思いました。

 原子力については以上でございまして、次に再生可能エネルギーにつきましてですが、私は基本的には再生可能エネルギーの立ち上がりに対するある種の補助金というものは、最低限は必要だと考えております。今回の固定回価格買取制度の問題は価格設定とあわせて送配電網システムの設計上の問題も大きくあると思われます。分散型の送配電投資が行われるような方向に向かって電力システム改革が始まりつつあるので、そうした送配電網設備等の観点からも、システム改革を進めていくということ観点も、再生可能エネルギーの問題点を長期的にはカバーできるのではないかと思いました。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、板垣委員。

〔 板垣委員 〕 質問2つと、あと私の意見を最後に申し上げます。

 質問2つは、原発停止分の代替燃料費増加分は、2013年度では年間3.7兆円、1日当たり100億円、国民一人当たり年間3万円と書いてありますが、これは海外における原油高、それからアベノミクス政策によってつり上げられた円安、それから場合によっては消費税の増税、この辺のところはどれぐらいの割合でこの金額に入っているのか。そこを検証しないでこの金額を出すということは、やっぱり原発やらなきゃいけないよねという冒頭から誘導尋問に入るようなものであって、主計官、その辺はいかがでしょうか。これが1つ。

 それから、原子力は償却が終わっているものが多く、今、稼働すれば安くなるということは私自身も取材で承知しておりますが、原子力単価1円キロワットアワーと書いてあります。しかし再稼働のための追加設備投資は膨大なわけですね。例えば中電さんは防波堤。そのような金額を計算に入れてキロワットアワー当たり1円という数字が出ているのかどうか。これが1つ。

 それと、安全基準をクリアできる新たな新規原発の建設の際の原子力単価というのはいくらか。おそらく大変な設備投資が必要なので、キロワットアワー当たり1円なんていうものでは全く済まなくて、大変な金額になると思うのですが、その辺も出してもらわないと、この資料をもとに客観的に議論することはできないと思います。

 最後に、私の意見を申し上げます。

〔 吉川分科会長 〕 質問を先にしますか。

〔 板垣委員 〕 はい。

〔 吉川分科会長 〕 では、主計官にお答えいただくということでしょうか。

〔 冨安主計官 〕 まず、今、追加の設備とか、そのようなのを織り込んでいるかどうかという話がございましたが、それは織り込んでいません。あくまでも燃料のコストですね。発電が変わることによりまして、それぞれ燃料構成が変わりますので、それによる燃料費の増加分ということで出させていただいております。それで、円安ですとか、消費税の話ですが、そのようなのは勘案しておりません。

〔 板垣委員 〕 それでは、私の意見を述べます。

 以上のように、極めて不十分なデータの中で、我々はここで考えなければいけないということであります。私の意見はというと、太陽光発電を、ピーク電源という位置づけになっていますが、新たな蓄電システムの導入さえあればベース電源になり得るということです。夢みたいなことを言っているのではないと言われるかも知れないので、あえて具体的に言及しておきます。レドックス・フロー電池というのがあって、2年後には実証実験が始まります。これは大量のプラスマイナスの電気を長期間ロスなく保存できるというシステムです。うちのニュースや解説でも既に何度もやっている状況に来ている。

 それから、もう一つは、再生可能エネルギーの電力会社同士の融通を大幅にできるようにすべきである。これは色々な規制がありまして、今自由にできないのです。だからこそ、九州電力のように余ったらどうしようもないからやめてしまえと、このような話になってくる。これは全くマイナスの考え方であって、送電線を通し、電気が不足する他の電力会社に融通すればばいい話。それから、大規模な次世代の蓄電池をつくればいい話であるということであります。

 それから、なぜこのようなことが起きているかというと、この3年間、原発の再稼働ばかりに目が行って、電力会社も経済産業省も対応を怠ってきた。これは間違いなくそうなのであって、私が思っているだけではありません。つまり、そのようなことで、せっかく骨太の方針の中で再生可能エネルギーを加速させると書いておきながら、全く逆張りのことをやっている。そのような状況の中で、この電気料金の値上げの問題だとか、再生可能エネルギーの固定価格買取制度をどうするかということを考えなくてはいけないということなのです。私は、エネルギーの取材をかなりやっていますので、知り得る範囲のことを短時間で今申し上げましたが、そのような情報をしっかりと開示した上で議論して、一体お金をどこにどうつけるのかを考える必要があるだろうと思います。

 それから、遠藤委員が先ほどおっしゃった再稼働する原発への財政サポートはとんでもないと思っております。そんなことをやってどうするのだろう。大反対であるということを強調しておきたいと思います。

〔 冨安主計官 〕 会長、すみません、1点だけ訂正させていただきたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 どうぞ。お願いします。

〔 冨安主計官 〕 先ほどの3.7兆円、為替要因が入っていないと申し上げましたが、大変申し訳ございませんでした。化石燃料消費量の増加による要因が約7割で2.6兆円、為替の影響を除いた燃料価格の上昇による要因が0.7兆円、為替による要因が0.5兆円ということで、3.7兆円の内訳はそのようなことになっております。失礼いたしました。

