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財政制度分科会(平成25年11月20日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録
平成25年11月20日
財政制度等審議会


 財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

平成25年11月20日(水)15:00〜16:53
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

1.開会

2.とりまとめに向けた審議

3.閉会

配付資料
○ 平成26年度予算の編成等に関する建議(案)

出席者

分科会長 吉川 洋           山本大臣政務官
香川主計局長
福田次長
小宮調査課長
井口給与共済課長
江島主計企画官
堀内主計企画官
宇波主計官
有泉主計官
青木主計官
井藤主計官
新川主計官
小野主計官
高村主計官
余島主計官
中村主計官
 委員

秋山 咲恵
岡本 圀衞
倉重 篤郎
竹中 ナミ
土居 丈朗
富田 俊基

 臨時委員

板垣 信幸
老川 祥一
大宮 英明
小林 毅


午後3時00分開会

〔 吉川分科会長 〕 では、定刻になりましたので、ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。

 皆様方には、ご多用中のところご出席いただきまして、まことにありがとうございます。

 本日は、建議のとりまとめに向けて、お手元にお配りしております「平成26年度予算の編成等に関する建議(案)」について審議していただきます。

 それでは、早速議事に移らせていただきます。

 この建議につきましては、これまで田近分科会長代理、小林委員、土居委員、富田委員にご議論いただき、とりまとめていただきました。委員の皆様方、どうもありがとうございました。

 建議の審議の進行ですが、全体を4つに分けて審議し、途中で休憩をとりたいと思います。まず、建議の「総論」について、次に各論のうち「社会保障」及び「地方財政」について、その次に、「文教・科学技術」、「公共事業」及び「農林水産」について、最後に「エネルギー・環境」、「中小企業対策」、「政府開発援助」及び「防衛」についてと分けて審議をお願いいたします。

 なお、本日欠席の井伊委員、古賀委員及び鳥原委員より意見書をご提出いただいております。皆様方のお手元にお配りしてありますので、お読みいただければ幸いです。

 では、「総論」の「1.財政の現状と課題」及び「2.財政健全化に向けた基本的考え方」について、ご意見をいただきたいと思います。

 ただ、この「総論」につきましては、皆様方にあらかじめお配りしたところから少し修正されたところがございますので、この点につきまして、小宮課長より、簡単にご説明いただきます。

〔 小宮調査課長 〕 恐縮でございます。調査課長でございます。

 お手元の資料の6ページをお開き願いたいと思いますけれども、2015年度の赤字半減目標について書かれているところの「また」以下の部分につきまして、昨日の午後に事前配付版をお送りさせていただきましたけれども、その後、夕方から夜にかけまして、さらに起草委員の先生方とご相談させていただきまして、若干表現ぶり等が変わっている部分がございます。大筋基本的には変わっていないのですけれども、少し表現ぶり等が変わっている部分がございます。

 それから、9ページをお開き願いたいと思いますけれども、9ページの真ん中あたりでございます、「また、政府は、新たな経済対策を実施するための補正予算の財源として」から、20行目、お手元の資料の20行目の「厳格な査定を行う必要がある」というあたりにかけてでございますけれども、ここにつきましても、基本的には趣旨は変えておりませんけども、若干表現ぶりを起草委員の先生方とご相談して修正しているところがございます。

 以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 以上でよろしいですね。

〔 小宮調査課長 〕 はい。

〔 吉川分科会長 〕 では、ただいまのご説明も踏まえて、早速この総論について、どなたからでもご意見いただければと思います。どうぞ、大宮委員。

〔 大宮委員 〕 2020年度のプライマリーバランス、黒字化目標達成に向けては、経済成長による税収の増、ここにもいろいろ書き込んでありますけれども、それに加えて、歳出抑制や増税による税収増を組み合わせていくことが欠かせないと思います。その具体的な道筋を示しているという点では評価したいと思います。

 ただ、もう少し踏み込んで、例えば2015年度の赤字半減目標達成後についても、毎年度必要な歳出削減と税収増とを定量的に示すというような努力が要るのではないかと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 政府としてそういうことをきちっと示す必要があると。場合によっては建議の中に書き込むという、そんな感じでしょうか。

〔 大宮委員 〕 はい。議論の中で、いろいろなところで申し上げておりますけども、やはり定量的な目標とか指標というのが非常に大事だと思いますので、それが単年度だけではなくて、やはり長期のグランドデザインが要るのではないかと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 はい。ありがとうございます。

 板垣委員からですね。

〔 板垣委員 〕 全体としてなかなか力が入った書きぶりで、イメージとしてはよろしいのですが、幾つか気になるところがあるので、お話ししたいと思います。

 まず、1ページのところですが、国の公債残高について、平成25年度末においては750兆円という数字を使っていますが、いわゆる短期借入れ等も含めて、1,000兆を超えたというのが今年の大きなニュースでもあったわけですので、その数字を使ったほうがインパクトがあるのではないかという気がします。それが1つです。

 次、2ページの上から、中ほどよりちょっと上の、「こうした先例をみると」というように文章が続いていますが、そして、3行目に「危機的な状況に陥ることになる」と、「したがって」と続くわけですけれども、私はここで、今行っているアベノミクス政策のいわゆる弊害といいますか、こういう問題もあるということを指摘したほうがいいのではないかと思います。

 修文ということになりますけれども、お書きして渡そうかなと思っていたのですが、時間がなくて、今口頭で言いますけれども、「国民生活が危機的な状況に陥ることになる。現政権は大胆な金融緩和と機動的な財政出動などを柱としたいわゆるアベノミクスを進めているが、この政策は景気回復に一定の効果が認められる一方、国債の増発を伴う借金依存という構造は同じである。本来なら国債の大量発行は長期金利の上昇につながりかねないが、日銀の大量の国債買い入れが行われ、幸いにも長期金利が低い数字にとどまっているのが現実である」と。そこから、「したがって、景気回復過程に入り、税収増加が見込まれる今こそ、歳出歳入の徹底した見直しを通じて果断に財政健全化に取り組むべきである」と。

 こういう流れにしたほうが、今の政策を丸ごと我々が評価し、いいね、いいねと言っているような雰囲気にはならないのではないかという気がしましたので、そういう直し方ではいかがかということです。

 それから、借換債について3ページに出てきますけれども、借換債という単語が、見る側からすると、何となく悪いことという印象を持ちにくいわけです。やはり借金を借金で返すと、もう少し伝わりやすい表現できちんと書いたほうがいいだろうと思います。そんなことは家計や企業などではあまり考えられない、異常なことなのだというような部分をここで入れておいたほうがいいのではないかと思います。

 それから、7ページ、20行のところに、「政府として、このような黒字化目標未達の試算を示すことは、国際的にコミットしている財政健全化目標達成への取組みに関し、日本財政に対する国際的な信用と日本国債に対する市場の信認を失いかねない」と、こう3行ありますけれども、「示すことは」と言ってしまうと、示さないほうがいいのではないかと、何か示したことが悪いような印象になるので、そこを例えば「日本財政については、このように中期財政計画では健全化目標を打ち出しながらも、それを裏打ちするはずの中長期試算では、その目標が達成できないというちぐはぐな将来像を描いており、このままでは日本財政に対する国際的な信用」云々としたほうがいいかと思います。

 細かいところではあるのですが、以上、これだけお考えいただければと思います。

〔 吉川分科会長 〕 具体的なご指摘、どうもありがとうございました。

 では、ほかに。岡本委員、倉重委員。

〔 岡本委員 〕 大宮委員と問題意識が全く同じなのですけれども、この2020年のプライマリーバランスの黒字化こそ達成すべきということで、全くそのとおりだと思うのです。

 2014年、2015年は各年4兆、4兆ということでそれなりにイメージがわかるのですけれども、その後どうしていくかというときに、政府は具体的な道筋を国民に対して示していく必要があるとあります。これは、このとおりなのですが、具体的に、経済財政諮問会議で、財務省などデータをたくさん持っているところが提供しながらやっていくという検討イメージなのでしょうか。これは質問なのですけども、ここら辺はどんなイメージで財務省は考えているのかということを教えてほしいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、この点はご質問ですので、財務省の事務方からどなたかお答えいただけますか。

