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財政制度分科会(平成25年1月8日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録
平成25年1月8日
財政制度等審議会


 財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

                    平成25年1月8日(火)15:01〜18:26
                    財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

1.開会
2.分科会長の互選
3.分科会長の挨拶、分科会長代理の指名
4.部会の設置、構成及び部会長の指名について
5.麻生財務大臣挨拶、フリーディスカッション
6.平成25年度予算編成に向けた考え方について(案)
7.閉会

配付資料
○ 資料1      委員名簿
○ 資料2      部会の設置
○ 資料3      所属部会別委員名簿
○ 資料4      平成25年度予算編成に向けた考え方(案)

8.出席者

分科会長 吉川 洋            

麻生財務大臣
山口副大臣
小渕副大臣
竹内大臣政務官
伊東大臣政務官
木下主計局長
中原次長
福田次長
可部総務課長
小宮調査課長
大鹿法規課長
工藤司計課長
土谷給与共済課長
中村主計企画官
富山主計官
阪田主計官
余島主計官
新川主計官
武藤主計官
窪田主計官
吉井主計官
諏訪園主計官
山下主査

分科会長代理     田近 栄治  
 委員井伊 雅子
岡本 圀衞
倉重 篤郎
黒川 行治
角   和夫
竹中 ナミ
田中 弥生
富田 俊基
鳥原 光憲
中里 透
早川 準一
 臨時委員板垣 信幸
葛西 敬之
小林 毅
渡辺 捷昭

午後3時1分開会

〔 小宮調査課長 〕 ただいまから、財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。皆様方におかれましては、ご多用中のところご出席いただきまして、まことにありがとうございます。

 本分科会の庶務を担当しております主計局調査課長の小宮でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 本日は、本分科会の会長の選任を行っていただきますが、分科会長選任までの間、議事の進行を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 本日は、後ほど麻生財務大臣にご出席いただきまして、ご挨拶をいただき、意見交換のお時間も設けております。また、山口副大臣、小渕副大臣、竹内大臣政務官、伊東大臣政務官にもご出席いただいておりますので、後ほどご挨拶を頂戴したく存じます。

 それでは、議事に移らせていただきます。

 まず、分科会長の選任を行っていただきます。財政制度等審議会令により、分科会長は、分科会に属する委員の互選により選任することとされております。

 分科会長につきまして、ご意見、ご推薦等ございましたら頂戴いたしたく存じます。よろしくお願いいたします。

 富田委員、よろしくお願いします。

〔 富田委員 〕 私は、引き続き吉川委員に当分科会長をお引き受けいただきたく存じます。皆様、ご案内のとおり、吉川委員は、マクロ経済、そして財政、社会保障の分野におきまして非常に高いご見識をお持ちで、また豊かなご経験もお持ちでございますので、ぜひとも引き続き分科会長をお務めいただきたく存じます。

〔 小宮調査課長 〕 ただいま、富田委員より吉川委員を分科会長に推薦する旨のご意見を頂戴しましたけれども、いかがでございましょうか。

(「異議なし」の声あり)

〔 小宮調査課長 〕 ありがとうございます。ご異議がないようでございますので、吉川委員に分科会長にご就任いただくことをここで決定させていただきたいと思います。

 吉川委員におかれましては、分科会長席にお移りいただきたいと存じます。

(吉川委員分科会長席に着席)

〔 小宮調査課長 〕 それでは、吉川分科会長からご挨拶を頂戴したいと存じます。

〔 吉川分科会長 〕 ご指名をいただきました東京大学の吉川でございます。座って一言ご挨拶させていただきます。

 この分科会にご参集の委員の皆様方、財政に関しては財政再建に対する思いと、我々委員一同共通するものがあるかと思いますが、先ほど総会のときにも申し上げましたが、1つだけ発言させていただきたいと思います。それは、財政再建が大事ということはほとんど全ての人が口にするわけですが、しばしば、財政再建も大事だけれども、成長が先と、こういう議論がございます。経済成長は大変大切なもので、財政再建にとっても必要条件だとは思いますが、残念ながら十分条件ではないというところがポイントであります。したがって、経済成長を図りながらも、その一方で、やはり財政再建へ向けて、正面から必要な手段を講じていくということがぜひとも大切なことだと思っております。成長が先というのは、1990年代の不良債権のときにもよくした議論であります。残念ながら、そうした議論を重ねているうちに、1997年、1998年と実際にクレジット・クランチが起きてしまいました。財政の場合も全く同じだと私は考えております。

 また、もう1点だけ。今の日本の経済社会、閉塞感のある中で、いわゆる格差の問題というのが大変大きな問題として議論されております。例えば消費税などに関しても、逆進性ということがしばしば問題になります。財政が破綻するということになると、いわば経済全体で極めて逆進的な大きな問題が生じると、このことも私たちが忘れてはいけないことだと思います。現在、欧州の幾つかの国でトラブルが実際に生じていますが、私たちが見ていても、そのトラブルの問題というのは経済的な、いわゆる弱者に大きく負担が行っているわけであります。そういう意味でも財政の破綻というのは極めて逆進的なことだと。それをぜひとも避けるためにも正面から財政再建に関しては、経済成長とは別に必要な施策を講じるべきだというのが私の考えでございます。

 一言ご挨拶にかえさせていただきました。よろしくお願い申し上げます。

〔 小宮調査課長 〕 ありがとうございました。財政制度等審議会令によりますと、分科会長代理は分科会長があらかじめ指名することとされております。恐縮でございますが、吉川分科会長から、どなたか分科会長代理にご指名をいただければと存じます。

〔 吉川分科会長 〕 私から指名というのは大変僣越で、学会で言えば先輩に当たる方ですが、田近委員を、分科会長代理になっていただければと思います。よろしくお願いいたします。

〔 小宮調査課長 〕 ありがとうございました。

 分科会長及び分科会長代理が決まりましたので、ここからは吉川分科会長に議事進行をお願いしたく存じます。

〔 吉川分科会長 〕 それでは、ここからは私が議事進行を務めさせていただきます。

 まず最初に、部会の設置についてお諮りしたいと思います。これまで財政制度分科会には、法制・公会計部会を設置してきたところです。今後も引き続き資料2のとおり、法制・公会計部会を置くこととし、調査・審議をしていただきたいと考えておりますが、ご異議等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

〔 吉川分科会長 〕 では、ご異議がないようですので、法制・公会計部会を設置することにさせていただきます。

 続きまして、部会に属すべき委員及び部会長の指名を行いたいと思います。これにつきましては、財政制度等審議会令により、分科会長が指名することとされておりますので、大変僣越でございますが、私から指名させていただきます。

 法制・公会計部会に属すべき委員につきましては、お手元の資料3「部会所属委員名簿(案)」のとおりとし、部会長は黒川委員にお願いしたいと思います。ご異議等はございますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

〔 吉川分科会長 〕 ご異議がないようですので、そのように決定させていただきます。

 黒川委員におかれましては、今回から財政制度分科会の審議にご参加いただくことになりましたので、一言ご挨拶をいただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。

〔 黒川委員 〕 慶應義塾大学の黒川でございます。今、部会長を拝命いたしまして、大変光栄に存じております。

 初めてということで1分ぐらいいただきますが、私の専門は会計学でございます。会計学というのは、主として財務情報を測定し、伝達し、そしてその情報を意思決定に役立てる、そういうようなことが機能であります。この会計学が、最近ですと最も活躍したのは環境問題でございまして、環境負荷物質というものを測定し、そして人々に知らせ、そしてその環境負荷物質を削減する努力を促す。そういうところに環境会計というものがとても役立ちました。それと同じように、公会計の分野も、田近先生が部会長でこの10年間、事務局も頑張ってこられて大変進歩いたしました。私、も委員そして事務局の皆様と一緒になって、今後とも情報を作成し、伝達し、そして意思決定に役立てるということに尽力したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 続きまして、麻生財務大臣からご挨拶をいただきます。麻生財務大臣がお見えになりますので、しばらくお待ちください。

(報道カメラ入室)

(麻生財務大臣入室)

〔 麻生財務大臣 〕 それでは、財政制度等審議会財政制度分科会の開催に当たりまして、一言ご挨拶をさせていただきたいと存じます。

 年末年始何かとあるにもかかわりませず、大勢ご参加をいただきまして、まことにありがとうございました。ご多用中のところのご参加に心から厚く感謝を申し上げます。神戸からお疲れさまでした。

 それでは、ご存じのように、昨年の12月26日に第2次安倍内閣が発足いたしております。ご存じのように、日本の経済、1989年12月29日東証の株価の終値は、ご記憶かと思いますが、3万8,915円。今、上がったとはいえ1万円ちょっと超したぐらいですが、現実約4分の3の動産という名の資産が失われております。また、同様に土地は90、91年と上がっておりましたが、92年から下がって、しかも急激に下がって、土地の価格は6大市街化地域の平均価格で15%にまで下がった。15%下がったのではなくて、15%にまで下がったというほど、いわゆる不動産という資産も大幅に下落ということで、以来、今日まで長引く資産デフレ不況というものが続いております状況で、この閉塞感というものは何とも拭いがたいものが、どんよりしたものがずっと蔓延し続けてきたのが、我々の置かれている状況であろうと思っております。

 ぜひそういった現状について、いわゆる国民の持っておられる強い危機感なり、閉塞感なり、不満というものを、我々としては共有し、その上で雇用の拡大、所得の向上というものを拡大させて、強い経済を取り戻すということに我々の使命はあろうと思っております。そのため、この内閣としては、まずは日銀とともに、いわゆる金融政策、そして財政の機動的な出動、そして国民の投資を喚起するような成長戦略、通常これを三本の矢とかいろいろ、毛利元就みたいなことを言っていますけれども、簡単に言えば、三本の矢ということでわかりやすく表明しておりますが、今申し上げたようなことを基本としてやらせていただきたいと思っております。

 他方、日本の財政状況は、皆さん方、よくご存じのとおりでありますので、我々は依然として厳しい財政状況にあることははっきりいたしておりますので、中長期的には財政というものをぜひ持続可能なものにし続けていくということが、国家にとっての信用ということにもかかわろうと思いますので、我々としては、今後、速やかに思い切った形での補正予算、平成24年度の補正予算というものをまずつくる。

 ご存じのように、通常ですと、12月28日には予算原案ができ上がるところなんですが、今度は12月28日にスタートしたんですから、とてもじゃありませんけども、来年度予算の本予算より先に補正を組まない限りは、4月、5月等々暫定予算を組まざるを得ないという物理的なこともありますので、まずは我々としては補正予算から先に手をつけさせていただくということになろうと思いますので、これには今の問題を我々の新しい政権として、新しい内閣はこの方向にかじを切ったということが国民にはっきりわかる、そういった形での補正予算を組まねばならぬと思っております。

 同時に、平成25年度の本予算に関しましては、これは財政再建化目標というものを踏まえて、民主党時代から続いておりましたいろいろな無駄というものは、これは最大限に削減しつつ、そして、デフレ不況からの脱却、資産デフレ不況からの脱却と強い経済というものを目指す観点から予算の中身を大胆に重点化していきたいと、そう考えております。

 この審議会におきましても、昨年の10月から各歳出分野を含めて、平成25年度予算編成に向けて、鋭意、ご議論、ご努力をいただいていると承知しておりますが、ぜひいただきましたご意見というものを最大限尊重させていただいて、平成25年度の予算編成に向けての考え方について、いろいろ報告書等々ご意見をお聞かせいただき、もって我々としても議論を進めてまいりたいと思っておりますので、この厳しい状況、日程的にも大変厳しいものになっておりますけれども、ぜひご理解を賜り、よろしくお力添えを賜りますようにお願い申し上げて、ご挨拶にかえさせていただきます。よろしくお願いします。

〔 吉川分科会長 〕 大臣、どうもありがとうございました。

 続きまして、本日は、山口副大臣、小渕副大臣、竹内大臣政務官、伊東大臣政務官にもご出席いただいておりますので、一言ご挨拶をいただければと思います。

 それでは、山口副大臣、お願いいたします。

〔 山口副大臣 〕 先ほど総会のほうでご挨拶をさせていただきましたが、副大臣を仰せつかりました山口俊一でございます。

 大臣を一生懸命お支えしながら頑張ってまいりたい。先ほど来お話がございましたように、多くの問題を抱えております。副大臣室にもパネルがありまして、株価とか、円だとか、ユーロだとか、その中に実は国債金利もありまして、長期がじわじわと上がってきているなという心配もあるわけでございます。それだけに、どうか当分科会の先生方の十二分なご議論、またご提言を賜りますように、改めて心からお願いする次第でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 続きまして、小渕副大臣、お願いします。

〔 小渕副大臣 〕 このたび山口副大臣とともに財務副大臣を拝命いたしました小渕優子でございます。

 委員の皆様方には、これまでも大変積極的なご議論をしていただき、大変大事なご指摘をいただいてきておりますことに心から感謝を申し上げたいと思います。安倍内閣に対しまして大変大きな期待が集まっております。その期待にしっかり応えられるように結果を出していかなければならない、そのように思っているところであります。委員の皆様方には、これからもどうか大所高所からのさまざまなご意見、ご議論をいただけますように心からお願いいたします。ありがとうございました。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 続きまして、竹内大臣政務官、お願いいたします。

〔 竹内大臣政務官 〕 このたび財務大臣政務官を拝命いたしました竹内譲でございます。皆様には心から感謝を申し上げます。

 長年、民主党政権時代は野党の財務金融委員会の理事として、本会議や委員会で厳しい質問をさせていただいておりましたけれども、財政再建のためには、野党であると言っても責任を負わなければならないというつもりで三党合意をいたしましたし、それで選挙をやって勝ったということは、大変大きな意味があると思っております。その上で、今、麻生大臣がおっしゃられたように、何とか所得の増加と雇用の増加につながるような財政というものに大変関心を持っておりますので、どうぞ皆様のご意見を頂戴したいと思っております。よろしくお願いします。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 では、続きまして、伊東大臣政務官、お願いいたします。

〔 伊東大臣政務官 〕 ただいまご紹介いただきました伊東良孝でございます。

 このたび大臣政務官を拝命させていただきました。麻生大臣を支え、さらにまた、山口・小渕両副大臣を補佐しながら、竹内政務官ともども頑張りたい、このように思っているところでございます。

 吉川先生のお話を聞きながら、日本の財政の未来に思いをはせ、これを何としても改善しなければならないという委員の先生方の決意、そしてその思いを感じ取ったところでもございます。国民がみんな1,000兆円を超える借金があるんだということがわかってきた昨今でございますので、これらをしっかり改善の方向性というものを見せていければと、このように私どもも思うところでございます。今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 それでは、ここで報道の方々はご退室をお願いいたします。

(報道カメラ退室)

〔 吉川分科会長 〕 それでは、本日は大変お忙しい中、大臣にご出席いただいております。この機会に皆様から何かご意見、ご質問がございましたらお願いいたします。どのようなことでも、どなたからでも、全くのフリーディスカッションですので、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。

 では、田中委員、お願いいたします。

〔 田中委員 〕 すみません、先生方をさておいて、先に質問をさせていただきたいと思います。委員の田中弥生と申します。

 有権者の立場から1点、それから納税者の立場から1点、別のことですが、申し上げたいと思います。暮れに衆議院選があって自民党が大勝してということだったのですが、私たち有権者としてはすっきりしない形で年を越したような気がしています。そのように感じているのは、周辺にも多いようです。幾つか理由があるのですが、2つ挙げたいと思います。1つは、財政健全化を含めた重要な政策課題について、どの政党も答えを出し切れていないという点であります。

 2点目は、政治が、本当に有権者に対して向かい合っているのかということについて、私は疑問に思っています。前の政権もしかりですけれども、政権を取ってみてできなかったこと、変更しなければいけなかったことについて、きちんと国民に対して説明をしていないと私は思っています。それに対して厳しい審判が下されたのではないかと考えます。これから自民党政権になったとしても、国民に対して非常に厳しい判断を問わなければいけないときが必ずこの政策についてはあると思います。そのときに決して逃げないで国民に向かい合って説明し、議論をしていただく姿勢を保っていただけたらと思います。

 2点目ですが、これは納税者の立場から申し上げたいと思います。これは多分、財審の所掌というか範疇に入らないと思うのですが、政党助成金のことであります。具体的な名前を出して僣越でありますが、日本未来の党がああいう形で生活の党に変わり、8億円強の政党助成金がそのままあちらに渡るというのは、私たち一納税者から見れば、完璧なマネーロンダリングに見えてしまいます。こんな規律の全くきかないような形での野放しで政党助成金が配分されるのであれば、厳しい言い方かもしれませんけれども、1回チャラにしていただきたいなというぐらいに強い怒りを持って見ております。

 以上であります。

〔 吉川分科会長 〕 いかがでしょうか。田近委員。

〔 田近委員 〕 一橋の田近です。今日、この後に来年度予算についての議論を続けることになっているようですけれども、いろいろな個別の歳出の話があるとして、何が一番日本の財政で大切な、あるいはその中で最も大切なものは何かということですけれども、私はこう思っているんですけど、国の一般会計で税収が40兆円程度、社会保障が30兆円、その現実が私は最も大きな問題だと思っています。もちろんそれに対して、なら税収を上げればいいじゃないか。それはそのとおりで、このままのデフレが続いてどうするんだと。それももっともで、その意味では、今の新しい政権の打ち出している政策にも十分意義がある。基本的には名目で経済成長していかないと税収は伸びていかない。それが1つ。

