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財政制度分科会(平成26年3月28日開催)記者会見

平成26年3月28日
財政制度等審議会 財政制度分科会


〔吉川分科会長〕 どうもお待たせしました。私のほうから、いつもどおり会議の概要をご紹介いたします。

 本日、13時より財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたしました。本日の分科会では、各論として、社会保障を審議いたしました。

 まず、松田晋哉産業医科大学医学部教授から、「我が国の医療制度改革の方向性を考える」といたしまして、説明をいただいた後、事務局より社会保障について説明をしていただきました。全体として2部構成という形でやりました。

 お手元に、松田教授のパワポのかなり厚い、80ページ近い資料が配付されているかと思いますが、松田先生から、そのパワポ資料に基づいて、非常に詳しいプレゼンテーションをしていただきました。

 まず、松田先生のプレゼンの概要を、今日の会議の主たる部分だったものですから、少し詳しく私から紹介させていただきます。

 松田先生からは、まず、欧米の医療制度改革の動向と、我が国への示唆として、その欧米諸国、各国の医療制度改革、さまざまな試みがなされてきたということを詳しくご説明いただきました。先ほどからお話ししているとおり、皆様方のお手元に詳しい資料があると思います。

 欧米、さまざまな試みをやってきたのですが、近年の欧州の医療制度改革では、代替政策、代替というのはサブスティテューションの訳ですね。サービスの質を落とさず効率化を目指すこと、これが代替政策、そしてコミュニティケア、これは生活圏域でのプライマリーケアを中心とした総合的医療・介護サービスの提供のことですが、さらには穏やかな総額管理という政策がとられているという、これが大きな方向性である。繰り返しますが、代替政策、コミュニティケア、緩やかな総額管理、これが大きな改革の方向性である。

 その上で、我が国でも2025年に向けた医療・介護サービスの提供体制改革が開始されつつあります。治す医療から治し支える医療へと、それから、入院から在宅へ、さらには総合診療専門医、いわゆるかかりつけ医ですが、その普及や地域包括ケアの構築を目指す、そういう方向性が我が国の医療サービス提供体制改革の柱ですが、こうした方向性は先ほどお話しした欧州の医療制度改革の方向性とも合致している。

 ただ、1つだけ欧州では試みられているが、日本では必ずしも明確ではないということだと思いますが、穏やかな総額管理なども視野に入れて、日本でも改革を推進する必要がある。

 そのためにも、医療・介護情報の活用が必要である。そして、この医療・介護情報の活用の具体的なあり方として、松田先生から大変詳しいご説明がありました。一言で言いますと、日本の医療データ、レセプトを中心とした医療データ、あるいは統計は、非常にすぐれたものだと。日本に非常にすぐれた医療・介護データがあるけれども、必ずしもそれが十分に活用、利用されてこなかったというのが先生の問題意識だと思いますが、今日そういうお話がありましたが、繰り返しになりますが、日本にはDPCというのですね、ダイアグノーシス・プロシージャー・コンビネーションということのようですが、日本語では診断群分類と訳されているようです。患者を診断名と行われた医療行為で分類する。両方あるということですね。病名診断、病名があって、その病気を治すためにこういう医療行為がなされたという、そういうデータもある。その2つの掛け算、マトリクスみたいな形でデータがあるということです。

 医療行為、診療行為について、そういうデータがあるわけですが、それを日本全体で包括的に全部集めたものとでもいうのでしょうか、日本全体の国のデータベースとしてナショナルデータベース、NDBと。具体的には70億件を超える電子レセプト、これは医科、歯科、調剤、DPCと、それから、特定健診データも収載して、すぐれた公的統計が数多くあります。先ほどもお話ししました。

 まずは、これらの既存情報を十分に分析、活用すべきであり、新たなデータ集めやシステムづくりをばらばらに行えば、あまりコストパフォーマンスがよくないということですね。コストがかかるわりには分析上のベネフィットは見込めない。だから、既にいいデータがあるのだから、それをしっかりと活用しましょう、こういうお話でした。

