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財政制度分科会(平成25年5月20日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録
平成25年5月20日
財政制度等審議会


 財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

平成25年5月20日(月)9:30〜10:47
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

1.開会
2.「財政健全化に向けた基本的考え方(案)」について
3.閉会

配付資料
○ 財政健全化に向けた基本的考え方(案)

分科会長 吉川 洋           

山口副大臣
木下主計局長
中原次長
福田次長
岡本次長
可部総務課長
小宮調査課長
江島主計企画官
青木主計官
諏訪園主計官
新川主計官
武藤主計官
角田主計官
吉井主計官

分科会長代理     田近 栄治  
 委員

秋山 咲恵 
井伊 雅子
碓井 光明
岡本 圀衞
倉重 篤郎
竹中 ナミ
土居 丈朗
富田 俊基
鳥原 光憲
早川 準一

 臨時委員

板垣 信幸
葛西 敬之
小林 毅
渡辺 捷昭


  午前9時30分開会

〔 吉川分科会長 〕 それでは、定刻ですので、ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。皆様方におかれましては、ご多用中のところご出席いただきまして、ありがとうございます。

 本日は、お手元に配付されております報告書、「財政健全化に向けた基本的考え方(案)」について審議していただきます。それでは、早速、財政健全化に向けた基本的考え方についての審議に移ります。この報告書につきましては、これまで、田近分科会長代理、小林委員、土居委員、富田委員にご議論いただき、取りまとめていただきました。

 起草委員の皆様方、お忙しい中、まことにありがとうございました。報告書の審議の進行ですが、全体を4つに分けて審議を行いたいと考えております。まず、報告書の「財政運営のあり方」について、次に、各歳出分野のうち、「社会保障」について、その次に「地方財政」及び「社会資本整備」について、最後に「防衛」及び「文教」について、と分けて審議をお願いいたします。なお、本日ご欠席の黒川委員、古賀委員及び田中委員から、意見書をご提出いただいております。皆様方のお手元にお配りしております。では、「財政運営のあり方」につきまして、早速ご意見をいただきたいと考えております。

 どなたからでも、どうぞ。岡本委員、よろしくお願いします。

〔 岡本委員 〕 この8ページから9ページにかけて、記述のあるプライマリーバランスの関連についてなのですけれども、確かに日本の財政の現状とかどのように財政健全化を実現するかということについては、細かく記載されているんですけれども、その数値目標とか数量感、こういったものが示されていないため、来年、どの程度収支改善をしなければならないかというのが、イメージとして伝わってこないと思います。既に、ちまたでは半減目標すら実現できないのではという声もある中で、厳しい状況を数量で示して、国民に深刻な状況を伝えるということが重要だと思います。

 例えば、足元GDPは500兆円弱ですけれども、直近の赤字幅が約7%ということを考えれば、2020年まで7年あるために毎年1%程度収支改善をしなければならない。そうであるとすると、毎年4、5兆円の収支改善を、収入増か、あるいは歳出の削減でやらなければならない。この額を税収増で補うのか、社会保障給付費の削減で補うのかということはあると思いますけれども、この7年間でやり続けることが国際公約であるということを示すことが、この報告書としては貴重なのではないかと。つまり、ぜひ数量でもこの中で語っていただきたいな、こんなふうに思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 この点については、今のところ、政府では内閣府のプロジェクションがつくられることになっていますが、我々の報告書では今、岡本委員からご指摘の点は10ページの(1)の最後のパラでしょうか。一番上のほうですが、「目標達成に向けてしっかりと責任ある道筋を具体的に示していかなくてはいけない」と、ただ、岡本委員は、ここにさらに数字をということを。

〔 岡本委員 〕 計算した結果、このくらいですよということ。

〔 吉川分科会長 〕 この点については、事務局から何か。

〔 小宮調査課長 〕 調査課長でございます。ありがとうございます。

 分科会長、申し上げましたとおり、今後、内閣府のほうで、まさに財政、そして経済、相互の関係も織り込みながら、中長期的な経済、財政のパスについて、試算が行われ、世の中に示されることになっております。それで、足元までの動きにつきましては、ご承知のとおり、2月の終わりのころに内閣府のほうからプライマリーバランスについての25年度当初予算を織り込んだ数字が出ておりますので、少なくとも目標に向けて、どのぐらい改善していかなきゃいけないのかということまでは、SNAベースでも把握できているところでございますので、それらを踏まえまして、どのような記述が可能かどうか、ちょっと検討をさせていただければと思います。

〔 吉川分科会長 〕 それでは、今週金曜日でしょうか。次回までに、その点検をさせていただくとして、早川委員。

〔 早川委員 〕 今、岡本さんがおっしゃったことは、私もそう思います。15年度までに半減する、20年度までに黒字化するという目標は達成が大変難しくなってきていると思うのです。しかし、それを着実にしっかりと達成してもらわなければいけないと思うのです。例えば、20年度までに黒字化すればいいのだろうと。その間、少し目標から逸脱することが一時的にあっても許されるのではないかという議論もあるかと思うんですけれども。しかし、そういう余裕はもうなくなってきているんじゃないかと思うんです。したがって、15年度までに半減する、20年度までに黒字化するという目標をきちっと進めていってもらえるような、そういうことにできないかなと思うのです。

 具体的に言うと、11ページの一番上から5行目ですか、「プライマリーバランスの黒字化」というふうに書いてありますが、ここは例えば、「2015年度にプライマリーバランス赤字を半減し、2020年度にプライマリーバランスを黒字化するという目標に向けて」と、きちっと書いたらどうかと思うんです。

 さらに、その後ですが、「すなわちプライマリーバランス対象経費と、税収等の差額を名目額の上でもGDPとの対比の上でも解消していく」というところ。これはもっと厳密に、つまり15年度までに半減する、20年度までに黒字化するというのをきちっと進めてもらうために「対比の上でも」の後に「毎年度着実に縮小し」とかいう言葉を入れていただいたらどうかと思うのです。それから、その後ですが、「このような取組を進める中で」、中期財政計画の話が出てまいりますが、中期財政計画というのは既に2013年度になっているわけですし、2014年度、2015年度のあと2年間だけのことを言うのか。それとも2020年度までのことを言うのか、と私は考えるのですが、ここは「平成27年度のプライマリーバランス赤字半減」などと言わずに、「このような取組を進める中で、プライマリーバランス黒字化に向けた中期財政計画」としていただいたら、いかがかと思うんです。

