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財政制度分科会(平成29年4月20日開催)記者会見

平成29年4月20日
財政制度等審議会 財政制度分科会


 

〔土居委員〕 本日14時より、財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたしました。本日は、田近分科会長代理の司会という予定だったのですが、田近分科会長代理がご欠席になりましたので、会長指名で私が議事を進行いたしました。本日の議事の紹介も私からさせていただきます。

 本日は、総論と社会保障についての質疑を行いました。総論については、事務局より資料1「財政総論」の配付がありました後、慶應義塾大学の鶴光太郎教授から、資料2「財政規律回復に向けて」に基づきまして、お話をいただきました。

 社会保障につきましては、事務局から資料3「社会保障」に基づきまして説明がありました後、質疑を行いました。

 通例通り、委員の個人名は明かさない形で議事内容についてご紹介をしたいと思います。

 まず、前半の総論の模様をご紹介します。鶴教授からは、資料に基づくプレゼンテーションがございました。その資料の中には、公共心などが欠けていることがもとで財政にフリーライドを生じさせているというあらぬ誤解を生じそうであるが、決してそういった意味ではないことを明確に前提とされた上で、以下のようなお話がございました。

 財政規律が緩んでいる現状について、鶴教授は非常に強い危機感をお示しになられました。受益と負担のバランスが崩れ、フリーライドが生じている現状と、それを解消していくためには、財政に対する国民的な理解、将来不安の解消、市場経済への信頼の確保といったことが必要だという問題意識をご提供いただきました。

 専ら先生の研究成果を伺うというものではありましたけれども、委員の方々からは国民の理解を深めるためには、地道な広報活動が必要だというご意見が多く出ました。

 続きまして、本日の主たるテーマであります社会保障の議論についての模様をご紹介いたします。

 名前を伏せた上で、実際の発言順に意見をご紹介いたします。

 まず、プライマリーバランスの黒字化目標という点からも、現役世代の負担増よりも、高齢者の負担の在り方の改革をする余地の方が依然として大きいのではないか。若年人口が減る中で、世代間の負担の在り方について更なる議論が必要であるというご意見がありました。

 次は、資料3の40ページで紹介されている、企業主導型の保育事業は画期的なもので、企業にとっては負担となるけれども、内部留保の活用ということもあり、この事業を拡充していってほしいというご意見がありました。

 それから、改革工程表の44項目について、まだ手をつけていない分野もありますが、2020年度に向けて全ての分野で改革を進めてほしい、更に、5,000億円の伸びという目安を守ればそれでいいということではなく、その目安を超過達成するようなことも必要ではないかというご意見も述べられました。

 それから、44ページにある、児童手当の特例給付の廃止について、「これらの見直しにより確保された財源は、子ども・子育て支援に直結する量的拡充に充ててはどうか」という方向性については大賛成であり、待機児童対策のためにこれを活用してほしいというご意見がありました。

 また別の委員から、地域医療構想に沿った医療提供体制の実現、医療費適正化計画の策定は進めていくべきだというご意見もありました。

 次に、38ページにある、生活保護については、「国民に理解の得られるような生活扶助基準」ということが資料に書かれているわけですけれども、これだけではなくて、本来、生活保護が必要な人が保護を遠ざけることがあるので、実態を踏まえていく必要があるのではないかというご意見がありました。

 それから、44ページの児童手当でありますけれども、また別の方のご意見で、児童手当の所得制限を主たる生計者の所得で判定するというやり方は、さすがに時代遅れだということで、世帯単位に改めていくべきではないかというご意見がありました。

 また、次のご意見は、参考資料の52ページにありますけれども、介護報酬を成果が出た事業者に対してメリハリづけをするという、アウトカムに応じた介護報酬という考え方ですが、これには賛成である、真面目にやっている事業者が報われるようにすることが重要であるとのことでした。

