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財政制度分科会(平成25年10月28日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録
平成25年10月28日
財政制度等審議会


 財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

平成25年10月28日(月)9:30〜12:05
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

1.開会

2.地方財政について

3.文教・科学技術について 

4.閉会

配付資料
○ 資料1      地方財政について
(関連資料)      地方財政
(参考資料)      地方財政関係
○ 資料2       文教・科学技術関係資料
○ 資料3      オリンピック・パラリンピック関係資料    

出席者

分科会長 吉川 洋           香川主計局長
福田次長
岡本次長
太田次長
小宮調査課長
山本司計課長
窪田法規課長
井口給与共済課長
堀田官房参事官
堀内主計企画官
江島主計企画官
宇波主計官
青木主計官
余島主計官
阪田主計官
井藤主計官
新川主計官
土谷主計官
高村主計官
小野主計官
中村主計官
有泉主計官
分科会長代理     田近 栄治  
 委員

秋山 咲恵
井伊 雅子
碓井 光明
倉重 篤郎
黒川 行治
古賀 伸明
田中 弥生
竹中 ナミ
土居 丈朗
富田 俊基
鳥原 光憲

 臨時委員

板垣 信幸
老川 祥一
大宮 英明
葛西 敬之
赤井 伸郎


午前9時30分開会

〔 吉川分科会長 〕 それでは、定刻ですので、ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。

 皆様方には、ご多用中のところご出席いただきまして、ありがとうございます。

 本日は、事務局より「地方財政」及び「文教・科学技術」について説明をしていただくこととしております。

 なお、本日は、「地方財政」の質疑応答が終わったところで休憩をとりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 また、岡本委員におかれましては、本日欠席のため、意見書をご提出いただいており、皆様のお手元にお配りしております。

 それでは、早速、議事に移らせていただきます。

 まず、「地方財政」について、青木主計官より説明をお願いいたします。

〔 青木主計官 〕 ありがとうございます。地方財政を担当しております青木でございます。よろしくお願いします。

 早速、説明に入らせていただきたいと思います。資料1という一番上の資料をごらんください。めくっていただいて、最初の1ページ目でございますが、こちらのほうは5月の当審議会においてご建議をいただいたものの抜粋でございます。今回、年末の予算編成に向けて、2点ご議論をいただければということで資料をとじております。

 まず、1点目でございますが、地方交付税の総額の抑制をどうやって図っていくのかという問題です。これに関連して、リーマンショック後の経済危機状況におきまして、別枠加算とか、歳出特別枠とか、そういった異例の特例の措置をやってきているんですが、そういったこともあわせて平時の状態に戻していかなければならないのではないかという問題意識でございます。

 2点目は、地域間で税収の格差があって、これをならしていかないといけないというご議論は前からもいただいているところなんですが、今年の年末、おそらく税制改正のほうで地方法人特別税の問題も含めて、地方法人課税の見直しというものを、全体として、そういった観点でご議論になるのではないかということで、そのことに関して、税の話でございますので、税制調査会のほうのマターではあるんですが、地方財政の側からどういう意見が要るのかということをご議論いただければと思っております。

 ページおめくりいただいて、2ページ目でございます。まず最初、地方交付税の基本的な仕組みでございます。委員の先生方、大体ご存じかと思いますが、ごく簡単にご説明させていただきます。地方交付税の総額、今年ですと17兆円ほどなんですけれども、これがどういう計算で決まっているかというものが、左側の総額の決定に当たっての考え方でございます。基本的に地方全体の歳出と歳入を見積もりまして、歳出に当たっては、何でもかんでも地方の歳出を見るということではなくて、標準的な地方の歳出ということで、国がどこまで財源を保障するのかということで厳しく歳出の中身を精査しまして、81.9兆円だと。一方で、地方税とか補助金とか、そういったものが積み上がっていくんですけれども、どうしても太い囲みのところであります歳出歳入のギャップというのが出てまいります。ここをまず地方交付税の法定率で埋め、さらにそれでも足りない最終的なギャップというのは、国と地方が半々で折半して負担をし合って、臨時財政対策債と特例加算という、いずれにしても国と地方の赤字債でございますが、借金によって賄うと、こういう仕組みになってございます。

 このルールを頭に置いていただいて、3ページをごらんください。3ページ目が最近の地方交付税の額でございます。右側の青い折れ線グラフで描いてありますように、平成20年の秋にリーマンショックがあったわけですけれども、この後、ここ数年間は非常に地方交付税の額が伸びてきております。この地方交付税増加の要因は、まずはリーマンショック後の景気後退、地方も税収減になりますので、それをどうやって埋めるかと。この地方税の減収を埋める部分が当然出てくるわけですけれども、それだけではなくて、左側にありますように、景気対策、雇用対策とか地域活性化という趣旨で地方単独事業を積み増したりとか、それから歳出特別枠という特別な枠を1.5兆円伸ばして、この結果、歳出歳入ギャップが開くわけですけれども、それを埋めるのに当たって、今度は青い囲みでありますけれども、通常の折半ルールを超えて別枠加算ということで、国が100%見るという部分をこうやって積み増しまして、その結果、このオレンジ色の部分の地方交付税というのが増えている、そういう構造でございます。

 4ページ目をごらんください。4ページ目は地方単独事業について少し分析をしたものでございます。技術的な部分もありますので、結論を申しますと、左の下の部分を丸で囲ってありますが、要は国の補助事業の部分、社会保障の給付は除きますが、それに比べて、右側の上のほうの単独事業は、ここ数年間を見ますと、それなりに伸ばしてきていると。これには先ほど申し上げたような背景もあるということでございます。したがって、ここをしっかりこれから見ていかなければいけない、縮減していかなければいけないという問題意識でございます。

 それから、5ページ目でございます。先ほど別枠加算のお話をさせていただきましたけれども、それをもう少し詳しく見たものでございます。青いグラフが地方の歳入ということで地方税収と地方交付税の法定率分、法律で決まっている国税五税の割合の部分でございます。これがある意味、地方の歳入のコアな部分なんですけれども、この数字は、平成21年以降、ずっと景気後退に伴って落ちてきて、最近少し伸びてきているわけですけれども、こういう状況です。

 一方で、この地方歳入に特例加算なども含めた地方交付税の総額と臨時財政対策債・地方税の総額を足したもの全体の一般財源、これが地方団体からすると、まさに自分の自由に使えるお金の総額なわけですが、これは、実は平成20年以降伸びてきていまして、むしろ全体としては増やしてきていると。その分、交付税で穴埋めしているという状況でございます。その穴埋めの仕方なんですけれども、さっき国と地方の借金でそれぞれ折半すると申し上げましたけれども、平成21年以前は基本的に折半という原則どおりのルールでやってきたわけですが、ここ最近は、別枠加算ということもあって、赤いほうの国の負担に寄せているという形でございます。

 国の赤字債をたくさん発行してやってきているんですけれども、6ページ目をごらんいただきますと、これはご承知のとおり、国の赤字債というのは歳出全体の4割ぐらい。一方、地方を見ますと、東京都などは、当然臨時財政対策債はゼロなんですけれども、財政力の弱い団体であってもこの程度ということで、国と地方の信用力の差もありますから一概に言えないとは思いますけれども、こういう状況の中で国が負担しているということでございます。

 7ページ目をごらんください。リーマンショック後の危機対応ということでやってきたわけなんですけれども、雇用、失業率、これは地域ごとのばらつきとか、いろいろなことがあるにせよ、マクロで見ますと、平成22年度には、完全失業率が5.2%だったのが、最近はそれなりに落ち着いてきていると。それから、地方の歳入総額についても44兆円が底だったわけですけれども、今、25年度計画で47.6兆円です。さらに、ここから消費税率の引上げが予定どおり進んでまいりますと、それぞれこれぐらいの増収があって、実力ベースでいくと、今50兆円ぐらいまで来ているということかと思います。もちろん、すごくよかった時期に比べればまだということなんですけれども、まさに危機的状況を脱し、平時の状態にはほぼ戻りつつあるのではないかという認識でございます。

 8ページをごらんください。そういって地方交付税を増やし、地方の一般財源総額を増やす中で、地方団体においてどういうことが起きているのかというのが8ページ目の図でございます。上のグラフはさっきと同じです。下のほうをごらんいただきますと、地方の積立金の残高、これには財政調整基金とか減債基金、そういったもののほかに、各種の政策、特定の政策に充てるための基金、いろいろございますけれども、その総額は、この5年間ぐらい着実に伸びていると。特に見ていただきたいのは、緑色のところの財政調整基金ですが、これは、景気後退で税収が減って、歳入が足りないとき、取り崩して充てるというのが普通考えられることだと思うんですが、この数年間、危機的な財政状況の中で、むしろ積み上げてきているということでございます。これは、交付税が必要以上に多かったのではないかというようなことの証左ではないかなと考えております。

 こういう説明をいたしますと、それは豊かな団体の話であって、田舎のほうの貧しい団体はそうではないんだというような反論をいただくんですけれども、9ページをごらんください。全地方団体の積立金の額が一番左にありますが、交付税を受け取っておられる交付団体の全体の数字が真ん中。さらに、財政力指数が0.3未満ということですので、歳出の3割ぐらいしか自前の税収などで賄えていないような団体なんですけれども、そういった団体で見てもこのような数字でございます。

 10ページ目、交付税の総額の話の最後ですけれども、このような異例の危機的対応を続けてきた結果、国と地方の基礎的財政収支、青いのが地方で赤いのが国ですけれども、やはりリーマンショック後、国はものすごく大きく落ちているということでございます。それから、借金の残高も地方はほぼ横ばいで推移していますが、国のほうは非常に増えていると、こういう状況でございます。こういう中で財政健全化をきちんと果たしていくためには、先ほど一番最初に申し上げた、地方歳出、標準的なものを見ていくと言いましたが、そこをきちんと厳しく見て、地方税の増収というのを地方交付税の減につなげ、特例的な措置は平時の状態に戻していくというのが基本ではないかなと考えております。

 以上が総額の話でございます。

 続きまして、財政力格差の問題でございます。11ページ目をごらんください。これはこの審議会でも何度か資料としてお出ししていますので、皆さんご存知かもしれませんけれども、地方税の人口1人当たりの税収額の格差でございます。一番左の青いもの、東京都と最下位の沖縄県を比べますと、地方税全体で大体2.5倍の差があると。これを各税目ごとに見てまいりますと、緑色の部分、法人関係の二税、法人住民税と法人事業税でございます。法人住民税はそれぞれ県と市町村で取っている税金。それから、法人事業税というのは県が取っている税金ですけれども、当然、事業所があるところ、しかも黒字をしっかり出しているというような事業所があるところに税収が集中しますので、東京都が全国平均100にしますと244.4。それに対して、奈良が一番低いんですけれども、45.9ということで、最大と最小の格差が5.3倍あり、これを、矢印で書いてある、一つ工夫をして偏在格差を是正しているんですけれども、この仕組みについて、次のページをごらんいただけますでしょうか。

 次のページに、平成20年度の税制改正でこのような工夫がされております。地方の法人事業税、先ほど都道府県の税金だと申し上げましたが、これのうちの一部、創設当時は2.6兆円分ということで大体地方消費税の1%相当という考え方でやったんですけれども、地方法人特別税ということで、県の税金を国の税金に変えまして、国の税金として取りますと、これは配分が可能になりますので、一定の基準、人口と従業者数によって各県に配分し直すと、こういう仕組みを導入しております。その結果、想定当時、下の囲みで書いてありますが、全体の影響額としては4,000億円ほど減収になる団体があって、うち東京都でいいますと、3,000億円ほど減収になると。実は、右側の13ページをごらんいただきますと、これが例えば財政力の弱い団体、ここでは財政力指数が一番低い高知県と島根県を書かせていただいておりますが、平成24年で言いますと、この制度によって、高知県ですと44億円、島根県でいうと18億円増収になっているということでございます。

 12ページの上のほうの囲みを見ていただくと、この税金、創設当時の経緯として、2つ目の矢印で、偏在性の小さい地方税体系が構築されるまでの間の措置ですと。税制の抜本的な改革にあわせて抜本的に見直しをしますということになっております。税制の抜本的改革、地方消費税の増税にあわせて、これをもう一度見直す時期が来ているということでございます。

 ただ、見直しに当たっては、まさにここで書かれておりますように、偏在性の小さい地方税体系というのが、この間、きちんとできているのかを検証した上でやりませんと、単純にもとに戻すという話だけですと、結局また格差が広がったという話になってはいけませんので、そういうことを見ていきたいと思います。

 13ページ目、先ほどちょっとご説明しましたが、左側に平成20年度の数字を書いております。この平成20年度というのは、先ほど申し上げましたように、最近で言いますと、税収、特に地方法人課税もしっかりと税収があった時代でございますが、それで仮に計算しますと、高知県、島根県はそれぞれこういった額で、非常に増えるんです。税収全体はそれほど増えているわけではないんですけれども、地方法人特別税による増収部分というのは増えます。これは結局、税収が伸びますと、まず地方の場合も法人課税が伸びると。したがって、偏在効果が効いてくるという絵でございます。

 それから、14ページ目をごらんください。税収だけではなくて、歳出と歳入の差額、要はどれぐらいその県に財源超過または財源不足があるのかということを比較した絵でございます。これ自体にいろいろご議論はあるんですけれども、交付税を配る際の基準財政需要、基準財政収入、これは共通のルールですので、これをもとにして計算したものがこの絵でございます。

