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財政制度分科会(平成24年10月5日開催)議事録

 

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録
平成24年10月5日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

                     平成24年10月5日(金)10:01〜12:15
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

1.開会
2.城島財務大臣挨拶
3.事務局説明
  ・我が国の財政事情
  ・社会保障・税一体改革について
  ・平成25年度予算の概算要求について
  ・9月以降の平成24年度一般会計予算の執行について
4.質疑応答
5.閉会

配付資料
○ 資料1      「財政について聴く会」
           (財政制度等審議会財政制度分科会)委員名簿
○ 資料2      財政制度等審議会議事規則
○ 資料3      我が国の財政事情
○ 資料4      社会保障・税一体改革について
○ 資料5      平成25年度予算の概算要求について
○ 資料6      9月以降の平成24年度一般会計予算の執行について

6.出席者

分科会長 吉川  洋               

城島大臣
大久保副大臣
柚木大臣政務官
網屋大臣政務官
木下主計局長
中原次長
福田次長
岡本次長
可部総務課長
小宮調査課長
大鹿法規課長
工藤司計課長
余島主計官
阪田主計官
富山主計官
神田主計官
青木主計官
諏訪園主計官
新川主計官
武藤主計官
窪田主計官
角田主計官
吉井主計官

委員

赤井 伸郎
田近 栄治
田中 弥生
土居 丈朗
富田 俊基

臨時委員

秋山 咲恵
板垣 信幸
岡本 圀衞
葛西 敬之
倉重 篤郎
古賀 伸明
小林 毅
角   和夫
竹中 ナミ
鳥原 光憲
早川 準一

 


午前10時01分開会

〔 吉川分科会長 〕 それでは、定刻ですので、ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。

 皆様、大変ご多用中のところご出席いただきまして、まことにありがとうございます。

 まず最初に、当財政制度分科会は、新たに臨時委員の皆様にも加わっていただきまして、本日より「財政について聴く会」として審議をしていくこととなりました。現在の委員につきましては、お手元の資料1の名簿のとおりとなっておりますが、後ほどご紹介も兼ねて、お一人ずつ一言ご挨拶をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 本日の段取りですが、まず事務局より「我が国の財政事情」、「社会保障・税一体改革」、「平成25年度予算の概算要求」及び「9月以降の平成24年度一般会計予算の執行」について説明をしていただいてから、委員の皆様一人ずつから短くご挨拶をいただき、その後、質疑を行いたいと思っております。

 なお、先日財務大臣にご就任されました城島大臣ですが、閣議がある関係で、11時ごろお見えになりますので、お見えになった際に、ご挨拶をいただく予定となっております。

 また、副大臣にご就任されました大久保副大臣、大臣政務官にご就任されました柚木大臣政務官と網屋大臣政務官にご出席いただいております。後ほど大臣からご挨拶をいただく際に、ご一緒にご挨拶をお願いしたいと考えております。なお、武正副大臣におかれましては、他の会議にご出席のため、本日は欠席です。

 ここで、改めまして、当審議会の議事規則について確認させていただきます。現在の議事規則は、お手元の資料2のとおりでございます。議事内容については、従来より、会議の終了後、記者会見を行っております。また、会議資料と発言者名を伏せた簡単な議事概要について、約1週間後に財務省ホームページで公表し、その後、発言者名の入った詳細な議事録を、委員の皆様に内容をご確認いただいた後に、財務省ホームページに掲載しております。

 今後とも、これまでどおりの議事運営を行ってまいりたいと存じますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、次に事務局からの説明に移りたいと思います。「我が国の財政事情」、「社会保障・税一体改革」、「平成25年度予算の概算要求」及び「9月以降の平成24年度一般会計予算の執行」について、ご説明をお願いいたします。なお、後ほど質疑につきまして時間をとっておりますので、ご質問等がございましたら、その際にお願いいたします。

 では、事務方、よろしくお願いいたします。

〔 小宮調査課長 〕 主計局の調査課長を務めております小宮と申します。私のほうから、お手元の資料3、資料4、そして資料5につきまして、かいつまんで駆け足でご説明申し上げたいと思います。恐縮ながら、着座のままご説明申し上げたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、まず資料3をごらんいただきたいと思います。この資料3は、現在の我が国の財政状況の非常に厳しい状況につきまして、やや歴史的なところも含めまして、ご説明申し上げるものでございます。

 1枚おめくりいただきまして、これまでの歩みと現状でございますけれども、一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移でございます。一目でおわかりになるとおり、歳出の規模のほうが税収の規模を大幅に上回っております。特に平成に入りましてから、バブルが崩壊した以降は、どんどんその差が開いている状況になっております。また、近年、ここ数年におきましては、公債の発行額のほうが税収を上回る年が多くなっているという状況になっているところでございます。

 このグラフにつきましては、霞が関界隈、主計局ではよくワニ口グラフと申しておりまして、今の眞砂次官が主計局長時代に韓国の財務省にこのグラフを使って説明したところ、やはり早目早目に対応しなければいけないと韓国のほうも強く感銘したそうでございまして、現地の新聞にも報道されたところでございます。

 1枚おめくりいただきまして、このように公債の残高は非常に累増しております。これは国の普通国債の残高でございますけれども、24年度当初ベースで、もう709兆円ございます。右の表にございますけれども、これに地方が200兆円ございますものですから、国・地方で940兆円ということで、対GDP比で196%、2倍に近い規模になっております。これはひとえに将来世代に大きな負担を残す形で公債が累増してきた姿をあらわすものでございます。

 もう1枚おめくりいただきたいと思います。5ページをお願いいたします。このような過程を経てきている財政状況でございますけれども、当然公債の残高が累増するに伴い、国債費も増大しております。また、その歳出に占める国債費の割合も、趨勢的に上昇しております。また、高齢化の進展等に伴いまして、ごらんのように、社会保障関係費の割合も趨勢的に増大しております。地方交付税等の地方への仕送り分は、ごらんのように、それほど比率として変わっているものではございませんが、その分、他の政策経費を圧迫しておりまして、ここにも大学の関係者の方々、多数おられますけれども、文教及び科学振興費、ごらんのように、昭和30年代に比べればもう半分の比率になっておりますし、公共事業関係費も、ごらんのように、非常に小さな割合を占める状況になってございます。

 そして、6ページでございますけれども、これを諸外国と比較いたしますと、OECD諸国の中で、社会保障以外の支出のGDPに対する割合でございますけれども、何と最低になっております。これは国債費、義務的経費等で占められます社会保障関係費の増大に伴いまして、まさに次の世代のためのさまざまな施策をするための経費がかなり圧迫されていると。これは諸外国と比較しても、圧倒的に圧迫されているという状況を示すものでございます。

 7ページにまいりたいと思います。7ページは、24年度の歳出・歳入予算の姿をあらわすものでございますけれども、今申し上げましたとおり、歳出につきましては、社会保障関係費等、国債費等、これだけの額を占めることになっております。

 では、その財源をどう賄っているかということでございますけれども、右側の円グラフ、赤いほうでございます。ごらんのとおり、租税収入、印紙税収入等で5割を切っております。その分、左側の公債金収入で5割弱、その他収入で4%ということでございまして、半分がまさに将来世代の負担で賄っているという、そういう意味ではかなり尋常でない状況になっております。

 そして、8ページでございますけれども、このような状況で、今、財政があるわけでございますけれども、よく日本の場合は国債が、例えば家計の資産がたくさんあるからまだまだ円滑な消化が続くんだとか、議論もなされるところではございますけれども、例えば家計の純資産、ピンク色のグラフでございます。それから、一般政府の総債務、これは青色のグラフでございますけれども、その差を見ていきますと、23年度末でもうほとんどございません。家計金融純資産の96%にまで達してございます。したがいまして、この状況が続く限り、今後円滑な公債の消化というものもかなり厳しい状況にさらに入っていくということが想像できるわけでございます。

 また、よく報道等も含めまして、国には資産があるだろうと。つまり国の債務も純債務で見れば、それほど大きなインパクトはないではないかという議論もございます。後ほど一番最後の資料で国の財務書類のBSをつけてございますけれども、この資産なども、普通の民間企業の資産とは異なりまして、直ちに売却して、償還や利払いに充てることができないものが多数ございます。そういう意味で、安易に、もしくは単純に純債務だけ見ていればいいんだという議論をできる状況にはもうないというところでございます。

 そして、9ページをお願いいたします。9ページも、これは金利の推移と利払費の推移でございます。利払費につきましては、平成以降、金利の低下に伴いまして、横ばい、もしくは減少傾向が続いていたところでございますけれども、一番右側の数年間、もしくは23年度から24年度を見ていただければわかるとおり、金利はもうこれ以上なかなか下がらない、下がり得ない水準にまで低下しておりますけれども、とうとう利払費のほうが上昇を始めております。ということは、逆に申しますと、金利が今後上昇していくと、さらに利払費は急角度で上昇せざるを得ない。もうそこまである意味追い込まれている状況であるということがわかろうかと思います。

 そして、10ページでございます。10ページは、各国の国債の所有者別の内訳でございます。先ほど申し上げましたとおり、日本の国債は日本国内の保有者で占められているので、そんなに心配は要らないと。海外の保有者に比べて、売り飛ばすようなことはしないではないかという議論もございます。

 しかしながら、これをやや子細に見ていただきますと、日本の国債は国内の保有者が多いわけですけれども、金融機関が非常に多いということが一目でわかろうかと思います。すなわち、財政の危機が仮に到来して、国債の価格が下がるということになった場合に、これが単に財政危機ということにとどまらず、金融機関のリスク危機、もしくはそれが講じますと、金融危機にも直結しかねないという意味では、逆に危うい状況をはらんでいるというものであることをご留意いただければと思います。

 1ページめくっていただきまして、このような債務残高の高さは、戦前と比較しても遜色ないというのはやや語弊がございますけれども、尋常ではないレベルにまで達しているということが一目でわかろうかと思います。

 また、12ページでございますけれども、現在、欧州金融危機等で騒がれております、いわゆるGIIPSの国々、この中で例えばイタリアなどもかなりそういう意味ではマーケットのほうから懸念をされ、金利のほうに影響が出ていたりいたしますけれども、このイタリアですら、例えば債務残高の対GDP比は120%ということで、そういう意味での数値としては日本よりもまだまし。しかしながら、一旦懸念を持たれると、そういう意味では危機が起こるというものを示しているところでございます。

 外国につきましては、14ページ以降、いろいろな資料をつけておりますけれども、例えば14ページの資料では、ギリシャ危機というものが騒がれ始めたのが2010年の5月、春でございます。この紫色のグラフでございますけれども、一目でわかるとおり、あれほど大騒ぎになったときでも、まだそういう意味では900bpぐらいの話だったと。それから、そういう意味では実質的には財政が完全に破綻したような状態を経て、ECBも含めまして、当局の支援のおかげで、やや落ちつきは見せておりますけれども、現在のレベルでも、あの当時のギリシャ危機のレベルをはるかに上回る金利水準になっております。また、ポルトガル、スペイン、アイルランドを見ていただきましても、まだまだ非常に高いレベルにあるということがわかろうかと思います。

