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財政制度分科会(平成28年10月4日開催)記者会見

平成28年10月4日
財政制度等審議会 財政制度分科会


〔吉川分科会長〕 それでは、私のほうから会議の概要をご報告いたします。

 本日15時より、財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたしました。本日は、社会保障、特に総論、医療・介護制度改革について、お手元にも配布されている資料に基づいて事務局から説明していただき、質疑を行いました。

 私のほうから、委員の皆様から出たご意見を、お名前を伏せた上で、ご紹介したいと思います。

 まず、お一人の委員の方のご意見です。かかりつけ医というのが、現在、医療制度の改革で1つのポイントになっているわけですが、かかりつけ医以外を受診した場合の定額負担の制度については賛成だと、更にそれに続けて、かかりつけ医の制度を定着させるためには、かかりつけ医の先生方の質の向上ということが、当然、望まれるということになりますが、そのためには健全な競争が必要だというご意見でした。患者が自由に、いいかかりつけ医を選択できるように、選択する権利を担保する必要があると、この委員の方はおっしゃいました。

 次に、また別の委員の方のご意見です。2人目のこの委員の方、この方もかかりつけ医についてご発言されて、かかりつけ医については定額の負担というようなことが資料にもあるけれども、例えばかかりつけ医を持たない場合、フランスのように自己負担割合を引き上げるなど思い切った方法も考えられるのではないか、このようなご意見を述べられました。

 次に、また別の委員の方のご意見です。この方は、社会保障にかかわる本日の資料の内容には、基本的に賛成だというご意見を述べられた上で、もう一つ、個別のことですが、国民全体で健康を保ち、結果として医療費を抑制していくためには、スポーツ医学というものも有効のようであるとのことでした。スポーツ医学というのは、オリンピックの選手などが、ドーピングを避け、薬を使わずに体調を管理するのを助けるためにもあるようです。こうしたスポーツ医学を専門とする医師も日本には3万人程度いらっしゃるようで、こうした方々にも地域医療と連携して貢献していただくといいのではないかというご発言でした。

 次に、また別の委員の方のご意見です。この委員の方は、介護については軽度者に係るサービスの効率化、生活援助サービスの適正化ということが非常に大切だというご意見でした。

 次に、また別の委員の方のご発言です。この委員の方は、資料の20、21ページにある、「大きなリスクは共助、小さなリスクは自助」という記述と、「年齢ではなく負担能力に応じた公平な負担」、つまり高齢者を一概に弱者というのではなく、経済的な負担能力に応じて負担すべきだといった記述は、改革の根幹であり、大切だというご意見を述べられました。

 同じ委員の方は、続けて、社会保障・税一体改革による社会保障の充実の2.8兆円以外にも、一億総活躍の関係、例えば介護人材の処遇改善など、新たな施策が随分メニューとして追加、用意されている、これで大丈夫なのかと。予算編成の過程で財源を用意するということかもしれないが、そんなに簡単にできるのかと問題提起をされました。

 次に、また別の委員の方のご意見です。資料49ページの、軽度者に対する福祉用具の貸与の在り方に関する図をご覧いただくと、貸与額に地域差が随分あるということが分かります。これを踏まえて、この委員の方は福祉用具貸与について、これほど地域差が大きいのもおかしいが、そもそもなぜこれほどに差があるのか、原因は一体どこにあるのかという問題提起をされました。

 それから、同じ委員の方は、介護サービスについて、介護サービスを使わないで済むならば、使わないというインセンティブがやはりないといけないだろうというご発言をされました。分かりやすく言えば、制度の中で、使ったほうが得だというような、安易な逆のインセンティブがあってはいけないと、使わない場合には使わないメリットがあるというような制度設計をすべきではないかと、こうしたことも言われました。

 それから、次にまた別の委員の方のご発言です。この方は、来年度の予算編成、平成29年度は、注目度の高い医療の診療報酬改定、薬価改定がないので、今まで目の向かなかったところにも注意を払って、切り込んでいくチャンスと考えなければいけないと。つまり、ややもすると診療報酬改定のほうに目が行ってしまうのだけれども、来年はそれがないので、それ以外の分野にどのような効率化の余地があるのか、しっかりと議論していく必要があると、このようなご発言でした。

