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財政制度分科会(平成26年1月28日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録
平成26年1月28日
財政制度等審議会


 財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

平成26年1月28日(火)13:29〜15:05
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

1.開会

2.事務局説明
・平成26年度予算及び平成25年度補正予算
・平成26年度予算の建議の反映状況
・中長期の経済財政に関する試算(中長期試算)
・後年度影響試算

3.財政制度分科会の今後の進め方について

4.閉会

配付資料
○ 資料1−1    平成26年度予算及び平成25年度補正予算のポイント
○     −2    平成26年度予算フレーム及び平成25年度補正予算フレーム
○     −3    参考資料
○ 資料2        「平成26年度予算の編成等に関する建議」の反映状況
○ 資料3−1     「中長期の経済財政に関する試算」(中長期試算)の概要
○     −2     「中長期の経済財政に関する試算」(中長期試算)公表資料
○ 資料4−1     「平成26年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算」の概要
○     −2     「平成26年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算」公表資料
○ 資料5       財政制度分科会の今後の進め方(案)

出席者

分科会長 吉川 洋           山本大臣政務官
香川主計局長
福田次長
岡本次長
太田次長
大鹿総務課長
小宮調査課長
井口給与共済課長
窪田法規課長
堀田官房参事官
江島主計企画官
堀内主計企画官
宇波主計官
余島主計官
阪田主計官
有泉主計官
青木主計官
井藤主計官
新川主計官
土谷主計官
高村主計官
小野主計官
中村主計官
分科会長代理     田近 栄治  
 委員

井堀 利宏
碓井 光明
岡本 圀衞
倉重 篤郎
黒川 行治
田中 弥生
土居 丈朗
富田 俊基
鳥原 光憲

 臨時委員

赤井 伸郎
板垣 信幸
老川 祥一
大宮 英明
葛西 敬之
小林 毅


午後1時29分開会

〔 吉川分科会長 〕 定刻ですので、ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。本年初めてですが、本年もまたよろしくお願い申し上げます。ご多用中のところ、ご出席賜りまして、ありがとうございます。

 本日は、事務局より「平成26年度予算及び平成25年度補正予算」、「平成26年度予算の建議の反映状況」、「中長期の経済財政に関する試算(中長期試算)」及び「後年度影響試算」について説明をしていただき、その次に、当分科会の今後の進め方についてお諮りしたいと思います。

 それでは、早速、議事に移らせていただきます。

 まず、「平成26年度予算及び平成25年度補正予算」、「平成26年度予算の建議の反映状況」について、大鹿総務課長及び小宮調査課長より説明をお願いいたします。

〔 大鹿総務課長 〕 主計局総務課長でございます。よろしくお願いいたします。私からは、26年度予算と25年度補正予算の全体的な姿につきまして、ご説明、ご報告をしたいと思います。資料は、1−1と1−2、この2つに沿いましてご説明を進めたいと思います。

 まず、資料1−2、「平成26年度予算フレーム」というホチキスでとめてある紙の1枚目をごらんください。ここで、26年度予算の全体的な姿が計数面でまとめられております。26年度予算につきましては、若干見た目の姿と実質的な姿といいますか、本質が異なるといった面がございます。すなわち、名目上は予算額が増大しておりまして、その結果、膨張しているといったような報道もなされておりますが、その背景には幾つかの特殊要因がございまして、そういった要因を勘案して実質で見ますと、26年度予算は前年度予算と比較しまして抑制されているのではないかと考えております。

 まず歳入でございますが、26年度予算、税収は50兆10億円と見積もられております。これは、対前年度当初に比べまして6兆9,000億円強増えております。この6兆9,000億円の税収の見積もりの増の中で、消費税率が今年の4月1日から5%から8%に引き上げられることによる影響が、備考欄に掲げられておりますように、4兆5,350億円ございます。消費税につきましては、1%当たり約2.7兆円ということでございますので、国、地方合わせますと約8兆円の消費税負担が生じるわけでございますが、来年度の国の歳入に計上できるのが4兆5,350億円ということでございます。

 ちなみに、後で一体改革のところで見ていただきますが、地方の歳入に計上できるのが0.5兆円ということで、国、地方合わせまして、来年度の歳入に計上されるのが約5兆円ということでございます。消費税について、中間納付は旧税率で行うということで、来年度中、事業者が納められる税収で国庫と地方に入ってくるものが5兆円であるということでございます。

 その他の収入でございますけれども、26年度予算額は4兆6,000億円強ということで、対前年度6,000億円弱の伸びになっておりますが、実は、ここに特殊要因が隠されておりまして、一部の特別会計について一般会計化を行うといった改革が、昨年の秋、法律が成立して、この26年度予算から実行に入ってまいります。この関係で、特別会計に直接入っていた歳入が一般会計に計上され、そして、一般会計独自の歳入と合わさって歳出として出ていくということで、すなわち歳入、歳出両建てで膨らむ面がございます。これが約8,000億円ございまして、したがって、その他の収入の増は、この特別会計改革に伴う8,000億円が含まれるということでございます。

 公債金収入については、税収及び税外収入と歳出との差額になりますが、普通国債であるところは41兆2,500億円ということで、前年度に比べて1兆6,000億円の減額になっております。これに加えまして、今年度と昨年度の2年間にわたって、基礎年金の国庫負担割合を2分の1に引き上げるために、これは消費税の増収分を活用するということでございましたが、2年間にわたっては、いわゆる、つなぎ公債として年金特例公債というものを発行してまいりました。来年度からは消費税が入りますので、この2兆6,000億円が皆減という形になっております。したがって、これを含めますと、新規の財源債の発行は4兆2,000億円ほどの減額になっているということでございます。

 他方、歳出でありますけれども、国債費は23兆2,700億円と、約1兆円の増となっております。これは、国債残高の累増に伴います利払い費の増加に加えまして、今申し上げました年金特例公債に係る元利払いが来年度、消費税収の中から20年かけて償還が始まります。この関係で3,000億円増えているという要素がございます。

 それから、政策経費であります基礎的財政収支対象経費でございます。ここが2兆2,000億円ほど増えて72兆6,000億円になっておりますが、先ほど、歳入のその他収入のところで見ていただいた特別会計改革に伴うもの、これが8,000億円弱ございまして、2兆2,000億円強からこの8,000億円を控除しますと、約1兆4,000億円になります。

 内訳でありますが、社会保障関係費の伸びが1兆3,951億円ですので、政策経費の伸びはほぼ社会保障関係費の伸びということが言えるかと思います。このうち、社会保障関係費の伸びでありますが、この1.4兆円の中で、2つ目に書いてあります「社会保障4経費の充実等」というのがございます。これは、消費税の増収分を活用して、社会保障の年金、医療、介護、少子化対策といった4経費を充実させるために用いる経費、それから、消費税率の引き上げに伴って、この4経費の中でコスト増、賄うべきもの、これが約3,800億円弱あるということでございます。25年度にはなかった要因として、この3,800億円弱があるわけでございます。

 これに加えまして、近年、補正予算で措置しておりました高齢者医療負担軽減等というものがございます。これは70歳から74歳の方の自己負担を、法律上は2割でありますが、予算で毎年毎年の臨時的な措置として補正予算で措置していた経費等でございます。これを将来的な方針が見えたということで、当初予算で計上するという予算計上の変更を行っておりまして、これも昨年度にはなかった経費として4,100億円が当初予算に計上されております。したがいまして、先ほどの1.4兆円から、これら約8,000億円を引いたところの6,000億円、これが基礎的財政収支対象経費の実質的な増加になります。

 ちなみに、この社会保障4経費の充実も高齢者医療負担軽減も社会保障関係費でございますので、社会保障関係費約1.4兆円の中で、いわゆる自然増に当たる増加分は約6,000億円になります。

 地方交付税につきましては、地方税収の伸びを反映しまして、地方の一般財源総額については、社会保障の充実分を増額しながらも、一般会計からの交付税は約2,500億円減額ができているということでございます。これには書かれておりませんが、その他の経費は、全体として微増にとどまっておりまして、基礎的財政収支対象経費の実質的な増は社会保障関係費の増というところでございます。地方交付税とその他の経費合わせて、ほとんど伸びていない状況でございます。

