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財政制度分科会(平成23年7月25日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録

平成23年7月25日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

平成23年7月25日(月)15:01〜16:02
財務省第2特別会議室(本庁舎3階)

1.開会

2.五十嵐副大臣挨拶

3.社会保障・税一体改革成案

4.平成21年度国の財務書類

5.質疑応答

6.閉会

配付資料

○ 資料1−1 社会保障・税一体改革の概要
○ 資料1−2 社会保障・税一体改革成案
○ (参考1) 社会保障と財政
○ (参考2) 社会保障と財政(参考資料)
○ 資料2 平成21年度国の財務書類
○ (参考3) 平成21年度国の財務書類の概要
○ (参考4) 平成21年度国の財務書類(パンフレット)
○ (参考5) 平成21年度国の財務書類の説明

7.出席者

分科会長

吉 川   洋

五十嵐副大臣

真砂主計局長

稲垣次長

迫田次長

中原次長

有泉調査課長

北波公会計室長

可部主計官

阪田主計官

委  員

碓井光明

田中弥生

富田俊基

中 里   透

   

午後3時01分開会

〔 吉川分科会長 〕それでは、定刻ですので、ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。

委員の皆様方におかれましては、ご多用中のところご出席いただきましてありがとうございます。

本日はまず、国会の審議の都合によりお越しいただけない野田財務大臣にかわりまして、五十嵐副大臣よりごあいさつをいただき、続いて、「社会保障・税一体改革成案」「平成21年度国の財務書類」についてそれぞれ説明をしていただき、最後にまとめて質疑を行いたいと考えております。

それでは、五十嵐副大臣がお見えになりますので、しばらくお待ちください。

(報道カメラ入室)

(五十嵐副大臣入室)

〔 五十嵐副大臣 〕野田大臣が今、国会審議に入っておりますので、私、副大臣の五十嵐でございますが、私のほうからごあいさつをさせていただきたいと思います。

本日は財政制度等審議会財政制度分科会の開催に当たり、野田財務大臣が出席し、本来、ごあいさつを申し上げる予定でございましたが、国会日程の関係で出席できなくなりました。大変申しわけないと存じますが、お許しをいただきたいと思います。

委員の皆様におかれましては、ご多用中のところお集まりをいただき、感謝申し上げます。我が国の財政状況は、税収は国債発行額を3年連続で下回りました。国及び地方の長期債務残高は平成23年度末には、対GDP対比で185%に達すると見込まれるなど、依然として非常に厳しい状況にございます。

こうした厳しい状況は6月に公表いたしました国の財務書類においてもフロー、ストック両面で明らかにされております。最近、一部の欧州諸国の財政に関する懸念が再燃しているほか、米国においても債務上限をめぐる議論が行われており、国際的にも財政健全化への取り組みが極めて重要な課題として改めて認識されているところでございます。

各国が厳しい目標を立てて取り組む中、我が国においても国際公約とも言える財政運営戦略に定める財政健全化目標の達成に向けてしっかりと取り組み、市場の信認を維持していくことが必要でございます。政府・与党においては、昨年秋から議論を進めてきた社会保障・税一体改革について、6月30日に成案を取りまとめました。この社会保障・税一体改革は高齢化の進行等の社会経済情勢の変化や我が国の厳しい財政事情にかんがみれば、着実に実施していくべきものであり、本成案に基づきさらに検討を進め、その具体化を図ってまいりたいと存じます。

この財政制度等審議会はただいま申し上げたような課題に対し、委員の皆様から専門的なご意見をいただくことのできる貴重な場でございます。活発なご議論をぜひお願い申し上げたいと思います。ありがとうございます。

〔 吉川分科会長 〕どうもありがとうございました。ここで報道の方には退室していただくということでお願いいたします。

(報道カメラ退室)

〔 吉川分科会長 〕では、続きまして、「社会保障・税一体改革成案」について、事務局よりご説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

〔 有泉調査課長 〕主計局調査課長の有泉でございます。

それではまず、社会保障・税一体改革につきましてご説明申し上げます。資料のほうでございますが、資料1−1、1−2に基づいてご説明させていただきたいと思います。

まず、資料1−1のほうからでございますが、資料をおめくりいただきまして1ページ目、若干の経緯を申し上げさせていただきます。社会保障・税一体改革につきましては、昨年12月に真ん中にございますように、「社会保障改革の推進について」におきまして、必要財源の社会保障の安定強化のための具体的な制度改革案、それから、その必要財源を明らかにするとともに、その安定的確保と財政健全化を同時に達成するための税制改革について一体的に検討を進め、その実現に向けた工程表とあわせて、23年半ばまでに成案を得るという形で昨年末に決まったわけでございまして、これを受けまして今年に入りましてから、政府サイドあるいは党のサイドでの議論が進められたということでございます。

政府サイドの議論につきましては、社会保障改革に関する集中検討会議、これは今年の2月にキックオフいたしまして、第6回の5月12日には社会保障改革に関する厚生労働省案、第10回、6月2日には社会保障改革案、これは財源も含めてという形で示されたところでございます。

一方、民主党のご議論でございますけれども、「『あるべき社会保障』の実現に向けて」ということで、今年の5月に社会保障改革の姿につきまして、党のほうからもご提言をいただいている状況でございました。その中で、さらには国と地方の関係、社会保障改革における国と地方の関係についてどのように考えていくのかということに関しましては、党あるいは国と地方の協議会の場などにおきまして、地方団体との意見交換などを経まして、政府・与党の検討本部の成案決定会合のほうでこうした議論を6月8日から集約すべく行われまして、6月30日にこの成案決定会合において成案が決定され、政府・与党の社会保障改革本部決定としまして、6月30日にこれが決定されたと。それから、7月1日には閣議報告されるという経緯を経たものでございます。

