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財政制度分科会(平成25年10月7日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録
平成25年10月7日
財政制度等審議会


 財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

平成25年10月7日(月)16:01〜18:01
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

1.開会

2.麻生財務大臣とのフリーディスカッション

3.事務局説明
・我が国の財政について
・当面の財政健全化に向けた取組等について-中期財政計画-
・中長期の経済財政に関する試算
・平成26年度予算の概算要求について
・消費税率引上げ判断について

4.財政制度分科会の今後の進め方について

5.閉会

配付資料
○ 資料1      財政制度等審議会財政制度分科会委員名簿
○ 資料2      我が国の財政について
○ 資料3      当面の財政健全化に向けた取組等について-中期財政計画-
○ 資料4      中長期の経済財政に関する試算(内閣府資料)   
○ 資料5      平成26年度予算の概算要求について
○ 資料6      消費税率及び地方消費税率の引上げとそれに伴う対応について

出席者

分科会長 吉川 洋           

 

麻生大臣
古川副大臣
愛知副大臣
葉梨大臣政務官
香川主計局長
福田次長
岡本次長
太田次長
大鹿総務課長
山本司計課長
窪田法規課長
井口給与共済課長
小宮調査課長
堀田官房参事官
江島主計企画官
堀内主計企画官
余島主計官
阪田主計官
有泉主計官
宇波主計官
青木主計官
井藤主計官
新川主計官
土谷主計官
高村主計官
小野主計官
中村主計官

 

分科会長代理     田近 栄治  
 委員

井伊 雅子
井堀 利宏
碓井 光明
倉重 篤郎
黒川 行治 
角   和夫
竹中 ナミ
田中 弥生
土居 丈朗
富田 俊基 
中里 透

 臨時委員

板垣 信幸
老川 祥一
大宮 英明
葛西 敬之
小林 毅


午後4時1分開会

〔 吉川分科会長 〕 それでは、定刻ですので、ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。

 皆様方には、ご多用中のところご出席いただきまして、まことにありがとうございます。

 本日は、麻生大臣のお時間をいただくことができましたので、はじめに大臣とのフリーディスカッションを行うこととしております。

 その後、事務局より我が国の財政、中期財政計画などについて説明をしていただいてから、質疑を行いたいと思います。

 また、本日は副大臣にご就任されました古川副大臣、愛知副大臣、大臣政務官にご就任されました葉梨政務官にもご出席いただいております。後ほど大臣からご挨拶をいただく際に、ご一緒にご挨拶をお願いしたいと考えております。

 なお、山本政務官はご所用のため、本日はご欠席です。

 審議に先立ちまして、今回新しく臨時委員に就任いただいたお二方の名前をご紹介させていただきます。

 読売新聞グループ本社取締役最高顧問・主筆代理、老川祥一委員でございます。

〔 老川委員 〕 老川でございます。よろしくお願いします。

〔 吉川分科会長 〕 同じく三菱工業株式会社取締役会長、大宮英明委員です。

〔 大宮委員 〕 大宮でございます。よろしくお願いいたします。

〔 吉川分科会長 〕 お願いいたします。

 それでは、麻生財務大臣からご挨拶をいただきたいと存じます。カメラが入りますので、そのままお待ちください。

(報道カメラ入室)

〔 吉川分科会長 〕 よろしくお願いします。

〔 麻生大臣 〕 麻生太郎です。

 それでは、財政制度審議会財政制度分科会が開催されるに当たりまして、私のほうから一言ご挨拶を申し上げ、あわせて新しく就任いたしました副大臣、政務官もご紹介させていただきたいと存じます。

 常日ごろから吉川会長はじめ、皆様方には大変お力添えいただいておりますことに心から感謝を申し上げます。

 さて、ご存じのように去る10月1日に安倍総理においては、消費税率を法律どおり来年4月1日より5%から8%に3%引き上げることを決断され、その旨を表明されております。社会保障・税一体改革のもと、社会保障充実・安定化と財政健全化を図るための大きな第一歩であると私どもは考えております。

 あわせて、低所得者対策や駆込み需要、反動減等々への対応、また、景気の下振れリスクに対応して、経済の成長率を底上げする、そういうために経済政策パッケージというものを決定させていただいております。

 このように安倍内閣におきましては、持続的な経済成長と財政健全化の両立を図るということを経済運営の基本方針といたしております。ちなみに、これは、このたび開かれましたG20におきましても、各国ほぼ同様の方向を示しておるというのはご存じのとおりです。

 いずれにせよ、財政健全化に向けて歳出・歳入両面から改革を図っていく必要性につきましては、これまでもこの審議会から何回となくご提言をいただいておるところでもあります。その成果が社会保障・税一体改革という形で実を結んだものだと、そのように考えているところです。

 消費税率引上げの判断に先立ちまして、政府は、これまで掲げてきた財政健全化目標を達成するために具体的な道筋を示しております中期財政計画を8月に策定したところでもあります。この計画は、2015年度の国・地方のプライマリーバランスの赤字を半減させるため、赤字の大宗が帰属をしております国の一般会計のプライマリーバランスを2014年度と2015年度で4兆円ずつ改善するとの具体的な数値目標を明記いたしております。

 また、中期的な財政計画を策定することは、全ての先進国の課題にもなっております。9月にサンクトペテルブルクで開かれましたG20のサミットにおきましても、安倍総理自ら中期財政計画を説明され、各国の理解が得られたところでもあります。

 来年度予算におきましては、中期財政計画の枠組みに沿って4兆円のプライマリーバランスの改善を図ることが最大の目標であります。歳出につきましても、無駄を最大限縮減しつつ、重点化、効率化を図り、同時に経済再生の動きをしっかり支えていく必要があろうと考えております。

 また、消費税率引上げに伴い国民に負担を求めることになりますので、社会保障はじめ予算の中身につきましては国民の関心が極めて高くなっていると存じます。国民が納得できるような、納税者が納得できるような予算となるように、各歳出分野について先生方をはじめ、経済界、マスコミなど各界の方々に幅広く議論していただく必要があろうと存じます。いただいたご意見、ご提案、来年度の予算に最大限反映させたいと考えております。高い見地からの活発なご議論をよろしくお願い申し上げ、ご挨拶にかえさせていただきます。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 では、続きまして古川副大臣、お願いいたします。

〔 古川副大臣 〕 このたび財務副大臣を拝命いたしました衆議院議員の古川禎久と申します。

 大臣からは特に予算、そして財投、国債、国有財産、政策金融、金融関係、そして衆議院の事務等について指示をいただいております。大臣をお支えして、しっかり頑張ってまいりますので、先生方のご指導をよろしくお願い申し上げます。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 では、続きまして愛知副大臣、お願いいたします。

〔 愛知副大臣 〕 ただいまご紹介いただきました副大臣の愛知治郎でございます。このたび古川副大臣とともに副大臣を拝命いたしました。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 私、世代も若い世代もございますので、将来にわたって責任ある財政政策を行っていかなければなりません。そのためにしっかりとした財政制度構築のために、委員の皆様方のご指導、ご鞭撻を賜りますように心からお願い申し上げまして、一言のご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 では、続きまして葉梨政務官、よろしくお願いいたします。

〔 葉梨大臣政務官 〕 このたび大臣政務官を拝命いたしました葉梨康弘でございます。よろしくお願い申し上げます。

 大臣からは、衆議院とそれから財務省の行政全般について見るようにとご指示をいただいておりますが、麻生大臣をしっかりとお支えして、財政再建と経済の再生に私も微力でありますけれども力を尽くしてまいりたいと思います。先生方からは、ぜひともご指導をよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 それでは、以上で報道はご退室ください。お願いいたします。

(報道カメラ退室)

〔 吉川分科会長 〕 それでは、麻生大臣にご出席いただいておりますので、この機会に皆様方から何かご意見、ご質問がございましたらお願いいたします。せっかくの貴重な機会ですので、どなたからでも結構です。よろしくお願いします。いかがでしょうか。では、富田委員。

〔 富田委員 〕 大臣、どうもありがとうございました。ちょっと2点、気になることを申し上げるのですが、今日のお話の中では2020年度の国・地方のプライマリーバランスの黒字化ということについての言及がございませんで、やはり長期的な視点というのが重要でありますので、なぜ2015年で終わってしまっているのかということが第1点です。

 もう一点は、ちょっと計数にかかわることなのですけども、先ほど大臣は4兆円ずつ2年間、プライマリー赤字を減少させるとおっしゃいました。ですけども、国全体のプライマリー赤字は、本年度見込み34兆円です。一般会計は23兆でして、それを4兆ずつ減らしていくということなんですけれども、この34兆と23兆、開きが非常に大きくて、一般会計が財政全体をつかさどるコントロールタワーになっているわけですから、ここが健全化すれば全体が健全化するというのは、そのとおりなんですけれども、なぜ当初の予算で4兆ずつでいいのか。

 国全体ですと、34兆が17兆で半減ですから、2年間で17兆なんですね。それが何か予算を組むときに8兆で済んでしまうということが閣議了解として別紙に示されているのです。これは、やや不足ではないかということです。

 ついでにもう一点ですが、すみません。消費税率、今般、引上げが決まりまして、社会保障の充実以外のところで来年度5兆1,000億円寄与がある。もちろん、そこから消費税率引上げに伴います歳出増加ということを除かねばなりませんけども、その税収増と先ほど言われた4兆円ですと、歳出を横ばいで保てば、これも難しいことなんですけども、来年度は達成できちゃうように見えるんですけども、その点はどうなんでしょうか。

 すみません、3つであります。

〔 麻生大臣 〕 まず最初の富田先生からのご質問をいただきましたけれども、2020年というのは、もちろん基本的には今までどおりの方向で、あえて申し上げなかっただけで、目先では2015年がまずは来ていますので、2015年の話をさせていただきました。

 4兆円ずつ改善するという話等々につきまして、細かい話もきちんと説明させていただかんと、一方的な話だけまかり通ると話が込み入りますので、主計局長の香川から説明します。これ、よく聞いていただかないと、皆さんみたいにプロを任じておられる方でも結構話は込み入っていますので、よろしくお願い申し上げます。