 全て合計いたしますと、26年度予算の歳出総額は95兆8,800億円強となりまして、対前年度当初予算に比べて約3兆3,000億円ほど増えた形にはなっておりますが、この伸びは、見ていただきますと、国債費の増加分と、先ほどご説明しました政策的経費、基礎的財政収支対象経費の伸びに分解されるわけですが、国債費、特別会計改革、消費税の増収分による社会保障4経費の充実、補正予算から当初予算に回したもの、この3兆3,000億円の多くがそういった要因によるものでございます。

 それから、政策的なターゲットであります基礎的財政収支、いわゆるプライマリーバランスでありますけれども、これは財政収支対象経費72.6兆円と、歳入のうちの税収とその他収入を合計したものとの差額でございますけれども、これは18兆円の赤字ということで、25年度当初予算に比べまして5.2兆円の改善ができたということでございます。中期財政計画上は4兆円程度の削減を目標にされておりましたが、それを1兆円程度上回って改善ができたという姿になっております。

 恐縮ですが、資料1−1をごらんいただきたいと思います。26年度予算全体のポイントを1ページ、2ページでまとめてございます。最初に1ページでありますけれども、26年度予算の性格、あるいは役割といったものを一言であらわすとすれば、安倍政権が掲げる経済再生・デフレ脱却と財政健全化をあわせて目指す予算であると思います。それから、社会保障・税一体改革を実現する最初の予算ということであろうと思います。

 各論の重点を6項目ほど挙げておりますが、競争力の強化といった関係では、科学技術の司令塔機能の強化、日本版NIH、農地バンクの創設といった点に重点を置いています。

 社会保障・税一体改革による消費税増収分を活用しまして、主として子育て支援を充実しております。それから、公共事業については、インフラ老朽化対策等に重点化を図っています。防衛予算につきましては、昨今の安全保障環境に対応する観点から、昨年度に引き続いて充実を図っています。診療報酬につきましては、新たな国民負担増を避けつつ、地域医療向けの補助金により医療の提供体制を充実させています。地方交付税につきましては、先ほど申しましたが、減額しつつ、地方の一般財源総額を確保しています。後でご説明いたします補正予算と一体として編成いたしまして、来年度前半に見込まれる反動減対策もあわせて図っているということでございます。

 財政健全化につきましては、先ほど見ていただきましたが、プライマリーバランスについて5兆円を上回る改善ができているということと、それから、新規国債発行額は、先ほどの年金特例公債を除いても1.6兆円の減額になっているということで、下に書いてあります中期財政計画の目標を上回って達成できているということでございます。

 2ページ目は、今申し上げた点を、経済指標あるいは財政上の指標で確認した資料でございますけれども、経済指標につきましては、24年度、25年度、26年度と、どの指標もかなり顕著に好転しております。

 財政につきましては、そこに同じく25年度、26年度のケースを掲げておりますが、プライマリーバランスについては、マイナス23.2兆円から18.0兆円と5.2兆円の改善が図られています。これは、実は史上2番目の規模でございまして、かなり大幅な改善が図られております。新規国債発行額1.6兆円の減額により公債依存度も43.0%、まだ引き続き高い水準にございますけれども、低下しているということで、着実な改善を見ているのではないかと思われます。

 3ページは、分野別の一般会計の状況を歳入、歳出の円グラフでまとめたものでございますが、右側の歳入のところ、消費税収が15兆3,000億円強ということで、15兆円を超えているわけですけれども、税目別で最大の収入を上げる税目になったということでございます。

 歳出につきましては、社会保障が30兆円を超えているということ。2番目に大きいのが国債費、3番目が地方交付税ということでございまして、この3大経費で歳出の約4分の3を占める状況というのは引き続き変わっていないということでございます。

 4ページをおめくりください。ここでは、主要経費別の内訳がまとまっておりますが、先ほど見ていただきました基礎的財政収支対象経費72兆6,000億円の内訳でございます。個別分野で見ますと、ここでも特殊要因が影響しております。社会保障と地方交付税は先ほど見ていただきましたので、防衛関係費をごらんください。防衛関係費は、表面上は1,310億円の増になっておりますが、実は26年度の防衛費につきましては、給与特例減額の終了に伴う人件費の増といった要因がございました。給与特例減額につきましては、昨年度と今年度について国家公務員の給与を平均7.8%減額し、その部分については復興財源として充てていたわけです。したがって、今回、給与特例減額の終了に伴いまして、それまで、復興費用等の財源とするための東日本大震災復興特別会計への繰入れとして、その他の事項経費で分類されていたものが、自衛官の給与については防衛関係費として計上されるということで、全体としてはニュートラルなのでありますが、防衛関係費としては1,000億円強、増加要因があったということでございます。その他、いろんな特殊要因を勘案しますと、実質的には0.8%の増というのが防衛関係費でございます。

 5ページ目のところを見ていただきますと、防衛の欄を見ていただきますと、26年度の予算編成に当たっては、中期防も改定されております。中期防でございますが、5年間の防衛力整備の水準、24兆6,700億円ということで、期間中の平均伸び率は1.8%。他方、調達改革7,000億円を織り込んでおりまして、予算総額としては23兆9,700億円、期間中の平均伸び率は0.8%ということで策定されております。

 4ページにお戻りいただきまして、公共事業関係費でございます。ここも名目上は6,832億円の増ということで、かなりの伸びになっているわけでございますが、先ほどご説明しました特別会計改革による影響がここで一番大きく出ております。社会資本整備特別会計というものが廃止されて一般会計化されることによって、6,167億円が公共事業関係費の増加要因になっているということでございます。これに加えて、消費税率の引上げによって資材価格等への影響もございますので、実質的に公共事業関係費は抑制されているという姿でございます。

 次に、6ページをごらんください。2本目の眼目であります社会保障・税一体改革の関係でございます。先ほど申し上げましたとおり、来年度、国、地方合わせまして、右端のところにありますが、消費税は5.0兆円、新たな歳入として入ります。これがどのように使われるかということでございますけれども、まず、ブルーの欄のところの2.95兆円と書いておりますが、その線をたどりますと、「年金国庫負担1/2等」。「等」というのは、先ほど見ていただいた、年金特例公債の償還費をあらわします。ここで2.95兆円使われるということになります。

 それから、2段目の0.23兆円(国費0.15兆円)、これは消費税引上げに伴う、医療であるとか介護のコスト増分を消費税で賄うものでございます。一番上の0.5兆円が社会保障の充実に当たるということでございまして、国費が0.22兆円となっております。残りの部分、ピンクと、その上の1.3兆円、ここは、これまで赤字国債、あるいは地方の赤字国債という形で後世代に負担のツケ回しがされていた部分が軽減されるというものでございます。この社会保障・税の一体改革によりまして、社会保障4経費と消費税収との差額が20.8兆円になっておりますが、左側にその改革を織り込んでいない姿を仮定計算しております。22.1兆円が20.8兆円に、この差額が縮小しているということでございます。

 なお、5.0兆円の消費税収の中で国分4.3兆円ということで、先ほどの4.5兆円と若干違いがございますが、この差額0.2兆円は、国の消費税収から地方交付税の法定率の増加分として地方に回る部分でございます。

 7ページ目が、国ベースの消費税収と社会保障4経費の関係をまとめたものでございます。社会保障4経費に絞りますと、歳出は26.9兆円あるのに対しまして、国分の消費税収、すなわち地方交付税として地方に回る部分を除いた部分は11.9兆円ですので、その差額は15.0兆円になります。ここでは、仮にこの差額は全て公債金で賄うという仮定を置いておりまして、公債金15.0兆円になります。

 4経費以外が下の欄でございまして、4経費以外の歳出は、地方交付税も含めまして46.0兆円、国債費は23.0兆円。これに対応する歳入が、税収で38.1兆円とその他収入4.6兆円、公債金26.3兆円になります。ここで見ていただけるのは、公債金が26.3兆円に対して、国債費が23.0兆円ということですので、3兆円ほどの乖離はありますけれども、あまり大きな乖離ではないということで、社会保障4経費以外のその他のところだけを見ると、プライマリーバランスの達成もそんなに難しいことではないと言えるのではないかと思います。そうなってくると、社会保障4経費の差額の部分が、まさにプライマリーバランスと符合してくるということでございます。

 8ページ目以下は少し割愛させていただきたいと思いますが、8ページは復興特会の26年度予算と、9ページは、いわゆる25兆円フレームの進捗状況でございます。26年度の復興特会の予算と25年度に前倒しした部分を加えまして、復興事業につきましては、9ページにありますように、23兆円程度の事業費が執行される見込みになっておりますが、25兆円の財源を一応確保しておりますので、まだ2兆円差額がある状況でございます。

