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財政制度分科会(平成26年4月4日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録
平成26年4月4日
財政制度等審議会


 財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

平成26年4月4日(金)9:30〜12:00
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

1.開会

2.地方財政について

3.文教について

4.公共事業について

5.閉会

配付資料
○ 資料1     地方財政について
(関連資料)     地方財政
○ 資料2     文教関係資料
(参考資料)     文教関係    
○ 資料3     社会資本整備を巡る現状と課題

出席者

分科会長 吉川 洋           古川副大臣
葉梨大臣政務官
香川主計局長
福田次長
岡本次長
太田次長
大鹿総務課長
小宮調査課長
井口給与共済課長
窪田法規課長
山本司計課長
堀田官房参事官
江島主計企画官
余島主計官
有泉主計官
宇波主計官
青木主計官
井藤主計官
新川主計官
土谷主計官
高村主計官
小野主計官
分科会長代理     田近 栄治  
 委員

井伊 雅子
碓井 光明
倉重 篤郎
黒川 行治
古賀 伸明
角   和夫
竹中 ナミ
田中 弥生
土居 丈朗
富田 俊基
鳥原 光憲 

 臨時委員

赤井 伸郎
板垣 信幸
遠藤 典子
老川 祥一
大宮 英明
小林 毅
佐藤 主光
末澤 豪謙
永易 克典
増田 寛也


午前9時30分開会

〔 吉川分科会長 〕 では、定刻ですので、ただいまから、財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。皆様方にはご多用中のところ、ご出席いただきまして、ありがとうございます。

 本日は、各論といたしまして、地方財政、文教及び公共事業について説明をしていただき、それぞれ質疑を行いたいと思います。

 なお、文教の質疑応答が終わったところで休憩をとりたいと考えておりますので、最後までよろしくお願いいたします。

 それでは、早速、地方財政について、ご説明お願いいたします。

〔 青木主計官 〕 地方財政を担当しております青木でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 本日、地方財政の関係では、大きく分けて2つテーマがございます。1つ目は、これまでも当審議会でご議論いただいておりました、リーマンショックの後に危機対応としてやったベースアップ加算とか歳出特別枠みたいなものの縮減の話、それから、同じく法人の偏在是正を進めていかなければいけないという話、それから、地方の歳出の効率化、こういった近々の課題がまず初めでございます。

 それから、もう一つは、もう少し中長期の地方行財政ということを考えて、やはりこれから先、人口減少が非常に危惧されておりまして、その中でも、自治体間でも、特に財政力の弱い田舎のほうの自治体が人口減少の大きさは非常に大きくて、そういった中で、どのように地方行財政のサービスを提供していくかということは非常に大きな問題でございます。こちらのほうは、我々も今答えを持っている話ではないのですけれども、春の財審なので、そういったこともご議論いただければということで、若干の資料を最後につけさせていただいております。

 それでは、資料に沿ってご説明させていただきます。

 まず、1ページ目でございます。平成26年度の地方財政計画と交付税額でございます。今年は交付税の総額が、右側の青い折れ線グラフにありますように、2,000億円ほど減少しております。その前提となっております地方財政計画においては、地方税も増えましたし、国税の税収も増えたことによって、この赤い部分の真ん中にあります法定率分も相当程度増えまして、歳出歳入ギャップ、最後の財源不足が5.9兆円ということで、数年前に比べると半分ぐらいになっております。したがいまして、その右側にはみ出しております別枠加算、これは当審議会でも早急に廃止すべきであるというご建議をいただいておりますけれども、こちらは昨年の1.0兆円から0.4兆円削減して0.6兆円。それから、交付税の特例加算と臨時財政対策債、まさに地方の赤字地方債、新規の赤字地方債は、それぞれ1.0兆円弱削減をいたしておりまして、ここの部分がまさに国、地方の借金でやっている部分なのですが、ここの部分が相当程度削減できた予算となっております。

 続きまして、2ページ目でございます。これは、毎回つけさせていただいておりますが、国と地方のプライマリーバランス、それから借金の残高の推移でございます。国と地方を比べますと、もちろん地方も厳しいのですが、やはり相対的には国のほうが、毎年のプライマリーバランスも、それから、積み重なっている借金の額も非常に重いということになっております。

 続きまして、ページをめくっていただいて、3ページ目でございます。こちらは、リーマンショックの後、交付税を積み増して、一般財源の総額を高水準に維持してきているところでございますが、そういうこともあって、地方では非常に貯金を積み立てているという数字になっております。これはマクロの数字でございますが、それをもう少し、各団体ごとに分けて見たものが4ページ目でございます。

 例えば、全交付団体、それから、財政力が特に弱い、財政力指数でいいますと0.3未満、3割ぐらいしか自前の財源で賄えていないような団体、11県、下のほうの段は市町村、政令指定都市、町村、それぞれ見てまいりましても、いずれも積立金の残高は増加しております。特に、この緑色の部分が財政調整基金ということで、将来、景気が悪くなったときの税収減に備えて積み立てておく基金なのですけれども、こちらが、リーマンショックの後の景気が非常に悪かった時期にもかかわらず増えている状況でございます。

 こうした理由の1つは、先ほど申し上げましたように、高水準の一般財源総額、特に交付税を増やしてきたこともありますし、次のページ、5ページ目をごらんください。これは、今回初めて出させていただいている資料なのですけれども、毎年の交付税の総額は、予算編成の中で税収を見積もり、歳出を見積もり、その差額を埋めることで決めています。したがって、税収が増収すれば、当然、交付税は減るわけですが、この景気回復局面においては、大体決算で実際の当初見込んでいた税収よりも大きくなるということが傾向としてあり、ここ数年間、丸で囲ってあるような感じになっております。

 これを、交付税の世界では、本来後で精算とかしてもという考え方もあるのですけれども、現状しておりませんので、結局、最終的には決算が終わったところで、この1.3兆円とか0.1兆円とかというものが、地方団体にとってみれば、一般財源が実質的にさらに増えているということでございます。こういったものも貯蓄に回っているということではないかと思います。

 それから、6ページ目でございます。6ページ目は、一番下の段が財源不足、先ほど5.9兆円と申しましたが、これが平成22年度の12.3兆円から比べますと半分ぐらいになっておりまして、そうしますと、そろそろ財源不足がないという世界を視野に入れて予算編成をしていかなければいけないのかなと考えております。

 ちなみに、平成19年度、20年度というのが財源不足なしという時代だったのですけれども、平成16年度から18年度、2年間で財源不足を6.4兆円削減しておりますので、決して不可能な数字ではないということでございます。特に地方税収の増、1つ上の段ですけれども、消費税率の引上げによる税収増がこれぐらい2年間で見込まれておりますので、こういったことも加味すれば、きちんと歳出のほうを見直して、適正化して、そちらのほうを抑えていけば、財源不足ゼロ、つまり新規の赤字地方債や赤字国債をここの部分で発行せずに財政運営ができるということでございます。

 続きまして、7ページ目以降で歳出の個別項目について幾つか取り上げさせていただいております。税収のほうも伸びていくと、消費税の部分があればということですが、歳出をきちんと抑えてまいりませんと、そこは財源不足が減らないということでございます。

 ここは総括表なのですけれども、8ページ目以降に個別に幾つか取り上げさせていただいております。

 まず、給与、これは7ページ目を見ていただくと、20.3兆円ということで、非常に大きなかたまりとしてあるわけなのですが、いわゆる給与の水準、これは過去数年間、いろいろ議論もあって、国家公務員の水準を前提にして、そこまで財源保障しますと。逆に言うと、それを超える部分は自前の、それぞれの団体でやってくださいということなのですけれども、今度、人員構成もいろいろ問題があるのかなと思っています。8ページの表を見ていただきますと、青いグラフが、1級、2級、3級、4級と横軸にあるのが、右の欄に吹き出しがありますけれども、職務、係員からずっと偉くなっていってという、これが級でございます。これに応じて給与が決まっているわけなのですが、人員構成が、青いものが国家公務員、赤いものが地方公務員の全体の平均的な水準でございます。例えば、2級、3級を見ますと、低いほうですね、こちらのほうは国家公務員のほうが割合が高くて、地方公務員は低いのですけれども、4級、5級といって、課長補佐とか総括課長補佐、課のNo.2、こういった人たちの割合は非常に高い。管理職のほうにいくと、6級以上にいくとあまり変わらないのですけれども、ここが非常にいびつな形になっていて、結局、上に重い組織になっていると。これを前提に給与を計算しますと、ある意味、標準的な歳出水準を国家公務員並みだと考えれば、少し過大に歳出を保障している、財源保障しているということになりはしないかということでございます。仮に、これを国家公務員並みということで計算いたしますと、上のほうに書いてありますけれども、1,600億円ほど歳出削減効果があるのではないかという試算でございます。

 9ページ目でございます。9ページ目では、それを各団体ごとに見た数字で、特に、この丸で囲ってあるような幾つかの県については、5級、つまり課のNo.2の総括課長補佐以上の方の全職員に占める割合が5割とか45%とか非常に高い水準になっていて、組織として一体どのようになっているのかなというのは考えるところであります。

 一方で、低いところは、高知とか鹿児島とかこういったところは、普通の、ある意味、ピラミッド型の組織になっているのだと思いますが、国の場合は27.8%でございます。

 続きまして10ページ目、これもずっとご指摘させていただいているところなのですけれども、一般職の公務員ではなくて、これは技能労務職員ということで、下のほうに書いてあるような職種の方なのですけれども、こういった方々の給与は、各地域の、民間の同種のサービスを提供されている方々の給与に比べますと非常に高い水準にございます。

 上のほうにありますように、地方も非常に努力をしてアウトソースを進めてきているわけですけれども、依然として、今、12万人ほど、こういった方々は残っています。仮に、これを民間委託というか、民間給与と同水準であると考えて歳出計上すれば、こちらも1,500億円程度の歳出削減効果があるのではないかという試算でございます。

 次のページ、11ページ目でございますが、これは国と地方、両方あわせた公務員の給与制度の問題なのですが、ここにありますように、昨年の8月に人事院からこのような報告が出ておりまして、中身は、要は、各地域の公務員の給与が、特に田舎のほうへ行くと、その地域の民間の方に比べて高いのではないかと、そういうような指摘もありますので、官民給与の実情をよく調べて、さらなる見直しをせよというお話。それから、民間の賃金動向をしっかりと踏まえて、50代、特に後半層の水準の給与カーブをきちんと見直すべきではないか、こういった指摘がなされていて、その下にありますように、閣議決定でも、これをしっかりと実施に移すということになっておりますので、我々サイドからすると、そういう全体の動向をきちんと見据えて、それを踏まえて適切に反映していくことかと思っております。ここまでが給与の話でございます。

 次に、一般行政経費、投資的経費、歳出特別枠、いろんな歳出項目があるのですが、特にここでは、一般行政経費の単独事業について、これは例でございます。12ページの表を見ますと、左側に、23年度の決算ベースで全体、13兆円ぐらいだったと思いますけれども、これぐらいの水準の一般行政経費の単独事業がございまして、その中身はこういうような形のものでございます。

 毎年、総務省からの要求では、この一般行政経費の単独事業も、例えば、福祉の関係とか、いろいろ増えているのだということで、歳出増の要求が出てくるわけなのですけれども、一方で、実績を踏まえれば減らせる部分もあるのではないかという例でございます。保育所という例が、今のこのご時世で適切かどうかという話はありますが、保育所を見ますと、私立の保育所は国庫補助事業で非常に伸びている。一方で、単独事業で運営費を財政措置している公立保育所は実績として減ってきていて、こういうことを踏まえる必要があるかもしれない。それから、公立学校についても少子化で、やはり学校数が減っておりますので、この運営費については地方単独事業でやっていますけれども、こういったことも踏まえる必要があるのではないかと。これは、ある意味、単独事業なので、実際、自主的に各団体がやっておられた実績を踏まえて、こういうところも見てはどうかという例でございます。

 それから、13ページ、14ページは、歳出特別枠、別枠加算について、景気対策として計上している歳出特別枠が現在も非常に高い水準で残っていると。それから、別枠加算も、今年、4割カットしましたけれども、まだ残っておりますので、これは経済の再生に合わせて速やかに廃止、縮減していくべきということだと思います。ここまでが歳出でございます。

 ここから先は歳入の話、税収の話でございます。15ページは、これも各県ごとに、1人当たりの税収の偏在度合いを見たものでございます。全体でも非常に大きな偏在がありますけれども、特に緑色の法人2税については、東京など都会に集中している。これをやはり是正していって、田舎のほうでもきちんと行政サービスをやっていく上での歳入をそれなりに確保していかなくてはならないということで、昨年の年末に決定をいたしました中身が16ページでございます。

 青いほうが、もともとございました法人事業税の一部を国税化して、それを譲与税ということで、人口や従業員に応じて各県に配るシステムでございます。こちらのほうで、偏在是正効果ということで、平成25年度で減収団体の影響額2,500億円とありますが、これは、マクロで見て、減収になるところが2,500億円あるということは、逆に、田舎のほうの財源が厳しい団体には、その部分が行き渡っていくということでございます。こちらにつきましては、いろいろご議論ございまして、3分の1を復元するという形で少し縮減いたしております。

