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財政制度分科会(平成24年10月22日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録
平成24年10月22日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

                     平成24年10月22日(月)16:00〜18:00
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

1.開会
2.社会保障予算(生活保護、年金等)について
3.防衛関係費について
4.閉会

配付資料
○ 資料1      社会保障予算(生活保護、年金等)
○ 参考資料     生活保護
○ 資料2      防衛関係費

5.出席者
分科会長代理                            田近 栄治                           

城島財務大臣                               
武正副大臣
柚木大臣政務官
木下主計局長
福田次長
岡本次長
可部総務課長
小宮調査課長
大鹿法規課長
工藤司計課長
余島主計官
阪田主計官
富山主計官
神田主計官
青木主計官
諏訪園主計官
新川主計官
武藤主計官
窪田主計官
角田主計官
吉井主計官

委員

井伊 雅子
井堀 利宏
土居 丈朗
富田 俊基

臨時委員秋山 咲恵
板垣 信幸
岡本 圀衞
葛西 敬之
倉重 篤郎
古賀 伸明
小林 毅
角   和夫
竹中 ナミ
鳥原 光憲
早川 準一
渡辺 捷昭

午後4時00分開会

〔 田近分科会長代理 〕 時間になりましたので、財政制度等審議会財政制度分科会を開催させていただきます。

 皆様には、ご多用中のところご出席いただきましてありがとうございます。今日は、既に席上に配付のとおり、「社会保障予算」及び「防衛関係費」について議論します。担当の主計官のほうから説明していただき、議論ということにさせていただきます。大切な時間の中でやりくりしてやっているわけで、手際よく進めさせていただきたいと思います。

 それでは、まず2つの議題のうち最初の議題である「社会保障予算」、その中でも、前回、医療、介護を中心にやりましたけれども、今日は生活保護と年金等というところで、武藤主計官より説明をお願いします。大体時間的には30分弱ぐらいですよね。お願いします。

〔 武藤主計官 〕 厚生労働第2担当主計官の武藤と申します。よろしくお願いします。私のほうから、資料1の「社会保障予算(生活保護、年金等)」についてご説明させていただきます。

 まず2枚おめくりいただきまして、生活保護の総論でございますが、生活保護受給者数は、赤の折れ線グラフにありますように、最近211万を超えていまして、史上最高を更新しているところでございます。特にリーマンショック以降、急激な伸びを示しているということですが、足元、伸び率は若干鈍化している状況でございます。

 それから、次の5ページでございますが、年齢層別の構成割合を見ますと、60歳以上の高齢者、赤の折れ線グラフの伸びが大きく、また、全体に占める割合も5割を超える状況でございます。特にリーマンショック以降、60歳未満の稼働年齢層の受給者も増加傾向にございます。

 それから、6ページでございますが、それに伴いまして予算のほうも急激に増加しておりまして、国・地方で平成24年度で3.7兆円、国費で2.8兆円。それから、内訳については右下の円グラフにありますとおり、医療扶助費、黄色いところが全体の約半分、生活扶助費が全体の約3分の1、住宅扶助費15%、その他という内訳でございます。

 それから、7ページでございますが、生活保護費の伸び率を見ますと、赤の折れ線グラフが保護費でございますが、平成6年を100としますと、23年度で248と約2.5倍に増加しているということで、社会保障給付費全体の伸び率、青の折れ線グラフと比較して大きく伸びている状況でございます。

 それから、8ページは省略させていただきますが、9ページですが、上半分にございますのが、今年8月に3党合意を踏まえて成立した社会保障制度改革推進法の附則において、生活保護制度の見直しが規定されているということで、不正受給者への厳格な対応、それから、生活扶助等の給付水準の適正化、就労促進といったようなことに取り組むとされております。それから、下半分が25年度予算のいわゆるシーリングの中でも、生活保護をはじめとして社会保障全般に効率化を図るということが閣議決定されています。

 それから、10ページでございますが、これは、昨年11月の行政刷新会議の仕分けにおきましても生活保護が取り上げられまして、最初の下線部にありますとおり、「保護基準については、基礎年金や最低賃金とのバランスを考慮し、就労インセンティブを削がない水準とすべき」という提言が行われています。

 また、下にございますとおり医療扶助については、指定医療機関への指導強化、後発医薬品の利用促進、義務づけの検討、翌月償還を前提とした一部自己負担の検討といったことが提言されております。

 引き続きまして、各論でございます。12ページをごらんいただきたいと思いますが、生活扶助費は、受給者の食費、被服費、光熱費等の日常生活に必要な経費に対応する扶助費でございます。所在地域に応じて、都市部は高く、地方は少し低いということで、6段階の基準がございます。それから、さらに障害者世帯とか、母子世帯等には加算がございます。この基準は、厚労省が大臣告示という形で定めているというたてつけになっております。

 それから、13ページをごらんいただきますと、一旦生活保護に入った人がどれだけ脱却できたかという率を受給期間に応じた経過でお示ししておりますが、6カ月未満の方が一番脱却率が高いわけですが、それでも全世帯平均、この赤の折れ線グラフですが、5%弱ということで、また、受給期間が長くなると、どんどん脱却率が下がっていくという傾向が顕著でございます。

 それから、14ページでございますが、生活扶助の改定の方式でございます。厚労省のほうで基本的にやっておりますけれども、5年に1回、一般の低所得者の消費実態との均衡を図るように社会保障審議会のほうで検証して改定をするもの、それとあわせて毎年度、民間最終消費支出の伸び率を基本とした改定を行うという2つの組み合わせで改定しております。

 15ページでございますが、今申し上げた、まず5年に1回のほうでございますが、一般の低所得者、真ん中に小さい字で注がございますが、これは、総務省の消費実態調査の中で全国民を所得階層別に十分位に分けまして、その一番下の所得階層、これは第1・十分位と呼んでいますが、その方々の消費実態との均衡を検証しております。

 平成19年の検証では、生活扶助基準額が一般の低所得者の消費実態と比べて、夫婦子1人世帯で1.1%、それから、60歳以上の単身世帯では1割強高目という検証結果でございましたが、最終的には基準改定が見送られて今まで据え置かれているということで、今年は5年ぶりの検証の年でございますので、現在、厚労省の社会保障審議会で検証作業が行われていますが、その結果をきちんと踏まえた改定が必要かと思われます。

 それから、16ページは、今申し上げた第1・十分位の方の消費実態ということで例示しておりますが、右側の表にあるのが平成19年の総務省の調査における夫婦子1人世帯の消費実態でございまして、全体で15万円弱という水準で、この中から生活保護で別途支給されています、家賃とか医療費、教育費は除いておりますが、それ除きで15万円弱ということで、例えば黄色い部分にありますような諸雑費とか小遣い等々も、それなりに支出されているということでございます。

 それから、17ページでございますが、19年の検証をやや細かく見ますと、多人数世帯ほど生活扶助基準が一般の方と比べて高くなっている、あるいは高齢者層ほど高くなっている、あるいは都市部ほど生活扶助基準が高目になっていったような結果が出されているところでございます。

 それから、18ページでございますが、5年に1度の検証は、先ほど申し上げたとおり、きちんとルールどおり、確実に基準に反映することが今後必要と思われますが、そもそも論として、第1・十分位という消費実態と比較するのは、5年前に初めて、この5年ごとの検証したときに採用された考え方なわけですが、生活保護受給者、全人口に占める割合が60分の1ということを考えると、例えば第1・五十分位の消費実態と比較するということもあり得るのかなと思いまして、参考でお示ししておりますが、第1・五十分位の消費実態を見ますと14万円弱ということで、第1・十分位と比べて月額で1万円ほど低い水準になっている状況でございます。

 それから、19ページでございますが、こちらは毎年度の改定につきまして、先ほど申し上げたとおり、毎年の民間最終消費支出の伸び率を踏まえてとなっておりますが、下の半分を見ていただきますと、過去10年の民間最終消費支出の推移を見ますと、この10年間で5%弱下落しておりますが、生活扶助基準は、それと比べて1.1%ほどしか下がっていないということで、引き下げられたのは平成15年、16年の2回だけという状況でございますので、こういったところも乖離が生じていると思われますので、きちんとルールどおり改定が必要ではないかということでございます。

 それから、20ページでございますが、生活保護は、受給者に対してはいろいろ福祉事務所のケースワーカー等が就労支援を行っているわけですが、就労インセンティブに問題があるということで、例えば就労して収入が入ってくると、その分を生活保護費から原則全額引かれてしまうということで、働いても働かなくても収入に大差がないという問題が指摘されています。

 現在、厚労省では社会保障審議会のほうで、真ん中の参考に示してあります就労収入積立制度というものを検討していまして、就労収入があった場合に、その一定部分を仮想的に積み立てをして、安定就労ができて、保護が廃止に至った段階で、一時金としてある程度の額を上限として支給するということを検討しています。モラルハザードが生じないような工夫をすれば、こういった制度も一定の意義があるかなと考えられます。

 ただし、20ページの下半分にございますように、諸外国の類似の制度を見ますと、例えばドイツでは、生活保護受給者には、職業安定所から紹介された仕事を原則として受けなければいけない。拒否した場合には、一定の期間ペナルティが課されるとか。あるいは下のアメリカにありますように、アメリカも同様の義務が課されていまして、義務を果たさない場合に廃止処分があるといったような制度がございます。

 我が国も、就労可能であるのに就労努力をしない場合に保護廃止ということも可能でございますし、年間1,000件程度は廃止ということも行われているようですが、運用の一層の厳格化とか、保護廃止に至らないまでも例えば支給基準の引き下げといったような中間的な措置も検討すべきではないかと思われます。

 それから、21ページをごらんいただきたいと思います。こちらは諸外国の公的扶助制度を比較しております。特にえんじ色の部分を見ていただきますと、所得保障水準というのが比較してありまして、これがすなわち支給額なわけですが、欧州諸国は、見ますと3万円台から4万円台という水準になっていますし、アメリカはかなり低くて1万6,000円ぐらいということ。日本は1人当たり6万から8万円といったようなことで、ほかの制度等もありますので、これだけをもって一概に比較できないのではないかという指摘もありますけれども、1人当たりの国民所得を見ても、一番下にありますが、さほど大差がない中で、やはり我が国の生活保護の給付水準が高水準にあるのではないかということが言えるかと思います。

 それから、22ページが不正受給の状況でございまして、不正受給は近年増加傾向にございますが、左上の(1)の下を見ていただきますと、平成22年度で不正受給件数、これは摘発されただけですが、2万5,000件、それから、金額で約129億円ということで、発見されているだけでも相当な規模があるということでございます。

 それから、23ページですが、こういった問題を受けて、厚労省のほうで今、不正受給防止対策ということを幾つか検討しております。例えば福祉事務所の調査権限の強化とか罰則の引き上げ、あるいは扶養義務者の説明義務の強化といったようなことを、法改正を含めて検討しております。生活保護制度の信頼回復を確保するためにも、こういった不正受給対策というのはきちんと取り組む必要があるのかなと考えております。

 次に、医療扶助でございますが、1枚めくっていただいて25ページでございますが、医療扶助費、全体約1.6兆円のうちの約6割が入院診療関係の経費となっていまして、右側に示しています一般の方と比べると、やはり入院にかかる経費が高くなっているということです。

 それから、26ページ、27ページは、1人当たりの医療扶助費を一般の方と比較していますが、赤の棒グラフが生活保護受給者の1人当たりの医療費、青が一般の方ということで、特に高齢者はあまり違いがないのですが、若年層でかなり差が出ているということで、例えば30〜39歳ですと、一般の方の2.7倍ぐらいの水準になっているということでございます。

 それから、27ページが入院診療につきまして、同じことを比較していますが、入院についてはさらに差が大きいということで、例えば30〜39歳ですと、一般の方の5.3倍ぐらいという状況でございます。