 10ページ目は、各歳出分野における効率化策ということで、ここは後ほど調査課長から、建議の反映状況のところで触れていただくことにしますので、割愛させていただきたいと思います。

 それから、最後に、25年度補正予算について若干ご説明します。12ページに、10月1日の閣議決定の概要をまとめてございます。ちょっと見にくい資料で恐縮ですけれども、これは10月1日に、今年の4月1日から消費税率を引き上げることを確認した際にまとめたものでございまして、その後の経済運営のエッセンスが書かれております。

 4の(3)のところに、「新たな経済対策の策定」とありますが、この時点で、消費税率引上げに伴う駆け込み需要とその反動減を緩和して、景気の下振れリスクに対応する。それから、経済の成長力を底上げしていくという観点から経済対策を策定すること。それから、規模については、4−6月期に見込まれる反動減を上回る5兆円規模とすること。この5兆円の中には、(4)で書いてあります、消費税の反動減対策等の観点から既に決めておりました簡素な給付措置、住宅取得等に係る給付措置、こういったものが含まれるということでございます。

 13ページ以下は、その補正予算の概要でございますので、後ほどごらんいただければと思います。

 私からは以上です。

〔 小宮調査課長 〕 調査課長でございます。続きまして、お手元の資料2、「財政制度等審議会の建議の反映状況」というA4横の2段表形式のものがあろうかと思います。それをごらんいただきながら、いただきました建議の実際の当初予算への反映状況について、時間の関係もございますので、簡単に概要をご説明いたしたいと存じます。

 まず、1ページ目、社会保障からでございますけれども、建議におきまして、70歳から74歳の医療費自己負担に係る特例措置の見直し等につきまして建議をいただいておりましたけれども、予算の反映状況といたしましては、右側でございますけれども、まず医療費自己負担軽減措置につきましては、段階的に法定の負担割合とするよう見直すことといたすとともに当初予算化を図ってございます。また、保険料軽減措置につきましても、段階的な見直しを前提に検討に着手するという政府の方針、閣議決定をいたしておりまして、あわせて当初予算化を図ってございます。

 一番下の四角でございますけれども、医療費の取り扱いでございます。建議におきましては、いわゆる自然増を含む医療費の合理化・効率化に着実な成果を上げてほしいといただいておりますが、反映状況でございます。まず、医療費の国庫負担の対前年度増加額につきましては、概算要求時、3,500億円の増でございましたけれども、最終的な予算の姿といたしましては約1,500億円ということで、2,000億円弱減った姿になってございます。主な要因といたしましては、下に書いてございますけれども、薬価改定部分で1,400億弱の効果があったところでございます。

 1枚おめくりいただきまして、薬価につきましてでございますけれども、これにつきましては、長期収載品の価格の引下げ、新規後発品の価格の引下げ、うがい薬のみの処方の保険適用除外等の合理化・効率化策を実施いたしてございます。

 続きまして、診療報酬の本体部分でございます。ここにつきましては、建議におきまして、マイナス改定とすべきといただいていたところでございます。結果といたしましては、ご案内のとおり、本体部分につきましては0.1%の、わずかばかりではございますけれども、プラス改定となったところでございます。しかしながら、その際、過剰となっている、いわゆる7対1入院基本料の算定病床につきましては、まず要件を厳格化するとともに、同病床を9万床程度減少することで病床再編を推進することとしております。

 また、その際、要件の厳格化に伴って、7対1入院基本料を算定できなかった病床については、1年間めどの経過的な算定を行うことといたしまして、これに要する費用につきましては措置をいたしたところでございます。

 一番下でございます。医療提供体制改革に際しては、診療報酬だけではなかなかコントローラブルでないという、要は規制体系の見直しが必要であるという建議についてでございます。これにつきましては、病床機能の分化・連携や在宅医療の推進等を図るために、新たな財政支援制度を創設いたしまして、さらに、この提供体制改革をしっかり進めていくために、地域医療ビジョンの策定等をしっかり図っていくための法改正を、この通常国会で予定してございます。

 それから、基金の補正予算等における計上につきましても、あり方等を含め徹底的に見直していくべきという建議をいただいておりましたが、当初予算化したもの、そして積み増し計上を今回行わなかったもの等を含め、書かれているような見直しを実施いたしたところでございます。

 続きまして、地方財政でございます。まず、歳出の抑制、これは当然でございますけれども、リーマン・ショック後、設けられました別枠加算の速やかな解消を行い、赤字国債の縮減につなげていく必要があると建議をいただいてございます。

 地方歳出につきましては、国の取組みとあわせて抑制を全体として図るとともに、一般財源総額につきましても、25年度と実質的に同水準に据え置かれているところでございます。また、別枠加算につきましては、地方税収の状況を踏まえまして、0.4兆円減額、すなわち1兆円から0.6兆円の措置ということといたしております。また、交付税の特例加算につきましても1兆円減額を図ってございます。

 続きまして、地方法人課税の改革による財政力格差の是正についてでございます。これにつきましては、地方法人税、国税として創設いたしまして、地方法人税の税収全額を交付税原資として全国の交付団体へ配分することといたしております。また、消費税率10%段階におきましては、この法人住民税の交付税原資化を更に進める方針となったところでございます。

 続きまして、文教・科学技術でございます。建議におきましては、量的拡大は抑制をして、質の向上を図るべき。また、教員の給与の優遇分の縮減をすべきという建議をいただいてございます。

 まず、定数の関係でございますけれども、少子化に伴う自然減を適切に反映した上で、学校の統合の支援等による合理化縮減、これを700人を超える規模で図っております。

 他方、いじめ問題等の個別問題に対応するための増員も措置して、ネットでは若干の減少でございますけれども、基本的に基本定数の範囲内で配置改善を進めたところでございます。

 また、教員の給与につきましては、引き続き検討ということになりました。

 続きまして、奨学金関係でございますけれども、これは家計基準の厳格化等が論点でございました。基本的に基準を厳格化して運用の改善を図りつつ、低所得世帯に対する重点配分を進めたところでございます。

 また、国立大学運営交付金につきましても、既存の教育研究プロジェクト等に対する支援を削減しつつ、組織的に大学の機能強化等を行う大学には支援を重点化するなど、要は、めり張りをきかせた配分を行ったところでございます。

 また、モデル事業につきましても、右側には幾つか例示をしておりますけれども、対象学校や地域数などを限定しつつ、必要に応じて補助事業化等を図ったところでございます。

 それから、研究の不正使用等につきましても、「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン」の改訂等を行いながら、しっかり前に進める予算措置としたところでございます。

 スポーツ関係、一番下から次のページでございますけれども、既存のモデル事業につきましては、しっかり見直しを行った上で、東京オリンピック・パラリンピック関係予算への重点化を行っているところでございます。

 続きまして、公共事業でございます。建議におきましては、一層の効率化を図っていくべきと。具体的に、これは幾つか数字も挙げて建議をいただきました。年間マイナス1.5%程度の効率化は可能ではないか等、ご意見をいただいてございます。

 結果でございますけれども、社会資本整備特会の廃止の影響を除きまして、1.9%の増加という形にはなってございますが、老朽化対策などの真に必要な事業にさらに重点化を図っておりますとともに、消費税の引上げの影響も若干、短観面でございますけれども、そういう中での円滑な事業実施にも配慮した予算としたところでございます。

 中長期的な社会資本整備につきましては、昨年の11月に「インフラ長寿命化基本計画」というものを定めておりまして、これに基づきまして、府省・地方公共団体ともに、残すべきインフラの選別も含めて、既存の社会資本の効率的な維持管理・更新の取組みを進めることとなってございます。これをしっかり進める予算としたところでございます。

 一番下のところ、高速道路料金の割引の見直しにつきましては、激変緩和措置を若干措置いたしましたけれども、基本的には見直しをしっかり進めたところでございます。

 続きまして、農林水産でございます。農地中間管理機構等につきましては、関係者の都道府県も含めて、自己負担分、すなわちインセンティブがしっかり働いて、モラルハザードができる限り生じないような仕組みで措置をいたしたところでございます。

 また、米の直接支払交付金及び米価変動補塡交付金につきましては、まず、直接支払交付金につきましては、30年度には廃止をするということを決めた上で、来年度から削減することとしたところでございます。

 また、米価変動補塡交付金につきましては、26年産米から廃止、すなわち、27年度予算から廃止になりました。

 多面的機能に注目した新しい直接支払制度につきましては、農地集積という構造改革をしっかり後押しするものとし、その効果、取組みの定着状況等も検証することとしています。