〔 香川主計局長 〕 一般会計だけで見ると23兆を15兆にするという数字出ていますけど、さっきの34兆とこの23兆との差は特会、あと地方の分なんですが、その内訳はまた後で具体的に説明します。

〔 吉川分科会長 〕 では、ほかにいかがでしょうか。土居委員。

〔 土居委員 〕 富田先生に続きまして、大臣に1つご質問させていただきたいと思います。

 来年には5年に一度の年金の財政検証を控えております。麻生大臣が総理であられたときに、2009年の年金の財政検証を出したわけですけれども、それから5年たちまして、まだデフレが完全には脱却していないこと、それから賃金が予想以上には上がっていないということによって、この5年間で年金の保険料収入は伸び悩んでいる。国庫負担については、消費税率が引き上げられるので、国庫負担の部分の消費税での手当てというものが確保できたことは大変喜ばしいことでありますけれども、2009年の財政検証のときには、2004年のときよりも年金の運用利回りを3.2%から4.1%に上げていて、それでも100年安心であるということで、特段の法改正はなく、そのまま検証は終わった。

 ただ、2009年から2014年の間に今申し上げたようなことがあるということと、あと、私がもう一つ心配しているのは、デフレ下ではマクロ経済スライドを適用できなかったということで、保険給付が増えていて、特例水準は解消されるということになりましたけれども、デフレの脱却がないとマクロスライドが発動されない、このような環境がある。大臣もご承知だと思います。

 できれば、私自身としては、2014年までの残り半年余の間に広く国民に、今後どういう形の年金になるのかという姿をお示しいただきながら、最終的に内閣として年金の財政検証を正式に確定したものとしてご公表なさり、かつ法改正が必要なところは法改正なさるということで、2014年を迎えられるといいなというふうに思っておりまして、実際の実務は厚生労働省が進めるということでありますけれども、最終段階では今後の財政運営に非常に大きな影響を及ぼすものでありますから、ぜひ麻生大臣、今思っておられることをご披露いただければと思います。

〔 麻生大臣 〕 デフレの継続というのが一番大きな要素になったんだと私も、その点はそう思います。土居先生ご存じのように、ピークは1989年12月29日、東証の株価平均が3万8,915円、あれが多分、一番株の高かったときで、新聞予想によれば、例によって90年代は黄金の90年代で、4万円になるとかいう例のいいかげんな話が、物の見事に例によって外れて、それから下がりに下がって、株は7,050円程度まで一時期下がったのはご存じのとおりです。

 ご存じのように年金も株で運用している部分がありますので、その運用部分の益で行きますと、去年の分というのは今年の3月に締めたのですが、運用基金はプラスの11兆2,000億に一挙に大きな黒字になった。11兆のうち7兆円強は今年の1−3、残りの4兆円弱のうち去年の10−12で5兆円増えておりますので、これは単に株が上がったからだけです。

 私は、それが答えなのだと思いますが、現金なもので、その話が出た途端に年金の話をする人は全くいなくなって、このところ、年金の話が心配だという声は街に出ても聞かれることはなくなった。株の運用というようなもので、年金の運用というものに関して内容というのをどれくらい開示するかは別にしても、年金が安心なのだという周知は大事なことだと思いますので、今言われたようにどの程度のものまでが可能なのか、どの程度のまでを示すべきなのか。不安をあおるつもりは全くありませんので、年金は極めて健全に運用されているんだということと、もう一点は、基本的には高齢化が問題なのではなくて、少子化の結果、高齢化の問題が大きくなっておりますので、そういった意味では、今後ともこの問題については国民全員で考えていかねばならぬ大事な問題なんだという点等々、わかりやすく説明するということは今後とも努めていきたいと思っております。

〔 吉川分科会長 〕 いかがでしょうか。老川委員。

〔 老川委員 〕 老川でございます。

 今のこととも若干関連しますが、消費税については、今日の読売新聞だけでなく、ほかの社の世論調査を見ましても大体50%を超えて評価すると、こういう国民の反応が出ていますので、大変よかったと思う。ただ、よかった、よかったで、理解が進んだなというところで安心されても困るんで、やはり国民が今の財政状況、あるいは社会保障、そういう面から見て消費税アップはやむを得ないなというふうに思っていることは間違いないんですけれども、ほんとうに社会保障のほうに使われるんだろうかというあたりについて、みんな、もやもやした感じを持っているというのが実態だと思うんですね。

 法律なり、予算総則には福祉目的に使うということがはっきり書いてあるわけでありますけれども、しかし、お金に色がついているわけじゃありませんから、結局、どこに行っちゃったのかよくわからないということでも困るので、そういう意味で今度の予算編成は、今おっしゃったような、年金はともかく、少子化対策、あるいは医療・介護について、こういうふうに新しく変わったんだとか、あるいは変えるための一歩がこうなったんだというようなことが示される工夫が何か必要じゃないのかなという感じがしておりますので、それぞれの費目は役所ごとにいろいろ違ってくると思うんですが、それらを束ねた格好で、消費税アップによって、ここがこう変わったというようなことをわかりやすく説明していただく工夫が要るんじゃないのかなというふうに感じますので、質問というよりは意見として述べさせていただきます。

〔 麻生大臣 〕 今おっしゃいましたように、これは社会保障と税の一体改革というお題目でスタートさせていただいております。きちんと運用いたしますのは財務当局なり、いわゆる官僚がきちんとやっていきますので、書かれたとおりにきちんとやっていくということに関しましては、これは主に役所がきちんとやっていく仕事なんで、政治家のやる仕事とはちょっと違いますので、きちんとやっていくという方針は法律に書いてあるとおりにきちんとやっていきたい。私どももそう思っておりますし、基本的にそのような方向で進んでいかせたいと思っておりますし、事実そのように進まなければならないものだとも思っております。それが1点。

 わかりやすくというので、2分の1補填等々に約3兆円の金が使われる等々については当然のことなのでして、その他子ども手当に零点何兆円とか、一応、決められた形で予算編成をしようと厚労省等々とも話をして、今、事を進めておりますので、いずれにしても、そういった内容をわかりやすく、きちんとした形で、こういったものに進めていきたいということを説明する、わかりやすく説明するというのはやらせていかねばならぬと思っております。

 もう一点申し上げておきますが、安心しているというお話がありましたけど、私はもう2%のほうも重要なんだと思っているんです。私どもは少なくとも3%に加えて次の2%のほうもよっぽど重要なんだと。2%上げて5%で社会保障と税の一体改革というルールは社会保障会議でも決めていただいておりますんで、5%に行って初めてある程度安心という言葉が使えるかどうかは別にして、そういった状況になっておりますんで、私どもとしては3%に加えて次の2%も上げられるような経済状況、すなわちデフレ脱却が終わり、インフレーションがそこそこというような形にしないと次のところに進んで行けないと思って、私ども、予算編成やら、財政が出動せねばならぬ部分等々、いろいろ検討している最中でして、今おっしゃったように、こういった点はきちんと説明はもちろんのことですけれども、決して安心しているわけではなく、次の段階に進んでいくために引き続き努力してまいらねばならぬと考えております。

〔 吉川分科会長 〕 ほかにいかがでしょうか。倉重さん。

〔 倉重委員 〕 毎日の倉重です。

 消費税について関連して、今回は非常に民主的な手続を尽くして消費増税を政治決定させたという局面だったと思うんですが、しかし、私から見ていると、去年の法案が成立しているものをまた変えるとなると国会対策、党内対策がなかなか大変で、それは現実問題としてなし得ない道だったのではないかと思っているのですが、しかし、今おっしゃるように将来を見通すためにも、今回、財政を担当する麻生大臣の目から見て、しかも副総理である麻生大臣の目から見て、もしかしたらこの法律を延期しなくちゃいけないと思われる局面があったのかどうか、それをまず1つお聞きしたいのと、法律どおり決定することができた結果になったわけですが、何が一番決定的な要因だったのか。その2点をお聞かせください。

〔 麻生大臣 〕 基本的には、G20でこれまで二度ほど発言させていただいておりますが、倉重さん、ご存じのようにG20も随分変わったんですよ。私が最初に行ったのは2月だったかな、あのころは日本による円安誘導というので一色でしたから。ですから、そこでちょっと待てと。少なくともドイツからは、そんなことを言われる覚えはない、あんたたちは一番言える立場にないはずだと。なぜなら、少なくともリーマンショックのときに日本から10兆円の融資をIMFに出して、世界の金融収縮というのをとめるようにしたじゃないか。あのとき総理大臣なり、国の元首の立場にいて、今ずっとまだいるのはメルケル、ドイツ一人ですから。あとは全部かわりましたから。

 したがって、あのころのいきさつをあなたたちは知らないとは言わせない。あのとき約束したじゃないか。少なくとも通貨安戦争はしない、関税を上げるという競争はやらない、そして、いわゆるブロック経済はやらない。これは、第2次大戦に突入していく大きな理由だったんだから、この3つをやらないということをみんなで約束したはずだ。忘れたなんて言ってもらっては困りますよ。少なくとも、あのころは108円だった。それが75円まで円高になった、通貨高に追い込まれて、俺たちは文句を言ったか。一回も言っておらん。しかも、あのときは、おたくらと違って貿易収支が大黒字だったから、俺たちは黙って耐えた。

 しかし、それから5年たって、今はどうなっているかといえば、通貨は七十何円にまではね上がり、貿易収支は石油、ガス等々、原発停止の影響で、うちは大赤字。したがって、俺たちがやらねばならぬ経済対策をやった結果、副次的に生まれたのが円安なんだ。だから、円安を最初の目的としたわけではないということだけははっきりしている。日本の経済復興のために、これが一番なんだ。したがって、財政出動するということは当然の結果だ。俺たちはデフレなんだという話をして、以後、この種の話はG20では全くなくなったと思います。