 それから、28ページは省略させていただいて、29ページでございますが、厚労省で最近、医療扶助の適正化に向けて幾つか取り組みをしております。例えば(1)の後発医薬品の使用促進ですとか、(3)、(4)にありますように各自治体に電子レセプトを配置して、1件当たりの請求金額が高いようなところを抽出して指導するといったようなこと。あるいは(5)にありますように、向精神薬の適正受診の徹底といったようなことを実施しております。

 30ページですが、さらにこれに加えて、今、法改正を含めて検討している事項ということで、例えば2つ目の四角にありますが、福祉事務所に嘱託医を置いて、問題がありそうなケースについて他の医療機関の検診を受けるように指示ができる制度ですとか、指定医療機関制度、今、指定廃止の制度はあるんですが、要件が法律上あまりはっきりしないということで、その辺を明確化して実際に発動しやすくするといったようなこと。それから、指導の強化といったようなことを法改正含めて検討しているところでございます。こういった改善にもきちんと取り組んでいただく必要があると考えております。

 それから、31ページでございますが、こちらの参考資料は、患者や受診者に占める生活保護受給者の割合が極めて高い医療機関、上位100機関を抽出しまして、生活保護受給者の件数割合をお示ししたものです。例えば入院については、一番上の段ですが、72機関で100%の患者が生活保護受給者となっていたりとか、生活保護受給者専門と言っても過言でないような医療機関が相当数存在することがうかがわれます。このデータだけから直ちに不正の存在を断定することはできませんが、極端な事例については、厚労省等できちんとした調査をすることが必要と考えられます。

 それから、58ページに飛んでいただきたいと思いますが、生活保護受給者というのは、地域的に受給率のばらつきがかなりございまして、まず、赤でお示しした北海道、大阪府、高知県、福岡県は保護率が2.5%以上、それから、ピンクの2%台前半ですが、青森、東京、京都、長崎といったような地域が保護率が高くなっていて、白のところは1%未満ということで、地域的にばらつきがかなりある。それから、例えば指定都市で言いますと、真ん中の表にありますが、大阪市が5.72ということで、かなり突出して高いということ。また、中核市で言いますと、函館、東大阪あたりが高くなっているということでございます。

 それから、32ページにまた戻っていただきたいと思いますが、厚労省で最近いろいろな医療扶助適正化の取り組みをやっているわけですが、それがどの程度効果が上がっているかということを、この夏に私ども財務省のほうで財務局を通じて全国112の自治体にアンケート調査を実施したところでございます。

 その回答の主な点をご紹介しますと、向精神薬の重複処方について電子レセプトを使ったチェックでどの程度改善しているかということについては、約7割の自治体が特段変化は見られない。それから、適正化すべき受診行動についても、同様に約8割が特段の変化はないという回答。それから、後発医薬品の一旦服用につきましては、これは、この4月から始まったばかりでございますが、98%の自治体が変化が見られないといったようなことを回答してきておられます。

 それから、33ページ、34ページに幾つか具体的な自由回答の記載があったものを例示しております。まず、33ページですが、向精神薬の使用促進ついては非協力的な医療機関への対応策がないとか、自己負担がないので医療機関も安易に受診させている、湿布等の大量投与も多い。それから、自己負担がない限り指導に限界があるといったようなこと、あるいは福祉事務所の人手不足で手が回らないといったような回答が来ております。

 それから、次の34ページですが、後発医薬品につきましても、同様に本人負担がないので、なかなか受給者の理解も得られにくいし、医療機関側のインセンティブも働かないといったような回答が寄せられております。

 それから、35ページに、以上を踏まえまして、下半分の太字のところでございますが、厚労省いろいろ努力されていますが、なかなか目に見えた効果が上がっていないということもございますので、やはり医療扶助については、一部自己負担の導入、これは、仕分けでも翌月償還ということを提言されていますが、そういったことですとか、後発医薬品についても、原則化というもう一段の取り組みを進めることが必要ではないかと考えられます。

 それから、次、36ページ、医療扶助の付随的な話としまして、今、医療機関で受診する場合、原則交通費は自己負担ということなんですが、一定の必要性がある場合にはタクシー代等の支給が認められています。実態を調べますと、全通院数の約7%でタクシー等が利用されているということで、年間の支給額が45億円、それから、1片道通院当たり支給額平均が1,170円ということで、この多寡はいろいろ議論あると思いますが、例えば奈良市をごらんいただくと1万2,000円とか、宮崎市1万900円といったように、都市部でも場所によって相当ばらつきがあるということですので、この辺は効率化の余地があるのではないかと考えられます。

 それから、次に住宅扶助でございます。2枚おめくりいただいて39ページ、40ページですが、まず、40ページをごらんいただきますと、住宅扶助については、1人当たりの扶助費が過去10年強で1.2倍ぐらいに増えてきているという現状がございます。

 39ページに戻っていただきますと、住宅扶助費は基本的にアパート等の家賃を実費で支給するという仕組みになっています。その上限額を厚生労働大臣告示で地域ごとに決めているということでございます。

 ただ、その改定方式が3つ目の丸にありますとおり、前年度基準額、それから消費者物価指数の伸び、それからマル3の被保護世帯97%カバー額という3つの真ん中に来るものに準拠して改定となっております結果、45ページにありますが、例えば東京ですと平成13年度以降、十数年にわたってずっと据え置かれている。ほかの地域も過去引き上げられて、大体今は据え置かれているという状況が続いております。

 41ページに戻っていただきますと、この1.2倍ぐらいに増えてきている要因は幾つか考えられんですが、1つは、生活扶助基準の高い都市部に雇用機会も多いということで、人が流入している可能性があるということと、それから、住宅扶助基準が実際の支給額よりは高目に設定されている結果、その上限にだんだん近づいてきているという可能性もございます。

 その1つの例として42ページに書いてございますが、いわゆる貧困ビジネスと言われるような事例が最近かなりあると言われていまして、生活保護者に対しては一般の方と比べて扶助基準ぎりぎりの家賃を請求して、その差額を利益にしているというようなビジネスがあると言われていまして、そういったものの結果、支給額が上がってきているという可能性も指摘されています。もう一つの要因として単身世帯の増加も一部あるかと思います。

 42ページの下にございますように、上昇傾向にはありますが、参考の上にありますとおり、生活保護受給者の平均の家賃で言いますと3.7万円ぐらいということで、その下にお示ししている都市部の上限額よりは大分低い水準にあるという現状でございます。

 それから、43ページでございますが、赤い5.5万円というのが住宅扶助基準の全国の平均額、それに対して一般の低所得者の方々の家賃の実態、これは総務省の調査ですが、これから推計しますと3.6万円ぐらいということで、2万円程度格差がございます。

 44ページにありますが、青い折れ線グラフが家賃CPIの推移でございまして、平成10年を100としますと今は97ぐらいということで、長期低落傾向にある一方で、住宅扶助基準額のほうは、棒グラフにありますが、東京都でも札幌市でも過去上がってきて、今は横ばい、高どまりしている状況ですので、家賃の実勢を踏まえた見直しが必要ではないかということでございます。

 それから、2枚めくっていただいて47ページでございますが、今申し上げたようないろんな扶助に加えまして、幾つか加算措置がございます。1つは冬季加算ということで、これは11月〜3月まで5カ月間、特に寒冷地には手厚いですが、全国的に一定額の加算が行われているということで、年間支給額、約400億円強になっています。それから、期末一時扶助ということで、これは年末に一時金が支給されて、これも年間予算額が240億円ぐらいということになっています。その他技能修得費とか、次のページにありますように母子加算といったような制度もございまして、母子加算については、平成16年の検証で高いということで、段階的に廃止されることになりましたが、平成21年にこれが復活しております。廃止の際に代替措置として導入された高校就学費等が現在でも残っているということでございます。こういった各種加算措置については、経済・社会情勢の変化等を踏まえた見直しが必要ではないかということでございます。

 それから、50ページに今まで申し上げた論点を簡単にまとめさせていただいておりますが、時間もありますので、説明は割愛させていただきますが、大体まとめてございます。

 次に、もう1枚めくっていただいて52ページ以降ですが、一つ一つ説明は省略しますが、厚労省が今、生活保護の見直しとあわせて、生活困窮者対策というのを検討しておりまして、簡単に申し上げると、生活保護受給者のうち就労可能な人たちとか、まだ生活保護には落ちていないのだけれども、いわゆるニートとかひきこもりと言われるような人たちで、将来、生活保護に落ちかねない人たちに幅広くきめ細かく就労支援とか、家計再建支援を行って、生活保護に落ちないようにしていくということでありまして、全くゼロから始める施策ではないんですが、これまでやってきた施策を拡充して、全国の福祉事務所ごとに総合的な相談支援センターを設置するというイメージでおられるようですし、法制度化も視野に入れているということでございます。

 先ほど58ページでごらんいただきましたように、生活保護受給率もかなり地域によってばらつきがございますし、また、57ページにありますが、貧困率の改善度合いとか、ホームレス数、自殺者数等々を見ますと、必ずしも足元、どんどん悪化しているわけではなくて、むしろ改善している指標もいろいろあるということでございますので、生活困窮者対策については、各自治体なり、地域が実情に応じて柔軟に取り組めるような仕組みの検討が必要ではないかということでございます。

 それから、そもそも論として、生活困窮者というのは非常に漠とした概念でありますし、原因もいろいろございます。国とか自治体の施策として、どこまで税金を投入してやるのかという点は議論が必要だと思いますし、これまでやってきたいろんな社会福祉関係の施策との重複とか、あるいは、これまでやってきた施策の事後検証といったようなこともきちんと踏まえる必要があるのではないかと思われます。

 それから、少し飛ばしていただきまして、年金について67ページ以降、簡単にご説明させていただきます。

 年金については、社会保障・税一体改革の大綱の中で、主に3つほど課題が書かれておりまして、1つ目が物価スライド特例分の解消ということで、これが68ページにございますが、平成12年から14年にかけて年金、本来、物価スライドで引き下げるべきであったところを引き下げを行わなかった結果、今の支給水準が物価スライドを実施した場合と比べて2.5%ほど高くなっているということで、この間、累計で約7兆円規模の年金の払い過ぎ、受給者からすればもらい過ぎが発生しているということで、この状態を3年間で解消させるために国民年金法改正法案がさきの通常国会に提出されていますが、現在、継続審議になっているということでございまして、当初、法案で想定しました本年10月からの引き下げが実施できない状態になっています。

 この状態が解消されませんと、年間で年金支給額ベースで1兆円規模の超過支払いが続くことになりまして、国庫にも多大な負担が発生する。25年度予算で最大で1,700億円の払い過ぎが生じかねないということで、国庫への負担も当然ながら、年金財政全体に大きな負担をかけますので、一刻も早い法案の成立が必要となるところでございます。

 それから、70ページでございますが、マクロ経済スライドの問題でございます。マクロ経済スライドというのは、平成16年の年金の抜本改革の際に導入された制度でありまして、16年改正の際に年金保険料の水準の上限を段階的に引き上げた上で、基礎年金であれば月1.7万円、それから、厚生年金は18.3%という上限を設定しまして、それに合わせて支給水準を調整していくという方式を導入したわけですが、その際、年金の長期的な給付と負担のバランスを確保する観点から、年金の給付水準を27年間程度、毎年0.9%程度引き下げていくことが制度化されております。

 ただ一方で、この制度には名目下限ルールというのが組み込まれておりまして、年金支給額が絶対額で下がるような調整は行わないということになっていますので、物価がマイナスで推移している場合とか、あるいは小幅プラスの場合、まず、マイナスの場合には発動されませんし、小幅プラスの場合にはフルに発動されないという仕組みでございます。

 マクロスライドが十分に機能しませんと長期的な年金財政の安定性が損なわれまして、長期的に給付を下げたり、あるいは保険料の引き上げが必要になるということですので、名目下限ルールの見直しが検討課題でございます。