 もう一方のほうで歳出のほうをどう考えるか。社会保障ですけれども、単に切り詰めればいいというのではなくて、どう考えるか。私は、重要なのは、社会保障で一体政府がどう関与するのか。そのときのルールは何なのか。今まではどうなっていたかというと、75歳以上の後期高齢者の医療制度を一つ考えてみると、自己負担はかかった医療費の1割、残りの9割の半分は公費で負担する。それは国民健康保険もそうだ。ということは、社会保障がどんどん増えていくと、政府はある意味で歯どめなくリスクというか負担を背負っていってしまう。そういう中で制度を維持するために、さまざまあの手この手をやっているわけですけれども、そこで見えないのは、やはり政府がどういうふうに介入するのか。

 なぜそれを申し上げているかというと、生活保護の問題も今度の選挙で非常に大きな問題になりました。ただ、注意しなければいけないのは、助けるべく人を助けるということが本質だと。それを前提にして、どこまで政府が介入するのか。そこをはっきりさせてもらいたいと思います。

 最後に、消費税との関係ですけれども、消費税が上がる。だから低所得者に負担を軽減するために、それは軽減税率なのか、給付つき控除なのか知りませんけれども、ここもまた一つ重要なことがあって、社会保障の歳出というのは再分配なわけです。だから税を求めるけれども、全部戻ってくるわけです、特に低所得者に。だからその点は今までのほかの歳出とは違う。そういうことを考えると、もちろん一般論として、消費税に伴う逆進性というのは十分ある。ただ、社会保障でそういう一般的な議論でやっていっていいのか。それはむしろ社会保障自身の持続可能性を損なうのではないかということで、私が今申し上げたかったのは、税収を増やすための努力も十分必要だと。歳出では、単に削ればいいというのではなくて、歳出の重要な項目である社会保障については、ぜひ政府がどう介入するのか。誰を助けるのか。助けるべく人を助ける。だからそうでない人には負担を求めるというふうな明確な国民との会話を通じて政策を貫いてもらいたいと同時に、それがこの問題を突破する一つの道なのかなと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 富田委員、お願いいたします。

〔 富田委員 〕 ありがとうございます。中央大学で財政学を教えています富田と申します。学生には、国債累増のツケが降りかかってくるんです。今日はいわば加害者の我々で会合を開いているようなものなんですけれども、この際、若い人に元気になってもらうことが非常に大事だと思うんです。それには、景気対策というのは景気の底割れを防ぐためには必要なものなんです。他方で、財政再建をしっかり行うということが経済成長にとってもプラスであり、若い人を元気づけるという意味で非常に大事なことだと思うんです。両者が相まつことが重要であるということで、財政の健全化が経済成長にとってプラスの影響をもたらすということを我々共有しておく必要があろうということを大臣に申し上げたく存じます。

〔 吉川分科会長 〕 どうぞ、竹中委員、お願いします。

〔 竹中委員 〕 ナミです。政調会長でいらした太郎さんに講演に招かれ、障害のある人の就労促進をしている立場から、「補助金要らんから仕事くれ」と発言してから十数年がたちました。日本は今、経済的に厳しく、また一昨年の東日本大震災のようなことがあった危機的な状況の中にありますが、弱者を弱者でなくしていくために、一人一人の国民に向けて「皆さんの力が必要や!!」ということを政権が強く発信していただきたいと思います。今、生活保護のお話とかも出ましたけど、私はなお一層「働ける政策が必要」との思いを強くしています。

 今、太郎さんから「神戸からよう来たな」と言っていただいたんですけど、講演させていただいた後、太郎さんご自身が神戸のプロップへ来ていただいて、実際にベッドの上で働く人とパソコンを通じてお話をいただきました。そのときに、私覚えているのは、「あんたベッドの上で働いてどうやねん」と太郎さんが聞かれたら、彼が「誇らしい。私は楽しい」というふうにきっぱり言われたのを、つい昨日のことのように覚えています。そういった誇りある国民を一人でも増やしていくという観点で政権運営をぜひしていただきたいし、この財政制度等審議会でもそのようなスタンスで議論を進めていただければうれしいなと改めて思います。よろしくお願いします。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、早川委員。

〔 早川委員 〕 読売新聞の早川でございます。

 皆さんよりももっと具体的なことを申し上げたいと思うんです。さっき大臣がおっしゃいました、その三本の矢で日本経済の再生を図る。大いに期待しています。そのために、今度大型の補正予算を組むと。国債を発行してでも大型の補正予算が必要だというふうに私も思います。おっしゃったように暫定予算が必要ですし、来年の4−6月期を中心に消費税引き上げの前の経済環境を整えるという意味でも、今、正念場だと思うんです。ただし、気になるのはやっぱり国債が増発される。それによって、これまで言われていた44兆円枠。大臣はインタビューで44兆円枠にはこだわらないよというふうにおっしゃっておられます。44兆円枠を突破することは必至だと思うんですね。

 44兆円枠というのは、民主党の看板のようなものだったんだと思うんです。ただし、大臣もよくご承知のように、2009年度に大臣は総理大臣でいらしたんですね。あのときにリーマン・ショックで、たび重なる補正を大胆におやりになったわけです。国債発行額が52兆円ぐらいになりました。あれを特異なケースとして除けば、44兆円というのは過去最高額なんですね。ですから、44兆円枠を超えるということは、民主党の看板をなしにするというだけではなくて、国債発行額が過去最高額、事実上の最高額を突き抜けるということなんですね。そういう意味でどうなってしまうのだろうなというふうに思うわけです。

 したがって、国債の発行額がそんなに野放図に増えないように、歳出が野放図に拡大しないような歯どめというのは必要だと思うんです。財政再建目標を改めて考えるということを大臣も含めておっしゃっておられるようですけれども、そこはほんとうにしっかりとやっていただきたいと思うんです。

 これは、私の思いつきみたいなことなんですが、今度の大型の補正というのは、今年度の予算の上積みというだけではなくて、暫定予算も考えてのことですから、来年度予算の前倒しでもあるわけですね。そういう意味からすれば、国債の発行額も来年度予定しているものを補正で前倒しに使うんだと、そういう要素もあると思うんです。したがって、国債の発行額は44兆円枠、つまり、民主党の枠を外すというのはいいとして、今年度の補正での増発額と来年度の発行額をプラスしたものがそんなに大きくならないように、つまり、言ってみれば15カ月予算が、これまでの国債発行額の壁を大きく突き抜けないように工夫をできないものなのかというふうに思うわけです。これは国債発行額に限りません。歳出のさまざまな項目、例えば公共事業を積み増すとか、いろいろなことが言われております。それもいわば15カ月予算で、今年度の補正の分と来年度の予算の分と足し合わせたもので考えていただいたらいいと思うんです。

 できるだけ来年度に予定したものを今年度の補正に前倒しにするということで、大型の補正を今度組むにしても、来年度予算の大枠というのが、できればなるべくスリムになるようにしていただきたい。もちろん、来年度の経済運営の中で先行きが危ぶまれるということになれば、それは消費税の引き上げを実行するというのは大変重要なことだと思いますので、それを優先して、さらに財政的なことを考えなければいけないような局面だって来るかもしれません。来るかもしれませんが、それはそのときに考えればいいことで、今からあまり国債発行額が野放図に増えてしまう。歳出が野放図に拡大してしまうというようなことのないような、政治的な配慮をぜひお願いしたいというふうに思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、井伊委員、岡本委員。

〔 井伊委員 〕 一橋大学の井伊と申します。医療経済を専門にしております。

 景気対策重視の中で財政規律がますます危うくなっていることを大変危惧しております。真に効果的な対策を打てるのであれば、私は景気対策を否定はいたしませんが、現在の政治システムの中では、結局無駄が再生産されるだけだと思っています。麻生政権の補正予算というのを思い出していただきたいのですが、繰り越しができる基金というのを量産いたしました。けれども、お金が余った基金もありますし、効果的に使われていたのかどうか疑問があるところです。今までできなかったことが今回できるとは私は残念ながら思っていないのですが、せめて効果をきちっと検証していただきたいです。

 これまで財政目標がことごとく失敗している理由の1つは、景気の変動を受けてコミットメントが低下してきたことだと思います。政治の問題と言ってしまえば、それまでですけれども、半年ごとに目標と実績を検証する仕組みというのが日本にはないことも大きな理由であると思います。多くの国では独立機関が政府の財政政策を検証していますので、こうした仕組みづくりの必要性というのをぜひ大臣には認識していただきたいと思います。

 私の専門の医療の分野でも、地域医療は大変であるとか、医療崩壊が大変だと言って、さまざまな地域医療再生基金を初めとして補正予算などでも予算がつくのですが、それがきちっと検証されたということはほとんど聞いておりません。ですから、そうした仕組みづくりというものの重要性をぜひご理解いただければと思います。よろしくお願いいたします。

〔 吉川分科会長 〕 では、岡本委員、板垣委員の順でお願いします。

〔 岡本委員 〕 日本生命の岡本と申します。金融機関といいますか、機関投資家の立場から一言申し上げたいと思います。

 私ども国債も、株式も、あるいは外国の証券も大量に保有しておりまして、例えば国債1つとっても15兆円とか、国内株式でも6兆円と、このように持っております。そういった中で、この政権交代の中で株が非常に大きく上がってきたとか、あるいは為替のほうも円安になったこと、ほんとうに一息ついたというか、助かっているというふうに思っております。ただ、これはどちらかというとマインド先行というところもありますので、やはり実体経済の中できっちりとそれが維持されるように努力していかないといけませんし、我々企業もそれは必死にやっていきたいと、このように思います。

 そういった中で、一つ国債なんですけれども、国債は今でも膨大な発行量があるわけですから、国際的な信任というものが損なわれないようにずっと維持していかなければならない。しかしながら、金融機関の間では、ほんとうに暴落が起こったらどうするのだろう、このようなリスクが非常に大きなテーマになっておりまして、これは国家財政に大打撃を与えるのは当然のことですけれども、金融機関のインフラも崩してしまうと。それから、一般事業会社においても、暴落すれば、金利は大幅に上がるわけですから、そういった中で一般事業会社も大変なことになるということになると、どこもここも大変になるというようなことでございます。

 そういった意味から、何人の方もおっしゃっておりましたけれども、経済成長、これは圧倒的に重要なことですけれども、それも財政規律というものが裏づけられた、そういった中での経済成長を図っていこう。そういうふうに考えると、例えばプライマリーバランスについても、今までは消費税を10%に上げるとか、あるいは財政出動がない中でも、2020年度ぐらいでようやくプライマリーバランス均衡になるかという話がありましたけれども、これからのいろいろな施策を考えながら、そのようなプライマリーバランスをどこでどのように図るのか。そして、それがどのような軌跡を描いて、そこに到達するのか、このように考えることが必要であると思います。また、逆に言えば、それが明確になれば、経済のさらなる発展というものが望めると思いますので、そういった意味での財政の規律ということを踏まえた中での経済成長というのをお願いしたい、このように思っております。

〔 吉川分科会長 〕 板垣委員、渡辺委員。

〔 板垣委員 〕 NHK解説委員をしています板垣と申します。

 自民党政権ができて、直ちに大胆な金融緩和、それから建設国債の大量発行という柱を出しまして、考えてみると、極めて当たり前、通常の経済であれば当たり前の対応で、1足す1が2ぐらいの単純な話であります。タイミングとして、私はこの時期、一定期間は必要かなというふうに思っています。ただ、私も経済・財政・金融担当、取材したり、解説をして30年以上になりますけれども、歴史的に見ると、やはり金融緩和、公共事業の大量発行、景気が悪くなるたびにそれをやって、それがディシプリンがないまま繰り返し続けられてきたと思います。

 今の債務残高の多さは、前半公共事業、後半社会保障と言われておりますけれども、公共事業は過去の反省から、これからはもう少し有効なものにシフトするのではないかと思っております。一方で、社会保障はやはり改革の余地が大変あります。つまり、第二の債務残高増加要因をいかにしてこの時代にきちっとカットしていけるか。しかも、それは国民生活に大きな影響を与えずに、スムージングオペレーションというんでしょうか、そういう形でうまく軟着陸させることが重要だろうなと思います。

 それと、最後に一言だけ言わせていただきたいのは、実は、当時の麻生総理大臣のときの財政制度等審議会の場で、私も当時委員でした。その中で、いわゆる定額給付金の問題について大変な議論がここで起きました。結局、政府の諮問機関の中では多分初めてだと思いますが、定額給付金反対というふうな合意がなされ、世の中に報じられました。おそらく当時の麻生総理大臣としては、極めて不愉快だったに違いないと私は思いますけれども、ただ、ご理解いただきたいのは、この審議会というのは極めてオープンで自由な議論が成立する場であります。たまには嫌なことを言うやつがいるものだというぐらいにおおように構えていただいて、政策を考えていただきたいと思います。よろしくお願いします。

〔 吉川分科会長 〕 では、渡辺委員、お願いいたします。

〔 渡辺委員 〕 ありがとうございます。トヨタ自動車、渡辺でございます。

 副総理にお願いする点、1点と、それから財務大臣としてお願いしたいこと1点、お話しさせていただきたいと思います。1つは、産業界から見ますと、我々の喫緊の課題は六重苦の、あるいは七重苦の解消ということになっておりますけれども、自民党の政権公約のキーワードをちょっと拾ってみました。デフレ円高からの脱却を最優先、失われた国民所得50兆円奪還プロジェクト、それから縮小均衡の分配政策から成長による富の創出、その実現のために、従来の貿易立国に加えて、国内の新たな付加価値を想像する産業投資立国を双発のエンジン、つまり、ハイブリッドということでございますけれども、それが互いに相乗効果を発揮する強い産業国家を目指す。大変力強い話がたくさんあると思います。ぜひこれは我々産業界として大変心強く頼もしく思っておりますので、この政策の実行をスピーディーに、迅速に、的確にやっていくことをぜひお願いしたいと思います。これが1点でございます。

 それから、財務大臣にお願いという格好ですが、これはこの審議会でもちょっと申し上げたんですけれども、今、申し上げましたような成長戦略の中でどういうふうに進めていくかということが大変重要だと思っております。そういう意味で、テーマが健康とか、クリーンかつ経済的なエネルギーの問題、あるいは安心・安全というテーマが掲げられておりますし、その政策をどう実行するかということが大変重要だと思います。その実行に際して3つあると思います。1つは、イノベーションをできるだけ創出するための施策をどう展開するか。2つ目は、大胆な規制緩和。3つ目は、予算措置の重点化というふうに思っております。

 特に、財務省では全体のことがわかっておられるわけでありますので、各省庁の部分最適ではなくて、全体最適、この成長政略の大方針を踏まえて、省庁横断的にやっていくために、ヒト・モノ・カネをどういうふうに配分するか。特にお金の配分というのが大変重要だと思います。全体最適で、このテーマに沿ってほんとうに上手にお金が配分されて実行されるかどうか。それをしっかりと見きわめて、全体最適で進めていく方向を示していただきたい。こう思っておりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 それでは、葛西委員。

〔 葛西委員 〕 皆さんがおっしゃったことと変わらないのですが、経済の安定的・持続的な成長は、財政規律なしには維持できないものであるということは間違いないと思います。ただ、今、何かやり方次第で経済が成長できる環境にあるのかと考えますと、どうも世界中がデフレーションの状況にある中で、日本だけが成長するというのはなかなか難しいのではないかと思います。この世界中のデフレーションというのは世紀の変わり目に特有のことで、19世紀から20世紀に変わるときというのは、ちょうど第一次、第二次世界大戦を経て、ヨーロッパの主権国家による支配から米ソ冷戦に変わっていったわけですが、ちょうど近衛内閣が戦争に突入する直前ぐらいの時期は、世界もデフレの状況にあったと思います。

 結果的には、それは戦争による破壊によって、また新技術が生み出されることによって、次なる成長の条件を整えたような形になったんだと思いますが、今回の冷戦の場合には、核兵器による抑止力の存在によっ、一切破壊は行われておりませんから、結果的にデフレの状態が残って、製造能力が残ったままで、需要が縮小したということになります。その中で差別化をするために「グローバリゼーション」ということで資本は国境を越えたんですけれども、それ以外のものは越えられないわけですから、結果として、ブロック化みたいな方向に向かっていった。それがヨーロッパのEUであり、アメリカが今TPPをつくろうとしているのも、そういう状況がゆえではないかと思います。

 日本がその中でどうやっていくかということなんですが、やはり世界の流れとうまく調子を合わせながら、足元をきちんと固めていくことが必要で、実体経済の面でいいますと、世界の水準と同様、デフレの傾向なら傾向の中でいろいろなことを考えていくということになると思いますが、今、非常に問題なのは、エネルギーの政策を民主党が間違えた結果、日本の実体経済を必要以上に弱体化させているという形になっているように思います。

 この辺のところで、予算の中で例えば「リユーザブル」だとか、「グリーン」だとかいう言葉の陰に隠れて、あまり効果の面で実証されていないようなものに期待をかけてお金を使っていくというのは考えものではないかというふうに思います。また、世界はグローバル化するんだというある種の妄想、幻想みたいなものに踊らされるよりは、ブロック化の傾向に進んでいくんだということを頭に置きながら、その中でどういうふうに自分の国の利益を確保していくかということを考えないといけないのではないかという気がいたします。