内容でございますけれども、1ページおめくりいただきまして、社会保障改革の全体像でございますが、社会経済諸情勢の変化ということで、そこの一番上のところでございますが、1から6、我が国の経済社会情勢が大きく変化してきたといった情勢の変化を受けまして、改革を行っていく必要があるということで、その改革の基本的な考え方として3点、全世代を通じた安心の確保、それから、より公平・公正で自助・共助・公助のバランスにより支えられる社会保障制度の改革、給付と負担のバランスを前提として、それぞれOECD先進諸国の水準を踏まえた制度設計を行うということで、全体としましては中規模・高機能な社会保障体制を目指すということにされたわけでございます。

こうした改革の基本的な考え方を踏まえまして、改革の優先順位と個別分野における具体的な改革が示されております。その点4点ございます。子ども・子育て支援、若者雇用対策。それから、2点目としましては医療・介護等のサービス改革。3点目としましては年金改革。4点目として貧困・格差対策などについて、まず優先的に取り組むこととされております。

個別分野ごとの充実項目などにつきましては、資料1−2でございますけれども、この中に別紙2というものがございます。横になっているカラーの表でございますが、これに基づいてかいつまんでご説明させていただきたいと思います。

まず、子ども・子育てにつきまして、子ども・子育て新システムの制度実施ということで、まずは待機児童の解消、あるいは幼保一体化の実現などを機能強化として目指していくと。その上で例えば重点化・効率化といたしましては指定制の導入など、あるいは幼稚園などの既存施設の有効活用など、それから、国及び地方における実施体制の一元化などを行いまして、こうした新システムの具体案を早期に取りまとめ、税制抜本改革とともに早急に法案を提出すると。所要額としましては、2015年段階では0.7兆円程度を見込んでいるということでございます。

次のページをごらんいただきまして、医療・介護につきましては、まずは充実面については急性期医療への医療資源の集中投入などを行うほか、在宅医療の充実などにも努めまして、他方で重点化・効率化としましては我が国の場合、平均在院日数が非常に長いものですから、この減少などによって効率化も図っていくと。あるいはその左側でございますけれども、地域包括ケアシステム――これは介護でございますが――の構築などの在宅介護の充実などを図りながら介護予防・重度化予防、あるいは介護施設の重点化などを図っていくということで、所要の財源の規模がそこに示されているところでございます。

次に、3ページでございますが、こちらで保険者機能の強化などを通じたセーフティネット機能の強化、給付の重点化、あるいは逆進性対策でございます。被用者保険の適用の拡大等を行っていくことと同時に、市町村国保の脆弱な財政基盤を強化していくということ、あるいは介護保険の費用負担の能力に応じた負担の要素を強化していくと。低所得者の保険料軽減を強化していく、あるいはその裏側としまして、例えば介護納付金の総報酬割を導入していく、3点目といたしましては、長期の高額医療の高療費の見直しを行っていくという、裏側として、例えば受診時の定額負担等を導入していくということも考えてはどうかということでございます。

それから、その他といたしましては、例えば番号制の導入が前提となるわけですけれども、総合合算制度の導入、それから、効率化としましては、例えば後発医薬品のさらなる使用促進など、あるいは国保組合の国庫補助の見直しなどを行ってはどうかということでございます。

次に、4ページ目でございますが、年金につきましては所得比例年金、最低保障年金については、今後国民的な合意に向けた議論や環境整備を進めて実現に取り組むと。当面の現行制度の改善といたしましては、例えば最低保障機能の強化ということで、低所得者への加算などを実施してはどうかと。それから、それの反対方といたしまして、その一方で、高所得者の年金給付の見直しなども行ってはどうかということでございます。

それから、次のページをおめくりいただきまして、年金のその2でございますけれども、短時間労働者に対する厚生年金の適用の拡大などを充実策として行う一方で、マクロ経済スライドについては、例えばデフレ下において行うこと、あるいは特例水準の解消などについて検討することとされております。

それから、支給開始年齢の引き上げについても68から70歳へのさらなる引き上げを視野に検討することとされております。

こうした社会保障改革全体についての充実策、それから、重点化・効率策をもちまして、2015年度の所要額といたしましては、合計で2.7兆円程度、この内容としては充実面で3.8兆円程度、重点化・効率化、約1.2兆円程度を1つのめどとしまして、約2.7兆円程度の機能強化について決定がされているわけでございます。

本体のほうに恐縮ですが、戻らせていただきまして、本体の6ページをごらんいただけますでしょうか。こちらは安定財源、ただいまのような社会保障改革を前提といたしました安定財源の確保の基本的な枠組みでございます。

まず、第1点目でございますが、消費税収を主たる財源として安定財源を確保しなくてはいけないという点。現在のところ、高齢者三経費にこれは充当するということにされておりますが、これを基本としながら社会保障四経費、これは年金、医療、介護、少子化ということでございますが、ここに充当する分野を拡充していくと。国・地方をあわせた消費税収の充実を図っていくと。

2点目でございますが、消費税収の社会保障財源化を図っていく必要があり、将来的には、社会保障給付に係る公費全体について消費税収を主たる財源として安定財源を確保していこうということでございます。