〔 板垣委員 〕 為替は40%ほど円安になっているのではないですか。

〔 冨安主計官 〕 2008年度から2010年度までの平均と2013年度の比較で今申し上げております。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。財審ですから、活発な議論は大いに歓迎だということだと思いますが、田近委員、お願いします。

〔 田近委員 〕 財審の委員をやっていて、もっとも違和感を覚えている予算の1つが中小企業の信用補完です。49ページにあるように民間金融機関が中小企業に融資したときに、そのリスクを国の公的機関が引き受けると。中小企業がなかなか融資をしてもらえなかったり、何かのショックで経営がうまくいかなくなったりしたときには、リスクを引き受けるというのは必要だと思いますが、民間金融機関が一般保証の場合は2割、セーフティネットの場合にはゼロということだと、借りる方も貸す方もモラルハザードが起きざるを得ないので、せめてゼロはやめて5%でも入れるべきです。

 それから、法人事業税の改革の中で、いわゆる外形標準課税を強化する理由は、利益を生まない赤字法人に外形標準課税をかけてもっと利益を生ませる、あるいはソンビ企業を退治するということですが、ゾンビ企業を退治するならば、まず信用保証を100%国がつけるなどということはしないで、5%でも1%でも民間企業がリスクをとる仕組みにしていただきたい。

 それから、質問ですが、26年度予算で信用補完制度が678億円とあるが来年の要求がなぜまた1,000億円に増えるのか。もう1点は、678億円は当初予算で、補正予算を組んだときになぜこれが増えるのか。

〔 吉川分科会長 〕 では、お願いします。

〔 冨安主計官 〕 信用補完制度につきましては、その年度の状況を見まして、公庫の財政基盤をどの程度強化する必要があるかということで、当初予算、そして年度途中で追加の補正予算という格好で出てまいりますので、現在それを見極めているところでございます。ちょっと現時点でどうなるかは申し上げられません。

〔 吉川分科会長 〕 では、続いて葛西委員、それから倉重委員。

〔 葛西委員 〕 再生可能エネルギー政策の抱える問題点に対する指摘や、安全を確認できた原子力発電の速やかな再稼働など、各委員、あるいは資料で提起されている方向に私は賛成です。

再生可能エネルギーとは、もともと密度の少ないエネルギーですので、原子力発電の代替になり得るようなベース電源になるのは、世界の趨勢から見てもあり得ない話です。例えば砂漠ですとか、離島ですとか、人口密度の非常に少ないローカルなエリアなどでは再生可能エネルギーは効率的だと思いますが、それは採算事業としてでもやれるだけの効率性を発揮すべきであって、補助金でもって全員にかぶせるというのは、もともとの政策が間違っているのではないかと思います。ですから、再生可能エネルギーは、使い道はあるのですが、使い方は非常に限定されているというのが事実で、それは世界の各国でどのくらい再生可能エネルギーが使われるかという実績の表が出ておりますが、それを見れば一目瞭然だと思います。都市化が進んでいるところでは、やはり集中的に原子力発電なり、火力発電を使うのが効率的であり、ドイツだとか、あるいはヨーロッパの北の方は国土に非常に密度が薄く、平べったく人間が住んでいますから、再生可能エネルギーの機能する余地があるかもしれません。ただ、それでもドイツは失敗したということをみずから認めている状況でありますから、再生可能エネルギーについては、すべからく資料に書いてあるような施策を積極的におとりになるといいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。では、倉重委員。

〔 倉重委員 〕 私はどちらかというと、板垣派の立場から物事を申し上げますと、要するに原発を過渡的エネルギーとして将来的に畳むべきだと。その将来がどのくらいの期間かは別にしまして、そのような方向性からして、今のエネルギー基本計画もそのような方向性を打ち出しています。その流れの中で、今回、固定価格買取制度によって、今起きている現象について、皆さん非常にマイナスの評価をされましたが、ある意味ではまさに政策誘導がきいて、このような結果になったという評価もできないわけではない。そのためにはある程度の財政負担があってもしようがないという選択肢もあると。そのような選択肢を大勢の方が持つとは思いませんが、1つ少数意見として入れておいてほしいのです。

 そうしますと、結果的に何が費用として削れるかといいますと、44ページの原発の運転終了後の交付金の打ち切りですね。これは質問なのですが、これは廃炉になれば交付金が基本的にはなくなる。廃炉って一体何をもって廃炉というのですか。廃炉作業もいろいろなタイミングがあると思うのですが。そして、使用済み核燃料貯蔵量に応じて交付する仕組みとは、一体どのような仕組みになっているのでしょうか。

