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財政制度分科会(平成27年5月11日開催)記者会見

平成27年5月11日
財政制度等審議会 財政制度分科会


〔吉川分科会長〕 私のほうから、本日の会議の概要をご説明させていただきます。

 

 本日の15時から18時まで、財政制度等審議会 財政制度分科会を開催いたしました。本日は各論ということで、地方財政、文教・科学技術及び社会資本整備の審議を行いました。資料については、皆さん、ご存知だと思いますが、今日の会議では、それぞれ資料を説明していただいた上で、委員で質疑を行ったということです。

 

 まず、地方財政について、いつものとおり委員のお名前は伏せて、私から1人の委員、また別の委員と、そのような言い方でご意見を紹介させていただきます。

 

 地方財政について、まず、お一人の委員から、3つご意見がございました。まち・ひと・しごと創生事業費がかなり増えている。お手元の資料では、地方財政の5ページにあったかと思いますが、これについては事前事後のチェックが重要だというご指摘。次に、第2の論点として、少しでも財政に余裕が出たら、必ず債務の圧縮を行うルールが必要というご指摘。最後に、この2番目の点と関連してということですが、地方は、お手元の資料にもある通り、債務残高は横ばいになっているが、人口は減少している。したがって、1人当たりパーキャピタで見ると、債務残高が拡大傾向にあり、危機感を持つべきだ。よって、2点目に戻りますが、財政に余裕が出たら、必ず債務の圧縮を行うといったルールが必要と、こうしたご意見を述べられました。

 

 次に、また別の委員の方のご意見です。この方も、3つご意見を述べられました。第1点は、リーマンショック後の危機も終わって、地方税収もかなり戻ってきている。したがって、そもそも危機対応であったはずの歳出特別枠は廃止すべきだ。こうしたご意見を述べられました。

 

 同じ委員は、第2点目として、まち・ひと・しごと創生事業費については、今後、その成果を注視していくべきだ。その配分についても、成果がいいところには出すにしても、言葉はちょっと悪いですが、何もしないところに、ただお金を渡すというのは問題だと、このような趣旨のことを言われました。

 

 同じ委員の方、第3点として、お手元の資料にもありますが、IT化については、大きな団体ほど遅れている。政令市などにもっと促していくべきだ。こうしたご意見を言われました。

 

 次に、また別の委員の方、この委員の方も3つの論点について、それぞれご意見を述べられました。まず第1点、地財計画については、総額で決められているので、これを抑えるためには、マクロレベルでその総額にキャップをはめていくことが必要だ。こうしたご意見を言われました。

 

 2点目は、前の委員の方と重なりますが、財源不足が解消した場合には、必ず借金を返済するルールをあらかじめつくっておくべきだ。

 

 それから、3点目、これも既に複数の委員の方が指摘されましたが、地方創生絡みの経費は注視する必要がある。放っておくとたがが緩んでしまう。そうしたいわゆるばらまき的なことになる危険性があるのではないか、このようなご指摘でした。

 

 次に、また別の委員の方のご発言です。実はこの委員の方のご発言も、既に紹介した何人かの委員の方と重なりますが、まち・ひと・しごと創生事業費については、取組の必要度が高い、つまりは数値が悪いところと成果が上がっているところ、両方にお金を出すということになっているが、それでは端的に言うとばらまきに近いのではないか。こうしたご指摘でした。やはり、それぞれの地方団体が努力をしていく、そうしたインセンティブに働きかける工夫が必要だ。このようなご意見でした。

 

 次に、また別の委員の方のご発言です。この委員は、地方の一般財源総額については、これまでの中期財政計画では総額確保とされてしまったので、歳出特別枠も廃止できなかった。この夏に策定される財政健全化計画においては、一般財源総額の水準をきちんと精査する必要がある。

 

 同じ委員の方は、もう1つ発言をされて、内閣府の中長期試算では、財源不足の解消後は債務の返済に充てる想定になっているが、これが共有されているか疑問だ。しっかりと問題提起して、債務の返済に充てることを担保する必要がある。こうした発言をされました。

 

 次に、もうお一人、別の委員の方のご発言です。この方は、既に何人かの方が述べられたことではありますが、まち・ひと・しごと創生事業費が上乗せされている。地方創生が進んでも進まなくても交付税を受け取れるような仕組みはおかしい。やはり地方の努力が必要だ。そのインセンティブをどのように確保しているのか。このような問題提起でありました。

