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財政制度分科会(平成24年11月1日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録
平成24年11月1日
財政制度等審議会


 

財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

                     平成24年11月1日(木)13:00〜16:00
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

1.開会
2.経済危機対応・地域活性化予備費等の活用について
3.地方財政について
4.文教・科学技術関係予算について
5.復興関係予算について
6.閉会

配付資料
○ 資料1      経済危機対応・地域活性化予備費等の活用について
○ 資料2      地方財政について
○ 参考資料     地方財政関係
○ 資料3      文教・科学技術関係資料
○ 参考資料     文教・科学技術関係
○ 資料4−1    復興関係予算
○ 資料4−2    東日本大震災からの復興の基本方針

5.出席者

分科会長代理田近 栄治

武正副大臣                                     
柚木大臣政務官           
木下主計局長
中原次長                
福田次長
岡本次長
可部総務課長
小宮調査課長
大鹿法規課長
工藤司計課長
富山主計官
阪田主計官
余島主計官
奥主計官
諏訪園主計官
青木主計官
神田主計官
新川主計官
武藤主計官
窪田主計官
角田主計官
吉井主計官

委員 赤井 伸郎
井堀 利宏
田中 弥生
土居 丈朗
富田 俊基
中里 透
臨時委員

秋山 咲恵
板垣 信幸
岡本 圀衞
葛西 敬之

倉重 篤郎
小林 毅
角   和夫
竹中 ナミ
鳥原 光憲
早川 準一
渡辺 捷昭


午後1時00分開会

〔 田近分科会長代理 〕 時間になりましたので、これから財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたしたいと思います。

 ご多用中のところご出席いただきましてありがとうございます。今日は、財政について聴く会の議題のところをまずごらんになっていただくと、「経済危機対応・地域活性化予備費等の活用」についてと。これは今の足元の予算ですけれども、来年度に向けて「地方財政」について、「文教・科学技術関係予算」について、「復興関係予算」についてと、3つのテーマで議論していただこうと思っています。ということで、長丁場で3時間を予定していますけれども、それでも議論がどれだけ尽くせるか心配しています。

 それで、古賀委員から、本日欠席のために意見書をいただいています。一番最後に財政制度分科会長、吉川さんあてに出ています。これもごらんになってください。

 では、早速議題に移りたいと思います。まず、「経済危機対応・地域活性化予備費等の活用」について、可部総務課長より説明をお願いします。

〔 可部総務課長 〕 総務課長の可部でございます。よろしくお願いいたします。

 議題も多数ございますので、簡潔に、先般講じました予備費の活用等につきましてご説明させていただきます。

 資料1をごらんいただきますと、まず1ページに10月17日付の内閣総理大臣からの経済対策策定についての指示がございます。3カ月連続月例経済報告が弱目の動きとなっている中で、景気の下押しリスクに対応し、デフレからの早期脱却、経済活性化に向けた取り組みを加速していくことが重要ということで、まずは特例公債法の早期成立に全力を挙げるわけでございますけれども、11月中を目途に経済対策を策定し、速やかに実施に移すようにとの指示がございました。こちらは経済財政政策担当大臣を中心に策定し、その際、財務大臣とも十分協議されたいとなっておりますが、ごらんのとおり3本柱でございます。「日本再生戦略」におきます重点3分野(グリーン、ライフ、農林漁業)をはじめとする施策を前倒しすること、また、震災からの復旧・復興、災害に備えた防災・減災対策、さらに財政措置によらない規制改革ですとか民間の出融資の促進、こういった柱立てでございます。

 なお、11月まで何も手を打たないというわけにまいりませんので、この柱立てに基づいて緊要性の高い施策については、10月中の予備費使用決定を検討せよとの指示でございました。

 2ページに、その具体的な内容が書かれてございます。

 これを受けまして、3ページでございますが、10月26日に経済危機対応・地域活性化予備費等の活用を決定いたしたところでございます。

 一番上の四角にございますように、総理指示の柱立ての1番目と2番目、財政措置に係る部分に基づきまして、今後、需要や雇用の伸びが見込まれる分野における先導的な事業を後押しするものあるいは早期に需要、雇用の創出が見込まれるものを厳選いたしまして、今般、経済予備費と復興予備費を活用することにいたしました。これが真ん中の大きな四角に入っている内容でございます。

 また、その下にございますように、同時に、一般予備費と既存基金の活用を行うことといたしました。それが一番下の細長い四角に入っている内容でございます。これらを合わせますと総額で国費4,000億円超、事業費7,500億円超となっております。

 真ん中の大きな四角をご説明させていただきます。

 まず、「日本再生戦略」における重点3分野等の前倒しとして1,051億円の経済予備費を使用いたします。(1)にございますように、例えば家庭用の燃料電池の購入補助あるいは企業向けの低廃熱利用設備の設置補助、こうした内容、それからまた(2)でございますけれども、農林漁業の6次産業化の推進といたしまして、田んぼを果樹等の高付加価値の産業へ転換するための農地・水利施設緊急整備あるいは水産物の衛生管理向上による輸出促進を図るための措置等でございます。3番目は、山中教授のiPS細胞研究、世界中で大変研究が進展しておりますので、こうした研究の後押しを図るためのiPS細胞ストックの整備あるいは臨床研究の安全基盤整備等を行うものでございます。そのほか、3本柱以外の再生戦略関連で、通学路の緊急点検結果に基づく措置等を講ずることとしております。

 右の2ポツでございますけれども、(1)にございますのは復興予備費を使用するものでございます。被災地の共同店舗あるいは共同工場等のグループ補助金、さらに福島の立地補助金、こうしたものについての追加、それから(2)、(3)につきましては、学校あるいは河川、道路、港湾等の老朽化対策等の措置を講ずることといたしております。

 ちなみに、これらはいわゆる復興特会でやっております全国防災、耐震化あるいは対津波対策の事業とは異なりまして、耐震性等の問題はないけれども、老朽化をした部分について措置を講ずるという異なった中身になってございます。

 以上、国費で3,694億円、地方負担あるいは利用者負担を合わせますと7,200億円規模となっております。

 一番下の四角でございますけれども、同時に一般の予備費のほうを使いまして海上保安庁の船挺あるいはヘリコプター、これを領海警備のため緊急に整備するもの、並びに夏の災害、豪雨災害の復旧として既に災害査定を完了しているものについての一般予備費の使用、並びに既にございます基金の中で非正規の雇用の方に対するキャリアアップについての企業支援を行うもの、こうしたものがございます。

 以上が今回の予備費の決定の中身でございまして、4ページに、それを3つの予備費に分けて書かせていただいております。予備費は3種類ございまして、一般会計のほうで経済危機対応・地域活性化予備費が9,100億円ございますが、このうち今回2,490億円を使用するものでございます。また、一番右にも一般会計の予備費3,500億円ございまして、これは既に24億円使用しておりますが、今回232億円を追加的に計上いたすものでございます。

 また、真ん中ですが、これは復興特別会計のほうの予備費が4,000億ございまして、今回被災3県に限った措置について1,200億円の予備費を使用するというものでございます。

 以上でございます。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。

 それでは、今、予備費の活用についてご意見、ご質問等あればお願いします。では、角さん。

〔 角委員 〕 今回、海上保安庁の装備の緊急整備ということを入れていただいていまして、非常にありがたいと思います。

 マスコミの方にもお願いしたいのですけれども、日本の海保が守っている海域というのは447万平方キロメートルで、韓国の約10倍、中国の約5倍あるわけです。もちろん、韓国は北と南の関係があると思いますけれども、人数で言うと、韓国が約1万人です。それに対して日本は1万2,700人ぐらいですね。ですから、非常に手薄な状況にあります。1,000トン級以上の大型船につきましても、今49隻で、これを概算要求で1つ増やしていただく方向で検討していただいていて、さらにこの緊急整備ということで非常にありがたいのですけれども、近隣国との差がかなり大きくて、中国の国家海洋局、ここが今30隻です。漁業局が10隻です。近々にその40隻を65隻に増やすという方針が出ていますので、まだまだ残念ながら日本の装備は手薄であります。それに増して、原発のテロ対策という新たな任務も加わっています。ですから、社会保障費を削ってでも国防費を増やせればいいのですが、そういうことはできないわけですから、少なくとも今日的に非常に緊張が高まっている海保の予算は1,780億円ですから、これを2割増やしたところで300億円程度のことですので、国防予算は増やせないまでも、海保の装備をきちっとするということを言っていただくと、かなり効果が高いのではないかと思います。

〔 田近分科会長代理 〕 ほかにご意見。では、早川さん。

〔 早川委員 〕 今、角さんがおっしゃったのはまさにそのとおりだと思うんですよね。前回、防衛費について審議がありましたけれども、海保の予算についても余り時間がとられるのは困るんですけれども、一度どこかで少し時間をいただいて、整理をしていただいて、ご説明をしていただく。それについて若干の議論をするというようなことがあってもいいのではないかと思うんですけれども。

〔 田近分科会長代理 〕 海保は内閣の。

〔 可部総務課長 〕 国交省になりますので、また、ちょっとご相談させていただければと存じます。

〔 田近分科会長代理 〕 では、次回以降のテーマになるので、どの程度というようなことは引き取らせていただいて、では海保についてはここで改めて予算を紹介するということにします。倉重さん。

〔 倉重委員 〕 予備費で経済対策をするということなんですけれども、我々がこれまで知っているのは、補正予算を組んで、ちゃんと歳入もつけて、そこで大がかりな、結構大きな規模の経済対策をするというのが過去の事例で、それがまた全体の当初予算を膨らませる大きな要因になったと思うんですけれども、今回のようなこういう予備費の範囲内で、当初予算の範囲内で、できるだけ知恵を合わせて経済対策をするということは、これから先の経済対策のあり方としては、予算を抑制するという意味では非常に重要なことだと思うんです。過去にどの程度そういうことがあったのか、どの程度の効果があったのか、簡潔で結構ですけれども、もしわかれば教えてほしいのと、今回のこれについてもフォローアップして、何がどう効いたのか検証してもらいたいというふうにお願いします。

〔 田近分科会長代理 〕 では、可部さん、予備費を使って経済対策をやってきたことというのは。

〔 可部総務課長 〕 最近では、平成22年になりますけれども、菅内閣の当時にステップ1、2、3という形で、まず経済予備費を使用して、当時、9,200億円の残額があったものですから、それを経済対策の第1弾として行い、続いて秋の臨時国会で補正予算を成立させ、ステップ3として23年度当初予算を行ったという形で、切れ目ない経済対策をやったケースがございます。自民党・公明党政権下でも、公共事業等予備費というような形で一般予備費とは別の予備費を用意して対策を講じたことがございます。ご指摘のとおり、切れ目のない対策として必要なときに打てる一つの重要なツールだと思いますので、今回決定させていただいた予備費が従前の効果を発揮するようにしてまいりたいと思いますし、その効果もフォローしてまいりたいと思います。

〔 倉重委員 〕 ありがとうございます。

〔 板垣委員 〕 東日本大震災復興特別会計の予備費なんですが、3県に限ったということをおっしゃったと思うんですけれども、実態的には茨城、それから千葉も含めてそれなりの被害を受けている中で、その辺の手当てはどうなっているのかということを、もしご説明できるならお願いします。

〔 田近分科会長代理 〕 お願いします。

〔 可部総務課長 〕 今回は復興関係で追加的に必要になったものは2項目、1つがグループ補助金、もう一つが福島立地補助金、この2項目でございます。ご指摘のとおり、被災をいたしましたのは特定地域という形でもっと広い範囲ございます。従来、既にそうした地域も含めたグループ補助金等は計上されておりますけれども、今回追加するに当たりましては、国会等でも相当程度被災地に本当に必要なものをという声が強うございましたので、それも踏まえまして、特定地域、集中しております被災3県に対してグループ補助金の積み増しを行ったと。経済産業省の要望に基づいて、そのようにさせていただいたというところでございます。

〔 板垣委員 〕 つまり、既に十分手当てはしていると、そういうことですか。

〔 神田主計官 〕 恐縮でございます。経産担当の主計官の神田でございます。今、可部総務課長から申し上げたとおりなんですが、基本的な考え方は3・11という特殊な災害に対応して特別な4分の3という高率補助をしているグループ補助金ですので、単に被災しただけではだめだというので、公平な基準として特定被災区域、災害救助法などのときに、どういうところで支援をするかというのを内閣の防災部局のところでいろいろな統計を使って整理しているものがございまして、そこに当たっているものを入り口にして仕切っております。基本的には被災3県なんですけれども、今おっしゃった茨城と千葉につきましては、まだ具体的な当てはめは、これから経産省のほうで公募をして、そして採択していくわけですけれども、茨城、千葉の中で特定被災区域に当たっているところが応募してきた場合に広がれる可能性はございます。

〔 田近分科会長代理 〕 まだあると思いますけれども、きょうは、先ほど申し上げたように3つのテーマをこなしたいと思うので、先に進ませていただきます。

 そういうわけで、最後がまた復興予算ですから、最後まで十分エネルギーを残して、きょうは議論に加わってください。

 それでは、最初のテーマである地方財政について、青木主計官より説明をお願いします。

〔 青木主計官 〕 総務省と地方財政の担当をしております青木でございます。どうぞよろしくお願いいたします。座ってご説明をさせていただきます。

 早速、まず2ページ目をごらんいただけますでしょうか。地方交付税の簡単な仕組みでございますが、最初の囲いの中にありますように地方交付税というのは地方団体の財政力の格差の調整、要は全国津々浦々税収に相当差がある中を交付税を交付することによってならしていくという機能と、地方団体に対する財源保障、要は各団体でやられる標準的な歳出を国が財源まで含めて保障するという2つの機能を持っておると通常言われております。

 絵でございますが、24年度17.5兆円、総額で各団体に交付させていただいておりますが、その財源といたしましては、マル1で法定率、ここに書いております国税5税のおおむね3割が法律で交付税に充てられるということになっておりますので、ここは自動的に行く部分でございます。一方、17.5兆円との差を見ますと、大体7兆円ぐらいあるんですが、ここは毎年毎年いろいろな対策を講じて、地方財政対策ということで加算をさせていただいています。その財源というのは、基本的に赤字国債、国の借金によって賄われている、こういう構図だけ、まず頭の中に入れておいていただいた上で、25年度の要求でございますが、3ページ目をごらんください。

 一番右側に地方財政計画というのがございます。これはオール地方、地方全体の標準的な歳出と歳入を見積もりまして、積み上げたものについて総務省のほうで仮試算をしていただいて、その要求でございます。出口ベース、要は地方に実際にお配りする、交付する交付税の額としましては、この括弧書きにある17.5兆円、24年度に比べて来年度は17.2兆円ということで約0.3兆円のマイナスの要求が出ております。ただ、交付税特会というのが真ん中にあるんですけれども、通常、ここの中で前年度からの繰越金とかを足して実際に交付するわけですが、ここが去年に比べて約0.6兆円ほど前年度からの繰越金等が減るものですから、結果的に一般会計から交付税特会に繰り入れる額としましては16.8兆円、去年より約0.3兆円増でございます。この16.8兆円が71兆円の予算全体のフレームの中に入ってまいりますので、予算編成をしていく上で、ここをいかに抑制していくのかというのが課題になろうかと思います。

 続きまして、過去数年間の交付税の推移でございます。4ページ目をごらんいただけますでしょうか。

 これは、絵を見ていただきますと一目瞭然、平成19年度が底になっておりますが、そこから出口ベース、青い折れ線グラフですが、こちらのほうは毎年増加しております。特に、21年度、22年度といったところが大幅な増加をしている年でございます。

 こういう中で、実際こういう交付税をふやしてきている中で、どういうことが地方において今起こっているかというのを分析しましたが、1ページ飛ばしていただきまして、6ページ目と7ページ目でございます。

 6ページ目に、先ほど見ていただいた交付税の伸びているグラフ、赤い折れ線グラフとともに青い棒グラフがございます。こちらのほうで、例えば22年度、前年度に比べまして交付税は1兆円強増額したわけですが、この青いグラフは地方全体、オール地方の単年度の実質収支でございます。要は、歳出と歳入を比べてどれぐらい黒字だったか、また赤字だったかという数字でございますが、これが1兆円ほど実質黒字が積み上がっている状況でございます。

 それが、では最後どうなっているかというのが7ページ目でございまして、7ページ目の左上、これは都道府県と市町村、合わせた数字なんですが、財政調整基金とか減債基金といったものを各団体さんでお持ちになっておられます。これは将来いろんな、景気が悪くなって税収減が来たりとかいうことに備えるような基金であったり、それから借金を通常よりも早いペースで返していこうといったことで積み立てる基金でございますが、これが、22年度で見ますとオール地方、不交付団体、東京などを除いた数字が緑色のグラフですけれども、大体1兆円近く積み上がっていると。要は、構図としては7ページ目の右上の2つ目の矢印ですが、要は国が借金をしながら交付税を増額している中で、それを受け取っている地方団体は黒字になり、将来に備える貯金をふやしているという状況、こういう状況の中での交付税の総額をどういうふうに考えていくのかというのが、今年の予算編成の課題だと思います。

 最後の矢印でありますように、一方で、こういうふうにふやしている状況が続きますと、お金があるということで、まさに地方の歳出増加をもたらして削減努力というのが妨げられてしまうという結果にもなるのではないかと思います。

 続きまして、8ページ目、話題が変わりますけれども、こちらは先ほど最初のページで申し上げました交付税の財源になっている国税5税の法定率の話でございます。法定率については、いろいろ地方のほうからもご意見はあるんですけれども、今の国と地方の歳出と歳入、特に税財源の配分の比率を見ますと、歳出は国と地方で大体6対4で行われておると。一方で、税財源のほうも地方税にこの地方交付税の法定率や譲与税を足した、このレベルで考えますと、大体6対4とバランスしておるという状況でございます。

 続きまして、先ほど交付税をここ数年ふやしてきておるということでご説明申し上げましたが、それがどういうふうな形で実際ルール上なっておるかというのが9ページでございます。

