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「財政について聴く会」(平成24年10月22日開催)議事要旨

 「財政について聴く会」
(財政制度等審議会 財政制度分科会)
〔議事要旨〕


1.日時 平成24年10月22日(月)16:00〜18:00

2.場所 財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

3.出席者
(委員)
秋山咲恵、井伊雅子、板垣信幸、井堀利宏、岡本圀衞、葛西敬之、倉重篤郎、古賀伸明、小林毅、角和夫、竹中ナミ、田近栄治、土居丈朗、富田俊基、鳥原光憲、早川準一、渡辺捷昭   (敬称略)

(財務省)
城島大臣、武正副大臣、柚木大臣政務官、木下主計局長、福田主計局次長、岡本主計局次長、可部主計局総務課長 他

4.議題
○社会保障予算(生活保護、年金等)について
○防衛関係費について

5.議事内容
○ 10月22日の分科会では、事務局より、「社会保障予算(生活保護、年金等)」及び「防衛関係費」について説明が行われた。

○ それらの説明に対する各委員の主な意見は次のとおり

・生活保護制度の医療扶助について、様々な取組みが適正化に向けて進められているが、どれも多少の効果があるものの、根本的な解決手段にはなっていない。現行の支払制度は出来高払いになっており、医療機関は診療や薬の処方をしなければ利益につながらないシステムとなっている。またフリーアクセスであることで、いくつもの診療機関を複数受診できることになっているため、医療費の抑制につながらない。世界において、これだけ高齢化が進んでいる中で、出来高払いにしているところはない。フリーアクセスで出来高払いとなっている支払制度を変えることに着手しない限り、小手先の取組みになる。

・p.50のまとめにある改革の方向に基本的に賛成。生活扶助と住宅扶助の基準改定について、一般低所得者との均衡を図るルールは既にあるのに、それが実施されないのでは意味がない。定期的に見直しをして、必要があれば改定するべき。今は行政の裁量になっているが何らかの形で改定を義務化すべき。

・貧困ビジネスについては、今の規制はせいぜい届出制程度だが、新しいビジネスについては許可制にするなどもっと強い規制をすべき。

・生活保護の増加は、個別の社会保障制度の機能低下が影響している面があり、生活扶助制度のみを取り出して各国比較するのは乱暴。不正受給の是正等は重要だが、生活保護制度の縮小は、かえって社会的孤立を招くおそれもあるのではないか。

・5年に一度の見直しは、データも1つの要素として、厚生労働省の審議会というきちんとした場で結論が出されたもの。生活保護の基準は、国保や介護保険の免除、医療の自己負担の免除、最低賃金の決定などにも影響することも踏まえれば、現行の水準は尊重しつつ慎重な対応が必要。医療扶助の自己負担導入については、これにより最低生活保障がおびやかされるおそれがあるのではないか。住宅扶助については、家賃の上限はりつき問題に見られる貧困ビジネスは問題であり徹底した対応が必要だが、生活扶助と住環境の関係をきちんと見るべき。

・生活困窮者対策は非常に重要。被保護者は職がある、保護費の高い都市部に集まる、他県への追い出しをしている県もある、といった話も聞くので、地方に任せるのでなく国でしっかり見るべき。

・生活保護に関しては、セーフティーネット機能を持続可能なものとする観点も必要であるが、一生懸命働くよりも生活保護を受給する方が楽なのではというイメージが蔓延してきていることが一番の問題。不正受給への対処、平均年収が低下する中での給付水準や各種加算措置の見直し、医療の一部自己負担等は早急に着手すべきであり、これが聖域視しないということだと思う。

・P.21の諸外国の比較については、日本と同じような国との比較が必要で、誤解を受けやすい。もっと全体像を見られる資料があれば見たいし、格差についての歴史的経緯等も示してもらいたい。

・不正受給については、取れるものをできるだけ取る、上手に取るという観点で世帯分離などの手法を行っているという話を聞くことがあるが、そうしたことができるならば、働くこともできるはず。受給者に対して働くインセンティブをどうはたらかせていくかという点での施策を検討する必要がある。

・生活保護については、現在の生活扶助基準が一般の低所得者の消費実態に比べて高いという状況や、最低賃金に比べても生活保護水準が高いという実態があるということだが、働くよりも生活保護のほうがよいということでは就労インセンティブの観点から見て大きな問題がある。生活保護を受ける若年層がここ10年で倍増しているというが、こうした問題にもしっかり対応すべき。平均的な国民年金の受給額に比べても生活保護の水準は高いと言われるが、働いている間に十分貯蓄せずに退職したら生活保護をあてにするということになりかねない。

・生活保護の就労インセンティブについて、就労収入を一定程度積み立てて安定就労に結びつける制度を作ることで。働いてプラスになる見直しと引下げでマイナスになる見直しをセットで実施するべき。