 それから、先ほどほかの委員の方々が欠席をされるについて、紙で出されたペーパーを見ておりましたんですが、この中で、田中先生のお話で、真ん中あたりですが、14行目と書いてありまして、「2020年の黒字化目標については、現行制度では達成が困難であることは自明ではないでしょうか」と。自明かどうかはともかくとして、かなり難しくなっていることは確かだと思うので、この辺、言葉はともかくとして、こういう田中先生のようなご意見をどこかで言葉として補うということがあってもいいのかなと思います。以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。はい。秋山委員。

〔 秋山委員 〕 この財政健全化目標達成の前提として、消費税率のアップというのがあるというのは、この場では共通の認識であるというふうに思うんですけれども、これについて記述があります。9ページ目の一番最後のパラグラフの部分ですが、今の記述では、消費費税率を10%に上げるということが前提になるということで、これはこれで、そのとおりなのですけれども、これは誰に向けてのメッセージとしてとらえるかということがありますが、例えば国民目線で見たときに消費税率が上がるんだから、これで何とかなるんじゃないかというような理解をされる文脈であってはいけないだろうと思います。まさに次のページで経済成長が必要だけれども、十分ではないというのと同じように消費税率の今、ある程度方向性が固まっている10%と今回の財政健全化目標との関係についてもう少し踏み込んだ表現があってもいいのではないか。例えばほかの歳出削減であるとか、経済成長ですとか、いろいろな条件が相当よくなったときには、この10%でもしかしたら足りるかもしれないけれども、多分、現実問題としては、改革が進まなければこの10%が場合によっては20%、それ以上というシミュレーションが今、実際に出ているわけですから、そのあたりの深刻度合いというのをもう少し踏み込んだ表現があってもいいのではないかと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。 はい。板垣委員。

〔 板垣委員 〕 各委員から出された意見に、私はほとんど賛成です。特に今、消費税のところですが、もう少し踏み込んで、今の現状では足らないというニュアンスをもう少し入れていただいたらいいのかなと思います。

 それから、2ページなのですが、下から6行目、「また、『二の矢』として、景気の底割れを回避するため」。この「ため」という表現ですと、それはもう事実として、そうなんだというふうに認めてしまうことなので、「回避するためとして」。つまり、財政審としては、この財政出動を全面的に賛成したわけではありませんでしたので、「政府として」として、というふうに、ここは大事なところだと思いますので、ぜひ入れていただきたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。はい。鳥原さん。

〔 鳥原委員 〕 今まで出された意見は基本的に、そのとおりだと思います。それらを受けて、国民全体の危機意識が、今の状態ではまだ足りないのではないかと思います。

 10ページの一番上の(1)の最後に、「社会保障・税一体改革の意義を国民に丁寧に説明し」と触れられていますが、財政健全化目標達成に向けて筋道を示すところに、財政健全化全体について、我が国の厳しい財政事情とか、現状の問題点とか、財政健全化の必要性といったことを国民全体にきちんと示すことを政府としてやるべきだと思います。先ほどの具体的な数値も含めて説明が必要です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。

 よろしいでしょうか。ほかに。時間的には予定の時間にはまだ余裕がありますが。特になければ。 はい。どうぞ。秋山委員。

〔 秋山委員 〕 この審議会に限らず、報告書というのはどうしても最後を読むと、モデレートな感じになる傾向があるなと常々思っておりまして、議論に参加していた人たちは、議論の説明を理解していますから、その文脈で読むと、しっかりメッセージが書き込まれていると思うのですけれども、最後の報告書だけ読んだときに、やはり議論に参加していない人から見れば、何となく物足りない印象を受けるということがよくあるのではないかという問題意識の上に立っているのですけれども、10ページの財政健全化に向けて、経済成長が必要だが、十分ではないという部分なのですけれども、今、まさに成長戦略も国策化して、いろいろ検討がされて、これから第三の矢として、実行に移されていくわけですけれども、それが期待どおりの成果を上げたときには、そのことによって財政健全化目標も着々と達成はできるであろうと。

 ただし、いろいろな要素で、思ったような経済成長の進捗が見られないときには、では、この財政健全化目標へのコミットメントをどうやって果たしていくのか。そのときは、やはり財政の歳出ですとか、そういった面でさらに踏み込んで実行していかなければ、この目標は、きっと達成されないのであろうということについての覚悟を求めると言いますか、そういうことが、やはり前提となって取り組まなければならないというようなことについて、書いておいてもいいのではないかと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。どうぞ、渡辺委員。

〔 渡辺委員 〕 すみません、おそくなりました。

 今の秋山さんのお話に追加のような格好なのですけれども、11ページのマル3の毎年度の予算における取組の中の1つなのですが、計画はきちんと、ほんとうに実行されているか、PDCAを回すという意味で、それがきちんと実行されているかどうか、その結果がどうであったかと、PDCAのCの部分を、もう少し深掘りをしていって、計画に対して達成できたのなら、なぜ達成できたのか、達成できなかった場合は、なぜ達成できなかったのかという、その要因解析をきちんとすることが次のところに影響しますよ。したがって、予算における取組の中で、実施結果についてのしっかりしたフォローアップをしっかりとしていくのだというところも、これから大変重要ではないかと思いますので、その辺の記述を少しやっていただけるといいのかなという気がいたします。やりっぱなしにならないようにという意味で、よろしくお願いします。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。倉重さん。

〔 倉重委員 〕 おくれて申しわけありません。もしかしたら、ちょっと重なるかもしれませんけれども、全体の総論として、ずっとこの財政審で毎回、毎年こうやって答申を出していく流れの中で、今回の特性と言いますか、今回のメリハリと言いますか、それをどこに置くかということは非常に重要だと思うのですけれども、そういう意味でいくと、昨年は政治的に消費税の引き上げを決めることができた。そして今年は、それを背景にして「3本の矢」という相当大胆な政策を打って出たと。過去に例のないような、打って出た、そういうメリハリの中で、では財政はどうなのかということだと思うのです。