 おめくりいただきまして、ギリシャ危機の際に、リーマンショックの後、各国も積極的に財政対応せざるを得なかったので、財政の状況が悪化いたしまして、主要国、それから危機に見舞われたような国も含めまして、G20のほうで、まさに財政再建に向けてのコミットをしたところでございます。その際にも、日本は既に状況としては悪かったところではございますけれども、右にございますように、財政運営戦略を定めまして、フロー目標、ストック目標をそれぞれ設けてございます。ポイントといたしましては、PBを2015年度までに10年度のレベルから半減をする。そして、20年度までには黒字化をする。それから、21年度以降も財政健全化努力を継続していく。これはフローでございます。また、ストックといたしましては、国・地方の公債等の残高の対GDP比を安定的に低下させるという目標を持っているところでございます。

 このような財政運営戦略とあわせまして、中期財政フレームをつくることにしたところでございまして、毎年度ローリングで、その後、3年間の中期財政フレームを定めております。歳出のPB対象経費につきましては、歳出の大枠として71兆円。そして、公債発行額は24年度当初予算水準の44兆円を上回らないようにするというものを堅持して、財政運営を行っているところでございます。

 このような取り組み、目標を定めたところで、19ページ以降でございますけれども、各国でも積極的に財政健全化の取り組みはなされているところでございます。19ページが主要国の主な取り組みでございます。また、20ページは危機に見舞われた国でございますけれども、この中で見ていただきたいのは、中ごろのブラケットで囲った太文字で、例えばギリシャであれば30.9兆円とか、アイルランドであれば18.0兆円と書いてございますけれども、これは日本の経済規模に置き直して、どのぐらいの額の財政再建策を単年度でやっているかという数字でございます。いかに苛烈な財政再建策をせざるを得なくなっているかということがわかろうかと思います。

 1枚おめくりいただきまして、我が国も財政再建に向けて鋭意努力いたしておりますけれども、主要国と比べては、まだまだペースが遅いということがわかるのが、この21ページの資料でございます。また、諸外国は、国債費も含めた、いわゆるトータルの財政収支で目標を定めておりますけれども、我が国におきましては、トロントサミットにおきまして、とりあえずはまず基礎的財政収支から改善していこうというところで、一歩一歩進むという目標を設定せざるを得なかった状況にあるということもご留意いただければと思います。

 そして、22ページでございます。これは内閣府が試算しております、いわゆる中長期試算での財政健全化目標の達成状況の姿でございます。下の箱の中の左側でございますけれども、基礎的財政収支、これはGDP比の数字を並べてございますけれども、後ほど説明いたします社会保障・税一体改革を行っても、2020年度には国・地方でまだ15.4兆円、基礎的財政収支をバランスさせるというところには必要な調整額が残るという姿になってございます。また、一番下の丸でございますけれども、先ほどストック目標で掲げておりました、国・地方の公債等残高のGDP比につきましては、これは21年度以降、安定的に低下させるという目標を掲げておりますけれども、今回の試算では、安定的にはまだ低下する姿が描けていないと。すなわち、一体改革を達成して、さらに歳出面・歳入面での改革を進めていかない限り、財政再建化がなかなかその先に進まないという姿に、残念ながらなっているところでございます。

 このような日本の財政状況につきましては、国際機関、それからマーケットのほうからどう見られているかという資料が23ページ、24ページでございます。いずれにしましても、現在の取り組みを肯定的に評価する一方、まだまだやらなければいけないことがたくさんあるという評価になってございます。また、格付につきましても、ごらんのように、日本は中国と同レベル、もしくはそれ以下というレベルになってございます。

 最後の資料は、このような状況をできる限りわかりやすく説明するための資料として、お手元にもこのような資料集をお配りしておりますけれども、その中で掲載しております家計での例え、企業的な観点での例えの資料でございます。我々といたしましても、わかりやすい説明につきましては、今後ともさらに工夫を重ねたいと思っております。

 以上が財政事情でございます。

 次に、社会保障・税一体改革でございますけれども、財審の場合におきましては、大綱の決定、法案の提出までご説明しておりますので、主にその後の動きを中心にご説明申し上げたいと思います。資料で言いますと、7ページをごらんいただきたいと思います。国会審議におきましては、安保条約に匹敵するほどの審議時間をかけまして、充実した審議が行われました。その過程におきまして、与野党協議、そして法案の修正がなされております。7ページのように、修正の結果、社会保障制度改革推進法案の制定をはじめ、各法案につきまして、若干の修正が入ってございます。いずれにしても、子ども・子育て関係、年金関係、税制関係については、法制度上の枠組みが整ったところでございます。

 他方、8ページを見ていただきますればわかりますとおり、この網かけをしたところが、法案がもう既に成立したところでございますけれども、網かけをしていないところ、もしくは青色の網かけをしているところは、まだ法案として成立をしていないところ、もしくは今後の具体策が完全に詳細に固まっていないところでございます。社会保障の充実及び重点化・効率化を図るためには、これらの網かけをしていない部分につきまして、今後さらに鋭意議論を深めまして、制度的な対応を図っていく必要があるところでございます。

 9ページ、10ページは、充実及び重点化・効率化の目指す姿でございますので、省略させていただきます。また、11ページは、社会保障制度改革推進法、これは与野党協議の結果、制定いたしましたけれども、その中で社会保障制度改革国民会議というものが置かれることになっております。この社会保障制度国民会議は、一番下のところでございますけれども、平成25年8月21日までに必要な事項を審議して、決定する予定となっております。しかしながら、まだメンバー等につきましては今後でございまして、我々といたしましても、そのご議論を期待しているところでございます。

 また、最後の12ページでございますけれども、これは与野党協議の中で、法案の修正といたしまして、税制抜本改革法の附則18条に第2項というものが加わることになりました。報道では、これが消費税で税収が上がった分を、例えば公共事業に回すことを考えているのではないかという形で報道されることが多かったわけでございますけれども、この条文を見ていただければわかりますとおり、第2項につきましては、「抜本的な改革の実施等により、財政による機動的対応が可能となる中で」、すなわち抜本的な改革をまずやって、一番最後の行ですけれども、「我が国経済の成長等に向けた施策を検討する」というのがポイントでございます。

 したがいまして、安易に税収が上がったからということで公共事業等を拡大するという根拠となる条文ではないということをご理解いただければと思います。

 資料5に移らせていただきます。資料5は平成25年度予算の組替え基準でございます。ポイントは、一つは復興につきましては、所要の金額を要求する。すなわち、上限額は基本的にはないということ。そして、そしてもう一つが、グリーンを中心とする日本再生戦略を踏まえた予算配分の重点化ということで、再生戦略の3本柱、グリーン、ライフ、農林漁業にかかわるものについては、捻出した削減額、すなわち財源の4倍から1.5倍まで、少し多目に要求することができるというルールでございます。かつ、全体として歳出の大枠、71兆円は遵守するということも閣議決定しております。また、同時に、横並び、横串の観点を強化いたしまして、各省にまたがる重複分は徹底的に排除するということも方針として明確に定めてございます。

 その要求の結果でございますけれども、数枚おめくりいただきまして、8ページでございます。要求の総額は98兆円、ちょうど真ん中の欄の平成25年度概算要求額の一番下の数字でございます。また、いわゆる大枠の71兆円の対象となります基礎的財政収支対象経費でございますけれども、これは73.4兆円ということでございまして、2兆円程度やや出っ張る形の要求となっております。今後は予算編成過程の中で、その横串の観点も十分徹底しながら、編成を行っていきたいと考えているところでございます。

 私のほうからは以上でございます。

〔 大鹿法規課長 〕 主計局法規課長の大鹿でございます。私のほうからは、お手元の資料の6、9月以降の平成24年度一般会計予算の執行について、ご説明を申し上げます。

 これは特例公債法案、いわゆる赤字国債の発行法案と言われたりしておりますけれども、これがいまだ成立をしていない、その現状と、それに伴う問題点ということでございます。

 1枚おめくりいただきまして、1ページ目に今年度の一般会計予算の歳入・歳出がまとまっておりますが、右側の歳入のところを見ていただきますとおわかりになりますとおり、赤いところが公債金収入でございます。44兆円強ですが、このうち、いわゆる赤字国債、特例公債が38.3兆円ということで、歳入全体の4割以上を占めております。

 ちなみに、税収及び印紙収入で右側のほうですが、42.3兆円、下のほうのその他収入が3.7兆円ということで、税収等で46.1兆円の歳入が確保されている。建設国債は5.9兆円ということになります。特例公債法が成立しませんと、この特例公債、38.3兆円を歳入として見込めないということになりまして、極めて大きな歳入欠陥が生じるということでございます。

 2ページ目に、特例公債法案の内容を掲載しております。第2条がこの特例公債の発行に係る規定でございまして、これは財政法上禁止されている借金といいますか、公債の発行をお認めいただくということで、発行根拠を定める規定になっております。これは、特に償還財源は決めておりませんけれども、60年かけて最終的に減債をするというルールに基づいて、減債をしているということでございます。

 なお、第3条に年金特例公債という規定がございますが、下のほうにありますけれども、これは先ほどの社会保障・税一体改革関連法案に係る、民主・自民・公明の三党協議の過程で、当初、基礎年金の国庫負担の財源として考えておりました交付国債について撤回すると。それにかわる財源確保のための法的措置を政府において検討するということが合意されまして、これを受けて、7月にこの第3条を加えております。ポイントは、平成26年度からの消費税収によって、20年をかけて、平成45年度までにかけて償還するという、いわゆるつなぎ国債の発行根拠規定をここに掲げているものでございます。

 この特例公債法案は、1月24日に国会に提出しましたが、衆議院は8月末に通りましたけれども、結局9月8日の会期末に廃案になっているということでございます。

 3ページをごらんいただきたいと思いますが、こういう国会審議の状況を踏まえまして、政府は9月7日に、9月以降の一般会計予算の執行についてというものを閣議決定いたしました。そのポイントがこの3ページでございますが、この目的としましては、特例公債法案の成立が見込めない限り、歳入欠陥ということになりますので、従前どおりの予算執行を続けていくと、一般会計の歳出に充てる財源が枯渇するという問題がございます。このために、関連法令の規定ですとか、国民生活・経済活動への影響を踏まえながら、可能な限り予算の執行を後ろ倒すということで、この財源の枯渇時期を少しでもおくらせると。その間に法案の成立を期待するということでございます。

 基本的な考え方といたしまして、特例公債金が財源となっている全経費について予算執行の抑制を図るということでございますが、ただし、諸般への影響という観点から、そこに掲載しております行政活動の維持に不可欠な経費でありますとか、国から国民への直接払い、安保・司法・治安関係の活動経費、緊要性の高い外交関係経費、災害関係といった経費を例外扱いとしております。それから、特別会計については、基本的に一般会計に準じた対応ですけれども、復興事業については、その性格から、速やかに執行するということを確認しております。

 そして、具体的な抑制方針でありますけれども、まず政府部内の支出、私ども、いわゆる行政経費と呼んでおりますが、これについては、9月以降は毎月の予算額の50%以下でやっていくということにしております。それから、独立行政法人・国立大学法人向けの支出については、この運営費交付金について、3カ月ごとに予算額の50%以上の支払いを留保する。すなわち、50%以下のところでやっていただくと。したがって、独法や国立大学法人の自己資金等によって必要な資金を賄っていただくということにしております。

 それから、地方公共団体向け支出につきましては、年4回、普通交付税の支払いというものがございますが、道府県分についての普通交付税について、第3回目であります9月交付分について、それまでは3カ月分を一括してお支払いしていたのを、9月から11月までの月割りの交付にするということにさせていただきたいと思います。市町村分については、市町村財政への影響という観点から、従来どおりにしております。