 続きまして、エネルギー・環境でございます。省エネルギー関係予算につきましては、7ページから8ページに書かれてございます種々の見直しをしっかり図ったところでございます。また、石油石炭税のアカウンタビリティーの面でございますけれども、25年度の補正予算におきまして、一般会計から特会に繰入れを行っておりまして、補正後ベースでは一般会計から同勘定への繰入れは、繰入れ超過ということで、しっかり目的に沿った形で税収を繰り入れているところでございます。

 また、福島関係でございますけれども、賠償につきましては、東電の責任であること、そして、中間貯蔵施設は復興予算として計上して、事業実施後に東電に求償することを改めて閣議決定で明確化しつつ、資金繰り等につきまして必要な支援策を講じたところでございます。

 中小企業対策につきまして、これも、補助金づけでモラルハザードが生じないようにという建議をいただいてございます。基本的には、自己負担を導入したり、100%保証につきましては、ソフトランディング措置の終了等を決定いたしたところでございます。

 ODAにつきましては、円借款、選択と集中、マルチよりバイという大きな方針を建議いただいているところでございますけれども、基本的にその方向で、右側に書かれてございますように、措置を行ったところでございます。

 防衛につきましては、10ページでございますけれども、年内に新防衛大綱、新中期防を策定いたしておりまして、過去の防衛費の水準も勘案しつつ、対前年度では、人件費増の影響を除きますと実質0.8%の増ということで、現在の安全保障環境を踏まえつつ、新中期防の第一歩を踏み出すための予算となったところでございます。

 また、新規後年度負担額につきましては、概算要求から1,617億円の減という措置を講じたところでございます。

 下のほう、統合運用及び調達制度改革等でございますけれども、これらは基本的に防衛大綱等に基づきまして、しっかり予算の中でも反映させるものとしているところでございます。

 最後のページになりましたが、人事制度改革につきましても、新中期防におきまして、長期的に実行可能な施策を推進することといたしてございまして、60歳定年職域の定年のあり方の見直し等々、各種施策を実施していくこととされたところでございます。

 私からは以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。では、早速、ただいまのご説明に対して、どなたからでもご意見、ご質問をお願いいたします。

 では、赤井委員。

〔 赤井委員 〕 ありがとうございます。私が特に研究している分野から3つほど、思いを述べたいと思います。

 まず、資料1−1の10ページに効率化策というまとめがあるので、それを見ながら少し述べたいと思うのですけれども、まず地方財政に関して、多分、社会保障はほかの方からいろいろ議論があると思うので、地方財政に関して別枠加算を4割縮減したということで、効率化に寄与したということで、そこは評価したいと思うのですけれども、別枠加算というのは、最後にどのぐらい加算するかという枠であって、全体の地方財政計画のところで積み増す歳出特別枠で見ると、1.5兆円が1.2兆円に3,000億円ほど下がっただけで、まだ歳出特別枠という中身の見えない特別枠が残っているので、そこは歳出も含めて、今後、より一層見直していくということを強化したほうがいいのではないかと思います。

 その下、2番目、教育なのですけれども、無利子奨学金で質的な改革がなされたというところは評価したいと思うのですけれども、この金額、853万円が適切なのかどうかというところで、そのより一層の厳格化と、その中身、質も含めて考えていくのがいいのではないかと。例えば、所得連動型の奨学金というような形で、奨学金は強化するけれども、将来返していただくみたいな形で多様化していくというようなことも大事なのではないかなと思います。

 最後、インフラに関してなのですけれども、今後、インフラのメンテナンスが重要になってきて、拡充していくというところは仕方がないのかもしれないですけれども、補正予算でもインフラのところ、かなり予算が組まれていて、まだインフラに関しては、本当にどの部分が重要なのかというところがデータ上見えていない部分もありますので、そのデータの整備と、めり張りをつけて、単に必要だからということで、どんどん無駄なインフラまで修理していくことのないように、インフラの選別を進めていただきたいと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 では、ほかにいかがでしょうか。

 田近委員。

〔 田近委員 〕 社会保障のところなのですけれども、資料1−1の最初で、26年度予算の説明の1ページですけれども、「未来への投資と暮らしの安全・安心を推進」、このマル5の「診療報酬改定に際し、新たな国民負担増を避けつつ、地域医療向け補助金により医療の提供体制を充実」と。この基金の原資は、たしか消費税だったと思うのですけれども、それを具体的にどのように使うかというところを、もう一回説明いただければ。

〔 吉川分科会長 〕 事務局、どなたかお願いできますか。

〔 新川主計官 〕 厚生労働担当、新川でございます。資料2の2ページ目をあけていただきたいと存じますが、一番下の欄であります。医療提供体制改革のために、この基金を使うわけでありますけれども、大きく言いますと2つありまして、1つは病床機能の分化・連携、在宅医療の推進、それから、医療従事者の確保・養成ということになります。実際は、この通常国会に提出されます医療法の中で、この基金について法定する方向で今調整を進めているところでありますが、その使途につきましては、病床機能の分化・連携、この部分の施設とか病床の再編といったものについては、新たに策定される地域医療ビジョンに従ってやっていくことになりますので、本格化するのは地域医療ビジョンが策定されてからになろうと思います。

 他方で、医師の派遣ですとか、あるいは看護師の養成ですとか、医療従事者の確保・養成につきましては喫緊の課題でありますので、これらについては26年度から使っていく形になってまいります。さらに詳細なメニュー等々については、法案をつくっていく過程でさらに具体化されていくということになると思います。

〔 吉川分科会長 〕 それでは、鳥原委員、お願いいたします。

〔 鳥原委員 〕 ありがとうございます。資料1−1の12ページの消費税率の引上げに伴う対応についてです。足元の景気は明るさを増してきていますが、地域や業種、企業規模によって、景気回復の実感はまだら模様の状況にあるだけに、乗り越えなければならない大きな問題として、消費増税の価格転嫁問題があります。電力料金、原材料費の高騰などのコストアップの中で、消費税の価格への円滑な転嫁は、特に中小企業にとっては死活問題です。先日、政府は消費税の転嫁拒否に関する15万社への調査結果を発表しました。非常に時宜を得た発表ですが、回答は1万社余りと、回収率が非常に低くなっています。取引先との関係から回答しにくいといったケースなども考えられるため、より多くの声が集まるように、さらなる努力が不可欠です。転嫁拒否の疑いのある企業への調査、指導等の対応とあわせて、徹底していただきたい。そのためにも、消費税に関する広報の徹底などにより、消費税は広くみんなで負担するものであるという国民の理解の醸成に一層努めていただきたい。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 井堀委員。

〔 井堀委員 〕 補正予算の話です。資料1−1の1ページですと、補正予算、経済対策関連の5.5兆です。後半の補正予算の目的というのは、「来年度前半に見込まれる反動減を緩和」というのが太字で書いてあって、これが補正予算の最大の目的だと思うのですが、ただ、後ろの補正予算の内訳の概要を見ますと、最後の16ページで、駆け込み需要と反動減の緩和というのが6,493億円で、全体のうちの1割ちょっとぐらいしかない。ほかの補正予算は、競争力強化と反動減の緩和とどう関係しているのか、その点を教えていただきたい。

〔 吉川分科会長 〕 事務局、どなたでも。

〔 大鹿総務課長 〕 ご指摘の点ですけれども、4−6月期、反動減が予想されておりまして、そこではGDPが減少することになるのではないかと思います。そういった関係から、この補正予算の中では、消費税率の引上げに直接に関連します低所得者対策であるとか住宅の投資の平準化といったことに加えて、一定の公共投資の追加をも盛り込むという考え方に立っていると思います。概要の紙に書かれたような分類になっておりますけれども、5.5兆円の経済対策の中で、一般会計においては公共事業関係費約1兆円の追加を計上しておりまして、こういったものを中心に来年度前半の需要を引き上げていく狙いがあるということでございます。

