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財政制度分科会(平成26年10月20日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録
平成26年10月20日
財政制度等審議会


 財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

平成26年10月20日(月)10:02〜12:32
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

1.開会

2.公共事業について

3.農林水産について

4.基金等について 

5.閉会

配付資料
○ 資料1      社会資本整備を巡る現状と課題
○ 資料2      農林水産関係資料
○ 資料3      基金等関係資料    

出席者

分科会長 吉川 洋           

宮下副大臣
御法川副大臣
大家大臣政務官
竹谷大臣政務官
田中主計局長
岡本次長
太田次長
西田次長
新川総務課長
寺岡調査課長
山本司計課長
窪田法規課長
堀内給与共済課長
片岡大臣官房参事官
阪田主計官
余島主計官
白石主計官
冨安主計官
青木主計官
井藤主計官
宇波主計官
彦谷主計官
高村主計官
小野主計官
井口主計官
中山主計企画官
内野主計企画官

分科会長代理     田近 栄治  
 委員

秋山 咲恵
井堀 利宏
岡本 圀衞
倉重 篤郎
古賀 伸明
角   和夫
竹中 ナミ
田中 弥生
土居 丈朗
富田 俊基

 臨時委員

赤井 伸郎
板垣 信幸
遠藤 典子
老川 祥一
大宮 英明
葛西 敬之
佐藤 主光
末澤 豪謙
十河 ひろ美
中空 麻奈


  

午前 10時02分開会

〔 吉川分科会長 〕 ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。委員の皆様にはご多用中のところご出席いただきましてありがとうございます。

 本日は、まず公共事業、農林水産、及び基金等について、事務局より説明していただき、それぞれについて質疑を行うこととしております。2時間30分の長丁場ですので、公共事業の質疑が終わったところで休憩をとりたいと考えております。

 なお、鳥原委員におかれましては本日欠席のため、意見書をご提出いただいており、皆様のお手元にお配りしております。

 では、早速議事に移らせていただきます。まず、公共事業について、小野主計官より説明をお願いいたします。

〔 小野主計官 〕 小野でございます。それでは、まず資料1の1ページをお開きいただきたいと思います。目次のところですけれども、社会資本整備ということで、大きく4つ、公共事業関係費の総論。それから足元、人手不足の問題等いろいろ話題になっておりますので、担い手の問題。それから地方創生、まち・ひと・しごとということで、公共事業も大いに関係するところがありますので、地方の活性化ということで資料を出させていただきます。それから、昨今の非常な豪雨災害等々も踏まえて、防災対策ということで1つ項目を設けさせていただいております。

 2ページは、この春に当審議会でお出しいただいた提言でございまして、基本的に今回も総論的な今後の基本的考え方ということでは変わりません。説明は省略いたします。

 3ページ、ご覧いただきますと、公共事業関係費の推移でございます。当初予算が青、補正予算が赤ですけれども、当初ですと平成9年度、補正ですと平成10年度がピークになっておりまして、それ以降はずっと傾向的に下がってきておりまして、ここ2年ほどは、ほぼ前年横ばいで推移してきております。

 4ページ以降が、昨年からずっとご議論いただいておりますけれども、既存の社会資本の維持管理あるいは更新といったテーマでございます。4ページの表は、以前にもお出ししたと思いますけれども、社会資本、左側が道路の橋梁、右側が下水道でございますが、建設年度がいつかというものを並べたものでございます。ご覧いただきますとわかりますように、橋梁の場合は1960年代からピークを迎えまして、そのような形で整備が進んできていると。下水道の方は、下水道普及率が高まるのが遅れたものですから、もう少し後ろの方に山が来ております。

 ただ、これはいずれもコンクリート構造物がメインになりますので、50年、60年経つと更新期を迎えるということで、その維持管理・更新費用がまさにこれからかかってくるというのが左下の数字でございます。これは国土交通省所管の社会資本について推計値を出したものですけれども、足元、大体維持管理・更新の費用ということで、3.6兆円ほどかかっているものが、10年後、20年後には最大1.5倍ぐらいに上がっていくという、いわば自然増のような形で増えていくという姿でございます。

 こうしたことを踏まえまして、5ページでございますけれども、昨年11月に政府でインフラ長寿命化計画というものをつくっておりまして、これを元に国はもちろん、インフラを管理する地方公共団体においてもそれぞれ長寿命化計画をつくってくださいというお願いをしております。

 5ページの下の方、日本再興戦略の抜き書きを書いておりますけれども、国や地方公共団体等の各インフラを管理・所管する者は、2016年度末までにインフラ長寿命化計画を策定するということになっております。このようなものができてきませんと、国からいろいろなものの施設に補助を出す場合に、無駄なものをつくることになりかねません。これも一番下のところ、昨年の行政事業レビューの結果でございますけれども、将来推計に基づく維持管理マネジメントを実施している地方公共団体に対しては、配分を優先するべきです。一方で、取組がおくれている公共団体に対しては、例えばペナルティーを与えるということを含めてインセンティブを付与することを通じ、一層のめり張りをつけるべきではないかというご提言もいただいているところでございます。

 6ページ、7ページに、先進的な自治体の例ということで、さいたま市が既にこのインフラ長寿命化計画をつくっております。左側を見ていただきますと、さいたま市の場合は、現状と課題の所です。平成37年ごろから人口減少に転じるということで、それに伴って公共施設の改修・更新コストが上がっていくと今後40年平均で155億円不足ということで、23年度予算の2倍以上のお金がかかる見込みをさいたま市では立てております。

 それを踏まえて、全体目標ということで、いわゆる図書館、体育館、学校といった箱物と、道路等々のインフラに分けて原則を立てまして、箱物については新規整備は行わず、更新する場合は複合施設にすると。さらに、全体の床面積で15%の縮減というキャップをはめると。インフラについては、なかなか道路みたいなものを更新しないですとか、総量を縮減することは難しいので現在の投資額を維持する、ライフサイクルコストを縮減するといった目標を立てて、具体的に分野別に、アクションプランをつくっております。

 箱物については、そこにございますように、規模を縮減する方向で、具体的に目標を示していると。それからインフラ、道路については、いろいろな検査を定期的に実施するといったことで、ライフサイクルコストの縮減を図る。さらに公営住宅等については、集約化等も含め、敷地の有効活用を検討することも入っているということであります。

 この結果、さいたま市によると、先ほど現状の予算の2倍以上かかると言ったものが、このような取組によって、将来に渡って現在の予算の1.1倍程度に収まるのではないかという見通しを立てておりまして、コストが10%上がる分についても、さらにインフラ分野で分野別の長寿命化計画をつくり、いろいろな取組でコスト縮減を図るといったことで、問題意識を持っている自治体では、このようなものをつくって実際に取組を始めているということでございます。

 8ページでございます。先ほども申し上げましたが、インフラの管理者は、実はほとんどが地方公共団体でございます。円グラフをご覧いただきますと、橋梁にせよ下水道にせよ、国直轄はほとんどなく、自治体管理、特にその中でも市町村の割合が圧倒的に多いことが見てとれると思います。基本的に、つくる場合には国からいろいろな形で、補助金、交付金といった形で支援が出ますが、維持管理は管理者が自分で負担するということで、これは全て地方の単費になります。

 そこに決算ベースの地方公共団体のインフラの維持修繕費の推移を掲げておりますが、おそらくこれからいろいろなものの更新が増えてくるにしたがって、そもそも地方において、今見ていただいたさいたま市のように、将来を見通して維持管理費用の効率化を図る、あるいは財源面では自主財源を確保するといったことに意識を持って対応していただきたいということでございます。

 以上、維持管理の話でありまして、9ページに新規整備についてということで、これも昨年から何度もご覧いただいております。道路にせよ、下水道にせよ、整備水準は相当上がってきております。したがって、これから人口が減っていくこと、さらに、今見ていただいたような維持管理費用が増加していくことを踏まえると、新規投資についてはこれまで以上に厳選していく必要があるのではないかということでございます。

 10ページですけれども、PPP/PFIの活用ということで、ここでは政府が掲げておりますアクションプランの数字、いろいろな民間資金の活用で、全体で10年間で10兆円から12兆円ぐらいの事業をやっていこうという目標があるわけですけれども、そのうち特に公共施設等運営権、いわゆるコンセッションを使う分野については、前倒しで3年間で2、3兆円という目標を達成しようということです。下の方にありますように空港を始めとして、こういった分野について3年間でこのようなコンセッションをやっていこうという目標を立てております。

 右側、11ページでありますけれども、効率化を引き続き進めていくことも重要ということでありまして、効率化・生産性の向上は、国土交通省自身が今後とも年間0.5%程度の効率化が可能であると言っているところでありますけれども、いろいろな取組で、おそらくこれを超えることも可能ではないかという、これは1つの例でございますけれども、直轄河川の堤防の除草でありますが、これはいまだに非常に労働集約的で、人力でやっているところがかなりの部分を占めます。

 ただ、昨今いろいろな機械が改良されてきたこともあって、実は今年、予算執行調査を行った結果、詳細は省略いたしますけれども、右下の赤の囲みでありますが、今、延べで年間で34万人ぐらい、人日ベースで使って堤防除草をやっておりますけれども、大型の機械等を入れれば、そのうちの5万7,000人分は省力化できると。もちろん、機械導入の初期コストはかかりますけれども、まだまだ効率化の余地が社会資本整備の分野にはあるのではないかということで、こういったことも追求していく必要があります。

 12ページが、今ご説明したことをまとめたものでございます。最初の丸あたりは、春にご提言いただいたのと同じであります。インフラ長寿命化計画を策定して、計画的・効率的に取り組んでいくことが必要であるということです。特に国においては率先垂範して、まず維持管理・更新をどのような方針で行うか、さらにその費用見通しはどうかということを自ら示していくことが必要だと思っておりまして、このようなことを2番目の丸に書かせていただいております。3番目の丸ですけれども、国としても地方が行う老朽化対策を支援していく必要がありますが、きちんとした計画を立てた団体向けに予算配分を重点化するといったことも重要ではないかと。その際、単に計画が策定されているかだけではなく、その中身が人口減少等の状況を踏まえたものになっているか、きちんと費用見通しを踏まえた自立可能なものとなっているかということを厳格に見極めていく必要があると。

 それから、次の2つの丸ですが、新規投資はこれまで以上に厳選していく必要がある。それから、PPP/PFIといったものは積極的に活用していくということで、最後の丸ですけれども、老朽化対策費用については、もちろん効率化していくことが前提ですけれども、それでもなお一定規模の増加は見込まれていく中で、新規投資はこれまで以上に厳選していくとともに、民間資金、技術革新の導入等によって一層の効率化を進めるということで、公共事業関係費の全体規模については今後とも抑制を図っていくべきではないかということでございます。

 以上が総論でございまして、次が担い手問題であります。14ページをご覧いただきますと、ここはいわゆる社会資本を担うところの建設業のイメージでありますけれども、そこに建築とか土木とか書いてありまして、実はあまり目立たない話ですけれども、災害などにおいても非常に建設企業は役割を果たしているということで、例えば先日の広島の土砂災害などでも、警察・消防等々が出ていく前提として、実は地元の建設企業が重機を出して、まずは道を開くということで協力しているといったこと。それから当然、降雪地においては除雪等々も建設業がやっているということで、ある意味、地域においてはなくてはならない部分もあるということを、改めてご理解いただければと思います。

 足元の建設労働者の不足状況ですが、右側は平成21年以降のデータです。基本的には趨勢的に不足度が高まっているということでございます。

 これは短期的な動きですが、16ページをご覧いただきますと、もう少し長い期間でとってあります。実は建設労働者はピーク時から既に3割近く減っていると。特にそのうち技能労働者と言われる人たちもかなり減ってきておりまして、しかも高齢化問題が深刻になっているというのは右のグラフであります。これは他産業、全産業の数字も入れておりますけれども、それと比べましても、建設業は約3割が55歳以上になっております。

 こうした状況の中で、17ページ以降の資料は、事実の説明です。公共事業が実は一昨年あるいは昨年の補正でかなりの金額をやり、公共工事が多く行われていることによって昨今の人手不足等々を惹起して民間の投資を阻害しているのではないかという声も一部見られます。それについては、そのような面が全くないとは申し上げませんが、必ずしもそうではないのではないかというのがこの資料であります。