 そういう流れで言うと、当然のことながら、そういう書き方をされているのですが、やはりここまで異次元の緩和をして、10兆の大盤振る舞いをするということを受けての懸念と言いますか、リスクと言うか、について、もう少し、まさに一般の人が読んでいて、なるほど、そういうことがあるかもしれないという、わかりやすいシミュレーション的な書きざまがないと、その危機感が伝わらないという感じが非常にします。

 そこで具体的に申し上げますと、5ページの欧州債務危機の展開と具体的例としてありますけれども、この例を挙げて、日本も下手するとこういう二の舞になるよという趣旨なのではありますけれども、いつもこういう例を挙げるときに、日本は経済規模その他の条件で見ても、かの国とは全く違う、そういう反論が常に出てくるのでありまして、その部分もちゃんと念頭に入れた指摘が必要だと思うのです。違わないと、同じようなことになるのだということが書き込めるのであれば、ぜひそれを書いていただきたいということと、もう1点、7ページなのですけれど、この黒田緩和の結果、どういうリスクが出てくるのか。

 一番下です。いろいろ専門家の議論を聞いていると、一番はっきり定まっていないのは、金融緩和の出口なのです。一番下にある、出口がどうなのかということが、いろいろな議論がまだあると思うのです。それについて、ここも十分留意すべきであるとは書いてあるのですが、ここはほんとうはどうなのかということを、専門家の方に聞きたいぐらいなのでありますけれども、いざ物価上昇が行き過ぎて、それを下げる、あるいは状況を変えていくときに、日銀が持っている国債は手放せないと。そうなってくると、何で金融緩和状態を調整するのかというラストリゾートと言うのですか、そういう手段というのは、誰も、今、議論するのは早いという雰囲気になっておりますけれども、その辺について財政審として、専門家集団なのですから、もし、こういうやり方があると言われるけれども、それはこういう限界がある的な、もうちょっと厳密な議論を書き込んだらいかがだろうかと思いまして、今、お話ししております。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。起草委員会でもう一度ご検討いただきますけれども、今のご意見の2点目でしょうか、日銀の政策の出口戦略について、この財政審の報告書で今の段階で議論するというのは、やや土俵を出てしまうかなという感じがしますが、もう1つ、5ページからの欧州の経験です。それに対して、常に日本は違うのだという意見があると。おっしゃるとおりです。それに対する反論のようなものは、6ページから国債市場の環境変化のところに、6から7で少しというか、それなりに書いてあるのです。

 ですから、今のご指摘を受けて、積極的に日本の市場というのは欧州とは全然違うのだという意見があるけれどもということを入れるということは考えられると思うのですが、こういうところを起草委員会の先生方に、またご検討いただきたいと思います。

 ほかにいかがでしょうか。碓井先生。

〔 碓井委員 〕 既にご指摘のあった点であるわけですが、先ほどもありましたように、緊急財政対策のことに言及がありましたけれども、それとの関係で、全体はわかることではあるのですが、11ページのマル3の毎年度の予算における取組の2行目からですが、「事務事業を必要性・効率性の観点から徹底的に見直し、経済成長の実現等の重要課題に重点化することが前提となる」。この、まさに経済成長の実現等の重要課題、これをどういう方法で、あるいはどういう視点でやるかということが今まで常にはぐらかされて、そこの経済成長というところだけに着目して予算編成がなされてきました。

 くどいようですが、ここをやっぱりもう少し、その前のほうで言っていることを、ここでも繰り返して述べておいていただきたいという気がいたします。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 では、具体的かつ建設的ないろいろなご指摘いただきまして、ありがとうございました。いずれも起草委員会でまたご検討いただくわけですが、大きな論点としては、例えば2020年度までのプライマリーバランスの黒字化目標というのだけれども、その道筋を示せとか、そういうことはもちろん言っているのですが、現在既にわかっている数字で少し踏み込んだ記述ができないか。これは複数の委員の方からご指摘がございました。先ほど、事務局からもレスポンスしてもらったわけですが、この点についてどういう記述ができるか検討する。

 それから、関連するわけですが、消費税を引き上げる、これは法律どおり当然やるというのは、この委員会の立場で、明確な記述もありますが、それでもまだ十分ではない。その点も第1の点と関連するわけですが、入れ込む。

 また、さらにこれと関連するわけですが、2020年度まで、今から7年あると言っても、毎年いろいろなことが起きる。そういう中で、言いっ放しではなくて、PDCAサイクル、チェックをきちっとして、また何か起きたときに、どういうことをやるのか、やるべきなのかとか、そういうようなことについても何か記述ができないかというようなご指摘があったと思います。こうしたことを、起草委員会の先生方に再度ご検討いただきたいと思います。

 では、最初の基本的な考え方の部分は以上としまして、続いて、各歳出分野の議論に移ります。まず、各歳出分野は3つに分けて、おおむね30分ぐらいずつご議論いただければと思っていますが、最初に社会保障についての小セクションについて、どなたからでもご意見いただければと思います。

 では、井伊委員、岡本委員の順でお願いいたします。

〔 井伊委員 〕 社会保障のところなのですが、特に医療・介護のところはいろいろ書いてありますが、何が基本戦略なのか、優先順位は何なのか、よくわかりません。一般の国民にはもっとわからないと思います。

 具体的に15ページのマル2のイ)のところですが、これは、この審議会でも紹介されましたし、国民会議で議論されている病院の再編のための基金のこと、ここでは基金というのはたしか出ていなかったと思うのですが、また補助金ともここには書かれていないのですけれども、多分補助金のことだと思うのですが、公費を投入するとありますが、具体的にどうやって投入をするのか。この公費を投入して再生基金をつくることによって、今ある問題がどのように解決されて、どのようによくなるのか、そうした病院への効果が不確かなときに、補助金をばらまくというのが国民の理解と納得になるのかどうか。私は到底なるとは思えないのですが、具体的に書いていただきたいと思います。