〔 吉川分科会長 〕 ほかに。

 倉重さん。

〔 倉重委員 〕 このフレームを見ますと、何が変わったかというと、税収の見積もりが大きくなったということが最大の、過去なかった違い、過去なかったといっても、過去には幾つかそういう例があったかもしれませんけれども、7兆円も増えるということなのですけど、これが実質的には抑制的であった予算であるにもかかわらず、財政再建という意味では非常にいい効果をもたらしつつあるというご指摘でしたけれども、過去を思い出すと、これは多分、アベノミクスの3本の矢の政策の帰結だと思うのですけれども、過去を振り返ると、いわゆる財政再建を先にすべきだという議論と、上げ潮派といいますか、財政出動も含めて金融緩和もどんどんやったほうがいいという議論が随分対立的に論じられたことがあったですよね。どちらかというと財政審サイドは、やはり財政再建、増税を先にやるべきだというスタンスで議論してきたという印象を私は持っているし、私もそのほうがベターだなと思ってきた部分があるのですけれども、やはりこういう結果を見たときに、結果的には上げ潮派のほうが正しかったのかなと。ちょっと乱暴な議論かもしれませんけれども、その辺の大きなフレームの、非常に大きな数字の変化をどんなふうに経済政策的に総括するのかといった議論があってもいいような気がしまして、その辺のことについて財政当局の方々はどう思っていらっしゃるのか、お聞きしたいなと1つ思ったこと。

 あと、税収見積もりというのはどうなのですかね、毎回議論されるのかもしれませんけれども、どの程度、結果的に実態に合っているものなのかということについて、25年度の当初の43兆円が結果的に幾らになったのでしたっけね。私、数字は持っていないので、それを教えていただきたい。それと、この50兆の見積もりというのは、今後の経済運営を考えた場合に、どちらかというと、まだ膨らんでいくのか、それとも、もう少し抑制的に考えるべきなのか、その辺の見通しと、さらに言えば、この税収見積もりは一体どうやって数字的に出されていくのか、その辺の簡単な解説もしていただけるとありがたいと思いました。

〔 吉川分科会長 〕 どうぞ。

〔 大鹿総務課長 〕 まず、税収の計数の事実関係からご説明します。まず、25年度の補正後の予算額は45.4兆円でございます。これは、25年度の当初予算額に比べまして2.3兆円の増加になっております。したがいまして、今回の26年度フレームで見ますと、消費税を除いた部分では、当初どうしで比べると2.4兆円の自然増となっておりますが、補正後から比べると0.1兆円の増にとどまっているということでございます。

 それから、24年度も自然増収がございました。補正後の予算額42.6兆円に対して、決算額が43.9兆円ということで、1.3兆円の増加があった。24年度、25年度と自然増収が発生したわけですけれども、これは、ご案内のとおり、まさに円安と株高といった、いわゆるアベノミクスの効果によるところが大きくて、これが永続的なものになるかどうかというのは、また別の議論だと思います。

 それから、前段で言われた、いわゆる上げ潮派云々の話ですけれども、今回も6兆9,000億円の自然増収の中に、消費増税に伴うものが4兆5,000億円ありますので、増収措置なくして自然に財政健全化がなされていくわけではないということは、この26年度予算からも明らかだと思いますので、必ずしも財政健全化の主張が否定されているということではなくて、むしろ自然増収と増税によって、また歳出効率化の努力も行うことによって財政健全化が進んでいることではないかと思います。

〔 吉川分科会長 〕 私も、司会役ではありますが、大変重要な論点を出されたので、一言発言させていただきたいのですが、まず第一に財審のこれまでのスタンスですが、もちろん財審としてのスタンスというのは、報告書にもきちっと書かれたことをもってスタンスということだと思うのですが、成長はどうでもいいから財政再建ファーストという主張をしたことはないと思うのですね。成長も大事であるということは、むしろ再三、財審の報告書等でも強調してきたと思います。ただ、いわゆる上げ潮との、そこが大きな違いになるわけですが、成長だけで財政再建できるというのは間違っているというのが財審のスタンスだということが1つあります。

 それから、いわゆる上げ潮であるかどうかということによらず、景気がよくなければ、自然増収というものがあることを否定する人はいなくて、これは全ての人が認めているわけで、繰り返しになりますが、いわゆる上げ潮という考え方は、成長だけで基本的には、それによる自然増収で財政再建、かなりのところができるのだという、そういう主張だと思うのですね。

 それから言いますと、倉重さん、最初に、こういう数字を見ていると、上げ潮が正しかったようにも見えてくるとおっしゃったのは、私、英語で言いますと、アポーリング・アサーションという感じがして、むしろ次のご説明と中長期試算等からしても、自然増収だけではだめだということのほうが数字が語っていることではないかなと私は思います。司会役ですが、コメントさせていただきました。

 ほかにいかがでしょうか。

〔 岡本委員 〕 財審の議論の反映の総括という意味で、説明された方は、結構抑制しているのだというお話がありましたけれども、私は、これを見たときには、むしろやっぱり歳出のほうが増えているなと思っております。いろんなご苦労をされ、プライマリーバランスのほうも5兆円を上回る改善をしたとか、あるいは新規国債発行が1.6兆円の減額をしたとか、こういうところも含めてよかったということなのかもしれません。けれども、一方では、景気対策で補正では5.5兆円積んでいるとか、診療報酬のところはプラス0.1であったり、あるいは地方の別枠加算も解消されていない状況であることを考える場合に、やはりスタンスとしては、経済成長で税収が増えることも重要だし、消費税を8%にして増えるというのも重要だけど、やっぱり3面攻撃といいますか、歳出は歳出で努力しないといけないわけであって、今回の予算は歳出をかなり抑制していると見るか、やっぱりこれだけでは財政再建は難しいと見るべきか。プライマリーバランスというのは差額のほうの議論だけれども、やっぱり歳出は歳出できちっと抑えていくのだというようなスタンスが私は重要だと思います。一瞬ではなくて、今後どういう絵姿があるのかということもありますので、私はそんなふうな感じを持ちました。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 どうぞ、小林委員。

〔 小林委員 〕 昨年の予算編成のときに、随分、歳出増圧力が各方面から強い中でご苦労されたのは十分わかりますし、今のご説明でも、特殊要因を除いていくと、ということがあったのはわかるのですけれども、我々が現場にいたときにも、特殊要因を除けばこのくらいにおさまりますというような説明が結構ありまして、それが結果的には財政が膨張していくことを抑えられなかったという過去がずっとあります。それから考えると、少し厳し目に今回の予算を評価したほうがいいのではなかろうかなと思います。

 これは、別に質問ではないのですけれども、例えば、先ほど赤井先生からも指摘がありましたけれども、公共事業に関して言うと、特殊要因を除いて1.9%増ということですね。では、この1.9%増というのは、ほんとうにもうしようがないものなのか、もうこれ以上抑えることはできないであるとするならば、建議のときに、年間マイナス1.5%程度の効率化が可能という建議自体が、そこで間違っていたという議論もできるのですね。ということは、その1.9%増をどう評価するのか。このあたりは、もう一遍きちんと考えてみる必要があるのかなという気がします。

 それと、これは質問なのですけれども、特別会計を一般会計に統合する、法律でそうなっているといいますが、これが財政の観点からいくと、どういうプラスがあるのでしょうか。そこがよくわからないところがあるのですけれども、教えていただけますでしょうか。

〔 吉川分科会長 〕 では、最後の点について、お願いします。

〔 岡本次長 〕 私からお答えさせていただきます。公共事業の1.9%の増は、今回の消費税率の引上げ分が、どうしても公共事業の契約上かかってくるものをみたものです。過去に引上げをした場合も一応消費税の影響分をみておりまして、今回は所要の影響額からは少し抑えておるのですけれども、ご指摘のように、建議をいただいたときの効率化がきちんとできているかという議論は、これは当然あろうかと思いますので、これは我々も真摯に受けとめて、今後の予算編成においても取り組んでいきたいと思います。

 特別会計の件でございます。今回、特別会計の改革の1つの観点が、やはり一般会計にできるだけまとめることによって総覧性を増すということがございましたので、今回、これを移したことによって、ただ単に歳出が減っているという面が必ずしもあるわけではございません。特に8,000億のうち公共事業関係の6,000億は、ほとんどが事業をやっております地元の負担金が、特別会計経理から一般会計に移ったということですので、そのことで直ちに財政の抑制効果が出ているわけではないのですが、今回のいろんな特別会計改革の中に、幾つか特会ごとに分かれておりますと、それぞれに業務勘定があったり調整勘定があったりというのをまとめることによって、それぞれで管理したものを1つにまとめることによる、統合によるメリットといったものを今後きちんと予算の中で出していきたいと考えております。