 4月に行ったときに何になったかといったら、今度は財政出動することによって、財政はさらにぐあいの悪いことになる。したがって、財政均衡化というのはできないのではないかということが4月の話題だったと思います。それに対して、失礼だけど、俺たちは上院、下院、日本では衆議院、参議院がねじれているという状況は、アメリカやらおたくらと俺のところも同じ。しかし、それにもかかわらず日本は間違いなく、与野党合意で消費税を上げるという、およそ有権者受けしない法律を決めたんだ。ねじれていても決めた。したがって、俺たちのほうがおたくらの国より民主主義の成熟度合いが高い。あなたらと一緒にしないでもらいたい。俺のところは必ず上げるということを決めているのだから、何を文句言われる筋合いがある。俺たちはちゃんとやることにしているといって、事実、この10月1日決めましたから、それでよかったんだと思っていますけれども、それ以後、財政に関して他国から言われたことはゼロです。

 それがさらに下がって、今回のG20では何になったかといえば、財政出動と我々が言ったのに対して、世界中は経済成長しない限り財政再建はできないと。我々が財政再建と経済成長は両立すると言い続けた案にG20全部足踏みをそろえるということにまで、この9カ月間ぐらいで大きく変化していったのだと僕はそう思っています。

 したがって、今回の財政のことに関して、今までどおりでやれるようになっていたのではないかと言われますけど、その点に関してはいろいろなご意見の方がマスコミ界にいらっしゃいましたし、いろんな業界にいらっしゃいまして、上げるべきじゃない、1%ずつ上げろとか、上げるなとか、一挙に来年まとめて10%にしろとか、いろいろなご意見が総理のところにも届いていたり、私らのところでもいろいろ伺っていましたんで、現実にやらねばいけない立場にいるのが私なので、とても1%ずつなんていうことはできませんし、大体、小売業者で、そんなことを望んでいる人は一人もいません。

 細かい話で、1%ずつなんてプログラムを変えるだけだって大変な騒ぎですよ、その経費は一体誰が払うんですかというような話を申し上げて、この話をとうとうやらせていただきましたけども、これを変更するとなったら、変更するための法律を今回の臨時国会で出さねばいけないことになりますんで、国会は消費税の話だけになって、経済成長戦略なんていうことは二の次という話に追いやられますので、予定どおりやらないと臨時国会でもえらい騒ぎになるというのは正直な実感でした。

 したがって、私どもとして、消費税を上げるためには経済を少なくともデフレからインフレのほうに、経済の停滞から成長へ舵を切るということに最大の関心を置きましたので、その方向に総理が発言する。アナウンスメント効果が一番大きいのは総理ですから、ご自身で言っていただく。そういった話をわかりやすく、ご自分の言葉で言っていただくということを申し上げて、事実言っていただきました。

 おかげで去年の7−9でGDPはマイナス3.5%だったものが、この1−3ではプラス4.1になりましたし、4−6でも最後の2次でプラス3.8まで行ったんですかね。そういった形で、間違いなく経済はよくなってきているということをきちんとした数字の上でも出すことができ、有効求人倍率も0.95まで上がりましたので、そういった意味では、附則第18条第3項に書いてあるあの部分に関しましては、我々はきちんと、それを補うような数字を出しているということがありましたから、今回の3%に関してはきちんと法律どおりやらせていただける状況は、少なくともこれを決めたときよりははるかに状況はよくなっているという自信がありましたので、やらせていただいたのが背景です。

 したがって、先ほど申し上げましたけど、もう2%の部分が残っておりますので、その2%を決めさせていただくときには、少なくとも私どもとしては、今の状況を維持していく形になっているような予算編成をやらねばならんのではないか、そのように考えております。

〔 吉川分科会長 〕 では、田中委員、最初お願いします。

〔 田中委員 〕 ありがとうございます。皆さん、消費税のお話はされるんですけど、やはり復興の話はどうしても入れなくてはいけないかと思いまして質問させていただきます。

 私は、この委員をさせていただいているということもあって、納税者意識は普通の人よりは高いかなと思っていたんですが、復興のために給料をこの2年近く10%ずつカットされていますので、そうなるとますます非常に気になっていて、復興予算が消化しきれていないと聞きますと、憤りもあります。

 そんな中で、どうしても復興対策といいますと、幾ら幾らの予算を積んだという説明を、政治家の方は結構されるんですが、被災地の方たちは、それでは全然満足されません。予算というインプットではなくて、何がどういう目標で、どこまでできているかということ、あるいは目指すのかということを具体的に説明しないと、予算を組むだけでは通用しなくなっているかなということを感じますので、ぜひ麻生大臣から、その点についてご意見を聞かせていただけたらと思います。

〔 麻生大臣 〕 今、田中先生がおっしゃった点に関しましては、私も現場に何回か伺ったことがあるので、今言われましたように、数字の話は県から出ているのか、町から出ているのか、国から出ているのか、こんなものは関係ないんですね。要はきちんとどうなっているかのほうに関心があるというのは、これは被災者の方々の共通の認識なんだと私はそう思いますので、今言われましたように見えるような形にせないかんというようなことが1つ。

 宮城県とかの感覚と、浜通りというのは福島県の海岸側ですが、浜通りとの感覚とは大分違うものがあります。それは、目に見える形になっている地域と、そうじゃない地域との差なんだと思いますが、おっしゃられるとおりで、どのようなものが今できているのかが見えていると、何とか進んでいるなと感じるというのが1つ。

 もう一点は、金はどういった形のものになっていて、将来こういった形になりますというようなものが、絵でもいいんで、ビジュアルな説明をしないといかんのではないですかという話は、根本復興担当大臣にもその話はしてあるので、あちらは福島県出身だということもおありになるのでしょうが、福島以外の県とよく比較してみて、ほかのところはどんどん瓦礫が減っていったりしていますので、いろんな形でビジュアルに見えますから。そういったものを含めて、これはこういうぐあいに金を使って、何千億円なり、何百億円で、これがこれだけになったんですというのが見えるように、かつ、これからやるところに関しては絵で見せるというような努力が必要かな、私もそう思います。

〔 吉川分科会長 〕 板垣委員。

〔 板垣委員 〕 NHK、板垣です。

 消費税率を引き上げたということは正しい判断だと私は思うわけですが、そのために金を使い過ぎているというのが、この一、二年の流れを見て思うわけです。つまり、24年度は10兆円、今回5兆円やると。しかも、本予算自体がばんばんに膨れ上がっている中で、もう少し効率のいいやり方があったのではないか。

 今、こういう放漫な予算の組み方をやっていると、これが延々と続くのではないかという誤ったメッセージを世の中に投げかけかねないということがあると思うんですね。麻生大臣は、そんなことはもう十分ご承知の上で実行されているんだと思いますけれども、その辺についてはどう思われますか。

〔 麻生大臣 〕 ちょっと話題が横に飛ぶようで恐縮ですけれども、式年遷宮というのが去る10月2日に行われております。20年に一遍。20年前、細川護煕欠席、40年前、田中角栄欠席、その前、吉田茂、あの距離歩けませんので、これも欠席。歩いて、あそこに出た総理大臣というのは浜口雄幸が最後です。そのときの財務大臣は誰だったか、井上準之助です。両方とも暗殺されております。したがって、今回もその覚悟をしておかないと、両方ともいけませんなと言ったら、全然冗談が通じなくて、こんなときに言う話じゃないとほかの人に叱られたんですけれども、今言われましたように、財政出動という形でデフレ経済からの脱却というものに成功したのは岡田啓介。

 これは与党は立憲民政党だったんですが、政友会の総裁だった高橋是清という元内閣総理大臣、日銀総裁、大蔵大臣だった人を政友会から引き抜いて大蔵大臣に据えて、そして、その高橋是清に財政再建、また、今回のリーマンと似たような話なんですけれども、アメリカ発のデフレ不況というものの脱却に成功させたということになっておりますが、あの成功した話に影響を受けたのはフランクリン・ルーズベルトで、この人は高橋是清の案をニューディールという風呂敷紙に包んで、1933年に彼は大統領になり、1937年には再選をされる。そのときはGDPはもとに戻したし、失業率は約半分に落としたし、大いに当たったんだと思いますが、問題は、高橋是清の場合は再び岡田啓介内閣のときにもう一回、7回目の財務大臣を要請されて受けております。

 何をしたかといえば、そのときはデフレが終わってインフレになったんです。そして、インフレにはインフレ対策ですと、この人は言って、いわゆる今度は歳出をばんばん切ったわけです。軍事費も抑制しようとし、軍部と対立。結果として暗殺、2.26事件です。

 ご存じのとおりなんで、そういった意味では出口はなかなか難しい。アメリカもQEとかについて、ちょっと言っただけで、緩めたら文句言われ、縮小したら文句言われ、どっちをやればいいんだと言いたくなるぐらい、アメリカのバーナンキ議長、頭が痛いところと言っていましたけども、アメリカというのは、その辺は言わなきゃいかんみたいになっているみたいで、色々しゃべるおかげで、対応としては非常に厳しいことになってきて、今、アメリカとしては、その対応で困っているという話なんですけども。

 私ども日本としては、アメリカと日本というのは、この種のことに関しては世界の大国ですから、やっぱり日銀総裁とバーナンキとはきちっと連絡を密にして、片方が緩めたら片方は縮めるとか、いろんな形で連絡を取り合って、新興国からの一連の不満なり、不況の拡大なりということを回避するということと同時に、私どもとしては予定どおりデフレからインフレにという形で、今、2%の目標をしておりますけども、達した段階では、我々、予算の編成の方針はきちんと変えていかなきゃいかん。

 事実、それに見合っただけの財政出動をしておりますけど、景気がよくなれば税収が増えることになる。その税収できちんとした形でやる。GDPを増やすことによって、対国債の比率、今の500対1,000なんていうものを550対1,000なり、600対1,000なり、いろんな形でやっていかないといかん。というような形で方向を押さえておかなきゃいかんので、そのタイミングは、残念ながら今の時期ではないんであって、いずれ、そういった時期に来るようにしないといけないと思っていますけども、まだその時期がいつかとまで申し上げられるほど日本のデフレ不況が終わっているわけではありませんので、今、回復途中と思っておりますが、ぜひとも早い段階で財政出動に頼らないでいけるような民間の景気回復というものが期待できるような、民間の税収増が期待できるような形にしていかねばならぬと思っています。

