現在位置 : トップページ > 財務省について > 審議会・研究会等 > 財政制度等審議会 > 財政制度等審議会財政制度分科会 > 議事要旨等 > 会見の模様 > 財政制度分科会(平成25年4月12日開催)記者会見

財政制度分科会(平成25年4月12日開催)記者会見

平成25年4月12日
財政制度等審議会 財政制度分科会


〔吉川分科会長〕 では、私の方から一応、ご説明させていただきます。

 本日の15時より、財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたしました。本日の会議は、基本的に有識者のヒアリングをいたしました。お2人の方から。

 まず、事務局より、お手元に資料があるかと思います、「日本の経済社会構造と財政」、資料について簡単に説明していただいた後、みずほ総研のチーフエコノミストの高田さんの方から、「我が国財政の現状と政策上の課題」というタイトルです。それから、大和総研のチーフエコノミストの熊谷さん、こちらは「経済成長と財政の関係について」というタイトルで、お2人からプレゼンテーションしていただいて、2時間、財審の会議があったわけですが、半分以上、1時間以上ということですね、基本的には事務局の説明の後、このお2人の有識者の方からの資料説明をしていただいたということです。それで、残りの時間、委員の方々から質問、あるいはご意見をいただいた、これが会議の内容です。

 お2人の有識者の方のご意見というのは、お手元に詳しいパワポ資料がありますので、それを見ていただければ一番いいかなと思います。

 そこで、私の方からは、各委員からどのようなご意見が出たかということを紹介させていただきます。慣例によって委員の名前は伏せて、本日は、どういうんでしょう、Aという委員からはということで、全部違う委員からそれぞれのご意見ということですが、まず、お1人の委員からは、事務局の資料、ページ4、これはデモグラフィックな変化、人口年齢構成の変化、皆さんもどこかでごらんになっているデータではないかと思いますが、その資料があったわけですが、ある委員の方から、この資料は、この事務局資料、ページ4にあるようなこの資料、この資料は資料として、実際の社会構造の変化は、この資料にあるよりも、もっと、言ってみれば厳しい変化になるのではないか。厳しいという意味は、出生率や何かがもうちょっと低いとか、そういうことですが、そういう意味で、特に出生率ですが、合計特殊出生率等、やや期待を込めた数値になっているのではないか。過去の実績は推計値よりも低めに出ているので、厳しい状況の方を想定した、いわばストレステストのようなものを財政についても、あるいは社会保障についても行うべきである、こういうご意見がございました。

 それから、もうお1人の別の委員の方からは、貯蓄率の動向、日本の家計貯蓄率の動向との関連で、直近の消費行動を見ても、若年層の購買が少ない。その原因は将来への不安にあるんだ、こういうご意見がございました。

 それから、もうお1人、別の委員の方、これもご意見ということですが、今はいわゆるアベノミクスの3本の矢によるデフレ脱却が最大の課題だと。期待される経済成長が達成され、消費増税を見込んだ場合でも2020年のプライマリーバランス黒字化達成というのは極めて厳しい。3本の矢によってデフレを脱却する、期待される経済成長が達成されたとしてもということですよね。されたとしても、2020年のプライマリーバランス黒字化達成というのは極めて厳しい、そういうことなのだから、やはり早いうちに財政健全化の道筋をつける必要がある。ただ、財政再建には、成長戦略によって実体経済を成長軌道に乗せることも確かに必要だ。

 同じ方ですが、要するに景気回復と経済成長、さらに歳出の抑制に最善を尽くすことによって、どれだけ増税幅を小さくできるかが課題である、こういうご意見でした。

 それから、もうお1人の委員の方、別の委員の方ですが、日本の科学技術予算との関連で、科学技術予算というのは重要なのだけれども、日本の1つの問題は、そうした科学技術が実際の経済の活性化につながらないところが問題だと。つまりは、科学技術といってもいろいろあるわけだから、やはりどういう科学技術かというところが大事で、日本においても国家目標を示した上で、トップダウンで戦略的な科学技術予算の配分、これを行う必要がある。お1人の委員の方のご意見でした。

