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財政制度分科会(平成27年4月27日開催)記者会見

平成27年4月27日
財政制度等審議会 財政制度分科会


 

〔吉川分科会長〕 それでは、いつものとおり、私から、会議の概要を、まずお知らせします。

 本日13時より財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたしました。本日は、社会保障について、事務局よりご説明していただきました。

 いつも通り、お一人ずつ、委員の方のお名前は伏せて、発言の主要部分をご紹介させていただきます。

 ちなみに、今日の社会保障の議論は、皆様方のお手元にある資料でも、かなり厚い資料となっていますが、前半、総論、医療、介護、後半、年金その他という順番でやってまいりました。

 まず、最初の委員のご発言ですが、社会保障を純減ではなく、伸びを抑制するという大きな方向性について、財審で合意を得る必要があると、このようなご発言がありました。

 次に、もうお一人別の委員の方からは、ジェネリックについて、既に60%近く使用されているのであれば、ジェネリックの使用を原則化していいのではないか。

 それから、同じ委員の方は、続けて、薬について、諸外国では費用対効果をチェックしているのに、日本では必ずしもそうではないようだ。これからは患者の立場に立って処方する際のガイドラインとして、薬について費用対効果を考える必要がある。このようなご意見でございました。

 次に、もうお一人別の委員の方のご発言です。この方は、資料にありました受診時定額負担については、いわゆる包括払いと整合的に進めるべきだというご意見を述べられました。

 同じ委員の方が、もう1つ発言されまして、高齢期の患者が増えてきている。それに伴って慢性病が増えている状況下では、医療をスリム化して、介護を拡充すべきだ。そうした戦略的な視点が必要である。こうしたご意見を述べられました。

 次に、また別の委員の方のご発言です。この委員の方は、お手元の資料の53ページに、普通の医療科と歯科の1人当たり医療費を都道府県別に比べた棒グラフがありますが、それをご覧になって、歯科では大阪が断トツになっているが、これはどのようなことなのか、こうした指摘をされました。

 続けて同じ委員の方のご意見ですが、ジェネリックの使用割合目標については、厚労省が国民の不安を解消するようにしっかり調べた上で、国民に周知していくことも必要。当然、財審としては、ジェネリックについては、薬効は変わらないという前提の下で議論しているということですが、それはそれとして、厚労省が国民の不安を解消するように、しっかり調べた上で国民に周知していくことも必要だ。

 同じ委員の方が、もう1つ指摘されました。生活習慣病は今後の大きなポイントである。予防医学を徹底させるべきだ。こうした意見を言われました。

 それから、次に、もうお一人別の委員の方のご発言です。今回の社会保障に関する資料では、さまざまな改革案が示されているが、こうした改革を全て行った場合、財政的にどの程度の効果があるのか、いずれかの段階で示してほしい。こうしたご発言がありました。

 この同じ委員の方、もう1つ、ジェネリックについて、これまでご紹介した他の委員の方のご発言に賛意を表されて、大変重要だと。今後、国民的な議論を進めていくべきだ。

 それから、次に、もうお一人別の委員の方のご意見です。医療負担について、ある種の不公平があるということについては、年金ほど認知されていないので、国民にもっと周知すべきである。こうしたご意見を述べられました。

 それから、また別の委員の方のご意見です。社会保障改革については、工程表をつくり、時間軸での整理をしっかり行うことが重要である。

 それから、同じ委員の方は、ジェネリックについても発言されて、後発品の収載薬価に合わせていくことが重要だ。このようなことを言われました。

 もうお一人、また別の委員の方のご意見です。この委員の方は、社会保障については、更なる重点化と効率化と、それを加速化していくことが必要な中で、とりわけ財政健全化への効果が大きい医療費の受診時定額負担、薬剤費の是正を進めるべきだ。また、ジェネリックについては、目標値をさらに高めるべきだ。こうした意見を述べられた上で、続けて、同じ委員の方は、もう1つ別の点ですが、前期高齢者医療費納付金のいわゆる総報酬割への移行については反対する。こうしたご意見を述べられました。

 次に、また別の委員の方のご意見です。社会保障の改革においては、負担と受益のバランス確保が重要だと考える。

 それから、この委員の方は、もう1点、いわゆる総報酬割について、負担の公平という観点から賛成だと、このようなご意見を述べられました。

 次に、もうお一人別の委員の方のご発言です。この委員の方は、社会保障改革において、特に地域医療構想と医療費適正化計画、地域支援事業を強く進めることが大切、このようにおっしゃいました。

