現在位置 : トップページ > 財務省について > 審議会・研究会等 > 財政制度等審議会 > 財政制度等審議会財政制度分科会 > 議事要旨等 > 議事録 > 財政制度分科会(平成26年10月8日開催)議事録

財政制度分科会(平成26年10月8日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録
平成26年10月8日
財政制度等審議会


 財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

平成26年10月8日(水)14:59〜18:03
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

1.開会

2.社会保障予算について

3.防衛関係費について

4.閉会

配付資料
○ 資料1      社会保障マル1(総論、医療・介護、子育て支援)
 (参考資料)     社会保障マル1
○ 資料2      防衛関係費
 (参考資料)     防衛関係費     

出席者

分科会長 吉川 洋           

宮下財務副大臣
大家大臣政務官
竹谷大臣政務官
岡本次長
太田次長
西田次長
新川総務課長
寺岡調査課長
山本司計課長
窪田法規課長
堀内給与共済課長
片岡大臣官房参事官
阪田主計官
白石主計官
冨安主計官
青木主計官
井藤主計官
宇波主計官
彦谷主計官
高村主計官
小野主計官
井口主計官
中山主計企画官
内野主計企画官

分科会長代理     田近 栄治  
 委員

秋山 咲恵
井伊 雅子
井堀 利宏
碓井 光明
倉重 篤郎
黒川 行治
角   和夫
竹中 ナミ
田中 弥生
土居 丈朗
富田 俊基
鳥原 光憲

 臨時委員

板垣 信幸
遠藤 典子
大宮 英明
葛西 敬之
小林 毅
佐藤 主光
末澤 豪謙
十河 ひろ美 


 

午後 2時59分開会

〔 吉川分科会長 〕 それでは、定刻になりましたので、ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。皆様方にはご多用中のところ、ご出席いただきましてありがとうございます。

 本日は、まず、社会保障予算及び防衛関係費について、事務局より説明していただくこととしております。3時間の長丁場ですので、社会保障予算の質疑が終わったところで休憩をとらせていただきたいと考えております。

 なお、古賀委員におかれましては、本日欠席のため、社会保障予算の議題について意見書をご提出いただいております。皆様のお手元にお配りしております。

 それでは、議事に移らせていただきます。まず、社会保障予算の第1回目として、総論、医療・介護、子育て支援について、宇波主計官より説明をお願いいたします。

〔 宇波主計官 〕 厚生労働第一を担当しております宇波でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 社会保障につきましては、本日が総論、医療・介護、子育て支援、それから、また別の日に、改めまして社会保障マル2としてそれ以外の年金等の分野についてご議論を頂戴したいと思っております。

 かなり大部な資料でありますが、1時間弱いただきまして、まず資料全体をご説明いたします。よろしくお願いいたします。

 まず総論でありますが、2ページ、厚生労働省による社会保障給付費の将来見通しであります。いわゆる団塊の世代が全て75歳以上となる2025年が大きな節目でありまして、医療・介護のニーズはここでピークに向かいます。下のGDPの伸びと各経費の伸びを比較していただきますと、年金はマクロ経済スライドの効果もあってGDPの伸びの範囲内にとどまるのに対して、上の介護、それから医療が高齢化の影響などによってGDPの伸びを大きく超えて伸びていく、要はここが改革の本丸であります。

 次、3ページ、今見ていただいた伸びのうち、医療と介護を人数の伸びと単価の伸びに分解したものであります。左の欄がまず人口ですけれども、足元では75歳以上の人口と65歳から74歳の人口、それぞれ今1,500万人程度となっておりますけれども、2025年には団塊の世代が上に移っていくことに伴って、75歳以上人口が2,179万人と大きく伸びていきます。65歳から74歳人口はほぼ横ばい、わずかに減少であります。

 この75歳以上の方への給付については、真ん中と右の欄にございますように、足元でも単価が著しく高く、国庫負担が大きく入っています。厚労省の推計では、この単価自体も大きく伸びると見込まれています。先日もご議論のあった、社会保障のいわゆる自然増と呼ばれるものは、この人口の伸び、すなわち高齢化要因と単価の伸び、これを一般に高度化等と呼んでおりますけれども、この2つの要因の掛け合わせで構成されています。

 4ページに行っていただきます。今の医療・介護給付費について、自然増の要因をもう少し定量的に分析しました。総論部分の鍵となる資料でありますので、少し時間をいただいてご説明します。

 左の棒グラフ2つをご覧ください。2025年度に向けて人口高齢化の影響を強く受ける介護と、それから75歳以上の後期高齢者の医療費、色塗りしている部分でございますけれども、ここは年率6%程度で伸びていきます。この内訳を分解いたしますと、高齢者人口の伸びによる部分が約3%、それ以外の先ほど申し上げた高度化等と整理される部分が約3%となります。

 他方、下の青い点線の箱で示した65歳未満の医療費ですけれども、伸び率は年2%程度。ここはGDPの伸びに連動する面が強く、括弧内にパーセント表示、GDP比が示されておりますけれども、ほぼ同水準が維持されると見込まれます。要因分解をすると、ここの部分の人口の伸びはマイナスでありまして、△1%程度、そして、それ以外のいわゆる高度化等と呼ばれる部分が高齢者の場合と同じく3%程度ございます。

 上の色塗りをした介護と高齢者医療制度に焦点を当てて少しお話をさせていただきます。この2つの制度の財源の大半は、現役世代の負担、すなわち消費税と保険料で賄われております。制度の持続可能性という観点から、現役世代の負担能力との関係を見ますと、右の方の赤い箱にございますように、まず負担のうち租税、公費負担を賄っているのは消費税でありまして、この消費税は経済成長と同じ伸び。それから、社会保障給付を賄っているもう一つの財源である保険料については、基本的に賃金上昇率に連動しますが、労働力人口が減っていくことを加味した水準で考えますと、アベノミクスがうまくいった経済再生ケースで3%前後、低成長の場合ですと2%前後の伸びということで、これが今の消費税率、あるいは保険料率を引き上げない前提での支え手の負担能力から見て許容される範囲であります。

 つまり、経済成長は社会保障の持続可能性にとっても大事ですけれども、経済がうまくいった場合でも、介護と高齢者医療費の伸び6%のうち、高齢者人口の伸びによる3%のところ、赤い部分までが受けとめられる限度であって、今後は自然増といっても、この部分をコアの自然増と考えて改革を進めていく必要があると考えます。

 その上で、制度の持続可能性確保のためには、この高齢化以外の要因である残りの3%について改革を進めていく必要があって、これを団塊の世代が75歳を迎える前、2020年度までに実現するように進めていく必要があります。

 改革の柱、右下に3つの箱、下向き1つ、上向き2つで記載しました。まず一番上の下向きの箱です。高度化等とされる要因の中もよく精査をして、不合理、あるいは非効率な要因について、徹底的に縮減していく必要がございます。3つの視点を記載しました。1つは医療介護提供体制、ベッド、病床数の問題。それから、2つ目は単価の問題。人数が伸びる以上、単価の伸びを合理化することが必要になっていきます。それから、3つ目は保険給付範囲の見直し。現在のように非常に広い範囲の医療行為、あるいは薬をカバーしたままではなかなか持続可能性は確保されませんので、その範囲を見直し・重点化していく必要があるのではないかということであります。

 こうして徹底した合理化・効率化を図りつつ、並行して、次の箱ですけれども、真の意味で医療技術の高度化であるとか、あるいは新たな疾病に対応して政策対応が必要な分野については、今回の一体改革でも行ったように、財源を確保しながら充実していくことが必要であると考えます。

 また、負担面においては、一番下の箱ですけれども、年齢や制度で区分せず、経済力に応じた公平な負担に見直していく必要がある。特に現役並みの経済力がある高齢者の方には現役世代と同様の負担をお願いして、現役世代にかかる負担増を緩和する必要があると考えます。

 今日は、これらの柱に沿って足元の27年度予算、それから、その後の改革の課題について論点を提示させていただきます。

 5ページは社会保障制度の持続可能性という観点から見ていただきましたが、財政というところから見ると、足元、既に社会保障財源に大きな穴があいており、いわば現役世代で負担すべき財源の相当部分を赤字国債で賄っています。したがって、先ほどご紹介した3つの箱の求められる改革の規模は、財政から見ると更に大きなものになります。

 見ていただきますように、今回の一体改革によって消費税率を10%に引き上げてもなお、社会保障4経費と消費税収の間には赤い四角ですが、19.3兆円の差額がございます。これが足元のプライマリーバランス赤字の主因であります。したがって、先日、調査課長からもご説明いたしましたように、2020年度においてもこの財政健全化目標に達成するまでの間にPB赤字が11兆円あり、これを縮減しなければならないのですが、こうした中で社会保障について給付・負担面両面から更なる改革、ポスト一体改革が必要であると考えます。

 6ページから9ページまでは今回の一体改革の概要で、おさらいのようなものですので、足早に行きます。6ページですが、消費税率5%引上げ分のうち、約1%相当である2.8兆円は社会保障の充実に充てる、一方で、残りの4%のうち7.3兆円を後代への負担のつけ回しの軽減、いわば財政赤字の縮減に当てています。

 7ページは、社会保障の充実、すなわち2.8兆円の内容であります。子供・子育て支援に0.7兆円、それから、医療と介護については、重点化・効率化を図りつつ、ネットで1.5兆円、年金については、これとは別に基礎年金国庫負担2分の1の引上げ財源を確保しておりますけれども、それに加えて消費税率が10%に引き上げられた場合に、低所得者等への福祉的給付の拡充などを行うこととしております。

 8ページをご覧ください。消費税率が10%に引き上げられた場合の税収ですが、満年度を迎えるのは平成29年度、2017年度であります。来年度については社会保障の充実分は、この赤い箱でありますけれども、10%に引き上がった場合には1.8兆円が充実分でありまして、今年度と比べてプラス1.3兆円の社会保障の強化が行われますが、消費税率を10%に引き上げない場合には、左から2番目の箱であるプラス0.85兆円の1.35兆円にとどまります。

 9ページは、26年度に想定されている充実内容を記載したものですが、時間の都合上、割愛させていただきます。

 それでは、各論に行っていただきまして、まず医療からご説明します。11ページが目次です。医療については、先に成立した医療介護総合確保法というものがあり、それに基づいて医療提供体制の見直しが現在進行中であります。それから、プログラム法にのっとって医療保険制度改革法案を来年度の通常国会に提出することとなっております。

 こういったことを踏まえて、総論部分で今ご紹介した改革の柱、右に記載してございますけれども、これに沿って、まずは医療保険制度改革法案、それから、その後の改革に向けて、(1)として提供体制の改革、(2)として保険の範囲の見直し、(3)として負担の公平確保の順番に論点を提示させていただきたいと思っています。

 先ほど見ていただいたように、消費税率引上げに伴って、医療・介護については総額1.5兆円の拡充を行っていくこととしていますので、これとあわせて医療費の適正化を進めていく必要があると考えています。

 それでは、医療提供体制のところから始めます。それから、2−2の診療報酬改定については、次の改定は再来年度でありますが、消費税率の10%への引上げとの関係で来年度において1つ重要な論点がございますので、それは後ほどご紹介します。

 では、医療提供体制の改革からであります。まず見開きで13ページと14ページは医療提供体制の現状であります。医療については、供給が需要を生むという側面が強くございます。13ページ上半分のワイングラスの図ですが、日本の病床は急性期を念頭に高い診療報酬がついており、1人の看護師に対して7人の患者さんを標準にした病床が存在し、実際の疾病構造に比べると過剰になっております。今後、これを右のような実際の疾病構造の人数に対応したあるべき形に病床の機能分化・転換を進めていく必要がございます。

 それから、同じ13ページの左の下は地域差を示していますが、赤い線、これは人口当たりの病床数ですが、右の一番多い高知県、それから、一番左の一番低い神奈川県、この間には約3倍の格差がございます。緑の線の平均在院日数、それから、青い線は1人当たり医療費、こういったものの地域差と強く相関をしており、供給が需要を生んでおります。

 14ページは国際比較であります。ポイントは、諸外国に比べて平均在院日数が著しく長い。それから、人口当たりの病床数が多い。他方、医療従事者の数の割合は諸外国とほぼ同じでありますので、結果として患者さん1人当たりを実際に診てみることのできる体制が脆弱なものとなっております。

 今見ていただいた実情を踏まえて、先に成立した法案、それから、来年提出する医療保険制度改革法案において、医療提供体制の改革を進めることとしておりまして、15ページに4つ改革項目がありますので、それに沿ってご説明します。

 まず、1として、新たに地域医療構想を27年度から各都道府県が策定をして、その中で機能ごとの将来必要な病床数を決めていきます。この算定方法について、今年度中に国がガイドラインを示すこととなっています。

 それから、2として、都道府県が医療費適正化計画を定めて、1のこの地域医療構想の定めた病床数などと整合的な医療費の水準に関する目標設定などを行います。この目標設定についても国が標準的な考え方を示すこととされています。

 それから、3として、来年度の医療保険制度改革法案において、国民健康保険の保険者を現在の市町村から都道府県に移行します。これによって、医療提供体制に関するいろいろな計画の策定に関する主体と、国保の保険者としての保険運営の責任主体が同じ県ということで一致することになります。

 また、4として、こういった医療提供体制の見直しに伴う財政措置の拡充として、病床の機能分化などを推進するための基金が設置されました。また、国保の財政基盤の強化を行うことが法律で定められておりまして、その具体的内容を来年度の医療保険制度改革法案などで決定する必要がございます。

 これらの1から4の項目について、16から19ページまで各論を展開しておりますけれども、時間の都合もございますので、結論に飛んで20ページの論点整理をご覧ください。先ほどご覧いただいたように、医療提供体制の改革に向けた4つの項目、これは既にテーブルの上にあります。ただ、私たちとしては、肝心なのはつくった仏に魂を入れるということでしょうか、地域医療構想、あるいは医療費適正化計画、こういったものが真に実効性のある形で策定される、そして、都道府県が強化された役割を適切に発揮してPDCAを回すことが必要であると考えております。

 このため、この論点整理で書かせていただきましたが、まず1の地域医療構想は、単に現状投影の医療需要ではなくて、地域ごとにそこの疾病構造などのデータに基づいてあるべき病床数、あるいは、あるべき平均在院日数を踏まえた医療提供体制を示す。さらに、地域差がございますが、この地域差の分析を踏まえて、例えば受療率などで不合理な格差があれば、その是正を織り込んだ形で最終的な病床数を示すということになるように、国がガイドラインをきちんと示す必要があるのではないか。

