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財政制度分科会(平成25年4月1日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録
平成25年4月1日
財政制度等審議会


 財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

 平成25年4月1日(月)15:02〜17:02
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

1.開会
2.小渕副大臣挨拶
3.事務局からの説明
・平成25年度予算政府案及び平成25年度暫定予算について
・後年度影響試算について
・国民負担率について
・平成23年度「国の財務書類」
・経済財政政策(三本の矢)について
4.今後の運営について
5.質疑応答
6.閉会

配付資料
○ 資料1      平成25年度予算のポイント
○ 資料2      平成25年度一般会計歳入歳出暫定予算概要
○ 資料3−1    平成24年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算
○ 資料3−2    国債整理基金の資金繰り状況等についての仮定計算
○ 資料3−3    第5回経済財政諮問会議内閣府提出資料(足元の経済財政の状況について)
○ 資料4      国民負担率
○ 資料5      平成23年度「国の財務書類」
 (参考資料1)   平成23年度「国の財務書類」のポイント
 (参考資料2)   「国の財務書類」ガイドブック
 (参考資料3)   平成23年度「国の財務書類」の概要
○ 資料6      経済財政政策(三本の矢)について
○ 資料7      今後の運営について
8.出席者 
分科会長 吉川 洋            

小渕副大臣
竹内大臣政務官
中原次長
福田次長
岡本次長
可部総務課長
小宮調査課長
工藤司計課長
大鹿法規課長
泉公会計室長
土谷給与共済課長
江島主計企画官
中村主計企画官
富山主計官
吉井主計官
角田主計官
窪田主計官
武藤主計官
新川主計官
諏訪園主計官
青木主計官
神田主計官

分科会長代理     田近 栄治  
 委員秋山 咲恵
井堀 利宏
碓井 光明
岡本 圀衞
倉重 篤郎
黒川 行治
古賀 信明
竹中 ナミ
早川 準一
 臨時委員赤井 伸郎
板垣 信幸
葛西 敬之
小林 毅
渡辺 捷昭

午後3時2分開会

〔 吉川分科会長 〕 それでは、定刻になりましたので、ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。皆様には、ご多用中のところご出席いただきまして、まことにありがとうございます。

 本日は、まず、国会審議の都合によりお越しいただけない麻生財務大臣にかわりまして小渕副大臣よりご挨拶をいただきます。次に、事務局より平成25年度予算政府案及び平成25年度暫定予算、後年度影響試算、国民負担率、平成23年度国の財務書類及び経済財政政策(三本の矢)について説明をしていただきます。続きまして、当分科会の今後の運営についてご説明し、最後にまとめて質疑を行いたいと考えております。
 それでは、小渕副大臣よりご挨拶をいただきます。カメラが入りますので、そのままお待ちください。

(報道カメラ入室)

〔 吉川分科会長 〕 よろしくお願いいたします。

〔 小渕副大臣 〕 ご紹介いただきました財務副大臣の小渕優子でございます。本日、麻生財務大臣、予算委員会に出席しております。かわりにご挨拶をさせていただきたいと思いますが、改めまして、皆様方には大変お忙しい中、お集まりいただきましたことに心から感謝を申し上げたいと思います。本当にいつもありがとうございます。
 最近の日本経済には明るい兆しが見えています。この明るい兆しを安定的なものとし、国民の期待にしっかりと応えて強い経済を取り戻していくことが安倍政権の使命です。そのため、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略、この三本の矢を果断に実行しているところです。

 新政権発足後、まずは景気底割れを回避するために緊急経済対策を策定し、それに基づく補正予算を編成しました。政府・日本銀行の連携による大胆な金融政策とあわせて、政府みずからが率先して需要をつくり出す機動的な財政政策を実施、実行してきたところです。

 他方、いつまでも国の財政で需要をつくり続けることはできません。持続的な成長を実現するためには、企業がお金を借りて積極的に投資をして売り上げを伸ばす、これによって雇用や賃金を増やすという民需主導の好循環を生み出していかなければなりません。将来の確かな期待を持てるような成長戦略の策定とあわせて、我が国の財政への信認を維持し続けるための財政健全化を着実に実行、実現していく必要があります。
 政府は、2015年度のプライマリーバランス赤字半減、2020年度のプライマリーバランス黒字化の目標を実現することとしており、そのための第一歩として平成25年度予算案は引き締まったものにしたところです。今後、財政健全化と経済再生の双方を実現する道筋について検討を進めてまいりたいと思っております。
 当審議会におかれては、財政健全化目標達成に向けた検討の基盤となる議論をぜひとも進めていただき、5月末を目途にこのご報告をお願いしたいと思っております。
 以上であります。どうぞ皆様方におかれましては、本日も忌憚のないご意見をいただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。小渕副大臣はご所用のためここでご退席になられます。どうもありがとうございました。

 では、報道の方々も退席をお願いいたします。

(小渕副大臣退室)

(報道カメラ退室)

〔 吉川分科会長 〕 それでは、議事に移らせていただきます。まず、事務局より平成25年度予算政府案及び平成25年度暫定予算、後年度影響試算、国民負担率、平成23年度国の財務書類及び経済財政政策(三本の矢)について説明をお願いいたします。

 なお、後ほど質疑につきまして時間をとっておりますので、ご質問等がございましたら、その際にお願いいたします。

では、事務局、よろしくお願いいたします。

〔 可部総務課長 〕 総務課長の可部でございます。よろしくお願いいたします。

 まず、お手元の資料1及び資料2に沿いまして、25年度政府案並びに25年度暫定予算につきましてご説明をさせていただきたいと存じます。多数ご説明事項がございますので、ポイントを絞ってやらせていただきたいと思います。

 まず、資料1でございますけれども、おめくりいただきまして2ページに平成25年度予算のポイントがございます。25年度予算は、日本経済再生に向けて緊急経済対策に基づく補正予算と一体的なものとして15カ月予算として編成いたしました。その一方で、財政健全化目標を踏まえまして、前年度より引き締まった中身とする。その中で、補正予算と同様に、ここに掲げられております復興・防災、成長、暮らしの安心と地域活性化の3つに重点化を図って編成をさせていただいたところでございます。

 重点化の例といたしましては、国民の命と暮らしを守る公共事業予算、国民の安心のための防衛予算を充実する一方で、生活保護や地方公務員人件費などにつきまして、適正化、見直しを図っております。

 また、経済危機対応のための予備費につきましては、10兆円規模の補正予算を編成しております関係上、経済危機を想定いたしました予備費については計上を見送っております。

 この結果、こちらにございますように、過去3年間続きました公債金が税収を上回るという異常な姿を脱して、税収が公債金を上回る状態を回復したところでございます。

 また、一般会計ベースのプライマリーバランスにつきましても着実な改善を図っておりまして、24年度当初で24.9兆円であったものが、25年度当初では23.2兆円に改善しているところでございます。

 1ページおめくりいただきまして、主要な項目についてご説明をさせていただきたいと存じます。

 まず、復興予算につきましては、25年度の復興特別会計におきまして4.4兆円を措置しております。あわせて、27年度までの復興フレームを見直し、これまで5年間で19兆円というフレームでございましたけれども、今後の事業費が19兆円を上回る部分につきましては、郵政株式の売却益など6兆円程度を充て、5年間で25兆円のフレームといたしております。

 社会保障につきましては、生活扶助の適正化や年金国庫負担の精算額の拡大などを背景に29兆1,200億円となっておりまして、対前年度の増加額が抑制されているところでございます。

 地方交付税につきましては、7.8%の地方公務員給与のカットを本年7月から実施するものとして反映いたしますとともに、地方一般財源については、前年度と同水準を確保するほか、地域の元気づくり事業費3,000億円を計上するなど、地方にも十分な配慮を行っているところでございます。

 公共事業関係費につきましては、前年度に比べまして7,100億円増額して5兆2,900億円を確保しております。

 ちなみに、この増加額の背景でございますけれども、前政権のもとで地域自主戦略交付金というのが、いわゆる一括交付金というのが計上されておりました。これは内閣府に計上されて、その他の事項経費だったわけですが、これを各省計上の交付金等に組み替えをしてございます。それが6,400億円程度、公共事業関係費の見かけ上の増加という形になっておりますのと、それから農林水産省予算の中で非公共事業から公共事業へシフトさせたものが400億円という要因がございまして、これらを合わせますと、今回の対前年度増加額は見かけ上、そういうふうになっておりますけれども、実質的には対前年度同額の内容となっております。

 また、防衛関係費につきましては、前年度に比べまして400億円増という内容になっておりまして、特に尖閣方面を中心とします警戒監視等に重点を置いているところでございます。

 以上の結果を、恐縮ですが、ちょっとお戻りいただきまして1ページ目のフレームの数字でごらんいただければ幸いです。フレームにございますように、トータルの歳入は92兆6,000億円でございますけれども、その内訳といたしまして、税収が43兆960億円でございまして、公債金42兆8,510億円を若干ではありますけれども上回った形に復帰したということがございます。

 それから、もう一つは歳出でございますけれども、基礎的財政収支対象経費は70兆3,700億円となっております。これは右の備考欄をごらんいただきますと、24年度予算では約68兆4,000億円でございました。ただ、ここには歳入歳出両建てで乗る経費については加算をして調整を図ることができますので、例えば年金差額2兆6,000億円でございますとか、あるいは復興特会の繰り入れなどを加えますと、歳入歳出両建て、ペイアズユーゴーになって乗っかる部分を加えると、68.4兆円にそれらを加えると71兆3,339億円となります。それに対しては、約9,600億円の減額という形になっておりますので、その分、今回の予算は24年度予算に比べると引き締まった内容となっているということでございます。

 それから、一番右の下の備考欄にございますように、一般会計ベースでのプライマリーバランスは改善をしている、こうした内容になっております。

 今回の予算の中でめり張りにつきましては、9ページ以降に、まず予算の重点化といたしまして、先ほど申し述べました3本柱に沿って、いわゆる張りの部分の3本柱について具体的な施策が掲げられております。9、10、11ページがその内容になっておりますが、12ページにめり張りのめりといたしまして、歳出分野における適正化見直しとして地方公務員給与の適正化、また生活保護の適正化、財審からいただきました意見書も踏まえた取り組みをさせていただいておるところでございます。

 また、13ページをごらんいただきますと、行財政改革といたしまして、今年度の公務員等の人件費抑制につきましては、国、地方合わせて1.7兆円の削減を図っております。

 その内訳としては、1つが国家公務員7.8%の給与減額、並びにこれに準じた措置を地方公共団体等で講じることによるものが1.3兆円、それから、昨年の臨時国会で成立いたしました国家公務員の退職手当を平均400万円引き下げる法案、これに従った国家公務員と地方公共団体の措置で0.2兆円、さらに定員の縮減、これは一番下にございますように、実質的には過去の最大規模になります2,374人の純減という定員削減を行っております。これらによるものが0.1兆円ということで、合計1.7兆円の人件費抑制を図っているところでございます。