・社会保障制度の改革は前から議論されているが、前に進んでいない印象。こうした議論についても具体的な施策に連動させないと意味がなく、政府はその点をしっかり認識して欲しい。

・p50の方向性に概ね賛成。ただし、後発医薬品使用を生活保護者に推進していく取組みが出されているが、国民全体として後発医薬品使用を推進すべき。特定の生活保護受給者だけに重点的に進めることではない。

・また、施策は細かな点を考慮して考えるべき。例えば、ハローワークに行き、職を探している方の実際のケースであるが、生活保護受給にあたり、自動車保有ができない状況下で田舎では車がないと就職活動もままならない。そうしたケースにおいて、自動車保有を認めるなど、細かな施策の検討が必要。

・生活困窮者対策について、国と地方で役割分担をし、地方の裁量性を発揮させるべき部分もある。

・年金特例水準の解消は政治マターとなっているが、早期に実現すべき。

・年金特例水準の解消について、企業経営でも、一度手当てを経済動向でスライドさせると次年度発射台が高くなる傾向があり、長期的視点で調整する必要がある。

・デフレ下におけるマクロ経済スライドの適用も急ぐべき。

・年金マクロ経済スライドの名目下限ルールについて、制度設計が楽観的であり、厳しい見通しに基づくべき。名目下限ルールを存置させることは不適切。

・受益と負担のバランスについて。現役世代が保険料引き上げという負担増を受容している中、受益側でも取組みを進め、不均衡をこれ以上拡大させないようにする必要がある。

・年金のマクロ経済スライドについては、所得代替率を50%程度とするという国民との約束をどうするのか、ということもあり、年金制度そのものに対する検討が必要。

・支給開始年齢の引上げについても、無収入者を出さないようにするべき。

・年金制度については、厳しい財政構造の中で将来の世代につけをまわさないようにすべく、給付と負担の見直しをしっかり行うべき。P.72にもあったような世代間格差の是正を考えると、所得代替率を50%より下げる等、給付削減を検討しなければならない。

・高額所得者の年金給付を制限する等、65歳以上の人に支える側に回ってもらうという議論も進めていく必要。

・低所得者への年金加算と高所得者への年金減額については、セットで議論すべき。年金加算は福祉的給付措置として実施される予定だが、高所得者の年金減額については決まっていない。この点、重点化・効率化の観点をないがしろにしないようしっかり議論すべき。

・最低保障年金を創設し、2階部分は積み立て方式として、代わりに高齢者の生活扶助は一切見ないということにすれば、モラルハザードの問題は出ないのではないか。

・防衛力は他の支出と並びで考えられるものではない。防衛環境の変化、現在の脅威に対して如何に対処すべきかという観点で考えるべき。すぐに予算が増やせるとは思わないが、日米同盟の強化も含めて、国としての決意を示す必要がある。

・どの分野の予算が大切かという観点は異なるが、どれも大切なことを扱う中で優先順位をつけていくのがこの審議会の役割であり、大変難しい。これ以上負担の先送りをしない、71兆円の上限枠を3年間守っていく必要がある、という中で防衛関係費をどうしていくか、考える必要。大綱でも基盤的防衛力から動的防衛力へのシフトが示されており、まずは3自衛隊の中で選択と集中をしていくべき。

・選択と集中が必要。しかし、日本を巡る安全保障環境は厳しくなっている。平成14年から実質防衛費を削減してきたが、このまま削減し続けてよいのか。今の状態では単年度の防衛費を削減するために後年度の負担を増やしているということではないか、また調達の効率性も論点の一つ。単年度予算と後年度負担との関係等、防衛予算の在り方をもう一度財審できちんと議論すべき。選択と集中に関しては、長期計画を策定する等して人事制度改革に直ちに取り組むべき。

・人事制度改革は進めるべき。人件費がかさんでいる状況で防衛費の増額を認めると、機能しない自衛隊になりかねないでのはないか。

・人事制度や調達制度はまだまだ見直す余地はあり、そうした見直しを行ったうえで、それでもなお予算を増やさないと実効ある防衛ができないのであれば、予算をつければよい。ただし、人事制度改革や調達改革を進め、予算は減ったが自衛隊の実動力は高まったという姿が必要。

・防衛計画大綱や中期防については、平成22年に決定されたものとなっているが、その後に東日本大震災もあり、その際の自衛隊の対応等により、国民の自衛隊に対する信頼感も高まっている。重要なことは、島嶼防衛の必要性が高まっている、ある意味平時でない状況下において、体を張る自衛官たちの使命・任務に思いを馳せながら予算を考えることで、そうしたメッセージを盛り込む必要がある。

(以 上)

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