 ただ、このマクロスライドの発動は、先ほど申し上げた特例水準解消後というふうに法律上なっておりますので、いずれにせよ特例水準の解消が最優先の課題でございます。

 最後に、厚生年金の支給開始年齢の話でございますが、現在、73ページにありますように、男性については2013年から2025年にかけて、また、女性は2018年から2030年にかけて段階的に60歳から65歳に引き上げられるということが決まっております。

 一方で、74ページ、諸外国を見ますと、アメリカ、イギリス、ドイツのように既に67歳とか、あるいは68歳、大分先の話ですが、将来的には引き上げが決まっている国もあるということで、いずれの国も我が国より平均寿命は若干短く、また高齢化の進捗度合いもかなり緩やかですので、こういった国でもさらなる引き上げが決まっているということもございますので、我が国でも支給開始年齢の引き上げというのは将来的な課題ということで、一体改革の大綱でも、将来的な課題として中長期的に検討というふうにされているところでございます。

 私の説明は以上とさせていただきます。

〔 田近分科会長代理 〕 どうもありがとうございました。

 以上、社会保障予算の中で、今日は生活保護、それを含む生活困窮者の話、そして年金の説明がありました。加えての説明は行いませんけども、今の説明の骨格としては、まとめなんではしょられましたけど、50ページに生活保護というのは1つの固まりというよりも、生活扶助、医療扶助、住宅扶助、そのほかありますけども、そういうものからなっている。それぞれの検討を今行っている。そして、さまざまな加算扶助の問題。そして、年金のほうは言葉をつけ加える必要はないと思いますけども、デフレ下での給付の調整をどう考えるかというのが主要な論点だったと思います。

 あとは、30〜40分のフリーディスカッションということで、どういう点からでも結構ですから、どんどん活発にご意見をお願いします。

 では、岡本さんと井伊さん、続けてお願いします。

〔 岡本委員 〕 よろしいですか。ありがとうございます。私からは、67ページにある年金ですけれども、物価スライド特例分の解消ということとマクロ経済スライドの検討ということについて、非常に重要だと思いますので、ぜひこれを機能させていただきたいということで、関連して3点ほど意見を述べたいと思います。

 1点目は、その右側にありますところの68ページです。ルールに特例措置を3年設けたということで、これほどの乖離が生じてしまった。積もり積もって、ここで累計7兆円もの「意図せざるもらいすぎ」とありますけれども、我々から見たら、長年放置してきたんですから、意図した払い過ぎというふうな現象が起こっていると思います。

 我々、企業経営においては、ボーナスとか福利厚生制度などで同様の手法を用いることがあるんですけれども、1年たった後考えてみると、大抵の場合、次年度、発射台が高くなっているということで、毎年毎年、その後全部それを引きずって、膨大な額になるということで、ほんとうに早期に調整するということに意を用いております。

 そういった中で、今回、物価スライド特例分の乖離について3年で調整しようということで、ほんとうにいいことだと思うんですけれども、どうも見ていると、10月からと言っていながら、まだ実施のめども立っていないというようなことです。ここには大臣も副大臣も政務官もおられますので、これ、非常に政治マターという感じがいたしますから、ぜひとも早期に実現してほしい、これが第1点でございます。

 2点目は、70ページになりますけれども、名目下限ルールです。この制度設計に潜むというか、非常に楽観的な考え方があるんじゃないかというふうに思います。この点は、富田委員も以前に、財政見通しに楽観は厳禁であるというふうにおっしゃっていましたけれども、全くそのとおりでありまして、こうなればいいなという願望とか夢を排除して、うまくいかないことを決意した上で、厳しい前提を置く必要があるんじゃないか。これについても、企業経営では、悲観シナリオというものを必ず計画の中に組み込んで、そして厳しい経済環境に素早く対応する努力をしていますし、それをやらないことには潰れてしまうということであります。

 ですから、これ、事ははるかに大きい国家の財政ということですから、この辺について、非常に重要じゃないか。物価スライド特例解消後にということで大分先になりますけれども、マクロ経済スライドにおいて名目下限ルールを存置することは、もろもろのこれからのリスクを考えた場合、全く不適切と言わざるを得ません。ぜひデフレ経済下でも、マクロ経済スライドそのものをすっきりと発動できるようにしていただきたい。

 また、スライド調整率のマイナス0.9%という数値についても願望に基づくものではないか、今後の少子高齢化とか出生率を見ると、ほんとうに大丈夫なのかなと、いろんな数値を見るとき、やっぱり我々は心配になります。

 3点目は、資料の71ページですけれども、これは受益と負担のバランスの問題です。つまり、世代間のバランス不均衡がさらに拡大していくということであります。受益のほうは高どまりしている一方、保険料率の引き上げによる現役世代の負担増は有無を言わせず粛々と進んでいるわけでございます。保険料は、デフレだからといって減らしてくれないんです。

 厚生年金の保険料率というのは、ご存じのように2004年の13.58%から、2017年度に18.3%と5%近く大幅な引き上げがあって、今、我々その途上にいるわけです。企業も従業員も非常に大きな負担増となっているわけで、例えば年収560万円の平均的なサラリーマンで見れば、毎年毎年1万円ずつ保険料が上がる。これ、十数年も続くということでありまして、1年当たり0.354%上げるということは、保険料で毎年1.3兆円増えていく。消費税率換算ではプラス0.5%引き上げ、これを現役世代が受け持っているということであります。

 国民全体が何らかの負担をして、何とか持続可能な制度をつくっていこうというときに、やはり現役世代だけでなくて、受益するほうについても相応の努力が求められてしかるべきでないかというふうに思います。

 いずれにしましても、不均衡をこれ以上は拡大しないでいただきたいということでございます。

 以上でございます。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。物価スライドを適切に発揮すべきだ、それから、言葉はちょっとかたいですけれども、デフレ下でマクロスライドを発動すべきだ、そして、現役世代だけではなく、受益世代にも負担を求めるという内容ですね。

〔 岡本委員 〕 そのとおりです。

〔 田近分科会会長 〕 では、井伊さん、お願いします。

〔 井伊委員 〕 生活保護費の半分を占める医療扶助に関して、前回、医療制度についても議論しましたので、その続きというか、補足で1点申し上げたいと思います。

 29ページ、30ページに「医療扶助の適正化に向けて進められている取組みについて」ということで幾つもの提案がありますが、私は、どれも多少は効果があるかもしれませんが、根本的な解決にはならないと思います。日本の医療制度のフリーアクセスで、基本的には出来高払い制度、薬を出したり、検査をしないと医療機関の経営が成り立たない制度というのを続けている限り、例えばジェネリック、後発医薬品を導入しても、今まで1つの薬しか出していなかった患者さんに、今度ジェネリックという安い薬ができたので3つ出しましょうということになりかねないわけですし、また、幾つの診療所や病院をはしごすることも住民は自由にできますので、このフリーアクセスと出来高払い制度を続けている限り、医療問題の根本的な解決にはなりませんし、ましてや生活保護費の半分を占める医療扶助の問題は解決できないと思います。

 世界中を見ていても、医療費の支払いの半分ぐらいは出来高払い制を導入しているところはあるんですけれども、日本のようにこれだけ高齢化が進んでいる中で、基本的に出来高払い制度を維持しているのは、医療政策を担当している人や研究している人と私は世界中いろいろお話をするんですが、非常に驚かれることで、どうやって持続可能なのかということを言われますので、それは持続可能ではない、実際にそれは今の国の問題になっていると説明します。

 ですから、本気で医療制度改革に取り組むのであれば、支払い制度に着手するべきで、これは、数年前に導入が予定されていた後期高齢者医療制度、これは後期高齢者に限ってですけれども、人頭払いを導入するという非常に画期的な制度であったと思うんですけれども、ご存じのように民主党の大反対で実現しませんでした。今日は大臣もいらっしゃいますので、意見を聞いてみたいという気もします。

 これはひとり言ですけれども、いずれにしても医療扶助の問題というのは、出来高払い制の改革に着手しない限り、小手先の適正化では全く解決できず、財政のつじつま合わせに終始するだけです。

 以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 ひとり言もよく聞き取れましたけど、ジェネリックのこと、井伊さんのおっしゃる点も適切かなと思います。活発にお願いします。

 早川さんと古賀さんと秋山さん、手際よくお願いします。

〔 早川委員 〕 手短にします。先ほど出ましたけども、50ページにまとめがありますね。これは、問題点を指摘するだけではなくて、ある程度改革の方向も示したものだと思いまして、改革の方向には基本的に賛成したいと思います。特に申し上げたいのは、生活扶助と住宅扶助の基準です。この改定が一般低所得者との均衡を図ると言っているわけですけれども、もう既にルールはあるわけです。生活扶助について言うと、どこかに書いてありますけれども、平成19年に検証をやったけれども、実際にはそれが実施されなかった。何で実施されなかったのかちょっと伺ったんですけれども、一部政党の反対でできなかったということなんですね。

 ルールがあっても、それが実施されないのでは意味がないと思うんです。生活扶助基準にしても、それから住宅扶助基準にしても、きちんと定期的な見直しをし、その結果、必要があれば改定する。上げるにしても、下げるにしても同じだと思うんですけども、それをもっとしっかりとしたルールにしたほうがいいんじゃないでしょうか。今は、いわば行政の裁量のような形になっているようですけれども、何らかの形で法定するとか、数字が改定が必要だと指し示しているならば必ず改定する。いわば改定の義務化みたいなことをやったらどうかなというふうに思います。

 それから、ちょっと論点から外れるんですけども、貧困ビジネスの話が先ほども出ました。この貧困ビジネスについて、いろいろ規制をしようということが行われているようですけれども、せいぜい届け出制なんていう程度のようなんです。私は、大変腹立たしい限りだと思いますし、もちろん今そういうビジネスがあり、それにご厄介になっている人がいるんでしょう。だから、急激になくしてしまうことはできないにしても、将来的には閉め出すという方向で、例えば新しいビジネスについては--新しいビジネスだけじゃ不十分ですかね。そのビジネスについて許可制にするとか、どこか議員立法のアイデアとして承認制みたいなことが書いてあったように思うんですけども、いずれにせよ、もっと強い規制をするべきではないかと思います。

 それから、年金ですけれども、これは、皆さんおっしゃったように物価スライド、あるいは物価スライド後になるんでしょうか、マクロ経済スライドがデフレ下でも動くようにする必要があろうかと思います。それから、将来的には支給対象年齢の引き上げということも避けられないんでしょう。

 それから、ここの論点にはないんですけれども、ここにも65歳以上の方で大変な負担能力がおありの方がたくさんおられるわけですけれども、そういう方々には支える側に回ってもらうという意味で、高額所得者の年金給付を少し制限しようという話があります。これは、制限の仕方によるかもしれませんけれども、いずれにせよ、そういう議論をもっとしっかりと進めていく必要があろうかなというふうに思います。

 以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 最初の点で、武藤さんなんですけど、早川さんがおっしゃったのは生活保護のさまざまな扶助費、わかりいいのは生活扶助かもしれませんけども、その金額の改定のルール化というんですかね。それは、今どういうふうになっているんですか。5年に1回検証というところまではわかったんですけども、改定のプロセスというか。

〔 武藤主計官 〕 改定のプロセスは、基本的に社会保障審議会の基準部会で検証した上で、そこで答申を出して、それに従って厚労大臣告示を改定するというルールになっております。

 その際のルールとして厚労省が採用しているのが総務省の5年に1回実施される消費実態調査を踏まえた改定ということになってございます。したがって、法律上のルールというのはございません。

〔 田近分科会長代理 〕 ただ、それが物価調整に比べると、さっきの絵で見るとおくれるというか、結果として反映されないことになっているというのが指摘だったわけですよね。

〔 武藤主計官 〕 結果的には、消費実態、あるいは5年に1回の検証、ともに反映されていない結果、高どまりしているというのはそのとおりです。

〔 早川委員 〕 私が聞いた話では、一部政党、公明党と言っていいと思うんですけども、公明党をはじめとした一部の反対があったということで、それで19年の検証の結果、こういう数字が出たけれども、できなかったということのようなんです。それは、私、あまり詳しくありませが、いずれにせよ、データに基づいて乖離があるということになったら、何年かに1度なんでしょうか。1年に1回やるというルールになっていてもできないこともあるようですが、それをもっと厳格なルールにしたらどうかというふうに思います。

