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財政制度分科会(平成26年8月28日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録
平成26年8月28日
財政制度等審議会


 財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

平成26年8月28日(木)10:00〜11:28
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

 

 
1.開会
2.事務局説明
・「骨太方針」について
・「国の財務書類」について
3.閉会

配付資料 
○資料1 中長期の経済財政に関する試算について
○資料2 平成27年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について
○資料3 財政健全化目標の実現に向けて

出席者

分科会長  吉川 洋           

田中主計局長
岡本次長
太田次長
西田次長
新川総務課長
寺岡調査課長
山本司計課長
窪田法規課長
堀内給与共済課長
片岡大臣官房参事官
阪田主計官
余島主計官
白石主計官
冨安主計官
青木主計官
井藤主計官
宇波主計官
彦谷主計官
高村主計官
小野主計官
井口主計官
中山主計企画官
内野主計企画官

分科会長代理      田近 栄治  
 委員

井伊 雅子
井堀 利宏
碓井  光明
岡本 圀衞
黒川 行治
角   和夫
竹中 ナミ
田中 弥生
土居 丈朗
富田 俊基
鳥原 光憲

 臨時委員

板垣 信幸
遠藤 典子
老川 祥一
葛西 敬之
佐藤 主光
末澤 豪謙
十河 ひろ美
中空 麻奈
永易 克典


   
午前 10時00分開会

〔 吉川分科会長 〕 おはようございます。

 では、定刻ですので、ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。皆様方にはご多用中のところ、ご出席いただきましてありがとうございます。

 審議に先立ちまして、主計局の幹部の異動がございましたので、田中主計局長、西田次長、新川総務課長からご挨拶をよろしくお願いいたします。

〔 田中主計局長 〕 田中でございます。よろしくお願いいたします。

〔 西田次長 〕 西田でございます。よろしくお願いいたします。

〔 新川総務課長 〕 総務課長の新川でございます。よろしくお願いいたします。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。

 それでは、早速議事に移らせていただきます。まず、「中長期の経済財政に関する試算」、及び「平成27年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」、について寺岡調査課長より説明をお願いいたします。

〔 寺岡調査課長 〕 調査課長の寺岡でございます。どうぞよろしくお願いします。

 早速ですが、資料に沿いましてご説明させていただきたいと思います。

 まず資料1でございます。これは内閣府の中長期試算で、去る7月25日の経済財政諮問会議に報告・提出されたものでございます。

 1ページおめくりいただきますと、ここには概要、ポイントを整理してございます。

 まず、経済の見通しでございますが、もともと本年1月の試算の段階で、モデルで置いておいた平成27年度の経済成長率は3.4%でございましたが、足元の経済動向を踏まえ、内閣府の年央試算で試算された、2.8%に直してございます。他方、「経済再生ケース」では前回試算同様、10年平均で名目3%程度、実質2%程度の成長率を維持する点は変わってございません。

 次に、PB半減目標年であります平成27年度の姿でございますが、歳入面では、平成25年度決算における一定の特殊要因を除いた税収増を見込む一方で、申し上げた名目経済成長率の見直しにより、若干の税収減が立ちまして、その差し引きでプラス0.3兆円だけ税収が増となり、55.6兆円となってございます。

 他方、歳出面では一定の歳出削減が既に織り込まれておりますが、PB対象経費は前回同様、74.4兆円ということで、国・地方PBの対GDP比はマイナス3.2%の赤字という姿となります。これは、目標のマイナス3.3%を達成した姿にはなってございますが、その差分は0.7兆円台半ばでございますので、全く楽観視できる姿にはなっていないということでございます。

 そして、国・地方PB黒字化の目標年度の2020年度でございますが、これも申し上げた決算の一定の税収増を見込むことにより、国・地方PBは約0.9兆円の改善は示すものの、黒字化までには依然として対GDP比でマイナス1.8%、すなわち約11兆円の赤字が残るといった姿でございますので、目標の達成に向け、可能な限り毎年度の予算編成で努力するとともに、黒字化に向けた具体的な道筋を検討する必要があるということでございます。

 以下、順次ご説明させていただきますが、2ページは名目経済成長率の推移で、赤い線が「経済再生ケース」、申し上げた2015年度は3.4%から2.8%への修正になっております。それにも関わらず、今後10年間の平均は、実は3.3%と、高い成長率を維持する姿となってございます。

 次のページは、税収の推移でございます。ご覧いただきますと、足元2014年度は50兆円だったものが、2016年度は60兆円、さらに2020年度は70兆円近くと、2016年度以降は毎年2兆円を上回るような高い伸びを示す姿となってございます。

 これには3つほど理由があると思ってございます。1つ目は、その前提となる名目経済成長率が3%を超えるものであるということ。2つ目は、2013年度から2016年度にかけて、かなり急激に税収が上がる姿となっておりますが、これは消費税率の10%への引上げを織り込んだ姿となったものであるということ。他方、法人税の改革に関する議論、あるいは消費税の軽減税率に関する議論などといった点は、織り込まれてございません。3つ目は、実はこのグラフを見ていただきますと本年1月試算における「経済再生ケース」という茶色い細い線よりは、赤い線が若干上に修正されているということ。これは、多少細かくて恐縮ですが、(注)の部分にございますように、この7月の平成25年度の決算の時点で平成25年度の補正予算から税収増が1.6兆円ございました。このうち、平成25年度限りと考えられる特殊要因が1兆円ほどございまして、残った税収増の0.6兆円につきましては、将来にわたり税収そのものを押し上げるであろうということで、この試算に機械的に盛り込まれた姿となってございます。

 まず、1兆円の特殊要因についてご説明いたします。1つ目は、通常は法人税を納めることのない日本銀行に特殊な法人税が発生したり、翌年には仕入れ控除によって戻されてしまう輸入消費税が一時的に増えたりといった、円安の急激な進行による要因です。2つ目は、株式譲渡益が今年度の初めに10%から20%に引き上げられたことなどに伴う駆け込みの増、それから消費税率の引上げに伴う酒税やたばこ税といったものの駆け込みの増が発生したこと。さらに3つ目は、親会社の経営判断で100%親子会社間での、翌年には発生するかわからないような配当が増えたことや、これも翌年度には還付金で戻してしまう配当の増による源泉所得税の増といった、その年限りと考えられる要因が一兆円程あったという整理でございます。

 問題は0.6兆円の方でございます。今申し上げた1兆円は定量的にある程度捕捉できたものでございますが、(注)の下の但し書きの部分にございますように、こちらの0.6兆円につきましても、景気循環要因や一過性の要因等が含まれていることから、この全てを将来にわたって続く構造的な税収増としてみなすことは、困難である点には留意が必要であると考えてございます。

 さらに、こちらには書いてございませんが、実は2014年度の決算から2013年度の補正予算でも、同じような税収増が1.4兆円ございました。その際、同じように特殊要因と整理したものが0.7兆円ございまして、残った0.7兆円につきましては、既にこの試算に織り込んでございます。従いまして、織り込んだ0.7兆円につきましても同じような問題があるのではないかと考えてございます。

 4ページはPB対象経費の推移でございます。こちらは2014年度の姿が72.6兆円であることに対して、翌年2015年度は74.4兆円と、その後は大体毎年2兆円程度増える絵を描いて、2020年度に84.0兆円となってございます。実はこちらにつきましては、ややかための想定ではないかと考えてございます。(注)にありますように、既に2015年度の74.4兆円という数字には、一定の歳出削減努力が行われることを織り込んでございます。その後の期間につきましては、社会保障歳出につきましては高齢化要因その他を積算してつくってございますが、それ以外の一般歳出につきましては物価上昇率分でのみ増やした姿となっております。すなわち、経済が実質的に増える分につきましては、見てございませんので、ややかための想定ではないかと思ってございます。