 一方で、住民税の法人税割については、下の黄色いほうですけれども、こちらはその一部、6,000億円程度を交付税の財源ということで、配り方としては、上は人口とか従業員数で各県に配られるわけですが、こちらは財源不足のある交付団体に配られるということで、より少ない金額で偏在是正効果は大きい効果があるものですから、下のような形で偏在是正効果が、不交付団体全体で1,850億円ということでございます。

 以上の結論は、ある意味、消費税率8%引上げの段階を視野に入れてやったものでございまして、その下の囲みにありますように、10%段階を念頭に置いて、引き続き、黄色いほう、下のほうの法人住民税の法人税割については交付税原資化をさらに進める、上のほうの地方法人特別税については廃止するとともに、現行制度の意義や効果を踏まえて他の偏在是正措置を講ずるなど、関係する制度について幅広く検討を行う。要は、廃止ももちろん考えるのですが、一方で、これがなくなってしまいますと、偏在是正効果が、その分、落ちてしまうということも問題でございますので、もともと、この制度が果たしていた効果も踏まえて、きちんと全体を見直すようにということが与党税制改正大綱で決まってございます。

 それから、17、18、19ページは、東京に税収が集中しているという資料でございますので、ごらんください。

 時間の関係がございますので、飛ばしまして、20ページでございます。最後の3ページが、先ほど少し申し上げましたけれども、これから先、中長期の話で、人口減少が地方の行財政にどういう影響を与えていくのか、それにどう対応していくのかという非常に大きなテーマでございます。人口減少の試算では、オールジャパンで2040年までに大体16%ぐらい下がっていくのですけれども、その下がり方は、各団体ごとに見ますと相当ばらつきがあるのかなと。これは、横軸に財政力指数、要は、財政力が強い団体から弱い団体に、幾つかのグループに分けて、それぞれの人口減少の度合いを見たものでございます。

 6都府県というのは、東京、愛知、大阪に首都圏の神奈川、埼玉、千葉をあわせた6都府県なのですけれども、こちらは当面、15年間では▲1.9%、さらにそれが2040年度には▲10.2%、これも非常に大きな割合だと思いますけれども、これをさらにもう少し財政力の弱いところを見ていきますと、例えば、財政力指数が3割未満の非常に弱い団体について言いますと▲24.1%。県レベルで、こういう状況になっています。ここには資料を入れさせていただいてなかったのですけれども、市町村レベルで見ますと、おそらくもっとばらつきが大きい形になると思います。例えば、市町村でいうと、半数以上が3割減ってしまうというような試算もございます。

 もちろんこういうような先々の状況もありますし、もともと、ずっと偏在もあって、地方の行政体制を強化していかなくてはいけないということで取り組んでいるものの1つとして、21ページにありますような合併というものを進めてきております。平成の大合併ということで、ここ10年ぐらいでしょうか、非常に合併が進んでおりまして、人口のシェアで見た都市の大きさを見たものが左側の表でございます。下から、特別区、政令指定都市、中核市、特例市ということで、定義は下のほうに書いてありますけれども、特例市が人口20万人以上、中核市が人口30万人以上、それなりに大きな市でございますが、その上がその他の市で最後が町村ということで、人口で見ますと、平成の大合併を経て、半分ぐらいの人がそれなりに大きな都市に住んでいるという形に合併が進んできておるわけです。

 それぞれの都市の形態ごとに財政力を見てまいりますと、政令都市をはじめ、上のほうの特例市、中核市といったところは、財政力指数で見ますと0.5以上の市がほとんど、9割以上を占めている。一方で、町村は財政力が3割にも満たないような団体が半数を超えているということで、実際こういうこともあって市町村合併を進めてきたということなのだと思います。

 ただ、一方で、3,000が1,700になったわけですけれども、できないところももちろんあるわけで、そういったところはそういったところで、今、総務省が取り組んでいるのは、広域行政というか、地方の行政サービスの提供の体制を、もちろん合併も非常に望ましいのですけれども、そこに至らなくても、横の連携、また縦の連携を生かして、各市町村がワンセットで公共施設とか行政サービスをするのではなくて、もう少し役割分担を、例えば、市町村の横のつながりでやったりとか、または、中核になるような市がないような地域では県がそれを一部担ったりとか、そのようなことをいろいろ考えてやってはどうかということを取り組んでいるところでございます。実は、今年の26年度予算でも、そういったところに少し支援をするような予算措置を総務省の一般会計の予算でやっているのですけれども、そのような取組みをしているところでございます。

 あと、22ページに表をつけさせていただきました。これが現状です。それぞれ国と地方、地方の中でも、県と市町村で、やはりいろいろな行政分野において役割分担が全体としてあるわけです。大きな人口の形態の変動を踏まえて、やはり国と地方の役割分担みたいなものも、将来的にはいろいろな課題があるのではないか。それは別に国と地方だけではなくて、地方の中で、例えば、県と市町村、政令指定都市がたくさんできていって、県の業務、市町村の業務が大きく変わる中でそこを見直すとか、そういうようなこともあり得るのかなということで、議論の材料として、こういう資料をつけさせていただいています。

 以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。では、ただいまの主計官のご説明に関連しまして、どなたからでも、ご意見、ご質問をお願いしたいと思います。恐縮ですが、名札を立てていただけると幸いです。

 赤井委員、どうぞ。

〔 赤井委員 〕 赤井です。初めにお話しさせていただきます。地方財政のほうも専門に研究しておりますので、幾つか。

 まず、1ページ目のところで全体像が書かれているわけなのですが、地方財政の難しさは、国が地方の財源保障をしているというところで、その関係をどのように見ていくのかということ。ここにありますような歳出特別枠とか別枠加算というものを、景気が悪かったということもありまして、地方が大変だということで加えてきたのですけれども、国の財政も厳しくて、地方の必要経費を厳しく見ていく必要は当然あると思うので、そこはしっかりとやっていただきたい。今回も給与の話とか、細かく見ていただいているのですが、それが1つです。

 あと、地方のほうで適切なサービスがどのぐらい行われているのかという問題もあるのですが、3ページ、4ページのところに積立金について出ておりまして、積立金を見ると、確実に地方の財政は、サービスの中身をまた見ないといけないのですが、余裕が出てきているのは確実なのかなと思います。その流れで、特別枠とか別枠加算を今後見直していってもいいのではないかと思います。

 積立金をどう解釈するかなのですけれども、余裕があるからいいというのは、それはそうなのですが、積立金が増加してきた背景は、リーマンショック時はわりと国が対応をしたのですけれども、三位一体改革で少し厳しくなって、そのときに、やはり積立金がないと回らないというような危機感が地方にはあって、臨財債のような借金が発行できるなら、借金を発行してでも積立金はしようという、コストから見ると、それは損ではないかというようなこともやっていて、地方はリスクへの対応から積立金を増やしているので、国が必要なときは確実に渡すという保障をするのであれば、積立金はもう要らないと見て削ることもできるし、ある程度リスク対応が必要だということになると、ある程度必要だということになるので、地方のリスクの対応の部分の基金をどこまで見てあげるのかということが議論のポイントになるのではないかと思います。ただ、これまで増えてきていますから、増えているということは、過去でも回っていたわけだから、その分は減らしてもいいという議論はできるかもしれません。

 もう一つは地方の人口減少の話なのですが、現在、諮問会議でも、地方の未来とか地方をどうするのだという議論をしていますし、人口が減少すると、特に規模の経済性が必要になるという特徴があるインフラにおいて問題が出てくるのですね。これはまた、公共事業のところで後で議論すると思うのですが、やはり各市町村レベルで将来の財政運営がどのようになっていくのかということを、人口が減少して高齢化も進みますから、そのシミュレーションをしっかりと進めて、コンパクト化とか行政の広域化とか連携化とか、どのようにして、人口が少なくてもコストを上げずに財政運営をしていくのかというところを見ていくべきだし、財務省としても、そこを促すような形でサポートしていくことが重要なのかなと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、老川委員、末澤委員、佐藤委員の順でお願いいたします。

〔 老川委員 〕 私は質問でございますが、9ページ、給与との関連で、地方自治体の場合、いわゆる上級職といいますか、レベルが高いところの分布が非常に多いと、こういうご説明で、伺いたいのは、どうしてそうなのだろうかという理由ですね。想像すると、いろんなことがあり、例えば、地方の首長さんは、不人気に思われたくないということで、少しランクを上げてあげるとか。あるいは、給与全体が地方自治体においては高いというのも、選挙で選ばれる首長さんでありますから、やはりその自治体の職員組合の動向とか、こういうものに配慮せざるを得ないという事情がきっとあるのだろうと思うのですが、そういうことと級別の分布の問題というものが関係あるのかどうか、そういったこと、いろいろ推測せざるを得ないものですから、おわかりの範囲でご説明いただければありがたいなと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、青木主計官。

〔 青木主計官 〕 1つ1つをきちんと精査したわけではないものですから、あまりいいかげんなことは言えないのですけれども、ただ、結果として、例えば、千葉、神奈川、静岡といった県は、それなりに財政力はあるほうだと思います。高知とか鹿児島といった県は田舎のほうですから、そういう財政状況も1つの理由だと思います。それから、職員の年齢構成みたいなものとか、いろんなご事情で、結果としてこういう形になっているのだと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、末澤委員。

〔 末澤委員 〕 詳細なご説明ありがとうございました。一番最後の人口問題に絡んで、私から一言、意見といいますか、ご説明させていただきたいのですが、実は地方債市場で2006年に夕張ショックというものが起こりまして、一時、地方債が売られて国債とのスプレッドが急拡大した時期がございました。もともとの発端は、当時、夕張市が一時借入金、本来、一時借入金というものは年度をまたいで借りられないのですが、それを不適正に利用して、ずっと根積みで資金を借金していたと。これが表沙汰になって財政不安に陥ったということなのですね。

 ただ、これはご案内のとおり、夕張はもともと炭坑のまちで、それが廃れて、ああいう状況になったのですが、実はもうその段階で、2006年の段階で夕張市は、私の記憶ですと、年少人口比率が全国で最も少ない、5位以内に入っていて、一方で老年人口比率は全国で最も高い5位以内に入っていたのですね。要は、どんどん高齢化が進むと、財政需要、負担は増えてきますが、一方で収入は減ってくると。どんどん、夕張から札幌等に人が移ってしまったのですね。それで、スパイラル的に財政状況が悪化するということが起こります。

 実は、これはそういう炭坑都市の問題だけかと思いますと、最近、見渡しますと、今日も日経に出ていましたけれども、湾岸のあたりで相当人が増えて、小学校はどんどん増えていると。一方で、私、出身が四国の高松なのですが、市街地の真ん中にある私の出身小学校なのですが、つい最近、3校が1校に減りまして、つまり県庁所在地、中核市でも相当子供が減ってきている。

 一方で、首都圏とか関西圏、福岡、名古屋、そういったところにどんどん人口は集中し始めていて、これは全国的な規模になりつつある。この状況がずっと続くと、当然、地方の財政需要は増える一方で、収入が減って、一方で都市部に集まる。この状況を食いとめることがいいのかどうかという問題があると思うのですけれども、やはり今後の人口の構成が、これから5年、10年と相当変わっていく中で、私は地方の財政の二極化といいますか、偏在が相当大きな問題になっていくのではないか。それを早目にどうすべきかを含めて考えておく必要があるのではないかと、先ほどの資料の関係で思いました。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 佐藤委員、どうぞ。

〔 佐藤委員 〕 いただいた資料の5ページ目ですけれども、いつもの話で、いわゆる計画と決算の乖離の話ですけれども、解釈がいつも難しいなと思っているのは、例えば、計画が決算を上回っている場合は、必要でない経費を計画の段階で見積もったのではないかという話になるし、逆に決算が計画を上回っている場合は、地方税収は上振れしたので交付税をあげ過ぎたのではないかと。どっちに転んでも、いいことがない指標になってしまっているのですけれども、そのあたり、いつも、どっちなのだろうと思うのですが、おそらく、これはもともと「一般財源」という言葉の矛盾だと思うのです。これは、学者の間ではよく言いますけれど、地方財政計画というものは、国が必要経費を見積もっていると。それはそれでいいのですけれども、ただ、「一般財源」という言葉を使ってしまうと、一般財源は地方の使途は自由なので、どう使おうと、ある意味で自由であるので、つまり予算を立てる段階では、ある意味、国が見積もった予算を措置してあげるという側面があり、しかし、使う段階になってしまうと、地方の裁量が一般財源には働く部分があるので、この2つはそごを起こして、いつも乖離が生じる。上に乖離しようが下に乖離しようが、何らかの意味で解釈上、問題が起きることになるのかなと思います。いつも、こういう議論をするので、少し感想ですけれども。

 それから、先ほど、赤井先生がおっしゃっていた4ページ目なのですけれども、積立金の解釈について、これは、あるからないからだめとかいいとかという議論にはならないと思います。下手すれば、これはただの埋蔵金論争に戻ってしまいますので、やはり積立金の使途が一体何なのか。将来の借金の返済に充てられるとか、あるいは公共投資の更新とか、何らかの明確な目的を持っているのであれば、それは認めていい積立金になりますし、何となく積み立てているだけなら何とも言えないという議論になると思うので、単にあるかないかではなくて、これは一体どういう目的で積み立てられているのかということを考えなくてはいけないのかなという気がしました。