 13ページの第2パラグラフの最後のところに、「国民の理解と納得を得るためには、消費税増収分を目に見える実効的な改革につなげ、その成果を国民に還元していかなければならない」と書いてあるのですが、私は、公費を投入することが国民に還元するとは言えないのではないかと思います。国民からすれば、消費税を引き上げて、病院に補助金を配るのかという印象を持たれると思いますし、医療機関の再編になんでお金が要るのか。基金を使って、もしかして厚労省の役人が天下りするのではないかとか、ネガティブに受け取ることもできますので、国民に疑念を持たれてしまえば消費税引き上げの足を引っ張りかねないと思いますので、もっと具体的に、どういう問題が解決されて、どうよくなるのかというのを書いていただきたいと思います。

 18ページに具体的な金額、ハ)の医療・介護分野への公費追加のところで、医療・介護サービスの提供体制の改革関係で、1.4兆円の充実と、マイナス0.7兆円の重点化・効率化が行われ、差引き0.6兆円程度の公費追加となるとありますが、この0.6兆円というのが、病院の再編のための基金に使われるお金であると解釈してよろしいのでしょうか。

 今の地域医療再生基金が、たしか2,000から3,000億円だったと思いますので、それを2倍から3倍にして基金をつくろうとしていることなのか。なんで0.6兆円が必要なのかというのも、ここからは明らかにされていないと思います。総報酬割の話もここで議論されていましたけれども、総報酬割を導入しても、もともとの医療費が増え続ける限り、一時しのぎにしかならなくて、またいずれ何らかの形で健保組合の負担を増やす方法を探してくるだけであって、また、高齢者の自己負担を増やせば医療費は減るのかと言うと、ある程度の効果はあるかもしれませんけれど、これにしても2割から3割、3割から4割と増やし続けるわけにはいかないと思います。

 私は、ここでも何度か申し上げていると思うのですが、日本の医療制度の大きな問題点の一つは、診療所間の質のばらつきが著しいことで、すばらしい開業医の方もいらっしゃるのですが、そうでない人もいて、質が一定しない。病院に関しては、この10年ぐらいデータが出てきて、かなり状況が変わってきたと思うのですけれども、やはり診療所の再編成をどうするのか。診療所の医師と病院で働く医師の支払い制度はどうするのか、そういうことを議論しない限り、病院を再編して、施設から地域へ、といったときに、私は全く絵に描いた餅になるのではないかと思います。

 最後にもう1点なのですが、どの国の人と話していても医療関係者というのは、お金が足りないとか、もっと必要だと言うのですけれど、日本のように、大変だ、大変だと言うと何となく予算がついて、その後、そのお金の使われ方が検証されない国というのは、先進国ではとても珍しいのではないかと思います。ですから、医療制度改革というのは予算制度の改革とセットで進める必要があって、それこそがこの財政審の役割であると思います。

 ですから、これはもしかしてローマ数字1の財政運営のあり方のところになるのかもしれませんが、予算制度改革について、この報告書では言及がありませんので、そういうところで財政規律が守れるはずはありませんし、赤字国債も2015年まで自動的に発行できるようになっていますので、今すぐに答えは無理としても、やはり財政再建に向けた法制度の検討ぐらいは、私はするべきだと思います。以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 ご意見多数いただいたと思いますが、ちょっと1つだけ、18ページの0.6兆円、6,000億についてはご質問があったかと思いますが、とりあえず事務局から、その点についてお答えいただけますか。

〔 新川主計官 〕 0.6兆円の件ですが、これは社会保障・税一体改革大綱が決定された際に、社会保障の充実に何をどんなふうに使うのかということで、充実については、消費税増税分のうち、2.7兆円を差引き財源として使う、そういった計画があったわけでありますけれども、その中の内訳として医療・介護・年金、それから子どもの4分野について、一定のそのときの案があったと。そのときのプランでは、ここに書いてありますように、差引き0.6兆円の公費追加ということになっていたということでありますが、起草していただいた文章を見ますと、その見直しが課題になっているということでありますので、0.6兆円をそのまま容認するというコンテクストではないと理解しております。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 井伊先生は医療のご専門でもありますし、今、いただいたご意見というのは、もちろん記録もあるわけですけれども、もし具体的な修文とかサジェスチョンがございましたら、本日最後に全ての委員の方々にお願いするわけですが、大変駆け足というか、ある意味で非常識なお願いかもしれませんが、できれば今日中にメールで事務局宛てに、幾つかお気づきなところがあれば、今のご発言以上に踏み込んで、ぜひともというようなことがございましたら。

〔 井伊委員 〕 今の発言に対応していただければいいです。

〔 吉川分科会長 〕 それでよろしければ、そのように、こちらで、起草委員会で対応させていただくということに。

〔 土居委員 〕 起草委員をさせていただいておりますけれども、ここの文章の位置づけとして、どういう位置づけにするかというところにも、井伊先生のお話はかかってくるのかなと思います。つまり、これから8月に向けて社会保障制度改革国民会議で取りまとめが行われるということをにらんで、財政審でこれを議論してきたという経緯があります。

 当然ながら、我々の視野は、単に社会保障制度改革国民会議が8月で期限を迎えるというところまでが我々の視野ではないということも承知はしておりますけれども、さはさりながら、目下の焦点というのは、社会保障制度改革国民会議でどういう取りまとめがなされるか。特にその国民会議の中で、かなり焦点が集中している部分について、言葉を選ばずに言えば、足を踏み外さないようにお願いしたいというところの思いが、わりとここの文案では表立っている書き方になっているのかなとは思います。

 その裏表の関係ですけれども、結局、長期的な視野でどういうふうに取り組んでいくかというところについては踏み込みが足りないと、井伊先生のご指摘になったようなところについては、あまり何も触れていないというような対応になっております。ここでむしろ、これからどういう形で取りまとめるかということをご相談というわけですけれども、とりあえずは国民会議の行方に対して、我々として何を言うべきかというところに重立った焦点を当てるということにするのか、それとももう少し長期的な国民会議の期限以降のこともにらみながら、改革としてこういう改革をやるべきだということを、そこにも踏み込んで言及するのかというところのバランスというのを、むしろご議論いただけると。