 5ページが国・地方のPBの推移でございます。2010年度の対GDP比マイナス6.6%に対しまして、2015年度の目標はマイナス3.3%への半減、そして2020年度は黒字化ということでございます。

 これに対しまして2015年度は、16.1兆円の赤字、すなわちマイナス3.2%となっており、バッファーは0.7兆円台半ばということで、辛うじて達成する姿となってございます。繰り返しになりますが、消費税率の引上げを織り込んであるという話、それからPBの数字は結局決算を踏まえたSNAベースで決まるものですから、仮に成長率がそこまで上がらずに税収が落ち込んだ場合、あるいは歳出につきましても、今年の後半の歳出が来年度にずれ込んだ場合には、来年度だけで見ますと歳入がないにもかかわらず単独で歳出が立ち、大きなPB悪化の要因となります。従いまして、今の0.7兆円台半ばのすき間は決して楽観視できるものではないと考えてございます。

 そして、2020年度につきましては0.9兆円の改善ですが、これは先ほど申し上げた税収の土台増が効いた姿になっており、それを持ってしても、引き続き11兆円の赤字が残る姿でございます。

 6ページは名目経済成長率と名目長期金利の推移でございます。財政へのインパクトという点では成長率に加えて、金利が極めて重要な要素でございます。経済再生ケースの場合の名目経済成長率が赤い線で、名目長期金利が茶色い線で、想定されてございます。景気の回復と物価の上昇に伴って、金利が少しずつ上昇し、2020年度の時点で成長率を追い越し、この試算の最終年度では4.7%にも上がる想定になってございます。

 現在国債を780兆円発行してございますが、金利の上昇の影響が初年度ですぐに全体に効くわけではありません。その年に発行される国債の金利に効くわけですが、初年度は780兆円の加重平均金利を若干押し上げる効果がございます。他方、問題は後年度でございまして、一旦高い金利で出したものは、その国債が市場に残存している限り、その金利を払い続けなくてはいけませんので、金利が上昇していく局面ではその効果が累積されて、後年度になればなるほど非常に重たい利払費負担が発生する構造となってございます。

 従いまして、7ページでございますが、PBにネットの利払費を加えた財政収支のベースで見ますと、すぐには効かず、現在対GDP比でマイナス7.0%程度の財政収支が来年に向けては改善し、その後は緩やかに改善していきますが、先ほど申し上げた効果が効いてきまして、むしろ2017年度以降は悪化の一途を辿っていく姿になってございます。

 8ページは公債等残高の姿でございます。この「経済再生ケース」の場合、2023年度までの場合で見ますと、先ほど申し上げた国債全体に効く平均加重金利は、実はこの試算上は名目成長率よりも低く抑えられた姿となっておりますので、むしろ公債等残高の対GDP比率は低下していく姿となってございます。他方、「参考ケース」の場合でありますとか、試算期間を超えたその先の場合には、平均加重金利が名目成長率を超えていきますので、悪化の一途をたどることになります。その姿は、むしろ4月に財審の場でお示しいただいた長期推計にて示されている姿になっていくということでございます。

 資料1につきましては以上で、次に資料2、平成27年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針でございます。こちらも7月25日に閣議了解をした概算要求基準やシーリングと俗に言われているものを、ポンチ絵にしたものでございます。対象となっているものは、プライマリーバランスの対象経費を4つに分けて、それぞれの予算要求の方針をここで定めているといったものでございます。

 一番左の地方交付税交付金等につきましては16.1兆円。これは平成26年度予算の額ですが、中期財政計画との整合性に留意しつつ要求していただくということでございます。左から2つ目の年金・医療等は社会保障関係費の大宗を占めるものでございまして、26年度の予算額、29.3兆円に対し、27年度においては自然増で8,300億円の要求が認められてございます。加えて、上の丸の部分でございますが、こちらは税制抜本改革に伴う社会保障の充実ということで、消費税率引上げについて税制抜本改革法附則18条に基づく判断が今年中になされるのに合わせて、予算編成過程においてこの扱いは検討されることとなってございます。

 黄色い部分の裁量的経費の26年度予算額は14.7兆円でございます。ここは交付税よりも小さく、年金・医療等の約半分程度なのですけれども、この中に公共事業、文教、防衛といった主要な政策経費が全て詰まってございます。まず、昨年度の施策をきちんと見直していただくという趣旨にのっとりまして、10%の削減をかけていただくということで、14.7兆円を約13兆強に圧縮していただくことになります。

 他方、骨太の方針や成長戦略等を踏まえた諸課題にきちんと対応するという趣旨で、上の黄色い部分でございます。その13兆円の約3割、すなわち4兆円相当だと思いますけれども、「新しい日本のための優先課題推進枠」として要望していただくということでございます。この最終的な扱いにつきましては、2015年度の国・地方PB赤字の対GDP比半減目標がございますので、ここにありますように、どの程度措置されるかは、最終的には税収等や歳出の動向を踏まえて、予算編成過程において検討するといったことでございます。

 一番右側は義務的経費の12.4兆円です。下にございますが、国勢調査経費の増などの特殊要因については加減算しつつ、要求していただくというルールでございます。

 27年度の予算では、一体措置額がどれぐらいの措置額になるのかこれではわからないということだと思いますので、1ページおめくりいただいて、先ほどご説明させていただいた中長期試算との関係をここに整理させていただいてございます。平成26年度予算ではPB対象経費が72.6兆円。先ほどの2015年度の国・地方PB赤字の対GDP比半減目標達成のために置かせていただいている一般会計のPB対象経費が、平成27年度は74.4兆円でございますので、その差分は約1.8兆円ということでございます。繰り返しますが、半減目標を達成するためには約1.8兆円の増しか今のところは許容されないという、大変厳しい姿でございます。

 これに対して、要求時点で既に想定される経費として、まずは社会保障の自然増が0.8兆円、そして税制抜本改革に伴う経費の増ということで、1つは社会保障の充実の増が0.9兆円ほど見込まれています。次に、税制抜本改革に伴いまして社会保障4経費に関し、いわゆる公経済負担と言われる、医療や介護にかかる消費税の分の手当てが約0.1兆円がございます。加えて、交付税の法定率分の増が0.4兆円見込まれてございます。これらを足し上げますと、1.4兆円です。そしてその前の0.8兆円と合わせると、既に2.2兆円ございます。よって、先程申し上げたように、来年度の予算は、既に一定の削減をすることが見込まれた姿でございます。

 さらに、一番下でございますが、社会保障4経費以外の経費にも、消費税率引上げに伴いまして公経済負担、すなわち消費税負担が発生いたしますし、先ほど申し上げた「新しい日本のための優先課題推進枠」に係る要望、人件費等、これらを合わせて数兆円規模と思いますけれども、こうしたものの財源は、ポンチ絵のほうに戻りますと、4つの箱を貫いています「聖域を設けることなく、施策・制度の抜本的見直し」を行わないと財源が確保されないという大変厳しい姿であるということでございます。

 資料3で「財政健全化目標の実現に向けて」をご説明させていただきます。1ページ目は、昨年の夏に閣議了解いたしました中期財政計画で、これが出発点でございます。まず、最初の部分に目標が書いてございますが、国・地方を合わせた基礎的財政収支について、1つは2015年度までに2010年度に比べ赤字の対GDP比を半減、そして2つ目は、2020年度までに黒字化、3つ目は、その後の債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指すと、3つのことが決められてございます。

