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財政制度分科会(平成26年3月10日開催)記者会見

平成26年3月10日
財政制度等審議会 財政制度分科会


〔吉川分科会長〕 どうもお待たせしました。では、いつものように私のほうから、財政制度分科会の概要をご説明いたします。

 本日10時より財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたしました。本日の分科会は、毎年春に行う審議の第1回目に当たります。今般の春の審議においては、日本の長期の経済社会構造を見据えつつ、2020年度の基礎的財政収支の黒字化に向けた取組みや、長期の財政展望等について議論して、5月ごろに報告書を取りまとめる、こういう予定になっております。

 また、長期ということで、少子高齢化とか、人口動態、非常に大きな問題がありますので、そうしたことも考えに入れて、これまで以上に幅広い議論を実施する観点から、新たに8名の委員の方に議論に加わっていただくこととなりました。

 本日の分科会では、まず、事務局より「財政健全化目標の達成に向けて」について説明をしていただいた後、大和総研の鈴木準調査提言企画室長から「超高齢日本における政府財政の課題と長期展望」について、また、新たに委員にご就任いただいた末澤豪謙委員から「最近の金融市場の状況と財政の持続可能性」について、説明をしていただきました。

 プレゼン資料はお手元にあるとおりですが、それに対して、各委員からご意見が出ましたので、それについて私のほうからご紹介いたします。

 いつもどおりの説明ですが、委員のお名前は伏せることになっていますが、お一人の委員から、中長期の財政運営を考える上で、事務局資料の12ページにある欧州委員会のFiscal Sustainability Reportのアプローチは大変示唆に富む、この欧州委員会の経験に学んだらどうだ、こういうご意見がお一人の委員から出されました。

 もうお一人、別の委員からは、同じなのですが、欧州でも高齢化が大変大きな問題で、欧州委員会では共通の前提として加盟国の推計を行っている。そういう意味では、日本でも共通の前提で推計を行い、我が国の財政状況について評価するべきである。

 この同じ委員の方は、さらに続けて、事務局、あるいは分科会への提案として、これまで過去においても財政審で欧州委員会のモデルを扱ったことはあるけれども、今回は欧州委員会モデルを日本に当てはめた場合の推計を行い、さらにそれをルーティン化して、絶えずフォローできるようにするべきだ。改革が遅れた場合に一体どうなるのかということも明らかになるし、中期財政計画についても評価できることになる。ぜひこうした長期推計を財政審の分科会でも行うべきだ。こういうご意見をいただきました。

 それから、先に進みますが、もうお一人、また別の委員の方ですが、ご意見として、高い成長率と財政の健全化というと、これまでの経験上、なかなか両立するのは実は難しいということに続けて、特に歳出面で、量的な改善だけではなく、質的にも改善を図っていく必要がある。例えばということで、この委員の方はPFI等、民間サービスの活用、そういうことを例として挙げられましたが、繰り返しになりますが、量、質両面をにらみながら財政の健全化を進めていく必要がある。こういうご指摘がありました。

 それから、次に、また別のお一人の委員の方のご意見ですが、財政の健全化を中長期的に目指していくためには、国会における決算委員会というものをより効率的に政策立案のために活用できないのか、こういうようなご指摘がございました。

 今ご紹介したこの委員のご指摘に対しては、今日、ご出席いただいたわけですが、山本政務官のほうから、決算委員会については、参議院が大変重視している。予算がどう使われているかを決算委員会で議論し、次の、翌年度の予算にその結果を反映させることが大変重要だと考えている。こういうようなコメントがございました。

 次に、またもうお一人の別の委員の方からのご指摘を紹介します。人口動態については、かなりよく知られているわけですが、人口が減っていくというだけではなくて、今後は日本の国土における地理的な人口分布や、要は人口がどのように分布していくか、そういうスペーシャルな面も考慮に入れて財政政策を運営すべきだ。

 この同じ委員の方によりますと、出生率が低下していくことは、これはよく知られているわけですが、日本特有の現象として、2040年あたりから顕著に三大都市圏、東京への集中、人口移動が発生し、東京に若い人が集中する。ということは、逆に言えば過疎化が進むということで、2040年ごろから500を超える市町村が消滅すると予想されている。

