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「財政について聴く会」(平成24年11月1日開催)議事要旨

 

「財政について聴く会」
(財政制度等審議会 財政制度分科会)
〔議事要旨〕

1.日時 平成24年11月1日(木)13:00〜16:00

2.場所 財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

3.出席者
(委員)
赤井伸郎、秋山咲恵、板垣信幸、井堀利宏、岡本圀衞、葛西敬之、倉重篤郎、小林毅、角和夫、竹中ナミ、田近栄治、田中弥生、土居丈朗、富田俊基、鳥原光憲、中里透、早川準一、渡辺捷昭                      (敬称略)

(財務省)
武正副大臣、柚木大臣政務官、木下主計局長、中原主計局次長、福田主計局次長、岡本主計局次長、可部主計局総務課長 他

4.議題
○ 経済危機対応・地域活性化予備費等の活用について
○ 地方財政について
○ 文教・科学技術関係予算について
○ 復興関係予算について

5.議事内容
○ 11月1日の分科会では、事務局より、「経済危機対応・地域活性化予備費等の活用」、「地方財政」、「文教・科学技術関係予算」と「復興関係予算」について説明が行われた。

○ それらの説明に対する各委員の主な意見は次のとおり、

【経済危機対応・地域活性化予備費等の活用】

・日本の海保は韓国・中国に比べて手薄。また、原発やテロ対策などのニーズも高い。国防費を増やす事が難しい以上、こうして予備費で装備を増やすと言えることは非常にいい事だ。

・近年の状況を鑑みれば、海上警備は非常に重要。この審議会においても海上保安庁の予算につき、時間を設けて議論することはできないか。

・補正予算で経済対策を講じ、歳出拡大につながっていた過去の手法と異なり、当初予算で措置した予備費で経済対策を講じることは、歳出抑制の観点から好ましいものだと思う。

・これまで予備費で経済対策を講じたことはあるのか。

・今般の経済対策の効果についてフォローアップをしてもらいたい。

・復興予備費の活用について、今回は被災3県に限っているが、被害のあった茨城・千葉の一部に対する手当はどうなっているのか。

・(事務局)今回は、グループ補助金、福島立地補助金の2つを措置。国会でも「被災地に対してきちんと支援すべき」といった指摘があったことも踏まえ、経産省の要望に基づき措置した。被災地域としては、公正な基準として特定被災区域が定められており、茨城・千葉も含まれている。具体的な補助金の当てはめは、今後経産省で採択されていくところだが、応募があれば、茨城・千葉からも採択される可能性はある。

【地方財政】

・論点は3つあり、

  1. 地方の財源不足に対し、その半額について地方交付税を加算するというルールに加え、別枠加算及び歳出特別枠でかさ上げしていることをどう考えるか。
  2. それによって引き上げられている地方交付税の現在の水準をどう考えるか。
  3. ラスパイレス指数107となっている地方公務員給与の水準をどこまで地方交付税で財源保障すべきか。

・地方公務員のラスパイレス指数が107となっていることについて、地方において、地域住民や国民に対する説明責任があるのではないか。

・地方法人特別税をうまく活用して、地域間の財政力格差の調整をしつつ、国・地方全体の将来負担の軽減につなげるべき。

・地方の財源不足を国が補填する仕組みの下では、地方公務員における民間と比較した高い給与や前近代的な手当は見直していくべき。

・地域限定の地方公務員の給与水準については、同じ地方における民間企業の給与水準と比較すべきではないか。

・人件費の実態や、消費税5%引上げのうち1.54%分が地方に行くことについて、国民への説明が必要。

・財源保障の仕組みの見直しは単年度だけの話でなく、将来を見据えた制度論からの議論が必要。

・地方交付税で地方の財源不足を補填する以上、地方の歳出の妥当性につき、国がしっかりとチェックすべき。民間だと本社・支社の役割分担の明確化が普通だが、国、地方においてもそうした役割分担の明確化が必要。