〔 田近分科会長代理 〕 では、古賀さん、お願いします。

〔 古賀委員 〕 ありがとうございます。まず、生活保護に対しての基本的な私の認識を述べたいというふうに思います。言うまでもなく生活保護は、最後のセーフティーネットなわけです。医療保険とか介護保険とか年金とか、生活保障がカバーできない部分を保障する仕組み、個別の社会保障制度の機能低下というものは、生活保護制度の負荷となる宿命にあるものです。したがって、説明にあった21ページの各国との比較は非常に乱暴じゃないかと私は思います。ほかの制度も含めてトータルでどうなのかということをきちんと方向づけをしなければならない。

 また、こういう課題になると、すぐ生活保護バッシングみたいなものが物すごく世論とか、そういうことに出るのを私は非常に危惧しているもので、不正を徹底的に抑止したり、いろんな検討をするのは絶対に重要なことですけれども、生活保護制度を縮小して、そして生活困窮者も十分行わないということになれば、経済的困窮とか社会的孤立の拡大を招くことになるというふうに思います。

 その上で、生活扶助水準が出ましたけれども、私の理解は、5年に1回計算したものを国のきちっとした政府、厚労省の審議会でさまざまな議論をして決定していくというメカニズムであろうというふうに思います。したがって、データは、1つの要素として検討していくということだと思います。

 加えて、釈迦に説法ですけれども、この生活補助水準というのは、就学補助とか、地方税非課税基準とか、あるいは国民健康保険料とか介護保険料の免除、あるいは医療、介護保険の自己負担上限などにも全て連動します。また、底上げ機能の最たるものである最低賃金決定の考慮にも使われます。ということから見れば、これは、生活保護受給者だけではなくて、国民生活全体に影響する問題だと捉えるべき。したがって、現行の水準というのは尊重しながら、慎重な対応が必要だというふうに私は思います。

 医療扶助ですけれども、医療扶助にある一部自己負担の導入については、病気で働けない人や高齢者、すなわち今、生活保護受給者の4分の3は高齢者と傷病者です。したがって、この生活扶助以外に収入がない被保護者にとって、最低生活保障が脅かされるというふうに思います。

 住宅扶助です。住宅扶助は、ご指摘のように基準額が家賃を限定するという、要するに張りつき問題が指摘されています。したがって、住環境に見合わない家賃の賃貸住宅が提供されるという貧困ビジネス、これを徹底的に対策を打つべきだということと、住宅扶助と住環境との関連性のあり方についての検討が必要ではないかというふうに思います。

 それから、生活困窮対策も、ずっと見てみますと、もうかなり対象者が少ないとか、あるいはどんどんよくなっているというデータが集められているような気がしてならないんです。しかし、これは、間違いなく極めて重要な対策であって、特に保護率は地域的なばらつきが大きいと58ページで指摘されているんですけれども、職を求めて都市部に集中したり、あるいは要保護者が保護費の高い都市部を求めたり、また、誤解を恐れずに言えば他県に追い出しをしている自治体もあると聞くんです。そういうことを勘案すれば、自治体に任せるのではなくて、やっぱり国全体がこの制度をどういうふうに対策として打つのかということが極めて重要ではないかというふうに思います。

 最後のパーツ、年金でございますけれども、年金は、私も特例的に据え置かれた影響、2.5%水準については即刻解消をすべきだというふうに思います。

 ただ、その次の段のデフレ下のマクロ経済スライドについては、2004年当時はほとんど議論されていません。加えて、そのときの制度設計にある所得代替率50%維持という国民に対する約束をどうしていくのかということも含めれば、年金制度そのものを抜本的にどうしていくのかということが非常に重要なポイントになるんじゃないかというふうに思いますし、支給開始年齢引き上げの検討も当然必要だと思いますけれども、無収入者を出さないような、片一方でセーフティーネットをどうしようかということが求められるのではないかというふうに思います。

 以上でございます。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。最後の年金のところなんですけれども、72ページは僕も興味深いことが起きているなと思ったんですけど、例の2004年の改革のときに標準世帯で所得代替率というか、標準的な夫婦片稼ぎの年金世帯が受け取る年金額は現役労働者の手取り賃金の割合の半分だと、これ、デフレが進む結果、結果的には皮肉なんですけど、上がっているんですよね。だから、そういう意味では、先ほどのいろんな議論に共通しているのも、やはりデフレの中での給付の調整がおくれているというのは、これは事実としてあるのかなということです。この点は、古賀さん、そういうことですよね。

〔 古賀委員 〕 そうですね。

〔 田近分科会長代理 〕 あと生活保護の点については非常に重要な論点をたくさんいただきましたけれども、もし古賀さんのおっしゃったことに対してもご意見があれば、それにも発言していただくとして、秋山さん。

〔 秋山委員 〕 今回もいろいろ資料を勉強させていただいて課題が山積だということがよくわかったわけなんですけれども、今日は大臣もお見えになっておりますので、8月の閣議決定の文書の中で出されている社会保障分野についても、これを聖域視することなく、生活保護の見直しをはじめとして最大限の効率化を図るということは一体どういうことなのかということをぜひ問いたいというふうに思っております。

 先ほど年金のところで物価スライドの特例の問題が出ておりますけれども、こういう問題の先送りで問題が解決したことがないということは私たち既に十分に勉強していきているというふうに思うんです。そうだとすれば、この聖域視することなく切り込むべき問題としては、先ほど古賀さんのほうからいろんな論点ございましたが、私も例えば生活保護の問題が本来のセーフティーネット機能を持続可能なものにするということを考えたときに、今の最大の問題は国民の感覚として、多くの人が今とても違和感を感じているのは、一生懸命働くよりも生活保護を受給するほうが楽なんじゃないかというイメージが蔓延しつつある、そういうイメージが広がりつつあるということが一番の問題ではないかというふうに思います。

 そういう意味では、確かに不正受給の問題もありますが、これは、ある意味古くて新しい問題であって、今、やはり最低賃金との整合性、あるいはデフレ下で、あるいは経済成長率が下がっている中で、平均年収が下がっている中での給付水準の見直し、あるいは各種加算扶助の見直し、それから医療扶助一部自己負担、こういうものは早急に着手するべきであり、これが聖域視することなく取り組むということにつながるものだと信じたいというふうに申し上げさせていただきたいと思います。

〔 田近分科会長代理 〕 せっかく大臣来られているので、今の秋山さんの8月17日の閣議決定のご質問は9ページの一番下、「特に財政に大きな負担となっている社会保障分野についても、これを聖域視することなく、生活保護の見直しをはじめとして、最大限の効率化を図る」、ご質問はそれ。

〔 秋山委員 〕 すいません。質問としては、ある意味ずっと最低賃金、給付水準の見直しの問題なども随分指摘されている中で、なかなか問題が解消されないことについて、積極的に取り組まれるという期待が物すごく大きいわけなんです。それにどのぐらい応えていただけるのか、あるいはぜひ応えていただきたいという期待が大きいということです。

〔 城島財務大臣 〕 この文言は、そこにありますように「平成25年度予算の概算要求に当たっての基本的考え方」となっておりまして、直接的には各省大臣の要求の心得ということでありまして、各省大臣においては、この文言に沿って義務的経費も含めた歳出全般について、聖域視しないできちっと検討しろということであります。ということで、今あります生活保護の見直しをはじめとする最大限の効率化ということも、担当の大臣に対して、こういう姿勢で検討しなさいということを示した文言ということだと思います。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。もう少し質問。倉重さんと角さんと竹中さん。手際よくお願いします。

〔 倉重委員 〕 すいません、ちょっと勉強不足で素人的な質問を2点だけさせてください。先ほど古賀さんがおっしゃった21ページの諸外国の比較なんです。この比較データを見ると、明らかに日本の扶助が行き過ぎているということが明確に出てくるんですが、我々がこういう議論をするとき、やはり同じような経済的な仕組みと社会的な便益を持った国との比較が一番わかりやすいんで、これがデータとしては頭の中にすぐ入っちゃって、自民党が1割カットなんて言っていますけども、そんなのも、これを見る限りは妥当な話なのかなとも思ってしまうようなデータであります。

 今、古賀さんおっしゃったのは、これは、非常に誤解を受けやすいデータであって、もうちょっと全体像の中で見るべきだというお話がありました。そういう全体像で見るようなデータとか資料がもしあるんであれば、ぜひいただきたいし、これだけの格差があるということは、やはり歴史的ないろんな経過があると思うんです。これまでも国会での審議とか、その他いろいろされていると思うんですが、それについても何か、なぜこういう形になっているのか、これはどう評価すべきなのか、改めてもし聞かせていただけるなら聞きたいということが一点なんです。

 それから、年金のほうなんですけど、最後はやはり当然のことながら、2つの物価スライドもマクロ経済スライドもいずれ発動していかなきゃいけないと思うんですが、その先を見て支給開始年齢の引き上げというところに必ず来る。しかし、私はいつも思うんですけれども受給者の負担といったところ、現在受給を受けている方々には何の負担強化もないのかということに、いつも考えがいってしまって、彼らの財産権その他を侵すことはできないというような議論を聞いたことがあるんですけども、現在の受給者に対しても何らかの、裕福な方々だけじゃなくて、一律にそういう負担を求めるような議論なり、哲学みたいなもの、あるいは実例みたいなものはないのかどうか。

 その場合に1つだけ私が思ったのは、支給開始年齢を引き上げた分については現在の受給者にとっても、引き上げたことによってもらえなかった生涯収入分の減る分だけ、現行の受給者にとっても、その分は減らしても理屈の上では成り立つのではないかなと思ったりするんですが、そういったことについても過去に議論があったのか、その議論の仕方は適正なのかどうか、ちょっと教えていただきたいと思いました。

〔 田近分科会長代理 〕 時間もありますけれども、手際よく。

〔 武藤主計官 〕 まず、ご指摘のとおり、この比較表については、これだけで比較するのは、いろいろ乱暴だというのはご指摘のとおりかと思いますが、従来、厚労省なりのほうでこういう全体像すらなかなか私どもも見ていなかった。今回あえてお示しさせていただきましたが、その他の制度、国によってまちまちとか、州によってまちまちといろいろありまして、ちょっと検討してみますが、なかなか全体像という形で簡単にお示しするのは難しい面があるかなと思います。

 それから、なぜ上がってきたのかということで、これは、過去、物価上昇ですとか、高度成長ということで、一般国民の生活水準に合わせるということで、かなり引き上げられてきたという経緯がございますし、為替レートとか物価の違いもあって、デフレになってから、それがなかなか下がっていない分、高どまりしているという面もあろうかと思いますが、そこは、これだという理由の分析はできておりません。

 それから、年金支給開始年齢引き上げに伴って、もらっている方を引き下げるというのは、理屈としてはあり得ると思いますが、既に受給している方の受給権侵害の問題がありまして、今まではそういう検討はなされていないのかなというふうに思います。

〔 田近分科会長代理 〕 ただ、最後の点、マクロ経済スライドというのは実態的にそういうことですよね。既にもらっている人も下げていくと。

〔 武藤主計官 〕 そこはおっしゃるとおりです。

〔 田近分科会長代理 〕 ただし、それが価格の縛りがあるので、発動していない。今日は、その点、重要だったと思うんですけれども、マクロ経済スライド自身は年金をもらう人たちの寿命が長くなる、子供が少なくなるというふうな要素で機械的に減らしていくんだというのは、さんざん出ていますけれども、発動する。それは受給権とも密接に......僕は経済学なんでわかりませんけど、実態的には受給世代もカットするということですよね。