 それから、裁量的な補助金につきましては、これは新たな交付決定を行わないという対応をしております。また、民間向け支出については、独法であるとか地方団体向けと同じ考え方に立っております。裁量的補助金については、地方団体向けと同様に、新たな交付決定は行わない。また、私学助成については、国立大学法人向けの運営費交付金と同様に、これは11月から支払いがありますが、その時点で成立していなければ、予算額の50%以上の支払いを留保するという対応を予定しております。

 そして、やや粗い資料でございますけれども、4ページに、こうした予算執行抑制の効果を模式的にまとめたものがございます。先ほど見ていただきました税収と税外収入で予算上確保されている金額が46.1兆円ということで、これが歳出の上限ということになります。私どもがこの9月7日の時点で把握しておりました9月末の支出実績の見込みですけれども、38.6兆円というふうに見ておりました。従来どおりの予算執行を続けていきますと、10月、11月の2カ月間で約10兆円の支出がある見通しでございまして、10月末の段階で、ほぼこの歳出の上限に到達するということでございます。今回の抑制策を講じることによって、9月で3兆円、10月で1兆円、11月で1兆円、合計5兆円の抑制効果があると見込んでおりまして、この結果、11月末では、この歳出上限46.1兆円にはまだ到達しない。ただ、かなりすれすれのところに来ておりまして、したがって、11月末にはこの予算執行の財源がほぼ枯渇するということでございます。したがって、今回の効果としては、1カ月間の先送りという効果になろうかと思います。

 次の5ページ目は、先ほど見ていただきました執行抑制策のポイントですが、国民生活・経済活動への影響という点を踏まえまして、左側に書いております項目について例外扱いをしていると。右側に掲げておりますのが抑制対象でありますが、やはり波及的な影響は当然生じ得るものでございますし、長期化すると、各分野でさまざまな影響が生じることが懸念されると考えております。

 それから、特例公債法案の成立遅延による影響としまして、もう一つ、国債発行の問題がございます。6ページ目をごらんいただきたいと思いますが、対市場という意味で国債という言葉を使っておりますけれども、この国債につきましては、建設公債、特例公債、すなわち財投債、借換債、このほか、23年度から復興債というものがございますけれども、毎年約170兆円発行しております。「例年」のところを見ていただきますとおわかりになりますとおり、それぞれ発行根拠の違う国債をある意味でまぜこぜにしまして、4月から3月にかけて、月々の発行額を平準化して発行しているということでございます。

 今年度におきましては、このうち、特例公債法が成立しないということで、特例公債、赤字国債が発行できないということから、例年に比べると、建設公債や財投債等の発行を前倒しして、そして、この国債の発行計画自体はいじらない形で対応しております。

 右側の四角のところですが、170兆円のうち、今年度については、利付債で市中に発行を予定しているのが120兆円ということで、月々の発行額は平均すると10兆円でございます。24年度の特例公債の発行予定額は38.3兆円ですので、この10兆円との関係でいきますと、やはり4カ月ぐらいはどうしてもこの特例公債の市中消化に必要な期間ということになります。

 この下の段でございますけれども、特例公債法案が11月中にも成立しない場合は、この建設公債等の他の国債の発行の枠がもうなくなってしまって、12月には国債が発行できない、対市中の利付国債が発行できないという事態に追い込まれます。その後、仮に法案が成立しますと発行が解禁になるわけですが、その際には、その穴埋め分を取り戻すために、予定額よりも多い発行を余儀なくされるということで、この点、市場にどのような影響を与えるかということが心配されるところでございます。

 この点については、7ページにありますとおり、市場関係者の方も懸念の声をあらわしていらっしゃいます。一番上ですが、例えば「入札を延期した場合、その後には、発行額を増額して、入札を行う必要があり、市場でのボラティリティ拡大要因となる」と。2つ目のところでは、後段ですけれども、「極論的なところもあるが、一部の海外勢からは、特例公債の発行が遅延することで、いずれは利払いや償還が滞るという見方が出てくる可能性がある」ということでございます。この点、私どもとしても大変心配しているところでございます。

 それから、最後に8ページでございますが、本件に関係する論点としまして、特例公債法案の未成立下においても、財務省証券という資金繰り手段を使って予算執行を続けていけばいいのではないかというご議論がございます。枠で囲んでありますように、財務省証券という一時的な資金繰りの手段が財政法上も認められておるわけでございますけれども、これは法律上、その年度の歳入により償還しなければならないということになっておりまして、その年度の歳入、つまり税収であるとか公債発行収入金が国庫に入ってくるまでの一時的な資金繰りの手段として認められているものであります。したがって、この法制度上は、歳出の財源という扱いにはなっておりません。

 したがいまして、ここの概念図であらわしておりますけれども、4月から3月にかけて、支出のほうが収入よりも毎年先行していきますので、どうしても年度当初におきましては、一時的に資金が不足するという状況になります。真ん中ほどに横線を引っ張っておりますけれども、財源確保額、今年度の場合でいいますと、建設公債を加えまして、52兆円の財源は予算上確保されているということになりますので、この確保されている範囲内であれば、一時的な資金繰りのために財務省証券を発行することは許されると。ただし、これを超えて支出していくときに、根拠法が未成立の状況ですと、償還財源がないということになりますので、法制度上、この財務省証券の発行は認められないと考えております。この点は、特例公債発行が始まりました昭和50年代になりますけれども、このころから一貫してこの財政法の解釈は変わっておりません。

 なお、9ページにこの財政法の関連の規定がございます。かいつまんでご説明いたしますけれども、先ほど見ていただきました特例公債は、財政法第4条、国の歳出は、公債または借入金以外の歳入をもって、その財源としなければならない。ただし、公共事業費等の財源についてはできるという、この第4条の特例規定として、先ほど見ていただきました特例公債法というものを国会に提出しております。資金繰り証券のほうは第7条に、国は、国庫金の出納上必要があるときは、財務省証券を発行すること等ができると。第2項に、財務省証券等は、当該年度の歳入をもって、これを償還しなければならない。第12条に、大原則としまして、各会計年度における経費は、その年度の歳入をもってこれを支弁しなければならないという規定がございまして、年度が始まる前においても、年度途中であっても、予算上その歳入と歳出を一致させるとなっています。結果的に生ずる決算上の赤字については、これは別途制度がありますけれども、そういう年度におけると歳入と、年度内における資金繰りというものを峻別した考え方に立っております。

 10ページ以下は、9月7日の閣議決定と、やや詳し目の資料をつけておりますが、割愛させていただきたいと思います。

 以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。なお、今後の当分科会の進め方につきしては、来週以降、5回程度、「社会保障」、「復興」、「地方財政」などの平成25年度予算編成における個別の歳出分野についての審議を行います。その後、有識者からのヒアリングやそれまでの議論も踏まえた総括的な審議を行いたいと考えております。また、最終的に11月末ごろに何らかの形で取りまとめを行うことについて、皆様方とご相談してまいりたいと考えております。

 なお、本日ご欠席の渡辺委員からは、ご意見を書面でいただいております。ただいまご説明のあった資料3、4、5、6の次に、渡辺委員のお名前のついた1枚紙ですが、書面をいただいております。ご意見の概要は、社会保障・税一体改革関連法案成立後も、引き続き持続可能な財政の確立に向け、歳出・歳入両面からの取り組みが必要であること。国民生活や国益を最優先する観点から、一刻も早い特例公債法案の成立を期待すること。平成25年度予算編成について、一体改革で先送りされた効率化・重点化への取り組みが欠かせないこと。府省横断での予算配分重点化の取り組みに期待すること。このようになっております。詳しくはお読みいただければと思います。

 それでは、先ほど申し上げましたが、11時ごろに大臣がお見えになる予定になっておりますが、あまり時間はありませんが、最初に申し上げましたように、財政一般に関し、日ごろ感じられていること、あるいはただいま事務局からご説明のあった資料についてのご質問等を含め、委員の皆様方お一人ずつから順番に短くお願いできればと思います。時間の制限がありますので、大変恐縮ですが、お一人3分ですね。それから、あと途中で大臣がお見えになったときには、進行具合にもよりますが、途中で中断させていただくということになるかと思います。この点はあらかじめご了承いただければと思います。

 それでは、五十音順ということで、赤井委員から、よろしくお願いいたします。

〔 赤井委員 〕 大阪大学の赤井と申します。経済学をベースに、公共経済学、財政学を勉強しております。よろしくお願いします。財政全般に関しては、これまでもこちらの委員会でいろいろ意見は述べさせていただいてはいるんですけれども、ごく簡単に2点ほど。

 1点目は、このたび消費税が上がり、少し財政健全化に向かって動き出したという状況にはあるわけですけれども、この初めの資料を見てもわかるとおり、税収は歳出に比べて圧倒的に足りないわけですし、今回の公債の問題もありますので、ここで安心することなく、財政再建に向けて次の道ですね。長期的な将来に向かってですけれども、すぐにでも将来に向かった戦略というものを、気を緩めることなく練っていただきたいということが一つです。

 もう一つ、公債の発行の特例法案についてですけれども、やはりこれは異常なことで、1年の間にどのように支出していくのかという計画をもう既に立てているわけですから、そこのところに抑制というものがかかりますと、年の終わりのほうに慌てて執行するとか、いろいろゆがみが出てくるので、ほんとうにこの状態が異常なことで、すごくしわ寄せが来ているとか、どこまで我慢できるのかとか、どのぐらい大変なのかという情報をどんどん社会に発信して、実態を捉えて、一刻も早くこの法律を通していただくという努力を、財務省も私たち学者も社会一般にどんどん情報発信していって、社会の厳しさというものをきちんと情報収集していくということが重要ではないかと思います。

 以上2点です。ありがとうございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 それでは、続きまして、秋山委員。

〔 秋山委員 〕 株式会社サキコーポレーション代表取締役社長の秋山咲恵と申します。このたび、初めて参加させていただきます。よろしくお願いいたします。

 私は、産業用の自動検査ロボットのメーカーを自分で創業いたしまして、早いもので18年になります。そういう意味では、決して財政の専門家ということではございませんが、むしろ一般国民、あるいは経済人としての目線から率直な意見を申し上げさせていただきたいと思っております。

 実は、私、約10年前の小泉政権の時代に、政府税制調査会のほうで委員を務めさせていただきまして、民主党に政権交代するまでの間、そちらで税の議論に加わらせていただいておりました。早いもので、あれが10年前だったなと思うと、この10年間、財政再建という言葉はずっとありながら、決してよくなっていない。むしろワニの口がどんどん大きくなっているという状況です。

 特に昨今は、私どものビジネスがグローバルで世界中にものづくりをされているお客様に、現地にロボットを供給するという仕事をやっておりますので、例えばヨーロッパで起きている財政危機の問題がどれほど経済に影響を及ぼすか、あるいは財政危機が顕在化したことで、それぞれの国でどういうことが起きているか、それがとても対岸の火事とは思えないという、非常に強い危機感を持っております。

 そういう意味では、まだ大臣はお越しになられていないので残念ですが、率直に申し上げて、一国民として、やはりこの問題に対する、特に政治家の皆さんの危機感があまりにも少な過ぎるのではないかと感じております。そういう意味では、財務省の皆様方にも、今、赤井先生からもお話がありましたけれども、ぜひとも、もうこれぐらいやらなければほんとうにだめなんだという形で物事が進むように、ぜひお仕事をしていただきたいと思っております。