 

 次に、もうお一人、別の委員の方のご発言です。この委員は、2点ご発言がありました。まず第1点、マクロ経済の好転を踏まえれば、別枠加算、歳出特別枠は廃止すべき。また、財源不足解消後は債務返済をきちんと行うべき。第2点、この方も、まち・ひと・しごと創生事業費は、取組の必要度、つまり困っているからお金をあげるというのではなくて、取組の成果によって、頑張っているところを応援する、そのような形へシフトしていくことが重要。こうした発言をされました。

 

 次に、また別の委員の方は、この方もまち・ひと・しごと創生への取組にはかなり疑問がある、このようなお話でした。その内容は既に紹介した他の委員の方々のご発言と問題意識は同じだということだと思います。

 

 次に、また別の委員の方のご発言です。この方は、ご発言が2点ありました。1点目、地方の公金預金は2009年の20兆円強から、2014年末で34兆円まで増えている。これは一体どうしたことかというのが、1点目です。

 

 同じ委員の方は、第2の論点として、地方の歳出の中身をはっきりさせることが大事であって、個別の事業についても、決算との乖離など、1つ1つ詰めていく。予算決算、特に決算をちゃんと見るべきといったことを問題提起されました。

 

 次に、また別の委員の方も、財源不足が解消したときには、債務の返済を確実に行っていくべきだ。こうしたご発言をされました。

 

 もうお一人、別の委員の方のご発言です。2点あります。1点目は、端的に、歳出特別枠は当然に廃止すべきだ。2点目、この方は、資料にもありましたが、個別の事例として、資料にありますが、救急車を利用したが、結果として救急ではなかった場合には、ある種の使用者のモラルハザードということですから、ペナルティを課して、有料化するといったことがあってしかるべきだ。このようなご発言でした。

 

 最後に、もうお一人、別の委員の方は、民間の企業の経験からすると、予算よりも決算のほうが圧倒的に重要であり、地方歳出についても、決算を重視して、見直しを行うべきだ。こうしたご発言でした。

 

 以上が第1のテーマ、地方財政についてです。

 

 本日第2のテーマ、文教・科学技術について、同じ要領で委員の方々のご発言を紹介させていただきます。

 

 まず、お一人の委員の方から2点あります。まず、18歳人口が減少傾向にある中で、国立大学の教員数は増えている。教員が増えることは教育の多様性という観点からは一定のメリットがあるのかもしれないが、教育の質確保という観点から問題がある。こうしたご発言でした。次に、研究開発費に関して、海外では研究費の申請時に、その研究が経済社会に与えるインパクトを記載する仕組みがある。こうした例からもわかるとおり、ある研究が実際に社会のどれくらい影響があるかを説明する仕組みが日本でも求められる。このようなご発言でした。

 

 次に、また別の委員の方のご発言です。この委員の方は4点ご発言がありました。第1点目、これはある意味で当然ですが、教育の問題、これは未来の人材を育成するという意味で大切な歳出である。その際、一番大事なのは質の向上、これが不可欠である。第2点目、これは資料の5ページになります。日本の学級規模は大きいが、海外に比べて担任外教員の数が多い。つまり、担任外教員を学級担任として活用し、学級規模を小さくするという選択肢を個別の学校レベルで持っている。加配定数がどのように使われているのか、その効果を検証する必要がある。こうした指摘をされました。

 

 第3点目、国立大学の授業料は横並びという現状があり、各国立大学の特色に応じて差を設ける、一度私立並みに引き上げた後、所得水準の低い家庭の学生を中心に負担軽減などの優遇措置を講ずる取組が必要だ、こうしたご発言でした。

 

 同じ委員の方は、最後に資料21ページですが、日本が企業から大学への資金の流れが相対的に少ないのはなぜなのか、今後調べていく必要がある。こうしたご発言でした。

 

 次に、また別の委員の方のご発言です。少人数学級の是非については、そもそも少人数学級が常に望ましいのか。少人数であるからといって、必ず教育の質が向上するのか。そもそも論ですが、そのこと自体が自明ではないという立場から、これからも検証を続けるべきである。こうしたご意見でした。

 

