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財政制度分科会(平成29年4月7日開催)記者会見

平成29年4月7日
財政制度等審議会 財政制度分科会


 

〔田近分科会長代理〕 本日、財政制度等審議会財政制度分科会が開催されました。初回ということで、まず新しい委員のご紹介を行った後、財政制度分科会の会長の互選を行いまして、榊原会長が選出されました。そして、私、田近が榊原会長から会長代理を指名されました。議事については、私、会長代理が進行するという形で、これから進めていく予定です。

 その他、財政制度分科会の下に、引き続き、法制・公会計部会を設置しました。その部会の部会長として、慶應大学の黒川先生が指名されました。その指名は、この分科会の規約により、榊原会長に決めていただきました。

 以上が本日の分科会の運びです。少し話が前後しますが、分科会に先立って開催された親委員会である財政制度等審議会の会長に榊原委員が選出され、会長代理に池尾委員が指名されました。

 以上が本日の議事です。榊原会長からご発言をお願いいたします。

〔榊原分科会長〕 財政制度等審議会の総会と財政制度分科会が開催され、それぞれの会議体で委員の互選により、会長に選任されました、榊原定征でございます。

 当審議会の使命は、我が国の財政を持続可能なものにするということであろうと思います。安倍総理も、国会、その他で述べておられますけれども、財政の持続可能性を確保するためには、その通過点として2020年度のプライマリーバランス黒字化を達成するということは必要であろうと考えております。

 これまでも、例年、歳出の各分野について経済財政諮問会議等と連携しながら、厳しい見直しを行ってきておりますが、経済再生、財政再建、及び社会保障改革の3つを同時に実行していくという政府の方向性に鑑みまして、当審議会といたしましても、社会保障改革、及びその他の歳出改革についてしっかりと議論を行った上で、建議をしていくように努めてまいりたいと思います。

 当面の課題といたしましては、2020年度のプライマリーバランス黒字化に向けて提言を行うことと考えております。これまで財政制度等審議会の会長を務めてこられた吉川前会長からバトンを受けまして、産業界、学界、マスコミ等、各界の有識者の方々から、様々な知恵をいただきながら歳出改革、とりわけ社会保障改革に関する議論を加速し、しっかりとした建議を行ってまいりたいと思っております。どうかよろしくお願い申し上げます。

〔田近分科会長代理〕 会長、どうもありがとうございました。

 今回、このような形で私が議事のほうを務めさせていただいて、会長から全体的なことを中心にお話しいただくという流れで進めさせていただきたいと思います。

 本日は、こちらからの皮切りの話はこの程度で、あとは、ご質問等ございましたらお願いいたします。

〔質問〕 榊原会長は、政府の経済財政諮問会議でも民間議員を務めていらっしゃると思います。今回、より財政規律を重んじる財政制度等審議会の会長にご就任されたわけですけれども、今後、経済再生と財政再建の両立を図る上で、どうバランスをとって議論をリードしていきたいとお考えでしょうか。

〔榊原分科会長〕 私は、ご指摘のように経済財政諮問会議の民間議員を務めております。経済財政諮問会議の議論における重要な焦点は、経済再生とあわせて財政健全化を実現するという2本柱でした。これは経済財政諮問会議の重要な責務ですし、同じく財審でも重要な責務ということです。そういった面では経済財政諮問会議と財政制度等審議会は共通の責務、課題を持っていると認識しております。よく連携をとりながら、経済再生と財政再建を両立させる形で進めていきたいと思っております。

〔質問〕 賃金引上げをしても、なかなか消費に結びついていかないということで、経済界は将来への不安感を払拭すべきだという声があると思います。この部分については、財政との関わりが非常に深いと思うのですが、会長にご見解を伺いたいと思います。

〔榊原分科会長〕 賃金引上げにつきましては、2005年から5年間続けてベースアップがほとんどなかった時代があったわけですけれども、この3年間連続でベースアップを伴った賃金引上げがなされました。ボーナスの額に関しても、今年は、過去最高の賃金引上げを記録する会社が多いということで、相当程度、ベースアップ等を含めた年収ベースでの賃金引上げが浸透してきていると思っています。

 そうした中で、ご指摘のように、消費はもう一つ活性化していないということだろうと思います。それは幾つかの理由があります。1点目は、いつも言われている通り将来への不安、つまり社会保障制度の持続性に関する不安があるということ。2点目は、賃金引上げをしても、その半分近くは社会保険料の支払いでもって減殺されてしまう実態があるということ。3点目は、今、特に若者世帯、消費世帯に浸透している節約志向です。私は、いつも申し上げていますが、今年の成人式で成人の方に「一番大事なキーワードは何ですか」というアンケートをとりますと、1番は節約、2番は貯蓄、というように、誰も海外旅行へ行く、テレビを買う、あるいは車を買うなどおっしゃらないわけで、そういった節約志向が若者世帯に浸透しているということだと思います。これは、それぞれ非常に大事な要素ですので、しっかりと対応していかなければいけないと思っています。

