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財政制度分科会(平成25年10月21日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録
平成25年10月21日
財政制度等審議会


 財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

平成25年10月21日(月)9:30〜12:02
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

1.開会

2.社会保障予算について

3.公共事業について 

4.閉会

配付資料
○ 資料1      社会保障マル2(平成26年度予算編成の課題等)
○ 資料2      社会資本整備を巡る現状と課題
(参考資料)      社会資本整備を巡る現状と課題    

出席者

分科会長 吉川 洋           山本大臣政務官
福田次長
岡本次長
太田次長
大鹿総務課長
山本司計課長
窪田法規課長
井口給与共済課長
小宮調査課長
堀田官房参事官
江島主計企画官
宇波主計官
青木主計官
井藤主計官
新川主計官
土谷主計官
高村主計官
小野主計官
中村主計官
分科会長代理     田近 栄治  
 委員

井伊 雅子
井堀 利宏
碓井 光明
岡本 圀衞
倉重 篤郎
黒川 行治
角   和夫
竹中 ナミ
土居 丈朗
富田 俊基
鳥原 光憲

 臨時委員

老川 祥一
大宮 英明
葛西 敬之
小林 毅


午前9時30分開会

〔 吉川分科会長 〕 では、定刻ですので、ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。

 皆様には、ご多用中のところご出席賜りまして、ありがとうございます。

 本日は、まず、事務局より社会保障予算の第2回目として、平成26年度予算編成の課題及び公共事業について説明をしていただくこととしております。

 本日は、社会保障予算の質疑応答が終わったところで休憩をとりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 なお、古賀委員及び赤井委員におかれましては、本日欠席のため、意見書をご提出いただいております。皆様のお手元に配付してありますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、早速議事に移らせていただきます。

 まず、社会保障予算の第2回目として、平成26年度予算編成の課題について、新川主計官及び土谷主計官より説明をお願いいたします。

〔 新川主計官 〕 それでは、お手元の資料1とありますものをおめくりください。厚生労働第一担当の新川でございます。

 では、社会保障予算につきまして1ページ目、政府としての社会保障予算編成に向けての姿勢ということでございますが、まず6月14日の基本方針では、社会保障支出を聖域とせず見直しに取り組むと。それから、概算要求基準を決めました8月8日の閣議了解におきましては、特にここにありますように、自然増を含め、合理化・効率化に最大限取り組むということで、今日は特にこの自然増について、よく掘り下げていっていただければと考えております。

 自然増の額ですが、1枚おめくりいただきまして2ページをごらんいただきますと、要求ベースでは自然増9,900億円、これを丸めまして自然増1兆円ということで、基本的には何も制度改正がなければ、この自然増1兆円というペースが社会保障予算は続いております。内訳をごらんいただきますと、年金・医療、それからその他で3,000億強ずつということであります。26年度は特にこの医療の部分が予算編成の焦点になってまいりますので、そこを中心に今日はご説明いたします。

 もう一枚おめくりいただきまして、4ページでございます。国民医療費でございますが、今年度予算ベースでは41.8兆円と、42兆円にならんとする数字でございます。

 5ページがその内訳でございますが、42兆円のうち、国庫負担が約4分の1の11兆円、地方負担を加えますと、公費負担は4割弱の16兆円でございます。実はこれを上回るご負担をいただいているのが保険料ということでありますので、医療費負担の約半分は保険料負担ということでございます。

 それから、どのような費用に使われているのかということでございますが、やはり医療部門、半分ぐらいはお医者さん、あるいは看護師さん等の人件費ということ、医薬品、医療材料で合わせて11兆円と、これも非常に大きな額になってございます。

 次をおめくりいただきます。それで医療、あるいは介護保険も導入されましたので、医療、介護の支出の規模ということで、年を追ってプロットしたものが6ページでございます。医療、介護合わせますと、2010年度でもう約10%、GDPの1割に達する水準で、ごらんいただきますように、GDPに占める割合も年々急増しております。

 言葉を変えますと7ページにございますように、国民医療費の伸びが名目GDP、いわばこれは国民にとっての負担能力とも言えようと思いますが、負担能力の伸びを上回って、国民医療費は伸びる、これが恒常化しているということでございます。

 こういったことを踏まえまして、もう少し負担能力に見合った範囲まで、医療費を抑制してはどうかという議論があったわけですが、機械的な伸び率管理というのは乱暴であろうということもありまして、5年ほど前に、8ページをごらんいただきます、医療費適正化計画というものをつくっております。これは結果としての伸び率管理をするわけではなくて、さまざまな健康づくりですとか、あるいは医療の効率的な提供等、おのおの目標を定めて、結果として医療費が適正化されるということで、当時めどとしておりましたのは、上から3つ目の丸にありますように、適正化効果マイナス0.7兆円、こういうことでございました。

 問題は5年たちましたが、驚くべきことに何らの検証・評価もなされていないということでありまして、ここから得られる教訓は、5年後にこうするということだけ言っていても医療費は減らない、その各年度において確実に効果が見込める、これが必要ということであります。

 この内訳もごらんいただくように、健診、あるいは健康づくりをする、ITを使う、後発医薬品を使うと、今も言われているようなことがいっぱい並んでいるわけでありまして、5年前にも同じことが言われていたということをご留意いただく必要があると思います。

 数字のとれるもので1つ例をとりますと、9ページは後発医薬品、ジェネリックの使用促進でございます。下のグラフをごらんいただきますと、このオレンジ色の線が実績、緑色の線が5年前に目標としていたペースでございます。明らかに目標未達の状態でございますが、未達でありますけれども、それを踏まえてこれを加速するですとか、ドラスティックに何か変えるということではなくて、厚生労働省におかれましては、さらに5年後の目標を設定されたというにとどまっております。

 しかもということですが、5年後の目標として新しく定められたのは、オレンジ色の破線部分であります。緑色の破線部分というのは、当初5年前に立てた目標をそのまま伸ばすと、ここまで行っていたはずだということでありますから、端的に申し上げますと、現状の目標未達状態を追認したものにすぎないということになっております。

 したがいまして、繰り返しになりますけれども、5年後もいいですが、来年どうするのかということについて、具体的で確実な方法をこの予算編成で盛り込む必要があるということでございます。

 次に、診療報酬改定でございます。2年に1回診療報酬改定をしておりますが、11ページに診療報酬制度について書いてございます。ご案内の向きも多いと思いますが、診療行為の対価として、患者さんが病院や薬局から受け取る報酬ということでございます。公定価格とありますので、もう少し平たい言葉で申し上げると、いわゆる公共料金の一種と言えようと思います。公共料金を国が定めて、それを上げる、下げるというのを2年に1回話をしているということでございます。

 次のページ、1枚おめくりいただきます。12ページでありますけれども、先ほど申し上げましたように国民医療費は42兆円ございますから、公共料金たる診療報酬を例えば1%上げるということになりますと、国民全体では4,200億円の医療費の増、負担の増ということになると思います。誤解を恐れず言えば、公共料金ですから利用者にとっては安ければ安いほどいい。ただし、適切なサービスが提供される、その水準は最低限確保する必要がある。議論に必要なのはこの2つだけであろうと思います。ほかのいろいろ余計な要素を入れますと、議論はゆがんでくるのではないかと思います。

 ただし、毎回の改定とは少し違う事情といたしましては13ページにありますように、保険医療あるいは調剤薬局が提供するお薬等は非課税でありますけれども、仕入れにかかる物件費については消費税増に伴いまして増えます。この部分については適正に売り上げに転嫁する必要があると思いますので、売り上げの価格に転嫁するものに相当するのは、この公定価格でありますから、それに相当する診療報酬については、適切なプラス改定を行う必要があろうと思います。

 次のページでございますが、今日の本題であります自然増について、少し分析をいただければと思います。実は国民医療費の自然増は、制度改正しなければ、おおむね毎年3%程度伸びております。これは高齢化等によるものと説明されていますが、実は2つ目の丸をごらんいただきまして、高齢化というのは高齢者ほど医療費は高いわけですから、高齢化人口が増えれば医療費は増えるんですけど、これで説明されるのは3%のうち半分ぐらい、1.5%前後のみでございます。残りは医療の高度化等ということでございますので、高度化というのは、より高いお薬とか、より高い医療技術。高いわけですから中身もよくなってはいるということだと思いますが、こういう高度化を含んだ概念であるということです。

 したがって自然に増えていますが、3%のうち、どうしても高齢化に伴い増えるのはその半分であって、残りは医療の質の改善が既に含まれた概念であるということをご留意いただきたいと思います。

 さらに数字でごらんいただきますと、15ページでありますが、平成20年度から22年度までの医療費を書いてございます。例えば平成21年度をごらんいただきますと、人口の高齢化で説明されるのは5,000億円、0.5兆円のみでございます。残りは医療の高度化、高いお薬が使われるようになった、高い医療技術が使われるようになったということです。その傾向は平成22年度もほぼ同様の傾向でございますが、22年度においてはさらに診療報酬はプラス改定いたしましたので、さらに医療の質の向上が上積みされたということです。

 ここで留意を要するのは、診療報酬ゼロ改定でも医療の質は向上するということです。さらに向上させる必要があるかどうかというのが、その診療報酬をプラスするかどうかというご判断だと思います。

 それから、半分は人件費と申し上げましたが、最近の人件費の動向をごらんいただきますと、赤い線が総人件費でございます。緑の線が医療従事者の数でございまして、総人件費が数の増加を上回っている。1人当たりについては処遇といいますか、賃金の改善がなされているということでございます。

 17ページは、それをずっと経年してプロットすると、こういう形になっているということでございます。

 それで18ページをごらんいただきますが、先週の説明の中で少しご紹介させていただきましたが、厚生労働省としては、来年度、消費税の増税を用いて、医療提供体制の改革に1,000億を投じたいという要求がなされておりますけれど、この医療提供体制の改革と診療報酬の関係について、少しご議論いただければと思います。

 19ページは提供体制の改革が目指しているところでありますけれども、これは医療と介護共通にそれぞれ役割分担をして、効率的で質の高い医療提供体制、あるいは地域包括ケアということで、医療とか介護のみならず、住まいとか予防、そういったものを身近な地域で行うということでありますから、今現にそれを達成するためのさまざまな方策について、厚生労働省にてご議論されていて、関係法案が提出されることになっております。

 それで、医療提供体制で従前からまず問題視されていましたのは、我が国の場合、日本全国マクロで見ますと、平均在院日数が長い。その背後には、人口当たりの病床の数が諸外国に比して非常に多い。そのために、病床当たりのお医者さんをはじめとする医療スタッフが非常に手薄になっている。長期に入院して手薄になっていて、それからベッドの数が非常に多い、ここが問題ということが、前回の高橋先生のご議論でもあったと思います。

 さらに、この病床の数が全体としては多いわけですから、総量を規制しなければいけませんが、医療法という法律に基づいて、病床については許可制度がとられております。現状よりは原則増やせないという状況になっていますが、21ページをごらんいただきますと、一般病床で109万床とございますが、これがいわば普通の病院のベッドの管理ということになります。

 現状の問題はこの一般病床の内訳を特に区分せず、総量のみを規制する、そういう医療法という法律のたてつけになっていますが、実際は一般病床といっても非常に高度な手術を行うようなところもあれば、手術が終わって回復したり、リハビリしたりというところもありますので、実際はこの一般病床をきちんと区分しなきゃいけないということであります。厚生労働省の一つの試算といいますか、見立てによると、2025年を展望しますと、非常に高度なものは18万床程度あればいいということでありますし、むしろ必要なのはこの亜急性期ですとか一般急性期、こちらのほうになると思います。

 現に医療法ではこういったものはごっちゃになっていますので、現状どうしているかというと、22ページをごらんいただいて、診療報酬の払い方で区分しているということだと思います。手厚い病床、高度急性期などに相当するようなものだと思いますが、手厚いというのは、看護師さんを患者さん7人に対して常時1人置くというようなことだと思いますが、この部分が32万8,000床余ございます。それからある程度手のかからない、リハビリとか回復期といったものでいきますと、例えば13対1とか15対1になりますが、13対1をごらんいただきますと、3万3,000床余ということになってございます。

 明らかに7対1という、極めて手厚い高度なものに対する提供体制に非常に偏った姿になっております。これがさまざまな問題を提起していますけれども、1つは看護師さんをたくさん集めれば、たくさん診療報酬がもらえるという構造にございますので、看護師の取り合いが地域で起こっている、看護師不足が起こっているということ。それから、例えば大きな手術を終えた後、症状が安定したので退院してくださいと言われても、その退院する先の慢性期とかリハビリの受け皿になる、そういう病院が地域で不足しているということ。それから財政的には、手のかからない患者さんまで、この7対1という非常に手のかかる病床で抱えることになりますので、高コストな体質が構造的にビルトインされてしまう。こういったことで、7対1に偏重している部分というのを見直す必要があると思います。

 先ほどの診療報酬の説明ですべきだったと思いますが、我が国の診療報酬の特徴は2つございます。1つは全国一律の価格制度であること。それから2つ目は、出来高払いということで、特に原則は上限を設けず、一定の患者さんを診たり入院させたりすれば、そのされた数に応じて料金が支払われる、こういう構造。この出来高払いと全国一律というのが大きな特徴であります。