 25年度予算につきましては以上でございます。

 続きまして、資料2で暫定予算につきましてご説明させていただきたいと思います。

 今年は当初予算の閣議決定が1月末、国会提出が2月末ということでございました。昨年12月26日の政権発足でございましたので、例年に比べますと1カ月おくれての予算の決定並びに国会提出というスケジュールになってございます。このため、現在、本日も衆議院の予算委員会で本予算についてはご審議をいただいているところでございます。

 従来の例を見ますと、衆議院の予算通過並びに参議院での予算成立のめどが立たないときには、50日間の暫定予算を組んでいるというのが過去の例でございまして、今回も機械的に50日間の暫定予算を編成いたしまして、先週金曜日に可決、成立をしているところでございます。

 内容といたしましては、この50日間における経常経費並びに給付費、地方交付税その他につきまして、必要最小限の経費を計上しております。例えば365分の50日であれば14%というのが日割りの率になりますので、そうした率による計上がございますし、一方で、新規の施策については、特に措置する必要がある復興などを除きましては原則計上しない。そうしたものは、新規の施策は本予算で対応するというのが基本的な考え方になっております。

 他方で、公共事業のように年度当初から執行しないといけないもの、これは過去の実際の50日間における執行率を踏まえて10分の3という計上率で計上しております。

 また、歳入につきましては、この間の税収並びに建設公債等を計上しております。

 この結果、収支差額が11兆円ほど出るわけですけれども、これらについては、必要に応じて財務省証券で資金繰りをいたします。いずれにしても、当初予算が成立すれば、歳出歳入ともに本予算に吸収されますので、暫定予算の段階で収支バランスをさせる必要はないというのが従来からの取り扱いでございます。暫定予算は編成いたしましたけれども、一日も早い本予算の成立に向けて努力をしてまいりたいと考えております。

 私からは以上でございます。

〔 江島主計企画官 〕 続きまして、後年度影響試算についてご説明をさせていただきます。主計企画官の江島と申します。よろしくお願いいたします。資料3−1をお願いいたします。

 資料3−1、平成25年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算でございます。これは昔、中展と言われていたものでございますけれども、来年度予算を国会に提出する際に、当年度予算をそのまま続けていった場合に後の歳入歳出がどのような姿になるのかということを試算しているものでございまして、昭和50年代からずっと衆・参予算委員会に提出させていただいているものでございます。

 この表紙に若干説明書きがございますけれども、平成25年度予算における制度や施策を前提とした場合に、後年度、3年後の平成28年度までの歳出歳入がどのような姿になるのかについて試算をしたものでございます。

 次にございますように、社会保障・税の一体改革の実施に伴う社会保障の充実や消費税率引き上げ等は反映をさせていただいております。実は昨年度、24年度の後年度影響試算では一体改革の法案がまだ通っておりませんでしたので、法案が通った場合と通ってない場合、2パターン分けて試算をしておったところでございますけれども、今年の場合は法案は通っておりますので、これは所与のものとさせていただいております。

 では中身に入らせていただきます。1ページをおめくりいただきまして左側、試算A−1というところをごらんいただければと思います。

 今回4パターン試算しておりますが、その最初のものでございます。A−1の横に歳出自然体・経済成長3%ケースとございます。この意味でございますけれども、これは従来からやっておりますが、25年度予算の制度や施策がそのままずっと続いた場合に、特に歳出カットなどの手を加えない、こういった場合に28年度、3年後までどのような姿になるかという自然体の試算でございます。

 そして成長率について後ほどご説明しますが、3%という数字を名目でございますが、設定をいたしております。例えば上の歳出のマル3社会保障関係費とございますがこちらをごらんいただきますと、25年度の欄に29.1兆円という数字が入ってございます。ご案内のように、社会保障関係費は放っておきますと高齢化に伴って毎年自然増がございます。大体1兆円前後でございますけれども、これは特に手を加えずにそのまま乗っけていくということでその分増えてまいります。それから一体改革で消費税を増税した分の一部を使いまして社会保障の充実を図るということで、その部分も歳出の増になりますので、その分も乗っかってまいります。したがいましてマル3の社会保障関係費の欄は29.1兆を発射台としまして、31.3、33.5、34.9とどんどんと増えていく姿になっております。

 他方でマル4の地方交付税、こちらは名目成長率3%ということで置いておりますので、地方税の自然増収分が見込めるということと、一体改革により地方消費税が増税になりますので、かなり地方の歳入が増えるということで、国が措置をしなければいけない交付税の額というのが少しずつ減っていく姿になっております。

 下のほう、マル7の税収をごらんいただきますと、25年度の税収、先ほどご説明ありました43.1兆ということでございますが、ここを発射台といたしまして、名目成長率3%ということで、さらに消費税も増税されるという2つの影響がございましてどんどんと伸びていく姿になっております。

 この差し引き、歳出と税収等の背高比べをして残った残差がマル10、差額の欄でございますけれども、25年度の欄は42.9兆円ということになっております。その他に年金特例公債金が2.6兆円ございます。ここを発射台といたしまして、この歳出と税収を比べた差額ということでごらんいただきますと、やはり成長率3%ということでの税収の増というのはかなり効きまして、40兆円台ではございますけれども、順調に減っていく姿となっているということでございます。

 ちなみに、注の2をごらんいただければと思いますけれども、震災対応ということで、国家公務員の人件費は平均7.8%カットしておりますが、これは法律上、26年3月末までと整理されておりますので、何ら予断を持たず、ここでこれが終了するということで、26年度以降はもとに戻るという前提を置いてあることだけここでは付言させていただきます。これがA−1でございます。

 次に2ページ目、A−2でございます。これは同じような歳出自然体でございますけれども、名目成長率を3ではなくて、1.5と半分に置いてあります。これは3を目指すということでありますが、そのように行かなかった場合ということで、便宜半分に設定してあるものでございます。

 A−1との差で顕著なのはマル7税収の欄でございまして、増えてはまいりますけれども、やはり名目成長率を半分に落としておりますので、伸びがそれほどでもない。したがって、マル10の差額の欄も減ってはまいりますけれども、その減り方はやや鈍化しているということでございます。

 これがA系列の試算でございます。

 次に、ページをおめくりいただきまして3ページをお願いいたします。今度はBということでございますけれども、3ページはB−1でございまして、タイトルは歳出据え置き型で成長率は3%ケースでございます。

 A系列は歳出を自然体ということで特に手を加えなかったわけでございますけれども、こちらは一定の歳出の切り込みと申しますか、抑制をかけた試算でございます。

 歳出のマル2の欄をごらんいただきたいと思います。基礎的財政収支対象経費ということで、国債費以外の全てでございますが、25年度は70.4兆円ということになっております。この歳出据え置き型ではこの70.4兆というものを向こう3年間横置き、ここから増やさないという前提をまず置かせていただきます。その上で一体改革で消費税を増税する、その見合いで社会保障の充実を図ると、この部分までこの70.4兆にめり込ませてしまうというのでは、これでは増税をした意味がございませんので、この一体改革に伴う歳出増の部分だけは70.4兆の上に乗っけてよいという立て方をしております。

 したがって、70.4兆をベースといたしまして、少しずつ71.6、73.2、73.8と増えてまいりますが、その差分というのは一体改革に伴う部分とご理解いただければと思います。

 逆に申しますと、先ほど申し上げた高齢化に伴う社会保障の自然増、毎年1兆円ずつ増えていくと、これは70.4兆の中にいわばのみ込まれていると、その分、ほかの経費が削られているという建前をとっているということでございます。

 そして成長率が3%でございますので、税収はA−1と同じようにかなりのスピードで上がっていくということで、このB−1は、財政的に見ると一番よいパフォーマンスという結果になっているところでございます。

 続きまして4ページのB−2でございますが、こちらは今申し上げた歳出の据え置き型という前提のまま、名目成長率だけは半分の1.5にしたというものでございます。

 次に、5ページで成長率等々のセッティングについて若干説明をさせていただきます。5ページをお願いいたします。

 一番上のほうに経済指標の前提とございますけれども、上にA−1、B−1ということでございますが、これは3%ケースの説明でございます。一番上が名目成長率ということでございますが、来年度の25年度の政府経済見通し2.7、これを発射台といたしまして、試算期間内に、今政府が目指しております名目3%、これが達成されるという前提を置かせていただきました。そしてスタートが2.7、ゴールが3.0ということで、これをリニアに結びまして、2.7、2.8、2.9、3.0ということで便宜的に、機械的に置かせていただいております。

 消費者物価上昇率も同じように、発射台は来年度の見通しは0.5%でございますけれども、この試算期間内に日銀と協力をしてCPI2%が達成されるという前提を機械的に置きまして、0.5と2.0をリニアに結んで1.0、1.5と消費者物価上昇率が上がっていくという設定にしております。

 うまくいかなかったケースというのは、それぞれの半分ということでございますので、ゴールが名目成長率は3ではなくて1.5、CPIは2の半分の1ということでそれぞれ半分に結んでおるということでございます。

 それから金利でございますが、真ん中やや下ほどに金利という欄がございます。これにつきましては、うまく経済が運んだほうのケースでは、25年度、来年度の予算積算金利1.8を発射台といたしまして、マーケットでどの程度金利上昇が見込まれているのかということを順に足していっております。そうなりますと26年度は2.0、2.2、最終年度は2.5と、1.8にオンする形で金利を設定しております。

 名目成長率が伸びなかった場合につきましては、25年度の予算積算金利1.8%で横置きをしているということでございます。

 それから税収をはじく際の弾性値、これは下から2つ目に税収という欄がございますが、これは色々と説はございますけれども、保守的にということで1.1ということで置いております。これは、バブル前の昭和50年代10年間の平均ということでとっております。

 次に6ページをお願いいたします。6ページは、上が参考1、下が参考2になっておりますが、参考1の2つの箱は、毎年やっておりますいわゆる感応度分析というものでございまして、今申し上げた試算で成長率や金利がそれぞれ若干上や下にぶれた場合に、どの程度税収や国債費が影響されるかという試算でございます。

 A−1のパターンをもとに算出しておりますが、上の箱でございますけれども、例えば名目成長率がプラス1になった場合に税収がどの程度伸びるか。真ん中の欄をたどっていただきますと、0.5、1.2、1.9兆円の増ということでございます。

 他方、同じだけ名目金利が上に1%振れた場合の国債費の増というのは、下の箱の真ん中の部分、プラス1.0、2.4、4.0兆円ということで、同じ幅だけ成長率と金利が上がった場合に、税収の増よりも国債費の増のほうが上回ってしまいますので、財政にとっては悪化するという姿、これは毎年でございますけれども、このような姿になっているということでございます。