〔 吉川分科会長 〕 関連しますが、井伊先生のご発言の中で、日本の医療システムの改革のためには、病院それから診療所の資源配分の問題、さらに、たしかご発言の中で診療所グループ内での、ある意味でのリストラが必要だというようなご発言があったと思うのですが、それは、もうご存じのとおり、中医協での診療報酬に大いに依存するところもあるわけで、我々の審議会というのは財政ですから、いわば総額に係るところが一番我々の審議会としては関係するわけで、さらにそれをどう配分するかという問題が、ある意味では、そのほうが大事なところがあるということかもしれませんが、それはまた中医協のほうの話ということもかかわってくると思いますが。

〔 井伊委員 〕 病院に関しては、話しているわけですよね。基金というのは、まさに病院の再編なので。

〔 吉川分科会長 〕 基金のところが、そうですね。

〔 井伊委員 〕 この基金のことですが、国民会議の議論はそれほどフォローしているわけではないですが、今日の古賀委員の資料にもありますけれども、国民会議の総意ではないわけですよね。一部の委員の中で話をされているということなので。国民会議での意見の一致を見ていないところで、この審議会でかなり専門的な話、診療報酬でやるのか、補助金で再編するのかという専門的な話をあまり議論しないところで、財政審でお墨つきを与えてしまうような印象が、私はこの報告書案で感じたところでありまして、いずれにしても、国民にはわからないですよね。国民会議の議論も、国民にはわからないのですけれども。

 ですから、私たちの役割は何なのかなということを考えながら読みますと、いろいろ疑問が残る報告書だということでございます。

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。いただいたご意見、また起草委員、事務局、私も参加させていただきますが、検討させていただきます。 岡本委員。

〔 岡本委員 〕 井伊委員のご意見とかぶるところが多いのですけれども、社会保障の関連支出というのは110兆円もいっているということになると、あまりにもあり過ぎて、ほんとうに切り込まないといかんという大口は何なのかということを考えると、ほんとうにたくさんあると思うのです。

 そういう中で、ほんとうに細かな総報酬割というところが、かなりの部分を割いて書いているわけですけれども、これについて私は、何度も繰り返しますけれども、総報酬割は協会けんぽが負担する支援金、納付金に対する国庫負担分を、健保組合等に肩がわりするということにほかなりません。今までのように、取れるところから取るというスタンスが常態化すれば、各組合における財政健全化の努力が報われない。それならば解散したほうがよいという方向に行くと思います。

 現に、先日開催されました社会保障審議会、この中の介護保険部会の議論では、総報酬割の導入について反対が相次いだという報道もなされております。この報告書では、総報酬割を導入することは前提となっているように読めますけれども、少なくともここでも3人、4人の委員は反対しておりますし、決して全体の意見が一致していると思えません。

 秋口の議論に基づいて提出された報告書でも、反対意見があったということが書いてありましたけれども、今回も、適切に書き加えていただきたい、このように思っております。 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。では、表現も含めて、この点もまた再検討という宿題にしたいと思います。ほかにいかがでしょうか。鳥原委員。

〔 鳥原委員 〕 13ページから14ページの総論ですが、社会保障・税一体改革の目的は、何よりも将来世代に負担を先送りしない、持続可能な社会保障制度の再構築にあるわけで、来年、消費税率を引き上げる状況になっている以上、少なくとも一体改革大綱で示している1.2兆円の重点化・効率化の枠について、確実に担保すべきと思います。総論部分において、聖域を設けることなく踏み込んだ給付の重点化・効率化策を徹底することを強調すべきと思います。

 18ページの医療・介護分野への公費追加では、いろいろ数字が出ており、当初の想定どおり重点化・効率化の効果が見込めない状況にあると記されていますが、こういう状況であればこそ、1.2兆円の重点化・効率化の枠の担保はしっかりと確認すべきだと思います。

 それから、17ページ、18ページの医療・介護保険制度の改革では、岡本委員が言われたことと重なりますが、社会保障改革国民会議で総報酬割の導入にコンセンサスが得られているかのような書き方になっていますが、現時点ではまだ意見の整理の段階であるように思います。そういう点を踏まえ、正確に記載すべきと思います。

 そもそも被用者保険は、既に4割から5割が高齢者医療への支援金や納付金に投入され、極めて厳しい財政運営を強いられているのが現状です。こうした中で、被用者保険への国庫補助は当然行われるべきであり、仮に全面総報酬割に移行しても、それによって浮いた国庫負担分は被用者保険全体の負担軽減のために使うのが筋と思っているところです。

 そうした観点から、記述の見直しをお願いしたいと思います。

 最後に、22ページ、23ページの雇用に関してですが、23ページの頭に、雇用保険について、国庫負担の廃止も含め、そのあり方について検討を行うべきとされていますが、以前にも申し上げましたとおり、雇用保険というのは労使及び国の三者がみんなで支え合うセーフティネットという位置づけであり、一定の国庫負担は必要とすべきと考えます。以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。検討させていただきます。

〔 渡辺委員 〕 岡本さんと鳥原さんと、また同じようなことになりますけれども、最初の総論の13、14ページのところですが、社会保障制度の持続的な可能性を高めていくということになるわけですが、これからの少子高齢化ということを考えてみますと、短期、中期、長期それぞれの取組を少し明確化していかなくてはいけないのではないか。そのお金の使い方にメリハリをつけるということが大事で、そういう意味で効率化・重点化というのが大変重要ではないかと思います。

 その効率化・重点化を図るという意味では、自助、共助、公助という役割をこれも明確化しなくてはいけないと思っております。自助を基本として、自助で対応し切れない生活上のリスクを共助で、自助と共助で対応し切れない困窮なものは公助で対応ということをさらに明確にしていく必要があるのではないかと思っております。その辺の記述を少し考えていただいたらと思います。