 松田先生のお話、まとめとして、繰り返しになりますが、いいデータがあるのだけれども活用されていない、これは残念で、もっとちゃんと活用しましょう。

 では、何で活用されないのだ。最も大きな阻害要因は、どの主体がどの情報をどのように活用すべきかのコンセンサスができていない。明確な方針と目的に基づき、具体的な行動を前進させることが必要である。要するに、医療関係者、あるいはそれを分析する人たちの問題意識とか目的が必ずしも統一されていないために、結局、先ほどからお話ししているように宝の持ち腐れになっているという、こういう話ですね。

 それで、こういうところを突破しなくてはいけないということで、松田先生が具体的にDPCやナショナルデータベースを有効に活用しようと。福岡県でご自身、さまざまな努力を行ってらっしゃいます。その福岡県でのご経験を踏まえてということだと思いますが、国が明確な標準を示すなど支援を行いつつ、その下で都道府県が医療提供体制改革の取組みを進める際に、医療・介護情報についてのDPC、NDB等の客観的なデータをITで統合的に利活用して、医療の量、支出目標を設定すべきだと。

 ですから、国がある程度のリーダーシップをとりながら、その下で都道府県にもう少しこうしたデータを有効利用してもらうようにしなくてはならないと。

 また、より一般的には、これらのデータを保険者が保険者機能を強化する上で、保険者機能を強化というのは、それによって医療費の適正化、非効率を縮小するということですが、保険者にとっても、こうしたデータの有効利用が可能であると。

 財審としてのポジションですが、財審としては、本日のヒアリングも踏まえて、医療・介護情報をITで統合的に利活用する福岡県のような取組みを医療の量や支出目標の設定を通じて、保険者機能の強化を図りつつ、医療・介護サービスの提供体制改革や医療費や介護費用の適正化に具体的につなげていくための方策について、これからも議論していこうと。

 ですから、繰り返しになりますが、日本にはすばらしいデータがある。しかし、必ずしもこれが有効利用されてこなかった。今後は、この医療体制、医療改革、制度改革を進めていく上で、このデータを十分に使って、利活用していこうと。また、財審としても当然すべきだと、こういう立場だということでございます。

 以上、今日の財審の前半、松田教授のプレゼンテーションについてご紹介いたしました。

 松田先生のプレゼンテーションに続いて、委員の皆様方からご意見をいただきました。以下、いつものように委員のお名前は伏せた上で、ご意見を紹介させていただきます。

 まず、お一人の委員は、レセプトというのは確かにすばらしいデータではあるのだけれども、病名の記載にばらつきがあるなど完璧ではない。それは確かにそうかもしれないと誰もが思うのですが、完璧ではないということを、テクニカルな問題として指摘された上で、しかし、こうしたレセプトデータというのは、やはりデータとして大変貴重なものなのだから、これを有効活用して緩やかな総額管理を行うという松田教授のお考えに、賛成であるし、進めるべきだと、こういうご発言がありました。

 もう1人、別の委員の方は、この緩やかな総額管理については、ペナルティの設定など実効性をどのように担保するかが課題ではないか、こうしたご指摘がありました。

 また、別の委員の方、松田先生が指摘された、この緩やかな総額管理を財政的な、具体的なメカニズムとして解釈すれば、各保険者ごとに医療支出について予算をつくるということだと思うが、ぜひそのような取組みに向けてデータを活用していくべきだ、こういうご意見がございました。

 また、もう1人、別の委員の方、ご意見紹介いたします。この方は、欧米と日本の医療制度の大きな違いは、日本の場合、医療費に多額の公費が投入されていて、保険者が保険料を上げたくない場合に国費につけ回す傾向があることが問題と。日本では保険者機能が働きにくくなっているのではないかという、国につけ回しをすることによって保険者機能が緩くなっているのではないか、こういう問題が日本にはあるのではないか、こういうご指摘ですね。