〔 冨安主計官 〕 まず、廃炉につきましては、この仕組みは電力会社が廃炉の届出をしたら、交付金を交付しなくなるという仕組みになっております。廃炉後も使用済み核燃料がある場合には、それに応じた別の交付がございますが、額は大きく下がりますので、実質的にはもともとの電源立地交付金とはかなりかけ離れた額になると思います。

〔 倉重委員 〕 運転終了から廃炉の届出とは、通常そんなにすぐ行くのですか。

〔 冨安主計官 〕 それは、既に電力会社によりましては、これからどの原発を再稼働に持っていくのか、どの原発を廃炉に持っていくのかは、それぞれ検討されているところだと思います。

〔 吉川分科会長 〕 よろしいですか。

 それでは、佐藤委員、遅くなりました。若さの特権と考えてください。

〔 佐藤委員 〕 今日端っこに座っているのでなかなか当たらないのですが。

 簡単に3点ほど。1つ、この省エネなのですが、先ほど32ページでご指摘がありましたように、規制的な手法と補助金を組み合わせていくのはそのとおりだと思うのですが、おそらく省エネのところで大きな問題になるのは、民生の中でも業務部門、具体的にはオフィスだと思います。特に古いオフィスなどではエネルギー効率がどうしても悪いということがあると思うのですが、これは実は耐震化の話にも、構造問題にもつながる話で、防災上も古い建物は非常に危ないということもありますので、省エネだけではなくて、防災の観点から、少し横串になってしまうのですが、2つを一体にした形で施策を打つ。規制も補助金もそのような形でやっていくのが1つの普及促進の手段だと思います。

 普通リフォームや建替えのとき、省エネや耐震化のためだけに建て替えるわけではないので、2つを組み合わせることがあっていいのかなと思いました。あと先ほどから出ている固定価格買取制度ですが、制度設計の時間もなく試行錯誤の中にいると考えれば、逆に誤りは誤りで正すべきところがありますし、いろいろな経済学者が最近言っているように、応募が多ければ、オークションにかけて価格の一番安いところで固定価格にするであるとか、家庭についても、例えば私たちは再生可能エネルギーだけ消費しますという人がいてもいいわけなのですね。つまり、再生可能エネルギー応援割みたいな形で上乗せしてもらうとか。みんなが同じ価格を払う必要は本当はないですよね。そのような感じのことを、1つの新しいアイデアだし、もう既にもうけ過ぎてしまっているところを、再生可能エネルギー事業者で多分これからもうけるだろうというところは、例えばその利益の一部を拠出金として出してもらって、配電施設であるとか、まさに蓄電の開発であるとか、こういったところにお金を充ててもらうとか。今さら起きたことはしようがないので、いろいろと手法は考えられることはあるのではないかなと思いました。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。では、中空委員、黒川委員。

〔 中空委員 〕 ありがとうございます。中小企業向け貸出のことで、先ほど田近委員が、あまり国が頑張らなくていいのではないのかという話をなさったと思うのですが、私もそうだと思っているのです。私、クレジットアナリストというのをやっているのですが、日本ってクレジットマーケットがないのですね。つまり、各自のリスクに合わせた金利を取るという概念がなさ過ぎるので、そのような意味でお金が回りにくくなっています。そうすると、例えば今みたいなときに、中小企業向け貸出を放っておいていいかというと放っておけない。実際に大銀行も信用保証協会の制度があると、マル保、マル信とか言いながらそっちへ行ってしまって、お金が回るのはそのようなときだけという事実があります。

 基本的にはお金を回そうとするためには、クレジットマーケットがきちんとワークをして、金利をそれぞれのリスクに見合って取っていくのが大前提なのですが、それができていない以上は、ある程度国がコミットするのも仕方がないと思います。モデレートにクレジットリスクがとれる方向に持っていくことが大事であろうということでございます。

 あと、もう一つですが、今日おくれてまいりまして、大変失礼いたしました。実はさっきロンドンから帰ってきたところなのですが、1つだけご報告しておきたいと思いました。何かというと、外国人投資家の日本への見方でございまして、今、日本は、先週の金曜日に緊急な日銀の金融緩和がありました。また、GPIF改革。この辺は外国人投資家の興味があるところでして、久しぶりに日本も話題の中心になってきた感じはありました。

 ところが、金融緩和に関しても、結局は、次ECPがどうするかということばかりに移って、日本についてはよかったが、それはそのままですと。あと、消費税率引上げについてもそれほど興味を持っている人もいなくて、消費税率引上げできなかったら、ネガティブだよねという方が多かったと思います。もちろん、株の投資家にしゃべったか、債券投資家にしゃべったかで相当違ってくるとは思うのですが、今、巷間にわりと言われている、外国人投資家は消費税率引上げを少し先延ばしにしても、少しもネガティブには思わないという意見が割と出ているかと思うのですが、そのようなことはないと申し上げておきたいなと思いました。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。では、黒川委員。

