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財政制度分科会(平成26年9月22日開催)記者会見

平成26年9月22日
財政制度等審議会 財政制度分科会


 

〔吉川分科会長〕 どうもお待たせしました。
 本日15時より財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたしました。本日は、麻生大臣、宮下副大臣、御法川副大臣、大家政務官、竹谷政務官にご出席いただき、ご挨拶をいただきました。麻生大臣からは、「来年度の赤字目標については、その実現可能性について予断を許さない状況であり、確実に達成するためには、予算編成過程において、厳しい査定を通じた歳出削減を行う必要がある。このため、各歳出分野における査定方針等について、財審で幅広く議論してもらいたい」というご発言がありました。

 本日の分科会は、前半と後半の2部構成でございまして、前半では、麻生大臣ご出席の下でフリーディスカッションを行い、後半は、お手元に資料があるかと思いますが、我が国財政を巡る現状等として、「欧州債務危機」、「各国の財政健全化に向けた取組」、「国内市場の動向」、「財政と社会保障」について、事務局から説明していただき、その後質疑を行いました。

 まず前半の麻生大臣ご出席の下でのフリーディスカッションの概要をご紹介いたします。いつもの通り委員のお名前は伏せてご説明させていただきます。

 まず、ある委員の方から、G20から大臣が戻られたところですが、日本の財政健全化は国際的にどのように評価されているのかを伺いたい、というご質問がありました。

 これに対して大臣からは、この2年間、アベノミクスの3本の矢に対する国際的な評価は高い。G20は2月と4月にも会合があったけれども、財政健全化に向けて与野党で合意して、消費税率引上げを行うことにした。これは国際的にも大変評価が高いものである。このようなご説明がありました。

 それから、もうお一人、別の委員の方から、財政健全化と経済成長を車の両輪として進めないといけないというご意見がございました。そして、特に経済成長と関係して、経済活性化のためには、企業の余剰資金の活用を企業に促していく必要があるのではないか、このようなご意見がございました。

 このご意見に対して、大臣からは、現在企業から法人税の減税を求められているが、一方で企業の内部留保も相当積み上がっているわけですので、法人税減税をしたら、企業には賃金・給与を上げる、あるいは設備投資をする、配当をする等して使ってもらわないといけないだろう。法人税を下げたら、その下げた分がそっくりそのまま内部留保のまま積み上がるだけでは困る。このようなことから、企業への働きかけとして、コーポレートガバナンスコード、あるいはスチュワードシップコードを策定するということで、企業にも理解を得られるよう、政府としても企業と対話を行っていくことが重要だと思う。このようなご発言がありました。

 それから、もうお一人、別の委員の方は、日本の財政は厳しいけれども、ヨーロッパの経験などからしても、国民に財政の状況をどのように伝えるのかが大きな課題だ。財政赤字が、次世代への負担の先送りであるという認識は共有されつつあるかのようにも思えるが、まだ不十分であり、もう少し工夫が必要だと考えるが、この点如何と、このようなご質問がありました。

 これに対して麻生大臣は、本日後半に事務局からご説明いただいた資料2の2ページ目に言及されながら、日本の状況は欧米に比べても遅れており、このような状況を国民がよくわかるように、政府としても丁寧に説明し、対話をしていくことが大事だとお答えされました。

 それから、もうお一人、別の委員の方から、消費税率がご承知の通り4月に引き上げられたわけですけれども、4−6月期の消費の落ち込みがよく問題になる。確かに消費の落ち込みはあるけれども、そもそも消費税率引上げは世代を超えて社会保障の負担を分け合うことが大きな目的であり、自分たちの消費を減らして子や孫のために痛みを分け合うといった点もある。いずれにしても、消費税の問題は将来世代との負担の分かち合いであると、国民に浸透させる必要がある。大臣にもその点をお願いしたいというご意見がありました。