 それから、2の医療費適正化計画、これはこれまでも5年ごとに作成されてきているわけですけれども、前回の財審の建議でもご指摘をいただきましたが、これまでは単なる現状追認で、目標としての位置づけがない、PDCAが機能していないとご指摘をいただいております。これから計画する次の計画からは、この医療費の水準に関する目標、あるいは平均在院日数など、提供体制に関する目標を盛り込むことが閣議決定されております。今後は、この目標をしっかりと計画に位置づけること、PDCAを確保していくことが必要となっております。また、この計画見直しを実施に移すタイミングについても、未定でありますが、スピーディーに地域医療構想を27・28年度に策定した後、28年度、遅くとも29年度には新しい適正化計画を策定すべきではないかという論点提示であります。

 それから、3の国保の都道府県移行についても、今、法律上、実務面は一部市町村に残して、適切に役割分担するように検討することと法律上なっています。これからその具体策を検討するわけですが、実務上の配慮は必要だと思いますけれども、財政運営の責任という保険者の責任についてはしっかりと都道府県に移行すべきではないか。

 それから、最後の4の財政措置の拡充については、これは拡充する以上はきちんと医療費適正化などに向けた保険者努力を促す措置にしていくことが必要ではないかと考えております。今の4の財政措置の論点について、1枚戻っていただいて19ページをご覧ください。右の下のボックスにあるように、国民健康保険については、既に給付費について右側の50%を定率負担、あるいは調整交付金という形で公費負担しておりまして、さらに左側の黄色、本来、保険料財源で賄うべき部分についても、保険者支援制度、あるいは高額医療費共同事業という形で、保険料の軽減ですとか、あるいは超高額な医療費について追加的に公費を支援しています。それでもなお、市町村が今、一般会計から多額の法定外繰入を行っている実情があって、こうしたことも踏まえて、今般、医療提供体制の改革に伴って、左の2の箱の中でありますけれども、国保の財政基盤強化を図り、財政上の構造問題を解決することが法律上定められております。

 その具体的措置ですが、2つ目の丸に記載しましたけれども、だからといって一般会計繰入の単純な補填をするのではなくて、ここは医療費適正化に向けた保険者機能の発揮を促す措置としていくことが必要ではないか。

 それから、3つ目の丸にございますように、現在入れている国庫負担についても、今回の提供体制の改革の実効性が上がるように、医療費のこの地域間格差がその地域の保険料水準に反映される、例えば、医療費の低い長野県は長野県の方の保険料が下がるようにすることが必要であって、現在の調整交付金みたいなものについても、これの配分方法の見直しを検討すべきではないかと考えております。

 続きまして、2−1の(2)に移りまして、保険給付範囲の見直しであります。まず、後発医薬品、ジェネリックであります。22ページ、ここはジェネリックの使用促進を進めていますけれども、日本の場合、まだ特許切れ市場に占めるシェアはなお40%と、ほかの外国に比べて低い水準にございます。目標は平成30年度に60%となっておりますけれども、つくったときに参考にしたのは先進諸国で一番低かったフランスですけれども、今回私たちが独自に調査をしたところ、フランスはこの数年間で70%を超える水準まで上がってきていることもわかりました。骨太の方針で諸外国並みの後発医薬品普及率を目指すと上のほうにご紹介したようになっておりますが、目標を再設定して更なる高みを目指すべきではないかと考えます。

 その上で、具体的な取組ですけれども、23ページは細かい表なので詳細はご説明できませんけれども、さまざまな取組をいろいろな柱に沿って今もやっております。幾つかだけ具体例をご紹介しますと、右の欄の診療報酬のところは、今年度も調剤薬局であるとか、あるいは急性期病院の診療報酬に、このジェネリックの使用割合に連動した加減算制度が導入されております。それから、真ん中の欄の一番下のポツですけれども、保険者による患者への差額通知と書いてございますが、例えば有名な例では広島県の呉市、ここの国保はレセプト点検をする中で、被保険者にジェネリックに切りかえたらどれ程安くなるのか通知を送る取組を進めたところ、呉市の国保は送った中で8割がジェネリックに切りかえて、5年間で6億円ぐらいの薬剤費を節約できました。協会けんぽでも同じような取組を行っておりまして、今後、こうした保険者の取組がさらに強化される必要があると考えます。

 24ページは、1つ足元でできる改革事項として、例えば現行の後期高齢者支援制度について、加減算制度がございますが、今は健康診断をやっている率で差をつけているのですけれども、これを例えばジェネリックの使用率を指標にして、もっと大きく加算、減算してはどうかということを、来年度の改革で取り組んではどうかと考えております。

 25ページは、更に抜本的な改革として、次の改革、あるいは診療報酬改定に向けての事項として、先にもご紹介したことがございますけれども、例えばフランスとかドイツが行っているように、特許で守られている間は別ですが、特許が切れた後の薬については、保険給付の範囲をジェネリックを基本として、患者があえて特許切れの先発品を使いたいと選択する場合には、それを上回る部分は患者ご自身の負担にするという制度の導入を真剣に検討すべきではないかと考えます。

 それから、26から29ページまでは、ジェネリック以外の幾つかの論点をご紹介しておりますが、ここも時間の都合上、全体の論点整理に集約いたしましたので、そちらでご説明申し上げます。29ページをお願いします。

 論点整理であります。総論でもご紹介したように、医療保険制度の持続可能性を確保する観点から、保険給付の見直しが必要であります。患者さんのQOL、quality of life、などに配慮しつつ、それを損なわない部分から見直していく必要があるのではないかと考えます。

 具体的には、まず当面できることとして、27年の医療保険制度改革法案での課題、あるいは次期診療報酬での課題として3つ。1つは、ジェネリックの使用促進策として、先ほど申し上げた目標の見直し、保険者機能の強化。それからもう一つは、今説明を飛ばした資料の中に記載していますが、在宅療養の方との公平といった点から、入院しているときの食事療養費の見直し。現在、介護についてはユニット型、それから、病院についても療養病床については食事代を患者負担としておりますけれども、一般病床についても調理費を含めた食事代をお願いすることとしてはどうか。これまでも何度も紹介していますが、市販品の類似薬、OTCの保険非収載の加速化。今年度の診療報酬改定でイソジン、うがい薬のみで処方する場合には保険対象から外しましたけれども、さらに頭痛薬、あるいは湿布、ビタミン剤、胃薬、こういったものは成分はほとんど同じものが町の薬局で処方箋なしで売っているわけでありまして、公平性の観点から保険収載から外すなり、処方するとしても市販品と同じ値段にするなりすべきではないかという問題意識。3つ目は、大病院の外来をいきなり受診する場合の患者負担の引上げ。

 それから、次の改革に向けては、さらに抜本的な見直し案として、次の丸でありますけれども、先ほどご紹介したジェネリックを超える部分の先発品を使った場合の患者さんの選択によるご負担。それから、2つ目に書いたのは、例えば外来受診時に定率以外に一定額を患者さんにご負担していただいて、医療費に応じて高めの負担率から段々逓減していく仕組みにしていくとか、あるいはフランスがしているように薬の種類に応じて自己負担率を変えていく、薬の対象としている疾病の重篤度に応じて負担率を変えていくことを考えてはどうかという問題意識であります。

 次に移りまして、負担の公平確保というところの議論で幾つかの論点です。ここは、実は大きく分けて3つありますので、まず全体像を見ていただくために、恐縮ですが42ページまで飛んでいただけますでしょうか。論点整理の結論から先に申し上げて恐縮ですが、ここの問題意識、総論でも申し上げましたけれども、共通したものとして、上の2行をそのまま読ませていただきますが、高齢化の更なる進展に伴い、今後、現役世代の社会保障負担の増大が見込まれる中、制度の持続可能性確保のためには、年齢、あるいは制度で区分するのではなく、一人一人の経済力に応じて公平に費用を負担していくことが必要であるという共通した問題意識から、3つの分類で論点整理をさせていただいております。

 まず1つ目、高齢者の負担。ここも負担能力の同じ高齢者は現役と同じ負担を求めるといった観点から、高齢者のご負担を見直すことが必要ではないかということで、具体的には、1つ目のポツ、これは来年度の改革の課題として高額療養費の外来特例の廃止、少し後でご説明します。あと、後期高齢者の保険料の特例措置を今講じていますが、これの廃止を早急に進めるべきではないか。

 また、次の改革の課題として、前期の高齢者の自己負担割合を現在1割から2割に段階的に引き上げておりますが、先ほど見ていただいた急増する75歳以上の後期高齢者の医療費、ここの自己負担割合のあり方についてであるとか、あるいは高齢者の高額療養費、自己負担の上限ですけれども、これを別立てにすることの是非についても検討すべきではないかと。

 今ご紹介した高額療養費について少し補足をさせていただきますので、行ったり来たりで恐縮ですが、31ページ、中段で、これは高齢者の負担の現状でありますが、高齢者の自己負担は今、現役並み所得の方は全て3割ですが、それ以外は75歳以上が1割、65歳から74歳は1割から本則の2割に段階的に引き上げることとなっています。それから、先ほど申し上げたように、次の改革に向けて75歳以上部分の1割という部分についての見直しをすべきではないかという問題提起をさせていただきました。

 高額療養費は、下の段をご覧ください。1割負担とか2割負担とか言っておりますけれども、いずれにしても、患者さんが払う月の自己負担の総額は高額療養費制度があって、月額の上限がはまっていて、それを超過すると後で還付されます。この月額上限が高齢者については特に低く設定されています。いずれも医療費100万円のケースで、窓口負担はこの赤と黄色の合算ですけれども、高額療養費を超えた部分については黄色の額が還付されてくるわけです。特に外来は、現役には外来特例はないのですが、高齢者については外来特例があって、医療費がどんなにかかっても自己負担限度額が一般だと月1.2万円、現役並み所得の方ですと月4.4万円という制度になっております。ここが現役と比べてもかなり優遇された形になっておりますので、この部分について、来年の制度改革の中で見直しが必要ではないかと先ほど問題提起させていただきました。

 42ページにお戻りください。次は、2番目の論点、真ん中です。現役世代の負担、ここは被用者保険について論点提起をさせていただいております。現在、被用者の保険は同じサラリーマンないし、公務員も含めたサラリーマンでありますが、被用者保険は協会けんぽが1組合、健保組合が1,431組合、共済組合が85組合と分立をしております。この分立している間で負担能力に応じた負担を徹底することが必要ではないかという問題意識からの論点提示であります。最初のポツ、27年度の改革においては、後期高齢者の支援に対して現役から支援をしておりますが、この負担のあり方について、現在は3分の1が保険者間の総報酬割、つまり負担能力に応じた配分となっていますが、残りの3分の2は加入者割、つまり人数に応じた配分となっているわけです。これを全面的に総報酬割に移行することを検討すると。このことが、骨太の方針で閣議決定されております。

 それから、次の丸は、27年度における標準報酬月額の上限の引上げ。それから、最後の丸は、次の改革の課題として、今申し上げたように分立しているわけですけれども、被用者保険の統合も視野に入れて、さらに前期の高齢者の納付金、ここは現在100%加入者数に応じた配分になっていますが、ここについて総報酬割にするなど、要するに被用者の保険の間で負担能力に応じた負担の公平を図っていくという問題意識であります。

 今申し上げたことについて、少し資料で補足説明をしたいと思いますが、33ページは分立している様子で、34ページは総報酬割の話でありますが、後期高齢者医療制度に対して、公費、あるいは高齢者の保険料が入っている以外に、現役世代からの支援金で4割の給付費は賄われていますが、このピンク色の支援金部分について、矢印に記載したように3分の1が総報酬割、3分の2が加入者割となっているものを全面的に総報酬割にするというのが来年度の医療保険制度改革の課題でございます。

 先ほど申しましたように、被用者保険が分立しておりますが、ここは基本的には分立はしているけれども、同じ賦課基準、つまり総サラリー、ボーナスを含めた総報酬という基準でそれぞれの人が保険料を賦課されている、同じサラリーマンのグループであります。従いまして、仮に大きく1つのサラリーマンの保険であったとすれば、その中では負担能力、つまり総報酬に応じて保険料が賦課されるわけであります。

 これを、負担金を人数割にすることによって、分立している保険者間では所得水準の低い保険者に負担が偏る形になります。今回の全面総報酬割を導入した場合には、協会けんぽもそうですが、組合健保の中でも財政状況の厳しい、つまり、所得水準の平均的に低い組合を中心に、3割から4割程度の組合は負担軽減となります。他方で、比較的平均所得水準の高い健保組合においては負担増となります。ここについては、今申し上げた負担の公平性という観点から、ぜひご理解をいただきたいと考えております。

 なお、この後期高齢者支援金の総報酬割の導入に伴って、協会けんぽに入れている国庫補助額が一部不要となりますが、これについては医療提供体制の改革などの医療費の適正化に有効活用される必要があると考えております。

 再び42ページにお戻りください。一番下のグループの保険者への公費負担についてであります。現在、我が国の医療保険制度は、社会保険制度でありますけれども、保険者間で特に所得の水準の格差に鑑みて、給付費に対して一定の公費負担をしております。ただ、ここは赤字国債に頼りながらの公費負担でありますので、合理的な水準に抑制することが当然であると考えております。

 今回は、27年度の改革の課題として2点提示させていただいております。1つが、協会けんぽに対する国庫負担の見直し。もう一つが、所得水準の高い国保組合に対する国庫補助の見直しであります。

 1番目の協会けんぽについて、少し資料でご説明させていただきます。37ページに戻っていただけますでしょうか。協会けんぽに対する国庫負担でありますけれども、法律上の本則は16.4%から20%の間とされています。しかし、一番下のこの経年図表で見ていただけますように、これよりもっと左側ですが、平成4年度以来、法律上の附則によって国庫負担率については13%としてまいりました。しかしながら、リーマン・ショックの影響に伴う保険財政の悪化に伴って、少し色塗りをしている部分ですけれども、平成22年度から保険料についても10%に引き上げ、あわせて財政特例措置として国庫負担割合を暫定的に16.4%に引き上げております。この期限が今年度末で終了いたします。そうしたことから、来年度以降どうするかということが今回の医療保険制度改革の課題になっております。

 財政当局といたしましては、リーマン・ショックの後、今、足元で協会けんぽの財政状況が回復しております。真ん中のところに青い準備金残高を記載しておりますが、足元の準備金残高も8,600億円ということで、平成8年度以来の最高水準になっております。また、上の緑色に塗ったところの中の点線の箱にご紹介していますが、骨太の方針2014においては、リーマン・ショック後の景気対策として臨時的・例外的に行われた対応を危機対応モードから平時モードへ切りかえるとされております。こうした全体の方針から、38ページに詳細をご紹介していますが、例えば中小企業に対する信用補完制度、これは右側のセーフティネット5号という100%保証の特例措置でありますけれども、これも26年度末に終了して、平時に戻っています。このように協会けんぽについても財政特例措置を平時モードに戻す必要があるのではないかと考えて論点提示をさせていただきました。

