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財政制度分科会(平成26年10月15日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録
平成26年10月15日
財政制度等審議会


 財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

平成26年10月15日(水)10:59〜13:41
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

1.開会

2.有識者・委員ヒアリング
・「超高齢化・人口減少下における持続可能な都市の形成に向けた夕張市の取組み」
 -鈴木 直道 夕張市長
・「人口減少問題について」
 -増田 寛也 委員

3.質疑応答、自由討議

4.閉会

配付資料
○ 資料1    超高齢化・人口減少下における持続可能な都市の形成に向けた夕張市の取組み
○ 資料2    人口減少問題について 

出席者

分科会長 吉川 洋           宮下副大臣
御法川副大臣
大家大臣政務官
竹谷大臣政務官
香川事務次官
田中主計局長
岡本次長
太田次長
西田次長
新川総務課長
寺岡調査課長
山本司計課長
窪田法規課長
堀内給与共済課長
片岡官房参事官
阪田主計官
白石主計官
冨安主計官
青木主計官
井藤主計官
宇波主計官
彦谷主計官
高村主計官
小野主計官
中山主計企画官
内野主計企画官
分科会長代理     田近 栄治  
 委員

井伊 雅子
岡本 圀衞
倉重 篤郎
角   和夫
竹中 ナミ
田中 弥生
土居 丈朗
富田 俊基
中里 透 

 臨時委員

赤井 信郎
板垣 信幸
遠藤 典子
老川 祥一
大宮 英明
佐藤 主光
末澤 豪謙
十河 ひろ美
高原 豪久
永易 克典
増田 寛也


 

午前 10時59分開会

〔 田近分科会長代理 〕 今日は2人のスピーカーをお招きしているので、この辺りで始めさせていただきたいと思います。

 今日は吉川会長が所用により、初めの部分は出席できないという連絡を承っています。ただ、もうすぐ来られるということで、吉川会長が来られるまで私、田近が代わりに、議事進行をさせていただきたいと思います。

 今日は有識者・委員ヒアリングとして、鈴木夕張市長及び増田委員からお話を伺い、休憩を挟みまして、質疑応答・自由討議を行いたいと思います。お二人の話をまず伺って、休憩を取り、その後質疑応答・自由討議とさせていただければと思います。

 なお、鳥原委員におかれましては本日欠席のため、意見書をご提出いただいております。皆様のお手元にお配りしてありますので、ご確認ください。

 それでは、議事に移らせていただきます。まずお手元の、「超高齢化・人口減少下における持続可能な都市の形成に向けた夕張市の取組み」といたしまして、鈴木直道夕張市長よりご説明を伺いたいと思います。40分ほどの時間ですけれども、鈴木市長、よろしくお願いします。

〔 鈴木夕張市長 〕 ただいまご紹介いただきました北海道夕張市長の鈴木直道でございます。本日は財政制度等審議会財政制度分科会にお招きいただきまして、貴重な機会をいただきましたことを感謝申し上げます。

 私からは、お手元の資料でございます、「超高齢化・人口減少下における持続可能な都市の形成に向けた夕張市の取組み」を、あちらの画面でも映しながらご説明させていただくとともに、概況図も併せてつけております。夕張市は非常に広域な763平方キロメートルという、東京23区がすっぽり入ってもおつりが来るような大きなところでございますけれども、そういったところで今取組をしている中で、地図もご覧いただきながらお話を聞いていただければありがたいと思っております。それでは、早速始めさせていただきます。

 まず、夕張市の特徴でございますが、場所については北海道のほぼ中央でございます。札幌市、新千歳空港、苫小牧から概ね60kmの圏内ということで、地の利は比較的いい立地にございます。また、面積については先ほどお話ししたとおり、763平方キロメートルということで、北海道全体で言えることではありますけれども、広域の中で超高齢化、人口減少が進んでいる状況でございます。

 また、夕張市の産業でございますけれども、かつては石炭産業ということで、大小24の炭鉱で栄えていたわけですけれども、閉山とともに炭鉱産業は失われました。今は夕張メロンが非常に有名でございまして、基幹産業ということで夕張メロン農家がございます。またその他、商業・観光については、かつて人口が多かったときに比べると、急激に減少しているということでございます。

 炭鉱町でございましたので、炭鉱会社で働いている方々が非常に減少したことが大きな人口減少の要因でございます。メロン栽培等についても、最盛期は42億円を誇っていたのですが、現在25億円台ということで、メロン自体も非常に減少している状況がございますが、ここ数年、下げ止まった感もあります。また商店や観光の部分も、人口とともに減少傾向でございます。

 簡単に今までの人口減少と少子高齢化の状況をまとめた表が4ページのこちらになります。1960年の人口最盛期には11万人程おりまして、北海道内で7番目程度の主要都市として数えられておりましたが、増田さんのレポートにもございますが、今は消滅可能都市の7位ということで、同じ7位でもえらい違いになっているわけでございます。人口減少率も26.2%で全道1位。北海道自体も人口減少が激しい中で、1位でございます。

 また、65歳以上の高齢者の方の割合は、46.5%と書いてありますが、既に9月末をもって47%を超えている状況で、約半数が65歳以上という状況でございます。また一方で、15歳未満については6%台ということで、超高齢化、少子化がまさに顕著にあらわれているところであります。

 そのような中で、夕張市といえば財政再生団体ということで、北海道財務局から322億円の長期債をお借りして、財務省にまさにお金を返している状況でございます。予算規模等々、借金の額等は、5ページの1に書いてあります。どのような努力をしたのかを若干説明したいので、2の組織の合理化、事務・事業の見直しをご覧ください。一番削減効果があったのが人件費でございます。総合病院の廃止を始めとした施策により、399人いた職員が144人ということで半数以下になりました。また、私を始めとした特別職の給料を70%カットしたり、議員定数18名を9名にして40%カットしたりですとか、実に人件費だけで80億円程の財源を生み出しております。市税収入が8億円程のまちでありますので、80億円という金額は結構大きな額であるということが容易にわかると思います。

 また、自治体は様々な団体に補助を出したりしているわけですけれども、そのような各種補助金をほとんど廃止しまして、大きなものとしてはふるさと創生1億円でスタートした夕張映画祭。こちらは1億円程かけていたこともあるのですが、このような各種補助金廃止で諸々16億円程の財源捻出をしております。

 ちなみに、少し話は逸れますが、ふるさと創生1億円で始まった夕張市の1億円かけていた映画祭は、夕張市の破綻を契機になくなりましたが、市民が復活映画祭というのを経て復活させまして、今は市民が協賛6,500万円程全て自分たちで集めて、行政はびた一文お金を出さないで運営しています。復活後はお客さんの動員はむしろ伸びている状況でして、市が1億円出していた時は、スタッフも含めて役所フル稼働でやっていたのですが、今は北海道大学の学生ですとか運営ボランティアの力を借りながらやっています。かつて地方創生で1億円配って、どこが残っているのかなといったときに、北海道を代表すると夕張市の映画祭だよねと言って、今北海道で少し話題になっています。

 少し話が逸れましたが、3つ目は出先機関の廃止ということで、これも市町村合併等でいろいろやりました。出先機関が廃止できないところの話を聞いたりもするのですが、夕張市の場合は破綻を機に、5カ所あった連絡所のうち、4カ所を廃止して1カ所だけ残している状況です。ですから、東京23区より広くて、連絡所が1カ所しかない状況であります。

 4つ目は、生活館等の施設の維持管理経費の削減です。地域に生活館と呼ばれる、みんなが集まって様々なイベント等をやる施設があるのですが、そういったものも廃止して、今は基本的に全部、市民、町内会に管理してもらっています。町内会が自ら収入を得て管理してくれと。破綻した当時は、法定点検等や消化器の更新も町内会でやってくれということだったのですが、収入のメインは葬儀等の使用料収入で、それを維持管理経費に回すわけですけれども、なかなか厳しい状況があるので、今は法定点検と電気代の基本料金見合いの補助を復活させて、生活館等の維持管理を行っています。ですが、その部分でも7,300万円程度の削減効果が得られています。

 ただ一方で、市民が公的な施設管理を自ら行うという意識の中で、この収入に対してどれだけの施設維持管理費がかかり、手がかかるのかを住民自らが考え、認識する意味では一定の効果があるのかなと。例えば生活館の屋根のペンキが剥がれたという事例もあって、豪雪地なので、屋根の上に雪が積もるわけですが、ペンキが剥げると雪が落ちないのですね。それを昔だったら役所で外注をかけて、ペンキを塗っていましたが、うちもお金がないので、ペンキは出しますが、塗るのは町内会のみんなでやってもらった事例がありました。みんな非常に愛着というか、自分が塗ったということで、私が地域に行くたびに、「これ、市長、俺が塗ったのだよ」と誇らしげに言うのです。それでも足りないので、市民税の均等割の法の上限までの引上げや各種使用料などの引上げ等を行っています。

 一方、3の組織の合理化、事務・事業の見直しの結果でございますけれども、人口減少が急激に進んだということがございます。財政破綻を受けて、マスコミ等も集中的に、夕張市が破綻したということで、必要以上の不安が煽られた部分もありますし、実際にサービスが削減されたこともあって、破綻時の減少率がピークで4.8%になっています。また、破綻前も人口減少はあったのですが、今も人口減少は歯止めがかからない状況です。

 また、職員の部分で言えば、399人が今は144人というお話をしましたけれども、一斉退職ということで、退職金をカットすることによって、平成18年度末において260人いた職員が127人に一気に減りまして、部長、課長をはじめ、管理職が3人以外の全50何人がやめるという状態でして、普通の会社組織で役員がほぼ全員いなくなって、明日から同じ仕事をやれというきつい状況もありました。それを補完するために全国から職員派遣をいただいているのですが、それが職員全体の2割程度になっており、1・2年で帰るので、なかなか職員体制の維持が困難です。

 また、全国一安い給料設定にしているものですから、生涯賃金で一人当たり大体4,000万円程削減される計算になるので、育成期間が終わってこれから頑張っていこうという若い人が、残念ながら他の自治体に行ってしまったり、民間企業に引っ張られたりして、毎年4人以上やめてしまう状況が出ています。

 そのような中でございますけれども、さらにまちの効率化を進めるべきであるということで、まちのコンパクト化を、今、私が市長になりまして、計画策定したところでございます。広域分散型の都市形成で、かつての炭鉱の坑口ごとに集落形成がなされていることで、非常に効率の悪い状況になっていることと、昔炭鉱町だった名残で、現在世帯数5,500程なのですが、3,700戸にも上る公営住宅が存在するということ。ある雑誌の調査では、人口比にして日本で一番公営住宅が多い市という状況になっていまして、皆さんご存知の通り、公営住宅は政策的に住宅困窮者に対して保障するものですので、一定所得を超えた方々は入居できません。その割合が日本で一番高いということは、一定所得以上の方が住むことがなかなか難しい都市構造になっているということになります。3,700戸の公営住宅に対して、民間の賃貸住宅は100戸しかない上に、9割以上入居していまして高家賃設定という、非常にアンバランスな都市構造になっておりました。

 ただ一方で、コンパクト化を進めるにあたって、民間の賃貸や民間の住宅が圧倒的に多い地域より、公営住宅が日本で一番多いことは、むしろ優位性に働くというのが私の考えでして、公営住宅の廃止と集約によって都市構造の転換を図っていくことが、強みに変わるのではないかということで、今公営住宅のスクラップ・ビルドのような感じで住宅移転を進めているところであります。

 私も正直、作った後に非常に驚いたのですが、この計画は20年後の夕張市を見据えた計画です。夕張市は今、人口1万人を切っているわけですが、さらにそれが20年の中で半減するであろうと。5,000人程度になっても持続可能なまちの形はどうあるべきなのかを前提にした議論で、将来なくなる地域の方々にも参加していただいて計画策定したところが、非常に特徴的だと思います。

