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財政制度分科会(平成27年10月30日開催)記者会見

平成27年10月30日
財政制度等審議会 財政制度分科会


 

〔吉川分科会長〕 どうもお待たせしました。では、いつもと同じですが、私から報告させていただきます。

 本日10時より、財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたしました。本日は、社会保障、特に28年度診療報酬改定、子ども・子育て支援、それから地方財政について審議を行いました。

 毎回同じですが、私のほうから、委員の方々のお名前は伏して、ご発言の概要をご報告させていただきます。

 2つ議題があったわけですが、まず社会保障のほうです。社会保障について、大きく言いますと、本日は診療報酬改定、それから子育て支援をファイナンスするために雇用保険と絡めてどのように対応するかと、そこが大きな審議事項で、委員の方々も概ねその2点にかかわることでご発言があったわけですが、社会保障に関して、まずお一人の委員の方から、調剤報酬について、補助金、診療報酬を下げることによって、コストに見合っていないような対価、報酬を下げる形で報酬体系全体を下げるということが必要だと、こういうご発言でした。

 それから、次に、もうお一人の委員の方、この方は、これまでも賃金・物価の推移を勘案して診療報酬を引き下げるということもやったわけだが、これは効果的だし、当然やるべきことだと、こういうご発言でした。

 それから、もうお一人の方は、診療報酬については医療の診療報酬でも中身でメリハリをつける必要があると、特に病院と開業医の方々、診療所との関係でいう趣旨のご発言されたのが1点と、もう一つ、第2点目として、同じ委員の方ですが、アベノミクスによって景気がよくなったために雇用保険のファンドもたまっているということだから、その雇用保険のお金を、国庫負担等を引き下げるなどして、子育て支援のための原資、子育ての拠出金に活用すべきと、こういうご意見でした。

 次に、もうお一人、別の方の委員のご意見です。この方は、子育て支援と雇用保険の関係について、積立金を含めてパッケージで考えてほしいということをおっしゃいました。同じ委員の方、もう一つご発言があって、薬価、調剤報酬の見直しに関して事務局から様々な施策が説明されたが、いずれも合理的な提案で、全て実現すべきだと、こういうようなご発言でした。

 それから、もうお一人、別の委員の方のご発言です。この方は、お話ししているとおり、子育て支援をファイナンスするために雇用保険制度を見直すというお話ですが、現在は確かに雇用保険の財政は好転しているが、景気が悪化したら状況は変わり得ると。雇用保険と子育て支援は、別で考えたほうがいいのではないかと。子育て支援の強化自体には賛成だが、企業負担をトータルで考えて、どのように財源を確保すべきか、さらに議論をお願いしたいと、このようなご発言でした。

 もうお一人、別の方のご意見です。この方は、いわゆる診療報酬の引下げというのは、モグラたたきのようなもので限界があると。本来の医療制度改革のためには、かかりつけ医制度の普及、電子カルテの普及などが進められるべきで、イギリスがよい例だというようなご発言でした。

 次に、もうお一人、別の方のご意見です。この方は、まず第1に薬価で削減された分を、いわゆる本体に回すというような考え方があるが、それでは論外だと。効率化を行い、点数のつけ方をきちんと見直すことが重要だと。

 それから、第2に、子育て支援をファイナンスするために雇用保険をどう考えるかということについて、雇用保険の積立金については厚労省がソルベンシー比率を推計していて、283.8%という高い数字が公表されていると。要は、積立金というのは、将来、景気が悪化する等々のリスクを勘案しても、十二分にたまっていると。そういうことだから、例えば雇用保険の国庫負担を減らすとして、子育てに回すということはあっていいと思うと。ただ、抜本的な改革も必要と、このようなご発言でした。

 次に、もうお一人、別の委員の方のご発言です。この方は、まず第1点として医療費について、医療の高度化により生産性が向上した分は、診療報酬の引下げ、医療費の抑制に反映させるべきだと。第2点として、湿布薬のようなOTC類似医薬品については、要は病院で買うと安い、処方してもらうと安くなるといったことは解消すべきだと、保険適用外でもいいのではないかと、こういう趣旨だったと思います。