 その特徴の1つ目の出来高払いというところが、こういう現象を呼んでいますが、この7対1に偏重したいびつな医療提供体制ができたのは、昔からそうだったわけではなくて、23ページをごらんいただきますように、7対1看護基準、そういった手厚い看護には高い料金を払うという制度ができたのは、2006年からです。赤いところが7対1病床、薄いブルーのところが10対1病床ということであります。2006年では4万4,800床余でありましたが、1年、2年であっという間に4倍、あるいは最終的にはこの数年でもう30万床を超えるというところまで来ています。

 それでこれはいけないというので、下にありますように、少し7対1の入院基本料を算定する場合の基準の厳格化みたいなことをやりましたが、それでもこの病床は増えていって、実際はこれを減らさなきゃいけないんですけれど、診療報酬をもってもこれは減らないということになります。これは基本的には出来高で報酬が払われますから、その要件を満たした以上、みんなその要件にあるように選択する結果、こういった姿になっているということでございます。

 当時どんな議論がなされていたかということですが、24ページをごらんいただきますと、少し入院医療でも手厚いものが必要だということで、10対1だけじゃ手薄いんじゃないか、もう少し手厚い医療をやるために、7対1という基準を若干増やそうということを予定されたわけでありますけど、真ん中のオレンジのところですが、実際はさっきごらんいただいたワイングラスのような形になっているということでございます。要するに出来高払いの診療報酬をそのままにしておきますと、上の緑の四角にございますように、行き過ぎた医療提供体制の変化をもたらすということであります。

 したがって、先ほど医療法で全体としての一般病床の規制がされているとありましたが、医療法を改正して、この病床ごとの区分、高度急性期ですとか、一般急性期ですとか、あるいはそうじゃないものについて、適切に区分しておのおのどれだけ必要なのかという上限を付すことをしない限り、この出来高払いの診療報酬体系のもとでは対処できないということだと思います。

 それから、この改革、7対1に偏重したものを、もう少しバランスのとれたものにするという見直しを、仮に診療報酬で、なかなか行えないですが、行えたとしても、実際は7対1を減らして13対1なり15対1なりを増やす、こういうことを目指しているわけなので、これをやったからといって診療報酬が余計にかかるということはないはずで、単価の高いものを削って単価の低いものを増やすだけです。仮に単価の低い部分についてもう少し加算するということが行われたとしても、全体としてはプラス改定が必要な状況ではないと思われます。

 26ページをごらんいただきますと、国民会議の報告でも、医療提供体制に消費税を投ずるということについては、今の診療報酬体系のまま、特段何か付加的な手当てを別途しないままやっても効果はないわけで、診療報酬体系については体系的見直し、それから地域ごとに柔軟に対応できる別の財政支援の方法が必要です。

 それから27ページにもございますように、消費税増収分を活用するのであれば、まずは地域ごとにどういう医療、どういう病床区分が必要なのかという、地域医療ビジョンの策定が必要とされております。したがってこういった国民会議の議論というのは、消費税増収分の使い方が中心ではあったんですけれど、それ以外の一般の予算編成でも同様だと思います。プラス改定なり診療報酬を配分して、何か医療提供体制を劇的に変えようと思うと、量的規制のないままに、出来高払い、それから全国一律、こういったものがそのままにされていて、対処はできないということであろうと思います。

 それから、前回の高橋先生のお話にもありました、28ページをごらんいただきますと、目指すべき方向性ということで、先ほどワイングラスの絵がありましたので、全国一律では急性期を減らして亜急性期を増やすことが重要なわけでありますけれども、さはさりながら、群馬県はそういう方向でいいかもしれませんが、高知県というのは病床過多でありますから、両方とも減らさなきゃいけない。逆に首都圏近郊、埼玉県は急性期も足りないということで、増やさなきゃいけない。地域によって180度違う対応も必要になるということで、これでも全国一律の診療報酬体系を直すということで、こういった問題の対処は難しいということであろうと思います。

 29ページがそれをまとめたものでございますので、後ほどご参照いただければと存じます。

 それから次に30ページ、次は薬価でございます。

 薬価についても医療材料まで合わせますと、実に11兆円という巨額な財源を投じているわけでありますけれど、薬価の改定というのは2年に1回やってございます。もうご案内の向きは多いと思いますので簡単にいきますが、ただ、31ページをごらんいただいて、先ほど申し上げましたように薬価ということで、公共料金として公定価格が定められるのは、医療機関とか調剤薬局は患者さんにお薬をお出ししたとき、そのとき幾らでというのが薬価として定められます。

 他方、卸が医療機関に納入する、その価格というのは自由価格でありますので、2年に1回この自由価格の部分、その取引された価格が2年前とどうだったのかということを調べて、薬価改定ということが行われます。その価格を踏まえて、この公定価格が変わるということで、下にありますように、薬価調査を通じて薬価を市場実勢価格に合わせるということ、これが薬価改定であります。

 31ページの上をごらんいただきますと、したがってそういうものでありますから、薬価改定するとよくマイナス改定が立つんですが、これは8月の概算要求の時点でいただいた予算単価を実態調査して、それを置きかえるだけなので、制度改正とか予算内容の見直しによる経費の合理化・効率化とは性質の異なるものということであります。言葉を変えますと、1兆円の自然増として要求をいただいていますけれど、薬価についてはちょっと過大要求、単価が大き過ぎる状態になっているので、それはまず見直していただく必要があるということです。

 2年前だとこれで1,300億マイナスが立ちましたけれど、別にそれはマイナスが立ったというわけじゃなくて、もともとの8月の要求が過大要求であったということであろうと思います。

 それで32ページをごらんいただきますと、薬価調査しますとマイナスが立つことが多いんですが、では、ほんとうにお薬の単価がマイナスになっているのかということでありますけれど、下のグラフの青いところ、これが薬価改定を相場も反映させる、要するに赤く書いてあるのはマイナス改定していますが、2年に1回ですけど毎年ごとにならすとマイナス3%ということで、公定価格が3%ずつ毎年切り下がっているとお考えいただけばと思うんですが、他方薬剤費、先ほど11兆円と申し上げましたけれど、薬剤費のペースを見ますとこの3%を切り下げてもなお、プラス2.4%で増加しております。

 先ほど高齢化による医療費の増って、毎年1.5%と申し上げましたが、毎年3%切り下げても、それを上回る薬剤費の増があるということは、要するに平均単価は上がっているということであります。何でマイナス改定しているのに平均単価は上がっているかということでありますけど、それは安いお薬から高いお薬へのシフトが起こっている。あるいは薬価調査というのは既存のお薬だけですから、新たに出た薬については別の価格設定がされているということで、ここからもマイナス3%というのは極めてバーチャルな数字、何か減らされたとか、何かを見直したということではなくて、もともと過大な見積もりになっていたということが言えようと思います。

 33ページをごらんいただきますと、薬価等というところで、これは今度は国民医療費ベースになっていますので、先ほどの3%のマイナスとは違いますけれど、それにしても毎回ずっと、3列目の上をごらんいただくとマイナスが立っています。ただこのマイナスも実際薬価の単価が下がったということじゃなくて、過大な見積もりになっていたものを修正したという、ややバーチャルなものなんですが、過去2回の診療報酬、2010年度、それから2012年度をごらんいただきますと、薬価調査で1.36あるいは1.375と、1.3から1.4ぐらいマイナスが立っていますが、そのマイナスで出た部分を上回るような診療報酬本体への上積みが行われている。先ほどの技術料の部分です。

 結果として、いわゆる「ネット改定率」という部分が、その前の4回の改定に比べてプラスになった。これをもってプラスに転じたという議論がなされたわけですが、先ほどから申し上げますように、この薬価のマイナスというのは極めてバーチャルなものなので、両者を比較してネットという議論をする、その議論自体がかなり、いわば過大要求を見直した財源を、厚生労働省の特定財源みたいに使っているということが言えようと思います。

 それから、次のページをごらんいただきますが、まだ薬価の改定は市場実勢に合わせると申し上げましたが、実は政策的に加算したり減算したりということも行っております。加算の最たるものが、34ページのこの新薬創出・適用外薬解消等促進加算というものですが、名前は難しいんですけれど、2番目の丸をごらんいただきますと、これは何かというと、後発品が上市されていない、要するに新薬で、市場実勢価格の下落率が平均的な下落率よりも低い。要するにほかの並みのお薬に比べて価格の下がり度合いが低かったもの、これについては薬価を維持するということです。だから平均以上の成績だった場合は、前の価格をそのまま高どまりさせる、こういう仕組みであります。

 それで1つ条件があって、例えばオーファンドラッグみたいなもので、なかなか採算が合わないようなものについて、厚生労働省が要請した場合は、その開発をしてくださいということですが、実際は開発を要請されているのは全体の6割ぐらいで、されていない会社が42%あるということであります。そのオーファンドラッグの開発要請をした、しないの部分についてはいろいろ経緯もあるでしょうから、厚労省のほうでいろいろ今検討なされているようですが、より本質的には、マル2のほうの要件で、価値の高い新薬の薬価を維持するつもりでそうやっているわけですが、薬の有用性ということじゃなくて、価格の下落率のみに着目しています。

 これは一種、実際に有用性が評価されて薬価が維持されたお薬と、単に下落率が平均よりも少なかったお薬を同列に扱うということなので、かえって悪平等になっているんじゃないかと。逆に言うと、いい薬についてはこの加算ってほとんど意味がないんですけれど、平均をやや上回る中の上ぐらいのものについては加算の恩恵が大きいということで、これは恒久化をしてはどうかという議論が一部でなされていますけれども、その意味でもなかなかこういう加算をしても、少なくとも我が国の製薬産業の競争力の強化にはつながらないんじゃないのか。

 しかも加算の額ですが、医療費ベースで770億円の巨費を投じて、ややこういう悪平等みたいなことをやっているというところが問題であろうと思います。

 それから35ページをごらんいただきますと、これは後発医薬品の促進の問題でありますけれど、先ほど申し上げたように後発医薬品の促進は進んでおりません。したがって来年、やっぱりドラスティックにこれを進める必要があろうと思います。3つ目の丸にありますように、1つは使用促進のさらなる加速化が必要でありましょうし、2つ目はこの長期収載品、すなわち、安い同じ内容の後発医薬品があるにもかかわらず、先発したブランド薬のことですが、長期収載品の価格が我が国の場合、なかなか下がらないという現状があります。薬価差を取りに行ったりして、なかなか下がらないということですが、したがってこれは、市場実勢よりも政策的に大きく下げる必要があろうと思います。

 現実には、この政策的にはあまり売れないようにしようとしていた長期収載品が売れているわけですから、来年、少なくとも何か効果を出そうとすれば、その価格をさらに政策的に引き下げる、こういった必要があろうと思います。

 36ページは前回の改定でもありましたが、市販薬と類似したもの、これについては保険収載から外す等の見直しが必要ではないかということ。

 それから諸外国については、例えばフランスですが、公的医療保険が対象とする医薬品の償還額というのは保険でカバーする範囲ですが、これはもう中身が同等であっても価格が安い、後発医薬品に合わせる。患者さんとか医師の側の好みで高い薬にしてもいいけれども、その差額は自己負担、こういう仕組みもなされていますけれども、ここまでなかなか来年行けるかどうかというと、法改正が必要なんですけれども、そうはいってもやっぱり、長期収載品の価格の引下げ、これはすぐ4月1日からできますから、こうったものに早速取り組んでいただく必要があろうと思います。

 それから38ページ以降は調剤とあります。薬剤費と調剤って区別が難しいかもしれませんが、調剤というのは医科とか歯科とかと同じように、技術料です。お薬を調合する、調剤するときに発生する技術料ということで、調剤薬局に行けば、お薬の値段と別に、こちらの調剤報酬という技術料も取られているということであります。

 その伸びをごらんいただくと、39ページでありまして、上の紫色が、この調剤報酬の技術料のところの伸びであります。医科、歯科を上回る大きな伸びになっておりまして、この部分についてやはり、少しメスを入れていく必要があるんじゃないのか。医薬分業が多少進んでいますので、その影響もあると思いますが、ただ最近の医薬分業を見ていますと、病院の中にあった薬局がなくなるかわりに、道1本隔てた病院の真ん前に調剤薬局ができて、そこで処方される、いわゆる門前薬局と言われているものもありますが、そういったもので分業が進んだりしている面もありまして、そういう分業であれば、何も患者にとってメリットはないですから、もっとちゃんとした分業が必要だろうとは思います。

 ちょっと最近の傾向ということで、こういった傾向も踏まえて調剤報酬の体系についてもお考えいただく必要があると思います。

 40ページをごらんいただきますと、今大手のチェーン薬局という業態が増えてきておりまして、非常に売り上げを伸ばしている。薬局というのはもうけの源泉が2つありまして、1つは小売業として薬価差、仕入れと売り上げの差でもうけるという部分。これは非常に効率的にやっておられると思いますが、それにプラス、患者さんにお薬をお出しするときに技術料としての調剤報酬を取る。両方合わせてかなり業容も伸ばしているとありますから、その是非については厚労省でご議論いただくにしても、こういった業態も踏まえた価格体系が必要ではないかということでございます。

 介護でございますが、介護は来年は大きな制度見直しはございませんが、めくっていただいて44ページをごらんいただきますと、実は介護の世界は介護従事職員の処遇改善というのが大きなテーマになって、かつては税金で給料をかさ上げするようなこともやりましたが、ごらんいただきますように、収支とか、あるいはかなり多額の内部留保が各施設にたまっておりますので、処遇改善が課題であれば、ぜひ従業員の処遇改善に使っていただく、こういったプレッシャーが必要ではないかと思います。