 作った後に気がついたのですが、このようなことをやっているのが全国で初めてだということなので、いわゆる中心地の魅力を作った緩やかな移転ではなくて、うちの場合は人口推計を見たときに、例えばこちらで言っている将来なくなると言われている南部地域だとか真谷地地域と呼ぶところがあるのですが、このようなところには地域の方に入ってもらって、将来の年齢構成等もみんなで見ながら、この段階では20年後、なかなか地域を維持できないよねということで、その計画策定をしたところであります。

 現在は地区内集約というものを進めている真ん中の段階であります。将来は南北軸というJRが幸いまだ走っていますので、夕張市はJRとタクシー会社とバス会社がそれぞれございまして、公共交通がある意味ではしっかりとまだあるので、そこにコンパクトシティと絡めながら再編を図っていくと。再生団体ですので、それを一番お金がかからない方法でやろうということであります。

 具体的に何をやっているのですかという部分については、文字ばかりで見にくいのですが、皆さんから見て左側の歩団地や萌団地をご覧ください。歩団地は今年国交大臣表彰をいただいたのですが、木造平家建ての住宅をつくりまして、バリアフリー構造にして、住宅の前には野菜やお花を植えられるところをつくって、見守り機能を入れるのと、高齢者の方ばかり移転いただくと地域コミュニティーの再生が図られないということで、公募枠で若い人たちや子育て世代を入れて、40何人の入居者のうち、10人程が子供という、高齢者と若い人が一緒に住めるようにした、集約だけではなくコミュニティーの再生も同時に図るというコンセプトでやっている団地です。木造平家にしたのは、メンテナンスや今後のことを考えると、豪華なものをつくるよりも将来に柔軟に対応できるものがいいだろうということからです。

 また、右側の既存ストックの活用ということで、これは将来なくなると言われている真谷地地域に、古い3階建ての住棟があり、それが12棟あるのを半分にしましょうと。そして申し訳ないですけれども、古いところから古いところに移ってくださいということで話をしまして、1軒1軒戸別訪問ですね。高齢者の方が多いので、3階に住まわれている方は階段の上り下りが大変などと、いろいろなニーズがあるのですね。それぞれカルテをつくって、いろいろな要望でパズルみたいに当てはめていって、12棟を6棟に再編するということをやった事例であります。

 新しいところをつくって移ってもらうより、古いところから古いところに移ってくれという方がハードルが高く、交渉だけで半年以上かかっております。ただ、100%同意をいただかないと成立しません。例えば1棟を全部あけたいときに、1人だけ「私は嫌だよ」と言っていると、その住棟は管理しなければならない状況になりますので、100%同意を目標にやって、今回無事引っ越しも終わっているという事例です。もろもろ205世帯程が、この2年間ぐらいで移転交渉して、完了しています。夕張市は5,500世帯なので、わずか5%弱かと思いますけれども、この数年で少しですが移転が促されているということです。

 また、コスト面ですが、右側の真谷地地域の話で言うと、行政コストの削減ということで、大体住棟管理を12棟丸々維持したときと廃止したときとで考えると、10年間で1億円程削減できます。一方で住民のメリットとしては、3階を廃止して1、2階の低層階に移ってもらいつつ、断熱構造を入れたことによって、夕張市は豪雪地域で寒いわけですけれども、暖房が30%程度安くなり、生活コストが安くなります。それだけでなく、住民にとって何十人も住めるところにひとりぼっちで住んでいるという不安が解消され、上下両隣に知っている顔がいて、安心して住めるという意味での安心感にもつながっていると。

 ただ、これは非常に言うは簡単なのですが、交渉がものすごく難しいです。選挙だとかもありますと、人口減少を前提としたまちづくりをしますと言った途端に、私もそうですけれども、市長というのは人口を増やすのが仕事で、「おらの地域を何とかしてくれ」という話になるものですから、私たちは鈴木に1票入れたけれども、もう入れないよとか、将来廃止する地域を指定するということで、さっきのコンパクトシティでやりますと、そこに住んでいる人からすれば、とんでもないという話になってしまったりだとかで、賛否分かれる政策ということがあるかと思います。

 また、住宅集約の交渉において非常に言われるのは、例えば左側の新しい家をつくって、築40年ぐらいのぼろぼろの家でお風呂もないところから、新しいバリアフリーの木造のぴかぴかのところに移ってくれというのは、移転補償も14万円程払って、そっちのほうがいいのではと思う人もいらっしゃるかもしれないのですが、価値観がそもそも違うのですね。

 例えば、夕張市は女性の方が多いのですが、炭鉱事故などで夕張市は2,000人ぐらい亡くなっており、例えば70代、80代の女性がお父さんと一緒に過ごした思い出がこの家にはあるのだとか、今札幌に子供たちがいるけれども、小さい子供を育てた思い出があるのだとか、そのような「きれいな家があるし、お金も出すから、移ればいいではないか」という世界では首を縦に振らない思いがあるので、私が特に交渉でみんなに言っているのは、そもそも自分たちと全く違う思いを持っている前提で、どのような思いがあるのかをまず聞くということです。移ったほうがいいということが腹の中にあると、それが透けて見えるということなので、そのようにやっています。

 歩団地で言えば、一番反対していた人が、今たしか90歳台の男性なのですが、人生で一番温かい冬を過ごしたと90歳の男性が言っていて、一番反対していた人が最高にハッピーだと言っているので、そのような反対者がむしろスピーカーになって、他の誘導を促すという事例にもつながっています。よって、最初のボタンをかけ違えないことは非常に重要で、最初の一歩をつまずくと、全ての今後の事業がつまずいていきます。

 右側の団地は、古いところから古いところへという話なので、ますますハードルが上がるのですが、ここは交渉において、よそ者である大学生に協力いただいて、セットで交渉に当たりました。というのは、夕張市みたいな狭い町だと、市役所の職員が、親戚の親戚が市役所にいる等、情報が脂っこい部分があります。学生や若い人が入ってくると意外にざっくばらんな話をして、困り事ありませんかと聞いても困り事は言わなくても、雑談の中で、実は病院に通っているとか、足腰が痛いだとか、いろいろな情報がわかって、それではこういったパターンはどうですかという交渉を重ねることができるのです。その意味では非常に泥臭いです。机上のコンパクトシティ化や、人口減少に対応したとはいっても、実は基礎自治体というのは、そのようなことをやらなければいけません。やろうとしていることと、実績もある程度上がっているのですが、今後国にもそのようなことを応援していただかないと、なかなか基礎自治体だけでは限界が出てくるという問題があるのかなと思っているところです。

 また、民間の住宅が極めて少ないところがございますので、市営住宅の入居基準の緩和であったり、夕張市の土地を9割引き程にしまして、ただ同然で新しい家を建ててくれということをやったり、夕張市は不動産屋がない状況がありましたので、民間が走り出す前に、不動産情報を役所が担って仲介をやったり、不用公共施設の活用ということで、ここで58戸と書いてありますけれども、高齢者専用の住宅だとか、グループホームだとか、民間のアパートや、養護老人ホームをやっています。

 それと、公営住宅を中心に都市構造を変えていくのですが、将来のことを考えると、公営住宅を大きく減らしていきたい。全ての長期の管理コストの中に役所にかかってくるものがございますので、民間の賃貸のニーズがあるところまでのアッパーまで高めて、民間の家賃収入で維持管理をやっていただくことが適切ということで、民間賃貸住宅の建設補助事業を開始しております。初期投資の部分で市役所で応援させていただいて、断熱性であったり、音漏れであったりと、一定の高い水準の規格を設定しました。ただ一方で、家賃については安くしてくれということで、建設費に対して0.8%に抑え、民間の建設を促進しています。公営住宅よりも民間住宅を作る方が、ランニングコストは圧倒的に良いので、民間のニーズがある部分については、促進しているところです

 また、夕張市の象徴的な統廃合の事例で、小中学校1校化というものがございます。東京23区よりも広い中で、小学校と中学校を1年間隔で一気に1校化したということで、これはかなりのインパクトがあったわけでございます。削減効果は、ここに7,700万円と書いてあります。一方で統合によって新たに発生した費用として、遠い子はバスで40分程揺られて通学するわけですが、そういった児童の交通にかかるお金等がありますので、差し引いて2,000万円弱の削減効果であると思っているところです。

 廃校の活用には、私も非常に力を入れていまして、基本的には無料で開放していきます。廃校活用は各地域でやっており、要相談等といってネットに出ていることが多いのですが、うちはとにかく基本的に無料です。一度それでアイキャッチをして、無料とは言っても後から条件を出していくという、少しずる賢い手法ではあるのですが、現在、耐震構造を満たしていない1カ所を除いた8カ所全てについて、活用が決まっています。

 1校を除いては、ほとんど企業誘致と同様の効果が得られる廃校活用でございます。特徴的なのは、全国初の取組として、緑小学校、緑陽中学校の廃校舎に郵便局を入れました。地域の郵便局は大きな機能を持っていますので、郵便局の新しい箱を建てるのではなく、既存のものを活用していただくことで、管理者にはテナント収入が安定的に入るので、そのようなことも促してやっていくということを進めております。

 また、珍しい事例というか、これは北海道で初ということですけれども、廃校活用で老人ホームをやっている事例があります。北海道には、新しいものにしか補助金を出さないというルールがあったのですが、今の時代それはおかしいだろうと。古いものをリフォームする場合にも補助金を出してくれということで、今では北海道初のそういった老人ホームができたということでございます。

 ただ一方で、これだけの新たな企業誘致に相当する廃校活用を、総合的にコーディネートすることを考えると、市役所への負担が過重にかかってきます。日本で最小の人数でその仕事をやっているものですから、そういった廃校活用のやる気のある業者さんがぶっ倒れないように、今、総務省のメニューの地域おこし協力隊を活用させていただいて、官民連携対応ということで行っております。

 一方、そういった小学校・中学校統合の3年間から見えてきたことは、子育て世代の流出が非常に顕著になってきています。破綻したときは、大変だ、どうしようと言ってきたのですが、8年間を通じて、中学校に進学するときや高校に進学するときをゴールとして、冷静に転出していく方が増えています。ですから、大都市に比してある意味で子育て環境が整っているという話もありますが、最低限のサービスもないのが過疎地域の現実です。

 夕張市の場合は、図書館も児童会館もございませんし、保護者が子育ての相談をするところも廃止されていたり、乳幼児医療費の無料化もサービス合戦になっていたりするわけですけれども、隣町に行けば無料ですよということで、そのような子育て環境の充実の最小の単位がどこにあるのかをある程度考えなければならないのだろうと。夕張市の場合は徹底的に切ったので、さすがに、どこまで戻していくかという議論を今後していかなければいけないのかなと思っているところであります。

 また、これは地域活性化のモデルケースにコンパクトシティと資源活用ということで採択していただいているところでございますけれども、内閣官房が募集しまして、地域活性化モデルケースというものが、5月末に関係閣僚会合で決定しているところであります。今後の地方創生とどう連携していくのかが全く未知数なわけですが、そこで夕張市も採択いただいているところであります。

 それは、先ほど説明したコンパクトシティとともに、夕張市の将来の都市拠点になる清水沢という丸のところに、たまたま天然ガスが大量にあるということがございます。夕張市民全世帯が使う1,500年分ぐらいに相当する、石炭層に埋蔵されているガスがございまして、エネルギーの地産地消ということで、何とかこのエネルギーを活用させていただけないかと。コンパクトシティというネガティブなイメージを持つ施策だけではなく、北海道電力が今電力値上げを考えているのですが、NPOの試算だと大体3割程安い電力を供給できるスキームがあるので、それを用いて安価な電力供給や発電に出てきた熱・COの活用を、地産地消と併せて夕張メロン農家や地元で頑張ってくれている企業ができないかと。それをコンパクトシティの中心地の魅力作りにも活用できないかということを提案申し上げて、政府にモデル決定をいただいているところであります。