 同じ委員の方、第3点として、この方は、雇用保険料を引き下げて、それを原資として子育てに回すという案には賛成すると、よい考えだと思うという、こういうご発言でした。

 続けて、もうお一人、別の委員の方は第1に、社会保障の改革、特に医療、薬価の診療報酬改定に関して、全般的にできることは全てやるという印象だが、もう一方でメリハリをつけることも必要と。

 第2点としては、薬価の負担に関しては、薬価というのは言うまでもなく価格、単価の問題だが、それと同時にどの程度薬をみんなで飲んだか、使ったかというボリューム、数量の問題ももう一つあるわけで、両者は関係するわけですが、この方はボリュームないし数量のところで、自分としてはかなり無駄があるということも感じているため、しっかり見ていく必要があるというご発言でした。

 それから、次にもうお一人、別の委員の方のご発言です。この方も幾つかご発言されて、まず第1に診療報酬改定に関しては、薬価の引下げ等、本日の事務局説明は説得力があり、賛成だというご発言です。

 それから、第2点はやや個別ですが、この方はいわゆる「お薬手帳」というものは必ずしも有効に機能しているとは思えないと。今後、マイナンバーが導入されたならば、マイナンバーの利用とも結びつけて、薬の一元管理等、さらに効率化する必要があると、こういうご発言でした。

 同じ委員の方、第3点として、雇用保険の財源を子育て支援に回すということについて、これはセカンドベストであると。その理由は、雇用保険財政は本来、景気で変動するものであるのに対して、子育て支援は恒久措置として安定的な財源を必要とするはずだ。従って、本来、すなわちこの方の言葉で言えばファーストベストは、高齢者への社会保障給付を減らし、削減し、恒久的な財源を得て、それを若い世代に子育て支援として回すべきだと。とはいえ、セカンドベストという限りにおいて、この方は当面このことに賛成すると、こういうご発言だったと思います。

 それから、もうお一人、別の委員の方のご発言です。この方は、いずれにしても本日議論したような診療報酬改定等により、社会保障関係費の伸びを抑制するというこの目的は、28年度は「経済・財政再生計画」の初年度に当たるのだから、きちんと実現することが重要と。

 同じ委員の方は、第2に、実際、本日、事務局からご説明のあった薬価等、説明を聞いているとかなりおかしいと思われる部分もあるから、そうした点はきちんと適正化を図るべきだと、こういうご発言でした。

 次に、もうお一人、別の委員の方のご発言です。この方は、特に薬、ジェネリックについてご発言されて、なるべく早い時期にジェネリック使用率を80%以上にするという新目標を達成することが重要と。ジェネリック薬品の価格については、他国と比べるとまだ高いというようなこともあって、引き下げていく必要があると、こういうお話でした。

 もうお一人、次の別の委員の方に移ります。この方も雇用保険料を引き下げて子育てに回すことは次善の施策としては賛成。つまり、この方も多分、前に既にご紹介した委員の方、つまり子育て支援は恒久措置だろう、雇用保険は一時的な景気によって非常にアップダウンする、そうした雇用保険料を原資として恒久的な子育て支援を行うというのはセカンドベストだというご発言があったことは既にご紹介済みですが、今、私が紹介している委員の方も同じ意味合いで、雇用保険料を引き下げて子育てに回すということは2番手の施策ということかもしれないが、基本的には自分は賛成すると、こういうご発言でした。

 それから、もうお一人、別の委員の方も同じ問題について、雇用保険に対する国庫負担の停止も一案だが、雇用保険料の活用のほうが現実的な案だろうというご意見でした。

 それから、最後に、もうお一人の委員の方のご発言、この方は調剤報酬の見直しについて、事務局の案に自分は賛成だと、こういうご発言でした。

 以上が社会保障に関する議論、ご発言ですが、続けて私から、第2のテーマである地方財政についてもご紹介させていただきます。

 地方財政について、まず、お一人の委員の方から、地方法人課税の偏在是正を進めていくことについては、財審としてもこれを後押ししていくことが必要と、これが第1点。

 同じ委員の方は、第2点として、頑張る地方を応援するというのは方向としては正しいが、地方交付税と補助金の役割の違いはきちんと認識しておく必要があると、こういうご発言でした。