 その一つの方法としてということですが、規制改革会議等でご議論されているのは、社会福祉法人制度の見直し、特にその経理のあり方、あるいはディスクロージャーのあり方、それについてきちんとご議論いただいて、こういったもののプレッシャーの一つにしていただく必要があろうと思います。

 続いては雇用でございます。

〔 土谷主計官 〕 厚労第二担当の土谷でございます。私のほうからは引き続きまして、雇用と生活保護について説明させていただきます。

 47ページをごらんいただきますと、雇用情勢でございますが、これは改善してきているところでございまして、次のページ、48ページをおめくりいただきますと、雇用保険からの給付は減少傾向にございます。

 49ページ、右側でございますが、雇用保険の財政につきましては、今現在国庫負担、これは本則25%ということでございますが、国の厳しい財政事情を踏まえまして、現在13.75%に引き下げられているところでございます。こうした状況のもとにおきましても、雇用保険の積立金については、足元5.9兆円と過去最高の水準まで積み上がっているところでございます。

 次のページ、50ページをおめくりいただきまして、以上を踏まえまして、2つほど見直しの視点を掲げさせていただいてございます。1つ目は、既に春の財審でご整理いただいているところでございますが、やはり国庫負担につきましては、引下げを含めて、そのあり方について検討していく必要があると考えてございます。これに対しまして厚生労働省からは、安定した財源を確保して、法律の本則どおり25%に速やかに戻すべきであるという要望を頂戴しているところでございまして、今、協議を行っているところでございます。

 もう一点でございますが、リーマン・ショック後の厳しい雇用情勢を反映いたしまして、今、例えば失業手当につきましては、暫定的に最大60日間給付日数を延長したり、あるいはハローワークの体制におきましても、かなり充実した相談体制を講じさせていただいてございます。こういった点については、今後スリム化していく余地があるのではないかと考えてございます。

 あるいは、最後の点でございますが、ニート等の就労支援につきましては、全額国庫負担で対応してきていますが、今の積立金の状況を踏まえますと、保険料を活用する余地があるのではないか、こういった視点でございます。

 続きまして生活保護でございますが、おめくりいただきまして、52ページでございます。左上の箱をごらんいただきますと、生活保護の被保護者数でございますが、これはリーマン・ショック後急増してきたわけでございますが、足元の伸びは落ちついてきておりまして、若干増傾向というところでございます。

 右側の上の折れ線グラフをごらんいただきますと、その内訳でございますが、実はリーマン・ショック後、ここにございます赤い線のその他世帯、ここは現役の稼働可能層を含むと見られる世帯で、ここが急増したことが社会問題になったわけですが、足元の雇用情勢の改善の影響であろうと思いますが、この伸びは一服していまして、足元は幾分減少傾向になってございます。

 ただし、高齢者世帯につきましては、こういった雇用情勢のいかんにかかわらず、趨勢的に増加傾向が続いてございまして、生活保護の今後については、引き続き予断を許さない状況だと思っています。したがいまして、生活保護については、今後とも適正化に向けて不断の取組みが必要であると考えています。

 具体的にはということですが、53ページ、右側をごらんいただきますと、昨年の予算編成過程におきましては、生活保護の2大支出でございます生活扶助、現金給付の部分と、医療扶助について、適正化を行わせていただいています。特に医療扶助につきましては、一部法律改正事項が残ってございますが、今後につきましては、この柱となってございます後発医薬品の使用の原則化、この効果を検証していく必要があろうかと思っています。

 最後になりますが、54ページ、生活扶助、医療扶助につきましては、前のページにございますとおり、一定の見直しの措置が講じられたわけですが、ここにございます住宅扶助や、各種の加算措置、これについては引き続き見直しが必要な課題となっています。厚労省におきましても、今月からこうした課題について検討を再開したところでございますので、できるところから見直しを進めていく必要があると思っています。

 私からは以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。それでは早速、ただいまの社会保障に関するご説明について、どなたかからでもご質問、ご意見、よろしくお願いします。岡本委員。

〔 岡本委員 〕 8ページの医療費適正化計画についてというところなんですけれども、ここに書いてある「検証・評価」の問題や、あるいは「中長期的な目標設定だけでなく、各年度においても、確実に効果が見込める取組みを行う」というのは、全くこのとおりだと思います。ただ、この「確実に効果が見込める取組みを行うことが重要ではないか」というのは、どういう方法で行うのか。つまり右側で見ると、例えばジェネリックについては「いつまでに何%以上にする」と言いながら、達成できていないのですが、その間、数値的にはいろいろな項目を毎年つかんでいると思うんです。

 実際に目標達成に向けて取り組んでいるのはわかるんだけれども、医療費の増加を7,000億減らそう、4兆円から3.3兆円に落とそうというところにつながるように抑制がされていないのではないか。これは2段構えだと思うんですけど、何となくいろんな、真ん中に並んでいる70%とか45%とか25%というのが、この数字を達成すればいいんだという目標数値を目的化しているのか、あるいはその後の最終的な医療費増加抑制の数字を言っているのか、どういうところをどのように取り組めと厚労省に言い、かつ財務省はどうフォローしているのか。ここは重要なポイントだと思いますので、ちょっとお伺いいたします。

〔 吉川分科会長 〕 ではお願いします。

〔 新川主計官 〕 実際は特定健診、メタボ健診とか、あるいは後発医薬品の使用割合というのは、一定のラグはありますけど、翌年とか翌々年には数字が出てまいります。ただし問題は、それをやって医療費が幾ら減ったのかというところの検証がなされていない。後発医薬品なんかは、実際医療費の検証が一番しやすい数字でありますが、これは検証可能であって、毎年毎年未達である、このままのペースでは達成できないということが意識されていて、現に達成できなかったと。

 されなかったものですから、いろいろな促進策を毎年出されてはいるんですけれど、最後はいたし方ないということで、長期収載品の価格をカットすることで対処したわけですが、いずれも毎年やったけれどもできていないということであるとすると、もう少し強い長期収載品のカットについても、そのマグニチュードは大きくする必要がありますし、あるいは処方箋の書き方その他、見直しはなされていましたけど、それについては目標を達成するほどの効果はなかったということで、もう少し強い政策が要るということを言っていかなきゃいかんと思っております。

〔 吉川分科会長 〕 では、角委員。

〔 角委員 〕 2点ほどお願いしたいのですけれども、これからやはり超高齢化で、介護の伸びを抑えるのがかなり厳しくなると思います。その中で一定の所得、あるいは資産を保有している方は負担割合を増やすという政策が出されておりますけれども、これはやはり国民の善意に期待するという考え方になります。やはりせっかくマイナンバーが16年1月からスタートするわけですので、介護は負担を増やします、しかし所得、資産がないということを本人が証明する義務がある、それができれば負担を減らしますという、逆の方向で行かないと、実質的な効果が上がっていかないのじゃないかなと思います。

 それと生活保護なんですけれども、前も申し上げましたように、大阪は最悪の状況です。そういった中で、貧困ビジネスに暴力団、反社会勢力が入り込んできているというのは、もう皆さんご承知のとおりでして、この住宅扶助、ここがもう最大の資金源になっています。今まさにご説明があったように、5.5万円あるわけですので、これでいわゆる路上のそういった人たちを集めてきて、家賃の安いところに入れて5万5,000円を取る。

 これを行政がやるには、これは基礎自治体単位でやりますので、どうしてもこちらの自治体が厳しくやれば、こちら側に移動するということも起こりますので、一律的な対応が必要だと思いますし、そのときに相手が反社会勢力ですので、やはり行政マンもかなりリスクを伴うといいますか、別の話ですけど宝塚の市役所で放火事件があったとか、身の危険を行政マンが受けることも多々あると思いますので、やはり基礎自治体が同じ統一的な対応をしていただくのと同時に、警察がその不安を少しでも取り除くように、対策が必要ではないかなと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ご意見だったと思いますが、特にレスポンスはよろしいですか。

 それでは老川委員、大宮委員。

〔 老川委員 〕 2つお伺いします。医薬品の費用が非常に増えている。それでお医者さんにいろいろ聞くと、もう今、ベンツ、外車を乗り回しているのは調剤薬局ばかりだと。それは半分冗談でしょうが、調剤薬局が非常に利益を上げていると。特に大手ですね。

 この原因は先ほどご説明がありましたけど、いわゆる技術料と薬価差益ということなんですが、ほんとうに薬を調合してやっている薬と、それから、我々も薬をいただく場合、もう既にプラスチックのカプセルに入っている、別にその場で手を加えたわけではないと思われる薬と一緒にあるんですけれども、ここら辺はどうなんでしょうか。調剤技術料と薬価差益込みで決まっちゃっているというあたり、ほんとうにそこで技術が提供されたかどうかによって、きちんと的確な計算ができるようになっているのかどうか。ここのところを1つ、実態をお伺いしたいと思うんです。

 もう一つは介護です。介護の職員が非常に所得が低いということが前から言われているわけですが、資格がなくても就業できるというのが、今度資格制度になって、それで希望者が逆にものすごく激減しちゃったと。つまりそんなにお金を出して研修を受けて、安い給料しかもらえないというんだったら、やってもしようがないということで、就業意欲が非常にそがれている、こういう話も聞くんですが、やっぱり何らかの技術なり資格が必要だとすれば、そういう資格がなくてもできる仕事と、それからちゃんと資格を取った人には、より高い報酬が得られるとか、めりはりをつけた形で、介護全体のサービスの向上を図るということができないものだろうか。

 先ほど内部留保がかなりあるというお話で、それを吐き出してもらえばもちろんいいわけですが、強制的に命令してやれるというわけでもないでしょうから、そういう方向に誘導していくような施策を考える必要があるんじゃないかと思うんですが、この辺はいかがでしょうか。

〔 吉川分科会長 〕 では、ご質問だったと思いますから、レスポンスをお願いします。

〔 新川主計官 〕 まず調剤のほう、技術料の部分でありますが、薬剤師さんが処方箋をもとにして調剤しますと、まず調剤基本料という形で一定の報酬を得られて、それに対して、例えばジェネリックを出したとか、あるいはその在庫のために必要なものであるとか、あるいは飲みやすいように一包化といって、1つにまとめたとか、そういうことをするとさらに加算が得られる、こういう仕組みになってございます。

 ご指摘のとおり、その技術料プラス、薬局の場合は仕入れと公定の薬価との薬価差、この両方が所得の源泉ということになろうと思いますが、調剤の技術料の根本的なところは、医薬分業をして、例えばかかりつけ薬局のような形で、気軽に相談できる薬局があって、複数の医療機関から処方された処方箋について、患者さんの利益にかなうような形でお薬を処方する。中に疑問を感ずるような処方箋があれば医療機関に疑義照会する。これが念頭に置かれている調剤の技術料ということでありますので、少しそれから離れた業態をとっておられるような場合には、少し違った考え方を入れる必要があろうと思いますし、今、門前薬局の問題ですとか、それ以外の業態ですとか、いろんな問題が現に生じていますから、そこはぜひ見直していただく必要があろうと考えております。

 それから、介護の職員の関係ですが、実際は施設で働いていらっしゃる職員については、特段の資格は必要ございません。訪問介護している方については、以前はヘルパー2級というのがあったんですが、今は研修制度に改められていまして、中身はよく似ていますけれども、一定の期間の研修を経るというのが訪問介護のヘルパーをするための要件となっています。

 おっしゃるとおり、処遇を上げていくためには、きちんとした資格、一部国家資格に相当するようなものも新しく導入はされましたが、国家資格みたいなものに加えて、その施設の中でのいわば職位のようなもの、キャリアパスがあって、経験と技術を積めばだんだんに職位が上がっていく、例えば最初、初任給は低くても、主任になったり、係長になったり、課長になったりして職位が上がっていく、そういったことがないとなかなか上がらないわけで、その一つの方法として、開示を促すということに加えて、どうしても社会福祉法人というのは1施設1法人と、非常に零細な法人が多いものですから、もう少し統合なり近代化していただいて、複数の施設の間で人事異動なりをするに伴って、より高度な仕事をしていただく、それで処遇も上がっていく、そういう社福法人の仕組みそのものの見直しといったようなことも、処遇改善を促す一つの方策であろうと考えています。

〔 吉川分科会長 〕 どうも。大宮委員、お願いします。

〔 大宮委員 〕 先ほどの岡本委員の質問とちょっと関連するんですけど、8ページの丸の上から4つ目に、「重要ではないか」という問いかけになっていますよね。それからその右側の9ページのところも、緑の枠の一番下に、「必要ではないか」と書いてあるんですけど、これは財務省が厚労省に対して必要ではないかという問いかけをして、これによって例えば検証するだとか、予算の編成を少し変えてもらうとかいうことをするために書いてあるわけですよね。

 予算というお金を握っているところが具体的な方策を、ああしたい、こうしたいというところまでやるのはなかなか難しいし、所轄している官庁はそれなりに知恵もあるし、全体的にどううまく改定できていくのかというのがあまりよくわからないんですけど、その辺ちょっと教えてほしいんです。

