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財政制度分科会(平成25年4月26日開催)記者会見

平成25年4月12日
財政制度等審議会 財政制度分科会


 

〔吉川分科会長〕 では、私の方から、財政制度等審議会財政制度分科会、本日15時から3時間コース、3時間、会議やってまいりました。会議の概要をご報告します。

 お手元に資料がいつものように配ってあるかと思います。本日の会議は、2本立てで、会議の冒頭で事務局から20カ国財務大臣・中央銀行総裁会議、G20の声明について、説明していただいた後、当分科会の、我々分科会の委員の富田委員から「財政の持続可能性と国債市場」、それから、今日は外部の有識者の方として、SMBC日興証券の末澤チーフ債券ストラテジストから「財政の持続可能性と国債市場〜我が国及び諸外国の事例と異次元緩和の影響等」について説明をしていただきました。これが前半ですね。

 それから、後半は事務局より社会保障について説明をしていだたきました。それぞれ、プレゼンテーションの後で委員の皆さんからご意見を出していただいた、こういうことです。

 まず、前半の財政の持続可能性と国債市場について、プレゼンテーションの後で委員の皆様方からどういうご発言があったかご紹介いたします。プレゼンテーションの資料は、先ほど申し上げたとおり、皆様のお手元に資料があると思います。いつものように委員のお名前は伏せてご報告しますが、まず、お1人の委員からは、政府の財政に関する見通しということについて、経済の前提が置かれるわけですが、例えば経済成長率等、そうした経済前提は、ややもすると楽観的になりがち、過去の財政政策の経済前提についてしっかりとした検証を行うことが必要だと、こうしたご意見がございました。

 それから、もう1人の委員の方からは、国債市場の安定を確かなものにするためには、国際公約にもなっている財政健全化目標を後ろ倒しにするようなことがあってはならない。具体的には、消費税率の引き上げが現行のスケジュールより後ろに倒されるようなことがあれば、国債市場にも影響が出かねない、そういうことがあってはいけない、財政健全化に向けた取り組みを着実に実施していくことが何より大切だと、こういうご発言がございました。

 以上、お1人の委員の方のご発言です。

 それから、もうお1人の別の委員の方のご発言として、これは最初に紹介した委員の方のご意見に賛成で、セカンドというか、そういうことだと思いますが、経済財政運営を行うに当たって、楽観的な見通しを行うべきでない、見通しを立てるときに、消費者物価の上昇、金利について正確に予想することは大変難しいと、こんなご発言もございました。

 それから、また別の委員の方のご発言ですが、仮に日銀だけが国債の買い手となってしまうというようなことになれば、物価上昇につながる、物価を決めるのは、もはや財政規律であるということを認識し、我々は財政健全化に向けて真剣に取り組んでいかなければいけない。

 同じ委員の方、半分繰り返しですが、物価をコントロールするためには、財政規律を強化するしかない、こういうご発言がありました。

 もうお1人の委員の方からは、債券市場、国債市場で直近ボラティリティーが拡大しているけれども、これは中央銀行の金融緩和により、国債の需給が逼迫すること、もう1つ、物価上昇が見込まれること、以上2つのうち、どちらを重視するかという点でマーケットの意見が分かれるということによって、ボラティリティーが拡大していると考えている。今後、金融緩和の出口をどうするのかという点もあわせて考えると、債券市場でボラティリティーが高まる可能性はある。こんなご意見もありました。

 それからもうお1人の委員の方のご意見は、消費税率をスケジュールどおり引き上げ、2015年度のプライマリーバランス赤字半減を達成し、さらなる議論、検討を行った上で、2020年度のプライマリーバランス黒字化という目標を着実に達成するという、これまで政府が約束してきたことを着実に実施していく必要がある。

 それから、また別の委員の方のご意見ですけれども、財政再建というのは、法律、あるいは制度を整えればそれで達成されるというほど簡単ではない。国民全体が自覚を持つことが大切であると。そのためにも、財政につきわかりやすい議論を繰り返していくことが重要である、こういうご意見がありました。

 それから、もうお1人の別の委員の方のご意見として、財政赤字のつけを金融に回すことになるという、いわゆる日銀による財政ファイナンスの懸念が生じることがないよう、財政規律がそのためにも大事なんだということを、財審として情報発信していくことが大切であると。

 もうお1人の委員の方も、たった今ご紹介した方とほとんどご意見重なりますが、財政制度等審議会として、何よりも国民に向けしっかりとした情報発信を行っていくことが必要であると。