 同じ委員の方は、続けて、松田先生のご指摘のうち、新たにデータを集めるのではなく、既存のデータを十分に分析、活用すべきというのはそのとおりで、大変重要な点だと、こういう発言をされました。

 以上が松田教授のプレゼンテーション、それに対する委員の方々のご意見、今日の会議の前半の概要です。

 続いて、今日の審議会後半は、事務局の説明、またそれに基づいての各委員の方のご意見ということになります。事務局の説明については、資料の2と3、社会保障マル1マル2となっているかと思いますが、それに基づいて事務局から主計官にご説明いただいて、それはお手元に資料がありますので、私のほうからは、その説明を踏まえての各委員の方々のご意見を紹介させていただきます。

 先ほどと同じやり方ですが、お一人の委員の方、年金財政の検証については、財審としても厳しくチェックしていく必要がある。特にオプション試算で支給開始年齢を引き上げた場合の年金財政への影響について、きちんと検証するべきだと、厚労省に伝えてほしいと。厚労省に要請すべきだと。支給開始年齢の引上げのケースについても、年金財政への影響についてきちんと検証するべきだ、厚労省はやるべきだ、こういうご意見です。

 また、この同じ委員の方は、それに続けて、支給開始年齢の問題については、高齢者の就労ないしは就業の問題の解決を前提とせず、平均寿命の伸びをきちんと考慮すべきだ。さらにこの問題は、今の30代、40代の若年世代の問題であることを示すべきだ。

 同じ委員の方の発言を続けてご紹介していますが、医療に関して、今後、各都道府県が地域医療ビジョンをつくることになるが、医療費には国費も支出されているのだから、国としても医療ニーズ、医療費の推計をきちんと行うべきと。以上、お一人の委員の方のご意見を紹介しました。

 次に、もうお一人、別の委員の方は、全面総報酬割を導入する際には、前期高齢者医療への公費投入も検討すべきだ、こうしたご意見がございました。

 次に、また別の委員の方、この委員は、2025年に団塊の世代が全員75歳以上となる上、プライマリーバランスを黒字化しなければならない。2050年には団塊ジュニアも高齢者になってくる。こういった長いスパンで総報酬割の問題も考えなければならない、こういうご発言でした。

 次に、もうお一人、別の委員の方、年金についての足下での重要な問題としては、年金課税、これが大きな問題だ、こういうご指摘がございました。

 また、別の委員の方、年金の支給開始年齢を上げる際、高齢者の方々の労働就業、そうした場が確保できるのかということですが、その条件をあまりきつく言う必要はない。個人の貯蓄勘定を充実させればいいのだと、こういうご意見でした。

 また、同じ委員の方は、続けて、支給開始年齢の引上げが若い人、現役世代へのメリットにもなることを定量的に示すべき。例えば、世代別に、公的年金の俗に言う損得ですね。生涯のコントリビューションに対する生涯の受給というものも計算してみる。その際、自身の保険料、企業の保険料、公費、そういうものがどうなのか。そうしたものを計算してみる、世代別に計算してみるということが必要だと。以上、お一人の方の意見をご紹介しました。

 次に、もうお一人、別の委員の方、やはり年金の支給開始年齢引上げとの関連ということだと思いますが、この方は高齢者の就労問題というのが、やはり重要なポイントになる。その際にワークシェアリングや雇用の流動性を高める必要がある、こういうご意見でした。

 もうお一人、別の委員の方は、社会保障を持続可能なものとするためには、あらゆる改革を実行しなければならない。特に、医療保険等、保険者機能の強化が重要で、保険者にインセンティブをつける必要がある。そこを工夫すべきだ。個人へのインセンティブも保険料の中でつけられるようにすべきだ。自己の健康管理とか、そういうことだと思いますね。経営者も健康予防に高い意識を持つべき。

 同じ委員の方、続けて、医療・介護については、非営利ホールディングカンパニーを創設して、効率的かつ合理的な経営を行っていく必要がある、こういうご意見を述べられました。