 もう1人、別の委員の方ですが、金融政策と財政の関係について、これだけ日銀が大胆な金融緩和を行って金利が下がれば、財政的には非常に助かる。そのことはそうなのだけれども、問題はそれが中長期的な財政規律の維持にとって建設的かどうかである。つまり、当面金利は確かに低くなるのだけれども、財政再建というのは10年を超えるような長期的なスパンで考えていかなければいけない課題なのだけれども、そうした中長期的な財政再建の目標に向けて、大胆な金融政策でも、いつまでも続けられないので、出口戦略を考えておく必要もある。こういうご意見ですね。ご意見がありました。

 それから、またもう1人の別の委員の方のご意見ですが、本日の有識者の方のプレゼンテーションの中にもありましたが、それは後で見ていただければおわかりになりますが、消費税の増税ということが非常に重要な問題であるわけですけれども、皆さんよくご存じのとおり、日本では消費税を上げると経済全体がすごく景気が悪くなるとか、マクロ経済が落ち込むという議論が結構あるわけですけれども、有識者の方のプレゼンテーションでは、外国の例を見てみると、そういうことはない。それから、1997−1998年の日本の経験でも、そのときには97年から98年にかけての金融危機、それから、アジアの通貨危機というものの方が主因であって、消費税の増税というのは、97年から98年にかけて日本経済が落ち込んだことの主因ではない。こういうプレゼンテーションがあったのですが、それを踏まえて、あるお1人の委員の方は、専門家の間では、今、私が述べたようなことはかなり共通の理解になっているのだけれども、しかしながら、そうした考えというのは世の中全体で完全にシェアされているわけではない。消費増税によって経済が大きなマイナスの影響を受けるということは必ずしもないということ、あるいは日本の場合には、特に社会保障との関係でいうと、実はできる限り早く増税した方が若い世代には有利であるということなのだけれども、そのことを必ずしも若い世代の人がよく理解しているとも思えない。したがって、こうしたことを、どういうのでしょう、わかりやすく説明するというのですかね、広報活動というのをしっかりやっていかなければいけない。こういうご意見もありました。

 それから、もうお1人、また別の委員の方ですけれども、財政の状況が非常に悪いということは周知の事実でありますけれども、これを改善していくためには消費増税を含む社会保障と税の一体改革を推進していくことが必要だ。財審でも、消費増税による経済に対する悪影響は小さいということを、よく世の中に説明していくことが必要。これは、1つ前にご紹介した委員の方と同じ意見になりますが、そうしたご意見を述べられた方もありました。

 それから、もうお1人、別の委員の方は、財政再建に向けた取り組みとしては、債務残高のGDP比が上昇していく中でも、特に政府がプライマリーバランスの改善にコミットしているということを示すことが市場の安定のためには何よりも大切だ、こういうことを述べられました。

 大体以上です。一番初めに述べましたように、今日はお2人の有識者の方のプレゼンが主で、半分以上の時間、お2人の方のプレゼンを伺って、残された時間、委員の方々がご意見を述べられた。主要なご意見は今紹介したとおりです。

 一応、私からは以上です。

〔質問〕 今日は、今ご紹介いただいたような、それぞれの委員の方々が意見、感想を述べられて、そこからさらに、何というんでしょう、議論を深めたというよりは、それぞれの意見表明、考え方のシェアみたいなところで終わったと。

〔吉川分科会長〕 特に、どういうのでしょう、委員の方々の中で何かの論点について意見が食い違って、そこで立ち入った議論をするというようなことはありませんでした。

〔質問〕 あと、ご紹介いただいた中で、一体改革、消費増税の絡みで、最近も景気、マクロのことを考えれば、増税は一旦先送りした方がいいのではないかという意見もちらほら社会の中で目立っていると思います。それで、それをさらにわかりやすくと、1カ月後を目途の公表にする報告書の中でも、その辺は1つの大きな論点になるのでしょうか。