 平成24年度、足元とれる一番直近の数字ですと、東京都が3,000億円の財源超過、一方、高知県、島根県はこういう数字になります。▲80%というのは、標準的な財政需要に比べて2割程度しか税収で賄えないという、そういう姿になっています。これは、例えば平成20年、先ほど申し上げました税収が良かった時代の数字を見ますと、東京都の場合は1.7兆円まで財源超過が増えると。高知県、島根県の場合は、若干差はあるんですが、当時、地方法人特別税もございませんでしたし、あまり差がないという数字になっております。

 したがいまして、これから税収が経済政策もあって伸びてくることが期待されるわけですけれども、そういった中で、何もしなくても財政力の格差が広がっていくような地合いにあるということでございます。

 それから、15ページ目をごらんください。仮に地方税収が増えた場合に、交付団体と不交付団体、交付税を受け取っている団体とそうでない団体で影響のあらわれ方が違うことを簡単に説明した表でございます。

 まず、左側の下で不交付団体、東京都のような交付税をもらっていない団体については、税収が増えた分は、そのまま超過財源の増加につながります。一方、交付団体、交付税をもらっている団体というのは、税収が足りない部分の差額を交付税と赤字地方債でたらずまいを見ているということがあるものですから、地方税収が仮に増えると、その分、当然のことながら、交付税と臨時財政対策債を減らすと。歳出全体をきちんとその水準に抑えてですね。そうしますと、要は国と地方の借金の抑制にはつながりますけれども、交付団体自体の一般財源の総額が単純に増えるわけではないということです。

 したがって、何が言いたいかというと、これから地方の税収が伸びていく場合に、不交付団体のほうは財源超過がどんどん増えていくと。一方で、交付団体について言いますと、借金を減らせるということでは非常にいいことですけれども、財源自体が増えていくわけではないということで、効果のあらわれ方が違うということでございます。

 15ページ目をごらんください。これは法人二税の総額と、それから水準超経費、これも若干技術的なんですけれども、いわば財源超過の額が各団体であるわけですけど、東京都などにですね。そういったものをマクロで足し込んだ総額だと、単純に言うとですね。そういうふうに考えていただきますと、赤いライン、やはり平成19年とか20年のころは、全体で見ても水準超経費、財源超過の総額が非常に大きくて、法人税収が落ちてがくんと落ちたと。最近、法人税収が伸びているにもかかわらず、それほど伸びていないのは、先ほど申し上げた地方法人特別税の効果もあると考えております。

 その次、16ページ目でございます。今までは、いわば今存在する地方税収の格差なんですけれども、16ページ目でご説明しますのは、今回の一体改革の影響のあらわれ方というのも、先ほどちょっとご説明したのと基本的には同じ仕組みなんですけれども、違ってまいりますということです。まず、東京都や23区、不交付団体の代表選手の東京都の場合で言いますと、左側の黄色い枠で囲ってあるところをごらんください。

 まず、地方消費税、5%のうちの1.2%が地方消費税の充実分ということでセットされておりますので、それで計算しますと、大体東京都は4,000億円ぐらい税収が増加します。そのうち社会保障の充実をやるわけで、その地方負担というものもありまして、それの東京都分を計算しますと0.1兆円。その差額の0.3兆円。これは現行の社会保障財源に充てるわけでございます。東京都の場合も東京都が行っている現行の社会保障財源にこれを充てるわけですが、他方で、東京都の場合は既に自前の税収で社会保障財源を賄えているわけです。したがって、そこの部分の0.3兆円、赤いところですね、これが押し出されて追加的な財源超過として出てくるということになります。

 一方で、交付団体、交付税を受け取っている団体、例えばここに島根県を出していますけれども、90億円の地方消費税収がありますが、社会保障の充実の島根県の負担に30億円を使った残りの60億円は、さっきの構図と一緒で、今はそこの部分は地方交付税とか臨時財政対策債というところで賄っていると観念すると、まず減らすのは臨時財政対策債、地方の赤字地方債と、それから地方交付税の特例加算の部分、国の借金でやっている部分ですので、その部分は国と地方の借金の減に回っていくという構図で、少しあらわれ方が違います。こういうものもあわせて踏まえて財政調整ということも、さらに役割が大きいのではないかという問題意識でございます。

 17ページ目は、こういう財源超過があるような団体について、どういう財政状況になっているのかというのを簡単に見たものでございます。東京都の場合ですが、例えば歳出面について言いますと、医療費の自己負担、子供、中学校の卒業まで23区については自己負担なしです。これは入院も通院も所得制限なしで自己負担なしということになっています。一部の区では高校生までだったりしますが、基本的にこういう仕組み。これが田舎のほうですと、入院だけとか、また小学校までとか、所得制限を課したりとか、いろいろな制限をかけて何とかやりくりしているということでございます。教育費についても、私立幼稚園の自己負担、これもいろいろな補助が出て、23区の場合は全国平均よりもかなり低いということでございます。

 それから、都職員の給与、後でご説明しますが、ラスパイレス指数という国の水準を100にしたときの当該団体の給与水準の額ですが、これは1割ほど国よりも高いという水準になっています。

 それから、財政余剰、青いほうですが、ストックベースで積立金、東京都の場合、こういう形でオリンピックや財政調整とかいろいろなことがありますけれども、2.8兆円の積み立てをされていると。それから、23区も同じように1.3兆円、全体として見るとあるということでございます。

 最後でございます。ラスパイレス指数、これは昨年この審議会でも大分ご議論をいただいて、地方公務員の給与につきまして、国が財源保障する範囲は、やはり国家公務員と同レベルまでだということで、地方交付税の算定に当たってもそういう取り扱いをさせていただいています。それとあわせまして、総務省のほうから各団体に、国家公務員並みに下げていただくように要請をさせていただいているところでございます。

 本年7月をめどにということでやった結果の最新の状況です。ラスパイレス指数自体は、これは24年度の数字なので、ここから下げた団体は下がっているわけなんですけれども、赤と青でくくってあるところがまだやっておられない団体です。ただ、赤の点線の大阪と鳥取について言えば、これはラスパイレス指数自体が既に国とかなり近い水準まで先行して下げておられるということなので、これ以上やらないという意味でのやらないということでございます。一方で、東京都と愛知県について言いますと、国より1割ほど高い中でやらないということを表明されているということでございます。

 ちょっと話がずれてしまいましたけれども、地方の財政力格差という点について、こういう状況であることも踏まえて、弱い団体の財政力を強くするために、国にお金を出してくれということになりますと、交付税とかいろいろありますけれども、それでは、国も今、火の車の財政状況の中でなかなか難しいものがある。一方で、そこはやはり地方間で、財政余力のあるところとそうでないところ、法人課税のところでそういうものが出てきますので、法人課税の中でどういう見直しをいくのか。当審議会の側から財政論として、例えば地方の自立という意味でも、田舎のほうの団体が自前の財源をしっかり積んでいくということは大事なことだと思いますので、そういった意味からも、こういう状況の中でこういう点をしっかり考えて見直しを検討してほしいということを言っていく必要があるのではないかなと考えております。

 以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 それでは、早速、ただいまの説明に関して、どなたからでもご意見、ご質問がありましたらお願いします。赤井委員。

〔 赤井委員 〕 大阪大学の赤井です。あまり参加できていなくて申しわけないんですけれども、今日の2つのテーマは、私が最近研究しているテーマですので、少し意見を述べたいと思ってやってまいりました。

 お手元の資料の下のほうに、最近研究していることもありまして、ちょっと資料、1枚物なんですけど、用意させていただきまして、今お話しいただいた内容に関して感じたことと、今後のあるべき姿としての意見を少し述べさせていただきたいと思います。1枚物の裏表で小さいんですけれども。

 「地方財政の現状と改革の方向性」ということで、今もお話がありましたように、事実、国の財政はどんどん悪化しているんですけれども、地方財政に関しては、国が地方の面倒を見ているということもありまして、数値をいろいろ調べてみますと、健全化しつつあるというのは間違いないという、これはいろいろバラエティーがありますから、全体としての話なんですけれども、1枚目のところに書いているように、この中の数字は健全性をあらわす指標なんですけれども、それを見ると、健全な団体というのが増えてきているということでございます。

 健全化の背景としては、1つはリーマンショック対応ということで、国による手厚い財源保障を行ってきたと。今もお話があったとおりです。2つ目がガバナンス効果といいますか、夕張のショック以来、地方財政というのを厳しく見ていこうということを総務省も行っておりまして、厳しい基準みたいなものをつくっているんですね。実際に実証分析をしてみましても、やはり健全化の必要性というか、指標を守らないといけないという意識がすごく地方のほうで強くなっておりまして、その結果として、健全化がどんどん進んできているということになります。

 健全化の結果としてひずみが出てきているという部分が少しありまして、1つ目の問題は、健全化のために国の財政を大きく使っているということで、国の赤字公債が拡大している。2つ目は、いわゆる建設公債ではなくて、赤字の地方債をどんどん発行して、それで財政を賄っているという部分が積み上がってきていると。2番目のところですが、これはいろいろ意見があると思いますが、人件費抑制、これは国も抑制していますから一緒のことなんですけれども、公務員の労働インセンティブ、人件費に対する厳しい意見はこの会議でもおありだと思いますけれども、実際、地方で働いている人の労働インセンティブのところも少し議論が出ていると。

 3番目にはインフラですね。今後どんどん維持更新していかないといけないと。現政権でも言われているような成長戦略にかかわるインフラ投資が十分できていないという部分が出てきています。これはいわゆる公共事業をやめて、そのかわりに赤字地方債というような形、社会保障に財源が回っているということになります。

 改善の方向性として、意見としては、世代間格差の改善というのは、いわゆる赤字地方債、将来に何も財産を残さないような形の地方債をどんどん発行し続けてきているという部分の世代間の格差。2番目の赤字地方債、臨時財政対策債という部分と一緒なんですけれども、これは将来の負担であるにもかかわらず、各自治体にとっては自分の負担ではないという意識を持つような形の制度設計になっておりまして、細かい制度ではそうならないようなインセンティブ設計もあるんですが、実際そういうふうな形になってきている。あとは3番目に、先ほどお話がありました東京に財源があるんじゃないかというような意味の余裕財源の有効活用ということです。

 裏面に行っていただいて、短期的問題改善の方法として、これは歳出面ということで、今お話もありましたように、平時モードへの回帰ということで別枠加算とか歳出特別枠、国がこれまで国の借金で地方を賄ってきた部分をどう見直していくのか。これは総額を減らすだけではなくて、中身も含めて、積み上げではなくて、ぽっと政治で決まるような部分というのをどう考えて見直すのかと。

 それから、当然これは歳出面、国の仕組みの中で決まってくる地方が負担する社会保障の部分をどのように効率化していくのか。それから、将来世代に影響を与えない程度にインフラ更新をどうしていくのか。こちらは少しコストがかかる話なんですけれども、そこも少し考えていかないといけないのではないか。

 インフラのほうも少し研究しておりまして、先週ちょうど月曜日、ここで議論されたと思いますけれども、そこに私参加できなかったんですが、少し資料も提出させていただいて、インフラのあり方という部分も議論すべきかと。これは地方財政にかかわる話だと思います。

 それから、歳入面に関しては、赤字地方債に頼らないとなると、あとは税収を確保していくしかないんですけれども、なかなか消費税も増税する中で、ほかの税収確保が難しければ、やはり税源偏在の是正ということで、先ほどありました東京とか余裕のあるところから、地方の中でやりくりをしてもらうと。国に影響を与えない、国の財源を使わない形で、実際赤字地方債を発行しているところの地方債を減らすという仕組みが重要なのではないかと。

 あとは消費税による税収増加とその対応ということで、社会保障を充実させるということなんですけれども、それと将来世代への負担の先送りみたいなところのバランスをどう考えるのかというのが鍵になると思います。

 あとの2枚は、以前、財政審の場でも話しさせていただいた中長期的なお話で、どのように地方財政計画、交付税を変えていけばいいのかというお話なので、今日はちょっと長くなっていますから見ていただくだけでいいのですが、将来的には財政調整と財源保障を、きっちりと区分けしていくのが重要ではないかということで、最後の図のところ、1つだけ、黒い枠で囲ってあるところ、現状、黒い枠のところがばらばらになっているんですが、そこをきれいに分離するというようなことがイメージ図になっております。これはここにいらっしゃる土居先生とともに提言させていただいた部分からの資料でございます。

 すみません、長くなりました。以上です。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 では、田近委員。

〔 田近委員 〕 田近です。今、赤井さんから非常に包括的な話があって、その短期的な問題の解決というところにも関係するんですけれども、私の質問は、地方消費税の増税による社会保障財源の確保という点について質問させてください。お手元を煩わせて恐縮なんですけれども、今日いただいた資料の関連資料の7ページと、先ほど青木主計官がご説明になった資料の16ページ、この2つを見ながら意見を述べさせていただきたいんですけれども、言いたいことはこういうことです。今回、消費税が上がると。89年に1回上がって、97年に上がっているんですけれども、89年のときは、結局は所得税の抜本改革に伴って、実態的にはネットで税制中立よりも減税がきいていたと。2回目のときは、皆さんあまりご指摘しないんですけれども、3年間所得税の減税をしていて、それを取り返すような形でやったと。今回、違うのは、減税はなしに、基本的に社会保障の充実ということで国民に負担を求めた、私はそう思っています。上げたところで経済対策はしていますけれども、消費税を求めるスピリットとしては社会保障財源だと。