 財政の再建につきましては、歳入面ではどうやって税収を改善するか。大きな特効薬はありませんが、着実に税収を改善していくためには、やはり経済成長というものが欠かせないと思いますし、歳出については、歳出のほぼ半分を占める社会保障と地方交付税交付金、この2つにどうやって切り込んでいくかということがここでの重要な議論になると認識しておりますので、皆様とともに前向きな議論に積極的に取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、続きまして、板垣委員、お願いいたします。

〔 板垣委員 〕 NHKの解説主幹をしています、板垣と申します。よろしくお願いします。

 今、秋山委員からお話がありましたけれども、この財政審などを通じて、もう長年にわたって財政再建の重要性が叫ばれているにもかかわらず、政治の無理解というか、政治の暴走というか、そういう中でどんどん累積赤字が積み上がっているという現状だと思います。

 こうした財審の議論の中で、今回、新たにスタートするこの会合ですけれども、何らかの取りまとめを行う際には、やはり異論を排することなく、反対意見があったら反対意見があったと明確に記述するという工夫を考えてほしいと思っております。何かの結論を無理やりにまとめるという議論の仕方は、もうこの時代になじまないと思います。いろいろなバラエティーのある意見が出たということをきちんと残しつつ、社会に打ち出していくという姿勢が重要かと思います。

 さて、今度消費税を引き上げるプログラムが始まったわけですけれども、実際にほんとうにできるかどうかというのは、政治情勢から見て非常に難しいかもしれないという気持ちを持っております。しかし、今、この段階で負担を求めることをまた先送りしてしまったのでは、やはりこの国が危うくなるということは、多くの方が考えていらっしゃるとおりでありますので、やはりそれが国民の理解を得ながら進められるような工夫をするべきであろうと思います。それから、一方で負担が増えると同時に、財政の効率化が大変重要な課題だと思います。

 こうした中で、昨今、NHKの番組の中でも紹介しましたけれども、補正予算の中で、やはり使い道が政府方針に沿っているという言いわけも一方でありますけれども、多くの人が見た場合に、全く理解できないずさんな執行があると思っております。これは、じゃあ、なぜきちんとした査定をしなかったのかということになりますと、やはり補正予算というものは初めに額面ありきで、なかなかその細部にわたって突っ込んだ議論が行われないまま進んでしまう、こういった問題があると思います。一般的な当初予算ベースで言えば、きちんとした査定がある程度済んでいるわけですが、こうした問題を一体どうするのか、しかも、これだけの復興予算の規模になりますと、非常に重要な問題になってくるだろうと思います。

 こういった部分がきちんと解決できないと、やはり負担を迫られる国民としては、感情的に納得できないという部分が出てくると思います。こうした部分、透明性を確保しながら、きちんとした議論をしていきたいと思います。

 それからもう1点、長くなって恐縮ですが、財政を効率化、あるいは厳しくしていくということが、一方で経済を壊しかねないというリスクがあると思います。今、最大の焦点は、エネルギー問題をどうするか。そういった分野に今回の予算編成の中で、ほんとうに成長につながるような形でお金をつけることができるのかどうか。こういうところもやはり我々は見ていく必要があるだろうと思います。

〔 吉川分科会長 〕 岡本委員、お願いいたします。

〔 岡本委員 〕 日本生命の岡本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 先ほどご説明がありましたけれども、私どもは機関投資家として大量の国債を保有しております。日本生命だけで15兆円持っております。この財政の危機が原因で国債が大暴落するということになりますと、考えられないほどの大打撃を受けることになります。これは何も生保会社に限らないで、金融機関全般につながることでありまして、そういった意味では、金融インフラの崩壊につながりかねません。これはもうヨーロッパのソブリンリスクを見ればわかるとおりでございます。

 事は金融機関だけではなくて、一般の事業会社にとっても、この金利の大幅な上昇は資金調達面、あるいは収益面で非常に大きな圧迫があるわけでして、総じて、経済成長の足かせとなりかねません。そういった意味で、世の中ではよく経済成長なくして財政再建なしと言われますけれども、私は財政再建なくして経済成長なしと思っております。

 それからもう一つは、私、生命保険事業を営む者として、国の社会制度、とりわけ年金では公的年金と私どもが提供する企業年金、個人年金、この三者一体で国民の老後をしっかり守っていくという強い思いがありますけれども、そのコアとなる国の年金財政が破綻の危機に瀕しております。収入と支出がこれほどアンバランスな状況、これは生保経営には考えられないことでありまして、早急に建て直し、抜本改革を図る必要があります。

 今の窮状を踏まえれば、歳入のアップは一応の手立てがとられておりますけれども、歳出の大幅抑制が不可避でありまして、中でも年間1兆円にも及ぶ自然増、これを何としても食いとめなければならないと考えております。

 したがいまして、2020年度のプライマリーバランス達成という目標が既に達成不可能という見通しがある現在、この平成25年度予算では、相当な努力と改善の道筋を示す必要があると思います。また、その場合ですけれども、たとえ再生戦略の予算であっても、資金が限られている以上、選択と集中は必須となります。各省庁から似たような予算要求があると思いますが、どのような基準で選ぶのか、カットするのか、あるいは優先順位をつけるのか、あるいはグリーン、ライフといった言葉を隠れみのに、何でもありの予算とならないように、例年以上にきっちりとした審査が必要ではないかと思っております。また、復興予算についても、被災地にお金が入っていないなど、使い方に関する批判も聞こえてくることを踏まえれば、PDCAサイクルをしっかりとしていかなければならないと思います。

 最後になりますけれども、最も重要なことは、こうした危機的現状について、国民にどれだけわかってもらうかということであると思います。そのためにも、資料でも触れられていましたけれども、財政健全化の枠組みを法制化することが必要であると考えております。現在でも、もちろん財政運営戦略や中期財政フレームなど、閣議決定レベルでの枠組みは存在いたしますけれども、国会の場において法律レベルでの議論をすることで、国民に広くあまねく現状を知らしめ、改善に向けた国民レベルでのコンセンサスを形成することにもつながると思います。

 以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 では、続きまして、葛西委員。

〔 葛西委員 〕 私、今回初めてでございまして、国の財政事情をお伺いしておりまして、感想を申し上げますと、私がちょうど国鉄で分割民営をするしか再生への手立てはない、あらゆる手を打ち尽くして、もうそれしかないと感じたのが昭和56年の国鉄の予算を見たときなんですが、そのときの国鉄の状況よりも今の国の財政事情ははるかに厳しい状況にあるように思いました。

 当時、国鉄は収入が約3兆円ございました。運賃は私鉄の倍のレベルまで上がっておりましたが、約3兆円の収入に対して、約5兆円使っておりました。結局約2兆円は借金をしていたわけですが、1兆円が工事費に、もう1兆円がいわば今まで借りた借金の利子並びに人件費の補助に使われるという状況でありまして、借金が全体で約16兆円、ちょうど収入3兆の5.何倍ということでありますが、これが毎年2兆円ずつ増えていくということが目に見えているという状況でございました。

 当時は何回も再建計画を繰り返していたんですが、こういうときに、今より少しよくなっていればいいという形で目標をつくりますと、永遠に何も解決されない形になってしまうように思います。したがって、出口を押さえて、いつまでに「この状態」というのを決めてから今を逆算するようにするしかないと当時は思いましたし、そうやりました。

 そのときは、やはり一番たくさん経費が出ていっているところを狙うしかないので、当時、極めて非効率的な労働運動の結果、労働組合を甘やかしてきており、収入3兆円の8割が人件費になっておりましたから、これを半分に切るということをいたしました。あとは新規の設備投資をゼロにするという形で、とりあえず悪化を防ぐと。そして、収入については、自然増というか、上げ潮みたいなものは一切期待しないで、あればそれはむしろ余得だったというぐらいの感じにして、進んでいかなくてはいけないと。

 ただし、人件費と工事費は聖域化されておりましたが、本当の聖域ではなかったのでありまして、本当の聖域はやはり安全であり、安全を脅かすかもしれないようなことについては、絶対に手を抜くことはしないというやり方をいたしました。

 それが今の日本の国のやり方にそのまま適用できるかどうかわかりませんが、やっぱり覚悟を決めて、出口を押さえて、時間を決めて、それに至るまでの施策からが逆算して今を求めるという姿勢が必要なのではないかと思います。また楽観的な収入の増を想定しますと、全て甘くなってしまいますので、税収を上げるためは税率を上げるしかないという形で押さえておいて物を考えてもいいかなという感じがいたしました。

 何せ全くの素人でありますから、見当外れなことを言っているかもしれませんし、現実にはできないことを言っているかもしれませんが、できなければ国が滅びるのではないかという感じを持ちながら、ご説明を伺った次第であります。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 それでは、倉重委員、お願いいたします。

〔 倉重委員 〕 毎日新聞の倉重です。よろしくお願いします。

 私は政治記者をずっとやっているんですけれども、1990年、22年前に経済部に来まして、1年半ほど財研クラブで勉強したことがありました。そのときのことを思い出しますと、たしか赤字国債をゼロにしたときだと思うんです。バブルのおかげで税収が上がって、建設国債を出していましたけれども、赤字国債ゼロという達成目標、そこまでいきまして、ゼロにしたということで、時の事務次官が大喜びで記者クラブに来て、胸を張って発表していた記憶があるんです。

 そのときから比べると、あのときはたしか69兆ぐらいの歳出で、60兆ぐらいの税収があったと思うんです。今や90兆の歳出で税収40兆ですよね。それから、歳出が逆に伸びて70兆ということを考えると、この20年間で税収が20兆下がり、歳出が20兆上がっていると。ということは、都合40兆ばかり構造的な赤字体質ができてしまっているんです。だから、それを毎年毎年少しずつとか、そういう形で物事を考える必要もあるんですけれども、歴史的な経緯というか、この辺をもう少し研究して、なぜこうなっているのかをしっかりと検証し、反省し、政治家が悪かったのか、財務官僚の抑えが効かなかったのか、国民が要求し過ぎたのか、いろいろあると思うんですけれども、メディアもあると思うんです。この会でやることが適正かどうかわかりませんけれども、そういう流れの中で見ないと、今の財政状況は切れないような気がいたしております。

 それからもう一つは、やはりこれは歴史的な話ですけれども、世界のどこの国も、特に進んだ資本主義の国はこの財政問題を抱えている。この共通点は一体どこにあるのかと思うと、やっぱり民主主義の一つの平等の行き過ぎなのか、そういう一つの流れがもたらしたものなのか、共通の問題があると思うんです。こういったことも国家の財政審でやれる話じゃないかもしれないけれども、頭のどこかに置いて考えていきたいと思うんです。

 現実問題として我々がやらなければならないのは、具体的に何を削っていくかということの議論を多分すると思うんです。そのときに、優先順位をどうするのかという議論が必ずある。あるときに、社会保障の中で、お年寄りから若い人にという流れは民主党が訴えて、つくったんですけれども、民主党が足りなかったのは、お年寄りにもいい顔をして、若い人にもいい顔をしようとした。しかし、全体のパイが小さくなる中で、本来これはどっちか捨てなければいけないですね。そのコンセプト、哲学をどうやって政治が身につけるか、それをどうやって官僚と我々がバックアップできるかということが勝負だという感じがいたしております。

 その間、特に、今回1つだけ、もし考える必要があるとすれば、新しい状況として、さっきヘ西さんが言ったんだけれども、安全ということがあると思うんですね。国の安全をどう考えるか。安保・防衛問題というのは、1%とか、そういう枠の中で考えていくのか、どういうふうに質的に変えていくのかという問題が、必ず今回出てくるような感覚がいたしております。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、古賀委員、お願いいたします。