 財政規律の面でいうと、私は、国鉄はちょうど国の箱庭みたいなところだったのでよくわかるんですが、国鉄がだめになったとき、成長というのは考えられないということになりますと、あとは収入を上げるのは、借金をするか、それとも税金をもらうかしかないということになる。しかし、これも限界だということになったら、最後は人件費を半分切る、つまり人数を半分に切るんだということにして分割民営化を断行いたしました。やはり歳出削減というのが非常に大事な要素になるんだろうと思います。先ほど皆さん方がおっしゃっていましたが、やはりそれは社会保障あるいは地方自治の分野で合計50兆円も使っているというところにメスを入れなければ、日本の財政規律は回復いたしませんし、あるいは経済活動の土台そのものを根底から覆す形になるかもしれない。そこのところはやはり誰かがいつか厳しいこと、苦い薬を国民に啓発して飲んでもらうという形をとらざるを得ないと思いますが、そこはいよいよ土壇場に来ていて、今の安倍総理大臣、麻生財務大臣のところで苦い薬を国民に飲んでもらうという形になるかもしれないということであります。我々は全面的に応援してまいりたいと思いますが、ぜひそういう厳しい現実を直視するということで、この危機を何とか乗り切り、最初の反転の時期にしていただければと思います。

〔 吉川分科会長 〕 続きまして、角委員、黒川委員。

〔 角委員 〕 阪急電鉄の角でございます。よろしくお願いいたします。

 渡辺委員からの経済界を代表されましておっしゃられたことに尽きると思うのですけれども、やはり経済成長と財政規律の両立を図るという非常に難しいかじ取りが求められているわけでございますが、その中で4−6月期ということはほんとうに時間がないわけです。それともう一つは、アメリカがどうか、ヨーロッパがどうか、あるいは新興国がどうかという、外国の影響も受けるわけですから、景気条項があるとは言え、4−6月期の数字が多少悪くても、それは世界に公約した消費税を上げるということについては、景気条項と関係なく、かつ、4−6月期の数字をあまり無理して上げようとされますと、そこに何かひずみが出てくる危険性もありますので、景気条項があるのは事実ですけれども、それとは関係なく、世界に公約した消費税を上げることについては実行していただきたいということが1つです。

 それと、限られた予算の中で成長戦略を打つということは、今回、規制改革会議を復活していただきまして、非常にありがたいと思いますけれども、やはり少ないお金で大きな効果というのは、規制改革とセットにすることによって、例えば医療ですとか、環境対策ですとかいったところには効果が大きく出ると思いますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。

 そして、3点目は、負の配分をしなければならないわけですから、当然高額所得者ですとか、大企業ですとか、それなりに負担が求められるのは当然でありますけれども、しかし、そのときには徴税の公平性ですとか、あるいは痛みを分かち合うとかいう意味からしまして、やはりマイナンバーが必要です。マイナンバーを入れたからといって、所得とか、資産の捕捉がすぐできるとは思いませんけれども、まずは入れないとだめだと思いますので、マイナンバーを確実に入れていただきたいというふうに思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 黒川委員。

〔 黒川委員 〕 ありがとうございます。私、慶應義塾で会計学を専門にしております。

 それから、最近、国土交通省に設置されました社会資本メンテナンス戦略小委員会の委員でもあります。高速道路を民営化したときに、資産評価とか、会計基準をつくったときに委員長だったものですから、その関係で選任されたと思います。そこで、このようなところで勉強させていただいた経験から2つだけお話しさせていただきたいのです。特に麻生大臣が補正予算を組んで財政出動というお話をされておりましたので、それに関連してお話しさせていただきます。

 インフラ資産をつくったときには、ご存じのように、その後、点検とか、補修とか、そういう維持管理費用がかかる。場合によっては資産除去のためのコストもかかる。この費用は全て将来世代が負担するということになります。会計学ではライフサイクルコストというのですけれども、使用期間全体で幾らぐらいかかるのかということを踏まえた上で、それを上回るベネフィットがあるのかということを考えて財政支出・投資をしていただきたいな、そういうふうに思います。要する初期投資だけではない。しかも初期投資ではない部分は全て将来世代が負担をするのだ。これが1点です。

 それから2点目は、東日本大震災の復興予算関係に関してです。私、現場に行っておりませんで、聞いている話なのですけれども、大変お金はついているけれども、人が払底していると。この人の払底というのが2つありまして、専門家があまりいないということと、それから実行部隊も需要に比べ足りない人数だということだそうです。しかし、お金はついているので、何とか施行しなくてはいけないという状況になっている。これも東大の理系の先生から聞いたのですけれども、明治時代の建物というのは大変丈夫にできている。それはなぜかというと、施工ですね、つくっているときに大変丁寧につくっている。だから長持ちするのだと。ですから、つくり方も重要なのだということですね。

 そこで、先ほどの問題に戻るのですが、今、お金はついているけれども、人材が足りない。しかし、どんどんつくらなくてはいけないというような状況になっていて、おそらく、手抜きとは言いませんけれども、丁寧につくられているかどうかはわからない状況だと思うのです。そこで、時間軸というものを入れていただいて公共投資をしていただきたいな。それはどういうことかというと、短期的に集中的にということだけではなくて、約束としてはこれだけ公共投資をすると明確にする。しかし、集中的に短期でやるのではなくて、丁寧に時間をかけてやるということを約束すれば、国民はこれだけやってくれるのだということで納得すると思うのです。ですから、1年とか半年に集中的にお金を出すのではなくて、それは人員とのバランスがありますから、丁寧にお金を使っていってほしいなというのが1点です。

 なお、専門家が足りないという問題なのですけれども、解決にはもっと長時間が要りまして、結局人を育てていくということに尽きるということだと思うのです。これが我が国のあり方だと思うのです。点検などのプロがだんだんいなくなっている、ベテランがいなくなっているらしいです。飛躍しますが結局のところ我が国にとって大事なのは人を育てていくという、そういうような大方針でいろいろな施策をしていっていただきたいな、これがお願いでございます。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 倉重委員。

〔 倉重委員 〕 毎日の倉重です。これから行われる経済政策はアベノミクスと呼ばれていますけど、私はアソウノミクスじゃないかというふうに思っているので、ぜひ麻生さんに、2つの点について検証と評価をしていただきたいんです。

 1つは、さっきおっしゃったように3万9,000円から、これだけ口先介入といろいろなことをしても、1万2,000円にはなったけれども、にしかならないという、この実態を一体どう考えればいいのかということですね。やはりあのときの資産デフレはそれほど深くて、どうにもならない構造的なものだったということがあると思うんですけれども、ただし、その間に全く何もしていなかったわけではなくて、それこそ日銀には非伝統的なことをやらせ、かつ麻生さんのときも含めて大変な社会資本投資をしてきたけれども、それが続かなかったり、また、続いたりということがよくなかったのかもしれないけれども、今の1,000兆円、これは社会保障のものがありますけれども、ということになってしまった。

 それが、今回の三本の矢で果たして全く新しい形でテークオフできるのかどうかというのは、みんな何となく今調子いいからいいなと思っているけれども、確信を持って見ている方はそんなにいらっしゃるような気がしないので、その辺の、一番大事なところは国民が投資したくなるような成長戦略だと思うんですね、三本の矢の中で。それだけはこれまで過去になかったわけですから、あとの2本は随分やってきました。ということをまず検証して、その検証と、それから先ほど皆さんおっしゃったように、もしかしたら国債がおかしくなる可能性があるというリスクの、ほんとうに狭い、ナローパスといいますか、その中で経済運営を迫られていると思うんです。財務大臣としても非常に重要な役割を果たされようとしているので、その辺の自覚と--自覚って失礼なことを申し上げますけれども、英断をお願いしたいということと、それからもう1点は、やはり民主党政権が、野田首相が何だかんだ言われながらも、ちゃんと消費税法案を8%、10%まで、自民党がある意味では先送りしてきたことを、自民党の協力は得ましたけれども、結果的に彼はなし遂げて、それで不興を買って政権からおりていったんですけどね。そこをどう評価してやるかというのは、そんな簡単に手のひら返して政策を変えていいこととは思えないので、そこに対する評価と、それで彼らがやったことは、特に子ども手当なんていうのは、20年、30年先を見て、人口対策を考えてやってきたことに対しても、単なる無駄遣いと総括できるのかどうかもちょっと疑問なので、それも正当に評価した上で、自民党政権のよりパワーアップした政策展開をお願いしたいというふうに思います。

〔 吉川分科会長 〕 小林委員。

〔 小林委員 〕 産経新聞の小林でございます。

 皆さん、いろいろなご意見が出て、ほとんど言い尽くされていると思うのですが、2点だけ。1つは、先ほど早川委員のほうからもありましたように、44兆円以下という枠を外すのであれば、新しい財政規律の極めてわかりやすいものを早急につくっていただくということが1点。

 それともう1点は、社会保障の削減という点に関しましては、これは選挙が常につきまとう問題で、どうしても高齢者に対する給付の削減というのがおろそかになってしまう。先送りになってしまう。ただ、選挙というのはほとんど毎年のようにやっていますので、結局それがずっと先延ばし、先延ばしになっている。ただ、高齢者に対するそういう受給を減らさないということは、そのまま若い世代の負担、若い世代の疲弊につながるということをぜひ考えておいていただきたい。これは先ほど何人かの委員の方からも指摘がありましたけれども、人材を育成する、人を育てるという意味からも若い世代を疲弊させてはどうしようもないと思うんです。高齢者の人にも我慢をしてもらう。それはあなたたちの子供や孫を育てるために必要な我慢なんだということをぜひ真っ正面から訴えていただきたい。そのことをお願いしたいと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 大臣にいただいているお時間が迫ってまいりました。恐縮ですが、鳥原委員にお願いして、簡潔にお願いできたらと思います。恐縮です。

〔 鳥原委員 〕 東京ガスの鳥原でございます。

 皆さんがおっしゃったので、それにかわる切り口でということではごくわずかしかないんですが、1つは、機動的な財政出動によってデフレからの脱却、景気回復をすることと、中長期的な財政健全化をバランスさせるという、これは非常に難しい課題であると思いますが、現状の経済状況を早く改善しなければいけないという時期であることは確かであって、こういう時期だからこそ、やはり社会福祉をはじめとした支出の思い切った削減、重点化をぜひやらなければいけないと思います。その際には、日本の財政がこういう構造になっているんだという、この厳しさを国民にわかりやすく伝えるということと、日本の社会保障の将来の姿を国民に示して、そしてみんなで痛みを分かち合う、そういう環境づくりをすることが大事ではないかと思います。

 それからもう一つ、エネルギーに関してですけれども、現状、これだけ電力の需給が問題になっている状況は早く解消しなければいけない。夏に新たな原発の安全基準をつくり、それに基づいて、既存の原発の再稼働を判断していくという方針でありますが、これをできるだけ早くするということ。それによって、現実的な日本のエネルギー政策の見直しを早期に行うことが大事だと思います。あわせて、化石燃料にこれから多くを依存するということに変わりはないわけで、特に、アメリカのシェールオイル、シェールガスをいかに日本に経済性のある価格で輸入するかということは非常に大きな課題だと思います。そのためにも日米同盟の強化をベースに、あわせてTPPの交渉、参加を急ぐことが、アメリカからのエネルギー輸出の不可欠な条件であると思いますので、その点ぜひお願いしたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 中里委員、恐縮です。簡単に一言、お願いします。

〔 中里委員 〕 上智大学の中里と申します。

 先ほど「三本の矢」というお話がございました。景気が悪いときに短期的に財政を使う、これは重要な考え方だと思います。特に老朽化したインフラを前倒しして整備していく、これは大事だと思います。ただ、タガが外れて、例えば面白いから日比谷公園にピラミッドをつくろうというふうになってしまうと、むしろ効率性の低い支出が増えて、その一方で借金が増えていきますので、これは景気対策としてもよろしくないということになると思います。これはいわゆる非ケインズ効果と呼ばれるものですが、こういう点を考えると、効率的な財政支出をしていくということが大事だと思います。金融政策と同じで、期待をちゃんと動かす、つまり、将来に向けて生産性が上がっていくような政策を打ち出していくということ、それから、時間軸を考えて中長期の目標との整合性を考えるということが大事だと思うんですね。

 もう一つ、これも金融政策と同じですが、コミットメントが非常に大事なので、これからの財政の姿をどうしていくかという全体の姿を見せていく必要があると思います。自民党さんは2011年に財政健全化責任法という法案を国会に出された、たしか参法で出されたと思うんですが、こういうものにもチャレンジしていく必要がやはりあるのではないか、もちろん歳出・歳入一体改革のときのように骨太の方針で書くというのでもよいのですが、いずれにしてもコミットメントがとても大事だと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 では、時間が参りましたので、この辺で大臣とのフリーディスカッションを終了させていただきます。麻生財務大臣はご所用のため、ここでご退席になられます。

〔 麻生財務大臣 〕 いろいろ貴重な意見をいただきまして、まことにありがとうございました。時間が限られているので、次のあれなので失礼をさせていただきますけれども、我々は間違いなく1つだけ、日本銀行に限らず、財務省も、国会はもちろん含めて、全マスコミはもちろんですけれども、間違えてきたというものの一番大きな問題は、我々はデフレを知らなかったことだと思います。だって、デフレというのは昭和20年からやった人がいないんです。世界中ありませんから。誰もいないんです、世界でデフレを。したがって、デフレ対策をやった経験者は世界中ゼロです。違うでしょうか。

 1930年代にいわゆるウォールストリートの株の大暴落によって、1930年代のデフレーションが始まりました。学校で習うところです。あのときに、我々は、その前からの昭和恐慌があったものですから、デフレは先行した。今回も似たようなものです。デフレは我々が今一番先行して、世界の先進国は言うに及ばず、世界の中で一番先行してデフレ経験を、直面してきて20年。いろいろなことを言われたんですが、我々はそれに対応して、デフレに対する対応策を経験している人は日本にはいない。財務省に限りません。どこにもいない。それを率直に認めた上で、デフレ対策をやったことがない人ばっかりでデフレ対策をやっていたんだということをまず率直にみんなで理解し合わないと、何となく人様のことを、あれだこれだ、日銀が悪い、大蔵省が悪い、何が悪いと言ったって始まらんと、僕は基本的にそう思っています。これがまず第1点です。

 それから、1920年代、ウォールストリートの株の大暴落が始まったときに、あのときは犬養毅という人が内閣総理大臣だったんですが、この人は高橋是清という人を大蔵大臣に指名しております。この方は前に日本銀行総裁をやり、政友会の総裁をやり、そして内閣総理大臣をやり、大蔵大臣を三、四回やっていたんですが、この方はそのときに5回目の大蔵大臣を受けておられますが、そのときに、「デフレにはデフレ対策です」。そう言って、この人は、ご存じのように財政出動等々、雇用対策等々を徹底してやって、少なくとも世界の新聞「ウォール・ストリート・ジャーナル」に、「今次デフレ不況、日本は世界最初に脱出するに成功せり」と、そう当時の新聞に書かれて、それを丸々見てて、その案を模倣してつくった人が、当時のアメリカの民主党の大統領候補フランクリン・ルーズベルトという人だと思います。この人はそれを丸々模倣して、風呂敷紙に包み直してニューディールだと、そう言ったんです。中身は高橋是清の案とほとんど同じ。

 その結果、日本は最初に脱出に成功せりというように、アメリカも1933年の大統領選挙でフランクリン・ルーズベルトがなって、次の大統領選挙の37年までには間違いなくアメリカは半分に落ちたGDPをもとに戻し、24.9%まで上がっていた失業率を12%まで戻す等々のことをフランクリン・ルーズベルトはやってのけております。日本の民主党と違って、アメリカの民主党はマニフェストどおりに実行した。そこが一番のみそです。言ったことをやったんです、あいつは。その結果、成功していますから。

 しかし、我々は成功した後、当然のこととして、デフレが今度はインフレに変わってきた。そのときに日本のほうは引き続き内閣は続いているんですが、犬養毅から斎藤実にかわり、その後、田中義一にかわり等々かわって、最後に岡田啓介という人が出てくるんですが、このころはインフレです。田中義一のときも高橋是清は大蔵大臣をやっています。そして、斎藤実のときもやりました。最後に岡田啓介のときになるんですが、もう足が上がらんぐらい、そのくらい疲れていたそうですが、大蔵省の財研に来たときに、全新聞記者が拍手で迎えた。後にも先にも拍手で迎えられた大蔵大臣はこの人だけです。私はもちろん迎えられたことはありませんけれども、この人だけなんです。そしてこの人は、「インフレにはインフレ対策です」と、そう言って、デフレ脱却した後に来たインフレに当たっては歳出をばかばか切るんです、この人は。一番切られたのが軍事費。結果として、二・二六で暗殺されています。

 やっぱり我々はやったことないことをもう1回改めてやるったって、経験がないとなれば、歴史に学ぶ以外に方法はないと思っています。したがって、歴史を学べば、今のが一番近いところのが歴史なんだと思いますが、あのころは、国民、民間、日本には金がなかった。しかし、今は1,500兆円の個人金融資産を持ち、対外純資産は世界一。そして、外貨準備高は、ご存じのように膨大な金を持っているという国なのであって、あのころに比べたら、条件は全然違っていると思います。

 もう1点は、やっぱり我々は考えなきゃいかんのは、今から15年ほど前、武村正義というのがいました。大蔵大臣をやっていた。まだ生きているかな。生きてるな。武村正義という人がいたんですが、この人が当時GDP500兆円に対して450兆円の国債を抱えたときに、「財政破綻だ」と、そう言った。今でも覚えています。「どうして」と言ったら、「売上高が100に対して、早い話、借金が90ですよ。こんなもの破綻ですよ」と言うから、「どうして」と言ったんだ。全然そういったことがわからん人だったので、答え切れなかったのを今でも覚えています。そのときの金利は3.4です。