 実は、いわゆるインフラ整備の中には土木と建築と大きく分けることができまして、左下にございますように、公共投資と民間投資で中身を見ますと、公共投資の場合は、直感的にもお分かりのように道路ですとか、河川改修ですとか、そのようなものが大きな割合を占めますので、土木が9割でございます。民間の場合は建築が8割でありまして、実はこれ、中身がかなり違います。

 では、人手は共通しているかというと、右側、受注者側の体制を見ていただきますと、建設業者全体の8割が、実は土木か建築かの専業であるということであります。それから2割の部分については、両方行っているという会社もございます。この中にはスーパーゼネコンといった大手が当然含まれるわけですけれども、スーパーゼネコンなども中身を見ますと、会社の中で土木部、建築部で分かれておりまして、しかも従事する技術者が違うことも、右下にございます。

 従いまして、必ずしも公共工事が増えていることによって人手をとられて民間工事が阻害されることは、ストレートには言いにくいのではないかということであります。もちろん、全体の事業量が増えておりますので、例えばトラックの運転手が足りない、あるいは重機の運転手が足りないといった部分での影響はあるかとは思いますけれども、メインのところではそれほど大きなものではないのではないかという、一例の資料でございます。

 18ページですけれども、公共事業自体も、一部報道等で不調・不落等の話題もございますけれども、そこにございますように実施目標というものを掲げて、今6月末までの数字が出ておりまして、予定通り実施できているということでございます。

 19ページに労務単価の推移を載せてございます。左側の、棒グラフの部分が公共工事設計労務単価ということで、いわゆる国が直轄工事を行う場合の予定価格に使うための労務単価でございます。これを引き上げていることが、また市場単価を引き上げているのではないかという、お話も一部ありますけれども、実はこの単価というのは、市場の単価を、実勢を反映して事後的に引き上げているものでございまして、赤が市場実勢の動きであります。この設計労務単価とは、原則年に1回決めるものでございまして、このような動きを反映して事後的に決めている結果、そこにあるように上がっているということでございます。ただ、見ていただきますと、平成9年度の時期などに比べますと、まだ水準的にはそれ程高くないと。それから、その上で建設業の労働者の平均年収を右側に掲げておりますけれども、製造業に比べてもあまりよくない状況にあるということでございます。

 20ページでございます。こうした人手不足の状況を踏まえて、実は建設業の業界からは、最初に見ていただきました公共投資を長年減らしてきたということで、労働者が出ていったと。したがって、公共事業を増額すれば、人が戻ってくるのではないかというご要望もいただいております。ただ、そもそも人口が減っていくということ、それから、建設業の就業者数についても、そこに推計を載せておりますけれども、かなり楽観的な見込みをしたとしても、現実に減っていくということでございます。

 したがって、今後どうしていくかについては、公共事業を増やすというよりは、むしろ施工面で、例えばそこに函渠工の例を掲げておりますけれども、従来、場合によっては数百人規模の型枠工さん、鉄筋工さんを使ってコンクリートを打っていたわけですけれども、物によってはプレキャストといった、工場でコンクリートの板をつくって現場に持っていって組み立てるといった新しい技術も出てきております。したがって、このような新しい技術も使いながら対応していくという工夫の必要があるのではないかということです。

 建設業の問題については、私どもも財務局を通じてヒアリングを若干実施しております。右側にその結果をまとめておりますけれども、確かに現状、特に技能労働者を中心として人員が確保できていない状況があるのは確かであると。では、今後どうするかということですが、ヒアリングの対象企業の約6割が、人あるいは機材への投資を増やすという意見でございます。

 ただ一方で、増やそうと思っても人材が不足している、あるいは今後大幅な売り上げ増も期待できない、能力を持った人材がいないといった問題も指摘されております。マル3の公共事業の見込みが人材採用等の方針に与える影響ということですが、今程度の水準でいくのであれば、増員はしたいけれども、なかなか応募が少ないので難しい。いずれにせよ今後、公共事業は維持修繕がメインになるので、積極採用にはつながらないのではないかということで、現場レベルではかなり現実的なことを踏まえたご意見が出ているということではないかと思います。

 22ページでございます。これは、財審の場なので、あまり建設産業ということをプレイアップするつもりもありませんが、ご案内のように建設業、特にゼネコンがいろいろな工事分野ごとに実際の工事を行う方々が分かれていて、その中で1次下請、2次下請、3次下請ということで、非常に重層的な構造で、末端に行くほど零細な事業者が多いということです。下にありますように、社会保険に入っていない方々もたくさんいると。さらに、週休2日制の普及状況などを見ても、かなり少ない状況であるということでございます。

 以上を踏まえてまとめたものが右側、23ページでございます。詳細は省略いたしますけれども、一番下の丸ですが、今申し上げましたように、これまで以上に省力・効率的な施工を可能とする技術革新・工夫を追求していく必要があるほか、これはむしろ国土交通省の仕事だと思いますが、産業政策として将来の建設業の在り方についての検討も必要ではないかということを書かせていただいています。

 以上、担い手問題でございまして、次は地方の活性化でございます。

まず東京の問題ということで、26ページは東京の国際競争力です。左側に都市総合ランキングで4位となっておりまして、実はこれは再興戦略の中で、2020年までに3位以内に入ることを目指すという方針が掲げられております。国内における大企業の本社、あるいは外国法人の出先ということも、過去半世紀前と比べても全く変わりなく、東京は重要な地位を占めているということでございます。

 今回、インフラ整備の回ということで、東京の自然災害リスクの資料を掲げさせていただいておりますけれども、これはある保険会社が独自の指数で世界の都市を比較したものであります。見ていただくと、びっくりするぐらい東京の危険度が高いことになっております。右側に一例として、いわゆる密集市街地ということで、これは国土交通省が公表して、これをなるべく解消していく必要があるということですが、東京都でもまだ1,600ヘクタールを超える密集市街地が残されているという問題があります。社会資本整備の面では、このような面にどれだけ対応していくかということも重要な課題かと思います。

 28ページには介護施設の定員が、特に東京を中心にして足りなくなるという、これは先週、増田委員のご説明の中にもありましたので、省略させていただきます。

 29ページ以降が地方の話であります。東京に人口が集中する一方で、地方の人口は減っていくということで、そのグラフにありますように、3割以上減る自治体が半分以上あるということであります。右側に、1人当たりの財政支出と人口密度の関係が掲げてありますけれども、このようなことを考えると、自治体の中でも都市機能のコンパクト化を進めていかないと、なかなかインフラ整備の面でも対応できないのではないかということです。

30ページもまた、先週の夕張市長の資料から抜粋させていただきました。これも説明は省略させていただきます。

 なるべくこういった都市機能の集約を図っていく必要があるということですけれども、31ページですが、そのためにもちろんお金を使うという面もありますが、その前にいろいろやることがあるだろうということです。実は都市再生特別措置法の改正法が今年の5月に成立しておりまして、これは今までの都市計画の中に新しい概念として、居住誘導区域、都市機能誘導区域といった、都市機能を集約する区域を設けて、その中で建築規制等々を緩和するというものであります。したがって、周囲からいろいろなものを集約するときに、例えば物を建てやすくするといった規制面での仕組みであります。

 それに伴ってマル3で、税制もそれを後押しするものを入れているということであります。さらに、その中に国有財産なり公有財産なりがあれば、うまく使っていただく工夫も必要であるということで、直接お金を入れる以外に、こういった規制面、税制面等々のいろいろな施策を総動員していくことが重要であるということでございます。

 その上で、国としてどのような支援をするかということで、国土交通省予算の中で地方のインフラ整備に対する支援ということですと、圧倒的なのが社会資本整備総合交付金でございます。これは、32ページにありますけれども、従来国が道路なり港湾なり住宅なりということで、個別の箇所づけをして配っていた補助金を、平成22年度からこの仕組みになっておりますけれども、交付金という形で地方が計画を策定して、その計画に対して配分すると。計画の中であれば、個別箇所への配分は地方の判断でできるということでございまして、例えば計画ローマ数字1というものを見ていただきますと、道路A、B、C、それから港湾が入っていますけれども、道路と港湾をミックスした計画でも構わない。その中でのいわゆる流用は自由であると。しかも効果促進事業というものがありますが、これはこのようなハード整備を促進する際に、あわせてやることが効果的だと思われる事業。仕組みとしては、ソフト施策も含めて地方の自由度をかなり高めるということで始めております。平成22年度に始めておりますが、この中身を最近見ておりますと、いろいろ改善の余地があるのではないかというのが次ページ以降であります。

 まず33ページでありますけれども、実際に地方の整備計画の中身を見てみるとどうかというと、赤の囲みでございます。1つには、場合によってはあまりにも事業費が大き過ぎると。東京都ですと5年間で3.7兆円ということですから、単年度で6,000億、7,000億円という計画に対して、箇所づけをせずに地方に渡しているということで、地方がその中で優先順位をどのようにしているのかということは、必ずしも明らかになっていない。

 それから、2番目の赤のところですけれども、都道府県を見ますと、国の直轄は全て、例えば道路事業については個別の事業についてB/C評価を行っております。ただ、地方の中には、B/C評価をそもそも行わない団体もございます。

 それから3番目の赤の囲み、これが一番問題かもしれませんが、最初に申し上げた、いわゆるインフラ長寿命化計画を今、地方でつくっていただくことになっておりますけれども、その前提となる中長期的な維持管理や更新費用といったものを、そもそも7割の地方団体で把握していないといった状況になっておりまして、このような状況の中で、地方で重点的な配分を行っていただく、あるいは国としてそれを確認できる体制のためにどのようなことが必要かということが課題だと思っております。

 次、34ページでございます。地方の計画の中を見てみましても、実はそこにありますように、道路、下水、河川といったように縦割で交付金を配っている例が極めて多いです。最初に申し上げましたように、これは実は、例えば道路と港湾といったように横割で計画をつくることも可能な仕組みになっているのですが、実態としては地方の組織も縦割になっているものですから、同じように縦割で配っていると。

 縦割自体がよくないというよりは、果たしてうまく効率的にできているかということであります。例えば、道路と下水の計画の中でも、必要があれば、国交省の承認を得て流用もできる仕組みになっているにもかかわらず、実はある自治体では、そのようなことをせずに100億円以上の不用を出したということでございます。

 したがって、このようなやり方は見直していく必要があるのではないかと。特にコンパクトシティといった課題もある中で、果たして縦割のままで、本当に分野横断的な取組ができるのかといった問題意識を、青の囲みの中に書かせていただいております。

 35ページですけれども、これも交付金のメニューの中に、本来国土交通省の補助事業ではないものであっても、コンパクトシティのようなものをやっていくということであれば、この下に例があります学校、図書館、博物館、医療施設等々、いろいろなものに補助が出ることになっております。

 この中身を見ますと、基本的には都市機能の集約が前提になっているはずなのですが、必ずしもそうではない、全くの新規整備が含まれているということでありまして、このようなことがあれば、そもそも国として支援すべきかどうかという問題にもなってきますので、安易に箱物整備を助長することのないように、補助のやり方は変えていくべきではないかということでございます。

 次のページですが、最初に申し上げましたように、この交付金の中には効果促進事業というものがありまして、ハード整備に付随して、その効果を高めるようなソフト面も含めたお金を、全体の事業費の2割以内で使えるということになっております。いろいろなものがあるのですが、これも中を見ますと、かなり問題になるものが含まれているということでありまして、そもそも受益者負担によるべきではないかというもので、例えば民間住宅に太陽光パネルを設置するといったものに国交省が補助を出していると。さらには基幹事業との関係が曖昧だということで、道路を整備するのに空港用の化学消防車を買っているとか、右側ですけれども、道路整備にあわせて県庁施設の耐震化工事に国の交付金を使っているものが見られまして、このようなこともよく中身をチェックできる、あるいは使途を制約する仕組みが必要ではないかと考えるところであります。

 37ページに若干まとめております。私の考えとしてまとめさせていただきます。最初の丸ですが、東京の国際競争力を強化していく必要がありますけれども、他方で防災上の課題など各種の課題がありますので、これには対処していく必要があるということであります。東京への人口集中に歯止めをかけるためには、地方都市の中でも一定の人口維持が可能な中核的な都市に、例えば高度医療施設、大学等の高次の都市機能を集約していくことも重要であろうかと思っております。