〔 小宮調査課長 〕 大きな方向性は、財審とともに、経済財政諮問会議でもご議論いただくことになると思うのですけれども、いわゆる具体的な姿、具体的なその歳出、歳入両面にわたる今後の施策については、本年の夏に閣議了解いたしました中期計画においても記してございますけれども、要は2015年の半減達成が見えるころからきちんと議論をして示していくという大まかな段取りになっております。

 したがいまして、もちろんそれまで何もしないということではないと思うのですけれども、この辺を1つのタイミングの目安としながら、今後、財審でもご議論いただきたいと思いますし、また、諮問会議でも議論をされていくことになろうと理解をしております。

〔 岡本委員 〕 内閣府の試算で2020年に12.4兆円の赤字とか、こういうのは出るわけですね。これ自体が問題だという話も今あったわけですけれども、内閣府が今後やっていくのかどうかもわからないのですけど、我々から見るとやはりこの黒字化というところを目指して、またパラメータもいろいろ変化があると思うのです。税収も少し増えているかもしれないし。

 だから、そういった中で、ここが極めて重要であるということを前回のこの財政審でもお話がありましただけに、ここのイメージ、具体的な道筋の示し方、あるいは、国民に対する説明の仕方、これらを今後検討してもらえればありがたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、続けて、倉重委員。

〔 倉重委員 〕 私は板垣委員の指摘は私の感じたことと同じなので、ほとんど一緒なのですけども、少し言い方を変えますと、まず、1ページ目のこの750兆なのか1,000兆なのかというところ。

 私は、いつも財政赤字の数字を書くときにどちらを使えばいいのかとなる。国際標準でいえば1,000兆のほうが比較しやすいのでしょうけど、でも、750と1,000の間は随分隔たりがあって、やはりどちらがより財政の困窮度といいますか、その実態をあらわす数字なのかということを、ある意味で財政審というのは権威ある組織だと思うので、きちっとこういう理由でこの数字を使うという位置づけができるような数字をおいていただきたい。私はちょっと知恵がないので、どのようにそれを定義したらいいかわからないのですが、まず、そのこと。

 それから、1ページの財政赤字がなぜいけないのかということを歴史的な視点で戦争のときの経済と比較し、かつ、ギリシャ等のEU、今の問題と比較しているくだりなのですが、戦争のときの経済よりも赤字度合いがひどいのだというのは一つの説得材料になるのだけども、どうも戦争のときと今を比べるのは果たして適当なのかということがいつも疑問なのですね。

 これは毎回使われているのでしょうね。だから、あらゆる資源を投じざるを得なかった戦争のときよりもひどいのだということはそれなりに説得力があるのだけども、やはり状況が違うような感じが、この記述の中にもう少し出たほうがいいのかなと。すみません、これも知恵がございませんが、そういう印象を持ちました。

 それから、その後のギリシャ等の欧州諸国との比較も、最後の1パラグラフの最後のほうで、「財政支出の削減を巡り、経済的・社会的混乱を招いた」と、非常にまとまって抽象的に書いてあるのですが、もうちょっと読む人を脅すような、脅すようなと言ってしまうとおかしいのですけれど、やはりそうなのという感じがあるような、その具体的事例を少し挿入した形で、要するに国民の生活がどうなったかを含めたくだりがあってもいいのではないかということを感じました。

 それから、これも板垣委員と一緒ですが、3ページの「60年償還ルール」と、借換債のところですね。これはやはりいろいろ聞いてみると、この幾らでも赤字国債を出せる体質は、この60年償還ルールを適用したところと、それから、借換債というその制度変更が大きな岐路になったという話をちょっと聞いたのですけどね。その辺をもう少し強調できないのかということを感じました。

 それから、この4ページの最初のパラグラフの最後のほうに、後世代に恥じないよう毎年度予算編成において歳出の見直し・削減に全力で取り組まなければならないと。私は、やはりこの恥じるということが、この状態に至った財政状況を考えるときの大きなキーワードだと思うのですね。要するに財政赤字はいろんな問題があるのですけども、やはりここまで来てしまうとこのモラルの面での問題点をもっと強く指摘してもいいのではないかという印象でございました。

 それは特に、6ページの中期財政計画のところなのですが、中期財政計画は、毎回立てられるけれど、毎回すぐ先送りしてしまう、その拘束力と権威のない中期財政計画について、せっかく立てた計画をなぜ達成できなかったかということの検証も含めて、中期財政計画のあまりの軽さについて、どこかに若干皮肉めいた指摘を入れてもいいのではないかというようなことを感じました。

 それと、これは細かいことでございます。この同じページのちょうど中間ぐらいに、国・地方の基礎的財政収支赤字の大宗を占めると。この大宗という言葉なのですが、これはあまり世の中で普通使わない言葉ですよね。多い部分とか多くをという意味だと思うのですけど、こういう言葉は、国民に読んでもらうペーパーの中で使うのはいかがかなと。

〔 富田委員 〕 すみません、新しいバージョンだとそうなっていないですね。

〔 倉重委員 〕 ごめんなさい。そうですか。大宗という言葉はないですか。いや、大宗という言葉は時々出ますよね。それはあまり使わないほうがいいのではないかという、それだけのことでございます。すみません。使っていなければ結構です。

 それから、10ページぐらい、「平成26年度予算編成に向けた考え方」なのですけどね。やはり今回は消費税増税後の初年度の予算編成という意識が非常によく出ていて、私はこのくだりは非常にいいと思うのですけども、どこかにやはり、この「とりわけ」というパラグラフのところの5行目、「国民から消費税増収分の流用との批判を受け」云々と。要するに、今回特に初年度として、国民が厳しく見ていると。その辺を強調していただきたいという感じがあって、ここでも十分ニュアンスが出ていると思いますが、国民は見ているぞという雰囲気を出していただきたいと思いました。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 ギリシャについては脚注か何かをつけるということかもしれませんが。一番初めのご質問でしょうか、1ページの750兆の数字ですね。これは国のだと思いますが、確かこのほかに国、地方とかがあるわけですよね。この750兆について、世の中と会話するときに、財務省として、どういう形で数字を使っているかということについて、簡単に説明していただけますか。

〔 小宮調査課長 〕 ご指摘の750兆でございますけれども、これは、国の公債残高でございます。このほかに地方で200兆ぐらい、国、地方あわせて長期債務残高が1,000兆弱と。

 それから、よく報道等で出ております1,000兆超えましたというのは、これは理財局がつくっている統計でございまして、政府短期証券とか、それから、財投債とか、全部入っておりますが、国だけの数字でございます。

 それで、悩ましいところが、プライマリーバランスの目標は国、地方のプライマリーバランスでございまして、1,000兆とよく報道されるのは国のみなものですから、ちょっと工夫をしながら、わかりやすく混乱がないようにする方法を検討するのかと思います。

〔 倉重委員 〕 750兆に相当する国際的な標準はないでしょう。世界各国、出していませんよね。

〔 小宮調査課長 〕 世界各国で出しているのはSNAベースの数字になりまして、これは国、地方だけでなく、独立行政法人、それから、社会保障基金等も入ってきます。

 国際比較のときはSNAベースでしか比較ができないものですから、SNAベースの中央政府と地方政府をあわせた一般政府の債務残高という指標がよく用いられます。

 したがいまして、注をうまく使いながら、誤解や混乱がないように、少し書き方を考えるしかないかと思っています。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 ほかにご意見。どうぞ、秋山委員。