 それから、総報酬割につきましては、もう何度もお話をしておりますが、2つだけつけ加えさせていただくのは、1つは高齢者医療や介護保険制度に関しては、先ほど言いました自助、共助、公助の役割分担を明確にして、高齢者にも適切な負担を求めていくという方向での抜本改革を行うことが大変重要ではないかと思います。

 2つ目は、健康保険組合は既に高齢者医療への多額の拠出金を負担をしております。より厳しい運営を迫られている中で、こうした改革の全体像を描かれないままに、取れるところから取るという報酬割を安易に維持拡大するということになれば、被用者保険全体が壊れてしまうのではないかと思います。

 さらに言えば、全面報酬割で報酬割の導入に伴いまして、被用者保険に投入されている国庫を国民健康保険に回すという考え方が示されておりますけれども、地域の国保と職域の被用者保険は、両者が自立をしてそれぞれの加入者特性に応じた保険者機能を発揮していくべきではないかと思っておりますので、その辺も少し考慮いただければと思います。以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。いかがでしょうか。碓井委員。

〔 碓井委員 〕 私は先ほどのご発言にもありましたように、雇用保険について、国庫負担の廃止も含めてというのは、法律学者の端くれの私にはやや抵抗がある表現でありまして、これはもちろん外国の制度に言及されていますが、この制度というのは、おそらくそれぞれの国の国情があってでき上がってきているものでありまして、そういうときに日本国憲法の25条の下の制度として、果たして財政審としてここまで踏み込んでいいのかというのは、やや気になる。

 特に、受益者負担ということを書いてあるのですけれども、同じ社会保険の中でも、健康保険の制度と、それからこの雇用保険の制度は、やっぱり違いがある。それから、こういうものを議論するときは、当然、生活保護の制度などとの連動関係も考慮しなければなりませんし、やや慎重さを私は求めたいと思います。以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。竹中委員。

〔 竹中委員 〕 雇用のところの項目についてだけ。いつものように、若者、女性にかかわる雇用のところに障害者というのも入れてもらえないでしょうかというのを今日も言おうかなと思いつつ、実はちょっとショッキングな出来事がありまして、というのは、今朝もNHKのニュースでもやっていたのですけれど、特別支援校の生徒が急増していて、それこそ倍増している状況だと。それは、いわゆる発達障害という障害診断が最近多く出るようになってきて、親が我が子が障害があるのであれば、おそらく将来の働き口が大変だろうから、まず障害ということを認定を受けて、特別支援校に行くことによって雇用率の少なくともポイントの中で働けるようにというような感覚で、そうなってきていると。

 同時に、今、若い女の子たちが社会に出て、学校を卒業したら、働くよりも、少しお金を持っている人のところにお嫁さんに行きたいという女性の率が非常に増えてきたというようなお話で、ちょっと日本は底が抜けてきたなという感じがするのですが、先ほどから委員さん、秋山さんはじめ、多くの皆さんがおっしゃったように、やはり困っているという声を上げたら、何かがおりてくるという制度の1つの欠陥みたいな感じもすごくするのです。自分はこういうことができる、こういうことを頑張ろうと思っている人を後押しするよりも、困っている、大変ですということに対して何か手当てがされてくるという。

 ここで雇用ということなのですが、このような考え方で、働くイコール雇用と考えてしまうと、業を起こして自分で社会の中で自分の実力を発揮していくというような考え方というのは、やはりなかなか生まれてこないのです。雇用の枠の中でと。

 ですから、雇用の枠についてさまざまな意見が交わされて当然であるのですけれど、いつも私は障害者の働きといったときに、多様な働き方ということを言わせていただいているのですが、ここに書くことが適切かどうかわからないのですが、全体の中で、ほんとうに社会を支える人たちが多様な働き方が選択でき、やっぱりそこへバックアップができるという考え方が入っていないと、やはりこのまま、困ったというところに手当てをしていくパターンというのは非常に怖いなと。

 まして、子どもが障害認定を受けて、初めて雇用につながるのではないかという親が増えているなんていうのは、私のような立場だと非常にショックだなと。特に発達障害というのはコミュニケーションをとることはなかなか難しかったりするのですが、情報通信技術なんかものすごくたけた人がいて、ビル・ゲイツがアスペルガーというのは有名なのですけれど、私たちの経験では、情報通信を使うことで非常に能力を発揮されるし、先進国はむしろそのような方向にどんどん教育のバックアップをしているのです。だから先進国で発達障害というのが認定され出したというのは、そういう教育の仕方で、この人たちはどんどん社会に出ていけるということで、スペシャル・ニーズ・エデュケーションをするために認定されたのですが、日本は全くその逆になっているということが、やっぱり社会全体の空気をものすごくあらわしているのだなと。日本はそういう意味では、ほんとうに先進国でなくなりつつあるなという感じがしますので、どこにどのように書き込むかということは、私はあまりにも話があれなのでわからないのですが、だから、ここに若者、女性、障害者と入れてと、いつものように単純に言えなくなってしまったのです。

 すみません、ちょっと皆様も、ともに少しその部分をお考えいただければありがたいかなと思います。以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。田近委員。

〔 田近委員 〕 起草委員の中に入っていて、いろいろ議論もしているのですけれども、社会保障のところをどう考えていくかということで、岡本委員とか渡辺委員とか、いろいろご意見があったのですけれど、一般会計だけでも、もう30兆近い社会保障関係費が出ているわけです。前段で財政再建は、ある意味で待ったなしと。それをプライマリーバランスで表現したときの健全化ゴールとして15年の半減、それだけではなくて、20年にプライマリーバランスを黒字にすべきだという強い、ここで今、議論をしたばっかりなわけですけれども、それを実際の政策でどう反映していくかというときに、社会保障で、もちろん高齢者の自己負担の見直しということで、74歳の人たちの負担を1割から2割にする。それから介護保険も、そのようなことをすべきだ。そして75歳以上のところは、そういう議論は直接的には出ていませんけれども、そういう流れが必要なのだろう。それもわかります。