 まず、先ほども申し上げましたが、地方財政計画ということで、国が財源を保障する対象としてふさわしい歳出の標準的なものをそれぞれ積み上げてまいりまして、一方で歳入を積み上げてまいりまして、歳出歳入ギャップはここで言いますと21.3兆円、こちらが出てまいります。これを交付税の法定率と、それを超える部分については、基本的に、最後、最終的なギャップと書いてありますけれども、その7.7兆円を半々で、折半でそれぞれ国の特例加算、それから地方は地方で借金をしていただく、臨時財政対策債、これによって最後賄う、これで財源が保障されているという絵になるわけなんですが、この中で、ちょっと特別な扱いが幾つかございます。

 まず、歳出のほうの中身を見ていただきますと、下から3つ目、歳出特別枠1.5兆円というのがございます。こちらのほうは平成20年度からスタートしているんですけれども、だんだん額がふえてまいりまして、今1.5兆円、地域の活性化とか雇用対策とか、そういう理屈のもとに特別な枠として積み増しているものでございまして、実はほかの、例えば給与関係費とか一般行政経費などに比べますと、要は実需がこの裏にないという意味で、ある意味例外的な扱いでございます。そして、そうやって出てきた歳出歳入ギャップ21.3兆円を埋める方策として、先ほど交付税の法定率を超える部分は最後は折半で国と地方で見ますと申し上げましたが、その中で別枠加算1.1兆円というのが青い丸で囲んであるところがあるんですけれども、こういった形で、これはある意味折半ルールの例外的な取り扱いとして国が全額見る特別な加算をさせていただいています。これは平成21年度から1.0兆円で始まっていますが、その後浮き沈みはありますが、今も1.1兆円要求として出てきております。こういう特別な、ルールを飛び越えた政策的な地方交付税の増額というのが、ここの囲いの最後の矢印ですけれども、地方が取り組んでいる自主的な歳出削減努力を妨げるおそれもあるのではないかという問題意識で、こういう資料を出させていただいております。

 次のページ、10ページは、まとめてご説明させていただきましたので、割愛させていただきます。

 11ページでございます。11ページは、またこれはちょっと毛色が変わりまして、国は国で今71兆円の歳出の大枠をかけて、それを守るべく、いろいろな努力をしているわけですが、地方にも似たような同趣旨のルールがございます。これは中期財政フレームにおいて一般財源総額について、前年度地方財政計画の水準を下回らないように、実質的に同水準を確保するという規定がございます。これは、ある意味、財源をきちんと確保するという意味で、最初の矢印にありますように、地方の安定的な財政運営に必要な財源をちゃんと確保するという意味もございますし、また、逆に、裏から言えば、この財源の裏には当然歳出があるわけで、この歳出自体も前年度と実質同水準、つまり安易にふやさないようにきちんと抑制をするという意味もございまして、そういう意味では非常に大事なルールでございます。その今年度の要求でございますが、それが12ページにございます。

 12ページにございますのは、柿色のところにありますけれども、前年度でプラス0.6兆円という形で、ある意味、同水準とはなかなか言いがたい要求が出てきております。これをどうしていくのか。結局、それはこの裏にある地方歳出をしっかり中身を精査して、要は財源保障の対象になるものをしっかり見ていって、歳出自体を抑制することによって、裏側の歳入のほうも制御していく、そういうことかと思います。

 それから、13ページでございます。これは、ちょっとまた全然話が変わりますが、消費税の引き上げ、今回、一体改革で決まりましたけれども、プラス5%のうち1.54%部分は地方の社会保障の財源になるということでございます。したがって、消費税率が上がるんだから、国は当然みずから行革に取り組むべしというご意見をよくいただきますが、それは地方でも同様のことで、その点につきまして、右の下のほうにありますが、岡田副総理のもとに行政改革に関する懇談会、稲盛座長のもとでやっておられるのがあるんですが、そちらのほうが8月に出された報告にも、太字になっていますが、最後、国における取り組みを参考に、定員や給与水準に関してさらなる行革の実行が必要というご意見をいただいております。

 以上が全体の交付税の総額をいかに抑制していくのかというお話の総論の部分でございました。

 続きまして、15ページからは個別具体の具体論でございます。若干細かい話があるので、スピードをちょっと速めながらご説明をさせていただきます。

 まず最初に、15ページ目でございますが、給与関係費ということで、先ほどもちょっとあったんですが、地方財政計画、全体で80兆円強ある中で20兆円ぐらいが人件費でございます。その中には退職手当などもあるんですけれども、通常の給与が一番大きい枠としてございます。

 そちらにつきまして、ここで図で書いてありますが、ラスパイレス指数という指数がございます。これは国の給与水準を100とした場合に、それぞれの団体さんで指数化して、どれぐらいの水準があるのかと。100より高ければ、国よりも給与水準が高いということになるんですけれども、その指数を各団体ごとに出すんですけれども、それを全国平均したもののグラフでございます。ずっと地方でも相当人件費の抑制に努めてこられて、ずっと下げてこられて、最近では大体99ぐらいで国ととんとんの数字に、23年度までなっております。ただ、24年度、国家公務員の給与の削減が平均で7.8%ございまして、こちらのほうを加味してまいりますと、要は国が下がった分、地方公務員の給与が相対的に上がりますので、計算的には106.9ということで、国に比べて7%近く高い水準になります。これはまだ、正式な試算が総務省さんのほうで出されるんですけれども、まだ出ておりませんで、私どものほうで数字をいただいて試算したものでございます。

 右側は、それを各団体ごとで数であらわした、比率であらわしたものですが、100を超えるような団体というのは、実は23年度で言いますと全体の16.8%まで減ってきておったんですが、先ほど申し上げましたような給与特例法の関係で見ますと、85%近い団体が100を超えるような水準でございます。これで、結局、給与関係費も、まさに国が財源保障をする標準的な歳出としてカウントしますので、この給与水準を、どう考えて国が財源保障すべき範囲とするのかと。どこまで国が財源保障するのかというのが今年の予算編成において、恐らく課題になろうかと思います。

 続きまして、16ページからはさらにミクロな話でございますが、個々いろいろ、ちょっと問題ではないかというようなものがございまして、例えば16ページは技能労務職員ということで、上から行くと、清掃の関係とか調理員さんとか用務員さんとか運転手さんとか、そういった方々が民間の同種の業種の給与に比べて高いとか、それから17ページは持ち家手当ということで、自宅を持っていらっしゃる方に住居手当が出る。これは、国でも実は前あったんですけれども、廃止をされております。ただ、地方ではまだ廃止されていない団体がそれなりにあると。

 それから、18ページは非常勤の行政委員ということで、例えば教育委員会とか選挙管理委員会とか、真ん中に表がありますけれども、こういったところの委員長さんとか委員さんという方は、非常勤ですので、月に平均しますと3日とか、それぐらい働いておられるんですけれども、報酬の形が月額で出たりしているものですから、これも地方自治法の本則に基づいて、やはり原則として日額で支給していただいたほうがよろしいのではないかということで、こういう例を挙げさせていただきます。

 以上のようなことが基本的に全部地方財政計画の給与関係費に入っていますので、財源保障を国がしているということで、こういったものが適当なのかどうかという観点からの資料でございます。

 それから、19ページでございます。これは、一般行政経費の単独事業ということで、例えばここで書いていますけれども、地方団体の内部管理費とか社会福祉、中小企業、私学助成などいろいろあるんですけれども、こういったものについて、各団体さんで、例えば囲みで書いてありますけれども、中学校、高校卒業まで医療費が無料になるように助成されてあったり、国の制度の上乗せ措置、横出し措置をいろいろされています。結果、国が標準的なもので歳出で見ておる水準、地方財政計画の水準よりも、本来決算で出てくる、そういうもろもろ、込み込みの数字というのは大きくなるはずなんですけれども、最近それがほとんど変わらなくなってきている。逆に言うと、そういった上乗せ措置まで財源保障の対象になっているのではないかというような問題意識でございます。

 それから、20ページは先ほどもご説明した歳出特別枠でございまして、20年度からこういう形で出ております。

 21ページでございます。これは、公営企業、自治体さんのほうで、それぞれいろいろな、下水道とか病院とか、ここで書いてあるような公営企業をされていますが、赤で出ていますように下水道とか病院というのは相当大きな赤字を出しておられて、それを地方の一般会計から赤字を補てんする形で歳出が出ております。それも、実は地方財政計画上で国が財源保障する対象になっておりまして、ここもしっかり合理化を図っていただいて、なるべく赤字を減らしていただきたいという趣旨でございます。

 22ページ、特に下水道と23ページ、病院について資料を出させていただいていますが、22ページの下水道でございますが、下水道の場合は雨水と、それから汚水という、この両方の処理があるわけなんですが、雨水については、さすがに料金収入で取るというわけにもなかなか難しいものですから、ここに税金が入っておると。ただ、その比率が、実際、地方財政計画でやっている比率とか、実際の本当に繰出金で出されている比率を見てみますと、工事費の比率に対して雨水のほうが非常に多い。これは、結局、逆に言うと、汚水のほうの料金をきちんと取れていないんじゃないかという指摘でございます。

 それから、公営企業の繰出金で、もう一つ、病院がございます。これは、簡単に申しますと、要は民間の同種の病院に比べて人件費が高いという問題、それは逆に言うと、財源保障されて赤字補てんされるという前提があるからこそ合理化が余り進んでいないのではないか。そこまで言うと言い過ぎかもしれませんけれども、そういうおそれがあるのではないかという観点から、こういう資料を出させていただいています。

 24ページ、この項の最後になりますが、これはその他の項目で計画と実績でいろいろ差がございます。これによって財源不足が過大に見積もられている可能性があるというものでございます。

 26ページから最後に、もう簡単に、今後、中長期的な課題でございます。

 26ページは、通常私どもがワニの絵、ワニの絵と言っている、あの絵を国と地方で分けてかいてみたものでございます。特に、国は交付税の部分で地方に移転している部分は税財源から落としてかいてみたものです。青が地方、赤が国でございます。地方のほうは、最近、投資的経費、要は公共事業などを減らしておる関係で、歳出は減ってきております。一方で、税財源、特に地方税も最近伸びていますけれども、交付税もしっかり確保されているということで、堅調に推移して、ワニの口が閉じる方向に行っている。逆に、国のほうは高齢化が進む中で社会保障の経費がどんどんふえていく一方、税財源のほうもなかなか厳しい状況で開いていく。したがって、今後は国も地方もあわせて歳出削減していく中で、国の歳出も抑え、国の税財源の観点から言えば、地方の財政が健全化して、交付税がしっかり減っていけば、赤いほうの下のほうが少し上のほうに向くんじゃないかと、そういう趣旨でございます。

 あとは、課税自主権が引き続き、いろいろ努力はされているんだとは思いますが、地方税収の割合が1%から2%程度で引き続き低位でありますということです。

 それから、28ページから最後にかけては、財政力の格差について問題提起をさせていただきたいと思いまして、書かせていただきました。

 先ほど、最初に説明しましたように地方交付税の役割は財政力格差を是正するという機能がございますが、そういうことがどうして起こってしまうかというと、地方税に偏在があるということでございます。28ページの一番左を見てみますと、地方税全体の計で、地方全体の平均を100にしたときの各県の1人当たりの税収の指数化したものを並べたものですが、東京が165に比べて沖縄県は64.8ということで、相当格差がございます。これをまさにある意味埋めるために、譲与税とか交付税といったものを、どちらかというと指数の低い団体にたくさん配分して全体の調整を図っているということでございますが、仮にこれがもう少し偏在性が低いような税制を地方税の中で実現できれば、そういう必要性も少なくなっていって、交付税による調整を小さくできるという観点もございますので、本来税の話かもしれませんけれども、そういう問題提起でございます。その中で、特に地方法人二税ということで法人事業税と法人住民税の偏在度合いが高いんですけれども、こちらにつきましては、30ページにございますように地方法人特別税といった形で、ある部分、国で取って、人口、それから従業員数で分けるというような、いろいろ工夫をされた制度が地方税の中でもございます。これに限らないんですけれども、こういったいろいろな工夫が地方税の世界で行われていくことが、まさに財政力の格差を是正する意味で、オール地方のためにもなると思いますし、国家財政にも寄与するのではないかという趣旨での問題提起でございます。

 最後、32ページは、これまでのというか、去年の財政制度等審議会財政制度分科会のご提言を参考までにつけさせていただいております。

 以上でございます。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。今、手際よく地方財政について資料2、説明がありました。

 これについて、これからご意見、ご質問等を受けますけれども、一言、地方財政、なかなか、さっと見てわかりにくいところもあるので、ご面倒ですけれども、9ページをお開きいただいて、別枠加算と書いてありますけれども、全体の考え方は、これはしっかり共通理解をしておくべきだと思ってしゃべっているんですけれども、平成24年の地方財政計画、これはもう都道府県、市町村全部合わせたもの、オール地方、その積み上げた歳出が81.9、歳入のほうが下からずっと税金とか地方債でファイナンス、その足りない部分をどうするかというのが、きょうの議論になっているわけです。差額21.3兆円のうち、法定率とおっしゃっていましたけれども、所得税、酒税、法人税、消費税のところの一定割合が、ここで書いてある10.6兆円来ると。さらに、ここで、きょうの問題は、交付税の左の赤いところですけれども、法定加算に加えて別枠加算、これで1.2兆円交付税の背丈が伸びているということが1点。

 背丈が伸びて、その後で足りない部分は国と地方で折半しましょうと。赤で書いてある一般会計特例加算というのは赤字国債で発行しましょうと。臨時財政対策費のほうは地方のほうが赤字地方債を発行する。それが論点の1。

 それから、左側の2つの歳出のところの歳出特別枠1.5兆円で、歳出の背の高さを伸ばしている。背の高さを伸ばすから、交付税がふえてしまうわけです。だから、ここの議論は国がどのように地方の財政に関与するかということで、交付税の背の高さが議論になっているということです。

 それから、もう一点、青木主計官が強調されていたのは、したがって、人件費、今のページをごらんになっていただいていいんですけれども、給与関係費21.0兆円と書いてあるけれども、その中身はいかがなものかと。なぜこの場で地方の給与について議論するかというと、翻ってそれが交付税に反映するからだと。そうすると、実は足元、国家公務員のほうは震災関連の特別措置でカットされた。地方がカットされていないために、相対的に給与が上がってしまった。上がると、その部分が交付税に反映されているじゃないか、そういうのをどう考えましょうかというのが、私が聞いた限り主計官の問題意識で、つまり我々は地方の全部にストラグルしてやるというわけでは必ずしもなくて、それに国がどう関与していくか、そういうポイントで議論されていたと思います。

 では、赤井さん。

〔 赤井委員 〕 簡単に。大阪大学の赤井です。地方財政のほうを研究していますので、その観点から3つほど述べたいんですけれども、今、確かに先生におっしゃっていただいたように、ポイントは9ページにあるマクロの額を見て交付税をどう考えるのかということなんですけれども、こちらの全体の話は多分たくさん出ると思うので、それ以外のところで。

 まず、地方財政というのは自治が基本だというふうに言われているので、国と地方が分離しているように思える一方で、お金が足りないということで交付税を国から配っており、地方は国からの交付税で運営されているわけですから、そこはちょっと難しいんですけれども、だからこそ融合型という形で考えざるを得ない。国と地方は別と言いながらも、やはり国の政策というのは地方に反映されていくということになります。その観点から言うと、多分皆さんもおっしゃると思うんですけれども、15ページ、給与関係経費が、国で7.8%下がることでラスパイレス指数が大きく地方が高くなってしまうと。参考資料の29ページ、30ページあたりにも細かい比較の資料があるんですけれども、ここのところをどう考えるのかというところがやはり一番重要なのかなというふうに思います。

 こういう数字を見せられて、地方自治と言いながらも、やはり地方もこれに対してどう対応していくのか、国民に対する説明責任がすごく重要になっているのかなというふうに思います。地域間で当然ばらつきがあって、本当に給与もカットして財政が大変なところもあるわけですけれども、一方で豊かな余裕があるところも、国に比べてですけれども、あるわけですから、そこのところをきちっと考えていく。マクロでは厳しく見て、地域間の地方財政の中でそこのバランス調整をしていただくみたいなものがあるかなと。それが1つ目です。

 2つ目は、地域間格差のところなんですけれども、30ページに、これも細かい話になるんですが、地方法人特別税というのがありまして、これは一種の、要するに法人の一部を国のほうに集めて、地方の大変なところにお金を回して、いわゆる地域間の格差を埋めようという制度なんですけれども、ここのところをやはり今後はうまく活用して、国のほうも財政が非常に厳しいですから、地方の中で地域間格差というのを調整していただいて、その中で地方全体のあり方を考えていただく。つまり、国全体の負担と、地方もここのところをうまく調整することで地方自体の借金というのも減らすことができるわけですから、将来負担の軽減に努めるべきであろうと。

 3番目には、もっと将来的な話になるんですけれども、やはり国と地方でこういう問題が出てくるのは、ここで見ました地方財政計画という制度で運営しているというところが根本原因ですから、以前の仕分けでも議論されたんですけれども、地方財政計画ということで、いわゆるギャップを埋めていくというような制度が本当にいいのか、そこのところを将来的に抜本的に変えて、国と地方がある程度機能分離すれば、こういうような議論もなくなっていくんだろうということで、3点。

 以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 2点目の地方法人特別税は、もっと活用する余地があるという趣旨ですか。

〔 赤井委員 〕 地方の中で格差を埋めていって、財政が厳しいですから、そういう意味では、活用すれば国も地方も将来負担を減らすことができるでしょうということです。

〔 田近分科会長代理 〕 はい。どうぞ、秋山さん、井堀さん、それから岡本さん。

〔 秋山委員 〕 私は、今回、財政審に初めて参加をさせていただくということで、極めてシンプルな国民目線から、今回のご説明を受けて、まず感じたことを申し上げますと、財源保障という仕組みは理解できます。ただ、それが現在、借金で賄われているという条件のもとで、各論でご説明いただいたように幾つかの、例えば市バスの運転手さんと民間のバス会社さんの運転手さんのお給料が倍ほど違うという問題だったり、あるいは少し前時代的かなと思われるようないろんな手当がいまだに支給されているというような問題、この問題がなぜ解決できないのかということに、シンプルな疑問を感じます。

 1つは、今、国の財政が借金に依存しているという前提で、仕組みとして財源保障機能を見直すべきなのであれば、そういう議論をぜひさせていただきたいと思いますし、ここについてはそう簡単にはなかなかメスが入れられないということであれば、各論で明らかにこれはおかしいのではないかということについては、やめなさい、やめるべきだという提言をぜひさせていただきたいと思います。ただ、どちらに切り込んでいいのかということについて、私自身は知見を持ち合わせておりませんので、ぜひアドバイスをちょうだいしたいと思います。

