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「財政について聴く会」(平成24年11月7日開催)議事要旨

「財政について聴く会」
(財政制度等審議会 財政制度分科会)
〔議事要旨〕


1.日時 平成24年11月7日(水)9:00〜11:00

2.場所 財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

3.出席者
(委員)
赤井伸郎、秋山咲恵、板垣信幸、井堀利宏、碓井光明、葛西敬之、倉重篤郎、小林毅、竹中ナミ、田近栄治、土居丈朗、富田俊基、鳥原光憲、早川準一、渡辺捷昭                              (敬称略)

(財務省)
柚木大臣政務官、木下主計局長、中原主計局次長、福田主計局次長、岡本主計局次長、可部主計局総務課長 他

4.議題
○ 公共事業について
○ 農林水産関係予算について

5.議事内容
○ 11月7日の分科会では、事務局より、「公共事業」と「農林水産関係予算」について説明が行われた。

○ それらの説明に対する各委員の主な意見は次のとおり、
【公共事業】

・今後人口が減少していく中で、不要なインフラは廃止していく覚悟が必要。また、その際、コンパクトシティなど、街の作り方によって必要なインフラも違ってくることを認識すべき。また、インフラの必要性については、安心・安全のためと言われることが多いが、不要なインフラをなくした結果、街の財政が改善することにより、将来に向けて安心感が得られることも考慮すべき。

・今後見込まれる人口減少、現下の厳しい財政状況を踏まえれば、既存社会資本の更新が重要であり、新規事業に慎重になるべきという基本的な考え方には賛成。

・整備新幹線については、既に建設が始まっているものもあるが、人口減少地域に長期かつ大規模な工事が行われることに疑問を感じているところ。今後の公費はどの程度なのか。また、工事の中止はできるのか。

・(事務局)現在予定されている整備新幹線の総事業費は約3兆円、足元の公費は国費と地方費で約1,000億円である。
現在予定されている事業については合理性があるものと考えている。北海道新幹線については函館で止めるのではなく札幌まで、長崎新幹線については諫早ではなく長崎まで延長するのが自然。北陸新幹線についても東海道の代替となる路線であるので、差し当たり敦賀までは延長すべき。その先はしばらくの間FGTになるが、将来の時点での判断となろうかと思われる。
財政的な観点からすれば、JRが支払うべき整備新幹線のリース料が高くなれば財政負担が減りベター。
B/Cの算定は楽観的であってはならないことはこれまで伝えてきている。さまざまな要素を加味してB/Cの算定を行っているが、1.1と算定結果は芳しくない。ただ、割引率は高目の4パーセントとしている。
「事業の中止は不可能」というような硬直的なことはあってはならないと考えている。

・不要になった施設の更新をやめるという判断は非常に重要であるが、それを実現するには様々な障害がある。一定期間施設更新を行わないという方針を定める等、やや乱暴とも思えるような手法が必要になるのではないか。

・施設の延命化という手法は非常に重要。年月が経過するごとに施設の耐久性は低下していくが、適切に補修を行えば、長期間使用することは可能になる。

・これまで、公共事業はとかく景気対策と結び付けられて多用されてきたが、これは本来あるべき姿ではない。景気対策に依存することなく、毎年必要な社会資本整備のみを粛々と行っていくことが重要。

・便益の計り方について、楽観的シナリオ、悲観的シナリオがあるが、現在は、その発生確率のおき方が楽観シナリオに偏っていると思われる。便益を測るに当たっては、保守的に低い便益、すなわち悲観的な状況を想定しながら行うべき。

・費用便益分析は重要だが、マル1需要の予測が楽観的であってはならないこと、マル2人口減少率については今まで多めに見られていたという面があること、に留意が必要。

・費用便益分析は異なる目的の事業間の比較に用いることができない。B/Cが高いものを優先すべきという視点は必要であるが、1以上の事業を行うべきという結論に結びついてはならない。厳しい財政事情であることを加味して、事業の選別を行うことが重要。

・(事務局)ベネフィット(B)が異なる事業同士を比較することはできていないと認識。同じ事業の間でB/Cの算定結果が高いものを行うという意識を持つようにしている。また、算定結果が1を下回る事業については行うべきではないといういわば足きりの役目もある。

・評価の基準を厳しくみていくべき。B/Cが1を超えていれば認めるという考え方は改めるべきではないか。

・災害対策について、ハードのみならずソフトについても活用していくという考え方は重要。一方、ソフトについて重要な役割を果たす地方には、そのノウハウを活用できる人材が不足しているので、国は人材の派遣・育成をしっかり進めていくべき。

・新規から維持管理更新にシフトしていくという考え方は重要であるが、全ての施設を更新していく必要はない。どのような施設を残し、どのような施設を無くしていくのかということを定めた再編計画を策定し、それに基づいて投資を行っていくことが必要なのではないか。