 ただ、社会保障における公費をどう考えていくか、そこにどう切り込んでいくかというときに、やはり総報酬割も財政審として踏み込めない。それから雇用保険の公費負担に関して、ここで、なぜ雇用保険における公費負担が必要なのか、必要でないのか、各国の経験も踏まえてきちんと書いてあると僕は思うのですけれども、この雇用保険の国庫負担も踏み込めない、そして総報酬も踏み込めないという報告書でいいのかという一面もあると思うのですけれども、それも、できれば議論いただいて、こちらの次に考えるときの材料にさせていただければと思います。

〔 吉川分科会長 〕 先ほどの碓井先生のご意見は、ご専門の立場から、この全廃という表現はエンドースできないという、そういうご意見だったと思うのです。ですから、起草委員の方々には、そういうご意見があったということを踏まえて、再度検討していただくということ。

 財政審としては、全体としては財政について厳しくと、これは我々の立場からすれば当然だと思うのですが、そういう認識を持っているわけですから。ただ、個々の論点についてはさまざまな意見がある。そのさまざまな意見が、単に、いわゆる抵抗勢力的な意見なのか。あるいは、そこには理があるのかというのは、我々としては議論すべきで、そこに一定の理があれば、それはそういう立場もあるということを当然踏まえて書くということだと思うのですけれども。それに尽きると思っていますが。秋山委員。

〔 秋山委員 〕 私も、基本的には財政についてもっと厳しくあるべきという立場が基本ではありますけれども、先ほどの竹中委員のお話は大変ショッキングなご意見で、大変いろいろ考えさせられる問題提起だったと思います。ちょっとそのご指摘と一見そごするように聞こえるかもしれませんが、これも重要な点だと思いますので、申し上げたい点が、今、安倍政権が掲げている成長戦略との兼ね合いということなのですけれども、財政の歳出について厳しい取組が必要であると同時に、やはり十分条件ではないけれども、必要条件として経済成長を実現していく必要がある。

 今、日本が直面している1つの大きな課題として、産業構造がこれからやはり変革していく時期に入っている。その中では、やはり人材の流動化、要は、新しいこれから成長する産業になるべく人材がうまくシフトするようにしていく必要があるということが、今、大いに議論されているところです。

 ただ、そうなったときに、今、やはり雇用の問題というのは非常に国民目線から見てセンシティブな問題でもありますし、そのことが先ほど竹中委員からご紹介があったような事例につながってきていると思うのですけれども、そういう中で、セーフティネットとしての、それが雇用保険だけではないと思いますけれども、最低限セーフティネットがあるから、もっとどんどん前向きに変革を進めていこうよというメッセージは非常に重要だと思うのです。

 そういったところで、ほんとうに言葉の表現なのですけれども、いきなり雇用保険についての国庫負担の廃止というものが出てくると、少し言葉足らずな面があるのではないかという印象を持ちます。

 では、ということですけれども、先ほど渡辺委員からキーワードが出てまいりましたけれども、自助、共助、公助の考え方、まずこれに立った上で、セーフティネット機能は維持することは大事だけれどもというようなところは、ぜひつけ加えていただきたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。いかがでしょうか。よろしいですか。では、次の歳出分野、地方財政及び社会資本整備について、どなたからでも。鳥原委員。

〔 鳥原委員 〕 地方財政の24ページ、25ページの(2)の具体的な取組みですが、給与関係経費あるいは一般行政経費、地方公営企業の経営改善などの歳出削減や、地方税収など歳入確保による地方の財政健全化の必要性が記述されています。このとおりですが、これらを効果的に進めるためにも、現行の地方交付税については、地方公共団体が積極的に歳出削減、歳入確保に取り組むインセンティブが働くような仕組みに改める必要があることを、この記述に触れるべきではないかと思います。

 それから、社会資本整備も一緒でよろしいでしょうか。26ページ、27ページに記述されていることは、それぞれ適切だと思っておりますが、ここで社会資本整備は投資効果の高い事業に集中的に取り組むという基本的な考えが示されております。何をもって投資効果が高いと判断するのか、多様な観点から評価することが必要と考えます。直接的な収益だけではなく、事業の意義、あるいは波及効果、それが地域社会、経済に及ぼす影響、あるいは地域の安全、安心の確保のために及ぼす影響、そういったことも含めて、総合的に評価をすることが、どうしても必要になると思うので、多様な観点から投資効果を評価することの必要性を、考え方の中に触れていただきたいと思います。以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。どうぞ、板垣さん。

〔 板垣委員 〕 27ページの上から5行目から始まるところです。「その際」というところですが、この中に、ソフト施策に重点を置きということなのですが、一般の人から見たときに、もうちょっと具体的に書かなければいけないのではないかと思うのです。

 例えば、逃げるが勝ちということがよく言われていて、今、防災の考え方の中では減災という考え方があるわけですから、それでもわからない人が多いので、避難態勢や情報伝達とか、ちょっと具体的な言葉を入れないことには、ソフトとは一体何を言っているのだということが伝わらないと思いますので、そういった具体的なところをちょっと入れていただければと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。いかがでしょうか。碓井委員。

〔 碓井委員 〕 別に異を唱えるつもりではないのですが、26ページのところで、財政力格差の調整のために、水平的財政調整の仕組みを適切に組み合わせるとの視点が重要である。私も多少は勉強していますが、理解はしているつもりなのですが、外国の地方財政の勉強をなさっている先生方に教えていただきたいのですが、水平的財政調整という場合に、州間の水平的財政調整、これは比較的多いと思いますが、日本の地方公共団体のところでほんとうに、例えば市町村も含めて千何百の、それも水平的財政調整でやっているところがほんとうにどれだけあるかというのは把握しておられての議論なのでしょうか。

〔 吉川分科会長 〕 日本ですと、東京23区はやっているのです。

〔 碓井委員 〕 もちろん。

〔 田近委員 〕 碓井先生のほうがご存じで......。

〔 碓井委員 〕 地方消費税は、それはもう。

〔 田近委員 〕 地方消費税はやっていますよね。

〔 碓井委員 〕 調整というか、それは別の理由でですよね。財政力という意味ではなくて。

〔 田近委員 〕 だからご質問は、例えばドイツならドイツで水平調整をいっぱいやっているけれども、でもドイツの場合は連邦だから、連邦で配って、それを連邦の中でどう配るかということは、連邦政府が言う必要もないし、言うこともできないですよね。

