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財政制度分科会(平成27年5月15日開催)記者会見

平成27年5月15日
財政制度等審議会 財政制度分科会


〔吉川分科会長〕  本日、16時から18時まで開かれました財政制度等審議会 財政制度分科会の概要を説明させていただきます。

 

 本日は、議題が2つございました。1つ目は、社会保障、とりわけ医療との関係で、森田朗中央社会保険医療協議会いわゆる中医協の森田朗会長よりご説明いただいて、質疑応答を行いました。その後、お手元に資料が配付されているかと思いますが、IT予算について審議を行いました。

 

 まず、森田会長のプレゼンテーションに続いての質疑でありますが、委員の方のお名前は伏せて申し上げます。

 

 お一 人の委員の方は、医薬品についてはジェネリックだけではなく、費用対効果を考えて処方するガイドラインの策定はできないか。一般に医薬品について、費用対効果をしっかり考えるべきだと、こうしたご意見でした。

 

 続いて、また別の委員の方は森田会長へのご質問が2点ありました。1点目は、いわゆるかかりつけ医について、それぞれの地域のかかりつけ医の役割は大変重要だが、まだかかりつけ医はあまり普及していない。かかりつけ医を今後、地域に根づかせ普及させるには、どうすればいいのか。これに対して、森田会長からは、かかりつけ医については、中医協もその導入に前向きであり、現場の先生方も、その必要性を認めてきていると。続けて、このかかりつけ医を制度として定着させるためには、大学における専攻として、内科や外科等と並んで、例えばイギリスにおける総合家庭医のような専門医のカテゴリーを創設することも必要なのではないか、このようなお答えがありました。

 

 この同じ委員の方は、もう1つ質問されて、医療費のいわゆる効率化、適正化については、診療側、すなわち医療サービスの提供側の果たす役割が重要だ。過剰投薬の回避等を例として挙げた上で、その点については、どのようにお考えなのか、このような質問をされて、それに対して森田会長からは、とりわけ地域における在宅の医療、介護の関連では、医療従事者間での情報の共有が今はまだ難しいが、今後本日の2番目の議題にあるようなIT技術がかなり貢献し得るのではないか。こうしたお答えがありました。

 

 次に、また別の委員の方からは、かかりつけ医制度は平成26年改定で創設されたが、その認定の要件すなわち算定要件が厳し過ぎてなかなか認定がとれない。要件のハードルを下げる方向はあるのかというご質問がありました。これについて、森田会長から、要件を下げるかどうかというのは、自分はわからないというお答えがございました。

 

 それから、また別の委員の方と森田会長とのやりとりです。この委員の方からは2点、質問がございました。1点目は、かかりつけ医に対するアウトカム加算は可能なのか、どうすれば可能になるのか、2点目はこのようなアウトカム加算のアウトカムは、実際にどのようにしてわかるのか、このようなご質問でした。これに対して森田会長からは、具体的な例として、イギリスのNHSすなわちナショナル・ヘルス・サービスのかかりつけ医のアウトカムは、診療した100人の高血圧患者のうち、80%の患者が血圧が下がるといった好成績を上げた場合には加算。それが9割下がったのであれば、さらに加算という、数値で具体的に測ることができる。このように、やろうと思えばやれるのではないか。このようなお答えがございました。

 

 同じ委員の方は、もう1つ、日本では新薬ができたときの保険収載がすぐにできる一方、ドラッグラグが欧米と比較して2、3倍あるのはなぜか、このようなご質問をされました。それに対して森田会長からは、ドラッグラグには、新薬が申請されたときの審査ラグと、海外でつくられた薬の日本メーカー側の申請ラグがあり、審査ラグは海外と遜色ないが、申請ラグはまだ短縮化する余地がある。これは日本のマーケットが、海外製薬会社にとって、どの程度魅力的であるかという問題でもあるし、また、日本国民の意識の問題でもある。概ねこのようなお答えがございました。

 

 その次に、もうお一人の委員の方は、ITの活用ということをよく耳にするが、ITが医療の世界で果たす役割、可能性について、どのようなものがあるのかとご質問をされまして、それに対して森田会長から、海外の事例の紹介がございました。スウェーデンでは、ある病院で何か手術を行った場合、術後がどうなるかという、その成績が公表されている。手術後の患者の状態という具体的なアウトカム、それが好成績になるよう、向上に努めている。いろいろなデータを使って、国民がその成績にアクセスできるような形、ITの活用の可能性はそのようなところにある。このようなお答えでした。

 

 それから、また別の委員の方のご意見です。包括払いを1日当たりだけではなく、1疾病当たり、あるいは急性期だけでなく慢性期まで広げていき、包括払いをさらに拡大していくべきであると自分は考える。このようなご意見でした。