 ちょっとその時期までは申し上げられませんけども、そういったことをやらなければならんということに関しては、きちっと認識しているつもりであります。

〔 吉川分科会長 〕 いかがでしょうか。小林委員。

〔 小林委員 〕 産経新聞の小林でございます。

 今までのお話を聞いていてご提案というか、要望に近いものがあるんですけども、我々もそうなんですが、どうしても日本の財政というのは予算重視みたいなところがあって、こういうのに使います、こういうのに使いますというのがあった。ただ、消費税の問題があり、先ほど復興費の問題もあって、むしろ決算、どう使いましたというのをもう少し前面に出したようなプレゼンテーション、そういうのをやってほうがいいのではないかなと。

 ただ、これには1つ問題があって、決算委員会になるまでが非常に時間がかかってしまう。年度が終わって、時間がかかってしまうと、どうしてもメディアのほうもやや引いてしまうというところもあります。

 ですから、途中経過でも、ある程度のところでも構わないんで、少しでも早く、昨年、これはここまで、こういうのが使われましたということをある程度見える化といいますか、可視化といいますか、見せる形で開示していくことが国民も納得してくれるんじゃないのかなと。

 消費増税で先ほど50%以上評価があったということは、裏を返すと、やっぱり半分ぐらいの人が納得していないということでもあるわけですから、そういう人たちが何で納得していないかというと、上がった分が何に使われているかよく分からない、そういうところがあると思うんですね。だから、それを国民に一つ一つ答えていくしかないんじゃないか。おそらく長年かかった官僚制度の中ではいろんな仕組みがあって、集まってくるのに時間がかかりますということがあると思いますので、これを素早くやらせるのはもう政治しかないのではないかという気がいたします。これは質問というよりも要望であります。

〔 麻生大臣 〕 この点に関しましては全くおっしゃるとおりで、私は会社の経営からこの世界に来たせいもあるんですが、会社はやっぱり決算が大事で、予算よりは決算なんですよね。ところが、永田町とか霞が関というところは予算のほうが大事で、決算というのは新聞なんかほとんど関心なんかありませんし、関心がないようなものを一生懸命やる人もいません。

 今おっしゃったことは、まことにごもっともな話なんで、こういった形のもので決算というものがなるべく早くてというところがなかなか難しいところなんですけども、時間が少々。中央行政、全部上げてきますので、決算というと1円まできちっと合わないと首が飛ぶような話ですから、会社とそこらのところが少々。

 1,000円ぐらいとかいったって、そうはいかない世界なもんですから、そこのところを完璧を期すもんですから、どうしたって手間がかかるという形になっているんだと思いますが、途中経過とか、いろんな形で、今言われたような方向で出すというのは考えられる方法ではないかなと思いますので、いずれにしても、ちゃんと予算で2,300億つきました。実際には2,290億で10億余りましたというような話がきちんと出せる、端数まで出てくるとなると結構な時間がかかるけど、その手前の段階まで何とかというお話は私どもとして検討せないかんところで、途中経過という発表がいいのか、どうか。

 最近、1次とか2次とかいう言葉も、この間の4−6のGDPでも1次QEは2.6、2次QEになると1%違って3.8とか、違い過ぎるだろうと思いましたけど、あれぐらい早くやるとずれますんで、どうしてもそこらのところはきちんとやらねばならぬという圧力、プレッシャーがありますんで、どうしても時間がかかるのかなとは思っております。

 いずれにしても、検討させていただきます。

〔 吉川分科会長 〕 いかがでしょうか。はい。

〔 黒川委員 〕 ありがとうございます。慶應大学の黒川でございます。

 グローバル経済が進んで、日本の企業の生産拠点が海外に出ていくという状況は共通で認識されており、それを何とか止める、あるいは戻すというような政策を講じないと、雇用の維持や、経済の持続的成長にとってますます大きな問題となる。そこで、法人税率の軽減という話題があったわけですけれども、この問題を一時的な対策として見るのか、あるいは税制の抜本的な構造、要するに法人税というようなものから個人税へ、あるいは消費税も含めて間接税ですけれども、間接税重視へというような構造的に税の内容を変えていくというような、その兆しというふうに法人税軽減の話題を考えるべきなのかどうか。この辺、麻生先生はどういうふうにお考えでしょうか。

〔 麻生大臣 〕 これは、黒川先生、直間比率の見直しという話は、私らが国会議員に当選したときですから、三十数年前からこの話があるような気がしますけども、いずれにしても、直接税、間接税でいけば、やっぱり直間比率というのは、7対3ぐらいだったものが、今少しずつ6対4をちょっと超えてきたような形まできているんだと思いますけれども、これは、国民の意識の大根本にかかわってくるところなんだと思いますんで、法人税というのは、かつて法人が非常に強い時代、シャウプ税制等々さかのぼりまして、あの時代にさかのぼって、昭和20年代と今と比べてみますと、法人税の占める比率とか、そういったものが随分変わってきたことは確かなのだと思っております。

 また、傍ら国際競争をやっていく以上、少なくとも日本だけ特別に安いのではなくて、一応、ワールドスタンダードとか、そういうものが法人税にあるかどうか知りませんけども、少なくとも韓国等々に合わせるというんであれば、30%を切っておりますので、そういった意味では38を28にすれば、それで10%。10%といえば4兆円。4兆円の法人税の原資を賄うだけのものをどこで取るかといえば、それは課税対象を広げるとか、いろんな形があると思うので、これはいろいろご意見の分かれるところなんだと思います。

 私はよく言うんですけど、税というのは難しくなり過ぎていますもんね。日本人は頭がいいかなんか知らんけども。

 でも、正直申し上げて、こういったような話というのは、しっかりした議論をした上でやらないと、長いことここまで来ていますので、法人税の話に限らず、少なくとも消費税で1桁のところ、アメリカ以外は大体。アメリカ、消費税とは言いませんけども、州税によって違いますんで、あそこも一概には言えないんですけれども、ほかの国のように20%だ、22%だという方向みたいな形にしてという話に国民が納得するかといえば、アメリカのような低福祉低負担、北欧のような高福祉高負担、どちらをとりますかといえば、多分、日本の多くの方々は、その間ぐらいの中福祉中負担ぐらいではないのかなと、私自身はそう思っております。

 したがって、今の時代で見ますと、景気がよくなってくれば法人税収が自動的に上がってくる部分は確かにありますけれども、その分だけで賄えるかといえば、僕はなかなかそうはいかない。傍ら、法人は海外に出ていくという部分もありますけれども、海外に出ていった方々が今、随分帰ってきておられるという部分もあります。

 そういう現実を見てみますと、これはどこかで決めなければいけないというのを、徐々に決めるのか、今すぐ決めるのか、いろいろ意見の分かれるところでもあると思いますけれども、いずれにしても、直間比率の見直しに始まり、相続税、所得税、法人税、いろいろありますけども、そういったものを含めてきちんと一回大議論をやらなければならんということになりつつあるのかなという感じは私自身はしております。

〔 吉川分科会長 〕 角委員、時間がそろそろです。簡潔にお願いします。

〔 角委員 〕 今のお話に関連してのことですけれども、直間比率の問題ももちろんありますけれども、いわゆる所得の捕捉をできていない部分が海外に比べて非常に多いと思うのです。マイナンバー法案も通りましたので、マイナンバーだけではまだ捕捉できない部分が多々ありますから、やはり企業も税金を払い、そこの社員も税金を払いというのはちょっといびつな面もありますので、できるだけ個人の所得をきちっと捕捉して税を取るというのが原則だと思いますので、ぜひマイナンバーを早期に実効あるものにしていただきたいというのが1点です。

 それと、オリンピックが決まって国は非常に明るいのですけれども、やはり東京一極集中がさらに進んでいくということは否めない事実だと思います。そういった中で、法人の地方所得課税、これを国税と一本化していただいて、それを調整して、再配分に使っていただくということを経団連からもお願いしておりますので、ぜひご検討をお願いしたいというふうに思います。

 以上です。

〔 麻生大臣 〕 今のご意見で地方税という話があって、これはなかなか意見の分かれるところだと思いますけども、法人税の場合は、いわゆる本社を東京に置いている企業の率が圧倒的に高いために、東京は法人税が膨大なものが入るのに比べて、他の隣接県にはそれほどのことがないというようなこと等々がありますんで、そういったところをどうやってやるかということにもなっていくんですが、いずれにしても、法人税の現住所が海外にあるというような形になっているように、例のBEPSと言われる、いわゆるケイマン諸島だ、いろんな話が今、世界中で話題になってきていますが、この種の話含めて、我々は税のあり方をきちんと捕捉されているかといえば、アップルも払ってないじゃないか、グーグルも払ってないじゃないか、みんな税金を払ってないじゃないかということに関しましては、G20財務大臣会議で日本が提案して、きちんとやらないとおかしいということを言って、今、イギリスとドイツが熱を上げて一生懸命やっているんですが、幸いOECDの租税委員長は、今、日本の財務省から出ているのがしていますので、そういった意味では、この方向で税の捕捉という面で言いますと、捕捉しやすいところから捕捉しているんであって、捕捉しにくいところが一番手が抜けておるという話を角先生しておられるんだと思いますが、事実そういう形になっておりますんで、そういったところをきちんと法律の上で税を払っていないところを。

 あれ、問題なのは非合法じゃありませんから、合法的に払っておらんわけですから、あれは間違いなく法律は全然違反していません。だから、問題なんです。したがって、そういったものがきちんとした形で捕捉できる法律に変えて、抜けたら脱税という形にできるようなルールに変えていく。少々手間がかかるとは思いますけども、今、日本が委員長をしておりますんで、そういった意味で、これを今後やっていかねばならぬ大事な主題の1つで、OECD、今、多分これが一番の関心事といってもいいくらい、これに話が集中してきていますけれども、いずれにしても、私どもとしては、今言われたように税の捕捉の問題に関しましては、今からいろいろ出てくるところだとは思いますけれども、税を捕捉しやすいのは消費税、消費税が一番捕捉しやすいではないかと。これがよく言われる例ですけれども、そういった意味では、私どもとしては消費税という一番捕捉しやすい面でやったほうが金も力も、誰からも満遍なく。