 そして、この同じ委員の方は、後期高齢者の保険料の軽減特例が激変緩和措置として導入されたのだけれども、その激変緩和措置が9年もの間、続いているというのは少し変なのではないかという問題提起をされました。

 次に、また別の委員の方のご発言です。この方は、介護保険の負担構造について、資料の53ページにある介護納付金の総報酬割ですが、今の時点では給付の適正化・効率化や、高齢者世代に関する自己負担の見直しなどを進めることが先決で、介護納付金の総報酬割には反対だと、このようなご意見でした。

 次に、また別の委員の方のご発言です。この方は、かかりつけ医については、やはり医師を信用できるかどうかということが一つの重要なポイントになるというご発言でした。

 それから、次にまた別の委員のご発言です。この方は、今回のこの資料にもあるような改革に関する具体的な項目をきちんとフォロー、実行していくことが重要であるとのことでした。 

 また、この同じ方は、資料の9ページの、横軸に国民負担率(対GDP比)、縦軸に一般政府の社会保障支出(対GDP比)をとり、国際比較をすると、要は社会保障を手厚くすれば、国民負担がそれだけ高くなると、国民負担が低ければ、社会保障というのは薄くなるということが分かる。ある意味で当たり前ですが、給付と負担が正比例している国が、図の塗ってあるところの範囲内にある集団です。

 一見して明らかな通り、日本はあるところまではこの集団に入っていて、全体として見れば負担を上げながら、つまりこの一番左端の1955年から負担率を上げながら社会保障を充実してきたという姿が見えるのですが、残念ながら1990年代から一気に現在まで、正常な姿から外れてしまっていると。つまり負担はしないままに、給付がどんどん一方的に膨らんでいくということです。

 この委員の方のご発言に戻りますが、この委員の方はこの9ページの図について、この図こそが非常に重要だというようなことを言われて、要するに日本の場合には負担と給付のバランスが崩れていると。負担に関して給付があまりに過大になっているというこの現状認識を、国民全体で共有する必要があると、このようなご発言をされました。

 更に、この同じ委員の方はもう一つ、資料の54ページに介護費の地域差に関するデータがあるのですけれども、やはり地域によって非常に違うと。今後、改革を進めていくためには、いわゆるエビデンスベースで議論をしていくことが重要ですから、こうした地域間格差について、更にきめ細かい分析を進めていく必要があるという提言をされました。

 以上、この委員の方は3点、ご発言されました。

 次に、またもうお一人、別の委員の方のご発言です。この委員の方は、まず総論について、約10年後には、いわゆる団塊の世代が後期高齢者に入っていくわけですけれども、そこでの姿というのは大変厳しいと、やはり構造的な改革を進めていかなければもたないと、このようなご発言をされました。

 同じ委員の方はもう一つ、介護については事業者の利益確保もできるように、例えば規制改革会議で検討されている混合介護などという可能性も考える必要があるだろうというご発言をされました。

 次に、また別の委員の方のご意見です。この方は、高額療養費については、経済的に負担能力のある人については自己負担の限度額を上げて、民間の医療保険で少しはカバーしていくという道が考えられるべきではないかと、こうしたご発言でした。

 次に、また別の委員の方、この方は医療が進歩するというのはもちろんすばらしいことなのだけれども、それによって費用がかさむということも事実としてあるとのことでした。今後、いわゆる終末期医療といったようなものについてどのように考えるか、国民全体で議論していく必要があるのではないかと、こうした問題提起をされました。

 次に、また別の委員の方のご発言です。これは先ほども言及いたしましたが、資料49ページの福祉用具貸与額について、これだけ地域差があるというのは、取引の公平性に疑問を持たざるを得ない、製品やサービスの情報に鑑みて合理的な価格が担保されているのか、消費者保護という観点からも問題があると言わざるを得ないと、こうしたご意見を述べられました。

