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財政制度分科会(平成27年8月5日開催)記者会見

平成27年8月5日
財政制度等審議会 財政制度分科会


〔吉川分科会長〕  本日の会議の概要をまずご報告いたします。

 

 本日16時より財政制度等審議会 財政制度分科会を開催いたしました。本日は、いわゆる「骨太の方針2015」、内閣府の「中長期試算」、「平成28年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」、それから、最近のギリシャ情勢の4つのテーマにつきまして、まず事務局から説明していただきました。それについて、委員からご意見をいただきました。

 

 委員の方のお名前は伏せて、ご意見を要約してお知らせいたします。

 

 まず、お一人の委員の方が、骨太の方針2015では2018年度までの3年間の歳出水準の目安が定められているので、2016年度だけではなく、2017年度、2018年度と引き続き歳出改革を行っていくべきだというご意見でした。

 

 次に、別の委員の方は、どのようにして歳出改革を行うかが重要だと。建議や骨太の方針2015で歳出の方向性が示されているが、この方向性に従って改革の内容を具体化することが重要。これまで方向性が示されたとしても、必ずしも実現できてこなかった。要するに、改革の実施においては、総論では賛成でも、各論では様々な抵抗が見られる。それを乗り越えることが重要だと、こういうご意見でした。

 

 次に、別の委員の方のご意見です。先日公表された内閣府の中長期試算では、2月時点の試算より2020年度における国・地方のPBが3兆円程度改善したが、これが世の中的には楽観論の材料になっている。試算方法の変更によって改善するというメカニズムであるとのことだが、どうしてこれほど改善したかをきちんと説明しなければ、今後景気がよくなり財政状況も改善するものだといった、楽観論が広がってしまうおそれがある。

 

 次に、別の委員の方のご意見です。ギリシャについてですが、ギリシャの債務残高対GDP比を見ると、日本のほうが悪い。ギリシャのようになってしまう前に、財政健全化の取組をきちんと進めていく必要がある。

 

 別の方のご意見です。この方もギリシャについて発言されて、お手元の資料の最後のページにギリシャについての経済財政指標の表があるかと思いますが、一言で言いまして、経済がめちゃくちゃになっているわけです。ギリシャのケースは市場から強制される形での改革だったので、経済が大変マイナスの影響を受けた。前の委員の方のご意見と重なるかと思いますが、やはりこのような最悪の事態になる前に財政健全化に向けてしかるべき手を打っておかなければならないといったご意見でした。

 

 それから、別の委員の方は、ご承知のとおり、歳出改革では社会保障が1つの大きなポイントになるわけで、社会保障改革の手を緩めるわけではないが、その他の裁量経費についても、しっかりと切り込んでいかなければならない、このようなご意見でした。

 

 最後に、別の委員の方は、2016年度予算は「経済・財政再生計画」の初年度に当たる。財審としても2020年度のPB黒字化に向けた確固たる第一歩となるよう議論を進めていく必要があるといったご意見でした。

 

 私からは以上です。

 

〔質問〕   2点ほど質問させていただきます。まず、財政健全化計画ですが、建議に明記されておりました、社会保障の伸びについては過去3年間と同様に3年間で1.5兆円の伸びにするという内容が反映されているわけですが、この内容について会長としてどのようにご評価されているのか。

 

 2点目は、委員の方から、国・地方PBの赤字が3.2兆円縮小されているわけですが、これによって楽観論が出てきてはよくないというご意見があったということですが、会長としては、どのように受けとめていらっしゃるかお聞きしたいのですが。

 

〔吉川分科会長〕  まず第1点目、社会保障改革についてですが、これは先ほども言いましたが、財政、歳出面から見ますと、やはり歳出改革の中で一番大きな柱になる部分で、しかも国民全員の生活に身近なものでもあり、関心も高い、大変重要なところであって、それについて今回、3年間でプラス1.5兆円と、特に高齢化を反映した部分中心に、その点は言ってみればしようがないだろうと、そういうことです。そのような考え方自体は、我々財審としても評価しています。