 それから、38ページの生活保護について、「医療扶助の適正化が必要である」と資料にありますが、生活保護費が4兆円弱となっている中、そのうちの半分である2兆円近くが医療扶助になっているという状況について憂慮しておられまして、一部には生活保護しか診療しない医療機関があると聞いていて、その意味では頻回受診対策が重要だというご意見がありました。

 また別の委員から、負担能力に応じた公平な負担という考え方が重要で、中でも後期高齢者の医療にかかる窓口負担などについては、今から改革について議論をしていくことが重要だというご意見がありました。

 続きまして、36〜37ページ、障害者の就労継続支援A型について、利用者が大きく伸びているにもかかわらず、利用者のニーズに基づかないサービスや、質の低いサービスが供給されているということが指摘されていて、これを一刻も早く解決すべきであるというご意見がありました。

 それから、また別の方のご意見ですけれども、地域医療構想など、社会保障制度改革で様々な良いことをやってはいるけれども、その内容の理解が難しい、あるいは堅い説明になっているというようなことがあって、なかなか国民が接する機会がないがゆえに、いかに国民にこういった改革の取組についてしっかりと理解していただけるよう働きかけるかが重要ではないかというご意見がありました。

 また別の方のご意見ですけれども、薬価についてであります。薬価制度改革について、本日議論があったわけですけれども、その議論だけではなくて、多剤投与や重複投与にも手をつける必要があるのではないかというご意見がありました。

 委員のご意見の紹介は以上です。なお、次回につきましては5月10日に予定をしております。議題についてはまだ決まっておりませんが、決定次第、通例通り広報室より発表があると聞いております。

 私からは以上です。

〔質問〕 資料3の42ページ以降、少子化対策のところについて、財務省側から様々な改革案が示されていると思いますが、土居先生ご自身、この少子化対策の試みについて、どういったところが足りないか、改革すべきであると感じていらっしゃいますか。

〔土居委員〕 私個人としては、本日、様々な委員の方からそれぞれご議論があったわけですけれども、やはりまだ官民の役割分担をきちんと精査する余地があって、もちろん税金を投じて、しっかり国民に対して子育て支援をしていくべきだということはやるべきですけれども、税財源にも限りがありますから、民間でできることはご協力をいただきながら、官民の役割分担をより明確にしつつ、それぞれの果たすべき役割をしっかり果たしていただく。

 もう一つは、これから子育て支援についての議論が深まっていくと思いますけれども、やはり消費税率引上げによる財源は、10%まで引き上げるところで、子育て支援に充てる部分は既に決まっていて、今のところ、それを既に使い尽くしているということですので、更に増額して子育て支援を、税財源を注ぎ込みながら行うということであれば、しっかりと恒久的な財源を確保していく、これが欠かせないと。後世代にツケを回すようなことはすべきではないと思います。

〔質問〕 今年度の予算案編成では、6年ぶりに診療報酬と介護報酬が同時に改定されるということで、横断的な改革の取組について着手したらいいのではないかという提案がなされていますけれども、先生はどういったところがまだ足りなくて、改革すべきだと考えていらっしゃいますか。

〔土居委員〕 春の財審のフェーズでは、直接、報酬の具体的な内容についてはまだ踏み込めない段階で、つまり医療経済実態調査や、介護事業経営実態調査など、そういった実態調査を医療、介護それぞれでやった後に、具体的にそれぞれの審議会等で報酬の議論をなさるということです。春の陣はあくまでも骨太に向けてということですので、具体的に診療報酬、介護報酬自体をこうすべきというところまでは、具体的に踏み込めないというところはあると思います。

 ただ、一つ良い兆しがあるのではないかと思っているのは、医療、介護のレセプトデータをつぶさに見ながら、それぞれでどういったことが実態として起こっていて、どういったところに問題があるかということを分析することができるということです。半年足らずで結論を出さなければいけないところがあるので、どこまで分析に時間を費やせるかというのはありますけれども、できる限りデータに基づきながら改革点を探っていって、医療、介護それぞれ改革すべきことを改革していくべきではないかと思っております。