 次に、2つ目の項目の、2020年度までの国・地方PB黒字化目標を実現するためには、一般会計上の基礎的財政収支を改善し、黒字化させることが基本であるとか、一番下の部分には、基礎的財政収支対象経費の対GDP比を着実に縮小させるとともに、税収等についても対GDP比で拡大させていく必要があるというように、基本的な考え方が述べられておりますが、実はそこに至る具体的な方策や道筋はこの中には書かれてございません。

 次のページをおめくりいただきますと、具体的な道筋についてですが、まずは平成27年度の目標達成に向けた取組を進めながら検討を進め、平成27年度の予算における基礎的財政収支対象経費と税収等の対GDP比等を踏まえて経済財政を展望し、2016年度から2020年度の5年間について更に具体的道筋を描くと書かれてございます。

 この点につきましては、次のページでございますが、今年の5月に出していただきました財審の建議に、もう少し踏み込んで記載していただいてございます。2020年度までの国・地方PB黒字化を実現するための具体的な取組を早急に検討すべきだとし、真ん中のあたりですが、社会保障については、中期的に給付と負担の均衡を実現できるよう、各年度において着実に取組みを進め、社会保障以外については各年度同程度の水準を基本としつつ、PB対象経費全体について極力抑制すべきと、考え方が示されてございます。

 さらに、一番下でございますが、来年度予算に基づいて、その後の5年間の取組みについて来夏までに、これは平成28年度予算編成のスタートを切る来夏の前にという趣旨でございますが、さらに具体的な工程を明らかにする必要があると記載されてございます。

 次のページは6月24日に閣議決定された、いわゆる骨太の方針です。ほぼ同じ考えが示されてございますが、こちらでは、具体的な道筋を早期に明らかにできるよう検討を進めると記載されてございます。

 最後に、日本の財政に対する国際機関の見方を紹介させていただきたいと思います。まず、5月に出されましたOECDの「エコノミックアウトルック95」でございます。ここでは、医療・介護分野の歳出抑制計画や歳入増を含む具体的かつ信認のおける財政健全化計画を策定することが優先課題であるということ、それから、2020年度までの国・地方PB黒字化目標を達成するための詳細かつ信認のおける財政健全化計画が、日本の財政に対する信認を維持するための最優先事項であると示されております。

 また、7月の終わりに出されましたIMFの「2014年対日4条協議スタッフレポート」の中には、具体的な中期の財政再建計画は早急に必要であると、そして、2015年度より後の具体的な中期の財政健全化計画の早期策定は、財政の持続可能性に対する信認を確立するといったこと。それから、一番下の部分でございますが、2015年度より後の財政健全化策は早急に必要であり、それには更なる歳入措置と社会保障制度改革を含むべきであると、このように記載されてございます。

 まとめますと、お示ししましたように、中長期試算上、2020年度までの国・地方PB黒字化目標は、到達できる絵姿にはなってございません。これを踏まえ、来夏までに具体的な財政健全化計画を策定する必要があるということ。加えて、そこには社会保障の歳出抑制の具体的な計画や、歳入増の計画が含まれるべきであるということ。まさにこうした計画をしっかりと作ること自体が、国際機関から見た日本の財政に対する信認そのものであると示されているのではないかと思います。

 事務局からは以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 それでは早速、ただいまの説明に対してご意見、ご質問、どなたからでもお願いいたします。恐縮ですが、いつものように名札を立てていただけると幸いです。

 井伊委員。

〔 井伊委員 〕 2点ございます。最後のお話で、OECDとIMFから財政健全化計画を策定すべきだと勧告されていますが、それはいつ出るのでしょうか。

 また、席上に配布された概算要求の1ページ目の要求・要望のところに、先ほどの報告資料の中にも関連したことが言及されていましたけれども、年金・医療等に関わる経費のところで、「いわゆる自然増として8,300億円を加算した額の範囲内において」とありますが、「いわゆる自然増として8,300億円」の内訳をお示し頂けますか。年金・医療等となっていますが、その他にどのようなものがあるのか、また年金・医療がそれぞれどのような内訳になっているのか、教えていただけますか。

〔 吉川分科会長 〕 では、事務局。

〔 寺岡調査課長 〕 参考資料として2点、内閣府の行った中長期試算そのものと、平成27年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針についてという閣議了解文そのものを提示させていただいてございました。

 ご質問の1点目ですけれども、ご説明いたしましたように、まず骨太の方針の中では「2020年度の基礎的財政収支の黒字化に向けては、2015年度予算編成等を踏まえ、具体的な道筋を早期に明らかにできるよう検討を進める」と示されておりまして、これは財審の建議にお書きいただいたように、我々は来夏までの作業ではないかと認識してございます。

〔 吉川分科会長 〕 もう1点。

〔 宇波主計官 〕 もう1点、ご質問いただきました年金・医療等の自然増でございますけれども、基本的にこの推計は現状をそのまま延伸しているだけの数字を、まずは0.8兆円計上するというものであります。例えば医療で言えば、今の足元の1人当たりの医療費、制度ごとに1人当たりの医療費の伸びをそのまま、予想される人口の変化、例えば高齢者であれば高齢者人口の伸びに、高齢者医療の1人当たりの医療費の伸びを乗せているという形です。したがって、何かそこに改革を織り込んでということではなくて、入っているので、基本的には高齢者人口の伸びが一番の大きな要因でございますけれども、先生がご承知のように医療などの場合には、その他にそれを超えるいわゆる高度化と呼ばれる伸びが、1人当たり医療費の伸びの中には入っているものだと思われます。

 0.8兆円の内訳でございますけれども、ざっくり申し上げて、医療が3,000億円、年金が2,400億円、介護が1,400億円、その他が1,500億円でございます。その他の1,500億円の中に、例えば生活保護であるとか、障害者施策に係るものも一定の伸びが見込まれているところでございます。

 骨太の方針においては、この自然増についても、高齢化に伴う伸びとそれ以外の伸びをきちんと峻別して精査することが、閣議決定の文章の中にも入ってございますので、自然増の精査、制度改革も含めてこれから改革に取り組んでいく必要があると考えております。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、岡本委員、田中委員、土居委員、富田委員、中空委員の順でお願いいたします。

〔 岡本委員 〕 ありがとうございます。

 「中長期の経済財政に関する試算」の4ページに計数表があります。一番下の【国の一般会計の姿】で2014年度の歳出が95.9兆円とありますが、これはこの財審でもやってある数字ですね。これは来年度98.9兆円になり、3兆円増えますよと。一方で税収等を見ると、2013年度が47.0兆円に対して2014年度は50.0兆円というから、3兆円増えたという中で、2015年度は55.6兆円になるので5.6兆円増えるわけだと。5.6兆円はかなりの金額ですが、おそらく消費税率の2%分引上げがあると。しかしこれは、10月からなので半分だとすれば、2兆円か2.5兆円ぐらいであろうと。そしてほかはおそらく経済成長ということで、それらを合計して、そして先ほどの説明などが全て前提となり、このPB対GDP比がマイナス3.2%で、マイナス3.3%より下に入ったという計算になっているわけですね。

 ところが、この税収のところは7月から9月の状況が非常に悪ければ、附則を適用して消費税率引上げ時期を先延ばしにすることになり、その2.5兆円はなくなってしまいますし、経済成長のほうも全然実がなかったということになれば、成長による税収増もないと。つまり、ここの税収がほとんど伸びないと。しかし伸びなかったということが、12月末などに出て、一方で歳出のほうはどんどん詰めていって98.9兆円のような数字で決まるとなると、PB計算しても1%程悪くなる計算にもなります。そのような意味では、歳出と税収を完全にリンクさせて、消費税率の引上げや、経済成長率の上昇がないのであれば、歳出を下げる、ということがないと、PBの議論には合わない感じがします。そして税収の方の消費税はそのような面からも、少しぐらい経済成長が厳しくても上げるべきというスタンスに立つべきではないかと思っております。これは要望でございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、続いて田中委員。