〔 黒川委員 〕 ありがとうございます。私は2点、ご意見を申し上げたいと思います。

 まず1点は、環境に関連する再生可能エネルギーと省エネルギー予算のことです。再生可能、あるいは省という、この名前について、もう一度我々は確認をしておく必要があると思います。国債残高について、将来世代の資金の先食いをしているので、非常に問題視しています。これと同じことで、環境問題について見れば、地球資源というものをどれだけ我々の現世代が使っているかという観点を持たなくてはいけないわけです。今いろいろな化石燃料を使っていますが、それも100年とか150年持つのか、石炭とか石油とか天然ガスによって埋蔵量は違っておりますが、将来の我々の子孫たちがどれだけ資源利用の選択肢を持ち得るかという問題です。それを我々の現世代がたくさん使ってしまったら、将来の世代たちの選択肢は狭まる、このような観点がある。だから、枯渇系の資源はなるべく使わないようにしましょうというのが再生可能という意味でしたよね。要するに再生可能なものを使っていれば枯渇しないのだから、将来の子孫のためなのです。年金問題について我々が将来の世代のためと言っているのであれば、これは環境問題についても同じように考えなくてはいけない問題ではないかと思いました。

 それから、2点目ですが、信用補完制度について、私は若い頃に少し研究を依頼されまして、信用保証協会で貸し倒れリスクが高過ぎるから、倒産予測モデルみたいなものを何とか考えてくれということがあったのです。そのときにいくつかヒアリング調査をしてつくづく思ったのは、結局、経済性ないし効率性と社会性との板挟みであります。

 先ほどから意見が出ているのは、どちらかというと経済性とか効率性の問題です。一方の社会性とは主に中小企業です。特に信用保証協会が一番例に挙げていたのは、ソニーの例です。銀行がお金を貸し付けそうになかった小企業時代、信用保証協会が保証したことで銀行からの融資を受けることができ、その後、大きな会社に成長できたのだと。この実績がよく言われています。

 私もどちらかというと経済性派だったのですが、そのときは銀行が中小企業に対してどのような貸出態度をとっていたかというのが問題だったのです。要するに担保を持っていれば貸し出すとかいう銀行の姿勢。どれだけ人材が優秀で、しかもこれから先伸びるような製品を作る企業なのかどうかという目利きがあれば問題ないが、それがなく担保だけで貸しているとなると、新興企業に銀行がお金を貸さないということになる。そうすると、新規の成長企業が出てこないということで、なるべく保証協会としては、そのようなところのセーフティネットというのでしょうか、将来性を見込んで緩やかにお金を貸すことを支援するというのでしょうか、そのような態度・価値観が社会性と私は感じたのです。

 要するに経済性を強調すれば、リスクとリターンとの関係で融資条件を考えるわけですが、なかなか成長性はわからない。あるいは経営者の政治姿勢とか、そのようなのはなかなか融資条件に反映されないというところで、社会性も重視しましょうということだった。この問題は非常に難しくて、私自身は結論を出せませんが、あまりにも経済性一辺倒では日本のこれからの新興企業の育成に対して若干の危惧はあると思います。

 〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。では、老川委員。

〔 老川委員 〕 板垣委員と論争するのは生産的ではありませんので、それは避けますが、固定価格制度の中の太陽光についての価格設定がいかにも無茶だったということは否定できないと思います。しかし、それを改めるということが、あたかも再生可能エネルギー基本計画自体に全面的に逆行するということにはならないので、やはり現実的に可能なものを可能なように進めていくということが大事なのではないかなと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、簡潔に、板垣委員。

〔 板垣委員 〕 簡潔に。老川委員と全く僕はそこは異論がなくて、あまりにも高い値段をつけ、しかもそれを長期間維持する。こんな不合理なことはないわけであって、製品価格の値下がり、工事費の値下がり、いろいろな発電能力の向上、これによって価格を見直すのは当たり前のことであって、私は以前の財審でもそれは申し上げたつもりであります。ですから、私が申し上げているのは、再生可能エネルギーをもう少し大事にしようということです。ただ、合理的な価格の部分については見直しは当然あり得る、このような立場ですので、誤解なきように。

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。

 では、もう一つ議題がありますので、本日最後の「外交関係予算」に移りたいと思います。白石主計官、ご説明をお願いいたします。

〔 白石主計官 〕 続きまして、外交予算につきまして、ご説明申し上げます。

 資料3をお開きください。トピックが3つございまして、1つ目がODA、2つ目が戦略的対外発信、3つ目が在外公館です。

 まず、ODAにつきまして、3ページでございますが、ODAの事業量の構成図を掲げてございます。ODAの事業量というのは、一般会計等で措置されます無償技協、それから財投資金を中心といたします円借款等で構成されます。

 4ページと5ページをあわせてご説明いたしますが、まず、4ページ、左側でございます。一般会計予算におけるODA予算は、97年度をピークに減少しています。一方で5ページにございますが、ODAの事業量、これは円借款を伸ばしているということもありまして、増加しています。