 だから基本的には、連邦ではない国が市町村までやっているかということはお答えできませんけれども、だからドイツ、アメリカとかいう場合には、連邦だから、そこでそれ以上できないですよね。

〔 碓井委員 〕 カナダとか。

〔 田近委員 〕 それは事務方にもう少し調べていただいて。

〔 碓井委員 〕 質問を受けたときに、大丈夫かと聞かれて。

〔 青木主計官 〕 すみません、よろしゅうございますでしょうか。

〔 吉川分科会長 〕 事務局から。

〔 青木主計官 〕 14日の資料の国際比較の資料の16ページにつけてあるのですが、この中で例えばフランスでは、水平的調整制度は市町村間の財政調整基金ということで、要は1人当たりの財政力が高い市町村が拠出して、低い市町村に交付するという水平的な財政調整の制度がフランスにはございます。

〔 吉川分科会長 〕 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。では、時間の許す限りで、また後で気がついたということがあれば、適当に戻っていただくとして、とりあえずは最後に、防衛及び文教のセクションについてご意見があれば、どなたからでもよろしくお願いいたします。岡本委員。

〔 岡本委員 〕 文教予算なのですが、30ページの一番下の行なのですけれど、何となく違和感がある文章だなと思うのは、1つは、将来世代の負担というのは、よく社会保障の予算などの場合に、高齢者が全部若者の負担のもとにというイメージがあるのですけれども、文教予算の場合には、若者に投資して、それが将来受益があるのだから、将来世代の負担というのは括弧書きはどうかということが1つと、そもそも我が国の教育に対する財政支出については、国の一般会計ベースで見れば約5割が赤字国債というのは、文教予算に限らないのではないか、もっと一般的な話なのではないかということを見ると、これは第二期の教育振興計画がかなり大きな金額を言っているので、かなりたたいているような文章に見えるのですけれど、この下の2行的なところは言わないで、つなげてもいいのではないかなということです。

 それからもう1つは、OECDのが書いてあるのですけれど、OECDが日本の教育に対する批判として、小学級化というのですか、規模の縮小に当てられていることが問題の本質であるということを言っているのですが、たしか50名でもいいのですけれど、教師の職場確保というのもあるかもしれませんけれども、やっぱり人数が減れば、それだけ稠密な教育ができるという意味では、教育の質の向上ということが中身はあるはずだと思いますので、私は質の向上、質の向上と、いつも言葉としてあるのですけれど、一体質の向上をどういうふうに図るのか、客観化できるのか、あるいはそれをどう評価するのかと。それは誰かやってくださいという感じの文章に見えるのですけれど、私はそういう意味で、OECDの引用をしながら、あの国はみんなそれぞれ小学級化をやっていると思いますから、これをちょっと金科玉条にするような引用の仕方というのはどうかなと私は思います。 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。防衛、教育です。

 いかがでしょうか。防衛、文教について特別になければ、場合によっては前のほうにも戻って、全体としてもう一度この点ちょっと言っておきたかったというようなことを思い出されたということがあれば、どの分野でも結構ですが。どうぞ、倉重委員。

〔 倉重委員 〕 すみません、これは半分質問なのですけれど、この財政健全化という言い方なのですけれど、これはいつごろから使っているのでしたっけ。財政再建とかいろいろな言い方があるのですけれど、何か生ぬるい言い方という見方もできるし、国際共通で何か英語でどういう言葉を使っているのか、その辺も含めて質問です。

〔 吉川分科会長 〕 そのご質問は、まさにこの場にふさわしいというか、ここしか答えられないようなご質問だったと思います。財務省の事務方からお答えいただければと思うのですが。

〔 小宮調査課長 〕 すみません、財審の報告書で健全化という言葉遣いを始めたのは、正確な年数はちょっと確認させてご報告したいと思いますけれど、ここ10年ばかりは使っていると思います。

 財政再建等は、以前昭和50年代はよく使っておりました。それから英語では、通常はフィスカル・コンソリデーションという言葉を使うことが多いです。

〔 吉川分科会長 〕 よろしいでしょうか。ほかにいかがでしょうか。報告書全体でも結構ですが。よろしいでしょうか。

 では、皆様方、大変お忙しい中、出席していただいておりますので、予定の時間よりは早いですが、ディスカッションを打ち切りたいと思います。審議会によっては、露骨なベステッド・インタレスト代表というようなご意見もあるわけですが、さすがにこの審議会では、皆様方からそれぞれご専門の立場に立って大変理のあるご意見、また、この報告書にとって大変建設的、具体的なご意見をいただけたと思います。

 起草委員の先生方、大変お忙しい中、大変ですが、本日我々が受けた宿題を踏まえて、また最終報告案に向けて頑張っていただきたいと思います。

 繰り返しにもなりますが、さらにこの会議の後で、また1つ思い出したと、また、あそこの文章は、こういうふうに具体的に変えてもらいたいというようなことを皆様方思いつかれましたら、先ほども少し申し上げたのですが、本日中に事務局にメールでしょうか、お申し入れいただきたいと思います。

 いずれにしましても、皆様方からいただいたご意見を踏まえまして、必要な修文を行い、次回、再度お諮りした上で最終的に取りまとめ、大臣へ手交することとしたいと思います。

 なお、本日の報告書案につきましては、大変恐縮ではありますが、中途段階でありますので、回収させていただきますので、お持ち帰りにならずに、机の上にお残しいただきますようお願いいたします。水臭いと思われるかもしれませんが、そういうことですので、机の上に置いていただいて、気楽に手ぶらで出ていただくと。

 また、次回お諮りする報告書案につきましては、次回分科会の前日には事務局より送付させていただく予定です。大変駆け足の予定ですが、またそれに適宜目を通していただいて、その上で、次回は24日金曜日午後4時から、この会議室で行います。

 では、本日はこれにて閉会いたします。どうもありがとうございました。

午前10時47分閉会

財務省の政策