〔 田中委員 〕 ありがとうございます。

私は来年度の概算要求についてコメントさせていただきたいと思います。具体的には、前は特別枠とも言われていたと思うのですけれども、「新しい日本のための優先課題推進枠」はいわゆる財政の硬直化にメスを入れる1つのツールとして導入されたと理解はされていますが、ネーミングで概算要求をする1つのツールに便利に使われているのではないかということが、これまでも散見されたところであります。

 特に地方再生ですね。ローカル・アベノミクスがこれから本格化していくと思いますが、日本再興戦略を見ていても、おそらく従来型の公共投資という応急措置から、地方の生産性をより上げていくための本格的な政策へと変化していくのだと思うのですが、来年統一地方選挙があること、そしてネーミングで概算要求が来ることを鑑みますと、よほど注意しないと、ばらまきの口実になってしまうのではないかと思います。このあたりをどのように管理・監督していくのかというところで、行政事業レビューだけでチェックできるのかどうかも含めまして、緒を締めていく必要があるのではないかと思います。

 〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、土居委員。

〔 土居委員 〕 ありがとうございます。

 先ほどご説明のあった事務局からの資料に基づいてお話させていただきたいと思いますけれども、2点あります。

 1点目は、内閣府の中長期試算に関するところで、事務局からの説明にもありましたように、2015年度の国・地方PB赤字の対GDP比半減目標が達成できる見通しではあるのだけれども、余裕は0.7兆円ぐらいしかないということは、まさに厳しい状況だと思います。さらに、補正予算が組まれたり、特別会計での様々な要因だったりと、国だけではコントロールできない地方財政の要因等があると、0.7兆円は本当に薄氷と言ってもいいぐらいのバッファーでしかありません。当然ぎりぎりで達成できたらいいということではなくて、当初予算段階では余裕を持って達成できる見通しを立てて、予算を国会で通していただかなければ、2015年度の国・地方PB赤字の対GDP比半減目標を確実に達成することができないのではないかと懸念しております。そのような意味では、2015年度の国・地方PB赤字の対GDP比半減目標を達成するためには、きちんと歳出削減に取り組んでいただくとともに、消費税率は当然10%に予定通り引き上げていただかなければならないと思います。

 2点目は、資料3でありまして、今後の財政健全化に向けて、2020年度までの国・地方PB黒字化目標をちんと達成していくための道筋をつけなければならないと思います。5月の財審の建議でも、来夏までには具体的な工程を明らかにする必要があると言ったわけでして、政府にはぜひともやっていただきたいと思います。

 消費税率を予定通りに10%に引き上げることができたとすると、次に議論の的になると私が考えますのは、さらなる消費税率引上げをいつするかということよりも、引上げの前に何かやることがあるのではないかと国民に問われるであろうことです。つまり、歳出削減を2020年度までにどのように実現していくのかの具体策を国民はまず見極めようとすると。その歳出削減の内容次第では、さすがに社会保障の増がなかなか抜き差しならないものがあるので、ある程度の負担増もやむを得ないと納得してもらえるということもあるとは思いますが、歳出削減の計画が手ぬるいと、何のためにさらに増税するのかという議論が出てくる可能性がありますので、予定通り消費税率を10%に引き上げていただくことは当然のこととして、その後に2020年度までの歳出削減目標がどのように掲げられるかが、今後非常に重要なポイントになってくるのではないでしょうか。

 その際には、社会保障も聖域としないことは言うまでもなく、社会保障の中にも問題のある支出はしっかりと効率化、重点化していかなければならないということと共に、これはあくまでも国・地方PB黒字化ということですので、地方財政の中にもいろいろ問題のある支出があるとも思います。これは地方財政計画を立てる、ないしは地方財政対策を策定する中でも、今まで地方一般財源総額を確保するということで縛られていた呪縛を取り払ってでも、しっかりと地方の歳出を削減するということで、2020年度までに向けた歳出削減は実現されるべきだと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。

 富田委員。

〔 富田委員 〕 ありがとうございます。

 私もまず2015年度の国・地方PB赤字の対GDP比半減目標についてです。私どもの財審の春の報告書におきましては、2020年度までの国・地方PB黒字化は、我が国財政を長期的に持続可能とするための出発点であり大前提であると述べた上で、2015年度の国・地方PB赤字の対GDP比半減については、これまでの中長期試算よりも収支が改善する見通しとなった場合でも、その差額を歳出増や減税に充てるべきではないと指摘しました。

 この半減目標と黒字化目標については、2010年度以来、5年間も内外にコミットしてきたことでありまして、もしこの半減目標が達成できず、財政健全化への出発点に向かう途中につまずくということにでもなれば、財政健全化に対する市場の信認は揺らぎ、マーケットに悪影響を及ぼしかねません。

 今日冒頭、事務局よりご説明があった、そしてまた今、土居委員よりご指摘のあった、半減目標に対して0.7兆円台半ばしか余裕がないということについては、非常に厳しいものであると私も思います。それは、この半減目標が一般会計予算だけではなく、独立行政法人や特別会計や地方まで含んでいるものでありますし、また当初予算だけではなく、SNAベースの支出額のベースであるからであります。このため、補正予算とその繰り越しによって大きな影響を受けます。

 例えば、2015年度の国・地方PB赤字は、昨年8月の内閣府試算では17.1兆円あり、それが今回の試算では16.1兆円に改善いたしましたが、2014年度のPB赤字は昨年8月の試算では21.5兆円だったのですけれども、本年は見てみますと25.4兆円と、4兆円も拡大しております。このため、2015年度の国・地方PB赤字の対GDP比半減目標を確実に達成するためには、当初予算の段階でバッファーを持っておく必要がある。74.4兆円が、予算として非常に厳しい枠とはわかっておりますけれども、さらに踏み込んで厳しい削減、効率化を行う必要があることは、ここからも言えるかと思います。

 繰り返しますが、0.7兆円は非常に少ないわけで、ましてやそれを用いて歳出拡大や減税を行うことは、ギャンブルに等しいと思われます。また、このケースからも、本年度補正予算を編成する場合には、慎重に対応するべきであると思います。

 それと、先程土居委員より、2020年度への展望をより具体的に示すべきだという我々の意見を代表して言っていただいたのですけれども、これもまた非常に厳しい道のりであることが予想されます。しかし、その出発点に向かう過程で音を上げていてはどうしようもないわけです。そこで我々が参考にすべきは、欧州における債務危機です。結局、債務危機に遭ったところでは、金利上昇によって極めて大幅な歳出の削減を余儀なくされ、国民生活に大きな影響を与えたと思いますので、そのあたりの事例も踏まえて、この厳しい道のりについての十分なる説明を国民に対して果たしていければと思いますし、今後の各論の審議における長期的な視点からの議論も大事だと思います。

 先ほど宇波主計官から、社会保障について、自然増は、医療費の場合は1人当たり医療費の伸びでスライドしているというお話がございました。当審議会の長期推計におきましては、医療費の伸びは一番深刻な影響を与えるわけでして、そこについては非常に厳しい目を向けねばならないと思います。したがって、年々の予算編成におきましても、医療費について、1人当たり医療費が一人あたり名目GDPの伸び以上に増えるのかどうか。もし増えるとすれば、あの推計はもっと悲惨な結果になってしまうわけでして、そのような予算編成も翌年度の財政収支だけではなく、長期的な財政収支にどのような影響を与えるかに配慮しながら、ぜひとも厳しい予算編成を進めていただきたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 それでは続いて、中空委員、永易委員、老川委員、末澤委員、佐藤委員、という順番でお願いいたします。