 次に、別の委員の方のご発言です。この方は、本日は予算について質疑を行ったわけですが、実は企業関係の研究開発減税もあり、R&Dにイヤーマークした減税とは、研究開発の補助金のようなものであるから、研究開発に関する国の関わり方を考える場合には、予算面だけではなくて、そうした研究開発減税も視野に入れておく必要がある。このようなご指摘でした。

 

 それから、別の委員の方のご意見です。この方は、研究開発については、産学官の連携を進めていかなければならない。企業がR&D、すなわち研究開発を活発に行うためには、いわばそれがやりやすいような環境が整っていなければいけない。具体的には、創薬、新しい薬をつくるような場合には、ご存じのとおり、治験について、企業の立場から見て使い勝手がいい環境がなければいけないだろう。そうした例も挙げ、国家戦略特区も活用しながら、さらなる産学連携を推進すべきだ。一般的には、民間企業の研究開発が活発になるような環境整備も必要。このようなご意見でした。

 

 次に、もうお一人、別の委員の方に移ります。この方は、論点が2点あります。第1点、日本では教員の勤務時間が長いが授業時間は少ない。子供にとって大切なのは、当然、授業であるわけですから、どこか今のやり方を見直すべきではないだろうか。こうした問題提起ですね。

 

 この同じ委員の方は、第2点、少子化が進行しているにもかかわらず教員数は減少していない。一方で、採用倍率は低下してきている。低下している採用倍率に見合った採用数にすべきではないか。そのためにも、事務局資料の教職員定数合理化計画のように数字で中長期的な議論を財審として提示することは重要だ。こうしたご意見でした。

 

 次に、また別の委員の方のご発言です。この方は、今の日本の教育制度だと、なかなか人材力は向上しない。教育については、やはり質の議論が極めて重要。こうしたご意見でした。

 

 次に、もうお一人、別の委員の方のご発言です。日本では、先ほどもお一人の委員の方が発言されましたが、産学官の連携が必ずしもうまくいっていない。行政の縦割りも見直しながら、予算配分の際に、産学官の連携が促進される仕組みをつくる必要があるのではないか。このようなご発言でした。

 

 次に、もうお一人、別の委員の方のご発言です。小中学校では、教えること以外の雑務が多いために現場の負担感は高い。これまでもこの点を改善すべきと提言してきているけれども、この点の取組が十分と言えるのか疑問。改めて問題提起をされました。

 

 もうお一人、別の委員の方のご発言です。この方は、18歳人口がこれだけ減っているにもかかわらず、大学の入学定員は微減しかしていない。そもそもどれだけの高等教育の総量が必要なのか検討することが必要だ。こういうご意見でした。

 

 次に、もうお一人、別の委員のご発言です。この方は、初等教育の質を上げること、これが必要だということは言うまでもない。そのために教員の数を増やせば、それで質が上がるかというと、もちろんそう単純にそのようなわけでもない。これも我々の間ではコンセンサスがある。こうしたご意見でした。

 

 以上が文教・科学技術です。

 

 最後に本日の3つ目のテーマである社会資本整備について、委員の方のご発言を紹介させていただきます。

 

 まず、お一人の委員の方から、インフラ長寿命化計画の策定を進めることが重要だ。総務省主導で策定することとなっているというのは、お手元の資料にもある通りですが、その取組状況をしっかり評価していくことが必要だ。

 

 次に、もうお一人、別の委員の方のご発言です。社会資本整備について、ほかの分野でもそうかもしれないが、とにかく地方に前向きのことをやってもらうためのキーワードは、インセンティブだ。こうしたご意見を述べられました。例えば、コンパクトシティを進める。PPP、PFI、コンセッションなどに取り組むという場合に、地方が積極的に取り組もうというインセンティブがないと地方はやらないだろう。そのようなインセンティブメカニズムをビルトインすることが大事だ。このようなご発言でした。

 

 次に、また別の委員の方のご発言です。配付されている資料にもある通り、建設業においては担い手不足の問題がありますが、担い手不足の問題は建設業だけではなく、運輸やサービス部門等でも生じており深刻だ。職業教育が重要だ。このようなご発言でした。

 

 もう一人、別の委員の方は、インフラ長寿命化計画の策定を進めていく中で、先行的に策定した計画のベストプラクティスをどんどん他の自治体の計画に盛り込んでいかなければいけない。ベストプラクティスを広げていくストラテジーが必要だ、このようなお話でした。