〔吉川分科会長〕 1カ月後の報告書を今どういうものにするということまでは、ちょっと今の段階ではわかりませんが、しかし、今お尋ねの消費税に関する論点でしょうか、つまり、消費税を上げると経済が大きく冷え込むのではないかということに関して、財審の委員の方々、これは折に触れてこの問題を議論する機会もありましたし、ご意見を述べられる方もあった、また、先ほど紹介したとおり、今日の財審でもその点について意見を述べられた方もあるわけですが、この点に関して財審の委員の方で、消費税、やっぱり経済のことを考えると上げない方がいいのではないかみたいな、タイミングとしてですね、ということを言われている方は1人もいない。むしろ、今日、何人かの方が意見を述べられたように、諸外国の経験を見ると、日本でいう消費税、海外ではご承知のとおり付加価値税、VATと、あれですが、VATを上げるとマクロ経済全体がとにかくマイナスの大きな影響を受けるということは、そういうことはないだろう。日本の97−98年の経験も、今から考えてみると、データを精査してみると、消費税が経済を冷え込ませたというのではないという考え方がほとんどコンセンサスと言っていいと思います。

 繰り返しになりますが、むしろ、そういうことを、お尋ねのように、世の中ではそれが必ずしもコンセンサスになっていないから、そのことを財審としてはわかりやすく説明していく必要があるだろうというのが、財審の委員の方のご意見、コンセンサスと言っていいと思います。

〔質問〕 すみません、最後に1点、次回以降の日程と、次回の主なテーマ、もしおっしゃられる範囲でお願いできますでしょうか。

〔事務局〕 まだ確定はしていないのですけれども、4月にもう1回はやりたいと思っておりまして、今のところは財政の持続可能性と国債市場という見出しといいますか、要はマーケットの観点から持続可能性をどう考えるかという点、それから、最初の初回の資料で、資料7に今後の議論のポイント(案)が入っていたと思うんですけれども、その中でいうと、財政の各論、社会保障、地方財政、公共事業ありましたけれども、その3つのうちどれかを1回ぐらいこなせればと思っております。

〔質問〕 非常に事務的な質問で恐縮なんですが、去年の秋、財政について聴く会という名前に、たしか変更されたかと思うんですが、4月以降、そういう名称を使っていないようですけれども、何か理由はあるのでしょうか。

〔事務局〕 財政を聴く会のときも含め、元々財政制度等審議会財政制度分科会の開催という意味では、ずっと変わっていないのですけれども、それにかぶせたタイトルをつけるかどうかという意味では、新政権の下でそれはしていないということです。

〔質問〕 そもそも論で恐縮なんですけれども、この前の日銀の黒田新体制になって、金融緩和をやって、改めて財政ファイナンスとかいう問題が出てきて、財政の健全化について注目がさらに高まったと思うんですけれども、そういう観点について、会長の方でどう考えているか。財政の健全化の改めて重要性、さらに高まっているのではないかと思うんですけれども、一言、お願いできますか。

〔吉川分科会長〕 紋切り型になってしまって恐縮ですが、ここは私の意見を言う場ではないわけですが、これは私だけでなくて、あれではないでしょうか、改めて、やっぱり金利の動向というのは、非常に日本経済の動向にとって大切なわけですから、財政の問題を真剣に考えなければいけないというのは、これは私だけではなくて、何遍もお話ししているとおり、財政審、あるいは財政審の委員の方のコンセンサスだろうと思うんですね。

 繰り返しになりますが、今日、この点について、お1人の委員の方が、お尋ねの金融政策との関連についてご発言があって、やはり財政再建の道のりというのは中長期的問題なわけですから、中長期的な観点から出口政策についても、しっかりと議論をしておく必要がある。これは先ほどご紹介したことの繰り返しになっていますけれども、大胆な金融政策というのは、いつまでも続くものではないわけだから、しかし、財政の方は、財政再建の道のりは長いわけだから、出口政策についても考える必要がある。これは今日の財審で、ある方が発言された。これは概ね、財政の健全性は大変重要なことだというのは、財審の委員の方々のコンセンサスだと、それはいいと思います。

〔質問〕 今のお話とちょっと関連してなんですけれども、日銀の金融政策、物価目標2%、2年というスケジュール感を示しているんですけれども、そのあたりのところで、2年というところで、例えば出口戦略も絡めて、金利が上昇する懸念というのは、財政に与える影響とか、会長はどのようにごらんになっていらっしゃるでしょうか。

〔吉川分科会長〕 ですから、大変申しわけないけれども、そういう話は、ちょっと今日の財審では出ませんでしたと言うしかないですね。申しわけないです。

財務省の政策