 それから、もうお1人の別の委員の方のご意見として、2020年の財政健全化目標達成に向け、具体的な政策を考えていくことが必要であると。そのためにも、プライマリーバランス黒字化に向けて何を行っていくべきか、ロードマップを示すことが重要である、こうしたご意見がありました。

 以上、前半のですね、財政の持続可能性と国債市場に関連した委員の方々のご意見を紹介しました。

 後半は、先ほどもお話ししましたとおり、社会保障につき、事務局からご説明いただいて、その上で委員の方々からご意見をいただいたわけですが、社会保障についての委員の方々のご意見を紹介させていただきます。

 1人の委員の方からは、社会保障領域、分野におけるプライマリー目標の設定ができないか、こうしたご意見がありました。

 それから、もうお1人の委員の方からは、過去の政策による医療費適正化、これは過去に政府がこうした政策を行うと、これだけ医療費が適正化されるという見通し等を出していたわけですが、その効果も検証すべきであると、こういうご意見がありました。

 それから、財政制度等審議会の報告書をまとめるわけですが、その報告書においては、社会保障分野について、国民の覚悟が必要ということに言及すべきだと、こうしたご意見がございました。

 それから、本日は、社会保障でも、特に医療・介護等について詳しく議論したわけですけれども、中長期的な改革ということでは、かかりつけ医の推進、電子レセプト、後発医薬の使用ですね、これを外国並みの使用水準に早期に達成すると、このような改革を進めるべきだと、こういうご意見がございました。

 それから、また別の委員の方のご意見ですが、国民健康保険の都道府県単位化は非常に重要と。都道府県単位化が遅れると、国保の赤字が将来に先送りされることになってしまうと。総報酬割によって生まれた財源の国保への投入はやむを得ないと考えると、こうしたご意見もございました。

 それから、同じ委員の方のご発言を続けますが、診療介護報酬のめり張りづけに至るまでの誘導という意味合いにおいて、基金はセカンドベストでいいだろうと、こういうご意見もございました。

 それから、あと社会保障につきましては、皆さんご承知のとおり、社会保障制度改革国民会議、清家先生が座長の会議が、今、真剣な議論を続けているわけですが、この会議の議論との関連では、何人かの委員の方から関連したご意見が出ましたので、この点につきましては、何人かの委員の方のご意見をまとめて私の方から紹介させていただきますが、財審としては、もう皆さんよくご存じのとおり、委員の方総意として財政健全化が非常に重要な課題であると、財政規律が大事だと、これは全員一致した意見であるわけです。

 本日の前半の議論というのはそれに関連した議論になったわけですが、一方で、日本の財政赤字、この財政というのは社会保障というのが歳出のサイドで膨張要因として一番大きな問題だというのは、これもまた委員の方々の間で共有されている認識であるわけです。その点はもう皆さんご承知のとおりで、先ほど各委員のご意見を紹介するところで、一番初めでしょうか、ある委員から社会保障領域におけるプライマリーバランス目標の設定ができないかというご意見も出た、もう既に一番初めに社保のところでご紹介したわけですが、こうした共通の認識がある中で、当然財政制度等審議会、我々の分科会としても、清家先生が座長の国民会議の方に大変大きな期待を持っているということです。国民会議の方で大変重要な問題について議論を進めてくれているという認識を持っているわけです。

 その上で、財政制度等審議会の委員の方々のお考えというのは、やはり先ほどからお話ししているような日本の財政の状況、またはその中で社会保障の占める位置ということを考えると、やはりその社会保障の給付についても、いわゆる効率化をすべきところはしなければいけないという認識を持っているわけですから、そうしたことが国民会議でも真剣に議論されるということを期待していると、そういうことだと思います。表現はともかく、そうしたご意見が幾つか出ていると、そういうことであります。

 関連して、各論については、例えばまた個別の委員の方のご意見に戻りますが、医療との関連では、国民会議の議論の中でということですが、診療所の役割についても考えてもらいたい、明記すべきだと、こういうご意見がございました。

 それから、全体として医療の供給サイドの効率化、適正化ということが重要な課題で、そういうことが議論されているわけですが、そのために、例えば基金という形でお金を出すという場合でも、とにかくお金が先にありますという議論では困りますというご意見が幾つかありました。やはり大切なのは、しっかりとした供給体制、効率的な供給体制をつくってもらうということが一番大切なので、お金がとにかくあります、使ってくださいという議論が先に行くのではちょっとおかしいですよという議論が何人かの委員の方から出ました。

