現在位置 : トップページ > 財務省の基本情報 > 審議会・研究会等 > 財政制度等審議会 > 財政制度等審議会財政制度分科会 > 議事要旨等 > 財政制度分科会(平成23年9月8日開催)議事要旨

財政制度分科会(平成23年9月8日開催)議事要旨

財政制度等審議会 財政制度分科会
〔議事要旨〕

1.日時 平成23年9月8日(木)14:30〜16:30

2.場所 財務省国際会議室(本庁舎4階)

3.出席者

(委員)
田近栄治、田中弥生、土居丈朗、富田俊基、吉川洋

(敬称略)

(財務省)
藤田副大臣、五十嵐副大臣、三谷大臣政務官、中原主計局次長、羽深主計局次長、福田主計局次長、可部総務課長 他

4.議題

  • ○ IMF担当者からのプレゼンテーション

    • 「Outlook and Strategy for Reviving Growth in Japan

      (日本の再成長に向けた見通しと戦略)」

      • −Michael Keen  IMF財政局 シニア・アドバイザー

        Kenneth Kang  IMFアジア太平洋局第一課長(日本担当)

5.議事内容

  • ○ はじめに、藤田副大臣、三谷大臣政務官から御挨拶があった。

  • ○ 続いて、IMF担当者からのヒアリングを行った。平成13年に財政制度分科会が発足してから、国際機関の方をお招きするのは初めてであるが、財政局のMichael Keen(マイケル・キーン)シニア・アドバイザー、また、アジア太平洋局で日本を担当されているKenneth Kang(ケネス・カン)第一課長から、お話を伺った。

  • ○ IMF担当者からのプレゼンテーションの具体的な内容は次の通り。

    • 日本の総債務残高は史上かつてない水準に達しており、このように財政状況が悪化したことの主たる要因は、社会保障費の増大である。
    • 日本の財政状況については、歳出面では、社会保障費以外の歳出は十分に抑制されていること、歳入面では、税収水準が低いことを指摘することができる。
    • 政府の「財政運営戦略」、また、消費税率を10%までに引き上げることを盛り込んだ「社会保障・税一体改革成案」は歓迎するが、政府の財政健全化目標よりも早く、2010年代半ばに純債務残高対GDP比を引き下げ始めるためには、さらなる取組が必要。
    • 具体的には、消費税率の15%までの段階的引上げ中心とした税制改革と、歳出の伸びの抑制により、今後10年間で対GDP比10%のプライマリーバランスの赤字の改善を行うべき。
    • 欧州の政府債務問題が、欧州の経済や金融市場にも動揺を与え、経済成長にもマイナスの影響を与えており、こうした事態は教訓になる。日本に関しても、政府債務残高が家計金融資産に近づいており、財政健全化のために残されている時間はわずかである。
    • 日本で増税を行う場合、経済成長に及ぼす影響が小さいため、消費税の引上げによることが望ましい。
    • 消費税の引上げは、当初は経済成長を弱めるが、財政に対する信認の回復に伴って、それを埋め合わせる形で成長も回復する。
    • 消費税の逆進性への対策としては、軽減税率の効果は限定的であり、焦点を絞って貧困層向けの歳出措置を行うべき。

    特に、消費税の引上げについては、「4つのS原則」、すなわち、「遅れるより速やかに(Sooner rather than later)」、「段階的に(Stepwise)」、「持続的に(Sustained)」、「簡素な(Simple)」という4つの原則によって行われるべき、との紹介があった。

  • ○ これらの説明に対する各委員との主なやり取りは次の通り。(○・・委員、●・・IMF)

    • ○ 日本が仮にデフォルトになったときに、IMFは日本に対してどういう対策をとるべきと提案することが想定されるか。

    • ● そうした状況に陥らないよう、デフォルトがもし財政問題によって引き起こされているならば、財政への信頼性を再構築する必要がある。その際には、長期の財政の立て直しと即座の財政対策といった両側面のバランスが必要になる。

    • ● ただ、こうした最悪の状況が生じたならば、まずは我々が日本に降り立つ前に消費税の引き上げが即座に行われると考えている。

    • ○ 我が国は2020年にPB黒字化という目標を掲げているが、IMFがこれよりも早い対応を提案しているのは何故か。

    • ● 政府が示した案よりも早期の再建策を提示した理由は、今後も続く高齢化を意識したもの。また、国内で国債のほとんどを消化する状況は続かず、将来的に民間資金需要を圧迫する可能性がある。日本の国債の信頼が損なわれると世界経済に悪影響を与える可能性がある。

    • ○ 財政健全化を先送りしたときのマイナスのつけの方が大きいのではないか。

    • ● 先送りしてしまうと、いざ財政健全化をしようとしたときに、すでに手遅れになってしまっている可能性があり、また、マーケットの目も厳しくなる。

    • ○ 消費税引上げを遅らせ、最悪の事態が生じた際のコストを把握できていないという問題があるが、その点をどう考えるか。

    • ● いま欧州で起きていることは、リスクが現実化した状態。万が一、財政が持続可能性でないということになったとき、今の状態のままでいられると思うのは間違っている。

    • ○(藤田副大臣) 日本においても、消費税を引き上げるには国民の理解を得る必要があるが、震災もあり、増税と社会保障のつながりについて、国民は以前より意識していると思う。

    • ● 消費税と社会保障のリンクは重要と考える。また、震災によって、国民がテイルリスクをしっかりと認識するようになった可能性がある。

    • ○ 日本は過去に不良債権問題の解決を先送りして失敗したという教訓があるが、財政健全化はこれと似た面があるのではないか。

    • ○ 債務残高が大きいのに日本の金利が低い理由は何か。

    • ● 投資家層が厚い、経常黒字などの理由はあると思うが、日本国債も他国の国債の金利上昇の影響を大きく受けることが分かっている。

    • ● また、ソブリンリスクとバンキングリスクの相互連関が高いことは今回の欧州の経験でも分かっており、日本でも例外ではない。

    • ○ マーケットは財政健全化にしっかりと取り組むかどうかの政治の意思を見ているのではないか。

    • ● 現在兆候があるわけではないが、政治的な意思がないということになれば、マーケットに急激な変動は起こりうる。

    • ○ 日本の非社会保障関連支出は低いこと、消費税の方が他の税目よりも、経済に与える影響が小さいということの2点はあまり知られていないので、そのことをもっと広めていただきたい。

(以 上)

財務省の政策
予算・決算
税制
関税制度
国債
財政投融資

国庫

通貨

国有財産

たばこ塩


国際政策
政策金融・金融危機管理
財務総合政策研究所