3点目は国と地方の関係でございますが、基本的には現行の消費税収分につきましては、国と地方の配分についてと地方分の基本的な枠組みは変更しないとされているところでございます。引き上げ分の消費税収につきましては、先ほど申し上げました(1)の分野にのっとった範囲の社会保障給付における国と地方の役割分担に応じた配分を行っていくということでございます。

今般の議論の中で、1つ大きなものが上がりましたが、地方の単独事業の取り扱いでございますが、この点についてはその全体像あるいは費用推計の総合的な整理を行った上で、地方単独事業については必要な安定財源が確保できるようにしていくということでございます。

こうした改革、考え方を前提といたしまして、まずは2010年代半ばまでに段階的に消費税率を10%まで引き上げ、当面の社会保障改革に係る安定財源を確保するという考え方でございます。

次に、若干また戻っていただいて恐縮なんですが、本体の別紙3をごらんいただきたいと思います。別紙の3のほうでは、社会保障の安定財源確保の基本的枠組みということで、現行の仕組み、高齢者三経費と消費税収のすき間の部分9.3兆円、この2015年段階で見ますと、これは12.8兆円に膨れ上がるわけでございます。さらに今回の社会保障改革を行いますと、これがさらに社会保障四経費を将来的には目指すということでございますので、さらにこれが増えていくということでございます。

この2ページ、次のページをごらんいただきますと、当面ですけれども、三経費と制度改革に伴う増、あるいは消費税引き上げに伴う社会保障の支出の増を勘案しまして、5%の引き上げということでございますけれども、内訳をちょっとごらんいただきますと、一番上にまず1%、これは消費税引き上げに伴う社会保障支出等の増でございまして、必然的に消費税が上がることに伴いまして、国の社会保障歳出、あるいは国が購入する物品などの経費が上がるということで、それに伴う歳出の増がございます。

それから、機能強化としては3%程度を想定しておりますが、3点ございます。1点目は先ほど申し上げました制度改革に伴う増、2.7兆円でございますが、これが約1%ということでございます。それから、高齢化などに伴う増ということで、いわゆる自然増に相当する部分でございますけれども、ここは社会保障のサービスとしては増えている部分でございますが、これが大体1%相当、それから、年金2分の1でございますけれども、これは安定財源が確保されていないということで、これについての安定財源を確保するということで1%相当を想定しております。そのほかに従前からの社会保障の機能を維持していくという観点から、1%相当の支出を想定しておりまして、これで全体として5%相当ということでございます。

次のページをちょっとごらんいただきまして、やや細かい説明になりますが、それでは、財政健全化目標との関係では、この5%はどういうふうに考えたらよいのかということでございますが、ちょっと細かくなりますが、一番右だけごらんいただきまして、先ほど申し上げました5%の部分のうち、高齢化などに伴う増、いわゆる自然増などの増でございますが、この1%部分。それから、年金2分の1の安定財源確保、それから、機能維持の1%相当、この3%の部分が現在の内閣府試算から見ますPBの改善と、国・地方ベースでの改善ということになりますので、これが現在では国・地方のベースでは5.4兆円、国単独のベースでは7.4兆円ということでございますので、おおむね全体としましては財政健全化目標の達成に向かうことで、全体として同時達成の一里塚が築かれるというのが今回の決定の内容でございます。

次に、本体のほうに戻っていただきまして、本体の9ページでございますけれども、全体につきましては、1つは経済状況との関係をどう考えるかということですが、消費税引き上げと経済状況の関係については、3つ目の丸でございますが、好転させることを条件として、遅滞なく消費税を含む税制抜本改革を実施するために104条に示された道筋に沿って、23年度中に必要な法制上の措置を講ずることとされております。経済状況の好転につきましては、ここに書いてあるような考え方にのっとって、総合的に判断するということになっております。また、予期せざる経済変動にも柔軟に対応できる仕組みとするということになっております。

それから、最後の丸でございますが、行政改革との関係で申し上げますと、不断の行政改革、徹底的な歳出の無駄の排除に向けた取り組みを強めて、国民の理解と協力を得ながら一体改革を進めていくという認識が示されてございます。

最後のページになりますが、デフレとの関係で申しますと、デフレ脱却の実現をするために日銀を含めた金融政策を行っていくと。金融政策によりその経済を下支えするよう期待するということと、それから、経済成長との好循環をこういった社会保障改革によって生み出していくという認識。それから、3つ目でございますけれども、社会保障自体が需要・供給両面で経済成長に寄与する機能を有しておりますので、利用者、国民の利便の向上と新たな産業分野の育成の観点からの諸改革を進めていくということがあわせて示されているところでございます。

一体改革については以上でございますが、若干、簡単にかいつまんで添付しております資料のうち、野田大臣が一体改革の集中検討会議においてのプレゼンテーションを行う予定として準備した資料についてご説明させていただきたいと思います。この資料につきましては、震災の関係もございまして、事務方のほうから集中検討会議のほうに説明いたしましたが、このポイントだけ若干触れさせていただきたいと思います。

2ページをごらんいただきまして、2ページでは1990年と2011年度の一般会計歳入歳出の比較をしております。90年においては特例公債の発行はなく、税収は58兆円あったという時代でございます。他方で社会保障の歳出が11兆あまりということで、全体の17.5%であったと。これに比しまして2011年度におきましては、社会保障の歳出が非常に大きく伸びているとともに、税収が大きく落ち込んでいる中で、特例公債につきましては、非常に高く発行するという状況になってございます。

