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財政制度分科会(平成25年4月1日開催)記者会見

平成25年4月1日
財政制度等審議会 財政制度分科会


〔吉川分科会長〕 どうも、今日から新しい年度ですが、私、財審の分科会長を務めております東京大学の吉川です。よろしくお願いいたします。

 それでは、本日15時より、財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたしました。本日は、私以外に16名の委員の皆様方が出席してくださいました。皆様方のお手元にもあると思いますが、資料を、予算、それからいわゆる後年度への影響試算、その他資料が大分あるかと思いますが、その資料について事務局より説明をしていただいて、その後、その16名の委員の皆様方の質疑ということが行われた、そういうことでございます。

 資料については、もう皆さんもお手元にあるかと思いますので、もし資料についてご質問があれば、それは小宮課長の方からお答えいただくとして、とりあえず私の方から委員の皆様方のご発言を紹介させていただきたいと思います。

 ここでの慣例としまして、個別の委員の方のお名前は伏せて、委員という形で匿名でご紹介することになっていますが、本日は、先ほどからお話ししているとおり、16名の方のご発言があったのですが、かなり同じ意見、複数の委員の方が同じことを、同じ内容のことを発言されたということがありましたので、そういうところを中心に紹介させていただければと思います。ですから、Aさんがこういうことをおっしゃった、Bさんがこういうことをおっしゃった、そういう形で紹介させていただくことが多いのですが、今日はこういう論点が委員からご発言がありました、そのことについては複数の方から同じようなご意見がありました、こんなような形で内容紹介をさせていただきます。

 お1人の委員から、三本の矢と財政健全化の関係について懸念していると。民間市場では株価が上がってきて、恵みの雨であるということは間違いない。景気がよくなるのはいいんだけれども、やはり財政の持続可能性、このことが気になる。景気がよくなってくると金利動向も心配になる。この金利の動向について、私たちはしっかり見ていかなければいけないということは、複数の委員の方が指摘されました。

 それから、次のポイントですけれども、本日配付されましたいわゆる後年度影響試算、これはお手元見ていただきますと名目3%、1.5%成長、それから、歳出自然体、それから、いわゆる抑制型と、それぞれ2つのケースがありますから、いわばマトリックス的に2掛ける2で4つのケースがあるわけですけれども、いずれにしても、この後年度影響試算、今日の財審で事務局から説明していただいたわけですが、これを見た複数の委員の方から、財政にとって一番好都合のケース、歳出を抑制して経済成長も名目3%ということが実現されても、逆に言えば、そのケースだけがかろうじて15年度でのPB半減目標を何とか達成されるということで、逆に言えば、そうでないと、少なくとも影響試算を見る限りは目標達成が困難になるというような姿になっているということですから、結論的には、15年度半減目標を達成するという意味での財政健全化の道筋というのは、やはり相当厳しい、こういうことは複数の委員の方が指摘されました。

 その同じ論点について、ある委員は、この後年度影響試算を見て、財政健全化目標を達成するのは非常にナローパスであると思ったと。ナローパスという言葉を使われて懸念を示されて、市場の信認を確保していく中で、健全化目標達成の道筋をはっきりさせていくことが必要であると。マーケットの信認をしっかり得ながら、健全化目標に向けて、その道筋をはっきりさせていかなければいけない。

 財政健全化というのは重要な目標だというのは、これはもう財審の委員の皆様全員にシェアされているわけですけれども、その道筋をはっきりさせていくことが必要である。同じことをPB黒字化に向けたシナリオがほしいというような表現をされた方もありました。

 財政健全化に向けた努力の中で、あるいはそれに関連して、経済成長をしさえすれば増税、歳出削減をせずとも財政健全化ができるという意見が、まだ世の中にあるけれども、それは間違っているから、きちんと情報発信していくことが大切である、こういう発言をされた方もあります。これは、財審としては、1月ですか、出しました報告書でも、経済成長というのは、財政の健全化の必要条件であるけれども、十分条件ではない。経済成長は大切なんだけれども、成長しさえすれば、それで自動的に財政の健全化がなされるというわけではないんだということは、既に前の報告書でも明記して、情報発信しているわけですけれども、改めてそうしたご指摘がありました。

 また、全く同じ論点について、経済成長というのは、特に高い経済成長という意味だと思いますが、それはボーナスだというふうに考えるべきだと。それを想定してシナリオを描くというよりは、想定する成長はむしろ低成長で、固めの成長率で、そのもとでも財政は健全化する。結果として、もし成長率が高かったとしたら、それはボーナスだというふうに考えるべきだ。こういうご意見も複数の方からご発言がありました。いわゆる先憂後楽とでもいいますか、そういうような考え方でいかなくてはいけないというご意見でした。