・防災対策について、官民の壁を越えて、オールジャパンで環境にやさしい、安心・安全な街づくりを進める体制が必要ではないか。復興施策についても、個別最適になっているのではないかと思われ、全体最適で総合的に投資を進めていくことはできないか。

・コスト改善について、たとえば、民間では計画、生産、調達、管理の各段階で改革を行っているが、切り口が明確ではないのではないか。また、目標についても、5%,10%ではなく、20-30%としてはどうか、と投げかけると思い切った発想・取組が出てくる。この点、もう一段メスを入れると更なる歳出削減になるのではないか。

・厳しい財政状況下において、予算の抑制を行うべきということは重要。

・社会資本整備は、特に地域振興の観点から重要なものである。構造改革等も併せて行うこと等によって効率的な事業を行うことが重要であり、その観点からは、特区制度の推進が重要ではないか。

・平成21年の建議において、論点は整理されていると思うが、それがどこまで実行できているかが問題。具体的な目標設定に対して進捗状況がどうなっているかを検証する事が重要。

・人口減少、過疎化が進む中で、行政行為そのものの低下は否めない。また、コンパクトシティ構想は非常に重要。コンパクトシティに資するものについては、重点的に投資するという仕組みが重要。

・人口が減少するので不要なインフラを廃止するということだが、縮小均衡にならないかと危惧する。

・インフラを廃止すれば人口が100減るところ、インフラによって減少が20に食い止められる、といった効果も見るべきではないか。

・人口減少を食い止める効果も見るべきとのことだが、部分部分で見るとそうなるが、人口分布で見たときに、どこに住んでいただくのがよいか、誘導していかないと、財政的に持たなくなる。こうした観点は、全国的に見ているところでしかできないことなのではないか。

・インフラについては、エネルギー戦略との連携が必要。

・下水道は、整備できていない家庭からの排水の流出を踏まえると、たとえば首都圏では99.99%の整備が必要。それにより新たな産業も生み出される可能性もある。

【農水関係】

・農業は成長産業化できると認識しているが、現在、農業の問題点が体系的に整理されていないと思われる。

・農業政策は品目・地域別に、開発・生産・ニーズ・販売、サービスの各フェーズに分けて問題点が整理されていない。その上で、重要なところにきちんと予算がつくようにするべき。

・カロリーベースの自給率が金科玉条のように取り扱われていることに違和感がある。

・生産調整は廃止すべき。したがって、生産調整のための予算増額は慎重に行うべき。考えていくべきは、どう生産性を上げていくべきかという点である。例えば、生産性向上のための農家の集約化、大規模化が叫ばれてはいるものの、よく機能していないといった現状があるので、これをどう打開していくかといった課題を考えていく必要。

・農家をやめる人には、農地の貸し出し等によって、収入を得てもらうということはありうるのではないか。

・「攻めの農業」を振興していくことが重要。経営マインドをもった新しい人材の参入を促進し、農業の活性化を図るべき。

・10兆円以下の産業に対して2兆円の予算措置を行っているのは、手厚すぎるという印象。農家に手厚い政策を続けていることが、かえって日本の農業を弱くしてしまっているのではないか。

・「農家」のための施策ではなく、「農業」を振興するための政策に予算措置を行うべき。

・農業は障害者の世界と構図が似ており、「私は弱い、困っている」という声が大きいほうが助けてもらえるという構図になっている。大胆な意識改革が必要ではないか。

・農水予算は、農林水産業従事者だけの関心ではなく、第2、3次産業従事者は、なぜ農林水産業にこんなに予算を投入するのかという疑義を持っている。

・国民に向けて、なぜ第2、3次産業よりも多くの予算を農林水産業に投入しているのかという説明ができないといけず、厳しい目で見る必要がある。

・土地を貸すという発想は昔からあるが、さまざまな規制があって実現のために前進していないのが実情。土地貸し出しの推進のほか、農業への他業種からの参入を進めることが、農業を強くすることに寄与するのではないか。

・戸別所得補償については、大規模農家に優先して行うべき。

・現在農業に関わっている者をどうするかという政策とあわせて、新規参入を促す政策を講じていくことが必要。

・予算措置のみならず、規制改革をあわせて行っていくことが重要。

・構造改革に積極的に取組み、雇用を生み出す産業にすべき。

・農業が衰退産業化しているのは、これまで政府が農業政策を、産業政策としてではなく、社会政策として追求してきた結果。

・農地の集約化、6次産業化といった構造改革が必要。

・株式会社の参入規制を緩和するなど、生産性・品質向上を図り、魅力的な産業とすべき。これによって雇用も増える。

(以 上)

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