 ただし、ある程度の税率が上がれば、その段階で食料費はどうにかするとか、軽減税率は考えなければいかんところだと思ってはいるんですけれども、少なくとも今の段階で税の捕捉という面でいきますと、やっぱり景気が悪いから法人税なんか払っている企業は3割ぐらいかな、そんなもんだと思いますので、残り7割は払っておられんわけですから、払っていない人の法人税率なんか下げたって、下げてもらったほうも全然得にもなりませんから。そういった意味では、私どもとしては、こういった問題は今の時代に合わせて少し考えなければいかんところだとは思っていますけども、いずれにしても、国際競争という話を皆されて、海外の企業が日本に出てきやすいようにという話を新聞なんかにもよく書いてありますけども、少なくともサムスンが日本に出てきて、シャープが潰れたんじゃ何の意味もないんであって、雇用をきちんと確保するには、日本の企業が日本にとどまってやれるようにしてやるのが我々としては考えるべき筋なんだと。雇用という面から考えれば、そうだと思っていますから。

 そういった意味では、海外から投資が増えるのは大事なことですけれども、日本にいる企業が少なくとも海外と同じような条件で戦えるようにしてやらんといかんというところが、法人税のときに考えておかねばならぬ観点なんだと思っておりますんで、今後ともこの法人税の話というのはいろいろ出てくると思いますけども、ぜひいろいろなお知恵を拝借させていただければと思っております。

〔 吉川分科会長 〕 それでは、時間が参りましたので、この辺でフリーディスカッションを終了させていただきます。

 ここで、麻生財務大臣はご所要のためご退席になられます。どうもありがとうございました。

(麻生財務大臣、古川副大臣、愛知副大臣、葉梨大臣政務官退室)

〔 吉川分科会長 〕 次に、事務局からの説明に移らせていただきます。

 それでは、我が国の財政、中期財政計画、中長期の経済財政に関する試算、平成26年度予算の概算要求及び消費税率引き上げ判断について、ご説明をお願いいたします。

 なお、後ほど質疑につきまして時間をとっておりますので、ご質問等ございましたら、その際にお願いいたします。

 まずは全てを事務局から説明していただきます。では、事務局、お願いします。

〔 小宮調査課長 〕 調査課長の小宮でございます。

 お手元の資料、資料2から資料6までございますけれども、まず私のほうから資料2、資料3、そして資料4、すなわち財政について、そして中期財政計画、さらには中長期の経済財政に関する試算、ここまでご説明申し上げ、概算要求の概要、それから消費税率及び地方消費税率の引き上げとそれに伴う対応につきましては、総務課長の大鹿のほうからご説明申し上げたいと思います。

 それでは、早速でございますけれども、資料2をお開きいただきたいと思います。ここにおられる委員の皆様方、もう何回も見たことがある資料が中心でございますので、全てを事細かに説明するというよりも、ポイントを絞りながらご説明申し上げたいと思います。

 まず、最初の1ページから5ページまではマクロでの我が国の財政状況の厳しさを示している各種グラフ、統計でございます。例えば4ページでございますけれども、国及び地方の長期債務残高の数字では、今年度末の見込みでございますが、国で777兆程度、地方で201兆程度であり、これを合わせますと、ほぼ1,000兆になってございます。

 他方、今回資料については入れておりませんけれども、例えばOECDですとかIMF、これら国際機関が出す債務残高の数字はさらに少し大きい数字になっております。これはSNAベースであるために、社会保障基金部分が入っていることもありまして、これより若干さらに数字が大きくなる傾向にありまして、GDP比で言いますと200を超えて、今年末、220%から230%ぐらいの見込み数字になっていることにご留意いただければと思います。

 それから、6ページ、7ページ、8ページあたりは、平成2年、ちょうどバブルの頂点との比較におきまして、どういう要因でこれだけの債務残高を抱えることになってしまったのかということについて分析するとともに、また、そのために現時点で予算の構造自体がかなり硬直化しているというものを示す資料でございます。

 6ページの資料、これも以前ご説明申し上げたものでございますので、事細かには申し上げませんけども、歳出の増加、それから歳入の減少、双方それなりに大きい要因があったというのが6ページの資料でございます。見方としては平成2年度の歳出・歳入予算の数字と、それ以降の各年度の歳出・歳入予算の数字、これの差額をずっとプロットした棒グラフでございます。したがいまして、この棒グラフの面積を両方合わせますと、基本的には債務残高が増えた額になるというものでございます。

 もちろん平成2年度におきましても若干の公債発行しておりますので、その分もさらに債務残高の根っこの増えた部分には寄与しておりますけれども、見ていただければわかるとおり、バブル崩壊後は公共事業関係が中心、そして社会保障は当然ずっと累増しておりますが、ここ数年では、公共事業はむしろ一生懸命削減しておりますけれども、社会保障の増加の要因のほうがはるかに大きくなっております。

 また、歳入のほうは、制度改正で相当減税していることもあり、バブルの頂点だった2年度と比べれば、税収はずっと低いままということが見てとれると思います。

 硬直化の話で言いますと、8ページ以降でございますけれども、これも再説になりますが、社会保障関係費、それから国債費の増加によりまして、その他の文教及び科学振興、そして防衛関係、さらには公共事業関係の予算の配分比率は、その分少しずつ下げている形になっております。一言で申し上げますと、将来のための投資に関する部分になかなか国費を使えない構造になってしまっているという状況にございます。

 また、これはOECDの中でも一番ひどい状況になっておりまして、9ページの一番右が社会保障以外の支出の対GDP比でございますが、今や日本はOECDの中で最下位になっているという状況にございます。

 11ページから15ページぐらいまでは、これだけ累増した国債を今までは何とか消化しているが、徐々に厳しくなりつつあるというものを説明する資料でございます。

 11ページは、平成2年との比較におきまして、政府はネットでより資金の取り手になっておりますけれども、これまでのところは家計部門の金融資産の増大、そして企業部門、銀行は右手と左手の関係ですので、非金融法人でございますけれども、むしろ債務を圧縮していったこと等があって、政府が資金の取り手でいられたわけでございますが、今後を考えるに、まず家計部門は高齢化に伴って資産取り崩しの比率が高まりますので、以前ほど金融資産をネットで増やせるかどうかというのはやや懸念があり、そして、景気がさらに拡大してきたときに企業部門は、債務をこれまでのように圧縮していくのかどうか、これも考えなければいけない要素があるというのが11ページでございます。

 13ページは、家計に金融資産があるから大丈夫じゃないかというご議論もございますけれども、実際、一般政府債務のグロスの額と家計の金融純資産の額がかなり接近してきており、そういう意味で、国内で資金のやりとりをするには少し限界が近づいてきつつあるという状況のグラフでございます。

 また、14ページは、国内主体が国債の大部分を保有しているので大丈夫じゃないかという議論に対してのポイントでございますけれども、結局、国内主体といってもほとんどが金融機関でございますので、仮に、国債の価格に大きな変動があったときは、金融機関のバランスシートを通じて経済に直接影響がありうるという資料でございます。

 また、15ページは、ストックではまだ10%に達しておりませんが、フローでの海外保有主体のマーケットでの存在は相当大きなものがございまして、現物で2割、先物では4割という姿になっているということでございます。

 16ページは格付でございますので、後でご覧いただければと思います。

 また、17ページ、公債残高の増大の勢いは相当強いものがございまして、金利の低下による利払いの減少局面はもう過ぎておりまして、むしろ足元では、利払費は徐々に増えております。将来、仮に、金利が上がったときは、さらにこの利払費は急激に増加していくことが見込まれているというものでございます。

 18ページ以降は社会保障も含めたところでの財政状況でございます。ご承知のとおり保険料収入は、平成10年に入る頃から横ばいになっておりまして、給付費との差額は国費で投入せざるを得ない状況になっているということでございます。また、国民負担率で見れば、諸外国と比べましても、租税負担率、それから社会保障負担率ともに高いほうではなく、むしろ低いほうではございますけれども、その分、見えない負担率、つまり財政赤字というものを抱えている構造になっているということでございます。

 ずっと行きまして25ページを見ていただければと思いますが、これは、9月に行われましたサンクトペテルブルク・サミットの首脳宣言等における財政関連記述でございます。この後、説明いたしますけれども、各国ともにミッドタームフィスカルプランをサミットに持ち寄ることになっておりましたので、8月に中期財政計画を策定いたしまして、これをサンクトペテルブルクに持ち寄り、コミュニケにおきましては、一番下の箱の下線部分を見ていただきたいと思うんですけれども、「全ての先進国は、期待をより安定させるため、信頼に足る各国個別の中期的な財政戦略を策定した。これらの戦略は、各国の状況を反映しており、債務対GDP比を持続可能な道筋に乗せつつ、経済成長と雇用創出を支えるため、短期的な経済状況を勘案し、機動的に実施される」となっておりまして、中期財政計画もクレディブルなフィスカルプランとして了解され、各国それぞれ事情は異なりますけれども、それぞれにおいて定めた計画に基づいて、今後とも財政健全化をきちっと図っていくということになっているわけでございます。

 そして、中期財政計画について若干補足説明をさせていただきたいと思います。

 26ページをお開きいただきたいと思います。資料は、今回の開催の前に委員の皆様方にはお送りさせていただきました。ポイント幾つかございますけれども、まず1つ目の基本認識でございます。特に後半部分でございますけれども、民需主導の持続的成長と財政健全化の好循環を目指していく。大臣も、経済成長と財政再建の両立という言葉をお使いになられておりましたけれども、この経済成長と財政健全化の好循環を目指すというものが基本認識になってございます。

 そして、財政健全化に向けた目標といたしましては、ここ数年ご議論いただいておりますけれども、2015年までに、2010年度に比べてプライマリーバランスの赤字の対GDP比を半減し、20年度までに黒字化を図るということを再度閣議了解の形で政府の方針といたしたところでございます。