 下の参考の2をごらんいただきます。これは、先ほど申し上げた4つの試算の結論を整理したものでございます。それぞれの試算における基礎的財政収支、プライマリーバランスの対名目GDP比の推移でございます。

 25年度の欄をごらんいただきますと、▲4.8%、これが発射台になりまして、各試算、スピードの差はあれ、それぞれ少しずつ改善していく姿になっております。一番スピードよく改善していくのがB−1、歳出を据え置いて名目成長率3%というパターン。一番歩みが遅いのがA−2、自然体で1.5%成長ということで、残りの2つがその間に挟まれるという格好になります。

 ここで財政健全化目標との関係で議論になりますのが2015年度、右から2つ目、平成27年度の数字でございます。ここに▲3%台の数字が並んでおりますが、これが財政健全化目標との関係でどうなのかということでございます。

 下の注の2をごらんいただきますと、2010年度、これが発射台になっておりまして、その半減を2015年度までにということでございますが、国単独で申しますと、ここにございますように▲6.8というのが発射台になっているわけでございますので、これが半分になりますと▲3.4という数字になります。ただ、この6.8や3.4と言っておりますのはSNAベースでございまして、今私どもが試算をいたしましたのは国の一般会計のみということで、若干幅というか対象が違っております。これを補うために注の3下から2行目にございますけれども、内閣府の試算を拝見いたしますと、同じ国といった場合に、私どもの一般会計と彼らのSNAベースで乖離があると。その乖離の幅が大体ここにございますように0.3から0.4%ポイント程度、SNAのほうが悪く出るという傾向にあるようでございますので、これを使わせていただきますと、私どもの数字、表にある▲3.3や3.8、これに0.3ないし0.4を加えるというか、ここからさらに悪化させていただきますと、SNAベースでうまくいっているかどうかの目安ということになります。

 そうすると、仮に0.4ここからさらに悪化させても、なお財政健全化目標をクリアしそうな試算としては、実はB−1のみでございます。これは▲3.0になっておりますので、0.4悪くなっても3.4。したがって、歳出をかなり据え置いて、名目成長率がかなり高いという場合にのみこの健全化目標が達成されそうな展望が見えると。ほかの場合はなかなか難しいというのが今回の試算の結果から一応言えるということでございます。

 以上が後年度影響試算の説明でございます。

 続きまして資料3−2でございます。これは、今の後年度影響試算と同じタイミングで国会にお出しをしている附属資料でございますが、国債整理基金の資金繰り表と言われるものでございます。これは先ほどのA−1の試算を前提として、向こう10年間の国債整理基金の資金繰りがどのように回るかという試算でございます。詳しい説明は省略いたしますが、表の見方としては一番左側の要償還額、毎年訪れる返さなければいけない額、百二、三十兆のオーダーでございますが、これに財源としてマル1の借換債やマル2の定率繰入等々を充てまして一応回るという試算になっているわけでございます。

 特徴的なところといたしましては、25年度の右から3つ目の欄、年度末の基金残高というところをごらんいただければと思います。3兆円という数字が入っております。これは、実は24年度末は10兆円だったわけでございますが、これを一気に7兆円縮めるということをやっております。これは左下隅の注の3に書いてございますけれども、従来備えてきたオペレーショナルリスク、大規模災害等々が起こった場合に、不測の事態に備えるということで10兆円積んでおったわけでございますが、これは1月に日銀との間で一時借り入れができるというお約束ができました関係で、10兆円を持っている必要はないということで7兆円を取り崩しまして、その分、借換債の発行を抑制したということで3兆円が残ったということになっておりまして、これが今回の試算の特徴的なところでございます。

 あとはお時間の関係で省略させていただきます。

 続きまして資料3−3をお願いいたします。これは内閣府の資料でございますが、PBとの関係でご紹介するものでございます。足元の経済財政の状況についてということでございます。

 資料の1ページは経済成長の関係でございますので省略をいたしまして、2ページ目をお願いいたします。

 国・地方のプライマリーバランスの足元の数字を彼らは試算しております。私どもの後年度影響試算と大体時を同じくして内閣府は中長期試算というのを出していたわけでございますけれども、今年は出されないという関係もありまして、足元の数字だけ出してきたということでございます。

 真ん中のグラフにございますように、国・地方計の数字で出ておりますけれども、GDP比のPB赤字、ごらんいただきますと、2012年度が▲6.6、そして2013年度、本年度でございますが、悪化して▲6.9ということになっております。右に将来の目標として▲3.2、そして、黒字化というのが2015年度、2020年度のところに入っておりますけれども、足元は悪化をしているということでございます。

 この原因でございますけれども、次の3ページをお願いいたします。これは内閣府で整理しましたプライマリーバランスの捉え方ということでございますが、黒い太いラインでくくったところ、SNAベースの国・地方のPBという右下のところでございますけれども、SNAベースの特徴といたしまして、支出・収入の記録時点という特徴がございまして、右下にございますけれども、実際に支払いや受け取りが行われた年度の支出・収入として記録するということでございます。他方で、国の一般会計のほう、左側は、予算に計上された年度の支出・収入として記録されるということでございます。

 従って下に注がございますけれども、大規模な補正予算を24年度に組んでおりますが、支出が実際にどこの年度で行われるのかということを精緻に計算しておられまして、注の最後の2行ほどにございますけれども、2012年度に1.7兆円程度が落ち、大宗は2013年度に落ちると、GDPで1.2%程度ということでございますので、補正予算、財政悪化要因が2013年度に繰り越されてくるということで、2012年度よりも13年度のほうが悪化した姿になっているということが内閣府の足元の数字の整理でございます。

 最後の4ページ、今申し上げた足元の数字というのが4ページの下に網がかかってございます。左側のプライマリーバランス(基礎的財政収支)という欄で国・地方、そして国及び地方、それぞれ単独の数字が最新のもので整理をされております。

 私からは以上でございます。

〔 小宮調査課長 〕 続きまして、調査課長の小宮でございます。私から国民負担率につきまして、ごく簡単にご報告申し上げます。

 資料4をごらんいただきたいと思います。国民負担率の推移という数字が並んだ1枚紙、そして各国の比較等がございますが、国民負担率につきましては、主計局で数字を、そういう意味では厚労省からいただきながらつくりまして、公表を先般したところでございます。

 足元でございますけれども、今回、公表させていただきましたのは23年度の実績、そして24年度の実績見込み、そして25年度の見込みでございます。25年度の見込みでございますけれども、この資料4の1枚目の国民負担率、欄が青くなっておりますけれども、数字をごらんいただきたいと思いますが、40.0%ということでございまして、24年度の40.2%よりも0.2%ポイント若干改善、低くなってございます。この主たる理由は、25年度につきましては、分母であります国民所得自体が、先般、決定いたしました緊急経済対策の効果等もございまして、また政府の経済見通しにも示されておりますけれども、分母の所得が伸びるものですから、相対的にこの比率が若干下がるという結果になってございます。

 他方、この国民負担率の1つ飛ばしまして右が潜在的な国民負担率という数字がございます。これは、国民負担率に国・地方の財政収支上の赤字、足元25年度の見込みでは13.3%になってございますけれども、これを足したものでございますが、53.2%ということで、50%を超えるレベルが引き続き続いているという状況にございます。

 1枚おめくりいただきまして各国の比較でございますけれども、このような国民負担率でございますが、OECDの加盟国の中では、基本的にはまだ下から数えたほうが早い部類に入ってございます。他方、先ほど申し上げました潜在的な国民負担率では、もう50%を超えておりますので、そういう意味では、OECDの中でも決して低いほうとは言えないというものでございます。

 また、今後、社会保障につきましては、毎年1兆円規模で自然増が見込まれてございますし、また世代間の負担の問題もございます。いずれにいたしましても、短期では解決は難しいかもしれませんけれども、大きな課題を抱えている状況になってございます。

 簡単でございますけれども、私からは以上でございます。

〔 泉公会計室長 〕 続きまして、公会計室長の泉と申します。私から資料5を用いまして、平成23年度国の財務書類の説明をさせていただきたく思います。大部な資料になっておりますが、資料5、クリップを外していただきまして、中に、本体の資料のすぐ下に青い表紙で平成23年度「国の財務書類」のポイントと題しましたA4判の資料が出てまいります。そちらを用いて説明させていただきたく存じます。クリップを外していただきました青い表紙の資料でございます。

 平成23年度「国の財務書類」のポイント、表紙を1枚めくっていただきまして1ページ目、国の財務書類とはという資料が出てまいります。平成15年度以来、国の全体の資産や負債などのストックの状況、費用や財源などのフローの状況といいました財務状況を一覧でわかりやすく開示するというために、企業会計の考え方及び手法を参考といたしまして、作成、公表をいたしております。

 また、国の一般会計及び特別会計を合算した国の財務書類のほかに独立行政法人などを連結しました連結財務書類も作成いたしております。年々公表時期の早期化に取り組んできておりまして、昨年22年度分につきましては、23年5月28日ということでの公表となりましたが、この23年度公表分からは、一般会計と特別会計を合算した国の財務書類につきましては1月末、連結財務書類につきましては、この3月の末に公表させていただいた次第でございます。

 今お手元にごらんいただいております公表資料につきましては、この財政制度等審議会の法制・公会計部会の先生方に公表資料の内容などについては検討いただきました。その成果がこの中にあらわれているところでございます。この場をかりまして御礼を申し上げたいと思います。

 数字の説明に入らせていただきたいと思います。

 1ページ目ごらんいただきまして、国の貸借対照表がございます。あわせて、2ページ目の上の枠の中もごらんいただきながら貸借対照表をご説明いたします。

 平成23年度末におきます国の資産及び負債の状況、資産の部を見ていただいて、資産合計のところを見ていただきますと628.9兆とありまして、対前年度比は3.8のプラスとなりました。負債合計は1,088.2兆でございます。対前年度比では45.3兆円のプラスということになりました。

 そして、資産と負債の差額につきましては、この貸借対照表の中の右下のところ、資産・負債差額、赤いラインで示しておるところでございますが、マイナス459.3兆円ということでございまして、対前年度比からは41.5兆円の悪化となっております。

 業務費用合計でございます。1ページ目の左下のところをごらんいただきますと、業務費用計算書と出てございます。人件費、社会保障給付費、補助金等、その他一切合切足し上げますと、23年度は139.1兆ということで、対前年度比5.2兆円ということになりました。