 2番目と3番目がコンパクトシティでありますけれども、これについては、まずは新たな箱物建設にならないように、将来の維持管理・更新費用の見通しをきちんと踏まえた対応が必要ではないかということ。それから3番目の丸ですけれども、財政によるインセンティブづけには限度があるので、建築規制あるいは税制といった各種ツールを総動員していく必要があるのではないかと。そのときに、いわゆる規制緩和といったインセンティブを基本的には使っておりますけれども、例えばきちんとやらないものに対しては、予算配分を遅らせるといった措置も考えていく必要があるのではないかという問題意識です。

 それから、国交省の大きなツールとしての交付金については、今ご紹介した問題があることをまとめております。

 以上が地方の活性化ということでございます。

 最後に防災対策ということで、39ページ、40ページをお開きいただきたいと思います。これもご案内のように、上に南海トラフの例を出しておりますけれども、地震の被害想定も昨今、非常に大きくなってきております。それから、明らかに雨の降り方が変わってきておりまして、1時間で50ミリメートル以上の雨が圧倒的に増えております。完全に気候が変わってきており、おそらく災害対策ということですと、今までと次元の違った取組をする必要があることは間違いないと思います。

 では、そのためにどうするかということですが、41ページです。ハードで全て対応するということでは、そもそもお金もありませんし、すぐには整備できないので、現実的ではありません。したがって、例えばハザードマップをつくる。あるいは、新聞記事が見えなくて恐縮なのですけれども、徳島県では地域住民が自分たちで資金を集めて、自分たちだけが逃げられる、いわゆる大きな道路ではない、本当に住民が逃げられるような避難路を有志で整備しているといった例もございます。さらに、タイムラインみたいなものをつくっていくといったことも重要でありまして、このような地方の取組によるソフト対策を重視していくことを前提にして、ハードについては優先順位をつけながら進めていく必要があるのではないかということでございます。

 最後、42ページに、広島の災害を受けまして土砂災害防止法が本国会に出されております。これは都道府県基礎調査を実施して、それをイエローゾーン、レッドゾーンと言われる区域に分けていくわけですけれども、なかなか地元のいろいろなご意見もあって、取組が進んでいないということがございます。したがって、今回の改正のポイント、一番下にいくつか掲げておりますけれども、まずは一番左ですが、都道府県が行う基礎調査というものの公表をまずは義務づけることから始めようということで、あわせて右にあることも含めた改正案が出ているということでございます。

 右側に、今申し上げたことがまとめてございます。

 私からの説明は以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明に対して、どなたからでもご意見、ご質問、お願いいたします。いつものように名札を立てていただけると幸いです。

 それでは、赤井委員、老川委員、大宮委員、お願いします。

〔 赤井委員 〕 ありがとうございます。インフラのガバナンスについて研究させていただいているので、簡単に意見を述べたいと思います。

 目次の前の3つに関して。まず1つ目の社会資本の維持管理の仕組みづくりは、5ページにもありますように長寿命化計画など、いろいろな仕組みはできておりますので、時間のかかる部分もあるのですが、今後の人口減少社会を見据えて、スピード感を持ってこの方向でしっかりと進めていくことが大事なのかなと思います。

 2番目の担い手に関しては、15ページにあるように、人口減少の流れで人手不足が起きていることは事実ですので、効率化、生産性向上策を含む、こちらは戦略づくり、仕組みづくりが大事かなと。社会資本の維持管理については、これまでで仕組みづくりはできているのですが、担い手に関しては十分できていない気がしますので、そちらをしっかりやっておくべきかなと。

 3番目の地方の活性化についてですが、内閣府の「選択する未来」という会議の中に、地域の未来ワーキング・グループというのがありまして、そちらでも議論させていただいているのですが、簡単に4点ほど。

 1つ目が、コストのかからない人口減少に耐える地域づくり。これはコンパクトシティですね。ずっと言われているのですが、これをしっかり進めていくこと。

 2番目に、最近は地方創生として、東京から地方へ人の流れを戻すべきだということが出ているのですが、東京集積のメリットも十分ありますから、そこはメリットとデメリットを見極めた、エビデンスに基づく議論が必要なのかなと思います。災害という話になると、なかなか東京のデメリットをどう測るかというのはあるのですが。

 3番目に、地域においても、34ページにあるように交付金があるのですけれども、自由度が高い分しっかりと結果を見ていかないと、ここで出されている問題点もあると。

 そして最後に4番目ですけれども、さらに新たな交付金ということで、予算を積み増すという議論があるのですが、地域活性化は重要度が高いので、ある程度成功確率の高い事業はなされているはずなのですね。そこに新たに自由なお金を渡しても、なかなか成功しないと思われますので、実際気づいていないことを気づかせたり、住民の意識を変革させたり、人材の活用とか育成につながるような形で、それを促す仕組みでのお金の配分が必要なのかなと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。では、老川委員。

〔 老川委員 〕 どうもご説明ありがとうございました。私はこのような問題は素人ですが、2つだけ意見を申し上げたいと思います。

 1つは、いわゆる維持管理の問題で、34ページで交付金に関連して縦割のことが指摘されているのですが、これは全くその通りだと思うと同時に、これは単に交付金だけの問題ではなくて、日常の維持管理のところでも同じような問題が出ているのではないか。つまり、道路、橋、それぞれの管理主体が違うと。例えば道路は県道だけれども、橋は市だとか、あるいはその逆もあるのですが、そのような具合になってしまっていて、ここがおかしいということはわかっていても、それは自分たちのところではないからというところで放置されて、後で大きな事故になってしまったり、そのような問題が現実にいくつか報道されたりしておりますので、維持管理のところでの自治体間の、県、市町村、それから国の連携プレーということを少し強調したほうがいいのではないのかなと思いまして、12ページのまとめのところで、指摘されたらいいのではないかという気がします。

 もう1点は担い手、人材確保のところですが、現実に人口が減っているわけですから、建設業、土木業に人を回せと言ってもなかなか難しいと思うのですが、ここで私が申し上げたいのは、学校教育の面で早い段階から職業教育の大切さを指導しておくことが必要ではないのかと思うわけです。ご説明にありましたように、最近は土木にせよ、建築にせよ、昔の我々がイメージしているものと大分違ってきて、機械化され、かなり高度の知識を要する技術が必要になってきているわけで、さっきのご説明の中にもそのような点がかなり指摘されていたわけですが、効率的に公共事業をやっていくためには、やはり職業教育ですね。これは公共の事業だけではなくて、民間の物流業者、宅配業者の話も聞いてみたことがあるのですが、大型トラックの運転手が若い人はほとんどいないと。長距離を走っているのは高齢者ばかりだという話を聞いたことがあるので、このようなことも含めて、日本社会全体の産業育成ということからいっても、職業教育が大事ではないかと思いますので、これも23ページのまとめの中で触れておかれたらいいのではないかという印象を持ちました。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 では大宮委員、お願いします。

〔 大宮委員 〕 2点ありまして、1点目はPPP/PFIの活用の件なのですが、民間事業者の創意工夫を活かす上で、行政側にも阻害要因があるのではないかと思っていますので、これを取り除く努力が必要ではないかと思います。例えば民間事業者の参加を積極的に促そうとすると、公共施設の立地、改修、建て替え等の情報の「見える化」であるとか、それまでの財務とか事業運営に関する精緻な情報提供がないと収支分析ができないわけなので、そう簡単に踏み込んではいけないということがあると思います。

 特に民間事業者としては、施設単体ではなくて、まちづくりに関わる総合的な提案ができれば、創意工夫によって収益の機会が得られるということがあると思いますので、単体ではなく組み合わせたものの提案を募る形のことも必要ではないかと思います。

 それから2点目ですけれども、33、34、35、36ページと、問題点がいろいろ書いてありまして、その通りだと思います。これは、例えば財務省としては解決できるのかと。つまり、他の部分もそうなのですが、予算と課題との関係がどこまで自分たちでできる範疇にあって、そうでないものはどうなっているのかというのが、このような論議の場で非常に重要なのではないかと思いますので、できればその辺の区分けがはっきりできてくるといいかなと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。確かにご説明にあったいくつかのものは、例えば総務省あるいは厚労省の問題だと、主計官のお話にもちらっとあったと思います。

 続けて古賀委員、佐藤委員、角委員、お願いいたします。

〔 古賀委員 〕 ありがとうございます。今後の公共事業予算について、少し具体的になりますが、重要な課題だと思いますので、ご意見を申し上げたいと思います。

 ご説明のあった方向性については、概ね妥当な内容であると判断しております。ただ、社会資本の維持管理・更新については、必要となる全ての工事において、アスベストの事前調査と、適切なばく露予防対策やその経費についても考慮しておくべきではないかと思います。決して小さな規模ではないと思いますので、何か財務省事務局でご見解があれば、お聞かせいただければありがたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 現段階でありますか、主計官。

〔 小野主計官 〕 そのようなものもしっかりと見込んでいきたいと思っております。

〔 吉川分科会長 〕 では佐藤委員、お願いします。

〔 佐藤委員 〕 3点ほど。まず1つは財源ですけれども、先ほどPFIのお話が出てきましたように、公共投資やインフラの更新あるいは整備に当たっては、いかに民間資金を活用するか。これをどうやって収益事業と抱き合わせるか。コンセッションはあくまで1つの例であって、あとは収益事業との併用であるとか、先ほどお話があった民間提案であるとか、やり方はいろいろとありますので、税金ありきではなく、いかに民間資金をうまく使うかということ。

 それに関連しますけれども、例えば日本ではあまり普及していませんが、レベニューボンドであるとか、そういった形で地方債の発行形態も少し考える余地がありますし、TIFと言いますけれども、例えば地域を再編成して地価が上昇すれば、そのようなもので固定資産税も上がりますので、その固定資産税の増収分を見込んでファイナンスをするとか、いろいろな工夫があると思うのですね。なので、必ずしも税金を使うことを前提にインフラ整備をしなくてもいいし、河川の雑草駆除については、そこを使っている地域住民の方がいますので、私はボランティアを使ってもいいのではないかと思います。ボランティアの活用は高齢社会においては特に重要になってくるのではないかと思います。

 2点目なのですが、公共事業の担い手について、人手不足の問題があり、労働環境が悪化しています。それから、そうはいっても防災の観点からも建設業が必要なのはわかるのですが、そうであれば、問題は技術革新以前に、産業再編の問題ではないかと。つまり、あまりにもこの分野は零細・中小が多いので、地域ごとに、あるいは地域横断的に、産業再編を進めていくことがないと人手の節約にもつながりませんし、単価を抑えることにもならないと思います。

 あと最後、この間から、今日は公共事業の話、前回は地方創生、まちづくり、前々回は社会保障と出ていますけれども、これらは全部三位一体であります。インフラ、まちづくり、それから社会保障というのは、地域医療構想が具体的だと思うのですが、三位一体とした計画は、都道府県単位でしっかりとつくっていくと。それに対して国に何ができるのかということを考えていく視点が必要なのかなと思いました。それが地方創生の本来の役割なのかもしれないのですけれども。以上です。

〔 吉川分科会長 〕 角委員。

〔 角委員 〕 ありがとうございました。先週お二人から非常にいいお話を聞かせていただきましたけれども、その中のポイントは、先ほど赤井先生もおっしゃったように、コンパクトシティをいかに実施に向けて着実に推進していくかではないかと思います。

 先日、近畿財務局の国有財産の処分の会議で、エリアマネジメントということで、国の出先機関と地方自治体の箱物を統廃合して、それを効率化していくというご説明がございました。国と出先、国と県、国と市ですと、比較的そのようなことが進むと思うのですが、県と市とか、市と市、これはそれぞれ首長さん、議員さんがおられて、なかなか難しい部分があるのですが、そこを何とかインセンティブをつくることによって前へ進めないか。

 例えば県と市でしたら、当然いろいろな行政機関がありますけれども、市営住宅とか県営住宅を何とかうまく統廃合できないかとか、あるいは市と市で言えば、1つは市民ホール。いまだに市民ホールがないから欲しいと言っている市長さんがおられます。市民ホールでスケジュールが重なるのはせいぜい成人式ぐらいで、年間にそんなに使うわけがないですから、統廃合できるはずです。また、小学校の統廃合につきましては、先日バス通学の件が新聞に出ておりましたように、今まで国立教育大附属や私学の小学校は、みんな電車で通学しているわけです。ところが、公立の学校は徒歩が原則になっていますが、先日の話ではないですけれども、バス通学を認めていけば、どんどん統廃合が進んでいけるという問題です。