次のページでございますけれども、国民の社会保障支出と負担の推移でございますが、90年の段階で見ますと政府の総支出はGDPとの関係で申しますと100としますと28、社会保障支出は12、対しまして国民負担が30ということで、おおむね国民の負担と支出がバランスしている状態でしたが、2010年度をごらんいただきますと政府の総支出は42、社会保障支出が倍増しておりまして、さらにこれが伸びることが想定されていると。この中で国民負担は28ということで、給付と負担のバランスが崩れているということがごらんいただけるかと思います。

4ページでございますが、社会保障支出と国民負担率の主要国においての比較でございますが、縦軸に社会保障支出、横軸に国民負担率をとってございます。通常であれば、支出が増えれば負担が増えるということで、右斜め上に矢印が向かうところですが、日本の場合ですと社会保障支出が大きく伸びる中で、むしろ国民負担が減っているという姿が見られるかと思います。

次のページでございます。OECD諸国における社会保障支出と国民負担率の関係でございますが、この中で見ますとこれは27カ国を9カ国ずつで区切ったものでございますが、日本の位置を見ていただきますと、社会保障支出については真ん中から上にいっているという状況ですが、国民負担率については低いという中に入っているということがごらんいただけるかと思います。

それから、ちょっと飛ばしていただきまして、8ページには社会保障改革についての効率化の提言もあわせて、このときにどういった提言があるかという例を引きながら、私どもとしてプレゼンテーションをさせていただいております。おおむね今回の成案の中にも盛り込まれているところでございますので、ごらんいただければと思います。

それから、10ページでございますが、非常に厳しい財政状況については、これは総債務残高の数字になりますけれども、非常に厳しい状況とトロント・サミットの宣言をこちらのほうで示させていただいているところでございます。

私のほうからは以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕どうもありがとうございました。

では、続いて「平成21年度国の財務書類」について、事務局からご説明をしていただきます。よろしくお願いします。

〔 北波公会計室長 〕ありがとうございます。公会計室からご説明をさせていただきます。

資料では、資料2というのが平成21年度国の財務書類本体でございます。説明に当たりましては、参考の4と5というのがございますが、この中の要素をわかりやすく解説するために設けたものでございます。この国の財務書類、ご案内だと思っておりますけれども、企業会計の慣行を参考にして、国の財務に係る会計データであるとか資産や負債とかの残高をB/S、P/Lに倣ったような形で表記をしたもので、平成14年に省庁別の財務書類と、平成15年度から国の財務書類という形で、一般会計と特別会計を合算したものを全体として公表させていただいているというところでございます。

今回、平成21年度でございますので、15年から比べまして7回目というふうな形になります。

参考4をごらんいただければと思います。国の財務書類、21年度末ということで去る6月に公表させていただきましたB/Sの内容でございます。資産の合計といたしまして647兆円、また、負債の合計といたしましては1,019兆円という形で、今回初めて負債の額というのが1,000兆円の大台に乗ったというところでございます。

また、資産・負債の差額につきましては372兆円という形になっております。推移につきましては後ほどご説明させていただきます。

また、その下でございますが、費用と財源というところでございます。業務費用というものを私どもは計算しておりますが、これが135兆円。一方で財源と、これは公債による収入は除きますが、それを除きまして、税収等で87兆円ということで、いわゆる財源不足が48.6兆円と。企業になぞらえますと当期純損益という形になろうかと思います。

1枚めくっていただきますと、実際21年がどういう形になったのかというところでございます。私どもは資産・負債の差額、今、372兆円と申し上げましたが、この資産・負債の差額がどのように推移しているのかというところを基本的には注目しているところでございます。今回につきましては、平成20年度末に比べまして54.6兆円の悪化という形になっております。この内容でございますが、3ページのところをごらんいただければと思いますが、フローによる財源不足、先ほどは1ページのところで申し上げました当期純損益、マイナス48.6兆円というのが1点。また、為替相場の変動、これは21年度と20年度、20年度は1ドル100円程度だったんですが、21年度は1ドル90円という形で円高が進んだことによる主に外国為替特別会計における為替差損益というものがマイナス12.9兆円という形になっております。これが基本的には資産・負債差額の増減の一番大きな要因ではないかというふうに考えています。もう一目瞭然ではございますが、財源不足というものが占める割合が非常に大きくなっているというところでございます。

また、若干資産と負債、ストックの状況についてご説明をさせていただきます。4ページと5ページにその内容をつけております。実際ここで注目すべきところというのは、資産側でいいますと、やはりこれは国の財務書類自体が企業会計になぞらえて、できるだけ資産のものにつきましても金額で表記しようということでいろいろなものを入れております。そういう関係から資産のところにつきましても、当然直ちに現金化できるようなものではないものも含まれているところは少しご留意をいただきたいと思います。

特に有形固定資産というところがございまして、ここに184.5兆円というのがございます。そのうち公共用財産が144.9兆円という形で出ておりますが、留意事項のところに書いてございますように、いわゆる現金による回収可能額をあらわすものではないと。これは堤防や港湾、そういう社会インフラについて、国が所有しているものが入っております。これは事業費を積み上げて、耐用年数に応じて減価償却をしていくと。いわゆる取得価格を推計するという方法をとっておりますので、このような額を計上しているところでございます。