 それで、これから5%消費税を上げるということに関しては、我々財政学者もそうですけれども、財審もそれがきちんと社会保障財源にこう使われているんだというのを示すということが我々の責務だと思っています。その関連で地方消費税を考えると、私の思う限り、どうも必ずしもそう行っていないんじゃないかと。それがまた、最後、青木さんがご説明になったように、税収格差というような形で違う問題に飛び火しているんじゃないかというのは指摘したいと思います。

 関連資料、これは新川主計官が説明されたと思うんですけれども、我々のマインドセットはこうなっているんですよね。消費税が5%上がると14兆円収入がありますよと。そのうち社会保障の充実だとか、消費税引上げに伴う国・地方の負担とか、あと基礎年金の負担が増えて、それを引くと7.3兆円ありますよと。7.3兆円は後代への負担のつけ回しの軽減、いい言葉だと思うんですけれども、だから、私もここの場に座っていまして、7.3兆円の後代への負担のつけ回しをきちんと財審として説明すると。これが今年の財審の仕事だと思って聞いていたわけです。

 さて、ここから面倒くさい。青木さんも苦労していましたけど、もとの資料の16ページで考え方を説明します。結果的に、島根県、東京都と出すよりも、地方交付税の交付団体と不交付団体のご説明をされたほうが話はわかりやすかったかなと思いますけども、こういうことです。我々は7.3兆円がどうやって社会保障に使われたかということを追いかけているんですけれども、国の分はいいと思うんです。国の分は、消費税が増えた部分は定率負担に用いられて、結果的に赤字国債が減る。つまり、そういう形で減りますよということで私は理解できたと思います。

 16ページ、もしおわかりにならなければ、青木さんに質問してもらうとして、島根県というのは典型的な交付団体なんですけれども、島根県は今回の地方消費税の改革で90億円手に入るわけですよね。そのうち、社会保障の充実で30億円使ってくださいということで60億円の税収が増えると。そうすると、島根県はある意味でかわいそうなんですけれども、60億円基準財政収入が増えたんだから、あなたのところは地方交付税は60億円減りますよと。そうすると、この交付団体は何だったんだと。自分たちは機能強化のところは払って、交付税が単に減るだけなので、完全にパススルーするわけですよね。それがいいか悪いか。我々はそうして欲しいし、そうなるべきだと主張すべきだと思うんですけども。ここの問題は、東京都の場合で、東京都の場合は既に基準財政需要よりも収入が増えていて、そこに、この計算によると0.3兆円上乗せされちゃうわけですよね。そうすると、青木さんの資料がまさにうまく書いているんですけれども、島根県のほうは後代への負担のつけ回しの軽減60億円、左のほうには書いていないじゃないかというのが端的に言うと私の質問なんです。

 それで、問題が飛び火したというか、レッドヘリングという言葉があるんですけども、イワシの薫製か何かをばらまいて、猟犬の鼻をわからなくしちゃうと。これはレッドヘリングだと僕思うんです。というのは、地方消費税が増えると、東京都と地方が偏在するよと。だから、これを今度は何とか税で調整しなきゃいけないというのは、全くのまやかしだと思うんですよね。

 問題は、東京都の0.3兆円をあげなければいいわけですよね。あげないというのは、例えば国が不交付団体に出している社会保障に関連する補助金をカットする。そういう形で対処して、本来、背の高さは上がらないはずなんです。そういうことで、話せば長くなってしまうんですけれども、珍しく私、非常に責任感というか、今回に関して、7.3兆円が1円に至るまでも国民にこう使われましたよと。だから皆さん5%払ってくださいと。そういう説明をしなければ、やはり到底、今3%ですけれども、次の2%もたないということで、まとめると、島根県は、だから何でこんな形でお金を配るんだと。島根県にとっては何もありがたくないじゃないかと。負担分を払わされて、60億円は税金が来たら全部出してくださいということだから、何でこんな仕組みにしたんだと。第1点です。

 東京都については先ほどのことで、最後まとめさせていただくと、誤りを改めるのに遅いことがないとするならば、やっぱり消費税というのは会計をつくって、7.3兆円が国・地方あわせてこうやって使いましたよと。国民の皆さん、これで我々の社会保障の一部が賄われるんですよと、そういう絵を描くべきだったと思います。それはそれで感想ですけども。質問は、したがって、東京都に関しては、この0.3兆円というのは、事実確認とともに、これは取っちゃうべきだと思います。これを財政力格差に持っていくというのは問題の本質をゆがめるものだと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、事務局からレスポンスをお願いします。

〔 青木主計官 〕 ありがとうございます。まず1点目、島根県について言いますと、まず、島根県は交付税ももちろん減ります。その交付税というのは、原資になっているのは国の借金、特例加算の部分ですので、国の借金を通じて島根県の社会保障に今まで充てていた部分が減ると。国の借金が減る。それから、島根県自身の臨時財政対策債、島根県自身の借金も減ると。これはその県それぞれの交付団体にとってみると、今まで自分の借金、または国からの借金を通じてファイナンスしていた社会保障が、ちゃんとある意味自前の財源になるという意味で、やはり持続可能性という意味で、そういうことなのかな。もちろん、そのときは国も一緒ですけれども、だからといって別のところで歳出をまたむやみやたらに増やしてしまったら、結局元も子もないので、そこはちゃんと見ていかなければいけないと考えています。

 それから、東京都の部分です。これは地方税と交付税が今回1.54%分をあわせて増やしたわけなんですけれども、そのうちの1.2%部分は地方消費税、地方税自身の充実、これまた別途、税制の議論からいうと、地方税の充実というのは非常に重要なことで、そこの部分を合わせてミックスしてセットしたわけです。そうすると、どうしても地方税ですから、全国同じ決まりですから、東京都だけとか、不交付団体だけにあげないというわけにはいきませんから、そこはこういう問題がどうしても出てきてしまうということでございます。

 それは関係ないじゃないか。こっちの話をこっちでけりつけるのはおかしいじゃないかということなんですけれども、一方で、格差があって、税収でほとんど全部賄えている団体とそうでない団体があるということの一番の原因は法人課税のところにあると。そこを見直して、ならして、全体のトータルの歳出はきちんと抑えるという努力をしながら、そういうことも考えていかなければならないのではないかという問題意識でこういうのを出しました。先生がおっしゃるような、例えば補助金を、東京都、おまえのところに財源があるから、おまえにはあげないみたいな、そういうのはまた、1つの考え方としてはあるとは思うんですけれども、これも補助制度というものがあって、それはなかなか簡単な問題ではないとは思います。

〔 田近委員 〕 1つの考え方を示しただけで、僕は7.3兆円がどう使われたかの説明責任を果たさなければならないということで、今、青木さんのご説明だと、0.3兆円は結局、説明責任を果たしていないんじゃないかと思うんですけどね。

〔 青木主計官 〕 最初に言わなくてはいけなかったかもしれません。まず、東京都の社会保障財源にここの部分が当たっているということは事実、そこはそうなんですね。玉突きで出てくる財源をどうしなきゃいけない。社会保障にちゃんと当たっているかどうかのチェックは当然やっていかなければいけないし、玉突きで出たものが、別のよくわからない歳出に使われているかどうかというところはちゃんと見ていかなければいけないと思いますけれども、総体で考えて、地方税の今回の見直しをやっていかなければいけないのではないかという問題意識なんです。

〔 吉川分科会長 〕 では、葛西委員、富田委員。

〔 葛西委員 〕 非常に大ざっぱな議論かもしれないんですが、歳入と歳出を見ると、歳出の中で大きいのは給与と一般行政経費ですよね。これを何とか減らしていくんだというときに、現在、多分地方公務員の高年齢化が進んでいますから、その高年齢化した地方公務員が退職していくのを不補充にしておいて、人数が減る中で、自分たちで何かいろいろやり方を考えさせるとか、生産性を上げさせるとかいう自動的な自立効果のあるシステムを考えるのが一番いいんじゃないかと思います。

 ですから、例えばやめた人の3分の1しか採用してはいけないというふうに原則としてしておいて、それでもって自分たちでとことんやらせてみて、もちろん地域によっていろいろ情勢が違うでしょうから、増員をいっぱい抱えているところもあるだろうし、あるいはぎりぎりでやっているところもあるでしょうから、そこを見て部分的に、多分、給与関係経費と一般行政経費というのは裏と表になっているわけですから、この2つの部分を減らしていくということを考えないと、細かい議論を1つずつやり合っていても、なかなか成果が上がらないんじゃないかと思います。人間の採用抑制をかけたらいかがかということと、そういうことは可能なのかどうかというのをちょっとお伺いしたいんですけども。

〔 吉川分科会長 〕 事務局。

〔 青木主計官 〕 人件費を減らさなければいけないというのは、まさにそのとおりで、そのための手法として、だんだん退職者が増えている時代に補充というか、新規採用を抑えることが、全然そうでない時代に比べてやれる環境にあるということは確かだと思います。

 その上で、国と地方の話、両方あると思いますけれども、国は国の採用、公務員制度全体を考えていかなければいけないと思います。地方の場合について申しますと、各地方団体のそれぞれの人事制度というか、人件費をどうするのか。それから、採用をどうするのかというのは、地方団体がまずはお考えになるべきもの。それを国からこうしろああしろというのは、ちょっとそこは違うのかな。ただ、財政制度としてどこまで標準的な歳出として地方交付税で見るかというところでは、やはりこれは毎年毎年しっかり中身を精査して、人件費という、P掛けるQのQの部分と、去年はPの部分をやりましたけれども、そこの部分と両方厳しく見ていかなければいけないのかな。ちょっとワンクッションあると思いますけども、そういうことだと思います。

〔 葛西委員 〕 ついでに追加して、もう一つなんですけど、地方で決めることだというのは、そのとおりだと思うんですが、例えば国から税金を交付税みたいな形で入れていますね。それを、例えば当然そういうことをやることを前提に切ってしまうというふうにすれば、ある種の矯正能力が働いていくということになるのではないかという気がするんです。そういう手はとれないんですか。

〔 青木主計官 〕 まさに交付税の計算上、給与関係費をどう見積もるかというところで、去年の話というのは、国家公務員並みであると我々は主張して、それで一律そうしたので、給与の部分については、ある意味、国と地方で給与水準が大分明確に違ったということもあって、そこら辺はそういう議論がはっきりできたんですけれども、個々の団体で、団体にもいろいろある中でどこまでできるか。結局、最後、地方財政計画というのは総務省と我々、また地方団体との折衝で決まってくるので、それを一律びしっとはなかなかできないのです。

〔 吉川分科会長 〕 富田委員、土居委員、碓井委員、井伊委員、それから秋山委員、その順でお願いします。

〔 富田委員 〕 主計官から2つ説明がございまして、最初の部分は、国で赤字国債を発行して交付税を配ったら、地方の預金が、減債基金が大幅に増えたという話なんです。これは、先ほど来主計官が、毎年国がどこまで財源保障するかという地方財政計画を精査するというお話がございましたけれども、残念ながら、歳出特別枠というのは全然精査されていなかったのではないか。その点、我々も積算がないまま繰り返し大規模なものが発動されてきたことの問題点を指摘させていただきました。その意味で歳出特別枠の問題というのは、主計官がご指摘のように、これを廃止していくということが妥当というふうに思います。

 さらにその上で、交付税全体の議論が今日あるわけですけれども、補助金については、かつて会計検査院が平成22年12月に、都道府県及び政令指定都市における国庫補助事業に係る事務費の不適正な経理処理を検査したら、全部の都道府県と政令市はやっていたことが補助金については明らかになっているんですけれども、交付税は何に使ってもいい一般財源だということで、国税の一定割合が出て、さらには赤字国債が発行されて支給されているにもかかわらず、どういう使い方かよくわからないということが、過去もそうだし、これからの問題について、先ほど田近委員がご指摘になったところだと思うんです。

 そういう意味で、先ほど来7兆3,000億円ということで、田近委員ご指摘があったわけですけれども、私もそのとおりだと思うんです。大事な問題は、これはもう決めちゃったことなんですけれども、社会保障の目的財源化ということで地方消費税の税率と地方交付税率を決めてしまったんですが、その積算について、我々、たしか田近委員が部会長をやっていた法制・公会計部会でもって議論しようとしたときがあるんですけれども、どこかからかちょっと議論がなくなっちゃったんですけれども、やはり積算というのは非常に大事であって、先ほどの地方公務員の人件費もそうなんですけれども、それは一体どういう形になっているのか。

 だから、地方分権とか地方自治なら、全て国の財源で保障しているわけですから、国会議員たるもの主権者の代表として、全ての項目について細かに精査して、説明責任を持つべきだと思うんですね。赤字国債を出していて何で地方自治体の預金が増えているかということの説明をきっちりとできるようにすることが大事だと。そこに交付税の問題の本質があって、過去も問題だったし、これからもこのまま問題を抱えていいのかということがあろうかと思います。