 

 それから、別の委員の方は、資料5ページにある老朽化対策費用とは、13年のいわばコンスタントプライスでデータが出ているが、今後、物価が上昇していくことを考えると、老朽化対策費用はさらに増加する可能性がある。増加する維持管理・更新費用を考えると、一層の選択と集中が必要だ。こうしたご意見でした。

 

 次に、もうお一人、別の委員の方は、例えばPFIは地方自治体が中心となって行うが、なかなか進まない。進まない理由としては、国の財源保障がある、このことがPFIを阻害しているのではないか。前に紹介したお一人の委員の方から、一般論として地方自治体に前向きなことをやってもらうためにはインセンティブが必要だ、このような話なわけですが、やらなくてもお金がつくのであれば、誰もやろうとしないだろう、わかりやすく言えばそのようなことだと思うのですが、この委員の方は、PFI等を普及させる、促進するためには、国の財源保障がむしろ阻害要因になっているのではないか、このようなご指摘でした。

 

 もうお一人、別の委員に移ります。この方は、公共事業そのものについて、本当に必要な公共事業はどの程度あるのか、そこから議論を開始する必要がある。このようなご発言でした。

 

 次に、もうお一人の委員の方のご発言です。この方も、前に紹介した方とほとんど同じ意見になりますが、PPP、PFIの利用を阻む最大の問題は手厚い財源保障を地方財政制度で行っていることである。財審として、その問題点を指摘し、そうしたことがないようなインセンティブメカニズムを構築すべきだ。このような主張をしていくべきだ。この委員の方は発言されました。

 

 もうお一人、別の委員の方のご発言です。道路等有料を続けるとすれば、それは新しい道路をつくるためではなくて維持管理をするために必要な範囲に限定すべきだ。このようなご発言でした。

 

 私のほうからは以上です。

 

〔質問〕 ありがとうございました。2点ほど。まち・ひと・しごとの事業に関しては、かなり辛口が多かったと思うのですが、評価する向きはあったのでしょうか。

 

〔吉川分科会長〕 私としては、ニュートラルに会議の概要を皆さんにお伝えしているわけですが、積極的にはなかったです。

 

 一方、もちろん数は数えていませんが、皆様方に会議の概要をお伝えしたわけですが、ご指摘のとおり、かなりの数の方から、ある種の懐疑論というのですか、ちゃんとパフォーマンスをしっかりと見ていく必要があるという指摘は出ました。

 

〔質問〕 あともう1点、小中学校の教員定数の件ですが、大体合計すると4万2,000人ぐらい合理化ができるのではないかという試算が示されましたが、その数字についての評価はいかがでしたか。

 

〔吉川分科会長〕 数字に関する議論は、今日の質疑の中では出ませんでした。

 

〔質問〕 救急車の有料化の件ですが、非常にいい提言だと思うのですが、実際にこれが実現するかどうかを考えると、日本の場合はかなり極端な意見が出て、貧乏人は使えないのかといった反発等も出てくると思うのですが、最終的には市町村の条例改正等で決まっていく話だと思うのですが、吉川先生は実現可能性についてはどう思われますか。

 

〔吉川分科会長〕 私が実現可能性について発言する場ではないと思うのですが、ご質問いただきましたので、若干申し上げますと、本日の資料にもありましたし、先ほども紹介したお一人の方のご発言もあったわけですが、まず第1に救急車を全部有料にしろという話ではなかったです。

 

 問題意識は、議論の出発点は、救急車を使って、恐らくは救急病棟に行くということなのでしょうが、実は救急でなかったというケース、それが結構あるということです。救急車を使って救急病棟に行って、救急だったというのであれば、それはそれで本来の目的を果たしているということなのでしょうが、問題の所在は、極端な場合、風邪なのだが救急車を呼んで、救急病棟に乗りつけた。これは極端かもしれません。しかし、皆無ではないと聞いています。救急は医学的に判断されるべきことかもしれませんが、そうした場合については、事後的にある種のペナルティのように、かかった費用については、ある範囲内で本人負担してもらってもいいのではないか。どれだけというところまでの議論は本日していません。ただ、繰り返しになりますが、救急で、少なくとも事後的に見たときに、救急でないのに救急車を呼んで、救急病棟に行ったという場合については、ある範囲内で本人負担があってもいいのではないか、このようなご発言でした。