 それから、これで最後ですけれども、地域間での財政力格差というものは16ページ目以降なのですけれども、いつもの話で、財政審では、いつも地方法人特別税とか地方法人税とかが大好きで、何とか地方団体の間で財政調整をやり繰りしようということがあるのですが、もとをただせば、やはり地方税の中で法人2税の比率が高過ぎるということがむしろ問題でありまして、もともと地方の税源の問題であって、法人2税があることを前提にして、その中で何とかやり繰りしようとすると、変な意味で制度の複雑化といいますか、屋上屋に重ねるというか、つまり新しい制度をつくって次々と問題に対応するのだけれども、どれをやっても中途半端という話になってしまうのかなと思いますので、これは税調マターなのかもしれませんけれども、やはり地方税の偏在性についてまじめに取り組む時期に来ているのかなと思いました。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、古賀委員、田中委員、土居委員の順でお願いいたします。

〔 古賀委員 〕 ありがとうございます。3点ご意見とご質問したいと思います。

 1点目は、今、佐藤委員がおっしゃった積立金残高について、これが何に使われているかという詳細がないと、いいことか悪いことかわからない。これは全く同意見でございます。

 2点目は、財政審で議論すべきかどうかわからないのですけれども、赤井さんが冒頭おっしゃっていましたように、財政の効率化は非常に重要なのですけれども、公共サービスが住民にとってどういうレベルであるべきなのかということです。もちろんよければいいというふうに思っているわけではなく、限りがある中で、公共サービスも効率化していかなければならないのですけれども、それと財政との関係がどうなのかということも見る必要があるのではないかなと思います。

 3点目はご質問なのですけれども、昨年の8月、中期財政計画が閣議了解され、一般財源の方向づけをされたと記憶しております。そこでは地方の一般財源の総額は、平成25年度の地方財政計画の水準を下回らないようということになっております。それと、ここにある2.2兆円、まだ効率化できる分があるということとの整合性はどう考えたらいいか、そのことはご質問として申し上げておきたいと思います。

 以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。では、3点目、事務局、お願いいたします。

〔 青木主計官 〕 閣議了解では、絶対値ではなく、実質的に前年度と同水準を維持するということになっております。この実質的という意味は、いろんな解釈あると思いますけれども。

例えば、今回、5ページで、税収が決算より増えているというご説明をさせていただきました。ここの部分は、当初の地財計画で我々が考えていたよりは、ここ数年間では地方は一般財源が結果として増えているのではないかという指摘です。こういうことをどう考えるのかというお話があります。それから、毎年、総務省からは、一般財源が相当上振れして、いろいろな財政需要があるのだということで、そういう要求もいただいています。一方で、それをそのまま認めるということでもないものですから、こちらからは、それはほんとうにそんなに伸びるのですかとか、こういうところで、削れることがあるのですかとか、いろんな議論をしながらやっているわけです。

 今回、2.2兆円ということでここに書かせていただいている部分は、もちろん、これがすぐにできるかどうかという問題もありますし、こういうところは、一方で削減する余地もあるのではないかというご提案ですので、こういったことも含めて、これからやっていく。もちろん一般財源を前年同水準ということをどう考えていくのかという問題もあろうかと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、田中委員。

〔 田中委員 〕 ありがとうございます。私は、主計官というよりも、もしかすると副大臣、政務官へのご質問になるかもしれないのですけれども、法人住民税の法人税割に関して。これは、長年議論をされていて、なかなか実現しなかった記憶がございます。それが、突然というのですか、昨年の与党の税制大綱で決まったということだと、ご報告を受けました。私は、このこと自体、ある種の是正効果があるという意味で否定はしませんけれども、どういう経緯で、どのような議論でこれが決まったのかということについては、少しネット等も調べたのですけれども、議事録もないようで、ここはやはり時期的にも、猪瀬前知事が問題を起こした時期でもあり、それと関連あるとは思いませんけれども、反対する側も、進めたい側の意見もあったと思うのですけれども、どんな形でこれが合意をされたのかというところを、最低限でも教えていただけたらと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 では、事務局ですかね。太田さん。

〔 太田次長 〕 若干技術的な面もありますので、副大臣、政務官ではなくて、間ということで、私から答えさせていただきます。

 今回の話は、田中先生がおっしゃったような、猪瀬都知事云々という話とは全く関係なくて、基本的には、今回の社会保障と税の一体改革で消費税率が上がります。地方消費税率も当然上がることになります。地方消費税が入るということは、地方消費税はほかの地方税に比べると偏在性が少ないのですけれども、だけど、やはり東京の入り方が多いのです。ということで、地方消費税が入る結果として、東京に入りが大きくなって、そうでないところにとっては入りが少なくなりますので、それを調整すると。それを調整しないと、ある意味で、もう一回、偏在が少し大きくなる要素が入りましたので、それに応じて、法人住民税の一部をこうやって交付税にして調整することが決まったということが実際の経緯であります。

〔 吉川分科会長 〕 では、土居委員。

〔 土居委員 〕 ありがとうございます。古賀委員が最後にご質問されたところ、非常に重要なポイントだと思うのですけれども、今後、春の建議で、この点についても何らかの言及を私はするべきだと思っているのですけれども、資料の14ページが、まさにいみじくも地方一般財源総額の実質同額確保と言われている問題に対しての1つの現実だと思います。つまり結局、地方税だけでなくて、臨時財政対策債まで入ったところで、もちろん交付税もですけれども、地方一般財源総額と言っているというわけですから、それを結局は国が6割を借金で対応していると。地方の臨時財政対策債はその分だけ抑制できていると。それでいて、積立金がその片方で地方自治体に積み上がっていることをどう見るかという話だと思います。私は、結論から申しますと、中期財政計画は決められたことではあるけれども、平成27年度もそれに拘束されていることではあるのですけれども、結局のところ、地方財政計画において、地方一般財源総額の実質的同水準を確保するという文言が地方の歳出を緩ませていたり、折半対象財源不足といいながら国がより多くカバーせざるを得ないというような状況を生み出しているのではないかと思います。

 そういう意味でも、春の建議では、中期財政計画の後のところを見据えて、今後、地方交付税総額及び折半対象財源不足に対応するところの対処法を実質的に同水準を確保するということではない新たなスキームを考える、そういう方向に議論を持っていくべきではないかと思います。

 次に給与関係経費ですけれども、8ページ、こういう資料が出ると、おそらく、明日の新聞でこういうものが報じられると、地方公務員側から、必ずまた国が公務員給与カットを要請してきているとかというように、変にハレーションを起こすのではないかと思います。そういう意味では、私は、これはあくまでも地方財政計画上の給与関係経費であるというところをうまく位置づけを認識した上で、説明ぶりを工夫する必要があるのではないかと思います。

 結局、国家公務員が特例減額で給与を減額したときに、各自治体は、減額した自治体もあれば、そうでなかった自治体もあると。つまり、地方交付税で財源保障している部分ないし、地方財政計画で給与関係経費を抑制した部分については、各自治体レベルでは、それなりの自由裁量はあるわけであって、もちろん不交付団体は全くと言っていいほど関係ないわけであって、国から要請されているということで応じるか応じないかということはあるとしても、地方財政計画上で給与関係経費が減らされたからといって、直ちに地方公務員給与を下げろということになるかどうかは、それぞれの自治体の独自性、裁量性が与えられているということを踏まえて説明すると。つまり、地方交付税をそんなにたくさん出す必要があるのかという観点から、給与関係経費を、国の職員配置と近い形で考えるということで、給与関係経費の議論をしているのだと。地方公務員が実際に給与を下げるかどうかは、それは各自治体がお考えくださいと、そのような形にすれば、少しハレーションは小さくなるのかなと思います。

 最後に1点だけ、小さい話ですけれども、末澤委員が夕張市の話に言及されたのですが、私も2007年に地方債の本を書きまして、そこでも夕張市の件を取り上げているのですが、私は、夕張市は人口減少のせいではないと。放漫財政のせいですね。観光振興にあまりにもお金を注ぎ込み過ぎたのが夕張市の原因なので、確かに今後、過疎部で人口減少、高齢化で行政サービスが滞るかもしれないという心配はあるのですけれども、それと、放漫財政によって財政状況が悪くなったというところまで国が尻ぬぐいしなくてはいけないのかというところとの性質は、2つはきちんと分けて議論するべきだと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 それでは、増田委員、鳥原委員、富田委員の順でお願いします。

〔 増田委員 〕 ありがとうございます。コメントなのですけれども、最後のほうの人口減少、これは今日の3番目のテーマの社会資本というか、公共事業のところとも関係すると思うのですが、いずれにしても、もう出生率という率の問題ではなくて、若年女性の数が激減をしているということと、若い人たちの東京への移動集中と、その2つの要素によって、人口減少は極めて加速化をしている。今日の3番目の資料ですかね、少し私の資料の紹介がありますが、私の推計では、2040年よりちょっと先には、多分、500以上、523の市町村がほぼ消滅という、そのぐらいの実態になるのではないかと。社人研は、東京への人口の移動が将来的には収束するという前提になっていますが、今のままだと、なかなか収束しないという意味で、数字として、人口減少はもっと加速化していくのではないかと思うのですね。ですから、これは総務省も、そういう政策を地方自治法の改正の中で打ち出してきていますが、要は、やはり地方の中枢拠点というものを選び抜いて、そこを中心に、もう一回全部を立て直すような、そういう政策をここできちんととっていかなければいけない。これは、総務省というよりは、地方自治体側もそうですが、国も各省超えて、拠点形成というほうにシフトしていかなければいけないのではないか、そういうふうに思います。

 このことはものすごく広い分野に影響してくるので、例えば、前回やった社会保障のところでは、国保などももう市町村レベルでは維持できないから広域化しようとか、社会資本のほうも、それに合った形で投資を考えていこうとか、コンパクトシティ化とか、そういった諸々のことが必要になると思いますし、一方で、この問題、地方の問題というよりは、むしろ東京の超高齢化、これから爆発的に増えて、2倍ぐらいになる後期高齢者と若年人口が4割ぐらい減るという姿から、東京では介護がもうほんとうに絶望的になる。ですから、高齢者の地方移動みたいなこともやはり考えていかなくてはいけないので、地方だけじゃなくて、東京両面の問題になってくるのではないかということを申し上げておきたいと思います。

 あと、先ほどから、地方一般財源総額、古賀委員や土居委員からもご指摘ありました。以前、私、総務大臣をやっていたので、このあたりのことを、昨年、中期財政計画で、今ご指摘あったように閣議了解しているので、いずれにしても、実質的にという意味合いがどういうことかをまさに議論する必要があるのですが、中期財政計画で決めている範囲の中で、きちんと読み込める形で、ここはやっていかなければいけないのではないかと思います。

 最後に、これも税調の議論になりますが、地方法人特別税とか、今回新しく措置した法人住民税の法人税割のところですね。要は、自治体間の財政力格差の是正は非常に重要であると思いますし、いろんな経緯で、私のときにやっと入れた地方法人特別税なので、やはりこういうのは大事にして、制度としては生かしてほしいなと思うのですが、これは税調でもっとしゃべっておきたいと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 では、鳥原委員。

〔 鳥原委員 〕 ありがとうございます。今回の平成26年度の地方財政計画で、新たに地域の元気創造事業として、地方自治体の行革努力の取組みを評価、反映するインセンティブの仕組みが創設されたことは、新しい一歩として評価をしたいと思います。

 各地方自治体におきましては、複式簿記による公会計制度の整備に今後努めて、収支や資産、負債の管理を徹底していただくとともに、引き続き、人員や施設の適正配置や広域連携による事務費の効率化などに徹底して取り組んでいただく必要があるのではないかと思います。あわせて、こうした効率化や自治体事業の収支、生産性などの状況を外部に公開することが大事ではないか。それによって自治体間の競争を促して、効率化の色々な工夫が働いていくことにつながっていくのではないかと思います。

 また一方、人口、事業所数が減少する中で、疲弊した地域においても一定の行政サービスが持続可能となるようにすべきです。先ほどの説明にもありましたけれども、同一経済圏にある都市間の広域連携を促進して、各都市の担うべき役割を整理した上で、それぞれの役割に応じ、めり張りをつけて地方交付税を配分することを考える必要があるのではないかと思います。

 以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 富田委員、どうぞ。

〔 富田委員 〕 冒頭、赤井委員から、地方財政は非常に難しいというお話があったのですが、難しい理由は、実態と建前が全く乖離している、ますます乖離してきたということにあると思います。実態は、国による財源の保障、ほとんど100%国が保障しているということでして、そこから議論をスタートした場合に、財源保障の前提であります地方財政計画、これは他の予算でいえば概算要求の根拠、要求の根拠を成すものなのですけれども、そこに依然として大きな問題が残っているということが今日の主計官からのお話であったと思うのです。

 これまでも財政審では、2000年に入ってから、歳出について計画と決算が大幅に乖離しているので、それを是正することが財源保障の正当性を確保するための方策であるという議論がなされてまいり、その是正も進んでまいりました。今日、話し合ったのは地方税についてでして、増収のときには、地方税が増えたときには全然精算されないのだけれども、地方税が減ると、国が財源保障の一環として、いろんな措置をとるという、極めて非対称的な形がとられている。問題は、地方税にあるだけではなく、大きな地方財政計画の歳入源である手数料とか雑収入とか使用料といったものにも決算と実態との乖離があるわけでして、これらも含めて是正していきませんと、財源保障、つまり、国民の税金で主権者の代表たる国会議員がこういう計画を認めるということについて、客観性の担保が不十分になってしまうということから、引き続き地方財政計画の客観性を担保することは必要だし、建前--建前と言ったら失礼ですけれども、理念としての地方分権を推進するには、やはり国による財源保障の部分をどんどん縮小していって、自前の財源で地方財政を行うことが基本であろうと思います。