〔 吉川分科会長 〕 はい。ご意見だったと思います。

 第2の議題もありますので、簡潔にお願いいたします。土居委員。

〔 土居委員 〕 ご説明ありがとうございます。先ほど主計官がご説明になったように、今回の社会保障・税一体改革に伴う消費税の増税分を地方財政においてもきちんと社会保障に充当しているということは、引き続ききちんと地方自治体に説明を求めていくべきだと思います。

 東京都の財源超過があるといえども、今回の消費税率の引上げというのは、あくまでも社会保障財源のためということを明確にして国会で通ったわけですから、やはりきちんと超過財源についても社会保障に充当しているということを東京都にも徹底していただきたいと思います。

 それとともに、田近先生から召し上げたらどうだという話がありましたけれども、召し上げるのは難しいと私も思いますけれども、例えば待機児童解消など都市部を中心に財政需要があるような、そういう社会保障の補助金できちんと地方負担をお願いするということを通じて、増税分による財源超過のお金が、国の負担を減らし、地方負担を増やすというようなところできちんとその財源を使っていただくということを通じて貢献することも私はできるんじゃないかと思います。

 最後に、中期財政計画などで地方一般財源総額は、来年度、再来年度とほぼ同水準を維持するということが決められているという制約が、地方財政の運営においては、ないしは地方交付税の総額決定においてはいろいろと制約になるんだと思いますけれども、別枠加算の縮小とか、特例加算の縮小ということは総額維持ということで緩むことなくしっかりやっていただきたい、こういうふうに思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 では、碓井委員。

〔 碓井委員 〕 歳出特別枠の精査の必要性については、富田委員と同じ意見です。

 それから、これは青木主計官に質問ですが、今日のご説明、それほど都道府県と市町村を区別されていない。しかし、東京都の問題は個別に出てきてはいるんですが、そういうときに、税制の仕組みの違いによる差は当然あるんですが、都道府県と市町村とを同じようなレベルで議論、あるいは認識していていいのかというのが私の質問ですが。

〔 吉川分科会長 〕 では、事務局、簡潔にお願いいたします。

〔 青木主計官 〕 そこは、どうしてもわかりやすさという点で都道府県だけの資料になってしまうんですけれども、当然、市町村の財政の問題、それから税収格差の問題も含めて、よく考えていかなければいけないと思っています。

〔 吉川分科会長 〕 では、井伊委員。

〔 井伊委員 〕 青木主計官に2点質問がございます。1点目は、地方交付税ですが、数年前まで新型交付税がよく議論されていて、人口と面積で、誰にでもわかるシンプルで透明化した交付税の配り方が議論されていたのですが、最近はどのような議論になっているのかということです。

 前回の社会保障の議論とも関係するのですけれども、例えば、自治体病院のベッド数、病床数というのも基準財政需要の対象になっていたと思います。数年前に聞いたところでは、1ベッド当たり大体50万円ぐらいの地方交付税に対応するそうで、しかし、交付税というのは色がついておらず、自治体が自由に使えますので、実際、自治体病院に使われているかどうかわからない。こうしたことも、前回ありましたように、補助金による自治体病院の再編がうまくいかない理由の1つだと私は思っているのですが、そのあたり、まず1点目の質問です。

 あともう1点は、先ほどの東京都の医療費の自己負担ですが、例えば東京都は中学校卒業まで無料になっていますけれども、医療費の自己負担化というのは、東京都が無料にしているのは、中学生でしたら3割の自己負担分だけで、残りの7割というのは、患者が健保組合の被扶養者であれば健保組合が、国保や協会けんぽの被扶養者であれば、保険料のほかに税金で財政負担をしていることになると思うのですが、例えば東京都が単独事業で小児医療を無料化にした場合に、東京都の子供の受診率が増えると、全国民の財政負担が増えてしまう仕組みになっていると思うのですが、そうなると、東京をはじめとして、自治体も社会保障の使い方の透明化、説明責任と先ほどから出ていますが、そこが不十分だと思うのですが、そのあたりもご意見を聞かせていただければと思います。

〔 吉川分科会長 〕 2点、お願いします。

〔 青木主計官 〕 前者のほうについては、当然、交付税の配分、実際総額を決めた後に、各団体にどういうふうに配分するかに当たって、できる限り客観的でわかりやすい指標をもってすべきだというのは、1つのお考えだと思いますし、そういう流れで来ていると思います。また、同じ流れで、政策的な物事に交付税を使うというのはよろしくないというのも意見としてあります。

 ただ一方で、今、総務省のほうでいろいろご検討されているのは、行革努力みたいなものを、つまり、人件費を一生懸命抑制したところにより配分がいくといったようなことも別途お考えのようですが、そこはただ、バランスをとって総務省のほうでお考えになっていると思います。

 それから、後者のほうは、やはりそこは安易に所得制限もなく、一律で全部無料にするというようなお話は、おっしゃるような副次的な影響もありますので、しっかり見ていかなればいけないと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、秋山委員。

〔 秋山委員 〕 それでは、本日の地方財政に関する、2つの論点について簡潔に申し上げたいと思います。まず1点目の総額抑制ですが、これについては、当たり前のことではあるんですけれども、改めてルールを決めて実行するしかないだろうというふうに思います。第1ステップとしては、やはり議論になっております歳出特別枠をどうやって縮減していくかということですが、これは年限を決めて廃止の方向を打ち出していくことが第一歩であろうと思います。

 それから、その次に総額をコントロールするためには、何かルール、ディシプリンのようなものが必ず必要であると思いますので、そういったものを打ち出していかない限り、同じような議論が何年も何年も続くという、この状況が打破できないのではないかと思っております。

 それから、2点目の地方法人課税、財政力格差の問題ですが、これは、税の問題かもしれませんが、あえて1点だけ各論を申し上げさせていただきたいのは、今、成長戦略の議論の中で、国家戦略特区のほうも携わらせていただいている関係で、今回、地方も含めていろんな方からたくさんの提案をいただきました。その中から、地方の提案の中にも、例えば法人税を減免することによって企業を誘致したい、外国企業も含めてどんどん地方に誘致して、それを地域の活性化、ひいては財政力強化につなげていきたいというようなご提案も幾つか現実にいただいております。あるいは新規創業の企業についての創業当初何年かの法人税の減免を地方分については地方の裁量である程度--ある程度と言っても、かなり思い切った形でできれば、地方の活性化、財政の健全化にも資するのではないかという積極的なご提案があったことを一言申し添えて、財政の観点からもこういった取組みは意義あることではないかと思っております。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 どうも。それでは、鳥原委員、田中委員。

〔 鳥原委員 〕 1点だけ、意見を簡単に述べます。地方交付税につきましては、これまでも各地方公共団体が行財政改革に取り組むインセンティブとなるような見直しが必要であると申し述べてきましたけれども、政府の骨太の方針や中期財政計画におきましても、地方交付税の算定を、頑張る地方を支援するため、行革努力と地域経済活性化の成果の2つの観点から行うということが盛り込まれておりまして、何より地方自治体の努力が報われるような仕組みに早急に改める必要があると思います。

 なお、地域活性化の視点から言えば、必要な権限、財源、人材を国から地方に思い切って移譲して、地域の自立と活性化を目指す地方分権を進める、そういう予算編成とすべきであると思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 では、田中委員。

〔 田中委員 〕 先ほどの秋山委員の意見とやや重なるところがあるんですが、10ページにあるリーマンショック後に設けた、これは麻生さんが首相のときに設けたと記憶しているのですが、別枠加算枠、当然これは解消するということなんですが、なぜこれを設定するときにサンセット、終わりの期限を設けなかったのかというのが非常に疑問でして、おそらく類似の問題がほかにもあるでしょうから、このようなイレギュラーなものを設けるときには、必ず終わりの期限を入れた上で措置するべきではないかと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

〔 富田委員 〕 ちょっとすみません。

〔 吉川分科会長 〕 どうぞ、富田委員。

〔 富田委員 〕 すみません、26年度、27年度の、来年度、再来年度の地方の一般財源総額について、先ほど土居委員から25年度、本年度と横ばいだというお話しなんですが、あそこにはたしか実質的に横ばい、「実質」という言葉が入っていまして、そんな預金を増やすような、あるいは裏金と言ったらちょっと言葉が悪いですけれども、会計検査院の指摘を受けるような、そういうことに使うことは、決して実質的に横ばいじゃないわけでして、青木主計官におかれては、頑張って一般財源総額の抑制に努めていただきたい。

〔 吉川分科会長 〕 どうも。何か締めの言葉みたいな感じですが。

 では、第2の議題もありますので、ここで地方財政に関する議論は終わりにしまして、休憩を10分くらいとって、45分再開ということでお願いいたします。ご協力よろしくお願いします。

( 休  憩 )

〔 吉川分科会長 〕 では、後半、「文教・科学技術」に関する議論を始めたいと思います。

 井藤主計官、説明をお願いいたします。

〔 井藤主計官 〕 文部科学担当の主計官の井藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、時間も限られておりますので、早速ご説明させていただきたいと思います。本日は資料2と3、文教・科学技術関係資料とオリンピック・パラリンピック関係資料、この2つの資料に沿ってご説明させていただきたいと思います。

 まず最初に、資料2のほうですが、大部ですのでポイントを絞ってご説明させていただきます。まず、5ページをおめくりいただけますでしょうか。それまでのページでは文教・科学技術予算の概要や日本全体の財政状況について資料を載せておりますけれども、そこはお時間があるときにお目通しいただくといたしまして、よく我が国は教育にかける支出が少ないんだと、OECD諸国と比べてもという話がありますが、子供の数が右下のほうにありますけれども、子供の数が少ないということなので、受益者1人当たりというか、子供1人当たりで見ると、遜色がないということだと思います。

 それで、8ページをおめくりいただけますでしょうか。近年の国・地方の教育費の推移ですけれども、青い折れ線グラフを見ていただければわかるんですが、近年、子供の数というのは相当減ってきていると。他方、黒い線の教育費につきましては、これをしっかりと維持してきているというような状況がございまして、1人当たりの公教育費については、平成元年に比べると6割増と、非常に大きく増加しているということでございます。

 それで、下に矢印ありますけれども、仮に子供1人当たりの教育費というものを維持していくと考えると、1年当たり1,200億円ぐらいは国と地方で削減、合理化できるのではないかということでございます。

 それで、10ページから義務教育関係予算ということでございますが、11ページをおめくりください。公立の小中学校の先生の定数と児童生徒数の推移ですが、ここでも先ほどの全体と同じような傾向がありまして、生徒数がすごく減っていく中で先生の数というのはそんなに減らしていないと、最近ではかなり維持していると。こういう中で、生徒40人当たり、1人当たりも同じですけれども、教職員数は4割増しというような状況になってございます。

 それで、16ページをおめくりいただきたいんですけれども、よく日本は先生1人当たりの子供の数が多いんだと。だからクラスサイズも大きくなるんだという話が言われることもある、あったと言ったほうがいいのかもしれませんけれども、こういう考え方とか通念が、若干残っているような気がするんですけれども、今みたいに子供の数が激減する中で、状況は劇的に改善しておりまして、2013年の見込みを見ると、もはやこれは諸外国と比べても全然悪くない水準だと。今後、子供の数が減る中で定数改善を殊更しなくても、さらに良くなっていくということが見込まれるわけでございます。

 それで17ページなんですけれども、時間もないので一番最後のところだけご説明しますけれども、文科省は今後7年間で3.4万人の定数改善、今の基準に比して先生の数を増やすということでございまして、その初年度分として3,800人増の要求をされているということでございまして、ここら辺の話は年々歳々みたいな話でもあるんですが、こういう要求が引き続き来ているということでございます。

 これは主に35人以下学級ですとか、そういったものを推進するというようなことが中心になっているわけですが、18ページ、次のページをごらんいただければと思いますが、我々、最大の問題だと思っておりますのは、1.少人数学級の学力等への効果というのがなかなか明確に見出せないと。下の箱なんですが、2としまして、これまでの実証研究等でも、よくわからないということでございます。

 こうした中で先生の人件費というのを増やしていくべきなのかということなんですが、19ページでございます。この春に、文部科学省のほうで全国学力・学習状況調査というものをやってございます。文科省は、結果は、左下、右下それぞれあるんですが、左下のほうが平均正答率、どのぐらい正答率が上がったか下がったか。右のほうは無回答の数が、回答しなかった問題数が上がったか下がったかということなんですけれども、小学校のほう、赤い点線のところなんですけれども、小学校においてティームティーチングに取り組んだ学校の平均正答率が向上していると。中学校においては習熟度別指導に取り組んだ学校の平均正答率が向上しているというふうに肯定的な評価をされているんですが、同じ基準に立つなら、小中学校ともに少人数学級に取り組んだ学校の平均正答率は実は下がっておりまして、左のほうの表の赤い丸のところですけれども、これは悪化したと評価せざるを得ないのではないかと。そういうことは明示的な評価はなされていないんですけれども、他方で、少人数学級の効果としましては、文科省は、右の下のほうなんですけれども、赤の点線で囲ったところですが、平均の無回答数が減少したと。ということは、忖度すれば、石にかじりついてでも回答しようというやる気が増えたということなのだろうと思いますけれども、学習への積極的な姿勢が見られると評価されてございます。