〔 秋山委員 〕 前回欠席をさせていただいたので、もしかしたらちぐはぐな部分があるかもしれませんが、まず、総論について、財政審の建議は基本的なトーンとして財政健全化を目指そうとか、無駄な歳出を減らそうだとか、そういうトーンになるのですけれども、今はやはり成長戦略も考えたり、全体の税財政の改革の中で消費税を今後やはり上げていかざるを得ないだろうというような中、あるいは、今回消費税を上げるときには、景気の腰折れが一定程度見込めることを前提にすれば、ある程度の財政出動でそこを支えていかなければいけないという、非常に難しいバランスをとらなければならない状況の中で、あまり財政健全化一本槍みたいな建議に見えてしまうのはあまりよくないのではないかなと懸念しております。

 どういうことかといえば、今回のドラフトの4ページ目のところで、財政健全化目標について、私も基本的に、先ほど岡本委員その他の皆様からご指摘があったように、目標をどうやって達成するのかという道筋、あるいは、その仕組みの担保がない限りは結局絵に描いた餅になってしまうということを一番懸念しているので、では、それをどうすればいいかというところについて、メッセージをもう少し膨らませたほうがいいのではないかと思っております。

 その4ページのところに、小泉政権下での取組みについて何行かでコメントをされています。ここは具体的な改革を進めたという表現なのですが、このときは結局、経済成長をさせることで税収も上げるし、一方で歳出削減もしっかりやろうと。これをトータルで進めるためには景気刺激策を財政出動でやるのではなくて、例えば規制制度改革のようなものをしっかり進めることによって、この両立を実現していく。逆にそういうことに軸足を置かない限りは、一方でじゃぶじゃぶお金を使いながら黒字化を目指そうといっても、なかなか難しいですよね。

 このあたりについての意思表示という意味で、ただストイックにやれということだけではなくて、経済成長するということは税収アップにもつながるし、それと歳出削減を両立させるためにはやはり今までよりもっと踏み込んだような、財政制度、規制制度改革という言葉をはっきり使うかどうかはちょっとまたご検討いただきたいと思いますが、今自分たちがとるべきはそういう方向しかないのではないかということをもっと打ち出してもいいのではないかと私は思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 ちなみに、小泉政権の当時は補正で単年度の成長率を上げるというような経済成長と区別して、今、秋山委員がおっしゃったような成長を表現するために、民需主導の持続的経済成長という表現を使っていたのですよね。規制緩和とか、あるいは、イノベーションとか。最近は必ずしもそういう表現を使っていないみたいですけれども。ご意見、どうもありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。

 では、いただいた貴重なご意見を適宜反映して、起草委員会の先生方にまた直していただきます。

 富田委員、どうぞ。

〔 富田委員 〕 貴重なご意見をいろいろありがとうございました。

 幾つかちょっと申し上げたい点を、時間もあるので手短に申しますが、今、秋山委員と板垣委員がおっしゃったように、経済改革と財政健全化を両立させるということが当審議会の基本的な方向なので、その点は誤解のないような表現にさせていただくことといたします。

 先ほど秋山委員ご指摘の点、また、倉重委員もご懸念の件で、中期財政計画がなぜこれまで達成できなかったか、こんなに大事なのになぜできなかったかというご指摘について、4ページの下から4行目に書いているのですけども、結局は小泉さんのときも極めて楽観的な経済前提だったということが事後的に明らかになるわけですね。だから、GDPは、今あのときの見通しでいけば600兆ぐらいになっているのですけども、500兆弱しかないわけです。

 だから、確かに成長は大事なのだけれども、その高い成長率の前提で楽観的に物事を考えてしまうと非常に大きな禍根を残すのではないかということが、4ページのここに書いてあって、その後ろ、補正予算の考え方とかについても、そういう形で書いているつもりです。

 それから20年度までの計画の具体化ということなのですけども、先ほど板垣委員からちぐはぐな表現でよくないということなのですけども、たしかに、黒字化目標未達のままなのです。これは、どういうふうにやるかはまだ選択肢が残っているということですね。

 ですから、そこはちぐはぐなのではなくて、まだ選択肢が残っているがゆえに、当審議会としてこういう方向が大事だということを言えるので、大宮委員、岡本委員がおっしゃったような観点も踏まえ、脚注ではありますけれども、12.4兆円というものはかなり楽観的な見通しで12.4兆円の不足ですと。それは脚注にありますように、消費税換算で今の規模でいうと5%相当だという書き方をしていて、極めて上品に、示させていただいたという感じなのです。

 ここで、前回、失礼にも私、いろんなことを強く申し上げたのですけども、それは15年度の半減目標をやらねばならないと、その方法について具体的に今回、委員の皆様と検討した結果が6ページでして、ここで半減目標達成のためには、下から2つ目のパラグラフ、「このため、政府は、前提となっている」消費税率引上げに向けてこういうことをやる必要があり、また、補正予算について、毎年のように組まれているのですけども、一般会計当初予算では4兆円以上の削減をしないとだめだということ、それから、特別会計や独立行政法人、そして、地方公共団体も赤字削減、赤字半減に向けて歳出抑制をしなくてはいけないという、政府に対して強く、これから向こう2年間なすべきことを言って、そうすれば達成できるだろうということを言っているわけであります。

 決して15年度、自動的に達成できるわけではなく、今年も2兆円ほど自然増収が増えるので使ってしまうということを繰り返していてはだめですよと訴えているわけです。

〔 吉川分科会長 〕 1つだけ、ちぐはぐについては板垣委員ご本人がいらっしゃるわけですけども、記述がちぐはぐということではなくて、政府の政府みずからが示している内閣府の試算が20年度目標達成できていないということで、政府自身のあり方がある意味ではおかしなことになっているというコンテクストでちぐはぐということ。

〔 板垣委員 〕 おっしゃるとおりです。だから、そこがうまく伝えられるように書ければいいかなということですね。

〔 吉川分科会長 〕 どうぞ、秋山委員。

〔 秋山委員 〕 今の点についてなのですけれども、修文例にはなりませんが、おっしゃっていることからすれば、1つの表現の案としてですが、20年度の黒字化目標はコミットしている一方で、そういう見通しが出ていると。

 本来であれば、ある一定の前提のもとの見通しを試算した結果、達成できないということが1つの結論として出た場合は、では、そのギャップをどうやって埋めて達成するのかということが示されるべきであるというようなことになるのではないかと思います。

〔 吉川分科会長 〕 そうですね。

〔 秋山委員 〕 例えばそういう表現は一つの言い方かと。

〔 吉川分科会長 〕 この点、先ほど岡本委員からもご指摘があったようなことだと思います。ですから、この建議では、政府としてそこのところをもうちょっとどうするのかというような、そういうことかなと思いますが。

 どうぞ、竹中委員。

〔 竹中委員 〕 一言だけです。7ページの最初の段落のところなのですけど、「さらに、経済成長率が」云々とあって、最後に「留意しなければならない」となっているのですが、この「留意しなければならない」が読んでいてすごく緩いという感じがして、こんなんだとあかんやろうという感じをきっぱりとここは入れていただきたいなと思いました。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。

 総論についてはよろしいですか。

 では、先に進むことにいたします。各論に入りますが、まず、「社会保障」及び「地方財政」についてご意見いただければと。いかがでしょうか、どなたからでも。どうぞ、老川委員、お願いいたします。

〔 老川委員 〕 はい。いろいろあると思うのですが、19ページの4行目から5行目、医療提供体制改革のために、1つ、地域ごと、2つ、どのような病床提供。このあたり、まずは規制体系の見通しが必要、不可欠であると。ここは具体的に何を指しているのか、この7対1病床とかいったことを言っているのか、あるいは、薬価、薬のネット販売とかでごたごたしているようなことを意味しているのか、まずはこの規制体系でいわんとしていることのエッセンスについて一言あったほうがわかりやすいという気がします。

〔 吉川分科会長 〕 では、ワン・バイ・ワンですので、起草委員あるいは事務局から、ここの表現について、何か今の老川委員のご質問に対してありますか。

〔 新川主計官 〕 それでは。まず、病床規制という規制体系がございます。実はそのほかにも開業規制ですとか、そういった伝統的なものを財政審でご議論いただいたりしたわけですけれども、まずは一例を挙げるとすれば病床規制ということになると思います。