・国と地方の財政状況は非常にアンバランスであり、是正が必要。

・地方公務員の国家公務員給与を超える部分の給与や持ち家手当などは地方交付税の財源保障の対象とすべきではなく、地方が独自に財源を調達すべき。

・財源保障範囲を見直せば、交付税は減り、結果的に、地方は自前財源の確保が必要となるのではないか。

・地方交付税は一般財源である以上、人件費削減の「強制」はできないが、交付税総額を抑制することでインセンティブ付けすることが必要。

・地方の財政収支が近年1兆円程度黒字であることは、別枠加算や歳出特別枠が制度の根本を歪めている証左。

・国の財政健全化のためには、地方の行財政改革が不可欠。

・地方交付税交付金の算定については、各地方の健全化に向けた努力が反映される制度にするべきではないか。

・地方主権・地方分権というが、国が財源保障しているため、地方においては受益と負担の関係が希薄。このため、地域住民は地方公務員給与に関心がない。

・別枠加算や歳出特別枠は廃止すべき。

・交付税の議論は、どこまでが国が関与しどこからが地方の裁量であるかということを明確化する作業であり、地方分権の本旨に沿うもの。

・地方公務員給与については、交付税による財源保障部分に上乗せして支給するかどうかを、自治体において住民との話し合いの上で判断すべき。

・消費税率引上げの前に、地方歳出の中身をきちんと見直して、引上げ分は財源不足を埋めるように使うべき。

・自治体病院の職員の高い給与を見直し、地財計画にも反映すべき。

・地方公務員の給与については、各自治体における労使交渉を尊重すべきであり、「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律」による国会公務員給与削減が地方財政計画に反映することがあってはならない。

【文教・科学技術予算】

・子供の数が減っているのだから、教員も減らすべき。少人数の方が効果が上がるというのは根拠がない。

・教員の質を上げるためには、エネルギー、忍耐、熱意の3つが必要であり、採用数を半分にして、いい人材を採るべき。

・大学は情報公開をすべきというが、大量に資料を作ることが重要なのではなく、実績・パフォーマンスをもって評価すべき。

・科学技術については、長い目で見て、ボトムアップではなく、国策に基づいてトップダウンで実施すべき。

・文教予算については、OECDの提言を踏まえた検証を進めていくことが必要。

・外部資金が増えたとの指摘があるが、外部資金の大半は研究に向けられ、教育にはほとんど回らない。したがって、大学への運営費交付金の議論を行う場合は、教育についても着目することが必要。

・現状、大学は学部/学科ごとの計画が定められていないため、評価を行うにしても、何を基準にすべきかが不明確になっている。目標・計画をしっかりと定めることが重要。

・教職員の増員を認めるためには確たる理由・データが必要。効果が認められないというデータがあるならば、その反論が適切になされる必要。そうでなければ、到底認められない要求である。

・所得水準に応じた授業料の設定は是非推進すべき。優秀な人材が良い教育を容易に受けられないということとなれば、将来の日本にとって非常に大きな損失となりかねない。

・大学授業料を、所得ではなく成績に応じて変えることも考えられるのでないか。学習へのインセンティブも図られる。大学の運営は、運営費交付金もあるが、まずは授業料を持って考えるべき。

・大学について何を基準にするかという問題はあるが、当初の想定よりも評価が低かった場合には交付金を削減するなど、ペナルティを設けることが重要ではないか。

・全ての大学が研究を行う必要があるのか。教育に特化する大学があってもいいのではないか。また、研究に関する予算の対象を主要大学に限定し、集中的に投資すべき。

・科学技術振興費について検討するに際しては、その効果(特にポジティブな効果)を示されたい。

・子どもの数が減っているのに教員の数が増えるのはおかしい。

・子ども1人当たり教員の数の水準について、今と同じでよいのか、メルクマールが必要。教員1人当たり子どもの数で見て、国際的水準を1つの指標としてはどうか。

・教育の質の向上について、これだけでは寂しい。文科省にきちんと考えさせるべき。学校耐震化はもっとやらなければいけない。

・大学・科学技術振興費の評価について、きちんとした評価システムが必要。

・科学技術の国家戦略が必要。短期/中期/長期のプランを定め、いかなる分野を振興していくべきかを決定した上で、当該分野に集中的に投資を行うべき。

・教育は将来への投資として重要。一方で、教育の質等のことを考えると子供の数だけで判断できるものではない。小1は35人学級と決まっていたが、小2以降は各地方に任されているという状況であり、これが予算編成を曖昧にしており、適切に考えていく必要。