 ただ、同じ基準に立つならば、右の表の赤い丸ですが、ティームティーチングや習熟度別指導というのは、逆に無回答数が上がっていますので、学習の姿勢が悪化したというようなことと評価せざるを得ないわけで、ここら辺、一体どういう評価なのだろうというふうに我々思っているということでございます。

 次のページ以下、いろいろな関係資料を置いていますけれども、24ページですが、これは2012年でPISAのほうが国際比較の学力調査を教訓とした日本への提言が行われております。上のパラグラフですが、国際比較の結果を見れば、学級規模の縮小に追加資源を充てることが最も効果的という考え方はあまり支持できない。実際、PISAの結果を見れば、成績が良い国は学級規模より教育の質を優先している。日本では教育への追加投資の多くが学級規模の縮小に充てられていることが問題の本質と。下のほうの結論も同じようなことを書いているんですが、こういう評価もなされております。

 25ページですけれども、仮にそういう少人数学級というのが大事ということであれば、実はそのポイントとして、左下の表なんですが、担任外の先生というのは小中学校合わせて既に17万人近くいます。他方、右の表ですが、収容人員別学級数というものをごらんいただきますと、36人以上の学級というのが5万6,000程度ということなので、そもそもそんなに必要であれば、ここら辺を活用すれば、既に十分実施できるんじゃないかというような議論もございます。

 26ページなんですけれども、教員を、今の足元の状況で採用数、当然定数を増やしていくと、採用を増やしていくというようなことにつながるわけでございますけれども、昔は緑の折れ線グラフのところなんですけれども、先生になる倍率というのが非常に高くて、先生になるのが非常に難しかったんですが、近年、団塊の世代の先生方が大量にやめられるということで、どんどん採用数が増えていると。こういうことで定数を増やすということが教育の質の維持の関係ということで、どういうふうに考えたらいいのだろうかという問題でございます。

 28ページですけれども、よく教育関係の方々は、教育は充実させなければいけないと。したがって、教育予算を、OECD諸国に比べても、私は正しい評価じゃないと思いますけれども、低いので充実すべきだと言うんですけれども、その実態というのは、小中学校の予算の大宗は教員の給料というわけです。国の例は左下の棒グラフですけれども、人件費87%。国・地方を合わせても、右のほうを見ていただければよくわかるんですけれども、そういう感じでございます。こういった教育予算の充実ということが、先生の数とか給料を増やせということなのか。それで国民の理解がほんとうに得られるのだろうかということだと思います。

 それで、29ページですが、1つの方向性を示唆するものとして、今回、ある自治体の取組みをご紹介したいと考えてございます。事業の概要というところでございますけれども、平成14年度、これは学校の週休2日制が全国で始まった年なんですけれども、教育というのはやっぱり大事だと。ここがだめだと、町が廃れてはいかんということで、教育でまちづくりをやろうということで「学びの21世紀塾」というものを開講されています。事業内容というところを、左下のほうをごらんいただければと思うんですが、これは豊後高田市の取組みでございまして、人口が2.4万人、小さな市でございます。小中学校合わせて1,600人程度。それで、ここでやっている講座なんですけれども、これから内容を説明しますけれども、受講者も1,600人を超えているということで、相当な参加率なわけです。

 事業内容ですけれども、例えば、マル1いきいき土曜日事業ということで土曜日の隔週なんですけれども、寺子屋講座と称して、小学校、中学校、幼稚園も年長さんが入っていますけれども、英会話、国語、算数等々やっていると。また、水曜日の放課後には中学生を相手に講座を開いていると。夏季や冬季には受験生に集中講座をしていると。マル2で残りの土曜日には体験活動もやっていると。マル3として、さらに放課後については、中学生の学業面の講座に加えて、スポーツや文化活動もやっていると。

 黄色いところがポイントなんですけれども、受講料は全て無料でございます。それで講師は市民ボランティア、先生のOBなんかも随分参加されているようでございます。それで土曜日や放課後を有効に使って教育を補完しているということなんですが、青い矢印のところですが、少ない財政負担ですごく大きな効果を得られていると考えてございまして、1年間にかかったお金というのが1,400万円程度です。他方、参考なんですけれども、義務教育の先生の1人当たりの年間コストというのは、社会保険料分を加味すると850万円にもなるわけでございまして、先生2人分にも満たないようなコストでやっていると。

 他方、成果なんですけれども、大分県教育委員会が実施します「基礎・基本の定着状況調査」で、近年8年連続トップと。それ以前は非常に悪かったんですが、ずっとトップに躍り出ていると。また、これだけ小さい町なんですけれども、全国少年軟式野球大会で中学生が優勝するといったような成果も出ているということです。

 こういった中で、外部人材の活用、地域人材の活用というのが1つの大きな方向性を示唆すると思うんですけれども、30ページでございます。ブルーの棒グラフがスクールカウンセラーの配置状況なんですけれども、こういったものは人材活用が進んでいるわけですけれども、右のほうが地域人材の活用状況ということで、全体的に低調な部分があって、特に中学校においてはかなり低調だという状況でございます。

 こうした中で、31ページということですけれども、今後の教職員定数のあり方ということでございますが、矢印が3つございます。それで真ん中の矢印というのが、今後定数改善を行わない場合どうなるかと。子供が減るので、今後先生の数というのは減っていきます。他方、文部科学省の要求というのは、減った分は全て戻してほしいということでございます。ただ、我々の考え方というのは、これだけ財政制約が高まる中で、受益者というか、子供当たりの投資額というものは確保するにしても、子供当たりの職員数を維持するということを考えてみたら、むしろそれで追加的な財源が生み出せるのではないかということでございまして、その浮いた財源というか、捻出された財源で地域人材を活用するだとか、財政の健全化が果たせるということではないかと考えてございます。

 左の四角の欄を参考につけてございますけれども、子供当たりの教員数を維持すると、26年度で言えば、120億円国費が減少すると。さらに、今ちょうど出てございます給与水準を地方公務員並みに調整すれば、さらにプラスがありまして、400億円近い減少も可能になるということでございます。

 2ページ飛んでいただきまして、33ページですが、教員給与の見直しについてでございます。教員給与につきましては、昭和49年に、一番上ですけれども、人材確保法というのがございまして、一般の公務員に比して優遇な措置が講じられなければならないということだったんですけれども、一番下の四角ですけれども、平成18年に閣議決定がなされまして、優遇措置を縮減するということが決まってございます。

 この結果、右のページなんですけれども、左下の棒グラフの比較を見ていただければと思うんですけれども、月額ベースで見ると、相当格差というものは縮まってございます。しかし、右の吹き出しの下の丸のところにありますように、給与の調整というのを特別手当の縮減によって行っていますものですから、年収ベースで比較すると、約10万円教員が上回っている状況でございます。こういうことについても引き続き見直していく必要があると考えているわけでございます。

 若干ページをおめくりいただきまして、時間も限られてございますので、大学関係予算のほうに進みたいと考えてございます。大学関係につきましては、特に国立大学、38ページから41ページまで、いろいろな大学改革について参考資料をつけさせていただいております。いろいろ大事な点が含まれているんですけれども、時間の関係でご説明は省略させていただきますけれども、41ページでございまして、まさにこの秋にも国立大学改革プランを策定して、大学をどんどん改革していこうということになっているわけでございます。ただ、大学の改革の主体というのは、これはあくまでも大学でございまして、やっぱり大学がきっちりとやる気にならないと、さらに大学がきっちりと改革を実行できないと、幾ら笛を吹いても誰も踊らないというような、踊るというのは表現が悪いですけれども、改革が進まないので、かけ声倒れになると。中でもそういった改革を進めるためには、大学のガバナンス改革とか、学長のリーダーシップの発揮、こういったようなことで実際に改革へ向けて大学が動くようにしていくということが大事だろうと。予算面でもこういう方向でいろいろ考えていけないと思っている次第でございます。

 一方、大学については、改革もいいんだけれども、42ページですけれども、近年運営費交付金をいろいろ削られて、とてもそれどころじゃないという話もあります。ただ、これは、43ページをおめくりいただければということなんですけれども、国立大学の法人全体の収入で見ると、これはかなり伸びているわけでございまして、運営費交付金が減っているのは、病院の赤字分が診療報酬の改定等によって改善して、その補塡がなくなるとか、いろいろな要因で運営費交付金は減っているんですけれども、全体の収入なりが決して減っているわけではないということでございます。

 それで、45ページなんですけれども、大学改革を推進していく上で、予算面でどういうかかわりができるかということなんですけれども、そういう改革をいろいろ進めるために、大学の機能強化のために、実は国立大学運営費交付金の、今では約1割程度になっていますけれども、特別運営費交付金というものを設けて競争的に配分していこうとしているわけでございますけれども、左に表があるんですけれども、上位10校の配分実績で見ると、その配分の実績というのは、一般の交付金の配分と大差ないわけでございます。したがって、こういうところの配分というのは、より透明、競争的に配分し、さらには国立大学のガバナンス改革というものにより資するように活用していくような方向で見直すべきではないかというふうに考えている次第であります。

 次に、国立大学の授業料の設定についてですけれども、46ページでございます。国立大学の授業料については、文科省が「標準額」というものを決めまして、2割増しの範囲で各大学が自由に設定するということなんですけれども、これは実は標準額にほとんど張りついてございます。「あるべき姿」と上に書いていますけれども、やっぱり質の高い教育を行って、それに見合う授業料を設定すると。そういうことで収入を増加させて、教育をいろいろ充実させたければ、そういった投資に使うし、さらには学生への還元も行えるのではないかということでございます。

 現に、47ページですが、アメリカの例でございます。棒グラフ、右のほうに上下、私立と公立が載っていますけど、やっぱり選抜性の強い大学のほうが授業料も高く取ってございます。ただ、いずれにしても、競争性のいかんにかかわらず、一番上の四角の欄なんですけれども、米国では一般に授業料を高く設定した上で幅広く減免を行って、学生の支援にお金を使っているということなので、日本の大学もこういう方向で考えられたらいかがかというふうに思ってございます。

 次に、奨学金事業の話でございます。同じような文脈なんですけれども、時間も限られてございますので、ポイントをご説明しますと、55ページでございます。一番上の点線の箱なんですけれども、文部科学省は、意欲と能力のある学生が、経済的理由により進学を断念してはいけないということで、今年も無利子の奨学金を5万人程度増やしてほしいというような要望をされてございます。ただ、無利子の貸与を受けている世帯の所得の実態を見ますと、2割以上の世帯が実際700万円以上の所得を得ているというような実態がございまして、より低所得者層の支援を充実させたいというようなことであれば、そこら辺を見直して財源を捻出するというか、プラスアルファの資金を投入するというようなことではなくて、そういう形で重点化をすべきではないかというようなことを考えてございます。

 56ページですが、若干の参考ですけれども、ちょっと古い調査ですが、奨学金というものについては、一番上の左側の点のところですけれども、書籍購入代ではなくて、食費や日常費、電話代、海外旅行などに使われるというような疑いもありますので、高所得者の家庭の学生にどこまで支援するかというようなことも含めて、見直していける余地があるんじゃないかというふうに考えてございます。

 57ページ、58ページは回収状況ということで、返してもらうための回収状況ですが、こういうことは引き続き力を入れてやらないといけないということでございます。

 59ページですが、その他の文教関係予算ということでございまして、2点取り上げさせていただいております。モデル事業と私立学校の耐震改築でございます。モデル事業というのは60ページなんですが、新たな教育手法、地域との連携などをするために、さまざまな事業を全額国費負担でやっているわけでございまして、事業実施後は自治体が自前の財源で普及させていこうという話でございます。ただ、幾つか問題がございまして、61ページなんですけれども、これは調査研究というようなお題目なんですけれども、全県で数十校やっているような話があって、果たしてこれが適切なやり方なのかと。

 さらに、62ページなんですが、実施後には自前の財源で普及させていくという目的ということになっているんですけれども、全額国庫負担で事業が行われていまして、必ずしもニーズが高くない事業が行われていて普及していないこともあるんじゃないかと。さらに、過去に普及しなかったものを手をかえ品をかえ、引き続き新しくやるというふうなこともあるのではないかと。さらに、63ページですけれども、成果・効果をはかる物差しがないため、客観的な事業評価が困難になっていると、こういうことはきっちりと検証していく必要があると考えてございます。

 次に、64ページ、私立学校施設の耐震改築の状況です。今年の新規の要求として、私立学校の改築に対して補助金を出してほしいという新しい要望が出てございます。ただ、上の丸にありますように、学校の経費というのは設置者負担が大原則でございます。また、学校施設は、学校法人の「経営資産」、「民」の経営資産であって、どのように考えるべきかということで、65ページですけれども、私立学校耐震化は、子供の命にもかかわるということで大事なことだと言われているんですけれども、左上のところなんですけれども、私学事業団によってかなり低利の長期融資というのを国が出資もして実施をしているわけでございまして、実はファイナンスの問題ではない。むしろ返せないから補助金くれみたいなエクイティー的な問題になっているわけなんですけれども、しかし、設置者がきっちりと負担するという大原則のもとで、耐震には一部国庫補助していますけれども、同じような割合で改築まで全部出すのはいかがなものかというふうに考えてございます。

 下のほうの総事業費も、これを全てやっていくとすると、全体で1.1兆円ぐらいかかるような話にもなるということでございまして、そこら辺をしっかりと議論していかないと、到底こういう要求は認められないと考えてございます。