 もう1点、地方交付税は財源保障とともに財政調整という、地方の財政力のアンバランスを是正する役割を持っているのですけれども、これまで日本は、ほとんど100%、大規模な調整を、国から地方へという形で垂直的な調整をやってきたわけです。そういう意味で、ようやく、先ほど増田委員がおっしゃったように、地方税でもって財政調整を行う試みが始まったわけでして、これは地方税が税収の40%以上を占めている状況におきましては、地方税における財政調整の役割が極めて重要である観点から、今後とも拡大していく必要があるのではないかと思います。

〔 吉川分科会長 〕 それでは、次のテーマもありますので、今、名札を立てていただいている方に限りたいと思いますが、大宮委員、小林委員、田近委員、板垣委員の順ですかね。大宮委員、お待たせしました。

〔 大宮委員 〕 ありがとうございます。今までの論議を聞いておりますと、地方財政では、国もそうですが、要するに、フローで、収入と支出という視点が非常に強くて、一般的な会社の経営の視点から見ると、資本と負債の関係、いわゆるバランスシートの考え方がほとんど提示されてない。時々論議は出るみたいですし、財務省のホームページを見ますと、貸借対照表はあるのですがバランスしてないので、一体どういうことになっているのかなと思うのですね。

 先ほどの余剰金がだんだん出て、少したまっていますよという話なんかも含めて、やはりバランスシートを見ながら、特にインフラの整備もそうだと思いますけれども、今どうなっていて、将来どのようなメンテが要るのか、新しい投資が要るのかということも含めて、ストックの論議をちゃんとしていただく必要があるのではないかと思います。大変だと思いますけれども、データそのもの、それも地方の、例えば、各都市間とか地方団体別のストックがどうなっていてということ。どうもその辺の視点がないと、長期的な財政再建等も含めて、なかなかうまくできないのではないかなと非常に強く思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。

 では、小林委員。

〔 小林委員 〕 質問であります。今回、給与関係経費の話がいろいろと出てくるのかなと思うので1つ確認しておきたいのですが、8ページのグラフ、国家公務員と都道府県職員の乖離があるという。この傾向、右側のほうに地方公務員の級数が偏っているという、この傾向はこれから進行していくと見られているのでしょうか、それとも、この状態が大体維持されていくということなのでしょうか。これから高齢化なんかもありますので、全体として右側にずれていくのか。これは国家公務員もそうなのですけれども、右側にずれていくと見られていて、このままほうっておけば、どんどん右側に寄っていくと見られているのでしょうか。そのあたり、教えていただければ。お願いします。

〔 吉川分科会長 〕 事務局、お願いいたします。

〔 青木主計官 〕 現段階でそこまで分析をしておりませんので、引き続き勉強していきたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 田近委員。

〔 田近委員 〕 繰り返しは避けて、1点だけです。今回というか、今年の財審の課題の1つは、やはり消費税率がアップした後、それをどうフォローアップするかということだと思うのですけれども、その点で、前回、厚生、医療等のところでも申し上げたのですけれども、消費税率は上げた。これはもう完全に社会保障に使うのだと、総理大臣が明言しているわけですけれども、その点で、国の場合には、ある意味でわかるというか、消費税率が上がって機能強化すると。それ以外の部分は、基礎年金の半分とか国民健康保険の給付の半分とか、法定されている国の負担部分に充当すると。結果的には、消費税率が上がった部分は赤字国債の減額になるという仕組みだと思います。

 地方は、去年の財審でもやったように、必ずしも明確ではない。地方消費税率が上がることで、交付税はおそらく下がるだろうと。ただ、地方に回った消費税がどう使われるのか。多くの人が心配しているのは、今まで地方が社会保障に使っていたものを、今度入ってきた地方消費税で使ったのですよと、このように社会保障に使いましたよ。でも、よく見ると、今までやっていたもののつけかえではないかということは、1つの心配として残る。それで、私の要望ですけれども、国の場合に、消費税率が上がることで設けられる、さまざまな基金がどう使われるかを、これからきちんとウォッチしてくださいということを申し上げたのですけれども、地方の場合には、もう少し大きなテーマで、やはり地方消費税が回ることで、どのようにそれが結果的に社会保障に使われるのかということを、今年秋にかけて、きちんとフォローアップしてもらいたい。そういうことを踏まえて、ある意味、消費税率の引上げというのは国民に受け入れられていくのだろうと思います。そういう意味で、今日はキックオフですけれども、消費税率、地方消費税率が上がること、それに伴う使途についてフォローアップしていただきたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、板垣委員。

〔 板垣委員 〕 全体の議論を聞いて、賛同できるご意見がかなりありました。それで、1つだけ、20ページなのですけれども、都道府県ごとの人口推移がありますが、これは財政力が弱いから人口が減るのか、人口が減るから財政力がまた弱るのか、これは相互に関連して落ちていくのだろうと思います。

 問題なのは、その辺のところは一体、あまたある市町村レベル、都道府県レベルでどうなっているのかということがよくわからないままに、余っている金があるから減らせ、先ほどの基金の問題でもありましたけれども、足らないから入れろという単純な議論を、この場でいつもやっていてもしようがないという気がします。そういった意味では、では、どうしたらいいのかということで、増田委員のご意見は大変参考になりましたし、それから、土居委員の夕張問題で特殊事情も当然あるのだというご指摘も非常に参考になりました。それから、大宮委員のストックの問題をきちっと踏まえた上で議論するということも、私も納得いたしました。そういうことで考えますと、今日の主計官の説明の中で、そこまでデータは踏み込んでおりませんということが数回ありましたけれども、それはしようがない部分もありますけれども、できるだけそういったデータをそろえていただきたいと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 では、時間がありますから、次のテーマに移りたいと思います。次は文教ですが、井藤主計官からご説明お願いいたします。

〔 井藤主計官 〕 文教担当の井藤でございます。どうぞよろしくお願いします。資料2の文教関係資料に沿って説明させていただきたいと思います。

 資料をおめくりいただきまして、1ページなのですが、時間も少し押していますので、説明の中で重複しますので割愛させていただきたいと思いますが、今回のテーマは、大きく2つでございまして、1つは義務教育の関係で、特に今後、教育社会のインフラとしての学校の統合の問題をどう考えるかという点が大きなテーマでございます。もう一つは、後段、大学改革についてご議論いただければと思います。

 論点をまとめておりますのは、去年の秋の財審でもかなり教育関係の方々をはじめとして、この財審に出させていただいた資料も読んでいただいておりますので、こういうほうがわかりやすいかと思ってやっておりますが、今日は少し割愛させていただきます。

 それでは、2ページなのですけれども、このあたりについては、去年の秋もご議論いただきましたけれども、教職員の定数につきましては、児童生徒数が減少する中で、あまり減らしていない。特に今回は、新たに基礎定数と加配定数に分けて分析をしているのですけれども、児童生徒数に応じた学級数に応じて自動的に決定されていくのは基礎定数ということで、これがいわば自然減というような形でずっと減ってきているわけですが、それに対して、教育をさらに良くするというようなことで、政策目的に応じて追加的に加えられているのが加配の定数ということでございまして、加配の定数というのは、ここだけ見ると、平成元年以降、8.3倍にも大きく、この8.3倍というのは児童生徒に対する比率ということですが、8.3倍ということで大きく増加してきてございます。

 また、加配定数ではなくて、基礎定数という部分なのですが、これは先ほど申しましたように、機械的に計算されていくわけなのですけれども、児童生徒数の減少ほどには減っていっておらず、こちらについても、基礎定数は25.9%増加しているというようなことでございます。もちろん教職員定数全体で見ても1.4倍に増えているということでございます。

 それで、次のページ、3ページなのですけれども、この点は、去年の秋の財審でもご議論いただいたところでございますが、基本的に、文部科学省の要求といいますのは、自然減により、基礎定数は減るのだけれども、加配によって大きく教育の改善を図りたいというような要望が毎年行われてきているのですけれども、この審議会におきましては、過去にもそうですけれども、厳しい財政状況の中で、ほんとうにそれが費用に比して効果が十分あるのだろうかと。より費用対効果の高い政策に対して重点化すべきではないかという議論をいただきまして、去年の予算編成におきましては、初めてなのですけれども、自然減のところからさらにマイナス10人の減員というような予算編成になったわけでございます。この点については、引き続き、やはり厳しい財政状況の中で、外部人材の活用といったことのほうが、去年、豊後高田の例とか具体的にお示ししたわけでもありますけれども、費用対効果が高いとどうも思われるのではないかということで、引き続き、こういった方向で取り組んでいければと考えているところでございます。

 時間の関係もありますので、4ページは飛ばさせていただきまして、5ページに移らせていただきたいと思います。今回、大きな議論の対象としていただきたいという点に、基礎定数の問題がございます。基礎定数のほうが圧倒的に多いわけでございまして、大体、基礎定数が60万人ぐらいに対して、加配全体で6万とか、そんな数字なのですけれども、児童生徒の減り方に応じてほど基礎定数は減っていないと。これはなぜかということですが、要因マル1ということなのですけれども、簡単にいえば、今、1年生は35人学級ということですが、基本的には40人が上限ということでクラス編制をします。ということは、例えば、1学年に80人いますと2クラスなのですが、児童がだんだん減っていくと、60人、50人と減っていきますが、やはり2クラスなのですね。41人でも2クラスで、40人になって初めて1クラスに減ると、こんなことで、学級数というのは、児童が減ってもなかなか減りませんと。

 あと、もう一つの要因なのですけれども、学校がそこにあると、やはりその学校に通うわけでして、学校があると、当然、校長先生がいます。副校長、教頭もいます。あと、養護の先生ですとか事務の職員の方、こういった方がいるわけなので、学校がある以上、どうしても減らない部分があるというようなことで、子供が減るほどには基礎定数は減らないと。

 それでも、子供の教育は大事だからいいではないかという議論も一方であるかもしれないのですけれども、6ページをごらんいただければと思いますが、時間もないので、「3.」、一番下のところをごらんいただきたいのですけれども、現在の小中学校規模の現状については、次のページに出てきますけれども、文部科学省のほうでも、標準規模というのは基本的に12から18学級としています。そこの資料だと赤い枠で囲っている部分なのですが、これが標準になっているのですけれども、実はそれを下回る学校が半分にもなっているということでございます。12学級というのは、例えば、小学校でいうと、1学年2学級ということでございまして、全ての学年で2学級そろえられないような学校が、小学校でいえばですけれども、半分になっているということでございます。ここで参考資料のほうを見ていただきたいのですが、1枚めくっていただきまして、子供の人口の推移ということで中位推計をとってきたものでございますけれども、平成元年から60年までとっておりますが、大体、今、真ん中辺ですね。25年だと1,600万人といったところですが、今後もどんどん減っていくのですね。総人口も減りますが、子供の減りというのは、残念ながら出生率が低いものですから、それ以上に減っていくというような推計になってございまして、そうしたことを考えると、こういう過少規模の学校は、放っておけば、どんどん増えていって、さらにその状況は進行していくということでございます。

 7ページは、学級の標準が12から18学級ということの法令上の根拠なので、飛ばさせていただきまして、8ページなのですけれども、では、学校規模が適正化された場合に教育効果はどうかということなのですけれども、文部科学省の審議会での主な意見の整理ということなのですが、やはり学校規模が適正化されたほうが、教育上の面から見ても良いのではないかという議論になっておりまして、例えば、最初の○なのですけれども、子供がきっちり教育を受けて社会性を伸ばしていくということには、一定の集団規模があることが望ましいのではないかということでございます。

 あと、次の○なのですけれども、各学年複数学級ということですね。1学年に2クラスはあるということなのですけれども、人間関係に配慮した学級編制ということですが、例えば、いじめとかがあると、普通は、次の学年で、いじめられた人といじめた人を分ける、クラスを変えるということを多分やるのだと思うのですけれども、1学級ではそういうこともできないということでございます。

 また、中学校なんかで、最近、よく部活が成り立たないみたいな話を聞きますけれども、やはり過少になってくると、そういう点でも問題があると。あと、学校運営の効率でも、いろいろと非効率が生じていくと。教育上の効果からみても、やはり適正な規模のほうがいいだろうということでございます。

 9ページ、10ページと、これは、我々のほうで、過去に予算執行調査ということで、実際に統合した学校について調査したことがございまして、その結果なのですけれども、10ページに行っていただきまして、財政上のインプリケーションということでございますけれども、これは統合した結果、運営費というものが、小学校も中学校も、大体人件費を中心に3割ぐらい効率化されているということなのですね。それで、先ほどの過少規模の学校数というものを思い出していただければ、大体半分ぐらい過少規模ではないかというマクロなデータがあると。それで、ここら辺の教職員の人件費だけ見ても、国費で1.5兆円、地方分は3分の1国庫負担なので、年金とか保険とかも合わせると全体で5兆円ぐらいの規模になっているわけで、粗い計算をここで言うのも何ですので具体的には申しませんけれども、やはり相当な財政効果が統合することによってあるだろうと。そうしたものを、財政再建なり教育の質の向上につなげることは有益だろうと考えてございます。