 ただ、今は各省横串ということで、モデルケースを関係閣僚で決定したのですが、今地方創生という中で、このモデルケースがどのような位置づけになってくるのかということを他の選定団体も非常に心配している状況が一部ございます。

 それと、これもおもしろい事例なのでご紹介します。地域資源ということで、ズリ山。九州だとボタ山というのですかね、石炭を掘った残りを山にして、ほったらかしにしているものがございます。これが実は大雨が今、局地的に降ったりしまして、ズリが崩れて災害の原因になるということがございまして、ごみの山ということで、ほとほと困っていたところでございます。

 それをフラット化するためには、5億円程度お金がかかってしまいます。一般財源としては4.5億円程度。ズリが売れて5,000万円程度収入を得たとしても、破綻している夕張市にとっては非常に大金です。ズリ山はこの1カ所だけでなく、何カ所もございますので、そういったリスクを回避するためには、そういったことをやる必要があることが課題でした。

 今、電力需要が変わってきまして、石炭による火力発電をフルで回している状況の中で、火力調整炭の需要も上がってきています。我々は、ズリ山を売却して、公的な資金はゼロ負担で売却収入を得て、かつズリ売却事業で雇用を生んで事業ができないかを検討しているところでございます。これは、災害リスクが軽減されるだけでなく、地域雇用にもつながりますし、夕張市としては黙っていてもお金が入ってくるということですので、ごみの山が宝の山に変わると私は言っているのですが、大変ありがたい事業です。それを今、総務省のメニューに地域経済循環創造事業交付金というものがございまして、民間金融機関がお金をため込んでいる部分があるので、そこを出していただきながら、国もそれを応援する中で、産官学金に提案して、夕張市のようなところでもアイデアでそのような雇用を生んだり、発想力で地域のごみの山と呼ばれているものを宝の山に変えたりといったことを進めているところでございます。

 次でございますけれども、ふるさと納税制度ということで、各団体が今、取組を進めているところかと思います。夕張市でも、財政破綻のときがピークでありますけれども、多くのご寄附を全国からいただいているところでございます。この寄附は夕張市にとっては非常にありがたい財源です。強化していくことを考えている背景には、人口減少が著しいところほど、ある意味で人口流出をして、全国にそういった応援団が散っています。夕張市も人口が12万人弱いたものが1万人以下になっているのですが、みなさん東京や札幌に行ったりしていますが、ふるさと夕張市に思いを残して転出されていた方が、人口に比して一番割合が多いであろうということで、そのような方々に具体的な支援策をお届けすることによって賛意を増やすという取組で、ふるさと納税は優位性があるということであります。

 ただ、夕張市は破綻していましたので、寄附はいただいても、最初はお手紙一つ出さないということで、某会社の役員の方から、「お金がないのはわかるけれど、感謝の手紙ぐらい出せ」というご指摘をいただきまして、私が市長になってから、私の手紙を1枚出すようになりました。しかしそれでもほかの地域はふるさと特産などを送っている状況です。再生団体なのでこれを新しい事業に位置づけられるのではないかということで検討していたのですが、今年からふるさと納税で1万5,000円以上ご寄附いただいた方で夕張市外に在住されている方には、夕張メロンを1玉だけ贈るということを始めました。

 過剰なリターンがある等いろいろなことが言われていますが、標準モデルで考えているのは、年収約300万円の単身者が、約1万5,000円寄附すると1万3,000円の控除で、2,000円ある意味では損するということなのですが、4,000円相当の送料込みのメロンが来るので、2,000円得する感じです。

 それぐらいがちょうどいい範囲かなということでやったところ、寄附が激増しまして、全国ニュースのNHKでもやっていましたけれども、想定していた量を大幅に上回り、歳入が入り過ぎているので総務大臣に再生計画を変更してくれということで、珍しい変更を最近したところであります。金額で言うと7.6倍、件数で言うと23.7倍のご寄附をいただいたところでございます。

 これはサービスの過剰ではないというところと、夕張メロン農家は夕張市にとって基幹産業であるのですが、農業支援策を市独自ではやっていません。しかし、この夕張メロンを送り返すことで、地域の産業でありますメロン農家を守って成長させていくということにも寄与します。寄附額は約1,000万円弱ですかね。5,000万円寄附が入ってきて、メロンの購入などは700万円程度になります。よって4,000万円以上、お金が入ってくるわけですけれども、それでも夕張メロン農家からすれば大変ありがたい、破綻以降初めての市の取組であるということで、大変感謝されていますし、夕張メロン自体、食べたことがない方がいっぱいいらっしゃる中で、寄附を契機に食べていただいて、今後注文につながっていくというPR効果も非常にあるということで、期待しているところであります。

 また一方で、結構寄附者の方からメッセージが寄せられています。夕張市は財政再生団体ということで、今後も財政の再建と地域の再生の両立のバランスを図りながら進めていく中で、全国の方からありがたい応援メッセージが届くことで、市民や職員や夕張市に携わる皆さんが、これは精神的な話ですけれども、大変応援していただいているということにもつながっておりまして、いろいろな意味で、ふるさと納税制度は今後も活用させていただきたいなと思っているところでございます。

 若干早くスタートさせていただきましたので、40分お時間をいただいておりましたけれども、ちょうど時間が参りました。増田先生のレポートを始め、人口減少の問題が多くの自治体で危機意識を持たれている一方で、何か地方創生というものをきっかけに、多くの財源が降ってくるのではないかと期待している動きもあるかと思います。そういった人口減少に対応したまちづくりを、本当にその覚悟を持ってやっているところに対して一定の応援をいただくということは、私は極めて必要だとは思っているのですが、そういったことをしっかりとビジョンを持って策定しているところと、そうではないところと結構差があるということを、市長を3年半やっていて思うところであります。

 一方で、有権者のことを考えれば、確かにそういった賛否両論分かれる施策は、これから統一選挙がございますので、なかなか掲げにくいとは思いますが、私はこの住宅再編の事業などをやっていてすごく思うのは、ざわつきがあるということです。というのは、移ったところの事例ができると、あそこはみんなで協力した結果、いい住環境になっているよとなると、今まで反対していた地域も、いつうちの番になるのかということになるのです。そのような意味では、成功事例をしっかりとつくった上で全国に徹底的に波及させていくということで、超高齢化の中で、今回の地域活性化のモデルケースに幾つか選ばれていますけれども、そういったものを集中的に磨いていくことが必要なのかなと。

 1,700の自治体がある中で、私はもともと東京都の職員でございますけれども、都市部以外の再編は最も課題であり、最も語りにくい話だと思います。中枢拠点都市の話もございますけれども、そこに入れない夕張市は合併もできません。単独でどうやって持続可能な形を追求していくのかを、ある意味で我々は考えなければならない状況になっているからこそ、このようなことをやっているわけですが、最後の時代のチャンスだと思いますので、そのようなところがしっかり努力すれば報われるのだというインセンティブを持たす議論をぜひ国家でもしていただければ大変ありがたいなと思っております。

 若干時間が早いですけれども、私からのご説明は以上とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)

〔 田近分科会長代理 〕 鈴木市長、大変厳しい、しかし前向きなお話をありがとうございました。

 今日は、お二方のお話を伺ってから質疑応答をさせていただきたいと思います。

 続いて増田委員ですけれども、吉川会長がいらっしゃったので、ここより司会は吉川会長に行っていただきます。

〔 吉川分科会長 〕 所用で遅刻いたしました。大変失礼いたしました。

 では続きまして、人口減少問題について、増田委員よりご説明をお願いいたします。

〔 増田委員 〕 増田でございます。今日は機会をいただきまして、ありがとうございました。今、パソコンの準備をしておりますので、お手元の資料ないしはパソコン、どちらでも見やすいほうをご覧いただければと思います。

 30分ほどお時間を頂戴しているようでありますが、私がこれからプレゼンするのは、日本創成会議という私が座長をしております有識者の会議がございまして、そちらで人口の将来推計、特に市町村ごとの将来の姿と対策について一定の方向性を提言したためかと思います。

 この問題について私が深く関心を寄せるようになりましたのは、岩手県知事時代でありますが、今、鈴木市長さんのお話にも、小中学校の統廃合のお話がございました。岩手でも驚くほどの数の小中学校が統廃合によって消えたのでありますが、それだけ生徒数が減っているので、どうしてもそうせざるを得ない。また、市町村ごとに成人式が行われるわけですが、行きますと、私みたいな年寄りが成人の周りをぐるっと取り囲む格好になっていまして、成人の数が圧倒的に少ないし、そのうちの2割か3割かは、その日のために東京から帰ってきていました。現実にそこで仕事をしている成人は驚くほど少ない。これは夕張市でも同じ姿かもしれません。そういったことを見て、これは小学校の廃校どころか、まさに20年、30年経つと、廃村を本当に心配しなければいけないと危機感を持ったところであります。

 人口減少の議論は、実は県単位でしても、問題の所在や危機感がなかなか伝わらないように思いました。県庁所在地は、概ね人口がある程度増えるので、県全体で議論しようと思っても、全く危機感がありません。むしろこの議論は、減少の原因が自然減なのか社会減なのか、市町村ごとに異なりますので、最低でも市町村ごとに議論をしないと意味がないと思っております。かつ今度は市町村ごとの将来推計人口のデータが、ごく最近までありませんので、2年半ぐらい加工にかかるようですが、2000年に行われました国勢調査に基づいて、国立社会保障・人口問題研究所が出したものが初めてであります。

 ですから、私が知事のときは、第1回目でデータの精度に問題があると言われておりましたので、実際にそのデータをもって議論することができませんでしたが、その後2005年、そして2010年の国勢調査に基づく3回目の市町村ごとの推計が出ておりますので、それに基づいて我々のグループでも推計をしました。基本は社人研のデータがきちんと整っておりますので、それをフルに使わせていただいたということです。

 少し資料が分厚いので、飛び飛びでしか説明できませんが、1枚目に日本創成会議の5月8日提言の要約が書いてあります。人口減少の要因は2つ。20から39歳の若年女性の減少と、地方から大都市圏、今は東京圏だけと言っていいと思いますが、に若者が流出していくという、地方から見ると社会減の問題であります。

 2ページが、我々の責任による推計でありますが、30年後の推計で、2040年に全国896の市区町村が消滅可能性都市になります。この分母が、お手元の資料の表紙をめくって右側にカラー刷りになっております、オレンジのところですが、ちょうど全国の半分の896の自治体。これは人口規模が30万人近い秋田市ですとか青森市も入っておりますが、そこも消滅可能性都市という我々の定義で言う概念に該当している。そして、人口規模が1万人未満の523自治体、これは約3割にあたりますが、そこは2040年を過ぎてそう遠くない時期に、本当に消滅の可能性が高い。

 これに対してどのような対策をとるのかということですが、基本的には人口が減るのは受けとめざるを得ないのですが、それにしても、バランスが悪い減り方を避けるための広い意味での少子化対策と、東京一極集中対策を同時に行う。今までの人口モデルは楽観論が支配しており、いずれ何とかなるさということだったのですが、逆に消滅ということで悲観論になってもだめなのです。脅かすことに意味があるとは決して思っていませんので、この不都合な真実とも言うべき人口についての将来設計を、しっかりと皆さんに認識していただきたい。そして、人口の減少は回避できませんが、それを超える急減だけは回避したいということが、我々のグループの提言の趣旨です。

 3ページが、日本地図に自治体をプロットしたもので、福島県だけデータがないので白塗りになっていますが、ご覧いただきますとおり、全国に何らかの形で消滅可能性都市が広がっている。東京23区の中では豊島区が該当します。社人研のデータですと、豊島区はもっと人口が減るのですが、我々の方ではそれほど減らないことになっております。全て社人研のデータをいただいているのですが、唯一東京への一極集中の数だけ、我々の方が若干評価を変えております。