〔 中空委員 〕 ありがとうございます。

 3点あります。1点目は、非常に身も蓋もないことなのですが、資料1の大前提となっている「経済再生ケース」、あるいは「参考ケース」が本当に達成できるのかという点です。私はエコノミストではないので、将来の経済成長率を計算する立場にはないのですが、弊社のエコノミストは潜在成長率の推計は0.3%だと言っています。名目と実質は異なるとしても、3%の成長率を大前提にして、財政制度等審議会のような場で話し合っていくことが、世の中あるいはマーケット的には、絵に描いた餅に映らないかと、心配をしながら聞かせていただきました。先ほど岡本委員が言っていたこととかなり被りますが、もう少し現実的な考え方もあった方がいいのでは、ということです。

 2点目は富田委員がおっしゃっていたことですが、欧州のソブリン危機においては国によってかなり異なる発展をしてきています。財政再建をしなければならないと皆が頑張って言っている中で、やれているスペインと、そうではない例えばイタリアやフランスとの間に、少しずつ差が出てきているのが現状です。足元の状況も含めまして、欧州が国ごとにどれくらい真剣に財政再建を行ったかによって、結果が異なってきたかも、トレースしていただけるとおもしろいことがわかるのではないかと考えています。これは、負担にはなりますが、事務局に何かやっていただけるとありがたいと思います。

 最後にもう1点なのですが、マーケットにいる立場の人間として言わせていただきたいのですが、中長期の目標を作っていることは重々承知しているのですが、そこに出てくるのは日本国債であるということです。日本国債が大量に出てくるということは、市場で消化することが大前提です。ところが日本国債に関しましては、先ほど、すごく金利が上昇すると大変なことになると話が出ていましたが、現状はむしろ逆で、金利がなくて、どこに投資していいかわからない状態にもなっています。日本国債のマーケットが抱えている、今あるリスクについても配慮しないと、将来設計が成り立たなくなるのではないかと、今あるリスクについて、かなり憂慮しています。

 ですので、今あるリスクについては、財審の皆様にも共有のものとして見ていただきたいと思いますので、私のほうでも、資料等の提案もしたいと思っていますが、中長期的な経済財政を考える中で、少し考えていただけないかということです。

 〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、ヨーロッパの経験について、事務局に資料のリクエストがありました。お願いします。

 続けて、永易さん。

〔 永易委員 〕 ありがとうございます。

 私から2点。1点目は寺岡さんのお話を聞いておりまして、つくづく思ったのですけれども、内閣府の試算は財務省からいったら、歳入は甘く歳出はもっと甘い、甘い甘いになり、非常に違和感があります。

 私の質問とは、中長期試算の作成に際して内閣府と財務省ですり合わせは行われていないのかということです。あまりかけ離れたものを大前提としてやるのは、我々としても忸怩たるものありという印象を受けたので、そのあたりを聞かせていただきたい。

 2点目は平成27年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について。非常に簡潔に印象を言うと、これでは2015年度の国・地方PB赤字の対GDP比半減が、何とかいけるという絵ではない印象を受けるわけです。先ほどのものを足しただけでも、74.4兆円からはかなり上に行く。あのゾーン次第では4兆ぐらい上に行く。

 さらに消費税率の10%の引上げだって、現段階では100%いけるということはないし、法人税の問題だってあるし、様々な要素を考えると、あの表だけを見ても怪しい。結局、抜本的に従来のものを見直して、そこからファンドを捻出する話が少しありましたけれども、それはどちらかというと、裁量の経費のところの0.9掛けで収斂しているのではないか。さらにそこから出てくるのかどうかは、極めて疑問だなという印象です。

 したがって、もちろん2020年度も大変大きな問題で、我々がそれに対してどうするのかを、来年にかけて真剣に考えなければいけないことはよくわかりますけれども、やはり2015年度をどうするのかと。補正予算でもボカッと出たら、どうしようもないでしょう。大幅に未達ということが十分考えられる。そのあたりをどのように考えられているのか、エッセンスだけで結構ですから、お願いしたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では2点、お願いします。

〔 岡本次長 〕 ありがとうございます。次長の岡本でございます。

 内閣府の経済モデルで試算しており、特に経済に対する一定の前提を置いて試算しています。

 「経済再生ケース」だけではなく「参考ケース」も本日お示しさせていただいておりますけれども、先ほど中空委員からのご指摘もありましたように、なかなか現実的ではないという議論があることは承知しています。当審議会におきましては、そのようなご意見を踏まえながら、様々な観点からのご議論を、お願いしたいと思っております。

 概算要求につきましては、委員がおっしゃった懸念を持たれることは、非常に私どもも理解しまして、重く受けとめております。一方で、かなり以前には、実はこの概算要求の段階から、例えば公共事業はマイナス何%にする等を決めていた時期もあったのですが、昨年から、財政の統制自体は中期財政計画という形で、2015年度の国・地方PB赤字の対GDP比半減目標を必ず達成するように、最終的に歳入を見ながら歳出を締めていく形になっております関係もありまして、実はこの概算要求基準を先ほどご覧いただいた姿の中には、こう申し上げたらなんですが、何ら厳しい姿はまだ示されておりません。

 明日概算要求が出てまいりますけれども、来週から、まさに中身を見る中で、しっかりと各省と議論していって、それをできるだけ圧縮・抑制していきたいと。また、そのためのご議論をまたお願いしたいと思っておりますので、そこはこれからのプロセスの中で、しっかりと受けとめてやってまいりたいと思います。

 先ほど田中委員からも、この特別枠という形で、地方創生の名の下で、一方でばらまきが出てくるのではないかというご懸念があり、私どもも非常に心配しております。もともとこの議論自体は、当審議会の増田委員から問題提起をしていただいた人口減少の問題を受けて、ほんとうに地方をどのように考えるのかという議論でスタートしておりますので、これを機に予算のばらまきをするということでは、もちろん決してないと思っております。

 逆にそのような意味で、今後各論のご審議をしていく中でも、地方創生ということで、本来どのような考え方で行うかを、当審議会においてもできればどこかでセッションを設けてしっかりとご審議いただいて、私どもはそのような考え方に沿って向かっていきたいと思っております。そのようなことで、これからのご審議の中で、またしっかりとご議論させていただきたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、老川委員。

〔 老川委員 〕 ありがとうございます。

 概算要求についての基本的な方針についての年金・医療等の部分について、私も意見を申し上げたいと思います。この年金・医療等に係る経費の部分の、なおのところですね。自然増について、高齢化による増加とそれ以外の要因について、厳しく精査していくと書いてあって、これは非常に大事なことだと思います。高齢化だから医療費が増えていくのだ、社会保障費が増えていくのだと。これは不可抗力的なものだと考えられがちなのですが、実はそうではなくて、減らそうと思えば減らせる部分もあるでしょうし、そのような意味で、増加要因を具体的によく分析して、増やさざるを得ないものはもちろんそうですが、減らせるものは減らしていく。そのような努力を具体的にやっていく必要があるのだろうと思います。

 そのような意味で少し疑問があったのは、今回は8,300億円を加算と。その内訳は、高齢化の伸びと、いわゆる1人当たりの医療費の傾向をそのまま延伸しているというご説明ですが、あまり精査した結果ではないのではないかなという印象を少し受けたわけです。

 このようなことを申し上げるのは、高齢化による伸びは、人口の増えたことに伴う伸びは当然あるのですが、それでもやり方によっては減らせる部分もあるのだろうと思うのですね。例えば、薬で言えばジェネリックをもっと活用するとか、この間も新聞に一部出ていましたし、前回この場でも申し上げましたけれども、患者のデータをうまく活用することによって、例えば糖尿病、人工透析、このようなものを未然に防止して、相当の金を減らすことができるとかいったことがいろいろあると思うので、増加の原因を具体的に調べて、具体的に削減策を提示していくことが必要だと思うわけです。