〔 古賀委員 〕 連合で会長をしております、古賀でございます。よろしくお願いいたします。

 物事を解決するときに、徐々にやるのか、あるいは、ばさっとやるのか、そして、葛西委員がおっしゃったように、まず出口をきちんとつくって、そこから逆算するのか、さまざまな方法があると思うんです。そういう意味では、財政再建において、どういう手法をとるべきかという大きなスタンスみたいなことが定まらないと、また年々の積み重ねで色々課題もたまっていくということになるんじゃないかということを、今、ご説明と、そして今までの委員の方のご発言を聞いて思いました。

 さはさりながら、足元を見てみますと、やはり何と言っても、社会保障・税一体改革を前提につくった中期財政フレームのもと、とにかくきちんと財政運営していくということに尽きると思います。

 そして、何人かの委員の方、そして、渡辺委員の意見書にもありますけれども、財源の固まらないまま、政府が予算執行を行っているという、まさに奇妙な状況が常態化しているわけです。したがって、特例公債の早期成立、切れ目のない予算執行というのは、極めて重要な足元の課題であると思います。

 それから、そもそも補正予算というのを前提とした、年度の予算編成のあり方というのが、どこまでシビアなものかということもあると思います。補正予算の組み方、考え方、あるいは編成時期、こんなことも、極めて大きな課題として認識しておかなければならないのではないかと思います。

 そして、25年度の予算ということになりますと、日本再生戦略が掲げた工程表に基づき、具体化するためのメリハリある予算編成をどう行っていくかがポイントだと思います。そのためには、経済成長とか、あるいは新たな雇用を創出するといった、要は効果の高いもの、まさにプライオリティーをつけていくことが重要ですし、同時に、行政事業レビュー等々であらわになった結果を活用し、不要となった政策を廃止する。そして、そこから財源を生み出していくということも、片一方で強力に進めていかなければならないんじゃないかと思います。

 そうした所要の措置によって、この日本再生戦略を着実に実行できるような環境を整備し、デフレ脱却、あるいは良質な雇用創出の早期実現が図られるような適切な予算編成が重要ではないかと感じるところでございます。

 以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 では、小林委員。

〔 小林委員 〕 産経新聞の小林でございます。今回初めてこういう会合に参加させていただくことになりました。よろしくお願いいたします。

 財政の今の状況がどれほど悪いかということについては、それこそ私も財政研究会におりました20年ぐらい前から、ずっと言われていることで、その間、先ほど倉重さんのほうからも出ましたけれども、1回だけ、バブルのときだけよかった。バブルがないと、逆に言えば、そういう状況は改善しないような状況になっている。そのバブルはなかなか見込めないという、それが今の経済状況だと思います。

 もう既に、よく増税か、節約かとか、歳出削減が優先とかいう議論がよくありますが、もはや片方、どっちかだけで片がつくというようなレベルではないのが今の状況だと思います。ですから、消費増税も含めて税収を上げるということと、それから歳出を抑制するという、この2つを両方同時にやっていかないといけない。これは、言うまでもないことだと思います。

 ただ、これに、今の景気状況が悪いので、景気を上げなければいけない。それから、私、震災担当の編集長もやっているんですけれども、震災という大きなことがあって、復興という全く想定していなかったものが加わってきて、その支出もしていかなければいけないという、ものすごく複雑な状況になっている。これはわかります。

 ただ、ここでそういう状況、みんなこれは国民もある程度わかっているし、もちろん政治家の方もわかっていらっしゃるでしょうし、役人もわかっていると思います。ただ、これをどう進めていくかということになると、もはや、これを最後に進められるのは、政治の意志しかないと思うんですよね。政治がどれだけ強い意志を持ってそれぞれやっていくのか、特に歳出抑制と成長の両立ということになってくると、まさに、今、いろいろな方がおっしゃっておりましたけれども、メリハリをつける、何が効果的で、何が不要かということをはっきりさせるということなんですが、最後は政治の力になってくるんじゃないかなと思っております。

 ですから、ここでの議論で、そういう政治が意志を発揮できるようなものを後押しするようなもの、そういう議論をしていきたいなと私は個人的には思っております。

 1つだけ言えるのは、いろいろそういう歳出削減、その他の問題になってきますと、よく公務員批判というものもあるんですけれども、国民の目というのは、公務員に対しても確かに厳しいんですが、それ以上に、政治家に対する目が厳しくなっているということをそろそろ自覚していただきたい。

 それともう一つは、将来世代の不満というのも非常に高くなっています。この2つを強く自覚していただきたいなと思っております。だから、それを後押ししていくような議論をやっていきたい、そう考えております。

 以上です。よろしくお願いします。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございます。

 角委員、大変恐縮なんですが、11時15分ころに大臣が到着されるということですので、もう到着されると伺っていますので、恐縮ですが、ここで大臣を待つということにさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

(報道カメラ入室)

(城島財務大臣入室)

〔 吉川分科会長 〕 それでは、よろしいでしょうか。

〔 城島財務大臣 〕 はい。すみません。

〔 吉川分科会長 〕 早速大臣からご挨拶いただければと思います。よろしくお願い申し上げます。

〔 城島財務大臣 〕 おはようございます。遅参をいたしました。財務大臣を拝命いたしました城島でございます。どうぞよろしくお願いしたいと思います。

 財審におかれましては、これまで専門的な見地から、中長期的な財政のあり方を中心に、充実した審議をいただいてきたところでございますが、本年4月の財政制度分科会におきまして、委員の方から、メンバーを拡充して発信力を強化してはどうかというご意見をいただきました。

 安住前大臣からは、財審の重みを増して、政策に実際に反映させていく仕組みを検討したいと申し上げたところでございます。

 このような経緯を踏まえまして、この財審は、本日メンバーを拡充し、「財政について聴く会」という形で、新しくスタートを切らせていただきたいと思います。各界からより幅広い知見を結集し、これまで以上に財政健全化に向けた検討にしっかりと取り組んでいくという体制が整ったのではないかというふうに思っております。

 我が国の財政は、国の歳入の半分を国債に依存し、債務残高も主要先進国の中では最悪の水準にあるといったことなど、極めて厳しい状況にあるわけでございます。欧州債務危機も「対岸の火事」とは言えないのではないかと思っております。財政の悪化した欧州各国では、年金・医療といった部分の大幅な給付カット、あるいは負担増など、厳しい措置が行われており、国民生活を守るためにも、財政規律を守る国であると、これを行動で示すことが必要ではないかと思っております。

 こうした厳しい財政状況の中、本年8月に社会保障・税の一体改革関連法案が成立をいたしました。今回の一体改革は、社会保障の安定財源の確保に加えて、財政健全化の第一歩を踏み出すものであり、政府は今後も財政健全化に向けた取り組みを継続してまいりたいと思っております。

 今後、25年度予算編成作業が本格化いたします。「財政について聴く会」におかれましては、これまで以上に各歳出分野についてもご論議をいただきまして、11月末ごろには、最終的に何らかの形で意見の取りまとめを行うことも、ぜひご検討いただきたいと思います。

 政府といたしましては、いただいたご意見をできるだけ政策に実際に反映してまいりたいと思っております。財政健全化に向けた取り組みを着実に進めていくためには、国民全体に我が国の財政の現状を伝えて、ご理解を求め、国民全体で財政のあり方を考えていくことが大変重要だと思います。

 「財政について聴く会」におかれましては、活発な論議をいただくということで、財政健全化に向けた国民的議論を推進していただきたいというふうに思います。ぜひともよろしくお願いしたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 では、続きまして、大久保副大臣からもお言葉をいただければと思います。

〔 大久保副大臣 〕 城島財務大臣のもとで副大臣を拝命いたしました、参議院議員、大久保勉です。

 これまでずっと財政金融委員会の理事をしておりまして、財政問題の重要性、しっかりとわかっているつもりでございます。参議院議員になる前も、金融機関で債券のトレーディングを行っておりました。国内外の債券のトレーディングを行っておりまして、その間は、例えばメキシコ国債の暴落、いわゆるテキーラショック、そしてロシア、アルゼンチン国債のデフォルト、こういったことを経験しました。

 国家財政危機が経済の大混乱、そして、最終的には国民経済、国民の生活に影響する。こういったことが骨身にしみております。

 本日も、秋山委員、そして岡本委員を初め、多くの委員の皆様が財政健全の必要性に関して申し述べられましたが、私も全く同感であります。委員の皆様のそれぞれの立場から、真摯な議論を期待しております。よろしくお願いします。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 続きまして、柚木大臣政務官、お願いいたします。

〔 柚木大臣政務官 〕 皆さん、おはようございます。このたび財務大臣政務官を仰せつかりました柚木と申します。城島大臣、そして大久保副大臣、きょう、来られていませんが武正副大臣のもとで、それぞれ網屋政務官と、しっかりとチームワークで頑張っていきたいと思っています。

 私は、お隣の大久保副大臣が、ちょうど党の社会保障と税の一体改革調査会で事務局長代行で、私は代理という立場でもございまして、この間、厚生労働のほうを中心に仕事をしてまいりましたが、きょう、財政審の先生方が、それぞれの今の段階での意見表明につきまして、私も非常に勉強させていただいて、しっかりと認識を共有させていただきたいと思っております。

 その前提で申し上げますが、私はやはり社会保障と税の一体改革ということでございまして、財政再建と、そして社会保障の充実・安定化という、一見トレードオフの状況を乗り越えていく、その知恵、英知の結集が先生方、委員会に求められていると思っています。私たちにも求められていると思っています。自然増の削減等のお話もありました。

 実は、医療・介護の分野で言えば、1.6兆のうち1.2兆については、適正化・削減から財源を捻出しているわけでもございます。ですから、まさに削る部分と守っていく部分のメリハリについても、国民の皆さんの理解を得る、その努力も求められていると思っています。

 あともう1点だけ。やはりこの取り組みが財政再建につながるかどうか、この10年間の過去の経緯のお話もありました。ぜひ社会保障、ライフイノベーションの分野、再生戦略の分野、こういった取り組みを通じて、私はある意味、需給ギャップ、ちゃんとしたサービスを提供すれば、その分、社会保障の分野のサービスも伸びていくと思いますから、そういった視点、特別重点化枠の配分のウエートの議論も含めて、ぜひいろいろなご意見をいただきながら、しっかりと私たちとしても取り組ませていただきたいと思います。

 以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 では、網屋大臣政務官、お願いいたします。

〔 網屋大臣政務官 〕 同じく財務大臣政務官を承りました衆議院議員の網屋信介でございます。

 政治の世界に入って、まだ3年しかたっておりません。それまでずっと投資銀行で企業の財務アドバイザーをずっと務めてまいりました。国のバランスシートも、企業のバランスシートも、ある意味で、もちろんいろいろな環境、条件は違いますが、1つの見方があるのかなと。そういった意味で、バランスシートのあり方を、やはり考えていかなきゃいけないかなと思っております。

 我々もいろいろな陳情を受けるときに、いろいろな方々から、「もうこの国は借金だらけなんだから、借金をあまりするなよ」とか、「経費を削減しろよ」とおっしゃるんですが、最後には、必ず「うちの補助金だけは切らないでね」と言われ続けてまいりました。総論賛成各論反対というのが現実の問題でございます。やはり、ここは覚悟を持って、皆さんの議論も踏まえて、いろいろなことを実行していかなきゃいけないと思っております。