〔 吉川分科会長 〕 お願いします。

〔 新川主計官 〕 ただいま大宮委員からいただいたご指摘、ほんとうにごもっともで、普通の世間とか民間企業の常識で言えば、5年計画を立てれば、その1年目から厳しく進捗状況を見直して、どうも到達しないということがわかったら、直ちに改めることが必要なんですけれど、先ほど後発医薬品のところでごらんいただいたように、達成できなかったら漫然と5年後の計画をまた立てるというようなことが、普通に行われているので、もう少し社会では常識になっていることをやっていただく必要があって、それで重要なのは、未達になるんであれば前の年よりも強い政策を入れる必要があるんだという、その方針がどうしても必要。

 前の年にその強い政策を入れなかった事情は、どのような政策でも効果もあれば、副作用もあるわけですけれど、それがあるのであえてやらなかった施策についても、未達になった以上、この際、より強いお薬といいますか、より副作用があったとしても、取り組んでいただく必要があると思います。

 先ほどの長期収載品の価格の引下げなんていうのはまさにその典型で、若干下げてみたけどやっぱり到達しないというのであれば、そういった、前の年達成できなかったらその年よりも強い政策を入れるんだと。資料では問いかけの形になっているのはおかしいというご指摘で、当たり前じゃないかということだと思いますが、当たり前のことが当たり前になっていないこともありまして、ぜひ来年はその強い政策をやると、財政審のお力で迫っていただければと考えております。

〔 吉川分科会長 〕 それでは続いて、鳥原委員、田近委員、井伊委員、井堀委員の順でお願いいたします。

〔 鳥原委員 〕 2点あります。1つは診療報酬本体の改定に関してですが、今回の社会保障改革によって、医療においても患者や被保険者に対して、ある程度の負担増を求めざるを得ない、そういう厳しい状況にあります。そうした中で、さらなる患者負担や保険料負担の増加につながるような診療報酬の引上げは、その影響も大きく、なかなか国民の納得も得られないと思います。

 資料の17ページにありますように、診療報酬本体について言えば、その改定指数はこれまでも賃金指数や消費者物価指数を上回っており、デフレ下においても上昇を続けている姿になっています。したがって、消費税引上げに伴う賃金、物価動向を勘案しても、少なくとも診療報酬本体をプラスに改定する必要性はないと考えております。

 2点目は後発医薬品に関してですが、後発医薬品の使用促進を図るためには、診療報酬や調剤報酬の加点による誘導だけでは、十分ではないのではないかと思います。保険者による被保険者、医療機関への啓発に加えて、処方権を持つ医師の後発医薬品への理解促進も必要と思われます。

 例えば医師が一般名で処方箋を出せば、調剤薬局のほうでは、後発医薬品をもっと多く出すことができますが、医師の後発医薬品に対する不信感に加えて、一般名で処方できる医師が少ないといった問題もあると聞いております。そうした細かな部分での検証を行って、対策を立てていく必要があると思います。

 また今後の大きな政策的方向としては、例えば新薬を望む患者に対しては、後発医薬品よりも自己負担分を高くするなど、医者側ではなくて患者側のコスト意識に訴えて、後発医薬品の使用を促していく方法も検討すべきだと思います。

 以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 ご意見だと思います。では続けて、田近委員。

〔 田近委員 〕 田近です。最初、新川さんのほうから非常に力を込めて、自然増に対して今年は切り込むんだというところで、その9,900億円が出てきたんですけれども、私の質問はそこにかかわるんですけど、結局最後、どういうことが聞けるのかなと思って。この9,900億円は、今年は何千億円これでカットできますという、その結論というか、説明が来るのかなと思ったんです。

 私の質問というか、意見は、5ページを見ていただきたいんですけれども、財政制度等審議会で医療、介護、雇用保険、生活保護と、森羅万象いろんな議論をしなきゃいけないのかもしれませんけれども、やはり5ページの例えばここは、国民医療費がどうファイナンスされたか、国庫負担、地方負担、保険料負担、患者負担。この国庫負担、地方負担を、もっときちんと分析してもらえないかなと。

 具体的に言うと、国庫負担、地方負担の中には、いわゆる定率負担というので、我々の頭には何か定率負担がこれを説明しちゃうのかなと。例えば国民健康保険だと給付の5割、協会健保だと給付の16.4%ですか。でもそれ以外に、法定の負担というのがありますよね。例えば国保で所得とかが低い、あるいは高齢者比率が高いところに対して負担するとか、あるいは正確ではないかもしれませんけれども高額医療費に対する国庫負担とか。したがって、財審で議論するときには、やはり国庫負担、地方負担をもっときちんと議論すべきだと。

 それから、この地方負担について、実は地方交付税のところで議論になるかもしれませんけれども、この地方負担の多くは地方交付税措置がされているわけですよね。だから今度地方消費税が増えたときに、この地方負担の地方交付税部分とどう関係させるのかという問題も、財政の問題で出てくる。申し上げたかったのは、だから、9,900億円の自然増に対して、今議論されているいろんな工夫をして、どういう姿で国庫負担、地方負担が削られていくのか、そこを見せてもらいたいと思いました。

 あと、それは同様にして、介護保険のほうは、ある意味で、定率部分、定率負担で説明される部分が多いと思うんです。それが第1点。

 第2点は、こういう議論もしてもらえればと思ったのは、前回の資料には多少あったんですけれども、税との関係が希薄じゃないのかと。要するに高齢化して給付が増えていく。それはよくわかるし、特に後期の高齢者が増えていくと、後期高齢者医療制度、それから介護保険を通じて公費負担が増えていく。それはよくわかるんですけれども、そのとき大切なのはやっぱり高齢者に応分の負担をどう求めるかというので、おそらくその分野で最も重要なポイントの一つは、公的年金等控除のあり方だと思うんです。

 だから、この問題というか、社会保障、医療、介護、年金の問題を考えるときに、財審としては、税の問題はここの問題ではないという仕切りは、もうできないんじゃないかと。公的年金等控除についても、もっと正面から議論すべきだと、その2点です。

〔 吉川分科会長 〕 はい。

〔 新川主計官 〕 まず9,900億円の削減方策ということになります。具体の金額は年末前ということになると思いますが、1つ例を挙げまして、先ほどの薬価の要求が実態よりは過大要求になっているという部分を考えますと、例えば2年前を例にとりますと、薬価を要求時点から実勢価格に置きかえた、そのことで1,300億円マイナスが立っています。今年どうなるかは薬価調査の結果を見てみないとわかりませんが、やっぱりこの1,000億円というオーダーのものが、実勢価格よりも高めに入っているというのが1点。

 それからさらにということですが、国庫負担のあり方について、実はここの5ページのやつは給付費の定率部分に加えて、制度に基づいて入れている低所得者の保険料軽減みたいなものも入ってはいますけれど、こういった部分について、1つは保険料負担と国庫負担を入れかえるということで、ある程度対応はあるんですけど、保険料負担も非常に大変でしょうから、やっぱり今回のことで重要なのは医療提供体制、あるいは介護の提供体制、こういった部分について、一時的に体制を直すのでお金がかかる部分もあるかもしれませんけど、それできちんと高コストな部分は直していくということ。

 それから、税との関係ですが、公的年金等控除については国民会議の報告等でも、高所得で年金をお支払いしている方についての、年金給付のカットというよりは、公的年金等控除で見直していく。そのことによって、年金制度の中でのより応分の負担ということもありますし、加えて社会保障制度の中で所得の多寡を把握するのは、課税所得で見るケースが多いわけで、公的年金等控除の見直しによって、より適切な応能負担をお願いし得るという、この2つの局面もありますので、どっちがやるのかというのはありますけれども、税制との関係でいって、公的年金等控除の問題というのは非常に大きな問題でありますし、国民会議においても取り組むべき課題等を挙げているというところでございます。

〔 田近委員 〕 ちょっとだけ。

〔 吉川分科会長 〕 はい。では、簡潔にお願いします。

〔 田近委員 〕 はい。新川さんのお答えは別に異存はないというか、ジェネリックの問題も重要だし、提供体制も重要ですけど、ただ財審の場で議論するときに、やっぱり公費、国庫負担、地方負担、そのくくりじゃ、あまりにもアバウト過ぎるんじゃないか。だから今日これだけ議論されて、それはどういうメカニズムで9,900億円という自然増に対して議論がつながっていくのか。そのメカニズムを含めて、やはりその部分はこの財審の資料としても、よりわかりやすくて、現実を反映した資料が提出されてもいいと私は思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、井伊委員。

〔 井伊委員 〕 田近先生のご指摘のところ、とても大切ですが、私からは医療提供体制のことに関して。前回お話ししたように、診療報酬が出来高払いを基本としている限り、どれだけ細部をいじったところで大きな改善はないと私は思っております。日本の公的医療保険制度は、患者を健康にしておくインセンティブというのはほとんどありません。新川主計官が先ほどお話しになったように、上限がない出来高払い制度というのは、私が知っている限りどの国でもないと思いますし、特に一番高齢化が進んでいる日本で上限がない出来高払い制度を、そのままにしている限り、細部をいじってもどうなのかなという気がします。

 高齢化の医療費の問題の本質は何かということで、ここでも何度か申し上げたと思うのですが、8ページのところで、第2期の目標は特に弱さが私は目立つと思います。平均在院日数の短縮に関しては、受け皿を用意することが必要であるということ、あとは後発医薬品の使用促進は、私は枝の部分であって、大元、幹ではないと思っています。

 今回の消費税を増税するときに、社会保障の充実ということが言われていたのですが、医療費を増額することだけが医療の質を上げることではないというのを、わかりやすく国民に伝えていくことも重要なのではないでしょうか。医療というと私たちは、救急車で病院に運ばれるという超急性期のイメージを持つのですが、高齢化での健康問題の多くは慢性疾患であって、多くの医療費が使われているのは、レセプトの分析などでほんとうに明らかなのですが、高血圧であるとか抗生物質などに、非常に多くの医療費が日本で使われているのが特徴であると思います。

 その慢性疾患をしっかり管理しないで不必要な入院が多くなっています。私たちは今ちょうど研究、分析しているのですが、高度急性期の病院を除いては、多分半分ぐらいの入院というのが慢性疾患が悪くなっての入院です。ですから21ページや22ページにお示しいただいているような病床区分をするときに、出口で病床区分をするだけではなくて、入り口で慢性疾患にならないような仕組みが必要なのではないかと思います。

 日本の医療制度の特徴として、患者の受診回数が多い。これは大阪とか関西が特に多くて地域差があるのですが、例えば糖尿病などで2週間に1回。大体エビデンスとして多くの国では3カ月に1度ぐらいで、少ない回数で上手にコントロールするのが医者の腕の見せどころで、そういう人に診療報酬がつくような仕組みになっているのに、日本は出来高払いなのでそうはなっていないということ。回数で稼がないと、日本の場合には経営ができない。

 多分日本の診療所の利益の半分というのは、初診料、再診料、慢性疾患の指導管理料だと思うのですが、その指導管理料がほんとうに慢性疾患の指導管理になっているかどうかというのは、検証がされていないと思います。そもそもアウトカムの評価不足だと思いますので、私はそうした中でジェネリックを導入したぐらいでは、大した改善ができていないと思います。それが1点目、高齢化の医療費の問題の本質は何なのかということ。

 あと2点目は、前回、高橋先生の発表の中でもありましたし、今日は大臣政務官もいらして、今政府で医学部を新設して医師の数を増やすという話が出ていますが、私は現在の制度の下では医療費が増えるだけで国民のためにはならないと思います。これからの高齢化社会の中で、医師を増やすよりは、看護師を増やす、生かすことのほうが即戦力があると思いますし、医師にできることが看護師にできない、看護師が行えない、日本では認められていない、そうした問題も重要なのではないかと思います。

 あと、医師に関してですけれども、2017年にようやく後期研修が必修化されますが、ずっと反対されてきた家庭医、日本では総合診療専門医と呼ばれるようになるようですが、導入が決まりましたので、その医師の役割を明確にしてしっかり育成する、そのときに地域住民が健康であることが、その医師の存在意義になるような診療報酬を決めていくことが重要だと思います。

 3点目が、高橋先生のデータというのは施設配置の調整には有効であると思いますが、医業の垂直的な流れ、超高度急性期から地域に密着した病床とか診療所、その流れの根本的な課題の改善にはつながらないように思います。高橋先生は、病院から診療所への逆紹介率が増えているということですが、それをもって病院と地域の診療所の連携が進んでいるとはならないと思いますし、逆に過度な病院への移動があったのかもしれませんし、それはやはりデータで経時的な追跡をするなどの分析が必要だと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 どうも、ご意見をいただいたと思いますので、続けて井堀委員。簡潔にお願いいたします。

〔 井堀委員 〕 はい。診療報酬改定の件なんです。17ページのグラフを見ても、物価がずっと下がっているときに診療報酬改定は上がっている。これがずっと上がっているのはなぜか、なかなかいろんな問題があると思うんですが、1つは医師会の政治的な力が強いということもあると思う。そうはいっても国民の中に、診療報酬が改定されることのメリットは感じるけれども、デメリットはあまり感じていないので、政治的に診療報酬改定が、物価が下がっているにもかかわらず、ずっと上がってきたというところがある。

 例えば12ページで、診療報酬を1%上げた場合の負担が4,200億円とある。この4200億円がほんとうに国民にとってコストとして感じているのかどうかという、その質問です。患者負担のほうは診療報酬改定で、自己負担がその分増えるんですけど、問題は保険料と税金のほうは、診療報酬が1%上がったときに自動的にこれが引き上げられて、それが国民にとって負担と感じているシステムになっているかどうかという質問です。