 最後にもうお一人、別の委員の方は、本日の社会保障関係の議論の中で、女性、高齢者の就業、労働力率の議論というのがあったわけですが、あるいは事務局の説明資料の中にもそうしたことがありましたが、そこで欠けていた1つの問題が、障害者の方々の労働参加の問題で、この障害者の方々の労働参加ということも社会全体で考えるべきだ、こうしたご意見がございました。

 私からは以上です。

〔質問〕 最初の、松田先生についての吉川会長のまとめのところで、医療のデータ活用については財審もすべきだと。それを医療費の縮小など、もしくは医療の効率化とか合理化とかにつなげるべきだとか、そういったところに関しては何かありましたか。

〔吉川分科会長〕 まあ、そういう議論も当然ありましたね。

〔質問〕 それについて財審として、今日の会合で議論をしていくというお話がありましたけれども、これは方向性としては、まず皆さんの意見が一致したということでよろしいのかを確認させてください。

〔吉川分科会長〕 そうですね、反対論はないですし、何人かの方のご意見は先ほど紹介したとおりで、進めるべきという、はっきりとしたご意見紹介したと思いますが、ほとんどの委員の方が、それは当然だというお考えを持っていたと私は判断しています。

 要するに、繰り返しになりますが、日本にはレセプト等、ミクロのすぐれたデータがある。これをしっかり分析して、本来あるべき医療の姿を考える際に有効活用するべきだというのが松田先生のプレゼンですからね。それは、話を伺った我々も、ほとんど全て当然のことで、大いにやるべきだということだったろうと思います。

〔質問〕 この緩やかな総額管理というのは、基本的には医療費の縮小とか削減を念頭に置いたものとしてご説明を受けたということでよろしいですか。

〔吉川分科会長〕 松田先生のプレゼン資料で、欧州の例が幾つか挙がっていると思いますが、要するに、緩やかなということは、ぎちぎちに来年度は何%カットという話ではない。もう少し緩やかに、しかし、そういう数値目標も何もないと、ヨーロッパでも言うまでもなく、どこの国も医療費の膨張ということに悩んでいるわけで、それを経済社会のサイズに整合的にするためには、やはり医療費の膨張は抑えなくてはならないというわけで、例えば何年ごとに見ていくとか、疾病ごとに見ていくとか、たしか松田先生の資料にありますよね。もし良ければ、1つくらい紹介していただけますか。

〔新川主計官〕 事務局から。ページで申し上げますと、将来へのプロジェクションという意味で申し上げますと、松田先生の資料では70ページです。これはある地域で、福岡県の糸島医療圏というところですが、2040年までの各病床別の患者数といったもの、こういったものも出てくるということですね。

〔吉川分科会長〕 今、主計官が紹介されたのは、松田先生ご自身がいろいろ活動されている福岡県の事例ですね。もともとヨーロッパのほうでそういうことが随分されている。松田先生は、今日のお話では、フランスに何年か行かれて、フランスのことに特に詳しいみたいですが、いずれにしても、日本でもそういうことをやらなくてはいけないだろうということで、今ご紹介のあった福岡県で既にやられていると、そういうことです。

〔質問〕 後半のところで、議論をお伺いしていると、年金支給開始年齢の引上げのところにかなり時間を割かれたようですけれども、ここも基本的には対応策について、ある程度方向性としては、認識として一致したということでよろしいか。

〔吉川分科会長〕 そうですね。正確に言うと、明確に発言された方々のご意見はもう既に紹介したとおりです。支給開始年齢の引上げというものも真剣に議論する必要があるだろうということは、財審の委員の方々のほとんどコンセンサスに近いと理解しています。