 また、先ほどからの議論で、やはりある程度の規模の学校が適正だという議論なのですけれども、教育環境という面から見ても、これはアンケートの結果ではありますけれども、設置する側から見ても、保護者から見ても、ほとんど肯定的な評価が寄せられるという状況になっています。先ほどの人口推移のグラフを思い出していただければ、今後、子供の数は、いかに少子化対策をしても反転できるのは先の話でもございますし、今後、いや応なしに減っていく中で、放っておけば、教育環境もどんどん悪くなっていきますので、やはりここら辺、学校規模の適正化をきっちり推進していくことが社会状況の中で特に求められるのではないかと考えてございます。

 次のポイントで、11ページ、大学改革でございます。国立大学の現状なのですけれども、よく言われる話なのですが、日本の大学評価は必ずしも高いものではないと。ランキングトップに入るのは東大と京大だけだという話はよく言われます。一方で、それは国立大学の運営費交付金を毎年減らしているからだといった声を我々もよく受けるのですけれども、実は研究費とかは伸びているということもありますし、国立大学の法人の収入全体で見ると決して減ってはいないということです。

 13ページなのですが、では、そういった中で、ランキングはどう変わってきているのだろうかと。ランキングだけが全てとは申しませんけれども、ここに挙げられているような大学は、特に研究が中心的な大学で、研究費もかなり取っている大学だということでございます。東大も若干順位を上げていますけれども、十分な強化が行われると果たして言えるのだろうかということでございます。

 14ページなのですが、実は国立大学というのは86校ございまして、いわゆる総合大学は各県にあって47校あります。その他、教育大学とか、そういった専門の大学があるわけですが、こうした大学が特色のない大学運営を行っていることが大学の評価が向上しない一因ではないかということもよく耳にする話でございます。

 こうした中で、私ども、文部科学省と議論をして、限られた財政資金はなるべく有効に使わなくてはいけないということで、重点的な支援を、機能強化を一生懸命やっているところにやろうというようなことで、例えば、今、運営費交付金というのは大体1.1兆円ぐらいの予算ですが、その1割ぐらいを特別運営費交付金ということで、その取組みに応じて配分しようという取組みもやっているわけなのですけれども、なかなか予算全体の配分が機能強化をほんとうに慫慂し、それをフィードバックして配分を変えていくというような好循環を生み出す仕組みになっていないのではないかという疑いがございまして、ここに出しているのは、現に学部間の配分の見直しみたいなものを行ったA大学と、そうではないB大学の例で、一般の運営費交付金は機械的に配られているので平等に配分されているのですけれども、特別運営費交付金についても、ほんとうにそういった機能強化に応じて重点化されてきたのかということです。

 あと、機能強化を特別に支援するみたいな今の仕組みなのですけれども、やはりその支援というのは数年で終わっていくわけで、後は、本来、時代の要請に応じて変わるのは大学の使命なので、通常の経費で後はやってくださいということで、これは正論なのですけれども、やはり機能強化をして一生懸命やっているところと、そうではなくて、必ずしも時代の要請に十分応えられてないところを抱えているところと、本当にシェアを固定化した一般運営費交付金の配分でいいのかというような議論があろうかと思います。

 そうした中で、16ページですが、実は国立大学というのは法人化されたのが平成16年でございます。それで、1つの目標期間というのが6年でございますので、今、第2期中期目標の期間ということです。2年後の28年度から第3期に計画が新たに始まるということなのですが、そこに向かって、私ども、議論をこれからいよいよしていきたいと思っているのですが、いかにそこら辺の仕組みを変えていくのかが重要だという共通認識は持っておりまして、文部科学省においても、上の真ん中辺のほうなのですけれども、3期における国立大学法人運営費交付金や評価のあり方については平成27年度までに検討し、抜本的に見直すと、こんなことも言っているわけですが、やはりここら辺は、この財審でもご議論いただいて、しっかりやっていただく必要があるのではないかと私どもは考えてございます。

 17ページなのですが、今申し上げたようなことをイメージ的にまとめたものなのですけれども、やはり一般の運営費交付金も含めた大学予算について、全体としてめり張りづけも行って、国立大学全体として機能強化を図れるようなフィードバックの仕組みも設けたようなものにしていく必要があるだろうと。それで、優れた取組みを行う大学については重点支援をしていくと。そうでない大学というのは、なぜそうでないのかというようなことをよく分析していただいて、当然、社会のニーズは時代の要請に応じて変わっていくでしょうし、全ての大学の全ての学部が国際的な競争できるようなレベルにあるわけでもないですから、弱い分野は重点化のために合理化等も必要でしょうと。また、学校間の再編みたいな話も場合によっては必要ではないかと考えているところでございます。

 そうした中で、18ページ以下、各論で1点取り上げさせていただければと考えておりますけれども、ポストドクターの現状ということでございます。このポストドクターというのは、博士課程を取られた後、研究員として、大学であれば助手とか准教授とかになられれば、ポストドクターを晴れて卒業されて、いわゆる一人前の研究者というようなことなのでしょうけれども、それに至るまでの任期つきの研究員ということで、略して「ポスドク」と呼ばれるのですけれども、大学院の重点化でありますとか科学技術の強化ということで、左上の表にあるように、これを随分増やしてきていました。ただ、このポスドクが大量に増えている結果、では、そのポスドクが、順調に研究者になっていけているのかということなのですけれども、マル2で大学の本務教員に占める若手研究者の割合というのは減っている状況で、なかなかポストが空かないので、なかなか先へ進めないと。したがいまして、右の円グラフですが、ポスドクのまま滞留している方が相当たまっておりまして、こういう状態が長期化しているということでございます。

 19ページなのですが、これは分野間の偏在もあるのではないかということですけれども、マル1で、ポストドクターの分野別の内訳を見ますと、ライフサイエンスが目立ちます。あと、理系の学科がかなり多いのですけれども、例えば、ライフサイエンスについて見ますと、右のグラフなのですが、これはポストドクターが、最初のポスドクが終わって、それで1年目、2年目、3年目、4年目、5年目と、その進路がどうなったのだろうかということで、時系列でとったものでございますが、青いところが引き続き、どこか別のところ、あるいは同じところかもしれません、ポスドクをやっているということなのですが、やはりこういった大量のポスドクを抱えているライフサイエンスのところについては、ポスドクのままいる人が多いのですね。下の化学についても、ポスドクは多いといえば多いのですけれども、上に比べれば、順調にエグジットされているというようなことなので、やはり分野間も、ほんとうに採り方がいいのか、あるいは、ポスドクといっても、ほんとうに優秀な研究者として育てるような人なのかと。例えば、生物の実験とか、非常に手間がかかるのですけれども、これはテクニシャンとか、そういった支援員みたいな形で本来育てていくべき人はいないのかと。いずれにせよ、ポスドクになられるような人は本来優秀な人であろうということだと思うのですけれども、やはりそういう人が先の見通しを描けないというのは、これは社会的にも相当損失だと思うので、そこら辺を社会として人材がうまく循環するような仕組みをつくらなくてはいけないと。

 それで、20ページなのですけれども、ポスドク問題と運営費交付金の配分でございますが、やはりこの問題を解決するためには、シニア教員にとっては厳しい話も入っていると思います。年俸制とか混合給与とか、俺たち、出ていけと言うのかみたいな話もありますけれども、他方で、やはり若手の優秀な人には、一定の職をつくるように努力していかなければ。究極の選択といえば、そういう面もあるのですが、そういう取組みはやはり必要なのではないかと。

 あと、大学だけで抱えるのではなくて、企業や他の研究機関、海外、あるいは私立、こういうところも含めて循環するような仕組みを、産学また海外とも連携してつくっていく必要があるだろうと。

 それでも、なかなかポストが与えられないということだとすれば、やはり社会としてとり過ぎではないかという可能性がある。先ほど申し上げた、分野間の配分の見直しといったことも含めて真摯に考えていかないと、これは日本国として人材の損失ではないかということでございます。

 それで、これがなぜ運営費交付金とかかわるかということなのですけれども、こういったことできちっと取り組む大学については、運営費交付金の配分においても評価して重点化するようなことが必要ではないかというようなことでございます。

 21ページ、若干まとめみたいな話ですが、これは第3期の中期目標期間が来年度から始まります。よって、この期間の設計をどうするかというのが、まさにこれから始まるというようなことでございますので、今の時点から、こういう議論をしっかりしていく必要があると考えているということでございます。

 以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。初等中等教育、大学、2つのテーマがあったと思いますが、ご意見、ご質問のある方は、また名札を立てていただけると幸いです。

 では、田中委員、遠藤委員、赤井委員の順でお願いいたします。

〔 田中委員 〕 ありがとうございます。私は、これから大学についてお話をさせていただきたいのですけれども、職場が大学評価をするところなので、今日は一個人として、一委員として意見を述べさせていただきたいと思います。

 11ページの論点整理の中に、より厳格に評価を行うべき、あるいは、パフォーマンスに応じた運営費交付金の配分というようなご説明もあったのですけれども、その前提になるのは、情報の開示とその情報を蓄積したデータベースのようなものになりますが、日本はそこが非常にプアな状況になっています。

 例えば、アメリカ、イギリスとか韓国では、大学は全て情報開示することが法的に義務づけられていますが、日本ではそういう法律はありません。のみならず、情報を開示しない場合には、補助金、運営費交付金の減額、あるいはアメリカの場合には罰金や、そこに通う学生の奨学金が支給されないというような厳しいペナルティーが課せられています。こういったことも日本ではなく、あくまでもボランタリーな状況になっています。

 また、データベースの使い方についても、日本の議論の中では、学生さんや親御さんが大学の情報を使うという議論が主なのですけれども、実際には、高等教育政策において、これをもっと使われるべきですし、それから、先ほど申し上げたように、データベースがあって初めて評価ができるわけで、そこで初めて配分に反映するというようなこともあるだろうと思います。ですから、主計官のおっしゃっていることにはまことに賛成なのですけれども、実はそのもとになる情報の蓄積というものが、今、非常に未整備であるということを申し添えたいと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 では、遠藤委員。

〔 遠藤委員 〕 まず、文教予算の圧縮、教育費の圧縮となると、非常に抵抗感が強いところがあると思うのですけれども、やはり議論の中で、学校の統廃合や合理化や再編を進めていくことは、受益者1人当たりの公共投資を平均していくのだという観点の中で議論を進めていくことが、認知をよくする、前向きな議論として捉える1つの要素になると思います。

 保護者の立場から申し上げますと、先生の数が増えてほしいわけではなくて、質がよくなってほしいわけでありまして、前回の財審の資料にもありましたように、採用倍率も平成12年度には12.5だったものが24年度には4.4ということで非常に低くなってきて、先生方の質にも非常に留意をしなくてはならないというところがありまして、予算上の制約があるのであれば、加配を含めた人数の増員ではなくて、先生の再教育とか、例えばITの導入とか、そういった前向きな、質の向上をするために予算をそちらに振り分けてもらいたいというようなレトリックが必要ではないのかなと思っております。

 これが義務教育の点でして、大学につきましては、先ほどからポスドクの話が出ておりましたが、今、産構審の産業技術環境部会のほうでも、ちょうど企業と大学の役割の分担や橋渡しの話の議論を進めているのですが、やはり大学の中にシニアの教員の方が増えていく1つの要素としては、企業から大学に行かれる方は多いのですけれども、大学から企業に行く方は非常に少ないので、人材の流動化の市場が大学の中だけに限定されているということがあると。ですので、それをもう少し企業の中とか社会と広げていくことで、シニアの方々のもっと新しい働き場所をつくる、そういうようなことを考えていくことも、1つ、産構審との連携の中での視点ではないかなと思っております。

 以上です。ありがとうございます。

〔 吉川分科会長 〕 それでは、赤井さん。

〔 赤井委員 〕 それでは、学校統合に関して1点と大学に関して1点、お話ししたいと思うのですけれども、もちろん教育の質を上げることは重要で、文科省でもたくさんのことをやっていて、少しは成果が上がっているものもありますし、まだまだのものもあると思うのですけれども、ここで議論されている学校の統合というのは、成果が確実に多分あると思われるし、財政的な面でも成果があると思われるにもかかわらず進んでない、1つ重要なトピックだと思います。今後も少子化が進んでいくと、教育の質の問題であったり、あと、どんどん学校が小さくなりますから、1人当たりのコストも確実に上がっていくので、その問題も大きくなるかなと思います。

 文科省の初等中等教育の局長さんとしゃべっていても、進めていくべきというのは常に言われるのですが、なかなか進んでないと。今日の参考資料でも、4ページですか、昔から、そういうのは進めるべきというのが、載っていると思うのですけれども、なかなか進んでいないということなので、これは本格的に財務省も文科省も、あと、地方ですから総務省も一体として、どうして進まないのか、地域コミュニティーとしては残してほしいという問題と、あと教育、学生からの視点と違う部分があると思うので、そこをしっかりと見つめてほしいなと思います。

 この1つの要因が、やはり縦割りの影響があって、文科省は統合したときの建築費の補助みたいなものをしているのですけれども、運営費の補助はあまりしていなくて、学校運営は市町村担当であったり、教員に関しては都道府県が給与を持っていたり、ばらばらであったり、あと、総務省は交付税措置で、市町村統合はどんどん推し進めたのですけれども、学校統合は総務省のメーンではないということ。だから、文科省と総務省がもっと連携をしながら、いろいろな激変緩和の措置も入れながら学校統合を進めてほしいなと思います。その意味でも、財務省側も縦割りではなくて、主計局の中で地財担当と文科担当が連携し合いながら、どういう仕組みだと学校統合は進むのかということを議論してもらえればと思います。