 例えば税金といっても、事実上これは財政赤字で、先送りしていれば国民にとっては負担増とは、差し当たり感じないわけです。そうすると診療報酬が上がれば、その部分も手厚い医療サービスを受けると思うと、国民は診療報酬の改定を避ける方向にはなかなか行かないと思う。この12ページの税金、保険料それぞれ上がるというのは、自動的に上がると考えていいのか、あるいはマクロとしてこうなっているということなのか、そこのところを教えてください。

〔 吉川分科会長 〕 では、簡潔に事務局からお答えいただきます。

〔 新川主計官 〕 はい。税のほうは自動的に上がる仕組みはどこにもないということと、あと保険料のほうは、ほぼ均衡するような形で医療保険の場合は運営されていることが多いので、マクロとして見れば、ほぼ充足されているということだと思います。

〔 吉川分科会長 〕 続けて、竹中委員、土居委員、黒川委員の順番で、簡潔にお願いいたします。

〔 竹中委員 〕 はい。2つで、今回の消費税の引上げを診療報酬改定上げのほうに充当すべきではないというのが1つです。

 それからもう一つは、医薬品、ジェネリックのことで、35ページにもありますけど、イギリス、ドイツ、アメリカが70、80、90%でジェネリックを使われているのに日本は40%。前回のこの話の生活保護者に率先してジェネリックをというとき、私、実は反対をしました。

 それはそういう薬品、貧者の医薬品のようだというイメージが定着するということで反対をしたんですけど、私はむしろ、今のようにジェネリックがオプションだ、そうでない医薬品がデフォルトだというのを反対にするぐらいのドラスティックに、ジェネリックという医薬品がデフォルトであって、そうでないのがオプションなのだというぐらいの発想法でいかないと、こういった他国のような数字まで上げていくことは無理だし、限界があるのではないかなと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。ご意見だと思いますので、続けて土居委員。

〔 土居委員 〕 3点簡単に意見を述べさせていただきたいと思います。

 25ページにありますように、医療提供体制の改革はもう不可避なわけですけれども、これのために診療報酬全体で増額するような形になるということは、私は少なくともここの部分についてはあり得ないだろうと。やはり7対1の入院基本料をまず下げることと、それとセットでせいぜいほぼ同額程度の13対1、ないし15対1への配分ということで、総体としては増えないように診療報酬改定をするべきだと思います。

 それから2点目は調剤の話でありますけれども、40ページにその調剤の話があって、私はこれは確かに今までの薬価のつけ方を所与とした上で、そこに着目して安定的な収入源があるということで、大手調剤薬局がフランチャイズ化することを通じて、そういう利益ないし売り上げを上げてきたということだと思いますが、この裏側にまず1つあるのは、中小の調剤薬局に非効率な経営があることが、結局は大手の調剤の収益源にもなっているということなので、やはりそこの部分の非効率は正す方向で薬価をつけていくことが、私は必要だと思います。そうすると、そこの部分で差益が大手で上がるというような話にならない。しかもそれは、国民全体としての医療の負担を軽くするということになるだろうと。

 もう一つは、大手は大手で少しメリットがあるんじゃないかと思うのは、36ページにありますように、市販類似薬で、要は保険と保険外の部分の混合の薬品の販売にも力を入れているところがありますので、むしろ、例えば風邪を引いて処方箋をもらったときに、もしその処方箋の中にうがい薬が入っていないということであれば、全額自己負担ですけれどもうがい薬どうですかと言って、販売を促進するということをやっていたりする。それはいいわけであって、保険外でやっていただくということであれば、当然患者の自己判断も含めて、そういうものをむしろ積極的にやっていくことを促してはいかがかと。つまり、全てを保険内でやるという話ではなくて、そこをうまく混合させていくことで、全体の薬価も抑制できると思います。

 最後の1点は、先ほど田近先生が年金の話をされたので、今回の資料には年金がないんですが、来年早々にも年金の財政検証が5年に1回行われると。そのときに、もちろんそれ自体は厚生労働省なりがきちんとやるということなんでしょうけれども、財政審として、こういうところは年金制度についてきちんと、「100年安心」というならば、正していただきたいというような部分については、何らかのメッセージを今回の秋に発しておかないと、来年の春の財審のときにはもう、財政検証は終わっているということになりかねないので、少しその意見を述べる機会があればいいなと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 では、黒川委員、簡潔にお願いします。

〔 黒川委員 〕 はい、わかりました。ありがとうございます。今回の主計官のご報告は、実際の政策の効果についての言及に重点がよりあったと理解しました。私はそれを受けて、行政PDCAサイクルを意識されたご報告だったと思います。この行政PDCAサイクルについては総務省の行政評価が制度としてあるわけで、総務省はこういう政策について、今回はあまり検証がなかったという言及だったわけですけど、財政審としても総務省と連動するというのでしょうか、こちらも利用する、そういうことをしていただきたい。今日でなくていいので、何か教えていただければと思います。

〔 吉川分科会長 〕 一言、主計官から。

〔 新川主計官 〕 行政事業レビューという膨大なものがあるわけですけれども、まとめまして、何らかの形でお示ししたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、倉重委員、簡潔に。

〔 倉重委員 〕 23ページのグラフを見ているんですけど、なかなかこれは政策誘導が見事な医療提供体制。7対1の基本料金を見直したときに、見事な増減が出てくるんですけれども、この最初の段階で、政策誘導するときにどの程度に落ちつかせることを目的に、この政策誘導をしたのか。

 それから、結果的にこのことによって、トータル費用は幾らかさんだのか。

〔 吉川分科会長 〕 それは先ほど事務局の説明で、24ページの真ん中の図が、数年前に厚労省自身がつくられた図だという説明があったかと思います。つまりこれが当初企図されたものだったということ。

〔 倉重委員 〕 トータルどの程度の額を見たのか。

〔 吉川分科会長 〕 お願いします。

〔 新川主計官 〕 実際の7対1が何万床であったかというのは、実は公式記録は残っておりませんで、それはそれで問題だと思いますが、イメージとしてはこの10対1との面積比、こういうイメージで語られていたと。実際数字がありませんので、具体的にばっちりと、これが33万床になってしまったことによる額というのは、現状では算出が、公式にはしづらいというところがございます。それ自身は問題だと思いますが。

〔 吉川分科会長 〕 ただ、この24ページの真ん中の図は、当時のプロモーションに実際に使われた図。

〔 新川主計官 〕 24ページは主計局でつくった絵です。

〔 吉川分科会長 〕 ああ、そうですか。厚労省はアグリーしていたわけではないわけですね。

〔 新川主計官 〕 ないです。ただし、中医協等で数字を挙げて議論されていましたので、その議論で挙がっていた数字をもとにイメージとして、当方で作成したものでございます。

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。

〔 倉重委員 〕 このことによって全体で、どの程度金額がかさんだんですか。

〔 新川主計官 〕 ちょっと数字自身がございませんので申しわけございません。

〔 倉重委員 〕 でも、これで増えているんでしょう。

〔 新川主計官 〕 おっしゃるとおりです。何倍も増えているということであろうと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、今日は後半、公共事業の議論もありますので、予定時間を少し超過しております。前半の議論はこれまでとして、どうでしょう、少し駆け足ですが、時間を超過していますから、休憩5分、11時5分前から後半再開ということにしたいと思います。

( 休  憩 )

〔 吉川分科会長 〕 それでは、時間を少し超過していますので、後半を始めたいと思います。

 後半は公共事業についてです。小野主計官より説明を早速お願いいたします。

〔 小野主計官 〕 国土交通公共事業総括担当の小野でございます。資料2「社会資本整備を巡る現状と課題」という資料でご説明させていただきます。

 おめくりいただきまして、2ページからでございますけれども、まずこの数ページでは、我が国の社会資本整備が過去20年、25年の間に急速に進んできたということで、公共事業関係費の水準につきましては、この審議会でも従前からずっとご議論いただいていますけれども、以前は公共事業が必要だという理由の一つに、まだ整備水準が足りないという議論がございました。

 ところがここの資料を見ていただくとおわかりになりますように、3ページの上のほう、例えば高速道路ですけれども、実は現時点で既に全国で1万キロを超す道路ができておりまして、もうかなりの程度概成してきている。下のほうの港湾を見ていただきましても、15メートルを超すような深い岸壁が、日本全国かなりできてきているということでございます。

 4ページに、汚水処理人口普及率と都市公園の1人当たり面積を掲げておりますけれども、この辺につきましてもかなり進んできていまして、もはや頭打ちに近い状況になってきているということでございます。

 5ページが、若干マクロの数字でありますけれども、資本ストックの数字で見ますと、これは赤の線が累計の数字であります。減価償却を考慮した純ストックベースで見ますと緑の線ですけれども、図にありますように、これもフラットになってきていることから見ても、かなりこの社会資本ストックについては、概成してきているということが言えるのではないかということでございます。

 しかるに6ページ目に、人口の予測をつけておりますけれども、今後30年間で16%の人口減少が起こる。生産年齢人口に限ってみますと3割減っていくという中で、この社会資本整備についても、こうしたことを考慮した形で、中長期的に見て水準を検討していく必要があるのではないかということでございます。

 こうした流れは、特に自治体レベルにおきましては、既にかなり深刻な問題として認識されておりまして、7ページに府中市の例をつけております。やはり財政が厳しいということもありますけれども、今後の人口減少を見越して、そこの右側にありますように、例えば歩道橋を廃止する、街路樹を間引きする、こういった形で、これからの人口減少の社会に応じた形で社会資本の整備も見直していこうという動きが出てきております。

 8ページはさいたま市の例でございますけれども、さいたま市はより財政的な見地から、そこのグラフにありますように、今後既存のストックの改修なり更新コストが増えてくることを見越して、やはりいろんなインフラを集約、統合化していく必要があるということで、下の表にありますように、こういう箱物の統合、集約化、さらには道路等の再構築といったようなことについて検討を行っているということであります。

 9ページをごらんいただきますと、それじゃ、国レベルでどうなんだということなんですけれども、今後の既存の社会資本ストックの維持管理ですとか、それから更新をしていく経費がどのくらいかかるかということで、実は国土交通省で5年ほど前に試算したものが、この結果でございます。

 グラフが2つございまして、下の左側をごらんいただきますと、イメージとして、この青と紫の部分がありますけれども、下の部分が維持管理費ということで、これは基本的にもう横置きと想定しておりますけれども、上の紫の部分の更新費がどんどん増えていくという姿になっておりまして、この水色のラインが、大体既存の毎年毎年のフローの予算レベルというイメージで見ていただければいいと思うんですが、いずれ維持管理、それから更新費だけで、予算を上回ってしまう水準になっていくという姿になっております。

 ただこれは、ちょっと前の推計であるということと、それからかなり機械的な推計であると。すなわち、耐用年数が来たら機械的に全てのインフラを更新する、しかも以前と同じスペックで更新していくという形で機械的に推計を行うと、こういう姿になっていくという結果も出ております。

 10ページ目以降については、人口減少といいましても、先ほど全国的な数字をお示ししましたが、地域地域で見ると、これは地方部ほど余計に人口が減っていくというデータでございます。左側は、過疎化が進んでいる地域については全国平均を大きく上回って、これはちょっととり方が2050年までということですが、2050年までに人口減少率が6割に達するということで、イメージとしては、そこの下の地図にあります赤とかオレンジ色の部分が増えていく、つまり人口が極端に少ない部分がこれからますます増えていくということでございます。

 右側、11ページは、同じような傾向を示したものですけれども、これは都市圏レベル、人口1万人以上の都市圏だけとって、人口の減り方というものをプロットしたものですけれども、この地図のイメージで言うと、青とか紫の部分が、人口が今後50年間で全国平均の25%を上回って減っていくところで、左の地図と同じようなイメージで、田舎ほど人口がこれから減ってまばらになっていくということをお示ししております。

 12ページは同じような資料でございまして、説明はちょっと省略させていただいて、13ページをごらんいただきたいと思います。こういう人口動態の変化を考えますと、これからのまちづくりといったことを考える上に当たっても、コンパクトなものにしていくことも考えていく必要があるんじゃないかということで、これはコンパクトシティなんていうことを言っておりますけれども、そこの図にありますように、なるべくまちでも一定のエリアに集中して人を集めていって、インフラの整備もそういうところに集中して更新、投資を行っていく。

 そうすることによって、今までのように、広く人口のまばらなところの公共施設についての更新、投資はなるべく節約していくという発想も必要ではないかということで、例を掲げさせていただいております。現実にはなかなか、人のこういう暮らしとか住み方というものを強制的に動かしていくことは、かなりの困難を伴いますので、難しい点があることは承知しつつも、こういう考え方も念頭に置きながら、今後の社会資本整備を考えていく必要があるのではないかということでございます。

 14ページでございます。これはちょっと視点が違いまして、建設業の就業者数の推移を示しております。先ほど人口の減少ということを申し上げましたけれども、建設業の就業者については、その中でも特に高齢化が進んでいて、しかもその数自体も減っていっているということで、そこにありますように、ピーク時には600万人を超していたものが、今は500万人レベルになってきている。これ自体はある意味、そこは自然の趨勢に任せるということかもしれませんけれども、昨今足元で問題になっていますのが、技術者ですとか、それから技能労働者、特に建築現場におけるとびとか左官とか、そういう特殊な技能を持っておられる方について、減っているということと、高齢化が進んでいるということで、将来的にこういうインフラ整備をするに当たって、あるいは維持管理をするに当たって、人材が確保していけるかどうかということが、1つ今問題になっているということでございます。