また、資産につきましていいますと、負債とセットになっているというところが見て取れるかと思います。4ページでいいますと、少し小さい字になっておりますが、それぞれの項目のところに赤色で米印がついております。例えば、有価証券のほとんどが政府短期証券、これは外為でございますけれども、裏打ちがあるということで資産側と負債側がバランスがとれていると。また、この貸付金は財投が多くを占めるわけですが、これにつきましては公債のところでの財投債の残高と対応するような形になっております。

一方で運用寄託金、これは年金給付のための積立金、現在、年金資金管理運用独立行政法人が保有して、運用している部分でございますが、これに対応する見合いの負債という形で公的年金預り金という費目を立てさせていただいているというところです。

実際、資産・負債差額372兆円とこれをどうとらえるか。今、申し上げましたように資産のところで現金化が直ちにできるものではないものも含まれている。また負債ともセットになっているというところがございますと、やはり公債残高というところが負債の一番大きなところではないかと。これを見ていただくといいのではないかと思っております。

公債のところで申しますと、普通国債が595兆円と。これは決算書とは1兆円程度違っておりますが、これは発生主義に基づく調整をしているから、1兆円違っているところでございます。

6ページ、7ページはフローの状況でございますが、実は見ていただきたいのは8ページと9ページでございます。毎年公表させていただいているというところでストックとフローの推移というものを出しております。

今申し上げましたように、20年度から21年度の資産・負債差額の変動というのが54.6兆円でございましたが、年々その資産・負債差額の大きくなり度合いというものが増えてきているというところがございます。これは先ほど申しましたフローでの財源と費用との差というものが大きく影響している。これが9ページで見て取れると思います。17年度、18年度、19年度というのは若干差が縮まりつつあったというところでございますが、22年度につきましては、25.8兆円のマイナスと。また21年度につきましては48.6兆円のマイナスという形になっております。

21年度というのはどういう年であったかという、これは決算データですので、現在は23年でございますので、2年前ということでございます。21年度につきましては、まさにリーマンショックの影響を受けて2回にわたる補正をした年ということでございます。1回目は4月でございますが、補正をしておりますし、2回目は税収不足が9兆円程度出たというところでの第2次補正を12月に行っております。このときにいわゆる次のページをもう1回見ていただきまして、12ページと13ページをごらんいただければと思います。フローの内訳の推移というところでございますが、まさに20年度から21年度を比べていただきますと、二度にわたる補正で補助金等の額というものが大幅に伸びていると。一方で、その税収というのが45.8兆円から40.2兆円に落ち込んでいるというふうなところが見て取れると思います。

単純に申しますと、これは決算データを企業会計になぞらえて、まさにどういうふうにあらわすかという形でやったわけでございますが、やはり財源不足というものが年々大きくなってきているということが少なくとも見て取れるかと思います。

雑駁ではございますが、説明は以上でございます。

〔 吉川分科会長 〕どうもありがとうございました。

それでは、今までの説明につきまして、残された時間、質疑を行いたいと思います。ご意見、ご質問等ありましたら、どなたからでもお願いいたします。富田委員。

〔 富田委員 〕冒頭、副大臣よりごあいさついただきましたように、我が国の財政状況、非常に悪く、また現在、マーケットでは欧米の財政が非常に信認を失い、為替等に大きな影響が出ているわけですが、私はそういう中で我が国の財政が非常に足もとの状況が悪い中にもかかわらず、何とか信認を保っておりますのは、昨年の6月の財政運営戦略でもって、遅くとも2020年までにプライマリー黒字を実現するという設定があり、それに向けて今回、きょうご説明いただきました形で社会保障と税の一体改革が具体的な形で進みつつあるということは、マーケットに認識されているんではないかと思うんです。そういう意味で、非常に困難な中でまとまったことの意義は大きいと私はまず思います。

そういう中でちょっと質問をさせていただきたいのは、機能強化と持続可能性という言葉の使い方なんですけれども、先ほどご説明いただいた中におきまして、この社会保障改革の安定財源の確保というところで、機能強化3%相当、機能維持1%相当ということのご説明をいただきました。

この高齢化に伴います自然増というのは、毎年1兆円あまりが発生するというふうにこれまでご説明をいただいております。それでいきますと、この自然増だけでも12、13、14、15と4年あるので、少なくとも4兆はかかるだろうと思いますと、この機能強化と機能維持の分け方について、機能維持とはどういうことの意味なのかということを高齢化等に伴う増、つまり自然増との関係でお話しいただきたいと思います。

まず、私はその機能維持だけでもものすごく大変で、機能維持のためにおそらくは財政健全化と同時達成し得るような形での消費税の安定財源ということが重要であろうという認識なんですけれども、これはプレゼンテーションのためとはいえ、機能強化が非常に大きなイメージがあるんですけれども、機能強化と持続可能性ということの言葉の意味について、ご説明いただければと思います。

〔 吉川分科会長 〕では、その点。

〔 有泉調査課長 〕今の富田先生のご質問についてですけれども、先ほど私はこの3ページ、今、先生のほうからご指摘のあった3%、1%、1%の次のところのページをちょっとごらんいただきますと。

