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財政制度分科会(平成28年9月7日開催)記者会見

平成28年9月7日
財政制度等審議会 財政制度分科会


〔吉川分科会長〕 それでは、私のほうから、初めに会議の概要をご報告いたします。

 本日14時より、財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたしました。本日は、前半で、我が国財政をめぐる現状等について、お手元に配布されている資料に基づいて事務局から説明をしていただき、質疑を行いました。後半では、麻生大臣ご出席のもとでフリーディスカッションを行いました。

 まず、前半です。委員の方のお名前は伏せて、ご発言を紹介させていただきます。

 我が国財政をめぐる現状等に関して、まず一人の委員の方からは、財政については投入した資金の効果をきちんと見定める必要がある、入り口ではチェック、出口では効果の検証を行うことが必要というご意見がありました。また、今回の経済対策に関しては、財政措置13.5兆円のうち6兆円が財政投融資であり、その大部分が財投債になるということで、フロー面では問題がないように見えるが、ストックに影響が出るため、きちんと検証していく必要があるという話がありました。

 この同じ委員の方は、全体で3点ご発言されて、1点目が以上の財投債の話です。2点目は社会保障関係費で、ご存じの通り3年間で1.5兆円の伸びに抑えるということになっていますが、28年度は診療報酬や薬価の改定があり、5,000億円の範囲に抑えられたと。29年度の6,400億円については、28年度の診療報酬改定のようなイベントがないため、やりにくいところもあるのかもしれないが、きちんと目安に沿った形で5,000億円の範囲に抑えていく必要があると、このようなご発言でした。

 この同じ委員の方の3点目ですが、一般に情報発信の強化ということが重要だというご発言でした。内閣府の中長期試算で出されている2020年度のPB赤字5.5兆円については、前回の試算と比べて1兆円改善したような錯覚にとらわれるが、資料を見ると技術的なものであり、そういった面では財政が今でも非常に厳しい状態にあることを引き続き広報していく必要があるというお話がありました。

 次に、もう一人、別の委員の方のご発言です。この方は、社会保障関係費の伸びを3年間で1.5兆円に抑えるという目安があるが、社会保障関係費の膨張を抑制していくためには何年間でこれくらいに抑えるというマクロのガイドライン、目安で抑制していくのが大変効果的だと思うと、こういったご発言でした。

 その次の、また別の委員の方はご意見というよりは事務局への質問でした。この方は、消費税率の引上げが延期されたが、もともとは皆さんご承知の通り5%から10%まで引き上げたときに、社会保障関係を充実するというプランがあったわけです。消費税率の10%への引上げを先送りするということが決まったところで、今年度は、子育て、介護、年金等の各分野にどの程度充当するのか、そのことを教えてもらいたいという事務局への質問が出ました。

 この質問に対して、事務局から、基本的な考え方としては、消費税率の10%への引上げが実施されるという前提のもとで予定されていた施策については、赤字国債は出さず、財源を確保できるのであれば、実施していくことになっているという話がありました。

 具体的には、例えば待機児童の解消、これは約0.1兆円、財源を確保しながら、子ども・子育ての50万人分の受け皿を確保していきたいと考えていると。

 また、一億総活躍社会関連の話で、保育士の方々の処遇改善、これも実施が予定されていると。

 それから、年金の受給資格の緩和、これはご存じの通り、受給資格期間である25年を10年に短縮するというような話で、これも財源を確保することができれば実施を考えていると。

 次に、また別の委員の方のご発言です。この方は、政府はGDPを600兆円にするという目標を掲げているが、これは達成が難しいのではないかというご意見でした。この委員の方は、ご自身の考えとしては、内閣府が中長期試算で2つ出している経済再生ケースとベースラインケースのうち、経済再生ケースでは600兆円を超えるわけですが、これは楽観的なのではないか、ベースラインケースのほうが現実的なのではないかと、これはご意見としてご発言がありました。

 次に、もう一人、別の委員の方のご発言です。政府の骨太方針等には「目標」と「目安」という2つの言葉使われていると。例えば、2020年度のPBの黒字化は「目安」でなく「目標」だが、この違いは何なのかというご質問が出て、事務局からは、「目標」はもちろん決算ベースで達成、「目安」は「目標」を達成する上での中間目標あるいは操作目標のようなものであると、このような違いがあるというご説明がありました。

 以上が、前半の資料の説明に関する委員の方々のご発言です。

 続いて、後半は麻生大臣も交えたフリーディスカッションをいたしました。 

 まず、一人目の委員の方は、企業が非常に多くの内部留保をためている、あるいは保有しており、企業収益等の伸びに比べて、設備投資や賃金の伸びが小さいということは問題だというようなご発言がありました。

 次に、もう一人、別の委員の方から、前半でも同じようなご発言を既にご紹介済みですが、政府が掲げているGDP600兆円というのは達成が少し難しいのではないかというようなご発言が大臣の前でもございました。

 それから、もう一人、別の委員の方のご発言です。この方は、補正の規模というのはそれなりに大きな規模になっているが、財政健全化目標の範囲を逸脱しているわけではなく、先ほどの目標は堅持していると、そういったことは国会等でもきちんと政府は説明すべきだというご発言でした。

 次に、もう一人の委員の方のご発言で、確かに民間企業がなかなか設備投資をしないということは事実だが、大手企業では曲がりなりにも、ここ3年くらい賃上げは進めてきていると。人口減少社会にあって、国内では完全雇用と言われているにもかかわらず個人消費に勢いがないというような状況ですし、海外でも様々なリスクがあるというようなことがあって、全体的には設備投資が進んでいない、これが現状だと。時限措置でもいいから、中小企業も含め、少し投資を増やすための政策を政府にも進めてもらいたいと、このようなご発言がありました。