 23年度財源合計につきましては、その隣、国の資産・負債差額増減計算書の中に出ておりますが、財源合計が95.7兆ということでございます。

 平成23年度の資産・負債差額は41.5兆悪化いたしまして459.3兆円となりました主な要因、これはやはり財源不足ということになろうかと思います。1年間の業務費を財源で賄い切れないということでございまして、財源不足につきましては公債を発行して予算執行に必要な額を確保するということになりました。

 2ページ目の中ほど、主な概要というところでございますが、平成23年度にこのような数字になった理由について、主な分析を並べております。やはり23年度、東日本大震災の復旧・復興などの対応のため、4次にわたる補正予算が編成されたということで、出資、補助金など、あるいは地方交付税交付金などの増加、それから出資金の積み増しなどが行われておりまして、そういった施策の対応の効果がこの1ページ目にあらわされております貸借対照表あるいは業務費用計算書の中に出てきております。

 詳細につきましては、この資料に記されておりますので、ご興味のある方々はそちらをごらんいただければと思っております。ありがとうございました。

〔 小宮調査課長 〕 最後になります。経済財政政策(三本の矢)についてごく簡単にご説明申し上げます。

 資料6でございます。横の紙でございますけれども、1枚おめくりいただきまして、三本の矢について非常にわかりやすく説明したものとして、緊急経済対策の決定時に、安倍総理大臣が記者会見で申し上げましたものを資料としてつけさせていただいております。

 一言で言いますと、縮小均衡の再分配から成長による富の創出へと大胆に転換を図っていく、そして、強い経済を取り戻していく、そのために三本の矢を同時に展開していくという考え方に立っております。

 また、この大胆な金融政策にあわせまして、日銀が供給したお金をまさに使っていかないと好循環が生まれないということで、政府みずからが率先して需要をつくり、これが緊急経済対策でございます、昨年来弱含んでいた経済、これを立て直していくというものでございます。

 他方、そのような需要をいつまでもつくり続けることはできないということから、成長戦略をしっかりしたものをつくっていく、そしてプライマリーバランスの黒字化もあわせて目指していくと、そういう考え方に立ってございます。

 1枚おめくりいただきまして、これはご承知の政府・日本銀行の共同声明でございます。この中でも、左側の一番下には、物価安定の目標を前年比上昇率で2%とするということが明記されております。また、右側をごらんいただきますと、特に3.でございますけれども、政府は機動的なマクロ経済政策運営に努めるという中で、日本経済の競争力と成長力の強化に向けた取り組みを具体化し、これを強力に推進する。また、政府は日本銀行との連携強化に当たり、財政運営に対する信認を確保する観点から、持続可能な財政構造を確立するための取り組みを着実に推進するとしてございます。

 1枚おめくりいただきますと、これは緊急経済対策でございますので、1月にご説明申し上げました。4ページにもございますけれども、財政支出としての規模といたしましては、年金の2分の1負担を合わせて13.1兆でございます。また、実質GDPの押し上げ効果はおおむね2%、雇用創出は60万人と見込まれてございます。

 5ページをごらんいただきたいと思います。成長戦略でございますけれども、秋山委員もご参加されておりますが、産業競争力会議を中心に精力的に今議論をしているところでございます。6月の取りまとめに向けまして鋭意議論をしているところでございますが、6ページをごらんいただきたいと思います。全体として論点は多岐にわたってございますけれども、1月の終わりに総理から、各項目につきまして各省に宿題が出た形になってございます。この各論点につきまして、各大臣からご報告をいただきつつ、また委員の中の活発な議論を総合する形で成長戦略が取りまとめていかれるのだろうと理解をしてございます。

 また、一番最後の7ページでございます。これはいわゆる三本の矢に直接は入ってございませんけれども、そういう意味では四本目の矢になるかもしれませんが、先ほど安倍総理の記者会見にもございましたとおり、プライマリーバランスの黒字化を目指していくというもので、25年度予算編成の基本方針と、これは閣議決定でございますけれども、その中で15年までの半減、そして20年度までの黒字化というものがしっかり決められております。

 私からは以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。それでは、続きまして、当分科会の今後の運営についてご説明したいと思います。

 現在の経済財政政策においては、とりわけデフレ脱却や経済再生に向けた取り組みが世間から注目されておりますが、当財審といたしましては、改めて財政健全化に向けた考え方や次年度予算に向けた基本的な方向性を示すことが必要ではないか、このように考えております。お手元の資料7、1枚紙ですが、これにお示ししてありますように、総論的な議論として、1、経済社会の構造変化と財政、2、経済成長と財政の関係、3、財政の持続可能性と国債市場、4、財政健全化に向けた取り組みといった論点について審議していきたいと考えております。

 各論につきましては、社会保障、地方財政、公共事業といった主な歳出分野について審議をしていくこととしたいと考えております。

 また、いただいたご意見につきましては、先ほど小渕副大臣からのお話にもありましたが、5月下旬ごろには当審議会の報告書として取りまとめ、大臣に手渡しすることとしたいと考えております。

 以上ですが、それでは、ここで竹内大臣政務官がお見えになられますので、そこでご挨拶をいただいて、それで質疑に入りたいと思います。

(竹内大臣政務官入室)

〔 吉川分科会長 〕 では、済みませんが、一言、ご挨拶をいただきたいと思います。

〔 竹内大臣政務官 〕 財務大臣政務官の竹内でございます。今日は本当にお忙しいところ、諸先生方にはお集まりいただきましてありがとうございます。

 財政の抱える、また経済の抱える重要な問題は、皆様のご承知のとおりでございますので、ぜひとも、今日もまた忌憚のないさまざまな角度からのご意見を頂戴できますように心からお願いを申し上げる次第でございます。よろしくお願い申し上げます。今日は本当にありがとうございます。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 それでは、資料、たくさんありましたけれども、先ほどの事務局からのご説明、今後の運営、どのようなものでも皆様方からご意見、ご質問等いただければと思います。どなたからでも結構ですので、よろしくお願いいたします。では、どうぞ。

〔 岡本委員 〕 ありがとうございます。私は3つ、ポイントについて述べさせていただきたいんですが、1点目は、3月にまとめた財政制度審議会の答申がありますけれども、あれと今年度予算との関係、これはどのくらい生かされているのかといいますか、これの検証が必要じゃないかなと思います。たしかこの席でも田中委員が、PDCAが重要だけれども、我々はどうしてもCDAを言うんですけれども、Pが重要だと、そういう意味でのPというのは、まさに今回の予算、これから審議されるところ、我々の審議会での意見、これも全部まとまっているわけじゃないですけれども、この間の整合性というのを見ながら、今後検討するものにどれだけ反映するのかということを見ていきたい、これが1点でございます。

 2点目は、企業の人間として、三本の矢と2020年のプライマリーバランス均衡あるいは黒字化というものとの関係をどのように果たしていくのか、このつなぎ目がどうなっていくのかということが非常に重要じゃないかと思っています。

 1点目の三本の矢の中の1つ目の矢ですけれども、これについては、かなり金融政策として回していくよというんですけれども、今時点では株価も非常に上がっていますし、為替も大きく円安に行ってますから、どの企業でも本当に恵みの雨というか干天の慈雨でして、非常に助かっております。その点については、政府に対しても感謝したいと思っているんですけれども、これは持続可能かどうかというところが1つのポイントであります。

 そういった中で、現在の0.4%をうかがうような10年国債の状況を見ておりますと、過去、歴史的に見ても0.43ぐらいが最低だと、それを見た場合に底じゃないかと。そうなってくると、これからむしろ上がっていくんじゃないかという感じがします。先ほどの影響試算を見ましても、GDPが2%上がっても金利が1%上がったら、28年度の数値はほぼチャラだよということになってくると、これは財政面でうまく回るのかどうかということが非常に心配なわけでございまして、そういった点で、ここをきっちり見ていかなければならない。むしろ、金利が上がったときにどうかということを考えておかないといかんということ。

 それから、2つ目の矢の財政出動についてですけれども、これは補正予算と今回の予算を入れると10兆円ぐらいの規模になるわけですから、そういった意味で、一旦、予算を組むと「次の年度も」と毎回期待をしてしまって、そのまま下がらないということが十分考えられます。そういった場合に、2020年度ではプライマリーバランス均衡だというんだけれども、一体、財政出動がどの辺でおさまって、この財政均衡というほうにつながっていくのかということが重要じゃないか、それについて考えないといかんのじゃないかなと思います。

 それから、3点目は、経済成長という三本目の矢ですけれども、今の大きなテーマに挙がっているのはTPPだと思います。このTPPについては、私どもは絶対やってほしいなということで、今の動きについては賛成しています。ただ、その場合、農業関係がどうなのかというときに、強い農業をつくり上げる、こういうことで補助金といいますか、いろいろな資金、対策費というのが出ると思いますけれども、これについても考えてみると、1980年、90年代のガット・ウルグアイ・ラウンドのときはトータルで6兆円ぐらい使ったわけですが、その中で強い農業というのは決して実現したわけではない。同じ轍を踏むことはできないと考えると、やっぱり、どんどん予算を回すのではなくて、強い農業を実現するためにということをきっちり押さえていかなければならないんじゃないかなと思います。

 もう一つは、社会保障の問題ですけれども、これについても、私どもが思うに、70から74歳の医療費自己負担の本則2割化を実現するというのまでが流されてしまったということについて、本当に驚きを持って見てるんですけれども、結局、歳出をよほど下げないといかんということになった場合に、社会保障国民会議で8月までどういう議論が行われるのか。そこでうまくいかない話については、8月以降どう動くのか。財政審としては、そういった意味での社会保障国民会議にも幾つかのお話をさせていったらいいんじゃないかなと思います。いずれにしても、いろいろなテーマについて、我々、お金がといいますか、金利その他、いい状況になってくると、経済界にしても、みんな、これだけ元気なんだから、もう税収も増えるだろうし、財政上、何の問題ないんじゃないか、こんな人も結構おられるんですね。そういった意味では、私は、いろいろなポイントについて、オオカミ少年じゃないですけれども、これからもオオカミ少年を続けていくというのが財政審の立場じゃないかなと思います。

 以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。3点ご発言いただきましたけれども、1点目、財審としては1月に報告書を出す、これが25年度予算にどのように生かされている、あるいは反映されているのかというご質問は、財政審の委員の方としては当然のご質問だろうと思うんですが、先ほど予算の説明もありましたが、この点についてごく簡単に事務局からご説明いただけますか。

〔 小宮調査課長 〕 調査課長でございます。基本的に、財政審の報告書で示されました考え方、取り組むべき方向、そして具体的に取り組むべきこと、ほとんど25年度予算には反映した形になってございます。

 一言で言いますと、同時並行的にご議論いただいているということもございますが、きちっと報告書を重く受けとめまして、まさにその後の政治折衝の過程でも、この報告書に沿った形で編成ができたと思っております。