 大学に関しては簡単に。14ページに、たくさんの大学があるということがあって、これは、確かに以前も議論したのですけれども、地域に貢献しているような大学を国が国立大学として持つべきなのかという議論があって、地方自治体が持つべきかもしれないというものとか、ほんとうに必要かどうかの議論というのは、もう一度見つめ直してやる必要がある。教員養成に関しては、各地域で必要だという議論もあるので、大学を廃止するというよりかは、大学統合とかホールディングみたいな形で、1つの地域はある1つの大学の下にぶら下がるみたいな形のいろいろな組織形態も含めながら、大学のあり方は議論していくべきかなと思います。そうすることで機能分担ができると思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、大宮委員、老川委員、土居委員、順でお願いいたします。

〔 大宮委員 〕 常日ごろ、よく申し上げているのですが、やはり予算の配分等に関しては、評価をどう公平にするかが大変重要と考えていまして、大学は第3期の中期目標期間で、いろいろなことを大分やられるということで、あまり具体的にはなっていないような感じもしますけれども、ぜひ力を入れてやっていただきたいと思います。

 初等中等は、先ほどの統合は非常に効果があるということですので、これを評価する上で、1案なのですけれども、一般的にいうと、固定費と変動費に人件費等も含めて分ける手法がございまして、これは、例えば、学校のインフラが統合されると、集約されるので減るだとか、校長先生とか用務の方たちの人件費がある程度減るだとかということは固定費部分だろうと思うのですけれども、変動費は実際の教育に携わっている先生方の数とかになるのでしょうけれども、そこで教育の効果がどういうふうに出ているかということを、公平な評価基準を何とか見つけ出して、うまく図っていくことによって、いろいろな学校間のよいところ、悪いところが明らかに洗い出されてくると、よい方向に動くというモメンタムになるのではないかと思います。

 それから、もう一つ、先ほどから、民間との関連のところが非常にいろいろ出ておりますけれども、経団連等で話しておりましても、団塊の世代の方たちが非常に多く出てきていて、ものすごくやる気がある、ボランティアでもいいという方たちがものすごくたくさんいるのですね。学校の先生が企業に来ている数が少ないということもあって、そこは何とかしなくてはならないと思いますが、逆に、民間から教育のところに何とかたくさんの道ができると、全体的な質の向上という視点からは大変よいことが出るのではないかなと思いますので、この辺もぜひやっていただければと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、老川委員、お願いいたします。

〔 老川委員 〕 初等教育と大学教育、それぞれについて意見を申し上げたいと思います。

 初等教育の、いわゆる児童数と教員数について、ひところは、少人数学級、少なければ少ないほどいいのだ、こういう議論がずっと行われて、最近、多少変わってきたとは思うのですが、先ほどの小学校の統合の効果についてで言われたように、少なければ少ないほどいいというよりは、むしろたくさんの子供がいたほうが、いろいろ触れ合いがあったりということなのであって、必ずしも40人でなくてはいけない、41人になったら2つに分けなくてはいけないとか、そのようにしゃくし定規にやるべきではないのではないか。それぞれの地域の実情もあると思いますが、そういったクラスの定数と教員の配置数というものを、もう少し柔軟に対応できるように、そういう教育の仕方にしたほうがいいのではないかと思います。

 それに関連して、案外見直されていると思うのは、教科内容とクラス編成なり教員の数との関連ですね。例えば、今度、小学校から英語教育をやると。そのこと自体僕は大事だと思うのですが、全部が全部、一律に高いレベルの英語を小学校のときから学ばなくてはいけないということでもないのではないか。やはり小学校段階では、おはよう、こんにちは、私の名前は何ですとかという程度の初歩的なものでいいのではないかと思いますし、それから、そういった教育をやる場合、カリキュラム、時間ですね、どこかを減らさなくてはできないわけなので、そこをどういうふうにしていくのかとか、土曜日を充てるとか、いろんな工夫があると思うのですが、そういうことを考えると、1クラスの人数を少なくとどめるというよりは、そこら辺は多少幅を持たせても、教科内容によって教員を振り分けるとか、そういった中身の問題との関連で柔軟に考えていくべきではないのかなと思います。

 それから、大学教育に関して、赤井委員からもご指摘ありましたが、地方大学、大学それ自体をなくすとか統合するとか、これも1つの考え方かもしれませんが、総合大学か専門大学、専門といっても、大体が教育専門、あるいは医学専門と、こういうことなのですが、総合大学の中でも学部の特色といいますか、そういうところで勝負していく、そういうことがあってもいいのではないのかなと思います。

 例えば、これはたまたま新潟のテレビ局がつくったドキュメンタリー映画なのですが、田舎の小さな小学校で児童が7人ぐらいしかいない。子供が減ってしまって、肉牛を3頭入学させて、そこで何カ月か子供たちと同じように学校生活を送らせる、こういうことをやって、そのときに、牛の病気を治したりとかいうことがきっかけになって、その後、現に今、獣医さんになっている女性が、新潟の地震のとき、牛を助けたり、いろんなことをやる、そういう話なのですが、獣医になるためにどこへ行ったかというと、岩手大学農学部獣医学科ですね。岩手大学の獣医学科というのは、全国的にも獣医を育てるという意味では非常にレベルが高いということで、一生懸命勉強して、岩手大学農学部獣医学科に入ったと、こういう話なのですけれども、そのように、それぞれの地方大学が、総合大学だからといって、満遍なく同じようなレベルのことをやるというのではなくて、それぞれの地域ごとに特色のある学部の強化、そういうことによって全国から、例えば、関西方面にいる人が東北方面の有力な学部、地方大学に行くとか、そういった交流があってもいいのではないのか。それはまた、地域の活性化とか、そういうことにつながっていくのではないかなと思いますので、機能分担という考え方をもう少し具体的に進められるように取り組んでいったらいいのではないかなと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、土居さん。

〔 土居委員 〕 初等教育、大学教育について1点ずつ話したいと思います。

 まず、学校統合は、当然、これは進めるべきですし、文科省も設置者も保護者も基本的には大きく反対しているわけではありませんが、やはり結局は卒業生とか地元のコミュニティーが反対するということで、うまくいっていないケースが結構多いと思いますから、そういうところの説得をきちんとやっていくべきだと思います。

 防災拠点だとか災害時の拠点になるということはあるかもしれませんが、別にこれは学校でなくても、公民館とか、そこで教育が行われてなくてもできるような、そういう方法はあるわけですから、そこはきちんと切り離して、学校の教育の施設としてどうするかということを、統合の際には重視するべきだと思います。

 確かに、財政措置を講じると進むのではないかという見方もあるかもしれませんが、私はむしろ反対します。と申しますのは、実際、例えば、地方交付税で基準財政需要額が計算されるときに、学校数に応じて、ないしは学級数に応じて基準財政需要額が計上されるところがあって、そうすると、学校統合を進めるとか学級数を減らすとかというと、むしろ基準財政需要額が減って交付税が減る方向に動くかもしれないという、そういう潜在的な圧力があるということはあると思います。もちろんそれだから、設置者が消極的だというわけではないと思いますけれども、少なくとも、それを緩和するということだけでも十分に効果が発揮できると。わざわざ、あえて何か新しく、また補助金を追加するとか、地方交付税をどっさりまた出すとかというようなことはむしろ本末転倒で、地方交付税は、別にあえて学校統合のために増やす必要はないと。あくまでも地元の人たちを説得することが最終的なネックなので、設置者が大きく反対しているわけではないということでありますから、地元の説得を進めていただくことが重要だと思います。

 それから、大学教育のところで、ポストドクターの話は非常に重要なポイントだと私自身も思っていまして、ポストドクターは、もちろん文科系はそんなに多くはないのですけれども、やはり就職先、ポストドクターの後の仕事は非常に重要で、確かに主計官のご説明はもっともですけれども、まかり間違うと、教員の数を増やせと、ポストをもっと増やすように予算をつけてくれという要求が来かねないので、そこはうまく主計官のところでかわしていただきたいと。

 むしろ私自身が思うには、例えば、この資料でいえば18ページが象徴的なわけですけれども、ポストドクターの人たちが、次の職としてどこを希望しているかというと、結局、18ページの円グラフにあるように、同一機関で同一の状態でポストドクターを継続しているということは、できれば同じ研究所を離れたくないとか、同じ研究室でそのまま上に上がりたいという人が多いと。しかし、実際のところは、大学の組織、特に理科系は、いわゆるピラミッドの組織なわけで、下のポストはたくさんあるけれども、上のポストはそれほどたくさんないという構造ですから、当然、ポストドクターで採用されたら、そのまま真っすぐ上に上がれるわけではないということですから、そこはきちんと、ポストドクターの人たちにも理解をしていただいた上で、まさに主計官の説明にもありましたように、企業や海外の大学も含めて、私は私立大学も重要だと思うのですけれども、ちょっと言い方は悪いかもしれませんが、国立大学から私立大学に行くと、ランクが下がったみたいに思う人も中にはいるかもしれないというのは、そういう見方をきちんと改めていただいて、ないしは、研究をする教員と教育をする教員と教員でも質が違うとか、そういうような偏見をなくしていただいて、きちんと研究手法についての教育を受けたポストドクターの方々がしかるべきポジションできちんと仕事ができるようにする方法というのは、お金を増やさなくてもできる道もまだまだたくさんあると思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 それでは、時間もありますので、今、名札を立てていただいている方に限らせていただきます。ご意見、簡潔にお願いできればと思います。古賀委員、佐藤委員、碓井委員、竹中委員、黒川委員。その順で、古賀委員、お願いいたします。

〔 古賀委員 〕 ありがとうございます。赤井さんと土居さんが私の疑問に答えていただいたような感じはするのですけれども、小中学校の統廃合についてです。地域から子供の笑い声や活発な姿がなくなることは寂しいことだと思うのですけれども、いずれにしても、現状ではこのことを進めなければならない。資料には、統廃合による良い効果や、アンケートの良かった点ばかり並んでいますが、それならば、なぜ進まないかということがよくわからない。それについて、赤井さんや土居さんから答えをもらったかなとは思っているのですけれども、一体どこが課題で進まないのかということを財務省の方はどういうふうにお考えになっているか、そのことを少しお聞かせいただければありがたいと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 では、井藤主計官、簡潔にお願いします。

〔 井藤主計官 〕 後でごらんいただければいいのですが、参考資料の4ページと5ページ、6ページのあたり、文科省は昭和31年に学校統合を実は進めようとしたのです。これも時間がないので後でごらんいただければと思うのですが、学校数は、実は30年からしばらく減っているのですね。ところが、48年に、6ページなのですが、文科省が別の通達を出して、やはり「慎重な態度で実施すべきもの」とか「住民に対する学校統合の意義について啓発については特に意を用いること」と通達でおっしゃられていて、それ以降、全然進まなくなっているというようなことがありまして、我々も断片的な聞きかじりでこの場で言うわけにはいかないのですけれども、そんなこともあろうかなということはあります。

〔 吉川分科会長 〕 では、佐藤委員。簡潔にお願いします。

〔 佐藤委員 〕 初等中等教育について2点と、大学教育について2点ですけれども、簡潔にやります。初等中等教育ですが、これは限りなく地方財政の問題なので、地域差というのは当然あってしかるべきだし、あるのだと思います。我々は、今、東京にいるので、何となく東京の教育を全国の教育と同一視しがちかもしれませんが、やはり地方における公教育と東京における公教育の課題は全く違うし、地方はまさに子供が減っているので統廃合が大きな問題になりますが、東京のほうは、先ほどご指摘があったように、子供の数が減っているというよりは、学校の質の問題、教員の質の問題をどう理解するかというところだと思います。特に学校の先生のステータスというのは田舎のほうが高いので、東京に来ると、どうしても能力の高い人はほかの仕事をしてしまうので、教員の待遇で、どうやって質のいい人を確保するかという視点がなくてはいけないかなということが1点。この1点で中等教育は終わりです。

 大学ですけれども、さっき、土居さんがなぜ言わなかったのか不思議だったのですけれども、国立大学と私立大学のイコールフッティングの話もほんとうは考えなくてはいけなくて、必ずしも国立大学が教育、研究の全てではないので、では、国立大学の中でも、本来は私立大学と競合関係にあるような大学の立ち位置をどう理解するのかという問題。これは、機能分化にかかわる話だと思います。地方大学はむしろ、ある意味、地域の人材の育成というところに特化していくものでありまして、病院に少し近いと思うのですが、ある意味、慢性疾患に対応するべき病院と高度な医療をやるべき病院というのは本来あるべきなのに、みんなが同じようなことをしようとしているから、どこも同じようなことをやっているという話になっているのだと思うので、地方に関していうと、やはりもっと地域の人材の育成というところに主眼を置く、つまり、教育にむしろ重点を置くという、教育大学という形で再編制していく視点がなくてはいけないのかなと思います。