〔 田近分科会長代理 〕 秋山さんの議論は、委員の中でもクロスしながら議論していただいて、後、もちろん青木さんのほうはノートをとっていただいて。では、井堀さん、岡本さん。

〔 井堀委員 〕 15ページの地方公務員の人件費の件なんです。確かに24年度は上がっているんですが、ご存じのように国は震災関連で特別にカットしているわけですよね。だから、地方から言うと、特別にカットしているのと比較するのはどうかなという議論が当然あり得て、地方が例えば給与の引き下げ以外の形で被災地にいろいろな形で人を出したり援助したりということもあるので、これと比較してどうだと言われると、なかなか難しい面もあると思います。ただ、問題は、やはり地方公務員の人件費の比較が国の公務員との人件費の比較でいいのかどうかというのが私は疑問に思っています。要するに地域限定の公務員ですから、その地域の民間の平均的な給与と比較するのが筋であって、16ページ、現業公務員、技能公務員は出ているんですけれども、一般の地方公務員の給与がその地域の民間の給与と比べてどのぐらい格差があるのか、そこを見るべきだと思うんです。

 国家公務員の場合は全国レベルの民間の企業との比較で人事院が人件費の勧告を出していますけれども、地方が国との並びで給与水準を決まること自体がそもそも無理があると思います。地域間で民間の給与というのは相当違いますから。地方のほうに行けば行くほど、当然民間の給与は低いですし、それから物価水準とか、いろんな形のコストも当然低いわけですから、そのあたりをきちんと反映するようなやつで比較すると、むしろ国との比較以上に地方公務員の給料をもっと下げるということに関して、より積極的な議論が出てくるはずで、そちらを強調すべきではないかと思います。国の場合は、あくまでもこれは政策的な対応ですから、2年たてばもとに戻るので。戻るかどうかは別の話でありますけれども、国家公務員の給与水準自体もまだ高いかもしれません。地方は国と比較するのは確かに一理はあるんですが、より重要なのは民間給与との比較で、その意味で下げる余地は大いにあると思います。

 以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 非常に重要な点なので、青木さん、参考資料がありますよね。

〔 青木主計官 〕 参考資料ということで、もう一つついている「地方財政関係」という、こちらの24ページと25ページを開いていただけますでしょうか。こちらのほうに地方公務員の、県ごとでございますが、県ごとの、これは指数というよりも、むしろ平均給与の月額そのものなんですけれども、こちらのほうと、その地域の民間企業の給与の平均値を比べてみたものです。今、井堀先生からご指摘のあったような結果になっていると思います。

 それと、1点だけ。確かに、国の給与カットというのは復興財源に充てられるということで、そういう趣旨でそもそも法律もできています。他方で、それに応じて、今、独立行政法人とか国立大学法人とか、国立大学の先生なんかも給与が下がることになるのかと思いますけれども、そういったものもこれからそれを復興財源に充てていくのかどうか、まだ決まっているわけではないと思いますけれども、そういった議論もありますし、仮に地方がこういうことをやっていったときに、それをどうするのかみたいな議論は当然あろうかと思います。

〔 田近分科会長代理 〕 きょうのさわりの部分を今議論しているような気がするんですけれども、そういう意味で、ラスパイレスというのは国と地方の公務員の地域比較ですよね。じゃなくて、井堀さんのおっしゃった点、井堀さん、よろしいですよね、24ページ、よりというか、非常に鮮明に出ていると。秋山さんのご指摘に対しては、いわゆる現業部門だけでなくて民間まで広げると、こういうふうになっているということです。こっちのサイドで、岡本さん。

〔 岡本委員 〕 私からは、プロパガンダのあり方と、地方自治体のコスト意識ということについてお話をしたいと思います。

 プロパガンダということなんですけれども、私はここに出席をさせてもらって、いろんな資料を見ると、物すごく勉強するというか、実態はこうだったのかというのが物すごく多いんです。だけれども、これを本当に国民のレベルでどのくらいわかっているのかと思うんですよ。例えば、前々回にODAの予算がありました。そのころの雑誌が出て、日本は5位に落ちたということだったね。だけれども、ここで聞いたら、ネットは5位だけれども、グロスは2位だったと。何で2位のほうを強く言わないのか。あるいは、これだけの赤字国家が2位を維持しているよということを何で言わないのか。そういうふうなことをきっちりと言わない。そのときにもあったんですけれども、JICAにはホームヘルパーで出していると。そんな問題じゃないんじゃないかということで、もっともっとこれは示していかないといかん。

 それから、今回の、ここにもありましたけれども、消費税の中で地方が受けるのが1.54%、これは3割以上ですよね。こういうことも、よく知っている人は知っているでしょうけれども、知らない人はほとんど知らないというふうに私は思うんですよね。ですから、プロパガンダと言いましたけれども、きょうの新聞を読みますと、例の地方公務員のあれが出ていましたから、あれなんかはかなりありますけれども、それでもインパクトが弱いというふうに思うんですよ。やはりこういうふうな議論が進んでいるときには、それこそ毎日毎日キャンペーンを張るような感じで、一体これはどうやっているのかというのを国民のレベルでぜひ徹底してほしいというふうに思います。

 私もここで勉強して、いろんなところでしゃべるんですけれども、これでしゃべると財務省の回し者だと、言葉は悪いですけれども、そんなふうな受けとめ方をされるんですよ。私は、やはり国民のレベルで理解すれば、それによって政治が動くと思います。それがないと政治は動かない。これが1点です。

 それから、もう一つ、地方自治体の意識ですけれども、私は地方の分権とか、あるいは道州制とか、この大きな流れが議論に乗っていますけれども、これについては基本的に賛成です。賛成ですけれども、このまま移行したらどんなことになっちゃうのかというふうに思うんです。やはりそれ以前に地方自治体が努力しなければならないというところは幾らでもあるというふうに思います。

 先ほど皆さんの話もありましたけれども、15ページとか16ページとか、こんな数字を見ると、それこそ企業から見たら何やっているんだというような感じなんですよね。だから、これはもうぜひともこういうところはとことんメスを入れてほしい。一つ一つ細かくは言いませんけれども、これは絶対メスを入れないといかんということと、それをやったとしても、例の地方交付税交付金のシステムといいますか、制度に問題がある。これはここでも指摘をみんなしていますし、それから仕分けの中でもそのような、これは検討すべきだと決定がされているわけであるにもかかわらず、今に至ってもほとんどされていない。だから、ここで歳出特別枠の1.5兆円とか別枠加算の1.1兆円、これにメスを入れるということは大賛成ですけれども、これは単年度ぐらいの話で終わって、結局その後、また支出がどんどん出てきて、それを地方交付税交付金で受けるということになれば、何のことはない、本当に努力というものが水の泡ということになってしまうので、やはり地方交付税交付金についてもあわせて本当に大きなテーマとして議論していただきたい、こんなふうに思います。

〔 田近分科会長代理 〕 わかりました。プロパガンダという懐かしい言葉が出てきましたけれども、今風に言えばパブリック・ソーシャル・レスポンシビリティーなのかと思いますけれども、引き続き、渡辺さん、早川さんもどんどん発言なさってください。

〔 渡辺委員 〕 渡辺でございます。私も秋山さんと一緒で、初めて参加をいたしましたので、率直な疑問を企業経営という立場から3つ申し上げたいと思います。

 1つは、地方交付税というのは地方の赤字を補てんする仕組みだなと。これは地方自身が歳出というか、事業そのもののきっちりとした評価をして、それも国が評価をして、見直せるようなチェック機能がきちんと働いているんだろうかと。つまり、地方が財政を健全化していく意識がどの程度あるかということをきちんと国が評価しなくてはいけない。その評価システムが十分できているかどうかというのが1点。

 それから、2つ目は、医療や生活保護というのを見ますと、地方が実務を担っているケースが大変多いと思います。にもかかわらず、財政の責任が、例えば医療は国と地方で2対1と聞いております。それから、生活保護については3対1というふうに聞いておりますけれども、逆に地方にもっと責任を持たせてやっていくという方法はないものかというふうに思います。

 この2つ目の1点と2点は、我々の企業ですと本社機能と世界各国に私ども27カ国に52の事業所を持っているんですが、本社がやるべきことと地方がやるべきことと一緒になってやるべきこと、この3つしかないわけですから、その事業所の力に応じて本社がカバーしてやること、地域に任せていくこと、一緒にやっていくことというのを考えるわけです。それで、地方に自立化計画というのを出させて、品質はいいか、原価はいいか、技術開発はいいか、販売はいいか、サービスはいいかという全機能についてきちんと評価をして、あなたの会社は我々から見ると、5点法でいくと開発は3点ですよ、生産は4点ですよと、こういう評価をしていって、それを5点にするためにはどうしてやりますかということをお互いに話し合って、握って仕事をしていく、こういう仕事をしているわけです。そういうやり方をもう少しきっちりとして、国でやるべきことと地方でやるべきことを、岡本さんもおっしゃっていましたけれども、きちんと評価をして、任せられるものはどんどん任せていく。人材も含めて心配なところは、こちらからちゃんと見てやるというような役割分担もうまく決めてやっていくことが地方の独立性を促すし、自立性を促すし、力がついてくる。こういうサイクルを上手に回していく必要があるのではないか、こういうふうに思います。

 3つ目、これは人件費についてなんですが、これは人件費が高い安いの議論も大事だと思いますが、その人件費のベースとなっている仕事に対して、どれだけの人工をかけるか、我々で言うと工数と言うんですけれども、どれだけの時間を割いたらできるのかという仕事の標準というのがあると思います。その仕事に対して、どのぐらいの価値を見出して、幾ら出したらいいかということになるわけですから、まず工数、この仕事はどのぐらいの時間をかけて、どのぐらいの人工をかけてやっていくかということをきちんと評価をして、それに見合うような仕事をしているかどうか、その陣容は大丈夫なのか、そのところでパワーレートはどのぐらいが適切かということをきちんと評価した上でやっているのかどうかということが大変重要な評価のシステムだと思います。そういう評価のシステムがこういう中に入っているかどうか、それが大変心配であります。

 我々としては、そういうことをきちんとやって、やはり予算措置をしていくということになります。つまり、仕事のニーズがあって、その仕事に対してどういう人間をどのぐらい割りつけるか、どのぐらいの時間仕事をしてもらうかということをきちんと評価をしてやっていく。これは、地方が評価をしてもいいし、国がそれに対しチェックをしてもいい。あるいは、国から指示をして、こういうふうにやってほしいということもあると思います。それは、先ほど言いました役割分担の中で決まっていくことだと思いますけれども、少なくともそういう評価システムをこの中にどこまで入れているんだろうかというのを非常に疑問に感じましたので、質問と同時に、ぜひそういう方法も入れていってほしいなというふうに思います。

 以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 わかりました。もちろん、きょう全部答えられないでしょうけれども、次回以降、そのような資料も工夫し作るということで、引き続き早川さん、それから中里さん、続けて。

〔 早川委員 〕 私は、もう大変常識的なんですけれども、ここに散々説明してあるとおりに、やはり国の財政事情と地方の財政事情と少しアンバランスだと思うんですよ。そういう意味では、やはり地方の歳出、地方財政計画というのをもっと厳しく絞り込む必要があると思うんです。ここで財務省が挙げていらっしゃること、例えば国家公務員の給与を上回る地方公務員の給与分とか、あるいは持ち家手当、それから非常勤行政職員の月額報酬なんていうやつですね。これは、やはり交付税の対象にするべきではないと思うんですよ。もちろん、それを抑えなさいと言うことはできないと思うんですけれども、それを地方が確保しようと。つまり、国家公務員の人件費を上回る地方公務員の人件費を出そうというのならば、それは地方が独自に財源調達するべきだと思うんです。

 先ほど地方の民間の給与との比較で考えるべきだというお話がありました。民間の給与が高い地域で、それに合わせて地方公務員の給与も高めるということがあってもいいと思うんです。それは、言ってみればその地方の経済がそれなりの担税力があるということだと思うんですよね。その場合には地方がそれなりに財源を調達して、上乗せ分を払えばいいというふうに私は思います。

 そのほか、地方公営企業の繰出金であるとか、一般行政経費の単独経費であるとか、この辺も厳しい洗い直しが必要だろうなというふうに思います。

 それから、大変大きな話で、交付税の別枠加算とか、それから歳出の特別枠というのがありますね。これがもうルールに乗ったことではないというのはよくわかるんですけれども、しかし、実際問題としてこういう形で組み込まれていると、これをそう簡単に減らしたり、なくしたりするのは難しいだろうなと思います。ただし、やはり主計官も中長期的なことをおっしゃいましたけれども、中長期的なことを今から検討を開始するべきだと思うんです。もともと地方交付税というのは基準財政需要というんですか、ナショナルミニマムというんでしょうか、ナショナルミニマムを考えて、それで積み上げて、足りない分を地方交付税でという考え方だと思うんですけれども、そもそもそのナショナルミニマムというのが時代とともに相当に変わってきているのではないかと思うんです。

 したがって、今まで面倒を見てきた金をこれまでどおり国が面倒を見なければいけないのかどうかというようなことがあると思うんです。そういう意味では、基準財政需要というのをどこまで考えるのか、それを交付税でどこまで面倒を見るのかなんていうことですね。もちろん、そういうことになると、地方交付税を減額するということにつながっていくと思うんですよ。それで足りない部分をどうするかという議論に当然なると思うんですが、さっきの人件費の話と同じで、やはり国と地方のあり方というのがこれだけ基本的に問われているときなわけですから、地方の独自財源の調達というのをどこまで可能にするのかということですね。それは国もそれなりの努力をしてやらなければいけないだろうと思うんですけれども、そういう基本的な検討を、できるだけ早いうちに始めるべきだろうというふうに思います。

〔 中里委員 〕 上智大学の中里でございます。地方交付税は一般財源なので、給与費、その他特定の費目をターゲットに削減するということはできないので、最終的には地方財政対策を通じて交付税の総額を抑制するということでしか我々はコントロールできないということになると思います。では給与費についてどう考えるかということでございますが、現状、国家公務員については2年間7.8%を復興財源にするという観点で措置されているわけですが、公務員総人件費の改革をしていくということが大方針としてあるわけです。これは国、地方を問わずあるわけですから、その観点に立って、やはり今後も、つまり2014年4月以降どうするかという扱いも含めて考えていく必要があると思います。

 具体的に、今度の予算編成の観点からすると、先ほど6ページのところで地方の収支を見ると、1兆円程度黒字が生じているというお話がございました。このことを最近の地方財政対策のことと考え合わせると、別枠加算を今後もはたして続けてよいものか、あるいはこれまで続けてきたことがよろしかったのかということになると思います。それは単に財政上どうかということだけでなくて、地方交付税制度の根幹、つまり基準財政需要に合わせて積み上げていって、そこに財源不足額を措置するという観点からしても、制度上も非常に不思議な制度になってしまっているので、そこを見直す必要があると思います。

 以上でございます。

〔 田近分科会長代理 〕 判断はともかく、結果として別枠加算があって、交付税が加算されて、地方収支が黒字という、事実としてそれは問題だろうと。それをもう一回戻してあげれば加算部分は見直しという議論ですよね。鳥原さん。

〔 鳥原委員 〕 ありがとうございます。国の財政健全化に地方の税財政改革が不可欠という状況にある中で、安定的な地方行財政基盤を確立するために、地方の歳出入の抜本的な見直しを急ぐ必要があると思います。歳出面では、国は国家公務員の総人件費削減など、いろいろ行財政改革の取り組みを進めているわけですから、地方もこれに劣らず徹底した行財政改革を断行すべきだと思います。こうした地方の行財政改革を促すためにも、地方交付税は地方が自主的に取り組む歳出削減の努力とか、その成果が評価されて反映される、そういう制度にぜひ見直していくべきと思います。また、歳入面では、景気による税収変動とか、あるいは地域の偏在性の大きい地方法人二税に過度に依存しない安定した地方財源の確保を一層検討していくべきではないかと思います。

 それから、先ほどの資料で地方公営企業の収支の実態について説明がありました。地方公営企業は、この資料に載っている以外にもたくさんいろんな業種がありますが、私も公営企業の民営化にかかわることもありましたけれども、公営企業の民営化において支障になっていることの一つに、やはり職員の処遇問題というのがあります。民営化して健全な事業として成り立たせるためには、同じような地域の同じような業種の民間企業と同等の処遇条件を適用しなければいけないわけですけれども、これを適用しようとすると、転籍を希望する職員がほとんどいなくて、事業継承をするためには、新たに未経験な人を採用していかなければいけない。こういう状況でもあります。また一方、地方団体側にとっも、民営化をしても職員が転籍とならず、余剰な人員を抱えることになるので、民営化に支障が生じるということになる。地方公務員の給与の問題、それぞれ職種によって違いはありますけれども、やはり、民営化も地方自治体の効率化策の一つとして考えれば、給与水準、処遇水準を変えなければ、いろんなことが進まなくなるいう問題もあると思います。そういう面で、ぜひ総合的に適正化を図る、こういう努力をしなければいけないと思います。

〔 田近分科会長代理 〕 民営化の面でも必要になっているということですね。

〔 鳥原委員 〕 そうですね。

〔 田近分科会長代理 〕 富田さん、土居さん。

〔 富田委員 〕 地方自治とか地方分権とか、最近では地方主権とか言われるのですが、そういう言葉遣いと実態が極めて大きく乖離しているということが、やはりこれはいろんな議論の障害というか、かみ合わないというか、そこの認識がまず大きく違うということが問題だと思うんです。その実態はきょうお話あったとおり、地方財政計画に計上される歳出については、地方交付税を通じてすべて国が財源保障していると。どこへ行っても、どこの地域に住んでも、どこでも同じ地方税制が適用されていて、地方分権、地方自治とはこれいかにと。なかなか理解できない。結局、各公共団体の住民が受益と負担をきっちりと判断できる形になっていないので、地方公務員の方が幾らお給料をもらわれようと、住民には関係ないのです。だから、歳出を効率化しようとか、そういうインセンティブが全然備わっていないんです。精神論では、また口ではそういうことは言われるんですけれども、なかなかその地域の民間給与を反映するとか、そういうことになかなか至っていないというところが問題の根本にあります。ですから、国の財源保障の分野がどんどん拡大してしまって、歳出特別枠がどんどん追加されたり、それも、これまでのような基準財政需要を積み上げて計算するんじゃなしに、何か年末に1兆、2兆のつかみ金みたいな形で、どんどん政治的に決まってしまっている。まずは、そういうところから来年度は手をつける必要があります。