 4ページへ戻ります。4ページの右側のグラフにありますように、財政赤字の大きい国ほどODAを抑制しているという諸外国の状況に鑑みますと、我が国の財政状況を踏まえて、そろそろ国際的な地位という議論を見直して、事業量自身にこだわることなく、抑制に転じていく必要があるのではないかと考えております。これが1点目でございます。

 次の論点でございます。6ページでございますが、いくつか取り上げたいと思います。まず、6ページの卒業国支援というお話でございます。最近、10年ぶりにODA大綱の見直しという議論が行われておりまして、現在、パブリックコメントの手続きに付されております。この議論の過程で、外務省は、ODAの国際的定義としてOECDの開発援助委員会が定めた基準というものを超える国にも開発協力ができるような体制整備が必要という議論を展開しております。本件に関しましては、例えばカリブ海の小さな島嶼国のような災害対応面などで特段の脆弱性が認められる国に開発協力の相手先を限定するということが必要ではないか。他方で、所得が十分に高い国には適切なコストシェアを求めていく必要があると考えております。

 次の論点、7ページと8ページでございます。開発資金としての民間資金の割合が主要国でも増えております。我が国からもマーケットの観点から途上国に流れる民間資金が増大しておりまして、国際的な議論の中でも民間資金の重要性に着目する議論が行われております。このような現状に鑑みますと、ODAの事業量抑制を補う意味でも民間資金による開発投資が付随していく案件形成を行うことにより、少額のODA資金でも最大限の援助効果が得られるような効果を目指すべきだという論点がございます。

 続きまして、9ページでございます。2国間援助案件につきましては、JICAを中心としてプロジェクトごとの政策評価が一定程度定着していると評価できる面がございますが、国際機関向けの拠出金等につきましては、我が国が拠出する戦略的な意味とか、拠出した資金の効果、相手方の国際機関の運用状況などが厳格に評価されて、十分に開示されているという状況にはないと考えております。昨年もご紹介いたしましたが、イギリスにおけるような国際機関に対する厳格な数値評価と開示の方法も参考に厳格な評価を行いまして、成果、効率性などを国民に説明した上で、優先度の低いものについては拠出を停止するとか、拠出額を圧縮するということを真剣に検討すべき時期に来ているのではないかと考えております。

 次の論点といたしまして、「戦略的対外発信」を取り上げたいと思います。11ページ、これは外務省の来年度の予算要求事項の概要を載せております。昨今、領土保全問題、あるいは歴史認識について、対外発信を強化して、国際社会の正しい理解を獲得するために、外務省から総額プラス500億円の予算増の要求が提出されております。その概要が11ページでございます。もとより対外的な発信を強化すべきという政策目的につきましては、外交的にも意味があるものだと思いますが、財政当局といたしましては、その手法や効果については、厳しく検証すべきであるという立場でございます。

 特に、11ページの2にございます「日本の多様な魅力の発信」という点に関してはいくつかの論点があると考えております。12ページにその主要な要求事項であります「ジャパン・ハウス」の概要を掲載してございます。こちらはロンドン、ロサンゼルス、サンパウロなどの主要都市の目抜き通りのビルのフロアを借り上げて、日本ブランド、民間活力、あるいは地方の魅力、こういったものを発信する拠点を形成したいという要求事項でございます。

 この要求に関しては、ソフト面での民間活力や地方の売り込み努力をどのように生かしていくのかという点、あるいは成果の見通し、こういったものが不明確でありまして、少なくとも具体的な成果目標を設定して、国民が事後的に効果を検証できるような仕組みが最低限必要であると考えております。

 さらに、13ページにございますが、現在、ロンドン、ロサンゼルス、サンパウロ、こういった主要都市には国際交流基金や観光局、JETROなどの出先機関もございますので、それらとの重複排除や集約を行う必要があると考えております。

 さらに申し上げますと、14ページにありますように、文化発信という観点から言えば、訪日外国人観光客数が昨年1,000万人を超え、2020年度に向けて2,000万人という目標を掲げて、現在、さらに訪日外国人観光客の数が増えております。こういった現状に鑑みますと、おのずから我が国の文化や魅力の発信が進んでいると評価することも可能でありまして、また、世界の主要都市では、進出した日本の民間企業や在留邦人などが中心となって日本文化発信のイベントが熱心に行われているという現状もございます。国民の税金を投入する分野につきましては、民間ではできない分野とか、あるいは外交的な効果の高いところを見定めて限定していく必要があると考えております。

 次の論点でございますが、「在外公館の新設」についてであります。資料16ページにあるとおり、日本の在外公館数は、大使館が139、それから総領事館が60公館となっています。外務省は、来年度に在外公館で大使館と総領事館を合わせて15公館の新設を要求しております。確かに我が国の大使館数は諸外国でも少ない面はございますが、17ページにございますように、近年は厳しい財政事情のもとでも、外交体制充実の観点から大使館数を着実に増加させている状況にございます。