〔 吉川分科会長 〕資料はどれでしょうか。

〔 有泉調査課長 〕資料1−2の別紙の3の3ページでございます。先ほど富田先生のお話は2ページの部分かと思いますが、先生おっしゃられたところでございますけれども、まず社会保障の機能強化をどう考えるかということなんですが、先ほどちょっと説明の中で申し上げましたように、基本的には純粋な機能強化とサービス量が拡大していく部分ということについては、これは言ってみれば、そこは全体として社会保障が大きくなるところでございますので、そこの部分に当たるものについては機能強化と考える。こういった考え方は、実は今回の取りまとめが初めてではございませんで、社会保障国民会議の議論の中でもこういった自然増の部分も含めて、これは機能強化と考えていいんだと。まさしく高齢者の方が増えて、それに伴ってお医者さんが増えたりとか、あるいはサービスの供給主体をちょっと拡大していかなくてはいけない部分がありますので、全体としては機能強化と考えるということでございます。

これは1つありますのは、全体の社会保障の今回の改革を考えるに当たっては、社会保障自体が国民の皆さんとの関係でいうときちんと手当されてきていると。非常に前向きに手当されてきているというところも必要でございまして、そういう意味では純粋な機能強化だけではなくて、こういったサービス量の拡大、あるいは今まで安定財源が確保されていない年金の2分の1の部分について、きちんと安定財源が確保されてきていますよということ全体をもって、社会保障の機能強化という位置づけをしてきているところでございます。

他方で、それでは、財政健全化との関係はどう考えるのかという点でございますけれども、先ほどご説明申し上げましたように、今申し上げた高齢化等に伴う増、自然増の部分、あるいは年金の2分の1という部分につきましては、実はこれは内閣府の試算で申しますと、既に歳出としては織り込まれている部分でございます。したがって、今のPBの前提になっているわけでございます。

他方で、ここについては安定財源が今までは確保されていませんので、今回は例えば消費税が引き上がりますと、ここの部分の財源がきちんと手当されるということになりますので、その分、国あるいは地方のプライマリーバランスが改善するということでございますので、言ってみれば先ほど申し上げました高齢化等に伴う増、あるいは年金2分の1に伴う増というのは社会保障の機能強化であるとともに、財政健全化にも資するというものでございます。

そういう意味では、社会保障の機能強化は全体として3%程度、社会保障国民会議の考えできちんと確保し、他方でその中に含まれるものは実は財政健全化にも資するということで、3%相当を国・地方のベースでPBの改善にもつながるということで、そういった形でのプレゼンテーションを今回の一体改革の中ではさせていただいているということでございます。

〔 吉川分科会長 〕よろしいですか。

〔 富田委員 〕その中で社会保険料の引き上げの想定がどうなっているかということが1つと、あともう1つは効率化・重点化で2兆7,000億円、ネットで制度改革に伴う増として示されているわけですけれども、やはり重点化とか効率化で何を毎年どの程度実施していくか、つまり削減して効率化していくかということについて議論が進められて、合意ができているかどうかということについてお聞きしたいんですが。

〔 吉川分科会長 〕はい。

〔 有泉調査課長 〕社会保険料の引き上げについては、現行想定以上のものが現段階で具体的に織り込まれている形になっているわけではございません。もちろん例えば年金であれば先々決まっている形になっておりますけれども、現行のその制度以上に何らかの形の引き上げが入っているというわけではないというのが、まず1点目についてのお答えになります。

それから、2.7兆円という部分につきましては、これは充実が3.8兆円程度、重点化・効率化については1.2兆円程度を1つのめどとさせていただいていることですので、実際にどれだけの効率化をどこまでできるかということについては、今後もきちんと制度の具体化に向けて努力をしなくてはいけないということになろうかと思います。

〔 吉川分科会長 〕ちょっとよろしいですか。富田委員のご質問の効率化に関しては、今回数字が出たのは医療・介護のところだと思うんですね。ですから、機能強化という言葉は先ほどの課長のご説明でいうと、この場合、グロスで3.8兆というのは先ほどの課長のご説明の中で狭い意味での機能強化ということだろうと思いますね。そのグロスが3.8兆、効率化、これは医療・介護で約1.2兆マイナス。それでネットで2.7兆の狭い意味での機能強化を今回うたったんだろうと思います。

いずれにしても数字が出たのは医療・介護のところだけで、ただしそれをどれくらいの工程表でやっていくかというのは、まだこれからの宿題というのと、あと今回の成案では、一応、項目としては数字は出ていないですが、年金等のところでも例えば支給開始年齢の引き上げとか、デフレ下でのマクロ経済スライドの発動とか、考えてみたらどうかと。効率化に関してそういうことは複数の委員の中から発言も出て、今回のこの成案の中にも項目としては上がっています。

ほかにいかがでしょうか。碓井委員。

〔 碓井委員 〕どうも私、世の中の動きを的確にとらえていないので質問したいことがあるんですが、それは今回の改革成案というのは、7月1日に閣議報告がなされているということのようでありますが、これがどういう意味を持つかという基本的なことをちょっとご説明いただきたいんです。

例えば、私もきょうこの場におりますし、それ以外のいろいろな審議会もありますし、研究会等もあります。そういうところで私たちはどの程度、これに拘束されるのか。例えば、この中に出ているわりと具体的に書かれていることで、国保の都道府県単位化ということがありますね。こういったことはもう閣議にも報告されているんだから、それを前提に議論してくださいよという仕組みに今後なっていくのか、それとも私たちが議論していくときはまたゼロからそれがいいのか悪いのかでスタートして議論していっていいのか。そうなるとまた道は大変遠いように思うので、確認をさせてください。