 議論になっています給与についても、ここでは学歴と経験年数を反映したもので比較したラスパイレスなんですけれども、何か聞けば管理職の比率が非常に地方公共団体は多いわけでして、やはり職務と責任といったものも反映したラスパイレスとか、そういうものでまずは交付税全体の算定を行っていくということが大事だろうと。そういうふうに考えませんと、国全体としてもプライマリーバランス対象経費を71兆円に抑制する中において、地方の一般財源について、どんどんこれまでのような拡大を続けていますと、結局はこれまで議論をしてきました社会保障とか安全保障の経費も含めてでありますけれども、そういうものがどんどん圧迫されることになるので、そういうものをどうするかということにまでかかわってしまうわけですので、そこらの全体を押さえた上で、やはり地方公務員の給与といったことも、各論にわたって、ほかのものもそうなんですけれども、まずは、だから、地方そのものに歳出を効率化するインセンティブがない状態ということを前提とせざるを得ない中において、効率化をするのは、結局は国の予算を通じて国民全体、納税者であるということを認識する必要があるのではないかなと思います。

〔 田近分科会長代理 〕 土居さん。

〔 土居委員 〕 ここでの議論は、確かに地方交付税をめぐる議論なんですけれども、むしろ地方財政計画の中に計上される歳出の内容に個別具体的に入っていくということは、むしろ国の関与がどこまであるかということをはっきりさせるということになるわけでありまして、これは地方分権、地域主権改革と言われているものに反するどころか、むしろ合致すると。つまり、どこからが地方の責任で裁量があるところなのか、どこからが国の責任でもって関与するところなのかということを明確にする作業をここでしていると。もちろん、最終的には、地方公務員人件費はそれぞれの自治体でお決めになるということであるわけですけれども、必ずしも地方交付税で財源措置されていない部分以上の給与を出すという判断は、まさに個々の自治体で住民と向かい合って、本当にそこまで出してよいのか、いや、やはりそれは過大だから削減するべきだと住民の方から言われたら、そのとおりに従うのかというような判断になってくるというふうに思いますから、決して中央集権的に上から削減しろという話をしているわけではないというふうに思います。

 今朝、もう既にテレビ等で公務員人件費のラスパイレス指数の話が出た途端、これは地方交付税を削減する策謀だなどというようなことをおっしゃる人たちがおりましたけれども、これはやはり根本的に間違っているということだと思います。

 個別具体論になりますと、ここで非常に重要なところは、まず1つは、これは長年にわたる成果と言うべきだと思いますけれども、地方行政経費、これは19ページですけれども、一般行政経費、単独事業について決算乖離がなくなったということですので、やはり決算乖離がなくなったということである以上、計上されているものに対して真摯にその是非を問うということが、まさに土俵が整ったと言うべきだと思います。

 それから、これはほかの委員の方もおっしゃっているように、歳出特別枠、別枠加算というのはなくすべきだと思います。むしろ、地方交付税にそれを禁止するということぐらい書いてもいいんじゃないかというふうに思います。

 なぜこれをするべきかということについて、あえて一言つけ加えさせていただきますと、実は、2014年以降、地方消費税が増税されるということになりますと、地方財政計画における地方税の収入がふえるということになるのですが、それと連動して、どこからともなく歳出をふやすというような企てが行われますと、いつまでたってもこの財源不足額、歳出入のギャップというものが縮まらないということで、地方交付税の増額圧力がかかってくるということでは身もふたもないというふうに思います。

 ですから、やはり地方消費税が増税される前に、きちんと財源保障するべきとされている歳出の中身を点検して、無駄なものがないかどうかということを徹底して、そして地方消費税が増税された暁には、その分は歳出入のギャップが縮まるということで、法定率分以上のところでの特別な配慮というものは必ずしも必要ないというような段階に入っていくというような姿、ないしは地方交付税には特別会計に借入金がありますから、これをきちんと返済していくというフェーズに入っていくということが必要だと思います。

 最後に1点だけ。公営企業繰出金のところですけれども、23ページにありますように、自治体病院の職員の給与は民間病院に比べて顕著に高いということですので、これも改めていただく方向で地方財政計画上の措置を講じる必要があるのではないかと思います。

〔 田近分科会長代理 〕 時間がもう超過しているんですけれども、最後に申し上げようと思っていたんですけれども、取りまとめに入る前に一回時間を割いて、言い足りないことを承るという予定にしていきます。きょうは、先ほどから申し上げているように、文教・科学技術、復興予算があるので、この程度で地方財政をおさめたいと思いますけれども、ここで余計なまとめをすると、また終わらなくなるかもしれませんけれども、仕組み自身の問題、それが地方の財政健全化努力を促していないんじゃないかというのが一番根っこの問題で、それに関して具体的な問題というのが、岡本さん、渡辺さん、早川さん、むしろビジネスサイドのほうからしていただいたような気がします。

 時間をもう超過しましたが、青木さんのほうからフィードバックすることがあれば。

〔 青木主計官 〕 特にございません。

〔 田近分科会長代理 〕 いいですか。

〔 青木主計官 〕 はい。

〔 田近分科会長代理 〕 続いて、文教・科学技術について、主計官の諏訪園さんのほうからお願いします。

〔 諏訪園主計官 〕 諏訪園でございます。よろしくお願いいたします。

 それでは、お手元の資料3でございますが、文教・科学技術関係資料ということでございまして、これについてご説明させていただきたいと思います。

 おめくりいただきまして、目次、6項目掲げておりますが、最初の1はグラフのご説明であり、2から6がテーマということでございます。

 1ページ目、開いていただきまして、これが24年度予算における文教及び科学振興費の内訳でございます。

 次の2ページ目ですが、最初のテーマ、教育投資(公財政支出)に関する論点ということでございまして、平成20年から24年までの第1期教育振興基本計画があり、第2期、25年度からということで、現在、文部科学省中教審などにおいて議論が行われているところでございます。これについて、私どもとしては、国民の関心は教育の成果、アウトカムであり、明確な成果目標を定め、改善サイクルが働くようにすることが重要であり、そういう観点からの議論をお願いしたいというふうに思っている次第でございます。

 なお、それに関連して、教育に係る公財政支出、教育投資のあり方についての議論が今後行われるというのも聞いておりますので、それに関連する資料をここでお示ししております。

 まず、3ページ目でございますが、我が国の公財政教育支出と子どもの数ということでございまして、この公財政教育支出のGDP比はOECDの中で日本が最低であるというようなご指摘があるわけですが、実際には子どもの数も一番低い順位にございます。したがって、その割合はおおむね同じということでございます。具体的に分析しますと、4ページでございますが、在学者1人当たりの年間公財政の教育支出を国民1人当たりGDP比で割りますと、右肩にありますように日本はOECDあるいはG5の平均と比べて遜色のないものというふうに考えております。

 なお、このデータは機関補助、いわゆる幼稚園から大学までの学校に対する補助を対象としておりまして、奨学金などが含まれておりません。それに関連した資料が次のページでございます。

 高等教育における公財政支出が低いというご指摘があります。それは、左側のグラフにある、これは1人当たりでない全体のGDPの中で公財政支出が大学、高等教育段階においてどう配られているかというと、日本が低いんだというご指摘ですが、これも人数という要素を加味する、それから、その下に青い部分、私的部門の補助、いわゆる奨学金がございますが、この水準を加味する。そうしますと、在学者1人当たりの公的支援としては、アメリカの26.7、日本26.0ということで遜色のない水準というふうに考えているところでございます。

 それから、6ページ目でございますが、いずれにしましても、今後、教育施策の充実あるいは効率化ということに取り組むこととして、仮にその結果、子ども1人当たりの公財政支出が同水準であったというふうにラフに仮定をして、あらあら試算してみますと、当然のことながら、今後の人口に占める子どもの数の割合が減ってまいりますので、対GDP比というもので言えば、下のグラフにあるように減少のトレンドを描くということでございます。したがって、そういう意味でも、インプットの目標というような議論というのは余り実益に乏しいのかなというふうに思っているところでございます。

 次のページでございますが、論点といたしまして、義務教育段階についての少人数学級化という議論がございます。この論点ではなくて、時間の関係で実際の資料でご説明しますと、8ページでございますが、40人学級を少人数学級化するべきだという要求が出ているわけですが、実際に見ますと、小学校、中学校とも36人以上の学級の割合は、小学校で1割程度、中学校で3分の1程度と、この20年間でかなり減ってきているという状況です。

 9ページでございますが、国際的に比較してみますと、学級の規模と教員1人当たりの児童・生徒数というふうに見ますと、左側の箱で学級規模当たりでは日本のほうが高いんだという指摘、1学級当たりの児童・生徒数が多いという指摘がありますが、実際に教員1人当たり児童・生徒数で見ると、諸外国と比べて変わりがない。したがって、それでどう違いが出てくるかというと、担任以外の教員というのを多く持っている仕組みにしているためでありまして、したがって、これのどういう張りつけをするかということを考えるべきであって、したがって、教員1人当たり児童・生徒数ということで、今後どういうふうに少子化社会の中で動いていくのかを検討の前提に置くべきだと思っております。

 10ページが、教職員定数の仕組みですが、一言で申し上げれば、基礎定数というのは学級数などに応じて機械的に計算して積み上げているものでございまして、それが64万人、それから裁量的に政策目標に応じて配分するものとしての加配定数というのがございます。

 次のページ、11ページでございますが、いわば学級を単位として先生の数を積み上げて措置をするという法律になっておりますので、少子化社会では定数をふやす措置を講じなくても、子どもの数当たりの教職員数は増加するという見えざる定数改善といったものが生じます。標準的な配置、これは小学校の各学年2クラスだと12学級となりまして、教職員数は標準法では17.5人、児童・生徒40人当たりの教職員数は1.5人ということであり、そういう学校が仮に時代に応じて子どもの数が減っていくと、児童・生徒40人当たりの教職員数がふえてくる、こういうことが日本全国あちこちで起こっているということでございまして、そのトレンドを分析しますと、12ページでございます。

 少子化社会と教職員定数のあり方ということで見てみますと、平成元年の76万人という教師の数が、実際には足元、真ん中のところは70万人程度です。その間、子どもの数は1,494万から1,000万人程度に減っております。児童・生徒数に比例して減少した場合の教職員定数は51.7万人なんですが、そこに実際の数との差があります。このうち政策的に定数改善を行った約10万人を除きますと、少子化による定数増の効果は約4.9万人ということでございまして、このトレンドは今後も続いてまいります。したがって、今後もお子さんの数が減るのに比例して、教職員定数を減らした場合には50万人ですし、何ら政策的な教員配置の追加・改善を行わない場合は54万人ということで、何もしなくても子ども当たりの教師の数がふえていく。20年間で約4万、年間で約2,000人というふうに見ているところでございます。

 そして、13ページにありますように、そういうことでございますので、何もしなくても教職員の割合が中期的には過剰となっていくのではないかということを懸念しているところでございます。

 これに対しまして、今、この問題に関しましては14ページでございますが、35人以下学級についての検討ということで、平成23年度には小1について少人数学級化、平成24年については小2について加配で措置をするということが行われましたが、その際について、政府・与党あるいは財務省、文科省の間の議論において、この問題については学力等への政策効果を全国レベルで検証した上で検討するということで、今後も効果検証があって、検討していくんだというふうになっているものと、セットでこうした措置が行われましたが、ことしになりまして、また文科省のほうからは5年間で2.8万人の定数改善計画という要求が来ております。下にありますように、教職員定数の4%増あるいは平年度ベースで見て、同じく人件費の1,800億円の増という要求となっているところでございます。

 15ページでございますが、この要求に当たっては、文部科学省のほうからは、我々の認識としては全国レベルの検証というのが行われないままに要求をいただいているというふうに考えております。したがいまして、上の3つ目にありますように、来年度に全国学力テストにおいてきめ細かい調査を行うということでございますので、まずはその中で指導方法や学級規模と学力との関係について全国レベルで検証した上で検討していく問題だと思っております。

 なお、少人数学級についてのこれまでの実証研究等について、この3つ示させていただいておりますが、最初の丸については、少し詳しいので参考資料のほうに入れさせていただいています。

 あとの2つについては、次のページでございますが、最初に、教育支出とPISA得点という相関を示したものでございますが、これについてOECDの分析が下のほうに2つほどありますけれども、学級規模の縮小というのが一般的に費用が高くて、必ずしも効率的な支出ではないのではないか、それから、クラスのサイズが小さいフィンランドのような国の話もありますが、規模の大きい日本、韓国のような国もあるということを分析されていまして、それを受けて、17ページにありますようなOECDからの日本への提言ということで、日本では教育への追加投資の多くが学校規模の縮小に充てられていることが問題の本質になっていて、下にありますように教員の質の改善等々の見直しのほうにむしろ優先順位づけを修正する必要があるという指摘をいただいております。

 なお、18ページから19ページ、20ページは学力あるいはいじめ、不登校、暴力行為などと学級規模との関係をプロットしたものですが、密接な関係は見出せないものと考えております。

 それから、21ページでございますが、既存の定数の見直しがなされていないということでございまして、先ほど申しました担任以外の教員が16.5万人いるというのが下の箱にございます。そして、右側の箱に小中であわせて丸を打ってある6万クラスの36人以上の学級、これは6万人必要だということではございませんで、学年に2つの学級があれば、教員1人足すと2つの解消できるということで、文科省の見込みでも約2万人ということでございますので、この16.5万人の活用ということで十分対応可能な問題ではないかということでございます。

 その他、22ページについて、教員の採用倍率が大量退職時代の中で大量採用を行っていくこととの関係で倍率が下がってきております。そういう中での教員の採用される方の質についての懸念というものも生じるのではないかということも指摘させていただきたいと思います。

 そして、論点4は、地方行革、公務員人件費改革との関係を23ページに示しておりますが、地方行革の中で教職員についてふやしていくということが果たして整合的なのかということが23ページ。

 24ページは、むしろ諸外国と比較しますと、学校・家庭・地域の連携協力促進事業といった教員給与以外の施策のウエートが低いということでございますので、こうした取り組み、いじめなどの対応を視野に入れて、こうした取り組みにむしろ配分のウエートを置きかえてはどうかということではないかと思っております。

 そういう意味で、最後、この問題についてまとめたものが25ページでございますが、私ども財政当局のほうで今までのこういうようなデータを分析しますと、本来、今後の教職員定数のあり方というのは、今後5年間について、要するにグラフに矢印が3本ございます。真ん中が定数改善を行わず標準法による学級数の張りつけをしますと、少しずつ下がっていきます。

 ただし、先ほどご説明したように児童・生徒数に対する教師の方の割合が毎年2,000人程度ふえていくということでございます。ですので、私どもとしては、子ども当たりの教員数を維持するとの考え方に立って、子ども当たり5年間1万人増、年間では2,000人ですが、この教員予算については、むしろここを下げるということをやって、そしてむしろそうして下げて得られた財源をもとに、教育の質の向上に資する施策や外部人材の活用へ充てんするとともに、国・地方を通じた財政健全化につなげるといったことが考えられるのではないかという案として、本日この財政審にもお示しし、また文科省ともこれをもとに議論をしていきたいというふうに考えてお示しした案でございます。

 そして、次が、駆け足で恐縮でございますが、大学改革についての論点が26ページ以降でございまして、27ページにございますような国立大学法人化に向けて目指してきたもの、それとの兼ね合いでどういう結果があり、それをどう評価できるかということについて、資料に即して28ページ以降、ご説明したいと思います。

 28ページでは、第1期中期計画が終わった後での評価の問題として、評価のサイクルが機能していない、AとかBがなく、BとかCということで現状維持になっているということ。

 それから、29ページに、そうしたこともあるのか、運営費交付金の配分がめり張りがない。とりわけ、めり張りづけということを意識されるべき特別運営費交付金について、それが期待されたほど発揮できていないという点がございます。

 また、30ページでございますが、教員数の専門分野別のシェアが固定しているのではないかということをここでは示しております。

 それから、31ページ目、国立大学法人、100法人以上ありましたのが、今86まで再編・統合されておりますが、なお今後余地があるのではないかということでございます。

 32ページ目は、予算の関係でございますが、国大運営費交付金が法人化して1,000億円ぐらい減ったんだというようなご指摘をされる方がおられますが、実はその8割以上は附属病院の運営費交付金、いわゆる赤字を補てんするものが減り、あるいは特殊要因運営費交付金、退職手当の減少ということで減ったものが大宗でございまして、残りは200億前後でございます。そうしますと、この間の物価変動、公務員給与の削減の状況等々を考えると、実質的に減少なのかということが、まず1点でございます。

 その上で、33ページにございますように法人化していく中で、以降、むしろ競争的資金の拡充というのを図っておりますので、トータルの国大法人の収入額はふえているということ。

 それを受けて、34ページにありますように、教育研究経費が増加し、また人件費も増加しているという状況がございます。

 35ページでございますが、今後の大学改革、今、文科省でも議論していただいておりますが、そういう中で、財政当局的な視点に立って1つ、2つ申し上げますと、各大学の決算というのは開示がなされているわけですが、学部ごととか、あるいはどういう人的資源を配分しているか、給与の実態がどうかというところについて、もう少し明らかにしていただく、事後的に示していただくことによって、どういうめり張りづけのある大学運営を行ったのかということが第三者からも議論ができるのではないかということでお示しさせていただいております。

 36ページについては、法人化以降、授業料が上がってきていないということもあり、一律に上げるというのもありますが、例えばその次のページにあるようなアメリカのような所得水準に応じた授業料体系というものも含めてご検討いただけないかということで資料を入れております。

 次が奨学金でございますが、奨学金について、39ページを見ていただきたいと思います。39ページ、奨学金ですけれども、今、全体の学生の4割に貸与しておりまして、無利子と有利子、合わせてそういう水準でございます。いずれも貸与基準が緩やかでございまして、特に収入基準ですと無利子の奨学金でもこのようなケースでは955万円以下の家庭が借りられるというふうになっております。