 国立社会保障・人口問題研究所は、東京への人口集中がやがて収束するという前提に立っておりますが、オリンピックの誘致など最近の状況を考えますと、そうはならないのではないか。結果として社人研のこれまでの推計データは、実績よりは東京には厳しく、東京はより減る、地方はそれほど減らないという推計になっていました。しかし東京への人口移動がしばらく続く前提に立ちますと、我々の推計ですと、東京はあまり減らない、地方はより減るという形に変わります。そこだけの違いであります。

 4ページですが、20から39歳までの女性人口の数で将来人口を推計しています。その理由は、確かに医療が発達しているので、10代あるいは40代以降の出産は行われますが、その数が非常に少なく、実際96%の子供はこの層から生まれておりますので、20から39歳の女性を人口の再生産力と捉えております。

 概念の整理で、我々の言っている消滅可能性都市とは、人口の再生産力である20代・30代の若年女性が30年後の2040年までに5割以下に減る市町村のことを言っています。ですから、人口ゼロになると言っているわけではありませんが、消滅可能性という言葉を使っていますのは、持続可能性ということに対して、人口面でサステイナブルでないからです。一番下の丸をご覧いただきたいのですが、この20代・30代の女性が5割以下になる市区町村は、人口を維持しようとすると合計特殊出生率を直ぐに3近くまで上げなければなりません。3は、今の文明国家にとっては不可能な数である以上、この市町村は決して人口が増えることはない。そのような意味で、消滅可能性都市と言っております。ですから、現象面において人口はゼロにはならないが、真っ先に社会保障などが破綻するなど、持続可能性がないということになると思います。

 ちなみに、合計特殊出生率で人口置換水準は2.07と言われております。この2という数値は、ざっくり言うと10人の女性を平均的にとりますと、非婚の方も10%少しいますので、残りの方は結婚、あるいは結婚の経験があるとして、そのうち7人近くが子供を3人出産するということになります。私も3人兄弟であり、50,60年前はごく当たり前の世界でありましたが、今は到底難しいだろうということです。

 6ページ以降は、我々がいろいろ推論した、その元になったデータ等が書いてあります。6ページは、合計特殊出生率が減り続けて、平成17年に1.26ショックと言われて、小泉内閣の最後で猪口先生が少子化担当大臣の初代に就任されて、それ以降いろいろと少子化対策をやって、率とすると昨年が1.43ですから、そこまで8年連続で少しずつ上がってきた。

 ただ、大事なのは率ではなくて、生まれてくる子供の数であります。出生数はずっと減り続けている。昨年ついに102万9,800人。今年の上半期を見ていましたら、50万人切っていますし、この102万9,800人はもちろん日本人ですが、速報値は外国人も含めている上に50万人を切っている。いつも下半期の方が少し多いのですが、来年下手すると、どうも100万人を切るのではないか。それから来年6月に今年の合計特殊出生率が出るのですが、昨年何とか1.43まで上がってきたものが、来年間違いなくまた1.3台に落ちると思いますので、本当にぎりぎりの瀬戸際です。

 出生率が上がっても、何で出生数が減るかというのは、先ほど言いました20代・30代の女性が今、年々激減していて、この縦棒が生まれてくる子供の数ですが、第2次ベビーブーム世代、すなわち昭和46年から49年生まれですね。この、昭和49年生まれが今年40歳で、いわゆる先ほどの再生産力から外れてきますので、10年前にいろいろな対策が行われていれば、彼らは30歳でしたから、まだ出産に結びついたと思いますが、これ以降は本当に厳しい。年間で生まれてくる子供の数が100万人ですので、その半分で50万人。ですから、20年後に成人式を迎える青年達のうち、47都道府県から女性をかき集めても、わずか50万人しかいないということです。

 将来人口は7ページに出ておりますが、これだとあまりにも大き過ぎて、県単位でも大き過ぎますから、市町村単位に分解することが、地域の議論では必要になります。ここで見ていただきたいのは、しばらくの間、高齢者が増えるので、一番上の折れ線が高齢人口で、2010年を指数100とすると、40年に131まで1.3倍になるということですが、総人口は上に見ていますように減っていきます。ですから、若年層はもっと減るということですが、実はこの高齢者がしばらく増えるということは、東京都がその傾向がありまして、そこに人口がたまっているので、全国もそうですが、私どもの試算ですと44%、796の自治体は、既に高齢者すら横ばいから減り始めている。安倍総理のところに、山口県のデータを持って説明にいったときに、人口28万人の山口県で一番中心の下関市を見ますと、高齢者が横ばいから減っており、市町村によっては大分年齢構成の動きが違ってきております。ですから日本全体では高齢者はしばらく増えますから、医療、介護などを産業化することは有望なことであるのですが、地域的に見るとマーケットがどんどん縮小している市町村が相当あり、このことも市町村ごとに見ていく必要があることにつながると思います。

 8ページは、人口5万人以下や過疎地域市町村では、高齢者すら減り始めていることを示しております。

 今まで出生数・出生率の話でしたが、9ページからは社会移動の話で、戦後の人口移動を書いてあります。地方圏から特に高度成長期は、上側の3大圏に移る。それから、1980年代は、もう関西、名古屋は傾向として増えずに、東京圏だけが増えていく。それから最近ですが、10ページに少し詳しく最近の東京圏への人口の集中の姿を、これは震災で少し傾向が変わったのではないかという方がいるので、2010年、11年、12年、13年と、震災前後をとりました。2010年に大体9万人強東京圏へ転入超過なのですが、11年、12年は一挙に3万人減って、6万人少しですので、放射能の影響もあったと思いますが、人々が価値観で生き方を変えたのではないかということをおっしゃる人もいました。

 ただ、2013年は10万人近く東京圏にまた移っている。これは月で言うと、顕著に9月以降ですね。東京オリンピックが決まって一斉にいろいろな事業が動き出したこともあると思います。今年の上半期のデータはまだ入れていませんが、昨年以上に今、東京に集まってきていて、おそらく年間では10万人を優に超える。2011年、12年は、名古屋や大阪が少し増えていたのですが、また元に戻って、名古屋、大阪も転出に変わっている。

 その東京圏に来ている人たちの年齢構成が11ページに書いてありますが、一番右側の2013年だけご覧いただきたいと思いますが、主力は20から24歳。これは5歳刻みでとれるので、こうなっています。次が15から19歳。ここで8万4,000人ぐらい来ています。それから25から29歳。これは明らかに、就職・大学進学のために東京に移る。私は大学で教えていますが、学生に聞くと、住民票を移していない学生が結構いるので、現実にはこれ以上移ってきている。ですから、本来ここが一番出産などに結びつく層でありますが、そこが移動しているということでございます。

 16ページをご覧いただきますと、都道府県毎に合計特殊出生率を表した図でございまして、一番上が全国平均の1.43。何とかここまで上がったのですが、都道府県ごとに見ますと、一番下の沖縄が1.94で、これは堂々たる高い合計特殊出生率で、結婚も早いですし、離婚も多いのですが、とにかく出産し、地域で子育てを支援していく。第1子、第2子はそれほど他県と変わらないのですが、第3子以降の出生率が非常に高くて3人、4人と子供を出産されるということでございます。

 次が宮崎で1.72。総じて言いますと九州の方が高くて、北のほうが低い。北海道などはもっと本当は高くていいのでしょうが、人口学会の会長に聞きますと、男女間がバランスが悪くて、男がみんな道外に出るので、札幌市内に女性の適齢期がいっぱい残っているのですが、なかなか出会いのチャンスがない。東北は、これは私も実感があるのですが、男がごろごろ残っているのですが、女性はみんな東京に行っている。こちらもやはりバランスが崩れて、どちらも晩婚ですね。九州は割とバランスがとれていて、北海道、東北に比べると結婚が早いので、出産につながるということです。

 ここで見ていただきたいのは、東京の合計特殊出生率が1.13。周辺も低いのですが、大都市で、非常に人口稠密である。シンガポール、ソウル、上海といずれも低いのですが、東京は前の年に1.09でありましたし、決して都がサボっているわけではなくて、いろいろなことをやっているのですが成果が出ない。1.13と特に低いのですが、ここに15から29歳の若い人がどっと入ってきているし、これからも入り続けていくであろうということであります。

 もちろん東京都も保育所の数を増やす等いろいろ努力しておりますが、何せ住宅が狭かったり、保育所の数が足りなかったり、出産、子育て、教育のコストが高かったり、通勤が平均的に69分なのですが、若い人たちは90分以上の通勤時間をかけている場合が多く、往復180分以上。ですから、生活にゆとりを持てなくて、結婚した人は何とか2人以上持ちたいと思っているのですが、結婚にたどり着かなかったり、晩婚だったりと、いろいろな悪条件を変えようがないということだと思います。

 先ほど飛ばしたところは、仕事、働くために東京に来ているとか、所得とか、有効求人倍率との相関関係ですが、14ページだけ少しご覧いただきたいのですが、東京をずっとご覧いただきますと、戦後東京圏は人口のウェイトを高めています。パリ、ロンドン、ローマ、ベルリン、ヨーロッパの首都、そしてニューヨークでありますが、そこは人口の比重を下げるか、せいぜい横ばいぐらいでありまして、日本が人口のウェイトをずっと高めて、要は東京一極集中をずっと続けている。これはソウルとかマニラも同じような形ですが、この構造は、経済との関係だけではなく、価値観、すなわち東京に行けばいい人生を送れるというあたりも、相当深く関係している。まさに東京勝ち組のような価値観が大きく関係しているのではないかと思いますが、これをそのまま今まで通り続けていると、なかなか出生につながらない。人口との関係からは、ここを変えていく必要があるのではないかということであります。

 17ページでありますが、今後顕在化していく東京のリスクであります。首都直下地震なども、もちろん東京のリスクでありますが、ここでは高齢化。後期高齢者が2040年にかけてどれだけ増えるかということで、真っ赤なところが2倍以上、ピンク色になっているところが1.7倍か1.8倍。23区は大体1.8倍近いのですが、一方で生産年齢人口が40%減っていきます。特に30代、40代の数が44%程減りますので、年代間のギャップがものすごく大きくなってくる。

 この前、舛添知事に聞きましたら、東京は待機介護高齢者が4万3,000人いるとのこと。これは外にも出ています。待機児童ではなくて、待機介護高齢者。本来であれば施設に入ってもらう必要がある高齢者で、地域包括ケアが成り立たないのでなおさら入所が必要です。私は、実は高校が都立戸山高校という新宿区にある高校で、すぐ脇に戸山団地という巨大団地があるのですが、今は本当に高齢者ばかりで、廃墟と言うと怒られてしまいますが、住んでいる方は独居老人も大変多くて、1カ月半か2カ月に一度孤独死などが見つかったりするそうです。都心の新宿区のど真ん中でそれだけの状況になっていますし、千葉市の花見川団地なども大変高齢化が著しいと、この前見てきて思いました。したがって、介護が一番真っ先に東京は厳しくなってくる。

 18ページに、医療・介護について、社会保障制度改革国民会議に国際医療福祉大学の高橋泰さんと私で提出しましたが、今の2次医療圏単位で担い手や医療施設などを見て、将来の2040年を推計しますと、北海道、北陸、中国、四国、九州などがブルーに塗られておりまして、今までは医療・介護も満杯だと言われてきましたが、もう既に高齢者すら減っている地域が大分出てきておりますので、こういった地域は相当すかすかになってくる。東京が過密で他がすかすかで余ってくるというこういったミスマッチを、本当にこのままでいいのかどうかを考えていく必要があるだろう。いずれにしても、高齢化のリスク。若い人が数多く東京に集まってくるわけですが、それをこれからどうしていくかということを考えていく必要があると思います。

 19ページ以降は出生率が下がっていることについて。これは婚姻の年齢が遅くなっていることとか、非正規労働ですね。収入が不安定で、200万円といった低収入ですと、なかなか結婚に結びつかない。平均すると、独身で300万円、夫婦で500万円。300万円で結婚に結びつき、500万円で第1子出産に何とか結びつくということであります。