 賃金引上げは、企業として、これからも続けてまいりたいと思っています。それは実施する。ただ、やはり社会保障制度の持続性確保の問題は、経済財政諮問会議でも、財審でもしっかりと議論していく必要があります。それから、社会保険料の負担についても、できるだけ抑制するということを進めていかなければならないと思っています。

 それから、消費マインドの冷え込みについては、ご案内のとおり、今年の2月24日からプレミアムフライデーという行事を行っています。3月も31日の最終金曜日の午後3時以降、皆さんに会社を休んでいただいて、プレミアムな日を過ごしていただくということで、これは働き方改革と同時に消費マインドを喚起するものです。この行事は、皆さんに、ぜひ消費に目を向けていただきたいという趣旨で設けられたものであります。こういった様々な取組を同時に進めていって、消費を喚起していくということが大事だろうと思っています。

〔質問〕 会長による冒頭のお話において、財審の当面の使命はプライマリーバランス黒字化への提言であるというお話がございました。政府の試算ですと、消費税を増税しても2020年度におけるプライマリーバランスで赤字が残るという状態です。そこで、消費税増税に関する会長の現時点のお考えと、日本経済が消費税増税に耐え得るだけの基礎体力を、今有しているのかどうか、その2点につき、お考えをお聞かせください。

〔榊原分科会長〕 2020年度PB黒字化については、そう簡単なターゲットではないと思っておりますが、これからの対応で必ず実現していかなければならないと思っています。その中での重要なコンポーネントは、2019年10月に計画通り消費税率を8%から10%に引き上げることです。これは絶対に必要だと思っております。我々、経団連でもそういった主張をしておりますし、経済財政諮問会議の中でも私はそういった主張をしています。今後、財審の中でもそういった方向性を十分に出していきたいと思っています。

 次回の8%から10%への消費税率の引上げによって、社会、経済がもつのかというご質問についてですけれども、これは、もたせるようにしていかなければいけないということです。消費税率の引上げを受容できて、しかも、それを乗り越えていけるような経済体力、地力をつけていくことが必要となります。これから2019年10月に向けて、十分に経済の地力をつけていって、8%から10%への消費税率引上げを吸収できるような経済体力をつけていくことが、非常に重要な課題だと思っています。地力をつけた上で、10%に確実に引き上げていくということが必要だと思っています。

〔質問〕 先程の質問にもありましたが、会長は2020年度のPB目標の達成が必要だとおっしゃっていますけれども、消費税を上げても、まだ依然として赤字が残る状態で、かなり厳しい歳出削減をしていかないと達成は厳しいと思います。現段階で会長の念頭にある、今後、必要な歳出削減の具体的なメニューというのはどのようなものなのか、お考えをお聞かせください。

〔榊原分科会長〕 今後、必要な歳出削減の具体的なメニューとしては、もともとの財政健全化目標の中で、2018年度にもう一度見直しをするということになっています。2018年度に追加の歳出、歳入の措置を検討するとなっていますので、そこで更なる歳出の改革を盛り込んでいかなければならないと思っています。私は、その中でも重要なのは、やはり社会保障改革だと思います。私は、経済財政諮問会議の中の社会保障制度ワーキング・グループの主査を務めておりますけれども、その中で社会保障改革に向けて44項目の改革項目を提示しております。昨年末までにも幾つかの項目については、今までがんとして動かなかった改革が進みました。まだ十分ではありませんけれども、進んでいます。その積み残しもあります。今年も新たな提案をいたしますけれども、それをしっかりと進めていく。44項目の社会保障改革を全て実現することが非常に重要な課題で、それができれば2020年度PB黒字化に向けて大きく前進することになると考えています。

〔質問〕 今年度の予算編成において、昨年の10月から12月にかけて社会保障制度についても議論があり、改革工程表に載っている改革を推し進めようと、与党と政府の間でも様々な議論がありましたけれども、なかなか描いていた青写真の通りには進んでいないというような印象を持っています。昨年の予算編成を見ていると、社会保障制度改革というのは政治との絡みによって難しいのかと思いました。榊原会長は、かねてから社会保障制度改革の必要性を訴えてこられていますけれども、財審の会長になられた今、政治と絡む難しさを踏まえて、社会保障制度を具体的にどのように改革していくべきとお考えなのか、お聞かせいただけますか。

〔榊原分科会長〕 先程申し上げた44項目ですけれども、それぞれ非常に大きく、国民の痛みを伴う改革となります。それでも、改革を実行しなければ、社会保障改革は進まない、財政健全化は進まない、社会保険制度の持続性は確保できない、ということが目に見えています。2020年度に向けて、団塊世代が後期高齢者となっていくと、社会保険料の負担が加速度的に上昇してくるということは目に見えているので、改革は絶対に実現しなければいけない。改革には国民の痛みを伴いますけれども、実現しなければならない。私は、安倍政権は非常に安定的な政権基盤をつくっておられて、いわゆる痛みを伴う改革を実現できる体力を持っていらっしゃると思います。やはり安定的な政権基盤を有している安倍政権の中で、思い切った改革をしていただくことをお願いしたいと思っています。社会保障制度の持続可能性の問題は、先ほど申し上げた国民の将来への不安や消費の停滞にもつながっているという形で、全ての問題の源泉になっていますので、改革を行わなければならないと思っています。