 ただ、これ以上の新設はどうかという観点から考えますと、18ページをご覧いただきますように、既存の大使館体制のもとでも在留邦人の保護、あるいは進出する日本企業のバックアップ、こういった面でのカバー率は99%を超えておりまして、輸出入の面でも追加的に公館を新設することによる限界効用が高いとは言えないと考えております。

 さらに、19ページ、財政面から考えても、大使館の新設には初期費用、経常的運用経費で各2億円ずつのコストがかかります。最低限のコストとしてかかりますので、かわりに新設するのであれば、既存公館のスクラップを含めた見直しを追求することが大前提ではないかと考えております。

 以上、ご説明した論点は、21ページにまとめてございます。

 以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。では、質疑、田近委員、田中委員。

〔 田近委員 〕 私、JETROの運営審議会というものに出ていまして、11ページですが、先日、この戦略的対外発信の話を聞いて、JETROでも予算増額したいと。そこで、ドラえもんがアメリカに上陸したとか、和食文化をどう広げるかとか、日本酒を至るところで展開していて。余計なことは言わない。

 言いたいことは2点あります。オールジャパンと書かれているので、もちろんそのような気持ちがあるのでしょうが、なぜここでジャパン・ハウスを新設しなければならないのか、あまりにもわからないので。しっかりと説明できるから書いてあるのでしょうが、この資料を見た限りでは私は理解できない。おそらくJETROの施設は在外公館ではないのでしょうね。でも、特殊法人として予算を使っているわけで、緊張感がなさ過ぎるのではないかというのが正直な印象です。

 それから、対外発信も結構なのですが、日本の対内直接投資の残高はたしか18兆円程度で、世界で一番低いです。対外発信も結構ですが、国外から国内に、もちろん観光客も含めてですが、来てもらう。それも重要。これはつけ足しですが、対外発信のこれは、財審も長く出席させていただきますが、まれに見る節度ない予算だと私は思いました。

〔 吉川分科会長 〕 はい。田中委員。

〔 田中委員 〕 田近先生が言ってくださっているのですが、私はちょっと驚きであります。特に、2の戦略的対外発信に関しては、むしろ予算要求の再提出をお願いしたいぐらいであります。

理由が3つあります。1つ目は、官邸に戦略的な広報の予算があることを私は何度か耳にしたことがあるのですが、そことの重複はないか、ぜひご確認をいただきたいです。

 2つ目の理由は、民に任せるものは民にという国の明確な方針があるわけで、それに真っ向から反対の方向に向いているということです。

 それから3つ目、「国際社会の正しい理解を得る」とありますが、この内容を見る限りは特定の三国の問題であると思います。では、国際社会がそれについてどこまで関心があるのかは疑問でありますし、もし国際社会の理解を得たいというのであれば、日本がどれだけ国際的な課題解決に向けてリーダーシップを発揮するかという明確なメッセージを出さないと、正しい日本の理解にならないだろうと思います。ほかにも言いたいことはいろいろあるのですが、やはり外務省には予算要求を再提出していただきたいと私は思います。

〔 吉川分科会長 〕 永易委員。

〔 永易委員 〕 ありがとうございます。非常に厳しいコメントが続いておりますが、私はこのODAの世界、これは非常にいい形で回転しているのではないかと評価したいし、ぜひこれをもう一歩進めることによって、先ほどちょっとコメントがあった民間資金を引き出してくるという循環、これをぜひつくってもらいたいと思います。

 4ページの表でもいいですが、プレゼンスとしては、今のODAは、相対値は落ちていますが、いいプレゼンスを誇っています。いろいろなところへ行っても、この話は必ず出ると。それが商売にも結びついてくるということ。これは何でうまくいったかというと、やはり円借款をうまく使ったから。無償の世界は極力抑えて、その循環を使ったから、いい回転になっているのではないかと思うのですね。

 ただ、今から考えるとすると、それをもう一歩進めてプロジェクト型に変えていけば、ミャンマーなど非常にいい例がありましたね。このような回転をしていけば、いわゆる種銭はそんなにたくさん要らなくて、そこに民間資金が入ることによって非常に大きい威力を発揮するODAになっていくと思いますので、ぜひそのような観点でやっていただいたらいいのではないかという印象を持ちました。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。では、竹中委員、小林委員の順。

〔 竹中委員 〕 ありがとうございます。今日のたくさんの資料で、ほぼ私は納得しながら皆さんの意見を聞かせていただいていたのですが、最後に、田近さんも田中さんも言われたからいいのですが、このジャパン・ハウスだけはもうのけぞってしまって、何なのだ。何のために海外公館とかがあるのかという。ハードを設けて、またいずれここでこのようなイベントをやりますといって、民間の業者さんが群がって、そこにばらまかれてという、それがぱっと目に見える。本当に日本の正しい理解が必要な、喫緊の課題の時期だと心から思うのですが、これはないだろうと。