 21ページはM字カーブの図。若い人たちをどうやってつなげていくのか。無理して地方でいろいろなビジネスをやろうと思っても、経済に歪みが生じますし、東京はそれなりの合理的理由があって今まで企業が集まってきているわけで、しかもそれが日本の経済成長を支えてきたのは事実でありますから、その成長の力を削がないようにしつつ、地方に仕事場をつくることが必要なのだと思います。

 それにしても22ページを見ますと、結婚した方は皆さん、2人以上子供を持ちたいし、最近は非婚というのですかね、結婚願望が少なくなってきたと言われますが、出生動向基本調査を見ますと89%、9割近くが、いずれ結婚したいと答えております。その理想子供数も2人以上でありますので、考え方としてはいい傾向で、彼ら彼女らのその願いや希望を阻害しない社会をつくることが大事なのだと思います。

 23ページ、主要国の女性年齢別出生率で、アメリカは若い層の出生率が非常に高いのですが、韓国などは日本以上に低出生率です。24ページ、フランスとスウェーデンがよく出生率を回復した国ということで取り上げられます。確かにフランスは2.01で、見事な出生率になっていますが、少子化予算をGDP比の3%ぐらいまでつぎ込んだだけでは、なかなかこのラインに到達しなくて、あとやりましたのは、大規模な移民。それから、婚姻制度も事実婚を認めて子供の権利を保護し、相続税も子供の数が増えればぐっと安くなるという、昔の構造を大きく変えていて、日本では大議論になりそうなことをやっているわけで、1つの参考にはなると思いますが、逆に言うと、出生率向上についてはいろいろな難しい問題があると同時に、包み隠さず、オン・ザ・テーブルにして議論していかないと、解決しないということかと思います。

 26ページにOECDの世界各国の出生率回復可能性というおもしろい資料があったので入れました。日本はちょうど真ん中で、このデータが出たときはまだ1.3だったのですが、2.0まで回復の可能性がある。それは、そこに書いているような対策を日本はやっていないので、まだ回復の可能性がある。ドイツはもういろいろなことをやっているので、出生率はあまり高くないのですが、これ以上はほとんど伸びないだろう。日本は財政制約もありますが、効果的な対策を取ると回復します。

 どうも将来人口が減ると、暗くなりがちなのですが、27ページのオレンジのところ、これは希望出生率と書いてあります。これは創成会議の定義で、若い人たちの希望をしっかりとかなえれば1.8になる。これを10年間で実現し、次の10年間に高いハードルですが2.1を実現すると、9,500万人弱。政府の閣議決定ですと、1億人で保持すると言っているのですが、あれはもう少し早く2030年に2.1になる前提ですが、少しそれは大変だなと思いますが、いずれにしても、こういうラインで人口は確かに安定する。80年後の2090年ですから相当先ですが、大事なことは、高齢化率が26%にその時点で下がっているのですね。しばらくこのまま何も対策を講じなければ、高齢化率が40%を超えるぐらいまで、上がっていくのですが、今から対策を講じていきますと、逆に若返って26%になる。

 いろいろ調べますと、世界で高齢化率をもう一回若返らせた、要は生まれ変わったような国というのはなくて、北欧は800万人とか500万人の国ですが、1億人を超えた国が本当にきちんとやれば、やらなければどうしようもないですが、ここまで若返って、新たにまた経済成長のスタートを切れる。ですから、暗い話ではなくて、明るい到達点にたどり着くためのスタートにして、国をもう一回若返らせるために、これはすべきだと思います。

 28ページが、今までもいろいろ申し上げましたが、そのためのストップ少子化戦略という対策で、結果としての希望出生率1.8を目指して対策をとるのと、右側は地方元気戦略と創成会議の言葉で言っていますが、東京一極集中に歯どめをかけるということです。それは拠点都市に仕事の場を大きくつくっていくということで、産業構造から見ますと、集積が一定程度あるところ、そして密度の濃いところに、産業の付加価値を生じさせやすく、効率的な産業形成が可能であるということですので、一定の集積、そして密度のあるところに、新しい雇用の場をつくっていく。そして、生産性よりも、付加価値を高めていく戦略をとっていくべきではないかと思っています。

 30ページをご覧いただきたいのですが、北海道の、これは夕張市も、実はどこに位置するかというのが私の手元にございますが、188ある市区町村を自然増減と社会増減で、下の注釈に書いてあるような形で分けておきますと、緑になっているところに夕張市であったり、札幌であったり、小樽であったりとかあつまっています。概して言うと、北海道は縦長の赤枠になっていますので、市町村でも外に出ていく人、社会減をできるだけ抑える。それは自分の圏内か、あるいは身近なところに仕事の場、学ぶ場をつくって抑えると、改善効果が大きい市町村が多い。出生率もあまり高くないのですが、社会減をできるだけ抑えることを最優先にすべき。

 右側の東京都は、右上に市町村が固まって、当たり前ですが社会増減についてはほとんど考える必要がなくて、難しいですが少子化対策を徹底的にやって、効果が出れば改善効果が大きい。東京もそうですし、京都などもこういった傾向があります。

 これを、市町村ごとに社会減、自然減の傾向が違いますので、住民票などでデータをきちんと分析して、徹底的に分析していく必要があると思います。

 最後に32ページ、33ページ、創生本部の石破さんのところで今日、国会での法案審議等を行っていると思いますが、基本的な考え方を、創生本部決定ということで5つ決めて、これは9月にオープンにされておりますが、そのマル3に、人口減少を克服するための地域の云々と書いてあります。下線のところで、社会保障制度を始めとしたあらゆる制度について、こうした方向に合わせて検討を行い、効果的・効率的な社会・経済システムを構築していくとされています。その中で、社会保障制度を始めとしたあらゆる制度ということで、社会保障をきちんと考えていくことが地方創生の中でも極めて重要だということが、この中で決定されております。

 ただ、これから政府でいろいろやれるわけですが、地域の経済をどうするかということが前面に出てきているわけで、社会保障制度と地方創生のつながりが弱い気がいたします。

 最後のページになりますが、社会保障制度改革推進会議に私はメンバーで入っておりますけれども、これから大事なことは、地域での医療提供体制。保険者としての様々な機能を全て県に一元化して、県できちんとした医療ビジョンをつくる。県で医療費を効率的に、無駄遣いしないように、責任を持たせるということで、様々なデータを活用して、数値を「見える化」する。「見える化」するだけではなくて、きちんと評価する。そして、地域の医療資源を見ながら、いいビジョンをつくっていく。このようなことが医療提供体制改革として必要でありますし、例えば国保の運営主体、市町村を、都道府県に移行するということで、これは昨年の社会保障制度改革国民会議の中でも提案されて、そのようなことが来年、医療法の改正で実現されるのだと思っておりますが、人口減少の中で生じてくるこのような様々な社会保障上の問題について、もう一度自治体間の役割分担とか、それを支えるネットワーク形成を考え直すといったことが、地方創生の中でも大変重要だということを申し上げたいと思います。

 いろいろご意見等いただければ幸いです。どうもありがとうございました。(拍手)

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。それでは、ここで10分弱、休憩をとります。

( 休  憩 )

〔 吉川分科会長 〕 そろそろ後半を再開したいと思います。

 では、先ほどの鈴木市長、それから増田委員からのご説明について、どなたからでもご意見、ご質問をお願いいたします。また、例によって名札を立てるということでお願いできればと思います。

 では岡本委員、田中委員の順にお願いいたします。

〔 岡本委員 〕 鈴木市長のお話、本当にすばらしい取組で、私も本当にすごいなと思っているのですが、その中で1つ、市の職員が減少していくと。もちろん、市の全体も減るのですが、そのときに市では、どれだけ人口が減ってもプランナーが必要だということになる。ボランティアあるいは地域おこし協力隊の話がありましたが、そういった人たちが、また帰ってしまうというお話がありましたよね。そのような人たちはどのくらい入り、プランニング力などはどのくらい維持できているのかと。

 これは夕張市だけでなくて、今後消滅していく都市が増田委員からありましたけれども、そのような時にはいつも補助金などお金の話になってしまうのですが、人の方での手当てがどこまでできるのかと。その場合に、今市長の思われているボランティアやその辺の人たちがどうなのか。有効なのかと言ってはいけないですが、その辺の活躍実態、それは他にも適用できるのかどうかということを、1つお伺いしたいということ。

 2つ目は、市長は様々な取組をされていますけれども、消滅可能都市で7番目というお話もあったわけで、1万人が5,000人ぐらいになってしまい、また半減してしまうと。そうすると、インフラも十分に整わなくなりますし、それで存在できるのかなという感じがします。1800市区町村が900になる、そう考えた場合には、財政再生基準まで行って破綻する前に、もっと前の段階で、例えば早期健全化基準、あるいはそれよりももっと前から何らかの手当てをすれば、こんなにどうにもならないということもないのではないかと思うのですが、実経験から見て、もっと前の段階からやったら違うのではないかとか、そのような感想がいただけたらありがたいなと思います。

 3番目は増田委員に対してですが、先ほど地方では社会減がベースであるということだったのですが、だとすると都市に行かないように、地方に置いておかなければいけない。そのためには産業をしっかりと立てて、自立自転する状況をつくらなければならない。その場合に、今言われているのは、農業の6次産業化と、観光と介護です。これは判で押したように同じ言い方をするわけですが、これは全部労働集約型でして、あまり労働生産性も高くない状況の中では、やれるだけでもいいということかもしれませんけれども、もう少ししっかりと根づくためにはどうしたらいいのかということについて、教えてもらえればありがたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では鈴木市長、お願いいたします。

〔 鈴木夕張市長 〕 岡本委員のご質問でございますが、まず1点目の人の部分であります。ボランティアと自治体職員とそれぞれでございますが、東日本大震災が発生してから、自治体間連携が非常に加速したと思っております。その以前に各自治体から派遣応援をいただいていた先進事例が、実は夕張市ではないかと思っておりまして、300人以上いた職員が急激に減少したことによって、今も23名派遣で応援いただいているという状況がございます。

 私自身も東京都からの派遣職員で最初は働いており、今は市長をやっているわけですが、そういった自治体間連携で支えていただいている人的支援のみならず、自治体間が連携することによって、例えば東京都とも連携していますけれども、東京には人・金・物が集中している中で、夕張市の特産PRや東京が持っている施設活用などで協力いただいたり、職員以外との団体連携だったりと得られている部分もございます。

 また、地域のボランティアの部分については、これはあらゆる地域でそうだと思いますが、夕張市が破綻して以降、多くの方が夕張市を支援いただけるということで、全国各地から来てくださった部分がございます。例えば、非常にわかりやすい事例で言うと、夕張市は豪雪地域でありますけれども、除雪の支援をしようということで全国各地から来ていただくなどです。実はボランティアとして市内で活動してくださることも大変ありがたいという気持ちとともに、例えば除雪にしては、除雪する道具を準備しなければならないとか、除雪の仕方の注意事項のご説明など、かえっていろいろ大変な問題が出てくるような過渡期がございました。

 今は、破綻してから8年経ちまして、ある意味では課題がわかってきたという部分がございまして、企業のアドバイザー、総務省のアドバイザーの事業もあるのですが、そういった中で民間の方にアドバイザーで来ていただく、あとは民間企業で言えば、自治体からだけではなくて、金融機関や、富士通という会社があるのですが、そこが自治体向けのサービスを展開しており、そのようなところがいわゆる現場の情報を得た上で商品開発にも反映させたいという思いもあって、スタッフの派遣などの連携もございます。

 一方で、外部から来るわけではなくて、市民もかなり強力に、いろいろな施設をなくしたり、サービスを縮小したりしたことによって、好むも好まざるもボランティアでそれに対応しなければならない状況が生まれました。例えば、再生市民会議といった、市役所ができないことを、各分科会に分かれてボランティアを募って、展開するという動きも出てきているところがございます。