〔 武藤主計官 〕 そこはそうです。おっしゃるとおりです。

〔 田近分科会長代理 〕 だから、そういう意味では、それ自身は決まっている、その部分は。いいですか。

〔 倉重委員 〕 はい。

〔 田近分科会長代理 〕 では、角さん、竹中さん。

〔 角委員 〕 古賀委員のおっしゃった観点は非常に重要だと思いますけれども、沿線の自治体を回っていますと、偽装離婚して、いわゆる母子家庭をつくって生活保護を受ける。秋山委員のおっしゃったような究極の姿も出てきていまして、もちろん、確かに現在の制度を改善していく努力は必要ですけれども、生活保護受給者における高齢者の割合が50%を超えており、これは、ますますまだこれから増えていくわけですから、高齢者の年金問題とセットして、現在の制度を抜本的に改善する必要があります。

 ですから、高齢者の生活の最低保障部分の年金は、例えば税で7万円なら7万円、それは支給する。国民皆年金になるわけですから、そうなれば、そのかわり高齢者の生活扶助は一切基本的に支給しませんということにすべきです。病気になられた方も一定の自己負担をしてくださいというふうな制度にすればよいかと思います。せっかく消費税を上げて一体改革を議論していただくのですから、この際に税金で最低生活保障の年金を支給していただいて、あとは積み立て方式で2階部分をやっていただいて、そのかわり高齢者の生活扶助は一切しませんというふうな改革をしていただくと、モラルハザードが起きないのではないかと思います。

〔 田近分科会長代理 〕 では、続けて。

〔 竹中委員 〕 おくれてきて、すいませんでした。今、角さんのお話、沿線という言葉が出たんですけど、大阪は、これは、とりわけ大きな問題で、私も関西人なので、かなり大阪人の気質も影響しているかなという感じに思うんです。とれるものはしっかりとろう、上手にとったもんが勝ちやという。間違いなく、そのパターンはあって、どういうふうにとったか自慢して教え合うみたいなのは、結構すごいんですよ。(笑)誰も多分これはよう言わないと思うから、私は言いますけど、障害者の生活保護世帯というのも非常に多くて、今、夫婦で偽装離婚のお話がありましたけど、家庭を完全に生計分離して、障害があるから働けないからということで、生活保護をとるというとり方も教えてくれるし、やり方も全部教えてくれるしという形で、それが自立だと言われるので、私は、それは単なる家出やろうというと、怒られるんですけれども、そうやって世帯分離して生活をしている人たちが自分の介護者を物すごく綿密にローテーションして、得るためのことを自立運動とされるんですけれども、それだけのことをできる人たちが働けないわけないだろうと私は厚労省にずっと言ってきた。

 あれだけのことをできる人たちが働けないわけないだろうというところは、前回も私自身の経験とか、人生のお話もさせてもらいましたけど、やっぱり働くためにどれだけのインセンティブを働かせるかということが今最も重要で、50歳以上の受給者が非常に増えていたり、病気を伴う人も増えているというところで、なかなかさわりにくいかもわかりませんが、今、若い人が簡単にそんな感じで生活保護に入ってくる。入ってきたらもう出て行かない。これをいかに就労支援の形でね。だけど、そこら辺の就労支援は、働くことから落ちこぼれてきた人だから難しいと言われるんだけど、私の経験から言えばやれるんです。やれるんだけど、その綿密なやり方をしていないので、ぜひ若い人が入ってきても抜け出せる状況、あるいは例えば生活保護、今は稼いだ分は減らされるから稼がないほうがましだという制度なわけですけども、その中のあるパーセンテージは残せるような方法だとか、とにかく働くような後押しをする仕組みが重要というのが一個。

 それから、先ほど国全体でしっかりした制度設計と言われたんですけど、自治体格差がすごく激しいので、かといって、今、神奈川でしたか、生活保護というものからどう脱却していくかということで、非常に綿密なプロジェクトを立ち上げられて、ちゃんと制度設計をし直したり、就労支援も細かく入れたりして、目標年限を限ったりして、かなり効果が出ているというところもあるんです。そうすると、私は、大阪が逆にそれのモデルになれよというぐらい、国がしっかりと指導すべきというのはおかしいかもわからないんですが、何でこんなことを言うかというと、私は以前、大阪市の改革委員というのをやっていまして、その部分を大阪市の担当職員に保護のことを聞いたら、「いや、私たちは国が決めた基準を厳密に守ってやっているんで、文句は国に言ってくれ。大阪が別にとりやすいわけではない」と、ごっつい反論を受けた記憶があったんです。

 だけど、どう考えても、大阪の状況というのは、異様なことが多々起きているというのは私たちも身近にいて非常にわかりますから、だとすれば、逆にそういった特異な状況にある自治体がきちっと政策をちゃんとつくって、何年間でこうするというようなものを出して、それに取り組むというような新しい考え方、そうすべきだというような国の方針を出したりするようなこともありなのかなと。

 まして地域で働くとか、地域で近所の人同士で助け合いするというような観点から言うと、やっぱりこれは国というマスで見ちゃうと見えなくなるんです。細かいところに手が届かなくなる。だから、私たちがやっているのは非常に細かい、落ち穂拾っぽいかもわからないんだけど、その落ち穂をちゃんと拾わないから、おりてきている部分が相当あるので、やはりそこは就労支援へ向けた、生活保護から脱却できるという制度をきちっと取り入れるべきであろうなと私は思います。

 ちなみに、私、NHKの経営委員もしていますが、NHKの受信料支払い率も、沖縄を除くと大阪が一番べったでございます。大変恥ずかしゅうございます。

〔 田近分科会長代理 〕 時間も迫っているんですけど、最後。では、鳥原さんと小林さん、板垣さん、それで。

〔 鳥原委員 〕 今、現状の非常に厳しい財政構造の中で、年金制度を将来の世代につけを回さないで持続性を高めていくという点で、やはり給付と負担のバランスというのはほんとうに見直しをしっかりとやらなければいけないと思いますが、その中で、72ページにもありましたように、特に深刻な世代間格差の是正を考えますと、所得代替率というのも50%より下げる必要があるのではないかというぐらい、そのぐらい思い切った給付削減を検討しなければいけない状況にあると思います。

 それだけに、現状起きている問題というのは、特に社会保障の機能強化と重点化、効率化をセットで考えるという基本を徹底していく必要があると思いますけれども、こうした観点から、先ほど来出ています通り、年金特例水準の解消は早期に行うということは言うまでもありませんが、その上で、デフレ下におけるマクロ経済スライドの適用を急ぐべきであると思います。

 もう一つ、低所得者への年金加算と高所得者の年金減額についてですが、これらは本来セットであったわけで、年金加算のほうは、福祉的な給付措置として実施される予定となっておりますけれども、高所得者の年金減額のほうは見送りになっているということなので、重点化、効率化の考え方がないがしろにされないように、確実な実施を進めていただきたいと思います。高所得者の年金減額が見送りとなったことに伴い、低所得者の福祉的な給付措置についても、当初予定枠縮小するという対応をされていますが、そういうことで効率化を先送りするのではなく、やはり高所得者の年金減額は確実に実施すべきだと思います。

 生活保護につきましては、現在の生活扶助基準が一般の低所得者の消費実態に比べて高い状況であるとか、それから、同じように最低賃金よりも生活保護の水準が高いという実態、これは、さきほども言われていましたが、働くよりも生活保護のほうがよいというのでは、就労インセンティブの観点からやはり大きな問題だと思います。生活保護を受ける若年層がここ10年で倍増しているという問題がありましたけれども、こうした状況に対処して自立を助長するさまざまな施策の実効性を上げるためにも、生活保護基準の見直しというのは重要ではないかと思います。

 さらに、平均的な国民年金の受給額に比べても、生活扶助基準が高いというように言われていますけれども、働いているときに十分貯蓄しないで、退職後に生活保護の給付を当てにするという行動を助長しかねないということでもあります。

 いずれにしましても、こういった生活保護基準と一般低所得者の消費実態や最低賃金、国民年金の受給額などのバランスの適正化をぜひ真剣に考えてもらいたいと思います。

〔 田近分科会長代理 〕 時間押しているんで、小林さんと板垣さん、続けて。

〔 小林委員 〕 今、皆さんのいろんな議論をお伺いしていて、1つだけ気になったというか、生活保護受給者の人たちの就労インセンティブというのが相当話題になっていると思うんですが、例えば20ページに「就労インセンティブを制度的に引き出す枠組みも必要ではないか」という問題提起があるんです。これが例えば賃金よりも安くするという、言ってみればややマイナス的なイメージではなくて、ここに、就労収入に応じて一定額を積み立てて、安定就労の機会を得たときに、それを支給する一種の積立制度のようなもの、こういう制度はやっぱりつくっていかないと、生活保護を受けている人が少し働いて、その収入が増えても、その分が控除されてしまうということだと、これはやっぱり働かないほうがいいよねという話に絶対になると思うんです。

 不正受給を減らすとか、それに対して厳しく対処するというのは当然のことなんですが、むしろ、ここに出ているような、働いた分はちゃんと自分のほうにプラスになっていくという仕組みを考えなくてはいけない時期が来ているのではないか。せっかくここまでこういう提案が出ているわけですから、こういうアイデアをプラスとマイナス、その辺を精査して、実際に実行にもっていけるものなのか、いけないものなのかということを検討すべきではないかということを考えます。

 手短にですので、以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 板垣さん。

〔 板垣委員 〕 時間がないので、簡単に言いますと、社会保障制度の改革というものは、もう前からやるべきだと言われていて、いろんな項目が上がりながら、少しは前に進みましたけれども、全然前に進んでいないという実態があります。つまり、この議論の中で幾らこのことを話しても、具体的な施策と連動しないと進まないわけです。それは、今の政府がきちんと受けとめるべきだと私は思います。

 それから、50ページの論点のまとめ、これは、ほぼ異論がないと私も考えます。ただ、一方で、政策の谷間に落っこちる人が結構いまして、例えば職がないという基本問題がある中で、幾ら生活保護から抜け出すといっても、なかなか抜け出せない実態がここ10年ぐらいあるわけです。そこに細かく目を落として、施策を打てるかどうかという問題点があると思います。

 それから、ジェネリック医薬品、後発医薬品を優先して生活保護受給世帯に使ってもらうという話ですが、私は全く間違っていると思う。これは、国民全体がそうあるべきであって、つまり、生活保護者だけがジェネリックを優先して使うという論理は、普通、成り立ち得ないと私は思っているんです。やっぱり、それはみんなでやるべきことであって、生活保護者だけに重点的にやるということはいけないことだと思います。

 最後に、具体的な話をしますと、生活保護を受けている人がハローワークに行って、就職先を探していてもなかなかみつかりません。これは実例ですけれども、例えば生活保護を受けているので、自動車を取り上げられているわけです。自動車は使えないんです。ところが、田舎に行けば、大体わかるように、車がなきゃ就職の面接にも行けない、ハローワークにも行けないという人がかなり多いんです。ですから、例えば軽四輪の中古の車ぐらいだったらある程度認めるということにしないと、きっとどこにも出かけないで、家に閉じこもりきりという人がやっぱり多いと思うんです。そういった細かい点の制度の見直しもやりながら、どうやったら就労できるのかという施策を考えていくべきだと思います。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。

 議論は尽きませんけれども、また各予算の議論の後に、総括的な議論のところで論点をさらに検討できればと思います。さまざまな論点をいただきましたけども、最後の就労インセンティブのところも大切ですし、古賀さんのおっしゃった中で非常に大きな問題は、生活保護の制度で国と地方の役割をどう考えるか、一番本質的なところではあります。一方、国が地方に裁量を与えて、もっと独自にやってもらうという点もあると思います。