 それから、また別の委員の方のご発言です。この方も、企業の内部留保の関係、設備投資をあまりしないという関係でのご発言だったわけですが、一言で言いますと、M&Aは多く行っていますと。しかしながら、これは付加価値ベースでのGDPには必ずしも計上されていないと。M&Aというのは、企業としてはお金を使っているわけだが、GDP上には計上されないと。つまり、GDPの設備投資だけを見ていると、やっていないではないかという話になるかもしれないが、企業としては海外でのM&Aなどはやっていますと、このようなご発言でした。

 それから、もう一人、別の委員の方のご発言です。この方は、消費が活発にならない将来不安との関係、あるいは企業の内部留保との関係ですが、考えてみると、昔は企業が社員に対して社宅を用意するなどの形でお金を使っていた。しかし、ここ20年くらいは、日本企業は社員の福祉に関連したコストはもう完全にカットするということをやってきており、これが若い世代の人たちの将来不安というものを、少なくとも一部分生み出している面があるかもしれないと。企業が内部留保をため過ぎだ、設備投資をしていないのではないかと言われる中で、企業が昔やっていたような企業内の社員向けの様々な福祉と言いますか、フリンジベネフィットと言いますか、そのようなものを考えてみるのも必要なのかもしれないと、このようなご発言をされました。

 最後に、もう一人、別の委員の方から、この方は全く別の観点からのご発言ですが、少し前に私ども財審の女性委員の方々が、女性公聴会というものを開催したのですが、この公聴会は大成功だったと、こうしたものを今後も引き続きやっていくことがよいのではないかというご発言がありました。

 私のほうからは以上です。

〔質問〕 今のご説明を伺っておりますと、社会保障に関する委員の方のご発言が多かったと感じました。やりとりの中でも、例えば財源が確保できれば待機児童ですとか、前向きな話はありましたけれども、逆に6,400億円を5,000億円に抑え込む、その1,400億円はどういった分野が考えられるのか。診療報酬といったイベントがない今年度、どういったところが候補になってくるのか、お考えをお聞かせください。

〔吉川分科会長〕 今日の会議では、今、ご質問のあった点は全く出ませんでした。ですから、今回のこの秋の財審において皆さんご承知の通り、今後、各論的な議論をやっていって、当然、社会保障の議論もやるわけですから、まさに今、ご質問いただいた、要するに平均で見て年5,000億円程度の伸びに抑えていくと。先ほどある委員のご発言でも紹介した通り、診療報酬改定というイベントがない中で具体的にどのようなところで伸びを抑制していくのか。これは繰り返しですが、この財審の各論の議論、社会保障のところで、今後しっかり議論していくということになっています。

〔質問〕 今後の財審のスケジュール感、建議はいつ頃を目処に取りまとめるご予定でしょうか。

〔吉川分科会長〕 建議は、例年と大きく変わらないと思いますが、今のところはまだ特に決まっていません。ただ、例年、11月中くらいです。建議というのは、来年度予算に向けて、財審としてこのような予算編成が望ましいと我々は考えますという財務大臣への建議ですので、政府の原案に向けての予算づくりというのは、ご承知の通り年内ということでしょうから、例年は11月中となります。ただ、本当にスケジュール通りになるかは、まだ分からないということです。

〔質問〕 経済再生ケース、内閣府の中長期の試算について、甘過ぎるのではないかという発言があったということですが。

〔吉川分科会長〕 そうですね。

〔質問〕 これは、お一人の方がおっしゃったのか、複数の方から出たのか、もう少し詳しく教えていただけますか。

〔吉川分科会長〕 既にご紹介した通りですが、前半でお一人、そういったご発言があったと思いますし、大臣の前でもそれに関連したお考えを述べた方がお二人いらっしゃったと思います。ですから、3人ということですか。そのように考えていらっしゃる委員の方は、他にもいらっしゃったかもしれません。

〔質問〕 これは、具体的にはGDP600兆円のほうの試算についてなのか、ベースラインケースと経済再生のケースのうち、経済再生ケースが甘過ぎるという点についての指摘だったのか。

〔吉川分科会長〕 ですから、600兆円という言い方はともかくとして、経済再生ケースというのは、試算で例えば成長率などに当然、落とせるわけですよね。試算のほうを見ていただくと、表の中に想定している年々の成長率も出ていますよね。その成長率が本当に実現できるのか。つまり、600兆円という数字を成長率で見ており、結局、成長率に関する見方ということになるわけですが、そこのところが本当にできるのかというご発言だったと思います。

 もう一言、あえて補足するとすれば、財審のスタンスで言えば、本当に想定できるのかというのは、今ご紹介した通りですが、財政再建という大目標に向けて舵取りをしていくときに、先憂後楽的な、慎重な見方でいくほうがよいのではないかというのは、過去の財審で何人もの委員の方が、本日出席された委員の方を含めて、よく言われていたと思います。つまり、かなり甘目に想定をするよりは、厳し目の想定を置いて、その上で再建目標に向けて様々な施策を切っていったほうが目標達成できるのではないか。過去の財審では何回も先憂後楽、堅めの想定といったご発言をされた方々がいらっしゃったと思います。7月に公表された内閣府の中長期試算に関して本日複数の方からなされたご発言の背後にある考え方というのは、今、言ったようなことだったのではないかと思います。

〔幹事〕 どうもありがとうございました。

〔吉川分科会長〕 どうもありがとうございました。

 

(以上)

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