 そうでないと、高齢化だから社会保障費が増える。増えるのを野放しにするわけにはいかない。だから年金を削る、医療費を削るのだと。そうせざるを得ない部分ももちろんあるけれども、それだけだと高齢者いじめとかそういった抽象的、スローガン的な批判で、せっかくの政策が頓挫してしまうこともあり得ると思いますので、減らすものは減らす、あるいは負担を増やさなければならないものは増やさなければならないけれども、負担にならない形で減らせる部分もあると。このようなことを少し具体的に仕分けしながら、政策を提示していく必要があると思っております。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、末澤委員、佐藤委員。

〔 末澤委員 〕 どうもありがとうございました。

 あとご照会、ご質問を1点させていただきます。プライマリーバランスの半減、黒字化目標、私は極めて重要だと思いますし、必達が必要だと思っているのですが、このPBは少し誤解をもたらす部分が実はあるのですね。

 前の政権ではございますが、国債整理基金の事業仕分けをやっていたときに問題になった話なのですけれども、このPBを計算する上で国債費を除きます。これによって何が起こるかというと、先ほどの内閣府の計数表の4ページをご覧いただくとわかるのですが、この内閣府の「経済再生ケース」のところですね。中長期試算のところに、経済と財政が進捗した場合、どうなるかということで、一番下に、一般会計における基礎的財政収支とあります。これは、一番先ですと2023年度というものが出ていますが、2023年度はマイナス7.5兆円であり、PBがまだ赤字だということなのですね。

 逆に言えば、これは7.5兆円カットすれば財政はよくなるのかということなのですが、実はその上に、歳出と税収等の差額が60.7兆円ありまして、これを引いていただくと、大体53兆円ぐらいになると。今が41兆円ですから、実は悪化するのですね。今後仮に経済がよくなって、金利が上がると国債費が増えます。また日本の場合は、国債費の一般会計繰り入れがありまして、前年度の期首の60分の1を自動的に積み立てます関係で、残高が増えると国債費は増えるという問題があるのですね。

 つまり、財政が逆に悪化して金利が上がると、見かけ上はPBが改善するという問題があると。ですから、あえて言えばどこかの段階で、仮にこの試算通りでいくのであれば、長期金利が上がり出す2017年度、2018年度あたりからは、最終的な帳尻、財政赤字の対GDPだとか実額の目標に切りかえていかないと、実は財政が悪化するのだけれどもPBは見かけ上改善しているように見えてしまうという問題がありまして、ここで申し上げるのは時期尚早だったかもしれませんが、長期的にはそのような問題があることを考えておく必要があるのだろうと思います。

 もう一つは、これからマーケットでも、今日は0.485%ということで、極めて長期金利が低いのですが、年末に10%への消費税率の追加引上げが可能であるかが最大の焦点になると思うのですね。ここは、決まったことは実行することが重要だと思っていますが、その関係で、先ほどの税収だとか消費税率の引上げに伴って必要となる歳出ですね。実際今、決まっている部分について、初年度と平年度の違いがあります。

 例えば来年度においては、今年度分の平年度化される分で増える分と、あと消費税率の10%への引上げが10月以降で、しかもそれは初年度ですから、あまり入ってこない部分があるのですね。一方で、地方交付税交付金の割合が変わる部分もありますので、今決まっている内容で税収と歳出がどのように動くかを、1回データで見せていただくと、今後の議論の前提が混乱しないのではないかと。これは次回で結構ですけれども、一度お見せいただければと思います。

〔 吉川分科会長 〕 どうぞ。

〔 佐藤委員 〕 ありがとうございます。

 1点目に財政再建問題を考えるときに、「参考ケース」をベースにするのか、「経済再生ケース」をベースにするのかという問題があります。この種の政府の試算は、予測よりは限りなく願望が反映されている気がします。ただ財政はある程度の慎重さが求められますので、かつてはこちらが標準ケースだったと思うのですけれども、「経済再生ケース」よりは、基本的には「参考ケース」をベースに今後の見通しを考えていくしかないのかなという気がしました。

 2点目が、これから財政再建を進めていく上で、日本においては、成長を犠牲にして財政再建をするのか等、経済再生と財政再建があたかもトレードオフの関係であるかのようなイメージで捉えられがちですが、国際財政学会等にこの間出ましたが、海外はそのようなイメージは全くありません。先ほどヨーロッパの経験の話も出ていましたけれども、経済再生と財政再建は一体であります。おそらく日本において誤解されやすい理由は、経済成長という言葉を使いながら、皆さんは景気の話をしているからだと思います。景気対策と言われれば、確かに財政再建はある種短期的にはマイナスですと。ただ、経済成長は長期的な話です。そうなりますと、財政再建と経済成長は、互いに補完関係にあるはずで、むしろ財政再建は、長い目で見れば経済成長に対してプラスのインパクトを与えるという、そのあたりのメッセージを国民に提供し続けないと、いつまでもどちらを選ぶのか、成長派か再建派かという、あまりに不毛な対立をしていてもしようがないのかなという気がしました。

 3点目が社会保障。最終的には、財政再建をやるときには社会保障に切り込まなければならないと思うのですけれども、先ほども何人かの委員の方からもありましたように、ただやみくもに社会保障を切っても、一方では医師不足であるとか、診療科不足もありますので、マクロとミクロをどのように両立させるかといいますか、マクロ、つまり全体として見れば、自然増も含めて例外なく社会保障をどのように抑制していくか、そしてミクロは資源の配分の問題になりますが、限られた医療資源をどのように配分していくのか、あるいは介護の予算をどのように配分していくのか、あるいは年金もそうだと思うのですが、そちらをどのように効率化していくのかというところも目配りが必要かなと。おそらくそれは、先ほどここでも紹介がありましたように、医療情報の活用であるとか、保険者機能であるとか、このようなところもあわせて考えていかなければいけない気がしました。

〔 吉川分科会長 〕 どうも。

 では、板垣委員、井堀委員、それから黒川委員、その順でお願いします。

〔 板垣委員 〕 今、ご意見にもありましたように、「参考ケース」が標準であって、「経済再生ケース」を標準と見る人はいないわけです。これは見た途端に違和感があるのですが、マスコミ的に言うと、ほとんど批判して書いているので、誰も信用していないだろうというものが、今ここにあると思っています。そのような点で考えると、2ページの「参考ケース」をもとに、我々は考えていく必要があると思います。

 年末に向けて様々な政治的な動きもあると思うのですが、予算編成のプロセスの中で、かなり歳出削減に進むとは思うのですが、そこであぶれたものを、消費税率引上げ判断の後の補正予算でカバーしてあげるからねという、机の下の握手みたいな形で、予算編成を絶対進めてほしくないと。過去このようなことがあったということは、ここでは申し上げませんけれども、そのような約束事で要らない予算をつけることは、厳に慎むべきであると思います。

〔 吉川分科会長 〕 どうぞ。

〔 井堀委員 〕 2015年度の国・地方PB赤字の対GDP比半減目標は、国際的にコミットしている内容であり、非常に重要な政策目標であり、ぜひ達成していただきたいと思うのです。ただしこれはあくまでもフローの目標であり、2015年度という単年度のピンポイントの目標ですので、あまりこだわり過ぎると弊害もあるのではないかとも思います。