 今までの議論を右側にまとめております。一番上の丸では、先ほど申し上げました人口が減少していく中で、これまでのような新規投資を重視する考え方から転換を進めていく必要があるのではないかということ。

 新規投資については、従前からここでも議論していただいていますが、国際競争力強化、高齢化社会、防災・減災といった課題に対応していく必要がありますけれども、その中でも既存ストックの有効活用、ソフトとの連携強化も視野に入れて、有効性を発揮し得るものに重点化を図っていくべきではないかということであります。

 それから3番目ですけれども、既存のストックについても、従来どおりに維持管理で、そのまま同じスペックで更新を行うということではなくて、今後の費用の見通しを明らかにした上で、残すべき社会資本はどういうものかについても検討を開始していくべきではないかということであります。

 特に地方においては、全国よりも大幅な人口減少が見込まれるということもありますので、インフラの集約的な更新を図るという観点からも、まちづくりも含めた形で取組みを進めていくべきではないかということであります。

 最後に、ちょっと申し上げた人材の問題がございます。ただ、今後維持管理・更新業務がずっとあるということを考えると、人材育成の取組みも必要ではないかということを問題提起させていただいております。

 16ページ以下に、今ちょっと申し上げた維持管理・更新について、もう少し詳しく述べさせていただきますと、まずその右側が、建設後50年以上経過する社会資本の割合ということで、社会資本は特に高度経済成長期に集中して大幅につくられているということがあって、まだ足元はそうでもありませんが、10年後、20年後を見ていただきますと、急速に古くなってくるということで、こういうものをどういう形で更新していくかということが、大きな課題になってまいります。

 18ページをごらんいただきますと、幾つか資料がありますけれども、左上の円グラフを見ていただきますと、これは道路にかかっている橋梁のケースです。どういうところがこの施設を管理しているかということですが、実は国が直轄で管理しているようなものはごくわずかでありまして、ほとんどが自治体、特に市町村が管理している施設の割合が極めて大きいということで、これから市町村がこういうところをきちんと維持管理・更新していくことができるかどうかということが、大きな課題になってまいります。

 それから19ページ、右側ですけれども、これは維持管理のやり方の問題で、日々きちんと点検等を実施して、計画的な予防保全を実施していくとコストも抑えられるという例でございまして、そこに図がありますように、コンクリートのひび割れが深刻でどうしようもなくなって、もうコンクリートを打ち直すという場合と、ある程度前にそういう兆候を察知して、最近はこの炭素繊維みたいなものを張りつけて補強するだけでも、かなり耐用年数が延びることもできるようでありまして、こういう形でやっていくとトータルのコストを削減できるということで、こういうこともやはり考えていくべきではないかということであります。

 20ページ、21ページ、こうした問題意識は、国土交通省、それから地方公共団体も持っておりまして、現在の社会資本整備重点計画という国土交通省がつくっている長期計画の中でも、平成28年度までにそれぞれの施設ごとに、こうした長寿命化、あるいは修繕計画という、まずは計画をつくりなさいということを掲げておりまして、右側にありますように、計画自体は市町村のほうではかなりおくれておりますけれども、それなりにできつつあるということでございます。

 ところが、22ページをごらんいただきますと、実際に、この計画をつくっても修繕を実施できているかどうかということで、これも赤と青のラインで都道府県と市町村に分けたデータを示しておりますけれども、やはり特に市町村において、実際にこの修繕等を実施する取組みがおくれているという実態がございます。

 こうした中で、国として何ができるかということでありますけれども、1つはお金、これは公共事業関係費を地方にも出しているわけですから、それを有効に使っていただくということで、地方に対するインフラ関係の補助金については、右側、23ページの中ほどにございますように、今、社会資本整備総合交付金という、全て交付金という形で実施しております。

 これはトータルで約2兆円あるわけですけれども、25年度予算においてこれを大きく2つに分けまして、約1兆円を防災・安全交付金ということで、こういう防災対策、あるいは老朽化対策といったようなものを計画的に実施する市町村に対して、お金を配っていこうという取組みを行っております。今後この交付金の中身、メニューですとか、補助の仕組みの中で、市町村の取り組みをうまくインセンティブづけて支援していくような仕組みができないかを、今検討しているということでございます。

 24ページが、今はお金の面ですが、今度は人の面ということでありまして、この維持管理・更新業務を担当する職員ということで、基本的には自治体レベルでこういう土木建築関係の業務を行っておられる職員の方の数を調べてみますと、都道府県レベルになると20人以上といったところがかなりありますけれども、市町村、特に町、村レベルになると、この紫のところが圧倒的に多いわけです。これは「1人〜5人」とありますけれども、町、村レベルになると1人、場合によっては誰もいないといったようなところも多くございまして、先ほどの道路で言うと、ストックの7割を市町村が管理しているということを考えると、こうした体制でどうきちんとした維持管理・更新をやっていくかが大きな課題になってくるということでございます。

 以上をまとめたのが右側でございまして、2番目の丸のところですけれども、今後、維持管理・更新費用の増加が見込まれますけれども、予防保全の取組みなど、適切な維持管理を行うことにより、安全性を維持しながら、施設の長寿命化を図り、更新需要の平準化を図っていくということ。

 更新が必要となった場合でも、単純更新ということではなくて、スペックを合理化していく、あるいは集約的な更新を行っていくことで費用の縮減を図っていくといった形で、トータルコストの縮減・平準化を図る取組みが必要ではないかということが総論的なことでありまして、特に公共施設の多くは地方が管理するものとなっていますので、地方で適切な対応が必要であるということで、国としても地方の取組みを支援するために、1つはお金の面、1つ例として防災・安全交付金を挙げさせていただきましたけれども、こういうもので支援していくということ。

 それから人の面では、都道府県もそうだと思いますけれども、これは国のほうにも技術職員というのが、国交省の地方整備局等にそれなりにおりますので、こういう人材を活用して、現在でも出向という形で地方を支援している実態がありますけれども、そういう形、あるいは研修といったようなことも含めて、技術支援もこれからは重視していく必要があるのではないかということを述べさせていただいております。

 26ページからは、最新技術や民間の知見の導入等による効率化ということであります。

 1つは技術的なことで、27ページは、例えば今申し上げた、この維持管理・更新という中でも、今までは基本的に目で見たり、ハンマーでたたいて音を確かめたりして、この道路は大丈夫かといったようなことをやっていたわけですけれども、そこにありますようにレーザースキャナーですとか、あるいはいろんなITを使ったモニタリングシステムを使うことによって、人手もそんなに使わずに管理できていけるという技術も出てきておりますので、こういうものも取り入れて、コスト縮減も図っていくべきではないかということを述べさせていただいております。

 28ページ、29ページは、ここでも何度もご議論いただいていますけれども、PPP、PFIといったようなことで、民間の知恵と工夫を導入できるもの、事業の中にできるもの、できないものがあろうかと思いますけれども、できるものについてはなるべく積極的に使っていこうということでありまして、29ページに空港と道路ということで掲げさせていただいております。

 話題といたしましては、空港では関空と伊丹の統合会社というのがありますけれども、空港の経営権を民間に売る、コンセッションという取組みを検討しておりまして、早ければ来年度中にも実現すべく、今検討を進めているということであります。

 道路のほうでもいろんなことを考えておりまして、1つの例は右側、右下にちょっと絵がありますけれども、これは首都高速の築地川区間というところで、ちょっと地面より低いところを今現道が走っておりますけれども、ここにふたをするような形で、このふたの上を有効に使っていただくということで、よく新聞なんかで空中権の売却みたいな形で言われておりますけれども、そういう形で資金を調達して、それをこの道路自体の更新費用に充てていくといったようなことを検討している例でございます。

 30ページは、こういうことについて今年の骨太の方針でも言及がなされておりますので、参考におつけしております。

 31ページでありますけれども、申し上げました最初の丸は、最新の技術的知見やITの活用といったようなことについて、特にライフサイクルコストの縮減を目標に取り組んでいくべきではないかということであります。

 それから次の丸は、PPP、PFIといった民間活力の導入を積極的に支援、検討していくべきではないか。

 それから、老朽化対策等の課題へも、料金収入等が期待できるものについては、受益者負担を活用していくことを基本とすべきではないかということを、述べさせていただいております。

 最後、33ページ以下に、来年度予算の課題ということで、公共事業の場合、大きく2つ問題提起させていただきたいと思います。

 1つは公共事業関係費全体の水準であります。33ページに公共事業関係費の推移を掲げておりますけれども、25年度予算は5.3兆円という水準であります。見ていただきますと、これは平成10年が補正予算を含めて14.9兆円と、これがピークであります。このときに比べるとかなり減ってきております。特にこの平成13年以降ずっと減ってきておりますのは、小泉政権時代にシーリングで毎年3%ということを続けてきた時期がございました。

 それから平成22年度以降3年間、24年度までは民主党政権の時代でありまして、このときも当初予算ベースですと、かなり削減が進んできているということでありますけれども、25年度は5.3兆円。さらに、これまでずっと削減が進んでいるということもありまして、26年度予算については公共事業関係費をぜひ増額すべきだという声が、特に政治的には極めて強い環境にあるということでございます。

 その上で34ページ、35ページですけれども、34ページは国際比較でありまして、Igベース、IgのGDP比で比較しております。これについても、従前からこの審議会でもこのデータをお示ししたことがあるかと思いますけれども、以前は圧倒的に日本が高かったということですけれども、かなり公共事業費の削減が進んでいるということもあって、減ってきてはおります。ただそれでも、この欧米主要国に比べると、まだかなり高い水準にあると言えると思いますので、こういうことも含めると、まだ削減余地があるのではないかということでございます。

 それから右側は、民間投資と公共投資を合わせた建設投資のデータであります。見ていただきますと、民間投資がこの25年度はかなり好調で、おそらく来年度にかけてもかなり好調に推移するのではないかと見込まれております。そういうことも考えると、公共投資のほうをそれほど増やしていく必要があるのかどうかということでございます。

 それから36ページ、37ページ、これはちょっと視点が違いまして、左側、36ページは、全国的に建設技能労働者、建設労働者が不足しているということで、これは全国的にそもそも人が足りないということで、なかなか入札をしても札が落ちないケースがあるということが言われております。

 右側のほうが資材の推移でありまして、資材は全国的にはマクロで落ちついてきておりますけれども、特に東北3県については、生コンや砂を中心として、まだかなり高い水準にあるということで、今まさに、こういう人や物が逼迫している中で公共事業を増額した場合に、結局高いコストでつくることになってしまうのではないかということが1つと、そもそも民間投資も増えることが予想されている中で、むしろその民間投資を阻害するんじゃないかということも言えるのではないかということで、こういう資料をつけさせていただいております。

 以上が公共事業の高さの問題であります。

 それからもう一つ、今年度予算の課題として、大きなものとして、高速道路の問題があります。1つは高速道路がかなり老朽化して、これから大きな補修、更新をしていかないと、これは危ないということになってきておりまして、38ページに一体幾らぐらいかかるんだという数字を載せております。首都高、阪高でそれぞれ1兆円近く、それから6,000億というぐらいのお金がかかってくる。そのほかの全国の高速、NEXCOというところですけれども、これについては5.4兆円という数字が出てきております。

 これを一体どういう形で賄っていくかということでありまして、基本的には高速道路というのは料金を徴収して、今事業を行っておりますので、これは税金ということでなくて、基本的には料金徴収の範囲内で、この修繕費等を捻出していくべきではないかということでございます。この点については国土交通省においても基本的には同じような考え方で、今検討を進めておりますけれども、年末にかけて、これを決着しなければならないということが1点。

 それから右側にありますのが、高速道路の料金割引でございます。これは平成20年度に経済対策で、国が当時の道路公団の債務を3兆円肩代わり承継して、それで財源をつくって、当時話題になりましたのが、例えば休日上限1,000円とか、こういう形の割引を導入したものが始まりであります。若干の紆余曲折を経て、今現在もその割引が残っておりまして、ただこれは財源が枯渇いたします。

 右側の一番下を見ていただきますと、平成25年のところまで、この上の黄色いエリアがありますけれども、ここが国のお金で割引を行っているところで、今の平日の昼間3割、それから休日には5割といったような割引を行っております。これは財源がなくなりますので、今年度末でこれがなくなりますので、来年の4月1日からは放っておくと、平日については3割、休日については5割、高速料金が上がってしまう、こういうことになっております。

 これについては、年額換算すると、今1年に4,000億円の税金を投入して、こういう割引をやっていることになっているわけですけれども、これが来年3月末でなくなってしまうことをどうするかということであります。

 これについても、基本的には高速道路というのは料金でやっていくということですので、会社自体のコスト縮減等によって基本的には吸収していくべきだということを、我々は主張しておりますけれども、いかんせんかなり大きな割引であることと、来年の4月1日ということですので、消費税の引上げとタイミングが合ってしまうということ、それから特に足元で燃料費がかなり上がっているということがあって、特に高速を使うトラック業界関係者からは、これについてやはり何らかの割引続行をしてほしいという強い要請があるということで、これについても年末までにどういう形で決着をするかを検討していく必要があるということでございます。