 もちろん1点、報告書の中でも、そういう意味では厳しいご指摘をいただいておりますけれども、高齢者の負担の軽減策については、今後の宿題事項として残っているということはございます。

 さはさりながら、全体としては財審でいただきましたご議論、そして報告を最大限生かした形の予算になっていると思ってございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。では、ほかの方。古賀委員、赤井委員、どうぞ。

〔 古賀委員 〕 ありがとうございます。財政運営のあり方について2点、そして2013年度の予算案について3点ご意見を申し上げます。

 まず、財政運営のあり方の1点目ですけれども、財政再建については、言うまでもなく、一律的な歳出削減による財政赤字削減を先行させるのではなく、中長期的な財政再建に向けて財政構造そのものの改革が必要だと思います。そのためには、当然のことですけれども、デフレからの脱却、持続可能な成長軌道への復帰並びに良質な雇用の創出を実現する必要があります。経済成長あるいは雇用創出効果の高い施策に優先的、重点的にどう予算を配分すべきかということが極めて重要ではないかと思います。

 具体的には、潜在的需要度の高いと言われるエネルギーや環境あるいは子育て、医療、介護、観光等々の分野に予算、税制措置、そして規制の見直しなどの施策を集中する必要があると思います。そして、財政政策だけではなくて、産業政策、社会政策、雇用政策を一体的にどう推進していくかということが今問われているのではないかと思います。

 この項の2つ目は、先ほど岡本委員の意見と同様でございますけれども、現下の経済情勢を見れば、一定程度の財政出動というのは不可欠だと思います。しかし、この財政出動と財政規律というものをどういうふうにバランスをとっていくのか。従来からの財政運営、その整合性について説明責任を果たす必要があるでしょうし、財政健全化に向けた道筋、を安部総理が示す必要があると思います。

 2点目の2013年度予算案については、まさに今、国会議論に委ねるしかないと思いますけれども、懸念することを3点申し上げておきたいと思います。
 1つは、公共事業費の件でございます。4年ぶりの拡大ということになりました。公共事業を全て否定するものではありませんけれども、やはり緊急度の高い事業に絞り込む必要があるだろうと思います。

 加えて、地域自主戦略交付金が廃止され、中央省庁の公共事業に割り当てられたわけですけれども、そのことで自治体の裁量の自主的な事業の道が閉ざされることになったのではないか、その懸念が1つございます。

 2つ目は、議論のあるところだと思いますけれども、地方公務員の給与引き下げを前提に地方交付税が減額となっています。地方自治の本旨をないがしろにしないかという懸念がございます。

 3点目は、生活保障関連の生活保護費の引き下げでございます。水準についてのさまざまな議論はあると思いますし、不正受給や搾取には厳格に対応すべきだと思っています。しかし、この水準自体が他の低所得者向けの施策にも大きな影響を及ぼすということも事実でございますので、慎重な対応が必要だという懸念、この3つを申し上げておきたいと思います。

 以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

〔 赤井委員 〕 ありがとうございます。大阪大学の赤井でございます。

 2つほど質問も兼ねてしたいんですけれども、1つ目は、資料3−1にありました後年度歳出の影響試算というところで、これを見ていただければ皆さんもお思いだと思うんですけれども、やはり経済成長をしても財政健全化というものはなかなかそう簡単にできるものではなくて、より厳しい目を持って、今少し景気が上向いているという話もありますけれども、経済成長していく中でもより厳しい目で財政健全化に取り組まなければいけないというのがここからわかると思います。

 最後のページでありました、説明にもありましたけれども、4つの試算のうちの1つでしか目標が、それでもぎりぎり達成できるのは1つしかないという状況で、ほかの試算、経済成長3%するケースでも、歳出が伸びればなかなか健全化は進まないというお話だったと思います。

 この資料の中の試算A−1で、地方交付税等というマル4が16.7、16.0、15.2と少しずつ下がっているのですけれども、この背景は何かというのを簡単に。この地財計画が裏にはあると思うんですけれども、そのあたりとの関係と、あと試算B−1では、この社会保障とA−1にあったマル3マル4マル5の項目がないんですけれども、この試算B−1のマル2の背後で社会保障と地方交付税というのは何か試算みたいなものがあるのかどうかというところを少し教えていただきたいと思います。

 いずれにしろ、より厳しい目で見ていかないと健全化というのは達成できないというのがここからも明らかなので、そういう姿勢で臨んでいくべきだと思います。

 もう一つは、暫定予算の資料2のところで、一般公共事業に関しておおむね10分の3をめどとして計上という、ここ、私の知識がないだけなんですけれども、これは、公共事業というのは項目別に決まっていると思うんですけれども、優先度の高いものを選んでいるのか、全て執行してもいいけれども、予算はこれだけだという形になっているのか、そこの手続のところを教えてください。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。今のはご質問ですので、1点目は、名目成長率が高いと地方税収が上がるのはとありましたけれども、いずれにしましても2点、ごく簡単に事務局から質問に対する回答をお願いできますか。

〔 江島主計企画官 〕 ご質問いただきました後年度影響試算の地方交付税の数字が少しずつ減っている主な理由でございますけれども、要するに、地方で足らない部分、地方財政で足らない部分を交付税で補ってあげるという性格上、地方で自前で稼ぐ部分が増えれば増えるほど、国で足らず前として渡さなければいけないものも減っていくという関係にございます。

 一番大きな理由としましては一体改革で地方消費税をアップすると、地方の自分たちの実入りである徴収税収が増えますので、それが大きく寄与するという点。それから成長率を3%と置いている関係で、その他の住民税をはじめとする地方税収そのものが自然増するという、大きな2つの理由によりまして地方の財源が増えると。その反射的効果として、国が足らない部分を補てんする交付税の額としては減少傾向に出るというのが大きな理由になっております。

 それから、B−1という歳出据え置き型で全部ひっくるめて基礎的財政収支対象経費と整理をさせていただいておりまして、その背後に内訳があるのかというご質問でございますけれども、これについては、社会保障関係費はA−1と同様な試算はしてございますけれども、交付税その他につきましては、これは全部込み込みで70.4兆の中に埋め込んでしまうという整理をしたものですから、それぞれについて細かい内訳、試算はしておりません。

 以上でございます。

〔 角田主計官 〕 続きまして、暫定予算におけます公共事業費の計上ですが、これは50日間の暫定予算を組んだら大体どのくらいの契約率になるのか過去の数字を整理いたしますと、おおむね3割。ですから、そのおおむね3割をボリュームとして確保してあるということであります。

 中身についてどれをこれをということは言っておりませんが、新規着手事業というのは政策性があるので、それはやらないということにいたしております。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 よろしいですね。いかがでしょうか。秋山委員、それから井堀委員。

〔 秋山委員 〕 秋山でございます。今日ご説明いただいた資料の中で、特に後年度予算への影響試算の資料を拝見して理解したことは、先ほど来からご発言がありますけれども、経済成長、それからあと金利、いろいろなパラメーターの中で財政健全化目標の達成というのは、これ、非常にナローパスであるということの認識を改めて強く持ちました。

 財政健全化目標の達成の道筋をはっきり、なるべくわかりやすくしていくということは、特に国際マーケット、国際的な金融市場における日本の信認を確保するという意味で、これはもう必須条件だと理解をしております。

 私のほうでは、産業競争力会議にも参加させていただいている兼ね合いで申し上げますと、特に産業競争力会議の中で民間議員の多くは、産業競争力の強化はとにかく予算をたくさんつけて何かをやろうということではなくて、基本的には、規制改革を中心に進める、規制改革が一丁目一番地であるという考え方が基本では提言をさせていただいております。

 とはいえ、実際に今から緊急経済対策も含めて、予算の手当てをしなければならないものについて、必ずしも全てペイアズユーゴー原則がどこまで徹底できるかという問題、それから予算の重点化あるいは見直しという議論がございますけれども、実際に予算をつけたものと見直しがどういう時間軸で同期がとれるか、あるいは実際に税収増の効果が発揮されるまでどれぐらい時間がかかるかといった時間軸の問題もあろうかと思います。

 そういった意味で、先ほど申し上げました財政健全化目標へのナローパスではあるけれども、道しるべといいますか、道筋を示していくということの重要性はますます増しているだろうと思いますので、そのあたりを今後の議論のポイント、それから5月下旬に取りまとめる報告書の中で明らかにしていくということができればいいなと思っております。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございます。では、井堀さん。

〔 井堀委員 〕 やはり三本の矢の財政の機動的出動と中期的な財政再建、これは両立可能なのかについて、もう少し情報を出していかないと、国債の信認問題とかにいろいろ影響してくると思います。

 その意味で、資料3−1の後年度試算、それから内閣府の今日の資料3−3ですけれども、2020年、プライマリーバランス黒字化への情報量としては非常に不足で、内閣府のやつは直近のデータしか出してなくて、直近はプライマリーバランスが悪化してます。ただ、それが2020年に向かってどういう形で均衡するために必要なのかということの試算をしてない。

 それから、今回の財務省が出された後年度の影響試算も、2016年までしか出てない。当然、同じような推計をやれば2020年まであと4年延ばすことは可能だと思うのです。やはり2020年までどうなるかという、自然体にしろ、あるいは何らかの歳出抑制にしろ、経済成長がどうなるかにしろ、2020年までのデータを出してみて、それで、だからどういったことが歳出歳入両面で必要なのかという、そういう議論をするべきだと思います。2016年で終わってしまった。今後、こういったことは試算として出てくると思うんですけれども、いずれ2020年までの試算を出していただければと思います。

 資料3−1に関して1つ質問があるのです。この試算ですと、消費税の引き上げの影響は考慮していないという注が出ている。消費税は今回5から10に2段階で引き上げるわけですけど、過去の例あるいは外国の例を見まして、消費税というのは引き上げる前に駆け込み需要等がありまして、一時的に消費が増えて、結果として、その時点で景気はよくなる。消費税が引き上がった後は、駆け込み需要の反動がありますので、若干景気にはマイナスに働くわけですね、消費は落ち込みます。

 その意味では、2016年に消費税が10%に上がった後にかなりマクロ的にはマイナスの効果が出てくるのじゃないかと思います。この試算ですと、機械的に2016年までに成長率は3に順番に上がると。そうでない場合も、1.5に順番に上がると書いてる。どうも2016年が若干心配なんです。そうすると、財政出動がそこでまた入る可能性があって、財政再建にはかなり厳しい。

 その意味では、どの程度、消費税引き上げも盛り込んだ形で将来の財政状況が、あるいはマクロ経済状況がどうなるかということについて、もう少し冷静に議論をしないと財政再建と三本の矢との両立が難しくなるのではないかと思います。