 これは、実は次のページを見ていただきますと、政策金融公庫の教育ローンの貸与基準よりも緩やかなものとなっております。ですので、無利子の奨学金というのは、本来、平均所得以下といったあたりを念頭に置くべき、あるいはもう少し低いのかもしれません。いずれにしても、教育ローンの政策金融公庫より高いというのは少し問題ではないかというふうに考えております。

 それから、41ページに書いてございますのは、昨年度、所得連動返済型の奨学金というのを導入いたしました。今後の議論として、マイナンバー法が施行されました場合には無利子奨学金の返済というのは定額の20年払いというよりも、むしろその次のページにあるような、アメリカ、イギリスにならった所得に連動した返済ということを考えてはどうかということでお示ししているものでございます。

 最後に、科学技術関係でございますが、44ページにございますように、科学技術振興費は平成元年以降3倍にふやして、社会保障を上回る伸びを確保してきたところでございますが、近年はやはり厳しい財政需要を踏まえて、減ったりすることもあるということであります。

 ただ、いずれにしましても、45ページにありますように主要国と比べると、紫色のところが政府負担分でございますが、遜色ない水準に来ているというふうに考えております。その一方、量ではなくて質に目を転じてみますと、46ページにありますように平成14年と21年の研究機関での研究分野での資金の使途を見ますと、配分、シェアが固定化しているということが見てとれるかと思います。

 また、47ページにございますように、これはそのうちの情報通信・電気電子関係の分野での文献がどう推移しているか、世界ではそれぞれの最先端が折々、時代に応じてあり、それに向けて文献の数が変動する。日本では、その中の細目としてのものについてのシェアが余り動いていないということで、産業構造の変化に沿っているんだろうかという問題がございます。

 また、48ページ、これはよく言われることでございますが、そうしたことも背景の一つとしてあって、1論文当たりの科学技術関係予算の投入量に比して、引用度の割合が低いのではないかということもあろうかと思います。

 最後に、49ページと50ページでございますが、産学連携について最後に一言だけ紹介しますと、かなり力を入れてきたわけですけれども、近年、この計数を見ると横ばいになってきている。

 また、50ページの右側の箱にありますように、国際比較という面では、まだまだ伸ばす余地があるのではないか、この辺を今後力を入れていってはどうかということで、最後に入れさせていただきました。

 非常に駆け足でございましたが、以上でございます。

〔 田近分科会長代理 〕 最後のとおり、非常に駆け足で説明していただくことになりましたけれども、非常に盛りだくさんで、中身的には義務教育、大学関係予算、奨学金、科学技術というところだったと思います。義務教育については、一番力を置かれていたと思うんですけれども、主計官のお話を聞いていて、25ページがメッセージの一つだったのかなと。つまり、間違ったら、諏訪園さん、直してもらって、足元、24年に先生の数が70.3万人いると。これは今、文科省の予算ですよね。概算要求で出てきているように伸ばしていくと、29年に71.2になると。それをしない場合には29年に68.4。きょうのポイントは、子ども当たりの教職員数を維持していこうと。そうすると、67.4万人になりますと。67.4と真ん中の68.4の間のお金を先生の数をふやすのに使うんですか、それとも有効に使うんですかというのがポイントの一つだったと思います。それでいいですよね。

〔 諏訪園主計官 〕 はい。

〔 田近分科会長代理 〕 あと、大学のほうは、これはもう我々を含めて、身勝手なことではなくて客観的に論じてもらいたいわけですけれども、要するに平成16年、2004年に国立大学は法人化したと。それ以降の大学の、国立大学はどれだけ実績、努力を積んできたかというようなところで、29ページに、これが印象的なものの一つなんでしょうけれども、運営費交付金というのは一括的な予算として国立大学法人、86だと思いますけれども、配る。そうすると、上位の10校で、平成16年から24年合計ですけれども、42.1%配分された。2番目が特別運営費交付金ということで、大学の人間から言わせると、文科省に要求を出す、概算要求という部分ですよね。諏訪園さんがおっしゃっていたのは、その部分を比較してくださいと。左と右と同じじゃないですかと。これで法人化してめり張りの効いた予算と言えるんですかというのがプレゼンテーションの真意だったと思います。

 あとは、奨学金のところは、負担が適正か、科学技術のところは少し大きな話なので、なかなか予約は難しいですけれども、そういうご報告があったというところで、どこか、今度はできれば葛西さんのほうからお願いします。

〔 葛西委員 〕 ご説明のあった考え方、ほぼ全面的に正しいんだと思います。まず、小中と義務教育でありますが、子どもが減ってきている以上、当然教員の数を減らすべきだと思います。また、少人数学級のほうが教育効果が上がるというのは、恐らく全く何の根拠もない、いわば幻想みたいなもの、ためにする議論だと思います。私は、中学校のとき、大変評判のいい中学校だったせいもありまして、1クラス70人ぐらいおりました。別にそれで苦労した覚えもありません。ほかの人たちと並んでいるスペースが小さいぐらいの話であって、要は先生の情熱ですとか、子どもたちのやる気とかいうのが一番大切なのでありまして、子どもが少なければいいという議論を押し進めていくと、一対一で教えるのが一番いいということになるんでしょうけれども、それは間違っているのでありまして、やはり社会性を持たせるという意味でいうと、一定程度の人間が一緒にいたほうがいいですから、私は今、教員を減らすべき時期だと思います。

 たまたま資料の中には大量退職時代を迎えているという資料がありましたが、国鉄時代に、私も職員課長として国鉄の要員を42万から20万まで減らしました。それができたのは大量退職時代だったからです。そして、採用を最初半分しか補充せず、その後ゼロにしてしまったんですが、それによって要員を減らすことができて、その結果として、パフォーマンスが悪くなったかというと、そうではありませんでした。教育の現場と鉄道が同じだとは申しませんが、今ちょうどいいチャンスなので、そんな甘い議論でもって増やすなんてことは考えるべきでないと思います。

 もう一つ、教育の中で大事なのは教員の質だと思うのですが、教員の質をよくするためにどうしたらいいかというのも大きな課題です。たまたま私たちも学校を1つ経営していまして、英国のイートン校と提携しているんですが、イートンで校長が言うには、教育には3つのEが必要なんだと。1つは、Energy、エナジー。もう一つはEndurance、忍耐力。あとは, Enthusiasm、熱意であるというようなことを言っていました。先生方にそういうようなものがあるかないかでもって教育の効果は圧倒的に変わってくるわけでありまして、私は、教育行政は教員の質をよくするということを考えるべきではないかと思います。

 ちょうど、たまたま子どもの数が減ってきておるというような時期でもあり、教員の採用の数を例えば半減させるというふうにすれば、いい教員の採用が可能になるでしょうし、また、一番問題は教員のライセンスだと思っています。教職課程というのは、かつて30単位ぐらいだったんですが、今80単位とか何か、かなりとらないと先生になれないんですけれども、私は、大学であるいは大学院でマスターをとり、あるいはドクターをとったような人たちで心身健康で人間関係が正常な人であれば、学校の校長先生が採用し、免許を与えればいいという、イギリスのインデペンデントスクールのやり方は参考になるのではないかと思います。

 それから、大学のことでは、パフォーマンスを情報公開したほうがいいという議論のご説明がありました。私は、最近、国の機関あるいは教育機関もそうですけれども、やたらに資料をたくさん作って、いろんな角度からチェックをすれば効率はよくなるというのは、これはソ連で失敗したやり方であり、中国でも失敗するんじゃないかと思われるやり方だと思うんです。やはりそういう形ではなくて、一定のものを与えると、それは査定が必要でしょうけれども、あとはパフォーマンスがいかなるものであるかという実績をもっと評価すべきでありまして、どう使ったかとか、どういう細かい資料を提出するかとかいうようなものが多くなればなるほど、研究あるいは教育機関としての大学の機能が落ちると思います。霞が関も最近いろんな委員会だとか変なものができて、業務の効率が上がらないようになっていますが、教育の世界も同じことがあるのではないかと思います。

 それから、科学技術の振興については、予算が効率のいい使われ方をしているとは思われないというのが私の耳にする一般的な評価でありますが、科学技術の振興というのは、すべからくトップダウンでやるべきことであって、ボトムアップでやっていくということになると、予算が多くの人間の人件費に消費されてしまうことになるように思います。国策があって、国策に基づいた特化すべき集中的な課題があって、そこに戦略的に資源配分するというやり方をしていくべきだと思います。今回の予算でそういうことができるかできないかという意味ではありません。長い目で見たら、そういうふうにしていくべきではないかというふうに思います。

 以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。では、追って、田中さん、小林さん、角さん。

〔 田中委員 〕 勤めているところが大学評価・学位授与機構というところなので、評価が甘いんじゃないかというおしかりを受けて、真摯に受けとめたいと思います。ただ、今から申し上げることは、私の職場の立場を全く離れて、委員個人として申し上げたいと思います。

 全部で3つありますが、1つはスライド17の、まさにPISAと義務教育に関することで、あと高等教育に関しては2点ございます。

 スライドの17なんですが、これと検証の問題であります。先ほど財務省のほうから文科のほうにきちんと検証した上で予算要求してほしいということがあったんですが、まさにそのとおりなんですが、そもそも検証の仕方そのものも問題になるのではないかと思います。恐らく量の側面だけをインジケーターにして検証しても何も出てきませんので、ちょっと恥ずかしい話ではあるんですが、OECDからこういうコメントが出ていますが、やはりコンクルージョンリマークスに出ている各要素をきちんと反映した形での検証を行うように指導するべきではないかというふうに思います。これが1点です。

 それから、高等教育に関することなんですが、まずスライド全般に関することを申し上げますと、全体に研究業績に焦点を合わせてご説明をいただいたと思うんですが、大学の教育の側面についてもやはり検討する必要があるかと思います。なぜならば、大学の運営費交付金はカットされていて、外部資金を合わせるとふえているという話なんですが、実は外部資金というのはほとんどが教育ではなく研究に充当されるものでありまして、教育に係る部分というのは、やはり運営費交付金はほとんどが教員の給与に当たりますので、ここでの議論もあるということであります。ですから、やはり教育と研究と両方あわせた上で予算の配分というのも、単に外部資金がふえているだけというだけではなく、見ていただけたらと思います。

 その上で、先ほどのスライドの35に当たるんですが、ここで情報開示が必要だと。大学の学部・学科、部局別にもきちんと支出の状況を見てほしいということなんですが、これは非常に難しいかと思います。実は、これは評価とも非常に関係があるところだと思うんですが、そもそも計画を部局ごとに持っていない大学というのも結構あります。どうしてそれで予算要求できているのかというのは、教員と学生の頭数でそのまま予算要求をしているという問題がありまして、実は学部・学科レベルに落としてみたときに、目標、計画がなかなかそろっていないという実態があります。

 したがいまして、大学全体で計画をつくるときも非常に困難になっているところがあります。それが、実は計画ができていない、目標がはっきりしないということは、何を評価していいのかわからない、何を達成したのかを測定できないということになりまして、結局、目標、計画ができていないということは評価も困難にしているという問題にそのまま結びついてしまいますので、まさに大学の目標、計画の中身をきっちり整えていくということがこれから求められていくのではないかなと思います。特に、運営費交付金と結びついてしまいますと、どうしてもできることだけを簡単に書いてしまうという傾向も見られましたけれども、ここをもう一回アウトカムベースできちんと目的、計画を書くということを指導していただく必要があるのではないかと思います。

 以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 続けて、では小林さん。

〔 小林委員 〕 では、先に言わせていただきます。教職員の定数について言えば、子どもが減っていけば当然教職員は減っていくであろうというのは、ごく普通に考えられることであって、それをさらにふやしていこう、逆にふやそうという要求があるからには、その理由がなければならない。これだけここに資料で出ているぐらいに、その理由の一つが学級の規模を小さくする、理屈としてはそういうことですよね。ここにこれだけ学級規模と学力あるいはいじめ、暴力、そういったものとの直接的なかかわり合いがないという資料が出てきているのならば、それに反論する、これだけの効果が見込まれるから学級の規模を小さくしなければいけないんだ、したがって教職員を減らすペースは落とさなければいけないんだというのがきちんと出ない限りは、もうその議論は破綻していると考えたほうがいいんじゃないかというのがまず1点。ですから、当然、要求してくる側には、何ゆえに学級規模を小さくしましょうという理論を立てているのか、その論が立っている基礎を説明していただかないと、もうこれは認められないのではなかろうかというのがあります。

 それから、この中で1つ、やはりこれは導入してもいいのではなかろうかというか、やるべきなのではなかろうかと思ったのが、所得水準に応じた授業料の設定ですよね。これは今まで余り議論になっていなかったというふうに私は記憶しているんですけれども、こういうことを考えていかないと、これから恐らく今の経済状況を考えると、みんなが同じ授業料を払うというのは、余裕のある人は払えるし、余裕のない人は全くお手上げという状況が出てくる。それを補てんする意味での奨学金という問題もありますが、そちらのほうもやはり同じように、今、所得の問題、ここにも指摘がありましたけれども、収入の問題との絡み合いが出てくる。だから、所得基準というか、所得に応じた考え方というのを、例えば高等教育、大学以上のところに進む場合には所得に応じた補助の仕方というのを考えてあげないと、恐らくこの後、やはり優秀な人材が上に行けない、優秀な教育が受けられないというのは、長い目で見ても日本の大損失になると思いますので、ここをきちんと考える時期が来ているのかなという気がしております。

〔 田近分科会長代理 〕 続けて、では、こちらサイド。土居さん。

〔 土居委員 〕 今、小林委員おっしゃった点と全く同じところで、36ページの授業料ですけれども、別にこれは国立大学だけではなくて私立大学も同様だと考えられると思うんですが、私は別に学校経営に関与するような偉いポジションにいませんので、ぺいぺいの人間で、下からほざいているというだけなんですが、所得だけでなくて成績に応じても授業料を変えるということも考えられるんじゃないか。上位5分の1の学生は授業料を2割減にして、下位5分の1は5割増しにする。そうすると、総額としてふえるわけです。授業料収入総額としてふえる。田中委員がおっしゃったように、まさに大学の教育については、確かに運営費交付金ということなんだけれども、まずは授業料で対応できるところはやはりやっていただかないと、運営費交付金で何でもかんでもというわけにはさすがにいかない時代に来ていると思います。

 もちろん、所得に応じてということも重要なんだけれども、さすがに、なぜ親が高所得だというだけで高い授業料を払わなければいけないのかというところの納得感というのは、ある限度があるんじゃないかと思います。そういう意味では、成績と連動させると、サボっていれば授業料が高くなるという意味で教育効果にもインセンティブが働くのではないかと思います。

〔 田近分科会長代理 〕 では、角さん、倉重さん。

〔 角委員 〕 競争原理を導入するというのも、まさにおっしゃられるとおりだと思います。先ほどの地方自治にしても、地方自治体の財政改革にしても、やはりペナルティーがないことにはだめだと思うので、その指標をどうするかわかりませんけれども、例えば鉄道会社だと運賃改定を20年ぐらいしていませんけれども、そのためには当然総括原価主義ですから、申請をします。ところが、経営努力をしていない会社については、ペナルティーとして、ここまで原価を積み上げましたけれども、これしか認めませんと。努力しているところはここまで認めますというような制度があったわけで、地方自治の、どういうふうにそれを見るかというのは問題があると思いますけれども、ペナルティーがなければだめだと思うんです。

 ですから、大学も全く同じだと思うので、どこでその評価をするかというのは難しいでしょうけれども、それともう一点は国民の50%を超える人が大学へ行くわけですから、その何十万という人を受け入れる大学がすべて研究をするというのは、ちょっとおかしいと思うのです。ですから、教育に特化して国民の知的水準を一定上げていくという教育に特化した大学、そして、日本のトップ30の大学は国際競争力も非常に高いということで、重点的に予算を配分していただくという競争原理を働かせていただくということが非常に重要ではないかと思います。

 科学技術振興につきましては、関西では関西イノベーション国際戦略総合特区というのをやっています。そこは規制緩和とともに、研究開発費において、総額型といいますが、税額控除限度額が30%から20%に落とされたのを何とか30%に戻してもらえないかという声が非常に強いのでよろしくお願いします。

〔 田近分科会長代理 〕 倉重さんと早川さん、渡辺さん。

〔 倉重委員 〕 科学技術振興費なんですけれども、これだけがほかの予算に比べて明確に大きな伸び率を示していますよね。これは3倍になっているわけですからね。大変政治的な決断をして、将来をにらんで、こういう予算の組み方がされたわけなんですが、今後どうするかということを考えるときに、ここにあるデータだと余り効果が、果たしてどれだけ出ているのかについて、マイナスの話がやたら多くて、3倍にした分の見合いのいい結果についてデータがないということは、なかなか判断が、極端に言えば、では今後全部削ってしまうのかというようなことにもなりかねない。その辺の判断資料を、例えば今回の山中教授のような成果も、ある意味では一つのことだと思うんですが、そういったものが、もし基本的なデータがあるのであれば、ぜひいただかないと、今後どうしていいのか判断できないというふうに思います。

〔 田近分科会長代理 〕 では、早川さん、渡辺さん。

〔 早川委員 〕 私も大体皆さんがおっしゃったことと同じなんですけれども、子どもの数が減っているのに先生の数がふえるというのはおかしいと思います。したがって、子ども1人当たりの教員の数というのを一つの指標として考えるというのは大変重要なことだと思います。

 25ページですか、考え方はこういうことでよろしいかと思うんですけれども、1人当たりの教員の数というのを今と同じにするのがいいのかどうかというのは問題があると思うんですよね。そこはもちろんメルクマールが必要なんだろうと思うんですけれども、しっかり検討していただきたい。どういう指標がほかにあり得るのかななどと考えながら、資料を見ておりまして、子ども1人当たりの先生の数というのではなくて、OECD各国と比べて、教員1人当たりの子どもの数というのがありますね。例えばOECDの平均というようなものを見ると、OECD平均のほうが少し少ないですね。OECD平均というのを一つの指標として考えていくというようなことだってあり得るのかなというふうに思います。

 それから、この考え方は、教育の質の向上というのに2分の1、あとは財政の健全化に2分の1ということなんですけれども、教育の質の向上ということで、ここに書いてあるようなことだけだとちょっと寂しいですよね。この辺、文科省にしっかりとつくらせるということも必要かと思いますが、災害復興の話とも絡むんですけれども、例えば学校の耐震化なんていうのはもっとしっかりとやらなければいけないのかななどと思っております。

