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財政制度分科会(平成28年11月4日開催)記者会見

平成28年11月4日
財政制度等審議会 財政制度分科会


 

〔吉川分科会長〕 それでは、私のほうから、会議の概要をご報告いたします。

 本日、15時より、財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたしました。本日は、3つの議題、農林水産、文教・科学技術及びエネルギー・環境、中小企業について、お手元にも配布されている資料に基づいて事務局から説明していただき、その後、質疑を行いました。

 私のほうから、委員の皆様から出たご意見を、お名前を伏せた上で、ご紹介したいと思います。

 議題は3つありますので、まず1番目の農林水産の質疑についてです。

 まず、お一人の委員の方は2つご意見を述べられました。1点目は、現在の農業政策には産業政策と社会政策の要素が混在しており、そこの整理ができていないとのご指摘でした。産業政策として稲作に必要なのは大規模化だが、水田活用の直接支払交付金は逆にそれにブレーキをかけてしまっているというご意見でした。

 同じ委員の方は、2点目として、資料1の15ページにある通り、農地の集積は重要とのことでした。政策的な可能性を広げる点で、農地中間管理機構は必要かもしれないが、目的に向かって仕事を進めていくことが必要だと。また、農業委員会や市町村の役割と重複しているところがないか、関係を整理しながら効率的に仕事を進めていくことが必要と、こうしたご意見でした。

 次に、もうお一人、別の委員の方のご発言です。この委員の方は、攻めの経営のためには大規模化が必要とのことでした。65歳以上の高齢農家は、数年のうちに自分の土地を貸すのか、売るのかの意思決定を迫られるだろうけれども、その際、貸すことを選択する農家が多いと考えられると。その時が大規模化のチャンスではないか、こうした趣旨のご発言だったと思います。

 次に、また別の委員の方のご発言。この委員の方は、2つご意見を述べられました。1点目は、飼料用米についてで、経済的効果のないところにお金を投入している印象であり、野菜など、より収益性の高いところを支援していくべきだというご意見でした。

 2点目も1点目と近いと思いますが、一般的に生産性の高いところに、支援を行ってほしいと、このようなご意見でした。

 次に、もうお一人、別の委員の方は2つご意見を述べられました。1点目、転作助成金は、農業の競争力を高める制度になっておらず、競争原理をもっと取り入れて、大規模化や法人化が進むことが必要だとご発言されました。

 2点目、農業について輸出促進ということが言われているわけですが、これについてはもっと積極的に進めるべきだと、こうしたご意見でした。

 以上、農林水産についてです。

 次に、第2の議題、文教・科学技術に移ります。

 文教・科学技術について、お一人の委員の方は2つ、ご意見を述べられました。この方は、1点目、教員の人数を増やすことで、課題に応えられるか、問題を解決できるかというと大いに疑問と、こうしたご意見です。

 同じ委員の方はもう1点、障害者教育のニーズが生じているわけですが、そうした問題に応えるためには、専門的な知識が必要であり、一般の教員のスキルでは対応できないのではないか、これは1点目とも関係して、教員の頭数を増やすことで問題は解決できないのではないかと。全体として、このようなご意見だったと思います。

 次に、もうお一人、別の委員の方も2つご意見を述べられました。1点目、教員定数について、新たな課題に対応する加配定数は優先順位をつけるべきであり、外部人材については、教員との役割分担を検証して最適配分を検討すべきだとのことでした。エビデンスが必要ということは、この財審ではずっと言ってきたわけですが、そのエビデンスについては、1つの政策に意味があるかどうかに着目する傾向があるが、財政制約の下、他の手段との比較が重要だとのご指摘でした。つまり、エビデンスと言った時に、例えば、Aという政策があり、それなりの成果が出ているというようなことがエビデンスかというと、必ずしもそれでは十分でなく、他にもっと良い手段がないかどうか、それをきちんと考えてみるべきだと、このようなご意見だったと思います。

 同じ委員の方は、もう一つご意見を述べられました。国立大学については、運営費交付金と競争的資金、これは科学研究費等ですが、これら両者のバランスをとることが重要だと、このようなご発言でした。

 次に、もうお一人、別の委員の方も2つご意見を述べられました。まず1点目、資料2の13ページにあるような、いじめ等の課題に応えるために、専門的分野での活用も含めて、外部人材の活用を推進すべきだと。この方も、教員の数をただ増やせばそれでいいというわけではないだろうと、外部人材の活用を推進すべきだと、このようなご意見だったと思います。

 同じ委員の方は、2点目として、現在、初等教育で問題になっているいじめ、不登校といった問題について、必ずしも学校の中だけで完結している問題ではないとご指摘されました。具体的には、家庭の問題、あるいは社会全体の問題という側面もあると。不登校の子どもの中には、成長しても職につけず、いわゆるひきこもりという状態になる人もいるわけです。例えば高齢者や女性の労働市場参加が言われているわけですが、そうした中で、ひきこもりというのは、将来の日本にとって労働力という観点からも大いに問題であると、こうしたご意見を述べられました。