〔 吉川分科会長 〕 老川委員、よろしいですか。

〔 老川委員 〕 はい、いいです。

〔 吉川分科会長 〕 では、板垣委員、お願いいたします。

〔 板垣委員 〕 例年になく、社会保障のところの記述がボリューム感があり、意気込みをすごく感じて、それで読むほどに疲れてくるという感じがちょっとありまして、もう少し平易にしていただけると大変ありがたいです。中身としては例年に比べて非常に濃いものになっていると、ディテールも相当踏み込んで書いていらっしゃるということは大変いいと思うのですが、そう感じました。

 あと、センテンスが長いところが何カ所かあって、今ここで一々指摘するわけにいきませんけれど、できるだけセンテンスを短くしてほしいと思います。

 それから、15ページの中ほどよりちょっと上のところで「29年度時点で19.3兆円も不足すると見込まれている」ということなのですが、この29年度は、プログラム法案の終了時点のことですよね。突然、29年度と出てきても、一般の人は、何が29年度だったのかと疑問に感じる。後で実は出てくるのですけれども、ここで先に書いておいたほうがいいかなと思いました。

 それと、17ページの下に「概略」というところがあります。ここの中で非常に重要なことを書いています。「診療報酬の改定はいわば『公共料金の見直し』であり、その引上げが、自然増部分に加えて」云々と。これは多分、ここの書き手の先生が強調したいところなので、非常に重要なことだと私も思っていますけれども、あまりにも何度も出てくるので、ちょっとしつこい感じがして、そんな印象がちょっと残りました。

 それから、19ページ、「医療費全体の自然増」の、ロ)というところ、この中で「医療費の自然増要求3,500億円(国費ベース)」というのが出てきて、その次に公費ベースというのが出てきて、その次、医療費ベース。我々はこのことは知っているのでいいのですけれども、世の中に出すときにもう少し分かりやすくしたほうがいいのではないかと思います。

 それと、それからちょっと下って「企業・家計の負担増を生ぜしめることの妥当性が当然に問われることになる」と。「生じさせる」とか、かたい表現ではなくて、できるだけやわらかく、すっと読めるようにしていただきたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 具体的なご指摘、ありがとうございました。

 どうぞ、土居委員。

〔 土居委員 〕 ご指摘、ありがとうございました。踏まえて修正を施したいと思います。

 医療のところで今回少し長くなっているというのは、単純に診療報酬改定が来年行われるという話だけではなく、今まで、予算編成過程の中で固定概念のようなものとして、特に象徴的にはネットの改定率があったということについて、根っこからその問題点を指摘するためには、そもそも薬価がどうついているか、薬価がついた分を削減した分で診療報酬本体がどうなるのかという、わかる人にはわかっていたけれども、わからない人はそもそもネット改定とは何かよくわからないというところから説き起こして、そもそも診療報酬と真摯に向き合ったときに、何が問題でどういうふうに改めていくべきかというところを説明しようとしているために、どうしても長くなってしまうという。

 一応、17ページに概略というのがあって、ここを読むと、わかる人にはここで何が書いてあるかが全てわかる、ただ、それだけではかなり不親切なので、もう少しかみ砕いたという、そういう経緯になっているということです。

〔 板垣委員 〕 すみません、誤解を恐れずに言いますと、私はこの内容は非常にいいと実は思っていて、よく書いてくれましたという気持ちがあるのですが、ただ、それを誰かに伝えるときに、もう少し工夫できないかなと、そういうつもりで申し上げたので、よろしくお願いします。

〔 吉川分科会長 〕 もちろん、財審の建議というのは全ての人に向けたいわゆる広報用のパンフレットとは確かに違うと。しかし、建議だから難しい言葉をあえて使う必要もないので、おそらく板垣委員の思いは、社会保障については非常に多くの人が関心を持っていることだし、どういう議論が国、政府の中で行われているのかということを一人でも多くの人に伝わるようにするのがいいと、そういうご趣旨ですよね。

 ですから、背景の説明や表現をもう少しわかりやすくするという努力はできるかもしれないので、私も起草委員の先生方と一緒に考えてみたいと思います。

 貴重なご意見、ありがとうございました。

 大宮委員。

〔 大宮委員 〕 16ページの6行目なのですが、ここの「その際、社会保障の公費負担の総額の伸びが経済の伸びと大きく乖離しないような」という記述があるのですが、これは公費負担の伸びを抑えるだけでは、多分、持続可能な社会保障改革とならなくて、給付費全体の伸びを抑えるというような表現のほうがいいのではないかと思いますけど、どうでしょうか。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 いかがでしょうか。「社会保障」と、「地方財政」も一緒にいただければと。

〔 老川委員 〕 1つよろしいですか。

〔 吉川分科会長 〕 どうぞ、老川委員。

〔 老川委員 〕 25ページの20行目、その上の段では、医療現場に、勤務医の過重労働、小児科の医師不足などの課題が山積していると。この後、「しかし」という言葉があるのですが、「しかし」という言葉があると、その後に書いてあることとのつながりが少しわかりにくいという感じがするのですね。

 ここでは、このように課題が山積しているということ自体が診療報酬体系の見直しというレベルだけでは済まないのだと、こういうことをおっしゃりたいと思うのですが、「しかし」というと前段を否定したようになるので、ここはむしろ、「しかし」をとって、もう少しなだらかに入れるようにしていただければと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。「しかし、」をとるべきだと、そのほうが流れがいいと、そういうことだと思います。

 板垣委員。

〔 板垣委員 〕 細かいところですが、20ページの「診療報酬薬価部分」、過大要求の修正についてというところがあると思うのですが、「すなわち」から始まるところで、「すなわち、診療報酬改定年の9月に薬価調査により」、実勢価格を把握するということなのですが、その数行下に、「便宜上2年前の医薬品の市場実勢価格を踏まえて決定された薬価」とありますが、最初のこの9月の薬価というのは、これは2年前ということですか。

〔 新川主計官 〕 9月の薬価調査でありますけれども、9月に調査した年度の前の年度の4月に決まった薬価を調べる。要求との関係でいけば、2年前と。

〔 板垣委員 〕 そういうことですよね。つまり、これは同じことですよね。

〔 新川主計官 〕 さようです。

〔 板垣委員 〕 そうすると、ここでは年数を振ってなくて、その後2年前という、この絡みはどうなっているのかと少し疑問が出てくるので、いつの調査をもとに概算要求しているとシンプルに書いてもいいのかどうか、もし書けるなら、そうしたほうが疑問が生じないかと。

〔 吉川分科会長 〕 大変貴重なご意見、ありがとうございました。こうしたところも、場合によっては詳しいことは脚注にしてしまったほうが多分読みやすいですよね。本文のところは少し削って。ほんとうに具体的なご指摘、ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。岡本委員。

〔 岡本委員 〕 33ページの10行目以降に、消費税との絡みで簡素な給付措置などに関する記述があるのですけれども、社会保障分野の中に、このような8%、10%時の税制とか、あるいは、今議論になっている軽減税率の話とかを入れるというのは、消費税は社会保障に使うとされているから、こういう形で入るという感じになるのですか。

〔 土居委員 〕 よろしいですか。

〔 吉川分科会長 〕 はい。では、土居委員から。

〔 土居委員 〕 ここの文章ができ上がったもともとのいきさつからお話しいたしますと、「なお」が最初はなかったのですね、「なお」の最後の段落はこれはなくて、要は象徴的には70歳から74歳の医療費の自己負担を2割であるのを1割にするということを、毎年、補正予算でつけていったと。