〔質問〕 現在の44項目の改革の工程表について、2020年度のPB黒字化のために全ての実現が必要だというお話でしたが、44項目に加えて、更に追加で歳出改革をしていく必要が現時点であるとお考えかどうかという点と、社会保障改革におけるこれまでの取組の中で、特に遅れていると感じていらっしゃるのはどういった分野であるかをお答えください。

〔榊原分科会長〕 現在の44項目だけが全てということではもちろんないと思いますが、とりあえずは現在の44項目にしっかり取り組んでいこうと思います。先程も申しあげましたが、それぞれの項目が大変厳しい、国民の痛みを伴う改革を含むものばかりです。実は、昨年、2016年にも幾つかの大変難しい改革を実行しました。44項目は、全てそれぞれ難しいですけれども、昨年同様に、改革をやらなければいけないと思っています。今年も、幾つかの改革を実行する計画を立てています。

〔田近分科会長代理〕 1点、補足させていただきます。私も財審に長く居り、建議にも携わってきましたけれども、本日お配りしている資料4の2ページ、「骨太2015」(平成27年6月30日閣議決定)の「経済・財政再生計画」のポイントをご覧いただきますと、2020年度までの国・地方を合わせた基礎的財政収支の黒字化と、それに向けた2018年度目途の集中改革というプラットフォームを設け、その中で財審も動いています。先程の、会長のご説明もその通りであったと思います。

 社会保障については、2013年度、14年度、15年度、過去3年の動向を見ると、3年間の社会保障関係費の増加が1.5兆円となっています。したがって、毎年、5,000億円を目安にして社会保障の歳出を見直していくということが、当面2018年度までの課題であると思います。

 先程申し上げた、補足についてですが、44項目の中には例えば後発医薬品の普及や、高額医薬品の費用をどうするか等の項目があります。それらについて、もちろん負担を求めることが最初にあるわけではなくて、やはり今までの給付の在り方に対して踏み込んで、是正すべきものはしていただき、それを都道府県の医療費適正化計画にきちんと反映させるという方向性で、財審で様々な議論もしています。基本的には、先ほど述べた大きなプラットフォームの中で社会保障の目標を定めて、まずは今年度、2018年度へ向けてやっていこうということになります。当然ながら、質の担保が一丁目一番地であり、その後に具体的な制度改革にも踏み込んでいくというように私は理解しています。

〔質問〕 榊原会長へ、経団連会長としてお伺いしたいです。日米経済対話が18日に開催されることが正式に発表されました。米側の陣容が固まっていないため、顔合わせ程度になるかもしれませんけれども、日米経済対話に関して会長として期待するところを、中長期的な視点も踏まえて語っていただきたいと思います。

〔榊原分科会長〕 今度のペンス副大統領の来日と日米経済対話というのは、これからの日米関係、特に、日米の経済関係を強化、発展させていくために非常に重要な会合になると思っています。おっしゃる通り、まだ陣容は固まっていませんので、今回は、初めての顔合わせということになりますが、これからの方向性を定めるのに非常に重要な会合になると思っています。2月に安倍総理が訪米されたときに、この経済対話の枠組みが作られました。インフラ投資や経済政策、それから貿易等々の議論を行うわけですけれども、それぞれについて非常に重要な対話がなされると思っています。我々、経済界としても、できることは全面的に協力していきたいと思っております。今度、ペンス副大統領が来られる際も、直接、対話をできるお時間をいただいて、経済界としての立場を発信したいと思っています。

 我々が、特に経済界として発信したいことは、日米経済関係というものは相互に最も重要な2国間関係であり、特に相互依存の強い関係を構築しているのだということでございます。既にアメリカには1万近い日本企業の拠点がありまして、非常に大きな貢献をしているわけです。様々な統計がありますが、雇用だけでも、100万人近い雇用を生み出していますし、間接雇用を入れましたら200万人近い雇用も実現している。それから、アメリカの対外への輸出についても日本企業は貢献している等々、様々な日本企業がアメリカ経済の中に組み込まれて貢献しているわけです。そういった実態をしっかりと訴えていきたいと思っております。

 それから、日米間の貿易問題もありますけれども、それについても実態を正しくお伝えして、理解していただくことが大事だと思っています。とにかく日米の経済関係というのは、お互いに本当に欠かすことのできない関係なので、そのことをこれからも十分に認識して、関係を強化、発展させていく、そういった方向に対話を導いていきたいと思っています。

〔田近分科会長代理〕 このあたりで終わらせていただきますけれども、引き続きよろしくお願いします。

〔榊原分科会長〕 よろしくお願いいたします。

 

(以上)

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