 

 それについては、本日の審議会の委員の方々は、積極的にそうだとまではおっしゃらなかったですが、それは当然、検討に値するだろう、そのようなご意見の方が多かったと私は考えています。そこから先、いつそのようなことが実現するのかは、地方の問題もあってあれですが、財審としては検討に値すると考えているとお考えいただければと思います。

 

〔質問〕 まち・ひと・しごと創生事業費でお伺いしたいのですが、お話の中では、配り方に対して意見が出たように思うのですが、創生事業費の総額そのものについては、減らすべきであるといった意見は出たのでしょうか。

 

〔吉川分科会長〕 後でよく見ていただくと、先ほど紹介した中でも、そもそも論で総額どうだというのが、正面からそれに関するご発言は必ずしもなかったと思うのです。ですが、財審の問題意識としては、財政が非常に厳しい中で、また違ったコンテクストですが、よく聞いていただきたいのですが、まち・ひと・しごと創生事業とは少し異なったコンテクストかもしれませんが、財政に余裕が出たときには借金をしっかりと返しなさい、債務を少し減らすほうに回しなさいというのは複数の委員の方からご発言がありましたよね。まず、そのような考え方があるわけですが、そのような中であえて今回、このようなスキームをつくったわけです。非常に厳しい中であえてつくったのであれば、本当にいい使い方をしてもらわなければ困るというのが随分たくさんの方々のご発言だったと思います。この総額がいいとか、十分だとか、足りないとか、そのような話は具体的にはしませんでしたが、本日の我々の審議会の議論の流れは、今私が説明させていただいたようなことだったと思います。

 

〔質問〕 もう1点、同じような話で。まち・ひと・しごとの成果が出るのには、数年単位で時間がかかるという見方もありますが、今の話の中で、成果が出たところに配るべき。インセンティブとして配るべきであるというお話があったのですが、そことの関係は、皆さん、どのようにお考えなのでしょうか。

 

〔吉川分科会長〕 そうですね、主計官にも補足していただきたいのですが、委員の方のご発言からすると、途中で修正するということも考えろというご発言だったと思うのですが、その辺りのタイムスキームというか、何年とかですね、少し補足していただけますか。

 

〔青木主計官〕 たくさん出たご議論の中で、配分の問題は成果主義だということを強調される方もいらっしゃいましたし、現在の制度が、成果よりも必要性のほうが多いですから、それを成果主義に変えていくという、時間軸の中でそのようなご議論もありました。両方ありました。

 

〔質問〕 今日までの議論で、前回の社会保障もありまして、歳出項目の大どころの議論が一巡したわけですが、明日から政府の経済財政諮問会議や自民党の特命委員会ということで財政再建についての議論が本格化されていく中で、これまでの財審での議論が諮問会議やほかの議論に、どのように活用されるかなど、そのようなことに対する期待があれば一言伺いたいのですが。

 

〔吉川分科会長〕 我々のこの審議会の役割は言わずもがなで、麻生財務大臣に建議という形で我々の意見を集約してお渡しするわけで、ご存じの通りですが、諮問会議では、麻生大臣がもちろん出席されて、我々の意見も生かすような形で発言していただけると、そのようなことを当然期待しているわけです。これだけの時間を使って、委員の方々もお忙しい中集まって、熱心に議論してくださる。今日だって3時間コースですからね。飛行機で東京から沖縄より遠くまで飛ぶだけの時間を、みんな座って熱心に議論されているわけですから、それは何らかの形で国の財政再建に生かさなければ、委員の方々も納得されないでしょう。そのような意味での期待は当然あります。

 

〔質問〕 確認させてください。文教・科学予算のときの、資料7ページの考え方、つまり、標準学級当たりの加配教員数を維持した場合の教職員定数の合理化の考え方、これを支持する委員の先生はいらっしゃらなかったということでしょうか。財務省の提案ですと、標準学級当たりの加配教員数が、これまでと同じ、つまり、学級当たりで加配教員数が増えないようにした場合の全体の教職員は、ここまで合理化できますよという考え方が、ここで披露されていると思うのですが。

 