 これに対して麻生大臣からは、おっしゃる通りという形で、まさに将来世代へツケを回すことなく、世代間を超えて皆で社会保障の負担を分かち合うことが消費税率引上げの大目的である。このようなことを言われた上で、それを実現していくためにも、社会保障の内容も見直していかなければならない。長期的に見て、できるだけ痛みを少なく、社会保障を維持するために消費税率を引き上げる必要がある。もう一方では、デフレ不況からの脱却という課題も達成していかなければならない。要は、経済再生と財政健全化は車の両輪だと、このようなお答えがございました。

 もうお一人の委員の方からは、社会保障というと、とかくお金を配る話になりがちだが、支え合うという視点も重要だ。政府には障害者の多様な働き方を予算に頼るだけではなく、広い視野で進めてもらいたいという意見がございました。

 それに対して麻生大臣からは、これも委員の方に対して、おっしゃる通りという形で、必ずしも予算だけではなくて、障害者の方々の多様な働き方について、政府としても知恵を出したいというお答えがありました。

 もうお一人、別の委員の方から、G20が行われたが、そのような国際会議で各国は日本の状況をどのように見ているのか、というご質問がございました。

 これに対して、麻生大臣は、日本は債務残高が対GDP比で200%を超える厳しい状況であり、この現状を脱しないといけない。一方で、現在デフレ不況から日本は脱却してきており、こうした状況で経済成長を腰折れさせないように、財政再建と経済成長とのバランスをとることが重要だ。これは、前のお答えと、表現を変えながらも同じことをおっしゃったということです。

 それから、また別の委員の方のご意見です。日本経済のために良質な雇用を創出していく上で、農林業、製造業など全方位で付加価値の生産拠点を国内、それも日本の国土全体に広く作っていく必要があると、このようなご意見を述べられました。

 それに対しては、麻生大臣は、これも委員のおっしゃる通りという感じで、東京一極集中は確かに弊害がある。このようなご意見でした。

 以上、本日の財審の前半、麻生大臣が出席されている部分での委員の方々のご意見、質問、大臣とのやりとりの概要でした。その後、大臣はご所用で退席され、後半は各論には入らずに、財政全般について、事務局から、皆さんのお手元にもございますかなり多くの資料を用いて詳しい説明がありまして、その説明に基づいて意見交換をいたしました。

 その委員の方々のご発言の概要をお知らせしますと、お一人の委員の方から、現在、日本の長期金利は0.5%と、国際的に見ても、歴史的に見ても非常に低い水準にあるけれども、そうした超低金利がいつまでも続くわけではない。その意味でも、財政健全化と持続的な経済成長の両立に本腰を入れていかないといけない。こうしたご意見がございました。

 また、別の委員の方は2点意見を述べられました。1点目は、今後財審としては建議に向けて財政、歳出、予算の議論をしていくわけですけれども、各論においては具体的な課題に踏み込むことがぜひとも必要。年末に向けて各論の話になると、どうもスケールが小さくなっていってしまう印象があり、今後の社会保障などの問題の各論では踏み込んだ議論をしたい。2点目は、今後は地方創生がキーワードであり、地方の声をどのように施策に結びつけていくかが問われる。従来の規制、制度を大胆に見直していく必要がある。このようなご意見を述べられました。

 もうお一人、別の委員の方のご意見です。事務局から欧州債務危機について説明があった。欧州の経験を見てみると、債務危機が起こって、金利も上昇して、それでいわば荒療治の末に、財政健全化計画にコミットせざるを得なくなる、といった国もある。しかし、そうした荒療治に至らざるを得なくなってから何とかするのでは、もとよりファーストベストではないわけで、ぜひとも政府が目標として掲げている通り、2015年度の国・地方PB赤字の対GDP比半減目標、2020年度までの国・地方PB黒字化目標に向けた計画を策定しなければならない。