 

 次に、また別の委員の方と森田会長とのやりとりです。費用対効果は、常にいろいろなところで言われることであるが、医療の場合は、費用は金額がはっきりしている一方、効果の金銭的な評価は難しい。この点についてはどのように思われるか。こうした質問に対して、森田会長からは、医療行為の効果について、1つわかりやすいものとして、イギリスのNICEという機関が開発した指標がある。例えば、交通事故など、難しい症状で、一命はとりとめたという場合に、単なる延命という効果だけでなく、クオリティ・アジャスティッド という生存の質も評価している。死ななかったということはゼロと1ですが、一命をとりとめたとしても、その後の患者のクオリティ・オブ・ライフに天地の開きがあるわけです。ですから、そのところも加味して医療行為のアウトカムを評価している。そのような方法もあるというお答えを頂きました。

 

 次に、もうお一人の方から、発生確率は高く、診療費も安いというものについては、保険の適用範囲を少し絞ってもいいのではないか。医療をファイナンスする財政が非常に厳しいわけですから、我々としては、発生確率は低くても非常に医療費がかさむところにリソースを回す。そのために頻繁に起こっても、医療費自体は相対的に安いというものについては、保険の適用範囲を少し狭めることも選択肢として考えるべきではないかというご意見がありました。

 

 最後にもう1つ、診療報酬は、点数1点あたり10円ですが、医療の価格であれば、素直に円で表現して、国民にわかりやすくするということもいいのではないか、このようなご意見もありました。

 

 以上が、森田会長のプレゼンテーションをめぐる本日の審議会でのやりとりです。

 

 続けて、私から今日の審議会の後半も説明させていただきます。テーマはITです。ただいまと同じようなやり方で紹介させていただきます。まず事務局からの説明、説明資料はお手元にあるかと思いますが、それに対して、お一人の委員の方から、そもそも政府部門、公的部門でIT投資をするのであれば、IT投資によって、どれだけ行政サービスが向上したのか、また、業務が効率化されたのか、それが明らかにされなければいけないという意見がありました。

 

 続いて、また別の方のご意見です。この委員の方も、最初の方と基本的には同じようなことかと思いますが、IT投資をしたことによって、政府部門の仕事全体のあり方がどのように変わったのかをはっきりしないといけない。このようなご意見でした。

 

 次に、また別の委員の方のご意見です。この方は、民間部門でも同じだが、政府部門でもIT化は時代の流れであり、もちろん必要だ。しかし、ITといっても、費用対効果をきちんと考えるべきである。特に更新、メンテナンス、その他の莫大な費用なども含めて総合的に考えるべき。また、IT投資の目的は、仕事、業務の効率化にあるということも忘れてはならない。このようなご意見でした。

 

 次に、また別の委員の方のご意見です。この方は、IT投資というのは確かに1つの大きな論点であるから、今後も財審できちんと財政と政府部門におけるIT投資の関わりを見ていかなければいけない。このようなご意見でした。

 

 それから、もうお一人別の委員の方は、既に紹介した他の委員の方のご意見と重なるところもありますが、やや抽象的な表現で、IT化、クラウド化といった手段を追求するのではなく、目的を設定し、評価していくことが重要。この場合、IT投資の目的は、明らかに業務の効率化やサービスの向上にあると思うが、その点を明確にして、きちんと費用対効果を見ていく。何人かの方が同じような意見を表明されていますが、このようなことをおっしゃいました。

 

 それから、もうお一人別の委員の方、この方も基本的には同じです。本来の目的は、業務の効率化、これがIT投資の目的ですから、IT化自体が目的になるのはおかしい。本来の目的を忘れないでほしい。このようなご意見でした。

 

 私からは以上であります。

 

〔質問〕   前半の中医協会長の話ですが、いただいた資料1にある4ポツで、現在の医療費の支出には削減できる部分があり、医療費の抑制には、現在の診療報酬制度を見直し、抑制可能な部分の削減を行うべきとあります。この抑制可能な部分の削減ついて、何か具体的な議論が今日はあったのでしょうか。

 

 その後段の、医療、保険の実態についての詳細なデータを収集し、エビデンスに基づいて改革を図るべきであると、このような提言についての意見や議論も本日はあったのでしょうか。

 

〔吉川分科会長〕  医療費の削減について、数字はもちろん、具体的に森田会長から踏み込んだご発言はなかったと思います。

 

〔質問〕  委員の方々からの質問や提案も、特になかったのでしょうか。

 

〔吉川分科会長〕 はい。先ほど委員の方々のご意見、ご質問をご紹介したわけですが、医療費の削減について具体的にこうすべきだといった話は、特になかったと思います。

 