 今、GDPが5兆ドルというから、四百何十兆に下がっているんだと思います。60兆ぐらいになっているんだと思いますが、負債は倍。金利は幾らです。3.4だったんですよ。冗談抜きにしたら、6%や7%になったっておかしくないはず。それにもかかわらず、0.7とか0.8になったんですよ。これを説明できるなら、ぜひしてもらいたいと思うんですけど、これを説明していただいた方はどなたもおられない。私は、ここのところが我々はもう1回きっちり頭を整理しないと、今までにない経験を我々しているんだから、この審議会で徹底して、この点を謙虚に、我々は今までやってきたことに関してはどうだったのかということを言えば、金利がはね上がったら大変だと大蔵省は言い続けたよ。オオカミ少年もいいところです。20回ぐらい言っているんだから。そのかわり1回も上がらなかったんです、出し続けたにもかかわらず。これをどう説明できるんですか。我々にはぜひ答えていただきたい。だけど、下がっていることは事実でしょうが。だけど、はね上がる、はね上がるというのはうそだったわけでしょう。違いますか。

〔 富田委員 〕 おっしゃるとおりなんですが、金利が上がりませんでしたのは、先行きの景気が改善するとは誰も見ていなくて、やはり生産年齢人口の減少とともに景気の先行きを暗いというふうに見ていたことと、それから日本は正直な国であり、善良な国民が多いので、やはり財政赤字を放置しない、必ず増税するだろう。その2点でもって低い金利を維持できてきたんだと考えております。

〔 麻生財務大臣 〕 ここで議論するつもりはないんですが、私どもは、日本の国民が世界で、少なくとも1905年日露戦争のときに、高橋是清、当時の日銀の副総裁が500万ポンドという金を、トータルイギリスから500万ポンド、その他から500万ポンドの金を借りて、1906年から返済を開始しておりますが、その金をいつ返済し終わったか。言えば、知っている人はほとんどいないんですが、1986年に返済しております。80年かかって返済したんですよ、我々は。今、10年物の国債の話ばっかりしかされませんが、1905年に借りた金を1986年に約定どおり、6%の金利、7%の金利で返し終わっております。

 こういったようなことで、我々はご先祖様のおかげで信頼が、富田さん、めちゃくちゃ高いんですよ。それは間違いなくこの国の持っている最大のご先祖様から引き継いだ財産だと思うんですが、問題は、その金をいかにうまく使うかということに関して、子ども手当の話が出ましたが、子ども手当をもらった人が子供のために使ってくれればいいけど、子供のために貯金されたら何の意味もないじゃないですかと、私はそう言い続けてきたんですが、ぜひそういった意味で、こういったものを考えるとき、ぜひこれまでの20年間の間、数々ちょこちょこ出した、金利が上がるぞ、金利が上がるぞ、ちょこちょこやって、結果的にこれじゃないですかと言うけれども、もう一つ、そういったマイナスの面ばっかりじゃなくて、ほぼ500兆円維持した。ドルで言えば、間違いなく5兆ドルを維持したんですよ。我々はその件に関しては、30兆だ、35兆だと出し続けながらやってきたと。

 バーナンキともいろいろやり合ったことがありますけれども、「悪い悪いってあんた言っていたけど、今の日本を見てどう思う」と言ったら、「ノーアンサー」と言うから、「それはおまえ公平さを欠いている。答える義務がある」と言って2人で言い合ったことがちょこちょこあるんですけれども、そういった記憶を思い出すと、やっぱりそれなりの政策としてはみんなで懸命に考えてそれなりに、この程度、この程度でいって、どうにか500兆円を維持しつつ、労働分配率を落として、給料を上げずに、そのかわり雇用は減らさずにというようなことをやって、いろいろ、みんな企業の経営者も努力された。真面目な国民であることは間違いないと思いますね。これを私どもは、大事な含み資産みたいなものですから、そういったものを含めて、この際きちっとしたことをやるとなれば、これまでのところ、デフレにやる対策を初めてやるんだということを、率直に頭を切りかえて、インフレ対策はありますが、デフレ対策はやったことがないということに基づいて、労働人口は下がっているというのは確かですけれども、ドイツなんかはじゃんじゃん下がってもGDPは伸びていますから、そういった意味では我々はいろいろな意味で考えなきゃいかんところは幾つもあるんだと思いますので、いろいろな意味で皆さん方のご意見というのをぜひ聞かせていただければということをお願い申し上げて、ちょっとここでしゃべるべきタイミングじゃないんだと吉川先生はそう思う、知らないわけじゃなかったんですけど、何にもしないで、あの野郎、聞いている意味がわかっとるのかねという顔をされたんじゃかなわねえから。

〔 吉川分科会長 〕 大臣とのフリーディスカッション、第2ラウンドをぜひお願いする必要があるようです。

〔 麻生財務大臣 〕 失礼します。ありがとうございました。(拍手)

(麻生財務大臣退室)

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 たしか長丁場なので、ここで少し休憩ですかね。長丁場ですから、5分間休憩をここで入れさせていただきます。

(休 憩)

〔 吉川分科会長 〕 よろしいでしょうか。では、委員の皆様方、ご参集だと思いますので、後半を始めたいと思います。

 後半は、報告書「平成25年度予算編成に向けた考え方について(案)」の審議でございます。この報告書につきましては、これまで、田近分科会長代理、小林委員、土居委員、富田委員に議論いただき、取りまとめていただきました。もちろん、その背後には委員の皆様方のご議論があるわけですが、皆さん、お忙しい中、どうもありがとうございました。

 それでは、お手元に案もあると思いますし、おそらく一応目を通していただいたかと思いますので、どの部分からでも結構ですので、ご意見をいただければと思います。また、どのような論点、どなたからでも結構ですので、お願いいたします。

 では、小林委員。

〔 小林委員 〕 小林です。これを取りまとめるに当たりまして、公共事業のところなんですけれども、実は12月のトンネル事故というのがこの財制審の中で議論されていないんですね。あの後に老朽インフラという問題が非常にクローズアップされていて、それについてどうしようかというのを取りまとめのときにも話をしたんですが、やはりこれは議論していただかないと、議論されていないことをここに盛り込むのもいかがなものかということがあったので、ぜひそれについてご意見をいただきたいなというのが、これは取りまとめ委員としての意見なんですけども。

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。では、具体的なご提案をいただきましたので、事務局、報告書案だとページは何ページになりますかね。

〔 小宮調査課長 〕 公共事業は38ページからでございまして、社会資本の戦略的な維持管理・更新等につきましては、39ページの下のほうから40ページにかけて記載がございます。

〔 吉川分科会長 〕 今、小林委員に言っていただいたのは、具体的には39ページの下の(3)のセクションでよろしいでしょうか。

〔 小林委員 〕 そうですね。(3)のところですね。

〔 吉川分科会長 〕 そうですね。ページでいいますと39ページから40ページ。いかがでしょうか。今の小林委員のご指摘を受けて、今、この場で何か皆様方の......。

 どうぞ、葛西委員。

〔 葛西委員 〕 おっしゃるところって、我々も同じようなことをやっているのでよくわかるんですが、私どもがあれを見て直感したのは、1つは、全体を統合さえたシステムとして見ている組織がないということなんじゃないかなと思います。鉄道の場合、用地は鉄道会社のものです。それから、路盤も鉄道会社のものです。軌道も鉄道会社のものです。そして、信号、駅、車両、全て鉄道会社のもので、運行計画も鉄道会社が責任を持って作成しまして、サービスを提供する。そして、自分で技術開発し、メンテナンスをやって改善につなげていくという、バーティカル・インテグレーションというのが前提になっております。鉄道のいわば技術的な必要性から来る特性です。

 あの場合は、多分、土木構造物をつくったのは道路公団でしょうから、道路公団の受注を受けたゼネコンのどこかですよね。それから、あの通風口をつくったのは別の会社で、これは道路の排気をどう処理するかということで、ある種の土木構造物としてではなく、作られているように思います。そして、その後の運営形態は、道路公団は民営化されていわゆる保有・返済機構が持つようになり、オペレーションとメンテナンスは各道路会社がやるようになり、走っている自動車は、これは民有・民営のバス会社、トラック会社、あるいは自家用車という形になる。そうすると、全体としてのシステムとしての道路輸送というものについて責任を持って見ているところというのは、本当は国土交通省になるのかもしれませんが、とても細かく見ている余裕がありませんから、エアポケットみたいなのができたんだと思うんです。ですから、あの種のものは、エアポケットができないようにどうするか、システムとして考えなくてはいけない。

 あのとき出てきた道路会社側は、「これは老朽劣化によるものである」ということをテレビで盛んに繰り返していましたが、大体老朽劣化によるものだ、と言うということ自体、自分がその責任者だというふうに思っていないからとしか思えません。道路会社といえども、安全についての責任は持っていないというふうに感じていたと思うんですね。ですから、その意味でいうと、あれは全体のシステムを束ねる仕組みが必要だということを物語っていると思います。鉄道は何があっても鉄道会社の責任になりますので、本能的に自分たちで守ります。でも、航空と自動車はやや似た形になってて、ホリゾンタル・ブレークアップというスライスしたような形に責任体系が分断されています。そうすると、各人がそれぞれ自分のパフォーマンスを最大限にするには、いかに自分たちのコストを下げるかということになりますので、三十何年間1回も取りかえないというような事態が出てくるということだと思うんですね。

 それが、今ご質問があったことのお答えになっているかどうかわかりませんけれども、メンテナンスをやっていくということはすごく大切で、あれはむしろそのことを強調している1つのアクシデントなんだと思います。そのときに誰がやるのかということについて明確にしておかないと、エアポケットができてしまうということじゃないかと思います。

〔 渡辺委員 〕 たまたま私、首都高の会長を9月から仰せつかっていまして、葛西さんのおっしゃるのもごもっともだとは思いますけれども、そういうエアポケット論にいくと大変難しくなるんですけども、結局、私の浅い経験でありますけれども、ヒアリングをいたしました。そういう意味でいきますと、保守点検という、メンテナンスというその以前のどういう道路を管理しているのか、どういう見方で道路の状態を見ているのか、保守点検が大変重要な仕事だと思っております。それがルールで5年に1回やればいいとか、いろいろなルールがありますけれども、それ以前に、人の命を預かっている道路会社でありますので、そこをきちんと道路のメンテナンスをしなきゃいけないというところをもっともっと真剣にやらなきゃいけないなということを、私は途中から入ってしみじみ強く感じました。

 そのために、問題を発見できたら、すぐ対策をして、短期、中長期にわたって改造するとか、あるいは更新するとか、修繕するとかいうことをきちんとやらなきゃいけない。その計画なり、点検の仕方なり、それに基づく計画をつくっていかなくちゃいけない。そのときにどこがどういうふうにやるのかというところが、国の予算なのか、民間として民営化されたわけですから、そこをきちんとやるのかどうかというところをもう少し明確にしなきゃいけないな。そういう意味でエアポケット論が出てきてもやむを得ないと思っているんですけれども、その辺の仕組みをもう一遍洗い直していく必要があるなということを、今、私は強く感じておりまして、中でそういう議論をしております。

 ですから、そういうことをしっかりとやっていって、社会資本整備、道路については予算を上手につけていかなきゃいけない。あるいは民営化として自分たちがやるべきところと国にお願いすべきこと等をしっかりしなきゃいけない。あるいは道路そのものは保有機構が持っておりますから、そこからリースして道路を借りている立場として、これは道路会社なんですけれども、そういうやり方がほんとうにいいのかどうかということも一方では考えなきゃいけないだろうなという気がしておりまして、民営化の限界って何と、民営化って何ということも含めて考えなきゃいけない局面に立っているなということを今思っております。ちょっと感想的で恐縮ですが、そんな状況であることをちょっとご説明しておきたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 では、関連して、黒川委員。

〔 黒川委員 〕 高速道路の民営化の話になったので、私は、先ほども言いましたように、そのときの委員長だったものですから一言。民営化といっても100%まだ国が持っているわけですけれども、一番民営化時に心配したのは、短期的な利益を追求する姿勢になって、維持管理がおろそかになるのではないかということでした。そこで、会計基準としては異例なのですが、維持点検をどのようにしているのかということも情報として出してくださいというような基準をつくっておいたのです。

 というのは、上場する前だと会社法上の会社でしかないのです、運営会社は。ですから、非常に情報が少なくなってしまう。それまでの道路公団時代に比べ情報が少なくなるおそれがある。ですから、先ほど言ったような心配もあるということで、ともかく情報を出すということにしておきました。運営会社の経営者の方々に我々がどのような意味でそういうようなことまでも言及しておいたのかということを私は知ってほしいなと思っています。

 その維持点検の機能は2つありまして、もちろん災害を防ぐということが大切ですが、それと同時に、データベースをつくっておくということが非常に重要だ。多分JRさんもやっているのではないかと思います。日々の点検でデータベースをつくっておくということが非常に重要だということを、東大の理系の委員が強調され、基準に入れたのです。運営会社はそういう点検をやっていらっしゃるはずだと我々は信じておりました。

〔 吉川分科会長 〕 ちょっと待ってください。少し交通整理をさせていただきたいと思いますが、小林委員の問題提起から、これは財制審の報告書ですので、個別の事案についてどうこうという場ではもちろんないわけですね。ただ、今回日本の不幸な事故、あるいはもう数年前でしょうか、アメリカのミネソタで橋が落ちた大きな事故があったかと思いますが、いずれにしても、そういう事故等に象徴されるように、必要な社会インフラのメンテ、一般に点検ですかね。それから維持補修というのが大変重要なことだというのは、これは異論のないところだと思います。

 どうも皆様方のご意見を伺うと、問題は2つあって、1つは具体的にそうしたインフラの点検、まずはデータベースをつくるというところから始まるというご指摘がありましたが、点検・維持補修を誰が責任を持ってやるかということが1つ。

 それからもう一つは、その場合のコストを誰が負担するか。とりわけ財審の関係では国がどのように関与して、公的なお金がどれくらいインフラのメンテに使われるべきかと。この2つ問題があるかと思うんですが、どうでしょうか。報告書では今回の事故を受けて、社会インフラの維持補修、メンテということに大変関心が高いわけですが、いずれにしても、そのことを整理して、2つの点があると。誰が実際にそれをモニターして実行するのかというのと、それからもう一つは、コストを誰がどのような形で負担するのか。とりわけ国が公費をどれだけ投入すべきかという、この2つを少し整理して書き込むということかなというふうに私は思っておりますが、どうでしょうか。主計官の方もそれぞれの専門の主計官の方が今日ご出席になっていますので、公共関係の主計官の方から、もし一言あればご発言いただければと思いますが。

〔 山下主査 〕 ちょっと申しわけございません。今、公共担当の主計官は都合で外出しておりまして、ちょっと代理、担当の者でございます。今ご指摘いただいた点につきましては、まず、点検・維持補修の責任主体、あるいはコスト、費用負担、いずれにつきましても、現在の高速道路会社のスキームとしては一定の当然制度がございまして、基本......。

〔 吉川分科会長 〕 ただ、今、高速道路に限ったことではないと思うんです。報告書ですのでね。

〔 富田委員 〕 すみません、ほかにもいろいろなテーマというか、問題があろうと思いますので、今のところですと、39ページの(3)の5行目ですね。4行目からいきますと、「委員からは、施設の延命化については、適切な補修を行えば」というふうにあるんですけれども、そこに「適切な保守・点検を踏まえ、補修を行えば」というふうにするぐらいで全てカバーできるような気がいたします。さらに大事なことは、「その際」と書いてあるところが大事だと思うんですね。全てが補修できるとは限らないんですね。これからの予算を考えればですね。また、冒頭にありますように、人口減少と過疎化の中で、全てこれまでの社会資本を維持補修するということではなしに、その際にそれを、ここにありますように、「どの施設を廃止するかを選別する必要がある」というところが我々としては強いメッセージだというふうに考えております。

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。では、小林委員からの問題提起に対して、富田委員から今ご指摘のところを若干の修文でオーケーということだったと思いますが、ちょっと途中だったので、公共担当の方にあえてつけ加えることがあるかどうか。もう一度伺いますが、いかがでしょうか。

〔 山下主査 〕 今の富田先生のご指示のとおりだと思いますので、つけ加える点はございません。失礼いたしました。

〔 吉川分科会長 〕 では、小林委員の初めの問題提起は以上ということにして、またこの報告書のテーマに戻りますけれども、細かい修文については、皆さん、さまざまなご意見があるかと思います。これは今日この場でなくても、後でまた事務局に文言とか、てにをは、括弧がついていないとか、そういうレベルのことは事務局に直接言っていただくと。今日この場では、せっかくの場ですから、もう少し本質的なことについてみんなで議論できたらと思いますが。

 では、早川委員、お願いいたします。

〔 早川委員 〕 先ほどの大臣とのディスカッションで出たことですが、経済政策がかなり変わろうとしているわけですね。財政政策も少し変化をさせようということのようです。それに伴って、先ほど私が申し上げたことですが、財政健全化を進めていく上でさまざまな懸念が出てきているわけですね。経済政策としてそれを評価するにしても、それが財政にどういうしわ寄せを与えそうなのか。それをどう考えるのかということをこの報告書にも入れる必要があるのかなというふうに思うんですね。