〔 吉川分科会長 〕 小林委員。

〔 小林委員 〕 今のジャパン・ハウスに絡んでの話をまず1つ。それはおそらくこれ、先ほどオールジャパンという話が出ていましたので、いろいろなところから似たような施策が出されているのではないかと思われるのですね。そのようなところとの重複要求みたいなものがあるのかないのか。これをきちんとチェックしないとまずくて、その上で、本当にこのようなものが要るのか。今の皆さんのご意見を聞いていると、まあ要らないだろうという。私も大体それに近い意見なのですが、それが必要なのかなというのがまず1つ。

 それから、戦略的対外発信について、今、特定の国が世界中に向けていろいろな情報を発信して、それに日本がやや劣勢に立たされているという、そのような現実もあるわけですから、そこの部分は多少幅広に考えてもいいのかなという気がいたします。

 それから、これは質問なのですが、国際機関向けの拠出金に対する検証といいますか、これについては前から何度か出ていると思うのですが、実際にそのような動きは出始めているのでしょうか。効果を検証して全く出ていないから、もう一度ここで訴えるという、そのような話なのでしょうか。

〔 吉川分科会長 〕 主計官、お願いします。

〔 白石主計官 〕 昨年、私の前任が同じ論点を提起いたしまして、財審の場でもご紹介したと聞いておりますが、OECDの中にMOPANという、いろいろな国が国際機関の評価を相互にやり合うミーティングがありまして、これに入ったらどうだというご提案を申し上げたところ、外務省にはご納得いただきまして、その取組には入り始めたということでありまして、外務省も必要性はご理解いただいていると思います。ただ、まだ行政事業レビューシートとかを見る限りでは、なかなか突っ込んだ評価やディスクロージャーがなされているとは思えませんので、我々としてはもう少し改善の余地はあるのかなと思っています。外務省もこれはやらなければいけないという認識は持っていると私は信じておりますが。

〔 吉川分科会長 〕 はい、どうぞ。

〔 小林委員 〕 それでは、その動きが出始めたので、これをさらに推進せよと、あるいはより具体的に深堀りしろと、そのような意味合いで今回出されてきたという理解でいいのでしょうか。

〔 白石主計官 〕 さようでございます。

〔 吉川分科会長 〕 老川委員、それから板垣委員。

〔 老川委員 〕 対外発信が日本は極めて貧弱であるということは、疑いないところで、特に中国、韓国の大変な攻勢ですね。これはヨーロッパからアメリカから、とにかく物すごい勢いでいろいろやっている。そのようなものに対して、日本もしっかり対応していく必要があるということで、僕は対外発信に力を入れることは極めて大事だと思うのですが、ただ、皆さんおっしゃっているように、ジャパン・ハウスという建物をつくれば、それが対外発信になるのだという考え方は、あまりにも外務省的というか、戦略がなさ過ぎるなと。これをつくったからといって、毎日そこでイベントをやるわけでもないでしょうし、もし仮にやるのだとしたら、これまた大変な人手がかかったりするわけで、このようなことは全然不必要かどうかは別問題として、このジャパン・ハウスに2億円とか、在外公館を1つ増やすのに2億円とか、そのぐらいの金があったら、日本講座をつくるとか、大学とかシンクタンクにいろいろ講座をつくってやった方がよっぽど僕は効果が大きいのではないのかなと考えるわけで、それは外務省だけが考えてできる話ではないので、何が必要かは、各省庁、おそらく官邸なり内閣府なり、どこが中心かわかりませんが、総合的に進める必要がある話ではないかと思います。

 しかも、これは機動性が大事だと思うので、日本で対外発信を必要だと思うようなことはすぐ英語で文献にして、それを外国のそれぞれの研究機関に配布するとか、そのような迅速さが必要だと思いますので、そこら辺、もう少し総合的な対策をやる必要があるのではないかなと考えます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。板垣委員。

〔 板垣委員 〕 ジャパン・ハウスという話を聞いたときにふと思い浮かんだのは、在ロシア大使館のプール問題でした。相変わらずだなと思いつつ、知ってもらうことは重要なのでいいのですが、それは今ある大使館の中で何かつくって、あるいは情報発信するとかすればいい話なのに、なぜこのようなものが出てくるのか。このハウスを創設と書いていないので、何か単純なそのような広場のことかなと思うのですが、これは本当に箱物を想定してやっているのですか。それとも、1つのキャッチコピーみたいな形でやっているのか。

 もう1点、意見だけ1つ言わせていただくと、インターネット情報を見て、日本国に旅行に来る人がほとんどにもかかわらず、ジャパン・ハウスを見て、「では、日本に行こう」などという人が一体どれほどいるのかと思います。時代的な誤りというのですかね、そのようなところもあるのではないかと思います。

〔 白石主計官 〕 問題意識は板垣委員と全く同じでありまして、今回ジャパン・ハウスは、キャッチコピーではなく箱物です。ビルの借り上げの経費が初年度は大宗を占める。借り上げとあと改装とか、そのような経費。それから、後年度に至ると、そこでやるイベントの経費だとか、そのようなことが出てくる、そのようなものでございます。