 これは現在の市町村の約3割に当たるわけですけれども、そういった中で経済成長と財政健全化を両立するために、ともすれば公共事業が景気対策として財政出動されてきているわけですけれども、そういうことも難しくなるだろう。そうした現実を我々は踏まえるべきだ。

 国土の強靱化ということも言われるわけですけれども、その場合の財政出動についても、それが人口分布の状況によっては、ひょっとしたらあまり意味をなさないかもしれない。要は将来の人口分布、この国土の上での、数が減っていくだけではなくて人口分布が一体どのようになるのかということも考慮に入れた上で、財政の内容を見直していくべきだ。

 以上、少し長くなりましたがお一人の委員の方のご意見でした。

 それから、もうお一人、別の委員の方は、ご意見として、過去においても財政の健全化目標とか、健全化の努力ということは、それなりに言われてきたわけですけれども、その約束がいわばなし崩し的にほごにされてきたというのが現実だ。これは納税者への裏切りであり、この責任を一体誰がどうとるのか。これは大きな問題だ。

 このようなご意見で、続けて同じ委員の方は、中長期的には、政府は2020年のPB黒字化ということを目標にしているのだけれども、くしくもこの2020年は東京オリンピックが開催されることになっている。経験的に見ると、どこの国でもオリンピックを開催したときには財政は膨張ぎみになるということだから、2020年のPB黒字化というのは大変厳しい目標だ。そういうこともきちんとあらかじめ議論しておくべきである。こうしたご意見がございました。

 それから、末澤委員からのご説明、これはお手元に資料があるかと思いますが、国債のマーケット、金利に関するプレゼンテーションでありましたが、これについても何人かの委員の方々からご意見がございました。

 まず、お一人の委員の方は、末澤委員のプレゼンだけではなくて、事務局の説明、鈴木さんのご説明をも踏まえてのご意見だと思いますが、財政については、PBの改善に関する議論というのはもちろん必要だけれども、世代間格差の是正に関する議論も大変重要だ。こういうご意見がございました。

 もうお一人の委員、これは末澤委員のプレゼンに特にかかわるといいますか、要は国債のマーケット、長期金利に関するご意見ですけれども、皆様方ご存じのとおり、日本では異次元の金融緩和というのが行われているけれども、現在のアメリカと同じように、やがて出口戦略、エグジットというものが問題になる時期も来る。そうしたときには、国債のマーケットについてもどのようなことが起きるか、要注意である。こういうご意見がございました。

 それから、もうお一人、別の委員の方ですが、たった今ご紹介した委員の方のご意見と関連するところがあるかと思いますが、現在は日本銀行が大量に国債を購入している。それが必ずしも国債のマーケットでいい状況を生んでいるとは必ずしも限らないというのが、この委員の方のご意見で、やはり今後、日本の国債の市場についても、注意深く見ていかなければいけない。このようなご意見でありました。

 今日の皆さんの、委員の方々のご意見を紹介しました。私のほうからは、とりあえず以上です。

〔質問〕 今回は、まず、中長期的な財政の持続性ということが、1つ大きなテーマとしてあると思うのですが、経済成長の姿をどう見るかであるとか、社会保障費の抑制とか、幾つか論点があると思うのですが、今後の議論の進め方のイメージ、それと5月にまとめる報告書におけるアウトプットでは、どのような提言を盛り込んでいきたいとお考えかを、まずお聞かせください。

〔吉川分科会長〕 結論ありきというわけではないですから、結論まで申し上げるわけにはいきませんが、1つは、そうですね、私のほうからの紹介のところで必ずしもきちんと、申し上げていなかったかもしれませんが、委員の方の提案として、先ほど2人くらいの委員の方から、お一人から欧州委員会がやっていることというのは非常に参考になるぞというご意見があって、もうお一人、同じようなことを言われた上で、欧州委員会に学びながら、財審としても長期的な推計をやるべきだ、こういう提案があったということは、先ほど委員のご意見として紹介したと思います。