〔吉川分科会長〕 紹介した中で、こうした削減案を支持するといったことのご発言があったと思います。お一人の委員の方が、初等教育の質を上げることが大事というのは、これはもう財審のコンセンサスですねと。それから、ところでという感じですが、そのために教員の数を増やすことで質が上がるかというと、必ずしもそうではない。これも財審の委員の、我々の間ではコンセンサスですということを紹介させていただいたと思うのですが、その同じ方が、今ご質問のあった7ページについて言われたのは、文科省と財務省で教員数の加配数が大きく異なっているのは、一体何なのだと。ここで文部省側はどのような説明をしているのかという問題提起はされているのですよね。ですから、そのような形でお一人の委員の方が発言されていると。この点、もしあれでしたら、主計官から補足で何か。

 

〔井藤主計官〕 この点については、財審の累次の議論でも似たような議論をしていただいているわけですが、基本的には、細かく3万7,700人がどうかとか、4,000人がどうだとかいう議論はなかったのですが、概ね考え方については異論がなかったように私は理解しております。

 

〔質問〕 教職員の定数ですが、可能であれば、吉川先生ご自身のお考えも、あわせてお聞きしたいのですが。

 

〔吉川分科会長〕 毎回、この会でお話ししているのですが、ここは私の個人的な意見を述べさせていただく場ではない。そのようなことでご理解いただけないでしょうか。

 

 ただ、私のこの立場ですから、財審で今までどういう議論をやってきたかということ、ある種、復習みたいなことで言わせていただければ、財審としては、それは今日、既に紹介した方のお一人の方が、そういうご意見を述べられていたと思いますよ。つまり、今日の資料というのは、例えば学級当たりの人数とかが、そのようなことで、教師の数で問題にしているのですが、過去の財審の議論では、そもそも論として、本当に1学級の先生1人当たりの子供の数が少ないと、教育の質が上がるのかどうか。それは決して自明ではないという議論をやってきています。幾つかの過去の復習を今お話ししているわけですが、幾つかの異なったイシューについて、そのような議論をやっていて、皆さんご存じのとおり、小学校や何かの統廃合の問題のときには、あまりに少なくなり過ぎて問題が生じている。これは確かに極端な場合かもしれません。例えば、1つの小学校で15人しかいないといった過疎のようなところだと、本当にそれが子供の教育にとっていいのかという問題がある。しかしこれは確かに極端な例かもしれない。

 

 それほど極端でない場合、これが第2点ですが、皆さんも過去の財審の議論、あるいは資料を覚えていらっしゃる方は、いわゆる学力テストのパフォーマンスという形で数量化された資料で、俗に言うエビデンスベーストの議論という感じでした場合にも、先生1人当たりの生徒の数が少ないと、端的に言って成績が上がるという明確なエビデンスはないという意味でも、そもそも自明でないというところがあるわけです。

 

 今、我々が議論している、具体的な範囲で、もちろん1人の先生が150人見るということになってくれば、それはもうあれですが、そのような極端なことを言わずに、今私たちが問題にしているような範囲内で言えば、そのことは自明ではないし、検証すべきだという議論は、今日、1人の委員の方からご発言がありました。

 

 それと、もう1つ、今日の配られた資料で言っているのは、日本の先生、よく1人の先生がクラスの中で何人の生徒を見るのかという形で、この問題が議論されるのだが、実は担任外の先生もかなりいるということがあって、そのような先生方を、個々の学校が実情に応じて活用するという余地はあるのではないか。それが、今日、事務局提出の資料の中にもあった議論なわけです。

 

 ですから、そのようなことも含めて、幾つかの論点はありますが、財政が厳しい中で、先生の総数を減らすなというだけの議論ではおかしいのではないかというのが、財審の大きな立場だとお考えいただけないでしょうか。

 

 ただ、強調しておきたいのは、今日の議論の中でも、複数の委員の方々からご発言あり、これは言わずもがなですが、教育の場合、その質が非常に大事だ。また、教育は将来にとって、国にとって大変大切な投資だというのは、何人かの方が発言されているわけで、非常に大事だということは、それも財審の委員の方々のコンセンサスだと。その大目的を達成するために、先生の数と、それを減らすなということが本当に有効な手段なのかどうか、そこはしっかり議論する余地がある。それが財審の立場ですね。

 

〔質問〕 ほかにございますか。では、ありがとうございました。

 

(以上)

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