 引き続き同じ論点ですが、39ページは協会けんぽが公表している今後の収支見通しであります。国庫負担率の16.4%は今後も引き続き維持する前提で、一番右、30年度において法定の準備金、これは一月分の給付費相当ですが、を少し下回る見込みとなっています。

 他方、40ページ、これはかなり粗い推計ですが、財務省において幾つか前提を変えて収支見通しを推計しました。前提条件をこの青い表の中に、上のところに記載しておりますけれども、保険料率は10%据え置きで同じですが、賃金上昇率について、協会けんぽの推計では内閣府試算の低成長のケースをさらに2分の1に下げて推計しておりますけれども、これを低成長ケースの賃金上昇率で置き直しています。

 それから、先ほどご紹介した総報酬割の導入も含めて、27年度の医療保険制度改革で今検討している様々な改革事項の影響を織り込みました。そういたしますと、例えば国庫補助率を段階的に13%に引き下げてもなお、平成30年度において法定準備金を大きく超える積立金が積み上がる見込みとなっております。

 この国庫負担は赤字国債に依存しながら拠出をしております。必要以上の積立金として積み上がることは不適当であると考えられます。財政当局といたしまして、今後どのように経済状況が推移するかをよく見て、一定の弾力性は確保する必要があるとは思いますけれども、基本的には全体の閣議決定の方針の通り、リーマン・ショック前の国庫負担水準に段階的に戻していくことを来年度から始めるべきではないかという論点の提示です。

 それから、41ページはもう一つの論点で、国保組合についての国庫補助の見直しです。これも何度もご紹介させていただいていますが、医師、歯科医師、薬剤師、あるいは建設関係の方などについて、独自の組合が164組合ほど構成されております。現在、一律に32%の国庫負担を入れて、さらに所得水準に応じた補助を上乗せしているわけですけれども、プログラム法に規定されているように、所得水準の高い国保組合については国庫補助の合理性が乏しいと考えられることから、来年度の改革において廃止を含めた見直しが必要であると考えております。

 以上が、医療保険制度改革に関連した課題をご紹介いたしました。次に移らせていただきます。2−2として診療報酬、それから薬価についてですが、診療報酬改定、26年度、今年度は44ページの通り決着をしておりまして、次の改定は再来年度でありますけれども、27年度は消費税率の10%への引上げ判断が行われた場合に、それとの関係で論点がございます。

 45ページに移っていただきます。これは今年度、消費税率が8%に引き上げられたときの対応をご紹介していますけれども、社会保険診療は非課税かつ公定価格であります。一方で、医療機関なり調剤薬局の仕入れについては消費税がかかります。これを患者さんに、非課税かつ公定価格の下では転嫁することができませんので、これまで26年度も含めて、過去の消費税引上げ時においては、この課税仕入れにかかる消費税相当分については診療報酬、それから、薬価に上乗せをするという形での対応を行ってまいりました。

 来年度について、消費税率の10%への引上げの判断が行われた場合における具体的な対応、これは今後の検討課題であるわけですけれども、いずれにしても、何らかの形でこの課税仕入れにかかる消費税相当分への対応を行う必要がございます。この際、薬価に関して論点がございます。

 46ページ、これは薬価調査、薬価改定の仕組みをご紹介しています。左のところにあるように、医薬品の取引の流れは製薬メーカーから卸売り、そこから医療機関、調剤薬局、そして最終的に患者さんでありますが、卸売りからおりてくる価格は自由価格、市場価格であります。一方、医療機関ないし薬局から患者さんにお薬を渡すときの値段は公定価格、薬価基準であります。

 この薬価基準について、市場の価格に合わせるために、実際の卸売りの価格を調査して、その結果を踏まえて薬価基準を改定するわけですが、この薬価基準は、右のスライドにあるように、現在2年に1回行われています。その2年間の間は市場実勢価格はずっと下がっていきますが、それが下がっているにもかかわらず、患者さん、あるいは医療保険が負担している薬価基準についてはずっと同じ価格が維持されますので、今年の春の財審でも薬価調査を毎年行うべきではないかと。そして、薬価の市場実勢価格の下落に伴う当然減を毎年反映させるべきではないかとのご提言をいただいております。

 次の論点整理でありますが、47ページ、今の毎年行うべきではないかという薬価調査の頻度についての論点が上半分でありますが、ここについては春の骨太の方針2014において、ここで四角でくくったような文章で検討方針が閣議決定をされております。この方針にのっとって、検討を進めていく必要があると考えております。

 他方、この論点の基本的な問題意識は、市場実勢価格をきちんと反映させるべきではないかという問題意識でありますが、この問題意識は来年度、消費税率を引き上げた場合の判断との関係で重要です。下半分に記載しておりますけれども、薬価調査は26年度の診療報酬改定に合わせて行われましたので、来年度は中間年になります。つまり、通常であれば薬価調査のない年度になりますが、消費税率を来年の10月から引き上げるという判断が行われた場合には、先ほど申し上げたようにこの課税仕入れに対して消費税負担増への対応が必要になります。先ほどのスライドで見ていただくと、1度薬価改定してから1年半が経過しているということなので、今の市場実勢価格と相当程度乖離しております。

 実際の仕入れは、市場価格に対して消費税がかかっておりますので、薬価改定をせずに消費税相当分について措置をいたしますと、高い方の薬価基準をベースにすることになります。そうすると、実際の課税仕入れに対して医療機関ないし調剤薬局が払った消費税を超える額を患者さんや保険者に転嫁することとなりますので、ここは薬価の毎年改定と分けて、消費税の適正な転嫁という観点、あるいは患者負担、保険者負担の適正化という観点から、連年になりますが、26年度に引き続いて、来年度も薬価調査を行って、消費税が引き上げられる10月までに市場実勢価格を踏まえた薬価基準に改定した上で消費税率引上げへの対応を措置する必要があるのではないかと考えております。

 ちなみに、これは平成9年度に消費税率を5%に引き上げておりますけれども、このときも診療報酬改定、薬価改定は平成8年、次が10年度の予定でありまして、ちょうど中間年でありましたけれども、この際にも平成8年に続いて、例年になりましたが薬価調査を行って、直近の薬価に置き直した上で消費税率引上げ分の対応を行っております。この薬価調査に基づく薬価のマイナスは、市場実勢価格の下落に伴う当然減でありますので、これをもって、例えば診療報酬本体を含むほかの経費の財源と考えることは不適当ではないかと考えております。

 次に、介護保険であります。介護については、来年度に3年ごとの介護報酬改定がございます。今回は、介護保険制度の現状をご覧いただいた上で、介護報酬改定に関する論点、その後の介護保険制度改革に向けた方向性をご議論いただきたいと思っております。

 介護費用の現状について、50ページ、19年度から24年度にかけて総費用は6.7兆円から2兆円増加しています。増加が大きいのは、政策意図も反映してですが、居宅サービスが大きく伸びて、地域密着型サービスも2倍近く増加しております。結果として、右の円グラフですが、現在は居宅のサービスが5割を超えるウエートとなっております。

 51ページは、介護費用の伸び率を要因分解したものであります。高齢化の要因で年4%程度、それ以外の要因で年1%程度の伸びとなっております。

 52ページは、人口動態ですけれども、高齢化の進み方に地域差があります。

 それから、53ページは、それを踏まえて介護費用の地域差を分析したものですけれども、右上のグラフにありますように、施設のサービスについては地域ごとの高齢化の状況に応じて比較的費用が増加しています。これに対して、下の2つのグラフは居宅サービスの費用ですが、これは高齢化の状況と必ずしもリンクしていなくて、事業者の数が多いかどうかといったものとの相関が強い。ここから供給が需要を生む構造が伺えます。

 54ページは、今回の一体改革における介護保険制度改革の方向性をまとめたものでございます。地域包括ケアシステムの構築が大きな方向性でありまして、それに基づいて、27年度から幾つかの充実策を既に講じることとしております。新たな基金の創設による介護施設の整備、従事者の確保、それから、保険料の軽減の措置の拡充などを実施することが決まっておりまして、次にご説明申し上げます介護報酬改定については、こういった充実策もあわせた全体像で見ていただく必要があるかと考えております。

 それでは、介護報酬改定に係る論点について、過去の改定率の推移を載せております。56ページの下に骨太における今回改定の基本方針を記載しております。ポイントはめり張りをつけるということでありまして、下向きの方向、「めり」としては社会福祉法人の内部留保の状況を踏まえた適正化、それから介護事業の経営状況を踏まえた見直し。逆に、充実する部分、「張り」の部分として介護職員の処遇改善、それから地域包括ケアシステムの構築の推進などとされています。

 57ページの介護職員の処遇改善でありますけれども、これまでも累次の取組を行ってまいりました。左下の中で3つほど取組を書いておりますが、厚労省の調査によりますと、21年度以降、この介護職員の方の給与についてはこういった施策によって月3万円程度引き上げる効果があったと分析されています。右側に記載しているのは議員立法ですけれども、議員立法の中で来年4月までに処遇改善に必要な措置を講ずるとされております。前回の介護報酬改定において、ここについては処遇改善にきちんと明確につながるという意味で処遇改善加算をつくっておりますが、この加算を拡充する形でさらなる処遇改善を図ることが必要だと考えております。

 他方、58ページは介護事業者の収支差でありますけれども、この経営状況を踏まえた見直しについては、先週金曜日に厚労省が介護事業者の収支差を発表しました。足元、サービス類型ごとの収支差をウエートで加重平均したものを見ますと、全体の平均収支差は8%程度となっています。例えばこれを一般中小企業の税引き前当期純利益の売上高比率と比較すると、2.2%でありますのでかなり高い収支状況となっております。介護について国民負担が増大している中で、めり張りの「めり」の部分として収支差を踏まえた報酬の基本部分についての適正化を図る必要があると考えております。もちろん、個別の施設とかサービス類型の状況に応じてきめ細かく対応する必要があるわけですが、こういった加重平均はまさにそのようなことを織り込んだ上の議論として、全体としてはこの適正化部分について大幅な引下げが必要ではないかと考えております。

 59ページは、介護報酬改定の国民生活への影響ですが、介護報酬の水準を1%下げますと、国民負担は約1,000億円軽減されます。下を見ていただくとわかりますように、利用者の負担、それから保険料、そして税金という形でそれぞれ国民負担の軽減につながってまいります。

 60ページは特養の内部留保の状況であります。下に記載しましたように、足元において1施設当たり平均3億2,000万円、流動性の高い形で持っているものだけで見ても1億6,000万円の内部留保がございます。特別養護老人は社会福祉法人でありますので、基本的には利益処分が認められていないわけです。この内部留保は、これまでの収支差の反映でありますので、その意味でも基本報酬の適正化が必要ではないかと考えております。

 また、社福そのものについて、民間事業者とのイコールフッティングという点から、税制も含めていろいろな議論がございます。こうした中で、規制改革実施計画に基づいて、内部留保については有効活用すべきであるということで、社会貢献活動の実施の義務化を検討しております。内部留保がたまった原資は、税なり保険料でありますので、社会貢献活動について何でもいいということではなく、公費、あるいは保険料を充てて実施している事業に限定して活用すべきではないかという問題提起でございます。

 その他の論点として、61ページに今回の改定で保険給付の範囲の見直しも進めていくべきではないかということで2つ。1つは、施設介護における部屋代です。先ほど医療のときは食事代の話を申し上げましたが、介護におけるユニット型個室は部屋代をいただいていますけれども、多床室、相部屋について、個室の方との公平も考慮して、一定の室料をご負担いただくべきではないかという問題提起。

 下半分は、軽度者に対する福祉用具の貸与、あるいは住宅改修であります。一定の金額の範囲内で、ここに書いてある用具の貸与ですとか住宅改修に保険から給付が行われます。物自体は、軽度者でも必要性は認められますけれども、上限額の範囲内で高価なものになっている可能性がありますので、他の人々との公平性も勘案して、必要以上に高機能なものは保険給付の対象外としてはどうかという問題意識であります。

 以上申し上げました、27年度の介護報酬改定に関する論点を62ページに整理いたしました。右下の図に全部を集約しております。繰り返しになりますが、めり張りをしっかりつける必要があると思います。介護従事者に対する処遇改善を加算という形で確実に措置する、あるいは、在宅サービスなどを充実させる、消費税の対応をしっかりするということを行いながら、良好な収支差を反映した介護報酬の基本部分についてはマイナス、適正化をするということであります。介護改定としては全体としてもネットで引き下げて、介護にかかる国民負担の軽減を図るべきではないかという論点提示であります。

 同時に、先ほど申し上げたように、介護報酬以外のところで既に決まっているさまざまな充実策がございます。27年度の介護報酬改定に当たっては、ほかの充実策も合わせて全体で議論をしていただく必要があるのではないかと考えています。

 63ページから、介護保険制度の改革の課題を幾つか整理しております。1つは、今後、介護保険の費用の増大が見込まれる中で、保険給付の範囲の見直しを進める必要があるのではないかという論点で、64ページ。例えば在宅サービスですが、訪問介護という類型がございます。ここは身体の介護と生活援助に分けられるのですけれども、要介護度5のように重い方は基本的には身体介護中心ですが、要介護度1のように軽い方は、過半が生活援助のみになっております。その生活援助の中身は、右にあるように掃除、一般的な調理・配膳、洗濯、買い物といった内容が多いという実態でございます。

 27年度から、要支援者という、これよりももう一段軽い方の訪問介護については、段階的に保険給付から地域事業に移行して、地域の特性を生かしながらサービスを充実させる方向になっています。その状況も踏まえながらですが、今度の改革に向けては、要介護度1の方等軽度者に対する生活援助サービスについても、利用上限の範囲内で出来高払いになる保険給付ではなく、一定の予算制約のもとで地域支援事業に移行する等といった給付の見直しを進めていく必要があるのではないかという論点提示であります。

 65ページ、諸外国でありますけれども、ドイツや韓国については要介護度1、2といった方、要支援の方については原則保険給付を行っておりません。

 それから、66ページは、先ほどの地域事業に移すべきではないかという論点と関連していますけれども、今、足元だと在宅サービスの事業者が、実際に決まっています介護報酬を下回る価格に設定することもできます。ですが、私どもで調べたところ、実際に介護報酬を下回る価格でサービスを供給している事業者は全国で1事業者でありました。自由な参入が認められている在宅サービスでありますけれども、先ほど申し上げた家事援助のような部分については地域支援事業に移して、ある程度サービスの質を維持しながら価格競争を働かせることが可能ではないかと考えております。そういった意味でも地域支援事業への移行が必要ではないかと考えております。