 そして、私が先ほど、今日の会議の概要紹介の中できちんと、最後に一言言っていなかったと思うのですが、今日の財審で、その提案は非常にいい提案だから、やりましょうと。具体的には、私どもの分科会の中に小委員会をつくって、委員の方からもご提案があった、あるいは今日の事務局の資料にもありました、ほかの方のプレゼンの中にもどこか言及あったかと思いますが、要するにEUの委員会の長期推計に学びながら、そうした取組みも参考にしながら、我々の分科会の中に、繰り返しですが、小委員会を設けて、長期推計をやってみよう。こういうことです。

 長期っていろいろありますが、本当の長期、50年くらいのホライズンでやってみるかと。詳細はまだこれからですけれども、そういうことになっています。これが今回、中長期の財政について取り組む、春の我々の分科会の1つの、今日、少なくともやろうではないかと決めたことでございます。

〔質問〕 それともう1点なのですが、内閣府のほうで「選択する未来」委員会というのができて、吉川先生も委員になられていると思うのですけれども、今回の中長期の財政というテーマで、例えば人口動態であるとか、あるいは東京の集中の問題なんかは、「選択する未来」委員会の論点とも一部重なってくる部分もあると思うのですが、この連携というか、あるいは議論のすみ分けみたいな部分については、どういうふうに考えていますか。

〔吉川分科会長〕 すみ分けというか、組織は全く別ですからね。ただ、問題は1つとでも言いますか。今後の人口動態、少子高齢化の問題、それから、今日、お一人の委員の方が指摘された人口の地域分布の問題、そうしたことは、内閣府のほうは問題そのものですが、我々財審としては、それが財政にどういう影響を与えるのか。今後の財政に、あるいは財政健全化にどのようなインプリケーションを持っているのかということが、当然のことですが、我々財審の問題意識ということになると思います。

〔質問〕 今回の財務省の資料の中に考慮すべき事項として3つ挙がっていて、1つの高齢化についてはご意見があったようですけれども、2番と3番のところで、今朝、経常収支のところも赤字が過去最大になっていたりしていることを踏まえた3番の経常収支の推移のところとか、国債の国内消化の2番のところですね、このあたりのご意見は、特になかったということでよろしいでしょうか。それとも何かあれば、ご紹介いただけますか。

〔吉川分科会長〕 これは、委員の方が改めてご指摘というよりは、事務局だけではなくて、お手元にあるプレゼンされた方々の資料を見ていただければわかるとおり、プレゼンテーターの方々からも、同じようなご指摘がありました。やはり国債は、日本人が持っていると、よくホームバイアスとかいいますが、若干、国債市場安定のためにはプラスであるわけですね、国内の投資家が持っているということは。ただ、それもそろそろ時間が、カウントダウンが始まっているという、そういうご指摘はプレゼンテーションをされた方々からもありました。

〔質問〕 今朝の話も含めて、何か出ているかなと思ったのですけれども。

〔吉川分科会長〕 委員の方からは、そのことについては特になかったと思います。

〔質問〕 長期的な試算は、小委員会で行っていくと。これは、分科会と並行して何回か行っていって、小委員会が分科会に対して、こういう試算を示しますというのを5月までに行うということでしょうか。

〔吉川分科会長〕 もちろん小委員会というのは、分科会のいわば下部組織で、事務局とも協力しながら試算、推計を行って、結果を分科会にプレゼンして、また、財審の委員の皆さんからさまざまな意見をいただくと、そういうことです。

〔質問〕 今日、政務官の挨拶の中では、2020年度の黒字化ということの道筋についてやるものだと、伺っておりますと。そして、吉川会長としましては、黒字化の道筋というものを、まず主な目的として、今回の春の財審ではつくっていく、議論していくということがメインになって、今回、2020年度の黒字化ということと、長期のこととのすみ分けはどのように。