 あとは、財政の健全化が経済成長に一体どういう影響を与えるか。財政を健全化するとなると、どうしても歳出は抑制、歳入増を図るというようなことですから、経済成長にマイナスの影響を与えるという考え方もあるんだけれども、しかし、それとは少し違った次元でリスク管理という問題でもあるんだと。それは、具体的には、ちょうど10年前ぐらいまで続いた不良債権の問題と同じような問題だと。こういうようなこともしっかり説明していかなければいけない。こういうご発言をされた方もありました。

 それから、最後は、これは全てにかかわることですが、財政の問題というのは、やはり国民全てにかかわる問題だと、こういう前提でのご発言だと思いますが、いわゆる専門家だけがわかるような小難しい言葉で情報発信しているだけではだめだ。財政審としても、全ての人にわかってもらえる、理解してもらえるようなわかりやすい言葉で、素人にもわかる言葉で情報発信をしなければいけない、するべきだ、こういうご発言もありました。

 大体、私の方から皆さんにお伝えすることは、そのくらいかなと思います。初めにお話ししたとおり、16人の委員の方々がお話しになったんですけれども、かなり、表現はもちろん違うんですけれども、同じような、異口同音という、そういうようなご発言だったものですから、今日はこういう論点についてのご発言が主だったという形でご説明させていただきました。

 私からは以上です。

〔質問〕 まず、25年度予算案について、政府は引き締まった予算にしたという説明をされているんですけれども、25年度予算案に対しての評価の発言というのはあったんでしょうか。

〔吉川分科会長〕 25年度予算については、今年の1月21日に平成25年度予算編成に向けた考え方という報告書を財審として出しているわけですけれども、これはお1人の委員の方から、当然のご質問だっただろうと思いますが、我々としてはこういう報告書を出したわけだけれども、その後で予算編成が行われたわけですね。それに対して、この報告書がどうインパクトを持って、我々のスピリットが生かされたのかどうかという、そういうご質問がありました。それが25年度予算に関しては、たった1つの質問だったと思いますが。

 それに対して事務局からは、我々の報告書にあるようなことを生かした予算編成を行ったと、そういう質疑応答があったということです。基本的にはそれだけだったと思います。

〔質問〕 あと、三本の矢と財政健全化の関係に懸念ということなんですけれども、具体的な安倍政権の経済財政政策に対する批判のようなご発言というのはあったんでしょうか。

〔吉川分科会長〕 それは、批判的なコメントというのはなかったと思います。一番初めの、今質問されたことについても、もう一度敷衍させていただくと、三本の矢ということで、アベノミクスで株価が上がっているというのを、それは問題だという発言ではないんですよ。株価が上がって、景気が上向いている、経済社会に明るいムードが出てきたのは結構なことだと。それはそうなんだけれども、それで財政健全化の問題、財政の問題というのを忘れちゃいけませんよというのが、複数の方々のご発言の趣旨だったろうと思います。

〔質問〕 最後に1問、今日、小渕副大臣が冒頭の挨拶で、5月中に何かをまとめるというご発言があったんですけれども、具体的にどういう形になるのかをお願いします。

〔吉川分科会長〕 具体的にというのは、今これから船出しようということなんですが、失礼しました、私のほうでむしろ、私の方から最初にご説明すべきだったと思いますが、今日の議題でもう1つ、皆さんのお手元にもあると思います、資料7があると思いますが、今後の議論のポイントというのがあると思います。ですから、この財審の分科会としては、この資料7、今後の議論のポイントにありますとおり、これはもう、紙が皆さんのお手元にありますから読み上げませんが、こういう論点について、今後、分科会で議論を詰めて、それで今、ご質問があった5月末の報告書としてまとめて、大臣にお渡しするという流れで、この財審の分科会は運営されていくということです。

〔質問〕 今後の議論のポイントの関係なんですけれども、5月にまとめるということで、年央の財政健全化の中期目標とか、そこら辺の議論につなげていくという意図があるんでしょうか。

〔吉川分科会長〕 テクニカルなあれは、予定等は課長からご説明いただきますが、我々財審の委員としては、当然、財審での議論が政府の健全化目標、あるいはそれへの道筋、そういうものに生かされることを期待している、そういうことだと思いますが、具体的なスケジュール等については、課長の方から。