 そしてもう一つは、市をまたがった小学校の受委託ができないか。阪急とかJRが一緒になって、茨木・箕面市にまたがる彩都というところの700ヘクタールの開発をやっているわけですけれども、最初は茨木市側から開発が進みました。茨木市の中には小学校ができまして、新設小学校ですけれども、最も教育のレベルの高い小学校になりました。それは茨木市に、彩都に、教育熱心なお父さん、お母さんが越してこられるからですね。

 ところが、町の開発が進んでいきますと、小学校がいっぱいになったから、開発を少しスローダウンしてくれと要請が来るわけですね。片や一方、箕面市はその後で開発にかかりました。かかった以上は小学校が要ると。そこで小中一貫校をつくられたのですけれども、こちらはがらがらです。ですから、そういったことがまちづくりをストップさせる要因になったり、あるいは片方で無駄な行政コストがかかったり、難しいと思うのですが小学校の受委託ができれば、少しよくなるのではないかなと思います。

 そして、民間資金の活用ですが、新たに統廃合されてできた建物については、かなり民間資金を入れる可能性は高まるのではないかなと。既存の建物について、もちろん関空のコンセッションは別ですが、新しく統廃合された建物については民間資金を入れて、それを一定の利回りで回してREITに入れていくということは十分可能だと思いますので、そういったところについてもよろしくお願いしたいと思います。

 以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。では、土居委員、富田委員、中空委員、田近委員の順でお願いします。

〔 土居委員 〕 1点だけ申し上げたいと思います。33ページの社会資本整備総合交付金ですけれども、確かに使途を自由にするという交付金の趣旨は重要ですが、その効果検証が事後的にできない形で、決算のデータが明らかになっていないことがもしあるとすれば、重大な問題だと思います。もちろん予算段階で、どの事業に充ててよいということまで逐一、国土交通省なりに報告させる必要はないと思いますけれども、事後的にその交付金に効果があったかどうかを検証するためには、どのような事業に充てたのか。流用したということは、それはそれで認められる範囲ではいいわけですけれども、その流用が効果的に行われたのか、費用節約的に行われたのか、それとも漫然と単に割り振っただけで終わっているのかは、事後的にお金の出し手である国としても検証するべきだと思います。

 そのような意味では、この交付金を受けた自治体に対して、きちんと決算での統計を報告させるようにするべきではないかと。ただしそのときに、決算であれ、報告させるということになると、地方分権に反するとか、地方の手足を縛るといった反論があるかもしれません。しかし、目的は決して地方分権を阻害するとか、そうはいっても国の関与を強めるとか、そのようなことを言いたいわけではなくて、国として交付金という形でお金を出している以上、国の施策としてどれだけの効果があったかを検証したいということで、そのような目的で自治体にご協力をお願いするということは重要ではないかと思います。

〔 吉川分科会長 〕 富田委員、お願いします。

〔 富田委員 〕 まず、インフラ長寿命化計画につきまして、今日はさいたま市の事例をご紹介いただきました。聞く限りにおいて、よくできていて、他の公共団体においても同じようにやるべきだと思うのですが、1点大事なことは、箱物について新規は原則行わないというのは、その通りですが、維持・更新について、人口推計が前提になるべきです。ここではおそらく、さいたま市は4%これから人口が減って、15%設備を縮減する形になっていますが、これから先、その更新の責任者は地方公共団体の部分が非常に多いわけで、ますます人口予測が重要になってきます。先週夕張市につきまして、社会保障・人口問題研究所の推計でご説明いただきました。今日もここにある形で、4%の減少でご説明いただきました。大事なことは、これから人口予測について、客観的なものをいつも前提にすべきだということです。私の知る限り、1976年から2002年まで、わが国全体についての人口推計は過大に推移いたしました。経済見通しもいつも過大に出ております。その結果、非常に多くのインフラがつくられてしまったことを忘れてはならないということです。つまり、これから先の需要予測、あるいはもっと言えば、B/Cを簡単に地方公共団体にもやっていただいて、維持・更新についても適用する必要があると思うのですが、そのときはゆめゆめ過大な人口推計を前提にすべきではないということを言っておきたいということが1点です。

 もう1点は、社会資本整備総合交付金につきまして。地方は、いつまでも交付金に依存しているということは、悲しいかな、地方分権や地方自治は言うだけのことのようにみえます。これから先もコンパクトシティ化の推進は息の長い課題であって、それを全て国からの交付金に依存しようとしている。それがゆえにいろいろな問題があるというのは、これはまた21世紀の日本を考える上で、非常に暗い展望になってしまうというのが私の懸念でございます。

 以上、2点です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。中空委員。

〔 中空委員 〕 ありがとうございます。ご説明で私も基本的な趣旨とか方向性は、概ね賛成だと思って聞いておりました。ただ、1点だけ、先週来、株のマーケットもですけれども、国債のマーケットも相当荒れてきておりまして、後で組まれています基金のときに、その話は少しさせていただこうと考えているのですが、ここでは金融政策があまり効かなくなっているということを前提に、今後財政政策にまた期待が持たれてくるのではないかという懸念と、ボトルネックの話について、結びつけてお話をしたいと思っています。

 ご説明の中で、例えば17ページとか19ページに、公共工事が民間工事にあまり影響を与えていないという話がありましたし、それはそうだろうなと思います。ただし、財政政策となってくると、割と短絡的に公共事業が打たれることを考えるマーケット的なところもありまして、これは公共事業をいくら打ったって、ボトルネックがあったら、あまり財政政策は効いてこないという不安感が既に台頭しているのは事実です。

 そうすると、金融政策が効かない中、財政政策まで効かないのではないかという不安感が出れば、全面的に日本は、どう立ち上がっていくのでしょうと。現政権が逆風になっている中で、相当難しい問題が出やすくなってきていると思います。ですので、佐藤委員もおっしゃっていましたが、産業再編なども含めて、19ページの右にあった、こういったボトルネックで従事労働者が減っている中で、給料が減っているというのは、少しおかしな話でして、本来は上がっていってもいいはずで、それができていないということは、何らかの再編が必要になっているということだと思うので、それも含めてボトルネックを解決しておかなければ、実はこれはとりもなおさず、財政政策が効かないのではないかという不安感をマーケットに与えてしまうということについて、一応お話をしておきたかったということでございます。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 田近委員。

〔 田近委員 〕 既にいろいろご意見があったのですが、2つ質問を含めて意見を述べたいと思います。第1は、公共投資をどうやって運営していくかということで、このことについては大宮さん、佐藤さんもご指摘ありましたが、この頃公共投資について、国際的な議論の風向きが変わってきた、あるいは世界経済が減速してIMFも単なる財政緊縮だけではなく、公共投資が重要だと言い出したりしています。

 日本にとってもなかなか無縁でない人に、ハーバード大学のラリー・サマーズという人がいるのですが、思い起こすと、彼が1990年代にアメリカの財務省の副長官か何かで日本にもさんざん来て、公共投資を増やせと。その後は、ついに日本の法人・所得減税をしろと言い出して、90年代にわたって、クリントン政権のときだったと思いますけれども、内需拡大に対するアメリカからの強い要求にどう応えていくかと。それが底流にあったと。

 その彼が、先週の『フィナンシャル・タイムズ』に、今度は公共投資はフリーランチだと書いています。それで、授業の宿題に使おうと思ったのですが、今日その答えをしゃべってしまうと、彼はこのようなことを議論していて、公共投資の実質収益率が6%だと考えようと。そして税金が25%とすると、6%の25なので、1.5%の上澄みはとれると。ところがフリーランチとは、今世界的に低金利で、公共投資の資金コストが1%とすると、公共投資をすると1%の金利で、税金という形で1.5%取れるから、フリーランチだと。そう言っているわけですよね。ほとんどそれと同じことを、1990年ぐらいに日本でも言っていたと思います。

 サマーズの話はこれぐらいにして、公共投資に対する世界的な議論は、無駄だというか、うまくやればそれ自身は、特に今は低金利なので、いいだろうと。そこでポイントは、誰がやるのかと。そして、潜在的にこの1%と1.5%で、仮にプラスのリターンになるフリーランチがあるとしても、それをどう実現するのかということがポイントで、今日のご説明もすごくよかったのですが、PFIというか、BOTというか、担い手をどこにするか。つまり、公共投資できちんと国・地方の投資側にリターンが戻ってくればいいわけで、その仕組みがものすごく重要なのだろうなと。

 前は何かPFIの例で、TSUTAYAがやった図書館の話も出ていましたけれども、コンパクトシティにしても、私の夢想みたいなことだと申し訳ないのですが、これも民間の事業者にアイデアを競わせて、PFI的にやらせることもあり得るのではないかということで、事業体をどうするかというのは、もっと議論してもいいことだと思います。

 それから第2点は、そうはいうけれども日本の場合にはボトルネックがあって、物自身、つくれないではないかと。先ほどご指摘あった19ページあたりの資料は、何が言いたいのかなと思って。製造業者と建設業者の比較をしていますけれども、比較すべきは製造業者の労働者ではなくて、宅急便で一生懸命働いている人たちとか、サービス産業で働いている人たちの賃金だろうし、一方、22ページを見ると、公共事業で働いている人たちは赤いところ、健康保険のほうで、市町村国保に入っている方もいらっしゃるのでしょうけれども、未加入の方もいると。これを通じて、ボトルネック、労務費用に関して、どのような議論をされようとしたのか、お願いしたいと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。

 板垣委員、秋山委員、井堀委員、末澤委員の順でお願いします。

〔 板垣委員 〕 結局は、アベノミクスによる公共事業の出し過ぎで、食べられないのに料理だけをたくさんつくってしまった。これが最大の原因。それから、円安を狙いに定めているので、輸入物価も上がって、資材も上がる。結局のところ、技術さんの人数だとか将来の為替などを元に、どの程度の公共事業が必要か計算しないまま、次々とばらまいてしまった。これが原因だと思います。来年度予算は、そのようなことが全くないようにやっていただきたい。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。それでは、秋山委員。

〔 秋山委員 〕 私も1点だけ。財政再建と、あわせて経済活性化、両方に資する方法として、PPP/PFIを活用すべきということで、集中強化期間の取組方針、それから数値目標が出ているのですけれども、今日たしか大宮委員も既にコメントされておりますが、民間が参入を前向きに検討できるような条件を整えることが、結果を伴わせるために必要だと思っております。

 ご指摘あった財務情報の開示もしくは整備について、一定程度の強制力を働かせるとか、調査費用その他を含めて先行投資、最初に手を挙げてやる人に対してのインセンティブをもう少しつけるだとか、あるいは現在公務員の方がやっていらっしゃる業務を民間に引き継ぐために、人材の異動も含めた業務内容、ノウハウの引き継ぎがちゃんとできることを見せるということ。

 あとは、会計処理、税務上のインセンティブを、準備することが、これを進めるための条件だと思うのですけれども、こういった新しい仕組みづくりを一体どこで誰がやるのかということが不明確であることが、今のボトルネックではないかと思っています。組織上どこでやるかということはわかりませんけれども、ある程度、省庁横断的な調整機能に実際に取り組むところに人員を配置して、それについては新しい仕組みづくりのための投資という意味で、予算をつけることは考えるべきではないかと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。井堀委員。

〔 井堀委員 〕 公共事業に関しては、今日のご説明の観点はもっともらしいと思うのです。けれども、もう一つの点は、既に何人かの委員からも出ていますが、景気対策としての公共事業・公共投資をどう評価するかということです。今回消費税率を10%に引き上げるとすれば、当然景気対策という形で、公共投資の財政出動という話が議論になると思います。あまり無駄な公共事業が景気対策として、出ないようにチェックする仕組み、あるいはその評価が必要だと思います。そういった観点からの議論もやっていただければと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 末澤委員。

〔 末澤委員 〕 4ページのグラフとか、今後50年、60年で更新費、投資が必要と。一方で、40ページですと、今自然災害がどんどん増えている。これは地球温暖化の影響だと思います。構造的な部分。また、再保険会社の評価だと、東京が断トツでリスクが高いと。このようなことを考えますと、どう見ても公共事業が増えざるを得ない。ただし一方で、人口動態を考えると、その担い手、資金は捻出できないと。