〔 吉川分科会長 〕 どうぞ、田中委員。

〔 田中委員 〕 ありがとうございます。私は、補正に関することと文教予算の2点について申し上げたいと思います。

 補正に関して、一応、対応表が記されているのですけれども、この建議で言いたかったことは、補正に対する一定の規律なりルール化というものを明確にしていく必要があるのではないかということだと思います。こちらの対応表には、これを計上しませんでした、あるいは当初化しましたというのは一部の表面的な結果の説明であって、本質的なところではまだ答え切れていないのではないのかというのが1点目の意見であります。

 2点目の文教予算なのですけれども、国立大学の運営費交付金について言及されていますが、実は午前中、データを見て、いろいろ議論をしていたのですけれども、実は国立大学の論文を中心としたパフォーマンスというのは、安定した教員数を確保している大学のほうが、いい論文、引用率の高い論文がよく出るという結果が出ており、相関も9割以上を示しています。そうなりますと、どうも今まで私たちが、そうであろう、こうであろうという個別の事例ベースで話していたことと随分違うことが出てきているように思います。そういう意味でも、大学改革云々を議論する場合には、エビデンス・ベース、データをベースにして、改革のあり方を議論していく必要があるのではないかということであります。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 どうぞ、板垣委員。

〔 板垣委員 〕 今回の予算編成を見ていて、相当外圧が強くて、そんな中で頑張って闘った形跡は取材の中からも見えていて、なかなか言いにくいのですが、さはさりながら、やはり少し膨らみ過ぎだと思います。それはなぜかというと、この当初予算のみならず、補正予算をずっと続けて来ている中で、来年度予算をどう位置づけるかという点が、金額も含めて、できてない。前年度当初と比べてこうだったという比較、そんな話は誰も聞いてないよと、おそらく国民の人は思うわけです。安倍政権になってからのこの一連の流れで一体どれだけのお金を出したのか、それが適切なのかという疑問の中で、この予算案を見るのだと思うのですね。

 そうして見ると、確かに、借金の返済額は増やして、新たな借金は減らしているので一見すると非常に前向きにやっているという形をとっています。しかし、これはやっぱり大量の財政を出動し、消費税の引上げを決めた結果として、この姿が生まれたのであって、それは当然といえば当然のことなわけです。ただ、まだそれは現実には実施されてないわけで、将来の予測としての予算案なわけです。こうした点を考えるとやはりもっと踏み込んでやるべきだったろうと思います。

 1点、具体例を挙げれば、皆さんご案内のように、診療報酬改定で全体として0.1%のプラスとなりました。0.1%というのは、いわゆる公的負担としては200億円ぐらいでしょうか。しかし、窓口負担と保険料負担を合わせますと全体では400億円ぐらいになります。平成26年度予算のポイントを見ていただくと、資料1−1の最初のページの中で、「未来への投資と暮らしの安全・安心を推進」の中の5番目で、「診療報酬改定に際し、新たな国民負担増を避けつつ」と書いているわけですね。しかし、予算案では国民負担が400億円増えることになっているわけだから新たな国民負担を避けたことにはなっていないではないかというような指摘も出てくるわけです。全部の問題点を取り上げたら時間がありませんけれども、とにかくやはり、もう少し闘ってほしかったなというのが実感です。

〔 吉川分科会長 〕 土居委員。

〔 土居委員 〕 一言だけ申し上げたいと思います。板垣委員がおっしゃった点について多く同意していまして、私自身も、もう少し踏み込めたかなと思いながらも、やはり財政健全化目標の2015年までの目標が結果的に実現できそうだという見通しが出てきたところで、最後の一踏ん張りがなかなか政治力学的にはききにくいところだったのかなという気がしております。もちろん目標は目標として達成していただきたいとは思いますけれども、欲を言えば、目標が容易に実現できそうだということであるならば、もう一頑張りして、さらに2020年があるわけですから、2020年に向けて、2015年を、目標を超過する形で通過するというぐらいの意気込みが、もう少しあればよかったかなと。

 ただ、それは世の中の雰囲気からすると、まだ2015年、目標どおり通っていればそれでいいという意見の国民のほうがまだ多いのかなという意味では、私としても、内心、じくじたる思いがあります。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 どうぞ、老川委員。

〔 老川委員 〕 今の社会保障の関係ですが、資料1−1の2ページ、一番下、新たな財政支援措置、各都道府県に基金を創設するということになっているのですが、これは、具体的には全部の都道府県なのですか、この基金をどうやって使うのか、この辺がよくわからないのですが、説明していただけるとありがたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 再度、新川主計官。

〔 新川主計官 〕 詳細については、医療法が具体的に固まってからになりますが、基本的には各都道府県とも医療提供体制について課題を持っていますので、基本的には全都道府県が対象になってまいりますが、ただし、配分の方法については、先ほどありました、例えば、病床の再編とか、あるいは医療機関そのものの再編になりますと、具体的にきちんとした病床削減とか再編の計画のある都道府県でないと、そこは出ていきませんので、実際の配分になりますと、各県における改革の進捗状況に応じてということになってまいると思います。

〔 老川委員 〕 これは多分、例えば、医師の偏在とか、こういったことも念頭に置かれているのだと思うのですが、そうすると、それぞれの県の中だけで処理できる問題でもなくて、いわゆる東京、首都圏から地方へとか、そういった地域をまたいだ調整とか、そういうことが必要になってくると思うのですが、ここら辺が基金の使い方ともかかわってくるのではないかと思うので、その辺を、それぞれの県に任せてしまうと、あんまり効果がないのではないかと思うのですけれども、そういったあたりは十分配慮されるのでしょうか。

〔 新川主計官 〕 例えば、医師の派遣につきましては、県外から来ていただいているお医者さん、あるいは医療従事者に対するさまざまな支援等も、その都道府県の支出においてやっておりますけれども、もちろん、ここは兼ね合いが難しいところではありますけれども、あえてこの基金の使い方については、国のほうでかなりしっかりした基準をつくって、国としての全体の医療提供体制なりビジョンなりの合う形になるような、逆に言うと、そうならないような各県だけのこれまでの都合だけの使い勝手にならないようにしていかなくてはならないと考えております。

〔 吉川分科会長 〕 では、ほかにも幾つか議題がありますので、次に進みたいと思います。

 次は、「中長期の経済財政に関する試算(中長期試算)」及び「後年度影響試算」について、堀内企画官より説明をお願いいたします。少し時間が押していますので、恐縮ですが、5分以内でお願いします。

〔 堀内主計企画官 〕 財政分析担当の主計企画官をしております堀内でございます。私からは、内閣府から公表されました「中長期の経済財政に関する試算(中長期試算)」及び「後年度影響試算」につきましてご説明させていただきます。

 まず、中長期試算でございます。資料3−1、資料3−2がその関連の資料です。資料3−2が本体、資料3−1が概要でございます。中長期試算は、昨年8月に「中期財政計画」が策定された際に内閣府から公表されましたが、今回、当初予算等を踏まえまして内閣府が改定し、先週月曜日、1月20日に諮問会議に提出されたものでございます。

 その主なポイントについて、資料3−1を使ってご説明させていただきます。1ページでございます。経済の前提は、昨年8月試算と同様で、2ケース、「経済再生ケース」と「参考ケース」という2ケースでございますが、そこに記述しておりますように、アベノミクスの効果が着実に発現するという「経済再生ケース」ですと、今後10年間平均で名目経済成長率3%程度、実質経済成長率2%程度で推移することになってございます。

 2ページをご覧いただきますと、財政についての前提でございます。2015年度については、「中期財政計画」を踏まえ、一般会計の基礎的財政収支(PB)の改善努力が行われるという前提でございます。

 なお、消費税率引上げにつきましては、現行法を踏まえて、2015年10月1日より10%に引き上げるという前提でございます。

 その他、2016年度以降につきましては、社会保障は高齢化要因等で増加、それ以外の一般歳出は物価上昇率並みに増加するという想定でございますが、その結果、左側のグラフをご覧いただきますと、2015年度に2010年度比で国・地方PB赤字対GDP比を半減するという目標、▲3.3%に対しまして▲3.2%ということで目標を達成する姿が「経済再生ケース」では見込まれるという試算結果になってございます。昨年8月の段階ですと▲3.3%ということでしたので、当初予算を踏まえまして0.1%ポイント改善する形となってございます。

 他方で、2020年度までの国・地方PB黒字化目標との関係でございますが、「経済再生ケース」でも▲1.9%の赤字ということで、引き続き収支改善努力が必要という結果となってございます。