 続けて、この同じ委員の方は、もう1つ、負担の適正化という観点から、高額療養費自己負担で高齢者と若年者で年齢という観点から差を設けるのは理不尽であると。高所得の高齢者には応分の負担をしてもらう必要がある。このようなご意見を述べられました。

 次に、もうお一人別の委員の方は、社会保障関係費の伸びを高齢化に伴う伸びの範囲にとどめるということだが、自分としては、高齢化に伴う伸びについても、財政状況の厳しさからして切り込むべきではないか、このように考える。このようなご意見でした。

 次に、またもうお一人別の委員の方のご意見です。今回の社会保障改革については、制度の見直しももちろん大切だが、国民の意識を変えていくことも重要。そうして国民の間でコンセンサスを形成していく必要がある。こうしたご意見でした。

 次に、もうお一人別の委員の方のご意見です。この委員の方は、年金と比べて、医療、介護についての国民の意識が低いようだ。医療、介護のいわゆる不公平について、国民にもっとデータを示して、国民の方々の理解を深めてもらう必要がある。こうしたご意見を述べられた。

 同じ委員の方は、もう1つ、経済についても制度改革についてもイノベーションを行い、2つのイノベーションを同時に行って日本を活性化していく、これが大切だ。経済、あるいは社会保障制度改革、どちらか1つだけに偏っていては必ずしも理解が得られない。このようなご意見を述べられました。

 続けて、もうお一人別の方のご意見です。この方は、社会保障については、医療、年金、子育てと三位一体で進めなければいけない。このようなことをおっしゃいました。

 続けて、また別の委員の方のご発言です。生活保護については、60%以上がジェネリックを使っているが、地域間の差などもある。とにかくジェネリックの普及をいかに図っていくかが重要な課題。このようなご発言をされ、同じ委員の方はもう1つ、子育て支援については、子育て支援の事業主負担の拡大を雇用保険料率の引下げと合わせ技で考えていくという考えもあるのではないか。このようなご発言でありました。

 次に、別の委員の方が、年金の支給開始年齢を引き上げるという、この改革は、若い世代だけに負担を求めることになるのではないか。このようなご指摘が1人の委員の方からなされたのに対して、事務局からは、支給開始年齢の引上げが若い世代にとって不利になるか否かは制度設計の問題である。必ずしもそうとは限らない。このような回答がありました。

 次に、また別の委員の方のご意見です。生活保護基準を決定する上では、個票の利用等も通して地域ないしは世帯構成、いずれについても実態に合った形で設計しなければいけない。生活保護の基準を決める上で、さらに実態を精緻に分析する必要がある。こうしたご意見でした。

 次に、もうお一人別の委員の方は、生活保護については、一旦受給すると、なかなか出口が見えず、生活保護に依存してしまう傾向もある。更新期の設定などの見直しも必要である。こうしたご意見でした。

 次に、またもう一人別の委員の方、この方は社会保障の改革について、財審としては2020年を目標にしての財政の健全化、こうした1つの大目標があるわけですから、2020年に向けての工程表をつくる必要がある。こうしたご意見でした。

 次に、また別の方のご意見です。この方は、生活保護の医療扶助の一部自己負担については、本当に医療が必要な人について、どう考えるか工夫が必要である。こうした指摘をされました。

 次に、また別の委員の方のご意見です。雇用保険の国庫負担の停止については反対。雇用保険については、国庫の一定の負担は維持すべきだ。このようなご意見でした。

 もうお一人別の委員の方のご意見です。この委員の方は、今回の財審での議論は、財政健全化計画の策定に向けて、特に社会保障については初めに削減ありきではなく、それぞれの分野における具体的な構造改革を提案することが大切である。こうしたご意見を述べられました。

 もう1つ、同じ委員の方は、雇用保険については、積立金が6兆円あり、したがって、国民の選択肢として、国庫負担を停止ないしは減額することはあり得る、こうしたご意見でした。

 本日の財審の議論についての紹介は、私のほうからは以上ですが、お配りしている資料の補足等、宇波主計官から一言。

〔宇波主計官〕 今、会長からご説明いただきました今日の議論ですが、若干、事務局から補足させていただきます。資料の9ページが社会保障の伸びに関する大きな考え方ということで、このページを含めて、私から審議会の場でもご説明申し上げました。この柱にあること、つまり、これまでの3年間の取組、1つは経済雇用情勢の好転、それから、これまでの改革などの効果、それから、医療費の効率化、このようなものと制度改革を通じて、これまで3年間、伸びが0.5兆円程度と高齢化の伸び相当の範囲内になっている。引き続き、巡航速度を維持するということでございますが、引き続き2020年に向けて、今申し上げた要素全てが相まって、5年間の伸びを、少なくとも高齢化の伸びの範囲内にしていくという考えをご紹介して、ご議論いただき、今、会長からご紹介があった形でさまざまな意見を頂戴したところであります。