 ただ、1つ言えるのは、夕張市もそうなのですが、世間の関心が薄れていくとともに、そういった人的支援が集まりにくくなる問題は、非常に仕事をしていて感じるところであります。なので、マスコミが取り上げるとか、情報が多いとか、安定的にそのような力が、お互いがウィン・ウィンの中で集まる形はどのような形があるかは、引き続き悩んでいるところです。

 あともう1点目の、財政の再建を加速することが一定程度必要である、人口減少が進んだときに、もっと早くやっていればという部分もあるのではないかというお話については、私も同感でございます。ただ一方で、今夕張市は再生団体ということで、100億円ほどの予算を編成している中で、再生振替特例債とともに毎年40億円ほど借金を返すような、極めて特異な償還をしなければならない状況になっております。

 そういった償還とともに、課題が多い地域をお金をかけずに再建することが、非常に難しいわけですけれども、お金がかからない中でできることと、例えば簡単に言えば、500万円で今投資をすれば、10年後に1,000万円で返ってくる投資についても、全て大臣同意が必要になってくる状況もございますので、そういった長期的なビジョンも示しながら、再生に資する事業に一定の柔軟性を、これは今日の議論とは違うかもしれませんが、財政健全化法の適用を受けて再生団体を運用している唯一の自治体としては、再生の芽があるうちに、お金を返すだけではなくて、そのような一定の手をやっていくことは、非常に私も必要なことではないかと思っているところです。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

〔 増田委員 〕 3番目の関係でございます。地域で雇用の場をどのようにつくるかということは、とても難しい話ですが、製造業であればまだそのモデルはあり得ると思うのですが、ここで大事なのは、今まさに岡本委員がおっしゃったように、大体が農業であったり観光であったり、介護であったりと、もっと地域に存在し、かつ生産性の低いサービス産業の生産性をこれからどう上げるか。あるいはそこにどのような付加価値をこれからつけていくかだと思います。

 人材で言うと、そのためには入り口として、大学に進学するために地方から東京へ行ってしまうのが相当多く、もっと地方の大学で頑張ってもらいたいのですが、大学というよりは正直、工業高校など専門教育のレベルをもっとよくして、人材を磨いて送り込むということが、むしろ大事かもしれない。製造業で言えば、岩手は工業高校に自動車専攻科をつくってトータル5年にして教育しています。いろいろ企業でやるくらいの、極めてレベルの高いもの。それを高校で代替し得るかどうかということですが、製造業というよりむしろ、ここでターゲットになるのはサービス業ですから、ある一定の人口が集積しているところに、サービス業の成り立つ可能性が出てくるので、一定の集積構造があるところで人材を磨くと。それができれば、地域はよくなる。今まで行政は農業とかを話題にするのですが、地域にごく一般にあるサービス産業については、商工会議所とか商工会ルートでも上がってこなかったので、そこにもっとアプローチしていく必要があると思います。

 人材について言うと、私は5つあると思っています。移住でやっていく人もいれば、地域おこし協力隊のような、地域活性化の人材もいるし、きちんと事業所で働く、ただし地方の場合ですと工業高校を出たクラスの人たちが、一番実は質が問われるようなところ。それから、ごくごく一部の東京あたりから行く高度経営人材のような人たちですね。それが行って活性化する場合もありますが、これはおそらく、所得との関係でなかなかうまく合わない。ですが、もしそれが可能であれば、また変わっていくこともあると思います。冨山和彦さんに、岩手の県北バスの経営を相当きちんと変えてもらいました。それから5番目が、行政の知恵袋的な人で、首長さんのアドバイス役になっていろいろ行政を仕掛ける。その行政を仕掛ける方と、地域の事業所で働く人材をうまく磨くと、今までの懸案であり、人がいっぱいたまっていたサービス産業の生産性向上につながっていくと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 たくさんの方が名札を立ててくださっていますが、順番で、田中委員、永易委員、老川委員の順でとりあえず。

〔 田中委員 〕 鈴木さん、それから増田さんもありがとうございました。大変わかりやすい内容をコンパクトにまとめていただき、学ぶことが多かったのですが、鈴木市長に2つ、増田さんに1つの質問をさせていただきます。

 まず鈴木市長ですが、ダウンサイジングの政権公約を出しながら選挙に通るのはなかなか難しいことだと思います。私どもの財審の秋の審議の冒頭で、地方再生と創生が目玉の政策になり、かつ来年が統一地方選挙であることに鑑みますと、こちらの関係の予算が膨張したり、あるいはばらまきに使われるのではないかということの意見は出ております。その意味で、ダウンサイジングの政策を出しても選挙に通るという、そこのコツみたいなものをお教えいただけたら。どう有権者を説得するかということだと思うのですが。既にプレゼンテーションの中でおっしゃってくださってはいるのですが、もう一度お聞かせいただけたらと思います。

 2つ目は、町内会の人材であります。先ほどボランティアの人材についてお話されましたけれども、固定して移動しないという町内会の人材もフルに活用していたと思うのですが、ここにおいて公営化の問題が起こっていないかという点。それから、これはぜひやっていただきたいなと思うのですが、無償の役務を提供してくださっているわけで、これを時間とマネタリーのコストに換算し直すことは、そう難しくないことだと思います。そうすると、どれだけ節減効果があったのかをよりアピーリングに提示することができるのではないかと思いました。

 そして増田委員は財審の委員でもいらっしゃるので、少しきつめの質問をさせてください。32ページの提言マル3ですが、社会保障制度を始めとするあらゆる制度について、こうした方向に合わせて検討するとおっしゃっています。「検討する」なので、それがどちらの方向に行くのかということは、よくまだわからないところがあるのですが、端的に申して、これは社会保障予算を増やせとおっしゃっているのか、あるいは社会保障予算を増やさないでも、何か再構築する方法があるのか。この点について増田さんがどうお考えになっているかお答えいただけたらと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、市長から。

〔 鈴木夕張市長 〕 田中委員のご質問でございますけれども、ちなみに私は今、市長になって4年目の1期目でございまして、ダウンサイジングを計画決定した後の選挙は経験していない状況でございます。

 本当に難しさが、今お話にあった通りあると思います。ただ、私が交渉だとか、地域の方々とお話をしているときに、特に意識しているのは「見える化」です。行政と同じ情報を共有することが第一歩だと思っています。人口の今後の動きでもありますし、行政コストの話でもございますし、そういった情報を共有した中で、我々の選択肢としてはこうなのですと。それ以上の選択肢が住民の皆さんからご提案も含めてあれば、それは真摯に対応していくべきですが、我々もこの町のために仕事をしている、またこの町に住み続けるためにはどうしていけばいいのかを考えた上での苦渋の選択でございまして、そういったことをお示しすること。それと夕張市は高齢化がすごく進んでおりまして、例えば20年後に、人口が半減しますだとか、将来の都市構造の話をすると、これはこの場で適切な発言かどうかわかりませんが、私はもう天国に行っていますと。そんな何十年先の話をされても困りますという方もいらっしゃるのですが、将来世代ですよね。孫だとかその先の世代に、夕張市をどのような形でバトンタッチするかの議論なのですと。今いる人たちが、本当に真剣に町の構造を議論し、すばらしい形を一定程度残してくれたと言われるために、一緒に頑張りませんかと言うと、意外に「まあ、しゃあねえな」という感じになるのが今までの経験でございます。これは本当に答えがない世界で、これをやれば、みんな了解ということはないのですが、そういった丁寧な説明が必要なのかなと思っています。

 あと、2つ目の町内会だとか、各行政サービスを削減したことによる、市民が担い手となったコスト計算という意味では、確かにそういった数字的なものはない中で、何となく抽象的に、このようなものを協力してくれていますという説明を今までしてきているので、有識者の皆さんとかにお力をいただきながら、そのような「見える化」ができたら、より財政健全化や市民の努力が見えて、対外的に説明がしやすいなと、ご指摘を踏まえ考えているところでございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

〔 増田委員 〕 先ほどの社会保障制度のところですが、これは肥大化をさせないということだと思うのですね。当然のことながら、制度自身を持続可能なものにする必要があるので、黙っていては1兆円ずつ増えていく社会保障をできるだけ効率的にする。

 ですから、当面市町村の人口が急減する中で、市町村単位の国民健康保険は、ほぼ今破綻に近くなっているので、財政基盤を強化するということで、都道府県単位に切りかえることも1つのやり方だと思いますし、どうしても全体として社会保障が今まで高齢者に随分ウェイトがかかっていましたけれども、そこをもっと効率化して、少子化対策、若年層に対して国家として行うべき給付などにつなげていくことも、その中に入る。

 できるだけ持続可能性を維持しつつ、全体を肥大化させずに、いい成果が出るようにしていく。そういうことではないかと私は理解しております。

〔 吉川分科会長 〕 では、永易委員。

〔 永易委員 〕 ただいま増田委員からちょうどご回答があったことが、私が最初に申し上げようと思ったことです。少子化という問題がベースに大きく日本全体にのしかかっていることは、誰の目にもはっきりしていることです。今までも何回も言われたのだけれども、本当の意味の妙薬にはなっていない。

 1つのキーワードは、増田委員が言われた高齢者。この十数年こちらには非常に手厚くして来ました。これは選挙の問題もあるのでしょう。ただ、少子化については、予算上も決して多くない。諸外国と比べても半分ぐらいでしょう。だから、そこから捻出して少子化に持ってくると。今度の消費税率引上げでも、その一部はそのように割り当てられているけれども、さらに力を入れて、ある面では予算を使ってやっていくべきであろうというのが大きい流れで、非常にアグリーしますという話をしようと思ったのですけれども。

 1つ質問は、フランスなどの成功例がありますよね。出生率が2.0を超えている。ご説明の中に、少し移民の問題等も入っていたのですが、手段としてはいろいろありますよね。フランスの2.0は、移民のウェイトはどのぐらいなのでしょうか。それが先ほど言われた希望出生率の1.8とか、人口を維持する2.1というものとの関係ではどうなっているのかなというのが、1つご質問であります。

 もう一つは、鈴木市長に対しては、ご説明を聞いてご苦労を本当にお察し申し上げると。私などは民間人ですから、自分の企業がそのような状態のときに、うまくやれるだろうかと。やっておられること一つ一つが、非常に難しいことをビシビシと、全てのことについてやられているという印象は受けます。ただ、質問が1つありまして、企業でもそうなのですが、本当に悪くなって倒産した状況のもとでは、相当なことをやっても従業員がついてくるというか、何とかなるケースが多い。寸前のところとか、他にも地方公共団体にいろいろございますよね。そのようなときに、前広に今やっておられることをやるとすると、住民のコンセンサス等を得ることは非常に難しいという感覚があるのですが、実際やっておられる立場からいって、そのようなことが相当程度可能なのかどうか。本当はそのようなときに手を打ったら、一番いいですよね。そのような点についてご意見があれば、お聞かせいただきたいと思います。

〔 増田委員 〕 私もその切り分けは分かりません。モロッコやアルジェリアあたりからの移民がきて、フランス国民になるわけですね。向こうのある人に聞いたら、しばらくの間は、彼らは出生率がそもそも高い国民なのですが、フランス文化に慣れると出生率が低くなるという話です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。では続けて、鈴木市長、お願いいたします。

〔 鈴木夕張市長 〕 財政破綻まで行かなくても、その前にそういった問題認識を持つべきであることは、私も再生団体の首長をやっていまして非常に感じています。本当にこれをもう少し早く、例えば住宅施策というものも10年間凍結していたのですね。そして炭鉱閉山以降、急激に人口減少がなされる中でも、その人口減少をある意味では、新しい産業を創出するということで観光にシフトしていって、何とか流出に歯どめをかけるという対応はとったのですが、結果としてそのような施策と、力点の入れようとして100しかないものを、本当はそういった都市構造の転換またはダウンサイジングということに継続的な一定の投資や、将来ビジョンに即したことをやっていれば、大分まちの構造転換は図られて、今のような非効率な状態が維持されることはなかったと思っています。