 特例公債法につきましても、民主党も野党時代のことを反省し、かつまた、自民党さんも同じ苦労をされてきたわけですから、ここは政争の具にせずに、やはり予算をここまで組んで来た訳ですから、政争とは別にちゃんと整理するべく努力をしていきたいと思っております。

 最後に、ただ単に縮小均衡だけを求めるのではなくて、やはり予算につきましても、税制につきましても、メリハリのあるつくり方、要するに締めるところは締める、そして、将来の税収につながるようなものにはちゃんと投資をする。この部分が必要ではないかと思っています。

 「行政改革」と言いますけれども、これも大化の改新からずっとやってきているわけで、それだけで解決するわけではない。ただ、やはり最終的には税収の上がるような予算、そしてまた税制、かつ最終的には財政の健全化、これを目標に頑張っていきたいと思います。

 皆様の活発なご意見でぜひともご指導いただきますように、心からお願い申し上げます。ありがとうございます。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 それでは、カメラの方は退出していただくんですね。

(報道カメラ退室)

〔 吉川分科会長 〕 それでは、委員の皆様方のご挨拶、それから、事務方への質問がもしありましたらご質問、あるいは何でもご意見、そうしたものを続けていきたいと思いますが、どうも、角委員、よろしくお願いいたします。

〔 角委員 〕 阪急電鉄の角と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 今までご発言になられました皆様とかなり意見が重複するところがありますけれども、まず、関西で今、家電メーカーが非常に苦しんでおります。これは、もちろん円高を初めとする六重苦の話もございますけれども、基本的には、日本の国際競争力の低下というものが、やはり背景としては大きいのではないかと思います。

 先ほどのご説明にありましたように、ほぼプライマリーバランスが均衡していた90年、確かにそのときは60兆円の税収があって、今は40兆円ですから、20兆円下がっていますけれども、リーマンショック前の50兆円ぐらいの実力はあると思いますけれども、残念ながら、今は40兆円強にまで落ち込んでいる。90年から20年間で、社会保障、地方交付税、国債費を除く、文教・科学振興などの国の政策にあてる予算が3,000億円くらいしか増えていない。その結果、OECD諸国の中で、社会保障以外の政府支出の対GDP比が最下位にまで落ち込んでしまった。

財政再建は、喫緊の課題であると思います。その中で、入りと出について、少しお話しさせていただきますと、入りにつきましては、確かに財政再建なくして経済成長なし、これは当然です。ですから、経済成長率の目標が達成されなくても、確実に14年、15年の消費税率を上げないことには大変なことになります。国債の格付けが落ちますと、金融機関はほんとうに金融危機にまでいってしまうというリスクを負っています。まずは財政再建を優先していただきたいということは当然です。とは言いながら、二足のわらじを履くわけではないですけれども、予算の中では成長のための重点配分ということも、あわせてお願いをしたい。

 例えば、今、関西では、国際イノベーション戦略総合特区が昨年の12月に指定していただきまして、グリーン・ライフを中心に、イノベーションを興していこうとしている。数十項目の規制緩和の要望を出しているのですけれども、残念ながら、現在お認めいただいたのは3項目しかないという状況です。成長のための予算の重点配分の同時に、お金のかからない規制改革についても、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。

 それと、入りの方で言いますと、例えば高額所得者の税率を上げる、それはちゃんと税の捕捉がなされて、公正な徴税がなされておれば、高額所得者だって、何の不満も言わないと思います。ですから、マイナンバーを入れることが、あらゆる政策の基礎になるものですから、これは確実にやっていただきたいと思います。

 また、地方分権と同時に、徴税は国に一元化すべきというご意見があるように思います。これは、地方税も含めて、税の徴収は国の方で一元化する。税率は、もちろん各自治体が決めればいいわけですけれども、徴税の一元化はかなりいい案ではないかなと思います。

 出につきましては、関経連でも社会保障支出に関し提言させていただいておりますけれども、年金の物価スライド特例分の解消を確実にやっていただくと、これだけで3,000億円の公費負担削減ですし、あるいは医療費の窓口負担、100円で1,300億円の同じく削減ということですので、他のものも合わせていくと、1兆円規模の自然増のうち7割(7,000億円)は削減できるという提言をさせていただいていますので、実現方をよろしくお願いいたします。

 それと、社会保障について、支える側と支えられる側がアンバランスです。人生70年のときに55歳とか60歳の定年があったわけですが、今や人生が80歳を超えていくわけですから、当然70歳まで働けるような社会に変えていかなければならない。ですから、例えば65歳以降も健康で能力のある方については、企業としての雇用を続けていきたい。そうなると、当然、企業の負担増も生じますから、例えば法人税率をインセンティブに使っていただいて、そこまで行くかどうかは別として、法人税率20%を、そういうことをきちんとやっている企業については、インセンティブとしてやるとか、何かそういう支えられる側の人を支える側にシフトさせないと、財政が維持できなくなると思います。〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 竹中委員。

〔 竹中委員 〕 プロップ・ステーションの竹中です。ニックネーム、ナミ姉と言いますので、ぜひそちらで覚えていただければ。

 今、プロップ・ステーションというのは、どんなに障害が重くても、情報通信などを利用して、ベッドの上で介護を受けていても、施設にいても、そこから勉強して稼ごうじゃないかと。そして、タックスペイヤーになろうということで、22年前に発足をしました非営利の組織なんですね。今、社会福祉法人ということで、認可はいただいておりますけれども、国の制度にのっとる事業をやっているわけではないので、いわゆる行政補助というか、税金の投入はされておらず、独自に頑張っているという状態であります。

 なぜこのようなことをやってきたかといいますと、39年前に娘が大変重い脳の障害を持って授かりまして、今39歳ですけれども、まだ私のことはおかんとはわからんベイビータイプなんですね。彼女を授かりまして、おかげさまでさまざまな社会の手立てでお助けをいただいて、今も国立の病院の重症棟というところで生活をさせていただいて、お休みのときは一緒に過ごしたりということで暮らしているんですけれども、そういった重い状態の、ほんとうに一生人の力が要るよという人を助ける日本の国であるということに、とても感謝しつつ、では、自分がそこに何のお返しができるのかなといったときに、実は娘を抱えてバツイチになったときに、生活保護とかも勧められたんですが、いや、それだけはやめておこうと思って、必死で自分なりにNPOといいますか、非営利の組織を立ち上げて、重症の方々が稼いでタックスペイヤーになれるようにという活動をやってくる中で、自分も今、何とかタックスペイヤーになれている。そして、このような会に出させていただいている。

 最近は、85歳になる母が、認知がだんだん進んできまして、さっき食べたものがもうわからないというような状態になっている中で、騎馬戦型から肩車型と言われるものの、私はダブル肩車という状況になっているんですが、その母も介護度が3、4というのをいただいて、ヘルパーの方だとか、デイサービスとかでお助けをいただいている。こういう、日本はすごいなとほんとうに思うんですね。だけど、どこまで続くんだろうかというのは、やはりおかんとしても、人間としても、一番の不安材料で、自分が娘を残して安心して死ぬためには、1人でも支える人を増やしてから死なないかんなというのが、実はプロップ・ステーションがどんなに障害が重くても稼いでタックスペイヤーになろうという活動を始めた理由です。

 おかげさまで22年やってきている間に、ベッドの上で稼ぐ人も、それから、全身性の麻痺で家族の介護を受けながらも、コンピューターですばらしいグラフィックを描いたりして稼ぐ人だとか、いっぱい出てきました。

 私自身もささやかですが、タックスペイヤーになる中で、ぜひ「歩く税と社会保障の一体改革」と呼んでいただければうれしいと思うんですけれども、私は、ヒントはここにあると思っているんですね。福祉や社会保障というのは、弱者に手当てをすることではなくて、1人でも弱者を弱者でなくすプロセスが社会福祉であり、社会保障であると私は思っているんです。

 そのときに、やはり細かいところもきちんと見つめて、丁寧に見つめていかないと、出ていく一方の福祉になってしまう。ですけれども、私はやり方1つで、必ず循環する福祉にできると確信しています。

 実は、今月9日、間もなくですけれども、アメリカ大使館と私どもプロップ・ステーションの共催で、日米障害者雇用と権利の講演会というのを開催させていただきます。またお時間あれば、ぜひおのぞきいただきたいですが、それは、あのアメリカでさえもと言いますか、あの大変な状況のアメリカでも、実は大学における障害のある学生の比率というのは、日本の10倍以上なんですね。つまり、日本の障害者は、アメリカの10分の1しか高等教育を受け入れていないということです。

 それから、生産年齢にある障害のある人は、アメリカでは約30%は働いておられる、きちっとタックスペイヤーになっている。それでも、もちろんアメリカは少ないということで、今、いろんな政策を必死で打っているわけですが、日本は18%未満なんです。これは、厚労省の障対課が発表しているデータなんですけど、というような状況で、スウェーデンやデンマークはともかく、アメリカにさえもこれだけ大きな差がつけられてしまっている、つまり、支え手を増やす政策において、いろんな意味で根っこから考え直さないといけないのかなというようなことを自分の体験に基づいて、少しでも発言をさせていただければうれしいな、つまり、政治家に任せるのではなく、官僚に任せるのではなく、現場もやるぞということで、ご一緒にやらせていただければうれしく思います。

 どうも、失礼しました。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、田近委員。

〔 田近委員 〕 では、手短に。一橋の田近といいます。財政学をやっています。

 どの資料を見ても、あるいはどの説明を伺っても、日本の財政の最大問題の1つは社会保障ということで、これについて、日ごろ考えていることを述べさせていただきたいと思います。それがどれほど大切な問題かということはここでは繰り返さないとして、実際、現実的に政策を走らせる、動かしていくには、年金、医療、介護、生活保護と個別の制度を見て改善していかないといけない。

 ただ、こういう財審の場での重要なのは、一人一人の国民というのは、制度の細かなことを知らない。家族で誰か介護が必要なのが出て、おそらく初めて、どういうサービスを使ったらいいのかということも知っていくのだと思います。

 この財審の場で、どうやって社会保障に関して国民と対話をするのかということが我々の役目なんだろうと思います。

 それで、その課題としては、デフレ、高齢化の中でどうやって国民と対話するのかということで、今、手短に2つ触れさせていただきたいのは、デフレの中で若い人の賃金が伸びない。一方、高齢化の中で若い人の社会保険料含めて負担が増えていく。この若い人のダブルの負担というのをどう考えていくのか。

 個別的には、マイナンバーを入れて、給付付き税額控除云々が出ますけれども、国民と対話するときに、やっぱり、デフレ、高齢化の中で、若い人の負担をどう考えるかが第1点。

 第2点は、社会保障の負担をどう考えるかということなんですけれども、さっき、大臣が来られる前にも、主計局の調査課長からいろいろ説明があったんですけど、その資料で、私が1つおもしろいと思ったのは、日本より政府の社会保障支出の少ない先進国、あまりないんですけれども、その1つにスイスがあるんです。スイスにたまたまこの3月に行ってきたことがあるんですけれども、例えば、どうやっているかというと、医療保険の負担というのは定額なんです。低所得者だろうが、高額所得者だろうが定額と。ただ、所得が低い人に対しては保険料を下げてあげる。結果的には、非常にスイスは自助努力の強い国であるということもありますけれども、日本より低い政府の社会保障支出でやっている。