 もう1つ、お尋ねのあった、仮に支給開始年齢をこれから議論していくときには、高齢者の就業問題が1つ重要なポイントだということについては、もう既に先ほどご紹介したとおりなのですが、委員の方々のご意見をもう一度見ていただくと、若干異なる意見があったように思います。つまり、高齢者の就業問題とは切り離して、とにかく支給開始年齢引上げを真剣に検討すべきだというご意見もあったと思います。それから、これも既に紹介済みですが、高齢者の方々は何歳かまでは働いていて、それから、公的な年金を受給し始める。仮にその間にギャップがあったとしますね。就業を考えなくてはならないというのは、このギャップをできるだけゼロにしようということが1つの考えだろうと思います。一方、お一人の意見として既に紹介済みだと思いますが、そこのギャップをゼロにしなくても、高齢者の方が十分なプライベートの貯蓄を持っていれば、そのギャップを自助努力でつなげるはずで、そうした貯蓄を支援するようなことも1つの考え方ではないかという意見を表明された方もおりました。ただ、もちろんその方のご意見が多数意見になったわけではない。

 ですから、まずは、支給開始年齢引上げ、これを真剣に議論すべきだということは、財審としては委員の方々は大多数の方がそういうご意見だろうと思いますね。どちらかといえば、その際には、高齢者の方々の就業問題というものも、それは社会全体として議論する必要がある。先ほどワークシェアリングとか、そういうことを言われた委員のご意見も紹介したと思いますが。大体そんなところでしょうか。

〔質問〕 事務局の資料では、公的給付の見直し、医療費の患者負担の引上げとかについても、かなり説明があったと思うのですけれど、ここについての委員の先生方の意見というのは、特になかったということですか。

〔吉川分科会長〕 特に大きな議論はなかったと思いますが、資料のところにもありますが、100円玉、受診時の定額負担、こうしたものは考えてもいいのではないかと発言された委員の方はいらっしゃいました。潰れてしまったけれども、残念だったというようなことをおっしゃった方はいました。

〔質問〕 医療の総額管理に関連してなのですけれども、例えば、具体的に診療報酬とか介護報酬とかに踏み込んだ発言をされた方はいらっしゃったのでしょうか。

〔吉川分科会長〕 今日は診療報酬体系に踏み込んだ議論というのは特になかったですね。ただ、診療報酬なら診療報酬を一律数値で全部を比例的に抑えるとか、そういうものがいいと考えている人はあまりいないのではないでしょうか。だから、緩やかな意味で、しかし、総額管理をしていこうということだと思いますね。

〔質問〕 あともう1点、消費税率の引上げに伴って、子育ての充実などについて、その具体的な内容、どうあるべきかとか、財源が足りないとか、そういう議論も行われていると思うのですけれども、その点に関して何か意見とかはあるでしょうか。

〔吉川分科会長〕 今日は、そこについてはそんなに議論が出なかったですね。

〔質問〕 吉川先生が、委員の方の意見をご紹介しているときに、年金の支給開始年齢のところで、支給開始年齢の引上げが現役世代にもメリットになるとご紹介されたと思うのですが、そのメリットというのは何か。

〔吉川分科会長〕 まず、私が言っているというのではなくて、これはあるお一人の委員の方のご意見です。支給開始年齢は、真剣にできるだけ早く引き上げる議論を始めたほうがいいだろうと。引き上げるべきだというのが財審の多くの方の考えだろうというのは、先ほどからお話ししているとおりです。

 そして、この議論は、社会全体で真剣に議論していくわけです。それは当然大切な問題ですから。このお1人の委員の方は、そうした意見が社会的にモメンタムを持つためには、つまり、盛り上がるためには、若い現役世代の人たちにも、この年金論議の中に積極的に参加してもらう必要があって、そして、そのためには、この支給開始年齢引上げが、若い世代にとってもメリットがあるということを数字で示すことができればそれがいいのだと。この委員の方は、その言葉は使われなかったですが、ジェネレーショナルアカウンティングという、世代別のアカウンティングのようなものも考えながら、この議論に若い人たちにも大いに参加してもらいたいというのが、この発言された委員の方のお考えだったのではないかと、そのように私は理解しています。