 それから、67ページでありますが、ここは負担の公平化という観点から利用者負担の見直しも必要ではないかということであります。左の介護は65歳以上のところについて原則1割、一定以上所得者について2割となっていますが、右の医療の方はもう少し所得に応じてご負担いただいていますので、見直しが必要ではないかという論点であります。

 それから、68ページは先ほどご紹介した総報酬割の論点、これは介護納付金についても同様の論点提示をさせていただいております。

 69ページは以上をまとめたものでございますので、割愛します。

 最後に、子育て支援についてです。この分野は枚数は少ないのですが、重要ではないということではございません。むしろ子育て支援策は、今やるべきことを一体改革の中でかなりがっちり固めておりまして、まさに進めているところであります。冒頭、総論部分でもご紹介しましたように、今回の消費税率の引上げによる充実の財源のうち0.7兆円を充てて、保育所の整備、具体的には右にあるように29年度末までにプラス40万人分の受け皿整備、右下にあるように放課後児童クラブについて30万人の整備といった量的拡充を行うとともに、一定の質の改善を図ることとしております。また、27年度から子ども・子育て新制度が始まります。これとあわせて子育て支援策を推進することとしております。

 他方で、このページの左下の青いボックスですけれども、与党等からは、質・量の充実を図るためには、0.7兆円ではなく1兆円超程度の財源が必要で、今回、消費税率の引き上げで確保した0.7兆円を超える部分、つまり、0.3兆円超の財源確保に努めるということが決議などで政府に求められています。これはあくまでもペイ・ゴーでありまして、財源確保をした上で0.3兆円超程度の増強をさらに図るべきだと言われております。

 これも含めて、今後は子育て支援についてはさらに推進することが求められていくと考えております。そうしたことを背景に、本日は1点、新しい問題提起をさせていただいて、ご説明を終わりたいと思います。事業主負担のあり方について1つ問題提起をさせていただきたいと思います。

 72ページでございますけれども、子育て支援策は、左の図にございますように児童手当、あるいは育児給付といった現金給付、それと現物給付、これは保育所とか放課後児童クラブでありますが、この二本立てで推進しています。

 右の上の小さな図ですけれども、これをご覧いただきますと、平成10年のときは、当時において現金給付は事業主負担が78%ですが、現物の給付は公費を中心にという整理で行われておりました。その後、子育て支援を拡充するということで公費を財源に進めてきております。その結果、右の平成26年現在ですと、現金給付に占める事業主の負担の割合が22%まで低下し、この青い部分ですが、現金給付・現物給付ともに大半が公費で賄われている現状にございます。公費負担といっても、ご承知のように4割は赤字国債に頼っているわけでありますので、将来世代につけ回しをしながら、将来世代のための施策を進めている現状にございます。

 今後もこの支援の強化を進めていく中で、公費についても充実策を進めてまいりますけれども、この子育て支援策が、企業にとっても現在の労働力、あるいは将来の労働力の確保、あるいは従業員の複利厚生といったものに資することを考えますと、今後、例えば現物給付の中で保育所運営費などに一定の事業主のご負担をお願いできないかという論点の提示であります。

 運営費に一律に負担するのだとメリットが見えないということであれば、幾つかの応用動作はあるかと思います。今回は基本的な問題意識をご提示させていただいています。73ページは、もう一つの方法として、例えば運営費への拠出がなければ、規模の大きい企業においては事業所内保育所の設置を義務化するということも一案ではないかと考えられます。現在、助成金を出しておりますけれども、来年度からは、右にあるように子ども・子育て新制度ができて、事業所内保育所であっても、認可を受けた場合には新制度の給付対象となります。したがって、新制度から助成金という形ではなくて、必要な一般の保育所と同じような形で給付が行われます。こういったことも背景に、左下にあるように、現在はこの事業所内保育所はあまり進んでいないわけでありますけれども、今後、拠出という形ではなくて実際に企業の中でつくって従業員の福利厚生を図りながら、一部は例えば地元に開放するといった形で国全体の保育の受け皿拡大に貢献していただく手法もあるのではないか。あるいは、拠出といずれかの選択制にするとか等、いろいろな応用動作はあるかと思いますけれども、本日はこの問題提起をさせていただきたいと考えております。

 長時間ありがとうございました。以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 では、早速、社会保障につき議論したいと思います。どなたからでもどうぞ。いつものように名札を立てていただけると幸いです。角委員、どうぞ。

〔 角委員 〕 最後に子育て支援の話がございましたけれども、私どもの沿線は、比較的住みたい町アンケートでも高い評価を得ておりまして、今後の少子高齢化時代を迎えまして、お年寄りからお子さんまで安心して暮らせる沿線をつくりたいということで、保育については事故が怖いので、1年生から6年生までを9時まで延長して預かれる学童保育を今検討しております。それと、お年寄りにつきましては、昨年から西宮市というところで、いわゆるリハビリ型のデイサービスを開始いたしました。設備投資は大体1,000万円程です。高架下の空きを利用しますので、家賃は自前ですから非常に安いこともあるのですが、70人程度に来ていただきますと、半年で黒字になります。このようなリハビリ型デイサービスをやっているところは、大体1年で黒字化するということのようです。西宮の場合でいいますと、営業利益率が1年で2割になります。ですから、本当にこれでいいのかなというところがございまして、ただ、悪いことばかりではなくいい面もありまして、70人のうち、この1年間で10人の方が改善されました。4人の方は要支援から自立をされまして、あと6人の方はランクがよくなった、要介護1から要支援1とか、2段階上げられたこともありますので、そのような意味では成果も出ているのですが、ほかの沿線で10カ所ぐらいやろうかということであと2カ所増やしたのですが、そこが赤字ですので、事業としてはまだ黒字化はしておりませんけれども、これも行く行く定着しますと確実に営業利益が出ますので、もちろんこれは民間ですから、利益については税金を払うことにはなりますけれども、果たしてこの営業利益率2割は、ちょっと水準としては高いのではないかと。ですから、それは地方へ移管された時点で価格の適正化が図られていくのかもわかりませんけれども、先ほどの内部留保をどうするかという話とも少し関連しますけれども、このリハビリ型のデイサービスについても価格は少し高いのかなということと、自己負担です。1割に決めてしまったのが、今にして思えば非常に残念だったなと。要支援1ですと、我々がいただくのは2万4,600円ですけれども、ご本人は2,460円と。これは1カ月の利用料金です。せめて要支援1の方などは5割負担にしていただいても1万円ぐらいの話になるわけですね。もちろん制度をそう決めてしまったので、これから地域へ移していく中でその辺のあり方については議論をされていくべきではないかと思います。介護を必要とする方で1回の利用の平均が大体650円から700円ぐらいになっております。それで今言った機械については一番いい機械を入れてやっておりますけれども、それでもきちんと利益が出る水準になっております。そういった実情の報告をさせていただきます。

 それと、この保育所については、民間企業が自らやると事故が怖いのです。学童保育ですと、その辺りはおそらく大丈夫であろうということですが、保育所についてはどうしても外部委託せざるを得ないのかなという問題が1つ。それと、例えば都心にオフィスがありますと、そこまで満員電車に乗ってこられるわけですから、そのときにお母さんが1歳、2歳の子供さんを満員電車で菌だらけのところに乗って移動することは非常に問題があるので、保育所は郊外の駅につくるのが一番いいのではないかと思います。そうなりますと、なかなかこのように義務づけされますと、我々のような鉄道会社ですと、例えば神戸線は西宮車庫、宝塚線は雲雀丘車庫、京都線ですと正雀という車庫に保育所をそれぞれつくって、本社の人間もそこに預けてから来なさいということが我々は工夫ができますけれども、そのような企業は比較的少ないと思われますので、都心にオフィスのある企業はこうした義務づけがされると少しお困りになる気がいたします。

〔 吉川分科会長〕 どうもありがとうございました。では、続いて竹中委員、田中委員、鳥原委員の順番でお願いします。

〔 竹中委員 〕 ありがとうございます。2点あります。1点目は、ジェネリックのことです。以前からジェネリックの普及促進は大変関心があったのですが、徐々にそのような認識も広まり、他国に追いつき、ジェネリックを増やしていくために様々な策がとられようとしていること、大変心強く思いました。2点目は、今も少しお話が出ましたけれども、社会福祉法人の話ですが、実は私たちプロップ・ステーションも社会福祉法人として約20年間、草の根から入れると二十数年の活動を続けてきました。前回の財審でもお話しましたように、雇用率を推進するためではなく、多様なチャレンジドの能力を生かし、それを世の中に出していただいて、タックスペイヤーになっていただく活動自身は国の政策ではないものですから、私たちの活動本体に対しては税金の応援は全くありません。様々な民間の方々の一緒にやろうという応援でやってきたわけです。ただ、社会福祉法人という名がつくと同じように見られてしまうので、税の応援があってやっているところの不適切な留保を見直すことは当然ですが、そのあたりの誤解が生じない進め方になっていただくと私たちはよりうれしいなということ。そしてこれも前回申しましたけれども、新たな国費を投入しない形ででも様々な就労促進の手だてがとれますので、ぜひ財務省だけではなく、厚労省もかかわってきますけれども、ご一緒に推進していただければと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、田中委員。

〔 田中委員 〕 2点申し上げたいと思います。1点目は子育て支援です。たまたま国分寺の駅型保育園のプロジェクトを手がけた経験から申し上げますと、特に都心の事業所に保育園を設けることは満員電車のことを考えると現実的ではないと思います。そういった意味では、いわゆる郊外の住宅、地域の駅に保育園を進めることは、JRでもかなり進めていらっしゃるとは思いますけれども、まだまだ可能性があるのではないかと思います。2点目は、社会福祉法人の内部留保の問題であります。この内部留保に関して、発生源内部留保としっかりと定義をしていただいて、その算定式の内容もお示しいただいています。この算定式には基本金のことも言及されています。基金は社会福祉法人法の法制度で担保することが設けられていますので、基金に着手することは社会福祉法人法制度そのものにメスを入れていくことにも近づいていくと思います。本制度は、昭和26年にGHQ下でできた法人制度であり、先ほど竹中さんもおっしゃったようにいろいろなものを包含してしまっていて、制度的に疲労していますので、可能であればこれを機に社会福祉法人制度の法人法を見直すいい機会になるのではないかと思います。更に、内部留保の拠出をすることを想定されていると思います。いわゆる、内部留保を、吐き出させることになります。同じようなことが公益法人制度改革の際に議論されました。公益法人制度には、公益目的支出計画を出させて、公益法人の留保を吐き出させるという仕組みがあるのですが、結果的に形骸化しています。支出計画が2000年とか500年をかけてやるものが出てきていて、ほとんど意味がなくなっています。おそらく社会福祉法人の内部留保対応においても、も何らかの形で義務づけて支出計画を出させるのだろうと思いますけれども、前例が示すように嫌々ながら出させられること大抵あまりうまくいかないのではないかと思います。ここはアメとムチではないのですけれども、税制度を使ってしっかりと拠出したところについてはある程度の軽減を加えたり、残してしまったものに対してはより重い課税をしたりといった、モチベーションを駆り立てるものと支出計画とセットにしないとうまくいかないのではないかと思います。

〔 吉川分科会長 〕 鳥原委員、お願いいたします。

〔 鳥原委員 〕 2点述べたいと思います。1点目は、42ページの論点整理の高齢者の負担について、考え方は全くその通りだと思います。しかし、全面総報酬割と協会けんぽへの国庫補助について、雇用者保険の支出に占める高齢者医療への拠出金の割合は既に5割に近づき、現役世代の負担は限界に来ておりまして、さらに2015年度には団塊の世代全員が前期高齢者となるなど、現役世代の負担軽減のための方策は急務となっております。こうした状況を鑑みると、後期高齢者支援金の全面総報酬割の導入に伴って協会けんぽへの国庫補助分2,400億円が浮くという説明がありましたが、その使途については前期高齢者医療への国庫補助に充てるなど、まずもって被用者保険全体の負担軽減に活用するのが先決であり、そのような改革がないまま後期高齢者支援金の全面総報酬割を導入することには反対であります。また、協会けんぽについて申し上げますと、最近の収支はやや改善しておりますが、10%で高止まりしている保険料率は、協会けんぽに加入する多くの中小、小規模企業にとって負担の限界であり、これ以上保険料率を引き上げることがないよう、国庫補助は法定上限の20%に引き上げるべきであると考えます。その上で、仮に今後も収支が改善されていくのであれば、多くの中小企業の経営を圧迫している高い保険料率の引下げに使われるべきです。2点目は、73ページの子育て支援に係る事業主負担のあり方についてです。資料の中で、事業主負担のあり方として、一定規模以上の企業に対して事業所内保育施設の設置を義務づける制度が提起されておりますが、待機児童解消加速化プランなどが既に実施されていることから、まずはその施策の検証を行って、さらにどの程度事業所内保育施設への需要があるかなどを精査することが必要ではないかと思います。