〔 吉川分科会長 〕 文字どおりハウスということですよね。古賀委員、お願いします。

〔 古賀委員 〕 ありがとうございます。在外公館についてご意見を申し上げます。

 主な論点に書いてあるように、とりわけ新設の増設については必要性をきちっと精査することは当然のことだと思います。ただ、資料を見てみますと、現在の在留邦人とか日本企業があるところが非常にスケールになっている、というのは率直に疑問があるわけでございまして、当然のことながら、在外公館がないために、日本企業がなかなか安心して進出できない例を私は知っております。また、加えて、私どもの組織、在外大使館へ派遣をしておりますが、日本企業が少ない国でも大使館は日本の顔として対外発信をしている。極めて重要な役割を果たしていると思います。

 最後に、ここ数年で急速に日本企業や在留邦人が増加し、これからも増加する可能性がある。そんなことを考えますと、ただ単に現在の在留邦人数や日本企業数だけで判定するのはいかがかという率直な疑問です。ぜひ、そのような観点も含めた精査をよろしくお願いします。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。では、佐藤委員、お願いします。

〔 佐藤委員 〕 簡単に2点ほど。6ページなのですが、このODA卒業国に対する支援があって、これもおそらく、ODAが余ってしまったから、貸すところがなくなったのかなという気もするのですが、やっぱりちょっと考えた方がいいと思うのですね。もちろん技術供与は非常に大事だし、そのような技術支援をするとか、民間企業とのマッチングを支援するのはあってもいいと思うのですが、何もサウジアラビアにお金を貸すことはないわけでありまして、お金をもうけているわけですから。お金をくれという方ですね、むしろ。ですから、卒業国支援はもっとターゲットを絞るか、やるとしたら別に公費というか、ODAではなくて、民間資金をとにかく使うことを前提にした方がいいと思いました。

 それから、これは別に外務省の話ではないと思うのですが、戦略的対外発信というときに、我々研究者にとって1つネックになるのは、実は海外の研究者が日本のことを研究してくれないということなのですね。というのは、例えば財審に出てくるようなデータも含めて、英語で発信されないのですね。だから日本の社会保障のことを知っている海外研究者は事実上いないし、日本の財政について関心を持ってくれる人もそんなにいないですよね。大概は日本人との共同研究だったりすることが多いので。ですから、もし戦略的対外発信と言うのだったら、日本のこのようないろいろな情報をデータベースとかをむしろ英語にして、海外の研究者に研究できるようにしてもらえれば、もう少し日本ことをわかってもらえるのではないかという気がしました。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。では、富田委員。

〔 富田委員 〕 大分ジャパン・ハウスのことで盛り上がっているのは当然というか、やむを得ないのでしょうが、やはり予算の本体はもっと別のところに大きな規模があって、本体のODAの事業ですね。それの要求はどうなっているかという話が全然聞けなくて、そちらはどうなっているのでしょう。無償の資金協力の話とか、技協だとかですね。それをちょっとお聞かせいただけるでしょうか。

〔 吉川分科会長 〕 では、主計官、簡潔にお願いいたします。

〔 白石主計官 〕 来年度の要求に関しましては、外務省のODAについては、全体の要求が4,621億円出ております。ODAにつきましては、プラス391億円と対前年比9.2%増の要求が出ております。そのような状況でございまして、今年は対外的な発信ということに力点を置いていますので、ODAの要求自身は例年に比べると若干割を食っている感じになっております。

〔 富田委員 〕 2億円の話で盛り上がっていてもしようがないので、納税者のことを考えれば、今言われた4,621億円がどうなっているのかを議論させていただくのがこの場の主題だと思うのですが。

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 では、定刻ですので、本日の議論は終了とさせていただきます。

 今回の秋の審議では、8月28日以降、27年度予算編成に向けて、総論・各論について審議を行ってまいりました。皆様におかれましては、さまざまな見地から幅広くご議論をいただきまして誠にありがとうございます。今後はいただいたご意見を踏まえ、建議の起草を行い、次回はそれをたたき台として、皆様にお諮りしていきたいと考えております。

 建議を起草していただく委員につきましては、これまでもお願いしてまいりましたが、小林委員、田近委員、土居委員及び富田委員にお引き受けいただくということにしたいと思いますが、よろしゅうございますか。

(「異議なし」の声あり)

〔 吉川分科会長 〕 では、4名の委員の皆様方、ご多忙とは思いますが、よろしくお願いいたします。

 毎度のことですが、本日の会議の内容の公表につきましては、私にお任せいただき、会議後の記者会見で紹介させていただくことにさせていただきます。会議の個々の発言につきまして、皆様方から報道関係者等に対してお話をすることのないよう、大変恐縮ですが、ご注意いただきたいと思います。

 次回は、11月14日金曜日16時から予定しております。

 それでは、本日はこれにて閉会いたします。

 午後 5時38分閉会

 

  

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