 そうしますと、公共事業につきましては選択と集中をやっていくしかない。ただしこれは、安全が関わりますし、一方で経済効果の問題もありますので、今後は科学的な観点、特に、例えば二、三年前に中国地方で事故があったときに、トンネルの天井が落ちたと。そのときのニュースですと、最近は超音波とか赤外線探査で、自動車を走らせてチェックできる技術も出てきているということなのですが、そのような事前に安全面をチェックできる科学的な手法の確立と、実際その投資に見合った経済効果が得られるかといった評価分析をより早く、やっていかないと、社会保障と一緒なのですけれども、費用と負担と利便性、便益のハーモナイズができないと。そこが重要だと考えています。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 最後に倉重委員、お願いします。

〔 倉重委員 〕 板垣委員と井堀委員の話、非常に私は重要なポイントだと思うのですけれども、最初の3ページの公共事業のグラフを見ますと、バブル崩壊後20年の間にこれだけ大きな山があったという、特に15兆円が全体の予算枠に占める公共事業量というのは、今ではちょっと考えられない量だと思うのですけれども、これは景気対策という名のもとに打ってきた公共事業であって、それがどの程度役に立ったかという検証を目的としたペーパーではないのでいいのですが。

 このときに私が思い出すのは、なぜこれだけの公共事業を地方に回して打ったかというと、建設業者の対策、景気対策として、建設業者の数が多くて、その人たちの、ある意味では仕事を与えるためにやったような、政治的な理由からやったことはあるわけで、それで今回このデータを見ますと、3割減っているということは、しかるべくして減ったわけで、この減ったことについて、これをもってマイナス材料として、今後それを下敷きにして物事を考えていくということではなくて、むしろ土建国家と言われた日本が、この間大きな変化をして、公共事業の適正な労働者の数をこれだけ市場によって落としてきたのだという視点が私は非常に重要だと思います。

 それから、もう一つ気がついたのは、国土強靱化という言葉が多分、防災対策のところに出てこなかったのですけれども、これは今後使わないということにされているのかどうかということだけ、1点質問したいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、最後の点だけ。

〔 小野主計官 〕 国土強靱化という言葉は、実は今、担当大臣もありますし、担当部局も内閣官房にありますので、言葉としてはございます。公共事業だけの話ではないので、ここでは使わなかったということでございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、まだ議題がありますので、公共投資に関する公共事業の議論は以上としまして、2時間半ですので、休憩をとって5分程度で再開したいと思います。

( 休  憩 )

〔 吉川分科会長 〕 それでは、後半を始めたいと思います。後半は農林水産と、基金等が議題です。

 まず、初めに事務局から、この2つについてご説明をお願いいたします。

〔 高村主計官 〕 農林水産担当主計官の高村です。どうぞよろしくお願いいたします。

 お手元の資料2と書いてあるのが農林水産関係です。1枚おめくりいただきますと、目次がございます。全体像の柱立てですが、総論、そして食料自給率目標、農地、それから米をはじめとする土地利用型農業の構造改革、農地集積の課題、最後に論点整理と。来年度予算に直結するテーマというよりは、むしろ中長期の視点に立って目指すべき方向性について、問題提起をさせていただきます。

 まず総論ですが、農業生産の現状。農業産出額は8.5兆円ですが、米が4分の1、野菜が4分の1、左上の畜産が3割になっております。日本の農業は米というイメージもありますが、産出額ベースでは4分の1に留まっております。

 3ページは農家の現状ですが、平成22年度に農家戸数は253万戸ございます。ただ、自給農家も多いので、販売農家は163万戸と。我々が農業の担い手として位置づけることが多い主業農家とは、農業所得が主で1年間に60日以上自営農業に従事している65歳未満の世帯員がいる農家です。この農家は36万戸と、全体の14%、販売農家の2割ちょっとに留まっております。

 右側が農家の高齢化の状況です。65歳以上が農業者の6割という状況。40代以下は1割しかいません。1つの産業としては、非常にバランスを欠いた特異な状況になっておりますが、今後高齢者がどんどん離農していくときに、生産構造を強くするべきだと。これからの5年、10年で、産業構造を強くして、若者が魅力を感じて、希望を持って入ってくれる産業にしていくことが重要かと思っております。

 4ページは農業構造の現状ということで、品目ごとに、どのような農家の方がつくっているのかをグラフにしたものです。緑が今申し上げた主業農家、いわゆる担い手がつくっている割合を示していますが、一番上の米についての主業農家の生産割合は4割弱ということで、下の方の畜産などと比べても、構造改革が遅れていることが伺えます。

 5ページは、農家世帯の家計の状況を示しております。主業農家、準主業、副業と並べております。主業農家は総所得631万円に対して、農業所得は502万円と、農業で生計を立てていることがよくわかりますが、それ以外の農家は、農業所得は全体の所得の1割、または1割を切っている状況でございます。そのような農家の方がむしろ多いと。150万農家のうちの8割は、農業で生計を立てているわけではないということでございます。

 したがって、農家と一言で言っても、農業への関わり方は様々でありまして、国の支援がなければ農家は立ち行かないともよく言われますけれども、どのような農家のことを言っているのかはよく考える必要があると。国の施策のターゲットをどこに当てていくかということも、このような図でわかるかと思います。

 6ページは農業予算の推移ですが、今年度の予算は、約2.3兆円です。16年度という10年前と比べると、約24%縮減されております。ただ、農業の中で非公共と公共を分けて見ますと、非公共事業は10年前とそれほど変わっておりません。公共事業が10年前8,500億円あったのが、2,800億円と、非常に大きく縮減しているという構造です。

 7ページはご参考ですが、政府のほうで農林水産業・地域の活力創造本部というものが昨年立ち上がって、このようなプランをつくっております。ここに今後の農林水産業の施策の全体像が示されております。来年度予算要求も、これをベースに要求がされていくという状況です。

 そして、今回取り上げるテーマの一つ、食料自給率目標についてということで、10ページですが、食料・農業・農村基本法という法律がございまして、ここで政府としての食料自給率の目標を設定することになっております。これは5年に1回見直しをしておりまして、ちょうど来年3月に見直しの時期が来ると。現在の目標は左下にありますように、カロリーベースでは平成22年に50%という目標をつくっています。これは、その前の45%から5%引き上げております。

 他方、実績を見ますと、この青い線ですが、この10年、40%程度で推移していると。目標とは大きく乖離していることを考えると、次の目標は、もう少し現実的な水準に設定することを考えてもよいのではないかと。

 そして、右の11ページですが、水準そのものの問題のみならず、農政の目標として、どこまでこの自給率目標を絶対視すべきかという論点。これは、昭和40年度と現在の食料自給率を比較しております。昭和40年度は食料自給率が73%もございました。これが今、39%に落ちているのですが、この一番の要因は、国民が自給率の高いお米を食べなくなったことだと思われます。その分、自給率の低い畜産物や油脂類を食べるようになった。日本人の食生活が豊かになってきたことと裏腹に、自給率が低下しているということです。自給率とは、そのような性格のものだということを、よく念頭に置いておくべきだと。

 12ページに、仮に食料自給率を1%引き上げるために、国産小麦を増産しようとした場合、輸入小麦を国産に置きかえるということですが、日本の今の生産コストでは、小麦の生産をすればコスト割れしますので、年間40万トン生産した場合、畑で生産すれば、年間420億円の交付金を出さなければいけません。さらに水田でつくった場合には、主食用で得られた並みの所得を補償するための転作助成金が出ますので、さらに上乗せで370億円と。1%増加させるために、年間420億円から790億円の国民負担が増加すると。

 その下に注を書いていますけれども、食生活の変化でも、これはもちろん実現できるわけですね。1週間当たり、国民がパンを、お米で言うとお茶碗1杯分程を1週間置きかえただけで、食料自給率は1%上昇すると。さらに、輸入小麦の消費を全て国産米で置きかえた場合は、食料自給率が7%も上昇すると。財務省として、このような消費がいいと言っているわけではないのですが、自給率はこのような性格のものだということを考えると、自給率そのものの数字に振り回される必要はないのではないかということです。

 では、何に着目するかということですが、右側に書いてある「食料自給力」の考え方です。右下にありますように、「食料自給力」とは、農地・農業用水等の農業資源とか、農業者(担い手)、農業技術といった構成要素が挙げられるわけですが、生産量では決してないわけです。このようなものに着目した考え方があり得るのではないかと。

 実際、14ページですけれども、イギリスではこのような「食料自給力」を試算してございます。海外から輸入が途絶した状況において、生産転換などによって、どれぐらい食料を潜在的に供給する力があるのか。試算がいくつか載っていますが、試算1は今の生産量に基づきますので、これは食料自給率的な考え方だと思いますが、試算3にありますように、全ての潜在的耕作可能地で小麦を作付した場合には、これだけのカロリーが供給できると。このようなアプローチは、十分検討に値するのではないかと思います。

 次に、農地の状況ですが、16ページに現状を書いていますが、農地はだんだん減ってきていると。そして他方、耕作放棄地が少しずつ増えてきていると。このような状況のもとで、現行の食料・農業・農村基本計画を5年ごとに見直すと言ったものですけれども、今の計画において農地面積は平成21年と同等の農地面積が確保されるという見通しを出しております。これも、トレンドとしては落ちていくわけですが、どこまで今の農地を維持する考え方が適当なのかどうかと。

 まず1つは、18ページですが、今後日本は人口減少、そして高齢化が進んでいくと。そうすると、トータルの総供給熱量、必要なカロリー量は、日本全体として減少していくと。そして、先ほど申し上げた「食料自給力」の考え方ですね。農地の形を必ずしもとっていなくても、農地に復帰し得るのであれば、食料供給に貢献し得るわけですので、このようなことを踏まえれば、どこまで農地の総量確保にこだわるべきなのかということが言えると思います。

 19ページに、地方6団体はこの関連で、大変参考になる提言をしております。これは6団体の意見をまとめたものですが、aとして、農地の総量確保の目標と現実の乖離と。今後の目標については人口減少の勘案も必要ということを言っていますし、総合的な土地利用行政の観点からの課題。地方が地域の実情を把握し、自らの適切な判断ができるにもかかわらず、農地転用の大臣許可・協議等によって迅速性に欠け、総合的なまちづくりにも支障をきたすということを言っています。現在の農地を全てそのまま維持する必要が減少するとした場合には、転用の判断などはもう少し地方に任せてもいいのではないかと。そのような論点も挙げられると思います。

 農地転用とは20ページにありますが、規制として、がちっとした仕組みが定められております。4ヘクタール以上の農地転用は、農林水産大臣の許可になっておりまして、優良農地を守る必要はあるのですが、必ずしも地域の現状を見ると、農地を守ることイコール農業を振興することではない場合も出てきているのではないかと。例えば中山間などは農地があっても、人が来なければ成り立っていかないわけですね。そのようなときに、例えば移住者用の住居を農地に建てるときに農地転用の問題が出てきてうまく進まないとか、そういった事例もあると聞いていますので、農地の総量確保の在り方について、転用の話も含めて見直していく余地があるように思います。以上が農地の話でございます。

 22ページ以降は、米の問題、土地利用型農業の問題です。

 22ページは、米と野菜と畜産を比較対照したものです。上から3番目に、農家1戸当たりの平均経営規模とありますが、50年ちょっと前と比較して、どの程度拡大しているか。米は大体2倍ぐらい。右側の畜産などは非常に拡大化が進んでいまして、36倍などといった水準になっております。それから、主業農家の割合は先ほど見た通り、米が一番低いと。他方、関税は、ご承知の通り、外国のお米を実質的には入ってこない形で、高い国境措置をかけております。他方、お米、土地利用型には予算がかけられていると。野菜、畜産と比べると、予算のシェアも高い。非常に米の改革の遅れが目立つわけです。

 なぜ進まないかは、もちろん歴史的な経緯があります。米は、右側に入っていきますけれども、23ページですが、米は国民の主食として、昔は非常に不足していた。そのようなときに、食糧管理制度が戦前にできて、米の流通は国が管理するという制度が長らく取られていたわけです。1960年代までは、米は全量政府が買い取るという時代でした。そのときに米を一生懸命増産したのですが、米の不足が漸く解消し始めたころ、皮肉なことに需要が減り出したと。そのようなことで、昭和40年代には2度ほど過剰米が出て、それを全部政府が引き取って、合計3兆円かけて過剰米処理をしたと。このような状況になって、これではもたないということで、生産調整、減反が開始されて、これは今でも継続しているという状況です。