〔質問〕 2点質問があります。診療報酬と介護報酬の改定については、春の陣ということで具体的にまだ踏み込んではいないとのことですけれども、診療報酬改定がある際は、財審としてはマイナス改定を強く求めてきたと思います。先生のお考えとして、今年も基本的にはマイナス改定を視野に、年末に向けて財審の中で議論していくことになるのかというところを教えていただきたいです。もう1点は、土居先生の個人的なご意見で構いませんが、本日の財審の中でも議論が出たように、5,000億円の伸びの目安を守ればいいのではなく、より削減していかなければいけないのではないかというご意見があったということですけれども、厳しい財政状況の中で、5,000億円の目安を守ればいいということではないというご意見があったことに対して、先生はどうお考えでしょうか。

〔土居委員〕 まず、同時改定の件ですけれども、そもそも、先ほども申し上げたように医療経済実態調査や、介護事業経営実態調査の結果がまだ出ていない段階ですので、やはりその数字を見てみないと、本当にマイナスにするべきものなのか、今から断じるというのはなかなか難しいところはあるのかなと思います。ただ、当然のことながら、不必要に報酬を引き上げるということにはならないだろうと思いますから、そこはしっかりと、効率化、重点化できるところをしっかり、医療も介護もそれぞれやっていただくということが必要なのではないかと思います。

 それから、後者の点ですけれども、当然、目安を達成するということだけでもなかなか大変なところではあると思いますが、先ほど委員の方のご意見もご紹介しましたし、私自身も、できればうまく工夫をして、5,000億円の伸び以下に抑えられる可能性があるなら、それはぜひ挑戦していただきたいと思っています。

〔質問〕 1点目は土居先生にご質問ですけれども、骨太に向けての議論で、諮問会議などでは、非社会保障の予算についてもう少し積極的に出してもいいのではないかというような議論も行われております。そのことについてどうお考えかということをお伺いしたいです。もう1点は、事務方にお伺いしたいのですが、2015年の骨太の歳出改革の目安は補正も含めた非社会保障で1.6兆円ということでいいのか。当初予算だけではなくて、その後の補正も含めての3年間で1.6兆円の枠という理解でいいのかということと、実際にこの2年間でどれだけ、もし補正も含めてであるならば、幾らまで使っているのかということを教えてください。

〔土居委員〕 では、私から先にお答えいたします。やはり目安を達成することすらできなければ、2020年度のプライマリーバランスの黒字化は達成できません。財審の本日の議論にも少しご意見をおっしゃる方もおられましたけれども、これまでの建議でも述べてきたように、2020年度の黒字化目標は、絶対に旗をおろすべきではないということでありますから、これは堅持していただくと。そのためにも、社会保障以外でも当然、目安で示されたものを達成していただかなければいけない。つまり、非社会保障でしたら、国民が欲するなら少しぐらい増やしてもいいではないかなど、目安の枠を逃れようとするようなことがあれば、私は許すべきではないと思っています。

〔中島調査課長〕 後者のほうですけれども、非社会保障も含めた一般歳出について、3年間で1.6兆円の伸びがあったというのは当初予算の数字を見ております。

〔質問〕 少子化対策で様々な案を財務省が示しているわけですけれども、そういった案に対して反対の意見というのは、本日はどなたか委員の先生方からありましたか。

〔土居委員〕 基本的には先ほどご紹介した通りのものなので、強い反対意見はありませんでした。一つあるのは、そうはいっても事業者、つまり企業側はそれなりにお金を出さなければいけないということがあるので、やみくもに対象範囲を広げるというようなことではなく、今ある仕組みをしっかり拡充していくことが大事だと、そのようなご意見はありました。それは少しつけ加えさせていただきます。

〔質問〕 どうもありがとうございました。

 

(以上)

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