〔 吉川分科会長 〕どうなんでしょうね、一言。

〔 五十嵐副大臣 〕とにかく与党の中でいろいろな議論があったということで、閣議決定に至らなかったと。当初は閣議決定を目指していたわけですが、一応、閣議報告ということにとどまった。それはそれなりに意味があるんだと思いますが、一応、形の上で出てきたことは目指すということなんでしょうが、細部についてはまた別途議論を要するということだろうと。大きな方向性は一応示されたけれども、それは法的に制約を完全にかけたということにはやはりならないんだろうと思います。

〔 吉川分科会長 〕この点について事務方からもありますか。では、次長。

〔 迫田主計局次長 〕副大臣のお話ですべて尽きていますけれども、資料1−2というやつをごらんいただきたいと思いますけれども、資料1−2の右上に括弧して、平成23年6月30日という日付ですが、「政府・与党社会保障改革検討本部決定」ということでございまして、去年の秋からずっとこれにかかわってきた政府と与党のメンバーの間では、本部の決定としてこういうふうにオーソライズされているということでございまして、この中身を今後さらにどうしていくか。例えば法案に落としていくということになりますと、当然、閣議というものを経て、法律にしていかなくてはいけないと。今後の手続きは残っておりますけれども、少なくも本部決定というかなり重いシチュエーションの中で、この中身についてオーソライズされているということだと思っております。

〔 吉川分科会長 〕この点については、私も一言、それこそ国民の一人として発言させていただければ、やはり社会保障とか税の問題というのは、いわゆる与党、野党のさまざまな問題を超えて、一歩一歩前進していかなくてはいけない国全体のテーマだろうと思うんですね。そういう意味で、このテーマというのはある意味では今の政権以前からのやはり積み上げという面があると思いますから、碓井先生おっしゃった、もとよりゼロに戻ってということはあり得ない。やはり先ほどからのご説明があるとおり、相当の重みを持った1つの一段階というふうに考えると、今後の議論はまたここをベースにして詳細を詰めていくということだろうというふうに私は認識していますが。多くの人たちがそういうふうに期待しているんじゃないかというふうに私は考えております。

ほかの委員の方、いかがでしょうか。中里先生。

〔 中里委員 〕2つの報告とも興味深く聞かせていただきました。6月初に集中検討会議の報告が出てから、月末の成案決定までのいろいろな経過を眺めていたときの感想を幾つか申し上げたいと思います。

1つは、この報告はもちろん機能強化が重要であるというお話でありますが、ただ、それと併せやはり持続可能性ということを重要視しないといけないと思うんですね。この報告が出た後で、消費税を上げても社会保障の強化につながらず、財政赤字の削減に使われてしまうのではないかというご批判があったことはもちろん承知しています。

ただ、やはり幾ら社会保障が大事だから拡充をすべきだといっても、持続可能でない制度というのはやはり無理があるので、その点、もちろん給付を抑制するのか、それとも税なり社会保険料を増やすという形で、負担を増やす方向でいくのか、それはいろいろなお立場で御意見があると思うんですが、ただ、やはり持続可能性というのは基本的な必要条件であるという前提のもとで議論する必要があるのではないかという感想を持ちました。

それから、報告の中で経済好転の条件の話が出ているので、これについてちょっと申し上げたいんですが、経済好転の状況を考えるときにもちろん実施時期をどう考えるか。これはデフレ脱却その他の経済政策の目標との整合性の問題があるので、それはいろいろな議論があると思います。ただ、制度設計をやるということと、実施のタイミングをどうするかというのは分けて考えなければいけなくて、制度設計自体は粛々と、できる範囲で速やかにやっていく必要があると思うんです。

そうしないと、実施時期を決めてから制度設計をするとなると、景気循環の関係でラグが生じてしまいますから、これは分けて制度設計は予定どおりしていただきたいというふうに、これはそれこそ国民の一人として考えました。

それから、もう1つ、これから一体改革の議論をしていくときに復興財源との関係をやはり考えていかなければいけないと思うんですが、この場合にスタンスとして一体改革の工程表、スケジュールを基本に置いてそれと整合的になるように復興財源の確保、復興増税のスケジュールを決めていくというバランス感覚になるのかなと思います。

それはなぜかというと、確かに復興増税のために必要な額、これは少ない額ではありませんが、ただ、よく考えてみると一体改革が1年遅れると、それに必要な額の相当規模に匹敵するような穴があくわけですね。しかも、それは1年限りでなくてずっと続いていくわけですから、やはりそれを考えるとバランスとしては一体改革のスケジュールを基本に置いて、その中で復興増税の議論をしていくということが必要になる。これは今、関係閣僚会議が始まって、8月後半でしょうか、税調で議論されると思うんですが、その点よろしくお願いしたいなと国民の一人として考えております。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕この点については今の時点での、今後のスケジュールについてのご説明などがありますか。

〔 有泉調査課長 〕1つは今後のスケジュールということで直接関係するかどうかわかりませんが、先ほどの中里先生がおっしゃられた中で申しますと、経済好転の条件の部分については、これはまさしく先生ご指摘のとおりかと思います。基本的には制度として、これは104条にのっとった形で法制化を目指すわけですが、その法制化をするということと、実質的にいつ引き上げるかということは分けて考えるべきだろうと思いますし、実際、いつ引き上げるかということの中で、経済状況というものを考えていくということなんだろうと思います。いずれにしましても、104条に定めたスケジュールがございますので、そういったスケジュールを頭に置きながら、今後、夏あるいは秋以降に具体的な法制化に向けて政府内でも議論を進めていくということになるだろうと思っております。