 こういうやり方でやると、財審としては来年から改めるという話なわけですが、それでも完全に改まらないと、その2割が1割になる方の分の措置は何らかの形でどこかで予算計上しなければいけないけれども、もしこれを補正予算で引き続きやり続けると、2015年のときに支出のタイミングが当初予算で見込んでいたものと補正予算で計上された段階でずれてしまうということで、財政健全化目標の達成が危ぶまれるという、補正予算をつけたことで狂ってしまうということを未然に防ぐために、もう来年度の予算から、仮に例えば、70歳から74歳はその予算の全てではないですけれども、その部分、1つ象徴的に、それをここで議論をするためにあえてマル7という項目をつけていたわけです。

 実は、これから組まれるであろう平成25年度補正予算では、早くももう簡素な給付措置の話が盛り込まれるということが決まっているということもあるので、この欄に入れたという経緯になります。

〔 吉川分科会長 〕 それはいいのですけど、岡本委員のご指摘は、ここはあくまでも社会保障のところだから、この簡素な給付措置とかは別に社保保障それ自体の話ではないということで、こういう指摘をどこかでするかということとは別に、書かれている場所が適当であるかという、そういうご指摘ですよね。

〔 岡本委員 〕 おっしゃるとおりで、軽減税率とか給付付き税額控除とか、あるいは、簡素な給付措置とか、いろんな話があるときに、税全体の中でどうかということになるので、社会保障の中のこの最後の部分で、「なお」という形で入るのはどうなのかと、ちょっと思ったのですけどね。

〔 吉川分科会長 〕 この点は、ご指摘を受けて検討していただくということだと思います。

 ほかにいかがでしょうか。どうぞ、竹中委員。

〔 竹中委員 〕 32ページの雇用のところなのですけど、私たちは、障害のある人、チャレンジドをタックスペイヤーにできる日本ということで活動をさせていただいていて、毎年、この雇用のところにそのようなことも入れていただいたりしているのですけど、今回は、足元で雇用情勢の改善が続いておりという中で、あまり深く触れずに、その雇用保険制度云々といったところだけについて書かれているのですけど、やはり社会の支え手というのは働いて税を納めている方々であるわけで、全体の量からして、雇用のところが8行弱しかないというのはあまりにもこの委員会で雇用という問題について小さくとらえているのではないかと、まず、その量だけでもすごく感じてしまうのですね。

 また、今、安倍政権においては女性の活躍ということも言われたりしている中で、女性であれ、高齢者であれ、障害のある人であれ、さまざまな形で社会を支えていく、私は、いつも雇用・就業とかそういう言い方にしたらどうやと毎回言っているのですけども、国の政策としては雇用政策ということになるので、このような書き方になってしまうのだと思うのですけれども、今、やはり業を興す方とかもいろいろおられる、それで、前段で貧困ビジネスというようなところだとかにまで触れていながら、雇用がこの量というのはどうですかね。あまりにも問題意識がなさ過ぎるのかなと。

 やはり支え手をどのようにして増やしていくかというところで、もう少し入れてほしい。ただ、ここに唐突に障害者も働けるようにと1行入れても、何かすごく変になるなとは思ったりして。

〔 吉川分科会長 〕 これは多分財審の建議の中だと、いわゆる日本経済にとっての雇用問題を論じるという場所ではないのですよね。

〔 竹中委員 〕 はい。そうですね。

〔 吉川分科会長 〕 これが今書かれているのは、全体として社会保障の中での一つの項目としての雇用関係ということで、雇用保険になっているのだと思うのですが、ただ、まさにご指摘のとおりで、社会保障の中での例えば障害者の方の保険と雇用の関係とか、そういうのはまさにここに入ってくるべきことだと思うのですよ。

 ですから、それを加筆するというようなことなのかなと思うのですが、そういうことでしょうか。

〔 竹中委員 〕 もし流れがあまりにも唐突にならないような感じで、そういうことも加えていただけると、ありがたいというように思います。

〔 吉川分科会長 〕 はい。それは唐突でないと思いますよ。ここの場所は、繰り返しになりますが、要するに社会保障関係、とりわけ予算との関係で社会保障の部分ですから。

〔 竹中委員 〕 お願いします。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 板垣委員、どうぞ。

〔 板垣委員 〕 30ページの要支援の市町村事業への移行が検討されているというところ、ちょうど真ん中辺りだと思うのですが、ここを見ると、「ボランティア、NPO等の多様な主体による柔軟な取組みによりサービスを提供できるよう」云々と。何かうまくバラ色の世界に入っていくような感じがあるので、例えば市町村が請け負うにしても、人手の問題とかいろんな問題がある。NPOを担い手に想定しているようですが、必ずしもNPOの団体があるとも限らないという、担い手に非常に偏在性があるわけですね。

 だから、その育成をどうしていくのかとか、課題をちょっと入れてあげたらどうかなと思ったのですが。そんなに簡単ではないと私自身は実は思っていて、そうせざるを得ない状況があるとしても、そこはあまりバラ色に見えないように、第一歩かもしれませんけれども、もう少し課題も入れていただきたいと思いました。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、土居委員。

〔 土居委員 〕 もちろんおっしゃるとおりの点については私も同感であります。

 ただ、板垣委員の前でこう言うのも何ですが、世の中の報道を見ていると、私も、社会保障審議会の介護保険部会のメンバーになっているのですが、若干、厚労省が今考えてこの市町村事業に移行するということの中で、そういうご懸念が払拭できるような手当はそれなりに講じようとしていて、かつ、それは私はそれなりに信頼ある取組みになるだろうと思っていて、ご懸念は世の中で報じられているほどのものにはならないのではないかと思っているのです。

 ものすごく簡素に、なぜそうかという根拠を申し上げると、別に厚労省の代弁をしているわけでも何でもないのですが、私がその説明を聞く限り、それほど心配ないのではないかと思っているのは、今既に予防給付という形で実際にその事業者がそのサービス提供に携わって、現に介護保険の制度の枠組みの中でやっていると。

 それが単に市町村事業という形になって、主だったところはその財源負担だとか、ないしは、その市町村の裁量権が広がるということではあって、だけども、極端に言えば、アレンジをする力があまりない市町村があったとしても、予防給付どおりに同じサービスを同じ単価で提供し続けられるようにしてしまいさえすれば、そこは激変が起こるということにはなりにくいのではないかと。

 あるとすれば、何か独自に市町村で変えてみようと、ないしは、やめてみようというようなことが起こったりすると、急にやめられて困るではないかとか、急にいろいろなものをやろうとしても、板垣委員がおっしゃるように、地元にそういうサービス提供者がいないのにどうするのだという問題が起こったりと。

 特に、私の印象で申しますと、介護サービス利用者からすると、私は信じているのですけど、介護サービス利用者の中には市町村の能力に必ずしも全幅の信頼を置いていない方がいらっしゃって、サービス事業者には信用しているのだけども、その保険者たる市町村は一体何をやっているのだと思っておられるような節があって、そういう方々からすると、予防給付が市町村事業になると市町村が裁量権を持つということになる、そうすると、頼りない市町村がやるのか、やらないのかというようなことになったら、もう全国の確立した制度の中でも介護予防でやってほしいという、そういうご意見があって、サービスが滞るのではないか、ほんとに地元でできるのかという心配が出てきているのだろうと。

 なので、政府はそういう懸念がないように、もちろんまだ決まっていないので懸念の払拭のしようもないのだとは思いますけども、もし移行するということであれば、懸念は払拭するように取り組まなければいけないということではあると思いますので、おっしゃったご趣旨はその文章の中には書き込めるということになると思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。

 よろしいですか。

〔 板垣委員 〕 はい。

〔 吉川分科会長 〕 では、ほかにいかがでしょうか。「社会保障」と「地方財政」のことですけど。よろしいでしょうか。

 一応、全体のブロックでいうとここで休憩ということですので、予定より早く進行していますが、10分くらい休憩をとることにいたします。よろしくお願いします。

( 休  憩 )

〔 吉川分科会長 〕 それでは、そろそろ始めましょうか。委員の皆様方もおそろいですので、後半を始めたいと思います。

 後半、まず各論のうち、「文教・科学技術」、「公共事業」及び「農林水産」についてご意見をいただきたいと思います。この3つですね。どなたからでも、どのテーマでも、どうぞ。岡本委員、お願いいたします。