〔 吉川分科会長 〕 井伊委員。

〔 井伊委員 〕 3点ございます。1点目ですが、15ページの全体像のところの4番でも示されていますけれども、消費税を原資とした病院再編のための基金に関して質問があります。今年度から既に始まっていますが、その効果を、1年目からしっかりと報告をしていただきたいと思いますし、毎年そのような機会があれば質問をし続けていきたいと思います。この基金が導入されるときの議論とは、日本では民間の病院が多いので医療政策が難しいと、西欧や北欧とは国立とか自治体病院が中心であったのでうまくいっているのだと、だから基金を使って病院再編をするというお話だったと思います。日本の国立病院は独法化されましたけれども、自治体病院が効率性が高いのかというと、一般財源からかなりの公的な助成が出ていますし、民間病院が多かったから改革ができなかったということは間違いだと思っておりますので、基金の効果をしっかりお示しいただきたいです。2点目ですが、医療提供体制を再編していくことはとても重要であると思いますが、地方財政制度の改革も一緒に行わないと、なかなか難しいのではないかと今お話を聞いて思いました。病院を減らしていくとか、病床を削減していくとなると、例えば自治体病院のベッド数は地方交付税の基準財政需要の算定式に、入っていると思うのですが、そうすると病床を使わなくても減らせないとか、それがここで示されているように急性期から慢性期に移ってもその算定基準になるのであればまた話は別なのかもしれませんが、いずれにしても都道府県に、例えば国保のソフトバジェットの問題なども、国保の運営主体を都道府県に移しても、足りなければ国が助けてくれるという仕組みが解消されない限り、先ほど調整交付金でインセンティブを多少つけるというお話がありましたけれども、根本的には難しいのではないかなと思います。今の制度だと、地域住民が給付と負担を理解しにくい制度になっています。あと、これはここで話すテーマではないのかもしれませんが、地方自治体もいろいろと介護や福祉のサービスなどをしていて、特に東京都内などでは手厚い単独事業をされて、これは地方議会で本来は議論することなのかもしれませんが、地方交付税であるとか、地方財政の改革も一緒にしないと、単に運営主体を都道府県に移してもなかなか難しいのではないかなと思います。3点目ですが、14ページのところで、医療提供体制の現状で、日本では病床数が多いとか入院期間が長いということで、病院の提供体制の改革をすることはとても重要であると思うのですが、外来受診は日本は飛び抜けて多くて、医療費の約半分は外来医療費だと思います。これは国際的にみて非常に高くて、入院医療にお金がかかるのはある意味当たり前、高度な医療をすると医療費が高くなるのは当たり前だと思うのですが、なぜ外来診療に日本ではお金がかかるのか。こうした国際比較をするときに、最近日帰り手術なども増えているので統計をしっかり読み取るのは難しいと思いますが、お示しいただければと思います。そういった意味では、13ページで現在の姿から目指すべき姿のところに、病院だけで診療所がないことは、医療の提供体制を考える上で足りないのではないかと思っています。診療所で診るべき患者さんが病院にたくさんいるということなので、病院のベッド数を見直したり、在院日数を減らしたりというときに受け皿となる診療所の役割を明確にするべきと思います。診療所での医療とは、高度な急性期の病院と異なって、質を担保しながら効率化できる、そういった仕組みをどうするかがまさに先進国の医療・介護政策の議論では中心になっておりますので、今回は特に病院の提供体制の再編ということですが、今後の議論に生かしていただければと思います。

〔 吉川分科会長 〕 続けて、秋山委員、大宮委員、それから佐藤委員の順で。

〔 秋山委員 〕 ありがとうございます。まず、今日ご説明いただいた総論についてなのですが、念のため4ページのところでご説明いただきました介護と後期高齢者医療の部分について、コアの自然増以外の部分に徹底した合理化・効率化ということですが、ここについても何かしら総額を抑制する仕組みの導入は必要であろうと思います。そうでなければ、各論の積上げが結局どれぐらいの効果になるのかが見えづらい中で改革を進めていくことになります。改革のスピード感、あるいは実効性の担保という意味で、そのような仕組みが必要ではないかと思います。

 各論なのですが、今日既に何名の方からご指摘がありました。介護関係で社会福祉法人の問題についてなのですが、介護に絡む部分については、一方で介護職員の処遇の改善について、しっかりプラスの方向で見ることは私も賛成です。特に2000年以降、日本の国内で製造業の空洞化が進む中では、雇用の受け皿としての介護分野は非常に大きなポテンシャルがあり、なるべく多くの人が一生の仕事として取り組める環境を整えるという意味では、非常に重要な意味合いがあると思っています。

 一方で、ご指摘があった社会福祉法人の内部留保に関しては、そもそもなぜこれだけの内部留保がたまるかといったところについてのメスの入れ方ですが、1つは財務データを含む、あるいはこのペーパーでご指摘があった社会貢献活動の内容も含めて、徹底的な情報公開をする中で、竹中さんがおっしゃる優良な法人とそうではないもの、あるいは内容に問題があるものが見える姿をつくっていけると思います。

 それから、次の各論として、負担の公平化の問題ですが、経済力という言葉を使ってあって、どうしても実際に補足できるものということでいけば所得になろうかと思いますけれども、特に高齢者の方に関して言えば、実質的な経済力はどちらかというと、フローもさることながらストックに着目すると。ただ、これ、実際にどうするのかということについての具体的な方法論は、例えばマイナンバー制度の充実を待つ必要があるかもしれませんが、そのようなものに着目して、実質的な経済力に応じて負担をお願いすることは非常に重要だと思っております。

 あと、ジェネリックの問題ですが、今日聞いて少し驚きましたのが、漸くうがい薬が保険対象から外れたのかと思っていたら、単体処方という条件つきだということで。大体お医者さんも患者さんに気を遣って、保険が効く処方を行うことが結構あり、今回このペーパーに挙げていただいているような一般的な処方薬相当のものについては、どこかのタイミングで、勇気をもって、あまり条件をつけずに保険適用から外さないと、国民の意識を変えるきっかけがなかなかつくれないのではないかと思います。そのあたりも今年度積極的に取り組んでいただきたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、佐藤委員。

〔 佐藤委員 〕 3点ほど。既に秋山委員からもご指摘がありましたが、ジェネリックは22ページの資料を見ますと医療費の総額での節約効果が他のものと比べても群を抜いて高いと思いますので、近々の課題かなという気がします。私も行政事業レビューで何年間かこの後発医薬品の話と市販品類似薬の話に関わりましたが、厚労省自身も決して後発医薬品にやる気がないわけではないのですが、現場の理解が進まないらしく、普及が思うように進んでいないということがどうも実態だと言っていました。ジェネリックは本腰を入れて普及促進に向けていくべきでありまして、今はフランス並みに60%ということですけれども、フランス自体が70%ぐらいに引き上がっていることなので、もう少し目標値を上げて、スピード感を持って徹底していった方がいいのかなと思います。本来は薬価の診療報酬の仕組み自体を変えていくしかないのだとは思うのですが、25ページにありますように、参照価格を決めておいて、超えた分について、つまりジェネリックの価格に対応する費用を超えた分については全額自己負担にするといった仕組みにしていかなければ、ジェネリックの普及はままならない気はしています。また、市販品類似薬につきましても、なかなかうまくいかないのですが、行政事業レビューをやったときに言われるのは、保険対象外にすると、処方できないのですかという話になるみたいです。保険適用の有無とお医者さんが処方できるかどうかは違う問題であることは、おそらく現場の誤解もあると思いますし、制度的にもし何か齟齬があるのであれば、徹底して見て、市販品類似薬についても幅広く保険適用外というのを進めていくべきだという気がしました。

 2点目な国保について。先ほど井伊委員からソフトバジェットの話がありましたが、2つのソフトバジェットがあって、1つは国からの支援があるという意味でのソフトバジェットと、もう1つは一般会計の法定外繰入金、つまり、同じ自治体の中で、自治体の一般会計から保険料を抑えるという目的のために医療、国保にお金が流れているという実態がありまして、保険料がものすごく高くてこれ以上上げる余地がない自治体がそうしたことをやっているかというと、実はそうでもなくて、意外と財政的に余裕があって、保険料を上げなくてもこちらからお金を回せばいいところが、安易にという言い方は多分語弊があると思うのですけれども、こうした法定外の繰入金をやっていることが散見されるので、ここの部分も厳に慎むべきです。そうしなければ、国保としてジェネリックを普及させるなどいろいろなことをやって医療費を抑えても、それが保険料の引下げに直接響いていきません。繰入金については厳に慎むというやり方をしていくべきな気がします。

 3点目は、総報酬割についてですが、緊急避難的にと言われたら、他に手はないのかもしれませんが、我々が心配しなければいけないのは、これは事実上の人件費課税につながる面があるということです。社会保険料といいますが、実質的には雇用税という側面がある。なぜなら自分の保険給付のためではなく支援金や拠出金のために保険料を集めているわけで、実質的には税金をかけているのと変わらないからです。その辺り、総報酬割を考える上においては、被用者保険の中での公平性と、ある意味の緊急避難措置という形ではやむを得ない部分はあるかもしれませんが、世代間での、つまり高齢者と現役世代との間での負担の関係を考えるのであれば、人件費課税的な側面は抑えていく。つまり、拠出金、支援金はできるだけ抑えていく方向で改革を進めていく必要がある気がしました。

〔 吉川分科会長 〕 では、続きまして、大宮委員。

〔 大宮委員 〕 2点あります。1点目は、この資料は課題も非常によく分析されていてよくわかりますし、対策のそれぞれの個別の内容も非常にわかります。ただ、単年度の予算の審議の中ではなかなか難しいのかもしれませんが、全体が一体いつごろ正常化するのかという視点から見られる形に、特に社会保障費の部分はならないかなと思います。

 削減するものと、収入を増やすものがパッケージで提案されて、そのようなブロックに分けられていますが、これは全体がわからないと、例えば先にやりやすいものからやってしまうということにもなりかねず、先ほど緊急避難的な総報酬割の話も出ましたけれども、そのようなものが先に手についていくことはなかなか賛成ができないのではないかなということで、公平、それから公正、適正な形での削減と、取るところから取るという形のものを示していただけるといいかなと思います。

 2点目、子育て支援ですが、実は弊社も保育所等をつくったりしているのですが、先ほど委員の中からも出ていましたけれども、都会でラッシュアワーに子供を連れてくることは非常な負担ということで、どちらかというと、横浜には1回つくったのですが、つくれているのは今、長崎にあると。ところが、長崎の話などをよく聞いていますと、両親が近くにいるので、保育所よりは全体のワーク・ライフ・バランスの施策をどう充実させていくのかということが企業にとっては非常に大事で、出産・育児との両立、これから介護の問題も出ると思いますが、それとの両立を支援する職場環境をどう整備するかだということです。これは企業が地方にあるとか、立地の条件もありますし、それぞれの会社のなりわいもありますので、一律的に保育施設をある程度の企業でつくることについては、もう少し実勢を尊重していただいたほうがいいのかなと感じます。

〔 吉川分科会長 〕 では、続けて、土居委員お願いいたします。

〔 土居委員 〕 3点ございます。1点目、国庫負担、国庫補助のあり方ですが、私も被用者保険の1被保険者なのですが、自己負担をできるだけ減らしてほしい、保険料負担をできるだけ減らしてほしい、地方負担をできるだけ減らしてほしいという全体の負担軽減の逃げ道として国庫負担に増額圧力がかかっている構図が、結局は財政赤字の源にもなっていることを根本的に改めるべきだと思います。ある程度、自己負担もしていただかなければいけませんし、保険料負担もしていただかなければいけませんし、地方負担もしていただかなければいけない。結局は、誰も大きく反対しないから国庫負担の増加という話で逃げている状態は、根本的に改めるべきだと。

 私も被保険者の1人として、保険料負担はできるだけ増やしてほしくないと思いますけれども、それはむしろ給付の重点化・効率化により熱心に取り組む方向に圧力をかけていくべきで、国庫負担を増やしてほしいと逃げるべきではないと思います。そのような意味では、ここの資料にも上げられた給付の重点化・効率化は一生懸命取り組むべきことだと思います。まず保険料負担を求める前に、給付の重点化・効率化をやっていただくということ、それから医療や介護は特に、利用者負担をきちんと取るべきだと思います。

 31ページ、32ページであるように、高齢者の利用者負担ないしは負担を軽減する仕組みは早期に縮小していくべきだと思いますし、67ページにあるような、結局のところ、これは医療も介護もそうですが、一定所得者以上の方に利用者負担を求めると言いつつも、実は医療の現役並み所得とは極めて偽善的な表現でありまして、つまり公的年金等控除という所得税の控除が手厚く設けられていることを前提にして、現役並みというまやかしの言葉で表現した所得水準になっていると。実際の手取りでは幾らかというと、現役並み所得の高齢者で実際は課税前の所得は500万円ぐらいに対して、その同等の所得を持っているとされる若い世代は百数十万人とかという税制のゆがみを反映した形で現役並み所得と定義されていると。それでいて、高齢者の7から8%ぐらいしか実際は3割負担になっていないということは、できるだけしっかりと負担できる高齢者の方にはご負担をお願いしないと、後期高齢者医療支援金の圧縮にもつながらないと思います。

 後期高齢者医療支援金をできるだけ被用者保険に求めないでほしいということは、それはそのとおりですが、まずやるべきことは、そちらの利用者負担をしっかりと求めることを訴えていくことから始めて、総報酬割という話はもちろん技術的なところはありますが、それでもなお残る負担はきちんと若い世代の中で分かち合っていくという意味で、この総報酬割を位置づけるということでいいのではないかと思います。

 その国庫負担に関連しては、今申し上げた介護のところについても68ページにあるようなことでもありますし、72ページにもあるような子育ての国庫負担の使い方は自己負担、保険料負担、地方負担を軽減してくれれば、あとは国庫負担で何とかしてくれればいいだろうといった逃げ道に使わないという原則があって初めてやるべきで、低所得者の負担軽減とか、国が果たすべき役割を果たすといったところに重点的にお金を充てていくべきではないかと思います。

 2点目は地域医療構想についてですけれども、地域医療構想はしっかり骨抜きにならないように、来年度に都道府県に策定していただくべく取組を進めていくべきだと思いますし、入院のところでの取組も大事ですけれども、井伊委員がおっしゃったように、外来についてもきちんと地域医療構想の中での位置づけを整理していくということでもってやっていくべきだと思います。さらにもう一つ、この地域医療構想のところで盲点になっているのではないかと思うのは、2025年が一応法律上定められている時間的な視野になっているのですが、ご承知のように高齢化のピークを2040年に迎える地域もあります。逆に、既に高齢化が進んでいる地域では2025年にピークアウトして、2040年には実は患者の数という意味では減っていく地域もあります。ところが、2025年までの病床をどうするかということで今議論が進んでいて、極端に言えば2025年に向かって病床を増やしても患者数が増えるのに対応しているからよいだろうと言いながら、実は2040年に向かって今度は患者数がその地域で減っていくことになると、2025年までに一生懸命整えた病床が要らなくなっていくという変な状況もありますので、確かに2025年に向かって整えなければいけない病床はあるのですが、その先に、もし病床の数は減ってもよい地域があったらば2025年に必要だからどしどし病床を整えないように働かせる必要もあるのではないかと思います。

 3点目。介護のことですけれども、来年度、第6期が始まりますけれども、予防給付が、一部が市町村事業化するということが既に決まっています。ここの軽度者に対する予防給付をしっかり地域で精査していただいて、必要なところを残し、必要でないところをめり張りづけしていく取組を通じて給付の適正化を図っていくことが必要だと思います。

〔 吉川分科会長 〕 田近委員。

〔 田近委員 〕 田近です。既にいろいろ議論あったのですが、社会保障財政は言うに及ばず、この社会保障についても財政制度等審議会は今まで大切な仕事をしてきたと思いますが、特に消費税がこの4月に上がった。そして、これからまた今上げるか上げないかを議論して、その消費税は社会保障に使うのだと政府は言っているわけですよね。そのような観点に立つと、国民の立場に立って財審が仕事をするとすれば、国民に代わって社会保障の財政、そしてその中でも消費税がどう使われるかという説明責任を政府にきちんと求めていくことだと思うのですけれども、そのような観点で幾つか、既に論点は出ているので具体的な点と、できれば事実関係は主計官に答えていただきたいのですけれども、手短にやらせてもらいます。