 24ページに、そのような米の供給力過剰の中で、どのような政策を見直してきたかが書いてあります。1つの節目は左から2番目にある平成7年の新食糧法と。ここで食管制度は廃止すると。国の役割は、備蓄運営に限定すると。そしてその下に、平成19年に品目横断的経営安定対策として、施策を大規模農家に限定していくという方針転換をしました。

 他方、今の話は若干揺り戻しがあって、平成22年に戸別所得補償が導入されて、農家は一律に支援していくという施策が導入され、米に対して直接支払い10アール1.5万円、価格の下落も10割補填と。ただ、この問題は昨年の財審で、このような農家一律の施策の問題点、それから価格補償をする仕組みの問題点を議論していただいて、見直しの目途がつけられているわけです。右側にありますように、去年の11月に、今申し上げた農家一律に払う米の直接支払い交付金は、今年度から単価を半減して、平成30年度から廃止と。そして、価格下落の10割補填も廃止すると。

 そのような意味では、改革の流れはできているので、これをしっかり進めることが今後の課題なのですが、右側にありますように、今後さらに米の改革を着実に進めていくためには、我々としては3つの視点が重要ではないかと思っております。米の問題はつまるところ、農家自らの経営判断に基づく米生産が実現できていないということですので、それを阻害する政策や流通施策を見直していく必要があることを申し上げております。

 1つは、一番左にある、行政による生産数量目標の配分、いわゆる減反政策。これを平成30年を目途に着実に見直していくと。それから真ん中にある、流通の問題です。需要や価格の動向が生産者に伝わりにくい構造になっているということで、農協改革による見直し。それから右側の、助成の在り方。生産コスト削減を強力に進めて、補助金依存からの脱却を図っていくと。

 この3つの視点について、資料をまたつけていますので、ご説明していきます。26ページは減反の話です。減反はもちろんマクロの需給安定化には一定の成果を上げておりますが、他方で意欲ある農業者の経営発展を阻害しているのではないかと。右側にありますように、例えば大規模農家が需要に応じた生産ということで、需要者と年間1,000トンの契約を5年間の複数年契約でやりたいと。経営安定のための当たり前の努力だと思うのですけれども、このようなことをやろうとしても、米のマクロの需要はどんどん減ってきますので、行政が配る目標は今後も減っていくわけです。そのようなときに、なかなか行政の目標との関係で、このような前向きな努力がしにくいと言えるのではないかと。

 それから左下のように、行政コストも毎年3.4億円、この生産数量目標の関係でかかっております。余っているものに、これだけの行政コストをかけているのが現状です。これを見直していくべきではないかと。

 27ページが流通の問題ですが、生産者が販売する米の4割は、真ん中の赤いところにある全農・経済連経由で出荷されております。ここを経由した出荷の特徴は、まず1つは農協の買い取りではなく、販売の委託であるということ。そしてまた、全農・経済連は各農家の米を、それぞれの農家のものとして売るのでなくて、全部まとめて、産地銘柄の区別はするのですけれども、各農家の米をまとめて1年間かけて売っていくと。そして生産していくと。そのような構造になっております。

 その場合に、28ページにもう少し細かいものが書いていますが、生産者の立場に立つと、販売の委託なので、概算金は最初の出来秋にもらうのですが、これは実際に売れた価格ではないわけです。全農とか経済連は1年かけて売って、最終精算すると。そうすると、生産者にしてみたら、一体自分の米がどこでどのように売れたのかということがわかりにくいと。最終精算は1年後だとすると、そのときは次の年の作付は終わっているわけですね。なかなか需要側のフィードバックが生産に反映されにくい流通になっていると。

 これをもう少し多様化して、例えば米の流通の、3番目の丸に書いていますけれども、単位農協がもう少し買い取り販売をしていくとか、リスクをとって買い取りをしていくと。そしてまた、農協以外の経路ですね。米には現物市場がないという問題もありますので、民間の現物市場をつくっていく取組を後押しするとか、もう少し流通の多様化が求められるだろうというのが、1つの問題提起でございます。

 それから3つ目が、転作助成の話ですが、29ページ。これは、過去五、六年の水田の利用状況を書いております。グリーンのところが主食用米をつくっている面積ですが、マクロの需要が落ちてきていますので、この緑のところが少しずつ減ってきていると。麦・大豆も転作作物として助成はしていますけれども、これはなかなか取組が進んでいないと。増えているのは非主食用米というところ、オレンジの部分です。

 他方、非主食用米の振興には相当程度の財政負担がかかっているのが、30ページです。これは何を示しているかと申しますと、それぞれの品目、それぞれに挙げているものをつくったときの損益の状況です。一番左側が主食用米ですが、主食用米で10アール当たりの金額を1,000円単位で載せていますが、経営費が8万7,000円。販売収入が11万6,000円。これに単価を反映した米の助成金7,500円が乗っかってきます。その差が3万6,000円という所得になるわけです。

 転作助成をするときには、この主食用米並みの所得が得られるように補填するわけですが、飼料用米をつくった場合は、これは家畜の餌として売るわけですので、販売収入がどうしても低くなる。これで主食用米並みの所得を補償しようと思えば、交付金をこれだけ高い単価で助成しないといけない。販売収入の10倍以上の単価で助成をしております。こうした助成の在り方も今後、需要に応じた経営判断に基づく作付というものを推進するときには、阻害要因になってくるのではないかということで、見直しの方向性を今後考えていかなければいけないのではないかと思います。

 まずはコスト削減、経営費の青いところをもっと強力に、スピーディーに進めていって、助成金依存からの脱却を図っていけないかということが言えるかと思います。ただ、この助成単価は去年定めて導入したものでありますので、当面はこれでやっていくしかないわけですけれども、平成30年の生産調整の見直しという中で、助成の在り方をどう見直すかは避けて通れない論点になってくるかと思います。

 31ページは農地集積の話ですが、32ページに稲作の生産コストを規模別に載せています。やはり規模を拡大すれば、生産コストは落ちてくると。もちろん、10ヘクタールあたりまでいくと、生産コストの低下のペースは緩やかになってくるのですが、農家戸数ベースでいったときの生産の主流は、1ヘクタール未満です。1ヘクタール未満のところで農家の7割が大体当たっていますので、もう少し生産の中核部分を、下の方のコストが低いところに寄せていくと。

 このために必要になってくるのが農地の集積ということで、33ページに、昨年設立をしました農地中間管理機構の概要を示しております。農地の出し手と受け手、以前はこれを個別のマッチングでやっていたのですが、それだとなかなか進まないということで、県段階にこのような受け皿をつくって、農地をまとめて出してもらって、できるだけまとめた形で担い手に出していくと。そして、経営規模の拡大を図っていくと。予算措置も、この出し手に対する支援、そして中間管理機構の業務に対する支援ということで、相当程度の金額を手当てしております。

 34ページですが、予算は措置しましたので、あとは予算に見合う成果を早く出していただくことだというのが課題です。他方、業務の進捗はまだまちまちの状況でして、例を出していますが、A県、B県、それぞれ設立は3月にしていますが、A県はもう154ヘクタールの実績が上がっていると。B県はまだ上がっていないと。それから、借入れの希望は集まっているのですが、なかなか実績につながっていないと。おそらく借り手のニーズに合った農地がなかなか集まっていないということかもしれません。したがって今後は、このようなマッチングの取組とか、成功事例、うまくいっているところの横展開といったことを推進して、早く農地集積の実効性を上げていただくのが課題だと思っております。

 最後に、36ページに、今申し上げた論点を簡単にまとめております。論点1は、食料自給率目標。現実的な水準にすべきではないか。それから「食料自給力」の視点も取り入れるべきではないかと。論点2は農地総量確保の在り方。論点3は、土地利用型農業の改革。論点4は、これは足元の話で、資料は示しておりませんでしたが、このところ米価が少し下がっております。先ほど申し上げた概算金ベースだと、史上最低というところも出てきているようです。そうはいっても、そのようなことによって改革の歩みが止まってはいけないと。ましてや改革を後退させるような施策が講じられてはいけないということを書いております。論点5が農地中間管理機構。これからの農地集積の実効性を向上させていくべきではないかと。

 以上が農林水産関係でございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。では続いて、お願いします。

〔 窪田法規課長 〕 法規課長の窪田でございます。個々の予算ではありませんが、予算の使い方の問題として、基金についてご説明いたします。

 資料3の1ページをご覧ください。基金と申しますのは、独立行政法人や公益法人、さらには地方公共団体などが、補助金を原資として特定の用途に充てるために保有する金銭でございます。例えばどのようなものがあるかと申しますと、下段に例示しておりますように、漁業者と国がともに拠出し、基金を設置し、燃油価格等が高騰した場合に補填金を交付するといったものがございます。

 基金につきましてはここ数年、当初予算、補正予算ともに1兆円を超える規模での予算措置を行っておりますが、2ページにございますように、今年の経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる骨太の方針でございますが、こちらで予算執行の弾力的な運用を可能にしますので、利点もある一方で、執行管理の困難さも指摘されていることから、その創設や既存基金への積み増しについては、財政規律の観点から厳に抑制するとともに、基金の執行状況を全て公表し、使用実績も踏まえながら、使用見込みの低い基金については返納を検討する旨が明記されてございます。

 こうしたことを踏まえまして、3ページにございますように、先日補助金適正化法の政令を改正いたしました。基金事業の性質を定め、今後の指針といたしますとともに、基金を設置するために補助金を交付するに当たって必ず付す条件として、運営及び管理に関する基本的事項を公表すること、基金の額及び実施状況を報告すること、基金の額が過大である場合等、補助金の全部または一部に相当する金額を国に納付することを定め、執行管理に遺漏なきよう努めることを確認しているところでございます。

 今後の予算編成におきましては、4ページに記載しましたように、不確実な事故等の発生に応じて資金を交付する事業や、資金の回収を見込んで貸し付け等を行う事業など、基金によることが適当と思われるものを除き、厳に抑制すべく努めますとともに、使用見込みの低い既存の基金の返納につきましても、こちらは行政改革事務局の主催しております行政事業レビューの中で進められておりますが、取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、この場をおかりしまして、法令関係の問題について一言述べさせていただきたいと存じます。先日この場でも、諸外国の財政健全化の取組を研究していかなければならないとのご指摘をいただきました。5ページの資料をご覧いただきたいと思いますが、我が国におきましては財政法上、国の歳出は公債金以外の歳入をもって財源としなければならないとされており、財政運営の原則は厳格な均衡財政主義でございます。また別途、60年償還ルールという減債制度も兼ね備えておりますので、一定の債務残高を容認し、財政収支の均衡を中心に据えている諸外国と比べましても、日本の原則はまさるとも劣らぬものでございます。

 しかしながら、現実には財源を補填するために国債発行に頼らざるを得ず、例年のように特例公債法を制定してきたところでございます。6ページにございます。現在は、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律によりまして、24年度から平成27年度までの間、特例公債、いわゆる赤字国債を発行できることとし、財源の確保を図っているところであります。

 7ページの資料をご覧いただきますと、かつての健全化目標は特例公債からの脱却であり、財政法の原則と平仄の合ったものでございました。2000年度に入って以降はPB等、財政収支に着目した目標を掲げており、法令上の建前と財政運営の実際とに乖離があります。財政法は何らの指針を示していないという状況かと思います。当面、PBに力点を置いた目標を考えるのであれば、こうした点についても来年度以降、新たな特例公債発行の仕組みを検討する中において考えていくべき課題ではないかと考えております。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、農業、基金等につき、どなたからでもご意見、ご質問をいただきたいと思います。

 では田中委員、土居委員、お願いします。

〔 田中委員 〕 よろしいでしょうか。ありがとうございます。

 基金について申し上げたいと思います。今、3ページのところで見直しがあり、基金に関しても定義が示され、管理方法についても説明はされていますけれども、現場では複数年にわたって使うことのできる便利な資金源というのが実態ではないかと私は思います。そして、実際に一部の改正で、いろいろな管理の徹底とありますけれども、これも予算が決まってしまってからの管理です。そうではなくて、さらに前の予算を決めるところで、もっと厳しく管理・検証しなければいけないのではないかと思います。