〔 岡本委員 〕 農業なのですけれども、55ページの26行目の「なお、経営所得安定対策の見直しの一環として」という文言なのですけれども、この前のお話では直接支払制度が突然入ってきてどうなのだというお話がたしかあったと思います。TPPとの関係で、農業はちょっとかわいそうだなということで、どうも積まれるような可能性、これがまたばらまきになるのかなということがあるのですけれども、ここは「客観的に把握できるものとする」という中での対応なのだと思います。しかし、その後の「農業の構造改革を後押しするものとすべきである」というところが、構造改革がコスト削減という内容のものであれば後押しはすべきなのでしょうけれども、TPPとの絡みで、この構造改革がむしろコストがかかっていくような場合にどうなのかということがあるので、この構造改革の中身があまり示されてない中で、これを後押しすべきということでいいのかということで。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。構造改革というのはおおむねいいことという意味で使う約束になっているのですよね。ただ、それがほんとうにそうなのかというご指摘だろうと思います。大変大切なご指摘で、どうもありがとうございます。

 小林委員。

〔 小林委員 〕 今のことに関連して、この冒頭のところに「農業の構造改革に取り組み、競争力の強化を図る必要がある」ということを最初の5行目か6行目ぐらいのところに書いてあるのですね。

 だから、そういう意味ではその競争力の強化につながるような構造改革という理解でいいかなと思うので、もちろんここにもう一度それを繰り返してもいいのだとは思うのですけれども、そうすると、先ほどのお話ではないですけど、少しくどいという声もあるかなという意味合いも込められていると思います。

 まして、この全体の文脈の中で、農業を弱めるような場合には構造改革という言葉を使わないのではないかなという気もいたしますので。そういう考え方でここに入れているのですけれども。

〔 吉川分科会長 〕 ただ、岡本委員がおっしゃりたかったのは、そうあるべきだけれども、過去においては必ずしもそうではなかったということですね。

〔 岡本委員 〕 それに、この競争力の強化というのが、ほんとうにコストがかからないで、図られていくということであればいいですけど、この表現のもとに、何かコストパフォーマンスがあるかないかわからないようなことが進んでいってしまうというのはどうかなと思いましたので。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 では、秋山委員、お願いします。

〔 秋山委員 〕 その話になりましたら、少しコメントをさせていただかざるを得ないので。今、競争力会議のほうで農業の分科会を、民間議員としてやらせていただいておりますが、ご懸念の点は全くそのとおりで、まさにその論点も徹底的に議論をしておりまして、特に非公開の会合の場では、例えば財審でもウルグアイラウンドの二の舞にならないことを一体どうやって担保できるのかという厳しいご指摘もいただいているというようなお話もさせていただいております。

 そういった意味では、結論から申し上げれば、少しステップを踏む必要はあるかもしれませんが、この財審の報告書で今表現されているのと同じ問題意識で、今、構造改革が着々と進められておりますし、それを官邸も後押ししていただいていると思っておりますので、特に表現に問題はなかろうかと思います。

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。どうぞ、老川委員。

〔 老川委員 〕 公共事業のところ、52ページ26行目ですね。「がれき処理やインフラ復旧などが進捗する一方、まちづくりなどが今後本格化していくこととなる」と、こう書いてあるのですが、現実にそうなるかどうか、なかなか滞っている現実のほうが目につくわけで、あえて言うなら「本格化していくことが期待される」とかいうほうが現実的な感じがするのではないかと思うのですが。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 大宮委員、どうぞ。

〔 大宮委員 〕 公共事業について、ここで指摘されていることの方向性は非常によいと考えます。ただ、集中と選択を行って効率的な投資を行うためにはやはり、前にも申し上げましたけど、我が国の社会資本のグランドデザインをやはり明確にしていかないと、新規だけができなくなってしまうというような問題も起きそうな感じがしますので、そういうことが必要であるというような追加を、できたらお願いしたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 今、大宮委員に言っていただいたことは、やはり50ページの「公共事業」の中での総論的なところ、(1)のところでしょうか。

〔 大宮委員 〕 そこら辺でしょう。はい。

〔 吉川分科会長 〕 そうですね。では、ここに、起草委員のおっしゃられたように加えていただくと。ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。「文教・科学技術」もありますけど。

 特段なければ、先に進んで、またここを思い出した、この場で発言しておきたいという方がいらっしゃれば、また最後に前に戻ってでも指摘していただくことにして、とりあえず先に進むことにいたします。

 続いては、各論のうち、「エネルギー・環境」、「中小企業対策」、「政府開発援助」及び「防衛」でございます。またどなたからでもご意見、お願いいたします。老川委員、どうぞ。

〔 老川委員 〕 エネルギーの一番最後のところ、61ページの18行目でしょうか。除染のところですが、「除染の合理的範囲での加速化」と、こういう言葉が使ってあるんですが、ちょっとよくわかりにくい。

 僕は、この前、1ミリシーベルトという基準にあまりにこだわり過ぎることが除染を遅らせている、あるいは、せっかく除染してもまだ足りない、まだ足りないということで、賽の河原のようになってしまう。もう少しそこら辺を、1ミリというのはもうほんとうの下限の下限、最下限なので、あまりそこにこだわるのはどうかということを申し上げましたら、それに対しては、そこら辺は必ずしも証明されてないのだというご意見もありまして。

 だから、基準のことをあまり生々しく言わないのであれば、むしろ、その「合理的判断に基づく除染作業の加速化」と、こういう表現ならば、何ミリシーベルトがどうということはともかくとして、除染作業が加速されるようにしようではないかと、こういう言い回しにしたほうがいいのではないかなという気がするのですが。

〔 吉川分科会長 〕 全くおっしゃるとおりだと思います。具体的な修文、ありがとうございました。そのような修文をしたらいいと思います。

 板垣さん。

〔 板垣委員 〕 今の部分は、この間、私が反論しましたが、今の老川委員の話を聞いて、納得でございます。例えばもっとわかりやすい話をすれば、山林の除染なんていうことはできないわけで、それはもう非合理的だと思うのですね。そういうことも含めての合理的なという読み方ができますので、老川委員の修文に賛成です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 大宮委員、どうぞ。

〔 大宮委員 〕 先般の会議に出ておりませんので少しあれなのですけども、58ページ、再生可能エネルギーの固定価格買取制度の件なのですが、再生可能エネルギーの導入自体というのは非常に大事なことなので、これはどんどん進めるべきだと思いますけれども、固定価格の買取制度については、実は2020年時点での試算ですけど、例えば太陽光パネルだけではなくて、再生可能エネルギーを入れたときに、系統の連系費用を含めると1兆円以上の負担増になるという試算があります。

 今、認定を受けながら、未稼働の太陽光発電プラントがよく新聞記事とか、エネ庁の試算でも8割以上がまだ未稼働ということでもありますので、経産省でも実態調査をしていると聞いています。これは「制度の維持を聖域とせず、抜本的な見直しを図るべきだ」というように記述がもしできればと思います。

 それから、59ページのエネルギー対策特別会計のところですけれども、これも前に意見申し上げましたが、石油石炭税というのは原発の停止に伴いまして化石燃料の消費の増加がこのところずっとあって、平成25年度の当初予算ベースで震災前の見通しに対して1,000億円以上の増収となるということだそうでありまして、既に来年度の第2段階の温暖化対策税の引上げを上回る税収となっているということではないかと思います。したがって、来年4月の引上げは見送るべきだと考えております。

 また、そのエネルギー対策特別会計エネルギー需給勘定は歳出の効率化・合理化により、平成25年度当初予算では石油石炭税収6,500億円の2割が一般会計に留保されております。石油石炭税は目的税とこの前も少し申し上げましたけれども、そうではないというご意見もありましたが、目的税ということであれば、それを踏まえれば、税収が余る場合には税率を引き下げるということを含め、検討することが大きな課題だというように、できれば記述していただければと思います。