 また、中期財政計画におきましては、2015年度までの取り組みと2020年度の目標の達成に向けての取り組みと大きく章立てを2つに分けまして、それぞれにおいて具体的な取り組みの方向性について了解したところでございます。

 そして、15年度までの取り組みとして、大臣からもお話がございましたけれども、国の一般会計のプライマリーバランスにつきまして、来年度、再来年度の各年度4兆円程度ずつ改善させるということを目標としております。また、新規国債発行額については、それぞれ前年度を上回らないように最大限努力するとしております。

 地方財政につきましては、実質的に平成25年度地方財政計画の水準を確保するということを決めております。

 さらに、15年度以降、20年度の目標達成に向けてでございますけれども、ここでは基本的な考え方として、すなわち歳出・歳入両面にわたって取り組んでいくわけでございますけれども、歳出につきましては、名目GDPの成長度合いに比べて、できる限りそれよりも抑制する。歳入のほうは、逆に名目の経済の成長よりもさらに歳入が上がるように取り組んでいくというものでございます。

 また、一番最後に書かれておりますけれども、「増大する社会保障は、制度改革を含めた歳出・歳入両面の取組によって財源を確保することを検討」していくということでございまして、15年度までは具体的な政策的な対応も含めてかなりはっきりしておりますけれども、20年度の黒字化の達成に向けては、今後、15年度までの実際の道筋も見極めながら、さらに追加的な検討を行い、黒字化への具体的方策を固めていくという考え方が了解されたところでございます。

 これにあわせまして内閣府から、いわゆる中長期試算が公表されてございます。これも委員の皆様方よくご承知だと思いますので、もう概略だけにいたしますけれども、経済再生シナリオでは、すなわち、現在のアベノミクスがしっかり効果を発揮し、名目3%成長、実質2%のパスをちゃんと描いていけるという前提のもとに、消費税につきましては、現行法どおりの予定の引き上げを織り込んだ形で経済財政の姿を試算しております。

 結果といたしましては、2015年度にはぎりぎりPB半減目標は達成し得る姿になっております。しかしながら、黒字化目標年度の2020年度につきましては黒字化を達成できない姿となっております。すなわち、黒字化のためにはまだGDP比で2%必要でございますので、これは10兆円を超える数字でございますけれども、これだけの収支改善差を縮めていく追加的な政策対応を今後図っていかなければいけないという姿が試算されております。

 そして、28ページでございますけれども、半減目標たる年次である2015年度までに歳入・歳出で、どのぐらい頑張る必要があるのかを、内閣府の試算等をベースに、機械的に試算を行い、イメージとして取りまとめてみたものでございます。

 まず、一般会計プライマリーバランス対象経費、一番上の数字でございますけれども、これは、内閣府の試算上出てきている数字でございます。2013年度で70.4兆円、当然、経済のいろんなシナリオにも左右されますけれども、経済再生シナリオでは2015年度に73.9兆円まで、増加するという試算結果になってございます。

 そして、消費税率引上げを前提としておりますけれども、消費税率引上げ分が充てられる費用として、2014年度で0.6兆、2015年度で1.9兆となってございますけれども、これは、消費税収が、実際の歳入としては国に遅れて入ってくるものですから、そうしたことを考案して一体改革で予定されております社会保障の充実、それから消費税率、実際は物価の上昇等に伴う社会保障4経費の増、それから、地方交付税交付金法定率の増分について、このぐらいは自動的に歳出を増やさざるを得ないだろうと機械的に出してみたものでございます。

 そして、それの差引きの部分で、その他と書いてありますけども、14年度は71.4兆、15年度は71.9兆ということで、今年度から来年度にかけて、消費税引上げ見合いで自動的に出ていく部分を除いたものは、1兆程度増加することが織り込まれているだろうというのが今回の試算でございます。

 さはさりながら、それ以外に当然、考慮するべき課題がございますが、まず社会保障の自然増、これは毎年1兆程度見込まれます。さらには社会保障4経費以外の物価上昇等に伴う経費増が0.3兆程度毎年見込まれます。そして、現時点では、プライマリーバランス対象経費は74兆の要求が出てきております。したがいまして、この秋の予算編成プロセスで歳出の見直しをきっちりやっていかないと、そもそもこの中長期試算、もしくは中期財政計画で前提としている来年度のプライマリーバランスの姿に届かないということにもなりかねませんので、その意味で、この秋の財審のご議論、極めて重要だと事務局としては思っている次第でございます。

 あと、若干資料の補足説明といたしまして、一般会計税収は、2014年度、2015年度でそれぞれプラスの6.3兆、プラスの5.6兆となっておりますけれども、この大まかな目安でございますが、一番下に字が小さくて恐縮でございますけれども、今年から来年度にかけて消費税増収分は4兆円強、税の自然増収分は2兆円程度と試算しております。大体そういうイメージとして試算されているということがご理解いただければと思います。私のほうからの説明は以上とさせていただきます。

〔 大鹿総務課長 〕 続きまして、総務課長の大鹿でございます。私のほうからは、今の説明と一部重複があるかもしれませんが、8月末に各府省から提出された概算要求の概要と、それから、先般、10月1日に閣議決定されました消費税の引き上げと、それへの対応につきましてご説明申し上げたいと思います。

 まずは概算要求につきましては資料の5なんですが、このエッセンスが、今、小宮課長から説明がありました資料の続き、29ページ以下にありますので、引き続き資料の2に基づきまして説明させていただきたいと思います。

 もう大分旧聞に属する話になりましたが、26年度の概算要求に当たりまして、政府では8月8日になりますけれども、基本的な方針について、すなわち概算要求基準というものを閣議で決めていただいております。それの概要がポンチ絵的に示されたのが、いつもの図であります。29ページであります。

 ここに書かれている数字については25年度の予算額ですけれども、プライマリーバランスの対象経費、基礎的財政収支対象経費を大きく4つに分けまして、それぞれについて要求の考え方が決められております。

 まず、地方交付税交付金等ということですが、これについては先ほどの説明にありましたとおり、中期財政計画で一定の方向が示されておりますので、この中期財政計画を踏まえて要求していただく。

 2つ目、水色のところですが、年金・医療等につきましては、これは社会保障関係費の大宗でありますけれども、これについては自然増1.0兆円を上乗せして要求していただくことを認める。ただし、この段階では消費税の取り扱いが決まっておりませんでしたので、上のほうに点線になっていますけれども、税制抜本改革に伴う社会保障の充実につきましては、消費税について税制抜本改革法の附則18条にのっとって判断して、予定どおりということであれば、予算編成過程において、それを検討するということが決められています。

 それから、黄色のところですけれども、裁量的経費、多くが公共事業であるとか、防衛関係であるとか、文教関係の経費ですけれども、これについては前年度予算をよく見直していただくという趣旨で、10%を一旦削ったところをベースに最大30%まで、この上のところですけれども、新しい日本のための優先課題推進枠というところで要望を出していただいていいですというやり方にしています。

 従来との違いは、いわゆる特別枠と言われるものですけれども、これに措置すべき金額をこの夏の段階で、例えば5,000億であるとか決めておりましたが、今回は、今ほどの説明にありましたとおり中期財政計画に基づいて26年度、27年度と4兆円の収支改善ということが定められておりますので、この収支差が目標になるということから、あらかじめ特別枠については金額を定めないで、年末までの間に税収や、その他の下のぎざぎざのところにありますけれども、聖域なく経費を見直して財源捻出に努めた上で、4兆円の収支改善が達成される範囲内で、最大限この特別枠に予算措置しておこうという考え方に立っています。

 義務的経費については、基本的に前年度と同額ということにしています。

 民主党政権下においては、中期財政フレームの中で71兆円という歳出の大枠を決めておりました。政権交代を受けまして、経済のパイを大きくして、そして税収を拡大して、その中で財政収支の改善を図っていくという考え方が打ち出されているということから、その考え方に沿って、年末の税収動向を踏まえて特別枠の規模を決めていくという考え方をとっているものです。

 具体的な各省の要求が30ページにありますけれども、ちょっと大まかなところだけ説明いたしますが、小計の欄の括弧に基礎的財政収支対象経費とあります。先ほどの要望額、3.5兆円を含めまして、26年度の計の欄ですが、73兆9,707億円ということで、全体としては約74兆円の要求額となっているということです。対前年度で見ますと3.6兆円の増でありますし、先ほど小宮課長が申し上げた内閣府試算に込められている2014年度、平成26年度のPB対象経費で、消費税関係分を除いたものは71.4兆円ですから、この74兆円を71.4兆円にしなければいけないということで、2.6兆円の削減が必要になってくるということであります。

 ただし、ここの中には社会保障4経費以外の消費税率の引上げに伴う経費増であるとか、それから、税収が試算通り確保されるかどうかといった問題もあるということでご理解いただきたいと思います。

 次に、消費税率の話で、資料6の1ページに基づきまして、簡単にご説明したいと思います。

 皆様ご案内のとおり、10月1日に安倍総理から消費税率について、来年の4月から法律どおり5%から8%に引き上げる。そして、デフレ脱却、経済再生と財政の健全化の両立を図るという趣旨で、消費税率引上げに伴う対応についてということがまとめられて、これは同日、閣議決定されております。

 冒頭のところにありますが、その基本的な考え方は、5%から8%へ引き上げることを確認した上で、消費税率引上げによる反動減を緩和し、景気の下振れリスクに対応するとともに、その後の経済の成長力の底上げと好循環の実現を図る。そのために経済政策パッケージを決定するということになっております。

 左側に1経済状況云々、2財政状況、3社会保障制度改革とありますが、これは、税制抜本改革法の附則で消費税率引上げに当たって経済状況等を確認するということがありますので、それぞれについて、これまでの取組み、現状を確認的に規定されています。

 4のところが今回表明されました経済政策パッケージでありますが、これは(1)から(7)まで、この7つからなります。

 まず1つ目が成長力底上げのための政策ということで、6月に閣議決定されました日本経済再興戦略を実行するための方針について、この秋も議論されまして、国家戦略特区制度の創設であるとか、そのための規制・制度改革の内容がまとめられております。これが(1)のマル1で、それと合わせまして設備投資や研究開発、あるいは事業再編促進等の減税措置が、これは与党を中心にご議論されてまとめられております。