〔質問〕 もう1点、IT投資についてですが、こちらは費用対効果を明らかにすべきというご意見があったということですが、まず、前提として、IT投資をすること自体についての反対意見はなかったという理解でいいのでしょうか。

 

〔吉川分科会長〕 多くのご意見として、今のこの時代、技術の変化の中で、基本的にIT投資は必要であるということは前提としてあると思います。IT投資に対して真っ向から反対というご意見ではないと思います。

 

 ただし、繰り返し何人もの方がおっしゃっいましたが、ITだからといって、ただ投資すればいいというものではない、注意しなければいけないというご意見もありました。つまり、ITというのは、導入時のコストだけではなく、メンテナンスや更新、後々にかかるコストもあるというご意見を先ほど既にご紹介したと思います。手放しで次々にやればいいと、そのような単純な話ではないというご意見です。

 

 その際に問題になるのは、既にご紹介したとおり、結局費用対効果ではないかと皆さんおっしゃいました。IT投資は自己目的ではなく、政府の場合では、業務の効率化、国民へのサービスの向上が目的であるわけだから、IT投資が、具体的にその2つのどのようなところにそれぞれ資するのかを明確にしながら、費用対効果を精査していくべきだという、このようなご意見が多かったと思います。

 

 委員の方の中には、現在の実額はともかく、今後、財政が厳しい中で、IT関連の費用も小さくはないので、費用対効果をきちんと見なくてはいけないと、このようなご意見でした。

 

〔質問〕  今の費用対効果は、効率化も効果の1つだと考えると、金額面もしくは財政面だけで比較できる部分とそうではない部分があると思うのですが、そのような点についての議論はありましたか。

 

〔吉川分科会長〕 具体的に非常に立ち入ったことはありませんでしたが、効果の部分が、必ずしもはっきりしていないのではないかというご意見を、既に紹介いたしました。つまり、政府がIT投資をした。それによって、具体的に人件費でもいいですが、どれくらい効率化されたのかという部分が、必ずしもはっきりしていない、そのようなご意見が複数あったということです。

 

 〔質問〕 財審と直接的に関係のない質問ですので、少し申し訳ないのですが、先日開かれた政府の諮問会議では、さらに成長を加速させることで税収増を図っていこうという、成長依存の構図が浮き彫りになってきたように思うのですが、これまでの財審の議論と比べると、随分温度差があるように感じます。このあたりについて、もし思うところがあればお伺いしたいです。

 

〔吉川分科会長〕 これは毎回、皆さんにお話ししていることなのですが、ここでの記者会見では、少し前に開かれた会議の概要を皆さんにできるだけ正確にお伝えすることが、私の役割ということでやっていますので、今の質問には直接お答えすることはできないということになります。

 

 我々としては、諮問会議での議論は諮問会議の議論、財審としての考え方を建議としてまとめていく。そのために今日もヒアリングを行ったと。そういうことです。

 

〔質問〕 今後の財審の進め方なのですが、次回はどうですか。また何か有識者ヒアリングなどはされるのですか。それとも建議に向けて、何か取りまとめなど。

 

〔吉川分科会長〕 日付は、まだ公表しないということですが、我々は建議に向けて、各論的な議論を積み上げてきました。これは先ほどのご質問のときにも少しお答えしましたが、我々としては建議をまとめるということですので、次回から建議の取りまとめ作業に入ります。それが財審のスケジュールになります。

 

〔質問〕 診療報酬の点数の話なのですが、今現在、1点10円換算になっていますが、これをいっそのこと円にすればいいのではという意見が委員の方からあったということですが、これに対して何か話の広がりが今日の議論であったのかどうか、そしてまた今後、この話を議論する可能性があるのかどうか、念のために伺えますか。

 

〔吉川分科会長〕 特に広がりはなかったです。むしろ、皆さん、どうお考えになるのか。皆さんで議論していただければと思います。言わんとすることは、つまり、45点ではなく、450円にしたらどうですかと、そのようなことだったと思います。

 

〔質問〕 中医協が今後取り組む課題の例なども書いてあるのですが、このあたりのご説明は、森田会長から特にはなかったのでしょうか。

 

〔吉川分科会長〕 資料はお手元にあるとおりですが、こちらは何ページもありますから、特にこの点についてということはありますか。

 

〔質問〕 中医協が今後取り組む課題の例というのが後ろの方にあるのですが。

 

〔吉川分科会長〕 特に詳しいご説明はなかったですね。森田会長ご自身が用意された、お手元の資料1に沿って、主として説明されました。 どうもありがとうございました。

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