 それからもう一つ、これは簡単な質問です。資料の国民負担率のところで、直近25年で租税負担率が下がっている。そこで説明ですと、経済成長の効果として国民所得あるいはGDPが増えるから、分母が増えるからということだと思うのです。ただ、影響試算等では、租税弾性値1.1を想定していますので、1.1ということは、所得が増えても、税収はそれ以上に増える。そうすると、経済は調子よくなれば、租税負担率はむしろ上がるのではないかという気もする。この数字で24から25で租税負担率あるいは社会保障負担率が下がっているのは、弾性値1.1とどういう形で関係しているのか、その点、簡単に説明していただければと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 確認ですが、井堀さん、1つ、後年度の影響試算ですか、資料3−3に関するところは、例えば2016年消費税10%に上がった後、マクロ的には反動でマイナスの影響が出るかもしれないしというのは、むしろご意見ということで。

〔 井堀委員 〕 そうです。

〔 吉川分科会長 〕 これはそういうことを考慮せずに、例えば名目3%の場合には3%成長を初めから仮定してるわけですね。仮定が正しいかどうかには疑義ありというご意見だということで、ご質問ではないということでよろしいですね。

〔 井堀委員 〕 はい、そうです。

〔 吉川分科会長 〕 国民負担率に関する点はご質問ということで、それでよろしいですね。

〔 井堀委員 〕 はい。

〔 吉川分科会長 〕 では、国民負担率に関してお答えいただけますか。

〔 小宮調査課長 〕 調査課長でございます。

 まず、租税負担率でございますけれども、それぞれ分母である国民所得と、それから租税負担額、具体的にどういう数字になっているかかいつまんでご説明申し上げますと、24年度から25年度にかけまして、国民所得は349兆から359兆に2.8%伸びる見込みになってございます。他方、租税負担額でございます。これは基本的に予算ベースの数字でございます。これが79.7兆から81.3兆と2%ほど増えるということになっておりまして、相対的には租税負担率は若干下がる。

 したがいまして、あくまで予算上の数字なものでございますので、税収の弾性値といいますか経済の反応も含めたところで結果としてどうなるかということについては、若干違う数字になる可能性も当然ございます。それにつきましては、後年、実績見込みもしくは実績で数字が微妙に変わる可能性はございます。

 数字に関しましては、あくまで分子の租税負担額は予算上の数字、そして国民所得は経済見通し上の数字ということになってございます。

〔 吉川分科会長 〕 どうぞ、倉重委員。

〔 倉重委員 〕 素朴な質問を3点ほどさせてもらいたいと思います。

 まず最初の資料1のフレームの税収43兆円という数字と公債金の42.8兆円という数字なんですけど、この税収見積もりというのは本当にどの程度信頼できるのかどうかというのはいつも疑問に思ってるんですけれども、過去にいろいろ取材したときも、必ず途中で財政の見積もりが狂ってくるということで、この税収見積もりをどうやって計算して出しているのかというのは、多分いろいろなことがあると思うんですけれども、わかりやすく説明していただけたらありがたいなということと、今回、本当にわずかな差で税収のほうが上回ったということをもってよしということを非常に強調しておられますけれども、どうもあれだけのインフレ予算をつくってばらまき予算をつくった上での政治的な気配りがまだ数字に入るとは思わないんですけれども、そういう疑念まで正直言って財政審委員としてはあるまじきことでありますけれども、感じてしまう部分もありまして、一番いいのは、過去に当初と結果的に税収がどうなったかという一覧表みたいなのをつくっていただいて、これだけの補正といいますか、修正する可能性がありますということを資料としていただけると非常に私はよろしいと思います。それが1点です。

 それから、2点目の後年度の歳出、先ほどもご指摘ありましたけれども、6ページの成長率と国債費の増減額なんですね。1%の増減によって国債費の増減のほうが2倍の幅で推移することになってるんですけど、かつて上げ潮派対財政再建派の議論のときには、大体1対1の金額で対応していたんじゃないかと私は記憶があるんですけれども、これがきれいに2対1になっている数字の根拠は一体何なのかというのはちょっと疑問に思ったので、それがもしわかれば教えていただきたいということと、3点目なんですけど、23年度の国の財務書類のポイントなんですけど、非常によくできていると思うんですけど、これはよく石原慎太郎さんが東京都はバランスシート、システムを使っていて、それが財政再建へ向かっているとよく自慢されますけど、財務省もちゃんとやってるじゃないかということを言いたいんですけれども、その差があるのかどうかというのはもしわかったら教えていただきたい、この3点でございます。

〔 吉川分科会長 〕 では、3点ありましたが、1つだけ次回になるんでしょうか、財政審のときに税収の見込みと実現のあれは公表数字だと思いますが、一覧表をいただければというご要望があった。そのほか、3点、ご質問に対して簡潔にお答えいただきたいと思います。

〔 可部総務課長 〕 まず最初に、25年度税収の見積もり43兆円でございますけれども、今回の政府経済見通し、名目2.7%成長、これが前提になってございます。その上で、法人税率の引き下げ、これはご記憶かと思いますけれども、法人税の基本税率を下げて、そのかわり、一部復興増税をしているんですが、その復興増税のほうは復興特会に入るものですから、一般会計が受ける法人税は下がったままになっております。これが平年度化するので4,240億円ぐらいの減になります。それから、25年度の改正増減収、これは初年度で2,360億円ぐらい減になる。これらを合計いたしますと43兆960億円ということで、それぞれ個別に、税目別に積み上げをしております。

 例えば所得税ですと、対前年度当初予算で4,000億円の増、法人税は約900億円の減、消費税は2,300億円の増、その他で2,100億円の増、こういった形で積み上げてやっております。もちろん、あくまで経済見通しに基づく見通しでございますので、結果としては、例えば近年は税収見通しを上回る税収が結果的に入って、それを補正予算のときに補正財源にしたりしたこともあります。過去には、当然、予算に満たなかったこともありますけれども、現時点で可能な限りという観点で見積もらせていただいたというのが現状でございます。

〔 江島主計企画官 〕 2点目のご質問で感応度分析でございます。要するに、1%上に上がった場合に税収と国債費でどう違うかと。私ども、この表にございますように、税収を大体40兆円台半ばぐらいを発射台として、それに弾性値と成長率を掛けてということで機械的に計算しますと、もとが40兆円台になってございますので、上に1%ポイント上がった場合に、四、五千億ぐらいずつ上がっていくイメージになっているので、0.5兆とか1.2兆とか、そういうオーダーで上がっていくと。もともとのものが40兆円から50兆円の間にある税収が基礎点になってございますので、それがプラス1%上にぶれた場合のマグニチュードとして大体こんなものかなと、非常に機械的に計算をしております。

 表をごらんいただきますと、上のプラス1%のところ、0.5とありますが、その下に括弧で実際の税収の数字が入ってございます。49.8兆円と。機械的にプラス1オンして税収をはじきますと、これが55.4、60.8と増えていきますが、その差分をとるとそれぞれこのような数字になるということで、結果としてこのようなオーダーになっている。

 他方で、国債費のうちの利払い費、これは毎年借換債を100兆円オーダーで出しておりますけれども、その借り換えをするときの金利が仮に1%上がってしまったということでありますと、基礎点が3桁兆円の話になってまいりますので、やはり同じ1%、上に上がった場合のマグニチュードもやはり自から、土台が倍ぐらい違いますので、結果も直感的に倍ぐらい違うという、細かくはあれですけれども、そういう50兆円台なのか100兆円台なのかという基礎点の違いで出てくるものだと理解しております。

〔 吉川分科会長 〕 よろしいでしょうか。

〔 泉公会計室長 〕 財務書類の関係についてでございます。国の財務書類と東京都の取り組みとどう違うかというお尋ねでございますが、国におきましては、平成15年度分からこの取り組みを作成、公表しております。東京都におきましても、相前後して始められ、平成18年度からの公表ということで伺っております。

 位置づけは、国の財務書類は国会審議のご参考ということでつくらせていただいておりますが、東京都もやはり官庁会計におきます決算書の参考書として議会に提出するという位置づけだと伺っております。

 中身の構成でございますが、今お手元にございます国の財務書類のほかに、国におきましては、各省庁におきまして省庁別財務書類というのを作成しておりますし、また一般会計財務書類、特別会計ごとの特別会計財務書類ということで、詳細な体系ができ上がっております。東京都におきましても、一般会計財務諸表のほか、特別会計財務諸表、局別財務諸表ということで、その点においてはかなり同等なものと伺っております。

 ただ、東京都と国におきまして若干違いがございますのは、東京都は少し取り組みが後から始められたということもあって、システム整備が非常に進んでおられるということがございます。東京都におきましては、翌年度の9月にもう公表ができる、決算書とともに公表ができるということでございますが、国におきましては、システム的な問題、また規模の問題とあわせてありまして、東京都ほどは早くはできておりません。ただ、でき上がりは非常に詳細なものができていると私ども自負しております。

〔 吉川分科会長 〕 よろしいでしょうか。では、早川委員、渡辺委員、どうぞ。

〔 早川委員 〕 皆さんおっしゃったような話なんですけど、2つ申し上げたいと思うんです。

 1つは、先ほど岡本さんがご指摘になりましたけれども、マーケットが動き、景気が少しよくなりそうだなと、やや浮ついた雰囲気さえ出てきていると思うんですね。もちろん、景気がよくなるということは悪いことではないんですけれども、景気がよくなるということは、岡本さんがおっしゃったように、やっぱり金利が上がってくるということだと思うんですよね。今まで日本の財政は本当に異常な低金利に恵まれてきたと思うんですよね。ところが、金利が上昇し始めるということは、国債費がふくらみ、覆い隠されていた問題が表に出てくるということだと思うんですね。景気がよくなるのはいいことだなと皆さん思っておられるんですが、こういう問題が財政にはあるんだと。それをもっとしっかりと説明するべきだと思うんですね。それは、今度の財政審の取りまとめの中に1つ入れていただきたいなと思います。

 それから、それに絡んだことで、これも皆さんご指摘になっておられるんですけれども、プライマリーバランスを黒字化するという目標に向けたシナリオがどうしても欲しいですよね。プライマリーバランスを黒字化するというだけではなくて、これは皆さんご承知のように、国債の残高を減らしていかなければいけないということですよね。ですから、仮に2020年度に目標が達成できたとしても、それで終わりではないわけですね。その先もあるわけです。そういうことも含めたシナリオというのがぜひ欲しいと思うんですね。それは単に、こうなりそうだというだけではなくて、いわば財政の現状あるいは見通しを踏まえてどうしなければいけないのかということを示さなければならない。

 今後の議論のポイントという中に財政健全化に向けた基本的な考え方とありますね。私は、中長期の財政計画までは難しいかもしれませんが、その骨格のようなものは経済財政諮問会議で中期財政展望をまとめられる前に財政審としてぜひ出していきたいなと思います。