 次に、科学技術関係予算でございます。67ページですけれども、科学技術振興費というのは、平成元年度比で3倍と大きな伸びをしております。こういう予算についてどう考えるかということですが、68ページですけれども、諸外国と比較して、よく科学技術も国の投資が少ないんだという話は聞きますけれども、近年の状況を見ると、必ずしもそうではないと。特に69ページなんですが、日本の場合は政府の規模がそんなに大きくないんだと。さらに社会保障費がどんどん増えているという財政制約の中で、一般政府総支出に占める政府研究費の割合を見ると、諸外国と比べても随分頑張っているということがフェアな評価ではないかと。

 70ページですが、そういった中で、科学技術の投資を増やしてきている中で質が上がっているのかというと、1つの指標ですが、相対被引用度というのが質の指標になり得ると思うんですが、これがそんな改善しているわけではありません。また、71ページですが、質と量の、量のほうはどうかと言いますと、論文数というのもそんな増えているわけではなくて、限界効用が若干逓減しているのではないかという疑いがあるということでございます。やっぱりこういったことを考えると、重点化というものの中でより効果のある施策を見極めて、総額を増やすことということではなくて、重点化により対処していく必要があるのではないかということでございます。

 72ページは近年不正という話も大きく取り上げていますので、こういったことにもきっちり対応しなくてはいけないと。

 最後、個別の事業として、75ページ、次世代スーパーコンピュータの開発について新規の要求というものがなされているわけでございます。これは以前の仕分けでも、世界で1位になる必要があるのかという議論がさんざんあったわけですけれども、そういう議論ではなくて、「京」というものは、今現在それで開発されたスパコンはある程度よく利用されていて、いろいろな成果も出ているというふうに説明を受けてございます。他方、諸外国は2020年ごろに向けて次世代スパコンの計画を進めているんだと。だから日本もという話なんですけれども、論点として、国内の研究開発を支えるインフラとして、どのような性能が具体的に要るのだろうと。単に100倍ぐらいに諸外国がやっているからやるんだというだけではなかなか、これだけ巨額の投資というものにゴーサインを出すわけにはいかないのではないかと。

 さらに、国産で開発しなければというような話になっているんですが、77ページをごらんいただくと、今まで「京」とか、地球シミュレータとかいろいろやってきたんですが、その間、日本のベンダーのスパコンの競争力というのはどんどん落ちてきている中で、ほんとうにコスト面で割高になる可能性もあるスパコンを自前で開発する必要があるのかということは大きなイシューだと思います。そうした中で、文部科学省というのは、こういったスパコンについては、量り知れない波及効果というのがあるというふうにご主張されるわけですけれども、そうであれば、そこら辺を十分国民にわかりやすい形で説明していかないと、とてもゴーサインは出せないのだろうなというふうに考えてございます。

 最後、オリンピック・パラリンピック関係資料について一言だけご説明したいと思います。まず、2ページですが、オリンピック・パラリンピック開催、東京で決まりまして、私も一個人としては非常にめでたいというふうに思っているわけです。政府といたしましても、オリンピック・パラリンピックというのは成功させなくてはいかんということできっちりとサポートしていくんだろうと。これが大前提だと思いますけれども、ただ、財政面で考えますと、既に閣議了解なされていますが、例えば1というところで、施設の新設・改善については、通常の公共事業費の中での優先的配分をやりますと。国庫補助負担率等は通常のもの。また、4番で、その他所要経費についても、真に必要なものに限って、既定経費の合理化により賄うものとすると。この辺のところは現在の財政状況を考えると、再確認しておく必要があるのかなと。

 それで、3ページなんですが、今、具体的に何か要求があるというわけでもないんですが、オリンピックの実施に向けては、いろいろな関連分野がございまして、いろいろな省庁も関連していくということでございます。そういったことも意識をしておかなくてはいけないというふうに思います。

 4ページは施設の整備でございます。これは基本的には東京都が施設の整備をするということでございまして、そこはきっちり東京都にやっていただくということが基本だと思います。ただ、国立競技場、1番上のところですが、これは国の独法であるスポーツ振興センターというところがやると。ただ、東京にも応分の負担を求めているというところでございますが、考え方の整理として、5ページですけれども、オリンピック・パラリンピックというのは、開催期間は合わせて1カ月でございます。したがって、こういったインフラとか施設を整備するというところの基本的な考え方といたしましては、オリンピックに必要なもの、仮設であるとか、そういうのは十分、それはあることですが、やはり大会後の社会において必要なものを必要な範囲できっちりつくっていくということだろうと思いますので、大会後の社会がどのようなものを必要としているかという長期視点が必要なのだろうというふうに考えてございます。

 6ページですけれども、国立競技場など新設する施設については、例えば大会後のインフラとして考えていくと、民間のノウハウを入れた運営で合理的なことをやっていかなくてはいけないでしょうし、あとネーミングライツ等の自己収入増加の努力というようなことも一方でやっていただく必要があるというふうに考えてございます。

 それから、下の丸ですけれども、今後いろいろオリンピック・パラリンピックに関連する施策というのも出てくるかもしれませんけれども、こういったことも上記の視点を踏まえてきっちり対応していくというふうに考えてございます。

 いろいろ論点が多岐にわたって恐縮だったんですけれども、教育も科学技術も未来のための投資で極めて大事だということを関係者の方はおっしゃられます。そのこと自体は我々も異存はないわけでございますけれども、だから投資を増やさなきゃいけないというような論調にともすれば関係者の方々はなられます。ただ、高齢化社会のさらなる進展といったようなことを考えていくと、全体の財政制約からは無縁ではいられないということでございまして、こうした中で教育や科学技術は未来の投資であるにしても、だったら幾らでも未来につけ回しをしていいのかというとそうではないと思います。今でも1人当たり相当な予算を投じています。したがって、その中身を最大限見直すことで、なるべく未来へのつけ回しを抑えつつ、より今より高い効果を得るようにしていくというような観点で考えていくことは必須だと思っておりまして、多々論点ありましたけれども、全ての論点を通じて、そういう問題意識でご説明させていただきました。ありがとうございました。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 では、早速、質疑に移りたいと思います。

 まず、田中委員、お願いします。

〔 田中委員 〕 2点あります。1点目は資料の若干の補足であります。2点目は問題提起になります。

 1点目、70ページの相対被引用度の推移という、論文のインパクトファクターと呼ばれているものなんですが、論文の質が高い・低いというふうに書かれているんですけれども、これは引用度が高いか低いかということを上下であらわしていまして、要は研究者という1つの市場の中でよく使われているか、使われていないかという1つの評価の指標であります。ただ、たしかにクオリティーが高い論文も評価されているんですが、あわせて、手法とか技法に関する論文は比較的引用度が高いものでありますので、ここも考慮していただいた上でこういう結果だということをお含みおきいただければと思います。

 2点目ですが、これは義務教育のほうの学校の先生に関してでございます。資料の29ページをごらんいただきたいんですが、豊後高田市の例を井藤主計官が説明されていますけれども、私は、これは費用対効果というだけではなく、今の学校教育という制度の限界を示唆している重要な視点ではないかと思いますので、少し私がかかわっている事例で補足させながら、説明をさせていただきたいと思います。

 「ラーニング・フォー・オール」という学生がつくっている教育系のNPOがあるんですが、これは墨田、足立、葛飾のいわゆるコールド地域と言われている生活保護比率の高い地域の中で、学習困難児童を中心に、週末に学習指導して、そして年間200人、高校に行けないと言われていた子たちを見事に進学させています。教師と言われているのは、全て大学生であります。ここにいる子供たちというのがIQ60〜80ぐらいで、このIQ値は境界領域と言われています。こうした子たちは普通学級には行けますが、授業につけていけないレベルであります。では、どうしてそうなったかと言えば、もともと持っている知能の低さというよりも、幼児のころに貧しくて大人になかなか構ってもらえなかった。あるいはコミュニケーションの時間が少なかったためにIQが落ちてしまっています。「ラーニング・フォー・オール」は、こういう子供たちに1対3、場合によっては1対1ぐらいで、週末3時間だけなんですが、指導しています。

 こうした子供たちを指導するためには非常に難しいスキルが必要とされるとは思うのですけれども、ここにかかわっている全ての人はボランティアの一般の大学生です。その大学生に50時間の訓練をしています。この訓練プログラムは、もともとこの「ラーニング・フォー・オール」を設立した大学生が実際に貧しい子供たちと向き合ってみて感じたことを、1年間図書館に通い詰めて、自分が納得する教育方法を日本のみならず海外から集めて、それによって独自につくったプログラムであります。ちなみに、彼は国際教養学部であって、教育学部の学生ではありません。

 これによって子供たち200人ぐらいが進学できているわけですけれども、一般の塾と何が違うかと言えば、大学生が持っている使命感です。それは、子供たちの学力を上げるだけではなく、将来への人生のパスを切りかえてあげるんだと。多くの子供たちは高校に進学できない自分の人生に失望している子たちが多いですから、その子たちの人生のパスをチェンジをするんだという使命感をもって指導に当たっています。

 結果として、大きく2つの成果が上げられていると思うんですが、1つは、子供たちの進学でありますが、もう一つは大学生の成長でありまして、実はこの子たち非常にいいところに――いいというのは何がいいというのはありますけれども、就職していまして、なおかつ就職先において課題解決能力が非常に秀でているということで高く評価されています。つまり、「ラーニング・フォー・オール」では世代間の交流によって、実は、子供だけではなく、大学生も非常に成長しているということです。

 この事例は何を意味しているかと言えば、子供たちが抱えている問題というのは、学校の教室においては確かに学習困難ということであらわれていますけれども、その背後にあるのは学校以外で起こっている問題の多くが原因になっているからであります。そうであれば、学校の中だけで学校の先生に全ての問題を解決させるというのはもう無理なんじゃないかということであります。ですから、数を増やすというアプローチというのはちょっと前近代的というんですかね、制度疲労の一種の象徴じゃないかと思います。そういう意味では、既存の学校を中心にするでしょうけれども、もっと学校を開いて、いろいろなリソースを含めて教育の仕組みを考え直す時期に来ているのではないかと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、老川委員、大宮委員、土居委員、碓井委員、赤井委員の順。

〔 老川委員 〕 ありがとうございます。たくさんの論点がありますが、私は2つ、義務教育の関係と、もう一つはグローバル人材の関係でお尋ねしたいと思います。

 今のご発言に私全く同感で、義務教育教員の定数、あるいは少人数学級ということが盛んに言われ、先ほどもご説明がありましたけれども、私はかねがねなぜ40人学級がだめで、35人がいいのか、どうもわからないでずっといたんですね。このPISAの指摘にも全く同感で、問題は、学校の先生の数じゃなくて、どういう教育をするのか。教育の質の問題だと思うんです。なぜそのことが議論されないのか。僕はよくわからないので、文科省はなぜ1学級の定員の数、あるいは教員の数だけにこだわるのか。ここをどんなふうに説明されているのか。また、それについては、そんなことではないのではないかということは当然やりとりされていると思うんですが、その辺はどうなのだろうかということです。

 教育の質ということを考えると、やっぱり質の高い教育を提供できる先生を育てる必要があると思うんですが、そのためにはどうすればいいのかとか、そういうことを考えていただきたいなというふうに思います。

 今、教育の問題というのは、学校教育だけじゃなくて、家庭を含めた社会全体の問題だというご指摘も、僕はほんとうにそのとおりで、2、3日前の新聞に出ていましたけど、今度文化勲章を受けられた高倉健さん、受賞の言葉にもありましたが、子供のころ、お母さんに「辛抱ばい」、あの人は九州の出身ですから、「辛抱しろ」ということをお母さんに言われた。その言葉を支えに今日までずっとやってきた。こういう言葉があって、やっぱり家庭における、我慢が大事だとか、あるいは働くことが大事だ、そういうことを教える、基礎的な人間づくりが僕はやっぱり一番大事じゃないかなというふうに思いますので、そこら辺、質問に戻ると、文科省はどんな説明をされているのかなということを伺いたいのが1つ。

 それから、38ページにもありますが、グローバルの人材を育てるためには外国人教員の採用も大事だというご指摘があって、そのとおりだと思いますが、今度少し戻るんでしょうけれども、公務員給与のカット、これによって大学の教員の給料も相当カットされる。それに伴って、外国から来ていた教授が、とてもこれじゃかなわんと言ってやめちゃったとか、あるいは日本の教育者が日本じゃなくて外国のほうに職を求めて行っちゃうとか、こういう問題が生じているようです。そういうことについて、大学の中でいろいろ、例えば年俸制にする、制度的にはできるんでしょうが、そういう自由度をもう少し高めて、外国から喜んで日本に教育に来ると。こういうような仕組みをできないものかなと考えるんですが、そこら辺はどうなのでしょうかということをお尋ねしたいと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 では、主計官から、簡潔に。

〔 井藤主計官 〕 2点手短にご説明したいと思います。1つは、なぜ定数の改善に文科省はこだわるのかということですが、昔から見ていますと、1つは諸外国の比較なんだろうと。あと、学習に対する不適応な子供の問題が最近いろいろ取り上げられている。こういう対応とかなんだろうと思いますけれども、我々については、そういう議論をするのであれば、科学的に議論しようということをかねてより申していまして、その結果がどうだったのかというのは、今日ご説明した学力調査の状況でもあるわけで、こういう中で、どういうような手法をとればより効果があるのかということをきっちり科学的に議論したいというふうに我々は思っていると。