〔 吉川分科会長 〕 幾つかありましたけれども、固定価格買取制度については、ご記憶かと思いますが、この審議会では委員間で意見が分かれたと思うのですね。この制度はやはり維持すべきだという、そういうご意見もありました。ですから、59ページの記述は、「制度の改善を図りながら」、あるいは、その上の行に「諸外国では」、「見直す動きも見られており」という、そういう記述も書かれたわけですね。

 ですから、この審議会として、制度そのものに関して、仮にですが、廃止とか抜本的見直しとか、それについては先ほども申し上げたとおり、コンセンサスは......。

〔 大宮委員 〕 得られてない。

〔 吉川分科会長 〕 そう思います。ですから、起草委員の先生方がどう判断されるかあれですが、そういうことはあったかなということ。

 あとは石油石炭税、これは土居委員がおっしゃったのだと思いますが、基本的にはCOなどの排出を抑えるための税だというようなご意見もあったと思うのですが、土居委員から、もし何かありましたら。

〔 土居委員 〕 発想はあまり変わらないとは思うのですが、その税率云々という話自体になりますと少し、ご意見が違うというところはあろうかと思います。つまり、過度に負担を強いて、結局必ずしも有効ではないようなものにエネルギー対策特別会計で支出をしているということでは元も子もないではないかというような、そういう側面には私は確かに問題意識も持っておりまして、ここに書かれているとおりに、エネルギー対策特別会計における政策はさらに進めていただきたいという思いはありますが。

 ただ、その税率を上げるか上げないかというところまでになりますと、財審の中でそこまで言い切ることなのかどうなのかというところは、私は上げてもいいのではないかとは思っているのですけれども、上げるべきか否かというところにこの報告書で言及するかどうかというところは少し財政制度等審議会のマターかどうかということの判断はあるのかなと思います。

〔 吉川分科会長 〕 いずれにしても、ご意見を踏まえて検討してみたいと。

 富田委員。

〔 富田委員 〕 今の土居委員のお話に加えて、1月の建議でも、石油石炭税の税率、つまり、温暖化対策税ですね、これについて段階的な引上げも着実に行っていく必要というようにたしかあの建議で書かれていることがございます。

 もちろん、ご懸念の問題、59ページの下から3行目に、「石油石炭税の負担者の理解を得ていくことが課題となりうる」ということで、まさにそういう努力がこれから続けられねばならないというように示させていただいているということでございます。

〔 吉川分科会長 〕 もう一つ、あらかじめ法律で決まって階段で上げていくということですから、確かに物理的には上がっていくわけですけども、法律をつくったときには結局税収というのは積分といいますか、その階段上の面積ということになるわけですから、あらかじめ、決まっていたことで、形の上で上がっていっていることにたまたまなっているという考え方もあるのだろうと思うのですけどもね。

〔 大宮委員 〕 ええ。原子力発電が稼働してないということにもよって、計画よりは大分上がっているのですね、税収としては1,000億ぐらい。ですから、そういうことも踏まえると、これから原子力発電がどうなるかということがまた課題としてありますけど、当初思っていたことではないことが起きていると、そのために税収が増えているということですね。

 ですから、そういう意味では事業者としては負担者の理解を得ていくということが、大変な問題に多分なっているのだろうと思います。

〔 吉川分科会長 〕 そのことが重要だということですね。わかりました。

 ほかにいかがでしょうか。はい、倉重委員。

〔 倉重委員 〕 福島第一原発のくだり、60ページから61ページにかけてなのですけど、前回、私、出ていなかったのであれなのですけどね。61ページのほうの賠償や除染・中間貯蔵施設に関しては一連の与党提案が出て、それをそれなりに尊重していくけども、しかし、余計な金は出さないというその縛りがちゃんと働いてるような気がするのですけど、その前の60ページの一番下のパラグラフの汚染水対策や廃炉について、その下から4行目、そうした「個社任せでは克服困難な課題がある」ということに理解を示して、「そうした課題のうち、技術を確立させることが国の財産となるものについては、国費投入も許容されうるものと考えられる」と、国費を出すことについての定義みたいなことをされているのですけども。

 これは、トータルで相当のお金のかかる話の中で、こういう形で絞ったということになると思うのですけれども、しかし、この絞り方でいいのかということは相当議論があったと思いますが、私はちょっと参加してなかったので、申しわけなかったのですが、これは下手をすると、国費投入の枠が広がるような、ちゃんとした縛りになっていくのかどうかというのがちょっと私にはクエスチョンだったので、今お聞きしたいなと思ったのですけれども。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。では、これは宇波主計官から。

〔 宇波主計官 〕 先だって、エネルギーの関係のところのご説明の中でも少し触れさせていただきましたが、9月3日に、汚染水問題について早期の解決を図る観点から、国が全面に立つという方針のもとで、原子力災害対策本部において決定した基本方針の中で、政府の対応について、その財政措置の考え方として、一義的にはここは原子炉等規制法に基づいて、設置者である東京電力の責任であるけれども、技術的難易度が高く、国が前面に立って取り組む必要があるものについては財政措置を進めていくという方針で、この方針のもとに、現在、凍土方式の遮水壁ですとか、あるいは、ALPSと呼ばれる多核種除去設備の新型の開発などをしているものでございます。

 ここの「許容されうる」というのは、起案していただいた先生におかれては、こういった考え方を踏まえて、財審としては追認するという意味で「許容されうる」と書いていただいたものかなと理解しております。

〔 吉川分科会長 〕 よろしいですか。

〔 倉重委員 〕 これが際限なく広がっていくような心配はないのですか。

〔 宇波主計官 〕 廃炉の中で技術的な難易度が高いということと、それから、国が前面に立って取り組むことで、公共財になる、つまりそこで得た知見などがほかの事故などにも使えるなど、広く国民の財産になるという2つの縛りをかけています。

 倉重委員ご指摘のとおり、そうでないもの、今回なんかでも、例えばタンクの漏れの管理のあり方とか、そういったものについては、むしろ財政措置を拡大するのではなくて、国としてはその指導体制とか、連絡体制をきちんととるとか、あるいは、国民への情報の公開をちゃんとやるといった管理の体制を整えるという非財政的な措置できちんとやろうということ、その両様を組み合わせて、汚染水対策に取り組むという方針でございます。

 拡大し過ぎないようにというご意見はもう全くそのとおりだと思いまして、むしろここは限定をかけるつもりで書いているものです。

〔 吉川分科会長 〕 財審の現在のこのドラフトの文章と、今ご説明のあった国の方針、これらにそごがないという読み方は、政府のほうのさっきの技術的難易度が高いという、そういう表現になっているわけですけど、それは素直に解釈して、技術自体がもちろん自明でないわけですよね。完全に誰にでも100%わかっていて、誰でもできるということではなくて、ラーニング・バイ・ドゥーイングという感じで、その実務的なことを進めていくこと自体が、やはり、いかほどであるかは別として、新たな技術の創出、そういうものだという縛りですよね。

 そして、こちらの財審のほうのドラフトではまさにそういうことで、新しい技術を蓄積して、将来、国の技術的な財産になるようなもの、それが国のお金が使われる際の基準になるべきだという形で、主計官がおっしゃっているとおり、限定的にという、その基準を示したという、そういうことなのだろうと解釈しましたけど。

 倉重委員、よろしいですか。

〔 倉重委員 〕 はい、結構です。

〔 吉川分科会長 〕 板垣委員、お願いします。

〔 板垣委員 〕 これは、文章がどうというより、ちょっと一つだけ主計官にお聞きしたいのは、最終処分場について、技術的にもどういう変化が出ているのか、それから、そのための基礎研究的な予算措置というのはどうなっているのか、その辺をお聞きして判断したい部分があるものですから。