 例えば、今年の補正予算で来年度の予算を実質的に先食いするとか、2016年度に歳出を増加するので2015年度は抑制的に予算編成をするとか、そのような形の予算編成をすれば、2015年度の国・地方PB赤字の対GDP比半減目標は達成できるけれども、2014年度あるいは2016年度など、数年のオーダーで見ると、実は財政状況は全然改善していないということは当然あり得るわけです。ですから確かに2015年度の目標は国際的にコミットしているわけですけれども、無理にそこだけに数字を合わせようとして予算編成をすると弊害も大きい。

 過去にも様々な形で、ある政策目標があると、それを数字上達成するように予算編成がされたことがありました。政策目標を表面上達成することについて、財務省はある意味で比較優位があると思うのです。しかし、無理にある年だけの数字あわせをすると中長期的には弊害をもたらすこともあり得ます。その面から言いますと、フローの単年度の財政収支目標と同時に、ストックベースでの中長期的目標との整合性を、もう少し財政再建の中で考えておくべきでしょう。

 あるいは、2020年度までの国・地方PB黒字化に向けての数年間を、2015年度だけではなく、フローであれば数値目標を毎年きちんと設定する。しかもそれは経済成長率の変化にかかわらず、毎年例えば何%ずつPBを削減していく等のコミットメントをする。2015年度の国・地方PB赤字の対GDP比半減目標だけがひとり歩きして、その達成のためだけに、短期的にどのようなことでもやるという形で予算編成をされるとまずいので、その点は配慮していただきたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。

 では、お待たせしました。黒川委員。

〔 黒川委員 〕 ありがとうございました。

 ディスクロージャー学の観点から、2つだけお願い事をさせていただきます。1つ目は、既に各委員から出ているものと重なりますが、財政危機に陥った状況で、どのようなことが起こり得るのかについて、少し具体的にブレーンストーミングをしておくことをお願いしたいと思います。

 具体的には、例えば1つ目。中央及び地方政府の機能としては、公共サービスの提供や再分配機能があるわけですが、そのようなものについて、具体的にどのような影響があるのか。これに関するディスクロージャー目的の資料として、春の財審で配っていただいたかもしれません。財務省がお作りになった「日本の財政関係資料」の25ページに、ギリシャ、アイルランド、ポルトガル、スペインでどのようなことが起こったのかが書いてあるのですけれども、もう少し詳しくお調べいただきたいです。

 2番目は、同じ中央及び地方政府でも、その構造ですね。構成員、公務員でありますけれども、構造自体への影響はすごく大きいと思いますので、組織構造に何が起こり得るのか。3番目に、日銀、中央銀行の機能について何が起こるのか。

 4番目に、日本国の経済社会について、労働市場と金融・資本市場、それぞれにどのような影響が出るのか。

 5番目に、時の政権自体がどのような制約を受けるのか。以前の韓国等様々な事例があるわけですので、調べていただいて一覧表にしておくことをお願いしたいと思います。

 先程ディスクロージャー学と言いましたのは、我々の行おうとしていることに対して国民及び政権から多くの理解・応援をいただくためには、ディスクロージャーをしておかないとだめだということ。より具体的にわかりやすく発信していくためには、前もって、具体的に列挙しておかなくてはいけないのではないかということが第1のお願いです。

 それから第2のお願いは、金融市場は後から思えば当然かもしれないとわかるのですが、しばしば想定外に早く動くものだと思うのですね。国債信認低下の予兆として、国債市場における先物売りがグローバルなヘッジファンドによって仕掛けられるということは、1つの事例だと思います。新聞の報道で、8月23日にグローバル・ヘッジファンドが国債先物売りに動いたと。この時は、その原因が国債の信認の問題ではなかったかもしれないのですが、このようなことは予兆になると思うのですね。

 ですから財政審としても、このような予兆があったら、財務省か、あるいは金融庁かよくわかりませんけれども、ぜひとも政府部門内で継続してウオッチし、わかったならば財審にも、その予兆をお知らせいただきたいと。それを財審の議事録あるいは何かを通じて、国民に知らせるなりディスクローズしていってほしい。

 この2点でございます。

〔 吉川分科会長 〕 1点目の、財政破綻シナリオの一覧表をつくるというのは、ちょっと。

〔 黒川委員 〕 過去にいろいろな国で起きたことを参考にブレストして具体案をできないものかと。

〔 吉川分科会長 〕 破綻した国、あるいはそれに非常に近づいた国も、欧州や中南米等、いろいろあるので、そのような国でどのようなことが起きているかを簡潔にまとめてみるということは、1つかなと思いますけれども。

 最後にもう一つ議題がありますが、井伊委員から。

〔 井伊委員 〕 老川委員のコメントに関して追加なのですけれども、医療や介護に関しては、支出を抑えながらも質を担保する方法というのはいろいろあると思います。そこでぜひお願いしたいのは、データに基づいた議論ということですが、健保組合が現在行っている分析は、ほとんど患者側の分析だけです。例えば糖尿病が悪化しないように介入するとか。医療機関側の分析が足りなくて、医療機関の標準化がされていないことが大きな問題で、同じ疾患でも治療費ですとかアウトカムには、かなり大きな差があります。大病院の入院治療に関しては標準化されてきたのですけれども、高齢化で医療費が増えていく要因になっている中小病院や診療所に関しては、ほとんど標準化されていない状態ですので、ここには企業の代表の方もいらっしゃるので、健保組合などでぜひ取り組んでいただきたいと思います。

 〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

  では富田委員、最後でよろしいですか。

〔 富田委員 〕 先ほど井堀委員がおっしゃったことなのですけれども、瞬間タッチで財政健全化をすることがおかしいというのは、その通りなのです。2020年度までの国・地方PB黒字化について、傾向的に黒字化を進めていくということは、その通りです。ただ、2015年度の国・地方PB赤字の対GDP比半減目標は、選択の余地がなく、これまで非常に悪化した状態から2013年度、2014年度と少しずつ縮減してきたわけでして、過去2010年度以来、5年近くも国際的にコミットしてきたことで、守ることが大事です。ですから、一般論は井堀委員がおっしゃった通りなのですけれども、2015年度の国・地方PB赤字の対GDP比半減目標が非常に大事だということは、そのような意味です。もう選択の余地がないということなのです。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、もう一つの議題に進みたいと思います。今、全体の財政健全化についてご議論いただいたわけですが、今後各論の議論がございます。今後の進め方として、社会保障や地方財政など個別の歳出分野について審議を行い、平成27年度予算編成に向けた考え方を建議として、この審議会分科会として取りまとめたいと考えております。

 既に各論についても、社会保障、地方等、皆さんご意見出されているとは思いますが、改めまして、今後のこの分科会の進め方についてご意見等ございましたら、どなたからでもお願いいたします。

 土居さん、いかがですか。

〔 土居委員 〕 来年度に関しては、2015年度の国・地方PB赤字の対GDP比半減は実現できると書いてあるわけですから、それを粛々ととにかくやると。ただ、僕もそう思いますし、多くの方がご発言あったのは、社会保障のところで自然増が今年このペーパーでも0.8兆円、最初から想定、要求官庁からはそのような要求が出てくるであろうことを財務省が推測しているように書いてあるわけですよね。

 ですから、ぜひこの自然増という言葉を、使わないということはおかしいですけれども、このような言葉で社会保障関係費が増大していくという予算の捉え方をもうするべきでない。そのようなことも踏まえて、各論に至っては、社会保障のところをさらに具体的に詰めていく必要を強く感じます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。

 もう何人もの委員の方がご意見出されていましたけれども、社会保障については、ただいわゆる財政の論理だけでどんどんお金を切るのでは、国民に理解されないと思うのですね。ですから、マクロとミクロという言葉を使われた方もありましたけれども、いずれにしても、全体としては高齢化の中で社会保障の伸びは抑制していかなければいけないと。もちろん、純減を誰も考えていないわけで、絶対額では伸びざるを得ない。しかし、その伸びをしかるべく抑制しなければいけないと。