 夕張市の場合は財政破綻ということで、一度崖っ縁に追い込まれまして、そのときにもいろいろなものを削って、今はコンパクトシティ化ということで、更に前に進むと。そのことによって、ある種の日本の象徴的な課題を背負ったモデル化する取組をしているわけです。今、財政健全化法で夕張市になるなという中で、予防措置的な法律もできたわけでございますけれども、財政という仕切りのみならず、将来の人口の問題が、このような増田レポートを始めとして認識される中で、この施策は本当に地域がしっかりと覚悟を持ってやるべきだと思うのですね。市民も首長も議員もみんな。そして覚悟を持って飛び込むときに、飛び込んだらある程度形をつくっていけるものが今はないので、飛び込む勇気もないし、飛び込んだ先に希望がなさそうなので、私みたいなものは少しクレージーなのではないかと言われるのですが、そこはぜひ側面支援というか、自治体の覚悟にしっかりと国も応援いただかないと、なかなかお尻に火がつくまで、そのような議論は生まれない形になってしまうのではないかと思いますね。

〔 吉川分科会長 〕 老川委員。

〔 老川委員 〕 どうもお二人から貴重なお話を伺いまして、ありがとうございました。私も今、反省を込めて申し上げるのですが、夕張市は財政破綻後いろいろご努力をされて、夕張メロンなどもヒットして、何とか持ちこたえてやっているのかなと思い込んでいたのですが、今日のお話を伺って、どちらかといえば厳しい状態がさらに続いていることを伺って、認識を新たにしました。

 そのような中で、少し具体的なことを教えていただきたいのですが、夕張メロン。我々は成功例として認識していたのですが、大分生産額も減ってきていると。一体何故なのか。つまり、マーケット的にある程度まで行ってしまったのだから、それ以上伸びないということはあるのかもしれないけれども、減ってきているというのは一体どういうことなのか。それと、生産者も減っているあたりは、実情がよくわからないので、教えていただきたい。

 それから、先ほどコスト削減の過程で総合病院を廃止されたと伺って、その場合の住民の医療のニーズには、どう応える体制になっているのか。いわゆる一般の町医者といいますか、そのようなところが健気にやってくれているのかということを教えていただきたいと思うのです。

 というのは、人口が減ってくると、減っていなくても現在、地域の医療がどんどん大都市に集中したり、また大都市の中でも一般の診療所よりもビル診療所といいますか、夜勤もない、宿直もない、急患もない、そのようなところにお医者さんがたくさん集まってしまって、本当に必要なところには医療が行き届いていないという状況があるわけなので、夕張市の場合はどうなのかなということを教えていただきたいということが1つ。

 あと増田委員に、社会保障の制度。これは政府の提案だけれども、地域の再興という意味で1つの重要なポイントだと思うのですね。医療政策あるいは社会保障政策は、もちろん予算を増やすだけではなくて、医師や病院の再配置に具体的に取り組んでいくことが僕は必要だろうと思います。

 それともう一つは、教育。これは増田委員がおっしゃった工業高校とか専門学校を充実させるということが僕は非常に大事だと思います。みんなが一般大学に行くだけが能ではなくて、職業教育をもっと充実させていくことが必要なのではないかなと。

 もう大分以前ですが、麻生さんが総理のときにハローワークに行って、若い人の意見を聞いていた場面がありましたね。そして就職口を探している若い人に、君は何をやりたいのだねと言ったら、六本木あたりでおしゃれな仕事をしたいと。これで麻生さんが絶句していたのが、僕は今でも印象に残っています。今までどうしていたのか聞いたら、北海道で建設作業をしていましたと言っていましたね。僕は、六本木あたりに出てきてうろうろするのがおしゃれだという感覚自体が、1つの大きな問題なのではないかと。それは個人の自由とは言えるけれども、働くことの大切さとか、そのような意識が非常に薄れているのではないかと感じるので、そのような意味で、社会保障、医療制度について、ご提言をいろいろされていく中で、強調していただければありがたいなと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、増田委員へのコメントはご意見として、ご質問は鈴木市長へということにさせていただきまして、市長から簡潔にお答えいただけますか。

〔 鈴木夕張市長 〕 わかりました。夕張メロンは確かにブランド化の代表事例と言われていまして、メロンというのに夕張市という産地をつけて、商標登録をして、関連商品のロイヤリティー収入を得るなど、地域ブランド化の先進事例としてよく取り上げられます。また、品質管理は産地の命ということで、選果場で一元管理をして、ランクづけをして、そこを通ったものに対しては一定のブランド力を維持するということも徹底してなされている、53年続いているブランドです。大体30年一周期と言われる中で、半世紀以上ブランドを維持しているというのは、非常に稀な事例であると思います。

 売上げが減少している主な理由でありますけれども、昔、入院したらメロンが食べられるみたいな、メロンはフルーツの王様みたいなのがありましたけれども、実はメロン自体はどんどん下降しています、夕張メロンだけではなくて。他のサクランボなどの高級フルーツが台頭してきまして、昔はメロン以外、選択肢がなかったのですがどんどん甘くておいしい、高い果物が出てきている中で、なかなか厳しい戦いになっています。

 また赤肉種のメロンも、夕張メロン以外で出てきている状況もございますし、もう一つは、贈答品というか、高級フルーツになりますので、景気動向の影響を受けやすいです。生産額も42億円から25億円ということで、非常に下がっている状況でありますが、今年は海外輸出を初めて行いまして、前年対比で売上げが伸びましたので、そういったブランド化をより強力に進めていきながら、海外展開など、新しい展開にチャレンジしていくことが、必要ではないかと認識しています。

 また、病院の部分のご質問ですけれども、病院はかつて総合病院でやっておりましたが、有床の診療所ということになりました。最低病床の19床で診療所運営をしていまして、建物は役所なのですが、管理は民間にお願いしています。それ以外にも診療所がございまして、夕張市は人口1万人以下ですから、5つの診療所が市内各地に点在しているということで、それはある意味で、かつての人口が多かった名残で、医療については人口規模に比して、お医者さんがしっかりといらっしゃる形が確保されていると認識しています。

 ただ、コンパクトシティを進める上で、公設の診療所については町の中心地に移すということを私が決定しました。これは賛否ある話で、病院を移すというと、うちの近くに病院があったのが、何で市長は真ん中に持っていくのだということですね。あらゆる問題が出てきて、要望、住民署名が集まる等。ただ、真ん中へ持っていくと決めていまして、できるだけ早く将来の都市拠点に移したいと思っているところです。

〔 老川委員 〕 ありがとうございました。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 大宮委員、末澤委員、高原委員の順でお願いします。

〔 大宮委員 〕 増田先生に伺いたいのですが、夕張市の事例を見ると、1つの市でも破綻の前に覚悟を持って行うことはなかなかできないと。破綻してからも、今非常にいろいろなことをやられていて、随分とよくなっていると思うのですが、まだ完全に復活されていない状態ですよね。

 地方別にいろいろな施策を、地方の再生ということでは取らなければいけないと思います。多様な人材だとか、それも多量に、分散したところに精力をつぎ込んで、それぞれのところの立直しをやらなくてはならないわけですが、本当にこれを中央集権的ではなくて、分散型でできるのでしょうか。どうやってやるのだろうかと。我々としてもいろいろと支援できるところはしたいと思いますので、その辺のところについて、ぜひ。

〔 吉川分科会長 〕 お願いします。

〔 増田委員 〕 今のシステムから言うと、上から押しつけることはできるだけ避けた方がいいと思います。ただ分散が政治的に可能か。最後は政治の覚悟を問われる話ですね。ばらまきではだめだと思います。いろいろな政策を、狙いをつけて集中して投資しなければいけないのは当たり前ですからそれは人材、社会資本投資についても言えます。

 ただ、これが今まで政治的にはうまくいっていなかったですね。それから、上からの押しつけということで、やたら反発が出てくる。だから結局、回り道になるかもしれませんが、できるだけ下から仕組みを使いながらも、集中投資にどう導いていくかだと思います。

〔 吉川分科会長 〕 末澤委員。

〔 末澤委員 〕 ありがとうございました。鈴木市長のご発言、私も実は出身が四国の高松でございます。最近出身小学校が、3つが1つになりましたので、先行きはなかなか不安だったのですが、大変ご苦労されたことがわかります。

一方で、冷徹で経済合理的な議論をさせていただきますと、先ほど人口が減っていることで、負担は増える一方で、行政サービスが減ると。これで札幌市等に移転されている方が多いということだと思うのですね。

 これは、最近の東京集中も根底にはそういった動きがあって、東京の方が雇用がいいとか、しかもかつてバブル期は土地も高くて、いろいろ不動産供給も容積率等の問題で少なかったですね。それがここ数年、小泉改革以降、容積率の緩和等ということで、東京ですと湾岸地区ですね。江東区とか中央区はどんどん人口が増えていると。これは多分、今後2020年に向けて、東京オリンピックや特区の構想の中で、ますます続く可能性があると。ですから、なかなか止められない流れだと思うのですね。

 一方で、実は東京の出生率は1.1しかないと。私は1.1しかないことを、逆に地方から人が集まる要因になっていると思うのですよ。どういうことかというと、人口が均衡再生産されませんので、常に若年層が足りなくなるということです。ですから、かつてのバブル期の状況と考えると、別にバブルを起こせということではないのですが、東京の出生率が上がれば、結果的には地方に就職とか、逆に定年後住まわれる方も増えてくるのではないかということで、お二方に少しご質問なのですが、大都市圏の出生率を上げるためには、どのような施策が必要かをお伺いしたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、簡潔に。

〔 増田委員 〕 東京は難しいと思います。どうやっても、これだけ予算を投じて、住宅の問題から、保育所の問題から、ありとあらゆることを解決しなければならない。さらに通勤時間の問題があるので、東京だけは難しいのではないかと思います。

〔 鈴木夕張市長 〕 私も東京都の職員だったということもあるのですが、本当に世界の国土の0.2%だか何だかで、首都だとか田舎だとか言っているのが、「何なのだろう、それ」って世界で、全体で最大化することを考えると、私は夕張市、消滅可能都市という話があるのですが、消滅できないから問題というか、自治体は消滅なんてできないです。夕張市は人口が半分になろうが、更に非効率になろうが、本当に地域を消滅させるという政党が誕生して国会で過半数を得て、憲法を改正して何かやれば、強制移転だとか何だとかできるのかもしれないですけれども、できないときに、出生率とかもそうなのですけれども、今までずっと議論してこなかった、最低限の国の守るべきことって何なのかと。

 ある意味では自治体任せにして、そこをないがしろにしたり、子育て環境だって財政力に応じて、全く差別化されたりしているわけです。東京と田舎でも全然違う。本当に守るべきことって何なのだという議論を、ある意味ではどこも責任は取らないことが問題であって、本当にこれを機に、出生率の話から少し飛んでいるかもしれないですけれども、そのようなことを、ぜひこのすばらしい場で議論していただきたいと思いますね。

〔 吉川分科会長 〕 では、高原委員。

〔 高原委員 〕 私が経営する会社では、子供用の紙おむつや、大人用の紙おむつなどを製造・販売しており、人口動態の変化への対応が非常に重要です。その経験から申し上げると、日本の総人口の減少は、多くの企業にとって死活問題につながりかねません。しかしながら、地方の人口減少問題、いわゆる過疎化については高度成長期から存在しており、今後も大都市部への人口集中の流れは変らないと思います。

 鈴木市長からご説明いただきました夕張市での取組は、大変に興味深い事例だと存じます。世界的に見てもコンパクトシティ化を継続し、大きな成果を挙げた事例は少ないと思います。鈴木市長が取り組まれている構造改革は、日本の少子高齢化社会に対して、効果は挙げやすい策だと思いました。