〔 宇波主計官 〕 わかりました。

〔 板垣委員 〕 というのは、例えば今日、新聞なんかでも、地上で保管するみたいな話も出ているし。

〔 宇波主計官 〕 福島原発の除染のことではなくて。

〔 板垣委員 〕 そうではなくて。原発の使用済み核燃料を最終的にどこで保管するのかということです。我々は以前から最終処分場をどうするかが問題だと指摘しているわけだけれど、小泉さんも言っていたりして関心が高まっています。その辺の技術開発、あるいは、その調査も含めた予算はどうなっているのかと。これはもしかしたら、文科省ですね。

〔 宇波主計官 〕 はい、そうですね。

〔 板垣委員 〕 では、文科省でいいです。

〔 井藤主計官 〕 最終処分については、ちょっと今手元に資料がないんですけれども、そういった、まず1つは地中に最終処分すると。ただ、一方でこっちの研究も進んでおりますけれども、最終的にそういった受け入れられる場所があるかというような問題になるわけでございまして、そこら辺は今後検討していくということだと思います。

 一方で、これもまた、今、原子力政策全体の問題とかかわっていますけれども、まさに減容化という研究開発が進んでいまして、それは1つは高速炉を使うという方法と、あと、加速器で処理をしていくという方法が模索されていまして、高速炉につきましてはご存じのように「もんじゅ」がありますが、ちょっとこのような状況でございますので、来年度におきましては「もんじゅ」の再稼働を前提とした要求にはなっておりませんので、原子力政策全体の状況などを見極めながらということでございます。

 あと、一方で、加速器による減容化ということも、これも本格的に取り組むとなるとかなり大規模な施設整備が必要になるということもありまして、これは高速炉との関係をどうするのかというようなこともあり、まだ研究の基礎的な段階にあるという状況であります。

〔 板垣委員 〕 わかりました。「もんじゅ」は動かさなくても、維持管理するだけで170億円ぐらいかかるわけですよね。

〔 井藤主計官 〕 はい。

〔 板垣委員 〕 それとは別に、使用済み核燃料は今もうたくさんあるので、原発をとめようが動かそうが、それは処理しなくてはいけない。ものすごく重要な問題なのに、この歳出削減と言っているときに、そこにお金を出せというのもちょっと変だとは思うのですけど、そこはどうなっているのかなという疑問があったのですね。

 では、今はほとんど動いていないと、大きな動きはないという。

〔 井藤主計官 〕 原子力政策全体の中で、今ほとんど新しいものは出てきていないわけですけれども、今後、本格稼働するということになれば、追加的に出てくるものも含めて、処理の問題というものは同時に議論していかなくてはいけないということでございまして、いろいろと部内では検討は進められている状況だと承知してございます。

〔 板垣委員 〕 了解しました。何か動きがあれば、修文で書き込んでほしいなと思ったのですが、現状ではありません。

〔 吉川分科会長 〕 はい。どうも。

 大宮委員、どうぞ。

〔 大宮委員 〕 コメントが2つぐらいあるのですが、まず、原子力発電について先ほどの、どんどん国のお金が使われていくのではないかという件ですけど、汚染水対策では今具体的にこれとこれをやるということが決まっているのだと思います。ですけど、廃炉はまだまだ先の話になって、これは技術的に、私も少しは技術の関係、知っているという知見からすると、極めて難しい、技術的に難しいと思うのですね。

 したがって、どこかで国費投入をしなければならないような事態が出てくる可能性は否定できないのではないかと思います。すぐというわけでは多分ないと思いますけど。それが1番目ですね。

 それから、科学技術のところのスパコンですけれど、確かにここに書いてあるとおり、費用対効果をよく検証する必要があるというのはそのとおりだと思います。

 ただ、実はあれを使っている観点からは、最近、非常に役に立ってきていて、先ほど加速器の話も出ましたが、兵庫県西播磨に最近新しい加速器ができ上がって、SPring−8にプラス、SACLAという名前になっていますが、ここでいろいろな研究が今行われて、将来ひょっとするとノーベル賞級の研究成果が出るのではないかと、こう言われているのですが、そこの加速器で例えば非常に細かい分子レベルのものが変化していく途中のものが見えると、例えば光合成がどうやって行われるかということがわかるというような可能性もあると聞いていまして、もしそれがわかると、COの削減がどんどんできるようになるわけですね。

 それはその加速器だけの装置ではなくて、スパコンと連携して、実験の結果とシミュレーションの結果を突き合わせて技術がどんどん進むということなのだそうで、最近のタイヤの宣伝で、8%ぐらい燃費がよくなりましたってテレビでいろいろやっていますが、あれは実はその加速器を使ってスパコンで検討した結果がどうも出てきていると。ですから、省エネにも非常によくなっているということなので。

 コンピュータそのものの開発ということだけではなくて、そういう意味での応用という観点、それを使ってどうするかという観点は非常に重要ですので、ここに書いてあるところを直す必要はないと思っていますが、ぜひそういうこともこれからも頭の隅に置いて検討していっていただきたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 主計官から、今のことについて。

〔 井藤主計官 〕 まさに、その点は財審に出した資料にも、「京」の運用状況というのは成果が出ていると明確に書いてございまして、それで、今後の国内の研究開発におけるインフラになると、そういうふうには我々も認識しています。

 ただ、その場合、具体的にどういう根拠で100倍なのですかとか、そういう性能であるとか、国産で開発する場合、技術の波及効果みたいなものが費用対効果で十分そのメリットがあるのかと、そういう観点からのその問題意識を提起させていただいたわけでございまして、おっしゃるような問題意識は踏まえさせていただいていると認識しています。

〔 吉川分科会長 〕 ほかにいかがでしょうか。

〔 老川委員 〕 よろしいですか。

〔 吉川分科会長 〕 どうぞ。

〔 老川委員 〕 ほんとうにてにをはだけの問題で恐縮ですが、67ページ、防衛費のところの21行目、「なお、防衛関係費の1割強が」、「使われている」と、こうあるのですけど、この「なお」というのはなくてもいいのか、あるいは、「なお」と書くのであれば、使われていることに留意すべきであるとか、何か言葉を補わないと、ちょっとこの「なお」がよくわからないという感じがしますので。言わんとすることは後段のほうに出てくるわけでしょうから、そこのところを言いたいためのものだと思うので、ちょっと修文していただければと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 ほかにご意見ございますでしょうか。よろしいですか。あるいは、本日議論した全体に関して、もう一度この点についてコメントしておきたい、ご意見を述べたいというような、そういう方がいらっしゃれば。よろしいですか。

〔 富田委員 〕 ごめんなさい、ちょっと1点だけ。

〔 吉川分科会長 〕 どうぞ。

〔 富田委員 〕 すみません、62ページ、「中小企業対策」の中小企業信用補完制度の第2パラグラフなのですが、「とりわけ、モラルハザードを生じさせかねない」と書いてありますが、この前に、「金融機関と中小企業者のモラルハザードを」と入れようと思うのですが、いかがでしょうか。何のモラルハザードかわからないので。

〔 吉川分科会長 〕 よろしいのではないでしょうか。

他によろしいですか。

 では、時間よりは大分早いのですが、一応本日の議題は終了とさせていただきます。

 本日も委員の皆様方から大変貴重な具体的なご指摘もたくさんいただきました。ただ、今日限られた時間でのご発言ですので、文章をもう一度ごらんになっていただいて、大変皆様方、お忙しいとは思いますが、もしお気づきの点があって、ここの文章はこういうふうに修文したほうがいいだろうというようなこと、具体的なことがございましたら、大変恐縮なのですが、明日中に事務局のほうにメール等でお申し出いただければ幸いに存じます。

 皆様方からいただいたご意見を踏まえまして、起草委員の方々において必要な修文を行っていただき、次回お諮りした上で、最終的に取りまとめ、大臣へ手交することとしたいと考えております。

 次回は11月26日、9時半からこの会議室で行います。よろしくお願いいたします。

 では、本日の会議はこれまでとさせていただきます。ありがとうございました。

午後4時53分閉会

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