 それから、(2)はアベノミクスのある意味で重要なポイントであります賃上げに向けての取り組みでございまして、「『政・労・使』の連携による経済の好循環の実現」というタイトルですけれども、1つ目の丸、企業収益の拡大が賃金上昇や雇用拡大による消費拡大、投資増加につながる好循環を実現するためと。こういう目的で9月20日に政労使会議というものを立ち上げまして、そこにおいて取り組みを進めるということになっています。

 この関係では、先ほどの政策減税に絡んで、2つ目の丸ですが、今年度の税制改正で創設された所得拡大促進税制についてさらなる拡充が決まっております。

 それから、3つ目の丸ですけれども、これは与党の中でもいろいろご議論ありましたが、最終的に以下のような文章になっております。「足元の経済成長を賃金上昇につなげることを前提に、復興特別法人税の一年前倒しでの廃止について検討する。その検討にあたっては、復興特別法人税に代わる復興財源を確保すること、国民の理解、なかでも被災地の方々の十分な理解を得ること、及び特別法人税の廃止を確実に賃金上昇につなげられる方策と見通しを確認すること等を踏まえたうえで、12月中に結論を得る」ということになっています。

 (3)が新たな経済対策の策定ということで、ここでは対策の規模と基本的な柱、内容だけが決まっております。趣旨は、冒頭申したとおりでございますが、2つ目の丸ですけれども、来年度4−6月期に見込まれる反動減、これは、今現在、民間のエコノミストの平均ですと4−6月期で約1.8兆円のGDPの減少が見込まれているということですが、これを大きく上回る5兆円規模ということで、これによって消費税率引上げによる影響を大幅に緩和する。そして、成長力の底上げ、成長軌道への早期復帰につなげていくということです。

 具体的な柱ですけれども、3つの柱が掲げられておりまして、1つは競争力強化策。ここでは政策減税が黒字企業を対象としたものにならざるを得ませんので、括弧書きの中の1つ目ですけれども、中小企業に重点を置いた投資補助金などの設備投資支援策を講ずるといったことが書かれています。

 それから、2つ目の柱は高齢者・女性・若者向け施策ということで、労働力人口の減少を補うべく高齢者、女性、若者を含め雇用の拡大、あるいは賃上げの促進のための措置を今後検討していくとともに、子育て支援策も検討の対象になっている。

 それから、3つ目が復興、防災・安全対策の加速ということであります。

 この経済対策の具体的な内容については、来年度予算と合わせて具体化して、景気や税収の動向を見きわめた上で12月上旬に策定するということになっておりまして、今年度の補正予算を来年度予算と合わせて同時に編成していくということになります。

 なお、消費税の引き上げに伴って低所得者対策として既に与党で決められておりました簡素な給付措置については、与党の決定の内容どおり、市町村民税非課税者、これ、子供も含みますけれども、2,400万人に1万円を支給。これは、来年の4月から10%に上がる予定の27年9月30日までの1年半分であります。これを一律支給した上で、老齢基礎年金の受給者である高齢者は5,000円を加算するということになっています。

 それから、住宅取得等に係る給付措置については、低所得者に対して住宅購入者10〜30万円、あるいは住宅ローンを組まない方に対して同様の措置ということで、こうした措置を講ずることになっております。

 それから、転嫁対策、再掲ですけれども復興の加速、(1)から(7)を合わせて経済政策パッケージと呼んでおります。

 恐縮ですが、最後の19ページに経済対策のパッケージの規模についてのまとめがございますのでご確認いただきたいと思いますが、成長戦略の一環として行います、あるいは賃金引き上げのための減税措置、これらについては国税、地方税合わせて、平年度ベースで1、2、3合わせて1兆円強の減収になるというふうに見込まれております。5兆円規模の経済対策というのは、これとは全く別でありまして、4−6月期の反動減を大きく上回る規模ということで、先ほど申し上げた3つの柱と簡素な給付措置、住宅取得等に係る給付措置、これらを組んで5兆円の規模ということにしています。

 なお、復興特別法人税を廃止された場合については、当然、復興財源の補填というものが必要になってまいりますが、それは5兆円規模の経済対策の中に含まれるものというふうに私どもは理解しております。

 以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、ただいまの事務局の説明に対してご意見、ご質問等ありましたらお願いいたします。

 なお、古賀委員におかれましては本日欠席のため、本議題についての意見書をご提出いただいており、皆様のお手元に配付しております。

 それでは、井堀委員。

〔 井堀委員 〕 ありがとうございます。8月に決まった中期財政計画と、それから、今回、10月の消費税対応との関係についてお伺いしたい。8月の段階では中長期試算でも、もちろん消費税の引き上げに関しては想定されていたんですけど、今回の消費税対応での5兆円規模の経済対策は決まってなかったわけです。そうすると5兆円規模の経済対策を織り込んだとき、8月に決まった中長期試算がどういう形で影響を受けるのか。単純に考えると、5兆円だけ財政状況が悪くなるというぐあいに考えていいのかどうか。そこをちょっとお伺いしたい。

〔 吉川分科会長 〕 事務局、お願いいたします。

〔 小宮調査課長 〕 これ、幾つかの前提によって姿が全然変わると思っております。今回の5兆円というサイズについては政府の方針として決まっているわけでございますけれども、それを例えばどうやってファイナンスして、かつどういう中身の対策をするかということの詳細については、まさに来年度予算編成と一体となって今後固まってくることになっております。

 したがいまして、現時点においてどのぐらいプライマリーバランスの足を引っ張るものになるのかというのが、具体的に申し上げられる術が現時点ではないと。

 ただ、ここ数年、年度末にかけての補正の財源は何だったかと思い出してみますと、定性的に考え得るのは、一つは剰余金、もう一つが年度の不用の見込み。それから、税収がどのぐらい上がってくるのか。それらが最終的にどういう姿になってくるのかで、プライマリーバランスへの影響度合いも相当変わってくると思っております。

〔 大鹿総務課長 〕 すいません、ちょっと補足させていただきますと、財源については、今、調査課長が申し上げたとおりだと思います。一方で、5兆円の経済対策については補正予算で措置するということが前提になっていると思います。その意味では、今年度のプライマリーバランスに影響する可能性はありますけれども、来年度については基本的に遮断されている。

 来年度について影響が出てくるのは、先ほどの政策減税のほうですけれども、これについては28ページにもありますが、減税措置を行うことによって内閣府試算に盛り込まれた税収が確保されるかどうかというのは、今後の経済状況次第だということだと思っております。

〔 吉川分科会長 〕 富田委員。

〔 富田委員 〕 すいません、先ほどの質問の続きなんですけども、目標とするプライマリーバランスは国・地方合わせたもので、先ほどご指摘の特別会計や独立行政法人も含めた話のはずですよね。それが本年度の見通しは34兆なんですが、一般会計当初予算ベースだと23兆ということで、それをベースにして4兆円を減らすために、プライマリーバランス対象経費を71.4兆にするということでした。本年度の補正予算については、先ほど言われたように剰余金が出たものとか、不用額を使うんで、プライマリーバランスに影響しないだろうというふうなお話でした。

 そういたしますと、質問の第1は、これから先は不用額が出たとか、景気対策をやるとすれば、そういう範囲内で、つまり、税収が増えたとか、景気がいいときには景気対策をやるんだけども、悪いときは逆に動くような。景気循環的に15年度までだといいときが多いと思うんですけども、また、これは15年度までの話だと思うんですが、そういうご想定なのかどうかというのが1つなんです。

 同じことを過去の当初予算におけるプライマリーバランスとGDPベースの実績を見ますと、2005年度以外は一貫して一般会計のプライマリーバランスよりもはるかに大きな赤字が出ています。これは景気対策ということもあるし、あるいは特別のいろんな財源を捻出したというのもあるんですけども、私が一番心配なのは、今年、34兆を23兆の足元にしていることです。それをベースにして来年度予算の一番の骨格で71.4兆円というところを設定されていて、それ自体は確かに現実的であるとは思うんですけども、マクロ的なプライマリーバランスが、2015年度、一般会計で15兆にしたら、それでちゃんと半減が達成できるかどうかが一番の懸念なんです。だから、そういうことを一度ご説明いただければと思います。

〔 吉川分科会長 〕 お願いします。

〔 大鹿総務課長 〕 すいません、34兆円という国・地方ベースの今年度の赤字の見込額というのは、今年の場合、昨年度の補正予算が年を明けてからということで、大宗が今年度に支出されるということが見込まれる中で、内閣府がそのように試算しているということでございます。したがって、今年度がいわば予算ベースよりもかなり大きな赤字の見込みになっていると。

 私どもも国・地方ベースのプライマリー赤字と一般会計のプライマリー赤字、これのずれといいますか、乖離というものは過去にさかのぼって検討しておりまして、基本的に平時であれば、国の一般会計の外にある国・地方ベースで含まれるもの、国の一般会計に含まれないで国・地方ベースの中に入っているものが、大体2兆円ぐらいの赤字だという分析を持っています。

 したがって、国・地方ベースで2015年度17兆円の赤字になるときに、一般会計では15兆円の赤字であれば大体17兆円の赤字になるだろうという前提に立っております。

 来年度以降の予算編成がどうなるかということ、それに伴ってプライマリーバランスが変わり得るということは、それはご指摘のとおりなんですけれども、今、中期財政計画を策定している時点においては、当初予算ベースできちっと4兆円ずつの赤字を守っていけば、国・地方ベースでもGDPが試算上見込まれたパスを通れば半減目標が達成できるということでございます。

〔 富田委員 〕 すいません、今の関係。当初予算の段階でワンタッチでプライマリーバランスの半減だとか黒字化を目標とするように変えたということはないと理解していいですよね。それが一番大事なことだと思うのと、さっき言われた2兆円というギャップも、21世紀からのところをずっと見ると、平均すればもっと多いですよ。何が平時か、何が異常時かなかなか難しいところはあるわけでして、だから、2兆円でいいのかどうかということが私にはかなり疑問なんですよ。