 今日、宇波主計官の議論の立て方は、資料の4ページから始まって、要するに足元の2012年度に比べて、25年度は赤い部分と青い部分を中心にして、後期高齢者医療と介護費用が6%弱増えますと。ただ、そのうち半分は高齢化の部分で、ある意味でしようがないでしょうといったらそうなのでしょうけれども、という説明だったですよね。残りの3%、高齢化以外の部分は厳しくしましょうとおっしゃったのですが、少しそれは甘いのではないかと。そもそも1人当たりの医療費をどう見るかという問題もありますけれども、高齢化とは後期高齢者の割合も増えていくわけですよね。年齢が上がってくると医療費はそんなに伸びない。死亡前に入院しても、そのときの医療費は、急性期の医療費と若いときに比べるとそう伸びない。たとえ最期を病院で迎えるという人も、思ったほど医療費が伸びないことがわかっています。したがって、高齢化していくから、即そのまま医療費が上がっていくわけではないし、寿命が伸び、今盛んに言われている健康年齢が上がっていけば、1人当たり医療費は下がるわけで、高齢化による部分3%は脇に置いてという議論は、財審ではもっとしっかりと議論する必要がある。まして、これから3%GDPが伸びるかどうかまで議論すると、二重の問題になると。

 事実関係ですが、申し上げたかった先ほどの国民視点から言うと、前から僕も国民の1人として思っているのですが、7ページにいわゆる社会保障・税一体化の、社会保障の充実ということで、1.5兆円が委員がおっしゃったところとまさにかぶるのですが、医療・介護サービスの提供体制の改革、それから介護では地域包括ケアシステムの云々と出ていて、国民としては、これでさっき宇波主計官が前に説明した数字がどう変わるのかと。こう機能強化をするから、さっき説明したところがこれだけ改善されますよという、その連動がなければ、1.5兆円使うといっても、あげちゃうだけの議論になると思うのです。ですので、社会保障一体改革の税収の部分と社会保障、あるいは財政との連動を財審の場できちんとやらなければならない。委員はその部分で毎年見ていかなければならないということは最初の全部分ですよね。提供体制の部分。だから、それも含めて、連動という言葉が私にとってはキーワードだろうと思います。

 あと、ジェネリックの話も出てきて、国保の保険者の問題で、18ページですけれども、曖昧な言葉があるのですよね。国保の運営主体の都道府県移行って、これも宇波主計官のご存知の範囲で答えていただきたいのですが、国保の保険者が都道府県になるのか、介護保険の公費、公益連合みたいに運営主体なのか教えていただきたいと思います。

 あと介護で1点か2点指摘させていただきたいのですが、60ページに先ほど出てきている特別養護老人ホームがあります。そもそも、これと社会福祉法人の問題はこうだと思うのですが、特別養護老人ホームとはある意味でこの資料ではふさわしくない用語の使い方だと思うのです。措置時代の名前で、今は介護老人福祉施設と言っているわけです。実はここに論点があって、措置時代の特別養護老人ホームは、ある意味でそのまま介護保険で名前を変えて介護老人福祉施設になった。だから、運営主体は市町村か社会福祉法人だということで来たわけです。

 ところが、有料老人ホームとか訪問介護云々とかいうのは、先ほど民間のお話もありましたけれども、それは総プロフィットな会社が入ったと。ここだけある意味で措置時代の、ここだけって、ここが措置時代から続いているわけですよね。そうすると、背後の大きな問題としては、なぜあえて特養を介護保険の中で社福に任せておくのだと。これも介護施設として民間に開放すればいいではないか。非常に大きな議論ですけれども、もっと有料老人ホームとイコールフッティングにすべきだと思います。

 正直言って非常に不満な表現なのですが、60ページの3行目で内部留保が蓄積しない水準まで介護報酬水準を適正化され、その反面たまったものは地域支援事業なりに使わせてあげようと言っているわけですよね。そうではないだろうと。たまっている部分がなくなるまで介護報酬を下げ続ければいいだけの話ではないかと思います。

 そのようなわけで、これは難しい問題なのです。だから、措置時代から保険になったときの移行が完成していない。それの影響の1つだと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。続けて末澤委員、碓井委員、遠藤委員、十河委員、井堀委員、最後のお言葉が富田委員かな。よろしくお願いします。

〔 末澤委員 〕 2点質問をお願いします。まず第1点ですけれども、31ページの、先ほど井伊委員のお話の中でもあったのですが、高額療養費制度の自己負担なのですが、75歳の一般のとき、入院の場合は4万4,000円、外来が1万2,000円なのですが、普通に考えると逆のような気がするのですけれども、なぜそのような根拠、経緯になっているのかということです。入院の方がお金がかかるので、普通は安いのではないかと思います。

 もう1点は、先ほどの総報酬制に移行した場合ですが、現状の総報酬割が3分の1、加入者割が3分の2の状況が、全部総報酬割になると、マクロ的には幾らが幾らになるのかということです。

 あと、これは意見ですが、先ほどいろいろ負担増の話もお伺いしたのですが、全体的に申し上げますと、これは前回の事務局のプレゼンにもございましたが、人口動態の今後の推移を見ますと、2025年に団塊世代の方々は全員75歳となるということで、高齢者医療費のピークは訪れると思うのですが、一方で、その後何が起きるかというと、生産年齢人口はどんどん減少していくわけですね。つまり、負担の担い手の人がどんどん減ることになるので、中長期的に考えますと、どちらかというと負担増よりは1人当たりの歳出を抑えると。全体の歳出は増えざるを得ないと思うのですが、そういった方向を今後もっとめり張りをきかせていかないと、10年後、20年後には全体としてもたなくなる可能性が高い。

 その意味で見ると、先ほどのジェネリックの話はわかりやすいので、国民の皆さんにアピールするためにも、同じ効用なのであれば安い方にするのが当然だということをもっと全面的にアピールしていただいた方がいいのではないかと思っております。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。続いて碓井委員。

〔 碓井委員 〕 3つ申し上げたいと思います。1点目は、国保組合に対する国庫補助の点についてです。これはこの論点整理に賛成です。国保組合は保険者機能を発揮しやすいというメリットを持っているかもしれませんが、市町村国保から離脱して、比較的恵まれた人たちが組合をつくっている場合も多いわけですから。

 2点目は、先ほども議論に出ました市町村国保に対する市町村からの自主的な助成措置についてです。これは、今、地方分権が叫ばれているときに、それぞれの市町村が決めていることをとやかく言うなという議論もあるかもしれませんが、問題の所在をどこかでしっかりと提示していくべきだと。というのも、被用者医療保険の加入者とは、それぞれの医療保険の被保険者として負担をしていると同時に、市町村に対する関係で住民税や固定資産税も負担しているわけです。ですから、そのような状況もしっかりと明示して、問題の所在を提示していくべきだと考えます。

 3点目は、特定保健指導についてですが、これは少し疑問を抱いていまして、掛けているコストに対して成果がしっかりと得られているか。検証が難しいと思うのですが、大きな医療保険者の場合にはそこまでストレスを感じないかもしれませんが、比較的小さな健保組合などはこのことについてヒヤヒヤしているわけですし、私も予備軍として指導を受けた立場としては、個人的にヒヤヒヤしております。というわけで、これはどこかで検証していただく必要があると思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。では、遠藤委員。

〔 遠藤委員 〕 ありがとうございます。これから人口が減っていく中で、現役世代を増やしていく措置を考えるに当たって、労働人口を考えたとき、女性がその大きな担い手でありますが、それにしては、子育て支援策のページが少なく残念に思われます。

 もし介護保険のページにも出て参りました要介護1、2のような軽度者が給付の範囲から外されることがあった場合、また女性が家庭に縛りつけられるようなことになってはなりませんので、その点に留意をしていただきたく思います。また、71ページであった子育ての関連三法案に対する附帯決議では、1兆円の確保が必要であることが明記されておりますので、ここはしっかりと拡充していただきたいという思いがあります。

 介護についてですが、介護従事者の処遇改善については、しっかりと収入の確保も含めやっていかなくてはならない問題だと思っております。日本の生産性を上げるという観点は、今後、製造業よりもサービス産業の生産性を上げていくことが経済成長につながっていくことは明らかですので、サービスの部門の大きな位置を占める介護については期待が高まるものだと思われます。

 医療費について、今回、終末医療のことは提示されていないのですが、死亡者にかかった医療費の十数%が最期の1年間にかかるという状況です。3日で500万円、1週間で1,000万円等と言われていますが。医師に治療の選択肢を聞いて、QOLの観点から自分で選んでいくことが、終末期でも、日ごろでも重要だと思いますので、こちらについてもぜひご考慮いただけたらと思います。

 ジェネリックに対しては、先発との差額について患者負担にすべきというご提案に大賛成でございます。先ほど秋山委員から例が挙げられていましたけれども、もっと悪質な例は、東京都などは子供の医療費が免除されますが、子供の医療費で湿布や風邪薬を大量にもらって、親が消費するケースも多々あると聞いています。このあたりはきちんと取るところから取るという観点が必要ではないでしょうか。

〔 吉川分科会長 〕 では、十河委員、お待たせしました。

〔 十河委員 〕 私、この春からの臨時委員をさせていただいておりまして、毎回資料の数字を見ると大変驚きます。今回の資料を拝見していても、内部留保ですとか様々な、他国との比較や、その他遅々として進みにくいことが日本の現状であることを感じながら、いろいろな事情もあると思いますので。ただ、超少子化が叫ばれている中で、これに対応していくということが優先されるべきではないかと思っております。

 子ども・子育て支援制度も、消費税の0.7兆円を充てる話になっておりますけれども、できるだけ量的拡充と質の改善をスピードアップしてやっていくことが大切ではないかなと。それがどうしても高齢者医療などの論点になってしまいがちですが、若い人々、そして国民が幸せな将来を見つけられることはとても大切だと国民目線では思っております。

 そして、ジェネリックですとかの普及のスピードも、フランスがこの数年で10%上げていることも考えると、先程宇波主計官がめり張りが大切だとおっしゃって、まさにそうだと思うのですが、同時に、どうしたら国内でスピードを上げられるかも課題ではないかと思います。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。井堀委員、富田委員の順で。

〔 井堀委員 〕 高齢者の自己負担の件ですが、秋山委員も言われたように、高齢者はフローではなくてストックを持っていますし、そのストックのかなりの部分は実物資産です。これが流動化できないので、キャッシュで払えないという問題があると思います。住宅などの実物資産の流動化の対策を進めていただいて、そこから負担のお金が出てくる仕組みをもう少し整備する必要があるのではないかと思います。

 それからもう一つ、自己負担の話なのですが、土居委員が言われた3割負担をもう少し拡充すべきだということです。医療・介護、どちらも高齢者が生存しているときにはなかなか3割負担にするのは難しい。要するに、生存費は不可欠ですから。そうすると、例えば当初は1割だけ負担してもらって、残りの2割は国の債権として累積しておいて、死亡時に相続税よりも先に優先的に回収してしまう仕組みがあれば、高齢者の人も死ぬまでは1割でやっていけるわけですし、実質的には3割負担できる。要するにタイミングが重要だと思うのです。高齢者の場合は死亡する時期の不確実性もありますので、負担をいつ取るかに関して、もう少し長期的な視点でいろいろな方法を考えることは可能かと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。フランス等では滞納に関してはポストヒューマス、亡くなられてから取るということを実際にやっているのだろうと思うのですが、私等も個人的には「今までありがとう税」と呼んで、高齢者の方、遺された金融資産や何かからも一律1割等取るとどれぐらいかということをマクロで試算したことがあるのですが、それなりに大きな額になるわけです。

 富田委員、お願いします。

〔 富田委員 〕 私からは1点でして、後期高齢者医療の支援金の負担をめぐる問題です。被用者保険、制度はいろいろ分立しているわけですけれども、最後は1つです。後期高齢者医療制度です。かつてですと会社は骨を拾ってくれるということで、今日ご指摘があった組合健保ですとか、昔の政管健保等はずっと面倒を見るという考えもあったかもしれませんが、ほとんど全員がこの後期高齢者医療制度のお世話になります。したがって、国民皆保険制度の肝はここにあるのだと思うのです。

 ですから、緊急避難的な負担の問題の議論ではなしに、そこでの負担とは公平感のあるもの。つまりは、持続可能なものにしていく必要があって、私は、たまたま所得の多い少ないが、企業の規模や勤め先で変わってくるという理解すれば、それは比例的な料率が公平感が一番強いわけでして、それがゆえに長期にわたって持続可能な後期高齢者医療制度という皆保険をベースにしてみんなが安心して生活ができると思うのです。

 沈み行くタイタニック号でいろいろな組合でデッキチェアを奪い取るような、見苦しいことはいかがなものかということが私の見方です。総報酬制への移行は緊急避難のためでも決してなくて、真正面から捉えて議論すべきだと思います。国民全員の問題ですから。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。どうも活発なご議論、ほんとうにありがとうございました。

 次に、大切な防衛予算の議題がありますが、予定では10分の休憩ということだったのですが、少し短縮して、自然に集まられる形で早めに始めたいと思います。

 では、休憩に入ります。

( 休  憩 )

〔 吉川分科会長 〕 時間が押しておりますので、そろそろ後半を始めたいと思います。

 後半は、防衛関係費でございます。早速、井口主計官からご説明をお願いいたします。

〔 井口主計官 〕 ありがとうございます。防衛担当主計官をしております井口裕之と申します。

 これから防衛関係費についてご審議をいただきたいと思っております。昨年度新たに策定されました国家安全保障戦略に基づきまして、新たな防衛大綱、中期防が定められました。それらを踏まえまして、本日は総論として防衛関係費の位置づけ、構造及び推移といった「防衛関係費の全体像」という総論のパートが1つと、それから各論が2つ、1つは「装備品購入等」、もう1つは中期防にも位置づけられました「調達改革等」と、大きく3つのパーツに分けて説明させていただきたいと思っております。

 それでは、めくりまして2ページ目をご覧いただければと思います。総論として「一般会計歳出予算における防衛関係費の位置づけ」でございますが、一般会計歳出総額95兆8,823億円のうち、国債費が約23兆円、残る基礎的財政収支対象経費、これが全体の約4分の3を占めておりますが、防衛関係費は社会保障、地方交付税交付金を除く概ね4分の1の中で、公共事業、文教及び科学振興費に続く大きな費目を占めています。26年度予算額では4兆8,848億円であり、全体に占める割合は5.1%となっております。