 この具体的なイメージでございますが、4ページ、先ほどのグラフを少し加工してございますが、2020年度の▲1.9%のところにマル1と書いてございます。具体的な金額で見ますと、▲1.9%は11.9兆円の赤字ということで、機械的に消費税率に換算してみますと、約4.5%分に相当する規模でございます。

 逆に、青いケース、「参考ケース」ということで、経済の回復がそれほど順調でない場合では、▲3.1%、この水準は17.4兆円の赤字ということで、消費税率に換算して機械的に試算しますと約7.3%分に相当します。

 続きまして、駆け足で恐縮ですが、財務省で行っております「後年度影響試算」につきまして、資料4−1、資料4−2でご説明させていただきます。「後年度影響試算」は、昭和56年度以降、毎年、国会の予算委員会におきまして、当初予算の提案理由説明を行う際に提出、公表させていただいているものでございます。今回の「後年度影響試算」につきましては、昨年同様、経済及び歳出につきまして、それぞれ2ケースずつを想定して、合計4ケースについての試算結果を示してございます。

 また、昨年の年末も財審等でご議論いただきましたが、2020年度までの国・地方PB黒字化目標に向けた議論に資するために、今回は平成30年度から平成32年度までの仮定計算というものもあわせて実施してございます。

 資料4−2の本体でごらんいただきますと、最後の7ページ、8ページ、これが仮定計算というものになってございます。お時間の関係もありますので、駆け足で恐縮ですが、資料4−1に基づきまして概要をご説明させていただきます。

 まず、経済成長につきましては、[経済成長3.0%ケース]と[経済成長1.5%ケース]の2ケースを想定してございます。1枚目が[経済成長3.0%ケース]のものでございます。2ページ目が[経済成長1.5%ケース]でございますが、それぞれにつきまして、歳出についても2ケース想定してございます。

 1ページの試算前提のポイントをご覧いただきますと、基礎的財政収支対象経費の前提でございますが、「歳出自然体ケース」というものは、平成27年度から平成29年度につきまして、各歳出項目の積み上げによる試算を行ってございます。

 平成30年度から平成32年度の、先ほど申し上げました仮定計算というものにおきましては、社会保障関係費については、毎年1.0兆円の自然増が生じると仮定し、それ以外の経費については消費者物価上昇率で機械的に延伸してございます。

 一方、こうした「歳出自然体ケース」に対しまして、「歳出効率化ケース」というものも試算してございます。「歳出効率化ケース」につきまして、平成27年度については、一般会計の基礎的財政収支が対前年度で4兆円改善するように機械的に試算するとともに、それ以降の基礎的財政収支につきましては、名目経済成長率3.0%の半分ということで1.5%の伸率で機械的に延伸してございます。

 そうした結果のポイントでございます。下に表をつけてございますが、まず2015年度の一般会計の姿でございます。基礎的財政収支対象経費は、平成27年度は74.8兆円、これが機械的に積み上げた結果、見込まれる数字でございます。税収等につきましては、2015年10月からの消費税率の10%への引上げも織り込みまして、自然増収については、従来通りに税収弾性値1.1で計算し、その他収入も含めまして59.9兆円ということで、基礎的財政収支対象経費との差額は▲15兆円でございます。

 「中期財政計画」では、一般会計の基礎的財政収支を少なくとも対前年度比で4兆円程度改善としておりますので、これでは3兆円という形で1兆円足りないということでございます。したがいまして、「中期財政計画」に沿って対前年度比4兆円改善し、14兆円のPB赤字にするためには、基礎的財政収支対象経費を73.9兆円に抑える必要があるということでございます。

 その後の仮定計算を行いまして、2020年度の姿でございますが、【歳出自然体・経済成長3.0%ケース】の平成32年度の欄の一番下を見ていただきますと、▲9.4兆円の赤字でございます。歳出効率化を一定程度図った場合でございますが、一番下、▲6.6兆円ということで、GDP比で1%強の赤字でございます。引き続き、歳出・歳入の両面でさらなる収支改善が必要という結果でございます。

 もう1ページおめくりいただきまして、[経済成長1.5%ケース]でございますが、自然増収が先ほどの[経済成長3.0%ケース]よりも毎年1兆円程度落ちる形になります。そうした結果、【歳出自然体・経済成長1.5%ケース】では、平成27年度の基礎的財政収支赤字は▲15.8兆円でございます。平成32年、2020年度を見ていただきますと、▲14.1兆円という形になります。

 また、【歳出効率化・経済成長1.5%ケース】では、名目経済成長率1.5%の半分、0.75%で伸率を考えた場合でございますが、平成32年度の基礎的財政収支赤字は▲9.1兆円ということで、やはり10兆円前後の赤字は残るという結果でございます。

 駆け足でございますが、以上でございます。大変恐縮でございますが、冒頭申し上げましたように、予算委員会の提案理由説明の際に提出・公表とさせていただいておりますので、本日は回収という形にさせていただきたく、よろしくお願いいたします。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、どなたからでも、ご意見、ご質問。富田さん。

〔 富田委員 〕 ご説明ありがとうございました。まず、内閣府の試算でいきましても、2020年度の国・地方の基礎的財政収支赤字GDP比は、「経済再生ケース」で▲1.9%、「参考ケース」で▲3.1%と示されておりますし、また、「後年度影響試算」で4通り計算いただいたんですけれども、これもGDP比で▲1.6%とか▲1.1%とか▲2.6%とか、非常に大きな穴があいたままの形のものが示されております。5年前も、麻生政権のときに、「中長期の道ゆきを考えるための機械的試算」とかいう文学的な表現で試算が提出されまして、それも確か2020年度にGDP比で▲2%、消費税を2015年までに1%ずつ上げて10%にして、それでも2020年度に2%足りない(試算1−2−1)というのが出されました。ですから、いろんな試算、全て、楽観的な見通しを前提にしても、かなり大きな赤字はそのまま示されているわけです。

 そして、去年の8月8日に「中期財政計画」という名前で発表されたものも、同じような形でした。そもそも普通、計画というと、やはり目標を明示して、それを達成するために具体的な手段の体系を示すのが計画だと私は理解していたのですけれども、昨年8月の「中期財政計画」は見通しみたいなものだったと思うのですね。したがって、今大事なことは、計画という名前にふさわしいものを、これから策定することだと思うのです。それは、2020年度に国・地方の基礎的財政収支を黒字化するための具体的な歳出削減の規模、そして増収、増税の規模といったことを明示的に示し、幾つかの選択肢を少なくとも用意することだと思うのです。私、やはり今年の前半の当審議会の大きな課題はそこにあるのだろうと考えます。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。大宮委員。

〔 大宮委員 〕 全く同様のことですけれども、要するに、計画になっていないということですよね。ですから、やはりその計画を実現するための方策論はいろいろ多岐にわたるかもしれませんけれども、何らかの形でそこに落とし込んでいかないと、成り行きで行ってしまうのではないかなと、こういう心配が非常にありますので、ぜひこれからの論議では、そういうところを中心にやっていくのがいいのではないかなと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。

 では、黒川委員、それから岡本委員。

〔 黒川委員 〕 ありがとうございます。私は、資料4−1の試算上、国債の利子の動向をどのように織り込んだのかを、もう少しご説明いただきたいという1点でございます。

〔 吉川分科会長 〕 これは事務局から。

〔 堀内主計企画官 〕 今のご質問の点でございます。ちょっと説明を省いてしまいましたが、資料4−2の5ページをご覧いただきますと、国債費の計算に当たっての積算金利が書いてございます。[経済成長3.0%ケース]の [試算A−1]及び[試算B−1]でございますが、10年債の金利につきまして、平成26年度の当初予算積算金利1.8%を前提に、2.0%、2.2%、2.4%としております。[経済成長1.5%ケース]の[試算A−2]及び[試算B−2]でございますが、金利につきまして、10年国債で1.8%ということで、平成26年度の当初予算積算金利で据え置きということでやってございます。

 各試算によって利払費の数字は若干異なりますが、[試算A−1]で数字を申し上げますと、平成26年度につきまして、利払費が約10.1兆円でございますが、平成27年度、平成28年度、平成29年度、それぞれ申し上げますと、11.3兆円、12.8兆円、14.8兆円ということで累増していく計算になってございます。