 それから、これはまた個別の議論ですが、後期高齢者支援金の負担金に対する全面総報酬割ということについては、これは委員の中には慎重にというようなご意見を持たれている方もいらっしゃいました。しかし、全体としては、この際そういうことで、いずれにしても高齢者の医療をみんなで支えていくということが大切なんだと、それはそれで財政制度等審議会としても多くの委員の方がその点は理解しているということです。

 それから、また、お1人の委員の方のご意見を紹介させていただきますが、社会保障費については、これだけは必ず守らなければいけないという原則、キーワードといったものを見つけて、それを財審としても世の中に発信していかなければいけない、このようなご意見もありました。先ほどからも繰り返しになりますが、財審としては財政再建が非常に大事だと。そのためには、社保の改革というのが欠かせないと。その中で、我々として世の中に一体どういう建設的な情報発信ができるのか、これを考えていこうではないか、このようなご意見だったと思います。

 それから、同じ委員の方が、これはもう本当に個別の論点ですけれども、ジェネリック医薬品の利用については、財政が逼迫している現在において、これを行わない理由はない。積極的に進めるべきだと。

 また、これは国民会議の議論ですかね。皆さんにお配りした国際比較、現在の後発薬の利用状況というのが、日本が概ね40%ぐらいですか。それで次に低い国がフランスの60%、アメリカが90%ぐらいという、後ほど見ていただければ国際比較の表がありますけれども、当面、フランスの60%を目指すということのようなのですけれども、もうちょっと、目指すのであれば、何も下から2番目に低い60ではなくて、いいことであれば、もっと合理的だと、国民が判断して合意できるのであれば、何も自分の前走っている人と追いつくというだけではなくて、目指すのはもうちょっと目指すというのもいいのではないか、こんな議論もありました。

 それから、雇用については、皆さんのお手元の資料の41ページの視点というところでしょうか、積立金の状況、諸外国の制度、保険の受益者が就業者の一部分であること等の観点から、国庫負担については抜本的に見直すべきだという、こういうご意見もございました。

 それから、現在の積立金は少し過大なのではないか、これ以上の国費の投入は問題ではないかというご意見もございました。

 他方、積立金は雇用失業情勢の推移によっては急激に減少する可能性がある、また、雇用保険というのはセーフティネット機能を持っている、労使のほかに国、3者で、みんなで支え合う仕組みが重要である。つまりは、現状、制度として守っていくべきだ。こういうご意見もあったということです。

 大体私の方から社保について、皆さんにご報告するのは以上です。

〔質問〕 委員の方のご意見で、社会保障費におけるPB目標の設定というふうな提案、これは、それに対してほかの委員の方々の反応はどうだったんでしょうか。

〔吉川分科会長〕 それについて、さらにそこから、今日、具体的にこういう議論をやったということはありません。ただ、繰り返しになりますけれども、財審の委員のメンバーの方々、財政再建というのが、日本の財政の状況は非常に厳しくて、財政再建が大切な目標だと。財政再建のためには、社保の改革ということが欠かせないという、この辺はもう共通の理解認識であるわけですね。ですから、繰り返しですけれども、お1人の委員の方が、社会保障の領域においてPB目標の設定ということができないのだろうかという、ご意見として、まさにそういう発言をされたということですね。我々としては、国民会議の方でも、そういうような状況認識を踏まえて、社会保障の給付面についても議論を深めてもらいたいというのが、私たち委員の総意だろうと。

〔質問〕 あと、もう1点、報告書で国民の覚悟が必要と言及すべきだというご意見もあったようですけれども、これ、要は適正化、もっと端的に言えば給付削減、そこまで踏み込むべきだというふうな趣旨での発言だったんでしょうか。

〔吉川分科会長〕 要するに、給付削減て、物によっては、まさに削減になるものがあるのだろうと思うんです。ただ、これは一般論ですけれども、給付のサイドについて効率化、財源が無限にあるわけではないわけですから。むしろ赤字なわけですから。財源が足りないわけですから。その中で知恵を出し合って、みんなで効率化をしていくという、そういうことだと思います。覚悟というのは、その効率化とか、給付面について、限られた財源の下で、よく考えてみようではないかというと、それだけで拒否反応を起こす方も世の中にはあるのだけれども、いや、それでは建設的な議論はできないから、そこはオープンに議論をしていく、それだけの覚悟は国民がやはり持って、建設的な議論をみんなでやっていこう、ドアを開けよう、そういうような趣旨のご発言だったろうと思います。