 これも私の先ほどの発言にこだわるわけではありませんが、やっぱり国債がかなり増発されそうである。それが今までの国債発行の枠を突破し、事実上、過去最高額を更新するというようなことになりそうだ。それが1つの懸念になっていると思うんです。そういうところに歯どめをかけなければいけないと思うんですね。そういう文章を「2.財政健全化に向けた基本的考え方」というところのどこかに入れる必要があるのかなと思うんです。これは具体的なご提案で、たたき台として考えていただければいいんですが、5ページです。文章が「ただし」で、別行になった一番下、「必要となってくる」の後です。「以上のような観点から」という前ですが、ここに、要するに今年度の補正予算というのは、この報告書を取りまとめる前に決まりそうですので、今年度の補正で国債を増発することになると。増発すれば、これまでの国債発行額の枠を突破してしまうと。際限のない国債増発には歯どめをかけなければいけないというようなものをこのあたりに入れる必要があるのではないかというふうに思うんです。

 同じことの関連ですが、例えば公共事業費がかなり大幅に上積みされそうですね。そういうことについて、効率化・重点化ですか、そういうことを考えてもらわなければいけない。ただ増やすだけというんじゃなくて、できれば既存の経費との入れかえの中でそういうものをやっていくということだと思うんです。そういうことを、これは社会資本整備の話ですので、38ページ以下のことになると思うんですけれども、具体的には41ページの一番下、公共事業について述べている一番下になるんですが、なお、前述のとおり云々と、このあたりに、単に景気対策と混同することのないように留意が必要だというだけではなくて、仮に公共事業を上積むにしても、その中身をしっかりと精査して効率化・重点化を図る必要があるみたいなことを入れたらどうかなというふうに思います。

 それから、今度は防衛費の話になるんですけれども、防衛費も、これは補正ではなくて、来年度予算の話になるんだろうと思うんですけれども、増額されそうであるということですね。ここでは、これまでの議論で増額すべきという意見と、そこはさらに選択と集中を進めるべきという両論があったということになっているわけですけれども、この辺の整理をする必要があるのかなと思うんです。

 私は、防衛費の減額をこれ以上続けるのはもう限界ではないかというふうに前に申し上げました。ただし、あの当時は防衛省からの要求がそもそも減額要求だったものですから、だから来年度の予算を増額すべきというところまでは言えないかもしれないけれども、防衛費のあり方を基本的にもうちょっと検討したほうがいいというふうに申し上げました。 この文章を読みますと、どちらかというと、防衛費の当面の増額についてはやや否定的な感じで書いてあります。そこは、増額をしっかり考えるべきだという意見と、それに対する慎重論とがあったということと、それとは別に、いずれにせよ選択と集中が必要であり、なおかつ国の安全保障というのは防衛費だけの問題じゃなくて、ここにもあるように、例えば経済力、外交力のトータルのことによるんだよという、そういう話ですね。それは最後に結論として述べるような形で、少なくとも防衛費の増額は慎重に考えるべきではないかというトーンは抑えたほうがいいのではないかというふうに思います。

〔 吉川分科会長 〕 どうぞ、葛西委員。

〔 葛西委員 〕 今おっしゃったこと、それからここに書いてある内容について見ますと、予算上の要請から見て、そう増やせないというのは事実かもしれません。ただ、チャイニーズはこの文章を手に入れて必ず読むと思います。ですから、この文章を書くときに、防衛に関しては外を向いて、そこにどういうメッセージを出してやるかということが大事だと思います。これではどちらかというとむしろ中を向いて、要求に対してどう対処するかというトーンで書かれているんですが、やはりはっきり言うべきことは言っておいたほうがいいと思います。

 それはどういうことかといいますと、例えば国土の保全ですとか、あるいは国民の生命、安全の維持というのは国家の最優先の課題であると。これはおそらく財政の規律と並んでも、それに優先する課題だと思うんですね。それはきちんと書いておいたほうがいいと。それから、今の状況を踏まえて、防衛力、並びに沿岸警備力、これは強化する必要があると。これも書いておいたほうがいい。なぜならばというところで、それは最近の中国の動きが主になるんですが、ここに書いてある書き方は非常に曖昧に書いてあります。中国の行動が「不透明」であるとか、「海洋をめぐる行動」とか、いろいろ抽象的に書いてありますが、例えば中国は近年膨大な軍事費を投入して急速に軍備の増強、近代化を図っております。そういう事実がある中で、これを脅威と思っている国はたくさんあります。アメリカもそうですし、周辺諸国、みんなそう思っていますから、それは単なる「不透明」ではなく、例えば「日本にとっても重大な関心事項である」などとすべきです。そして、具体的に言うと、尖閣なら尖閣に対するたび重なる侵犯がありますし、沖縄も自分の領土だというふうに言っているような向きがあります。尖閣の問題では、日本は、領土問題は存在しないと言っていますが、中国はそれを国際問題化しようという動きがありまして、その真意は何かと言えば、単なる島の問題ではなくて、東シナ海、南シナ海を自分のものにしたい。東シナ海の制海権をとろうとしている。そして、太平洋の西半分に出ていこうという地政学的な意図があるわけですが......。

〔 吉川分科会長 〕 葛西委員、ちょっと時間が限られていますのでね。

〔 葛西委員 〕 はい。その辺のところを、ここに書いてあるちょっと抽象的な言い方よりも、もう少し具体的に書いた上で、しかし、財政的な事情があるから、その中でできるだけのことをするというふうに、中身を別に変える必要はないんですけれども、言い方を裏と表をひっくり返すというふうにしないと、これは誤ったメッセージを送るという形になりかねません。

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。ご意見、委員の方々がどういうふうにされるかあれですが、ただ1つ、私、司会を仰せつかっているんですが、まず第一に、当たり前ですが、これは財制審の報告書です。防衛に限らないですが、防衛でも、あるいは公共投資でも、社会保障でも、あるいは教育でも、科学技術でも、必ず減額などというのはもってのほか、本来純増であるべきだという論理は全てあるわけですよね、あらゆる分野で。これはやはり財制審、我々の審議会としては、そういうことはあるんだけれども、財政が現状である限り、財政の論理を世の中に説明していくという、そういう場なのだろうと思うんですね。ですから、愚直に、全ての分野、それぞれ非常に大切で、どこか増やさなければいけないところはあるんだけれども、まずはそれぞれの分野でのリストラ優先で、なかなか今の現状だと、社会保障の自然増みたいなのが確かにあるんですけれども、いわゆる純増で増やしていくというのはなかなか難しいのが現状だというのを愚直に世の中に訴えていくのがこの報告書なのだろうというふうに私は思いますが。

〔 葛西委員 〕 ただ、最初の総論のところで予算そのものについていうと、やはり集中と重点化をやるという基本方針ですね。そういう中でいうと、横に並んでいるいろいろなものの中で、何をより今この時期に重視しなくてはいけないかという認識は財制審としても出すべきだと思うんですね。

〔 吉川分科会長 〕 大項目としてですか。

〔 葛西委員 〕 そうです。

〔 吉川分科会長 〕 つまりは公共投資、例えば社会保障、そのくらいの大くくりで並ぶ中で防衛と。

〔 葛西委員 〕 国家として見ますと、安全保障というのはまさにそれに並ぶ、あるいはその上位に来る問題だと思います。ですから、安全保障環境が今厳しくなってきているというのは書くべきだと思うし、それに対して必要な措置はとるべきだと思っているということも書かなくてはいけない。

〔 吉川分科会長 〕 ご意見はよくわかりました。これは、どうでしょう。ほかの委員の方がどのように考えられるか。私は、おそらく防衛も大事だろうと思います。安全保障、確かに大事。同じような強さで、例えば社会インフラも大切、あるいは教育は国家百年の計であるという議論はあるでしょうし、同じような強さで、大項目でこれは大事と、大切というのは出るんじゃないかなと思うんですが。

〔 葛西委員 〕 ただ、タイムスパンを考えたり、いわゆる緊急性ということを考えたときに、今、安全保障についてアメリカも非常に強い関心を持っていますし、安倍総理がもし訪米されれば、その話は主要課題の1つになると思います。ですから、別にだから予算を増やすというふうに書くのではなく...。

〔 吉川分科会長 〕 これは、私、ちょっと司会なのに発言させていただいていますが、私も一員にすぎないので。我々の財制審としては、多くの委員がこういう問題についてどのようにお考えになるかということによるんだろうと思うんですね。今、葛西委員からは、私が誤解していなければ、防衛というのは特筆大書されるべき重要項目であるという、そういうことでしょうか。

〔 葛西委員 〕 というよりも、これは抑制型に書いてありますが、私は表と裏をひっくり返して、認識として必要だということを出して、それで実際に、でもほかのこともあるから、その中で調和をとらなくてはいけないという形にしていくことがいいんじゃないかということを申し上げたんです。書き方の問題です。

〔 吉川分科会長 〕 はい。では、この点について、板垣委員、田中委員、お願いいたします。

〔 板垣委員 〕 この文章ですね、どなたが担当されたかちょっとわかりませんけれども、53ページのちょうど真ん中辺に、今、葛西さんがおっしゃったような、「厳しさを増す安全保障環境に対応するためには、適切な規模の防衛力を着実に整備する必要がある」と、明確にここに書いてあるんですね。もう一つは、日本はやるんだぞというサインを出すことが必要だというご議論かと思いましたが、逆にそれがマイナスになる可能性もある。刺激し過ぎる。もしかしたら葛西委員さんは、「いや、そんなことはない」とおっしゃるかもしれないけど、多分両面あるんだろうと私は思うんです。だから、そんなにおもしろくなくもないし、突出もしていないけど、おそらくここで議論、これをどんどん始めてしまったら、こんな修文に落ち着くのかなという感じを僕は持っております。

 もっと厳しくこれを堀り込んで議論しろということになったら、46ページのエネルギー・環境問題なんていうのは、これで1冊できちゃうという報告書になってしまうのであって、つまり、我々は俯瞰する立場で今回の予算編成をどうやってやっていくのかということを議論しなきゃいけないわけです。別に時間がないからやめろということではなくて、もう1日ぐらいあるだろうと思いますし、そういう視点で眺めたらいいのかなと。

 議事の進め方について1つ提案があります。今、どこからでもいいから始めましょうというふうに始まりましたけど、私は全くそう思わなくて、やっぱり冒頭から個別にやって、さあどう思うという形で片づけていかないと、おそらく議論は収れんせずにいつまでも終わらないということだと思うんです。そうやられたほうがいいのではないかなと思いました。

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。では、そうしたご意見も踏まえて、しかし、ページ・バイ・ページもちょっとあれですから。

〔 板垣委員 〕 いや、項目ごとぐらいで、例えば社会保障とか。

〔 吉川分科会長 〕 そうしましたら、最初は大きなローマ数字1.あたりぐらいのくくりでお願いできますか。

 富田委員、お願いします。

〔 富田委員 〕 先ほど早川委員がご指摘になられたところなんですけれども、総論は土居委員がご担当、起草委員の中でされているんですけれども、早川委員、ご指摘の点、そのとおりだと思うんです。それで、まずはこの報告の性格からいうと、25年度の当初予算なんですね。ですから、補正予算でどうかという扱いではなしに、多分もっと総論的に扱う必要があろうというふうに思いまして、ご指摘の点は、多分最後のところに、6ページにまとめて入れたらどうかなと思うんです。それも中身といたしましては、私、さっき大臣に申し上げた点と関係するんですけれども、景気の底割れを防ぐためには景気対策としての財政政策も必要なんだけれども、他方で、財政の健全化というのが大事だということですね。これらを両立させることが大事だというぐらいで締めるのかなというふうに思うんです。

 なぜかといいますと、健全化に向けた基本的な考え方として、4ページに、これまでの財政健全化目標というのはそのまま堅持されることになりますので、2020年度のプライマリー収支黒字ですね。だから、我々の一番関心がある財政規律は、一応担保されるんだと。しかも、この報告では、今後とも、毎年度予算編成に当たってはこの基本方針を守ってくれというふうに書いているので、多分これで早川委員ご懸念のことはカバーできるんじゃないかと思うんです。したがって、最後のところ、6ページのところに景気対策に対する我々の考え方ということを書いて、持続可能な財政構造を目指して、中長期的にはしっかりと財政健全化に取り組む必要があるというふうにしておいたらどうかと思います。

〔 吉川分科会長 〕 田中委員。

〔 田中委員 〕 今、富田先生のご発言に追従することになるかもしれないんですけれども、これまでの議論の中でも、補正の問題は随分議論されてきましたが、ここで言及されていないんですね。多分、それを分割した形で早川委員がおっしゃってくださってはいるんですが、公共投資ということで。やはり補正に関してもどう見るのかというのをどこかに1行、一言入れていただいたほうがいいんじゃないかというふうに思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、田近委員。

〔 田近委員 〕 早川さんがおっしゃった点はすごい重要で、そこをどう書くかですけど、財政健全化の基本的な考え方というのは、要するに71兆円、44兆円というのが我々の頭にずっとあって、それをかがみに書いていたわけですよね。それは当然そういう形では書けないということで、しかし、トロント・サミットの共同宣言ということで2020年のプライマリーバランスの均衡とか、そういうことは掲げている。そこはそういうふうに受けざるを得ないのかな。

 補正ですけど、今年はある意味で珍しいことが起きたわけですよね。補正というのは、財審の答申を出す前につくっちゃうか、答申を出した後につくるか。ちょうど今年、要するにこの答申を出すときと補正の予算がくっついちゃっているんですね。ということは、早川さんのおっしゃっているとおりで、やっぱり15カ月予算とか言っているならば、25年度予算というのは、今考えている補正と抱き合わせで考えなきゃいかんと。ただ、その中身もよくわかっていないわけで、だから、基本的には、補正を組むとしても、それをある意味で25年度予算の先食いだというようなところはしっかり念を押しておいたほうがいいと。だから2つ、補正と25年度予算は別物だというのではないと。15カ月と言うならば、一体で考えてほしいというような、表現は今ちょっと言えませんけど、そこはくぎを刺さないといけないと私は思います。

〔 吉川分科会長 〕 一言、私もあれですが、要するに日本の財政は厳しいということですよね。それをどう表現するかということなんですが、私が見落としていなければ、デッドGDP比の水準は初めのほうにあれなんですが、前政権でつくられた内閣府の試算でも、プライマリーバランス目標なんかは言及あると思うんですが、デッドGDP比がピークを迎えて下がっていくところまでの姿は描けていないんだろうと思います。

 したがって、前政権下のあれを踏襲していたとしても、デッドGDP比の上昇傾向はまだとまっていない。さらに皆様方が指摘されている補正が今回そこに乗っかってきているわけですよね。それで何人かの委員の方が懸念を表明されているのだろうと思いますが、ですからデッドGDP比の推移について、現在政府が持っている内閣府の試算にどこかで言及して、さらにその補正の問題もあると。そういう中で、非常に厳しいけれども、財政規律はきちっと守らないと問題だというようなことを、細かい表現はともかく、そういうことになるんだろうなと。

〔 富田委員 〕 別に直したくないから言うのでは決してないのですけれども、ここで我々2021年度以降に安定的に低下させるということを強く言っているんです。だから2021年度以降に低下させるということはそれまでは増え続けるということなんです。だから2021年度以降に低下させるということを、4ページの2の(1)の最初に書いてあるんです。2の(1)の「政府は、2021年度以降において......安定的に低下させる」。だからそれまで増え続けているのであって、もし何もしなかったら増え続けるんですよ。

〔 吉川分科会長 〕 いやいや、そこまでのあれじゃなくて、そこから先、要はすべくの姿が必ずしも明確になっていないということだろうと思いますが、ただ、さらにそこに補正や何かの話が乗っかってきているのだろうと。

〔 富田委員 〕 いや、補正があってもなくても増え続けているんです、ずっと。水準自体はいっていないんですよね。ぶれますからね、分子、分母とも。だからそれを引き下げることが......。

〔 吉川分科会長 〕 そこは詰めてみましょう。ただ、いずれにしても、要は皆さん方は財政が厳しいと。そういう中で補正のご指摘が何人かの方からあったわけですよね。特に早川委員から。そこのところを検討するということでいかがですか。

〔 早川委員 〕 私、申し上げているのは、その補正について取り上げようと言っているんじゃないんです。補正の結果、年度の枠としてこれまで生きていたものが破られ、事実上の過去最高額になってしまう。それが、言ってみれば先行きに、それはおっしゃったように、プライマリーバランスで抑えてはいるものの、なかなかこのとおりに行かなくなるという懸念を生じさせているわけですよね。それをどこかに入れたいということで、補正で何とかというんじゃなくて、今度の補正の結果、言ってみれば長期的な財政運営に問題が生じかねないということをどこかで入れようという話なんですね。

〔 吉川分科会長 〕 中長期的な財政再建への道筋をもう少し明確にすべきだということですね。

〔 早川委員 〕 富田さんがおっしゃるのはとてもよくわかるんです。つまり、プライマリーバランスのこの目標が維持されれば、私が申し上げているのは杞憂なんだろうけれども、だけど、こっちのほうが勢いを得て、そもそものプライマリーバランスの財政健全化目標というのが揺らいでしまうというおそれだってあると思うんですね。

〔 吉川分科会長 〕 はい。いずれにしても、今出せば、将来はもっと締めなければいけないというのが、中長期のプロジェクションを変えないで今出すのであれば、将来はもっと引き締めるというのは単純な算術だと思いますが、相当、そこら辺がどうなっているのかという、そういう話ですか。

〔 田近委員 〕 それが25年度予算のマクロ的な課題になっているということだと思いますよね。

〔 吉川分科会長 〕 どうぞ。

〔 井伊委員 〕 特例公債法のところなんですけれども、そもそも特例が恒常化していたということが問題だと思うので、効力のない法律にしがみつくのではなくて、新しい枠組みを検討すべきだというようなことも私は指摘をしたほうがいいのではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。たしか自民党も野党時代に日本版財政責任法といったようなものを国会で提案していたように思いますので、そこのあたりもこの中に入れておくのが必要ではないかと思います。