 それを全体として、社会保障をどのように議論していくか。これは、この審議会分科会の枠を超える、政府全体の課題だと思いますが、私たちの分科会でもそのような議論を進めていくとき、このような論点が大事だということです。いわゆる財政、お金の論理を超えた次元で、しかしお金にもちろん大きくかかわることを、論点を整理して情報を発信していくことは、大変大事なことだと考えていますが、いかがでしょうか。

 角委員、失礼しました。どうぞご発言ください。

〔 角委員 〕 今回、資料3の5ページに示していただいた国際機関の見方は、非常に常識的な意見だと思います。ですから、もちろん2015年度の国・地方PB赤字の対GDP比半減目標がマストだということはよくわかりますけれども、これからの議論として非常に重要なのは、2020年度までの国・地方PB黒字化目標の工程表を、どのように我々として建議していくかということだと思いますので、そのときに、裁量的経費ですとか義務的経費は、そんなに大きく変わるはずもありませんので、皆さんがおっしゃっているように、社会保障にどれだけ切り込むのか。そして、税をどう変えていくのか。

 ここを幾つかのパターンに分けて、例えば今のままの社会保障支出であれば、前も議論がありましたけれども、消費税率を30%に引き上げれば均衡するだとか、それはあまりにも極端な議論だと思いますので、もう少し現実的な、社会保障支出をこれだけ削って消費税率をこれだけ引き上げる、あるいはほかの税を変えていったときにどうなるかという、幾つかのパターンに分けた絵姿を示していく非常に重要な時期だと思いますので、それをぜひともよろしくお願いしたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では土居委員、佐藤委員、どうぞ。

〔 土居委員 〕 2点あります。まず1点は、少し細かい話ですけれども、社会保障の話で、先ほども医療の話が出ましたけれども、特に来年度予算については介護の法が非常に大きく変わる年で、介護法の計画期間が来年度から始まるということで、介護報酬が大きく見直される可能性がある。その際に当然、介護職員の人材確保の話が潜在的にあるので、何かと介護職員の処遇改善を図れという声が出てくることだと思いますけれども、他方で、軽度者に対しても手厚く給付が出されているということがあって、それを温存したまま、重度者に対しても軽度者に対しても延べ単で相似拡大的に給付が増えていくということになると、なかなか給付の抑制がとまらないことになりますから、当然ながら軽度者に対する給付について、非常に工夫をしなければならない。

 いろいろ考えられてはいるわけですし、これまでの財審でもいろいろ議論されてはいます。その議論の中には軽度者に対する給付を抑制すると重度化がひどくなるということで、むしろそれはよくないのではないかという意見もあるのですけれども、これは財務省の予算執行調査でも報告が既にありますけれども、実際軽度者に対してなされているサービスは掃除が多いとか、ほんとうに重度化を防いでいるものになっているのかどうかということについてのエビデンスが非常に欠けているので、軽度者にとにかくサービスを施しさえすれば重度化が防げるという、非常に短絡的な議論には流されるべきではありません。

 そのような意味では、しっかりと効率化、重点化して、軽度者に対して重度化を防ぐためのサービスはきちんとする。けれども、必要のないものはしっかりと給付を抑制していく発想が、特に来年度の予算編成は、介護が特に大きく変わる年ですから、重要になってくるのではないかと思います。

 2点目は、先ほどの繰り返しでもありますが、何人かの委員がおっしゃったとおりで、2020年度までの国・地方PB黒字化目標の具体的な工程表について、先取り的に何らかの形で、この秋の財審で議論がなされればいいのではないかと思います。その中では、当然ながら税収の見通しについての前提は、堅実な経済成長率で見るべきで、とらぬタヌキの皮算用にならないことが必要だと思いますし、歳出削減で、将来の課題として残っていることを秋の財審で議論ができればいいのではないかと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、遠藤委員、佐藤委員の順でお願いします。

〔 遠藤委員 〕 1つご質問させていただければと思います。骨太の方針に盛り込まれた法人税の減税についての議論、その代替財源の問題と、あとは外形標準の強化等を含めた仕組みの問題等は、この分科会で議論する機会があるのかどうか、教えていただければと存じます。

〔 吉川分科会長 〕 事務局からお願いします。

〔 岡本次長 〕 財源の問題についても、主に税制の中での検討ということがあろうかと思いますので、基本は税調の場で行われることになるかと思いますが、また適宜、状況に応じましてご説明させていただく機会はあろうかと思います。

〔 吉川分科会長 〕 それでは、佐藤委員、田近委員。

〔 佐藤委員 〕 はい。先ほどミクロとマクロの区別という話をさせていただいたのですけれども、マクロというか、財政の規模という点に関して言えば、先ほど富田委員もおっしゃったように、我々は選択肢があまりなくて、2015年度はとにかく国・地方PB赤字の対GDP比を半減しなければいけないし、2020年度までには国・地方PB黒字化目標を達成しなければならないとすれば、財政の論理が全面的に出ざるを得ないと思います。

 ただ、それをどのように使うかに関しては、ミクロの話になりますので、現場に即する形、クオリティーを維持する形での使い方は、おそらく工夫の余地はあるだろう。例えば地方財政についても、交付税をカットしても別にいいと思うのですけれども、ただその一方で、地方の住民のニーズに応えられる形の使い方については、彼らに裁量を与えておかないと住民のニーズを充足できません。医療についても同じだと思うのですが、要するに全体で予算を抑制するのは結構ですが、現場で実際に必要な医療が提供できなくなれば困りますし、介護についても同様で、もちろん現場で従業員の福利厚生に使いたいところがあれば使うという選択肢を与えるのは、あながちだめな話ではないと思います。

したがって、マクロとしては財政の論理が必要ですが、ミクロとしては効率化といいますか、質の担保をどのように制度に仕込むかが大きなチャレンジになる気がします。

 あともう一つだけ。社会保障を抑制するのは本当に世知辛い話ですので、他方で我々は未来に対して何を残せるかも少し考えてみるべきで、少子化対策もそうかもしれませんし、教育もそうかもしれませんが、公共事業ということではなく、もう少し未来に対する投資として、お金をどこに使おうとしているのかについて、向き合う必要があると思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、田近委員。

〔 田近委員 〕 先程の補足で、社会保障が重要なのは議論をまたないと思うのですけれども、土居さんも触れられたように、まさに来年度で介護保険の改正の年度になる。そのときに、今年はぜひ論点を財審で出す。その一つは、医療と介護の連携の部分が見えていない。後期高齢者医療は都道府県の広域連合がやっていて、介護保険は市町村と、対応する保険者が違うこともあるし、大きな問題は、介護状態になっているときに、そこで提供されるべき医療がどうあるべきか、どうなっているのかと。そこが制度的に見えないことも含めて、ぜひ今年は、来年度の介護保険改正も踏まえて、医療と介護の連携の部分を取り上げていくべきだと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、よろしいですか。予定しました時間になりましたので、本日の議題は終了とさせていただきます。

 大変恐縮ですが、本日の会議の内容の公表につきましては、いつもどおりですが私にお任せいただき、会議後の記者会見で紹介させていただくことにさせていただきます。会議の個々の発言につきまして、皆様方から報道関係者等に対してお話することのないよう、ご注意いただければと思います。

 次回は、9月22日15時から予定しておりますので、よろしくお願いいたします。また事務局から連絡が行くと思います。

 それでは、本日はこれにて閉会いたします。ありがとうございました。

午前 11時28分閉会

財務省の政策