 次に、また別の委員の方のご意見です。この方は、資料2の28ページにある、政府の科学技術予算の対GDP比、これは近い将来1%に近づけていくことが目標だけれども、一方で、これは研究開発投資だけではなく、全ての歳出分野にも言えることですが、政府が掲げる「経済・財政再生計画」と整合性を保つことが重要であると、このようなご意見でした。

 それから、次にまた別の委員の方のご発言です。この方は、資料2の7ページのOECDの提言にもある通り、教育については教員の数を増やすよりも質を優先すべきであり、まさに教員の質を上げていく取組が重要だと、このようなご意見でした。

 次に、もうお一人、別の委員の方は、3つご意見を述べられました。1点目、限られた財源の中で、教育に対する支出を維持するためには、他の分野をどう削るかということ、また、そもそも日本の租税負担をどうするかという大問題に取り組むことが大切だというご意見でした。

 2点目、これは既にご紹介済みの何人もの委員の方のご意見にもある通り、教員については、数より質のほうが大切であり、教員は、ただ数を増やせばいいというものではないと、このようなご意見でした。

 3点目、特に大学についてですが、第一線の研究者にペーパーワークの負担をあまりかけないような工夫も必要とのご意見でした。

 次に、またもうお一人、別の委員の方のご意見です。この方は、特別支援教育について、発達障害は教育の仕方で効果に差が出るとので、やはり教員の数ではなく、質が重要だと、このようなご意見でした。

 次に、もうお一人、別の委員の方は、産学連携に当たってはマッチメーカーが重要だとご指摘されました。産業界と学界の間に、誰がブリッジを効果的にかけるのかが重要であると、このようなご意見でした。

 それから、もうお一人、別の委員の方のご意見です。この方は、子どもの数が減る中では、学校統合という観点で教育の在り方を考えていくことが大切だと、このようなご意見でした。

 以上が文教・科学技術についての議論です。

 本日の3つ目の議題、エネルギー・環境、中小企業についてのご意見です。

 お一人の委員の方、この方は、省エネ推進事業等について、もともとやろうと思っていた事業者に対して補助金を出すと、いわゆる「追い銭」的なものになってしまい問題だと、このようなご意見でした。

 次に、もうお一人、別の委員の方のご意見です。資料3の15ページにある、固定価格買取制度では、国民負担を含む在り方を模索していかなければならないとのことでした。

 それから、もうお一人、別の委員の方は、2つご意見を述べられました。1点目、省エネ推進事業については、エコポイントのように消費の先食いということもあると、規制をうまく活用することが必要であるとのことでした。

 2点目、JCMの補助金については、補助金以外にも、独立行政法人日本貿易保険(NEXI)などの支援と連携し、JCMを改善していくことが重要だと、このようなご意見を述べられました。

 次に、また別の委員の方のご発言です。この方は、今後、再生可能エネルギー導入の拡大により、エネルギーコストが上がって国民負担につながることを防ぐ工夫が必要だと、このようなご意見でした。

 私からは以上です。

〔質問〕 1点お伺いいたします。農林水産のところで転作助成金が農業の競争力を高めるものになっていないというご意見があったということですけれども、これは他の委員の方もこういった意見について、コンセンサスを得られたというところまで言っていいのかどうかをお願いします。

〔吉川分科会長〕 私の役目は、なるべく本日の財審の議論を正確に皆さんにお伝えするということだと思っています。この助成金をめぐって、本日、複数の委員の方の間で何回かやりとりがあったということはなかったと思います。後で主計官からも補足していただければと思いますが、ただ、コンセンサスと言ってもいいというのは、これまでの財審の議論を踏まえれば、農業分野に多額のお金が様々な形で投入されているわけですが、それで日本の農業が本当に強くなってきたのかということに関して、疑問をもっているということです。

 例えば、具体的な問題でも、大規模化というのが、本日、何人かの委員の方からキーワードとして出ており、とりわけ米はなかなか進んでいないという事実がありました。生産性を上げるためには、野菜等でも大規模化すると、確か労働のインプットが3分の1程度まで下がるというのも資料にありました。

 ですから、お尋ねの転作助成金も含めてですが、農業分野での様々な補助金、そうしたものが日本の農業を強くすることに本当に役立っているのか疑問であるということは、一般論として財審でこれまでの議論の中で、多くの委員の方々によってコンセンサスとしてシェアされていると思います。

〔岩元主計官〕 今、会長からご説明のあった通りだと思います。テクニカルな話で申し上げますと、今、会長からお話があったのが、野菜の関係で、資料の22ページにございますけれども、玉ねぎやキャベツの労働時間が100時間を超えるところ、これを機械化していけば30時間程度に短くすることができるというようなこともございますので、そちらを補足的に説明させていただきます。

〔質問〕 給付型の奨学金に関して、本日は委員の方からご意見はなかったということでよろしいでしょうか。

〔吉川分科会長〕 本日はそのことについての議論はありませんでした。

〔質問〕 エネルギーのところで、東電については特に財務省から論点は出してないわけですけれど、ここについては何か議論はなかったということでよろしいでしょうか。

〔吉川分科会長〕 特にありませんでした。

〔質問〕 他にございませんか。ありがとうございました。

 

(以上)

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