 その徹底検証のポイントを2つ挙げたいと思いますが、第1に、基金関係が当初予算でついているのか、補正予算でついたものが多いのか、ここは細かくチェックする必要があると思います。私の印象論にとどまりますけれども、基金関係は補正でつくことがとても多い。それがうまく練り切れていなかったりする案件が、ここに上がってくる可能性もあるのではないかと思います。それからもう一つ、先ほどこれを行政事業レビューでチェックするとおっしゃってくださったのですが、私も土居先生も行革のメンバーではあるのですけれども、これを実際に行政事業レビューでチェックするといっても、実は川下の末端までを全部チェックするというのは、物理的に不可能かと思います。例えば、これは実際に基礎自治体まで配分されて、どう使われたのかを把握できるのでしょうか。あるいは公益法人に渡ったところから、実は再々委託などが頻繁になされていますが、これを把握できるのでしょうか。昨年学生と50ほどの地方自治体に、緊急雇用関係の基金が多いですから、そこについて電話とホームページで調べましたけれども、補助金が出ているという方法の案内はあっても、それがどう使われたのかという結果の案内を見ることはほとんどできなかったです。公益法人関係については、前の政権のときに内閣府から直轄で70億円が、補正予算によっての基金事業として、地域社会雇用創造事業がつきました。この基金で、内閣府からNPO法人や公益法人に委託されました。実際には、この委託先から再委託、再々委託いう形になっています。末端の団体に実際にヒアリング調査も行いましたけれども、もとのお金がどこから、どのような趣旨で出ているのかも理解されていないところがありました。それから事業の本質というのでしょうか、本来の目的がよくわからず、とりあえず受託して予算を執行したというケースも結構多かった記憶がございます。そんなことから、もし検証するのであれば、実は川下まで見ないと、基金の行方はよくわからないのではないかと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 では続いて、土居委員、お願いします。

〔 土居委員 〕 3点ほど簡単に申し上げたいと思います。今の田中委員の基金の話ですけれども、これは農業についても、農地中間管理機構に関連しては基金という形をとっているということで、農地の集積は非常に重要なのですけれども、まだ余っている基金が残っているならば、その消化から最初にやっていただくと。新たに予算をつけることを、慎んでいただくことを徹底すべきだと。

 もう1点は農業政策に関連して、何かとカロリーベースの食料自給率という話が横行していますので、それはこれからの我が国の農業政策にとっても、必ずしも整合的ではない。例えば、輸出を強化する、攻めの農業と言われていますが、もし米の輸出を強化して、カロリーベースの自給率はどうなるのかというと、実は残念ながら、カロリーベースでは非常に低いウエートでしかお米はカウントされていませんので、ほとんど自給率は上がったことにならないと。生産額ベースだとそうではないのですけれども、カロリーベースだとそのようなことが起こってしまうことを考えると、これからの我が国の農業の在り方と、カロリーベースでの食料自給率は、極めてミスマッチが多いと思いますので、そこは、ここの論点1にもありましたように、潜在的な供給能力に着目したものが重要だと思います。

 最後にもう1点ですが、今年は天候不順もあって、農産物の生産量が落ちたと。実は先ほど来、中空委員、田近委員がおっしゃっていたように、ボトルネックというか、今の景況が芳しくないのではないかという見方の中で、どうしても需要不足という物の見方にとらわれ過ぎているのではないかと。つまり、野菜不足は典型的ですけれども、需要不足ではなくて供給不足が深刻な問題だったと言うべきだと思います。

 つまり、消費税が増税になって買い控えているから消費が伸び悩んでいるというのではなくて、本当はもっと野菜を買いたかったけれども、残念ながらそれだけ生産されなかったので、高い値段でしか野菜がマーケットに出てこなくて、本当はもっと安くたくさん買いたかったけれども、売り手だってもっとたくさん売りたかったけれども、残念ながらそこは供給制約にひっかかってしまったというのが、ボトルネックという言葉でもいいと思いますけれども、そのような状況がいくつかあると。

 それは先ほどの公共事業にまつわる建設のところでもそうですし、介護でもそうだし、保育士が足らないという話もあるし、供給不足が需要というか消費を伸び悩ませているという見方も加えて考えないと、これから景気がどうだというときに、何かと公共事業をやれとか、公的需要を喚起せよとか、そのような偏った議論になりがちなので、やはり供給側に働きかける政策は、極めて重要だと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 岡本委員、遠藤委員、老川委員。

〔 岡本委員 〕 ありがとうございます。農業については論点1と論点5が36ページに書いてありますけれども、この中の1と5について質問と意見を言いたいと思います。

 まず論点5の中間管理機構についてですけれども、先ほどの公共事業でもさんざん話が出ました。公共事業をいくら打ち、どこで誰が何をやるのかということで、いろいろな施策は行っても、実効性がどこまで出ているかについては、全編を通じて非常に疑問なわけです。この中間管理機構について、これは県がやるからとはいっても、700億円つぎ込んで、どのくらいまで行っているのかと。

 6次産業化とか土地の集約化ということは、みんな諸手を挙げてやってくるのかなと思ったところ、どうもこんな数値であると。そうだとすると、これはどこに問題があるのか。ノスタルジックなものなのか、あるいは手放さないほうがいい条件があるのか。そうであるとしたら、もっと手放す方のためにいろいろな税制その他を考えていくことになると思うのですけれども、せっかく立てたこの6次産業化、あるいは農地の集約化、これを1つやるとしたら、農水省はよほど真剣にやらないといけないと思いますし、また財務省も交渉するときには、事前に、将来的にはそのようになるというところまで踏み込んで交渉してもらいたいなと思っております。

 それから、論点1についてなのですけれども、自給率から自給力ということになると、始めはなるほどと思ったのですけれども、結局のところ、狙いは何なのかがよくわからないのですね。自給率は、なかなか計画を立てても、指標を立てても達成しないからということで、現実的なというのはあるのですけれども、その後、潜在力という意味での「食料自給力」を立てようといっても、農地・農業用水等の農業資源など、3つの要素で構成されている。目標を立てると、担い手がどんどん減っていった場合、逆に農業資源にお金をつぎ込んで、掛け算して「食料自給力」を達成したということになりかねないのではないかなと。その意味では、これは右に行くのか、左に行くのかよくわからないので、「食料自給力」がよいという意味合いと、その使い方がどうなのかなということ、これは質問です。

 それから最後に、基金のことなのですけれども、確かに財務省では近代化事業基金などをかなり削る努力をしているので、よくわかります。他についてもどんどんやったらいいと思いますし、このような政令その他が出ているので進むのでしょうが、我々企業人から見ると、一定のバッファーといいますか、内部留保は持たないと、潰れてしまうわけですね。この場合には、みんな出せ、出せと言って、一つ一つの法人が潰れてしまうのか。潰れなくて、そのようなときは国が持つよという意味でのリスクに対する考え方があるので出してくださいよ、ということでもないと、なかなか出せないのではないかということです。

 そういった意味では、この基金が予想外のことがあって、結構支出した年があるとかないとかいうことが、現実にあるのかどうか。そうだとすると、長いトレンドの中で、基金の残高がどのように動いているのかを個別にも見るし、トータルでも見るし、これをやると、とらぬタヌキの皮算用ではないですけれども、いくらぐらい財源として見られるのかなと。それも教えてもらいたいということです。

〔 吉川分科会長 〕 では、基金については数字ということですが、とりあえずは農業、「食料自給力」の意義如何ということですね。

〔 高村主計官 〕 食料自給率、「食料自給力」のインプリケーションということで、これはいろいろな議論があると思いますし、農水省の食料・農業・農村審議会が立ち上がって、そこでもいろいろ議論されているところです。

 1つの我々なりの考え方としては、自給率といったときは、国内生産振興の錦の御旗のようにしていることが多くて、どんな人がつくるのであれ、とにかく少しでも物ができればいいのだという考えになりがちなのですが、「食料自給力」は、ここにある担い手が育っていかないといけないだろうと。農政の施策の担い手への重点化という方向性からすると、やはり「食料自給力」の方が整合的なのかなという気はしております。

〔 岡本委員 〕 ただ、担い手が減っていくのですよね。ここをまた増やすべきであるという方針の中で、結局減ってしまったということはいくらでもあると思いますので、そういった意味で、これはかなりきちっとした議論の中で立てていってほしいなと思います。

〔 吉川分科会長 〕 前提は、日本の農業がどんどん縮小してもいいというわけではないというのが出発点で、当然のことですが、そのためにはしっかりとした担い手がいなければ、将来の日本農業はもたないという。それで自給率との関係で、今後は「食料自給力」を考えるべきだというお話として理解していいわけですね。

 では続いて、遠藤委員、老川委員、お願いいたします。

〔 遠藤委員 〕 ありがとうございます。この農業の問題は、今回は予算の問題よりも、構造問題ということでしたので、構造問題も含めてご見解を聞かせていただきたい点がございます。

 実感として、農業をしていない農家の人たちがあまりにも多過ぎるということで、これから農業の国際競争力、つまり工業化をし、生産性を上げていかなくてはいけない中で、農地が生産資本ではなくて、単なる資本になっていて、とりあえず週末だけ帰って農作を少しやるという農家が多いことは、非常に構造問題だと思うのですけれども、その中でたくさんの手を打っていかれようとしている中で、今回の資料ですと24ページになるのですけれども、この補助金を1万5,000円から7,500円にするという半減をしている一方、飼料米のほうは10アール当たり8万円から10万5,000円への補助金の増額をしておられますよね。これでは全く水田の大規模化にならなくて、とりあえず飼料米の畑にしておこうという措置になりかねないのではないのかなと思えてしょうがないところがございます。

 あと、農地中間管理機構についてもですが、これも大規模化の目的でつくられているけれども、実が伴わないということにおいては、やはり減反政策との兼ね合いがあると思うのですね。これができるという機構の発動のときに、そのような減反政策との兼ね合いについて、どのような議論があって、どのように措置をとられたのか、財務省サイドのご見解もいただけたらなと思います。

 先ほど岡本委員がおっしゃったのですが、こちらの省ができることになると、固定資産税とか相続税とか、税制の優遇措置を剥がしていかないと、大規模化はそもそも進まないのかなと。先ほど土居委員が供給サイドの面とおっしゃっていましたが、前回も今回もそうなのですが、非常に人手不足とか、供給面が足りなくなってかわいそうだから、今度はもっと国のお金で手当てしていこうということになると、今必要な生産性を上げていく、潜在成長率を上げていくという試みとは全く反してしまうので、そのあたりの構造改革をきちんとやっていくという視点を共有していかなくてはいけないと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 では、いくつかあったと思うのですが、主計官、お願いします。

〔 高村主計官 〕 まず、飼料用米の単価の話でございますが、これは単純に8万円を引き上げたというのではなく、それまでは面積当たりで8万円配っていたのです。ただ、これだと農家は、とりあえず飼料用米を植えつけ、もらえるものはもらおうという発想になる。極端な話、捨てづくりという言い方もしていますけれども、それを改めようということで、つくるのなら、しっかりと生産性のある形で安く飼料用米を供給してほしいという狙いから、反収が上がったときだけ、高い単価で支払いをするというインセンティブづけをしたのが現実です。

 ですから、平行の単価だったのが、種類が落ちて斜めに単価のラインが傾くと。そのようなものを導入して、できる限り収入を上げて、生産性の高いつくり方をしてくださいと。そのようなインセンティブを導入したということです。

 それから、機構をつくったときの減反政策との兼ね合いは、確かにおっしゃる通りの論点があると思いますが、減反政策は、去年の農政改革のパッケージの中で、平成30年には見直していこうと。すぐに見直せればいいのですけれども、これは長い経緯のある政策で、いろいろな準備期間が要るということで、方向性はもう減反を見直していくという、その方向性の打ち出しとともに、この機構をできるだけ早く、農地集積は喫緊の課題ですので、先にこちらが先行して立ち上がったと。そのような状況でございます。

〔 吉川分科会長 〕 老川委員、お願いいたします。

〔 老川委員 〕 既に岡本委員からご指摘があった「食料自給力」の問題ですね。考え方としては、非常に重要だと思うのですが、そのような考え方を取り入れた場合に、現在行っている政策がどう変わるのか、変える必要があるのか。ここら辺がよくわからないのですね。担い手を大事に考えていくことは重要だと思うのですけれども、そのために、これから何に重点を置いていくのかがよくわからないもので、さっきのご説明で、イギリスで試算が行われているというお話でしたけれども、例えばイギリスではこのようにやっているということがあれば、教えていただきたい。