 次に、もうお一人、別の委員の方のご発言をご紹介します。この方は3点述べられて、まず第1は、国と並んで歳出改革に地方が取り組んだという場合は、それは後年度の地財計画に当然反映すべきだと、こういうご発言でした。

 この同じ委員の方の第2点目に、人口減少によって基準財政需要が減少していくことに対しても、これも後年度の地財計画に当然反映すべきだと。いわゆる自然減ですね。

 それから、同じ方、第3点、実績を踏まえて、国が財源保障すべきでないものが計画に含まれている場合には、その財源保障をやめて計画に反映すべきだと、こういうご発言でした。

 それから、次に、もうお一人、別の委員の方のご発言に移ります。この方は、まず地方単独事業について、これを精査していくことは当然で、そのことに自分は賛成するとご発言された上で、続けて、地方消費税の引上げに伴って、地方単独事業の社会保障の歳出はどうなったかというご質問があって、これに対して事務局から、地方単独事業については具体的にどのような事業が行われているかはきちんとした検証はなされていないと。このため、どんなことをやっているのか、まだ必ずしもはっきりしてないところもあるわけですが、今後、さらにこれをしっかりと検証していく必要があると。

 それから、次に、もうお一人、別の委員の方のご発言です。この方は、今回の事務局の説明資料にもありますが、国と地方の財政状況の議論をするときには、皆様方もよくご存じのとおり、基礎的財政収支、PBを見ると、地方はかなり好転している一方で、苦しいのは国だという議論をよくするわけですが、もちろん財審でもそうした議論をやってきたわけですが、地方の中には、要するに苦しい地方もあると。従って、一律に苦しいのは国、地方は潤っているという言い方を一方的に情報発信すると、中には戸惑う地方もあるかもしれない、地方が実感を持てるような丁寧な情報発信が必要だと、このようなご発言でした。

 それから、最後に、もうお一人別の方のご発言です。この方は、地方債の金利というのが国債の金利と等しくなっているという事実に言及されていて、これは地方が自分の足で立った独立の地方ではなく、地方の後ろには国がいるとマーケットは見ているということの証左である、それは必ずしも健全な姿ではないのではないかと、こういうご発言でした。

 私からは以上です。

〔質問〕 ありがとうございました。

 1つ質問させてください。本日、社会保障と地方財政の2つの議案について話し合われたわけですが、大筋として、この原案に関しては財審として大筋で意見合意、この案で一致したとそれぞれお考えかどうか、お願いします。

〔吉川分科会長〕 ありがとうございます。

 このようにお答えすればフェアかなと思います。社会保障のところで、大きく問題になったのは、論点としては2つだろうと思います。1つは、診療報酬の改定、抑制と。それから、もう一つが、子育て支援を拡充するための原資として雇用保険を充てると、この2点だろうと思います。

 それで、1点目については、診療報酬改定、特に引下げということに関しては、お一人だけ慎重論だったろうと思いますね。というのは、皆様方に既にご紹介、その方のご発言の表現も含めて既にご紹介しましたが、その慎重論の方は、診療報酬を下げるというようなことはモグラたたきにすぎないと。モグラたたきという表現を使われて、それ以上、その点を深掘りして詳しくは話されなかったのですが、モグラたたきというのは明らかにコンテクストからネガティブなコノテーションを持った表現で、本質的な部分はかかりつけ医や電子カルテの普及などが大切で、イギリスには先例があるためイギリスに学べということが先程私がご紹介した内容です。

 この方は、今、ほぼ正確にモグラたたきという表現を含めてご紹介しましたが、フェアに判断して、診療報酬引下げという点には慎重論、あるいは、もう少しはっきり言えば反対論をお持ちかもしれません。ただ、私が理解している限りでは、そうした慎重論、反対論はその方お一人だと。その後、ほかの方は、正確に数は勘定していませんが、既に大方皆さんにご紹介しましたが、基本的に賛成論を述べられた。ですから、何対1になるのか、いずれにしても財審としては、基本的には診療報酬を下げていくというようなことについては、お一人の例外を除いてコンセンサスがあるということだと思います。これが診療報酬に係るところです。