 それから、大学の評価、それから科学技術振興費の評価ということですが、科学技術振興費の評価というのも私、資料をいただいて、それでチェックをしましたけれども、やはりS、A、B、Cなんていう評価の中でほとんどCがなくてBばかりなんていう感じのようなんですね。科学技術振興費については、どうも余り評価がうまくいかないということで、23年度限りでこのシステムをやめてしまって、それで何か、これは葛西さんのご意見と同じなんですけれども、国として重点化枠みたいなやつを決めて、それに従ってやっていくと。考え方はそういうことでいいと思うんですけれども、ただし、重点化枠を決めて具体的にどうするのかというと、やはり評価をした積み上げが必要だと思うんです。だから、そういう意味では大学にしても、それから科学技術振興費にしても、評価システムというのをもっとしっかりとつくり直さなければいけないというふうに思います。

〔 田近分科会長代理 〕 渡辺さん。

〔 渡辺委員 〕 関連しまして、科学技術と教育の話なんですけれども、これは根っこのところが大事で、葛西さんはトップダウンとおっしゃったんですけれども、日本がこれからどうやってものづくりとして生きていくんですかという国家戦略が欲しいなと。例えば、再生戦略においては、グリーンとかライフというテーマが上がっているわけですから、これは世界中の大きなテーマなわけですから、これに対して科学技術を物すごく振興させるんだと。世界中で環境とかエネルギーとか安心とか安全な社会を日本はつくるんだという強い意思を持って科学技術を振興する。それに予算を投入する。そして、人材も育成していく。それが教育に展開される。こういう一連の流れをつくれないのかなというのがとても大事だと思うんです。

 そこをしっかりと、短期と中期と長期に分けてやってほしいなと。短期的な、余り成果ばかりやると、長い目でiPSの山中先生なんかはかなり長い間で結果が出てきているわけですから、余り短期的な評価を変にしないような仕方をしながら、そういう短期、中期、長期にわたる科学技術の振興策を国家戦略として出してやっていく。それはやはり環境エネルギー、安心・安全というテーマでぜひやっていくべきだ。これは、例えばグリーンの中で車も入っているんですけれども、これは例えば電池開発だけ見れば、今、リチウムイオン電池は日本は進んでいますけれども、あっと言う間に韓国に追いつかれそうであります。将来、ニッケル水素だけじゃなくて金属電池だとか固形電池だとかいうのが出てきます。その戦略は、恐らくアメリカが、ダルパという国防省の持っている研究機関がありまして、そこはもう日本の投入する数字とけた違いの予算を投入し、人材を投入してやっていくというシステムがあるわけです。そういうところに負けないようにしていくようなやり方を国として、やはりセットしていくべきだ。それが将来の日本の経済成長や豊かな社会づくりに大変役に立つんだと私は思っていますので、そういう配分の仕方をしてほしい。

 その中で、政府の研究開発投資がGDP1%と出ていますけれども、これはまだそこまでいっていないわけですから、そういうのはキープしながらやっていくということも、あわせてお願いしたいし、先ほど角さんから税制の話もありましたけれども、こういうのもあわせてやって、民間の活力もうまく引き出すようなやり方をぜひしてほしい、こう思います。

 以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 時間も押してきましたけれども、では、これで。赤井さんと板垣さん。

〔 赤井委員 〕 手短に。教育というのを人的投資で社会保障とのバランスが難しいですけれども、個人的にはやはり将来に向けた投資として私は重要かなというふうに思っていて、もっと重要度を置いて議論してもいいかなと思うんです。

 あと、もう一つは、子どもの数は確かに減っているんですけれども、子どもの質とか教育の質も変わってきているので、子どもの数だけで議論はできないというふうに思っているんですけれども、その一方で、では35人学級がいいのかというところは、検証はいろいろ研究されていますけれども、十分わかっていなくて、そこのところは当てつけというか、主張が弱いのかなと。

 14ページのところにも書かれていますけれども、小1に関しては、絶対これはやるんだということになっていたんですけれども、やはり35人学級ということの根拠があいまいだということで、実は小2からは加配という形になっているんですね。加配というのは、その分の予算を補助するけれども、あとは地方のほうで考えて最適化してくれよということなので、35人学級だけではだめだというふうになったからなんでしょうけれども、加配という形で最適なように予算を割り振っていいよという形にまたなったんですが、それがまた予算の関係ではすごくあいまいになっていて、そのところは、どのようにして予算をつけるのかというところはもう少しきちっとしないといけないのかなと思います。

 それから、国立大学のほうは、既に出ていますけれども、授業料の問題は本当にすごく考えるべきだなというふうに思っていまして、横並びなんですね。法人化以後は自由にしていいとなっているのに横並びで、これは交付税と絡む問題があるんですけれども、授業料を上げると交付金を減らされるんじゃないかという議論が国立大学でもなされるんです。僕たち教職員にもなされるんですけれども、実はそこのところのインセンティブは考えられていて、少し上げてもそこは減らないような形の仕組みもできているので、ここのところをもっと考えるべきで、それが2つ目にかかわるんですけれども、2つ目は、やはりそれを考えられるマネジメントのプロというのが必要で、自分のことを言っていいかわからないですけれども、私も阪大にいると、やはりどうしても東大、京大みたいなのを見ながら運営しているというところがあるので、もっと自由に新たなことに挑戦できるような仕組みが必要なのかなと。

 ちゃんとそれを評価するような形で、3番目、交付金の配分ですけれども、2期目以降、若干ですけれども、評価に応じた交付金の配分をしているんですけれども、例えばニュージーランドとかオーストラリアでやっているような、もう少しきちっと細かく教育の内容まで見て、それに合わせて交付金を配分するというようなインセンティブ、仕組みが重要かなと思います。

 以上です。

〔 板垣委員 〕 教育の話なんですが、実は5年前にも同じように教育論争があって、大変な議論になった。また、再びかなと思っていますけれども、そのときにちょっと問題になったのは、なぜ学校の先生の数が必要なのか。そのとき、いろいろ論点として挙がったのが、父兄も含めて学校にすべてを投げつけてくる問題です。その解消のために教師が忙殺される。教師を忙しくさせる人たちはだれかというと、国であり、教育委員会であり、報告書を今週中に出せとか、いろいろな雑務をやはり押しつけてくるという実態があったように記憶しています。今回、このデータを見る限りにおいては、子供の減少に合わせて教師も減らすことはやむを得ないと私も思いますけれども、ここでの議論でいつも気になるのは、反対意見を持っている人たちがこの場にあらわれないし、また反対意見の紹介もないままに、ここでデータを見て、これだけで、判断せざるを得ないということです。そういった意味で、これだけの短時間の中で、これだけ多くの量をこなすわけですから、その辺の複層的な情報も上げつつ、公平な判断ができるように準備してほしいと思います。

〔 田近分科会長代理 〕 井堀さん。

〔 井堀委員 〕 簡単な点、2点です。1つは、最初の点の35人学級なんです。仮に35人学級にしなきゃいけないという文科省の要求を認めたとしても、これだけの人数の教員をふやす必要があるのかどうかというのは、また別な話だと思います。例えば、小・中学校の統廃合の可能性を入れれば、40人学級と30人学級の学校が合併すれば何もしなくても35人できるわけです。要するに小さい単位の学校であれば35人以下になって、人数をふやさないといけないけれども、広くすれば何もしなくても35人以下が実現する可能性が出てくる。そのあたりの統廃合の効果を考えれば、ここはかなり水増しの推計になっている。要するに今の現状をどこまで所与として、こういうシミュレーションをしているのかというのをもう少しチェックすると、ここまでふやす必要はないんじゃないかという気もします。

 それから、もう一つ、授業料の話です。確かに所得に応じて授業料を変えるというのは、一つの理想ですけれども、そのときの前提は所得が真の所得であるというのが前提になっています。我々は奨学金審査のときも所得連動で審査するときもある。問題は自営業の方、農業の方と、それからサラリーマンでは出てくる所得とその人の経済力とが全然違う。だから、所得の連動で授業料を設定すると、サラリーマンの方だけが損をして、自営業、農業の方は得をするという形にかなりはっきりと出ます。マイナンバーを入れたとしても、所得だけのデータというのは日本の場合には残念ながら親の経済力を必ずしも反映していない。だから、いろいろな形でチェックをせざるを得ない。むしろ、それよりは学業成績でやるか、あるいはその人が将来返すときの所得だったらそれなりに意味があると思います。所得は理想的な指標だけれども、現実的にはかなり問題が大きいということをコメントしたいと思います。

 以上です。

〔 岡本委員 〕 切り込むべきところは切り込む、それから無駄を排除する、これは全く賛成なんですけれども、それで終わりかという感じが私はするんですよね。これは何でかというと、前回ですか、生活保護の経費が3兆円なんですよね。この文教予算というのは全体で4兆円というのを見るときに、本当にこれは常識的にバランスするのかなというのをまず思うんです。どうしてもここで起こっているのは、縦割り行政と同じように、縦割り予算で、その中で聖域なき改革ということですね。

 それぞれがそれぞれを下げろということなんだけれども、例えば社会保障費が110兆円で文教予算が4兆円だと。科学技術についても5.4兆円だと。このアンバランスをどう考えるか。それがどこに使われるかというと、社会保障費はほとんど高齢者に向けてですよね。文教予算というのは若者だと思うんですよ。だけれども、若者がこれからの日本を背負うとか、あるいはそこに我々が投資していくんだというような予算であるとすれば、もちろん無駄は排除していかないといかんけれども、そういう点で、この経費をどう見ていくのかというふうに私は思います。

 そして、これは関経連でも角さんなんかとやっているんですけれども、いわゆる絶滅危惧種というのが、これはワシントン条約ではなくて学問の世界でもあるようです。例えば、冶金工学がどうか、原子力はどうか、何がどうかというと、人気でどんどん減っていってしまう。ところが、日本の再生戦略を担うということを考えるときには、やはり人気のないところを人気があるようにしていくとか、そういうふうなことで力を入れていかなければいかんというふうな学問というのはたくさんあるはずだと。だから、これは量が中心の話で、量を減らしていく、これはこれでいいかもしれませんけれども、質とか、あるいは日本のこれからの発展、先ほど渡辺さんも言われましたけれども、百年の計で考えた場合に、やはり教育というのはどうあるべきかということを考えた場合に、これをただ減らすというほうだけではなくて、減らした後、大学など、これが必要なんだという声はやはり聞いていかないといかんというふうに思うんです。

 ここには大学の委員の方がたくさんおられますので、決して応援演説ではないんですけれども、私はそういうふうな点が非常に重要だと。これは防衛予算も、この前、葛西さんが話をされましたが、これも同じような視点で、やはり予算間のバランスというものをどこでどうやるのかなということを私、いつも考えるんですけれども、そういうふうな視点でも、ぜひ見てほしいなと、こんなふうに思います。

〔 田近分科会長代理 〕 まさに、最後の点が重要で、結局ここは来年度予算に向けて、どう基礎的財政収支の範囲の予算を考えるかというのが中心ですけれども、要するに、評価して、どう予算をつくれるかということですよね。

〔 岡本委員 〕 ええ。

〔 田近分科会長代理 〕 だから、ここで切り刻むというのではなくて、つけるべき予算をどのようにつけていくか。それがめり張りというふうになっちゃうのかもしれませんけれども、めり張りというフラットな言葉よりも、つけるべき予算をどうつけていくかというのが同時に議論されないと、それは大変な問題だと私も思います。

 実は、最初に申し上げたように、この次に、恐らく皆さん大変ご関心の復興関係予算があります。少し休憩を。今、私のところの時計で3時15分ぐらいですから、3時25分ぐらいということで、アバウトですけれども。

〔 富田委員 〕 発言させてくれないの。

〔 田近分科会長代理 〕 どうぞ、富田さん、すみません。早く。すみませんでした。

〔 富田委員 〕 では、短く申し上げますけれども、今おっしゃられた、ここで、まさにめり張りの議論をしていると思うんですよ。文教予算の中において、やはり将来の投資ということで研究開発というのは大事だと。だけれども、その大事なものについてちゃんと評価しているんですかと。これまではやってきたんですけれども、S、A、B、Cとつけてきたら、みんないいものだというふうになってきて、しまいには、ことしから評価をやめているんですよね。そういうものでいいのかという議論なんです。だから、これがまずはめり張りの話です。

 もう一つ、やはり日本全体で少子高齢化ですから、まさに義務教育の対象人員というのは大幅に減ってきているんです。減ってきても、供給体制が変わらないどころか、ふえていると申しませんけれども、余り減っていない。これは、たしか、先ほど板垣さんがおっしゃったように、骨太2006のときに5年で1万人削減ということが閣議決定されているのです。では、それがその後どうなったかという議論も何かうやむやのまま、また同じことになってしまっているような気がするのです。だから、一体それがどうなったかということも、やはり踏まえねばならないと思います。だから、ある意味これまでと同じことを議論しているのですけれども、新しい点を入れるとすれば、研究開発について評価はどうなったのか。また、教職員定員は1万人減だったやつがどうなったのとか、そういうことをやはりもう一回議論したいものです。

〔 田近分科会長代理 〕 では、ここで休憩ということで、アバウトですけれども、3時25分ぐらいで再開ということにさせてください。

(休 憩)

〔 田近分科会長代理 〕 お疲れのところ、さらに続けさせていただくことになりますけれども、予算的には3番目のテーマである復興関係予算について進めたいと思います。全体的には4時の終了を目指していますけれども、少し超過するかもしれません。あらかじめご了承ください。

 それでは、奥主計企画官より説明をお願いします。

〔 奥主計企画官 〕 よろしくお願いします。

 お手元の復興関係予算、資料4−1というものと資料4−2という2つの資料、お手元に配付されているかと存じます。

 まず、資料4−1に沿ってご説明を申し上げてまいりますけれども、最初に、ページをめくっていただきまして3ページ、「復興関連予算に関する法律等」という図が出てくると思いますけれども、これについて、まずご説明いたします。

 復興予算の大きな枠組み、それを根拠としている法律などについてまとめたものでございます。左上の赤い復興基本法、平成23年、昨年の6月に議員立法により成立した法律でございますけれども、これに基づきまして、政府は復興基本方針というものを定めることになっております。それを示す矢印が下に向かって伸びている赤からピンク色の矢印でございまして、同年の7月29日に復興対策本部というところで決定をした復興の基本方針というものでございます。

 この復興の基本方針の中には、そこにありますように、ちょっと目次だけ掲げるような形になっておりますが、総論のような基本的考え方、復興期間などなどが掲載されるとともに、5番といたしまして復興施策ということで、災害に強い地域づくりですとか、地域における暮らしの再生などなど、各論にわたる個別の施策が書かれているというものでございます。

 その姿をごらんいただきますために、別冊の資料4−2というものがございますけれども、復興の基本方針、これが本物といいますか、全体の姿でございます。そこの6ページを開いていただきますと、下のほうでございますが、5、復興施策とございます。ここ以降にいろいろ各論としての諸施策が書き込まれておりまして、全部ご紹介すると時間の関係もあれですので、めくっていただきまして、例えば13ページの真ん中、少し下あたりにマル3教育の振興といったようなものもあります。(ローマ数字小1)とあって、ここには、避難場所として災害時の拠点となる学校等について、減災の考え方に基づき、各種施設の整備等のハード面云々の防災機能を強化するといったような、学校施設の耐震強化の話がここに具体的に記載をされていたり、あるいはまた、めくっていただきまして15ページの真ん中、少し上、(ローマ数字小2)とありまして、ここには震災を契機に云々とありまして、企業の我が国における立地環境を改善するため、サプライチェーンの中核分野となる云々とあって、国内立地補助を措置するということで、いろいろ報道などで指摘が出ております国内立地補助金に係る規定も、このようにかなり具体的に記載されている。そういったことが個別にずっと二十何ページまで書いてありますのが、この復興の基本方針というものでございます。

 もとの資料の3ページに戻っていただきまして、今申し上げたのが左下の復興の基本方針でございました。これを会計的にどのように処理をしているかというのが右上の緑色、特別会計に関する法律の一部を改正する法律でございます。これは、ことしの3月に成立した法律でございますけれども、特別会計法において新たにことしから、24年度から東日本大震災復興特別会計というものが置かれました。

 この歳出項目として、復興事業に要する費用は復興特会に計上するということが定められておりまして、では、復興事業とは何かということでございますが、これは222条に定義がございまして、復興事業とはということで、要するに基本法、先ほど左上にありました基本法に定める基本理念に基づき実施する施策を復興施策というとありまして、その復興施策に係る事業に要する費用を復興特会の歳出に乗っけるんだというのが、この復興特会の特別会計法の趣旨ということでございます。

 ということで、復興施策というのが復興の基本方針の中にございますので、この復興基本方針に沿った施策に要する事業というものを復興特別会計の歳出に計上している。下のほうの右側に向いている矢印は、こういう趣旨でございます。これが復興予算に係る大枠の制度的な枠組みでございます。

 4ページは、先ほど申し上げました基本法の第2条、基本理念が定められている条文でございます。この中で、5号を見ていただきますと、今いろいろ言われております全国防災の考え方が記載されている5号のイという条文がございます。そこにありますように、地震、その他の天災地変による云々とあって、何人も将来にわたって安心して暮らすことのできる安全な地域づくりを進めるための施策を推進されるべきことというのが基本法の2条に明記されているということでございます。

 5ページは、先ほど申し上げました政府の復興対策本部決定である基本方針の抜粋でございます。上のほうに、被災地域における社会経済の再生などなど、それと活力ある日本の再生のためということが書いてあるのと、それから3の(ハ)のところに先ほどの全国防災に関する規定がさらに具体化されておりまして、3つの要件、すなわち東日本大震災を教訓とすること、緊急性があること、即効性があること、その3つの条件をクリアした防災・減災等のための施策というのを実施するということが基本方針にも明記されているところでございます。