 もう一つは、これは土居委員もお話ありましたが、カロリーベースで食料自給率を議論することが前提になっているわけなのですが、なぜカロリーベースでの議論でなければいけないのか、生産額ベースで議論してはなぜいけないのか。ここら辺の理屈がよくわからないもので、ご説明いただければありがたいと。

〔 高村主計官 〕 「食料自給力」というときに、政策がどのように変わっていくかと。これもまたいろいろな考え方があると思いますし、今後我々もよく農水省とも議論していきたいとは思っておりますが、1つあるのは、先ほど申し上げたことの繰り返しになるのですけれども、自給率でやったときになかなか切り込めないのが、単なる生産振興なのですね。例えば麦、日本の生産条件で合うところはなかなかなくて、それでも麦信仰は旗をおろせない。それは、麦の自給率が低く、麦を少しでもつくれば自給率には貢献するからなのです。

 「食料自給力」と言ったときには、そのような呪縛から離れることができるわけですね。日本で無理に生産コストをかけて麦をつくらなくても、いざというときに米があるならいい。カロリー的には芋がつくれればいい。しかしそのためには、種子や担い手がしっかりと残っていなくてはいけないし、日本の農業が滅びるようではいけない。農政の議論の立て方というのが、今の生産量に引きずられた議論から、離れることができる気はしております。

〔 吉川分科会長 〕 それでは続いて、佐藤委員、竹中委員、富田委員、中空委員。

〔 佐藤委員 〕 まず農業問題ですが、耕作放棄地の話は、1つは現行の税制であるとか規制であるとか、今の制度が逆にそれを助長している面も確かにあり得ると思うので、本当は政府税調で考えてもいいのかもしれませんが、コンパクトシティなどで土地の流動化が大きな課題になっていますので、広い意味で土地を流動化させるという観点から、いわゆる固定資産税であるとか、そのような税制の在り方、それから幅広く考えれば、許認可の在り方は見直したほうがいいと思いました。

 それから、農業の問題を考えるといつもわからないのは、経済政策の話をしているのか、社会政策の話をしているのか。だから、大規模な農業をつくって、日本の産業としての農業を興したいというのであれば、これは立派な経済政策でありますし、逆に小規模というか、高齢な農家の所得をどう保障していくかという観点であれば、社会政策の問題であります。それぞれにはそれぞれの違う政策手段があるわけなので、そこをあまり補助金みたいな形でごちゃごちゃにすると、おそらく将来禍根を残すのではないかなと思いました。

 最後に簡単に基金だけなのですが、基金の話と先程の交付金の話は近くて、どちらも規制緩和を前提にして、使い勝手がいいように配られるものである。使い勝手をよくしているわけだから、結果はしっかりと問わなければいけない。先程土居委員もおっしゃっていたと思うのですが、結果を評価する仕組みを体系的に組まないといけないのかなと思います。私も行政事業レビューをやって、基金などを見たことがありますが、評価のルール化をしておかないとアドホックな対応に留まってしまう。以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。では、竹中委員。

〔 竹中委員 〕 ありがとうございます。

 3ページのところに農業従事者の方々の年齢が出ていて、65歳以上が100万人を超えて60%である。しかしその下の表を見ると、逆に60歳以上よりも、70歳以上の方々が中心の事業になっています。それで、実は、そう見えないと思うのですが、私はバツイチになるまで農家の嫁をやっていまして、農業のことを相当深く体験させてもらったのですけれども、どこもじっちゃん、ばっちゃんが中心に農業をやっていらっしゃって、例えばしゅうとさんが空を見て、今日の空はでっけえなあとか言って、真っ青な空を見て、だから雨降るぞと言って、この空でですかと言ったら、本当に降ってくるのですよね。そういった職人感覚というか、天候と一体になって農業をやっていた世代の方々が中心だけれども、実はもう高齢になられている。

 そのような職人的な方々が肌で感じて農業をやっている反面、仕組みは完全に農協システムというか。それで個人の農業者の誇りよりも、その仕組みを動かすことが中心になって、困ったという運動のときには補填されてくるという形がずっと続いていて、それを見ていて、いわゆるチャレンジドの弱者への援助の形と、誇りを失いつつ、でも何か補助は入るというこの形の不思議さを、私はものすごく実感したことがあったのですね。

 かといって、若い人が完全に農業離れしているかというと、若い農業を目指す人で、日本のおいしい米をもっときちっとつくりたいし、世界に誇る日本のおいしい米ということも言われて取り組んでいる方もいらっしゃるので、これは意見ですけれども、若い人たちがきちっとビジネスとしても農業がやっていけるような仕組みという方向に、単に運動による補助ではなくて、国はバックアップしていくべきなのではないかなという意見です。

 それと1個、基金のことですが、前回私が質問させていただいた納付金、障害者雇用率未達成企業の納付金が、雇用率制度の維持・運営予算になっているのですが、これは財務省で言うところの基金に該当するのか、それとも別個の感覚、財務省的には全くアンタッチャブルなのか、それを教えてください。というのも、1人でもたくさんのチャレンジドが働いてタックスペイヤーになるために障害者雇用制度は存在していると私は思っているのですけれども、雇用率という数字を達成することが至上命題になっていて、雇用以外の多様な働き方も含めた、総合的な施策に乏しいと私は思っています。ぜひこの財政審でも多様な働き方を推進出来る基金というか、予算について議論していただければと思い、基金の概念に当てはまるのかどうかということをお聞きしたということです。

〔 吉川分科会長 〕 最後はご質問だと思うので、お願いします。

〔 窪田法規課長 〕 先ほども内部留保との関係で、基金が有用ではないかというご指摘もありましたし、今のお話もそうなのですが、今私が申し上げておりますのは、補助金をもってして特定の、例えば企業の基金を起こすとか、あるいは新たに人を雇用するとか、あるいは訓練を施すとか、そのような特定の目的のための補助金で、その目的に限ってそれぞれの設置団体が保有する基金ということですので、細かいところはよくわかっていないかもしれませんが、ご指摘のものとは少し趣旨が違うのかなという印象を受けました。

〔 吉川分科会長 〕 では富田委員、お願いします。

〔 富田委員 〕 先ほど来、自給率と自給力のご議論、活発にあったわけですけれども、需要サイドからつくられた自給率という指標は39%だということなのですけれども、このグローバル化した相互依存世界を考えれば、これの高低自体が農政の目標になるというのはなかなか概念としてふさわしいものではなく、やはり「食料自給力」というか、あまり主計官はお触れにならなかったのですけれども、14ページにあるように、イギリスにおきましては緊急事態、輸入が途絶えたときに、ちゃんと国民が食っていけるかという指標が、現代のこの相互依存的な世界経済においては重要だと私は思います。

 つまり、これは生産の担い手を重視するという考え方であり、現在65歳以上人口の農家がものすごく大きな比重を占めていて、平均年齢も私より上の感じがいたすわけですけれども、それは若手に集中して生産力を高めていく機会なので、こうした緊急事態を前提とした指標はにしても、非常に重要な指標だと思いますので、具体的な検討を進めていく必要があると思います。

〔 吉川分科会長 〕 では中空委員、お願いします。

〔 中空委員 〕 ありがとうございます。実は私、各論ではなくて、先ほど少し申し上げましたように、国債のマーケットが少し変わってきたので、その報告を、基金のページの7ページの最後に、財政健全化に向けたこれまでの取組とありますので、これにかこつけて、少しご報告したいと思います。このような財政制度等審議会に参加なさっている先生方や財務省の方々は、日本国債のマーケットが紛糾している、その声を聞いたほうがいいと考えましたので、議題とはあまり関係ないのですが、手短にお話させていただきます。

 先週、株のマーケットも混乱していたので、そのような意味では少し目くらましになってしまった面があるのですが、実は短期国債が札割れをしています。問題は、先ほどここに来たときに富田委員と少しその話をしていて、「まだましだよね、買い手がいるから」という話をしたのですけれども、その通りなのですが、問題は短期国債で、随分前のこの会でも見たことがある通り、外国人が多くを持っている。そして外国中銀が持っているので、追加で出てくるものでもないのですね。

 そうすると、買おうと思っても、もうないというのが問題でして、ここから先の政策は、ざっくり2つのシナリオかなと我々マーケット参加者は思っています。1つは財政政策に頑張ってもらうしかない、金融政策が効かないのだからということになるのですが、そうするとボトルネックが心配になって、信憑性がなくなってくる。

 もう一つはというと、日銀が、超長期も買ってしまえという話になって、そこまでやっていいのかなとも思うのですが、どんどん金利は下がることが既に大前提になってきてしまった気がします。それは、とりわけ足元の国債を消化するマーケットでは、大変な不安事項に上がってきた。そうすると、次に支えになるのは何かというと、財政計画の確実な履行しかないのですね。2020年度までのPB黒字化が果たせるのかということを、今日ぐらいからまたマーケットは見始めています。

 ただ、これを勘案するとき、先ほどそれも富田委員が言っていたのですが、地方でもあまりにも楽観的なシナリオでやり過ぎるので、無駄なものを使ってしまったというものがありました。この中期財政計画も、経済成長があまりにも過剰になされているので、それは無理だと思いながら、旗を掲げ続けるというのも、また心配になってきている話です。

 財政制度等審議会というのは、財政健全化に向けたものをやっていく会であるので、そのような意味で、足元の国債のマーケットはかなり混乱し始めていることについて知っておいていただきたく、ご報告させていただきました。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、板垣委員。

〔 板垣委員 〕 今の中空委員の意見に私も同意です。

 イギリスの「食料自給力」の件なのですけれども、ここには明確な定義があるわけですよね、自給力という言葉に対して。つまり、いざ鎌倉のときにはどうするという。それは何かというと、結局のところ生産額ではなくて、カロリーベースの話なのだと思うのです。つまり、そのときにちゃんとみんなが食べられるということなのだと思います。

 日本で今議論されている「食料自給力」とは、結局担い手という話が先ほど出ましたけれども、トータルとして、どのようなイメージで議論が進んでいるのかということを聞きたいと思いました。よろしくお願いします。

〔 吉川分科会長 〕 では、お願いします。

〔 高村主計官 〕 まさに今、農水省では、これは見直さなければならないプロセスに入っていますので、彼らの審議会で議論しているところです。

 先ほどこの資料に挙げられた3つの要素というのは、これまでの議論の積み重ねてきた結果の考え方と。この13ページにある農業資源、農業者(担い手)、農業技術といったものが要素になってくるだろうというところまでは議論が進んでいるのですが、ただ、これをどう指標化するかとかは、まさに今議論しているところなので、また私らもそこをよく注意して、農水省と議論していきたいと思っております。

〔 吉川分科会長 〕 では、よろしいでしょうか。

 農業について、私も一言だけ発言させていただきたいのですが、担い手というのがキーワードだと思うのですが、具体的には、若い人が普通の会社に入社するのと同じように、農業という産業に参入したいと思えるような姿にするということだと思うのですね。そのためのキーワードは、私は所有と経営の分離を進めることだと思います。少なくとも近代的な農業機械では概ね実現しているわけですが、農業では、それができていない。

 そのことがもちろん大規模化とも関係して、今日の資料でも米作だと5ヘクタールくらいまでですか、生産性も上がるということだったと思います。若い人がとにかく、いわば入社したいと思えるような、かぎ括弧つきかもしれませんが、そうした近代的なシステムを構築すると。そのためには、土地を集める、大規模化するということなのですが、何人かの方が、税に言及されたと思います。私は、農地の転用した際のキャピタルゲイン課税が、この問題の鍵だと考えています。

 私から一言、発言させていただきました。

 では、時間が参りましたので、今日の議題は終了とさせていただきます。

 毎回で大変恐縮ですが、本日の会議の内容の公表につきましては私にお任せいただき、会議後の記者会見でご紹介させていただくことにさせていただきます。会議での個々の発言につきまして、皆様方から報道関係者等に対してお話をすることのないよう、ご注意いただきたいと思います。

 次回は、10月27日10時から予定しております。よろしくお願いいたします。

 どうもありがとうございました。

午後 0時32分閉会

財務省の政策