 防衛関係費は他の予算品目と比べ、構造的に非常に硬直的な部分がございます。予算については、大きく人件費と物件費に分けられますが、めくりました資料の真ん中のあたり、総額4兆8,848億円のうち、人件・糧食費が、2兆1,000億円程度を占めております。それ以外の物件費では、上の箱のところですが、防衛関係の装備品の調達には、複数年度に及ぶ契約を要するものが多く、将来の一定時期に支払うことを予め約束する場合が存在します。これは歳出化経費ということで2つ目のところ、1兆7,944億円となっておりますが、過去に22年度に契約したものから、23、24、25年度と前年度までに契約した4年分の26年度分の支払いが1兆7,944億円ございます。また、25年度までに契約したものの後年度負担分が右側の1兆4,572億円あり、これを残り3年間かけて払っていかなければならないものでございます。

 さらに3つ目は一般物件費です。新規分の後年度負担の前金に当たるものを含めて9,974億円。後ほど説明しますが、昨年度の新規後年度負担は、2兆1,733億円となっておりまして、防衛関係費全体として非常に裁量性が少なくなっております。

 続きまして、右側の4ページですが、防衛関係費についてさらに細かく見ますと、箱の2つ目のところ、人件・糧食費以外も含めて、自衛隊の運用・防衛力整備に関係する経費が9割を占める一方で、基地対策等の推進等に関する経費が実は防衛関係費の1割強、11.1%を占めております。これは自衛隊、在日米軍基地があるところに対して、防音対策ですとかその他さまざまな基地対策をしております。近年、沖縄の負担軽減、在日米軍の再編等に伴いまして、基地対策を進めていくための経費も増加傾向になっております。これが全体の1割強を占めており、防衛予算の中でもかなりのシェアを占めてきております。

 めくりまして、5ページ目のところでございます。過去10年間の防衛関係費をグラフ化しました。過去につきましては比較的安定的、概ね減少傾向にございましたが、近年は増加傾向になっております。26年度、右から2つ目のところでございますが、4兆8,848億円、このうち先ほど説明いたしましたSACOと米軍再編経費という外的な要因で決まるものが1,010億含まれております。

 27年度概算要求につきましては、概算要求基準に基づいて要求されておりますが、防衛省から要求がありましたのは5兆545億円、これを機械的に前年度と比較しますと3.5%という数字になります。実はSACOと米軍再編経費につきましては事項要求という形で、追加される見込みとなっており、規模感としては1,010億円に匹敵する大規模なものが要求されるのではないかと思われます。

 6ページ以降は、もう少し長いスパンで防衛関係費がどのように推移してきたかです。6ページは平成2年、冷戦終結時で一般会計税収額が最も多かった節目の年ですが、この平成2年度を基準にとりますと、社会保障関係費を除く主要経費の中で防衛関係費は最も安定的に推移してきました。公共事業関係費につきましては、経済対策等で伸びた時期もございますが、近年は下がっております。

 7ページは、平成6年度、特例公債の発行が再開された年を基準にとらせていただきました。この年を基準にしますと、社会保障関係費、地方交付税交付金の2つについては伸びておりますけれども、その他公共事業関係費、文教及び科学振興費についてはマイナスになる中で、防衛関係費はプラスになっております。過去からの経緯を見ましても、防衛関係費は他費目に比べずっと安定的に推移してきたということでございます。

 8ページのところは、現在、中期財政計画に基づいて2015年度の国・地方PB赤字の対GDP比を半減する、あるいは2020年度までに国・地方PB黒字化目標に向けた努力をしているところでございますが、このPB対象経費の中で、社会保障関係、地方交付税交付金を除いた中で防衛関係費が占める割合については、平成の最初は15、16%前後でしたが、近年は17、18%台となっており、PB対象経費の中でのシェアが伸びてきております。

 9ページは、先ほどグラフで見ていただきました27年度概算要求の概要です。概算要求の概要の防衛関係費(総額)という表の一番上を見ていただきますと、27年度要求は5兆545億円、前年比で1,697億円、3.5%の増となっております。これについてはSACO・米軍再編関連がこれからまだ伸びるということで、前年との比較のために、この箱の一番下に参考としてSACO・米軍再編、あと昨年購入が決まりました政府専用機が、27年度予算に盛り込まれる予定になってますが、それらを除いたベースで見ましても、4兆8,994億円、前年比1,155億円、2.4%増という要求になっております。

 もう一つ我々として懸念しておりますのは、この下の表のところの、新規後年度負担です。装備品、航空機の購入費などは、今後歳出が立っていく経費でございますが、これにつきましても平成27年度概算要求では2兆6,679億円で、対前年日4,946億円、22.8%増となっています。これについても、SACO、米軍再編経費についての歳出化経費が立つ予定ですが、それを除いたベース、参考の比較で見ますと2兆5,766億円、前年比6,301億円、32.4%増と非常に大きな増になっております。

 左側の26年度予算におきましても、新規後年度負担は伸びておりまして、SACO・米軍再編除きのベースで26年度は1兆9,465円、対前年度2,948億円、17.8%の増です。平成元年の9.9%増がこれまでの過去最高でしたが、26年度はそれを大幅に上回る17.8%増になっております。

 これにつきましては、27年度予算と同様に、新規後年度負担につきましても、中身について、厳しく査定に臨んでいく必要があると思っております。この新規後年度負担の問題につきましては、各論のほうでも触れさせていただきたいと思っております。

 10ページは、概算要求の内容です。防衛大綱、中期防に沿ったテーマ別の概算要求として防衛省が柱立てしておりますのが左、右にございます。「周辺海空域における安全確保」では固定翼哨戒機P−1の取得20機、また、機種選定中となっております新たな早期警戒機の取得。これも機種選定中ですが滞空型無人機の取得、そしてイージス・システム搭載護衛艦の建造など大きな要求が出ております。

 「島嶼部に対する攻撃の対応」では、南西方面の安全保障環境が大きく変化してきているということで、航空優勢、海上優勢、部隊配置の見直しとして、F−35A戦闘機の取得、第303沿岸監視隊、第9航空団の新編、南西警備部隊の配置、これも機種選定中となっている、ティルト・ローター機、水陸両用車の取得等さまざまな要求があります。

 こうした周辺環境の変化への適切に対応は非常に重要だと思っておりますが、限られた予算の中で、27年度にどこまで手当していくのか、優先順位をつけて措置をしていくことが重要と考えております。

 11ページには、中期防衛力整備計画として向こう5年間どのような整備していくかを決めているものです。参考資料に詳細を入れております。防衛予算の水準は安定的に推移してきたとの経緯をご説明しましたが、我が国の債務残高が積み上がる中でも、平成26年度中期防におきましては全体の総額で申しますと、平成25年度予算の5倍の23兆4,000億円に対して平成26年度から30年度までの5年間の総額として23兆9,700億円を明示しております。これに後ほど触れさせていただきます調達改革等による効率化努力7,000億円により実質的には24兆6,700億円と、これが26中期防における平成30年までの防衛力整備の水準目標です。

 これにつきましては、非常に財政が厳しい中でも防衛予算について配慮をしている結果ですが、この限られた予算をどのようにうまく使っていくのかが非常に大きな課題だと思っております。

 12ページはイメージ図でございます。防衛大綱でも触れられておりますが、我が国を取り巻く安全保障環境に対応していくためには、直接の防衛力の整備のみならず外交政策、日米安全保障体制、も前提にしながら、周辺国と安全保障面でどう対話していくかなど全体として進めていくことが重要と思っております。これらの努力の基盤となりますのは我が国の国力、なかんずく経済力をどう維持していくかが非常に大きな課題だと思います。その経済力を維持していく上で財政の健全化がどうなるかは非常に大きな問題だと思います。

 ということで、財政上の制約と左側に書いていますが、我が国を取り巻く安全保障環境に対応するためにも、財政の健全化を通じて我が国の国力、経済力をどう維持していくかが重要な課題だと思っております。

 13ページは、これまでの総論をまとめさせていただきました。「日本の防衛力整備については、厳しい財政事情等もあわせて考えれば相応の水準になっているのではないか。」また、「当面は、南西方面における脅威に対する抑止等に重点化を図りつつ、水準面ではこれまでの防衛関係費の規模との連続性、及び、中期防・財政全般との整合性が保たれるものにすることが重要ではないか。」を論点として提示させていただきました。

 続きまして、14ページ、各論でございます。「装備品購入等」となっておりますが、15ページ、防衛装備品につきまして、実はもう一つ大きな特徴がございます。どうしても主要装備品をどれだけ買うかが世間の注目を浴びますが、主要装備品を取得・建造した場合には、実はそれ以外の経費もかかるということです。ここには平成8年から19年まで全体で92機調達いたしましたF−2戦闘機の場合ですが、1機当たりの平均取得単価122億円に対して、附属するシステム、附属機器等、約48億円、これはシミュレーター、弾薬等を機数で割ったものですが、機材ごとに整備やパイロット等の人材育成も必要となります。

 さらにこの後でご説明いたしますが、装備品等の維持整備費も非常に大きな課題になっております。30年という仮定で計算しておりますが、機体修理費、エンジンオーバーホール等を入れますと1機当たり約177億円かかっており、装備品取得以外の経費についてもをしっかりと確保していかなければ、いざというときに十分活用することができないことが防衛装備品の大きな特徴です。

 16ページでは、陸海空それぞれの主要装備品についても、本体以外にいろいろな経費がかかっているということです。ご覧いただきたいのは17ページです。防衛関係費では、新規後年度負担などの契約額と整備維持経費がかかります。平成初期の頃には装備品の契約額が非常に多額でしたが、年を追うごとに整備維持のための経費が増え、真ん中右側のところに赤丸がございますが、平成17年にはこれが逆転をしております。

 平成26年度には、装備品の契約額が伸びましたが、装備品を今後買っていけば、当然に整備維持経費は伸びざるを得ない構造になっています。こうした面も含め防衛予算の柔軟性をどう保っていくかが非常に重要な課題だと思っております。

 18ページは、装備品のライフサイクルコストのイメージです。左上のところ、開発・調達の際にまず大きな経費がかかり、その後、維持・修理は恒常的な費用ですが、装備の近代化を図るためにまた費用がかかり、最終的には廃棄と次世代装備の開発・調達にまたお金がかかります。さらに、装備の高度化が進むと、この山も高くなります。これについて、左側は計画的・着実に防衛力整備を図る場合は、イメージ概念図としてある程度波を分散して安定的に推移させることができますが、急激にやりますとこの波が増幅してしまうおそれがあります。その意味でも、計画的・安定的な整備をしないと、物は買ったけれども十分な整備・訓練等ができない懸念があり防衛省共々問題意識を持って見たいと思っています。

 19ページは、装備品の新規後年度負担の推移をグラフにしたものです。先ほど言いましたように、26年度は、平成元年度の9.9%を超え、SACO・米軍再編を除いてもカギ括弧の中の17.8%、1兆9,465億円ですが、27年度の要求はそれを上回る2兆5,766億円、32.4%の伸びとなっています。備品の後年度負担、あるいは今ご説明しました整備維持経費も考えますと、この伸びをうまく抑制するためには、厳しく内容を見て必要なものから手当をしていくかが重要だと思っています。こうした努力が、サステーナブルな防衛予算、防衛力整備につながっていくと考えております。

 20ページは、防衛関係費に近年不用額が出ております。この中には為替の影響によるもの、装備品の契約で当初見込んだものよりも実際に安く済んだもの、また、精算余剰といいまして、修理などで、概算で契約をするものの、中をあけてみたところ、思ったより整備費用がかからなかったものなどがあります。中には実施計画の変更による不用もございます。この不用については、特例公債を出して財源調達していること、また予算の編成のあり方としても、きちんと精査をし、できるだけ少なくしていく努力をしていかなければならず、中身を見ながら厳しく対応していきたいと思っております。

 21ページ、これまでのまとめですが、「継続的な防衛力整備を可能とするためには、関連経費への波及や後年度への影響も含めた慎重な検討を行い、厳しく優先順位をつけた対応を図るべきではないか。」また、「特例公債によって歳入を確保している中、多額の不用が発生する状況は早急に改善すべきではないか」ということで、装備品の調達についての各論のまとめでございます。

 3つ目は各論の「調達改革等」となっています。めくりました23ページ、昨年定められました26年中期防衛力整備計画においては、調達改革が正面から位置づけられています。箱の一番上のところ、「26年度中期防では、調達改革等を通じて5年間で7,000億円程度の実質的な財源確保を図るとされて」おります。これについては、下の表で5つ項目が上がっていますが、具体的には「維持・整備方法の見直し」、これは先ほど定期修理をしたら思ったより費用がかからなかったことなども踏まえて、整備の間隔を伸ばすことで予算を節約するとともに、現実に使える機材の期間を伸ばすというロジスティクスの改革を始めています。

 2つ目は「装備品のまとめ買い」で、近年、装備品が高額・少量化したためにあまり一気に買えなかったことに対し、必要なものについては、まとめ買いすることによって節減効果を出すものです。

 3つ目は、海外でもやっておりますけれども、「民生品の使用・仕様の見直し」、具体的には、護衛艦のシステムを近代化する際などに、コンピューターの仕様について、今まで使ってなかった民生品を使用することでプログラムの共通化も含めた節減効果を出すといったものがございます。

 4つ目は「長期契約制度の導入」、これは現在P−1で検討しているものですが、これまで5年間という契約期間の縛りがございましたが、現在、防衛省が準備している法案に基づいて、契約期間がもう少し長ければ安く調達でき、節減効果が確実なものについて長期契約を認めていくというものでございます。

 ただし、26年度は660億円、27年度要求ベースでは1,450億円ですが、両方足してもまだ2,110億円ということで、達成率は3割です。今後7,000円億に向けては一層の努力が必要ということです。そこで、この表では金額が空欄になっておりますPM/IPT制度、これはプロジェクト管理を今後導入することで、この7,000億円に早く達していただくことが重要と思っております。

 24ページでは、この調達改革に必要な背景として先ほどご説明した、装備品が高性能化・複雑化しますと単価や開発コストも上がり、取得単価が上がると財政事情が厳しい中、調達数量が減少してきた経緯がございます。その減少により生産も少なくなって、またさらに単価が上がるといった悪循環が生じているという問題意識がございます。こうしたことを背景にこの中期防で調達改革が位置づけられたわけです。25ページでは、防衛省が、調達改革でさらに一歩進めるものとして検討している、「防衛装備分野における防衛省の体制強化」ということで、具体的には、防衛装備庁というものを検討しております。