〔質問〕 すいません、何点か。1点目は、社会保障国民会議の方でやっております、例えば国保の広域化であるとか、あるいは後期高齢者の総報酬割であるとか、これは若干、先ほど、吉川先生のお話だと慎重意見もあったという話があったと思うんですけれども、慎重意見が。慎重意見というのは、どういったものなのかと。逆に言うと、概ね、今日の会合のところでは、委員の方の理解を得たという認識でいいのか。まず、その1点、伺えればと思っております。よろしくお願いします。

〔吉川分科会長〕 高齢者の、国保のところ、保険者が都道府県にということで大体まとまっているという、そういう説明を受けて、それに対しては、一言で言えば賛成というんですか、それでいいのではないかというご意見が何人かの方から出たと思います。

 それから、高齢者のところの、いわゆる全面総報酬割というものについては、これは慎重意見、慎重にという、そういう意見の方もいらっしゃった。ただ、ここで指摘したいのは、財政制度等審議会、我々分科会としては、前に出した報告書でも、それはやるとした上で、今後、それをさらにどういうふうに議論を進めていくのかという、こういう議論をしているわけですから、国民会議の方で、そういう議論をされているのであれば、そこは我々財審と足並みがそろっていないということではなくて、そこはむしろぴたっとそろっているという、そういうことだろうというふうに理解をしています。

〔質問〕 それとあと、先ほど、すみません、不勉強で、社会保障分野のPB目標というのは、これ具体的なイメージとしては、政策、PB対象経費としての社会保障にキャップをかけるという趣旨なのか、それとも社会保障というところだけをとったプライマリーバランスみたいな数字をつくろうという趣旨なのか、ちょっとそこの趣旨、ご説明いただけると幸いです。

〔吉川分科会長〕 これは、結論的には、ちょっとそこのところを詰めて、今日、ご紹介するわけにはいきません。というのは、あくまでもお1人の方が、今ご紹介したとおりの言い方でご意見として述べられて、その後に、議論として、さらに今おっしゃったのはどういうことですか、もうちょっと具体的に説明してくださいとか、ほかの方がご意見を、その点についてコメントされたとかいうことが一切ない。いわば、お1人の方がご紹介した表現で、そういうことを言われたという、それにとどまっていますので、その点について、これ以上説明をすることはできないんです。

 ただ、要は、なぜこの委員の方がそういう表現を使って、そういう意見を述べられたかというと、それはもう何遍も繰り返しているとおり、やはり財政が非常に厳しい、そういう中で社会保障をどういうふうにしていくか、考えていかなくてはいけない。それを何かもう少し具体化したいというのが、それは複数の委員の方々のご意見の中にもあったと思います。

〔質問〕 あと、すいません、吉川先生以前から、経済財政諮問会議の方でご活躍していらっしゃったと思うんですけれども、22日の諮問会議の方で、おっしゃっておられたプライマリーバランスの関係で、菅官房長官の方が、15年という目標、残り2年というところで、達成については柔軟に考える要素があっていいのではないかという発言をされたことが議事録で公開されております。つまり、時期を若干遅らせてもいいのではないかという趣旨だと思うんですが、長く諮問会議の委員をやってこられた吉川先生として、その件についてどういうふうにお考えになられるかという、ちょっと審議会と直接関係ないかもしれませんが。

〔吉川分科会長〕 審議会と関係ないことに、ちょっとお答えするわけにはいかないんですよ。

 ただ、むしろ、今日の記者会見の趣旨、それについては、その点については何人かの委員の方が違う意見、官房長官とは違う意見を述べられていたと思います。つまりは、私は実は、官房長官のご発言というのはフォローしていなかったのですが、何人かの委員の方が、やはり財政規律を守ることが大切で、先ほども紹介したと思いますが、15年半減に向けて、さらにどういう具体的な施策があるのか、考えていかなければいけない。そこを具体化すべきだという発言をされているわけですから、当然、そうした委員の方々のご発言の前提は、政府のこれまでの目標というのを堅持した上で、その上で、さらにそれを実現するためにどういうことができるか考えるべきだ、こういう発言をされていたということです。

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