〔 吉川分科会長 〕どうも。あとは消費税のスケジュールについては、今回の案でも10年代半ばまでに10%までと言っているわけですね。現在5ですからプラス5。

もう1つ、その一気に5%に上げるというんではなくて段階的にということを言っているわけですから、段階的というのが何をあらわすのか議論の余地があるかもしれませんが、よく3・2とか2・3とかという議論が出てきたわけで、いずれにしても段階的ということは複数ということでしょうから、そういうことからすると1回目が一体いつごろなのかということは、スケジュールを考える上での1つのポイントということだろうとは思いますけれども。

ほかに委員の皆様方、いかがでしょうか。田中先生、もしよろしければ。

〔 田中委員 〕ありがとうございます。拝聴しながら、私の把握力が、能力がないので多分理解できていないのかなと思いながら、迷いながら伺っていたんですが、やっぱりこのお話しを伺ったときに3・11以前のことを前提にして議論されていて、それ以降のこれだけ大きな負担にの姿がなかなか見えてこない中で議論を淡々と進めているので、私はどう反応したらいいのか少し悩みました。

そういう意味では、今、中里先生からもおっしゃってくださったのですが、震災被害や復興事業が、今後の社会保障費にどの程度影響を及ぼすものであるのか、あるいはそれを想定せずに以前からの試算のもとに増税率を決められたのかがわかりにくいのです。それから、今、復興増税ということもおっしゃられたのですけれども、社会保障と税の一体改革による増税と復興のための増税などが別途施行されるのか、あるいは同じ時期に負担を強いられるものか、国民は全体でどの程度負担を強いられるものなのかなど、全体像をきっちり説明をしてもらわないと、多分、国民の間で、大混乱が起こるような気がいたします。

以上です。

〔 吉川分科会長 〕何か事務方からありますか。

〔 迫田主計局次長 〕まず、社会保障のお話は去年の秋からずっと進んでおりまして、その中で3月11日の議論というような、震災が起きたわけですけれども、それについての1つのコメントはこの資料1−2の1ページ目、「はじめに」というところの一番下のくだり、「本年3月11日に」というふうなことが書いてありまして、ここでいろいろコメントがしてあるという部分が1つあるわけでございます。

一方、震災における直接的な被害に対してのいろいろな社会保障の世界の手当というのは、今年度の1次補正から始まって、例えば保険料の負担とか窓口負担の一定の軽減というのは阪神・淡路のときにもやっておりましたけれども、同じような対応は既に1次補正とかという形で対応はしているということでございますが、問題はこの社会保障と税の一体改革の話は、実は構造的な問題として我が国経済社会が抱えている問題なのであって、それにどう対応するかという議論は去年の秋からしていたということなんだろうと思います。

そういう意味で、先ほど中里先生からお話があった制度設計と実施の時点というお話、制度設計というのはまさに構造的な問題に対してどう対応するかという観点から取り組まなければならないという形でこういうふうに取り組んでいたということでございますし、復興増税とのタイミング論というのもありますけれども、しかし、復興の話はとりあえず置くとしても、いずれにしても復興があろうがなかろうが、この社会保障と税の話はいずれにしてもなるべく早く対応しなければならない課題でずっと今まであり続けてきた。そういうことを見失わないようにした上で、最後、復興とこの社会保障の話をどういうふうに国民にわかりやすくご説明をした上で、必要なご負担をお願いできるかというふうな課題になっていくという頭の整理なんじゃないかというふうに思っております。

〔 吉川分科会長 〕よろしいですか。ほかにいかがでしょうか。では、富田委員。

〔 富田委員 〕今の田中委員のご指摘も、それから、中里委員のご指摘も例年ですと6月に中期財政戦略、財政運営戦略が発表されて、全体像が明らかになった上で、この災害対策と社会保障と税の一体改革というのがあって、これらの位置づけがわかりやすいんですけれども、それがまだ今年7月も大分たっているんですけれども、出ていないんですが、そこらはいかがなんでしょうか。

〔 吉川分科会長 〕まさに次回という感じかもしれませんが。

〔 有泉調査課長 〕まさに今の富田先生がおっしゃられた点は、これは復興の基本方針を今、議論しておりますので、それとタイミングはそんなに変わらないと思うんですが、中期財政フレームの議論なども政府部内あるいは党との関係で議論されていくことになろうと思います。これはいつというのはちょっと明言はできませんけれども、早晩、そういったものも出てくるかと思いますので、出てきたところでまたこれはちょっと議論の先取りになるかもしれませんが、そういった点も含めてご報告させていただければというふうに考えております。

いずれにしても、今すぐということではありませんが、早晩復興の基本方針、あるいは中期財政フレームがどうなるのか。その中で内閣府の試算との関係で、例えば15年のPB、20年のPBはどういう形で見えるのかなどについては作業が進められておりますので、また改めてご報告させていただく機会があるかと思います。

〔 吉川分科会長 〕ということで大体時間になったんですが、いかがでしょうか。特にという方、よろしいですか。

では一応、きょうの議論は以上ということにして、もう既に話は出ているわけですが、次回のこの財審の会合におきましては、今後策定される復興の基本方針、今後改定が予定されている中期財政フレーム、内閣府のほうで今、課長からもお話がありましたが、PB、それから、デッドGDP比の推移、推計等も出てくると思いますので、こうした点について事務方よりご報告いただいて、それを踏まえてご議論いただくことを考えております。日程につきましては改めて事務局より連絡の上、調整させていただきます。

それではどうも、本日、ご多用のところありがとうございました。

午後4時02分閉会
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