 6ページは、特別会計法でございますので、先ほど申し上げましたので、省略させていただきます。

 7ページ、今申し上げました全国防災事業に係る関係条文を改めてまとめたものでございます。一番上が基本法ですので、省略いたします。真ん中、地方税の引き上げ法といいますか、地方税特例法がございますが、この中にも全国防災に関連する規定がございます。第1条、趣旨というのがありまして、真ん中あたり、下線を引いておきましたけれども、全国的に、かつ緊急に地公体が実施する防災のための施策に要する費用の財源を確保するため、臨時の措置として地方税の引き上げを行うということでございます。そういった趣旨が地方税法にも明記をされているということでございます。下は基本方針でございます。再掲でございますので、省略いたします。

 これまでが法的な枠組みということでございましたが、9ページ以降、今度は財源的な枠組みの話に移らせていただきます。

 9ページは、また復興の基本方針からの抜粋でございますが、復興の支援につきましては、事業規模、そこにありますように少なくとも5年間で国・地方を合わせて少なくとも19兆円程度と見込まれる、10年間で少なくとも23兆円程度と見込まれるというふうに基本方針に記載がされてございます。これらの規模、それから財源については、下のほうの下線の部分ですけれども、一定期間後に見直しを行うということもあわせて規定をされているところでございます。この19兆円の規模について、どういう考え方かということを説明されたのが10ページ、野田総理大臣の国会答弁でございますので、紹介させていただきます。

 そこにありますように、事業規模19兆円については、阪神・淡路大震災の際における当初5年間の国及び地方公共団体の負担分を踏まえつつ、被害総額の規模の違いなどを勘案し、さらに全国防災について、阪神・淡路大震災の直後と同程度必要と見込んだ結果、全体として5年間で19兆円程度は必要と見込んだものでございますということ、これが19兆円の根拠として総理からご説明になられた部分でございまして、このように19兆円というのは阪神・淡路大震災との被害規模の比較などによるマクロ推計で行ったものということで、積み上げなり積算なり、そういうものに基づいたものではないということでございます。

 11ページは、阪神・淡路大震災と東日本大震災の被害額あるいは復旧・復興のための費用の比較表でございます。

 12ページでございますが、全国防災につきましても、先に13ページをごらんいただきますと、全体で5年間で少なくとも19兆円程度というふうに試算をする中で、全国的な緊急防災・減災事業というのは、合計欄の少し上、真ん中あたりに1兆円程度というふうに見えるかと思います。この1兆円程度の根拠というか、考え方を説明したのが前のページの12ページでございます。当時の吉田財務大臣政務官から国会でご説明がありましたけれども、そこにありますように1兆円程度の全国防災の規模というのは、阪神・淡路大震災の直後に講じられたものと、少なくとも同程度の予算が必要であろうという考え方から、7年度の補正予算、事業費1.3兆円、これと同程度の5年間の事業費が必要だろうというふうに見込んだというふうに説明がされているところでございます。

 これらをまとめましたのが14ページと15ページの絵でございます。

 まず、14ページは、事業規模19兆円程度が時系列でどのように手当てがなされてきたかということを整理したものでございます。左側の青い箱、これが事業規模19兆円程度でございますけれども、右側の黄色あるいはオレンジの部分が財源の手当てについて整理したものでございます。これをごらんいただきますように、23年度の1次補正、これは23年5月、震災の直後に成立をした補正予算でございますが、これら1次補正で見合いとして歳出削減等を行って4.3兆円程度、2次補正で1.8兆円程度、そこで6兆円程度の財源手当てをし、あと残りは黄色い部分ということで、歳出削減、税外収入で5兆円程度を捻出する。足らざる部分、そのほか、復興増税、税制措置で賄うということが枠組みとして決まりまして、それで13兆円程度を賄い、19兆円程度の財源を確保すると。この枠組みの中で、昨年の秋に成立をいたしました23年度の第3次補正予算、これが9.2兆円の措置、それから24年度当初予算3.8兆円程度の措置ということでございまして、24年度からは東日本大震災復興特別会計が新たに設置をされて、その中ですべての復興予算が計上されているということでございます。

 今度は15ページの絵ですけれども、これは種類別にまとめ直したものでございます。そこにありますように、19兆円程度の事業費、左側が事業費、右側が財源でございますけれども、左側19兆円程度のうち、これまで現時点では17兆円程度が予算措置をされているということでございます。正確には、予算措置は全部で18兆円程度してまいりましたけれども、23年度の決算を閉じましたところで、復旧・復興関係で1.1兆円の不用が生じましたので、その分を18兆円から差し引きまして、現在19兆円のフレームの中で17兆円程度が措置をされているのが現状と。逆に言いますと、残り2兆円程度の枠が残っているというのが現状ということでございます。

 事業費の一番下の欄に、少し小さな字で恐縮ですけれども、全国防災のことに言及されております。この19兆円程度の枠の中で全国防災事業として1.7兆円及び同様の地方単独事業がございます。これが0.3兆円、合わせて2兆円程度が措置されているというのが現状でございます。右側が財源でありまして、整理し直しますと、いわゆる復興増税と言われております所得税、法人税の臨時特例9.7兆円程度と、一番下に書いてあります地方住民税1,000円の引き上げなどでございまして、0.8兆円程度、合わせて10兆円強ということでございまして、いわゆる復興増税で10兆円強、それから歳出カット、税外収入等で11兆円程度を捻出するというような枠組みになっているというのがこの19兆円の全体像でございます。

 16ページにこれまでの予算措置を行ってまいりました事業、大きいものから順に並べたものでございますけれども、復旧・復興事業、国費支出ベースで数字をとりましたけれども、一番大きいものは公共事業等で、もちろんこれは被災地向けの災害復旧・復興事業などで3.6兆円、そのほか、交付税、復興交付金、災害関連融資、廃棄物処理などなどということでございまして、被災地向けの事業が並んでいることがごらんいただけるかと思います。真ん中少し下に全国防災、国費で1.1兆円ということでございます。先ほど申し上げましたように、地方負担を合わせて2兆円の措置ということであります。そのほか、最近いろいろご指摘を受けております立地補助金、雇用対策、節電エコ対策、住宅エコポイントなどが、ここにありますような規模であわせて含まれて計上されているということであります。

 17ページ以降は、少し細かい資料でございますので、今ご説明することは省略させていただきますけれども、要するにこれまでの予算措置、それから報道等で取り上げられております3次補正予算のフレームや24年度当初予算において特別会計ができてからの姿を示したものでございます。

 それで、25ページに全国防災対策費というのがございます。今、いろいろ指摘を受けています全国防災の中身は何であろうかということをざっと示したものでございます。国費ベースで昨年の秋の3次補正予算ですと、全部で全国防災5,700億円という規模でございますが、大体大きく分けて2つ大きな柱がございます。1つは、学校施設の耐震化でございます。3次補正であれば5,700億円のうちの2,000億円強が学校施設の耐震化でございます。

 もう一つの柱は、道路や治水、海岸などの耐震強化措置などでございまして、これら学校施設と公共事業関係で大宗を占めているというのが全国防災対策費の概要でございます。

 続きまして、26ページは、復興特別会計の所管を整理したのもでございまして、復興特別会計には、ごらんいただきますように濃い青で示された復興庁が一括して管理計上している、復興庁が管理している濃い青の部分と、それから左側に書かれていますが、1兆7,000億円規模の各省計上分というのがございます。これは、復興特会には計上されているんですけれども、復興庁が所管しているわけではなく、各省が所管し、管理をしているというものでございます。全国防災事業なら、ここに属する経費でございます。

 27ページは、最近報道等で取り上げられました事業の例が示されております。お耳に入っている事業も多いかと思いますので、ごく簡単に紹介させていただきますと、(1)番がいわゆる立地補助金と言われるものでございます。それから、その下にある中小企業云々というのは、グループ補助金という被災地向けの事業でございます。

 (2)が地域医療提供体制云々とありますけれども、これは個人の診療所に対する補助金でございます。

 (3)番は、絆事業とも言われておりまして、青少年交流事業でございます。

 (4)番は、この中に含まれているシーシェパード対策費というのが有名になりましたけれども、鯨類捕獲調査、要するに調査捕鯨に要する経費ということでございます。

 (5)番は税務署の耐震強化、(6)番は国立競技場の復旧費でございます。

 (7)番は沖縄県における国道整備事業、(8)番は刑務所に職業訓練等の事業でございます。これらが被災地との直接的な関連性が薄いのではないか等として、いろいろご批判をいただいている事業でございます。

 29ページ以降が25年度予算に向けての課題というものでございますけれども、まず29ページに25年度復興予算に係る25年度要求額が1表で掲げてあります。その右下隅にありますように、25年度の復興予算の要求額は4兆5,000億円弱という規模になっております。先ほど19兆円フレームのうち17兆円、現在予算措置されておって、残りは約2兆円ですということを申し上げましたけれども、その2兆円のいわば枠に対しまして、現在、要求ベースでは4兆5,000円弱の要求が来ているということでございます。

 めくっていただきまして30ページ、今後、復興予算をどのように取り扱っていくかということで、さまざまな指摘、ご批判などを受けたことも踏まえまして、先般、10月16日の復興推進会議という会議がございましたけれども、そこで総理から、そこにありますように被災地が最優先ということで、時間も経過した中、状況変化を踏まえながら、厳しく絞り込んでいく必要があるという方針が示されまして、31ページにありますように、それを受けて城島財務大臣より記者会見の場で、さまざまな批判を受けている事業や新規に予算要求されている事業などについては、国会や行政刷新会議、新仕分けというものもあるようでございますけれども、そういったところにおけるご議論を踏まえつつ、厳しく取り扱うということが必要であるというふうな発言をされてございます。

 それから、今週の月曜日、32ページですけれども、国会が開会されて野田総理大臣が所信表明演説をなさいましたけれども、その中で、被災地が真に必要とする予算はしっかりと手当てしつつ、それ以外については、厳しく絞り込んでまいりますという方針を表明されておられるところでございます。

 33ページから具体的な課題ということで、25年度編成に向けた切り口ということで整理をさせていただいたものでございます。

 まず、被災地向けの復興予算の大宗を占める被災地向けの復旧・復興事業についての課題ということでございます。この被災地向けにつきましては、進捗状況についての問題がやはり大きいということであります。復興予算の執行率というのは、現在24年3月末で閉じたところでは、執行率が約6割にとどまっております。24年度、今年度に繰り越されているものが4兆円強、4兆8,000億円ぐらいあります。不用額も、先ほど申し上げましたが、約1兆1,000億円発生をいたしました。これは、復興計画の策定を待ち、事業進捗のおくれなどが生じたために、このような不用額ないし繰り越しが生じているということでございます。

 論点・課題というところ、枠囲いのところに書かせていただきましたように、被災地向けの復興予算につきましては、執行率の低い事業については要因を精査し、執行を改善していく必要がある。被災地に対する支援、サポートを厚くしていく必要があるというふうに考えます。

 34ページの2で、これは被災地以外でも行われている事業、全国防災事業等ということでございますけれども、まず3つほど論点を掲げさせていただきました。

 1つ目の切り口でございますけれども、大震災発災から現在、1年半以上経過しております。諸情勢の変化を踏まえ、予算の対象あるいは事業規模を絞り込む必要があるのではないかということでございます。ただ、その下に(a)から(d)まで4つ、具体的な考え方、論点、切り口を掲げさせていただいておりますが、その中で特に悩ましいのは(a)全国防災事業の対象をどうするのかという問題でございます。確かに、諸情勢の変化を踏まえ、全国防災についても対象とか、あるいは事業規模を厳しく絞り込んでいく必要があるとは考えます。ただ、その中身なんですが、24年度予算の例をそこに挙げておりますけれども、全国防災の中身というのは、先ほど2本柱があるというふうに申し上げましたが、小・中学校の耐震化、学校の耐震化が一つの大きな柱、もう一つの大きな柱が道路・河川などの公共事業の耐震強化などでございます。

 例えば、学校の例をとりますと、これはどういう考え方で復興予算で手当てをしているかというふうに申し上げますと、耐震性のない施設、Is値というのが耐震度でございます。この0.7未満の学校の施設のうち、それを抱える市町村、地方公共団体がその事業の準備が整ったものを順次手当てするというのが文部科学省の考え方でございます。これを順次措置してきているというのが今の復興予算の考え方なんでありますけれども、ここにありますように、復興予算を再整理することによって対象事業規模を絞り込むということになると、この基準もどういうふうにするのかということをよく議論をしなければならないということかと思います。

 それから、(b)でございますが、国の庁舎の耐震化や施設整備というのをどう考えるかというのも一つの切り口、論点かと思います。役所の建物の耐震化というものをしているわけでございますけれども、これらについてどのように取り扱っていくのかということ、それから(c)、これは25年度から新しく出てきた新規要求ということで、これは震災から1年半以上たって出てくる新規要求というのは、緊急性の観点から見ていかがなものかということ、そういう目で見るべきではないかということでございます。調査研究事業等ということでございます。調査研究にもいろいろあると思います。原発事故に対応するための研究もあるでしょうし、あるいは地震予知みたいな調査・研究もあるかもしれません。ただ、いずれにせよ、調査研究ということでありますと、即効性という観点から見て、すぐに効果が出るかどうか疑問というような考え方でアプローチをするということもあり得るのではないかというふうに考えます。

 2つ目の切り口でございますが、復興特会と一般会計との役割分担をどう整理するかというのも大きな課題でございます。2つぐらい考えるべき事柄があるかと存じますが、(a)とあるところは、先ほどごらんいただきました特別会計法の中にありましたように、復興事業に要する費用、復興事業に要する費用というのは復興特別会計に計上すべしというのが現在の法でございます。ということは、24年度までは復興事業というふうに扱われていた。これを諸情勢の変化を踏まえて、25年度からは復興事業とはもはや位置づけないといったような整理をしなければならないということであろうかと思います。

 それから、(b)のほうでございますけれども、これも非常に頭が痛い問題なのでありますが、要するに復興特別会計と一般会計、復興特会で手当てができないなら一般会計でというのはよく聞く議論でございますけれども、一般会計に計上したとしても、復興予算の庭先はきれいになるのかもしれませんが、同時に、一般会計71兆円ございますけれども、その一般会計の歳出増加圧力になるという問題をあわせて解決していかなければならないということが大きな問題点だというふうに考えます。

 最後に、マル3番目、少しテクニカルな話ではございますけれども、国庫債務負担行為の当年度歳出化経費の取り扱いをどうするかという問題も、実はございます。これは過去の国会の議決をいただきまして、契約が締結して進捗中の事業であって、25年度の歳出化分、議決をいただいていて、ことし歳出化する、25年度に歳出化するというような経費がございますけれども、その契約の相手方との関係あるいは補助金なら補助金なりを受け取ることにして予算を組んでいる市町村との関係をどう考えるか、どう整理するか、これは少し例外的な扱いも認める必要があるのではないかというようなことを検討する必要があると考えます。

 35ページ以降は参考資料としておつけをいたしましたものでございますので、今ご説明することは省略させていただきたいと思います。

 以上でございます。

〔 田近分科会長代理 〕 どうもありがとうございました。恐らく東日本大震災に関して、さまざまな議論がありましたけれども、これを財政的にどう処理してきたか、あるいは対応してきたかというのは、恐らくきょう初めてというか、これだけ出てきたのは初めてだと思います。

 まさに、財審の役割というのは、こういう情報を伝えていくというところで、資料をつくるところで主計官からもお話を聞きましたけれども、やはり見ていてほんとうはわからないんですよね。1次補正、2次補正、3次補正、24年予算。結局、これを後代に伝えていくときに、阪神・淡路のときもそうだったんでしょうけれども、一体発災から国が財政的にどういうふうに対応してきたかという歴史というか、次のときの政策を立てるときの非常に重要な資料になるし、さらにまた、もっとこれをきちんとつくって、というのは何を申し上げているかというと、1次、2次、3次補正といっても、なかなか中身がわからない。これも充実させて、これをひもとけば、次の災害のときにどう国が対応するかというのがわかるようなものに、さらにしていってほしい。皮切りに、大きなことを申し上げていますけれども、私はそのぐらい重要な資料ではないのかなと思います。

 中身的には、やや全国防災、今、話題沸騰ですから、全国防災のことですけれども、復興基本法というのがあって、復興の基本方針、お手元にありますけれども、ここで実施する施策としては、被災地域と被災地域に密接する地域、それから全国に。ただ、緊急、必要性、即効性、減災性というのが書かれていますけれども、この全国防災というところが非常にテーマ的には、あるいは政治的にはホットになったと。実際、基本方針をお読みになると、先ほど奥さんの説明にもありましたように、6ページから二十何ページまで延々とわたって施策が書いてある。クールジャパンの推進まで含めて入っている。そういう中で、何を申し上げたいかというと、物すごく大きな3・11以来の19兆円に至る過程、そして、その中でどう公的な支援をしていくかと。その中で、ある意味で結果的には19兆円の中の1.7兆円、地方を入れて1.9兆円ぐらいですか、その全国防災が今問題になっているというのが絵だと思います。

 ここからは、どこからでもご意見をください。議論沸騰すると思いますけれども、こちらサイドでは。では、こちらサイド、まず板垣さん、それから角さんと行きます。どうぞ。

〔 板垣委員 〕 この復興予算については、やはり最初出てきた時に国民は復興、つまり被災地の復興に恐らく回るのではないか、それなら一肌脱ごう、こういう意識がかなり強くて、それなりに納得して組まれたわけです。ところが、実態は全国防災というふうに今お話がありましたけれども、そういうものも入っていて、何となく仕切りが緩いのではないかという中で、今いろいろな議論が起きているということだと思います。

 私は、ではどう思うかということですけれども、やはり被災地向けの復興予算と、それ以外の地域の防災の予算というのは分けて考えるべきだろう。一般会計の中できちっと処理をするということが必要だろうと思います。一般会計の中では、これは概算要求で競合しますので、優先順位がおのずと決まってくる。だから、必要のないものは淘汰されるというメカニズムが働くと思うんです。今回は、確かに急場で、未曽有の災害でもありましたので、かなり一気にやらざるを得なかったという事情はよくわかります。けれども、やはりこれから予算をどうするかというときには、被災地向けの復興予算とそれ以外の地域の予算を明確に仕分けをした上で優先順位をきちっと定めて、必要なものはやっていくということが重要ではないかなと思います。