〔 吉川分科会長 〕 はい、岡本委員。

〔 岡本委員 〕 私は、資料3−2の4ページを見ているのですけれども、内閣府の試算を見ると、名目GDP成長率が今後ずっと3%を超えるのだと。名目GDPが今まで500兆円前後をうろうろしていたのが、600兆円までいくのだということ。それから、消費者物価上昇率も、なかなか上がっていなかったのが毎年2%を超えるのだと、こういうふうな前提で計算しているわけですね。だから、「楽観的」という言葉がありましたけれども、この数字をもっと伸ばして税収を増やすとか、これはもうほとんど無理だと思うのですね。

 この下のほうには名目長期金利があって、4%まで置いていっていますから、ここはまともというか、そこは見ているのだなと思うのですけれども、このような厳しい中で、では、▲1.9%を0%にするためにはどうするのかというと、これは歳出のほうでどうするのかということになると思うのですね。財審での議論ではよく、今回診療報酬改定のタイミングだから、ここをどうしようか、こうしようかとなるのですけれども、このマイナス1.9%を消すために歳出のほうでだと、どういう対応があるのかと。それが無理なのか無理でないのかという問題がありますけれども、そういうふうな青写真の中でやっていくという方法はないのかなということ。

 それから、2020年度となっていますけれども、もう5%、8%、あるいは10%というのが視野に見えているときには、やっぱり2020年度というよりも2030年度、これから医療費とか介護関係がものすごく増えるのが2030年度から2040年度がピークだという話もありますけれども、そういうふうな中で、2020年度を1つの通過点と見たときにどうなるかとか、そういう形でここを見ていかないと、この数値でどうするのだろうかという解はどこが与えるのかというときに、ここでも何か考えないといけないのではないかなと、こんなふうに思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。以上、何人かの方々、いずれも2020年、あるいは、それから先を見据えた議論をしろという点では共通していたかと思いますが、井堀さん、土居さん。

〔 井堀委員 〕 資料3−1の試算の2ページです。ここで2020年度までに国・地方の基礎的財政収支の均衡化を目指すという財政健全化目標は、いわば、その段階で公債残高のGDP比が発散するのを抑えて、その後、基礎的財政収支を黒字化すれば、公債残高のGDP比は減っていくだろうという、そういう前提だったと思うのです。ところが、2ページの右側の図を見ると、2014年度ぐらいから公債残高のGDP比が減り始めているというのが「経済再生ケース」です。これがもしも実現するとすれば、あえて基礎的財政収支を黒字化する必要がないことになる。財政の持続可能性からいえば、むしろ公債残高のGDP比がどうなるか、発散しないかどうかのほうが重要だと思います。

 プライマリーバランスが赤字であっても、公債残高が収束するように見える。この試算の背景にあるのは金利が経済成長率よりも低い状況が、これから5〜6年続くというのが前提になっているわけで、そこが狂うと、さらに大変だと思います。この試算ですと、2020年度以降は金利のほうが経済成長率より高くなっている。けれども、その効果があらわれるのは多分2023年度以降でしょう。「経済再生ケース」で公債残高対GDP比の動向がこれからどうなるかというのを出すとすれば、2023年度以降について、あと10年、20年ぐらい、これで伸ばしていったときに、ほんとうにこの赤いグラフが収束するのかどうか、そこが重要だと思います。2023年度で試算を切ることの危ない点はそこだろう。要するに、金利と経済成長率の関係と公債残高とGDPの関係を見ると、2023年度までは一見、「経済再生ケース」ならうまくいくというのは、かなり危ないメッセージかなという感想を持ちました。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。おっしゃるとおりで、2023年度で切ったというのは絶妙な跡なのだろうと理解していますが、どうぞ、ご意見。

〔 土居委員 〕 今、井堀先生がおっしゃった金利と成長率の関係をもう少しアナリティカルに見ようと思うと、資料4−2の6ページに、いみじくも事務局がご用意された資料の中で、名目成長率が想定よりも何%変化したか、ないしは金利が何%変化したかと。これ、組み合わせではないわけですけれども、成長率が高まれば自然増収があるという反面、金利が上がれば利払費が増えるということとのプラス・マイナスを考えると、このそれぞれの組み合わせで、井堀先生がおっしゃったように、金利よりも成長率が高まれば、当然それよりも多くの増収があるけれども、逆だったら逆だというのは、この表の上と下を見比べると、その規模がわかるという意味では非常にいい表かなと思います。

 私も、この財政審で事務局には、中長期的な試算を何らかの形で財政審の場で示せないかということを申し上げていて、事務局側からこういう形でお示しいただけたということは大変いいことだと思います。かつ、例年だと後年度影響試算は3年分といいますか、予算年度の先の3年、来年度よりももう3年長くしたものだけを示すということだったわけですが、今回は2020年度までお示しになったという意味では、非常に有意義な資料をご提供いただけたと思って、感謝申し上げたいと思います。

 最後に1点なのですけれども、結局、2020年度までの基礎的財政収支の改善というのは国と地方をあわせたものでありまして、まさに中長期の経済財政に関する試算のところでも、国の基礎的財政収支、地方の基礎的財政収支、それぞれ示されていると。今後、財政審で議論するならば、当然、国の歳出をどういうふうに効率化していくかということが問われるわけですけれども、国の歳出といえども、地方自治体への補助金とか地方交付税とか、そういうものがあって、地方への補助金を減らすと地方自治体の収入が減るという意味では、地方の収支の悪化要因になるのではないかといって、絶えず、いろいろ抵抗されるのですけれども、そうではなくて、国も支出を抑制するとともに、地方も歳出の効率化を、これを協力して行うことを通じて、国、地方あわせて収支を改善していくという形にうまく議論が向けられるとよいのかなと。つまり、国は国で削って、地方は知らないという話ではないと。地方も地方で歳出を効率化して、国とともに財政健全化目標を達成していくと、そういう姿が今後の議論でできればいいのかなと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。既に予定された時間が来ていますが、もう一つ、議題がございます。何人もの委員の方々からいただいたご意見とも関係しておりますが、当面のこの分科会の今後の進め方について皆様方にお諮りしたいと思います。資料も用意しておりますので、小宮課長から簡潔にお願いいたします。

〔 小宮調査課長 〕 時間の関係もございますので、資料5をごらんいただきたいと思います。建議でも、今後の具体的な方策をしっかりと考えるべきといただいております。また、参考資料で、後ろに人口動態や貯蓄の動向、部門別資金収支、経常収支の動向等をつけておりますけれども、要は、2020年度がプライマリーバランスのターゲットございますけれども、それだけではなくて、さまざまな長期的な展望を持って財政の持続可能性の基礎固めをしっかり図っていかなければいけない状況にあると認識してございます。

 それを踏まえまして、春の当分科会におきましては、2020年度のPB黒字化に向けた取組みとともに、長期的な財政展望等についても、諸外国の取り組み等も参照しながら議論をいただいてはどうかと考えているところでございます。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。既に、先ほどの議論の中で、何人かの委員の方が、2020年度のプライマリーバランス、赤字ということになっているけれども、では、どうするかと、そういう時期まで見越して中長期的な議論をするべきだ、そういうご意見を言っていただきましたけれども、そういうことをやろうということでございます。すなわち、この審議会としては、2020年度の基礎的財政収支の黒字化に向けた具体的な取組みや長期の財政展望について、まずは諸外国の財政健全化の実態を勉強しようと、それを踏まえて議論を進めていこう、こういうことでございます。

 具体的には、海外視察を終えて、当分科会としましては、3月ごろより審議を開始したいと考えております。そうした3月からの今後の審議会の進め方について、もう一度、小宮課長からお願いいたします。

〔 小宮調査課長 〕 恐縮でございます。今後の分科会の進め方といたしましては、昨年の春と同様に、5月の末ごろの報告書の取りまとめを考えてございまして、会長からございましたように、3月ごろ、中ごろになろうかと思いますけれども、ご議論をいただくことを考えてございます。

 また、これにつきまして、議論の充実のために、先進国等の健全化の取組みについて、久々と申しましょうか、海外調査を行うことを考えてございまして、調査に当たりましては、委員の方にも数名、ご同行をいただく予定となっていることをご報告申し上げます。

 なお、今回の春のシリーズでは、中長期の視点を含めまして、これまで以上に幅広い観点からご議論をいただこうと思っていることから、吉川分科会長ともご相談をしながら、若干、委員の拡充を図る方向で、現在、事務局としては検討を進めているところでございます。

 以上、ご報告申し上げます。

〔 吉川分科会長 〕 では、そうしたことで、3月からまた財審、よろしくお願いいたします。

 本日の議論は以上でございます。どうもありがとうございました。

午後3時05分閉会

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