 つまり、何を申し上げたいのかというと、社会保障というのは、基本的には、個人がベネフィットを受けるわけですよね、病院に行く、介護を受ける。要するに、一義的には個人が負担する。そのかわり負担に対する調整というのは国がやる。そういう、何か、フィロソフィーというんですか、それが重要だと私は思いました。

 というわけで、この財審でも、もちろん、それぞれの制度の個別の問題にきちんと光を当てて、あるいは分析をして議論をするということは前提にしても、やはり、もっとデフレ高齢化の中でどう考えるのか、私の今申し上げたのは若い人の負担はどう考えるんだ、それから社会保障の負担というのは、一体、そもそもどう考えるんだというような基本的大きな議論をぜひさせていただきたいと思います。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、田中委員。

〔 田中委員 〕 失礼いたします。大学評価・学位授与機構、それから日本NPO学会会長で、ここには記されてはいませんけれども、マニフェスト評価をずっとやり続けています言論NPOの理事の田中弥生と申します。そういうこともありますので、若干、政治に関すること、そして、2点目に、予算の組みかえと重点化に関して申し上げたいと思います。

 まず、政治家がだらしないという話は、実はきのうも民主主義の議論でやってきたんですけれども、ただ、それを選んだのは誰かということは絶対忘れてはいけないと。有権者のレベルが上がらない限りは、政治の質も上がらないだろうと思いますので、先ほどの竹中委員のご意見ではありませんけれども、やはり、私たちが、どう社会の課題を解決するのかということをまず考えなければいけないだろうと思います。

 その上で重点化と予算組みかえの話なんですが、これは、昨今、NHKのほうで大々的に取り上げましたけれども、震災関連の予算に関して、かなり大きな物議を醸し出していますが、この2年前に予算組みかえを行い、重点要求枠というものをつくったときにもこういった懸念はされていたと思います。というのも、2年前に、この予算組みかえの枠をつくったときには、新しい公共という項目がありましたが、これは中身を見るとネーミングだけで、そこに何でも突っ込んでいたということは見えていました。それは、政策コンテストや、あるいは査定のプロセスでどこまで精査されるのかと思いましたが、結果、あまりされていなかったと思います。

 その上で、先ほど、PDCAを回すということをおっしゃったんですが、多分、この問題は、チェック機能を強化するだけではうまくいかないだろうと思います。なぜならば、PDCAのCではなくて、Pのところ、プラン、つまり政策目標であり、その目標を達成するための手段としての計画と、それからその計画を達成するためのロードマップというものがどこまできちんとつくられていたのかということが問われていると思います。そういう意味では、予算の内容を抜本的に見直す取り組みが必要ですし、これについては、私たちが批判をするだけではなくて、そこにもっと積極的にポジティブにどう寄与できるのかということを委員の一員として考えていきたいと思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、土居委員。

〔 土居委員 〕 慶應義塾大学の土居でございます。引き続き、この会で財政の意見を述べさせていただきたいと思います。

 去る8月10日に消費税増税法案を含む社会保障・税一体改革関連法案が成立したということは、大変、我が国にとって重要な日だったというふうに思いますけれども、まだ、私は油断できないと、つまり、いつ何時、経済情勢ないしは財政を取り巻く政治環境が、消費税増税を覆すということが起こるかどうか、ここはまだ私は油断ができないと思っていて、極端に言えば、2014年4月1日の夜明けを見るまでは、消費税増税はほんとうにできるのかということを、ちゃんと国民に納得を引き続き得続けるような取り組みというのは、私は必要だろうと思っております。もちろん、そんな、夜明けを待たなくても、国会の消費税増税に反対するという勢力が少数であれば、少なくとも今の法律のとおりに実行されるということではあるとは思いますけれども、やはり、消費税増税法案が通ったからといって、引き続き財政健全化への取り組みとか、消費税増税の必要性ということは、きちんと説明をしていく必要があろうかと思います。さらには、社会保障改革のほうの中身はこれからさらに精査されるということですから、そこの部分で、より国民の納得感が得られるような形で議論が進められることが、私は必要だと思っています。

 さらには、社会保障以外の歳出も含めて、これまで民主党政権では、事業仕分けや政策仕分けなどを進めて、ある種、納税者側の立場に立った応援団といいましょうか、歳出の無駄をなくせという、そういう声を反映するという、そういう応援団があったわけですが、この秋ということを考えますと、やはり、この財政について聴く会が、1つの納税者側ないしは歳出の無駄をなくすということの応援団ということで、ぜひご協力させていただきたいなというふうに私は思っております。

 先ほど来、財政健全化が重要だということは、各委員述べられたとおり、私も同感でありますけれども、やはり、まだ、いまだに世論の中では財政は危機ではないという意見を強く主張される方がおられます。ただ、財政が危機ではないという話は、単にオオカミ少年かどうかという話以前の問題として、もっと深刻な問題を私ははらんでいると思っています。それは、どういうことかといいますと、財政が危機ではないということ、すなわち、歳出削減は多少おろそかにしてもよい、そういう補助金などの要求があれば、どしどし出してもよいというような、そういう方向に向かいがちで、そうすると、そういう形であまり規律なく支出を行うと、それを受けとった国民が財政依存から脱却できない、何かと補助金や給付に依存し続けるというような状況になってしまって、生産性の向上とか、経済成長をより活発にしようという取り組みがおろそかになるという意味においても、経済成長を鈍化させるおそれすら私はあると思っています。そういう意味では、もちろん、財政がどこまで危機か否かというところは、多少神学論争みたいな話はありますが、財政が危機でないと全否定してしまうことによって、そこから発せられる成長に対する取り組みの鈍化が私はむしろ最も恐ろしいことだろうと思います。

 ですから、そういう意味では、財政は引き続き健全化のスタンスを維持するということとともに、そこで財政依存をできるだけ弱めて、先ほど、竹中委員のおっしゃったような意味も含めて、できるだけ民間でできることを民間で取り組んでいただく中で、経済成長を進めていくということは重要だと思います。

 最後に、特例公債法に関連してですけれども、私は、前々から申し上げておりますように、先ほど網屋大臣政務官もおっしゃったように、政争の具にすることなく、これをぜひ早期に成立していただきたいというふうに思うんですが、今年度の特例公債法さえ通ればよいということでは私はないというふうに思っておりまして、むしろ、ぜひとも、予算案の審議とともに、予算関連法案の国会での審議のある種の新しいルールづくり、与野党間の協調を確立していただきたい。そういう意味では、もちろん、行政府の側からなかなか国会運営について意見を述べるということは難しいのかもしれませんが、私は一国民として、例えば、国会法や両院協議会の活用をきちんとするというようなことを通じて、衆議院と参議院で議決が違ったとしても、予算案に関連するところの各種法案が円滑に国会での成立が期されるような、そういう慣例づくりをぜひとも私は早期にしていただきたいと思っております。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、富田委員。

〔 富田委員 〕 中央大学で財政学を教えております富田と申します。

 二十歳前後の人に、ここではいとも簡単に後世代の負担だとか、ツケだとかいう言葉が使われるんですけれども、私は毎日のように接して財政学を教える。これは非常に真剣勝負なんです。なぜこんなことになったか。財政関係資料を見ましても、国債残高709兆円は、税収の17年分に相当と書いてある。それも事実ですけれども、実は、将来にわたるプライマリー収支黒字の割引現在価値の合計が、この国債残高よりも大きい。だから、何とか、国の信用がもっているんです。つまり、若い人へのツケというのは、必ずや、彼らに増税と歳出削減でもって降ってかかるわけであります。それを真剣に受けとめているのが学生なんです。

 だけど、これまで振り返ってみるとそうではない流れがあった。それを私なりに考えてみますと、2つ大きく理由があると思います。1つは、見たくないものは見えないということで、経済財政の展望については、いつも楽観的な経済見通しを前提にしてしまう。だから、名目3%成長ということがずっと言われ続けているのです。言っても、マーケットは幸か不幸か反応いたしません。金利ははねません。3%成長を誰も世界の投資家は信用していないということです。

 その弊害は3%成長にあわせて増税しなくても税収が大きく増え、拡大した支出要求が各府庁から出てくることです。だから、そういうことをきちんと考えるためには、正直な見通しを提示するべきときが来たのではないかと思います。

 現在、慎重なシナリオということで、2%弱の成長を見ていますけれども、それもやや楽観的かもしれないぐらい慎重になる必要があろう。それは、これから先、労働力人口は年率で0.6%ずつ実質で減っていくわけです。1人当たりの生産性がこれまでどおり維持できたって、長い目で見て0.5%ぐらいしか成長できないんです。そういうことを考えると、決して楽観的な展望を前提にすることはできない。これまでは、幸か不幸かそういう高い成長率の見通しが実現しなかったがゆえに、ずっとデフレが続くんだろうということで、低い金利で国債が発行できました。

 国債発行額が、借換債を含めれば、税収の3倍、4倍の水準なんです。ですから、高い経済見通しの前提が、ほんとうにそのとおりになると思ったら、景気がよくなればなるほど財政収支が悪化する、そういう厳しい現実を直視して、我々はこの審議に臨む必要があるということが第1です。正直な見通しを持とうということが第1です。

 第2は、どなたも財政再建とか、効率化に反対される方はおりません。ただ、具体論で、歳出の削減ということになると、仕分けも途中で終わらざるを得なかったように、嫌われ役です。この場では、具体的に何が効率化の対象なのかということを一つ一つ明らかにして訴えることが大事です。これまでは、総論では、皆さん、歳出削減と言われるが、各論に入ろうとすると、いや、その前に組織改革が大事だとかいうことになって、全然事業の見直しに入ろうとしない。これが、長い間財政の健全化を防いできた理由だと思うのです。

 大事なことは、社会保障も他の経費も、全て財政が持続可能でないと、社会保障をはじめ全てのことが持続可能でなくなる。国民生活も財政が持続可能でないと持続可能じゃなくなるということを強く認識する必要があるというふうに思います。

 以上です。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、鳥原委員。

〔 鳥原委員 〕 東京ガスの鳥原でございます。私は、商工会議所のほうにもかかわっておりますので、中小企業の視点というものも考えながら、意見を述べてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 皆さんが言われたことと重なる部分が多いのですが、日本は、今、六重苦のみならず、震災復興、デフレ脱却、地域の疲弊など多くの課題に直面しております。国民、企業が今政府に求めているのは、難局を打開するスピード感と、目に見える成果であると思います。危機を突破して、成長を実現する政策を着実に実行していくこと、そして、そのような実例を世の中に一つ一つ示していくということが非常に大事ではないかと思います。特に、足元の問題として、地域経済の影響も大変大きく懸念される特例公債発行法案は、ぜひとも早期に成立させなければいけないと思います。

 それから、財政改革も、これは、喫緊の課題というよりも、むしろ、手おくれになっている課題だということではないかと思いますが、歳出を抜本的に見直すことと同時に、国の歳入増につながる経済成長を促進していくことをパッケージとして、改革を進めていくということが重要だと考えます。

 歳出の大きなウエートを占めているのが、今日の説明にもありました社会保障費や地方交付税であり、そこにメスを入れなければ、他の政策経費をさらに圧縮しなければなりません。そうなると、我が国の成長や競争力の強化に悪影響が及ぶことになります。そのような意味で、歳出をしっかり見直すこと、成長や競争力を重視していくという、この2点をパッケージとして考えていくということが大事だと思います。