〔 田近分科会長代理 〕 角さん。

〔 角委員 〕 私は全く反対の意見でして、阪神・淡路大震災の経験をした者として、やはり復旧すべき事業、要するに復旧というのはもとあった機能をそのまま直す、復興する事業というのは当然違うわけです。例えば、神戸港は復旧してしまったのです。何で急いで復旧したのか。時間がかかってもいいから、復興事業として国際競争力のある神戸港にするべきだった。ですから、東北で震災が起きて、非常に多くの方が困っておられる。、仮設住宅とか、当面のことに対することはしなきゃならない。しかし、本当にまちを復興しようとしたら、例えばコンパクトシティーをつくろうとしたら、あるいは津波に強いまちをつくろうとしたら、当然権利関係が非常に複雑なわけですから、そのようなものを一挙にできるはずがないと思います。

 だから、東北に対する復興費のかけ方というのは、かなり後年度にずらさなきゃできない。そうなると、全国的に、鉄道会社では、例えば事故が起こりますと類似事故防止というのを考えます。例えば原発でああいう事故が起きた。そうすると、ほかの原発ではとまっていようが、稼働していようが、そこに燃料棒があるわけですから、同じようなことが起きたときに、例えば東南海地震が起きたときに大丈夫なように、ほかの地域で防災対策をする。基本的には、当然そういう考え方をすべきです。ですから、野田総理がああいう答弁をされたというのは、何もそこまで気を使わずに、堂々と私は全国防災の話をされればよかったと思います。

〔 板垣委員 〕 関連でよろしいですか。

〔 田近分科会長代理 〕 はい、どうぞ。

〔 板垣委員 〕 今おっしゃった話については、私は全く異論はないんですが、お金の仕分けをちゃんとしようということを申し上げたつもりなんですよね。重要性があるし、長い年月がかかる事業もある。だけれども、それをごちゃごちゃの仕分けの中でお金をやったのでは、やはりまずいだろうという指摘をしたつもりなので、角さんから反対ですと言われるような話ではなかったような気がしたんですが。

〔 田近分科会長代理 〕 これは重要なので確認して、角さんとの。角さんのおっしゃっていることはそのとおりだし、全般の、特に復旧の話は、要するに原形復帰とよく言いますけれども、橋とか壊れたときにもとのとおり直すのかというような話もある。復興のところも、全国で災害に対して強化しなきゃいけない。それもそのとおり。ただ、問題は、東日本大震災の特会の中でやるかというのが、それが板垣さんの議論とも触れるところだと思うんですけれども、そこはどうですか。

〔 角委員 〕 ですから、鯨の話を言われると、私もちょっとどうかと思うところはありますけれども、震災で経済がかなり下振れしそうだというときに、多少予算の使い方に柔軟性があってよい。それと、企業であれば、東南海地震なら東南海地震で、例えば中部地方と近畿の南部と四国の南部とか、そういう形で企業ならお金を使うのですけれども、そうなると、では北海道の人とか九州の人は予算が回ってこないし、景気も回復しないということになるので、そこが政治の難しいところだとは思いますけれどもね。

 確かに、個別案件は板垣委員のおっしゃることはわかるのですが、基本的な物の考え方というのは、私は当然全国防災を優先して、東北の方にはとりあえずの仮設住宅はちゃんとやって、時間はかかってもいいから、ちゃんと復興していく。神戸市にしても、兵庫県にしても、今、大変財政が苦しんでいるのは、あのときに国がつけた予算以上に住民の要求が大きくて、地方債を発行してしまった。ですから、兵庫県、神戸市もいまだに苦しんでいるわけですから、そういうことがないように、国としてきちっと東北の各県をサポートするのはある意味当然ですけれども、本当の意味の復興予算を使うというのは、かなり後年度に、遅れても当たり前だと思いますけれどもね。

〔 田近分科会長代理 〕 土居さん、どうですか。

〔 土居委員 〕 今のお話、非常に重要なポイントだと思います。そのときに、残念ながら復興予算にまつわる議論は、日本の予算編成の中で悪い側面が非常に盛り込まれてしまっていたんじゃないか。例えば、複数の目的を一度に達成しようとした。だから、復興予算といいながら日本の再生という、ある種景気対策めいたものまでも入ってしまった。そうすると、誤解を招きやすいという問題、それから執行しやすい予算から執行しようという、これまた、確かに現場としては非常に重要な観点なんだけれども、本来もっと被災地のところにお金が回るはずなのに、何でほかのところで予算がどしどし執行されるんだという誤解を招いてしまった。

 それから、もう一つは、なかなか国民の意識から、ないしは説明として説得的な説明が担当部局から聞かれない、非常に苦しい言いわけというもので予算執行をするということがあって、なぜそんな苦しい言いわけまでして予算を執行しなければいけなかったのか。かといって、それは合法的なので、つまり根拠があっての予算執行だから、当事者にとってみれば、その予算を執行してなぜ悪いという思いがあるんだけれども、国民からすると、その言いわけは苦しい言いわけにしか聞こえないというそごがあったという、ほかの予算でもありそうな側面がこの復興予算でもにじみ出てしまったかなというところ、これはむしろせっかくなので、教訓にして、復興予算だけでなくて、ほかの予算でもそういうようなことにならないようにして、国家予算の信頼性を高める取り組みにつなげていく必要があるのではないか。

 その点で1つ申し上げたいのは、角委員からありましたように、多年度に及ぶ予算執行があって初めて復興がなし遂げられるという性質というのは、恐らく多分にあると思いますから、むしろこれは繰越明許費を積極活用するとか、そういうことで予算執行を早期に行うということに余り固執しないで、焦らないで、じっくり取り組んでいく必要があるものは明確にしておくべきではないかと思います。そういう意味では、今まででも被災地で予算執行が滞っているからけしからんという議論が世の中ではあるんですけれども、むしろそういうところには積極的に、じっくり構えてやっていくべきことなので、予算の執行率が低いということだけで目くじらを立てないでほしいということは、むしろ積極的に言っていくべきだと。

 私が2011年3月直後、東日本大震災直後に調べてみたんですが、被災した自治体の普通会計予算の合計歳出額を見ても、約6兆円ぐらいしかないんですね。6兆円という数字というのは、医療、介護、生活保護、学校教育を全部入れて年間に6兆円ぐらいの予算しか執行していない、そういう自治体に一度にそれの1.5倍、2倍もの予算規模になるような予算執行をお願いしようにも、それは、どだいマンパワーも足りないんですから、無理だという金額の相場観というんですか、そういうものが本来あるべきだったんじゃないかと。これだけ積んだので、これで復興はなし遂げられますよというのは、さすがに予算執行の面からも盛り過ぎだったんじゃないか。だから、むしろ、それであるならば総額として19兆円と言うならば、それをじっくり構えて、きちんと消化していくように努力する。繰り越しはある程度やむを得ないというふうにするべきだ。

 それから、板垣委員がおっしゃったように、一般会計と特別会計の間で予算づけの容易さというのが濃淡があるんじゃないかという懸念は私も持っておって、そういうことのないように、つまり特別会計に回せば比較的容易に予算がつくとかいうようなことが国民に誤解を生まないようにしていただきたいということです。

 以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 では、鳥原さん。

〔 鳥原委員 〕 3点あるのですが、1つは今のお話と関連するんですが、復興事業の進展が進まない、予算の執行率が低いということに関してなんですけれども、要因の精査が今後の課題ということで、これはもちろん必要なことですが、被災地あるいは関係する人から聞きますと、執行率が低い要因として、土地利用だとか、あるいは区画整理などの専門家が不足している。それから、マンパワーの話と関連しますけれども、実際入札だとか発注だとか、そういう一連の手続をする役所側の人間がいないとのことです。そういう手続さえ進めれば、幾らでもできるものはあるというのが実態で、もちろん被災地からほかの地域に人が出ていって、まだ戻ってこないために雇用需要を満たせないということもありますけれども、要は人手の問題であって、これはもっと早い時からわかっているはずなので、こういう人手対策などの予算の進捗を迅速にさせていくための課題の早期解決にもぜひ取り組んでもらいたいと思います。

 それから、2つ目としまして、これは被災地の現場から見て留意すべきこととしまして、例えば大船渡、相馬等には復興庁の支所がまだありませんが、その支所を設置するとか、そういう復興支援体制の強化が必要です。先ほどお話がありましたけれども、地域経済の中核を形成するのは中小企業で、その中小企業の施設だとか設備の復旧費用を支援するグループ補助金による企業の再建支援というのは、さらに拡充することが必要です。そういう期待も相当強いんです。この辺をよく織り込んで考えていただきたいと思います。

 それから、3点目は、今までお話ありました被災地以外の事業に関する復興予算ですけれども、これはやはりしっかりと精査をして、復興との因果関係というのをよく確かめ、それがないものを復興予算で措置すべきではないと思います。ただ、もちろん復興は被災地だけではなくて日本全体で支えているという面がありますから、例えば全国的なサプライチェーンでつながっている産業への支援というようなことで、復興との因果関係が認められるようなものに関しては、復興予算で手当てすべきじゃないかと考えます。

 以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 時間が押してきたので、では次回以降のことでお諮りしていったほうがいいと思って、私に、会長代理に一任いただいていました報告書の取りまとめなんですけれども、案文作成の担当者について、小林さん、それから土居さん、富田さんにお願いしたいと思います。ご了承ください。3人の皆さんには大変お忙しいところ、恐縮ですけれども、ぜひいいものをつくってください。

 それから、もう一つは、次々回、11月12日に総括的議論を行いますけれども、最初に申し上げたように、こういう感じですから、意見はいっぱい積み残していると思うので、これまでの資料等を参考になさって、ぜひ発言ください。

 その2点です。

 では、あと続けて、中里さん、早川さん、田中さん。

〔 中里委員 〕  先ほどから被災地の復旧を目指すのか、復興を目指すのかという話と全国防災の話が出ているんですけれども、もう一つ別の視点を提供したいと思います。それは何かというと、恐らく今いろいろ批判を受けているのは、全国防災というより「その他の東日本大震災関連経費」の話なんです。例えば、官庁施設とか学校の耐震化は、被災地以外でもきちんと説明すればわかってもらえる話ですよね。

 けれども、例えばベトナムに原発を輸出します、その調査費を復興予算で見ますとか、あるいは諫早湾の開門に関連する事業に復興予算を使いますと言ったら、これは被災地の皆さん、納税者の皆さんにちゃんと説明できますかという話なんです。それはどういうことかというと、34ページに復興特会と一般会計の関係をどう見ますかという話があるんですが、この(b)の問題の立て方には違和感があります。それは何かというと、今一般会計には71兆円という歳出の枠があるわけです。その71兆円枠の中で選に漏れたものがもしかすると復興特会のほうで措置されているかもしれないという問題になるわけです。そうすると、復興予算とは何なのかということになって、税に対する信頼を損ねるということと同時に、中期財政フレームというものが形骸化してしまうんじゃないんですかという話になりますし、もっと言うと、消費増税法、税制抜本改革法の附則の18条2項の話にくっついてしまうんです。

 要するに、成長戦略と減災・防災にお金を充てますよ、増税で財政に余裕ができたから、それらに財政資金を投入しますよと。となると、消費税の社会保障財源化とは何なんでしょうという話になるんです。そこのところをどう考えるかということをきちんと整理しないといけない。そのことを踏まえて考えると、東日本大震災財特法の中に特定被災区域というのがきちんと書いてあって、その範囲はかなり幅広い、例えば福島と宮城と岩手は全県ですよね。それから、千葉も茨城も相当広い範囲でとられているので、特定被災区域で行う事業を基本にすれば全く問題はないのに、そこをどうも逸脱するので、いろいろ問題が生じているのではないかという印象があります。

 以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 資料的には、35ページにご指摘のその他事業ですよね。非常に重要な点を指摘いただいたと。では、早川さん、田中さん、どうぞ。

〔 早川委員 〕 皆さんと同じような意見だと思うんですけれども、全国防災も含めて被災地以外の事業は、やはりこの特会でやるのはまずかったのではないかなというふうに私は思っております。一般会計が厳しく抑えられているために、一般会計のほうでなかなか入らないものがこの特会のほうに、いわば群がってしまったような面があるのではないかなというふうに思うんです。特会のほうは復興債であるとか増税をするとかというようなことで財源が確保されているので、そっちに回ってしまったということだと思うんです。一応復興増税というので枠が決まっていて、それで全体の事業も19兆とか23兆とかというふうに大枠が決まっているわけです。

 だから、私が申し上げるようなことにはならないと思うんだけれども、今後、例えば国土強靱化などというもので、それこそ200兆使おうなんて言う人もいるわけですよ。それから、増税との関係で経済対策が必要だという意見が大変強いですよね。そういうことで、いわば抜け穴が使われてしまうという可能性もないとは言えないと思うんですよ。もちろん全国防災にしても、それからその他事業にしても、必要なことはやるんですよ。しかし、やるのは一般会計でやるというのをできるだけ早いうちに、すぐと言ってもなかなか難しいかもしれないんだけれども、できるだけ早いうちに仕切りにしたほうがいいというふうに私は思います。

 しかし、そういう仕切りよりも何よりも、やはり復興事業というのを円滑にするということが重要なことだと思うんですよ。もちろん、ご意見が出たように、やたらに急いでやればいいというものではないと思うんです。だから、そこはもちろん兼ね合いの問題があると思うんですが、しかし、現実にいろいろな隘路があって、復興事業が円滑に進まないという現実もあると思うんですよ。

 財務省の立場から、財政的にどういうふうにしたらいいのかなんていうことをメモにしていただいたりしたんですけれども、そういう中で、いろいろな問題点が出てきているんですが、例えば先ほどご指摘があった、要するに市町村を主体に動いているわけですから、専門職員というのが絶対的に不足しているとかと言うんです。そういうのを、いろいろな問題点があるんですが、ここで改めて申し上げませんが、財務当局あるいは財政審の立場からしても、もうちょっとこういうふうにしたらいいのではないかというようなことを提言できればいいかなというふうに思うんですよね。

〔 田近分科会長代理 〕 では、田中さん、お願いします。

〔 田中委員 〕 ありがとうございます。今の早川委員のご発言とも関連するかと思いますが、私は現政権の肝入りでできた予算組みかえという制度、それと重点化ということで、概算要求の1割をカットして、それを重点分野に振り分けるというものが大きな原因になっているのではないかと思います。すなわち、結局、そこで1割カットしたものを敗者復活で重点分野で取り戻そうというモチベーションが各省に働いているがゆえに、ここもターゲットになったのではないかと私は思います。

 では、なぜこのようにいろいろなものが入ってきたかと言えば、やはりそこはポリシーが、方針が明確でないために、何でも受け入れてしまっているんだろうと思います。そういう意味では、あえて無理を申し上げますが、この基本方針そのものを見直して、ガイドラインをもっと明確、具体的なものにしていかないと、やはり相変わらず丼の役割をしてしまうのではないかと思います。

 以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 まだあると思いますが。富田さん、どうぞ。

〔 富田委員 〕 すみません。私は、この復興関係予算の大枠は、ペイアズユーゴー原則という財政運営戦略、22年6月に閣議決定されたものの中で、中期的な財政の健全化を図りつつ、この復旧・復興予算をつけるという大枠を守っており、よくできていると思うのです。

 問題は、5年間少なくとも19兆で、5年ということが、さっき角さんがおっしゃった長期的な観点を入れる必要があるのに、5年というところが非常に軽視されてしまったのではないか。それは、緊急を要するので、いろいろな予算をつけるということになってしまったと思うんですけれども、5年というのと、「少なくとも」19兆円というのも、これはふやすということと同義でして、そこの2つで節度が崩れてしまった。

 今批判が出ているものは金額的にはそんなに多くはないんですよ。多くはないんだけれども、大きな問題になってしまっていて、もう少し大枠のところを押さえておく必要があるだろうということです。だから、5年間という問題意識をちゃんと持てたかどうか。国が焦り過ぎたのかもしれないです。それと、「少なくとも」と書いてあることが、問題の原因になっているのではないかなというふうに思います。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございます。最後、田中さん、富田さんから大きな議論をいただきましたけれども、翻ってみると、この復興基本法が23年6月、震災が3月ですから、基本法が7月29日と、無我夢中のときにできたものだということはあると思いますけれども、板垣さん、角さん、中里さん、早川さんと議論を伺っていて、やはり我々にとって大きな問題は、震災が起きたときにどう財政措置していくかと。

 2つ僕が考えたのをお話ししたいんですけれども、1つは特会のミッションというのは何なのかというのを、今回こういうことが起きてしまったわけで、田中さんは基本方針まで見直したらどうかということでしたけれども、非常にいい経験をしたわけで、震災が起きたときの特会を立てる、そこまではいいと思うんですけれども、これを経験に、ミッションをきちんと立てる。それから、財政的には、きょうの資料を見ていても、1次補正、2次補正、3次補正とあって、実はその上に特会が乗るんです、19兆の中に。1次補正、2次補正があって、その上に特会が乗る。そうではなくて、これは今からでも遡及的に特会というのが、もし最初からつくられたとすればどうなっていたんだと。

 というのは、きょう、たまたま富田さんが最後におっしゃったように、全体のフレームワークから言えば、19兆の中の、そもそも19兆がどうかという議論と、19兆の中の1.7兆円の議論をしたわけですよね。本当は19兆円の中にも、被災者の生活再建をどうしたらいいかとか、もっと大きな議論があるはずなわけですよね。だから、ある意味で非常にタイムリーだし、重要だけれども、中里さんもいいことをおっしゃったんですけれども、そこばかりにかっかかっかしていてもいけないというところで、申し上げたかったのは、やはりこれを契機に震災が起きたときに特会をつくる、その特会の精神はどういうものか、その特会はやはり1次補正からやってきた全体が見える、復興体系が財政的に追えるというふうなものをつくっていくべきではないか。阪神・淡路のときから少し進歩したとはいえ、いまだに、きょう見ていても、1次補正、2次補正、その他というのでは、普通の人にはまずわからないですよね。だから、そういう試みも必要なのかと。僣越ですけれども、たまたまこの問題にずっと関心を持っていたので、お話ししました。

 ありがとうございました。先ほど申し上げたように、意の丈を尽くされていないと思いますから、それはどんどんご発言いただく。それから、報告書についてはお話しして、あと次回は11月7日朝9時から農水関係、それから公共事業の予算を取り上げたいと思います。

 あと、講評については、この後に会見をします。この場の議論は前からも申し上げているように口外しないようにお願いします。

 きょうは長い時間ありがとうございました。

 

午後4時19分閉会

財務省の政策