 あともう1点は、先ほど大臣にも申し上げたんですけれども、やはり財政目標として経済というのは変動するわけですので、そうした変動を踏まえて経済財政運営をするためには検証が必要で、そうした検証こそが本来審議会の役割であると思いますので、そうしたことも明記していただければと思います。

〔 吉川分科会長 〕 どうでしょう。総論のところでですね。どうぞ。

〔 岡本委員 〕 先ほどありましたけど、プライマリーバランス目標について、4ページの2015年度までとか、あるいは2020年度の黒字化、これはずっと前から言っていることですよね。それを達成する必要があるというところで全部網羅されているんだと。ただ、やっぱり今の財政ファイナンスの動きとか、あるいは、角さんも言われたけれども、4月から6月の状況によっては消費税もどうなるかわからないとか、こういうものが目の前にあるわけです。その辺のことも踏まえた形で、こういうふうなことで目標が揺るがせられるけれども、やっぱりこれは実現していかないといかんのだみたいなことがないと。そういう意味では早川さんと似ているのかもしれませんけど、そこを、あえてそういうふうに書いていないのは、いろいろまた、政府にこの報告書を出すのが大変だからとか、そういうことなのかなと思ったりするんですけど。

〔 富田委員 〕 これは2010年6月22日に民主党政権で閣議決定し、自民党のほうはJ−ファイル政策集できっちり書いているんですね。だからこれについてはまず揺らぐことはないと思われますけれども、これを堅持することが大事だというふうに書いているんです。この枠内で毎年度予算を編成していただきたいと。

〔 岡本委員 〕 ただ、我々から見るとわかりづらいですよね。

〔 富田委員 〕 もっと強くこれを守れという。

〔 岡本委員 〕 やっぱり何か今の状況だと、これほんとうに、もう一方で71兆円とか44兆円の話もあるわけですよね。これがどうなるかわからんと。そういうふうなことになって、私も初め言ったけれども、その辺のプライマリーバランス、今の状況では全然これを動かさないでこのまま、国際公約ですけど、そうだとしたら、いろいろなことに影響があるし、それは大変なんだということを、少しでもそういう表現が出てきたらいいなというふうに思うのと、あと15カ月予算ということと、今回我々が取り組んでいる問題との整合性というのを、これはどこでどういうふうに処理するのか。その話もあったような感じがしましたけど、これもわからないんですよね。それはこの中でどういうふうに考えたらいいんでしょう。これは質問なんですけど。

〔 吉川分科会長 〕 ちょっと待ってください。そうしますと、時間も限られていますので、委員の皆様方のご意見を伺っていても、この総論のところで、本質なところで意見が大きく違うということはないんですよね。要は日本の財政は非常に厳しいと。そのことを世の中にきっちり訴えていかなくちゃいけないと。そのことは皆様方、我々共有していると思うんです。ですから、どうでしょう。ここは修文というか、少し文章をつけ加えるとかというのは、少し具体的な形で、恐縮ですが、もう一度提案していただいて、それで事務局と何人かの起草していただいた先生方、私なんかも含めて、次回までにもう1回修文すると。ただ、おそらく本質的なところで意見が非常に違うということはないだろうと。今日はそれでよろしいんじゃないでしょうか。

〔 板垣委員 〕 1点だけちょっとお願いがあります。おそらくこれは財務大臣に提言すると同時に、世の中に伝わるということで、新聞社の方は全文掲載する場合もあります。もうちょっと何か全体を俯瞰するようにふわっと入ってくれないかなと思います。

 例えば、全体のマクロ状況から入って、財政を際立たせるような形で前文をつくる。つまり、財政ばっかりでどんと入っていくと、「また難しい財政の話か」という感じで嫌う人もいるので、日本経済の中における財政の役割、位置づけと絡めながら冒頭入っていただけると、僕なんかは割とやわらかく読めるかなと思うんですけどね。これはお願いだけで。

〔 富田委員 〕 はじめにというあれですかね。

〔 板垣委員 〕 はい?

〔 富田委員 〕 「はじめに」か何か必要だというお話でしょうか。

〔 板垣委員 〕 そういうことですね。冒頭のところで。最初から気合十分で結構なんですが......。

〔 富田委員 〕 これまでも気合の入った方にお書きいただいていたように思います。

〔 板垣委員 〕 ということで、ちょっとふわっと入れるような感じで。

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。貴重なご意見をいただいたと思います。そいうことも含めて次回までにと思いますが。

 鳥原委員。

〔 鳥原委員 〕 財政健全化に向けた基本的な考え方の中で、ぜひ明記すべきじゃないかと思うことが1つありまして、それは持続可能な社会保障制度を再構築するために、給付の重点化・効率化をはじめとする給付構造の見直しに果敢に取り組まなければならないというようなことを基本的な考え方の段階で言っておくべきではないかと。次の社会福祉のところではそれがいろいろ書かれておりますけども、そういうのを踏まえて、基本的な考え方の中にも明記をしておくべきじゃないかと思います。

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。必要に応じて図表なんかもつけてもいいかなと思いますけどね。

 はい、どうぞ。

〔 中里委員 〕 今、我々が不安に思うというのは、端的に言えば、中期財政フレームと財政運営戦略が飛んじゃったからなんですね。要するに「71兆円」と「44兆円」という数字が曖昧になってしまったからなわけです。ここで国際公約だけを引用する形だと非常に不安なので、中長期的な財政運営の戦略の確立に向けたコミットメントを早期につくってください、財政運営戦略と中期財政フレームに代わるものを早くつくってくださいと書いておけば、今までの議論ででてきた不安が少し緩和できるのかなと思います。マクロのところでタガがはめられれば、各分野について、どこを増やしてどこを減らすかというのは、あとは査定の話になるので、そういうことを少し修文で書いていただきたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 どうぞ。

〔 竹中委員 〕 9ページのところ、ごめんなさい、そんなふうに言ってもいいですかね。次ですか、ごめんなさい。じゃ、次で。

〔 吉川分科会長 〕 次でいいですか。

 では、今、申し上げたようなあれで、総論のところはもう一度皆さんのご意見も踏まえて少し書き直すと、あるいは加筆修正するということにして。どうぞ。

〔 倉重委員 〕 さっき板垣さんとほとんど一緒ですけど、新聞記者がどう書くかということを考えると、見出しのところは何であろうかと。健全財政で、ちょっと政権が変わって、変わるところにくぎを刺すような、そういう趣旨の話が若干欲しいという話です。言っていることは一緒だと思います。

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。どうもありがとうございました。

 では、だんだん時間が限られてきていますが、あと皆様方がどこまでやれるかあれですが、大きなローマ数字2.の各歳出分野、これは一つ一つということでしょうね。1.の社会保障から行きたいと思います。

 竹中委員、お願いいたします。

〔 竹中委員 〕 すみません、9ページのところで、私いつも発言させていただいていることなんですけど、下から2つ目の段落で、「すなわち、少子化対策や」というところですけど、「支え手の数を増やすとともに、高齢者の雇用機会」となっているんですが、ここをぜひ「高齢者・障害者」というふうに入れていただければなと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ほかにいかがでしょうか、社会保障分野。

 早川委員。

〔 早川委員 〕 秋以降の審議の中でも何度か申し上げたことなんですが、社会保障費の増額が経済全体、財政全体と平仄が合うような形にしていかなければいけないということで、それで、9ページの上から10行目ぐらいですかね。「最終的には、公費負担の総額の伸びが経済の伸びと大きく乖離しないような制度設計が求められる」ということなんですが、その後にでも、いわゆる社会保障費の総額管理というか、前に吉川先生は経済財政諮問会議で高齢化修正GDPというのをご提案になりましたね。それを単純に当てはめるのは難しいにしても、なだらかな形で何かそういう仕組みが必要なのではないかと思うんですけれども、入れられないものでございましょうかね。

〔 吉川分科会長 〕 場合によっては、これまた事務局とご相談して、あるいは起草されている先生方とご相談しますが、そもそも社会保障のところは一番初めの総論のところでも少し簡単に触れたほうがいいかもしれませんね。ですから、おっしゃっているのは、社会保障のセクションのところで少し頭書きを書いてみるということですよね。あり得ると思います。

〔 早川委員 〕 もちろん、進め方は難しいと思うんです。だからその進め方もこれからちょっと工夫したらどうだというようなことでも提言できないかなと思うんですけどね。

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。では、それは検討させていただければと思います。

 井伊委員、お願いします。

〔 井伊委員 〕 私も早川委員と全く同じで、その提案ができないかなというふうに思っておりました。この中でも、生活保護、医療扶助や高齢者といった公費の割合が高い。その上に医療費の増加率が著しいということで、対策として、主に患者負担の導入であるとか引き上げというものが、それだけが主に議論されているんですが、私はやはり多くの国々で行っている総額予算制度、総額管理制を導入するべきであると思っています。

 たしか2005年ぐらいだったと思いますが、財政諮問会議でそうした議論が提案されたら、医療の場合は地域医療が崩壊するというようなことで大きな批判を受けたんですけれども、総額管理制というのはそんなにひどい制度なのかというと、実はそうでもなくて、うまく導入すれば、生活保護や高齢者といった人たちが自己負担をすることなしに医療費を適正水準に維持することも可能であると思います。実際、カナダやオランダ、イギリス、北欧といった国は、風邪のような軽い症状でも、がんであるとか、心筋梗塞であるといった、そういった重い症状でも、自己負担は基本的に無料になっています。その中で、限られた予算の中でどれだけ質の高い医療を行うかという工夫が常に行われていますので、そういったことも含めて、余りここではそういった細かいことは書けないと思いますが、総額予算制というのは決して悪いものではない。それを導入しないで自己負担をどんどん増やしていくような政策をとれば、ほんとうに貧しくて医療の負担ができない生活扶助の人たちや高齢者が困ることになると。先ほど吉川委員おっしゃったように、格差の問題というのは非常に大きな問題ですので、自己負担を増やすという政策は、基本的には格差を広げていくということになると思います。今までそれがうまくいかなかったのは、総額制の下でも質の高い医療や福祉、介護というのは可能であることを示さなかったからです。それが世界の制度改革の知見なんだということを私何度もここで申し上げていますので、そのあたりをうまく含めていただければと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、角委員、田近委員。

〔 角委員 〕 海外の例とよく比較されるんですけど、やはりこれだけ超高齢化が進み、ますますこれが進展していくという国は日本しかないので、あまり海外の例は参考にならないと思います。先ほどちょっと言いましたように、負の負担をシェアしなければならない。だから、12ページにいわゆる総報酬割の話が出ておりますね。これについては、経済団体としては、「わかりました」とはなかなか言いにくいのですけれども、しかし、一定の負担をするとするならば、例えば11ページで70歳から74歳の2割負担については、異例の状態が続いているという表現ではなくて、これは早期に2割負担を実行していただくという強い主張をしていただかないと、ちょっと不公平じゃないかなというふうに思います。

 それと、総報酬割、総額というよりも、やはり私は、これはモラルハザードの話だと思いますので、生活保護のところにおいてもいろいろ書いていただいていますけれども、私は例えば3割、2割、1割と来たら、5分負担ぐらいは生活保護の人だってしてもらうべきだと思いますけれども、そこまでもともとの議論のときは言っていないのでちょっと難しいかもわかりませんが。

〔 吉川分科会長 〕 ちょっと待ってください。では、田近委員。

〔 田近委員 〕 今、早川さんのところで議論があって、最終的には公費負担の総額の伸びが経済の伸びと大きく乖離しないような制度設計が求められる。これはある意味で一歩踏み出しちゃうわけですよね、総額規制というと。一方、この報告書だと、公費を投入せざるを得ない場合には、給付と負担の均衡に向けた保険者の自律的なインセンティブを損なわないためにも、保険者への財政支援ではなく、低所得の被保険者への直接的な保険料軽減措置にお金を使えと言っているわけですよね。だから、この報告書としては、財政的に見れば、我々は社会保障、特に医療等の公費負担をどうやって管理するかということですよね。それをここの段階で一歩踏み出して、給付費の抑制だと。それは個別的に抑制していかなければいけないんでしょうけれども、全部の枠をここではめちゃえという議論は少しこの報告書としては行き過ぎかな。

 わかってもらいたいのは、きちんとした社会保障をしたいけれども、国の財布には限りがありますよと。その範囲でやって、足りないところは保険料を上げるかもしれないし、給付をカットするかもしれません。だから、私の言いたいのは、この段階で総給付額のマクロコントロールだというのは、これからまだまだやらなきゃならない、いろいろなことの前に出っ張り過ぎちゃうかなと思いますけどね。多分、早川さんがおっしゃっていることは、今、角さんがおっしゃっているようなところをきちんと書くことで、同じぐらい充実できると思います。

〔 吉川分科会長 〕 ちなみに、当時、医療の総額ということを言っていたときに非常に問題になったのは、そう言った途端に診療報酬の自動的な一律カットというふうに誤解されていたんですね。それで大変大きな問題になって、それは我々の考えていたものとは非常に違って、ただ、医療費の総額をしかるべく名目GDPの伸びと比べながら、数年に1回厚労省が説明責任を持つというのが私たちの主張だったんですけれども、いずれにしても、言葉がひとり歩きする危険というのは、世の中との対話において大いにある分野かなとは思います。ですから、全体として必要な効率化を粛々と進めるというトーンで書いていたほうが、総額何とかという用語を今ここであえて使うよりは得策かなというふうに個人的には思いますが。

 井伊委員。

〔 井伊委員 〕 私が申し上げたのは、今の制度の中では自己負担を上げるしかないと思っていますので、それは先ほど申し上げたような総額管理制のようなものが導入されたときとセットということです。いずれにしても、社会保障の改革というのは、私は財政政策を検証する仕組みとセットでないとなかなか進まないと思いますので、やはり財政政策の目標と実績を検証する仕組みですね、それをしっかり入れるということは明記していただきたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 では、岡本委員、お願いします。

〔 岡本委員 〕 今、角さんもお話しされたことなんですけど、7ページの下から3行目のところに、フリーライダー問題というのがありますよね。このフリーライダー問題で国の予算がどんどん増えてしまうということなんですけれども、これがつながっているのはどこかというと総報酬割であると。総報酬割をやった場合には、協会けんぽと組合健保の間のフリーライダー問題というのが起こるわけですので、角さん、ちょっと穏やかに言われていましたけれども、我々としては、やっぱりこの問題というのは何となくモラルハザードといいますか、協会けんぽになると、ガバナンスの弱さとか、あるいはみんなで渡れば怖くないということで支出のほうをきっちりやろうやとか、そういうのがなくて、ただ苦し紛れにと言ってはなんですけれども、ちょっとこっちに金があるから、こちらから取ろうやということをやるんですけど、これが数年たったら物すごいコストになってしまって、結果的によくないということがありますので、ここに新川主計官がおられますけれども、これはそういうふうな意見もあったと、少なくともそれはぜひ入れてほしいなというふうに思うんですけど。

〔 渡辺委員 〕 渡辺ですが、よろしいですか。全く同意見で、そのことだけ意見を支持しますということだけ申し上げたいんですけども。ほんとうに保険料を取れるところから取るということを安易に維持拡大しちゃいけないということをしっかりと明記しておいてほしいなと思います。

〔 吉川分科会長 〕 だめ押しの確認ですが、お2人の委員、あるいは3人の。

〔 鳥原委員 〕 私も全く同じ、支持しまして、特に9ページのところに記述してありますように、まずは社会保険料負担による支え合いを徹底させていくという、ここのところですね、「まずは」というところが少し言い過ぎじゃないかと、そういう面では思いますね。やっぱりまずは重点化・効率化を徹底して、それで最後の最後ということじゃないかというぐらいに思いますけど。

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。では、3人の委員の方々のご意見というのは、かなり修文といいますか、ご意見を明記してほしいと、そういう強いご意見ということですね。

〔 田近委員 〕 重要なところだと思うんですけど、だから協会けんぽと組合健保の問題ですけど、基本的に組合のほうがおっしゃるのは、協会けんぽみたいに健康管理をしない--しないんじゃない、自分たちのほうがしっかりやっていると。そういう言い方をしたほうがいいと思うんですけど。そういうところと安易に一緒にされては困るという言い方ですけど、その点は書き込めるんじゃないですか。だから、組合健保はこうやって努力して、書き方は、今、修文、そこまで言えませんけど、協会けんぽのほうも十分保険者機能を発揮することを求めるという、それを前提に総報酬割が必要だというロジックだと思います。

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。では、3人の委員の皆様方からご意見が出たわけですので、次のバージョンのときに少し加筆、修文、工夫してみると。1つのポイントということで今日はさせていただきます。

 ほかにいかがでしょうか、社会保障。ここも全体として、要するに給付の広い意味での効率化というのが必要だというのは総論なのだろうと思います、この社会保障の中での。ですから、場合によっては社会保障のセクションの中で、どこかに頭書きすると。これは早川委員からも先ほどご指摘があったと思いますけど、そういうことも含めて工夫してみたいと思いますが、ほかに社会保障でなければ、地方財政のほうに移りたいと思いますが。

〔 板垣委員 〕 すみません、あります。

〔 吉川分科会長 〕 失礼しました。板垣委員。

〔 板垣委員 〕 社会保障全体ですから、生活保護のところで、私は前々回のこの委員会でも申し上げたんですけれども、生活保護を受けている人に後発医薬品を使わせるというふうなことをはっきりは書いていないにしても、それを明確ににおわせるような表現が紛れているので、私は、これは大反対ですので、そういう委員が1人いる中でこれを書かれては困るというふうに思います。