 その際に、どんどん増やすべきだということではなくて、やっぱりこれだけ財政制約が厳しい中で、今、人手や投資を増やすようなことではなくて、どういう方向に今ある財源なりを有効に振り向けていくことによってやっていくかということが大事な視点だというふうに思っているわけでございまして、こういう観点で文科省とも議論しているということでございます。

 あと、大学につきましては、制度的には結局、大学の運営費交付金等の中でいろいろやれるわけでございます。ただ、外国から来た先生を優遇するということになると、その財源をどこから捻出するかという問題が一方でつきまとってきまして、だからその分を大学に予算を余分にくださいというのはなかなか今の事情では通らないわけで、そういったことは、例えば特別運営費交付金の中の重点化の仕組みというのが1つの事例かもしれませんけれども、あと、既存の大学の経費の中でどうやって捻出するかということだと思います。そうなると、重点化されないほうの人たちというのはどのように考えるかという問題が出てくるわけでございまして、ここら辺、難しい問題にもなるんですけれども、我々のほうとしては、改革を後押しするような形でどんどん進められたらというふうに思ってございます。

〔 吉川分科会長 〕 では、大宮委員。

〔 大宮委員 〕 今まで出てきた論議に非常に近いと思うんですけど、科学的な評価をするというのが一番大事じゃないかと思っていまして、会社でもそうですけども、事業計画を立てるようなときに、その事業に30年ぐらい携わってきた事業本部の人たちの意見をコーポレートが聞いて、ああだこうだと意見を述べて、それを修正したりするんですが、相手側の土俵に入り込んだら、そこで終わりなんですね。答えが幾らでもあるので。

 したがって、もうちょっと客観的な、例えば質をはかるというのはどうやってはかるか。いろいろ難しい問題があると思いますけれども、どうやってはかるかということを極めて科学的に一生懸命考えて、その指標をつくるということが極めて大事じゃないかと思います。したがって、先ほどの義務教育の質の問題だとか、それからモデルケースがあまりうまくいっていないだとか、科学技術を引用論文だけで評価というのはちょっと、何となくまだその辺が不足していると思いますので、相手側の土俵じゃないところでの科学的な評価手法をぜひつくっていただきたいなというふうに思います。

〔 土居委員 〕 私も一大学人として、大学改革が進まないということを非常に隔靴掻痒に思っていまして、学内ではあまり力がないので、このようなところで私が思い描く大学改革を述べさせていただくんですけれども、来年度予算編成に当たって喫緊の課題なのは奨学金事業だと思います。奨学金事業、無利子奨学金を増額するという要求があるという話ですけれども、私は、これは大学改革とセットで考えるべきだと。大学改革を担保できないようならば、奨学金を増額するというわけにはいかないというぐらいの構えでぜひ当たっていただきたいなと思います。

 と申しますのは、先ほど主計官、ご説明ありましたけれども、46ページにあるように、授業料が極めて画一的である。優秀な学生に授業料を免除するということは、例外的にないわけじゃないけれども、基本的には大々的にやっていないと。例えば優秀な成績上位10%の学生の授業料を無料にするかわりに、下位10%の学生の授業料を基準の2倍にするというようなことでもすれば、これはあくまでも仮想的な話ですけれども、授業料収入は変わらない。それでいて、奨学金がなくても優秀な学生の経済的負担は軽くなると。こういうようなことがありますから、授業料の工夫もせずに、奨学金だけで何とかしようということでは全然問題の解決にならないというふうに私は思います。

 そういう意味では、今日、あわせて主計官がご説明になったというのは、我が意を得たりというか、大学改革と奨学金事業を、急に授業料を変えるというのは難しいにしても、将来的に授業料の取り方を工夫するということを含めて大学の改革を進めるということが言質としてとれない限り、奨学金をどしどし増やすというわけにはいかないというようなところは私はあるんじゃないかというふうに思います。

 しかも、50ページにありますように、日本学生支援機構が行っている奨学金は無利子と有利子とありまして、無利子が増やせないなら有利子を増やすというようなことでは、これは問題の解決になっていない。つまり、有利子奨学金というのは、財政投融資のお金が使われているわけですけれども、その原資は財投債という国債によって一時的に賄われるというわけですから、もちろん奨学金が返済されることによって、その原資は返ってくるということでありますけれども、あくまでも有利子奨学金だから問題の解決になるというわけではないと。やはりもう少しめりはりのきいた授業料の取り方ということを含めて大学改革を進めていただくと。

 授業料収入は、私が先ほど上位10%をただにして、下位10%を2倍にすればと言いましたけれども、例えば下位15%を標準額の2倍にすれば、授業料収入全体は増えるわけでありますから、授業料の取り方を工夫することによって授業料収入全体を増やすということは、大学の努力によって、仮想的ではありますけれども、やろうと思ったらいろいろ工夫ができる余地がまだまだ残っているところだと思いますので、そういうところをもっと大学に改革を求めていくべきではないかなというふうに思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 では、碓井委員。

〔 碓井委員 〕 2つ申し上げたいと思います。1つは、義務教育の教育の質の向上に関係してですが、この場で発言していいのかどうかわかりませんが、小学校の先生方のことについて間接的に聞いたところでは、教育に専念する時間が非常に少なくなってきていると。いろいろな報告を求められたりして、そういうことに時間を割かれている。本来、教員というのは現場が一番重要なことだと思いますが、その仕事が少なくなってきている。それは本末転倒でありまして、これは文部科学省で十分検討していただきたいことだと思います。

 もう一つは、これは論文の引用度に関して、これはお詫びを申し上げなければいけないんですが、私の属している法律学の分野は、主流は極めてドメスティックな学問であります。しかも、ドメスティックでありながら、外国語文献の引用は伝統的に大いにやっているわけでありまして、外国の研究者の論文引用度には貢献しつつ、逆は成り立っていない。大変申し訳なく、これは言い訳でございます。

〔 吉川分科会長 〕 赤井委員。

〔 赤井委員 〕 赤井でございます。教育に関しても財政面から研究させていただいているので、その点から少し意見を述べさせていただきます。

 義務教育に関しては、全体予算のあり方と支出向上のあり方で、大学に関しては、ガバナンス改革と多様化に向けた案について少し話をさせていただきます。15ページのところにずっと下がってくるグラフが見えているんですが、当然ながら少子化が進んでいますので、予算としては下がっていくんだと思うんですけど、1人当たりの学生への義務教育の小学生、中学生への予算をどのぐらい減らしていくべきなのか。この赤いラインが一番上で、太いラインが一番下になると思うんですが、この間でどこまで減らしていくのかというのが1つ焦点になるかと思うんですが、一方で、学生が減っても、教員はクラスがある限りは減らないとか、いわゆる規模の経済性が悪化することによるコストとか、特別学級の拡大みたいなところで、それほどまでは減らせないというのも事実かなというふうに思うんですが、そこのところは質をどのように上げていくのかというところが重要で、それに関しては、18ページ以降、少人数学級の議論をしていただいていて、まさにこの議論というのは重要かなと思うんですが、文科省でもたくさん少人数学級の研究をされている割には明確な効果は出ていないというのが実際で、今、先ほど少人数学級の戦略がいいのかという話がありましたが、文科省も悩んでいるところと聞いています。実際、平均の正答率というのがよく使われるんですが、学級内でもトップ層とボトム層が違いますし、また地域間でも違いますし、学校の規模でも違いますし、そういう詳細なところを、文科省の説明責任というのが問われているのかなというふうに思います。

 少人数学級に関しては、25ページのところに、いわゆる担任外教員が16万人いるというのは事実でありまして、少人数学級を実施しようと思えば、この教員を使えば、事実上全国で達成できるわけですね。ただ、小学1年生以外、2年生以降は規制をしていない関係上、教育委員会に任されておりまして、その結果、少人数学級実現よりも別のいわゆるほかのところに回すほうが重要だというふうに各地域では判断しているということですから、これも重要な事実として捉えるべきかと。どうして重要かというと、例えば特別支援学級とか、外国人児童が増えているとか、不登校傾向にある児童が増えているとか、細かい話をし出すと、こちら側では議論が限られてくると思いますけど、担任外教員の使われ方の適切性と実態を踏まえて、少人数学級がほんとうにいいのかという議論をしていくといいのかなというふうに思います。

 大学に関しましては、41ページのところに大学改革が進んでいる。特に私も国立大学におりまして、進んでいるという気はするんですが、やはりガバナンス改革という意味では、学長、総長に権限を集約されている割にはなかなか思ったようにできない。ご存じのように教授会という組織がありまして、民主的に総長を選ぶということもありまして、いい面もあるんですが、なかなかそれで進まないということもあります。やはり予算的なところにめりはりをつけて改革を促していくことが重要というのが1つと。あと土居委員もおっしゃったように、私も同じように、この46ページ、授業料の横並びの話が重要かなと思いまして、大学で、特に私も本部など私の大学のトップの人ともしゃべることがあるんですが、なかなか授業料は、国立大学の協会みたいなところで横並びで、自分だけ新たな取組みをとりにくいというようなところがありまして、ここのところをもっと多様化させていく取組みが重要じゃないかなというふうに思います。

 それとの兼ね合いで言いますと、土居委員がおっしゃったように、奨学金をうまく使って、授業料を上げるというかわりに、そのかわりに奨学金をもっと増やす。現在の制度とは別の制度でもいいと思うんですけれども、実際オーストラリアなどで導入されているHECSという所得連動の奨学金がありまして、授業料は高いんですが、ほとんどの人に奨学金を与えて、実質の授業料は下げておくと。そのかわり、将来、成長して稼いだ場合に返してもらうというような形の奨学金であれば、実際授業料が上がっても、それほど学生には負担はないということで、授業料の引上げと所得連動奨学金の導入で例えば大学の多様化が進み、財政再建、つまり、授業料を上げた分の一部を戻せば財政再建にも貢献しますし、ほんとうに貧しいというか、苦しい人には実際奨学金が与えられるということで低所得者対策が可能になりますし、その奨学金は例えば真面目な学生だけに渡すというふうにすれば、学習意欲の向上にもつながりますし、そういう意味でもこの多様化というのをどんどん進めていくと。それがガバナンス改革というのにつながるのではないかなというふうに思います。意見です。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 では、板垣委員、葛西委員、田近委員、黒川委員、鳥原委員の順でお願いいたします。

〔 板垣委員 〕 主計官が指摘したように、子供の数が少なくなっている中で、教師がなぜこんなに増えるのかという問題、これは同意します。ただ、この財審でもう何年にもわたってこの問題をやっているわけですが、1つは、教師のいわゆる本来業務以外の負担が精神的にも肉体的にも多過ぎて手が回らないから、気分としてどうしても教師を増やしたいというふうに流れてしまうという問題が何度か議論されたと思います。その後、どういう改善がその辺はできているのか。例えば、教育委員会からの行き当たりばったりの指示で報告を出すだとか、文部科学省から来週までにこの調査を全部完結して出せだとか、そういうことがほんとうに改善されているのか。これは今の議論ではなくて、ずっと前からの議論なので、どうなっているのか。そこを聞きたい。これが1点。

 それから、国のエネルギー政策がこれだけ議論になっている中で、文部科学省の中で原子力予算がどうなるのか。つまり、これは研究開発の問題ですね。経産省のかかわっている予算がまた別途ありますけれども、少なくとも将来の原子力をどうするかという点について、当該省庁の間で議論がちゃんとなされているのかどうか。今回の予算の概算要求はどうなっているのか。過去の年度まで振り返りたいところではあるんですが、今回は来年の概算要求だけで結構ですので、そのデータ、別に今日でなくてもいいですから出していただければありがたい。

 それともう一つ、資料2の29ページの中で、これは教えていただきたいんですが、「学びの21世紀塾事業」、受講者数が1,640人となっていますよね。ところが、小学生と中学生、これ合わせてもならないですよね。これは延べでやっているのでしょうか。つまり、知りたいのは、小学生と中学生の大体何割ぐらいの人たちがこの21世紀塾事業に参加しているのか。これをちょっと教えていただきたい。

 この事業が非常に有効だなと私思うのは、昔、僕らの世代よりちょっと上の団塊の人たちの間では補習授業ってありましたよね。あれはかなり強制的にやっていた授業であって、僕らの世代はそれはなくなっているんですけれども、これが形を変えて、いわばボランティアという形で、地域で補習授業をやってあげているような仕組みにも見えてくる。そんな薄っぺらい話ではないと思うんですが、そんな形にも見えるんですけれども、重要なのは、やはり教師の資格を持っているとか持っていないにかかわらず、生徒を支えることができるんだということなんだと思うんですね。そうすると、文科省が今要求している、教師を増やせ、増やせと言っている問題の反省材料にもなるかなという気がしたものですから、さっきの数字の確認と意義づけをもう一度教えていただきたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、井藤主計官、簡潔にお答えをお願いします。

〔 井藤主計官 〕 本質的なご質問を簡潔に、なかなか難しいんですけれども、最初の点ですけれども、まさに教員の本務以外の負担についての議論はずっとしております。まさにいろいろ財審でずっと議論していただいているんですが、この結果、現状あるような姿に抑制されているということもあるので大いに議論していただきたいと。それで、そういう議論をした結果については整理してみたいと思います。