 あと、最後、1点だけ。ポスドクの話ですけれども、日本というのは、相変わらず労働市場が学部卒業で、みんな就職していくということがあって、その後、ドクターを取ると、なかなか就職先がないというのは、これは文系でも理系でもある話だと思うのですが、これは日本の労働市場、若い人、二十二、三歳の子供を採って、その子供を会社の中で育成していくというトラディショナルな日本の労働市場のあり方とも深くかかわるので、ここはそちらを見据えながら考えなくてはいけないのかと思いました。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。

 碓井委員。

〔 碓井委員 〕 小中学校の統合についてですが、先ほど、赤井委員からご指摘のあった中に、多分、示唆されていることだろうと思うのですが、統合を助成する措置については、先ほど土居委員からご意見があったようですが、それと別に、義務教育費国庫負担制度の仕組みの中でどう考えていくかというときに、今の佐藤委員のご発言にもありましたが、地域によって、どうしても特別の事情があって統合を進めないというところもあるわけですが、そういうところは、みずからの地域の負担でという選択、これは義務教育費国庫負担の点では抑制ということになるのですが、そういうことも含めたご検討をお願いしたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、竹中委員。

〔 竹中委員 〕 ありがとうございます。前回の就労の話のときにも少し言いましたけれども、やはり特別支援校は別なのだ、特別支援校は除くところから話が入っていて、日本のように、ほんとうに障害のある子とない子が分けられて教育を受けて、社会に出ても分かれている、先進国ではそういうのは非常に少なくなっているというか、ないと言ってもいいような状況なのですね。

 オリンピック・パラリンピックを迎えるに当たっても、ロンドン・オリンピックからこれらは統合された委員会になり、東京オリンピックではもっとそれを進めようということで、今、政府内部では、東京オリンピック・パラリンピックを全く一体化して、スペシャルニーズオリンピックが今のパラリンピックのような位置づけといったような考え方なども出てきています。それから、高齢化によって、家族の中に車椅子に乗っているおじいちゃん、おばあちゃんがいたり、認知が出てきているおじいちゃん、おばあちゃんがいたりということがある。けれども、子供はそういう人とのおつき合いは薄いままという中で、もうそろそろ根本的に、働くというところにいく手前の教育のところ、人がともに生きていくという部分のところから一緒に考えないといけないのではないか。先ほど、牛が入学したというお話ありましたけれども、逆に、人間同士がもっともっと学び合いせなあかんところがあるのかな。それで、何が起きているかというと、では、特別支援教育は貧しいかというと、そうではなくて、ものすごく人員に不相応なぐらいの予算と設備があったりもするのですね。すごく、そういうアンバランスなものを感じています。障害あろうがなかろうが、一緒に支える人になっていくための位置づけで、制度と、こういう予算のお話、決算のお話も含めてですけれども、ともにされていただきたい。私が言わんと誰も言わないと思うので、ぜひそこの視点をこれから入れていっていただければありがたいかなと思います。よろしくお願いします。すごく優秀な、ほんとうに社会の支え手になる人もたくさんいらっしゃるので、日本の国は今、もったいないことをしていると思っています。よろしくお願いします。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、お待たせしました。黒川委員。

〔 黒川委員 〕 ありがとうございました。では、まず義務教育についてでございますけれども、これは先ほどからいろいろ意見が出ているように、我々が地方の義務教育の現状を念頭に置くのか、都市部を念頭に置くのかで全く違うことではないかなと思います。例えば、今日議論が出てなかったのは、塾の問題もあわせて考えなくてはいけなくて、おそらく、少なくとも都市、中核都市だけではなくて、都市であれば、塾の、義務教育のいわゆる狭い意味での学力に対する貢献度は非常に大きい。そういう中で、義務教育というものは何であるのかということを考えなくてはいけない。そこで、財審としては、とりあえず統合問題なのでしょうけれども、そこにあわせるとすると、やはり子供たちの中で、塾に行っている子供と塾に行ってない子供、こういう問題も考えて、要するに、義務教育の教員がどのような教育をするのか、あるいは、どのような子供たちを念頭に置いて教育するのかによっても、統合の効果は違うのではないかなと素朴に、僕は文科省のことはやってないのでわかりませんけれども、そういうことも調べてみる必要があるのかなと思いました。

 それから、大学教育のほうなのですけれども、特に今日はポストドクターの問題がありました。大学、大学院あわせて、我々は研究成果を出すのも1つですけれども、やはり教育成果というものも正しくはからなければなりません。教育成果になると、社会全体に対してどのぐらい還元するか、社会をよくすることに貢献する人たちを輩出するかということで理念的には考えるべきだと思うのですけれども、そうなったときに、ポストドクターが多過ぎるのではないかということで、もう少し考えなくてはいけないのではないかという議論にもなるかもしれませんが、少し長くなりますけれども、1つだけ、私の分野の公認会計士の試験制度が揺れまして、大量に合格を出したときのことがあるので、インフォメーションとして。監査人が大量に要るからというので、二、三年、公認会計士の大量合格を出して、今度、監査の仕事があまりないということで、監査法人で大量離職ということになってしまった。これは、非常に政策の揺れの影響を受けて、我々の後の世代の、そういう道を選んだ人たちは大変だったと思うのですけれども、しかし、悪い面だけではなかったということが、最近少しわかってきまして、何かというと、監査法人を辞めた、しかし、公認会計士の資格を持っている人たちが、企業の経理部にかなり雇ってもらえたということがあったのですね。初めから、アメリカ型に会計士の数を増やすという政策でもあったのですけれども、なかなか進まなかったのが、企業にも協力していただいて、大量に、かなり経理部に会計士の資格を持っている人が入った。というわけで、監査人のほうも経理部との対話がすごくやりやすくなったということで、経理部にも公認会計士、要するに、それだけの知識がある人が増えたことは非常によかったということなのですね。

 だから、ポストドクターの問題も、結局、大学の中にとどまるだけではなくて、いろんな社会に出ていって、貢献してもらいたいというところに尽きる。そうなると、もう少し大学の就職あっせんとか、そういうところも考えなくてはいけないし、それから、子供たちに対する、大学の教員としても、君たちの将来というのは、何も大学に残るだけが将来ではなくて、いろんな道があるということで、それから、途中で路線が変わっても、そのほうが一生を終わってみると、すごくよかったということがいっぱいあるということで、今現在の教員としても、自分が抱えている子供たちに対する先々の活躍の場に対して、いろんな可能性を示していく、こういうことも大切なのかなと思いました。

 以上です。長くなりました。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。では、少し中途半端ですが、2時間になりますから、予定どおり5分ぐらい休憩をとって、皆さん、また集まられたところで、11時半過ぎぐらいから再開したいと思います。

( 休  憩 )

〔 吉川分科会長 〕 では、時間もありますので、そろそろ後半を再開させていただきたいと思います。ご着席、お願いいたします。

 それでは、後半は公共事業の議論でございます。では、小野主計官、お願いいたします。

〔 小野主計官 〕 お手元の資料3をごらんいただきたいと思います。時間ございますので、簡潔に説明したいと思います。

 おめくりいただいて、3ページをごらんいただければと思います。我が国の人口の推移でございます。ご案内のとおり、今後30年間で16%、生産年齢人口ということにすると30%減っていくということで、これはマクロの数字なわけですが、4ページをおめくりいただきますと、先ほど、地方財政のときにも議論がありましたけれども、市町村レベルで見ると、極めて大きく人口が減っていくところがあるということで、左側のところを見ていただきますと、半分以上の市町村において3割以上人口が減っていくと。人口が半減するような市町村も100を超して存在してくるということが予測されております。

 さらに右側には、先ほど、増田委員からご指摘ありましたが、これは、増田委員の資料をそのまま使わせていただいておりますけれども、特に若年女性の人口が大きく減る自治体では、まさに消滅可能性というような市町村も500以上あるのではないかと、こういう分析もあるということでございます。

 その上で、右側、5ページをごらんいただきますと、社会資本の整備水準でございますが、ここでは高速道路の路線網、イメージで昭和61年と平成26年、ごらんいただきますと、1万キロを超してきているということで、相当整備が進んできておりまして、新しくつくるべき部分はそんなに大きくないということ。それから、下のほうで、車の台数、あるいは全体の道路の走行キロ数を見ていただいても、ほぼ頭打ちになってきているということで、新しく整備するものはそれほど大きくないのではないかということが、同じようなことを6ページ、7ページで、下水道汚水処理施設、港湾、空港について資料をつけさせていただいております。説明は省略させていただきます。

 8ページ、こうした社会資本の整備水準の向上、人口減少等を踏まえますと、今後の、特に新たな投資については、国際競争力の強化、防災対策というようなものを厳選していくことが引き続き必要であろう。むしろこれからは、既存のストック、これを適切に維持管理していくということ。それから、これを更新していく際に、人口減少といったような状況を踏まえて、そのまま更新するのではなくて、スペックの見直し等々も含めた、よく必要性を見きわめた上でやっていく必要があるのではないかということでございます。

 そこで、次のページ以降で、社会資本の維持管理・更新について若干、資料をつけさせていただいております。10ページをごらんいただきたいと思います。これは、昨年末に、国土交通省の審議会で、今後の社会資本の維持管理・更新費用の推計というものを行っております。これは、国交省所管の10分野の社会資本について数字を示したものですけれども、ごらんいただきますように、2013年度で約3.6兆円、これは地方のものも入っておりまして、3.6兆円というものが、10年後、20年後には、ごらんいただけますように増えていくということでございまして、やはり社会資本、高度成長期に多くできておりますので、そういうもので更新期を迎えてくるものがどんどん増えてくるといったようなこともあって、自然体でこういう形で、維持管理・更新費だけでも増えていくことが予測されております。

 右側ですけれども、ただ、社会資本の管理というものを、どこがやっているかといいますと、これは主として自治体であります。社会資本のおよそ、特に道路なんかでいいますと、総延長の7割ぐらいは市町村管理と言われておりまして、こうした中で、市町村が維持管理・更新についてどの程度問題意識を持っているかということでアンケートをとったものが、この資料であります。都道府県・政令市で41.8というところに赤い丸をつけておりますが、どの程度の費用が今後必要となるか把握していないという団体がこれだけございます。市町村になりますと、7割が把握をしていないということでございまして、この右側に予算執行調査ということで、昨年、私どものほうでやりました調査がございます。これは、特定の急傾斜地崩壊防止施設ということで、崖地に土留めをしたりとか、柵を設けて落石防止をしたりとかというようなことで施設をつくっているところがありまして、こういうところの維持管理について、自治体がどの程度問題意識を持っているかということを調べたものでございます。

 そもそも、そういう施設の台帳を整理していないところが8割、維持管理計画を策定しているところはあまりないのですが、策定予定もないところが34%、それから、実際に過去10年間で定期点検をやっていないところが7割。それから、補修、修繕の実績のないところが9割ということで、かなり驚くべき実態が出てきておりまして、こういうことも踏まえると、維持管理・更新について、地方レベルも含めてやっていくことが喫緊の課題であるということでございます。

 そこで、12ページ、13ページということで、政府のほうで関係省庁の連絡会議を設けまして、昨年末にインフラ長寿命化の基本計画というものをつくっております。その概要は、左側に掲げておりますけれども、この中で、国のそれぞれの分野、それから、各自治体ごとに長寿命化の行動計画をつくって、その中で今後の維持管理・更新にかかる費用の見込みを含めて明らかにしてくださいというお願いをしているところでございます。

 特に市町村レベルは、なかなか急にできないものですから、およそ3年間ほどかけて、来年、再来年ぐらいまでには全ての自治体まで含めて、こうした維持管理・更新の計画をつくっていただこうということで予定をしているところでございます。

 めくっていただいて15ページをごらんいただきますと、自治体の中にも、危機意識を持っているところは幾つかございまして、そこにさいたま市と秦野市の例を掲げておりますけれども、やはり人口が減少していくことも含め、さらに費用がかかっていくこともあって、自分のところで保有している施設、これ自体をなるべく整理・統合して減らしていこうというような計画を実際に立てているところもございます。右側、秦野市の例ですと、今後40年間で公共施設の面積を3割削減するといったような数値目標を掲げている、こういった事例もあるということでございます。

 さらに、16ページ、17ページをごらんいただきますと、要らなくなった公共施設を解体撤去するといったような需要も出てきておりまして、そういうもので、既に予定があるものだけを積み上げますと、その撤去費用で見ますと4,000億円を超してくるような規模になっているといったようなことを総務省のほうで調べてわかっているということがございます。そういうことも踏まえまして、右側でございますけれども、地方債の特例ということで、これまで認められていなかった解体撤去費用について地方債の発行を認めるといったような措置を総務省で手当てしておりまして、これは先ほど申し上げた長寿命化の行動計画、こういうものをきちんとつくっている自治体に対しては、こういう特例を認めようといったようなことで、きちんと計画を立てるインセンティブにもしようといったようなことをやっているということでございます。

 以上が維持管理・更新の話でありまして、おめくりいただいて、20ページをごらんいただきますと、これは、昨年末に予算編成の基本方針として閣議決定されたものの抜粋でございます。ごらんいただきますと、今後の社会資本整備については、「既設施設の機能が効果的に発揮されるよう計画的な整備を推進していく必要がある」という記述がございます。これについては、今申し上げましたようなインフラの長寿命化計画、こういうものをきちんと整備して、維持管理・更新の分野を中心に計画的にやっていくことが、まず本筋、一番大切なことであると私どもでは思っているということでございます。