 以上、課題のご紹介でございまして、最後、あとは資料を省略しまして、43ページをごらんいただきたいと思います。

 1つの課題として公共事業関係費の水準論でありますけれども、まずこの財政事情が最悪である中で、この中期財政計画も達成しなきゃいかんというところで、主要先進国よりも依然として政府部門の投資水準が高いことを考えると、この水準をどう考えるかということであります。

 それから、見ていただきましたように、労働者、あるいは物が不足している中で、円滑な予算執行を図る点からも、あまりに過大な規模というのは問題ではないかと思っております。

 恐縮であります、資料には書いておりませんけれども、我々としては、例えば一つの目安として、一番最初に人口が減っていくということを申し上げました。今後30年間で16%の人が減る。生産年齢人口だけで言うと30%減っていく中で、単純計算しても年間1%ぐらいの公共事業費削減は可能ではないかということ。それからさらに、公共事業といっても技術進歩もあります。国土交通省自身が、年間0.5%ぐらいは生産性向上が可能だというような数字も出しておりますので、少なくとも1%、あるいはそれにプラス0.5して1.5%ぐらいの削減を、今後中期的に継続していくことは可能ではないかと、私どもとしては考えているということでございます。

 それから、後ろのほうの2つの丸は、なるべくその技術、民間活力、受益者負担を使っていくということでありまして、これは高速道路の料金割引の問題、それからこの大規模更新、修繕の問題をご紹介いたしましたけれども、これについても税金を入れて何とかという声があるものですから、基本的にはこういうものは受益者負担を目いっぱい活用していくことが基本ではないかという気持ちで、こういう形で書かせていただいております。

 以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。それではただいまの社会資本整備に関するご説明につき、どなたからでもご意見、ご質問お願いいたします。小林委員。

〔 小林委員 〕 はい。2点あります。

 コンパクトシティの考え方というのは、出てきてから大分時間がたってきていると思うんですけれども、これは実際の取組みというか、そういうものは具体的に検討しているような都道府県、自治体といったところはもう、何か出てきているんでしょうかというのがまず1点。

 それともう一つ、今回労働力の問題に随分言及されているなという印象があるんですけれども、もちろんこれは深刻な問題でして、それから少子高齢化の進行、人口減少を考えると、今後いろんな意味での足かせになっていくと思うんですが、ここに例えば国が関与していく余地がどういう形で考えられるのか。例えばそれは教育の問題になるのか、あるいは賃金の問題になるのか、そのあたり、どういうお考えがあるかをちょっとお聞かせいただきたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、コンパクトシティと労働力、2点お願いします。

〔 小野主計官 〕 コンパクトシティについては、いろいろ検討しておられるところはあるようですけれども、こうやってうまくいったとか、うまくいかないとかいうようなことが、これはかなり時間のかかるものですので、具体的にあるわけではありません。

 これは資料もなくて恐縮です。1つ私が個人的に聞いた話として、ある東北のまちで、やっぱりこういうことを進めるために、どういうインセンティブづけをしたらいいかということで、これはなかなか強制してもまちの中に住みかえしていただけないと。

 特にお年寄りの方は、自分は引っ越したくないという話が結構ありまして、試しに除雪をとめてみたという例があって、完全にとめたのではないんだと思いますけど、除雪の回数をちょっと減らしてみて、なるべくまちなかに住んでくださいというインセンティブづけにしようとしてみたんですけれども、それはかなりうまくいった面があるという人と、そういう冷たいことをしていいのかという人と相半ばして、結局うまくいっているのか、いっていないのか、まだなかなか評価できていないという例を聞いております。

 ちょっといいかげんな例を申し上げて恐縮なんですけれども、そのコンセプトはあっても、なかなか動かしていくという形のインセンティブをどうつけていくかというのは、ほんとうに難しいことではないかというのが実態のところだと思います。

 それから労働力のところは、公共事業が減らされているからこうやって人が入ってこないので、これから安定的に公共事業をある程度の金額確保できるという見通しを示せば、人は入ってくるんだということを言う人もいますけれども、これは私どもとしては、基本的には建設労働者ですから、民間投資も含めてこれから一体どのぐらいの需要があるのかということを見て、皆さん考えられるはずで、なかなか公共投資の部分だけをもって、民間の労働市場まで影響を与えていくことは難しいのではないかと思っております。

 ただ、ちょっと後に申し上げた、これから実際維持管理なんかを担っていく自治体の職員なんかについては、実態としてやはり能力や人数的に足りないというところがありますので、これは国にもそれなりの職員がいますので、いろんな形で支援していくことは考えられるんじゃないかと思っております。

〔 吉川分科会長 〕 どうも。それでは、岡本委員、碓井委員、葛西委員、老川委員の順でお願いいたします。

〔 岡本委員 〕 22ページに修繕実施率があるんですけれども、これで見ると赤の都道府県が26%で市町村が5%となっています。そして24ページを見ると、担当する職員すら市町村にはいないことがあるということで、それに対する論点について、右側に書いてある3番目の中で、地方公共団体が管理するので地方公共団体に適切な対応をとると記載されています。

 これについて、具体的にどういう対応をとるかがわかりません。また、一番下には、地方公共団体職員を対象とした研修実施など、技術的支援を強化すべきだと書いてあるんですが、先日あるテレビ番組を見ましたら、日本のインフラということについて放映されていまして、浜松市のケースなんですけれども、問題なしとしていた橋について、土木学会の人が63の橋を抜き打ちで調査を行ったら、26の橋が損傷の程度を見誤っていた、かつ緊急な対応が必要な橋は11にのぼったと、こんなことを言っておられて、こういう検査というのはかなり専門的なことが必要なんじゃないかなと。

 そう考えると、市町村に研修をやるといっても、均質的なほんとうにきっちりとしたチェックができるのかどうかということを考えると、逆に地方公共団体よりも、都道府県だったらいいんでしょうけれども、もっと専門的にきちっとつくって、それを巡回させるとかという方向性のほうがいいんじゃないかと。予防保全は、社会資本の更新コスト面で相当の削減が期待できる効果もあるようですから、そちらの方向がいいんじゃないかと。これは意見ですけれども。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。碓井委員。

〔 碓井委員 〕 受益者負担という言葉が出てきまして、今日のところでは高速道利用とか、そういうことも含めたものですが、狭い意味の受益者負担金について意見を述べたいと思います。今、都市計画法に基づく受益者負担金というのは、下水道事業なんかに使われているんですが、それ以外にたくさんの個別の法律に受益者負担金の規定があるのに、ほとんど発動されていないということです。それで国の財政にどれだけ影響を及ぼすことができるかはともかくとして、そういう受益者負担金規定があるもので活用できるものがあれば、ぜひ検討していただき、個別に分析してやっていただきたいというのが私の意見です。

〔 吉川分科会長 〕 どうも、じゃ、葛西委員。

〔 葛西委員 〕 これから先は新規投資よりも選択的なメンテナンスを中心にやっていくべきだという考え方は、私は正しいと思います。全面的に賛成であります。この中でちょっと質問というか、意見というか、どちらかはっきりしないんですが、例えばコンパクトシティという話が書いてありますが、コンパクトシティというのをもしつくった場合、コンパクトシティもできるし、今までのところに住み続ける人もいるということになって、トータルとしてのコストが上がる可能性が高いような気がいたします。実例はまだないという話でありますが、この点についてはどうお考えなのかということです。

 それから新規投資については、国際競争力を高めるための新しい技術を使ったものなどについては、私はいいと思うんですが、防災・減災を新規投資に分析するのは、これは非常に概念が曖昧ですから、何か非効率なものができてくるのではないかと。必要以上に高い防波堤だとか、そんなものができてくる可能性がありますので、防災・減災というのは、基本的には維持管理の概念の中に入れておくべきものではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

 それから3番目に、高速道路はやっぱり受益者が非常にはっきりしているものですから、受益者負担でいくべきだという考え方には全面的に賛成でございます。ですから、割引なんかはやめるべきだと思います。ただ高速道路の場合、料金の体系が現在は建設費を払うためのものであり、建設費を払い終わったら料金はゼロにするんだという建前に、たしか法律上なっていると思いますが、これを改正いたしませんと、受益者でもって永続的に維持していくというビジネスモデルには、転換できないと思うんでありますが、国土交通省はその辺も含めて、視野に入れた検討をしているのでございましょうか。

 以上3点でございます。

〔 吉川分科会長 〕 では事務局。

〔 小野主計官 〕 まず最初の点でありますけれども、コンパクトシティが我々は必ずしもいいと言っているわけではない、一つの考え方としてはあり得ますし、うまくいけばいいということでありまして、ただ、このまちなかへの集中みたいなのは、仮にうまくいかなくて、人のいないところにある程度の人が残ってしまった場合どうしていくか、これは極めて難しい問題だと思います。

 ただ、インフラの更新ということになりますと、例えば下水道の管みたいなものは古くなったら更新しなきゃいけませんけど、それを人がほんとうにまばらになったようなところで、同じスペックで更新していくか。これは管の大きさによってコストも変わってきますので、人が少なくなれば当然細い管で構わないということなんですけれども、そういう形でやっぱり仮に更新をするにしてもスペックダウンしていく。今まで4車線道路が走っていたところが、人が減ってきたら、更新するときには車線を減らすということも含めて、スペックダウンみたいなことを同時に考えていかなければいけないと思っております。

 それから、2点目の新規投資の定義というのは難しいところでありまして、おっしゃるように多分防災・減災というところは、今は何らかの施設があるところがほとんどでしょうから、そういうものについては基本的に更新という分野に入ってくるんだろうと思いますけれども、全く新規投資をうまく除外して、防災・減災だけは維持管理と整理できるかどうか、そこはちょっと勉強させていただきたいと思います。

 それから、高速道路についてはおっしゃるとおりで、実は平成17年に民営化を行ったときに、建設費の回収が全部終わるのがちょうど45年間という計画でありまして、45年後、平成62年度末まで料金を徴収するということになっております。それ以降は無料という、今法律上の手続はそうなっております。先ほどちょっと申し上げました大規模修繕みたいなものの費用は、今国土交通省で、この45年間を多少延ばして、55年とか60年ぐらいにして費用を賄えないかということを検討しているようでありますので、ここの料金徴収期間については、今そういうことで、多少柔軟に考えを変えつつあるということだと思います。

〔 吉川分科会長 〕 老川委員、お願いいたします。

〔 老川委員 〕 2点意見を申し上げたいと思います。

 まず1つは、労働力不足です。これは背景としてはやっぱり公共事業が減ってきたことに伴って需要がない、こういうことが大きな要因だとは思いますけれども、同時にやっぱり土木にしても建設にしても、そういう作業をすることの大切さといいますか、社会的に非常に大事な仕事なんだという意識が、社会全体で薄くなっているということも言えるんじゃないかなと思うんです。

 そこで、これは財政問題というよりは教育問題だと思うんですけれども、みんなが一般高校に行き、みんなが一般大学に行く、そして就職活動をする、うまくいかない、それでフリーターになる。こういうことにやっぱり一つの問題があるので、少子化ではありますけれども、若い労働力が活用されないまま社会に潜在している、こういうことを考えると、やはり高等専門学校とか、そういうところで建築、土木の技術を学んで、しっかり職業としてやっていくということを若い世代に伝えていくことが、僕は大事じゃないかと思いますので、やっぱり視野を広げて、社会全体で育てていくことが一つじゃないかなと思います。

 もう一つは、ここの18ページにもありますけれども、いわゆる国、地方--地方といっても都道府県、それから市町村、こういう区分があって、特に市町村の管轄が多いということはそのとおりだと思いますが、大事なことは情報の共有だと思うんです。つくるときは、ここは県道だから、この部分は市が持つとか、あるいは村が持つとか、こういうことで、これが老朽化してきて、どうやら部分的に剥げ落ちている、ここは誰の責任だというとよくわからないとか、こういうことがあちこちで、今出つつあると思うんです。利用者は1人、同じ人間がその道路なり橋なりトンネルをくぐるわけなので、国だの県だのといって、そこで問題が起きたのでは非常に困るんです。

 この前の高速道路のトンネルの天井が落っこちちゃったとか、こういうことを考えますと、所管は所管でいいとしても、やはり情報の共有といいますか、先ほど岡本委員がおっしゃいましたけれども、学会その他もあわせて、どこにどういう問題があるのかということを、どこか統一的に把握をして、それで対策を立てないと、問題が起きてから、ここは市の管轄だから県は知らなかったとか、こういうことになられたんじゃ、利用者のほうは困っちゃうわけなので、その辺をやっぱりよくお考えいただきたいと思います。

 以上、意見を申し上げました。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。では続けて、鳥原委員、土居委員、田近委員、角委員の順に。

〔 鳥原委員 〕 3点意見を申し上げます。これまでも述べてきたことですが、振り返って、東日本大震災において高速道路が既存国道の代替道路となって、救援とか復旧活動に寄与した事例からも明らかなように、本当に必要な社会資本を整備するためには、費用便益分析による評価だけではなく、地域の活性化や地域の安全・安心の確保、国際競争力の強化などに対する波及効果を十分加味した判断を行うべき、これが基本だと思います。