 各府省庁の原子力関係経費については、毎年度原子力委員会のほうで取りまとめしてございますけれども、今年度予算で言えば、文科省分で1,700億円ぐらいあるんですけれども、また、改めてご説明したいと思います。

 あと、豊後高田市の取組みについて、1,640人ということでございますが、これは詳細なデータが今、手元にありませんが、あと幼稚園の年長さんが英会話に入っているということもございますが、そこら辺も問い合わせてみたいと思います。

 あと、彼らがまさに教員の資格を持って授業に入り込めるかというと、現状、必ずしもそうではなくて、この場合は、土曜日や放課後に開講しているということなんですけれども、現実においては、なかなか授業そのものについては抵抗があるんだと思いますし、それはそれで問題だと思いますが、実際、教育の効果を高めるという観点から見れば、こういった形で、特に今後、教員のOBも随分活用しているというふうに申し上げましたけれども、元気なお年寄りの中で社会貢献をされたいというような優秀な方がたくさんいらっしゃるので、こういうものを活用して、より少ないコストでより大きな効果を実現するという面では、1つの参考になるアプローチだというふうに認識しているというところでございます。

〔 吉川分科会長 〕 葛西委員。

〔 葛西委員 〕 義務教育についてですが、主計官の説明、あるいは老川さんのご意見、私、全く賛成でありまして、子供の数が約30%減っている以上、教員の数も原則的に30%は減らすべきではないかと思います。もともと平成元年に極めて効率的だったということでもないわけでありますから、減らしていくべきだというふうに思います。クラスの適正規模についても非常にわかりやすい資料がついておりますが、私は全く賛成であります。もし少ないほうがいいと言うなら、1人が一番いいのかということになると、そうだとは誰も言わないはずなんですね。100人はどうなんだと、これは多過ぎると思うんですね。私が中学校のとき70人ぐらいでしたが、それで今よりも随分よくやっていたように思います。先生がですよ。私は、こういうことができるかどうかわかりませんが、クラス別で、多い人たちには給料を高くあげるような感じで、給与に能力とスライドして反映させることができればいいんじゃないかなと思いました。

 それからもう一つ、これは提案でありますが、過疎化が進んでいく中で、アメリカで私の友人の奥さんがやっておりましたが、在宅学校というんですかね、ホームスクールというのがありまして、資格のある先生は、近所の子供を集めて自分の子供も含めて学校を開いていいという形になっておりまして、小学校、中学校まではそれで何とかしのげるという形ができておりました。それを私の友人は3人子供を奥さんに全部教育させていたんですが、ほんとうは集団教育のほうがいいと思いますけれども、これから過疎化が進むような場合、そういう制度を取り入れる余地はあるのかないのか。あれば、やったらいかがでしょうかという提案であります。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。では、田近委員。

〔 田近委員 〕 手短に。説明はあまりされなかったようですけれども、その他の文教関係予算のモデル事業というので、60ページなんですけれども、予算の額はともかく、私、潜在的には大きな問題を含んでいると思います。モデル事業と書いてありますけれども、60ページですけれども、新たな教育手法、地域との連携などの調査研究のために、さまざまな事業を全額国庫負担で実施させ、実施後は地方自治体がやると。そこに絵が描いてあって、文部科学省がいろいろ調査をして、優良・成功事例を提供して全国に知らしめると。本質的に私おかしいと思うのは、何のための地方分権で地域主権だったんだと。各地域の教育委員会がまさにやることで、右から左にフィードバックすることはあっても、左から右に行くということは本質的におかしいと思いました。

 それから、予算自身はおそらく何十億円ぐらいなんでしょうけれども、それをもらうためにみんなが、どういう言葉を使っていいかわかりませんけれども、いろいろなことをすると。そのあげく、モデル事業と言いながら、対象学校、地域数が極めて多数。これは主計官のほうの文章ですけれども、過去全国的に普及しなかった「モデル事業」が、多少の姿を変えて実施される事業が存在。ゾンビ事業だと。つまり、いろいろなことが起きると思うんですけれども、私は、これは右から左に行くもので、左から行くものじゃない。それから、その予算をめぐって、結局は文科省が地方に対するグリップを温存するということで、こういう予算こそ全額やめるべきだと。そのために交付税等を通じて基準財政需要を見込んでいるのではないのかなと思います。

〔 吉川分科会長 〕 どうも。黒川委員。

〔 黒川委員 〕 ありがとうございました。私も大学人ですので、教育者の一人だとして発言させていただきます。今日のお話で、田中委員のご発言に大変感銘を受けまして、25ぐらいのときに、助手になったときに学部長から、ティーチング・イズ・ラーニングだという言葉を授かって、それで、今61ですけど、これまでやってこれた。そういうことを思い出しました。

 さて、そこで私は今日、2つ意見だけ短くさせていただきたいんですけど、まず、義務教育とは何かと。これがよくわからないんじゃないかと、私自身がわからないので独り言なんですけれども、思っております。要するに教育というのは学力と体力と、それから徳力というのは変ですけれども、こういうようなものから全て成り立っていて、義務教育というのは、要するに我が国、日本とか、国民、あるいは市民でもいいんですけれども、その人たちがどういうような人になってほしい。どういうような人たちから成り立っている国になってほしいのかということの根本を我々現世代が次世代に伝えていく、こういうものが盛り込まれていなければならない。もちろん盛り込まれているとは思うけど、もう1回、義務教育の中身ですね。要するに将来の人たちがどういうような国民であってほしいのかというところを、私自身も反省しなくちゃいけないなとは思っておりますけれども、もう1回原点を見直す必要があると思います。

 それから、2番目は国民の中の分布が、どうしてもリーディングな人々と、それから一般の人々と、どうしても下に行く人たちに分かれる、これはもう避けられないわけです。この分布をどのようにしていくのか。そこは各分野によって得手、不得手はあるでしょうけれども、要するに国民各層の中の分布というものをどういうふうに持っていくのかというのも国家のあり方として重要だと思うんですね。

 そこが2番目の論点の大学の、要するに高等教育というところに関係してくると思うんですけれども、その大学の中でも、要するに研究大学と、それから、いわゆるコミュニティカレッジみたいな大学があって、我が国でもそれが一緒くたには絶対議論できなくて、それぞれの、僕の友人や弟子たちから聞いても、全然違う感じだと言うわけですね。慶應に先生はいるけれども、全然内容が違うと、対応も違うと、同じ大学と言っても。だからここの大学に対する我々の対処の仕方についても、要するにいろいろな大学があって、それぞれきめ細かに対処していかなければならないというふうに思いました。全てどういうような国民の姿形に我々はこの後していくのかという視点をいつも持たなければならないのではないか。感想として言わせていただきました。ありがとうございました。

〔 吉川分科会長 〕 では、鳥原委員、竹中委員、富田委員。

〔 鳥原委員 〕 私はもう一つの資料のオリンピック・パラリンピックに関して意見を言わせていただきたいと思いますが、この資料の2ページに招致について閣議了解された文章がありまして、ここにも記されておりますけれども、それだけではなくて、やはりオリンピック・パラリンピックというのは経済や社会の活性化に非常に大きな公益を及ぼすということで、成功に向けて国を挙げて取り組むということは、これは当然のことだと思います。財政面につきましては、先ほど説明がありましたように、競技施設の新設・改善や、そのほか公共事業については、大会後も見据えた長期的視点に立って、必要性やコストの十分な精査が必要であるということは、これは言うまでもないことだと思います。

 一方で、先ほど説明がありませんでしたけれども、7ページに掲載されています選手強化費については、国のスポーツ予算の約7割がこれに充てられているというふうになっておりますが、諸外国と比べてみますと、十分な額にはなっていないというのが現状です。私は、今、日本障害者スポーツ協会、そして日本パラリンピック委員会の委員長の仕事に携わっておりますので、現場の実態を踏まえて言えば、特に障害者スポーツに関する予算というのは、現状は非常に少額です。厚生労働省の概算要求で8.5億円というレベルです。しかも、パラリンピックの選手の強化に関する、また強化に必要なトレーニングセンター、オリンピックではナショナルトレーニングセンターがありますけれども、パラリンピック用のナショナルトレーニングセンターや、やはりパラリンピックには不可欠な医科学的なサポート、また競技用の義足、あるいは車椅子といった用具開発面でのサポート、こうした体制も整っていないというのが実態です。

 世界では、パラリンピックはオリンピックと同等のスポーツとして位置づけられていて、パラリンピックのパラというのは「もう一つの」という意味で、もう一つのオリンピックという、そういう位置づけになっているわけです。こういう状況の中で、最近のパラリンピックの成績にもあらわれているように、日本はパラリンピックでは、世界の中で遅れているというのが現実だと思います。スポーツというのは障害のある人の自立とか、社会参加を促す大きな力になるもので、パラリンピックでの選手の活躍というのは、障害者のスポーツの裾野を広げて、それがひいては共生社会の実現にもつながるという非常に重要なものでありますので、こうした観点から、オリンピック・パラリンピックに向けて選手強化費の拡充を図る中で、トレーニング環境の整備をはじめ、パラリンピック選手強化のための予算措置も十分考える必要があるというふうに思っております。この点、申し上げたかったことでございます。

〔 吉川分科会長 〕 大変恐縮ですが、お二人の方、少し簡潔にお願いいたします。竹中委員。

〔 竹中委員 〕 今日は黙っておこうかなと思ったんですけど、やっぱりちょっと教育のことで。23年間にわたって一般の授業からはじかれたり、なかなか授業についていけなかったりというような人たち等の教育と就労に向けてやってきたんですけれど、私たちにとっては、その人がここができない、あそこが無理やと数えるということとは全然関係のないことで、何が好きなんだろう、何なら喜ぶんだろう、何なら誇りに思うんだろうというところだけを探して、そこを集中するという、単にそれだけのことなんですね。そうすることによって、実際2桁の足し算しかできない人がコンピュータのイラストレーターでグラフィックを描いていたり、出会ったときは対話もままならなかった発達障害の方が今うちのかけがえのないスタッフになっていたりということがあるわけですね。

 それがなぜ私たちのような小さな一民間でできて、日本全国の教育機関の中でできずに、いじめだとか、自殺だとかの問題にいくかというと、私はやっぱり教員の数を増やすことイコール教育はよくなるんだという信念で運動されているとしたら、そこが大間違いで、結局、先生一人一人が子供と向き合って悩む、要望や思いを捉えるのでもなく、子供一人一人の問題を捉えるのでもなく、結局その方針を立てていらっしゃるということによる弊害は、もうほんとそろそろ何とかしないといけないな。日本の教育って教えるティーチはできても、エディケーションの引き出すほうがほとんどされていないので、もうこれだけ教育現場も荒れて遅いかもわからないけれど、やっぱり誰かがきっちり言って意識を変えてやらねばならない時期かなというふうに思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。では、富田さん、ファイナルワードです。簡潔にお願いいたします。

〔 富田委員 〕 55ページで、先ほど主計官より、来年度の概算要求として、奨学金でありますけれども、無利子貸与の大幅増員の要求が出ているというお話がございました。そもそも教育は、社会に出て役に立ち、所得を得て納税の義務を果たす人たちを育てることであって、最初から、大学のときに意欲と能力があるから無利子貸与だというのは、私は論理が矛盾しているように思います。機会均等であれば、有利子を全員に与えることが大事であって、無利子をなぜ充実する必要があるのか。ほんとうに納税義務のある人たちを育てるのであれば、そういう認識は改める必要があろうというのが1点です。

 それに関連して、57ページでは延滞債権が非常に増えているという話がございます。先ほど大学改革の話もございました。これ、延滞債権が増えているということについての情報が、少なくとも大学単位で公表できるようにすれば、やはり大学のガバナンスの強化にもつながり得る。だから社会での評価ということで、フィードバックがかかるということでございます。

 以上、大学改革全般ではございませんけれども、やはり機会均等ということの基本的なことは教育では大事だということでございます。

〔 吉川分科会長 〕 どうも、特に後半、私の司会の不手際で皆様方に簡潔にというようなことをお願いすることになりまして、大変失礼しました。ご協力どうもありがとうございました。

 では、時間ですので、本日の議論は一応これまでとさせていただきます。

 次回は11月6日14時30分から、この会議室で開催し、「中小企業、エネルギー・環境」、「農林水産」及び「ODA」を取り上げたいと考えております。

 これも毎回ですが、本日の会議の内容の公表につきましては、私にご一任いただき、会議後の記者会見でご紹介させていただくことにさせていただきます。会議の個々の発言につきましては、皆様方から報道関係者等に対してお話をすることのないよう、ご注意いただければと存じます。

 最後に、今後の予定ですが、次回をもって各歳出分野の審議を終えた後、取りまとめに向けて、各歳出分野について論点整理を1回行い、その後、2回から3回程度、建議案文の審議をお願いした後に取りまとめを行いたいと考えております。そこで、取りまとめに向けての案文作成を何人かの方にご検討いただき、それをたたき台として皆様にお諮りすると、こういう手順でいきたいと考えております。

 つきましては、案文をご検討いただく委員につきまして、恐縮ですが、私にご一任いただきたいと考えております。この点、ご了承いただけますでしょうか。よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。

 それでは、閉会とさせていただきます。ありがとうございました。

午後0時05分閉会

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