 それから、2点目の子育て支援の原資として雇用保険を充てるという、この点については大体フェアかと思いますが、まず第1に子育て支援を拡充しなければならないというのはコンセンサスです。これはやはり重要だし、子育て支援を拡充していかなければならないと、これはコンセンサスですね。問題は、雇用保険について、景気も好転して、失業率はご承知のとおり3.4%とともかく低く、有効求人倍率も1を超えているという中で、雇用保険の積立金がたまっているため、そのお金を使って子育て支援を拡充しようと、企業負担なども含めてですね。

 この点については賛成論のほうが多いですが、もっともその中でも、雇用保険を原資にするのではなく、ファーストベストはもう少し恒久的な財源を見つけたほうがいいというご意見を、記憶ではお二人程、今日、既に皆さんにご紹介したかと思います。子育て支援のほうは恒久措置だが、雇用保険のファンドは景気で大きく動くという理由でセカンドベストだと。とはいえ、セカンドベストという言葉を使われた方も、結論的にはセカンドベストだが賛成は賛成ということです。

 まとめると、賛成多数というのが正しいと思いますが、ただ、慎重論もそれなりにあったということです。ですから、その意味では、仮に、多数決という言葉を比喩的に使うならば、診療報酬改定のほうが圧倒的に賛成と。雇用保険を原資にするという考え方は、賛成論のほうが多いが、慎重論との差は小さかったというのが正確なご紹介だと考えます。

〔質問〕 地方財政の方はどうでしょうか。

〔吉川分科会長〕 地方財政のほうも、今、既にご紹介したとおりですが、事務局からご説明があって、お手元にも資料があると思いますが、委員の方のご発言が事務局説明の全ての問題をカバーしているというのでは、もちろんないわけですが、反対、慎重論というのはなかったということだと思いますね。事務局説明の、それぞれの項目について、それぞれ自分は賛成だというのが基本的な方向だったと思います。

 1つだけご紹介するとすれば、財審の議論としては、もう既にご紹介しましたが、PBで見ていくと国が大変、地方はもう楽でしょうという言い方になりがちですが、地方の中には苦しい地方もあるから、やはり説明は、しっかり丁寧に、オールジャパンで理解を得る、やはり国、地方の関係において、特に、この財政の問題と苦しい地方があるということは、1対1対応ではないですからね。経済的に非常に厳しい地方があるというのは、誰もが知っているわけですが、ただ、それはそれ、これはこれと、また別の国、地方の財政の問題というのがあるわけで、それが大切なところだと私は思いますが、ただ丁寧に説明しないで、地方は潤っているといったことを言うと、反発を生んで、進めるべき改革も進まなくなったら、これはもう元も子もないですから、丁寧に説明しなくてはいけませんというご意見があったということはつけ加えますが、それはそれとして、事務局説明に慎重論、反対論といったものは何になかったということです。

〔質問〕 2点ありまして、診療報酬について、中身でメリハリをつける必要があるとおっしゃられた委員がいらっしゃるということですが、そのメリハリというのは具体的にどのようなものを意図しているのかを教えてください。

〔吉川分科会長〕 メリハリといっても様々ですが、委員の方々からメリハリという言葉が出ましたのでご紹介しましたが、私なりに補足させていただきますと、診療報酬体系というのは公定価格の体系ですから、診療報酬の点数をつけているのは一体何種類あるのか。多分、何百、何千あるわけですよね。理屈っぽく言えばベクトルです。仮に5,000あったら5,000次元のベクトルというわけです。診療報酬全体の報酬というのは平均ですから、ベクトルに例えれば長さ、つまり絶対値です。

 当然ですが、ベクトルにはもう一つ方向というのがあって、それは内訳で全部決まる。方向が間違っていたら、医療制度やそういうものに非常に悪い影響を当然与えるわけですよ。で、診療報酬を、つまり平均を下げていくというのはベクトルの長さを調整するということですよね。この医療の改革を議論すると、診療報酬を下げるとこういう副作用が出る、こういうところに問題が出るという議論が必ず出てきます。具体的に言えば、例えばある種の診療科が足りないといった議論が出てきますよね。でも、そういう問題というのは基本的にはベクトルに例えれば方向が違っているわけです、長さの問題ではなくて。