 しかしながら、地方を維持・発展させるには様々な課題もあります。特にその中でも「雇用」と「教育」の2つは、若年層がその地域に留まるか否かを判断する上で重要なポイントです。「教育」については、ITインフラの整備が進み、様々な技術の向上や、新しい商品・サービスの創造によって補完がなされると思います。対して「雇用」の創出においては農林水産業の従事者の若返りなどは1つの切り口ではないかと思います。また、地域全体で地産地消型の自然エネルギー開発に取り組み、産業化するといった事業形態も考えられるのではないかと思います。これらの活動がコンパクトシティ化を継続する際の前提であるインフラ整備へとつながると思います。

〔 吉川分科会長 〕 ご意見として伺ったということで、富田委員、それから遠藤委員。

〔 富田委員 〕 鈴木市長、お話をありがとうございました。夕張市のお話を、これからの日本の縮図のように聞いておりました。市長がご登板なされる前において、会計処理が不適切だったことが理由で再建団体になったのですが、さらに背景にある理由というのは、先ほど市長もおっしゃったように、観光業やそのような産業振興のためにお金を必要として、それを不適切な方法で支出したと。その結果、今日のように行政サービスを大幅に圧縮せざるを得なくなり、それが人口減少を加速化させて、悪循環を起こしていると理解いたしました。このことが、これからの日本で繰り返してはならない大きな問題だと思います。

 今日も昨日も新聞を見ると、地方再生で何兆円といったお金がいとも簡単に出てくるような話が出ているので申し上げたいのですが、また増田委員からは、今日のお話は人口減少の問題で、対策としては、先ほど田中委員のご指摘もあった32ページマル3のところで、社会保障制度が地方創生の中で最も大切だとご指摘されて、私も目的と手段が1対1に対応しているのが当然であって、よく一石三鳥とかおいしそうな話がありますがそのようなものは将来禍根を残すと思います。

 今年の予算を見ても、地域経済基盤強化や雇用対策といった名目で、大きな金額が地方財政計画に計上され、また元気創造事業といったものも三千数百億円の規模で計上されております。これらの効果の議論もなしに新たな交付金を作るということは、これは新聞報道だけの話なので、どなたが言っているのかわからないのですが、あってはならないということを申し上げたいのです。それは、前もこの場で議論がありましたけれども、交付税を出すのに、不足分は赤字国債を発行しているわけですけれども、それは地方の銀行預金となって積み上がっているという実態。それがどのような意味を持っているか。

 短く申しますと、夕張市で起こっていることを、これからの日本全体で起こしてはならないということです。

〔 吉川分科会長 〕 ご意見いただきました。

 では遠藤委員、簡潔にお願いします。

〔 遠藤委員 〕 ありがとうございます。この少子化の問題と東京一極集中の問題に、地方の努力をもっとやることなのか、国の財政をつぎ込むことなのか。つぎ込むとすると、どのようなところに優先的に配分するのかを精査しなくてはならない。そうでなければ膨張予算になってしまうという危機感は持っておきたいなと思っております。

 ですので、鈴木市長のような方が、先ほど永易委員からもご指摘いただきましたけれども、破綻前に表れていれば、このようなことにはならなかった。それは地方財政再建促進特措法という辺り何かアラートが鳴ったりして、地方債の発行に制限がつくとか、そういった財政規律を高めるインセンティブが考えられないものかなと、政治的に難しいことはわかっているのですが、思ってしまいます。

 あと、少子化については、実感としましては、経済的な問題が一番多いと思っております。先ほど2人の子供を持ってということなのですが、その漠然とした年収はおそらく男性が1,000万円稼ぐという感じだと思うのですが、現実問題として夫婦で一生懸命働いて500万円を確保するということが、財政的にどうやってその手当てをしていくのか。その少子化対策には、永易委員がおっしゃったように、世代間の公平・不公平を是正していくために、重点配分、前回の財審でも申し上げましたけれども、0.7兆円ではなくて1兆円をしっかりとかけていただきたいというのはございます。

 鳥原委員の意見書にもあるのですが、政府ができることとすると、このような税制や社会保険制度の見直しから、女性を現役世代にしていくことが重要ではないかと改めて申し上げたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、予定の時間になりましたが、あと5名の方。ご質問あるいはご意見1点に絞っていただいて、簡潔にお願いできればと思います。

 赤井委員、井伊委員、板垣委員、佐藤委員、土居委員、5名です。

〔 赤井委員 〕 私はちょうど夏に夕張市を訪問させていただいて、市長や病院の医者の方、地域活性化の人とお話させていただく機会を持ちました。そこで感じたのは、思っていたよりも夕張市はしっかりと運営されているということです。実感としては、市長のリーダーシップ。どの人と話しても、市長がすごくフレンドリーで頑張っておられるという意見も聞きましたし、全国から応援隊が来ていて、病院などにも医師の方も来られていて、それが重要かなと思いましたが、逆に持続性がなくなってくることが問題かなと。逆に時間が経つと、それがなかなか続かないとか、市長も変わるかもしれませんので。

 そこを冷静に考えてみると、まず5ページにもある組織の合理化は非常に大事なのかなと。これは夕張市の危機だからこそできたことだと思うのですが、ほかの自治体でも見習うべきことはたくさんある気がしていて、確かにサービスのレベルは落ちているのですが、ほかの自治体でも今後財政がますます厳しくなっていく中で、サービスのレベルは落とさざるを得ないところもあると思うので、夕張市だからこそ新しい試みができて、意外に思っていたほど問題はなかったみたいなものがあれば教えていただきたい。逆に言うと、夕張市の危機だからこそできて、議論はあったけれども意外と回っているといったような。

 その1つが学校の統廃合かもしれないのですが、必要性がすごく議論されている割に、地域でなかなか進みません。夕張市に行って感じたのは、危機だからこそできたと思うのですが、遠いところから1つに集まって、逆にそれが1つの学校で、クラスもしっかりとできていますし、残された地域の年配の方は文句も言われるかもしれませんが、学校として規模が大きくなったことのメリットは大きくあるのかなと思うので、そのような事例や成果を今後他のところでも生かして、他の自治体も夕張市ぐらいの危機感を持って進んでほしいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 井伊委員。

〔 井伊委員 〕 夕張市では総合病院を廃止して診療所をうまく活用したという話ですけれども、その結果医療費も削減して、住民の健康や満足度も上がったというデータ分析を拝見したことがあります。

 そのことに関して、増田委員の18ページのところで、高橋泰先生の資料。これは高橋泰先生にこの会議でもご報告いただいたので、ご本人にも確認したのですが、このときに医療サービスとは病院だけで診療所が対象になっていないと聞きました。地方都市には、診療所は乱立という言い方は語弊があるかもしれませんが、に近いところも珍しくありませんし、政令都市や東京都でも同様であると思います。

 ですから、最後の33ページのところで、地域医療ビジョンなどを策定するときに、病院だけではなくて、診療所も対象にして、例えば診療所のグループ診療化をどのように推し進めるかといった医療提供体制改革を考えてほしいと思います。このようなことを申し上げると、診療所のデータはないのだという驚くべきことを言われるのですが、診療所も公的保険制度の重要な役割を担っているわけですので、この点は十分にお願いいたします。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 では、板垣委員。

〔 板垣委員 〕 1点だけ、お二人に。中央から見て目が届かない、地方から見れば目が届く。だから破綻も未然に防げる、効率的な運営もできるということが、世の中の考え方の流れなのですが、そこで1点。道州制をやることによって、お二人が問題提起された諸問題がどのように影響するのか。

〔 吉川分科会長 〕 では、お二人から。では増田委員から。

〔 増田委員 〕 あまり道州制は関係ないのではないかと思います。統治機構の話よりも、むしろ仕事をどのように作り、生産性を上げていくかの話なので。道州制は概念が決まっていないし、今特定の政党がやたら持ち上げるようなことになって、政治的にいろいろなものに巻き込まれて議論が発散するので、私は聞かれたときは、道州制は全く関係ありません、その議論をまぜこぜにしないでくださいと申し上げております。

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。では、鈴木市長。

〔 鈴木夕張市長 〕 私の考えですが、合併や道州制など様々な行政のあり方の議論は歴史的にはくっついて離れてを繰り返しているのですが、最小の単位がどこまで効率化できるかということが私は大事だと思っています。くっつくことが大事ではなく、結局くっついたとしても、今、市町村合併で、施設再編等ができないで問題になっていることを鑑みると、今のそのような厳しい自治体を本当に効率化した上で、その次の様々な議論が行われるのであればいいのですが、これをやれば全て解決ですといったことはあり得ない話なので、堅実なことをやっていくことが大事なのかなと思いますね。

〔 吉川分科会長 〕 では、佐藤委員。

〔 佐藤委員 〕 増田委員への質問になりますけれども、地方創生の担い手について、上からの押しつけがいけないということなので、国ではないでしょう。では地方ですねというときに、それは都道府県なのか、市町村なのか。特に、人口の集約化であるとか、まさにコンパクトシティとなると、社会保障制度もそうですけれども、現行の市町村の枠を超えた再編成であるとか、機能の分散といった話になると思うので、なかなか市町村にはとどまらないところも多いと思うのですが。であれば都道府県がやるべきなのか。地方というときに、一体どのレベルの自治体を念頭に置いておられるのか、教えていただければと思います。

〔 増田委員 〕 対象がいろいろ違うと思うのですが、私自身は、基本は人口減少がどのようなメカニズムで起こるかということを市町村ごとに分析する必要があり、市町村ごとにやらなければだめだろうと思います。ただ、そのときに、仕事をどう創り出していくかということは、行政単位を超えて、もっと広い中で成り立っていくので、私は担い手はむしろ企業だと思っています。企業が一番重要で、それに行政が旗振りするのですが、市町村だと確かに小さい。では次は都道府県。だから、そこときちんと連携するということですが、都道府県を超えて広域ブロック単位になると、今度は無責任になってしまう。なので、せいぜい都道府県の中できちんとした仕事をつくり出すあたりが最初だと思います。しかし、基本は市町村ごとに責任を持って、特に人口40万人とか、ある程度の規模以上の市町村に頑張ってもらわないといけないと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では土居委員、最後に。

〔 土居委員 〕 お二人のご発表、大変勉強になりました。ありがとうございました。皆様のご意見も伺って、今回のセッションは地方創生及び人口対策に関連して、非常に重要なディスカッションができたのではないかと思います。特に増田委員が携わっております、まち・ひと・しごと創生会議、それからその同本部で、少子化問題、それから医療・介護の問題が、地方創生にも重要な位置づけになることは確認されていると思います。

 例えば、結婚、妊娠、出産、子育ての切れ目ない支援とか、医師不足解消だとか、待機老人に対する介護の手当てとか、そのようなものがいろいろあるのですが、お金を出すことで解決できるのかというと、私はそうではなくて、むしろ社会保障・税一体改革の貫徹というもので、これが達成できるのではないかと。予定通りに消費税率を10%に引き上げて、それによって、改革の中で枠組みとして設けられている子ども・子育て支援、それから医療提供体制の見直し、介護の見直し、これをきちんとやることで、初めて地方創生ができると。国はお金を出し、地方が自由に使ってよいお金ばかりを増やすという話だけで問題が解決するとは思わなくて、むしろ社会保障・税一体改革の枠組みをしっかりと果たすことで、これがなし遂げられるのではないかと思います。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 では、本日の議論はこれで終えたいと思います。活発な議論ができたと思います。増田委員は私どもの内輪という感じですが、特に鈴木夕張市長に遠路私どもの審議会に参加していただき、大変有益な議論をしていただきました。誠にありがとうございました。(拍手)今後のご健闘も祈りたいと思います。

 それでは最後ですが、本日の会議の内容の公表につきましては、毎回ですが、私にご一任いただき、会議後の記者会見でご紹介させていただくことにさせていただきます。会議の個々の発言につきまして、皆様方から報道関係者等に対して個別にお話をすることのないよう、ご注意いただければ幸いに存じます。

 次回は10月20日10時から予定しておりますので、またよろしくお願いいたします。

 時間超過しましたが、本日はこれで散会といたします。

午後 1時41分閉会

財務省の政策