 最後に、もうお一人の委員の方は、公平な負担というのが非常に大切であって、その意味では、資料の34ページにもあるように、マイナンバーを活用しながら、個人の経済的な負担能力、経済力というものを更に把握することが必要なのではないかと、このようなことを言われました。

 また、この同じ委員の方は、先ほどもお一人の委員の方がご発言された介護納付金の総報酬割については、自分は反対であると、こうしたご意見を述べられました。

 私からは以上です。

〔質問〕 二、三、質問させていただきます。

 1点目は、年齢ではなく負担能力に応じた負担ということですけれども、これについては、今日、委員の方から異論はなかったという理解でよろしいでしょうか。

〔吉川分科会長〕 そうですね。それに反対という意見はありませんでした。

〔質問〕 もう一点ですけれども、高額薬剤について、議論はあったのでしょうか。

〔吉川分科会長〕 高額薬剤については、若干の議論はありました。基本的には、薬価というのは適正につけられなくてはいけないと。適正という中には、実際に新薬が開発されなくてはいけないわけですから、製薬会社の適正な利益や、開発のインセンティブというものも担保されなければいけないと。ただ、もう一方では、薬価というのは広い意味での医療費の重要な一部でもあるわけですから、適正な価格づけというのがなされなければいけないと、これは委員の方の共通認識だろうというふうに考えています。

〔質問〕 福祉用具の貸与の援助について、幾つか意見をおっしゃっている方もいたり、軽度者向けのサービスの適正化は大事だというご意見もありましたが、全体的には軽度者向けの介護サービスの見直し、縮小、利用者の自己負担を増やす方向を財務省は提案されていますけれども、これに対する反対意見というのはなかったのでしょうか。

〔吉川分科会長〕 反対意見はなかったと思います。

〔質問〕 それは、サービスの適正化、利用者の自己負担などの検討が必要だというご意見でしたり、福祉用具の貸与で言うと、貸与価格に極端な地域差があって適正化が必要だというようなご意見……。

〔吉川分科会長〕 反対意見はなかったと思います。それと、先ほどお一人の方のご意見を紹介させていただいたかと思いますが、資料の20、21ページにもあります通り、財審の委員の方々に共通のコンセンサスとして、医療と介護については、いずれにしても大きなリスクにはしっかり共助で支えると。しかし、小さなリスクに対しては、ある程度以上の経済的な負担能力のある人は、やはり自助努力というものを持つべきではないかと、その余地を広げるべきではないかというのが、基本的な考え方として、全ての委員の方が共有していると思います。

 ですから、財源が無限にあれば、何から何までカバーするということでいいわけですが、やはり財源が非常に限られていると。ただでさえ財政赤字の問題があり、消費税率引上げの延期という現実があるわけですから、そうした中で、やはり繰り返しになりますけれども、大きなリスクはしっかり支え合うと、例えば大きな経済的な負担が生じて家計が破綻してしまうというようなことがないように共助、つまり医療保険、介護保険でしっかり支えるようにしようと。ただ、小さなリスク、例えば医療の場合には風邪や、介護の場合には軽度者については自助努力を、あるいは自己負担というものを広げてもいいではないかと、これが財審の基本的な考え方だろうというふうに思っています。

〔質問〕 介護の部分の、介護納付金の総報酬割に関して、お二方が反対だということをおっしゃったというご紹介をいただきましたが、理由について、もう少し詳細に発言していらっしゃったら、それを紹介していただきたいです。

〔吉川分科会長〕 特につけ加えてご紹介するところはございません。ただ、お二人の委員の方が明確に反対の意見を述べられたということをご紹介させていただきます。

〔質問〕 他によろしいでしょうか。どうもありがとうございました。

〔吉川分科会長〕 どうもありがとうございました。1つ、担当の主計官のほうから補足があるようです。

〔阿久澤主計官〕 先ほどの介護納付金の総報酬割の話はその通りなのですけれども、発言の中身を少し正確に言うと、公平な負担を求めるという考え方、それ自体はおかしなことではないと。ただ、給付の抑制ですとか、そういったことをやらずしてここだけやるのはどうかと、そのようなご発言でした。少し補足だけさせていただきます。

 

(以上)

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