 この辺は、今日はいい指摘をいただいたということで、我々の議論を次に深めるときにさらに発言していただければと思います。

 次は、少しおくれてしまいましたけども、防衛関係費についての説明に移りたいと思います。

 主計官の吉井さん、お願いします。

〔 吉井主計官 〕 防衛関係費を担当しております吉井でございます。座ったままご説明させていただきます。お手元の資料をお開きください。

 まず、2枚めくっていただきますと、「平成24年度一般会計歳出予算の概要」という資料が出てまいります。防衛関係費につきましては、ピンクの基礎的財政収支のうち社会保障関係費、それから地方交付税を除く約25兆円余の予算のうちの約2割を占める4兆7,000億円余の予算でございます。先ほど来お話がありますように、社会保障関係費について、いろいろな制度改革によりまして自然増を抑制しても、なお多額の自然増が残っているということでございます。71兆円の歳出フレームを堅持する必要が片やあるわけでございまして、その25兆円の中に含まれる防衛関係費も何らかの形で抑制していかざるを得ない状況でございます。

 ただし、1枚めくっていただきまして、2ページ目でございますが、その抑制の方向性はどういうことかということでございますけれども、防衛関係費が最も高さが高かった平成14年と比べてみますと、防衛関係費が約4.9%減ということになっております。これは、他の主要経費、文教及び科学振興費や農林水産関係予算、それから経済協力費、それから公共事業関係費に比べまして、削減幅を抑えられているということでございます。このように防衛関係費については抑制をする方向ではありますが、一定の配慮がこれまでなされているところでございます。

 それはなぜかということでございますけれども、3ページ、次の資料でございます。防衛関係費の構造についてでございます。24年度予算でご説明いたしますと、4兆7,000億円余のうち人件費が2兆円余ございます。残る経費の2兆6,000億円余でございますが、このうちの1兆7,000億円弱は、艦船、航空機など製造、建造に複数年を要する防衛装備品がございます。そういう過去において複数年契約を結んだ、つまり、国庫債務負担行為をとったわけですが、その当年度における、つまり、この数字で言うと平成24年度における払いの見込み額を計上しているわけでございます。契約に基づいた義務的な経費でございます。

 それから、その下の年度の一般物件費でございますが、1兆円を切れる数字でございますが、その中でも防衛装備品の修理費、あるいは油の購入費など、自衛隊の活動にとっては不可欠な費用。あるいは、この中にも基地対策経費のように条約に基づいて負担することが決められている経費も含まれているところでございます。

 このように見てみますと、単年度の可変範囲は小さいわけですが、逆に申し上げますと、後年度負担の抑制でありますとか調達のあり方、あるいは自衛隊の人的構成のあり方など、中期的・構造的な問題への取り組みを進めていくのが大事であるということでございます。

 1ページめくっていただきまして4ページでございますが、少し歳出化経費について敷衍させていただきます。平成24年度予算における歳出化経費というのは、平成20年度の契約、それから21年度の契約、22年度の契約、23年度の契約に基づく24年度の払いでございます。これが黄色い棒の斜線の引いてある虎模様になっている経費でございます。この経費は、冒頭申し上げましたように71兆円のフレームのもと、防衛関係費が抑制していくという傾向にあるのであれば、歳出化経費と24年度における新規後年度負担というのは大体見合った水準でなければならないということでございます。

 あともう一つ、今度は政策のほうにまいりまして、防衛力整備についてどういう方向性で現状行われているかについて簡単にご説明させていただきます。資料の5ページ、防衛計画大綱の概要でございます。

 平成22年の年末にまとめられたものでございます。この大綱は、平成32年度までの我が国の防衛力の水準、いわば防衛装備品のストックの水準を示す資料でございます。この大綱の内容につきましては、冷戦型の戦車、火砲を中心とした基盤的な防衛力というものから、動的防衛力、護衛艦、潜水艦、あるいは作戦用航空機等を利用した平素からの警戒監視、それから、いざ有事においては、即応性、輸送力を重要視した大綱の内容となっております。ある意味、これは、現在の緊張感の高まりつつある安全保障環境と整合的な内容であるというふうに考えております。

 あわせまして、人的資源の効果的活用、装備品取得の一層の効率化等の構造改革を進めるということが触れられております。これらの内容については、後ほどご説明させていただきます。

 それから、6ページでございますが、今度は中期防衛力整備計画の概要でございます。この大綱に基づいて前半の5年間について、今度は防衛装備品の取得等を内容とする計画でございます。いわば大綱がストックを示すのであるとすれば、中期防衛力整備計画はフローを示すものでございます。平成25年度予算編成は、その3年目になるということでございます。

 中期防の経費総額というのは23兆4,900億円でございますが、調整枠が含まれておりまして、各年度の予算については23兆3,900億円の枠内ということで決定していくこととなっております。

 25年度の要求の概要でございますが、7ページでございます。4兆6,536億円ということでございます。これは、先ほど申しましたように、防衛関係費は人件費の占める割合が多いことから、給与特例法による削減の影響が生じておるということでございます。物件費については30億円の増要求となっております。

 25年度に結ぶ契約の新規後年度負担でございますが、これは、昨年の水準よりもさらに高い水準になっておりまして、8ページでございますが、1兆8,934億円ということになっております。これを棒グラフで示してみたのが9ページでございますが、当年度の契約に基づく新規後年度負担は、22年度以降毎年増えている姿になっておりまして、先ほども申し述べましたように、防衛関係費も含めて予算が抑制の方向であるということでございますから、このままの新規後年度負担を続けていくことになりますと、防衛関係費は持続可能でなくなるという問題点があろうかと思います。

 以上のことから、平成25年度予算編成における防衛関係費の論点について10ページに書かせていただいております。

 1つ目の論点が、中期財政フレームにおいて25年度から27年度まで、少なくとも前年当初の予算の基礎的財政収支の規模を実質的に上回らないことが求められている。こういう中においては、防衛予算についても引き続き抑制する方向で取り組む必要があるということでございます。中期的・構造的な問題への取り組みを着実に進めることにより、新規後年度負担の水準を抑制しながら、大綱・中期防に沿って現在の安全保障関係に対応しながら防衛力整備を進めていくべきではないのかということでございます。

 それから、人事制度改革、調達制度改革についても、あわせて着実に進めていくべきではないのかということでございます。

 次の大きな柱でございますが、人事制度改革でございます。まず、なぜこれを進めなければならないのかという背景になる事情をご説明させていただこうと思います。13ページをお開きください。

 冷戦期以降の自衛官の人員の変化の姿でございます。平成3年度で自衛官の実員は24万人余おられました。幹部自衛官が3万9,000人弱、それから准尉、曹が12万8,000人余、それから士が7万2,000人余、そのうち任期付の自衛官が6万4,000人余おられました。平均年齢も32.2歳ということでございましたが、これが平成23年度の計数で申し上げますと、トータルで見ますと22万8,000人弱ということで抑制されているわけでございますが、実は幹部と准・曹の数字が大幅に増えていて、第一線で働く士の数が大いに圧縮されている。うち任期制の自衛官、2年ないし4年程度働いて別の職場に行かれる方が主として想定されておられるんですが、そういう方々の人口が1万8,000人と激減している状況になっております。

 これを年齢で並べてみるとどうなるのかというのが14ページでございます。まず、15歳から60歳までの年齢が書いてあるところでございます。紫が士でございます。水色のくだりが准尉、それから曹でございます。それから赤いところが尉官以上の幹部自衛官でございます。平成3年の状況を見ますと、若年の士が特に19歳から24歳ぐらいまでの方々が激減しているというのが一目瞭然であるわけであります。平均年齢が、やはりそういうことで35.8歳ということでございまして、トータルで見ると3.6歳上昇しているわけでございます。

 この背景でございますが、自衛隊の任務も多様化、国際化という流れが片やあります。それから、装備も高度化しておりまして、人的な構成が熟練性や専門性を前提とするものに移行していて、このようなことになっていた。それから、退職者の減とか、採用減のような影響もあって、このようになったというのが要因の分析であります。

 ただ、自衛隊の職場も大変体力的に厳しい職場環境でありまして、このままの状況で自衛隊の人的構成で一番求められる精強性が損なわれないのかというのが大きな問題になっておろうかと思います。

 それから、中期的に見ていきますと、人件費が防衛関係費についての占める割合が多く、このままの人事制度では防衛費が将来的に見て硬直化しかねないという問題もあろうかと思います。それから、士を増勢しなければならないわけですけれども、一方で、今後、少子化の流れも進んでくるということが問題点としてあろうかと思います。

 こういうことを進めるためには、下の寸胴型の人的構成になっている自衛官の人事構成を何とかうまくシャッフルする仕組みが必要ではないのかというのが大綱・中期防にも盛り込まれているところでございます。

 1ページ飛ばさせていただきまして16ページでございますが、黄色いところの問題点は今ご説明させていただきましたが、水色とグリーンのところを中心にこのページは説明させていただきます。任務の多様性に対応しつつ士の増勢を図る、精強性を確保していくということがまず大事だということで、階級とか年齢構成を見直していく。そのために人件費の追加的な負担を招かない範囲で、第一線の部隊に若年隊員を優先的に充当し、その職務に最適化された処遇を、特に後方業務でございますが、後方業務に最適な処遇というのを考えて、それを適用していく後方任用制度というのが構想されているところでございます。

 それから、人事管理の適正化、年齢構成の改善を行うために公務員制度全体の流れと整合性をとりながら、早期退職制度についても進めていく必要があろうかということでございます。その際は、あわせて援護と申しますか、再就職の体制を整えていく必要がある。この点については、12ページに戻りまして、大綱・中期防についても公的部門における受け入れを含む再就職の援護、あるいは退職後の自衛官の礼遇に対する施策を進めていくということで、あわせてこれらを進めていく必要があろうかというふうに考えております。

 次が調達制度改革でございます。18ページをお開きください。昨今、財政事情が非常に厳しさを増しているところでございますが、一方で、防衛装備品の性能も高性能化しているところでございます。したがいまして、それは防衛装備品の購入価格が高価格化するだけでなく、維持費用も増加してくるということでございます。他方で防衛装備品の調達数量が減少しているということでございますので、装備品を耐用年数を超えて延命していく、あるいは、その中で近代化改修のようなことを行っていくということもやっているところでございます。結果、さらに整備維持費が増加するということで、悪循環に陥っているところがあろうかと思います。

 これを計数的に示したのが19ページでございます。黄色い棒グラフが装備品の整備維持費に関する単年度の契約額を示したところでございます。それから、ブルーが主要装備品の購入に関する契約額でございます。これらが平成17年度に逆転しているところでございます。そういうことから、防衛装備品の購入だけではなくて、整備維持を通じて調達の仕方を見直して、効率化を図っていく必要があるということでございます。

 この点につきまして、大綱・中期防には、20ページでございますが、以下のような施策が盛り込まれているところでございます。1つ目がライフサイクルコストの抑制でございます。2つ目が国際共同開発・生産ということでございます。3つ目が契約方式の見直しということで、維持整備に係る成果の達成に応じて対価を払う契約方式、パフォーマンス・ベースド・ロジスティクスの導入を進めていくというような趣旨が盛り込まれているところでございます。

 21ページにまいりまして、ライフサイクルコストについて簡単に説明させていただきます。装備品については、構想段階から研究費、開発段階では試作品の費用等、それから量産化すると装備品を購入する費用、運用維持していくと燃料費、あるいは修理代等がかかる。最後、廃棄費がかかるところでございます。これらについて装備品の購入価格を見るだけではなくて、長期的に防衛費の持続可能性を維持する観点から、装備品の選択に当たりましても、これらのライフサイクルコストをしっかり見ることによって、いずれの装備品が適切であるのか、あるいは国際・輸入・ライセンス国産等、最も取得方式として最適なものは何なのかというようなことを検討することが可能になるわけでございます。

 ただ、一方で将来の見積もりということでございますので、データの蓄積が大事だということを防衛省は申しておりますが、私どもとしてはさらに一歩進んで、それをどういうふうに管理していくんだと。つまり、ライフサイクルコストが上昇した場合には、どのようにして今後の契約に対して当てはめをしていくんだということを、よくよく検討していかなければならないと思っております。