 で、そういう問題を解決するためにベクトルの長さを長くしろというのはとんでもない考えで、これはそういうことを議論する人が時々いるわけだが、要は診療報酬を上げろといった議論ですね。それは、何と言いますか、正しい解決方向ではないわけですよね、根本的に。

 事務局が用意しているこの資料、8ページのグラフを虚心坦懐にじっと見たらどうでしょうか。やはり診療報酬全体としては、デフレの中、民間の給与やその他の物の値段と比べて、相対的にかなり優遇されてきたということではないでしょうか。8ページのこのグラフで見ているのは、いわば医療などの全体のところを見ているわけですから、先程からの例えで言うとベクトルの長さですよ。つまり、問題はベクトルの長さが短過ぎるということではないのです。医療の診療科でこういう問題がある、こういう現場で様々な問題がある、病院と開業医の間でこういう問題がある、特に勤務医のあれが大変だ。こういう問題というのは、ベクトルの中身、方向を変えない限り解決しないのですよ。もちろん、間違った方向で、ベクトルの長さを2倍すれば解決するということかもしれませんが、何遍も言うように、今のような財政状況の下でそのような方法は取れないし、それは無責任な解決方法であって、中身をきちんと見直すということを、それは中医協の仕事かもしれませんが、財審としても大いに後押ししていくということでしょう。

 また、薬価については、いわゆる本体とは別にきちんと見直すべきところは見直そうというのが事務局の説明で、今日の資料等では、皆さんもご覧になると、薬価の様々な側面で随分変なことが起きているということに気づかれると思います。そういう部分をきちんと直して、薬価は適正に下げていく。また、下げた分を本体に回すというのはもう論外だという議論もありました。それが1点目ですよね。

〔質問〕 ということは、勤務医が大変といった話や、麻酔、婦人科が足りないといった話はベクトルでやっていく。

〔吉川分科会長〕 中身をね。当然、そういう中身を変えていかなくてはしようがないかと。

〔質問〕 はい。

〔吉川分科会長〕 開業医、診療所と病院で、初診料、再診料やなんかもこういう中身になっている。それがどういう合理性があるのか。診療科全体を見直して、こういう診療科が足りないということに呼応して、それがどういう点数のつけ方になるのか。医療ではないですが、例えば薬価のところでどう見てもこういう報酬というのが、何か合理的な理由があるのだろうかと首をかしげざるを得ないような部分があるわけですから、財政が限られた中で、そういうところはもうどんどん見直してということではないでしょうかね。企業でも、もちろんその中のところを見てもらうのは中医協の分野ですが。

〔質問〕 あと、もう一点ですが、子育て拠出金のほうで、賛成でもなく、慎重論でもなくて、反対論というとどのような意見があったのでしょうか。

〔吉川分科会長〕 財界等では、従来から議論がありますが、要するに反対論の一つの根拠というのは、結局、雇用保険でお金がたまっているといっても、景気が悪くなれば、それはすぐに減ってしまうものだからといった話や、あとは原理的なものとして、例えば国庫の補助金を、仮にですけれども、なくすといったことだと、そもそも論また、べき論ですが、雇用保険というのは、労使と国と3者で支えるべき制度なのだから、そこのところはきちんと尊重しなければいけないという議論ですね。

〔質問〕 ありがとうございます。

〔吉川分科会長〕 はい。

〔質問〕 地方財政で1点だけ、最初の委員の方のお話の中で、地方の頑張りを応援するのは方向性として正しいが、地方交付税と補助金の役割の違いは認識しておく必要があると。このご発言の趣旨というのは、どういうところにあるのでしょうか。