 具体的に言えば、歳出をいかに切り詰めていくのかということと、それから10%の後、消費税率をどういうふうに引き上げていくのかということと、それに関連して国債発行額を抑制していくということだと思うんですけれども、この国債発行額の抑制というのは、歳出の削減や消費税率の引き上げによってどうなるという結果ではなくて、国債発行額を先行きどういうふうに抑えていくのかということを前提にした中期財政計画というか、そのためには、歳出をどれぐらい削減していかなければいけないのか、消費税率を10%の後、いかに引き上げていかなければいけないのかということを示す見通しみたいなものができればなと思うんですけれども。

 以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。では、渡辺委員。

〔 渡辺委員 〕 ありがとうございます。今、早川委員が私の話したいことをほとんどおっしゃったと思うんですけれども、やっぱり財政の健全化というのがこれだけ大変なんだということが今回の試算でもはっきりしたわけでございますので、健全化目標を達成する道筋の選択肢をどれだけ見える化していくかというのがこれから大変重要ではないかと思います。入るをはかりて出るを制すわけですから、入るをはかるほうは、税金の話はいろいろなことで出てくるだろうし、早川さんがおっしゃったように、消費税の10%以降の話もある程度明示していくということも必要でしょうし、大変重要なのは、経済成長、成長戦略をどうやって実現していくかということを我々も民間も考えていかなくちゃいけませんし、国と一体となってオールジャパンでやっていくという方策をしっかりと国家戦略の中で位置づけてやっていくということが大変重要だ、そういう時期になっていると思います。ぜひ、そういう意味で、道筋を短期、中期、長期にわたって明らかにしていく。中長期はもう時代の変化、あるいは環境の変化で変わるわけですから、これは必ずローリングしていけばいいわけでありますので、短期だけではなくて中長期の20年以降の話も含めて、ある程度の方向づけをしていく必要があるのではないかと思います。

 それから、もう一つだけ。歳出に関する効率化、重点化をさらに厳しく明示していくということも大変重要ではないかと思います。給付が増大していくことだけではなくて、歳出を抑えていくために、こういう道筋を短期、中期、長期にわたってもやっていくんだという姿勢を示していくことが大変重要ではないかと強く感じております。ぜひ、財務省の中でプロジェクトでも組んで、短期、中長期の歳入及び歳出の計画を見える化して議論をしていったらどうか、こんなふうに思っております。

 以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございます。土居委員、田近委員。

〔 土居委員 〕 慶應義塾大学の土居でございます。

 各委員がおっしゃったように、財政健全化の取り組みというのは非常に重要で、かつ今年の前半の段階でそれを政府の方針として示していくことも、これまた国際的な影響を考えますと非常に重要なことだと思います。ですから、いかに、今後政府として財政健全化の取り組みを内外にコミットした形で公約を掲げられるかどうかということがおそらくはこれからの半年以内の中では非常に重要なポイントになってくるのではないかと思います。

 その上で、資料7の今後の議論のポイントに沿いながら、少し私の意見を述べさせていただきたいと思っておるわけですけれども、まず、2番目の経済成長と財政の関係というところなんですけれども、各委員が既にお話しのように、経済成長は非常に重要です。私もそう思います。ただ、経済成長しさえすれば財政健全化がなし遂げられるかのような考え方というのは、まだ世の中には多く見受けられるという意味では、経済成長を促すということは、それはそれとして重要だけれども、経済成長しさえすれば極端に言えば増税をしなくてもいいとか、厳しい歳出削減をしなくてもいいというほど楽観的ではないというところについて、きちんと立論をして、国民への理解を浸透させる記述なり明確化が必要であろうと思います。

 それからもう一つは、財政が経済成長に与える影響ということで言いますと、景気対策というものがこれまでにも何度か行われてきたわけですけれども、その効果はどうだったのかということについては、やはりきちんとここで一旦整理をする必要があるんじゃないかと思います。

 通常は、経済学の中で位置づけられている景気対策としての財政政策というのは、マクロ経済に与える影響ということを重視しているということですが、ややもすると、我が国の景気対策と呼ばれるものは、長年にわたって単なる所得再分配に出しているんじゃないかと。マクロ経済にいい影響を与えるという話が実はあまり主眼ではなくて、むしろ、再分配をするということが景気対策という名のもとに行われていっただけだったのかもしれないという懸念も私は持っているわけでありまして、そういうところの位置づけの整理というのは私は必要だろうと思っております。

 それから、もう一つは、3番目の財政の持続可能性と国債市場というところですが、早川委員もお話しになられましたように、金利上昇に関連するところの言及は、あえておそれずにきちんと正直に国民の前に伝えるべきではないかと思います。もちろん、過剰に不安をあおる必要はないわけですけれども、金利がどれぐらい上がるとどれぐらい利払い費が増えるかというのは、今日の資料にもありました後年度影響試算にも既に示されている部分はあるわけですが、もう少しシステマティックに、かつ2020年のプライマリーバランス黒字化に向けたところの時間視野まで含めたところで、この利払い費への影響というのは、金利上昇との対応で考える必要があるだろう。

 それから、私がもう一つ、金利上昇について申し上げたいのは、もし首尾よくデフレが脱却できれば、少なくとも物価が上昇した分だけは金利が上昇してもこれは甘受せざるを得ないということだろうと思います。ですから、金利は低ければそれでいいとか、特に財政健全化との関係で言えば、経済成長率よりも金利をできるだけ低く抑えることで増税をしなくても何とかやっていけるんだという議論になりかねないということですから、あえてここは、金利上昇は別に欲しているわけではないけれども、仮に金利が上昇したとしても、財政がきちんと回していけるということなのか、ないしは歳出削減をこれだけすれば何とかなるということなのか何なのかということをきちんと財政構造に根差して国民に問いかける必要があるんじゃないかと思います。

 最後に、財政健全化に向けた取り組みという点に関してなんですけれども、井堀先生も先ほどおっしゃっておられたように、2020年の財政プライマリーバランスの黒字化というところまでの道筋をきちんと具体的に示すということは私は非常に重要だと思っています。財政審の過去の建議を見ますと、平成17年11月に出された建議では、これは起草検討委の提出資料に基づくという形ではありますけれども、いわゆる将来推計に類する将来的な歳出の見通しないし推計を提示している。5年後、10年後というところの歳出を推計して、その建議の中で示しているということがあります。もちろん、これと同じことをやるということなのかどうなのかというのは、これからの議論によるかもしれませんが、少なくとも、これだけの歳出が増大するんだということだとか、中期的な見通しを、多少の仮定は必要ではありますけれども、先ほどの後年度影響試算の枠組みを活用しながら、国民に示していくということは1つ方法としてはあり得る方法なのかなと思います。

 最後に、2020年のプライマリーバランスの黒字化という話ですけれども、私は確かに2020年ごろにプライマリーバランスの黒字化が実現できれば、1つ重要な道しるべにはなるとは思っていますけれども、極論を言えば、ややもすると、国民の関心というのは、2020年までにとにかくプライマリーバランスが黒字になるような収支尻を合わせるということができさえすればそれでいいという向きもなきにしもあらずなのかなと。例えば2020年までに多少の増税は必要かもしれないけれども、そのときまでには経済成長率が非常に高くなっていて、そのおかげで税収も多く入ってくるから、あまり歳出削減をどしどしやらなくても、プライマリーバランスが実現できるということだったら、それはそれでいいじゃないかというムードというか潜在的な意識というか、そういうのは私はあると思っています。

 むしろ、この見通しを立てるときに、経済成長というのは、私はボーナスだと考えるべきだと思っています。つまり、予定よりもある程度高い成長が実現できて、そのおかげで税収がより多く入ってきたということであれば、その税収はむしろプライマリーバランスの黒字化目標の達成の前倒しに活用すると。例えば2019年にそのおかげで実現できたということであれば、むしろその恩恵は国民に及ぶと。別な言い方を申しますと、ある程度低い成長は、もちろんこれは私は望んではいませんけれども、もし低い成長率になったとしても、プライマリーバランスの黒字化が2020年に実現できる方策というのはどういう方策なのだろうかということを軸にしながら、税財政によって経済成長を阻害するということがないように、その財政運営を行っていくという考え方ということで臨むべきではないかと思っております。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。田近委員。

〔 田近委員 〕 もういっぱい議論が出たので、それにつけ加えるというよりも印象なんですけど、今、たまたま1990年代の税制というのをずっとこの数カ月書いてて、今日、内閣府の資料を読んでて、どこかで聞いたことある言葉がいっぱい出てるなと思って見てたんですけど、1ページ目の日本経済再生に向けた緊急経済対策というのは、1998年に橋本龍太郎氏が参議院選挙で負けて、今日、小渕さんいらっしゃいましたけど、小渕さんのお父さんが総理大臣になった。そのときに彼が言ったのは、私の内閣は経済再生内閣だとまず言ったわけですよね。それが7月ぐらいで、11月に出した対策が緊急経済対策といって、その中で景気対策では、デフレスパイラルからの脱却を目指すと、はっきりプラス成長と自信を持って言える需要創造。何だかこれは98年の話がまた、続いているとは言わないですけれども、それで話の落ちは、小渕さんが最初にやったことは、財政改革法をまず凍結することだったわけですね。今の状態と変に符合してる感じがするんですけど、おそらくこのままいったら次にあることは、我々の中期フレームワークをどう凍結するというか、あの場合は最初に弾力化と言ったわけです。達成する年度を緩めるとか。だから、まさに本当に不思議だなと思って、小渕さんが経済再生内閣、そしてすぐに立ち上げた政策が緊急経済対策、その符合というのはあまりにも偶然にしては対応し過ぎてるなと。

 申し上げたいのは、土居さんもおっしゃったんですけど、あと井堀さんも、これは数字がついてないんだから議論しようがないねというのは僕もそう思うんですけど、やっぱりいろいろ議論してきてどれだけわかりやすく我々のメッセージを伝えるかということだと思うんですよね。足元、GDPで見て国と地方の、内閣府のですけれども、7%ぐらいプライマリーデフィシットだと、それを半分にすると。すると、目の子でちょっと計算したんですけど、17兆円ぐらい要るんですよね。消費税が5から10でしたっけ、上がって、実力ベースでというのは、国も消費税を払うし、また福祉の拡充で使う分があるので仮に2兆円とすると10兆円。17引く10は7兆円。7兆円が実現できるかどうかというところだと思うんですけど、言いたいのは、だから、2つ言いたくて、1つは、おそらくこのままでいくと、経済再生内閣が緊急経済対策をとって、財革法を凍結した、その路線を我々は行くんだろうな、それが第1。