 1ページ飛ばしていただきまして23ページでございますが、国際共同開発・生産でございます。先端装備品の分野については、高性能化、高価格化が進んでおる状況でございます。米国といえども、その例外ではなくて、先端装備品については国際共同開発・生産というのを進めているところでございます。そのメリットでございますが、同盟・友好関係の強化、相互運用性の向上というのがあります。それから、財政当局としても大事なのはコスト低減とリスク分散というのが図られる。一方で、防衛装備産業、企業の側からいたしますと経営基盤の強化、それから運用基盤の安定化のようなことが図られるということでございます。

 ただ、先端装備品でございますので、予想外に開発費用が増大するようなこともあろうかと思いますし、我が国の求める要求性能とフィットするのかというような論点も片やあろうかと思いますが、今後の装備品の価格の上昇ということを考えると、やはり開発段階で相当の費用がかかっている。例えば最新の陸上自衛隊の戦車である2010年式の戦車でありますと、構想、それから開発段階で約800億円を超えるコストがかかっているわけで、このような国際共同開発・生産というのは非常に進めていく必要があろうかと考えているところでございます。

 この点につきまして、従来、制約になっておりましたのが武器輸出三原則であります。内容を簡単にご説明いたしますと、共産国向け、あるいは国連決議による武器輸出を禁止されている、あるいは紛争の当事国等については武器の輸出は認めない。それ以外の地域についても、憲法及び外国為替及び外国貿易管理法の精神にのっとり、武器の輸出を慎むものとするとされているところでございます。この点につきましては、国際共同開発・生産に我が国が参加しようといたしますと、その部品については我が国からの輸出に当たると見なされる場合が多うございまして、従来、この武器輸出三原則があるがゆえに、我が国としても国際共同開発・生産になかなか参画できなかったわけでございます。

 この点につきまして、平成23年12月に官房長官談話といたしまして、防衛装備品等の海外移転に関する基準というのが発出されました。平和貢献、国際協力に伴う案件と我が国の安全保障に資する防衛装備品などの国際共同開発・生産に関する案件については、包括的に例外化措置を講ずるものとされているところでございます。

 以上を踏まえまして、25ページでございますが、調達改革に関する論点といたしまして簡単にまとめさせていただいております。2つ目の丸と3つ目の丸でございますが、1つ目は、冒頭申し上げたライフサイクルコストの概念を一層明確化、そして管理を強化していくことが大事なのじゃないか。それから、今後の装備品の取得に当たっては輸入品も対象に含めて、性能及びライフサイクルコストをその判断材料として明確に位置づけていくべきではないのか。それから、国際共同開発・生産については積極的に参加していくべきではないのか。従来、武器輸出三原則の制約があったところですが、ただいま申し上げましたように、一定の条件整備がなされたところでございます。まずは、これに基づく実績を積み重ねるとともに、我が国安全保障に資することを前提として、さらなる促進のための取り組みを行うべきではないのかということでございます。

 それから、防衛装備品については民間転用のニーズもいろいろ声もあるところでございまして、装備品の有効活用によって利用料の収入が入るという側面もあろうかと思います。民間転用のようなことも非常に大事な施策ではないのかと思っております。

 私からの説明は以上とさせていただきます。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。

 それでは、ご意見、ご質問、挙手。葛西さんと早川さん。

〔 葛西委員 〕 ただいま説明がございましたが、10ページのところに防衛力の制度の考え方について「引き続き抑制する」、あるいは「防衛計画大綱・中期防衛力整備計画に沿って進めていく」ということが書かれてあります。防衛力というのは、ほかの支出と並びで内向きで考えられるものではなくて、防衛に対する脅威、安全保障をいかに守るかというために必要なものにどう対応するかということで決められるべきだと私は思います。役に立たないものであるならば、なくても同じことだということになるわけでありまして、それは防衛環境の変化にどう対応するかという観点から議論していかなければならないのではないかと思うわけであります。もし国の安全保障というものが失われる形になれば、それはあらゆる福祉も、あらゆる政策も、全てが無に帰するということになりますから、財政の健全化という1つの独立した方程式と、それから、国の安全保障をいかに確保するかというもう1つの独立した方程式というものの連立方程式の解を解くという形で事を進めなければならないというふうに思います。

 現在、世界は、おそらく20世紀の世界、冷戦構造の世界から21世紀の世界にシフトする大きな移行期の中にあるように思います。それは、第1次大戦、第2次大戦の期間を通じた31年が19世紀の世界から20世紀の世界に移行する期間であったのと同じような、大きな世界的な流れの変化の中でいろいろなことが起ころうとしておりますが、尖閣列島の問題なんかは、それは単に小さな人の住んでいない島の所属をめぐる問題ではなく、あるいは海底資源の争いでもなく、地政学的に、あるいは21世紀の世界の構造をどう決めていくかという価値観という軸と地政学という軸の間で起こっている話でありますから、地政学的な21世紀の秩序をどうつくるかということで、これからつくられようとしている仕組み、バランス・オブ・パワーをどう築くかということの中から出てきています。

 端的に言うと日米同盟に対するストレステストというふうに考えなければいけないわけでありまして、これは、ヒトラーがラインラントに進駐し、あるいはアンシュルスでオーストリアを併合したようなときとやや似たような環境にあるわけでありまして、早目にメッセージを送り、決意を明らかにし、そして、ここまでは交渉可能であるという境界線を明らかにいたしませんと、おそらく、これは後で千載の悔いを残すことになるわけでありますから、防衛力については、私は基本的には増加の方向で、今までの傾向を覆すべきであるというふうに思います。

 と同時に、後年度負担が直ちに有効になるわけじゃないので、決意を示すということが非常に大事なんでありまして、すぐにでもできることはすぐにでもやればいいし、将来において、こういうことを整備する決意を示すということで、日米同盟を強化するような形が非常に必要な時期に来ているというふう思います。ここに書いてある、今まで決めてきた、前の環境における対応策を守るということを前提とし、装備の調達の仕方やさまざまなテクニカルな問題に入っていく前に、基本姿勢をきちんとしなければだめなんじゃないかというふうに思います。

 先ほどは申し上げませんでしたけど、社会福祉・保障、医療という問題も同じような中にありまして、そこに書いてあったさまざまな施策について私は全て賛成でありますが、それを実際にやったときに、一体幾らの財政的な効果を上げることができるのかという点については、あの資料からははっきりしておりませんでした。

 しかし、一番最初の回にご説明のあった「我が国の財政事情」という資料を見ますと、日本の財政は極めて危機的な状況にあるということは明らかでありまして、その方向に向かって、片一方で必要十分な対策というものを打ちながら、つまり、制度のいろんな運用の仕方等についてのきめの細かいご議論がありましたが、より大きななたで割ったような議論とすると、福祉というのはやっぱり切らなければならない、押さえなくちゃいけないというのは明らかな財政構造上の事実でありますし、もう片一方で、それをやりながら防衛力については強くしていくんだという決意を示さないと、将来における負担をさらに大きくするということになるように思います。

 その辺の基本姿勢をきちんと覚悟を決めて、これから21世紀を通じての日本独自の安全保障だけではなく、経済活動の安定的な基盤の1つの方向を決める重要な節目の年にいるんだという決意をぜひ固めて事に当たっていただきたいと思います。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。もう少し一歩、具体的なお考えというのも。

〔 葛西委員 〕 具体的な話は、これからいろいろ作業されるのでしょうから、方向性の議論が大事だと思うんですよ。ここで政策についての個々の数字を詰めていくという議論は、私にはそれだけの専門知識がございませんから、世界観、あるいは世界の情勢を見て、どちらの方向にスタンスをとるべきかというところについては、はっきりしておくことが必要じゃないかなというふうに思って申し上げた次第であります。

〔 田近分科会長代理 〕 わかりました。

 では、富田さん、早川さんの順番で。

〔 富田委員 〕 先ほど古賀委員から生活保護があらゆるものより大切である。また、ただいまは、防衛関係費が大事だとの指摘があった。おそらく一番大事なことを全て取り扱っているのがこの審議会であって、そこにおいて、それでも優先順位をつけていこうという議論だと思うんです。優先順位といっても、全て重要なものの中でつけるという、非常に難しいというか、ある意味、神への挑戦というか、大変難しいことをやっているのですよ。

 そこで、今お話しあったことなんですけども、やはりこれ以上負担を先送りにすることは非常に難しい。71兆円というプライマリーバランス対象経費については、このシーリングについて3年間守っていくという中で考えたときに、では、この防衛関係費、今の国際環境、今ご指摘あったような環境の中でどう答えるかということについて、多分お話があったと思うんですけども、やはり基本的にはもう冷戦構造が終わって20年もたつわけなんですけども、我が国の3自衛隊の冷戦構造を優先したような配備の状態から、つまり、基盤的な防衛力という観点から動的な防衛力という、さっきお話があった運用という意味ではレベルが小さくなるように見えるんですけども、多分そうじゃなしに、やはり大きな方向としては、冷戦型の戦車とか火砲とか、そういうものを重視した体系から、今ですと島嶼とか沿岸地域の哨戒機能を高めるとか、そういうことに向けてどういうことが与えられた範囲の中でできるかということが問われていることだと思うのです。

 そういう意味では、多分、防衛計画の大綱の概要というのがあって、ここでこれまで600両もあった戦車をどんどん縮小して、その分、護衛艦とか作戦用航空機とか、そういうものに向けていくべきものだと思うんです。そういう意味では、3つの自衛隊における選択と集中ということを徹底して行うということだと思うんです。

 だから、そのお話をもう少し聞きたかったんですけども、つまり、冷戦が終わって20年ほどたっていて、毎年の予算でこういう議論、今日ほど切迫感がないにしたって言ってきたと思うんですけども、その進捗やいかんということなんです。つまり、3自衛隊で、陸上自衛隊の資源配分が相対的に減ってきて、当然、海上及び航空自衛隊に向けての資源配分が増えてくる。だから、一元的な資源配分をこれまでどういう形で行われてきて、それを来年度はどうするかということが大きな課題だというご指摘だろうと思うんですけども、そういう観点からご説明いただきたく思うんです。

 つまり、もうがんじがらめになっていて、あまり変更の余地ないですよというようなお話だったんですけども、そういう要素もあり、将来を縛ってしまうという要素もあるんですけども、そういう中でどれだけのことができるんだというふうな観点から、ちょっとお話しいただければと思うんですけれども。

〔 田近分科会長代理 〕 具体的には大綱・中期防の考え方、葛西さんがおっしゃったような国にとっては非常に最上位の問題ですよね。それに対してどう答えようとしているかというステートメントが必要だというのが富田さんのご意見でもそうですよね。いきなり人事計画、調達品の見直しに行く前に、日本を取り巻く政治状況の中でどう国防を図っていくのか。そこは非常に大きな問題ですけれども、もっと議論というか、ここでの確認が必要な気は私もします。

 ただ、これを今、吉井さんに言ってといっても大変ですよね。一言あれば。

〔 吉井主計官 〕 まず、富田先生からご指摘のありましたシェアの見直しでございます。平成22年度の陸上自衛隊のシェアは25.1%ということでございますが、平成24年度予算では22.9%ということで、これまでにないような大きな見直し。従前の3自衛隊の契約額のシェアというのは、なかなか硬直的で変わらなかったんですが、新中期防になりまして非常に大きな見直しになっている。片や海上自衛隊につきましては、22年度は31.4%のシェアでしたが、24年度は34.2%ということで、これも大きな見直しになっているというふうに考えております。25年度予算におきましても、このような方向性を基本的に守りながら、戦車とか火砲とかいいますような冷戦型の装備については厳しく見ていきたいと思います。

 ただ、先ほど申し述べたような厳しい後年度負担の状況でございますので、緊要性、必要性については、どの装備品についても変わることなく見ていきたいというふうに考えております。