・国立大学の授業料については、これを増額すると交付金が減らされるとの観念が大学側にあるので、これを変えていく必要。良い教育成果をあげれば、交付金額にも結び付くというインセンティブ付けが大事。また、大学におけるマネジメントのプロフェッショナルも必要。

・5年前にも教育論争があったが、その際、なぜ先生の数が必要なのかという理由として、父兄や国・教育委員会が学校にすべてを押し付けているという議論があった。

・仮に35人学級に基づく要求を受け入れる場合でも、必要な教員数につき、学校の統廃合の影響等を加味すれば、文部科学省の想定は過剰ではないか。前提条件などをしっかりと検証すべき。

・所得に応じて学費を決めるという制度は理想的ではあるが、真の所得を把握することは非常に難しい。学生の成績に応じて学費を決めるという制度の方が現実的ではないか。

・予算全体を考えて、各予算間のバランスを取る必要。将来への投資である文教予算と高齢者への予算である社会保障予算との額のアンバランスを是正していくという視点があってもよいのではないか。

・研究開発予算について、きちんと評価をしてきたのか、SABCで評価をしても、どれもいいとなってしまい、今はその方式をやめている。評価方法を見直す必要があるのではないか。

・子どもの数は減っていく一方、教員の供給体制は変わらない。以前に、5年で1万人削減と閣議決定されているが、それが今どうなっているのか、検証し議論したい。

【復興関係予算】

・復興予算は、被災地の復興に回るなら国民も一肌脱ごう、ということで組まれているが、全国防災が入っているなど実態は仕切りが緩いのではないか。

・被災地向け以外のものは一般会計で、優先順位をつけて実施すべき。

・復旧/復興はステージが違う。コンパクトシティや津波に強いまちづくり等、単に復旧にとどまらない復興事業は時間がかかっても行うべき。

・民間企業では災害があれば類似事故の防止等を他地域でも行う。防災対策は被災地以外でも必要。

・復興予算については、予算編成の悪い側面が露見したともいえる。例えば、マル1復興予算に経済対策を盛り込むなど複数の目的を単一の予算につめこんだこと、マル2執行しやすいものから執行したところ、被災地以外の執行が被災地における執行より先んじてしまった、マル3根拠法があり、合法的に執行しているが、国民にとっては苦しい言い訳に聞こえてしまう、等である。こうした点を教訓に信頼のある予算にしていくべき。

・じっくり腰を据えて執行すべき事業については、そのように行うべきだし、積極的に繰越明許の制度も活用すべき。

・被災した地方自治体の通常の財政規模を上回る予算を短期間で執行することはおよそ不可能。そのような金額の相場観ももつべき。じっくり取り組むべき。

・一般会計と特別会計で予算づけに濃淡があるなどという誤解を生まないようにしていくべき。

・被災地の執行が進まないということについては、1つには土地利用の調整、土地区画整理などの専門家や自治体では入札手続を行う職員などのマンパワーの不足が問題。支援体制の強化が必要。

・地域経済を支えているのは中小企業であり、グループ補助金による支援は拡充すべき。

・被災地以外の予算については、しっかりと復興との因果関係を精査して、認められるものは復興予算として措置すべき。

・全国防災のみならず「その他の事業」も問題。本来一般会計に計上されるべきであったものを復興予算に計上していたのではないかという疑いをもたれている。これによって、税の信頼が損なわれ、中期財政フレームが形骸化してしまうのではないか。

・被災地以外の事業を特別会計で賄うことは問題だった。

・復興のための資金が国土強靭化や経済対策といったことに用いられないか心配。被災地以外の事業は一般会計で賄うべきという仕切りを立てるべきではないか。

・復興にあたっては、地方に専門的な職員がいることが重要。財政審としても「こうすべき」という提言をしていきたい。

・復興予算に関係のないものが入ってきてしまうことについて、ポリシーが明確でないがゆえに色々と入ってきてしまうのではないか。

・難しいかもしれないが、復興基本方針を見直して、きちんとしたガイドラインを示すべき。

・大枠は守れている復興に関する19兆円のフレームは財政運営戦略のpay as you goの原則に従ってよくできている。「5年間で」(少なくとも19兆円程度)という言葉が軽視されているように思われる。あまりにも短期間で対応しようとしすぎているのではないか。

・特別会計のミッションを明確にして、今後の対応に生かせるよう検討すべき。

(以 上)

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