 これは削減額ありきではないということは、説明の中でも繰り返し申し上げさせていただきました。そして、会長からもご紹介があったように、委員からも削減額ありきではなく、それぞれの分野における構造改革を提案することが大事だというご意見を頂戴しており、基本的には、この大きな考え方について異論がなかったかと思います。

 したがいまして、繰り返しになりますが、制度改革の部分だけ、9ページのローマ数字2の部分だけで幾らにするかとか、削減額ありきという議論は、ご紹介していません。あくまでも経済雇用情勢の好転や医療の効率化、無駄の排除といったものと、総合的に取り組んで、経済再生と財政健全化を同時に進めるという考え方でご議論をいただいたわけであります。

 したがいまして、内閣府の試算では、2020までの社会保障関係費の伸び、充実分を除きますと2つのケースで、毎年プラス0.6兆円ないしプラス0.8兆円という幅のある試算でありますが、これを前提にした議論は本日しておりません。これはご紹介もしていませんし、各委員からも、それについてのご質問はありませんでした。したがって、例えば、これを前提にして、高齢化の伸びの範囲内に何か削減額ありきにするという議論はございません。

〔吉川分科会長〕 財審の考え方は、あるいは今日の議論、先ほども紹介したのですが、このような考え方だと思っています。つまり、社会保障というのは、年金はお金を配るということですが、医療、介護になりますと医療行為、介護行為と具体的にあるわけです。今日の財審の資料、それから、議論でも偶然、私が最後に紹介させていただいた、委員の方、先ほどもう紹介済みですが、今回の財審での議論とは、初めに削減額ありきということではなくて、それぞれの分野における制度改革、構造改革を提案することが大事だ。このような発言があったのですが、多くの委員の方が、そのようなことを考えていらして、そのような発言が今日の財審の中でもあったと思っております。個々の発言については、私から既にご紹介済みなので繰り返しませんが、後で見ていただくと、例えば国民の理解を得ながら情報発信することが大切だとか、そのようなことをおっしゃっていた方もあったと思うのですね。つまり、医療や介護の分野では、多くの人は必ずしもそこまでのデータは知らない。先ほど既に紹介させていただいたのでは、1人当たりの歯科の医療費が都道府県別で非常に違っているということ、それは普通の人はそのようなデータは知らないですよね。しかし、それを見ると、なるほどこのような事実があるのか。少し変ではないか。どこか変える余地があるのではないか。良識ある人は普通そう思うのではないでしょうか。

 ですから、我々財審の立場は、初めに削減額ありきということではなくて、よく素直に考えてみると、普通の人が考えれば、変なのではないかと思うところ、それが効率化する余地と、非常に硬い表現、若干冷たい表現になっているのかもしれませんが、改革する余地ではないか。そのようなところを1つ1つ丁寧に積み上げていこうというのが財審の考え方だということです。

 今日の財審の議論の中でも、そのような余地があるだろう。ただ、それが先ほどからお話ししているとおり、普通の人は知らないですからね。今日の資料の中にもありましたが柔道整復師の給付額が産科、小児科を上回る数字になってきているということは、普通の人は知らないですよね。ただ、問題提起として、それが本当に自然なことなのかということは、素直に考えてみれば、少し改革の余地があるのではないか。そこを丁寧に積み上げていこう。そうすることによって、財政健全化へのしっかりとした第一歩にもなる。これが財審の基本的な考え方だとご理解いただければと思います。

 とりあえず、今日の会議に関するご報告は以上です。ご質問があれば、お答えします。

〔質問〕 ありがとうございます。この社会保障の伸びを5年間で2.5兆円に抑える考え方は、財審でほぼコンセンサスが得られたと考えてよろしいのでしょうか。

〔吉川分科会長〕 このような資料を踏まえて、今日議論させていただいたわけですが、それに対して、これは伸びを抑え過ぎだとか、そのような意見は出なかったと思います。ですから、そのような意味でエンドースされているということだと思います。

 先ほど、私が紹介させていただいた中では、お一人でしたが、高齢化によって伸びる部分、その部分は認めようという形、それでは甘いという、もう少し抑えたほうがいいという、そのようなご意見を述べられた方もお一人あったかと思いますが、概ねこうした考え方は必要ではないかというのは、大体コンセンサスになっていたと理解しています。