〔事務局〕 具体的なスケジュールが決まっているわけではないので、そういう意味では、それ以上それ以下でもないんですけれども、やはり財政の専門家の集まりでもあります財審の方で、今後の中長期的な財政健全化に向けた考え方といいますか、方向性といいますか、取り組むべき課題といいますか、そういうものについてご議論をいただいて、何らかの形で報告をおまとめいただければ、それは大臣を通じて、例えば諮問会議でのご議論ですとか、その他いろいろなご議論に生かせていただけるのではないかと考えています。

 そういう意味で、政府として年央を目途に、今後具体化を図っていく中長期の財政の健全化の道筋といいますか、あり方というものに、うまく議論としてお役に立てればいいなと思っております。

〔質問〕 今のお話に関連してなんですけれども、5月末といいますと、ゴールデンウイークを挟むことを考えると、それほど時間はないかと思いますが、今5点ある今後の議論のポイント、どれぐらいの頻度で会合を開いて進めていくのか、そのイメージみたいなものがあれば教えてください。

〔事務局〕 全体のスケジュール、まだ確定しているわけではないんですけれども、ざくっとしたイメージとして、大体、例年春の財審を開催したときは、6回前後開催しておりまして、6月の頭、もしくは5月中に向けて取りまとめをしていくという、過去の例にならいますと、今回もそういう意味では連休を挟んで複数回ずつやっていくのかなと。だから、頻度でいえば、そういう意味では、平均的にいうと、やはり2週に1回よりはもうちょっと多いのではないかという気がしています。

〔質問〕 今のに関連してなんですけれども、確認なんですけれども、一応、だから、これは年央を目途に財政健全化の、政府が諮問会議なんかでまとめる「骨太の方針」に反映すべく報告するということでいいんですよね。

〔吉川分科会長〕 これは、ですから、先ほどの繰り返しになりますけれども、財政審、委員の皆様方、皆さんそうでしょうけれども、お忙しい中出てこられて、いろいろ積極的に発言されるわけですから、それで報告書をつくる。当然のことですが、その報告書が国の施策や何かに生かされればいいと思って出席もされるし、発言もされているんだと思うんです。ですから、5月末ですか、報告書をつくって、それが麻生財務大臣に渡れば、我々としては当然、それが諮問会議の場なのか、「骨太の方針」なのか、どこかあれですが、そこから先は政府が決められることなんでしょう。しかし、我々委員としては、それがしかるべく生かされる。特に財審ですから、財政の健全化、国債市場の混乱とか、そういうようなことが起きないように、財政健全化への取り組みというのをきちんと国としてやらなくてはだめですよ、政府としてやってくださいというのが財審の総意ですから、それがしかるべく政府の中で生かされることが我々の思い、委員の思いだろうと思います。

〔事務局〕 もう会長のおっしゃったとおりでございます。

〔質問〕 長期金利の動向についてなんですけれども、足元は低水準になっているわけですけれども、やはり懸念の声というか、心配する声があったとご紹介があったんですが、もう少し詳しく、どんなお話があったのか、ご紹介いただけますでしょうか。

〔吉川分科会長〕 いやいや、委員の方々から具体的に今すぐに日本で大変だとか、こうこうこうで危ないとか、そういうあれじゃなくて、一般論ということだと思います。しかしながら、要するに財政の問題というのは、問題と私たち言っているわけですが、プロブレムというのが一番最初に顕在化してくるのがどこかというと、金利だと、これはEUで、いろいろな国の状況を見ていても、我々知っているわけですから、そういう意味で金利動向というのに注意しながら、要は私たちは全く楽観的に構えていていいという状況ではなくて、財政健全化に向けて努力をしていかなくてはいけませんという、それが今日の委員の方々のご発言だったということで、具体的にどうこうというような、それは全然なかったですね。

〔質問〕 5月を目途にまとめる報告書というのは、いわゆる定性的な健全化、提言になるのか、ある程度定量的な中期的な健全化の数値をイメージできるような、そういったものになっていくのかというあたり、今のところどのようにお考えでしょうか。

〔吉川分科会長〕 私たちのところで恐らくは、財審として、政府のほかのところでいろいろプロジェクションや何かやるわけですから、例えば内閣府とか、細かい、プロジェクションをやると、シミュレーションをやるという、そういう話ではないと思いますが、もう少し、そういう意味では定性的ということかなというふうに私は想像しますが、この点も課長の方から、もし何かあれば。

〔事務局〕 まさにご議論次第というところであると思います。ただ、政府としての、いわゆる中長期の試算は、基本的に内閣府が経済の動きも含めて、今後試算作業をされると思いますので、我々の方は基本的に、やはり考え方、哲学、そして取り組むべき課題の再確認からスタートをして、ご議論の末に何らかの報告という形でまとめていくことになるのかなと。現時点では、そのくらいです。