 だから、ある意味、財政健全化目標の性格自身を変えるものではないということが確約できれば、これは大臣含めてちゃんとわかっていただかないと困ることなんです。非常に大きな変化があったのか、なかったのかという点について知りたいところなんです。

〔 吉川分科会長 〕 事務局。

〔 福田次長 〕 ご指摘のとおりで、国・地方のプライマリーバランスはSNAベース、GDP統計ですから、企業会計と同じように、結果として幾ら支出済みしたかというベースで計算します。そういう意味で、前の年に大きな借金をして補正予算を組み、実際の支出が翌年になると、その年の赤字が増えてしまうということはあります。

 ご指摘の時々そういうことが起こっているんじゃないかというのは、おそらくそのとおりだろうと思われます。

 申し上げたように、それは別にして、地方とか、その他の団体に平均的にどのくらい赤字があるかということを計算すると、コントロールできる一般会計の赤字はこうだなということをコントロールしてやっていこうという整理をしたということなんで、考え方はおっしゃるような考え方で整理されています。

〔 吉川分科会長 〕 田中委員、田近委員。

〔 田中委員 〕 2点、基本的なというか、ベーシックな質問をさせていただきます。

 1点は、推進枠、前の政権ではたしか特別枠といっていたと思うのですが、これについてです。これ、もともと前の政権のときに財政の硬直化を打破するということを目的に掲げられてつくられた制度だったと思うのですが、そもそもこれを導入したことによって、本当に硬直化の打破という目標について、効果は得られたのかどうかということであります。そこを検証しないで、そのまま引き継いでいるというように見えなくもありませんので、気になります。

 さらに言えば、10%引いて30%乗せろという、その根拠が私にはまだわかりませんので、教えていただきたいということ。これが1つ目の質問です。

 それから、2つ目は、これは大臣がいらっしゃるときに質問するべきだったと思いますが、シーリングをなぜ設けないのかというところであります。ここはお答えにくいところがあるかもしれませんけども、これが2点目です。

〔 吉川分科会長 〕 よろしく。

〔 大鹿総務課長 〕 1点目の効果が得られたのかという点でございます。効果の測定というのはなかなか難しいかと思いますけれども、狙いとしては、やはり10%削っていただくことによって、前年度の予算をもう一回見直して、それを洗い直してもらう、そういう効果は期待できると思っておりまして、これは前の前の、すなわち自公政権時代もこのようなやり方をとっておりましたけども、これを引き続き踏襲しているということです。

 30%の根拠ということについては、基本的には過去重点化を行ったときの実績というものがあります。特別枠への要望の実績がありますので、それらを踏まえて30%というふうにお決めになったということだと理解しております。

 それから、シーリングをなぜという点については、政権交代後、先ほど申しましたとおり経済のパイを拡大する中で財政の健全化を図っていく、経済成長と財政の健全化を両立させていくという基本的な考え方ですので、あらかじめ歳出の枠を決めるんではなくて、税収との兼ね合いで歳出の丈を決めていこうと、そういう考え方に変更したということでございます。

〔 吉川分科会長 〕 では、田近委員。

〔 田近委員 〕 幾つか具体的な話、事実の確認なんですけども、小宮課長のほうから我が国の財政について説明いただいて、すいません、そこの28、29ページの数字の確認というか、来年度予算がどういうものなのか、きちんと理解させていただきたいんですけども、要するに29ページを見ると、25年度予算がPB対象経費が70.4と、来年は72になるんですよね。差額の1.6兆円というのは、真ん中の年金・医療の自然増の1兆円プラス、上の税制抜本改革に伴う社会保障の充実、これが0.6兆円で出てきて、70.4プラス1兆プラス0.6で72兆円、そういうのが全体のまずフレームでよろしいんですよね。

 次に、田中さんのご質問のあった点で、裁量的経費を頭10%減らして、それを要望基礎額として30%要求させて、そうすると10%のところは30%出させたものから埋めるというか、丈を上に伸ばすということでいいのか。でないと数字が合わないような気がするんですけども。

 3番目は、先ほどから質問の繰り返しかもしれませんけど、そうするとプライマリーバランスの改善というのは、来年度は、要するに税収の伸びマイナス1.6兆円というところで、言いかえると歳入の面からのPBバランスの改善というのは何だったんだということなんです。

〔 吉川分科会長 〕 お願いします。

〔 大鹿総務課長 〕 前半の部分、お答えいたします。マクロ的に見ると、そういう計算ももちろん成り立つと思いますけれども、当然、中身を個別に見ていかなければいけないということであります。

 それから、まず、そういう計算が成り立つ前提としては、税収がここで掲げられている内閣府試算どおりに確保されるかどうか。しかし、先ほど井堀先生がおっしゃっていましたけれども、その後、今回、政策減税が決まったということで、26年度税収については下押し要因があるということを踏まえなければいけないということが1点。

 それから、消費税が上がった場合、政府が活動しているいろんな物品の調達等に消費税分がかかってきますから、後年度影響試算ベースでは0.3兆円程度となっていますけれども、この部分は何らかの形で歳出削減していかなければいけないということにもなりますので、その2点の要因があるということが言えるかと思います。

〔 福田次長 〕 28ページと29ページの資料なんですけども、28ページは、先ほどご説明しました夏の中期財政計画と同時に内閣府が行った試算で、2015年までのプライマリーバランスの半減というのはどうやってできるんだという計算がされているんですけども、その前提となっている数字です。それはどういう計算をしているかというと、消費税を現行法通り上げます、経済成長で税収も増えます、それから歳出も抑えますと。その3つが前提で、2015年にプライマリーバランスの、さっき4兆円で大丈夫かと富田先生おっしゃいましたけど、その4兆円が実現するという計算をしているわけです。

 そのときに下の歳入には税収が書いてあるんですけども、上の歳出のところは、どの程度抑えているのか、その計算上どうしているかということをお示ししています。社会保障で放っておいても1兆円増えます。それ以外に、さっきご説明しました国の支出にも消費税がかかるということがあるもんですから、その分も増えます。自然に増えるのが1.3兆円あるんだけれども、1兆円しか増やさないということにして、半減が何とかできることになっています。

 それに対して29ページのほうは、夏のシーリング、概算要求基準なんですけども、試算の数字を上回る要求が出てきているもんですから、これから努力していかなくちゃいけないんですけれども、そこは、ぜひここで議論していただいて、ぜひご指導いただいて歳出を抑えていきたいということを申し上げております。

〔 田近委員 〕 もっと直接的に言うと、裁量的経費は来年度へ向けて下げるのか下げないのか、それを聞きたかった。

〔 大鹿総務課長 〕 そこは、最終的な目標が4兆円の収支改善ですから、これは税収次第だというふうにしかお答えできないと思います。この内閣府試算どおりの税収が確保されて、税外収入も内閣府試算どおりであると仮定しますと、それでも3,000億円分の消費税率引上げに伴う経費の増加分は最低限のみ込んでいかなければいけないことになるということです。

〔 田近委員 〕 すいません、3,000億円の分はよくわかるんですけども、国民として消費税上がるじゃないか。それで、歳出のほうはどれだけカットを努力したんですか。国も消費税を払うから3,000億円の部分は何とかしましょうと。これからいよいよ本番で議論始まるんですけど、前から言っているように自然増の1兆円って、福田さんはあたかも避けがたく増えるようにおっしゃいましたけど、1兆円でぎりぎり抑えているのかもしれないし、だけど、国民としては消費税を払って、財政改善は、大鹿さんたちのこれから景気の風次第、消費税増えた分だって景気の風次第じゃないか。財政のほうでどれだけ努力しているんだというのは避けられないような気がするんです。

 さっきの揚げ足取りじゃないけど、努力するのは3,000億円だけじゃないか。あとは景気の風回りじゃないかと。

〔 吉川分科会長 〕 では、また事務局から。そろそろ最後でしょうか。

〔 福田次長 〕 全体の分野を通じて削減していかなければいけないのはおっしゃるとおりです。聖域はありません。その点はご指摘のとおりです。

〔 吉川分科会長 〕 ほぼ予定した時間が参りました。では、最後に老川委員から。

〔 老川委員 〕 今のことに関連しているんですが、消費税を上げて、野方図に予算全体が膨らんでいくということは非常に納得いかない点だと思うんです。今の予算は民主党政権時代に原案ができて、その後、政権交代があって組み替えとかなんとかほとんどできていませんから、その延長線できているんだと思うんです。今度は初めて本格的な予算編成になるわけですから、そういう意味で、民主党政権時代の野党だった自民党がばらまきけしからんというふうに批判していた部分は大胆に見直すとか、それをやらないと、今までの延長線で、ただ消費税が増えたから使える金が増えたなというだけでずるずるといっちゃうと、国民としては納得がいかないんじゃないかと思いますので、そこら辺、よくお考えいただきながら予算編成に当たっていただきたいというふうに思います。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。財審にふさわしい議論ができたと思っています。

 時間ですので、本日の議論はここまでということにさせていただき、今後の当分科会の進め方につきましては、来週以降、5回程度にわたって社会保障や地方財政などの平成26年度予算編成における個別の歳出分野についての審議を行います。その後、それまでの議論も踏まえた総括的な審議を行いたいと考えております。

 最終的に、11月末ごろに平成26年度予算編成に向けた考え方を建議として取りまとめたいと考えております。そこに皆様方のお考えは十分に盛り込まれると、このように考えております。

 以上で本日の議題は終了いたしました。

 本日の会議の内容の公表につきましては、これは、従来どおり私にお任せいただき、会議後の記者会見でご紹介させていただくことにさせていただきます。会議の個々の発言につきましては、これも従来どおりですが、皆様方から報道関係者等に対してお話をすることのないよう、ご注意いただきたいと思います。

 なお、次回は16日水曜日午後2時から、この会議室で開催し、議題として社会保障及び防衛を取り上げたいと考えております。

 それでは、閉会といたします。ご多用中、どうもありがとうございました。

午後6時01分閉会

財務省の政策