 第2は、あのときと比べて我々がどれだけ成長したのかというと、僕はやっぱり内閣府のSNAベースで議論できるというのはすごく共通資産になったと。それはいいなと。その次には、財審の役割としては、土居さんが今全部要約しちゃった感じですけれども、それをどうわかりやすく伝えて、そして我々が、小渕内閣が経験した、彼は最初から断言しちゃったんですけど、我々の中期フレームを我々が弾力化する、そういう局面に遭遇するのかしないのか。しないためにはどうしたらいいか。若干ですけど、非常に98年のときと雰囲気が似てるなと思いました。

〔 吉川分科会長 〕 葛西委員、黒川委員、小林委員。

〔 葛西委員 〕 私は土居説に全く賛成でございます。財政の健全化というのは、やっぱり覚悟の問題でありまして、不確定なものに期待するということをしないで、収入の増であれば消費税のアップをどこまでやるのかということが1つの課題になるでしょうし、例えば非生産的な人件費の削減をどうやっていったかという点では、国鉄の場合、まさにそれが課題だったんですが、予算の中で歳出をいかに削減するかというのを今の状況の延長線上でどうやるかという形ではなくて、1回白紙に戻したような形で考えていくというぐらいの覚悟がないと、今の状況はとても財政の健全化ができないような感じがいたします。

 それから、経済成長について言うと、私の自分の経験から言うんですが、国鉄において人件費をとにかく半分以下に切るということと、安全関連以外の設備投資をゼロにするという形で鉄道は何とか生き残る道を模索し、過去はともかくとして、将来に向かっては何もマイナスを生まないという形をつくって過去を断ち切る方策に向かったんですけれども、経済成長というのが当てにできるものだと考えると、これは全てが曖昧なものが中に入ってきますし、そこは非常に不確定なものでもあります。問題を先送りして逃げるという気持ちになりかねませんから、経済成長は土居さんが言われるようにボーナスであると考え、もしそれがプラスであれば、それにこしたことはないというぐらいのつもりで、財政の健全化は考えていかないとできないのではないかという気がいたします。

 経済の成長そのものは、この会議での議論の主題ではないかもしれませんが、世界的に見て今全体的にデフレの傾向にありますから、日本だけが成長路線に乗るというのはなかなか難しいので、少なくとも世界に伍せる競争力を強く持つというところをどう確保するかということだと思うんですね。そうすると、円高が是正されたのはよかったと思うんですが、エネルギーが今のような状況でコストが高いという環境では、日本の産業の競争力なんか生まれてくるわけありませんし、法人税も非常に高いですし、そういうものを一体どうするんだという議論は、これは財政にもかかわってくるんですが、やはり外国並み、ヨーロッパ並みのような水準を取り入れていくんだということは考えなくちゃいけない。

 あるいは、日本の場合は、労働行政は極めて企業に敵対的であります。したがって、企業に敵対的な労働行政を根っこからたたき直すということを考えないと、外国並みの競争力すら維持できないということになるのではないかと思います。

 その意味で、私は財政の健全化は火急の課題であって、長期、中期の計画を立ててやっていくということを考えるべきではなく、できるだけ速やかに達成するという決意が必要だと思います。少なくとも今までに蓄積してしまったものはしようがないとして、これをどうするかは長期の問題になるかもしれませんが、これから先の話については、できるだけ短期間で新たなマイナスを生まないようにしていくという覚悟を決めるべき時期に来ている気がいたします。その意味で、土居さんが言われたのはほとんど私と同じようなことだと思い、賛成でございます。

〔 吉川分科会長 〕 黒川委員。

〔 黒川委員 〕 ありがとうございます。私は法制・公会計部会の委員を兼ねているので、今日配付された、この財務諸表の宣伝も兼ねて述べさせていただきます。先生方、せっかくですので、1ページの貸借対照表と21ページの連結貸借対照表を見比べてください。これは言わずもがななのですが、1ページは公債残高が23年度末で791兆円になっています。連結のほう、21ページを見ていただくと、公債残高が574.8兆円となっているのですね。

 これはなぜかといいますと、郵便貯金174.4兆、それから責任準備金、こういうものにある程度、振りかわってくる。責任準備金が9.2兆円だったものがこれだけ増えてくる。これは何を示しているかというと、連結法人が22ページにありますけれども、この政府系の連結されているところが公債を引き受けていると振りかわるということなのです。ということは、国債のかなりの部分が郵便貯金を預けている人の貯金とかんぽ保険に入っている人が引き受けてる、その人たちの資金が担保されていると思ってもいい。残りの公債574.8兆円は何かというと、これは市中、連結されていない組織、事業体が買っている部分だと読むべきなのです。

 そこで、問題は、今度、日銀が大規模に引き受けてくるということです。私の場合は、国債の金融商品性というのも考えなくちゃいけないかなと専門からすると考えるわけですけれども、これまでこの574.8兆円は市中の機関投資家と国民が買っていたと思う。そこに、日銀がこれからどんどん入ってくるということです。これまで各金融機関などは投資先がないので国債を引き受けていたと思いますけれども、これから株も上昇してくるし、景気もよくなってくるということになると、各市中銀行、そのほかの生保とか、そういう機関投資家が国債以外のものに投資の幅を広げてくると思うのです。そうすると、国債の金融商品としての魅力が今までのような状況よりも弱まってくる。だから、そのためにどうしたらいいかというと、当然、金利を上げるか何かして魅力的な商品にする必要がある。これが、先生方が先ほどから言及されている、景気がよくなってくると国債の利率も上がる可能性があるというシナリオの1つ、これを金融市場で考えればこういうことになるかと思うのです。

 というわけで、意見なのかどうかわかりませんけれども、この財務諸表というのは大変示唆に富むものであり、それから2カ月ぐらいで財審として何か意見を言うときに、国債の金融商品性についても若干書いておいたほうがいいのではないかなということであります。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 あと何人かご発言の委員の方がいらっしゃいますが、時間がだんだん迫ってきました。大変恐縮ですが、簡潔にお願いしいたと思います。小林委員から。

〔 小林委員 〕 それでは、簡潔に。

 今後の議論のポイントと5つぐらい並んでいる中で、私が今回、個人的にといいますか、見た感じの中で、一番強調というか、これまでよりもウエートを置いたほうがいいのかなと思うのは、2番の(2)の財政健全化が経済成長に与える影響というところかなということだと思うんですね。

 というのが、これまでのところ、財政健全化というのは景気に対してマイナスであり、経済成長には寄与しないという議論がどうも出てくる。それから、ヨーロッパではまさにそういう状況が起きているわけで、ここの部分をきちんと説明してあげないと国民の人たちは、上のほうの経済成長が財政健全化に与える影響というのは非常にわかりやすいと思うんですが、財政健全化というのは必ずしも経済成長に対してマイナスではないということを、それはおそらく、これまで出ている金利の問題なんかもあるんだと思うんですけれども、そういうことをひっくるめてちゃんと説明してあげる、そこにある程度のスペースを置いてやっていったほうがいいのかなという気が非常にしております。あと幾つかあるんですが、とりあえずそれが1点。

 それから、先ほど倉重委員から出た税収の見積もりと実績の話のときに、表を出していただくときに、できれば、その前提となっている政府経済見通しと実績の経済成長率、これもそこに一緒につけていただくと非常にわかりいいかなと思いますので、それもお願いしたいと思います。

 以上2点です。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。では、碓井委員。

〔 碓井委員 〕 機動的な財政政策のことについて意見を述べたいと思いますが、景気対策というと即効性が期待されるということで、即効性を求めること自体について反対するものではないんですが、同時に、その結果が後年度にわたる財政収入につながるものでなければ困る。そういう意味では、即効性プラス後の持続的な経済を実現して財政収入につながるものを選んでほしいということ。それに関係して、私、法律をやっておりますと、そういうことにつながるものは実は手続が非常に複雑になっているんですね。先ほど来の議論の規制緩和とはちょっと違う側面なんですが、その辺を政府には心がけていただきたいと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 では、どうぞ。

〔 板垣委員 〕 需要の話はもうほとんど出てしまったので、別の角度から言いますと、三本の矢という言葉をはやらせようとしてみんなでわあわあ言ってるわけですが、ぜひ四本の矢という言葉をはやらせるようにしたほうがいいのではないかというのが1つ。

 それから、なぜ経済成長頼みなのか、そういう意識がどうしても抜け切れないのかというと、やはりバブルのときに唯一赤字国債発行ゼロになったという、この経験が政府内だけではなくて民間にあるわけですね。だから、それはそのとおりなんだけど、あのときとは時代が全く違って、債務残高も全然違ってるというところを歴史的にもきちんとわかる形で粘り強く説明していくしかないだろうと思います。

 それからもう一つ、負の遺産を整理することによって、なぜ経済がよくなるのかということがなかなか一般の人にはイメージしにくいんですけれども、例えば財政の債務を削減すれば経済がうまくいくといっても、それは財務省の論理だろうという話になるわけですが、もうちょっとさかのぼって考えてみると、例えば種類は違いますけれども、銀行の不良債権の処理をやると、つまり、負の遺産を整理するということが1つのバネになって、ある時期、気分が変わったということもあるものですから、そういったことを我々の報告書の中でもわかりやすく伝えていくということが重要かなと思います。

 それ以外は、皆さんのお話に全て賛成ですので、よろしくお願いします。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。竹中委員、よろしいですか。

〔 竹中委員 〕 

税制や会計処理の専門的な事がわからない方も多いと思うので、明るい方向に行ってるんだよと言い切ってもいいのか、それともそうではないのか、財政審として今回の議論のポイントを一般の方にもわかるような言葉で発信して行くことも必要かと思います。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。一応全ての委員からご意見いただけたと思いますが、ただいまいただきましたご意見も踏まえまして、今後の当分科会における運営につきましては、総論と主な各論について審議し、5月下旬を目途に報告書として取りまとめていくという予定としたいと考えております。

 なお、今後の運営に関して、審議事項や日程の変更等につきましては、大変恐縮ですが、私に一任していただくようお願い申し上げます。

 それでは、時間も参りましたので、以上で本日の議題は終了とさせていただきます。

 なお、本日の会議の内容の公表につきましては、これも私にお任せいただき、会議後の記者会見でご紹介させていただくことにさせていただきます。会議の個々のご発言につきましては、皆様方から報道関係者等に対してお話をすることのないよう、これはお願いということですが、お願いさせていただきます。

 次回は、事務局より正式な案内を送っていただきますが、4月12日、15時からこの会議室で開催し、先ほどお話ししました総論的な議論といたしまして、経済社会の構造変化と財政及び経済成長と財政を取り上げたいと考えております。

 それでは、閉会いたします。どうもありがとうございました。

 

午後5時2分閉会

 

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