〔質問〕 先ほど、介護報酬の話は、なかったかというお話だったのですけれども、今日の内部留保の話には、特に意見を言った方はいなかったのかどうか。

〔吉川分科会長〕 ちょっと待ってください。内部留保については事務局の資料にありましたね。

 この点について意見を述べられた方がおりました。お一人の委員の方、事務局の資料との関連ですが、まずは、ご承知のとおり、社会福祉法人に内部留保がたまっているということですよね。1法人あたり3億円、数字はお手元の資料で確認していただきたいのだけれども、この余剰金、内部留保は一体何なのだということ。

 それで、規制改革会議から、要するに内部留保がそれだけたまっているのであれば、地域貢献活動を義務化するとか、そういうことを考えたらどうかと、そういう議論がどうやらあるようだけれども、この委員の方は、それは少し筋が違うのではないかと、一言で言えば、そういうことだったろうと思います。

 具体的に言えば、そうした介護の現場での働いている方々の、例えば処遇改善をすれば、当然内部留保は減るわけですから、そもそもそういうところに使うべきで、突然社会貢献というようなことを言っても、一体どういう社会貢献なのだということもありますし、少し筋が違うのではないかということ。

 あるいは、それだけ内部留保が出ているのであれば、介護報酬の適正化ということも考えてもいいのではないか。また、こうした社会福祉法人の非課税措置を見直して、税金払ってもらうという形で社会貢献してもらってもいいのではないか、いろいろなことが考えられる。このようなご意見がありました。

〔質問〕 年金については、支給開始年齢の引上げについてのご意見は随分あったと思うのですが、マクロ経済スライドについては、何か委員のほうからご発言はあったのでしょうか。

〔吉川分科会長〕 これは、今日の場では委員からのご意見は出なかったと思いますね。事務局からは、もちろん資料に基づいてご説明あったのですが。

〔質問〕 レセプトを使った総額管理のところで、厚労省も医療費適正化で5兆円ほど目標を掲げて、大臣が音頭を取ってやっているかと思うのですけれども、松田先生や委員の方から、それについてのご意見だとか、今後、財政審のほうで、そこのやり方についてもチェックしていくといったお考えはありますでしょうか。

〔吉川分科会長〕 委員間で特にそういうことは、今日の議論の中ではありませんでした。

 ただ、以前の財審の中の議論で、厚労省がよくそういう計画みたいなものを立てるのですけれども、事後検証があまりなかったりして、そういう点は問題だという議論はあったかと思うのですが。今日、とりわけ特にそのことについてはありませんでした。

〔質問〕 事務局の方に伺ったほうがいいのかもしれないのですが、事務局資料の資料2、社会保障マル1の15ページ、被用者保険のインセンティブのところで、メタボ健診の加算・減算ではなくて、新たに支出目標を掲げて、それに応じた加算・減算ということが提案されているのですけれども、これは具体的にどのようなものなのでしょうか。

〔新川主計官〕 ここに書かせていただきましたけれども、メタボ健診との違いはアウトカムです。実際、いろいろな取組みによって、どの程度医療費が合理化、効率化、要するに削減されたのかというアウトカムに基づいて、後期高齢者支援金の加減算が行われると。そこが現状との違いということになろうと思います。

 それで、どのような中身にしていくかということは、仮にこれをやっていただけるということであれば、しっかりと制度設計していけばいいと。重要なのは、何かをやったということ自体ではなくて、何かをやったことで、実際に医療費の削減に結びつくということ。そこが、ここで書かせていただいた提言の中心です。それで、あと幅も非常に小さいので、現行制度でも10%の加減算できるわけですから、そういったものでよりインセンティブを強めてはいかがかというご提案を事務局からさせていただきました。

〔質問〕 これに対してのご意見はありましたか。

〔吉川分科会長〕 なかったですね。

〔質問〕 よろしいですか。

 では、あとは各社の対応でよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

〔吉川分科会長〕 どうも。

(以上)

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