〔吉川分科会長〕 先ほど小委員会でやると紹介したのは、もちろん長期ですよね。それに対して、2020年度というのは、もう政府が公約しているターゲットですから、考えようによっては、今2014年だから6年後、中期という感じかもしれないですよね。しかし、今回、小委員会を設けて考えようというのは、2020年度を超えて、ビヨンドという、そういうことだと思います。特に日本のデモグラフィ、それはお手元の今日の資料の中にもいろいろあると思いますが、それを考えると、もちろん長期的なことも視野に入れながら、2020年度の問題を考えていこうということ。

〔質問〕 先ほどのご質問にもあった考慮すべき事項の3番の経常収支の推移であるとか、それから、2番の一般政府債務と家計金融純資産の差がいずれなくなるとかという指摘が財務省からあったという、これについて会長としてのお考えがございましたら。特に今日も、先ほど国際収支の発表がありましたけれども、双子の赤字になるおそれでありますとか、それから、海外投資家のJGBの保有が増える可能性でありますとか、こういうことに関して会長としてのお考えもお聞かせ願えますでしょうか。

〔吉川分科会長〕 私の考えというのでは必ずしもないですが、今日、もう何人かの委員の方々のご意見として、既に紹介済みですけれども、やはり日本の国債のマーケット、現在非常に安定しているわけですけれども、この安定というのは当たり前のことで、明日も今日と同じようにいつまでも続くのだと、あまり楽観すべきではないというご意見は複数の委員の方々からご指摘があったと思います。

 そうした、ある種の危機感というものはもちろん私もシェアしていますし、だから財政健全化というものを考えなければいけない、それくらいですね。

〔質問〕 吉川先生に確認させていただければ。

 今後の長期の試算というのは、先ほど50年くらいかなとおっしゃっておられたと思うのですけれども、そうすると、今年が2014年で、大体2065年ぐらいまでを描くという。

〔吉川分科会長〕 そこまで機械的に足し算していただくよりも、アバウトでとっていただければと思いますけれども。

〔質問〕 そうですか。それと、手法としては、欧州委員会のFiscal Sustainability Reportにのっとって、このS1、S2を日本でも計算しようと。ただ、ここでいうS1はGDP比60%なのでしょうけれども、これが我が国でも当てはまるかという議論はあると思うので、そこら辺の、多分目標値を変えた上で、基本的にS1、S2を、2050年にかけて債務残高のGDP比を一定に保つというためには、どういう取組みが必要なのだということを描いていくという理解でいいのかということを伺えればと思うのですが。

〔吉川分科会長〕 そこら辺、小委員会がまだできていないものですからね。小委員会をまずつくって、小委員会で、こういうことでやろうと検討するということだと思いますけれどもね。ただ、もうご存じのとおりですけれども、財審では過去においても似たような長期の試算をやっているわけで、それについては、後で事務局から過去の取組みとしては具体的にこういうものをやっていますよというのをご紹介いただければと思います。

〔質問〕 1点、確認なのですけれども、小委員会をつくった上で、5月の取りまとめの段階には分科会に諮って、その取りまとめの中に盛り込むという流れでよろしいのですか。

〔吉川分科会長〕 ともかく、まず小委員会を、できるだけ早く立ち上げて、どういうスケジュールで、どういうふうにやっていくか、最初に試算みたいなものを出すというのは、それもちょっとやってみないとわからないですが、もちろん報告書に向けてやっていくということだと。

〔質問〕 先ほど、2020年度のPB黒字化、大変難しい目標だというご意見が出たようですが、それはどれくらいの委員の方から出たのでしょうか。皆さん、そういう認識をお持ちなんでしょうか。

〔吉川分科会長〕 何人、私ご紹介しましたかね。ただ、難しいということでいえば、そもそも皆さんご承知のとおり、1月に出た内閣府の、政府自身の公の試算でも、消費税率を10%まで上げても、まだ2020年度のターゲットというのはヒットできないということになっているのですからね。それは、何をか言わんやという感じで、2020年度のターゲットというのは非常に厳しい、楽観できないターゲットになっているという、そういう認識じゃないでしょうか。

〔質問〕 では終わります。ありがとうございました。

(以上)

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