 

 それから、国・地方PBが3兆円改善したことについては、ご存じのとおり税収も増えたということを反映しているのですが、これについては、先ほどご報告しませんでしたが、お一人の委員の方が、楽観論の材料になってはいけないということに加えて、もう少し立ち入ったこともおっしゃっていました。例えば、税収増について、法人税収が増えた部分もあるわけですが、企業業績が上向いたといっても、円安の結果として、連結決算で海外での海外通貨建て、ドルないしユーロ建ての収益を円ベースに直したときに、円ベースが膨らむという形で収益が非常に改善した。つまり、円安効果による収益の改善という部分もかなり大きいわけです。これをどう見るか。本当に恒久的に日本の企業というのが非常に力強く、立ち上がっている。その結果として、税収も上がってきたということでは必ずしもないのではないか。一時的な要因もあるのではないかということを指摘された委員の方もありました。

 

 このような意見に代表されるように、少なくとも今回の試算の改訂が、既にご報告したとおり、楽観論につながるようではいけないというのが、財審の多くの委員の方の考え方だと思います。今日のテーマのギリシャを見ても、お二人の委員の方のご意見を紹介しましたが、やはりギリシャの経済というのは、資料の最後のページの一覧表を見ても、大変厳しいことになっているということですが、そのようなことになる前に、きちんと手を打っておかなければいけない。このような考え方だと思います。

 

〔質問〕  先ほど、国・地方PBが3兆円程度改善したことで、楽観的に論が広がるのではないかという懸念を示されていた委員の方があると。どのような要因で改善したのかということをきちんと説明しないといけないという趣旨の意見があったと思います。これは、2014年度の決算を踏まえた税収土台増なんかで1.4兆円で、歳出改革で1.8兆円というよう内閣府の説明では納得していないということでしょうか。一応、理由は示されていると思うのですが、意見の趣旨についてもう少し教えていただけますでしょうか。

 

〔吉川分科会長〕 この試算結果が楽観論につながってはいけないだろうという趣旨は、委員の方のそのままの言葉をご紹介しているわけです。つまり、試算結果をどのように受けとるかは人それぞれかもしれませんが、特に税収増のところは、経済が好転したことによって、法人税、所得税等、税収が伸びたということですよね。であるとすれば、そこのところを強く強調すれば、財政の問題というのは、経済成長すれば解決できるという考え方もあるかもしれませんね。実際にそのようなことを言っている人もいるわけですし。

 

 しかし、今日、何人かの委員の方が言われたのは、再三お話ししていますが、経済成長は確かに大事、しかし、経済成長だけで財政再建ができるというのは正しくないというのが財審、あるいは財審のメンバーの方々の考え方だと思います。

 

 ですから、やはり財政については、経済成長と並んで、財政そのものとして正面から財政再建の努力を積み重ねていかなければいけない。これが財審の一致した意見と言っていいと思います。

 

 そのような中で、今日、お二人ほど、委員の方から楽観論につながるようでは困るというご意見が出ました。また、既にご紹介しましたが、税収増、それは大変結構なことかもしれませんが、本当にこれが日本経済の実力が、例えば法人税増でも、日本企業の競争力がついたと言えるのかという問題提起をされたのだと思います。一時的な円安効果ということではないですかと指摘をされた委員の方もいらっしゃいました。

 

〔質問〕 今後の進め方についてどのような意見がでたのか教えていただけますでしょうか。

 

〔事務局〕 今後の進め方については、少しご紹介もありましたが、「経済・財政再生計画」ができた初年度であるという話ですので、2020年度の国・地方PBの黒字化に向けて確固たる第一歩を踏み出すように議論をしていかなければいけないという話がありました。ですから、そのような考え方に沿って、今後議論を進めていくということかと思います。

 

〔質問〕  具体的に、専門調査会についての意見はありませんでしたでしょうか。

 

〔事務局〕 専門調査会というのは、内閣府の諮問会議のものですよね。そこまで踏み込んだやりとりはなかったです。

 

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