 ただ、右側につけております資料をごらんいただきますと、これは建設業の業界団体から出されている要望でありますけれども、そこにありますように、社会資本を中長期的な観点から計画的に整備するため、必要な公共事業予算を安定的、継続的に確保することというような要望が昨年来、強くなされております。これについては、少し飛ばしていただいて、26ページをごらんいただきますと、中長期的に公共事業の総額の見通しがどのぐらいあるかということを示してほしいという声が昨今、若干ございまして、ただ、26ページにつけておりますのは、過去ありました公共事業の長期計画でございます。かつては、このように分野別に計画を5年ないし7年といったようなことで、その中で事業規模はこのぐらいということを示していた例がございます。ただ、これにつきましては、予算配分の硬直化を招いているのではないかと。さらに、縦割りの計画で、要は、予算配分の硬直化、縦割り、相互連携が不十分ではないかといったようなご批判がございまして、小泉政権のときですけれども、平成13年、平成14年にかけて議論いたしまして、こういう事業量を明示した計画はやめると。その際、この財審でもご議論いただいたと記憶しておりますけれども、27ページをごらんいただきますと、右側の中期展望の中ほどですけれども、計画策定の重点を事業量から計画によって達成することを目指す成果とすべきといったような記述がございます。

 これを踏まえて、28ページでありますけれども、現在、それを踏まえて、社会資本整備の重点計画というものを、従前の長期計画にかわってつくっております。そこにございますように、いろんな指標を用いておりますけれども、例えば、空港の発着容量ですとか、無電柱化比率ですとか、必ずしもきちんとした成果目標になっていないというご批判もあるところですけれども、ただ、数字としての事業量ということではない形に今やってきているということでございます。こうしたことを踏まえると、計画的な整備と申しましても、かつての長期計画のような事業量を明示していくということは適切ではないのではないかと私どもは考えているということでございます。

 最後に、こうしたことを業界で要望されてきている背景には、22ページ以下に資料をおつけしておりますけれども、足元の建設業における人手不足があります。入札しても、なかなか落札しないということがございまして、技能労働者を中心に人が足りなくなっているといったような事情がありますけれども、人口減少が全体に進む中で、建設業の労働者だけ維持していくことも現実には難しいこともございますので、25ページに資料をおつけしておりますけれども、むしろ、ある程度人員が減っていくことは前提とした上で、いろんな技術革新等々も入れていきながら、少ない人間で必要な事業をやっていくといったような工夫も必要ではないかということも指摘しておきたいと思います。

 以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、会議、12時までですが、発言を希望される方、また名札を立てていただければと思います。赤井委員、小林委員の順でお願いします。どうぞ。

〔 赤井委員 〕 社会資本のほうも地域の観点から勉強させていただいているので、維持管理に関して1点だけ。いろいろできることを考えているのですけれども、まずできることは、どのぐらいコストが将来かかるのかということをしっかりと把握して、適切なメンテナンスが行われているのかということをチェックすることだと思うのですね。市町村レベルで、個別のストック別に、今後、どのぐらい維持管理費がかかるのかと。実際、ノウハウがないところもありますので、そういうノウハウに対して、国交省もガイドラインをつくろうとしているみたいですけれども、そういうのをしっかりとつくって、市町村レベルでの情報を把握することが大事なのかな。そのコストが、今後の財政運営戦略にどういう影響を与えていくのか。積立金がたまっているというのが、先ほどのところで議論がありましたけれども、何となく不安だからためているというような地方の意見もありまして、そうではなくて本当に必要な額とか必要なインフラ維持をやった上で、そういう積立金のことを考えてもらいたいなと思います。

 私も、今度の学会で発表しようかなと思って、市町村の将来シミュレーションみたいのをやろうとしているのですけれども、ここでも公共施設は総務省が主導していて、公共インフラは国交省が主導していてというところで、やはり連携は重要なので、そこも頑張っていただきたいと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。

 小林委員。

〔 小林委員 〕 まず、インフラ長寿命化に絡みまして、メンテナンス産業の育成ということが計画の中に盛り込まれていますけれども、これは今後の日本の産業とかを考えていく上でも、やっぱり推進していかなければいけないなと。そのためにも、いろんな方策を考えていかなければいけないのだろうなと思います。

 1つ質問なのですが、26ページのところで、事業長期計画が事業規模を示さない資本整備重点計画に変わったというお話がありますが、これは、第1次から見ると、もう10年以上たっているのですけれども、これでよくなったとか、あるいは、それをやることによってのデメリット、こういう弊害が出ているとか、そういうことはもうある程度出てきているのでしょうか。もしあったら教えてください。

〔 吉川分科会長 〕 では、お答え、お願いします。

〔 小野主計官 〕 よくなった部分というのは、なかなか明確に示すことはできないのですけれども、特に悪くなったことはございません。ただ、アウトカムということで、いろんな指標で出てまいりましたので、この指標が達成されているかどうかということが、ある意味、目標を示して、それがどうなっているかわかることになったということ自体はよくなったと考えております。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。

 それでは、増田委員、土居委員、田中委員、角委員、佐藤委員の順でお願いします。

〔 増田委員 〕 ありがとうございます。簡単にやります。考え方でいえば、この資料を見ていて、例えば、各県とも、道路建設課というところがあるのですが、どちらかというと、そこに人材を集めていたのを、これから道路維持課のほうに優秀な人材を集めると、こういう変化をそれぞれでやっていかなくてはいけないということだと思うのですね。ですから、それだけ、これからのストックをどういうふうに良好にしていくかということに、この分野は変えていかなくてはいけないと思います。

 たしか、先週だったと思うのですが、国交省が1キロメッシュの2050年の予測のデータを出したと思うのですが、あれは、国交省で出すので、すぐインフラ整備に結びつけるのだろうと、そういうふうに見られるのですが、2050年の1キロメッシュのデータというのは、私もぱーっと見ましたら、非常に有益で、多方面で使えるのではないかなと思うのですね。多分、国土形成計画に反映させるということだと思うのですが、そういう有益なデータが各省にいろいろあると思うので、ぜひ財務省などにお願いしたいのは、広い意味での社会資本系のものは各省にまたがっているので、ちょうど、これから、その中でも特に人口減少を考えると重要な、例えば、病院ですね。地域医療計画をつくって、大きな再編をしていかなくてはいけないですが、病院だとか、先ほど学校統合の話があったのですが、学校ですね。それから、バスターミナルも、聞くと、非常に老朽化しているものが多くて、これから改築だとか何かしていくというものが多いと言っていましたが、そのようなものを全て、それぞれのところで新しく建築したりしていくのではなくて、やはり全体を束ねて、メッシュデータの上などに情報を重ねて見える化して、それでコンパクト化する、集約化すると、そういうことをこれから横串で通してやっていく必要があるのではないかなと思います。

 あと、3点目、労働力の関係は、これは先ほど説明があったように、全ての分野、全ての産業に及ぶ話なので、やはりそのために長期的な予算というよりは、やっぱり無人化技術だとか、別な面での対応を、この分野は急ぐべきだろうと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。

 では、土居委員。

〔 土居委員 〕 インフラの長寿命化というのは非常に重要だと思いますけれども、むしろ資料の15ページにあるように、長寿命化も大事ですけれども、やはり残すべき施設の選別というのも非常に重要で、さいたま市や秦野市のように、都市計画道路の廃止とか、施設の3割削減とか、そういうようなことを全国的にもやっていくべきですし、特に人口減少が進む市町村には、これを積極的にやっていただかないと、全てを維持するということではもたないと思います。

 それから、1つ質問なのですけれども、26ページに社会資本整備重点計画に一本化されて、現在、第3次であるというご説明があったのですけれども、社会資本整備、公共事業に関する国の計画というのは、ほんとうにこれ1本なのかどうか。ほかにも類似の計画があって、その類似の計画でも、これを目標にしてやるぞ、あれを目標にしてやるぞというと、いろんな形で公共投資をもっとやれ、もっとやれという話になりかねないと思いますので、そのあたりの整理は必要ではないかなと思いますけれども、ほかにあるかどうかということをお伺いしたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、事務局、お願いします。

〔 小野主計官 〕 公共事業関係、特に国土交通省になりましてから、所管がほぼ国土交通省で、農業は別途ありますけれども、国土交通省に統一されましたので、ここで所管している部分については、この計画1本で、これを閣議決定しておりますので、競合するものはないと認識しております。

〔 吉川分科会長 〕 では、田中委員。

〔 田中委員 〕 ありがとうございます。私は、4ページの中長期の2040年を見据えた資料、増田委員の提出資料もありますけれども、これが多分、冒頭に主計官が説明されたように大きな課題になっていると思うのですけれども、他方で、続いて説明されたことというのは個別の非常に具体的な課題であったと思います。そして、さらに今、計画が示されているのですけれども、どうも2040年までの課題、大きな人口減少と高齢化の課題と、ここの計画が、平成28年度までとはいいながらも、うまくかみ合っていないのではないかと。やっぱり個別の対症療法に終わってしまっていて、もっと大きなグランドデザインがないと、筋道がまだ見えてきていないような印象を受けたという次第です。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 角委員。

〔 角委員 〕 公共投資におきまして、新規投資よりも更新投資に目を向けるというのは非常にありがたいといいますか、2つ例を挙げますと、1つは、万博公園の横に大阪府がホテルをつくったのですけれども、新たな宴会場をつくるときは補助金が出る。だから、修繕をすれば、宴会場がきちっと機能するのに、それでは補助金が出ないから、どんどん宴会場をつくっていって、13ぐらいできましたかね、そして、結局破綻をして、阪急が受け継いだというケースがあります。

 もう一つは、阪神・淡路大震災のときに、西宮北口と夙川間の鉄道の高架が壊れました。あれは単に高架工事をやるときは、当然、補助金が出ます。だけど、壊れた高架については事業者負担になります。ですから、やはり費用対効果といいますか、新設はもっとシビアにチェックをしながら、やはり更新によって機能を上げる。例えば、電車でいいますと、今つくっている電車は電力使用量が半分になります。ですから、そういうことをすることに対して、きちっと補助金をつける。ただし、新たにつくるものについては、よりシビアなチェックを入れていただく。そのときの一番大事な観点は、もう政治の世界がありますので全国平等にということはあるとは思うのですけれども、今回の国家戦略特区もそうですけれども、やはり国際競争力の観点で公共投資については重点配分をしていただければと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 では、佐藤委員、お待たせしました。最後に、簡潔にお願いします。

〔 佐藤委員 〕 1点、質問なのですけれども、ここでの議論と、いわゆる社会資本整備総合交付金や防災安全交付金との関係、特に防災事業というものを、どういうふうにここで位置づけるのか。まさに精査するべき、それはそれでいいと思うのですけれども、今後の更新であれインフラ整備であれ、精査するべき対象として、防災はどういうふうな位置づけになるのかなということが、いまいちよくわからなかったということと、もう一つは、これは私がPFI推進委員会の委員でもあるからですけれども、本来こういう社会資本の整備の更新についていうと、上下水道であるとか公共施設関係というものは、必ずしも税金を投入すると考えるよりは、収益事業を抱き合わせて、民間資金をどう使うかという視点がないと、特にここ10年で12兆円やるのだというアクションプランもあることですから、いずれにせよ、公費を使うことを必ずしも前提にする必要はないのかなと思いました。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 では、1点目、防災ですか、お答えいただけますか。

〔 小野主計官 〕 防災安全交付金、ご案内のように、一昨年の議論で、もともとの社会資本整備総合交付金の中から、防災安全の部分を切り出してつくっております。それと今日の議論との関係ですけれども、長寿命化の行動計画をこれからつくっていくことになりますけれども、その際に、多分使われるお金の大宗が、この防災安全交付金になろうかと思います。したがって、こういう計画をきちんとつくっているところに対して重点配分するような仕組みができないかということを、今、国土交通省と議論しているところでございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、倉重委員。

〔 倉重委員 〕 今日の話、3つあったのですけれども、最後のやつで、公共事業の維持管理について、いかに自治体が先をあまり考えてないかということ、ショックなデータも出ましたけれども、共通する話は、デモグラフィーというのですか、人口動態の変化によって、この先、相当考えなくてはいけないことが出てきたということだと思うのですね。小中学校の統廃合みたいなことをしたらいいという話がありましたけれども、これも、いい面もあるし、先ほどおっしゃったように、ナショナルミニマム的に、どこまでそれが許されるのか、あるいは、平等という観点から、いろんな政治的な考え方もあるし、だから、こうなってくると、教育を犠牲にして、ほかの行政サービスをとるかとか、そういう価値判断にもかかわるような重要な論点がたくさん出てくる気がしまして、ということは、1つの人口動態変化を軸にした、非常に大局的な財政対応策みたいなものを、まさに今、アベノミクスで、当面は、あまり問題ない財政計画がつくれる中で、今こそ、そういった中期財政計画とは別個の軸を持ったことを考えるのが財政審の仕事ではないかなと、私、今、印象的に考えました。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。時間が参りましたので、本日の議論はここまでとさせていただきます。

 次回は4月16日10時から、この会議室で開催し、海外調査の報告をしていただきます。いつもながらですが、本日の会議の内容の公表につきましては私に一任いただき、会議後の記者会見でご紹介させていただきます。会議の個々の発言につきましては、大変恐縮ですが、皆様方から報道関係者等に対してお話しすることのないよう、お願い申し上げます。

 では、これで閉会といたします。ありがとうございました。

午後12時00分閉会

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