 それから2つ目として、コンパクトシティに関してですが、2025年には高齢化率が約30%、人口も1億1,000万人台になるということが予想されている中で、これからの10年が、コンパクトシティを形成する最後のチャンスではないかと思います。地方財政の改善にも資するこのコンパクトシティの実現を、いかに早くするかということを考えますと、既存のまちづくり3法にまだ見直す余地があると思います。このまちづくり3法を見直して、中心市街地の再生を加速させていく必要があると思います。

 それから最後に、高速道路料金の割引制度に関してですが、議論する前にまず、現行の割引制度は、物流、物の流れ、人の流れの円滑化にどのような効果をもたらしたのか、この具体的な検証をしっかりと行うべきではないかと思います。原則的には、現行の料金水準そのものを国費の投入なしに引き下げるべきであり、現在のこの財政事情からも、目的が不明確で、煩雑なこの割引制度を、国費投入によって継続することは望ましくないと考えておりますが、この目的が達成されて、費用を上回る継続的な効果が確実に期待できるのであれば、他の政策との優先順位を検討した上で、財源を確保して継続していくことも、一つの選択肢ではないかと思います。要は具体的な検証をしっかりとした上で判断すべきではないかと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ご意見。

〔 鳥原委員 〕 はい。

〔 吉川分科会長 〕 では、土居委員。

〔 土居委員 〕 まず建設業就業者の関係ですが、確かに東日本大震災の復興のために、足元では非常に人手不足感が出ているということはよくわかるんですが、将来を考えますと、やはり人口減少があると。今の20代の人が建設業で生涯の職業として就業するということになると、今後40年とかという長い期間を見据えた上でどう働くかということを考えなければいけないわけですが、やはり40年間も考えると、人口減少は大幅に進むわけでありますから、今人手不足だからといって、直ちに若い人たちにもっと建設業にどしどし行ってほしいというわけにはいかないだろうと思います。

 それからもう一つ、建設業就業者及び、これは土木工学者もそうだと思うんですが、財政健全化や財政依存ということに対しての関心が非常に希薄であるというところは、きちんと教育をしないといけない。彼らに財政健全化と両立するようなインフラ整備というのはどういうものなのか、それから、建設業というのは別に財政需要だけで全てではありませんから、財政に依存しないで民間でやっていくには、どうすれば建設業が成り立つのかとかということを、もっときちんと考えていただかなければ、財政依存になってしまっては、結局は国の財政にも重い負担を課すことになると思います。

 それから、維持補修に関連するところで、地方自治体の職員の人材不足であるという話が24ページにもありますけれども、確かに金銭的にサポートするというところはあっていいとは思いますが、私はまず一番最初にやるべきことは、中小規模の市町村に人材が少ないならば、複数の市町村が一部事務組合をつくるなどして、複数の市町村でそれぞれの地域の維持補修を担当できるように進めていく。つまりお金をつぎ込むというより、まずは職員の体制で、近隣の市町村で協力体制ができ上がるような形に持っていくことが、私は必要だと思います。

 場合によっては県も人材的にサポートするということはあってもいいと思いますが、何でもかんでも国に依存するという話になれば、これは地方分権という発想にも逆行しますし、これからどんどん増えていくと言われている維持補修の財政負担が、国に重くのしかかってくることになりますから、やはりここは、地方でできることは地方でまずやらせることが必要だと思います。

 最後に、来年度の公共事業関係費の総額ということですけれども、主計官ご指摘のように、1.5%の効率化といいますか、そういう予算のよりよい使い方を工夫することで、まずここはきちんと担保していただいて、とにかく国土強靭化という名をかりて増額が起こらないように、きちんとやっていただきたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 簡潔に。

〔 田近委員 〕 簡潔に、では、質問としてしゃべらせてもらいますけれども、23ページの防災・安全交付金ということで、この財審の場でも交付金について、例えば沖縄の開発にかかわる交付金も取り上げて、交付金だから、交付されたところが好きに使っていいんだというわけではないという議論をしたと思います。それが第1点です。

 第2点は、防災は私もまだしっかり記憶に残っているんですけれども、全国防災ということでさんざん議論しました。あのときもおそらくこういうリッチなメニューがあって、各省庁とか地方はやってもいい、そういうことは全国防災に書いてあるんだからやってもいい、実際やってみたら大変な批判を浴びたと。

 私の質問なんですけれども、そういう交付金のあり方、それから全国防災でのレッスンというのが、ここでどう生かされているのか。このままのメニューを見ていれば、全国防災のときの出発点と変わらないじゃないですかと。おそらくこのうち何かやってみて、しばらく時間がたったら、そんなことやっていいのかという話も出かねない。

 それから付随して、土居さんが今おっしゃったところがすごく重要だと思うんですけれども、もう各部局で維持管理する人が少ないならば、そこでこの交付金を使えばいいじゃないかと。各自治体でどれだけ人が少ないかということまで国が忖度して、配慮してあげなきゃいけないのか。そういうことが、そうじゃなくて、地方の独自の判断でやれるように交付金をつくったということと、本質的なところで矛盾するんじゃないかというところで、質問は、やっぱり交付金のあり方、全国防災のレッスンが、今回のこの予算にどう生かされているのかを伺いたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 お願いします。

〔 小野主計官 〕 今回の予算は25年度予算ということでありますと、これは昨年の、とりあえず防災・安全に特化したもので、この全体の交付金を分けようという議論の中でつくりましたので、必ずしもミクロでレッスンが生かされているかどうかということについては、なかなか申し上げられるものはないんじゃないかと思っております。

 ただ、これはまさに来年度予算でこの中身について、今いろいろと考えておりまして、そもそも先ほど来ご説明しておりますいろんな維持補修については、技術的な基準、あるいは点検のマニュアルみたいなものも整備されていないということもありますので、むしろ今そういうものを整備しているところですので、そういう基準、マニュアルなんかに従って、きちんとした計画を立てて、しっかりした取組みを行う自治体には、優先的に配分を行っていくという方向で、今まさに検討しておるということであります。

 先ほどの全国防災の話は、おそらく昨年の議論は財源の問題として、復興財源を使ってきたということが問題であったと認識しておりますので、いずれにせよ、この交付金の中身については来年度予算に向けて、きちんと議論をしていきたいと思っております。

〔 吉川分科会長 〕 では、角委員、お願いいたします。

〔 角委員 〕 受益者負担につきましては、私もまさにそのとおりだと思います。葛西委員がおっしゃられたのは、ほんとうに当然だとは思うのですけれども、ただ、今我々が考えるべきは、やはり再来年の10月にきちっと消費税率を10%に上げるということが最も重要だと思いますので、腰折れ対策、5兆円の枠で使えるのかどうかわかりませんけれども、ぜひともこの2年間、2,000億の延長をしていただいて、物流業者等にマイナスが行かないようにお願いしたいと思います。

 それと、受益者負担という意味で言いますと、コンパクトシティについては、先ほど除雪の話がありましたけれども、やはり公共料金です。鉄道でも輸送効率のいい鉄道は運賃が安いですし、輸送効率の悪い地方の鉄道は運賃が高いわけです。ところが電力料金はもうその管内では一律ということになっていますが、これからその電力の自由化ということをおっしゃるんであれば、今の大手電力会社に課せられている安定供給という意味で考えますと、やはりコストのかかっている、人口密度の低いところの電力料金は高くて当たり前だと思いますが、できるかどうかわかりませんけれども、そういう考え方が必要ではないかと。

 ですから今、むちから塩へと言われていますけれども、塩も非常に大事だと思います。そういった意味で労働力を考えますと、前も言いましたように、要するに失業している人がいながら、バスの運転手が集まらないという実態があるわけでして、福島に行きますと、ある地域は1人10万円ですから、多い人は90万もらっているような人がいるという家庭があって、片やゼロのところがある。

 生活保護についても、高齢者とか、いわゆる身体障害者は当然ですけれども、健康で働いていない人については、やはり極端にそこの生活扶助の価格を下げていただくとか、もうちょっと塩を使っていただいて、労働力が確保できるようなことも必要ではないかと思います。

 全て意見です。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。どうぞ、富田委員。

〔 富田委員 〕 先ほど主計官から、来年度及びそれ以降の公共事業予算について、人口減と、それから生産性の上昇ということで、毎年1.5%の削減というお話がありましたが、これまで自公政権のときには、年間3%のコスト削減でもって、同じ事業量は確保できるという考えのもとにやってきたわけなんです。今日もいろいろお話がありましたように、新規投資については、これまでのストックが非常に充実しているということもあり、それから更新投資については、集約化とか、さまざまな工夫が先ほど来、皆様からもご意見があったような方法がとれると考えられます。

 また維持補修についても同じように、先ほどは主計官からマニュアル化の話もございまして、1.5%ではなしに、やはりこれまでのように3%ぐらいの抑制というのが、中期的に可能だと思うんですけれども、1.5%で、さも削減するんだという姿勢ですけれども、皆さんの声はやっぱりいろいろ工夫があるんではないかということだと思いますので、ぜひとも頑張っていただきたいと考えております。

〔 吉川分科会長 〕 ご意見になります。では最後に黒川委員。

〔 黒川委員 〕 はい。ありがとうございます。私は国土交通省の社会資本メンテナンス戦略小委員会のメンバーなので、現場も幾つか見せていただく機会がありました。そこの経験も踏まえて少しだけお話しします。地方自治体に行きますと、ほんとうに人材が少ないというのを実感いたします。今日の私の主張は、時間がかかるということに尽きるのですけれども、すぐには解決できないと思いました。

 例えば道路を念頭におくと、地方自治体が持っている細い道路が何百キロとあるところを、どうやって見て回るのか想像がつかない。時間をかけて細かく見て回るなんていうことはできないわけで、車で巡回をするわけです。今はその程度のレベルなのです。それを何とかしなくてはということですけれども、近代設備を持ってチェックをする体制とはおおよそかけ離れた現状がある。それをまず認識できました。

 それから、地方自治体のデータ管理です。例えば橋のデータ管理については、紙ベースでつくったときのデータが残っていればいいほうなのです。それを見たときに、これからはまずITによるデータベースの整備、ここから始めていかないといけない。統計数値の作成とか、予防的な管理をするにしても、データベースがないという状況ですから、まず今やることは、ITを使ったデータを整備する段階なのではないかということを確認したわけです。

 コンパクトシティについては、やっぱり理念として考えておく必要があって、これもすごく時間がかかる。今、これに対して一番考えているのは、市町村の首長の人です。そういう人たちがほんとうに切実に考えていると思います。お話を聞いていると、例えば養護老人施設をどこに置くのか、病院の配置をどうするのか、中心市街地の活性化をどうするのか、それから学校の場所もどうするのかということは、全て一体となって考えていかなくてはいけない。

 そうなると、今例示しただけでも、各省庁が関与する問題ですよね。要するに総合的に解決しなくてはいけない。

 また、下水道にしても、30キロ、40キロ先の郊外で、まだ下水道がつくられていないところもあるのですが、計画を断念して下水道100%普及はあきらめるという選択もあるわけです。要するに、国が関与するとすれば省庁が縦割りでそれぞれ関与するのではなくて、セットにして関与しないとだめなのだろう。時間がかかるということと、縦割りではなくて、一緒に関与して、首長さんに協力をするということが大事なのではないかと視察で感じました。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。大宮委員、お願いいたします。

〔 大宮委員 〕 ちょっと質問なのかどうかよくわからないんですけど、例えば9ページを見ますと、これは新規の投資がもうそろそろできなくなるという図ですよね。そこで、このまま行くと一体どうなるのかというグランドデザインがあまりよくわからないんです。例えば参考資料に、港湾の整備だとか空港の整備についての問題点等が書いてあるんですけど、将来的にどの辺まで行くのかというグランドデザインがないと、単年度の予算をそれぞれ審議するのはいいんですけど、特にこういうインフラは非常に時間もかかりますしお金もかかるので、その辺はどうなんでしょうか。

〔 小野主計官 〕 特にこの維持管理、更新費については、ここの数字は先ほど申し上げましたように、非常に極端な仮定で作っているものですから、もう少し現実的に考えて、ほんとうにどのぐらいかかるのか、新規投資がゼロになっても困るでしょうということで、今、国土交通省にこの推計をきちんとやってくれということをお願いしております。今、まさに先ほどちょっと出てきましたメンテナンス委員会なんかもやりながら、そういう推計をやろうとしています。その中身を我々もまたよく見ながら、検討していかなければならないと思っております。

 それから、そもそもの整備水準の見直しみたいなものについては、例えば高速道路なんていうのは1万4,000キロという、一応国として決めた数字があって、今1万キロまで来ているわけですけれども、これをトータルでどうしていくかということについては、港湾の分野もそうですけれども、これはまた個別にこれからいろんな議論をしていかなきゃいけないという認識は持っております。

〔 吉川分科会長 〕 どうも活発なご議論ありがとうございました。では時間ですので、公共事業に関する議論はこれまでとさせていただきます。

 いつもと全く同じですが、本日の会議の内容の公表につきましては、私にご一任いただき、会議後の記者会見でご紹介させていただきたいと考えております。会議の個々の発言につきまして、皆様方から報道関係者等に対してお話をすることのないよう、恐縮ですがご注意いただきたいと思います。

 次回は、10月28日9時30分からこの会議室で開催し、地方財政及び文教・科学技術を取り上げたいと考えております。

 それでは、これで閉会とさせていただきます。

午後0時02分閉会

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