〔吉川分科会長〕 そうですね、じゃあ、これはちょっと主計官から補足して。

〔阿久澤主計官〕 恐らく資料でいうと、9ページでしょうか。「骨太の方針2015」を受けて、今、「経済・財政再生計画」の実施に向けた取組をしていて、その中で、交付税の算定の中で、頑張っていく地方を応援するような見直しをしたらどうだというのが「骨太の方針2015」にも方向として書かれていると。そのことについて、真正面から反対をしているわけではないし、その意思は分かるが、一方で交付税という仕組みの中で、交付税が基本的に自由に使えるお金を渡すという趣旨だとすると、あまりそういうことを組み込み過ぎていくと、どんどん補助金に近寄っていってしまうのではないかと。あまりそういう技巧的なことをし過ぎると、ということですね。ですから、ある程度補助金で対応するものと、交付税として一般財源で対応するものは、その性格論はやはり意識しなければいけないのではないか、多分、こういう趣旨だったと思います。

〔質問〕 先程の話で、事務局に聞いたほうがいいかもしれませんが、子育て支援の財源を雇用保険のほうから回すというやり方について、今日の財審の中で結構慎重論も出ているわけですが、あそこの制度設計というのを、今後、財務省として見直していくというようなことにはなるのでしょうか。

〔吉川分科会長〕 では、主計官から。

〔宇波主計官〕 1つは、会長からご説明があったことについて、1点だけ若干補足をさせていただくと、雇用保険のお金を直接使うということを言っているわけではなくて、去年の秋から財審でご議論いただいているのは、そもそも子育て支援に対する事業主の負担のあり方というのは、去年の秋からの財審の議論としてあって、それはかつて、平成10年で言えば、現金給付に事業主のご負担が8割近く入っていたものが、今、足元、平成27年ですと事業主のご負担は23%まで少なくなっていて、子育て支援を強化していく中で、公費中心で今、子育て支援を増強しています。そういう状況の中で、もう少し子育て支援策、これは労働力確保という面もあるので、事業主のご負担、今も事業主の拠出金というのが0.15%、子育てに入っています。それを増やすべきではないかというのが、もともと根底としてあります。従って、それをお願いしているというのがあって、それは昨年の秋と今年の春の財審で、基本的にそういう方向を考えるべきだと、ただし反対論もあったという形で既に建議が出されているというのが1つなので、そういう意味では子育て支援に対する1つのスタンスというのは、今までの財審の議論がベースにあると思います。

 その上で、それだけだと負担増になってしまうということがあって、10月の諮問会議で、安倍総理から諮問会議において、社会保険財政におけるアベノミクスの成果の活用という観点に関する議論があったので、そういうことを踏まえて安定財源を確保するようにという指示が関係大臣にありました。そういうことから、今度、負担増になるというのを一方で捉まえながら、アベノミクスの成果の活用という観点から見ると、雇用保険財政に如実に一番出てきているので、雇用保険料の引下げをする余地があるということで、そちらを引き下げることによって、その負担が緩和される。あるいは、雇用保険料を引き下げた場合のアベノミクスの成果を、子育てにも使うことができますし、それから一部は被用者の保険料軽減にも使えるという構造です。積立金が直接当たる、雇用保険の目的を変える、もしくは変更するという議論をしているわけではありません。議論の順序が少し逆であります。

 その上で、今日、会長からご紹介があったように、賛成のほうが多かったと理解をしておりますが、一部、慎重論もございました。ここで、財審としてどのように建議をまとめるかというのは、起草委員と吉川会長とでご相談いただきながら、まとめられるものと思っています。

 あと、政府全体の運びで言えば、昨日、一億総活躍国民会議がございましたが、そこで総理からご発言があったように、まずは11月に緊急対策、その後、来年春頃に「ニッポン一億総活躍プラン」を策定するという動きになってくるので、そこは政府全体としては、そういう作業工程の中で、厚生労働省を中心に、経済界と引き続き調整をさせていただくということになると思います。

〔吉川分科会長〕 どうも私の説明も不十分だったかもしれませんが、要するにお金に色がついているわけではないから、この際、企業に、雇用保険のほうの負担は少し小さくして、その分、子育て支援のほうに回してねと、それだったらいいでしょう、認めてくださいと、こういう話ですよね。それに対して、子育て支援のほうは恒久、雇用保険のほうが今、楽というのは一時的かもしれないという立場の人がセカンドベスト。ただ、セカンドベストを言われた方も、反対ではなくて、結論的には一応賛成ということだったという話ですね。

〔質問〕 ほかにございますか。

 なければ、これで終わりにします。ありがとうございました。

 

(以上)

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