 なぜかといえば、それは、この後発医薬品というのは、生活保護の人が甘んじて受け入れる薬ではなくて、この財政難の折、一般の人も含めて後発医薬品をできるだけ使うよう努力するべき話である。ただ貧困な状況にあるというだけで後発医薬品を強いられるという構造には僕はならないと思うんですね。そういった意味も含めて、この文章はちょっと修正していただきたい。

〔 吉川分科会長 〕 原則、義務化という表現はなかったと思うんですが。

〔 板垣委員 〕 原則と書いてあります。

〔 田近委員 〕 板垣さんのご意見、大分こちらも考えてつくったんですけど、富田さん、後で見て。どこですか。

〔 板垣委員 〕 ここの24ページの「例えば後発医薬品の原則化」、それをしたいという方もいらっしゃるだろうけど、私はこれは大反対なんです。だから、例えとしてでも挙げてほしくない。あるいはこういう意見があったというふうに意見を書いてくれれば、また別だと思いますが。おそらくこの委員の方々の中でも、この問題について、意見をたくさんお持ちだと思うので。

〔 富田委員 〕 このパラグラフの最後にただしというふうにただし書きで委員のご指摘を入れているんですけれども、これが弱いという。

〔 板垣委員 〕 ただし書きのところに私の意見が仮に書いてあるとすればですが、でもここにこれだけ書かれちゃった後に書かないでよという感じがするんですよね。つまり、この委員の方の大宗の意見がどうなのか知りたいという部分もある。

〔 吉川分科会長 〕 ちなみに、後発医薬品については、通常の議論は、薬効はあまり変わらないと。ただ、後発であるがゆえに、ジェネリックであるがゆえにコストが低いと。ところで生活保護の方々というのは税金で見ている。お金が十分にあればいいんだけれども、財政が厳しい。したがって、公費、税金でファイナンスしている方については、薬効は変わらないという条件のもとでコストの低いものを使っていただくことを原則化すると。

〔 板垣委員 〕 いや、だからそういう報告書が出ていることは私も知っているし、そういう議論が行われていることも事実なんだけれども。

〔 吉川分科会長 〕 そんなにおかしいことですかね。

〔 板垣委員 〕 いや、おかしいかもしれないし、おかしくないかもしれない、それはね。それはその人の哲学の問題だから。

〔 富田委員 〕 ちょっと勉強のためにお聞きしたいんですけども、先発医薬品と後発医薬品というのは同じ機能じゃないんですか。

〔 板垣委員 〕 同じ機能ですと言われています。ただ、微妙に違いますよ。

〔 田中委員 〕 そうそう、検証されていないんです、後発医薬品って実は効果が。そういう物もあるんです。

〔 井伊委員 〕 同じ物もあるし、違う物もある。

〔 葛西委員 〕 これは支給されるものですよね?無料で。それに選択権を与えるという必要は、私はないと思います。しかも、それは効能が同じであり、分子式も同じなんですから。どこかに書いてあったが、もし欲しければ、その差額を払うなら払うというやり方もある。

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。総会には脳外科の先生がいらっしゃったんですが、この分科会にはちょっとドクターはあれなので、ですから......。

〔 富田委員 〕 そしたら板垣委員、これですね、先発医薬品と同一効能を持つ後発医薬品の使用を原則化というのはだめですか。そういうふうに限定したら。

〔 板垣委員 〕 それはほぼ一緒。一緒なんです、効能は。効能はほぼ一緒だけど、違う物もかなりあるということ。それと同時に社会がこの報告書を読んだときにどう受けとめるかということがすごく重要なことであって。

〔 井伊委員 〕 効果の問題じゃなくて、選択の問題なんですよね。

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。この問題については、まず第一に、委員の皆様方の間で意見が確かに分かれている。今日ご欠席で紙を提出されている連合の古賀さんも多分、今の板垣委員と同じような、述べられていると思うんです。ですから、意見が分かれているんですね。ここをどう修文するか。これもまた次のバージョンまでで工夫させてください。今、板垣委員からこの点はご自身としては承服できないというはっきりとしたご意見をいただいたわけですから、それを踏まえて次回のバージョン、チェックポイントとして押さえておきたいと思います。

〔 板垣委員 〕 ぜひご努力いただいて。

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。

 では、ほかの社会保障について、ほかにありますでしょうか。

〔 倉重委員 〕 いいですか、今の点で。

〔 吉川分科会長 〕 はい、どうぞ。

〔 倉重委員 〕 ぜひデータをいただきたいですね。要するに先発を後発にすることによってどれだけの予算が浮くのか。それは選択の問題ですから、全体のね。それでもそういう形で、生活保障全体の枠を下げていく中での選択の問題だと思うので、ぜひデータをいただきたい。そのときの判断ですね。

〔 吉川分科会長 〕 では、よろしければ地方財政に進みたいと思いますが、地方財政について、ご意見いかがでしょうか。

 はい、どうぞ。

〔 中里委員 〕 31ページから32ページにかけて、地方税収の偏在に関してのところなんですけれども、ここのところ、いわゆる逆交付税の提案を非常にオブラートに包んで書いてあるわけですが、1つちょっと気になることがあります。「地方法人特別税の仕組みの更なる活用・深化を含め」とあるんですけれども、実は、地方法人特別税等に関する暫定措置法の第1条を見ると、地方法人特別税はまさに暫定的な措置で、税制抜本改革ができた暁には見直しますよと書いてあるんですね。法律上そのように書かれているものについてここまで強く書くと、ご趣旨はよくわかるので全然問題ないんですが、大丈夫なのかちょっと心配になりました。〔 富田委員 〕 それも一応、暫定措置であるということがわかった上で、さらなる活用・深化というふうにしているんです。だからそれは、そういう方法、水平的な調整をしないと、垂直的なものばかりに頼っているとどんどん増えてしまいますよという意味なんです。何かいい表現方法があれば、同じご意見なので、このレポートとですね。

〔 中里委員 〕 どうすればいいという定見はありませんが、例えば一案としては、地方法人課税のあり方の見直し等を含めという感じで、要するに地方法人特別税と書かずに、少しオブラートに包んで地方法人課税と書いて、そのあり方の見直し等を含むとしておけば、同じことが読む人によっては読めると。ここははっきり書くかどうかの問題ですが。

〔 吉川分科会長 〕 初めにもお願いしたんですが、修文に関しては、後ほど事務局に具体的なご提案をいただくことにして、考え方について大きく食い違う、委員間で大きく意見が食い違うようなことがあれば、それはここで少し議論させていただく必要があるかと思いますが、地方財政について、ほかに考え方、あるいはご自身のお考えと非常に大きく違うようなことが書かれているというようなことがあればご指摘いただければと思いますが、よろしいですか。

 では、後で思いついたというようなことがあれば、それも含めて事務局にご連絡いただければいいわけですから、まだ幾つも項目がありますので、次に、文教・科学技術はいかがでしょうか。

 どうぞ、田中委員。

〔 田中委員 〕 全体のトーンは基本的に賛成ではあるんですけれども、幾つか内容について、もう少し正確な理解をしていただきたいという意味で2点申し上げます。

 1点目は、大学の中で、36ページですが、「機動的に資源の再配分ができる仕組みを検討する必要がある」と言っていますが、あたかも仕組みがないような表現になっておりますが、国立大学が法人化された時点で、学長の裁量経費も含めてかなり使えるようになっていますが、むしろそれは大学の自治、部局の自治、教員の自治がぶつかり合って、うまく使われていないというのが現状ですので、仕組みというよりは、それが活発に再配分が進むように推奨すべきであるとか、仕組みのせいにしない表現に変えるべきではないかと思います。

 2点目は、運営費交付金の件ですが、これ何か減少しているって、あたかも自然に減少したように書かれていますが、運営費交付金は毎年1%を削減するということが平成16年以降、ほぼ意図的、義務的に課されておりますので、ここも誤解のなきよう説明をする必要があるかと思います。修文の仕方については、具体的に後で提案したいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 ほかに。鳥原委員。

〔 鳥原委員 〕 科学技術のところですが、全体の中で、ここは非常に少ししか書かれていません。結構議論はあったと思いますが、言うまでもなく、科学技術は、資源を持たない日本の成長のために不可欠な国力の基盤であると言えると思いますが、それゆえイノベーションを加速化させて、民間の研究開発の呼び水にするためにも、むしろ政府の研究開発投資の対GDP比1%目標を前倒しするぐらいにやっていくべきことではないかと思います。ここの書かれ方は、全体的に違うのではないかという感じがします。

 また、大学における基礎研究の抜本的な強化に向けた取り組みというのは、日本が最先端分野において世界をリードしていくために不可欠でありますけれども、国際的にも高度な研究、人材の育成・確保という点で日本はまだまだ脆弱です。世界トップレベルの研究者の集積を促して優秀な研究者の海外流出を防ぐために、実績や成果に基づく人事、待遇面での新たな仕組みを検討してメリハリのある予算投入をすべきであると思います。

 一方、世界レベルと言われる日本の基礎研究分野の成果を実用化につなげるために産学官の連携強化をするということは極めて重要なことだと思います。科学技術政策と産業政策とをより融合させた施策や共通の予算枠をさらに拡充して、一体的かつ効果的な予算運営を行っていくべきであると思います。そして、研究開発は単年度で成果を図ることが不可能なことから、複数年かかるという前提で、予算執行の複数年度化を一層図っていく必要があると思っております。そういう点をこの中に反映していただければと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 どうぞ、渡辺委員。

〔 渡辺委員 〕 今、鳥原委員のことと全く同感で、これもアグリーなんですけれども、1つ加えれば、科学技術というのは経済の成長戦略の中の大変重要な位置づけになると思います。イノベーションを起こそうと、こう言っているわけですから、それも、先ほどもちょっと副総理のときに言いましたけれども、自民党の公約の中にも健康とかクリーンとか、あるいはエネルギーの問題、安心・安全というテーマが入っておりまして、それを強力に推進するには、やはりベースとなる科学技術の振興、あるいはイノベーションの振興が大変重要であるということを訴えて、単年度でも中長期的にも研究開発を産官学挙げてやっていくんだという姿勢をもっともっと強く打ち出すべきではないか。それが日本の成長にもつながるし、世界に冠たる科学技術立国日本、あるいは貿易立国日本、新しい産業を起こす日本ということにもつながっていくと思いますので、そういうトーンをもっと強く出すべきだと思います。

 さっき鳥原さんがおっしゃったように、確かに日本の研究開発費の全体のGDP比はかなりいいレベルだとは思いますけれども、その中で政府の部分というのは1%という話がありますけれども、これほとんど1%いっていなくて、低いレベルにある。海外との比較の数字もありますので、これを入れるかどうかは別として、そういうことをきちんと主張して、イノベーションを起こす日本なんだということを訴えていく。それを予算面からもサポートするんだということを訴えてほしいな、こう思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございます。

〔 葛西委員 〕 科学技術振興は、大切だと思うのですが、ここに書いてある、シェアが変わっていないということで、予算が有効に使われていないのではないかという問題認識は妥当だと思います。したがいまして、単に額を増やせば科学技術が振興されるというのではなくて、後ろのほうに書いてありますが、政策的な重点分野の明確化を一体どうやってやるかというところが非常に問題でありまして、そこのところがきちんとされない限りは、科学技術予算を増やすというのは、ざるに水をやるような話ではないかと思いますので、これを、ここで書き切るのは少し難しいんでしょうが、知恵を出していただくべきところだと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。ほかにいかがですか。

 では、次の公共事業でよろしいですか。公共事業に進みたいと思いますが、公共事業につきましては、先ほど一番初めに小林委員の問題提起を受けて、我々もある程度話したと思います。つけ加えて、さらにというようなことがございますか。

 田中委員。

〔 田中委員 〕 真っ向から割れるような論点ではないんですが、39ページの「プロジェクトを採算性、経済性、政治の三類型に分けるとすれば、新幹線は第三の類型に属するとの意見があった」というんですけど、だから何なのかというところが少し必要ではないかと思います。

〔 葛西委員 〕 ちょっと解説をさせていただきますと、政治の類型というのは、政治的なプロジェクトという意味なんですが、例えば安全保障とか、国家目的に関係があるものであれば、経済性がなくてもやらなければいけないことはあるかと思います。ただ、整備新幹線の場合はそういう戦略性の有無に疑問がありますので、本当は抑えるべきだというのが私の言いたかったことです。

〔 吉川分科会長 〕 これはどうなんですかね。そうしましたら、今の葛西委員のご意見からすれば、特にここになくてもいいですか。

〔 葛西委員 〕 なくてもいいです。切っていただいて結構です。これは参考までに申し上げたことでありまして。

〔 吉川分科会長 〕 じゃ、この最後のこれにというところは、意見があったというところは消すということでよろしいですかね。

〔 葛西委員 〕 もし利用価値があると思えば入れていただければいいし、邪魔になれば切っていただければいいと思います。

〔 早川委員 〕 先ほど申し上げたことの繰り返しなんですけれども、公共事業については特に、むやみやたらに増やせばいいと、景気対策との絡みでそういう懸念もあると思うんですね。それをどこかにしっかりと入れたい。もちろん、それを例えば総論の中に入れるなんていうことがあるとすれば、ここで触れる必要はないんですが、ここで触れるとすれば、例えば41ページの景気対策との絡み合いですね。単に景気対策と混同することのないよう留意が必要だというだけではなくて、事業の必要性とか、そういうのを精査して、全体に重点化・効率化を図らなければ困りますよというのは入れておいたほうがいいと思うんですけどね。

 これに絡んでいうと、例えば農林予算で公共事業を相当に上積みしようとしていますね。それもやっぱり内容の精査が十分に行き届かなきゃ困りますよということは入れておいたほうがいいのかなと思うんですけど、それは具体的にいいますと、農業予算の話ですからもっと後になろうかと思いますけども。

〔 渡辺委員 〕 44ページ。

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。では、とりあえず公共事業のところ......。

〔 黒川委員 〕 今のところで、すみません。

〔 吉川分科会長 〕 では、黒川委員。

〔 黒川委員 〕 41ページのなおというところに、先ほど大臣と懇談でも言いましたように、一度箱物をつくった後の維持管理費用は将来世代の負担になるというような言葉を--修文になっちゃうのかな。すみません。それだけです。

〔 吉川分科会長 〕 要するに現在公共投資、新しいものをつくれば、それが資本ストックになって、やがてそれはメンテの。

〔 黒川委員 〕 メンテの対象になる。それが将来世代の負担になるということをよく考えてつくらなくちゃいけない。景気対策としてはそれでいいのかもしれませんけれども、そうではないということを、この防災・減災でも同じことになるわけです。

〔 吉川分科会長 〕 それはそうですね。将来のグロスの投資がある程度頭を押さえられていれば、資本ストックが増えていれば、その時点でネットの投資はやる余地がそれだけ少なくなってくる。ある種硬直化を生むというのは、そのとおりですね。

〔 黒川委員 〕 そういうのが、ずっと維持・更新と書いてきたので、結局そういうことだろう。今回の補正予算についても、そこが一番心配なのだろうと思うんですね。むやみやたらにというのは。以上です。

〔 田近委員 〕 要するにライフサイクルコストで考える。これ、同じことが防衛のところで非常に強調しているんですよね。1回装備を入れたら、それで終わりじゃなくて、ライフサイクルで考えなければいけない。これがまさに公共投資でも同じことですよね。指摘はね。

〔 黒川委員 〕 そうです。

〔 田近委員 〕 非常に重要な点だと思います。だから、富田さん、そういうようなフレームで。

〔 富田委員 〕 いや、これもね、それが一番大事なので、公共事業の最初の書き出しのところをごらんいただきますと、「厳しい財政事情の下、維持管理に多額の費用がかかる」とか、一番大事なことなので冒頭に書いてはあるんですよね。ただ、この間ご指摘のように、最後でもそれを強調すればいいかなと思うんですけどね。

〔 田近委員 〕 ていうか、この手のものの管理の概念として、コンセプトとして、だから防衛費にもかかわってくるわけだし、だからそういう考えなり、ライフサイクルコストで考える重要性、同じことかもしれないけど、それは共通の考え方として指摘しておいていいかもしれない。

〔 吉川分科会長 〕 これも、今、何人かの委員の方のお話、考え方が違っているということではないと思いますので、皆さん、同じご意見をお持ちだと思いますので、次のバージョンで少し表現等を工夫してみるということにしたいと思います。

 私の司会の不手際で、現在もう6時ですので、ご予定のある方は、6時になりましたということをお話しした上で、もう少しだけ、時間の許す方、議論を続けさせていただければと思います。

 いかがでしょうか。5番目の府省・分野横断的な一括交付金に移りたいと思いますが。黒川委員、どうぞ。

〔 黒川委員 〕 ここは考え方なのですけど、43ページから44ページにかけて、「マンパワーが不足する中、政府を挙げて全力を尽くす必要があることから、事業の進捗を促進する措置を引き続き講じつつ」というところが逆に心配で、拙速につくってしまうのではないかということなのですね。むしろ時間をかけてじっくりと、同じお金を使うのであれば、すぐに使え、使えと言うのではなくて、約束だけはしておいて、ゆっくりとやれというようなですね、そういうような感じを僕は持っている。

〔 富田委員 〕 これも復興については全額国の費用で持つということで、お金の心配はさせませんよというのが趣旨なんです。いっぱい使い残しもあって、未執行もあるんですけども、それは国の財政のせいじゃないので。マンパワー不足というのは、地方公共団体における意思決定だとか、合意形成のあり方とか、そういうことも問題があるのではないかという指摘なのです。