 それから、防衛費と財政の問題についてご議論がございました。片や防衛装備品というのは国費でもちまして購入しており、また、自衛官の給料も国費をもって支払っているところでございます。国の財政というのがまず成り立つということを前提にできているものでございますので、そういうふうに私どもとしては考えているところでございます。

〔 田近分科会長代理 〕 では、早川さん、あと土居さんと竹中さん。

〔 早川委員 〕 富田さんがおっしゃったように、選択と集中が必要だというのは、そのとおりだと思うんです。これは、これからも格段の努力をしていかなければいけないということだと思うんです。さはさりながら、もう釈迦に説法だから繰り返しませんけれども、やっぱり国際情勢なり、日本をめぐる安全保障環境というのは格段に厳しくなっているということも確かだと思うんです。平成14年からずっと、事実上10年間、防衛費を削減してきた。これをこのままどんどんまた削減していっていいものなのだろうかという疑問は当然あります。後年度負担が増えているために、このままだと防衛費の抑制というのはきかなくなるというお話がありましたが、これ、逆に言えば、単年度の防衛費を抑制するために後年度負担を増やしている。つまり、言わば先送りしているような面が多少はあるのではないかというふうに思うんですけれども、仮にそういうことがあるとすれば、言ってみれば調達の効率性という意味では問題になると思うんです。

 したがって、田近さんに具体策はないかなどと突っ込まれると困るんですけども、やっぱり防衛予算のあり方というものは、もう一度きちんと議論する必要があるんじゃないか。例えばかつてはGNP比とか、それから一般会計予算に対する割合だとか、そんなことをいろいろと議論した。もうその辺の議論になると、少し財政審の枠組みから外れてしまうような気もしますが、しかし、単年度予算と後年度負担の関係とか、そういうのはまさに財政審で考えるべきことなんだと思うんです。だから、そういう意味でも、少し防衛費のあり方について、葛西さんが最初に提起されたような総枠の議論というのをやる必要があるのではないかというふうに思います。

 ついでですが、しかし、選択と集中というのは絶対に必要だと思うんです。問題点が挙げられていますが、特にこの人事制度改革というのが大変に重要なんじゃないかと私は思うんです。私は、あまり自衛隊や防衛の中身というのはこれまで存じ上げなかったんですが、これを見てみると、ほんとうに頭でっかちで、足腰の弱い自衛隊になりつつあるということですよね。それは、精強さを取り戻さなければいけない。それこそ時間がかかることだと思うんです。そう短兵急にできることではない。だから、そういう意味では、もちろん政府はそういう配慮をしていただいているんだと思いますが、できるだけ早急に人事制度の見直し、長期計画みたいなものを立てて、できるだけ早く着手する必要があろうかと思います。

〔 田近分科会長代理 〕 では、はい。

〔 土居委員 〕 国際情勢の変化、それから国防にまつわる新たな要請ということは、各委員がおっしゃったところについて私も共感しております。しかし、神は細部に宿るといいましょうか、増額を図る前にやるべきことがあるのではないかというふうに思うわけです。特に、先ほど早川委員がおっしゃったような、人事制度は極めて国際情勢の変化及び国防にまつわる新たな要請に応えられないような状態になっているんじゃないかというふうに思います。

 極端に言えば、人件費ばかり食って、実効的な安全保障ができないというようなことになりかねないような状況。このまま放置しておいて増額をまず認めるというようなことになると、単にうまく機能しない自衛隊を、実弾だけを多くするというようなことになってしまいかねないということで、そういう意味では、まず厳しく重点化、効率化をしていただく。それでもなお、やはり金額をきちんと費やさなければ実効ある安全保障はできないということが確認されるならば、そういうところにはきちんと経費を充てていくという考え方があってしかるべきかなと。

 そういう意味では、ここで議論になっている話は、確かにテクニカルな話だとか、細部にまつわる話であるんですけれども、やはり人事制度や調達制度についてはまだまだ見直す余地があって、金額は減ったかもしれないけれども、安全保障にまつわる実効力は高まったというような自衛隊、これを私はぜひ期待したいと思います。

〔 田近分科会長代理 〕 では、竹中さん。

〔 竹中委員 〕 この大綱・中期防というのが平成22年12月17日ということで書かれているんですけれども、その後、昨年の大震災、大津波があり、あのときは10万人の自衛官が全員動いた。自衛隊そのものも被災され、多くの死亡者も出し、家族も失いつつも、あれだけの救援活動をしてくださったということで、国民の自衛隊に対する信頼感というのは、17年前の阪神・淡路のときは私も経験したんでわかりますが、あのときは井戸知事が自衛隊が通る高速道路の料金をわざわざとめて取ったみたいな話もあったりしたぐらいでしたが、今回は、ほんとうにそういう意味では信頼に足る行動をしてくださったと思っています。

 そこへもってきて、また今、島嶼問題が起きていて、せんだって富士総合演習も拝見しましたけれど、非常に時宜を得たといいますか、それに対応するための必死の任務遂行に向けて、精鋭部隊として、かなり自衛隊の精度は高まってきているなという感じがしました。

 今、重要なのは、ここで確かに予算について語られるのでしょうけれども、ある意味、平時でない状態が起きつつある中で、体を張る人たちである。ですから、体を張る人たちが使命を果たすような信頼感とか、あるいは思いを寄せるといったこと、これは銭金ではないとは思うんですけれども、少なくとも予算配分であったり、中の装備の適切な予算のつけ方であったりすることによって、国民みんなが自衛隊に国の守りを託しているのだよという、この22年12月17日のではなく、現状のメッセージとして何かが必要なのではないか。

 そういう意味では、この財政審でどうかというようなご意見もありました。今、財政審で私がこんなことを言っているのが適切かどうかわからないんですが、少なくともクールに税の使い道ということで語る、それは非常に重要なことですが、と同時に、国防を担う人たちの意識を高めることも、やはりこの中に少し盛り込まれていただきたいなという気持ちがしながら、今の皆さんのお話を聞きました。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。

〔 葛西委員 〕 先ほど具体的な話が何もないじゃないかというお話がありました。先ほど土居先生のほうからも、まずは選択と集中をという話がありましたが、エネルギーというのは、エネルギーE=mv²という方程式で表されます。ですから、まさに選択と集中なんですが、素早く行動するという、何かを意思表示するということが大変必要だと思います。

 その中で、ちょっと思いついたことで、ほんとうにそうなっているかどうかわかりませんが、P−3Cという対潜哨戒機があります。あれはP−Xという機種で置きかえていっているんじゃないかと思うんですが、その置きかえていく過程で出てくるもの、まだ十分使え得るものがありますから、中の装備品、機械なんかをちょっとグレードアップして、これを増やしていく。増やした上で、例えば海上保安庁なら海上保安庁に一部を払い下げるというような形がいいんじゃないかなという意見を聞いたことがあります。

 それは、例えば要員の訓練というのはなかなか難しいんですけど、要員は既にリタイアした人もいるわけですし、民間企業で働いている人もいるでしょうから、そういう人間を民間企業と協力の上で派遣してもらうとか、あるいは再雇用するというやり方があるかもしれません。あるいは陸上部隊を西南諸島のほうに配属するということも、移動のための経費とか、多少の経費は要るでしょうけど、そんなに大きな予算はかからずに実行できるように思われます。

 さらに言えば、P−3Cは1日に10時間〜12時間、海上を監視することができます。それとプラスして衛星の情報を組み合わせて、衛星から尖閣列島地域の艦船、あるいは船舶の動きをよく見て、その情報を共有するというようなやり方もあるいはあるのではないかと。すぐにお金はあまりかからないでできるものとして思いついたものを申し上げますと、そんなところがありますので、先ほどのご質問に対する補助説明として。

〔 田近分科会長代理 〕 非常に具体的なイメージの湧くご意見ありがとうございました。先ほど申し上げたように取りまとめのときに、こういう大きな話も再度できると思います。

 今日の予定はここまでなんですけども、今回の報告書についてお諮りさせてください。総論、それから、前回、生活保障の医療、介護、今日は生活保護、年金、あとは防衛をやったんですけども、続けてさらに3回このような議論をします。その後にどういう形のものを出すかというのも、まだ完全にイメージできているわけじゃないんですけれども、報告書を取りまとめたい、それを公表したい。そのときに事務方でまとめたものをやるんじゃなくて、やはりこのメンバーの中で何人か文章をつくってくれる人を、案文をつくってくれる人を決めて、それをもとに我々の言葉で議論したい。

 そういうわけで、何人かの方にその案文作成をお願いしたいんですけども、誰にするかというのは、ここで諮っても収束するわけではないだろうし、よろしければ私に一任させていただいて、そのかわりお願いした人は快く引き受けていただくというレシプロカルな形で進めさせていただきたいと思います。これでよろしいですか。

 今日は政務官もいらっしゃっていますので、ご意見、あるいはどのような形で受けとめられたか、話していただければと思います。

〔 柚木大臣政務官 〕 今日、3回目ということで、委員の先生方、ありがとうございます。防衛関係のほうからまず申し上げますと、ほんとうにそれぞれのご指摘を踏まえながら、日米同盟も含めた自衛力。そういった部分への強化、特に質的な転換強化という部分だったと思いますので、その視点を持ってしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

 また、今日は外務の主計官がいらっしゃらないかもしれませんが、いわゆる国際世論形成のための広報外交の強化というようなことも含めて、緊張が生じているエリアへの対応も含めて、これはしっかりと取り組んでいかなきゃいけないという話をそれぞれ担当主計の方ともさせていただいていますので、そういった視点を含めた質的な強化というものをしっかりと図っていきたい。当然、それとできうる限りの両立を71兆円財政スキームがありますから、そこを何とか両立し得るような形の視点も十分持ちながら、そこはご理解をいただきたいと思います。

 それから、生活保護の関係で今日もいろいろご意見をいただきまして、実際的なご指摘をいただきまして、ありがとうございます。私も土日で平均2,000人〜3,000人、地元の有権者と対話をします。これ、実数です。一番大きいのが、この生活保護の問題なんです。視点は2つです。これだけ消費税や雇用やいろんな部分で厳しい中で、やっぱり生活保護の適正化。しかも、これを財政の面でしっかりとやってほしいということ。もう一つは、納得感といいますか、不公正感の是正です。この間、この2つの視点だと私は感じておるものですから、今日いただいた逆転現象の5年に1度の分の解消の視点、あるいは就労支援、具体的な制度のお話もありました。あるいは不正受給に対する厳罰化、これは住宅扶助であったり、貧困ビジネス、偽装離婚、いろんなご発言がありましたから、それぞれの視点を踏まえて、しっかりと取り組んでいかなければと思っております。

 ただ、そのときに1つだけ、メッセージの発信の仕方、この後、座長のほうからのレクもあるわけですが、私、古賀委員が言われた視点だと思うんですけれども、あまりカット、カットという発信だけじゃなくて、逆に消費増税もするわけですから、守るべきもの、充実させるものというものもしっかりと踏まえつつ、しかし、もう給付の分配から負担の分配へと時代が移っているわけですから、そこは、今日の議論を踏まえてしっかりと発信していく。

 初回に吉川座長がおっしゃった賢い適正化という視点を何とかうまく言葉にしていくようなお知恵を、今後3回の議論を経て取りまとめに向けていろんなお知恵を拝借しながら、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

 以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 これで今日の議題は終わりですけれども、内容の公表については、いつものとおり、今、政務官からありましたように、私から記者レクさせていただきます。個々の発言については、報道機関に対して皆様方からの話はお控えください。次回なんですけども、11月1日13時からで盛りだくさんです。地方財政、文教・科学技術、そして復興関係予算ということで3時間でしたっけ。

〔 小宮調査課長 〕 そうです。

〔 田近分科会長代理 〕 すいません、長丁場で、途中ブレークも入れたほうがいいかもしれませんけども、地方財政、文教・科学、そして復興関係予算ということで、ぜひご出席いただいて引き続き活発な議論をお願いします。

 本日はどうもありがとうございました。

 

午後6時15分閉会

財務省の政策