 「設置のイメージ」の真ん中のところに「機能を集約・統合」となっていますが、調達に関しましては、内局の経理装備局の装備グループと各幕の装備取得部門に分かれています。更に、開発・調達実務についても、装備施設本部、技術研究本部が、それぞれのところがやってきてました。これについては、運用もできるだけ統合的にやるけれども、装備品についてもできるだけ統合していこうということで、「防衛装備庁設置の目的」のマル1に書いていますが、「統合的見地を踏まえ、装備品のライフサイクルを通じた一貫したプロジェクト管理の実施」を行うと。これが先ほど言いましたプロジェクトマネジャー等を設置するということでございます。

26ページのところ、「プロジェクト管理の強化について」ですが、このライフサイクルコストとは装備品についてまず構想段階から、開発し、それを量産段階に移し、維持・廃棄するまでの一連の過程をいいます。このライフサイクル全体のコストをしっかりと管理していこうとするものです。これは日本のみならず、諸外国でも行われているものですが、防衛省も平成20年度からこのライフサイクルコスト管理を始め、主要装備品について順次導入してきたところです。この下のところ、陸海空の主要装備品をピックアップしたものですが、LCC見積もり段階と書いている左側のところで、当初見積り、これはそれぞれの装備品について最初の見積りをしたものですが、例えばP−1哨戒機、これは海上自衛隊の哨戒機ですが、平成20年に当初見積もった124億円に対し、平成26年3月の最新の見積りにおいては機体単価171.7億円ということで、47.7億円、38.5%増加しています。同じような大きな見積もりの変化があるものとして、C−2輸送機も36.1億円、27.6%増加しています。防衛省によりますと、これは構想段階、開発段階、量産段階のそれぞれを別々の部局が所掌していたこともあり、コストの上昇に一貫性のある対応ができなかったため、これにしっかり対応するためプロジェクトマネジャーをつくりまして、装備庁の中でしっかりやっていくということでございます。

 米国などでは、見積もりの上振れが一定割合になった場合、議会の承認を取らないと開発が継続できないといったルールがありますけれども、我々としてもそのようなことも含めて、しっかりと対応するよう防衛庁に言っていきたいと思っております。

 最後、27、28ページ、より中長期的な話です。27ページの上のところ防衛装備品の調達は非常に特殊な分野ですし、開発にも非常にリスクがあるということで、箱の2番目のところ、「欧米諸国では開発・生産コストの高騰に対応するために、共同開発・生産を推進する流れ」ということで、国際共同開発をできるだけ利用していこうという流れができております。

 日本におきましても、かつては武器輸出三原則との関係で難しい問題もございました。今年、防衛装備移転三原則が新たにできましたので、国際共同開発にも、積極的に参加していくべきではないかと思っております。

 同様に、28ページ、防衛産業の強み、弱みを見極めて、国際共同開発するもの、あるいは輸入をするもの等々、さまざまな調達手段がございますので、調達手段をめり張りをつけてやっていくと。これは防衛省が進めていきたいということですので、我々としても積極的に後押しをしたいと思っております。

 29ページは、人事制度改革です。防衛省は人件費が非常に大きい組織です。日本も少子化が進んでおりますのでピラミッド型の組織が理想でございますけれども、なかなか現実にはそうはいかないということで、今回の中期防でも、各部隊の特性を踏まえた上での階級構成、あるいは定年制につきましても、若年定年制に加え、一部の60歳定年も見直すことも含めて、部隊の精強性を維持する仕組みを進めていくということです。これにつきましてもしっかりと進むよう見守っていきたいと思っております。

 30ページのところは、これまでのまとめ、「より一層財政的・人的資源を効率的に活用すべきではないか」ということでございます。

 足早でございましたが、以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。では、時間が限られていますが、どなたからでもご意見、ご質問をお願いいたします。富田委員、土居委員。

〔 富田委員 〕 ありがとうございます。防衛関係費は非常に後年度負担が大きいもので、ご説明いただいた3ページにしろ、15ページの氷山の絵もそうなのですが、特に3ページを見ますと、本年度予算でわずか612億円のお金で新規の後年度負担が2兆1,000億ほどもある大きなものでして、問題は先ほどのグラフで見ますと19ページにあるのですが、新規後年度負担の来年度要求がさらに大きいことです。中期防が年平均でプラス0.8%の伸びである一方、桁違いの伸びで新規の要求が出ている。これは、中期防との整合性はどうなのかという問題を、主計官に聞くというよりも要求省に聞きたいと思うのですが、桁違い、次元が異なるほどのものが出ていると思うのです。大昔、「たまに撃つ 弾がないのが 玉に傷」といった川柳がありまして、それは防衛装備品にたくさんお金を使ってしまい、ここのグラフでいくと、17ページにある整備・維持経費、これが当然、将来大きく発生するわけですけれども、そういったものが段々と賄えなくなってしまう。おそらく今の二十数%の伸びと、閣議決定した中期防で、0.8%しか年平均で伸びないものとの整合性を考えた場合に、即座にそのような問題が出てくることは明らかだと思うのです。そうした要求は少し驚きであり、驚きを持って見るべき資料だと思うのですがいかがでしょうか。

〔 吉川分科会長 〕 土居委員、それから葛西委員。

〔 土居委員 〕 私もこの19ページの新規後年度負担の推移については、バランスを欠いていると思いますので、後年度負担が過度にならないようしっかりと予算を算定していただきたいと思います。

 それから、来年度予算で金額が大きく変わってくるということではないとは思いますけれども、29ページの人事制度改革も地道な話ではあると思いますが、ゆくゆくはより少ない予算で、しっかり防衛していただくことには通ずるものですので、しっかり改革に取り組んでいただきたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、葛西委員。

〔 葛西委員 〕 防衛予算は、今ご説明されたように非常に安定的に配慮されているということでありますが、防衛力が意味を持つためには、他の予算とのバランスや予算内での相対的な額ではなく、対処すべき脅威との対比においてどのぐらいの実力を持っているべきかを物差しにしなければならないのではないかと思います。非常に財政が厳しい中で、メリハリをつけなくてはいけないとおっしゃる。そうすると、防衛予算は、やはり今の国際情勢を考慮すると「絞る」方ではなくて「重点的に支出する」方であると思います。

 それから、後年度予算が大きいということは、この種の開発を伴うものでは半ば当然のものであって、その年の予算を計算するときに、おそらく将来このぐらいになるのだということは十分わかっていらっしゃるのではないかと思います。それを承知の上で、予算を通す上での1つのテクニックとしていろいろな方法がとられるのだと思いますが、要はどのぐらいの防衛力を持たないと日本の国の安全が維持できないかという点を考えてやっていらっしゃるのだと思いますし、その点が大事ではないかと思います。

 もう一つは、防衛そのものを考えたときに、これは質問といえば質問なのですが、今まで防衛の中であまり日本が配慮してこなかった分野に、スペースとサイバーという2つの分野がありまして、これが21世紀における安全保障のキーエリアになるのではないかと思います。防衛予算の要求の中ではその部分があまり入っていない気がしますが、その辺はどのような認識でいらっしゃるのか、もし差し支えなければご意見を伺えればと思います。

 それからもう一つ、防衛装備品の単価の話。日本国内だけで開発し、それを調達しようと思えば、当然単価は高くつくことになると思います。ですから、今年4月に策定された「防衛装備移転三原則」で国際協調に道が開かれましたので、物によっては海外にも供給することができるようになれば、単価は相当下がるのではないかと思います。そのような点も、将来の課題かもしれませんが、感想として申し上げたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 第2点目、スペース、サイバーですか、主計官から簡潔にもしありましたらお答えください。

〔 井口主計官 〕 ご質問ありがとうございます。宇宙、サイバーにつきましては、例えば米軍をはじめ、各国とも脅威を抱いている分野でございます。ある意味発展途上のところもございます。自衛隊においては、サイバー演習環境の整備ということで、対象となる部隊の演習環境を機能強化するもの、あるいは対外的な協力等々進めようとしております。まだ端についたところではございますけれども、この分野に2つの脅威に対応していくことも重要な視点だと思いますので、引き続き漏れのないよう対応していくことが必要だと考えております。ただし、現在、金額的には多くはございません。

〔 吉川分科会長 〕 では、続けて末澤委員、小林委員、田中委員。

〔 末澤委員 〕 1点意見で、あと質問です。

 ありがとうございました。今の地政学的リスクの拡散といった状況を考えますと、私も国防関連費は極めて重要だと思います。一方で、アメリカも一昨年の超党派の歳出削減、昨年からスタートしていますトリガー条項の発動によりまして、10年間で1兆ドルという史上まれな国防費の削減がスタートしております。そのような意味では、今後効率化、先ほどの社会保障でも同様だと思いますが、同じサービスを受けるに当たって、なるべく少ないコストで実現する努力が引き続き求められるのだろうと思います。

 それに関連して質問です。先ほどの後年度負担の拡大は、P−1の大量発注が背景にあると思うのですが、これは財政法の特例法の制定が必要だと思われるということと、実際に大量発注をしてどの程度のコスト削減効果が得られるのか、ご説明いただきたいと。

 あと、先ほどの装備品の中でありましたが、当初はC−2が今年度末に配備されるはずだったのですが、相当遅れておりまして、このあたりが大丈夫なのかということ。そして、F−35Aライトニングにつきましても、先般から機体のクラック、ひび割れとかソフトウエア開発の遅れが指摘されておりまして、そのあたりが大丈夫かということです。

 あと、先ほどの写真の中で、オスプレイやアムトラックに似た装備は写っていたのですが、運搬用の強襲揚陸艦が出ていなかったのですが、このあたりの装備の今後の動向といいますか、最近フランスで2機キャンセルが発生しそうな状況でございますが。あと、これも最近の話題でございますが、「そうりゅう」クラスのオーストラリアの輸出の問題が出ておりまして、仮に輸出が実現したときにコスト削減等に結びつくのかどうか。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。小林委員、お願いします。

〔 小林委員 〕 装備品の高価格化に関して言うと、もう二、三年前から、例えばフルスペックで購入すると高いけれども、多少性能が落ちない程度でスペックを落とすことによって安くなると、いう議論がされていたと思うのです。防衛省でもそのような考え方が浸透してきていると聞いていたのですが、そうした効果が実際に予算の編成の場に出てきているのでしょうか。その1点だけ教えてください。

〔 吉川分科会長 〕 では、それだけ、主計官。

〔 井口主計官 〕 26ページでライフサイクルコストの管理のご説明をさせていただきました。実はこのライフサイクルコストの見積もりの中で、開発費が上がっているもの等々ございますが、本来、この見積もりの比較にあたっては、開発段階でさまざまな事情が生じ高価格化したような場合には、スペックダウンをすることも含めて、どう価格を抑えて安定的な数を調達するかも含めて管理することが求められております。そのような意味では、限られたお金でどこまでのスペックを要求するのか、あるいは、この装備品であればここまででいいといった割り切りも含めて個別に管理してもらうということでございます。その点についてもしっかり指摘をしながらトータルでのコスト管理をして頂きたいと思っております。

 中には、スペックを上げたことによって見積もりが上がっているものがありますが、全体のバランスの中での判断だと思いますが、防衛予算を硬直化させますと、柔軟な対応ができないことにもなりかねず、その点でも柔軟性を保った予算は重要だと思っております。

〔 吉川分科会長 〕 では、田中委員、お待たせしました。

〔 田中委員 〕 ありがとうございます。私のような全くの素人でも大変わかりやすく説明をしていただきました。納税者の視点からの素朴な感想と質問であります。1つは、12ページの資料に象徴されるように、外交安全保障はある種コンフィデンシャルでアンタッチャブルな印象を持っていたのですが、本日の説明で調達改善に関してはある程度可視化あるいは改善できることをお示しいただいているのではないかと思います。

 その上で2つの質問があります。1つは調達改善の効果を示すインディケーターは何であるのかと。それは、先ほどお示しいただいたLCC等々と理解していいのか、ほかにあるのかという点。2点目は、こういった点をどこまで国民に透明性を持って開示ができるのか、であります。

〔 吉川分科会長 〕 では。

〔 井口主計官 〕 調達改革につきましては、防衛省の方で節減努力をしなかった場合との比較をしますが、どこまで精緻にできるかということではございますけれども、具体的な数字を上げて、7,000億円を目指して積み上げていこうとしております。

 また、装備品の開発につきましてはなかなか単年度での比較が難しくなっておりますので、おっしゃるようにライフサイクルコストを1つのツールにしながら全体としてどのように管理していくかが重要だと思っております。

 二点目ですが、実はこの防衛省のライフサイクル報告書は公表されております。平成20年度は非常に薄い9ページぐらいのものだったのですが、最近は徐々に充実してきており、各自衛隊の主要装備をカバーするものになっております。防衛予算を使うことに対する説明責任、これは我が国のみならず問われているところでございますので、そうした国際的な流れも踏まえながら、我が国としてもきちんと対応していきたいと思っております。その意味では不断の努力が必要な分野だと思っております。ありがとうございます。

〔 吉川分科会長 〕 大宮委員、お願いいたします。

〔 大宮委員 〕 防衛装備品の一番売上が大きい企業なものですから少し言いにくい立場でもあるのですが、2つあります。企業にとってみると長期の予見性、特に防衛装備品は開発から調達まで時間が非常に長くかかるものですから、それらの予見性が比較的長期で示されると、今、撤退をしている企業もたくさん中小の中にはあるのですが、その辺がもう少しきちんと経営計画の頭の中に入るから、それで人員の確保とか投資をするというマインドが生まれるのではないかということが1点目です。こうした視点からすると、長期計画に少し踏み込まれている防衛省の計画そのものはいい方向ではないかなと思います。

 それからもう1点は、企業の数が比較的多いのですね。防衛装備品もコストのインセンティブを与えるために競争入札的なものになっている場合が多いのですが、企業の立場からすると、必ずしも好ましくなくて、例えば生産が分担されていると、調達の数が多ければそれを分配してやればいいということになりますけれども、ある年度のときは仕事がないということが起こり得ます。よって固定費をどう回収するか非常に頭を悩ませている会社群が、特に中小で多いのでないかと思います。

 したがって、それを、例えば企業の再編を国内で支援する形で、税制等の改善とか、何かいいようなインセンティブがつくものが出てくると随分といいのではないかと感じます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、予定した時間が参りましたので、本日の議論はここまでとさせていただきます。活発な議論ができたと思っています。

 毎回ですが、本日の会議の内容の公表につきましては私にお任せいただき、会議後の記者会見でご紹介させていただくことにさせていただいております。

 会議の個々の発言につきまして、皆様方から報道関係者等に対してお話をすることのないよう、恐縮ですがお願い申し上げます。

 次回は10月15日11時から予定しております。なお、お昼の時間を挟みますので、軽食を準備しております。よろしくお願いいたします。

 それでは、これで閉会とさせていただきます。ありがとうございました。 

午後 6時03分閉会

財務省の政策