〔質問〕 3つ、すいません、確認なんですが、まず1つ目で、不良債権問題についても、しっかり説明しなければいけないという発言があったということですが、これは、すみません、どういうことでしょうか。

〔吉川分科会長〕 違います、違います。ごめんなさい。先ほど、私があれしたのですよね。もう一度繰り返しますが、要するに、財政健全化の努力が大切である、いいですよね。財政健全化の努力というのは、当たり前ですが、歳出でいえば抑制、歳入増を図る、具体的にはそうなりますね。ところで、スタンダードな経済学の考え方からすれば、それは経済に対してネガティブな影響を与える。そういうことになりますよね。よくないんじゃないかと思う世の中の人もいる。だけど、そうではないんだと。財政健全化というのは、ただ、どういうんでしょう、いわゆる通常の景気の中での歳出抑制、歳入増がマクロ経済に与える影響云々ということではなくて、それとは少し異なる次元でのリスク管理のような側面が大きいのだと。それは、ちょうど不良債権問題の解決と同じようなことだ。つまり、不良債権問題というのは、不良債権の問題を解決していくと、短期的には経済にネガティブな影響が出るというのがたくさんあったんです。失業率が上がるじゃないかとか。では、やらないのかというと、そうではなくて、それを放っておいたから、例えば98年の金融危機や何かが起きてしまった。それは、通常の景気のアップダウンとは少し次元が異なるような問題ということになりますよね。実際、不良債権問題のときには、残念ながら、日本は1998年、それが7年から8年にかけて顕在化してしまったわけですけれども、財政の問題も、それが顕在化するというのが、いわゆる財政破綻ということなんですが、もちろんそんなことになってはいけないということで、そういうことがないように私たちは、とりわけ財審では財政健全化への取り組みが大切だと言っているわけです。

 先ほど紹介しました委員の方のご発言は、今私が敷衍したことでわかっていただけたかなと思うんですが、要は、結論的には、財政健全化へ向けた取り組みをやると、景気に悪い影響が出るからやらない方がいいんじゃないの、無理押ししない方がいいんじゃないのというようなことを言う人もいるけれども、いや、それはちょっと違うんだと。そうではなくて、やはりこれは正面から、今の日本の現状からすれば、真正面からきちんと取り組むべき大切な問題なんだ。ちょうど不良債権問題を、やはり正面から取り組んで解決したのが、後々、日本経済、2000年代に入ってから、とりあえず回復した条件になったのだから、同じようなことだ。

 よろしいでしょうか。ちょっと長くなっちゃったんですが。

〔質問〕 それとあともう1つ、わかりやすい言葉で情報発信すべきというところで、プライマリーバランスという言葉なんですけれども、もちろんよく出てくるので、どういう概念かというのは自分でも勉強したつもりなんですが、普通の人には何回言ってもなかなか、それが一体何を、本当にそれで改善したのか、これで均衡したからと言われても、非常に大きな赤字が残っている中で、いくらプライマリーバランスが均衡したからといってなかなか、心配な気持ちがなかなか抜けないような感じがするんですけれども。

〔吉川分科会長〕 そうですね。わかります。ここにいらっしゃる皆様方はご存じだろうと思いますけれども、プライマリーバランスというのをわざわざ言うのは、結局、財政の指標、いろいろな指標がありますけれども、健全性を見る1つの重要な指標というのがデットGDP比になるわけです。公債のGDP比。このGDP比が今日本でどんどん上がっているわけですが、200%になったというようなデットGDP比ですが、このデットGDP比が上がるか下がるかというようなのは、プライマリーバランスが均衡していれば、そこから先は成長率と金利の大小関係でデットGDP比のアップダウンが決まってくるという意味で、非常に重要なデットGDP比の動向を問題にする以上、重要な指標ということになるわけですが。

 おっしゃったように、普通の意味でのプライマリーでない、財政赤字そのものというのはわかりやすいですよね、それなりに。それに対して、プライマリーというのをわざわざ言うところがわかりにくいという声は、よく聞きます。ただ、にもかかわらずPBというのをなぜ問題にするかというのは、今私が説明したとおりです。世の中と対話をしていく上で、どういう表現がいいのかどうか、そこは宿題かもしれませんね、確かに。ただ、プライマリーバランスというのは大切な指標なんですよ、今ご説明したとおり。

〔幹事〕 よろしいでしょうか。

〔吉川分科会長〕 どうもありがとうございました。

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