〔質問〕 恐らく主計官への質問になると思うのですが、中長期試算との比較ができない理由は何ですか。

〔宇波主計官〕 実際の医療費等の動向を見ながら改革を進めていくということを、今日は案として議論いただいています。したがって、経済成長に伴う社会保障の費用の伸びの鈍化であるとか、あるいは医療の効率化、予防の取組を進めて医療費が下がっていく様子なども取り込んでいきながら、あわせて改革を進めて、アウトプットとしての伸びを高齢化の範囲内にする。それが給付と負担のバランスをとるという観点から必要だという考え方ですので、何か全体の数字があって、そこから削減額がアプリオリに先に決まっているということではないので、内閣府の試算を紹介もしておりませんし、ご質問もありませんでしたし、それが実際の社会保障給付費とどのような関係があるかはわからないわけです。これから経済再生に取り組む、あるいは無駄の予防の推進等にもあわせて取り組む中で、社会保障費の動向を見ながら改革を進めていくという考え方を申し上げました。よって内閣府の試算は前提ではないですし、今回の財審の議論とは、そこは無関係であります。

〔質問〕 先ほど委員のご発言の紹介の中で、改革を全て行った場合に、どの程度財政的に効果があるのかを示してほしいというご意見があったかと思いますが、これについての審議会として、では今後、具体的な数値を示していくというお考えはあるのでしょうか。

〔吉川分科会長〕 私の記憶では、その委員の方は、いつか、いずれか、そのようなことも示してほしいという意見だったと思うのですね。

 繰り返しになりますが、社保に関する議論として、財審として、とにかく、もうくどくなっていますが、削減額これだけというのであれば、ある意味では、今日、皆さんのお手元にある、このような分厚い資料も要らない話になってしまうわけですね。内閣府の中長期試算みたいなものだけを議論して、幾ら削減という議論をしていればいいということになってしまうわけですからね。しかし、そういうことではないだろうというのが、財審の基本的な立場。社保については、具体的なことをしっかりと見ていって、その中で、これについては、このようなところを見直して、社会経済が変わっている、あるいは実態から見てどこかおかしいのではないか、改革の余地があるだろう、直すところがあるだろう、このようなところをあぶり出して、そこを丁寧に積み上げていくということが大事だというのが、基本的な考え方なのですね。それについて、先ほども私も言ったかと思いますが、何人かの委員の方々が、そのような観点から発言してくださっていると思います。

 ただ、最後は、政府全体としては、社会保障の改革を積み上げて、それがどの程度財政全体の健全化に資するのかは、どこかで数字の問題も出てくると考えていますが、それを焦るべきではないというのが財審の基本的な考え方だとご理解いただけないでしょうか。

〔質問〕 確認ですが、財審としては、今回の改革ができれば、2020年の国・地方PB黒字化目標は達成できるというお考えでよろしいでしょうか。

〔吉川分科会長〕 今日の議論は、あくまでも各論の中の1つですからね。ご承知のとおり、財政の健全化は、歳出、歳入、あるいは経済成長、それの合わせ技で達成していこうというわけですから、それはそれでまたもう1つ、ある意味では次元が上の話というのは当然あるわけですが、今日、この記者会見で私がご説明しているのは、あくまでも今日の財審のご説明をしているわけで、今日は歳出の中の各論の、大変重要な各論だとは思っていますが、社会保障についてお話ししている。社会保障の改革を進めていく上での具体的な考え方、それについて財審として、みんなで考え方をすり合わせようということだったわけですね。

〔質問〕 委員の先生方の意見では、2020年までの工程表をつくるべきだというご意見がお二人いた一方で、雇用保険の国庫負担の廃止については、賛成と反対とお一人ずついらっしゃったわけですね。これは、工程表をつくるとなると、意見の割れた部分について、国庫負担の廃止ケース、維持ケースとか、そのようなパターンが生じるのでしょうか。

〔吉川分科会長〕 まず、順番が逆になりますが、雇用保険の国庫負担については、おっしゃるとおり、意見は分かれました。

 工程表について、今日具体的にというのはないのですが、何か事務局のほうで補足があれば。

〔宇波主計官〕 工程表に関しては、私どもの中の紹介では、11ページの進め方というところで論点整理をご紹介して、夏の段階では、この大きな考え方、それから、改革・効率化等の柱とそのメニューで盛り込んで、その上で年末に具体的な工程表を策定することとしてはどうかという問題提起をさせていただいているので、その意味では、会長がおっしゃったように、工程表の策定はもう少し長いスパンでの検討事項になるのだというお話をされていたと思います。

〔質問〕 よろしいでしょうか。ありがとうございました。

(以上)

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