〔 黒川委員 〕 そういうこともあるのですが、私が聞いているところだと、例えば今まで数人の人がインフラ関係予算年間20億円とか30億円を運営していたところに、200億円とか300億円ついちゃって、どうするんだというような、地方自治体の専門領域の人たちもびっくりしているし、それから事業をする人たちだって、大手の建設会社から下請までずっといるけれども、あっちもこっちもやらなくちゃいけないということで大変だということらしい。

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。では、黒川委員と富田委員、おそらくご意見が違うというのではないと思います。ですから、恐縮ですけど、黒川委員、少し修文のこうしたらどうかというご提案をいただいて、次のバージョンに生かせればと思います。よろしくお願いいたします。

 小林委員。

〔 小林委員 〕 ただ、その場合、やっぱり事業の進捗を促す必要がないという書き方は絶対できないと思うんですね。それは基本的な方針として急がなければいけない。もう既に間もなく2年になろうとしているので、それはどうしても、今、黒川委員がおっしゃっている理由はよくわかるので、マンパワーの不足の問題というのも一朝一夕に解決しない状況になっているということもだんだん明らかになってきているんですよね。そういうことを踏まえた上でぐらいの話にすることは可能かと思うんですが、だから事業は時間をかけてもいいんだということを財制審としてメッセージで出すのが果たして適切かどうかというのは、ちょっとそれは配慮したいなという気はします。

〔 吉川分科会長 〕 小林委員のご意見もっともだと思います。ですから、それも踏まえて、黒川委員。

〔 黒川委員 〕 僕は考え方が違うのですよね。はっきり言うと違う。

〔 吉川分科会長 〕 そうですか。そこまで違うということですか。そこはちょっと私誤解して。

〔 黒川委員 〕 違うというのは、全力を尽くすという必要があるという、その全力の尽くし方が、どんどん早くやれというよりも、ゆっくりでもいいから時間をかけて、丁寧につくる。現場の人たちには約束しておけば納得してくれるのではないかというふうに僕は考えたのです。とにかく急いでやることを現地の人たちは望んでいるのだろうかという。

〔 吉川分科会長 〕 ですから、そこは微妙で、「とにかく」という副詞がつくことによって、とにかく急げと言ったら、とにかくがつくことがよってネガティブなコンテーションを持つわけですよね、当然。微妙な副詞ですけど、平仮名4文字だけど。しかし、もう一方で大きなあれとして、急ぎたいということは、おそらく大きな要請としてあるんですよね。それは当然あるわけで、そこが微妙なところです。

〔 田中委員 〕 暮れの選挙に先立って、復興政策を評価するに当たって各首長の方に、全員ではないですけれども、ヒアリングをしたときに、一番の基準点はスピードが遅過ぎるという問題だったんです。そこを一番の論点にしてほしいということがあったので、そのことを聞きますと、今のゆっくりという言葉は、それだけで物すごく反発を買ってしまうと思います。

〔 吉川分科会長 〕 そうですね。ですから、おそらく被災地の方からすれば、同じ4文字「とにかく」で、違った意味でとにかく急いでくれというのが出るんだと思います。ただ、文章でとにかく急ぐというのは、拙速という言葉にもなり得るということで、ほんとうに微妙なところだと思います。

〔 黒川委員 〕 わかりました。よくわかりました。私、今日初めて来たものですから、先ほど言ったことは取り下げます。大臣に話すことはできましたので、このままで結構です。苦労されての文章だと理解しました。

〔 吉川分科会長 〕 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。何遍も言いますように、後で思いついたとか、考え直したとかいろいろあると思いますが、それは事務局に言っていただくとして、とりあえず5番目の府省・分野横断的な一括交付金、これはいかがでしょうか。

 大きな問題がなければ、6.農林漁業に進みますか。農林漁業に進みたいと思います。農林漁業については、先ほど早川委員から公共事業との関係でちょっとご意見があったんですが、それはそれとして、ほかに特段のご意見があれば。よろしいでしょうか。

 では、7番目、エネルギー・環境。

 岡本委員。

〔 岡本委員 〕 49ページの一番上の行に「エネルギー・環境予算において考慮すべき点」とあるわけですけれども、この環境予算というのはどこまで広く捉えるかということとも絡むんですが、やはり我々東電とか、いろいろ貸付とか、いろいろな問題があるんですけれども、今、聞いているので廃炉費用とか、除染費用とか、これが膨大にかかると。今、活断層問題とかいろいろありますから、どこをどう廃炉するかというのはともかくとして、福島は少なくとも廃炉をするだろうと。そういった場合に、あるいは除染費用も膨らんでいくと。これは25年度予算で少しは手当てをするのか、あるいは全然別のものとして、どこかで考えるのか。初めは国債か何かで発行するのか知りませんけれども、予算的にどういうふうな対応をするのかというのが、ある意味で考慮すべき点ではないかなと思うんですけど、そこをどういうふうに考えたらいいのか。これは質問なんですけれども。

〔 吉川分科会長 〕 エネルギー担当の主計官から、よろしいですか。

〔 神田主計官 〕 事実関係だけ申し述べます。まず、除染につきましては、法律の枠組みのもとで、東電が最終的には負担をする形に今なってございます。ただ、除染の対象については、特措法等々によって計画をつくって、その範囲内のものについて、まず国費で除染をした後、東電に求償するということになっております。そのファイナンスについては、原子力賠償機構を通じてしっかりと手当てができるようになっています。

 問題は廃炉でございまして、廃炉は民間会社の資産ですので、基本は電気事業者がファイナンスをすると。ただ、急にやろうとしてもお金がありませんので、1つのやり方としては、原子力賠償機構から出資をすることができることになっておりまして、その原資は、予算上は政府保証をつけて機構が民借りをすることができるということで1つのシステムとしてでき上がっております。ただ、国が廃炉関係で何もしないというわけではなくて、今、検討、まだ25年度予算に向けての検討状況、あるいは24年度補正予算でも何らかのことをする可能性がございますけれども、廃炉の技術の中には一般的に役に立つようなものもございます。そういった研究開発部分について国費を入れることには、国民の理解が得られるというところもあると考えられますので、そういったところについては国費、時には一般会計、物によっては電促のお金が入っていく可能性がございます。

 以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 よろしいですか。

〔 岡本委員 〕 何か今のお話を聞いていると、この廃炉問題はかなりきちっとやっていかないと、原子力の将来をどう考えるかということにもつながるわけでして、だからこれはこれからでしょうとか、あるいは一旦機構が出してこうでと、その仕組みはよくわかるんですけれども、これはどんなリズムというか、タイミングで、あるいはさっきの話じゃないけど、スピード感を持ってやっていくのかというのがあるわけで、これはかなりの予算がありますので、この25年度予算で全然考えなくていいというんだったらいいんですけれども、私はどうもそうじゃないんじゃないかなというふうに思いまして、これ全然触れなくて、そして環境問題は、ここのテーマは個別具体的にこういうのがあるわけですけれども、ここで触れないと、あまり触れる場所がないのかなとちょっと思ったんですね。

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。1つのご提案ということで次のバージョンで考えさせていただきます。

〔 葛西委員 〕 質問よろしいですか。

〔 吉川分科会長 〕 はい、どうぞ。

〔 葛西委員 〕 47ページに、マル2のところの一番下の段ですけれども、「住宅再生エネルギー関連機器の設置義務」と書いてあるんですけど、これはどんなことを具体的には意味して書かれているのでしょうか。47ページ、「規制的手法のところのエネルギーの環境予算のあり方」の部分です。

〔 角委員 〕 これは、新たな住宅を建てるときは、いわゆる太陽光発電を義務づけるとかいうことをおっしゃったことをここに書いてあるわけです。

〔 板垣委員 〕 例えば、新築で家を建てるときには、屋根は屋根材と兼用できるような屋根一体型の太陽光パネルを設置するとか、つまり補助金を出して導入するのではなくて、1つの規制として、つまり常識としてそれをやっていただくという考え方です。

〔 葛西委員 〕 例えば、住宅を建てるときに、屋根上に太陽光パネルを乗っけることがエネルギー面でもって極めてプラスであるという検証も何もありませんし、むしろ後でもって大変苦労するようなこともあり得るわけですから、「例えば」なんていう形でも記載しないほうがいいんじゃないかと思います。

〔 板垣委員 〕 それぞれの方にいろいろ情報の格差があると思うのでなかなかあれですけれども、例えば、今、住宅メーカーが最先端で取り組んでいるのはスマートハウスという時代で、どこの新築メーカーに行かれても、多分その話に遭遇すると思います。太陽光とかエネルギーの話をね。

〔 葛西委員 〕 その種の話は、しょっちゅう流行り廃りがありますから、あっという間に失敗だったという話になるんじゃないかという気もします。

〔 板垣委員 〕 でもそれは、成功するか失敗するかは誰もわからないけれども、少なくとも民間が資金シフトをしているわけです、そこに。

〔 葛西委員 〕 わからないというんだったら、触れないほうがいいんじゃないでしょうか。

〔 板垣委員 〕 いや、そんなことじゃもうないと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ですから、これはこの箇所だけじゃないと思うんです。つまり、個別のことに関しては、それぞれの委員の方々の間で特別の思い入れとか、ご意見というのがあると思うんですが、それをここでは重要であるとの意見もあったという言い方で書き込んでいるわけですよね。ですから、そういう形でどれくらいこの報告書の中にそうした意見を入れていくのが適当なのかどうか。例えば非常に大きなイシューで2つの意見が真っ二つに分かれていれば、報告書の中に2つの意見を書くのは当然のことだと思いますが、やや個別のことに関して、特定の意見というのは、この板垣さんのご意見に、私、賛成、反対ということじゃ全然ないんですよ。一般論として申し上げているんです。防衛や何かについても関係するわけですが、それを個別ということで、どれくらいこの中に書き込んでいくのがいいのかね。

〔 葛西委員 〕 そうですね。同じところで、4番目のところに固定価格買取制の話が出ていますね。これも基本的に同じ問題だと思うんですが、諸外国の先行事例等も踏まえて十分検討が必要であるという、極めて主文では非常に懐疑的な受け取り方をしているわけですよね。ですから、その辺のところは、どの程度報告書に書き込んでいくのか、しっかりと精査していただきたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 それともう一つのポイントは、私が今申し上げたことに加えて、やはりこの報告書は何といっても財審の報告書なわけですよね。ですから、財政ですから全方位です。世の中のあらゆることに関係してくるわけですが、その関係している具体的な内容について、どれぐらい私たちが個別のことに立ち入って言うのか。およそお金、財政にかかわるところについては、財審ですから、言うべきことを当然書くということになるんでしょうけれども、その問題があると思いますが、どうですかね。

〔 鳥原委員 〕 ちょっとそれに関連しまして。

〔 吉川分科会長 〕 鳥原委員。

〔 鳥原委員 〕 そもそもこのエネルギー・環境に関しては、3.11以降これだけ取り巻く環境が変わっているのに、いまだかつてエネルギー政策というか、長期的なエネルギー基本計画が決まっていない状態だということが一番の問題だと思うんですね。そういう意味で、もしエネルギー政策、基本計画が決まっていれば、その中で、この再生可能エネルギーをどこまでやるのかとか、そのときの促進の仕方をどこまで踏み込んでやるとかというところまで含めて計画化されているのではないかと思うんですね。そこがまだはっきりしていない段階でここまで書くのはどうかなと思います。

〔 吉川分科会長 〕 どうですかね、板垣委員、例えばこれを応援するという場合でも、ご自身が言われたみたいに補助金みたいなので応援するというやり方もありますよね。ここで板垣さんのご意見は、それをさらにもう一歩進めて、規制で義務づけたらどうかというお考えだと思うんですが、それはそれで一つの。

〔 板垣委員 〕 もちろん補助金を出して、それをいつまでも続けるわけにはいかなくて、競争で価格が下がってくれば補助金は要らないということになる。それから買取制度も要らないという時代がもしかしたら来るかもしれない。そういう流れかと僕自身は思っています。そんな中で、その期間を短くする意味でも規制でかけていったほうが、つまり、世の中の常識的な存在として規制したほうが、圧倒的に財政上もいいだろうということですよね。反対が多いようでしたら別に削っても構いません。

〔 葛西委員 〕 家の構造を考えるときに、安全性とか、そういうものとは別にこういうものを義務づけるというのは、いささか行政的に見ると過介入だと思います。

〔 吉川分科会長 〕 そうしましたら、次のバージョンを用意するまでに我々でまた起草委員の方々とも含めて議論させていただくということで、今日は引き取らせてください。では、これはこれということで。ちょっと時間超過も大分過ぎてしまっていて申しわけないんですが。

〔 角委員 〕 46ページの、民主党政権のときは確かにグリーンということだったんですけど、「国内の様々な再生可能エネルギーを最大限活用しつつ」というのは非常に違和感がありますね。42円、20年ということが行われている中でね。物すごい高コストですからね。最大限、今活用しておられるわけですよ。だけど、ほんとうにそれがエネルギーのベストミックスですかという議論がないわけですからね。ここで基本的なことを最初にこういうふうに押さえられちゃうというのは、経済界としてはとても納得できない。

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。わかりましたという意味は、チェックポイントとして、この文章をもう1回議論はさせていただきます。ご意見があったということで。修文したほうがいいという、そういうご意見ですよね。

〔 角委員 〕 私はですね、ぜひお願いします。

〔 吉川分科会長 〕 そういうご意見が何人かの委員の方々から出たということを踏まえて議論させていただきます。

〔 板垣委員 〕 この分野は物すごい意見が割れるので、誰も合意なんかできないので、今おっしゃったような形で、若干やわらかめでオブラートに包まないと、多分文章になりませんよ。

〔 吉川分科会長 〕 ですから、先ほど申し上げたとおり、我々は、例えばエネルギーで言えば、エネルギーの報告書をつくっているんじゃないんですよ。財審の報告書なんです。ですから、あくまでも財政とのかかわりに関しての議論ですので、それを踏まえた上で最終報告書をまとめるということだと思います。

 ほかにいかがでしょうか。エネルギーのところは。

 どうぞ、早川委員。

〔 早川委員 〕 大変細かいことですけれども、先ほど葛西さんもご指摘になりましたが、再生エネルギー固定価格買取制度ですね。諸外国の例を見ても、相当に問題があるのかなと思うんです。ここではやや慎重に十分な検討が必要であると書いてあるんですが、必要があれば、柔軟な見直しが求められるぐらいのことを入れたらどうかなというふうに思うんですけどね。

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。よろしいでしょうか。よろしければ、中小企業に進みたいと思いますが。鳥原委員。

〔 鳥原委員 〕 中小企業のところで、信用保証協会、あるいは政府系金融機関などの公的金融は、財政負担とのバランスをとりつつ、持続可能な制度運営を行う必要があるということは当然だと思いますが、やはり長期化するデフレの環境下で、中小企業の資金繰りは厳しさを増しているというのが現状です。したがって、中小企業のセーフティネットとして公的金融の役割は依然として大きいわけなので、見直しに当たっては経済情勢を見きわめた上で対応することが必要だと思います。その点を申し上げておきます。

〔 吉川分科会長 〕 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 そうしましたら、ODAですかね。よろしいですか。

 では、10番の防衛は、先ほど一番初めに議論させていただいたと思います。

 最後に11番、復興、いかがでしょうか。よろしいですか。

〔 富田委員 〕 復興のところは15日に閣議決定される補正予算とも関係していると思われますので、具体的に決まった後、ちゃんと直したほうがきっちりしたものになると思いますので。

〔 吉川分科会長 〕 わかりました。その点ひとつテークノートということですね。

 それでは、大変申しわけありませんでした。私の司会の不手際で、6時25分、25分延長ということになってしまいましたけれども、活発なご意見をいただいたと思います。

 先ほどからお話ししているとおり、幾つかの問題ではご意見が違うということもあったかもしれません。しかし、大きな論点、とりわけ財政にかかわる部分では、委員の間で幸い大きな意見のそご、違いというのはなかったと私は思っております。ただし、個別の箇所についての表現ぶり、あるいはもう少しこういうことを加筆したほうがいいという貴重なご意見もいただきました。幾つかはご意見ということだったと思いますし、また幾つかはさらに立ち入って修文したほうがいいというご意見、そういうことだったろうと思います。

 あと、これは大変勝手なんですが、修文等につきまして、だめ押しのようなあれですが、具体的にこういうふうに直してもらいたい、あるいはこういうことを加筆すべきだというようなことがありましたら、これは大変勝手なお願いですけれども、事務作業をスムーズに行うために、明日の15時までに、できれば事務局のほうにメールなりなんなりお送りいただければ幸いに存じます。いずれにしましても、私ども、起草された先生方も含めて、皆様からいただいたご意見を踏まえまして必要な修文を行って、次回、再度お諮りした上で最終的にまとめると。次の会が一応セミファイナルバージョンということでお認めいただければ、それを最終形にして、大臣へ手交、手渡しすることとさせていただきたいと考えております。

 これまた大変勝手ですが、本日の報告書案につきましては、一応回収ということにさせていただきますので、お持ち帰りにならず、机の上にお残しいただきますようお願いします。また、次回お諮りする報告書案につきましては、次回分科会の前々日までには事務局より送付させていただく予定です。次回は、18日金曜日午後3時からこの会議室で行います。

 では、これで閉会ですが、繰り返しになりますが、大変遅くなりまして、申しわけありませんでした。どうもありがとうございました。

 

午後6時26分閉会

財務省の政策