 表現はともかく、このような問題意識は複数の委員の方が共通に持たれていて、それを踏まえた議論が多かったように思います。

 もうお一人、別の委員の方は、1つ前にご紹介したご意見、つまりは荒療治しなければならなくなってから何とかするのではなく、2015年度の国・地方PB赤字の対GDP比半減目標、2020年度の国・地方PB黒字化目標に向けた計画を策定する必要がある、という問題意識を共有しながら、2015年度の国・地方PB赤字の対GDP比半減目標は超過達成するくらいの予算編成をする必要がある。こうしたご意見を述べられました。

 それから、別の委員の方のご意見です。ドイツが代表ですが、財政健全化を達成した国は、目標達成に向けて国民の中でのコンセンサスをどのようにつくったのか。つまり、各国政府は国民やステークホルダーをどのように説得したのか、あるいはしているのか。これを学び、検討してみたらどうか。このようなご意見もありました。

 最後になりますが、もうお一人の委員の方は企業経営と予算編成の類似からのご意見です。会社でも事業本部があって、これが政府でいえば要求省庁に当たる。そしてコーポレートという査定側が、政府の財務省の主計局にあたり、事業本部と議論しながら予算を決めていく。このとき、査定側であるコーポレートは評価指標をしっかりと持って、事業本部と議論していく。ですから、要求省庁には要求省庁のさまざまな議論があるわけですけれども、予算編成していく上でも、財務省はしっかりとした明確な評価指標を作って、それをもとに予算編成をしていくことが大事なのではないか。このような企業経営の経験を踏まえたご意見もありました。

 私からは以上です。

〔質問〕 委員の方から、消費税率引上げ後の4−6月期の消費の落ち込みが今後問題になるというご発言があったとのことですが、市場では10%への引上げに向けた環境整備として、経済対策を検討するべきではないかという声もちらほらあるようです。今日は経済対策について何かしら言及された委員の方はいらっしゃったのでしょうか。

〔吉川分科会長〕 具体的に経済対策どうこうというご意見はなかったのですが、財政再建と経済成長の両立が大事だということが、既にご紹介したと思いますが、大臣から複数回、そして、複数の委員の方々から出ております。ですから、財政再建と経済成長のバランスをどのように取って政策運営をしていくのか。結局その両立が大切だということです。

 ちなみにもう一言だけ、ご質問なのでつけ加えますと、財審では過去の報告書でも、経済成長は財政再建にとって大切なことだと繰り返し言っているわけです。しかし、経済成長だけで財政再建ができるというのは少し無理があるということが財審の立場です。ですから、繰り返しになりますが、その両立が必要だということです。

〔質問〕 後半の部分で、PBに関して、2015年度の国・地方PB赤字の対GDP比半減目標、2020年度までの国・地方PB黒字化目標に向けた計画をつくるべきだという意見があったとのことですが、そのような意見を受けて、財審として何かしら実行すべきだとかいったやりとりはあったのでしょうか。

〔吉川分科会長〕 事務局の説明資料の中にもあったと思いますが、ヨーロッパの場合には、ご承知のようにEUの条約、マーストリヒトの基準などもあり、再建目標は非常に明確に、各国政府にコミットしている形になっているわけですけれども、日本の場合には財政状況が非常に厳しい中で、PBという明確な基準において、2015年度の国・地方PB赤字の対GDP比半減目標、2020年度までの国・地方PB黒字化目標を立てているわけでして、複数の委員の方からそれらの目標はしっかりと達成しなければならないというご意見が今日もありました。それが財審の立場であり、コンセンサスだとご理解いただければと思います。

〔質問〕 2015年度予算編成に向けた建議までの大まかなスケジュールを改めて教えていただきたいのと、例えば消費税率の10%への総理の引上げ判断に向けて、財審として意見を出すだとか、そのようなことはあるのかどうかを教えていただければ。

〔吉川分科会長〕 私が理解している限りでは、建議に向けて各論の議論を例年通り行います。

〔質問〕 ほか、よろしいでしょうか。ありがとうございました。

〔吉川分科会長〕 ありがとうございました。

 

(以上)

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