 先ほど、富田先生も言われましたが、歳出の見直しに関して障害になっているのが、財政に対する危機感が国民に共有されていないということ、このこと自体が危機であるということではないかと思います。なぜ、世の中では、いろいろ厳しい状況にあることが発信されていながら、それを共有するに至っていないのかということを考えますと、1つには、やはり、先行きの見通しに楽観が入っているということではないかと思います。先ほどの資料で、財政健全化目標の達成状況については、慎重シナリオということでありますけれども、これがどの程度の慎重シナリオなのか、もっと最悪のシナリオを考える必要があるのではないかと思うぐらいであります。成長率の見方に関しては、「日本再生戦略」では名目3%、実質2%と見られていますが、過日決定されました「革新的エネルギー・環境戦略」におきましては、この成長率は実質1%前後という数字となっており、そうした前提で、エネルギー政策がほんとうに経済成長を支えていくものになるのかどうか、こういった点にも矛盾があると思います。やはり、将来の見通しに対して、曖昧な要素、楽観が入っているということは避けなければいけないと思います。

 それから、もう一つ、なぜ危機感が共有されないかということを考えますと、危機的な状況をどのように抜け出していくのかという道、あるいはそのときの社会のあり方、例えば税負担や、社会保険の負担のあり方、そうした先行きの姿が明示されていないところ、これは難しい点ではありますけれども、このことが、やはり、共有されていない1つの理由ではないかと思います。

 歳出の抜本的な改革に当たりましては、世代間の問題、あるいは所得階層間の問題、企業と家計の間の問題など、さまざまな利害が相反するところをおさめていかなければいけないわけであり、抜本的な改革を行う大前提として、やはり、将来どのような方向に向かっていくのか、その道を共有するということが不可欠ではないかと思います。

 以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕 ありがとうございました。

 では、早川委員。

〔 早川委員 〕 読売新聞の早川でございます。こういう会合で、早川の「は」が一番最後というのは、私初めてでございまして、あまり時間がないようですが、できるだけ手短に申し上げたいと思います。

 財務省の方はご存じの方が多いと思いますけれども、この会合は、読売新聞の主筆の渡邉がもう20年近くおつき合いをさせていただいて、今度も、彼に、最初、要請があったようなんですけれども、おまえがかわりに行ってこいということでございますので、私がまいりました。どうぞ、よろしくお願いします。

 それで、皆さんおっしゃるとおりだと思うんです。おっしゃったことに尽きるんですけれども、要するに、長い期間、2015年、あるいは2020年、あるいはその後も視野に入れながら、ほんとうに辛抱しながら、財政の健全化を少しずつ進めていかなければいけないということだと思うんです。そういう意味で、少し具体的なご提案をさせていただきたいんですけれども、もともと、散々出ておりますけれども、私は、プライマリーバランスをキーワードとした財政健全化目標というんですか、つまり、プライマリーバランスが、今、大きな赤字である。それを少しでも縮減する。いずれ、それを均衡させ、なおかつ黒字にする。そのときに初めて国債発行残高を少しずつ減らすことができるということなんですが、私が不勉強なせいもあるんですけど、大変にわかりにくい目標なのではないかと思うんです。

 私ども、新聞社でございますので、少しは知的集団であるつもりでおりますけれども、社内で少し聞いてみました。そうしましたら、財政の担当者はもちろんわかるわけですけれども、それ以外の人たちに聞くと、プライマリーバランスというのは何なんだと、正面切って聞くと、なかなか答えられない。まして、今、プライマリーバランスがどれぐらいの状況なのか、6%ぐらいの赤字なんですか、それを2015年にどうするとか、あるいは2020年にどうするとか、2020年にはちょっと足りないよとか、そういうことを皆さんあまりご存じないんですね。まして、国民のレベルでプライマリーバランスでそれをどうするというのがどの程度理解をされているのかというふうに思うわけです。このプライマリーバランスをキーワードにした考え方というのが大変理論的だということと、それから、もちろんプロの方々の中では既に定着しているのでしょう、したがって、これはもうこれでいいと思うんですけれども、それとは別に国民の理解を得ながら、これから財政の健全化というのを辛抱しながらやっていくための国民に直接訴えられるような目標、財政健全化の目標というのができないのかなというふうに思うわけです。

 その辺になりますと、私なんかにはとてもついていけないところがあるんですけれども、あえて乱暴に申し上げますと、先ほど、古賀委員ですか、中期財政フレームをしっかりと運営していくことに尽きるというお話がありましたが、確かに、中期財政フレームではそういうことを言っているんです。国債発行額というのをもうこれ以上は増やさないんだ、できれば、それを少しずつ減らしていくということなんです。それが、かなり何て言うんでしょうか、精査な中期財政シナリオの中に組み込まれて書かれているわけですが、乱暴だというのはその辺のことなんですけれども、それを、独立の目標として引っ張り出して、政府のターゲットとして掲げることができないのか、具体的に言えば大変単純なことなんですけれども、今後は、今後というのは、2015年も、2020年も、あるいは2020年以降も視野に入れた話なんですけれども、新規の国債額は増やしません、あるいは、それをさらに減らしていくんですという強烈なメッセージというか、そういうものを出せないのかなというふうに思うわけです。

 一体改革について、この資料にもございますけれども、社会保障の充実安定化と同時に、財政健全化を進めていく、この2つの目標をしっかりとやるということなわけです。それは、とりもなおさず、増税でこれからかなりの財源が確保されるわけですけれども、それは社会保障の安定化や充実に充てていくと。しかし、その残りの部分は、財政の健全化、つまり、国債の発行額の減額に充てるという考え方だと思うんです。この考え方を貫こうと。先ほどから、多少ご議論がありますけれども、財源ができたから少し余裕があるじゃないかと、それを使えるんじゃないかというような、野放図なというか、放漫な考え方をとめるためにも、そういう目標が必要なのではないかというふうに思うんです。

 それから、先ほど、特例公債法案の話がありました。特例公債法案との関連でも同じようなことが言えるのではないかと私は思うんです。つまり、かつて大平大蔵大臣ですか、赤字国債の発行を始められた、しかし、これはほんとうに不健全なものだから、単年度で法案をつくり、とにかくできるだけ早く赤字国債から脱却するんだという考え方だったと思うんです。

 したがって、毎年特例公債法案を出して、それを成立させるということを繰り返してきたわけですが、その状況と今はかなり違うと思うんです。あと数年後に特例公債法案を脱却できるなどということは、ほとんどの方が考えておられないでしょう。しかし、そういう建前で毎年法案を出す、それが政争の具になるということなわけです。

 したがって、私個人は、もう、例えば、10年なら10年の時限法案で特例公債法案をつくったらどうかというふうに思うんです。しかし、そういう話をすれば、きっと、これは政争の具になっているわけですから、だから、それは、財政規律を乱すもとだよなんていう議論が出てくると思うんです。その抑えとしても、先ほど、私申し上げた、新規の国債発行額は、これから増やしません、なおかつできれば減らしていくんですということを、何らかの格好で、政府の財政健全化目標というようなことで掲げられれば、相当効くのではないかなというふうにも思うんです。

 さっきから繰り返しておりますが、乱暴な提案だと思います。したがって、そこはもう、ほんとうに専門家の方々がたくさんおられるので、どういうふうに考えたらいいものなのかということを、ご検討いただければと思います。

 あと、ほんとうに簡単ですが、先ほども少しご意見がありましたが、やっぱり、歳出の優先順位をつける。あまり無駄な歳出なんて今やないんだと思うんです。それも金額がかさんだ無駄な歳出というのはないでしょう。だから、歳出の優先順位をつけるということが重要だと思うんです。そういう意味では、今年の概算要求基準は少し着目すべきことがあって、つまり、横串、横並び、重複したものは、財務省ももちろん入るのかもしれませんが、各省で調整して持ってこいよというようなことが書いてございますね。そういう枠組みをもっとしっかりとできないものか。いや、さらに言えば、この枠組みはほんとうに有効なのかなと思うんですが、ただし、そういうことが、効果が出れば大変いいことであるし、もっと幅広く、恒久化した仕組みというのが考えられないのかなと思います。

 それから、最後に財政審の役割ですが、これはもう皆さんおっしゃったとおりで、決められない政治のようなことが言われておりますので、決められない政治を決められる政治にするために、少し背中を押すというような役割を財政審が果たすことができればいいのではないかなと思います。

 少し長くなりました。申しわけありません。

〔 吉川分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 既に予定された時間を超過しておりますが、最後に数分だけ、私からもご挨拶と意見を述べさせていただければと思っております。司会役を仰せつかっております吉川でございます。東京大学で経済学を専門としております。

 先ほど、早川委員からPB、プライマリーバランスがちょっとわかりにくいと、あるいは人によっては、財政赤字そのものじゃなくて緩い基準を恣意的に設けているんじゃないかと、こうおっしゃる方があるんですが、これはデットGDP比、これは最終的な財政の健全性の指標ではないかと思いますが、これをマネージしていくときの中間操作目標というようなものです。問題のデットGDPですが、先ほど、何人かの委員の方が、内閣府のプロジェクションで、慎重シナリオといっても、成長について甘いというようなご意見もございました。しかし、それであれば、内閣府の試算で彼らの言うところの慎重シナリオ、それから消費税の増税を見込んでも、残念ながらデットGDP比はいまだに上昇していると、それが上限を打って下がり始めるというシナリオが描けていないと、そういうことだろうと思います。したがって、財政が問題だろうということは、ここにご参集の皆様がおっしゃったとおりです。

 成長が先だというような議論もありますが、これは、不良債権のときにも全く同じ議論をやっていた記憶がございます。財政は日本経済にとって大きなリスク、正面からメスを入れることが必要だと私は思っております。消費税は上がることになった。

 しかし、先ほど、田近委員が指摘されたとおり、現役世代にとっては、今後の消費増税の負担よりも、おそらく保険料の負担増のほうがさらに大きくなる。そうしたプロジェクションもございます。したがって、現役世代の負担等を考えると、社会保障そのものの構造、あるいは給付面、これの効率化ということも避けられないと私は考えております。

 ただ、社会保障の給付の効率化というと、ご承知のとおり大変評判が悪い、冷たいという言葉で象徴されるような、冷たい改革というようなことがよく言われるわけですが、私は必ずしもそうとは考えておりません。限られた財源の中で公的な社会保障、これは大変すばらしいものだと私は思っていますが、年金にしても、医療にしても、介護にしても、私はまだまだ賢い給付の効率化というものをする余地が残されていると思います。この点について、ぜひとも財審の委員の皆様方に知恵を出していただいて、また財務省からも、すぐに冷たいと言われる効率化の議論に対して、丁寧に世の中に説明する、必ずしも冷たいものではなくて、限られた財源の中での合理的な改革なんだということを、多くの国民が納得する、そういう改革なんだということを丁寧に説明していただく、そういうことができるような案を、ぜひ、この財審で考えていただければと考えております。

 時間が大変超過いたしました。以上で、本日の議題を終了ということにさせていただきます。本日の会議の内容の公表につきましては、私にお任せいただき、会議後の記者会見でご紹介をさせていただくことにさせていただいております。

 次回は、10月15日9時からこの会議室で開催し、議題として、社会保障、ODA及び一括交付金等を取り上げたいと考えております。

 以上でございます。時間を大変超過いたしました。新装財審ですかね、財政について聴く会、第1回の会合ということでお許しいただければと思います。どうもありがとうございました。

〔 城島財務大臣 〕 どうもありがとうございました。

 

午前12時15分閉会

財務省の政策